JP2640618B2 - 防災方法 - Google Patents

防災方法

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JP2640618B2
JP2640618B2 JP5288573A JP28857393A JP2640618B2 JP 2640618 B2 JP2640618 B2 JP 2640618B2 JP 5288573 A JP5288573 A JP 5288573A JP 28857393 A JP28857393 A JP 28857393A JP 2640618 B2 JP2640618 B2 JP 2640618B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/32Materials not provided for elsewhere for absorbing liquids to remove pollution, e.g. oil, gasoline, fat
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    • A62LIFE-SAVING; FIRE-FIGHTING
    • A62DCHEMICAL MEANS FOR EXTINGUISHING FIRES OR FOR COMBATING OR PROTECTING AGAINST HARMFUL CHEMICAL AGENTS; CHEMICAL MATERIALS FOR USE IN BREATHING APPARATUS
    • A62D1/00Fire-extinguishing compositions; Use of chemical substances in extinguishing fires
    • A62D1/0007Solid extinguishing substances
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Thermal Sciences (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可燃性液体または有害
な気体を発生する液状化学薬品の流出事故による火災や
災害防止と防除する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地上での可燃性液体の流出事故を処理す
るには、真珠岩を焼成したパーライト粉末や乾燥砂を可
燃性液体にかけて吸収させて回収する方法が用いられて
いる。また、水面上に流出した可燃性液体を処理するに
はオイルフェンスを用いて流出範囲の拡大防止措置を行
うと共に、油中和剤の散布や油吸着マット等を使用して
処理する方法が用いられている。
【0003】 また、 可燃性液体による火災に対しては、
消火に水を用いると水の急激な気化によって炎が急激に
拡大する状況を呈し、二次的被害を招くことから、界面
活性剤やタンパク泡等で燃焼面を覆い、消火する方法が
用いられている。
【0004】 パーライト粉末や乾燥砂を可燃性液体にか
けて吸収させて回収する方法では、このパーライト粉末
は軽いので、強風時には飛散して効率的な散布や回収が
難しく、さらに、降雨時には雨水も吸収してしまうため
に、効率的に可燃性液体のみを選択的に吸収することが
できない。また、このパーライト粉末は独立気孔を有す
るので、水面上では水に浮いてしまい沈まないので流出
の拡大を阻止できない場合があるのみならず、可燃性液
体から発生する引火性ガスの発生を抑制できない問題が
ある。
【0005】 乾燥砂では、風による飛散はないが、単位
容量当たりの吸収量が小さく使用量が多くなるという問
題があり、降雨時や水面上の可燃性液体に対しては使用
できず、引火性ガスの発生は抑制できない。
【0006】 また、可燃性液体の燃焼を泡で消火する場
合では、強風時や水面上での火災に対して、泡の効率的
な散布が難しく、特に水面上での火災に対しては、泡に
よって燃焼面を覆うことが困難な状況で、有効な手段が
ない現状にある。
【0007】 濃アンモニア水や濃塩酸のような有害な気
体を発生する液体の流出事故に対しては、水による希釈
や中和剤の散布が行われているが、流出範囲を拡大し、
無害化するためには多量の水や中和剤を必要とし、後処
理に問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地上や水面
上に流出した引火の恐れのある可燃性液体、その燃焼中
の可燃性液体、または地上に流出した有害な気体を発生
する液状化学薬品を、吸収させ流出の拡大を阻止すると
共に、水没させて可燃性液体あるいは液状化学薬品から
の蒸気の発生を抑制または遮断することによって、災害
の拡大を防止したり、さらに消火したりすることによ
り、従来の方法よりも確実かつ効率的な方法を提供する
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、地上に流出し
た引火の恐れのある可燃性液体、または有害な気体を発
生する液状化学薬品や地上で燃焼中の可燃性液体に、連
通気孔の気孔率50%以上で見掛け単位密度1g/cc
未満のけいそう土焼成粒を散布して、該けいそう土焼成
粒に前記の可燃性液体あるいは液状化学薬品を吸収
せ、流出拡大防止と可燃性液体あるいは液状化学薬品か
らの蒸気の発生を抑制せしめ、注水することによって水
没させ、可燃性蒸気あるいは有害な気体の発生遮断、さ
らに、可燃性液体の燃焼を消火する防災方法にある。
【0010】 本発明は、水面上に流出した引火の恐れの
ある可燃性液体や水面上で燃焼しつつある可燃性液体
に、連通気孔の気孔率50%以上で見掛け単位密度1g
/cc未満の親油処理したけいそう土焼成粒を散布し
て、該けいそう土焼成粒に前記の可燃性液体を選択的に
吸収させ、水没させることによる流出拡大防止と、可燃
性液体からの蒸気の発生を抑制せしめ、水没させること
によって該蒸気の発生を遮断して消火する防災方法にあ
る。
【0011】 本発明で処理対象とする可燃性液体とは、
ガソリン、軽油、灯油等のような液状油脂、アセトン、
ベンゼン、トルエン等の有機溶剤がある。また、液化天
然ガス等の液化ガスは、即時に気化するので処理できな
い。有害な気体を発生する液状化学薬品としては、濃ア
ンモニア水、濃硝酸等である。また、液体酸素、液体水
素、液化アンモニア、液化塩素などは即時に気化するの
で処理できない。
【0012】 本発明に用いるけいそう土焼成粒は、けい
そう土を円形の孔から押し出し、ドライヤーで乾燥しつ
つ自然に折れて適当な長さとなったものを焼成したもの
であるので、その長さは、折れ方が一定しないことと、
輸送や取り扱いの際に壊れるものがあるので、直径に対
する長さの比(アスペクト比)は大部分が所定の範囲の
ものであれば、使用に差し支えはない。親油処理は、け
いそう土焼成粒にシリコーン油を含浸せしめ、乾燥する
等の公知の方法で行う。
【0013】
【作用】けいそう土焼成粒として、本発明で連通気孔が
50%以上、好ましくは60%以上で見掛け単位密度
(単粒を測定した値)が1g/cc未満のものを使用す
るのは、連通気孔が50%未満で、見掛け単位密度が1
g/cc以上では、可燃性液体や液状化学薬品の吸収量
が少なく、可燃性液体や液状化学薬品を連通気孔に十分
吸収させてから、水没させることが困難となるからであ
る。また、けいそう土焼成粒のかさ密度(粒の集合体の
密度)は、0.45〜0.65程度のものが好ましい。
【0014】 水面上に流出した引火の恐れのある可燃性
液体や水面上で燃焼しつつある可燃性液体に、親油処理
をしたけいそう土焼成粒を使用するのは、可燃性液体を
選択的に吸収させるためである。このけいそう土焼成粒
の真比重が2.3であることから、可燃性液体を選択的
に吸収したけいそう土焼成粒は、可燃性液体の吸収によ
り見掛け単位密度が1g/ccより大きくなり水中に沈
下する。
【0015】 可燃性液体や液状化学薬品を吸収させたけ
いそう土焼成粒を水没させる方法としては、地上では、
可燃性液体や液状化学薬品を吸収させたけいそう土焼成
粒の周囲を土のうや吸水性ゲル水のう等で囲み、堰を作
り、その中に注水することにより行う。この水没させた
けいそう土焼成粒は、水に吸水性高分子化合物を散布し
てゲル化させ、ゲル中にけいそう土焼成粒を取り込ませ
て回収する。
【0016】 このようにして、可燃性液体や液状化学薬
品を吸収させたけいそう土焼成粒を水没させるのは、可
燃性液体や液状化学薬品から発生するガスを水中に閉じ
込めて、引火性ガスや有毒ガスの発生を遮断させ、ま
た、消火させるためである。
【0017】 けいそう土焼成粒の直径及び長さは、風に
より飛散せず、可燃性液体や液状化学薬品を速やかに吸
収せしめるために、直径1〜10mmでアスペクト比
0.5〜3程度のものがよく、特に水面上で処理を行う
場合には、直径4〜6mmのものがよい。また、直径4
mm未満では、可燃性液体を吸収した後、粒同士が空気
を巻き込み団粒化し、水に沈みにくくなり、直径6mm
を超えると吸収に時間がかかるようになるので好ましく
ない。
【0018】
【実施例】実施例1 500mlビーカーにトルエン50mlを入れ、ビーカ
ーに蓋をして内部のトルエン蒸気をポンプによりサンプ
リングバッグに採取し、ガスクロマトグラフによりトル
エン蒸気の濃度を測定した。この濃度を100%とし
た。次に直径4mmで大部分のアスペクト比が0.5〜
3のけいそう土焼成粒、及びシリコーン油を含浸させて
乾燥することにより親油処理した同様のけいそう土焼成
粒、並びにパーライト粉末を、それぞれトルエンを吸収
するに必要な量をビーカー内に投入し、トルエンを吸収
した時のトルエン蒸気の濃度を同様にして測定し、トル
エンのみの蒸気濃度と比較した。次にそれぞれに水30
0mlを加えてビーカー内の水面上のトルエン蒸気の濃
度を同様にして測定し、トルエンのみの蒸気濃度と比較
した。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】けいそう土焼成粒は、親油処理したもの
も、していないものもパーライトと比較して、蒸気の発
生を抑制していることが顕著に現れている。また、注水
後には親油処理したけいそう土焼成粒は、水に沈みトル
エン蒸気の発生を遮断していることが確認された。
た、親油処理していないけいそう土焼成粒は、連通気孔
内に吸収したトルエンと水が接触することからトルエン
が水に溶ける状況となることから、水没後においても蒸
気の濃度が若干検出されたが、パーライトと比較すると
蒸気の発生抑制が高いことが確認された。 一方、パーラ
イト粉末は水に沈まないため、蒸気の発生抑制の面では
効果が低いことが確認された。
【0021】 実施例2 500mlビーカーに濃度28%のアンモニア水を50
ml入れ、蓋をして10秒後にビーカー内のアンモニア
濃度をアンモニア検知管により測定し、次に実施例1と
同じ親油処理をしていないけいそう土焼成粒、及びパー
ライト粉末をアンモニア水を吸収するに必要な量を投入
し、蓋をして、10秒後、1分後、10分後のビーカー
内のアンモニア蒸気濃度を測定し、さらに、測定後、水
300mlをビーカー内に注入し、アンモニア蒸気濃度
を測定した。その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】けいそう土焼成粒及びパーライト粉末共に
吸収させただけでは、放出速度に差はあるもののアンモ
ニア蒸気の発生を低下させる効果はないが、水を入れる
と、けいそう土焼成粒は水に沈むが、パーライト粉末は
水に沈まないため、けいそう土焼成粒を投入した場合に
はアンモニア蒸気の発生が水によって抑制され、濃度が
低下することが確認できた。
【0024】 実施例3 オイルパンにガソリン2lを入れ、これに親油処理した
実施例1と同じけいそう土焼成粒6lを散布して吸収さ
せた後、着火し燃焼状態とした。続いて注水したとこ
ろ、急激な炎の拡大もなく、ガソリンを吸収したけいそ
う土焼成粒は水に沈み、水面上に残っていた少量のガソ
リンは水面上で燃焼していたが、ガソリンを吸収してい
ないけいそう土焼成粒水面上に浮き上がり、水面に浮
いているガソリンを吸収して水に沈、水面上のガソリ
ンが無くなり自然鎮火した。
【0025】 実施例4 水を張ったオイルパンにガソリン2lを入れ、水面上に
ガソリンが浮いている状態とし、次いで親油処理した実
施例1と同じけいそう土焼成粒をガソリンが水面上に無
くなるまで散布し、着火を行ったが引火は起こらなかっ
た。水面上のガソリンを吸収した親油処理けいそう土焼
成粒は水に沈み、水面上にガソリンが無くなると親油処
理けいそう土焼成粒は水面上に浮いている状態となり、
作業が終了したことが確認できた。この時の水面上10
cmの位置でのガソリン蒸気の濃度は、ガソリンのみの
時で20〜60%、散布後で0%であった。
【0026】 実施例5 乾燥したコンクリート平面上に、ガソリン200lの入
ったドラム缶を横倒しとしてガソリンを流出させ、流出
と同時に、実施例1で用いた親油処理をしていないけい
そう土焼成粒を農業用粒剤散布機で散布し、流出したガ
ソリンを吸収させた。その後、その周囲を吸水性ゲル水
のうで取り囲み堰を作り、その堰内に注水し、ガソリン
を吸収させたけいそう土焼成粒を水没させた。
【0027】 一部水面上に浮遊しているガソリンは、親
油処理したけいそう土焼成粒を散布し、水面上で吸収さ
せ水没させた。この時、水面上のガソリン蒸気の濃度を
測定したが、ガソリン蒸気は殆ど検出されなかった。次
に吸水性高分子化合物を散布して全体をゲル化し、引火
の危険性を抑制した状態で回収することができた。
【0028】 実施例6 縦5m、横4m、深さ2mのコンクリート製貯水槽に、
1.7mの深さに水を入れた。その中にガソリン200
lを注いだ。その時の表面のガソリン層の厚さはおおよ
そ1cmであった。その後、親油処理した実施例1のけ
いそう土焼成粒を散布し、水面上のガソリンを吸収させ
て水没させた。この時の水面上のガソリン蒸気の濃度を
測定したが、ガソリン蒸気は殆ど検出されなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、地上や水面上に流出し
た引火の恐れのある可燃性液体、その燃焼中の可燃性液
体、または、地上に流出した有害な蒸気を発生する液状
化学薬品を、吸収させ流出の拡大を阻止すると共に、水
没させて可燃性液体あるいは液状化学薬品からの蒸気の
発生を抑制または遮断させて、災害の拡大防止と防除、
および火災を消火したりすることを従来よりも安全で確
実かつ効率的に行える。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上に流出した可燃性液体または有害な
    気体を発生する液状化学薬品に、連通気孔の気孔率50
    %以上で見掛け単位密度1g/cc未満であって、可燃
    性液体あるいは液状化学薬品を吸収して、見掛け単位密
    度が1g/ccを超え、粒の直径が1〜10mmで大部
    分のアスペクト比が0.5〜3からなるけいそう土焼成
    粒を散布して、該けいそう土焼成粒に前記の可燃性液体
    または液状化学薬品を吸収させ、可燃性液体あるいは液
    状化学薬品からの蒸気の発生を抑制せしめ、注水するこ
    とによって形成される水層中に水没させて該蒸気の発生
    を遮断することを特徴とする防災方法。
  2. 【請求項2】 地上で燃焼中の可燃性液体に、連通気孔
    の気孔率50%以上で見掛け単位密度1g/cc未満で
    あって、可燃性液体を吸収して、見掛け単位密度が1g
    /ccを超え、粒の直径が1〜10mmで大部分のアス
    ペクト比が0.5〜3からなるけいそう土焼成粒を散布
    して、該けいそう土焼成粒に前記の可燃性液体を吸収
    せ、可燃性液体からの蒸気の発生を抑制せしめ、注水す
    ることによって形成される水層中に水没させて該蒸気の
    発生を遮断して消火することを特徴とする防災方法。
  3. 【請求項3】 水面上に流出した可燃性液体に、連通気
    孔の気孔率50%以上で、見掛け単位密度1g/cc未
    満であって、可燃性液体を吸収して、見掛け単位密度が
    1g/ccを超え、粒の直径が4〜6mmで大部分のア
    スペクト比が0.5〜3からなる親油処理したけいそう
    土焼成粒を散布して、該けいそう土焼成粒に前記の可燃
    性液体を吸収させ、可燃性液体からの蒸気の発生を抑制
    せしめ、水没させることによって該蒸気の発生を遮断す
    ることを特徴とする防災方法。
  4. 【請求項4】 水面上で燃焼中の可燃性液体に、連通気
    孔の気孔率50%以上で、見掛け単位密度1g/cc未
    満であって、可燃性液体を吸収して、見掛け単位密度が
    1g/ccを超え、粒の直径が4〜6mmで大部分のア
    スペクト比が0.5〜3からなる親油処理したけいそう
    土焼成粒を散布して、該けいそう土焼成粒に前記の可燃
    性液体を吸収させ、可燃性液体からの蒸気の発生を抑制
    せしめ 、水没させることにより該蒸気の発生を遮断し、
    消火することを特徴とする防災方法。
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