JP2635564B2 - 自転している宇宙船用の自律性の回転軸姿勢制御方法 - Google Patents

自転している宇宙船用の自律性の回転軸姿勢制御方法

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JP2635564B2 JP61504056A JP50405686A JP2635564B2 JP 2635564 B2 JP2635564 B2 JP 2635564B2 JP 61504056 A JP61504056 A JP 61504056A JP 50405686 A JP50405686 A JP 50405686A JP 2635564 B2 JP2635564 B2 JP 2635564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景技術 1.技術分野 本発明は宇宙船用の姿勢コントロールシステムに関
し、特に、地球停止軌道上または他の軌道上の人工衛星
に搭載可能な自転している宇宙船用の自律性の回転軸姿
勢制御方法に関するものである。
2.従来技術 地球サテライトシステムのような地球静止軌道に乗っ
た自転式サテライトを採用したシステムにおいては、時
々、回転軸姿勢を測定する必要があると共に、姿勢整列
運動の制御を行なう必要がある。これらの運動制御は、
太陽トルクによって生じるスピン(回転)軸の歳差運動
を補償するために必要なものである。
このような従来のシステムでは、指定整列運動の制御
は、地上コントロールステーション(局)から命令され
ている。サテライトのスピン軸姿勢を決定するためデー
タは搭載されたセンサ類によって収集され、地上のコン
トロールステーションに遠隔通信されている。ここで、
このデータは処理されて適当な姿勢整列補正値を決定さ
れる。次に、これら補正値はコマンド信号としてサテラ
イトに送信されて、必要な姿勢整列運動制御を行なって
いる。地上局の制御の下で、姿勢整列運動制御をリアル
タイムで実行するためには、コントロールループにオペ
レータを介在させる必要があると共に、このような制御
は、オペレータによるエラー、送信信号による干渉等か
らの変動に影響され、更に地上局のコントロールシステ
ムに動作上の責任を課すようになってしまう。従って、
サテライトに完全に搭載されたシステムによって所望の
姿勢整列運動を決定すると共に制御することが望まれて
いた。
発明の要旨 本発明による構成を要約すれば、サテライトに固定さ
れて回転している地球用センサと、サテライトに搭載の
姿勢測定用の状態(状況)エスティメータ(予測器)
と、更に、姿勢の補正を自動的に実行するためのスラス
タファイアリング(点火)コントロールロジックとを設
けたことを特徴とするものである。また、本発明の別の
特徴として、特別なコントロールロジックを利用して、
燃料の消費を最適状態にするための姿勢コントロール機
能を組合わせたものである。
種々の軌道制御機能として、サテライトに軸方向ジェ
ット(即ち、スラスタ)および半径方向ジェットを設置
する。通常、冗長性のために2台設けた軸方向スラスタ
をサテライトのスピン軸と平行な方向に配向させ、この
軸の両側に配置する。同様に、冗長性のために2台設け
た半径方向スラスタをサテライトの半径方向に沿って装
着する。回転しているサテライトでは、必要な推進運動
の制御は、2台のみのジェットによって実施できる。即
ち、回転軸から偏位した1台の軸方向ジェットおよび1
台の半径方向ジェットである。南北にサテライトを保持
するために、軸方向ジェットを連続的に作動させる。歳
差運動および章動(転頭)運動の制御のために、軸方向
ジェットをパルスモードで作動させる。1台以上の軸方
向または半径方向のジェットを設ける場合に、パルスは
これらジェットの選択された1つで使用される。
サテライトの軌道上のあらゆる点における方位は、ス
ピン(回転)軸がこの軌道面に対して垂直であると共
に、この軌道面が地球の中心を通過するように設定され
ている。一対の地球センサをサテライト内に装着して、
このサテライトが回転している間に、このサテライト側
面の窓を介して地球を周期的に観察する。スピニング運
動中のサテライトの回転軸と垂直な面をサテライトの軌
道面と一致させる必要がある。しかし、サテライトのス
ピン軸は歳差運動を行なっているので、最早、軌道面に
対して垂直でなくなり、更に、サテライトの回転軸と垂
直な面が軌道面から偏位し、これらセンサの一方によっ
て検出された地球の観察状態が、他方のセンサによって
検出された地球の観察状態と一致しないで異なったもの
となる。
例えば、サテライトの回転軸と垂直な面が地球の中心
の下側を通過するので、北方向を向いた地球センサによ
り観察視野で地球を走査して検知された地球の弦はより
長くなり、他方、南方向を向いた地球センサによって地
球を走査した時の地球は弦はより短かくなる。サテライ
ト軌道を180゜回った地球の反対側において、上述とは
反対の状態が得られる。即ち、南方向の地球センサによ
って検出した弦が北方向のセンサにより検出した弦より
長くなる。基準値(通常、スピン軸から5.5゜のセンサ
傾斜角に対して13.4゜である)からの検出した弦の長さ
の差をサテライトのロール角度として用いる。この差の
値は、これら2つの北または南方向の地球センサの選択
した一方より得られ、これは太陽の干渉を受けない側の
ものである。
この代りに、これら2つのセンサ測定値間の弦の長さ
の差が地球の眺望角に対する一つのメジャーとなり、こ
れをロール角として使用できる。
地球センサ測定値を利用することによって、サテライ
トに搭載された3ステート(状態)エスティメータによ
って、ロール角、ヨー角および地球センサバイアスを予
測できる。地球センサによってサテライトロール角度測
定が行われ、地球軌道運動がカプリングによってヨー角
度情報を与える。所望のスピン軸姿勢および姿勢整列運
動制御を行なった後で、適当な信号を発生して選択した
点とインターバルで所望の姿勢補正を達成するためにス
ラスタを点火する。本発明の要旨によれば、スラスタを
点火(ファイアリング)のタイミングは、全燃料消費を
更に効果的にするため、軌道位置と協調される。しかし
乍ら、歳差運動エラーがプリセットされたスレッシュホ
ールド値を超えたものと判断されると、これらスラスタ
はパルス作動されて、これらエラーをスレッシュホール
ドレンジまで減少させる。
図面の簡単な説明 本発明をより良く理解するために、以下に示した図面
を参照し乍ら詳細な説明を考察する。
第1図は、本発明によって制御可能な回転している人
工衛星を示す図; 第2図は、地球と太陽との関連における人工衛星の基
準座標を表わす図; 第3図は、地球センサの動作を表わす人工衛星を示す
図; 第4図は、地球センサ出力波形のスケッチ; 第5図は、本発明によるスピン軸コントローラ(SA
C)の機能ブロックダイヤグラム; 第6図は、スピン軸コントローラを示す単純化された
概略ブロックダイヤグラム; 第7図は、本発明に基づいて制御された人工衛星のス
ピン軸補正を表わすプロット図である。
第8図(a)乃至(f)はスピン軸コントローラの論
理回路図である。
実施例の説明 本発明は、インテルサットVIサテライト(人工衛星)
用に開発されたもので、以下の実施例はこの宇宙船を背
景にして記載されたものである。しかし、このことは本
願の権利範囲を限定するものでなく、他の条件や軌道上
の下で作動する他の宇宙船について応用できるものであ
る。
第1図に、縦方向(経度方向)のスピン軸12の周りを
高速回転(スピニング)するサテライト10を表わす。こ
のサテライト10には、図示したように、軸方向のジェッ
ト(推力発生器)、即ち、スラスタ14(これはスピン軸
12から変位している)および半径方向のジェット、即ち
スラスタ16が装着されている。この軸方向ジェット14
は、スピン軸に対向した両側に配置した一対のスラスタ
の一方である。スピン軸の姿勢補正のために、この軸方
向のペアの内の一方のスラスタを1回、パルス的に作動
させる。
第2図は、分析用に用いられる2つの座標系を表わ
す。軌道基準座標(X0,Y0,Zo)は以下のように配向して
いる。軌道X0軸はフライト方向であり、軌道Yo軸は軌道
面に垂直であり、軌道Zo軸は、サテライトから地球の中
心までの半径ベクトルに沿って地球に向かう方向であ
る。また太陽固定型基準座標(XS,Ys,ZS)は以下のよう
に規定されている。即ち、Ys軸は軌道Yo軸と一致し、太
陽ベクトルを軌道面上に投影したものがZs軸であり、更
に、XS軸は、右手指の直交3線(orthogonal triad)
を満たしている。また、この第2図はこれら2つの座標
系間の座標変換を示すもので、ロール角(φ)およびヨ
ー角(Ψ)は、それぞれX0軸およびZ0軸の周りの回転角
として規定する。UはXs軸周りの回転角でVはZs軸まわ
りの回転角である。これら2つの座標系は局所的な真夜
中で一致する。軌道座標系は、太陽系、Ys軸の周りを軌
道速度ωで回転する。インテルサットVIに対しては、
章動運動ダンピング時定数は、静止軌道の周期よりかな
り短いので、章動ダイナミック運動を、本願のSAC分析
用の宇宙船ダイナミックモデルでは無視し得るものであ
る。
第3図は、サテライト10のスピン軸の配向がこのサテ
ライトの回転に従って、地球を走査することにより決定
さることを表わすダイヤグラムである。サテライトには
一対の地球センサ(第6図参照)が設けられ、これらセ
ンサは、窓18nまたは18sを介してこれら窓が地球に向か
うときに地球を観察するように配置される。破線20によ
って表示されたサテライト10のスピン(回転)面を軌道
面に一致させる必要があり、この軌道面は地球の中心22
を貫通するようになっている。適切に配向させると、こ
のスピン12は軌道垂線矢印24と一致する。窓18nを通し
て観察される北方向地球センサの視野はライン20の上側
に角度αの方向に存在している。同様に、窓18sを通
して観察される南方向地球センサの視野は破線20の下側
に角度αの方向に存在している。回転面が地球22の中
心との交点から偏位した場合、これらセンサの一方によ
って、偏位が生じていない場合に比べて長いインターバ
ルで観察するようになる。更に、他方のセンサによって
地球を短かいインターバルで観察する。この理由は、一
方の観察視野が他方のセンサの視野より赤道に近接して
いるからで、この他方のセンサは両極の内の一方の極に
近接している。第3図の図面において、回転面20が地球
の中心22より南側に偏位して表わされており、北方向の
地球センサによって地球の長弦を走査し、南方向の地球
センサによって地球の短弦を走査する。第4図はそれぞ
れ異なった姿勢状態での検知した弦の長さの変動を表わ
す。回転面のゼロシフトに相当するΨをプロセッサメ
モリ中に記載した基準値Zrefに等しくする必要がある。
この基準値からの検出した弦の長さの測定偏位は、地球
アスペクト角度の値である。この角度は、回転面または
回転軸が正しい姿勢から偏位する程度を決定するために
使用される。
同期軌道において、宇宙船に与えられる外乱として
は、太陽の放射圧力が大半を占めている。この太陽によ
るトルクは予測できるものであると共にフーリェ関数に
よって表わされる。ソーラ(太陽)トルクフーリェ式の
永年項および宇宙船角度モーメントで、このソーラトル
クによる宇宙船歳差運動速度は、次のようにモデル化で
きる。
=0 =A0 同期器道中における宇宙船のロール(φ)角およびヨ
ー角(Ψ)に対する直線化された運動回転方程式は =ωΨ+A0sinω0C+W1 =−ωφ+A0cosω0C+W2 である。
ここで、W1およびW2は白ガウスノイズであり、これら
によってソーラトルクフーリェ方程式の無視した高次項
を主として表わす。
地球センサバイアス変動は、ランダムウォーク(rand
om walk)として入力ノイズと共にモデル化されてい
る。この入力ノイズによってその1σ値が所定の速度で
成長するのに十分なものである。ランダムウォーク処理
の2乗平均値は時間と共に直線的に増加すると共に、短
期間動作に対してのみ適切なものであると見えるが、こ
れを正当化できる。この理由は、コントロール時定数
(1時間程度のオーダ)がランダムウォーク処理の特性
時間より極めて短かいからである。
コンピュータシミュレーションおよび分析のために、
ノイズ入力W1,W2で表わされ、ここで TS=コンピュータシュミレーションタイムインターバル
を表わすサンプリング周期 T0=ランダムウォーク特性時間 σ=1シグマまたは時間T0後のノイズの予期値 N(0,1)=ゼロ平均値およびσ=1によるガウスラン
ダムノイズ発生項 回転している地球センサによって地球弦長(Z)を測
定し、この長さを以下の近似式(第3図)によって宇宙
船のロール角度φに関連付けられる。
ここで、γは地球角度半径、αはセンサ傾き角度、
φは軌道垂線から測定した宇宙船ロール角度、Zはセン
サ出力である。
ロール姿勢測定値Znを、以下の式から反復期間nで得
られる。
Zn=K(Zavg−Zref)+Zb −αcos(2γ)−βsin(2γ)+ω ここで、 Zavg=弦の平均長 Zref=基準の弦長(固定数) Zb=トランジェントフリーセンサのスイッチング用のコ
マンド可能なバイアス α,β=センサ反復バイアス補正用のコマンド可能なパ
ラメータ γ=反復周期Nにおける軌道角度 ω=センサノイズ,ガウスホワイトノイズとしてゼロ
平均値およびσの標準偏差でモデル化可能 M測定値が以下の式に従って処理された後で、センサ
ノイズを下式により平均化できる。
回転している地球センサによってヨー角測定を直接求
めることができない。従って、このヨー角情報を以下に
示した軌道の運動結合を介して得ることができる。
本発明による宇宙船コントロールシステムおよびスピ
ン軸姿勢コントローラに関する特徴部分が、第5図およ
び第6図のダイヤグラムに開示されている。
第5図の機能ブロックダイヤグラムにおいて、ブロッ
ク30内に表わされた宇宙船ダイナミックスの簡単なモデ
ルが表示されており、ここでは、このシステムの強制機
能は、太陽線(V)に対する角度ドリフト速度である。
このブロックには水平線センサ32が包含されており、こ
のセンサ32は、地球弦プロセッサ34と結合して34に入力
信号を供給する。このプロセッサをカウンタ36に接続し
てイネーブルされる。このカウンタ36によって状況予測
段38を制御し、この予測段38は、この地球弦プロセッサ
34と共に出力を測定エラー決定段40に供給する。この結
果として得られるのは状況予測の補正値で、補正段42で
生成されると共に座標変換段44に供給される。この変換
段44の出力を運動コントロールロジック段46に供給し、
これを星座クロックカウンタ48によって制御すると共
に、これによって出力をスラスタコマンドプロセッサ50
に供給する。このプロセッサ50を逆変換段52および予測
補正段54によって接続させ、この補正段によって出力を
スラスタドライバ56に供給する。
第6図において、本システムに、北方向および南方向
地球センサ70,71を設け、これらセンサには独立した観
察視野検知エレメント72,74が設けられており、更に、
検出エレメント78を有する太陽センサ76が設けられてい
る。この地球センサ70によって、地球センサ処理電子回
路(ESPE−A)を具えた第1地球弦プロセッサ82に出力
を供給する。地球センサ処理電子回路(ESPE−B)を有
する第2の地球弦プロセッサ84を、他の地球弦検出用の
南方向の地球センサ71に接続する。更に、エレメント78
を有する太陽センサ76を設け、スラスタ点火(ファイア
リング)用のスピン相角度を制御するパルスを供給す
る。ブロック82,84の出力をマイクロプロセッサ90に供
給する。このプロセッサ90には、第5図の機能ダイヤグ
ラムに対応したスピン軸コントローラアルゴリズムが含
まれている。このマイクロプロセッサ90の出力をスラス
タコマンドプロセッサ92に供給し、これをスパンドライ
バユニット94に供給する。このドライバユニット94によ
って軸方向のスラスタ96A,96Bを制御する。
第5図のブロックダイヤグラムに戻り、状況予測進行
アルゴリズムを10分毎に実行する(これは軌道の2.5゜
の動きに相当する)。この演算では状態の現在値を予想
するための特定のドリフトレート(割合)に従って前述
の予測を利用する。地球弦プロセッサは、名目上、256
回の連続した地球弦測定を利用して低ノイズの平均弦幅
(Zavg)を決定する。この幅を、次に状況予測値と協動
して利用することによって、この予測エラーを予測利得
(Kφ,KΨ,Kb)によって掛算し、更に各予測値に加算
することによって新しい状態の予測値を決める。これら
状態の予測を本体固定座標(φ,Ψ)から太陽固定座標
(U,V)への座標変換が、運動ロジックを評価する前に
実行する。太陽固定座標への状態予測値の変換によっ
て、回転軸姿勢補正運動制御を実行する時に、一定な軸
方向のスラスタのファイアリング(点火)角を利用でき
るようになる。このことによって、複雑なリアルタイム
ファイアリング角度演算の必要性が除かれ、これによっ
てコントロール方法およびプロセッサの要求を広く簡潔
にできる。
姿勢補正が必要な場合に、太陽固定座標(UC,VC)に
おける所望の補正値がスラスタコマンドプロセッサに送
られ、適当な軸方向のスラスタコマンドが以下の条件の
下で実行される。即ち、本発明のSACがイネーブル状態
となると共に、他のスラスタファイアリングが行われて
いない条件である。これらファイアリングのスピン位相
角が太陽センサパルスによって制御される。一方、ロー
ルおよびヨー角(φ,Ψ)に対する予測値に相当する補
正値が得られると共に、この結果が、次のサイクルで使
用される状態予測進行アルゴリズムが戻されるようにな
る。
表IにはSACコマンドが可能なパラメータがリストア
ップされている。ACPアルゴリズムスケーリングが表II
に開示されている。
このSACによれば、2つの特殊な目的の実行可能なシ
ーケンス(IAT,QAT)と共に、2つの基本的な動作モー
ド(ETF,FTF)を具備するもので、このシーケンス(IA
T,QAT)は基本的動作モードを一時的に無効とするもの
である。
エラースレッシュホールドファイアリングモード(ET
F)はこれら2つの動作モードを簡潔化したものであ
る。姿勢補正は、地上局命令可能なスレッシュホールド
を超えたときはいつでも行われる。スレッシュホールド
ロジックによって、太陽固定座標(U、V)における2
つの姿勢予測値をモニタする。これら予測値の一方がこ
れらスレッシュホールド(U0またはV0)を超えた場合に
は、この特定方向における姿勢を零に戻るコマンドを実
行する。たとえばVVoのとき、−V0のV補正が行われ
る。スラスタインパルスを軌道内で較正するので、これ
らパルスの積分した数によって、所望の補正値−V0が名
目上得られる。この粒状性が単一のスラスタパルスから
得られる姿勢補正値に等しくなると共に、これは地上局
の命令可能なパラメータとなる。このパラメータは実際
のスラスタ性能に合致するようになる。
ETFモード補正値は軌道中、2.5゜点毎に得られる。こ
れら補正値を禁止する唯一の制限はすべてのSAC命令さ
れた補正値に対する一般的な制限である。すなわちSAC
補正は、他の運動制御が行われていたり、宇宙船が食の
影(太陽が観察出来ない場)に存在している時には行わ
れない。
固定時間ファイアリング(点火)モード(FTF)には
更に複雑なロジックが包含されており、このロジックに
よって、エラーの大きさおよび宇宙船軌道位置の両方に
基づいて補正値を決定する。このモードの目的は、燃料
の最も効率的な使用のため、軌道ノードの近傍で起るよ
うに補正を限定することである。このノード近傍で姿勢
補正を行うことによって、宇宙船の起り得る速度変化が
南北の局の維持に役立っている。第7図は、FTFモード
動作中における太陽光に対して垂直な方向の予測した宇
宙船の歳差運動の時間経過の例である。この図から特定
したバンド内で歳差運動を維持するための姿勢補正方法
が理解出来る。主たる補正がノードにおいて1日1回行
われる。1日当り1回の補正では十分でない大きな歳差
運動レートに対して、追加のロジックによってこのバン
ド内で予測が、ノードにおける主要補正に加えてノード
付近における補正的補正を連続して行うことによって保
持されるようになる。
適当なスレッシュホールドおよびタイミングを以下に
説明する。+/−θをスピン軸姿勢エラー予定値に割
当てると、軸方向スラスタパルス当りのデルタ角度
(δ)および予測エラー()は既知となる。次に、ノ
ードスレッシュホールドの後(VA)およびノードスレッ
シュホールドの前(VB)を以下のように演算できる。
VB=abs(e0−) VA=sign()(VB−2δ−ε δ) ここで、 =歳差運動レート推定値 ε=章動運動(一定値)と結合したフレキシブル運動
によるアンテナたわみ 特別なδ角度をVAの演算において考慮した。その理由
は、角度モーメントベクトルにおける姿勢補正値δのス
テップによって宇宙船スピン軸姿勢における2δトラン
ジェントモーションを誘発するからである。パラメータ
M0によってFTFロジックによりスレッシュホールドを切
換える星座クロックタイミングを指定する。この切換用
の時間パラメータ軌道ノードから時単位で規定する。即
ち、 となる。
ファイアリング(点火)ロジックにおいてMoを使用す
ることによって、すべての姿勢補正が軌道ノードに対し
て可能な限り近く且つ対称的に起るように確保する。従
って、このFTFモードコントロールロジック(第7図)
を以下のように要約できる。
U運動 ΔUC= if U>||o at M=0(軌道ノード) または ΔUC=0 V運動 ΔVC=δもしSP*SP*VAおよびM0M>0のばあ
い または||M>およびM0のばあい または ΔVC=−VA+δ at M=0 (軌道ノード) または ΔVC=0 ここで SP=sign(avg) δ=SP*δである。
SAC FTFモードでの姿勢補正燃料消費(これは南北速
度操作にも適用するが)の効率(ε)または%はcos
(ω0to)に等しく、ここでωは軌道レートでt0は軌
道ノード交差からの時間である(即ち、ω0toはノード
からの軌道角である)。to=0時間(軌道ノード)にお
ける姿勢整列に対して、ε=100%であり、t0=6時間
(反ノード)に対しては、ε=0%である。姿勢整列が
6時間より大きな時間t0で起る場合には、燃料節約効率
は負となる。従って、軌道ノードから90゜以上離れた軌
道角度でのSAC FTFモード姿勢補正パルスファイアリン
グによって、SAC燃料消費効率が南北ΔV運動に対して
負の方向に作用する。従って、このFTFモードコントロ
ールロジックを、toが軌道のノードを交差する時間から
+/−6時間となるように設計することが望ましい。
2つの地上局命令されたコントロールモード、迅速姿
勢整列(IAT)および急速ロール予測/姿勢整列(QAT)
を組込むことによって、サテライトを維持する運動制御
を行なう前に、スピン軸姿勢制御を無効にする。IATモ
ードにおいて、SACプロセッサによって最新の搭載予測
値を利用して、Uc=およびVC=である迅速な姿勢整
列を実行する。QATモードにおいて、SACによって急速ロ
ール姿勢予測を開始する。これは、ETFまたはFTFモード
における通常の256回の測定の代わりに64回の弦の長さ
測定の平均値を利用しており、更に姿勢エラー予測値の
太陽座標成分のヨー角(Ψ)=0で演算する。次に、迅
速整列運動制御をIATモードと同じ方法で実行する。バ
イアスの予測は、QATが行われてトランジェントレスポ
ンスを予測してしまった後、6時間まで更新しない。こ
のSAC動作の種類のモードは命令可能である。更に、星
座時間、軌道角および状況予測のすべては地上局命令に
よりリセットできると共に、前述した殆んどすべてのパ
ラメータはプログラム可能である。
SACモードコマンドによって地上局がSACのETF,FTF,QA
TまたはIATを選択できる。このコマンド(命令)はコー
ド化されるので、これらモードコマンドは相互に排他的
なものとなる。デフォルト電源投入動作モード(defaul
t power−on mode)はETFである。この動作モードは
またIATまたはQAT運動制御の完了時にプロセッサによっ
て命令される。回転軸コントローラロジックダイヤグラ
ムを第8に示す。
このSACモードコマンドの重要な機能としては、姿勢
補正の実行/不実行である。このビットがセットされな
い場合には(即ち、姿勢補正が実行されない場合に
は)、エスティメータは処理を継続し、運動制御命令が
発生されるが、スラスタコマンドが送信されないので、
スラスタが実際に点火されない。姿勢補正が実行されな
い場合には、累積されたスラスタパルス計数、SUMUおよ
びSUMVが変化しない。スラスタ点火(ファイアリング)
を命令するために、イネーブルビットをセットする必要
があり、プラットフォームデスピンコントローラ(Plat
form despin controller:PDC)をプラットフォーム指
示モードにする必要がある。
SACモードコマンドにおける他のビットによって次の
ことが制御される。すなわち選択した入力の地球弦プロ
セッサ(ESPE−AまたはESPE−B)への供給、また、エ
スティメータ用の不実行または交互ゲインの選択、SAC
スピンレートの地上局コマンド定数またはPDCからの補
助レート予測への選択、命令されたスラスタの運動制御
のパルス幅(48または96ms)および姿勢補正用に用いら
れるべき軸方向のスラスタ(96A,96B)の選択に対して
制御される。デフォルト電源投入条件(defauit power
−on conditions)は、地球弦処理用のESPE−Aと、デ
フォルトエスティメータゲイン、一定のSACのスピンレ
ート(30rpm)およびゼロスラスタ選択付き96msパルス
幅がある。スラスタ96Aまたは96Bは相互に排他的なもの
ではない。ゼロスラスタ選択が送信されると、スラスタ
96Aが使用される。両スラスタが地上コマンドによって
選択されると、スラスタ96Bが使用される。
可変リセットコマンドによって、ロール角、ヨー角、
バイアスのSAC予測値をリセットしてゼロにする。これ
はコマンドを受信した時に行われる。
10分毎にタイムアウトするカウンタ36をプロセッサの
各リアルタイムインターラプト(RTI)毎にインクレメ
ントする。このタイムアウト時において、軌道角度γを
2.5゜だけインクレメントし、予測進行が行われ、運動
制御が最新の進行状況において行なわれないならば、地
球弦プロセッサ34をリセットする。軌道角度γは、ロー
ルおよびヨー角の太陽固定座標への変換に用いられる。
この角度は、地上局コマンドによって、2.5゜の分解能
で0〜360゜の間のいずれかの値にセットできる。γの
新たな値を地上局コマンドによってセットすると、10分
間タイマ36および地球弦プロセッサ34をリセットする。
他のすべてのSAC変数は変化しないままである。シリア
ルコマンドのフォーマットで与えられた360゜以上の値
を送信することができる。このプロセッサは、地上局の
命令による0〜360゜の所定の分解能値であるγに対す
る値を利用する。
5.61分毎にタイムアウトになる第2カウンタ48をこの
プロセッサの各RTIでインクレメントする。このタイム
アウト時において、星座時間(M)をこれのLSB(336.6
48秒)だけインクレメントすると共に、5.61分カウンタ
をリセットする。星座タイマ48を、1星座日を表わすフ
ルスケール(23.94時間)に到達するまで、各5.61分毎
にインクレメントし続ける。次に、これによって軌道ノ
ードフラグをセットすると共に、再びゼロから計数し始
める。このタイマーは地上局命令によって0〜23.94時
間の間にいずれの時間でセットできる。このようなコマ
ンドを受信すると、星座時間を適当にセットすると共
に、5.61分カウンタをゼロにリセットする。他のすべて
のSAC変数は不変のままである。
前述した第5図のブロック38,40および42で示した方
程式について以下、更に詳述する。第5図に示したよう
に、3状態エスティメータ38によって、スラスタコント
ロールロジック設計用の状態予測が地球センサロール軸
測定を利用して得られる。これら予測した3状態はロー
ル角(φ)、ヨー角(Ψ)およびセンサバイアス(b)
である。これらの値φ,Ψおよびbに比較してゆっくり
変化する他の変数(即ち、歳差運動レートモデルのパラ
メータAo)を定数として取扱い、更に、地上局命令によ
って周期的に更新できる。状態のエスティメータには、
以下に示した簡易型の2つの状態構成が設けられてい
る。
ここで、 エスティメータ更新時間(t)が24時間の軌道周期よ
り大幅に短かい場合には、簡易式のエスティメータ方程
式のこの組合せを適用できる。
最適なエスティメータゲイン、Kφ(N),KΨ(N)
およびKb(N)は、リカッチ方程式を解くことによって
決定できる。しかし乍ら、決定したゲインは時間で変動
し、これは限られたメモリ容量のマイクロプロセッサで
実行することは困難である。従って、一定のエスティメ
ータゲインの組を探して、エスティメータのエラーを減
少させるのに十分なスピードが得られると共に、同時
に、許容限界内に、エスティメータの静止状態エラーを
保持しておくことが望ましい。このような一定のエステ
ィメータゲインマトリックスは従来の既知の方法によっ
て容易に開発できる。
静止状態における良好なスピン軸姿勢設定が行われる
ように選択でき、さらにユーザの選択により、トランジ
ェント(転移)状態動作に更に好適なものを選ぶことも
できる。デジタルシミュレーションを利用することによ
って、一定のエスティメータゲインのセットを得ること
ができ、これによって静止状態の動作用に良好なスピン
軸設定が行われ、更に、エスティメータエラーの減少を
急速に行える。
本発明によるスピン軸コントローラは、整列運動の制
御に有効であり、この運動は、宇宙船のスピン軸を、所
望の位置で許容限界値以内に維持するために必要であ
る。このスピン軸コントローラによって正確に軸の姿勢
の軌道垂線からの僅かな偏位を以下のように検出する。
即ち、選択された地球センサから観察した地球弦と基準
値との間の差を測定することにより検出できる。この測
定結果を、座標データを太陽固定式基準システムへの座
標変換を含むコントローラアルゴリズムに従って処理す
る。次に、この結果を利用して、選択した軸方向スラス
タのファイアリングをコントロールして、検出した偏位
を補正する。このスラスタのファイアリングのタイミン
グは、サテライトの回転位置に対応すると共にサテライ
トの軌道位置にも対応するように選択することによっ
て、この選択されたスラスタのファイアリングが行わ
れ、スピン軸姿勢の補正と、必要に応じて軌道面の調整
の両方が行われ、これによって、宇宙船を適当な姿勢に
維持するために必要な燃料を節約することができる。偶
発事故に対処するために、スピン軸コントローラには複
数の動作モードを設ける。プリセットされたスレッシュ
ホールドレベルを超える大きな歳差運動エラーのため
に、スラスタに命令して、エラースレッシュホールドフ
ァイアリングモードでファイアリングするようにできる
ので、スピン軸をスレッシュホールドレンジ内に引戻す
ことができる。更に、全体の燃料消費を改善するため
に、固定時間式のファイアリングモードによってファイ
アリングを制限して、軌道ノードの交差する近傍で行な
われるようにする。この結果、姿勢補正による速度イン
パルスが軌道の傾斜、即ち、南北位置の維持に寄与する
ようになる。このようにサテライト位置の維持を制御す
るに先立ちスピン軸の姿勢エラーを最小化するために、
スピン軸コントローラに2つの自動的シーケンスを設
け、これによって予測した姿勢エラーを無視できるよう
にする。更に、迅速姿勢整列モードおよび急速ロール予
測/姿勢整列モードが含まれている。前者のモードで
は、コントローラによって最新の搭載の姿勢予測が利用
され、これによって迅速な姿勢整列を行ない、後者のモ
ードでは、迅速姿勢整列運動制御に続いて行われ、急速
ロール予測が利用される。これら自動シーケンスのいず
れも、搭載した記憶コマンドまたは直接地上局からのコ
マンドによって実行できる。スピン軸コントローラの動
作の各モードは、宇宙船を種々の動作条件の下でスピン
軸コントローラによって制御可能であることを確実にす
る。これら種々の動作条件は実際にそう遇するものであ
る。
以上、詳述したように、本発明による自転している宇
宙船の自律性の回転軸姿勢制御方法の実施例を説明した
が、本発明はこの例のみに限定されず、以下のクレーム
で規定された技術思想の範囲内で変更することは可能で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 チエン,カール・エル アメリカ合衆国,カリフオルニア州 90274,ローリング・ヒルズ・エステス ト,カントリー・メドウ・ロード 38 (72)発明者 スラフアー,ロレン・アイ アメリカ合衆国,カリフオルニア州 90056 ロサンゼルス,エス・キング ス・ロード 6111 (56)参考文献 特開 昭59−14600(JP,A) 特開 昭50−30300(JP,A) 特開 昭51−55599(JP,A) 米国特許4288051(US,A) 米国特許4161780(US,A) 欧州公開90914(EP,A1)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地球同期軌道で回転している宇宙船の回転
    (スピン)軸姿勢と軌道傾斜を制御するに当たり; 宇宙船から地球の方向を検知して宇宙船軌道面からの宇
    宙船スピン面の偏位を検出し、検出した偏位により信号
    を形成し; 上記検出した偏位による信号に対応して宇宙船スラスタ
    ーの作動を制御する信号を発生し; 宇宙船が軌道ノードの近傍にありかつ宇宙船の所定の回
    転位置にある時に、宇宙船の軌道ノードを調整しかつス
    ピン軸を望ましい姿勢に調整するために、スラスター制
    御信号を選択的に印加して選択されたスラスターを作動
    させることを特徴とする自転している宇宙船用の自律性
    の回転軸姿勢制御方法。
  2. 【請求項2】軌道ノードの近傍で正方向および負方向の
    対称的な、スピン軸姿勢誤差の補助的補正を実施してス
    ピン軸姿勢誤差を所定値内に保持し、その際軌道ノード
    の近傍でのスラスター作動が、実質的なスピン軸姿勢誤
    差測定に対応した、スピン軸姿勢の主要補正を形成する
    ように制御されることを特徴とする請求の範囲第1項記
    載の自転している宇宙船用の自律性の回転軸姿勢制御方
    法。
  3. 【請求項3】スラスター制御信号を選択的に印加する工
    程が軌道ノードの各側で所定の回数実行されることを特
    徴とする請求の範囲第2項記載の自転している宇宙船用
    の自律性の回転軸姿勢制御方法。
  4. 【請求項4】地球同期軌道で回転している宇宙船の回転
    (スピン)軸姿勢と軌道傾斜を制御するに当たり; 宇宙船から地球の方向を検知して宇宙船軌道面からの宇
    宙船スピン面の偏位を検出し、検出した偏位により信号
    を形成し; 上記検出した偏位による信号に対して宇宙船スラスター
    の作動を制御する信号を発生し; スラスター制御信号に対応して軌道ノードの近傍で正方
    向および負方向の対称的な、スピン軸姿勢誤差の補助的
    補正を実施してスピン軸姿勢誤差を所定のしきい値内に
    保持し; 軌道ノードの近傍でスラスター制御信号を印加して、実
    質的なスピン軸姿勢誤差測定に対応したスピン軸姿勢の
    主要補正を形成することを特徴とする自転している宇宙
    船用の自律性の回転軸姿勢制御方法。
JP61504056A 1985-07-18 1986-07-11 自転している宇宙船用の自律性の回転軸姿勢制御方法 Expired - Lifetime JP2635564B2 (ja)

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