JP2637896B2 - フリーアクセス床の床板、支持脚間の導電性維持方法 - Google Patents

フリーアクセス床の床板、支持脚間の導電性維持方法

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JP2637896B2
JP2637896B2 JP5137498A JP13749893A JP2637896B2 JP 2637896 B2 JP2637896 B2 JP 2637896B2 JP 5137498 A JP5137498 A JP 5137498A JP 13749893 A JP13749893 A JP 13749893A JP 2637896 B2 JP2637896 B2 JP 2637896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フリーアクセス方式の
床を構成する床板それぞれが、長期間の使用後にも良好
な接地状態に維持され、相互間の良好な導通も維持され
るように、新規設置時のみならず、既設のフリーアクセ
ス床に対しても其の改善を容易に施工可能にするフリー
アクセス床の床板、支持脚間の導電性維持方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子機器を設置する際に、電源からの配
線や、機器相互間の接続、特に、電子機器の入替えや配
置変更に伴う各種配線の敷線作業を容易にするために、
建家本来の床面から少し離して、四角な金属板にプラス
チック板を貼ったものを配列して形成させた、フリーア
クセス床構造が広く用いられている。フリーアクセス床
は、四角な金属板の上面に適度の導電性を有し静電気帯
電防止効果があるプラスチックタイルを貼った床板と、
その床板の四隅を支え、かつ、フリーアクセス床面と建
家本来の床面との間の上記各種配線ケーブル敷線の空間
の高さを調整するための金属製の支持脚とで構成され
る。なお、床板の金属板にはアルミニウム系の軽合金の
ダイカスト製品が多く用いられ、その場合、荷重強度を
向上させるために、裏面には各辺に平行な壁状の梁が多
数形成されている。建家本来の床面は、通常、建家の構
造材で一部は地中かなり深くまで達している鉄骨と、コ
ンクリートとで形成され、接地状態にあると見做せる。
上記支持脚は下端が上記接地状態にある建家本来の床に
接触して、フリーアクセス床板を接地する役目も有す
る。また、フリーアクセス床板裏面を支持脚で支持する
部位には、緩衝兼導電部材として、床板と支持脚との間
に介在して両者間を導通状態にすることができる導電性
ゴムシートを支持脚上面に載置してある。図4は、従来
のフリーアクセス床の構造を示す断面図である。図中、
1はフリーアクセス床板、1aはプラスチックタイル、
1bは床板裏面の凹部、2は支持脚、2aは爪、3はゴ
ムシートである。爪2aは床板裏面の凹部1bの中へ入
り込んでいて、床板1が本来の位置から大きく外れて脱
落するのを防止するのに役立つ。
【0003】上記のように、フリーアクセス床板や支持
脚はそれぞれ導電性金属により形成されており、相互間
も導通状態になるように施工されている。しかし、長期
間使用していると、多数回の振動、衝撃、摺動などによ
る摩耗や鋳物の経年変形などで、隣接する各部材の間に
隙間が生じてくる。また、床板表面のプラスチックタイ
ルの汚れを防止するために油性ワックスを塗布するが、
床板相互間の隙間からワックスが下方へ浸透し、各部材
間の接触面に絶縁膜を形成することがある。床板や支持
脚の相互間に隙間が生じたり、接触面に絶縁膜が形成さ
れたりして、床板相互間、床板と支持脚間の導通状態が
損なわれると、一部の床板は、隣接する床板や支持脚に
対して絶縁状態になって、電気的に浮いた状態となる。
図5に示すように、絶縁状態になった床板の上を人間が
歩行したり、荷物運搬用台車が移動すると、床板との間
の摩擦によって静電気が発生し、絶縁された床板に静電
気を帯電させ、帯電した電荷量が多くなり、隣接する床
板との間に高い電位差が生ずるようになると、遂には床
板間の隙間で静電気放電が発生するようになる。静電気
放電が発生すると、放電時に電磁波が放射され、静電気
放電個所に近接して敷線されている電子機器間の相互接
続用ケーブルに電磁波が伝搬結合し、伝導性ノイズとな
ってケーブルを伝わって電子機器に侵入し、電子機器の
動作に悪影響を及ぼすことが容易に推定される。かかる
状態を図6に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、フリー
アクセス床で静電気放電が発生した際に、実際に其の床
の上に配設した電子機器に如何なる悪影響を及ぼすかを
確認するために、試験を行った。試験方法は、図7に示
すように支持脚の上に、2枚の床板の双方の特定の辺が
平行かつ極く僅かな隙間(約1mm以下)を隔てて対向
するように配置し、一方の床板は支持脚との間が絶縁状
態になるように設置し、他方は基準大地面に接続する。
また、2台の電子機器を、床板直下に敷線したケーブル
の両端に接続して、相互間接続用ケーブルで接続する。
このような配置にして、絶縁状態の床板に任意の電圧を
発生可能な直流高圧電源の端電極を接続し、上記2枚の
床板間に直流電圧を印加して、上記床板間の僅かな隙間
に静電気放電を発生させる。放電電圧約2kVで電子機
器が誤動作することを確認した。さらに実験室内ではな
く、電子機器が配置された通常の電子計算機室の1枚の
床板を上記試験方法のように絶縁状態にして静電気放電
させたところ、絶縁状態の床板の下に敷線された相互間
接続用ケーブルの末端に接続された機器も、放電電圧約
2kVで誤動作することを確認した。上記試験方法を用
い、床板直下にシールドケーブルを敷線し、フリーアク
セス床板からの静電気放電発生時にシールドケーブルの
信号線に誘起された電圧を測定する試験を行った。この
試験結果から床板間の放電電圧約2kVのとき、誘起電
圧のp−p値が約300Vになることを確認した。この
試験では図8に示すような等価回路になっている。シー
ルドケーブルのケーブル端が適切なシールド構造になっ
ていない場合、例えばケーブル端でシールド(金属細線
編組)がアースと未接続のとき、編組をケーブル端で束
ねている(編組を束ねた部分が1cm程度でも)とき、
編組とアースが一点で接続されているときには、編組に
流れる電流により、ケーブル端の信号線と編組間の浮遊
容量にノイズ電圧が発生する。また、電子機器に使用さ
れる集積回路、例えばTTLの場合の、ノイズマージン
は約0.7Vであるから、ケーブルの信号線に約300
Vのノイズ電圧が誘起されれば当然誤動作すると考えら
れる。
【0005】そこで、図9に示すように、シールドケー
ブルのシールド端を適切なシールド構造にした。即ち、
シールド端は、それぞれ、両端部の銅製のコネクタボッ
クスに結合させた。このような状態で上記と同様な試験
を行った。この試験結果から放電電圧約2kVのとき、
誘起電圧のp−p値が約5Vとなることを確認した。こ
の結果からシールドケーブルの端部が適切なシールド構
造になっていれば、信号線に誘起されるノイズ電圧を約
1/100程度に抑えられることが判った。しかし、相
互間接続用ケーブルが必ずしも適切なシールド構造にな
っていない既存の電子機器に対しては、シールド構造の
強化が困難であるため、フリーアクセス床での静電気放
電が発生しないように、フリーアクセス床板間の導通状
態が損なわれない対策が必要となる。フリーアクセス床
板の隙間で火花放電が生ずるためには、公知のパッシェ
ンの法則から上記程度の隙間で1気圧の大気中では、帯
電による電位差が327V以上必要なことが判る。しか
し、帯電電圧が327V以下であっても、フリーアクセ
ス床板が衝突した場合には、電荷の移動が起こり、放射
ノイズを発生させる。フリーアクセス床板が絶縁状態で
あれば、上記のように数kVまで帯電するが、絶縁状態
ではなく、107Ω程度のインピーダンス(実際には抵
抗が大部分)で床板が接地されている場合(支持脚上部
と床板の間に導電性ではあるが高抵抗の緩衝材が存在す
る場合)も瞬間的には帯電する。しかし、この場合に
は、フリーアクセス床板の静電容量と接地抵抗によって
定まる時定数によって放電し、やがて帯電電圧は0とな
る。しかし、帯電電圧が0にまで低下する以前に、隣接
床板との衝突が起これば、やはりノイズを発生させるこ
とになる。そこで、この事実を確認するための試験を行
った。図7に示した絶縁状態のフリーアクセス床板に1
7Ωの高圧プローブを接続し(床板にプローブを接続
することにより107Ωで接地したことと同様にな
る)、強制的に人体を帯電させ、絶縁状態の床板にのっ
たときの床板の帯電電圧をディジタル・ストレージ・オ
シロスコープで測定した。この試験の結果、人体の帯電
電圧が2kVのとき、床板は約300Vの電圧になるま
で帯電することを確認した。また、床板の接地抵抗が高
くなるにつれ、帯電電圧も高くなることも確認した。フ
リーアクセス床板の導通状態(接地抵抗)が107Ω程
度であると、床板の帯電電圧は火花放電するほどの電圧
までには至らないものの、帯電した床板が隣接する床板
に衝突した場合は、床板の帯電電圧は最高約300Vで
あるが、シールド構造のケーブルではシールド内部の信
号線に誘起されるノイズ電圧は約0.3V程度になるこ
とが測定された。かなり低い電圧ではあるが、電子機器
に使用される集積回路、例えばECLの場合のノイズマ
ージンは約0.1Vであるから、上記のように、たとえ
シールドの効果によってノイズ電圧が低減されたとして
も、やはり誤動作するものと考えられる。従って、フリ
ーアクセス床板の衝突によるノイズ電圧を、電子機器の
誤動作を引き起こさない程度に抑制するためには、フリ
ーアクセス床板の導通状態(接地抵抗)が107Ωでは
不具合で、更に導通状態を良好にしなければならない。
本発明者は、フリーアクセス床板と支持脚間の電気抵抗
の値として望ましい範囲を求めるために、(a)図7に
示す構成で一定の電圧に帯電させた絶縁状態の床板を、
接地した床板に衝突させ、そのとき被試験ケーブルに誘
起されるノイズ電圧の最大値を測定する実験と、(b)
床板と基準大地面(グランドプレーン)との間の電気抵
抗を一定に保ち、一定の電圧に帯電させた人体が、数種
類の履物をはいて、床板面上を歩行したときに床板に帯
電する電圧の最大値を測定する実験を行った。前記
(a)項の実験データから、被試験ケーブルに誘起され
る最大電圧が電子機器に使用されている集積回路のノイ
ズマージンを越えない範囲で、許容できる床板の帯電電
圧を求めた。次に、前記(b)項の実験データから、許
容できる床板の帯電電圧を超えない範囲の、床板と支持
脚間の電気抵抗の値を求めた。以上の結果から、実際の
現場における人体の帯電電圧の最大値や、電子機器相互
を接続する信号ケーブルの構造等の不確定要素を加味
すると、フリーアクセス床板と支持脚間の電気抵抗の値
は104Ω以下にするのが望ましい。
【0006】なお、静電気放電の際の放電電流は、振動
波形となるが、放電電圧が高い場合と低い場合を比較し
てみると、100MHz位までの成分は放電電圧に略比
例して大きいが、それ以上に高い周波数成分は、意外に
も、むしろ放電電圧が低い場合の方が大きい。これが上
記のように300V程度の放電によって生じた静電気放
電でも、電子機器に誤動作させる原因かとも考えられ
る。
【0007】絶縁状態のフリーアクセス床板の上を、人
間が歩行したり、荷物運搬用台車が移動することによっ
て、床板が帯電することを既に述べたが、実際にどれ位
の電圧まで帯電するかを測定する試験を行った。絶縁状
態の床板の上(プラスチックタイル上面)をスリッパ
(底の絶縁性の高いもの)でこすったとき、床板は約2
kVの電圧まで簡単に帯電することが確認された。ま
た、絶縁状態の床板が帯電していない場合に、帯電させ
た物体(アクリル板表面をこすって帯電させたものな
ど)を床板に近付けただけで、床板の隙間で静電気放電
が発生することも確認された。上記各種試験結果から、
フリーアクセス床からの静電気放電が簡単に発生するこ
とと、その静電気放電の発生が電子機器の動作に悪影響
を及ぼす事実を確認した。本発明は、上記のような電子
機器の動作に悪影響を及ぼす静電気放電が発生しないよ
うにすることができる、フリーアクセス床の床板、支持
脚間の導電性維持方法を提供することを課題とする。ま
た、本発明に際しては、従来通常の方法で施工したフリ
ーアクセス床を長期間使用している間に、静電気放電に
よる電子機器の障害が発生するようになった場合に、比
較的簡単な作業と安価な材料費で、所望の状態に改善で
きる方法にすることを目標とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明においては、四角な金属製床板の裏面に、床板
の各辺に平行に下方へ突出させた壁状態の下端を、床板
の各頂点の近傍で接地用導電部材としても作用する金属
製支持脚の上部平面が支え、前記壁状体に囲まれた内側
に生じた凹部に前記金属製支持脚上部に支持脚と一体に
形成されている爪が係合して床板の脱落を防止するよう
に構成したフリーアクセス方式の床の、床板、支持脚間
の導電性を、床板、支持脚双方それぞれに電気的に接触
する、弾性導電体を介在させることにより、維持させる
ようにする。弾性導電体として代表的なものは、実際に
は、例えば、良好な弾性をもつステンレス鋼線をストロ
ーク(変形に対する復元力が作用する寸法範囲)の長い
コイルバネに巻いたもので、アルミニウム系合金のダイ
カストの支持脚や床板との接触部では、両者の硬度がか
なり異なるから、振動中にバネがダイカスト表面を削り
とって新鮮な表面で接触する。板状パッドもストローク
は長く、接触部の状態は同様になる。昔から使用されて
いる弾性ゴム板はストロークは精々板厚程度であるか
ら、使用中の振動が大きくなると(特に長期間の使用中
に所謂ウェザリングにより弾性劣化があって)役に立た
なくなる。なお、弾性導電体として、発泡性樹脂に導電
性をもたせたものがあるが、これを利用する場合は、介
在通電路を形成するための接触部で、アルミニウム系合
金ダイカストを削りとるようなことは期待できないが、
床板裏面の補強用梁に囲まれた凹部に発泡性樹脂を強く
圧縮した状態で押し込み、凹部内壁面に広い面積で接触
させ、これに支持脚上部の爪を深く押し込み、密着接触
部の広い面積で良好な(低抵抗の)接触状態を稼がせ
る。壁状の梁は、実際には例えば40mm近く突出して
いるので、上から落下してくるゴミとか、流化してくる
ワックスなどが、梁を乗り越え重力に逆らって、梁に囲
まれた凹部に侵入することはできない。
【0009】
【作用】上記のような手段をとれば、フリーアクセス床
板や支持脚は、それぞれ、従来と同様なものを、そのま
ま(新品に取替えずに継続して)使用しながら、床板と
支持脚との間、それに伴って床板相互の間に、抵抗の低
い通電経路が並列に介入形成され、しかも此の経路の抵
抗は、床板と支持脚の相対位置が長い使用期間中の振動
などにより変動しても、この程度の変動(実際には最大
でも1mmを越えることは殆どない)では充分床板の接
地抵抗や床板同士の間の抵抗を、長期間にわたって低い
値に維持できる。従来、支持脚上部の平坦面に載置して
床板から下方に突出した壁状体(梁)の下端を支持させ
ていた導電性ゴムシートは、緩衝性はあるものの、薄い
ために床板の大きな上下動には追随できず、かつ長期使
用中には所謂ウェザリングによる弾性劣化の影響もあっ
て、この部分で導電性が低下する傾向がみられたが、そ
の上に、金属製でストロークも長い板状パッドを重ねて
用いれば、床板の位置変動に対する追随性は遥かに良好
になり、しかも、パッド自体の電気抵抗は極めて低い。
なお、従来一般に、絶縁された部材に帯電したとして
も、帯電電荷量は僅かであるから、その電荷を電流とし
て流せば、放電電流値は僅かであっても極めて短時間内
に簡単に除去できる、従って接地回路の抵抗は(落雷対
策などを除けば)余り低くなくても差し支えないという
考えがあった。しかし、既述の如く、フリーアクセス床
の場合には、本発明者の上記各種実験から判ったところ
では、接地回路の抵抗が104Ωを超えるのは好ましく
ない。この数値を超えると、床板が帯電した時の電圧
が、もし隣接床板間で放電すると電子機器になんらかの
障害を与える恐れが生ずるようになる。本発明に従っ
て、フリーアクセス床の床板と支持脚の間の導電性維持
を図っていれば、長期間にわたって、上記上限値を超え
ないようにすることができる。
【0010】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を説明するための
断面図である。図1(a)中、1はフリーアクセス床
板、1aはプラスチックタイル、1bは支持脚側の爪と
対応して脱落防止に役立つ四角な床板裏面の頂点近傍に
梁に囲まれて生じた凹部、2は支持脚、2aは支持脚上
部に設けられた爪、3は支持脚上部平面に載置された緩
衝兼導電用のゴムシート、4は下方が爪2aに係合して
いるコイルバネである。
【0011】図1(b)は、フリーアクセス床の使用中
の状態を示す図で、凹部1bの側壁の下端部が、支持脚
上部平面に載置された緩衝兼導電材であるゴムシートに
よって支承されている。コイルバネ4の上端は床板の凹
部1bの底面に当接している。コイルバネ4の自由長は
充分長く、使用状態ではそれが充分圧縮されているか
ら、床板1が上方に変位した時でも、コイルバネ4によ
る通電路の抵抗は依然として低い。なお、支持脚やフリ
ーアクセス床板は、既述のように、通常アルミニウム系
合金のダイカスト製品で其の表面は余り硬くなく、他方
それに接触しているコイルバネはステンレス鋼など硬度
の高い材料で作られているから、振動などがあると、ア
ルミニウム合金側に多少酸化膜などが形成されかけてい
ても、バネにかじられて常に新鮮な表面で接触する傾向
がみられる。上記のようにコイルバネ4は、床板の振動
に対応して大きく伸縮できる。これに対し、従来のゴム
シート3は弾性はあるけれども、薄く、コイルバネ4の
ように大きく伸縮することはできない。しかも、ゴムシ
ートは長期間の使用中に、所謂ウェザリングで次第に硬
くなり、そのためにも伸縮可能な量は短くなる。これが
従来のフリーアクセス床板が長期間の使用中に、支持脚
との間の導電性が失われて絶縁状態になるものが生ずる
一因と思われる。
【0012】図2は本発明の第2実施例を説明するため
の断面図である。図2(a)中、6は従来からの導電性
ゴムシート3の上に重ねて用いられている金属製で弾性
に富む板上パッドで、その他の符号は図1の場合と同様
である。図2(b)は、フリーアクセス床の使用状態を
示す図である。図2(c)は板状パッド単独の上面図で
ある。この板状パッド6は弾性金属線で作ったコイルバ
ネの両端を繋いでリング状にしたものを、既述のように
各コイルを斜め横に押し倒したような形にして用いる。
床板裏面の凹部1(b)の壁状の梁の下端が板状パッド
6に支持されているが、上記のように弾性金属製の板状
パッド6はゴムシート3に比べれば遥かに大きく伸縮
し、床板1が上方に大きく(実際には1/10mm台が
精々で1mmにもなれば随分大きい方である)変位した
時でも追随して上に伸びるので、床板裏面の凹部1
(b)の側壁面下端と板状パッド6とで形成される通電
路の抵抗は依然として低い。床板が長期間の使用による
摩耗やダイカストの反りなどによる変形で、ゴムシート
3だけでは伸縮量不足で接触不良になるような場合で
も、この板状パッド6は床板の変位に追随して伸縮可能
なので接触不良は生じない。図3は本発明の第3実施例
を説明するための断面図である。図3(a)中、床板や
支持脚に関する符号は図2の場合と同様で、5は導電性
発泡樹脂(ウレタン)部材である。導電性発泡樹脂材料
として従来から炭素粉を樹脂に混入させたものが多く利
用されているが、これは長期間の使用中に炭素粉が脱落
して塵埃となり、それが電算機室の空調の空気流によっ
て室内に流れ込み、電算機の冷却系統に吸い込まれる恐
れがあるので好ましくない。図3(b)は、フリーアク
セス床の使用状態を示す図で、爪2aの上端部が導電性
発泡樹脂部材5の中に深く食い込んでいるので、床板1
が上方に変位した時でも、爪2aと導電性発泡樹脂部材
5によって形成される通電路の抵抗は依然として低い。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
リーアクセス床の床板と支持脚との導通状態を、長期間
にわたり過酷な条件下でも、良好な状態に維持すること
が可能になり、しかも、フリーアクセス床の新規着工時
のみならず、既設のフリーアクセス床の床板に導通不
良、静電気放電などの不具合が生じたときでも、床板の
導通状態を良好なものに改善するための工事を容易に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明するための断面図で
ある。
【図2】本発明の第2実施例を説明するための断面図で
ある。
【図3】本発明の第3実施例を説明するための断面図で
ある。
【図4】従来のフリーアクセス床の構造を示す断面図で
ある。
【図5】従来のフリーアクセス床を長く使用しているう
ちに、絶縁状態になった床板の上を人間が歩行したり、
荷物運搬用台車が移動すると、遂には隣接する床板の間
の隙間で静電気放電が発生するようになることを説明す
るための図である。
【図6】静電気放電の発生時に電磁波が放射され、その
電磁波が近くの電子機器間の相互接続用ケーブルに伝搬
結合し、伝導性ノイズとなってケーブルを伝わって電子
機器に侵入し、電子機器の動作に悪影響を及ぼすことを
説明する図である。
【図7】本発明者等が、フリーアクセス床で静電気放電
が発生した際に、実際に其の床の上に配設した電子機器
に如何なる悪影響を及ぼすかを調べるために行った試験
の方法を説明するための図である。
【図8】床板直下にシールドケーブルを敷線し、フリー
アクセス床板からの静電気放電発生時にシールドケーブ
ルの信号線に誘起された電圧を測定する際の試験回路図
である。
【図9】シールドケーブルのシールド端部を、それぞ
れ、両端部の銅製のコネクタボックスに結合させた適切
なシールド構造にして、フリーアクセス床板からの静電
気放電発生時にシールドケーブルの信号線に誘起された
電圧を測定する際の試験回路図である。
【符号の説明】
1…フリーアクセス床板、 1a…プラスチックタイ
ル、 1b…床板裏面の凹部、 2…支持脚、 2a…
爪、 3…ゴムシート、 4…コイルバネ、 5…導電
性発泡樹脂部材、 6…板状パッド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋永 孚彦 東京都千代田区内神田二丁目14番6号 日立電子サービス株式会社内 (56)参考文献 実開 昭56−19644(JP,U)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】四角な金属製床板の裏面に、床板の各辺に
    平行に下方へ突出させた壁状体の下端を、床板の各頂点
    の近傍で金属製支持脚の上部平面が支え、前記壁状体に
    囲まれた内側に生じた凹部に前記金属製支持脚上部に支
    持脚と一体に形成されている爪が係合して床板の脱落を
    防止するように構成したフリーアクセス方式の床の、床
    板、支持脚間の導電性を、上記凹部の内面および爪それ
    ぞれに電気的に接触する弾性導電体を介在させることに
    より維持させるようにしたことを特徴とするフリーアク
    セス床の床板、支持脚間の導電性維持方法。
  2. 【請求項2】四角な金属製床板の裏面に、床板の各辺に
    平行に下方へ突出させた壁状体の下端を、床板の各頂点
    の近傍で金属製支持脚の上部平面が支え、前記壁状体に
    囲まれた内側に生じた凹部に前記金属製支持脚上部に支
    持脚と一体に形成されている爪が係合して床板の脱落を
    防止するように構成したフリーアクセス方式の床の、床
    板、支持脚間の導電性を、前記壁状体の下端および支持
    脚上部平坦面それぞれに電気的に接触する金属弾性体
    介在させることにより維持させるようにしたことを特徴
    とするフリーアクセス床の床板、支持脚間の導電性維持
    方法。
  3. 【請求項3】前記支持脚上部の爪に、コイルバネの一端
    を係合させ、バネの他端を支持脚側の爪に対応して床板
    の頂点近傍に生じている凹部の底面に当接させたことを
    特徴とする請求項1記載のフリーアクセス床の床板、支
    持脚間の導電性維持方法。
  4. 【請求項4】支持脚上面の平坦部上の導電性ゴムシート
    の上に、金属弾性体よりなるコイルバネの両端を繋いで
    円環状とし、更に、各コイルそれぞれを斜め横に押し倒
    して形成した板状パッドを重ねて用いたことを特徴とす
    る請求項2記載のフリーアクセス床の床板、支持脚間の
    導電性維持方法。
  5. 【請求項5】弾性導電体として導電性発泡樹脂部材を用
    い、壁状体に囲まれた内側に生じた凹部に導電性発泡樹
    脂を圧縮充填し、これに支持脚上部の爪を食い込ませ、
    床板、支持脚双方それぞれに電気的に接触して介在させ
    たことを特徴とする請求項1記載のフリーアクセス床の
    床板、支持脚間の導電性維持方法。
  6. 【請求項6】床板と支持脚の間の電気抵抗が、常に、1
    4Ω以上に維持されるようにしたことを特徴とする請
    求項1〜5の何れか1項に記載のフリーアクセス床の床
    板、支持脚間の導電性維持方法。
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