JP2643083B2 - 光屈折率格子形成の改良された方法 - Google Patents

光屈折率格子形成の改良された方法

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JP2643083B2
JP2643083B2 JP5315019A JP31501993A JP2643083B2 JP 2643083 B2 JP2643083 B2 JP 2643083B2 JP 5315019 A JP5315019 A JP 5315019A JP 31501993 A JP31501993 A JP 31501993A JP 2643083 B2 JP2643083 B2 JP 2643083B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は光屈折率格子形成の改良された
方法に関する。
【0002】
【発明の背景】光屈折効果は非線形光学材料中において
光誘導電荷再分布を伴い、光学非線形性により内部電界
を生じ、屈折率の局部的変化をひき起こし、その結果動
的で消去可能な、光を回折するホログラムが形成され
る。光屈折効果は材料を例えば同じ2つのコヒーレント
レーザー書込みビームを干渉することにより形成される
明及び暗部からなる光学強度パターンに露光することに
より実現される。材料中に発生する移動性電荷は拡散及
びドリフト過程の影響を受けながら移動して内部空間電
荷電界を形成し、これは電気光学効果により屈折率変化
をひき起こす。これらの光屈折材料における屈折率の変
化は屈折率格子として知られる。屈折率格子は光を回折
し、そしてホログラフ画像の記憶、回折光学要素、及び
光屈折2ビームカップリングを含む多くの応用のために
有用である。
【0003】光屈折効果を示す無機結晶はこの技術分野
で公知であり、例えばGunter及びHuignard,「光屈折材
料及びそれらの応用」、第I巻及びII巻(「応用物理学
における話題」第61巻及び62巻)(Springer,Berl
in,Heidelberg,1988年刊)に記述されている。無
機光屈折結晶は電磁放射の伝送及び制御(位相、強度の
変化、又は伝搬の方向)、並びにホログラフ画像及びデ
ータの記憶ための光学物品に作られている。
【0004】しかしながら、そのような結晶を所望の大
区域試料すなわち薄層デバイス例えば又は多層スタック
の光導波路に作り上げることは技術的に困難である。そ
の上、所望の特性改良例えば光屈折効果の速さ及び/又
は大きさの増加を達成するため結晶材料に大きな濃度の
ドーパントを添加するのは困難であり、それはドーパン
トはしばしば結晶から成長の過程で排除されるからであ
る。
【0005】ある種のポリマー光屈折材料がDucharme
等、米国特許5,064,264(11/12/91発
行)及びSchildkraut等、米国特許4,999,809
(3/12/91発行)により記述されている。これら
のポリマー材料は薄層デバイス例えば光導波路および多
層スタックを作ることができる。その上、それらは容易
に有機物質を添加して光屈折効果を改良することができ
る。
【0006】Schildkrautは増感剤、電荷移送剤、バイ
ンダー及び有機分子双極子からなる層を持つ光屈折装置
を記述しており、前記有機分子双極子は高められた温度
で電界中に分極され、その結果分子双極子の配列は周囲
温度で長時間残存する。この材料は測定した特性に光誘
導変化があることを示しているが、Schildkrautは光屈
折装置を示す光屈折格子の形成を示していない。
【0007】Ducharme等はポリマー、非線形光学発色
団、電荷移送剤、及び場合により電荷発生剤からなる光
屈折材料を記述している。これらの材料はある種の応用
には有用であるが、産業においてはなお、より高い回折
効率を持つ光屈折法が求められている。従って、光屈折
率格子形成の改良された方法を提供することが本発明の
一つの目的である。他の目的及び利点は以下の開示によ
り明らかになるであろう。
【0008】
【発明の要約】本発明はポリマー光学物品を外部電界及
び同じ偏光のコヒーレント電磁放射の2つの交差するビ
ームにさらすことからなる光屈折率格子の形成方法に関
する。ポリマー光学物品はポリマー、電荷移送剤、増感
剤、及び非線形光学発色団(NLO発色団)を含む。電
荷移送剤及び/又増感剤はポリマーに共有結合により付
着していてもよい。NLO発色団は本発明の方法が開始
される前特定に配向されることなくゲスト/ホストとし
てポリマー中に分散される。好ましくは、実質的にすべ
てのNLO発色団は本発明の方法が開始される前無作為
にポリマー中に配向される。この方法は物品のガラス転
移温度に近いか又はより高い温度で始まり、それにより
NLO発色団は一般に全電界に反応しながら動的な動作
で自由に配向することができる。工程の間、NLO発色
団は一部分外部から当てる電界により配向される。しか
しながら、意外なことにNLO発色団は物品中でコヒー
レント電磁放射の交差するビーム及びそれらの増感剤及
び電荷移送剤に対する作用により形成される内部空間電
荷電界によっても配向される。この内部空間電荷電界に
よるNLO発色団の追加的な配向は本発明の方法の回折
効率を高める。NLO発色団の空間的に変化する配向の
ほとんどすべては本発明のこの工程の間に達成される。
【0009】本発明は本発明の方法を使用する情報のホ
ログラフ記憶及びホログラフデータ又は画像記憶装置に
も関する。本発明を以下の詳細な説明により示す。
【0010】
【発明の詳述】本発明はポリマー光学物品を外部電界及
び同じ偏光のコヒーレント電磁放射の2つの交差するビ
ームにさらすことからなる光屈折率格子の形成方法に関
する。本明細書で使用する屈折率格子は物品の光学屈折
率の正弦曲線空間変調を意味するものとする。空間変調
は空間波長及び単位長さ当たりのピーク(又は谷)の数
と定義される空間周波数を持つ。単一の空間周波数成分
を持つ完全な屈折率格子は、各々が完全な平面波で場合
により横方向ガウス強度分布を持つ2つの交差するビー
ムにより作られる。その場合、本発明の方法により作ら
れる屈折率格子の空間周波数は2n sinθ/λに等し
く、この場合λは空気中のレーザーの波長であり、nは
ポリマー光学物品の屈折率であり、そしてθは2つのビ
ームの交差の全角度である。
【0011】いっそう複雑な光屈折回折率格子は各々が
明確な振幅、空間周波数及び空間位相を持つ多数の屈折
率格子のフーリエ重ね合せ(Fourier superposition)
により説明される(例えばJ.W.Goodman著、「フーリ
エ光学序論」(McGraw-Hill,1968年刊)参照)。
そのような屈折率格子は異なる交差する平面波ビームの
セットへの多重露光を使用するか、又は少なくともその
1つが平面波でない交差するビームへの単一露光を使用
する本発明の方法により容易に作ることができる。本発
明の方法を使用する画像又はデータのホログラフ記録の
好ましい方法はその1つが本質的に平面波参照ビームで
あり、他の1つが複雑な情報運搬シグナルビームである
交差するビームにポリマー光学物品を露光することであ
る。本発明の方法を使用して光屈折率格子を作る好まし
い方法はポリマー光学物品を有限の曲率半径を持つ円滑
に変化する波面を持つ2つの交差するビームに露光する
ことである。
【0012】本発明の方法に使用するポリマー光屈折光
学物品は電荷移送剤、ポリマー、増感剤及び非線形光学
発色団を含む。光学物品の第一の成分は電荷移送剤であ
る。電荷移送剤はポリマーに分散させるか、又はポリマ
ーに共有結合させて電荷移送用マトリックスを作ること
ができる。適当な電荷移送剤はDucharme等、米国特許
5,064,264に開示されており、その開示は参照に
より本明細書に組み入れる。好ましい電荷移送剤はヒド
ラゾン、カルバゾール、アミノ置換アリールメタン、ア
リールアミン、及びピラゾリン、オキサゾール、オキサ
ジアゾール、及び正孔移送用アミノ置換スチルベン、及
び電子移送用ニトロ置換フルオレノンである。本発明に
おける使用に適する他の電荷移送剤は当業者によく知ら
れているものであり、例えばMort及びPfister、「ポリ
マーの電子工学特性」(Wiley,1982年刊)に開示
されたものであり、その開示は参照により本明細書に組
み入れる。電荷移送剤はポリマーに結合させて電荷移送
用マトリックスを作るのが好ましい。
【0013】光学物品は一般に少なくとも約50重量
%、好ましくは少なくとも約60重量%、そしてより好
ましくは少なくとも70重量%の電荷移送用マトリック
スを含む。電荷移送用マトリックスのポリマー成分は一
般に約1,000〜10,000,000の分子量Mnを持
つ。電荷移送用マトリックスは入射光ビームの散乱を避
けるため実質的に非晶質であるのが好ましい。この電荷
移送用マトリックスは移動する電荷を移送して物品内部
に空間電荷電界をつくるように機能し、それにより電気
光学効果により局在する屈折率変化を生じる。本発明の
方法における電荷移送用マトリックスとしての使用に適
する電荷移送用ポリマーはポリ(ビニルカルバゾー
ル)、ポリ(シラン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレ
ン)、ポリ(アニリン)、及びこの技術分野で公知の他
の電荷移送用ポリマーを含む。電荷移送剤がポリマーに
結合していないゲスト/ホスト組成物用に適当なバイン
ダーポリマーはポリ(アクリレート)、ポリ(アセテー
ト)、ポリ(イミド)、ポリカーボネート)、ポリ(ス
チレン)、及びこの技術分野で公知の他の透明非晶質ポ
リマーを含む。
【0014】電荷移送用マトリックス中に形成される内
部空間電荷電界はその源として捕捉電子又は正孔に依存
する。多くのポリマー材料において、捕捉部位は偶発的
であり、非晶質ポリマーマトリックス中の欠損及び不純
物による。空間電荷捕捉は所望により光学物品中に捕捉
用物質を計画的に組み込むことにより増大させることが
できる。電荷移送剤が電子供与体の場合、Ducharme等の
例に開示されているように低い酸化能力の第二供与体を
組み込むことにより移送正孔、捕捉部位を与えることが
できる。電荷移送剤が電子受容体の場合、移送電子、捕
捉部位はより大きい電子親和性を持つ第二受容体の組み
込みにより与えることができる。
【0015】光学物品は場合により増感剤も含む。空間
的に変化する内部電界の形成は同じ偏光の2つの干渉す
るコヒーレント光ビームの作用の結果移動性電荷の発生
を必要とする。移動性電荷の発生はある場合においてN
LO発色団における光吸収及びその後の電子−正孔対の
分離により達成され、すなわちNLO発色団は光屈折効
果の間に移動する移動性電荷を発生するように機能する
ことができる。しかしながら、NLO発色団は本発明の
方法においては低い吸収を持つのが好ましい。従って、
光学物品は電磁放射への露光により電荷を発生させるた
め増感剤をドーピングするのが好ましい。場合によって
は増感剤は電荷移送用ポリマー又はNLO発色団との錯
体を形成することができる。本発明の方法における使用
に適する増感剤はトリニトロフルオレノン(TNF)、
フラレン(fullerenes)例えばC 60及びC70、ペリレン
色素例えばペリレンジカルボキシイミド、スクアリリウ
ム色素、電荷移動錯体例えばアントラセン/テトラシア
ノキノジメタン、及び正孔移送用電荷移送剤より大きく
そして電子移送用電荷移送剤より小さい酸化能力を持つ
分子及び好ましくは500nmより長い波長領域に光学吸
収を持つものを含む。他の増感剤としてはこの技術分野
で公知の例えば米国特許5,064,264に開示された
ものであり、その開示は参照により本明細書に組み入れ
る。増感剤又は増感剤及び電荷移送用ポリマー又はNL
O発色団により形成される電荷移動錯体は入射光を吸収
しそして移動電荷を発生する。吸収された1光子につき
増感剤1分子当たり発生する移動電荷の数である移動電
荷発生の量子収率は好ましくは1%より大きく、より好
ましくは10%より大きく、そしてもっとも好ましくは
90%より大きい。一般に、この物品は約0.01重量
%〜約10重量%、好ましくは1.5重量%より少ない
増感剤を含む。
【0016】本発明の方法に使用する光学物品の第三の
成分は非線形光学発色団(NLO発色団)である。NL
O発色団として役立つ有機分子は非対称で分極し、電子
供与基と電子受容基との間で共役するσ又はπ電子を持
つ。NLO発色団は基底電子状態で永久電気双極子モー
メントを持つ。NLO発色団は一般にポリマーバインダ
ー中にゲスト/ホストとして均質に分散させる。本発明
の方法の間に全局所電界(外部電界と空間電荷電界)によ
り配向される場合、NLO発色団は光学物品に高い非線
形光学応答、すなわち0.01pm/Vより大きく好まし
くは0.1pm/Vより大きい1単位電界当たりの光学屈
折率に変化を与える。非ゼロ局所電界が存在する場合、
高い非線形光学係数は光学屈折率に大きな変化を与える
作用をする。
【0017】本発明の方法の間において、配向に感受性
のNLO発色団はそれらが外部作用電界及び内部空間電
荷電界の局所組合せにより動的に配向されるように光学
物品中における十分な回転可動性を持つ。NLO発色団
の回転可動性を試験する多くの方法がこの技術分野で知
られており、例えばG.T.Boyd,C.V.Francis,J.
E.Trend及びD.A.Ender,J.Optical Society of Ame
rica B(1992年)、第8巻、887ページに開示さ
れている。例えば均一な試験電界を除いた後、周波数2
倍第二調和光を時間の関数として測定することができ
る。本明細書で使用するNLO発色団は第二調和シグナ
ルがその最大値の10%以下へ電界除去後100秒以内
に減衰する場合、工程の間配向に感受性である。それは
1秒以内に減衰するのが一層好ましく、1ミリセカンド
以内がもっとも好ましい。
【0018】NLO発色団は非線形性に対して著しく有
害ではなくそしてホストポリマーに対して溶解性及び混
和性のような他の有用な性質を与える可溶化基例えばア
ルキル又はペルフルオロアルキル又はアルコキシで置換
することができる。本発明の方法における使用に好まし
いNLO発色団は 1. (+)−2−(α−メチルベンジル)アミノ−5
−ニトロピリジン(MBANP)、 2. 4−ピペリジノベンジリデンマロノニトニル(P
DCS)、 3. 2−トリフルオロメチル−4−ニトロ−4′−メ
トキシスチルベン(MTFNS)、 4. 1,3−ジメチル−2,2−テトラメチレン−5−
ニトロベンズイミダゾリン(NEEDLE)、及び 5.一般式
【化1】 の置換されたスチレン(式中、Dは好ましくはパラ位に
位置するアルコキシ、アリールオキシ、チオアルキル、
チオアリール、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミ
ノのような電子供与基であり、Ajは1つ又はそれより
多い(i)ニトロ、シアノ、スルホニル、カルボニル、
アルコキシカルボニルのような電子吸引基でありそして
j=1、2又は3でありそしてβtrans、βcis又はα位
でスチレンに付着しており、そして(ii)βtrans位で
付着しているニトロビニル、ジシアノビニル、トリシア
ノビニル及びニトロフェニルのような電子吸引基であ
り、そしてRkはそれらの正確な個性、数及び位置の相
関として発色団の透明性、非線形性及び溶解性に影響を
与えるように導入されるハロゲン、アルキル、ペルフル
オロアルキル及びアルコキシを含む芳香族環の追加の置
換基である)である。PVKホストポリマーにとって、
好ましいスチレンNLO発色団はトランス−3−フルオ
ロ−4−N,N−ジエチルアミノ−β−ニトロスチレン
(FDEANST)である。
【0019】本発明の方法においてはポリマー光学物品
を外部電界にさらす。この外部電界はこの技術分野で知
られている分子双極子及び電界の間の相互作用によりN
LO発色団を一部配向し、電荷キャリア生成の量子収率
を増大し、電荷キャリア運動を促進し、そして内部空間
電荷電界と相互作用して交差するコヒーレント光ビーム
によって作られる干渉パターンのものに等しい空間周波
数成分を持つ屈折率格子を作る。電界を作る方法はこの
技術分野で公知であり、例えば光学物品を透明導電性材
料例えば酸化インジウムスズでコートした2枚の透明な
板の間に置くことにより達成される。適当な外部電界の
値は約0.1V/μm〜500V/μmである。
【0020】本発明の方法において、好ましくは同じ波
長を持つ同じ偏光の2つのコヒーレント光ビームは光屈
折光学物品中で重なる。好ましいコヒーレント光ビーム
源はレーザー及び他の高い時間及び空間コヒーレンスを
持つ光源である。好ましいレーザーはクリプトンイオ
ン、アルゴンイオン、チタニウムサファイア、色素、ダ
イオード及びネオジミウムイットリウムアルミニウムガ
ーネットレーザーである。好ましくは、光は500〜2
000nmの波長を持つ。2つの入射ビームはそれらが光
学物品中で交差するように集束し、すなわち両ビームは
コヒーレンス長さに比較して短い距離の間重なり、そし
て光学物品の照らされる容積は実質的に重複領域からな
る。コヒーレンスの必要条件の結果として、重複領域は
光学干渉パターン、すなわち明暗の光の縞のパターンを
含む。2つのビームが均一な光学強度を持つ場合、縞パ
ターンは明確な空間波長及び単位長さ当たりのピーク又
は谷の数と定義される空間周波数を持つ正弦波の距離依
存関係(sinusoidal dependence on distance)を持
つ。この光パターンは両ビームが同じ波長を持つ場合に
おけるように静止しているのが好ましい。ビームがわず
かに異なる波長を持つ場合、明暗の縞のパターンは電荷
再分配がなお起こりそして移動する縞パターンに追随し
得るようにゆっくり動く。
【0021】光屈折光学物品はそのまま立てるか、又は
導波管、繊維、又は多層スタック中に置くことができ
る。そのような光学物品を作り、外部電界を作り、そし
てコヒーレントレーザービームを物品中で重ねる方法は
Gunter及びHuignard(上記参照)に開示されており、こ
の開示は参照により本明細書に組み入れる。本発明の方
法を開始する前に、NLO発色団は一般にポリマー中に
ゲスト/ホストとして無作為に配向されている。それら
は干渉ビームの空間周波数に相当する空間周波数におい
て実質的な配向を示さない。一般に、NLO発色団は無
作為に配向しており、そして処理温度がポリマーのTg
に近いか又はそれより高い場合全局所電界に反応して配
向することができる。全電界の結果として生じる自由な
分子回転配向を可能にするため、物品の温度(例えば工
程の操作温度)は少なくとも光学物品のTgの下約25
℃を上回るように高いのが好ましく、光学物品のTg
下約15℃より高いのがいっそう好ましくそしてほぼ物
品のTgに等しいか又は高いのがもっとも好ましい。物
品のTgはこの技術分野で公知の方法例えば示差走査熱
量測定法又は動的機械分析により容易に測定することが
できる。物品のTgはホストポリマーのTgに依存し、そ
して電荷移送剤、NLO発色団、増感剤及び溶媒の添加
により低下し、これらはすべて可塑剤として作用するこ
とができる。しかしながら、工程の開始の時点では物品
はNLO発色団の自由で妨害されない回転が可能な温度
にある。工程の間、NLO発色団は外部電界によりそし
て2つのコヒーレント放射の交差するビームにより発生
しそしてその後光生成した電荷の移動による物品中の空
間電荷電界により配向する。空間電荷電界による追加の
配向は本発明の方法の回折効率を実質的に高める。回折
効率は回折ビームにおけるパワーと伝送された読み取り
ビームにおけるパワーとの間の比率を記録することによ
り測定される。本発明の方法は予期しなかった内部空間
電荷電界によるNLO発色団の追加の配向により永久又
は半永久の第二等級非線形光学応答を持つ材料により得
ることができるものより高い回折効率を与える。本発明
の方法は125ミクロンの物品厚さで1×10-5より大
きく、好ましくは1×10-3より大きい回折効率を生ず
る。又、本発明の方法は10-5より大きく、好ましくは
10-4より大きい屈折率格子振幅を生ずる。
【0022】本発明の方法は種々の適用例えば光位相結
合、光ビーム屈折、ホログラフ光データ及び画像記憶、
光相互連結、コヒーレント光増幅、光制限、ビームファ
ニング及び自己位相結合に利用することができる。
【0023】本発明はホログラフ記憶方法及びホログラ
フ記憶装置にも関する(R.J.Collier等、「光ホログ
ラフィー」、16章(Academic Press,1991年刊)
参照)。本発明のホログラフ記憶方法は一般に光屈折光
学物品を外部電界並びに同じ偏光の2つの交差するコヒ
ーレント書き出しビームにさらすことを含む。2つのビ
ームの1つは非情報運搬参照ビームであり、好ましくは
ほぼ平面の同位相波面を持つコリメートされた又は弱集
束ビームである。第二のビームは情報運搬シグナルビー
ムであり、これは一般に複雑な位相波面および複雑な横
強度分布を持つ。データの並列ブロックの形の情報はシ
グナルビームをその横位相又は強度プロファイルを調節
するマスク又はページコンポーザーを通過させることに
よりそれに印加される。光屈折光学物品は屈折率変化の
複雑な三次元空間パターンとしてホログラムを記録する
が、これは各々が明らかな振幅、空間周波数及び位相を
持つ多数の正弦屈折率格子のフーリエ重ね合せと数学的
に同等である。適当な強度の全屈折率変化に達した後、
参照ビーム及びシグナルビームを止める。
【0024】ホログラムに記録した情報は光屈折光学物
品を二重のもとの参照ビームで照らすことにより読み出
すことができる。書き込みプロセスで生ずる屈折率変化
は読み出しビームからの光を回折してもとの情報運搬シ
グナルビームの再構成を形づくり、これは光屈折光学物
品中で始まりそして物品から出て自由空間を伝搬する。
次いで、ホログラフ記録データは標準の光学要素を使用
して再構成ビームを捕捉しそして高分解能検出器アレイ
でページコンポーザーの平面の実像を形成させることに
より回収する。
【0025】光屈折物品が記録されたホログラムの主空
間周波数成分の逆数に比較して厚い場合、複数のホログ
ラムを、参照ビームの入射角度を変えることにより各ホ
ログラムが書き込みプロセスの間参照ビーム及びシグナ
ルビームの別々の交差角度により生じ、それにより光屈
折物品の同じスポットにおいて多重送信することができ
る。次いで、記録プロセスで使用する特定の参照ビーム
を2つにし、同じ入射角を含む読み出しビームで光屈折
物品の同じスポットを照らすことにより選ばれたホログ
ラムを読み出す(D.L.Staebler等、Appl.Phys.let
t.(1975年)、第26巻、182ページに記述され
ているように)。もしくは、多重送信は各参照ビームの
同位相波面をコード化する(C.Denz等、Optics Commun
ications(1991年)、第85巻、171〜176ペ
ージに記述されているように)ことにより、又は参照、
シグナルビームおよび読み出しビームをつくるために使
用するレーザー波長を変えることにより行なうことがで
きる。
【0026】本発明は 1) ポリマー、電荷移送剤、及びポリマー中に無作為
に配向するNLO発色団からなり、そして約70℃より
低く、好ましくは50℃より低くそしてもっとも好まし
くは25℃より低いTgを持つ光屈折ポリマー光学物
品、 2) 物品中で同じ偏光の2つのコヒーレント電磁放射
のビーム(参照ビーム及びシグナルビーム)を交差させ
るための装置、 3) 外部電界を当てるための装置、及び 4) シグナルビームに空間情報を印加するための装置
からなるホログラフ記憶装置にも関する。
【0027】物品中のNLO発色団は工程の操作温度で
配向に感受性である。この装置は参照ビームの位相及び
/又は角度を調節するための装置を備えるのが好まし
い。ホログラフ法記憶の操作パラメーター及びホログラ
フ記憶装置用部品はこの技術分野で公知であり、結晶性
光屈折材料については例えば上述のCollier等の参照文
献に開示されており、その開示は参照により本明細書に
組み入れる。本発明は回折性光学要素の方法及び装置に
も関し、これは(4)を1つ又は両方のビームに所望の
曲率半径を印加するための装置で置き換えることを除い
て記憶の方法及び装置と同様である。
【0028】次の実施例は本発明の方法を詳細に記載し
たもので製造法は上述の概括的に記述した方法の範囲内
にあり、そして例示するためのものであって、本発明の
範囲を限定しようとするものではない。
【0029】合 成 4−ピペリジノベンジリデンマロノニトリル(PDC
S) この化合物はBrunskill等の方法1により製造し、そして
下記の特性値を示した。 mp 125〜126°, 〔lit1 mp 126〜127°〕:1H NMR(CDCl
3)δ1.60〜1.80(brs, 6H), 3.40〜3.60(m, 4H), 6.83
(d, J=9, 2H), 7.41(s, 1H), 7.77(d, J=9, 2H);1 3C N
MR(CDCl3)ppm 24.311, 25.421, 48.037, 71.990, 112.9
69, 114.933, 116.032, 119.670, 134.022, 154.435, 1
57.775。
【0030】3−フルオロ−4−ジエチルアミノベンゼ
ンカルボキサルデヒド 攪拌棒、コンデンサー及び窒素導入孔を備えた250mL
丸底フラスコに3,4−ジフルオロベンズアルデヒド
(25.0g、176ミリモル)、ジメチルスルホキシ
ド(50mL)及びジエチルアミン(38.6g、528
ミリモル)を入れた。生ずる溶液を6時間おだやかに沸
騰させ、この時薄層クロマトグラフィーはすべてのジフ
ルオロベンズアルデヒドが消費されたことを示した。溶
液を冷却し、酢酸エチル及び水と共に分液漏斗に移し
た。相を分離し、有機相を水でよく洗浄し、乾燥(Mg
SO4)し、そしてシリカゲルの短いパッドでろ過し
た。シリカゲル(50g)をろ液に添加し、混合物を濃
縮乾燥した。この物をシリカゲルカラムの頂部に載せ、
ヘキサン中酢酸エチルのグラジエント(0→4%)によ
り溶離した。純粋な画分をロータリーエバポレーターで
濃縮してその後の変換に十分な純度を持つ淡褐色油状物
(31.97g、92%)を得た。 IR(CCl4) 1695cm-11H NMR(CDCl3)δ9.70(s, 1H), 7.4
1〜7.50(m, 2H), 6.78(t, J=8 Hz, 1H), 3.39(q, J=7 H
z, 4H), 1.20(t, J=7 Hz, 6H);13C NMR(CDCl3)ppm 18
9.048, 151.901(d, J=244 Hz), 142.844(d, J=8 Hz), 1
27.880, 126.244(d, 6 Hz), 116.433(d, J=23 Hz), 11
5.316(d, 5 Hz), 45.845(d, J=6 Hz), 12.858(d, J=1 H
z)。
【0031】3−フルオロ−4−N,N−ジエチルアミ
ノ−β−ニトロスチレン(FDEANST) 攪拌棒及び窒素導入孔を備えた500mL丸底フラスコに
3−フルオロ−4−ジエチルアミノベンズアルデヒド
(9.76g、50ミリモル)、ニトロメタン(6.5
g、100ミリモル)、メタノール(50mL)及びエチ
レンジアミン二酢酸塩(0.90g、5.0ミリモル)を
入れた。生ずる溶液を室温で36時間攪拌し、次に氷浴
で冷却し、吸引ろ過により単離した結晶生成物を冷メタ
ノールでよく洗浄しそして風乾した。赤色結晶をメタノ
ールからのもう1回の結晶化によりさらに精製した
(6.46g、54%)。 mp 73.3〜74.0°;1H NMR(CDCl3)δ7.90(d, J=14 Hz, 1
H), 7.46(d, J=14 Hz),7.22〜7.13(m, 2H), 6.77(t, J=
9 Hz, 1H), 3.40(q, J=7 Hz, 4H), 1.21(t, J=7Hz, 6
H), 13C NMR(CDCl3)ppm 152.186(d, J=244 Hz), 141.36
0(d, J=8 Hz), 138.739(d, J=2 Hz), 133.452, 127.32
0, 118.848(d, J=8 Hz), 116.735(d, J=19Hz), 116.51
3, 45.998(d, J=5 Hz), 13.04。 元素分析(C1215FN22として計算): 計算値:C 60.49;H 6.34;N 11.7
5;F 7.97 実測値:C 60.58;H 6.27;N 11.9
7;F 7.97 さらに別の生成物を母液とクロマトグラフィーの組合せ
により得ることができる。
【0032】2−トリフルオロメチル−4−ニトロ−
4′−メトキシスチルベン(MTFNS) 攪拌棒、還流コンデンサー及び窒素導入孔を備えた25
0mL丸底フラスコに2−ブロモ−5−ニトロベンゾトリ
フルオリド(5.40g、20ミリモル)、4−ビニル
アニソール(2.95g、22ミリモル)、NMP(2
0mL)、トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチ
ル]アミン(TDA−1)(0.65g、2.0ミリモ
ル)、炭酸カリウム(4.2g、30ミリモル)及び塩
化パラジウム(0.035g、0.20ミリモル)を入れ
た。生ずるスラリーを140℃まで徐々に加温し、その
温度に4時間保った。次に混合物を冷却し、水(200
mL)を撹拌しながら滴加した。油性水層をデカントし、
さらに追加の水(200mL)で置き換え、生ずる懸濁液
を撹拌し、そして吸引ろ過により単離した黒色固体を水
でよく洗浄し、次いで風乾した。粗生成物をベントナイ
ト粘土(5g)、シリカゲル(5g)及びメチルシクロ
ヘキサン(150mL)を含むエルレンマイヤーフラスコ
に移した。スラリーを撹拌しながら沸騰させ、熱ろ過し
そして冷却してろ液から生成物を淡黄色結晶として単離
した(3.30g、51%)。 mp 120.4〜122.7°;1H NMR(CDCl3)δ8.52(s, 1H), 8.3
5(d, J=9 Hz, 1H), 7.94(d, J=9 Hz), 7.51(d, J=9 Hz,
2H), 7.28(q, J=16 Hz, 2H), 6.95(d, J=9 Hz),3.86
(s, 3H);13C NMR(CDCl3)ppm 160.669, 145.561, 143.0
22, 136.361, 128.812, 128.438, 128.005, 127.502, 1
27.251, 126.439, 129.315, 121.961, 121.864, 120.95
3, 119.581, 114.318, 55.278。
【0033】(+)−2−(α−メチルベンジル)アミノ
−5−ニトロピリジン(MBANP) 公知の単結晶NLO物質であるMBANPを文献の方法
2により製造した。
【0034】1,3−ジメチル−2,2−テトラメチレン
−5−ニトロベンズイミダゾリン(NEEDLE) 250mL丸底フラスコに3,4−ビス(メチルアミノ)
ニトロベンゼン3(0.905g、5.0ミリモル)、酢
酸エチル(125mL)、シクロペンタノン(2.10
g、25.0ミリモル)及びトルエンスルホン酸水和物
(25mg)を入れた。生ずる溶液を蒸気浴で1時間沸騰
させ、次いでシリカゲル(10g)を添加しそしてスラ
リーを濃縮乾燥した。この混合物をシリカゲルカラムの
頂部に載せ、ヘキサン中酢酸エチルのグラジエント(0
→18%)で溶離した。純粋な生成物を含む画分を合併
し、濃縮し、イソプロピルエーテル及びジクロロメタン
の混合物から再結晶して黒色のきらめく針状物質を得た
(1.09g、87%)。 mp 104.8〜107.7;1H NMR(CDCl3)δ7.66(dd, J=2 Hz, 8
Hz, 1H), 6.80(d, 2 Hz, 1H), 5.95(d, 8 Hz, 1H), 2.
88(s, 3H), 2.81(s, 3H), 1.90〜2.05(m, 4H), 1.66〜
1.89(m, 4H);13C NMR(CDCl3)ppm 140.016, 139.997, 1
38.779, 118.792,98.654, 97.471, 95.557, 34.132, 2
7.954, 27.811, 26.063。 (参考文献) 1. Brunskill,J.S.A.,De,A.,Vas,G.M.F.,
Synthetic Communications(1978年)、8巻(1
号)、1〜7ページ 2. Twieg,R.J.,Jain,K.,Cheng,Y.Y.,Crowle
y,J.I.,Azema,A.,Poly.Prep.(1982年)、2
3巻(2号)、147ページ 3. El'tsov,A.V.,Kuznetsov,Zhur.Org.Khim.
(1966年)、2巻(8号)、1482ページ〔Engl
trans,1465〕。
【0035】特許請求の範囲を満足する異なる電荷移送
用ポリマー/NLO発色団/増感剤の組合わせからなる
本発明の方法の特別な実施例を以下に示す。 実施例1 0.25mlの溶媒混合物トルエン/シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送用ポリマーP
VK(Aldrich Chemical Company、第二標準、Mw=1
00,000、Mn=38,000)、19mgの発色団F
−DEANST、及び0.9mgの増感剤TNFを添加し
た。この溶液を120nmの透明導電性材料の酸化インジ
ウムスズ(ITO)をコートした2枚のガラス板に付着
させた。ポリマー混合物を周囲条件下で16時間、そし
て50Cで30ミリトルより低い圧力でさらに6時間乾
燥した。次いでコートした板を140℃で2分間加熱
し、板を一緒に加圧してポリマー混合物をそれらの間に
封じ込めた。この板はその縁に置いた125μmのマイ
ラースペーサーにより平行に保った。得られる試料の光
吸収係数を測定した結果676nmで17cm-1であった。
【0036】光導電性は試料を横切って500Vバイア
スを当て、そして試料を3mmのスポットサイズの100
mWの676nmの単色光で照射した場合において、電流
の増加を測定することにより証明した。これから単位光
強度当たり光導電率σ/Iを測定したところ1.8×1
-12(Ωcm)-1(W/cm2)であった。ポリマーの電気
光学効果は電界を試料を横切って当てた場合の屈折率の
変化を測定する干渉計測定法により測定した。屈折率の
3乗及び電気光学係数γ13の積は試料を横切る2000
Vのバイアス電界を当てて830nmの波長で測定した場
合0.43pm/Vであった。
【0037】光屈折効果は屈折率格子の形成の観察によ
り証明した。この技術分野で公知のように、屈折率格子
の形成は格子から光学回折により発生するビームにおけ
るパワーを測定し、そしてこのパワーを探索用ビームに
おけるパワーで割って回折効率を求めることにより検出
することができる。操作波長は676nmであった。40
00Vのバイアス電界を試料を横切って当てた場合、η
=9×10-3のピーク回折効率が観察された。この技術
分野で公知の方法を使用して屈折率格子の振幅を測定し
た結果Δn=1.5×10-4であった。回折効率が屈折
率格子振幅と試料の厚さとの積の二乗により与えられる
ことはこの技術分野で公知である。
【0038】実施例2 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送用ポリマーP
VK、19mgの発色団PDCS及び0.9mgの増感剤T
NFを添加した。試料をこの溶液から実施例1に記述し
たようにつくった。試料の光学吸収係数を測定した結果
676nmで20cm-1であった。実施例1に記述した条件
で測定した結果、σ/Iは2.1×10-12(Ωcm)-1
(W/cm2)そしてn3γ13は0.23pm/Vであった。光
屈折効果は屈折率格子から回折効率を測定することによ
り証明した。操作波長は753nmであった。試料を横切
って4000Vのバイアス電界を当てた場合、η=3.
7×10-3のピーク回折効率が認められた。
【0039】実施例3 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送ポリマーPV
K、19mgの発色団MBANP、及び0.9mgの増感剤
TNFを添加した。試料をこの溶液から実施例1に記述
したようにつくった。試料の光学吸収係数を測定した結
果676nmで11cm-1であった。実施例1に記述した条
件で測定した結果、σ/Iは1.4×10-12(Ωcm)-1
/(W/cm2)そしてn3γ13は0.07pm/Vであっ
た。光屈折効果は実施例1に記述のように証明した。操
作波長は753nmであった。試料を横切って4000V
のバイアス電界を当てた場合、η=1.7×10-4のピ
ーク回折効率が観察された。
【0040】実施例4 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送ポリマーPV
K、19mgの発色団MTFNS、及び0.9mgの増感剤
TNFを添加した。試料をこの溶液から実施例1に記述
したようにつくった。試料の光学吸収係数を測定した結
果676nmで11cm-1であった。実施例1に記述した条
件で測定した結果、σ/Iは4.6×10-12(Ωcm)-1
/(W/cm2)そしてn3γ13は0.15pm/Vであっ
た。光屈折効果は実施例1に記述した方法により証明し
た。操作波長は753nmであった。試料を横切って40
00Vのバイアス電界を当てた場合、η=1.2×10
-5のピーク回折効率が観察された。
【0041】実施例5 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン
(容量で80%/20%)に38mgの正孔移送ポリマー
PVK、19mgの発色団F−DEANST、及び0.1m
gの増感剤C60を添加した。試料をこの溶液から実施例
1に記述したようにつくった。試料の光学吸収係数を測
定した結果676nmで6.5cm-1であった。実施例1に
記述した条件で測定した結果、σ/Iは1.7×10-12
(Ωcm)-1/(W/cm2)そしてn3γ13は0.38pm/
Vであった。本発明の方法を753nmの操作波長を使用
して証明した。試料を横切って4000Vのバイアス電
界を当てた場合、η=1.1×10-3のピーク回折効率
が観察された。
【0042】実施例6 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送用ポリマーP
VK、19mgの発色団F−DEANST、及び0.1mg
の増感剤ペリレン色素を添加した。試料をこの溶液から
実施例1に記述したようにつくった。試料の光学吸収係
数を測定した結果676nmで4.2cm-1であった。実施
例1に記述した条件で測定した結果、σ/Iは1.7×
10-13(Ωcm)-1/(W/cm2)そしてn3γ13は0.4
8pm/Vであった。753nmの操作波長で試料を横切っ
て4000Vのバイアス電界を当てた場合、η=4.0
×10-5のピーク回折効率が観察された。
【0043】実施例7 0.25mlの溶媒混合物トルエン−シクロヘキサノン(容
量で80%/20%)に38mgの正孔移送ポリマーPV
K、19mgの発色団NEEDLE、及び0.1mgの増感
剤C60を添加した。試料をこの溶液から実施例1に記述
したようにつくった。試料の光学吸収係数を測定した結
果676nmで6.3cm-1であった。実施例1に記述した
条件でただし753nmで測定した結果、σ/Iは6.1
×10-14(Ωcm)-1/(W/cm2)そしてn3γ13は0.
24pm/Vであった。屈折率格子形成を実施例1に記述
した方法を使用して検出した。操作波長は753nmで
あった。試料を横切って4000Vのバイアス電界を当
てた場合、η=1.5×10-3のピーク回折効率が観察
された。
【0044】本発明を特定の実施態様に関連して記述し
たが、これらは本発明を制限するものではなく、その思
想と範囲から逸脱することなく種々の実施態様、変更及
び修正を含むことは明白であり、そしてそのような同等
の実施態様は本発明の範囲に含まれるものと理解される
べきである。
【0045】以上本発明を詳細に説明したが、本発明は
さらに次の実施態様によってこれを要約して示すことが
できる。 1.ポリマー光学物品を(i)外部電界及び(ii)コヒ
ーレント電磁放射の2つの交差するビームにさらしてN
LO発色団を配向させそして1×10-5より大きい屈折
率格子振幅を持つ屈折率格子を形成させることからなる
光屈折率格子の形成方法において前記物品は電荷移送剤
及び処理の間配向に感受性であるNLO発色団からなる
ことを特徴とする方法。 2.ポリマーがポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シ
ラン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、又はポリ
(アニリン)である前項1記載の方法。 3.非線形発色団が置換されたスチレンである前項1記
載の方法。 4.非線形発色団が3−フルオロ−4−N,N−ジエチ
ルアミノ−β−ニトロスチレンである前項3記載の方
法。 5.非線形発色団が2−(α−メチルベンジル)アミノ
−5−ニトロピリジン、又は2−トリフルオロメチル−
4−ニトロ−4′−メトキシスチルベンである前項1記
載の方法。 6.物品がさらに増感剤を含む前項1記載の方法。 7.ポリマー、電荷移送剤及びポリマー中に無作為に配
向するNLO発色団からなるポリマー光学物品を(i)
外部電界及び(ii)コヒーレント電磁放射の2つの交差
するビームにさらしてNLO発色団を配向させそして1
×10-5より大きい屈折率格子振幅を持つ屈折率格子を
形成させることからなる回折性光学要素の形成方法。 8.ポリマーがポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シ
ラン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、又はポリ
(アニリン)である前項7記載の方法。 9.非線形発色団が置換されたスチレンである前項7記
載の方法。 10.非線形発色団が3−フルオロ−4−N,N−ジエ
チルアミノ−β−ニトロスチレンである前項9記載の方
法。 11.非線形発色団が2−(α−メチルベンジル)アミ
ノ−5−ニトロピリジン、又は2−トリフルオロメチル
−4−ニトロ−4′−メトキシスチルベンである前項7
記載の方法。 12.物品がさらにフラレン、トリニトロフルオレノ
ン、又はペリレン色素から選ばれる増感剤を含む前項7
記載の方法。 13.ポリマー、荷電移送剤及びポリマー中に無作為に
配向するNLO発色団からなるポリマー光学物品を
(i)外部電界及び(ii)コヒーレント電磁放射の交差
する参照ビーム及びシグナルビームにさらしてNLO発
色団を配向させそして1×10-5より大きい屈折率格子
振幅を持つ屈折率格子を形成させることからなるホログ
ラフ記憶方法。 14.ポリマーがポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ
(シラン)、ポリ(パラ−フェニレンビニレン)、又は
ポリ(アニリン)である前項13記載の方法。 15.非線形発色団が置換されたスチレンである前項1
3記載の方法。 16.非線形発色団が3−フルオロ−4−N,N−ジエ
チルアミノ−β−ニトロスチレンである前項15記載の
方法。 17.非線形発色団が2−(α−メチルベンジル)アミ
ノ−5−ニトロピリジン、又は2−トリフルオロメチル
−4−ニトロ−4′−メトキシスチルベンである前項1
3記載の方法。 18.物品がさらにフラレン、トリニトロフルオレノ
ン、又はペリレン色素から選ばれる増感剤を含む前項1
3記載の方法。 19.a.約70℃より低いTgを持つポリマー、電荷
移送剤及びポリマー中に無作為に配向するNLO発色団
からなる光屈折ポリマー光学物品、 b.外部電界を物品に当てるための装置、 c.物品中でコヒーレント電磁放射の2つの交差するビ
ームを作るための装置、及び d.放射のビームの1つに空間情報を印加するための装
置からなるホログラフ記憶装置。 20.さらにビームの位相を調節するための装置を含む
前項19記載の装置。 21.さらにビームの角度を調節するための装置を含む
前項19記載の装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドナルド・マツクスウエル・バーランド アメリカ合衆国カリフオルニア州95126. サンホゼー.ユニバーシテイアベニユー 1670 (72)発明者 ウイリアム・エスコー・マーナー アメリカ合衆国カリフオルニア州95120. サンホゼー.ベルダードライブ1003 (72)発明者 スコツト・マイクスナー・サイレンス アメリカ合衆国カリフオルニア州94536. フリーモント.ベルデンテラス3238.ア パートメント ナンバー222

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 70℃より低いTgを持つ電荷輸送用ポ
    リマー及び該ポリマー中に無作為に配向するNLO発色
    団を含むポリマー光学物品を(i)外部電界及び(ii)
    コヒーレント電磁放射の2つの交差するビームにさらし
    てNLO発色団を配向させそして1×10-5より大きい
    屈折率格子振幅を持つ屈折率格子を形成させることから
    なる回折性光学要素の形成方法。
  2. 【請求項2】 70℃より低いTgを持つ電荷輸送用ポ
    リマー及び該ポリマー中に無作為に配向するNLO発色
    団からなるポリマー光学物品を(i)外部電界及び(i
    i)コヒーレント電磁放射の交差する参照ビーム及びシ
    グナルビームにさらしてNLO発色団を配向させそして
    1×10-5より大きい屈折率格子振幅を持つ屈折率格子
    を形成させることからなるホログラフ記憶方法。
  3. 【請求項3】 a.70℃より低いTgを持つ電荷輸送
    用ポリマー、及び該ポリマー中に無作為に配向するNL
    O発色団からなる光屈折ポリマー光学物品、 b.外部電界を物品に当てるための装置、 c.物品中でコヒーレント電磁放射の2つの交差するビ
    ームを作るための装置、及び d.放射のビームの1つに空間情報を印加するための装
    置からなるホログラフ記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記NLO発色団は、3−フルオロ−4
    −N,N−ジエチルアミノ−β−ニトロスチレン、2−
    (α−メチルベンジル)アミノ−5−ニトロピリジン、
    及び2−トリフルオロメチル−4−ニトロ−4'−メト
    キシスチルベンからなる群から選択されることを特徴と
    する請求項3記載のホログラフ装置。
  5. 【請求項5】 前記電荷輸送用ポリマーは、ポリ(ビニ
    ルカルバゾール)、ポリ(シラン)、ポリ(パラフェニ
    レンビニレン)、及びポリ(アニリン)からなる群から
    選択されることを特徴とする請求項3記載のホログラフ
    記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記光学物品は、増感剤をさらに含むこ
    とを特徴とする請求項3記載のホログラフ記憶装置。
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