JP2628043B2 - 弦楽器の棹構造 - Google Patents
弦楽器の棹構造Info
- Publication number
- JP2628043B2 JP2628043B2 JP62148024A JP14802487A JP2628043B2 JP 2628043 B2 JP2628043 B2 JP 2628043B2 JP 62148024 A JP62148024 A JP 62148024A JP 14802487 A JP14802487 A JP 14802487A JP 2628043 B2 JP2628043 B2 JP 2628043B2
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- rod
- rod structure
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、複数本の弦が張り渡される弦楽器の棹に関
し、特に狂いの減少と音響特性の向上とを企図したもの
である。
し、特に狂いの減少と音響特性の向上とを企図したもの
である。
<従来の技術> ギターやバイオリン或いは三味線等の弦楽器は、響鳴
箱となる胴と、この胴に一端が接合された棹と、この棹
の他端に連結された糸巻きと、この糸巻きと胴とに両端
部が止められて棹に張り渡される複数本の弦とで主要部
が構成されている。
箱となる胴と、この胴に一端が接合された棹と、この棹
の他端に連結された糸巻きと、この糸巻きと胴とに両端
部が止められて棹に張り渡される複数本の弦とで主要部
が構成されている。
従来、胴に接合される棹として音響特性の点で柾目の
木材単材が好まれている。しかし、近年の良質な木材資
源の不足により弦楽器の棹として余り適さないような木
材単材の使用を余儀無くされているのが現状である。
木材単材が好まれている。しかし、近年の良質な木材資
源の不足により弦楽器の棹として余り適さないような木
材単材の使用を余儀無くされているのが現状である。
<発明が解決しようとする問題点> 充分枯らしていない木材単材や木取りの良くない木材
単材を弦楽器の棹として用いた場合には、ねじれや波打
ち或いは反り等の狂いが発生し、楽器として非常に演奏
し難いものとなってしまう。
単材を弦楽器の棹として用いた場合には、ねじれや波打
ち或いは反り等の狂いが発生し、楽器として非常に演奏
し難いものとなってしまう。
このため、鉄棒等の金属製の心材を埋設したり、1ミ
リメートル程度にスライスした数十枚の木材薄板を相互
に接着材を介して貼り合せるようにした構造の棹も考え
られているが、音響特性の面や狂いの改善等の面で好ま
しいものではなかった。
リメートル程度にスライスした数十枚の木材薄板を相互
に接着材を介して貼り合せるようにした構造の棹も考え
られているが、音響特性の面や狂いの改善等の面で好ま
しいものではなかった。
<問題点を解決するための手段> 本発明による弦楽器の棹構造は、一端側が胴に接合さ
れると共に他端側に糸巻きが連結され且つ複数本の弦が
張り渡される弦楽器の棹において、この棹を単一の木材
単材から該木材単材の長手方向に沿って延びる複数本の
木材単板を木取りすると共に、上記木材単板を貼り合わ
せてなる集成材で構成し、上記各木材単板の狂いが相互
に打ち消し合うように複数本の上記木材単板を配材した
ことを特徴とするものである。
れると共に他端側に糸巻きが連結され且つ複数本の弦が
張り渡される弦楽器の棹において、この棹を単一の木材
単材から該木材単材の長手方向に沿って延びる複数本の
木材単板を木取りすると共に、上記木材単板を貼り合わ
せてなる集成材で構成し、上記各木材単板の狂いが相互
に打ち消し合うように複数本の上記木材単板を配材した
ことを特徴とするものである。
<作用> 各木材単板の狂いが相互に打ち消し合うように配材さ
れた集成材は、各木材単板にそれぞれ狂いが発生したと
しても、集成材全体としては全く狂いが現れない。又、
集成材は木材単材と比較して音響特性が余り劣化せず、
接着材を大量に使用したり金属製の心材等を使用する従
来のものより遥かに優れた音響特性を有する。
れた集成材は、各木材単板にそれぞれ狂いが発生したと
しても、集成材全体としては全く狂いが現れない。又、
集成材は木材単材と比較して音響特性が余り劣化せず、
接着材を大量に使用したり金属製の心材等を使用する従
来のものより遥かに優れた音響特性を有する。
<実 施 例> 本発明による弦楽器の棹構造の一実施例を表す第1図
に示すように、図示しない弦が張り渡される側の面1a,2
a,3a,4b,5bが柾目となるように木取りされた複数枚(図
示例では五枚)の矩形断面を有する木材単板1〜5を用
意し、これら木材単板1〜5の木目による狂いが相互に
打ち消し合うように木材単板1〜5を配材して図示しな
い接着材を介し相互に接合し、集成材6とする。そし
て、これを素材として柾目の方向が棹の長手方向となる
ように図中、二点鎖線で示す如き所定の棹形状に削り、
必要に応じて図示しない指板を前記弦が張り渡される側
の木材単板1〜5の面1a,2a,3a,4b,5bに更に接合する。
に示すように、図示しない弦が張り渡される側の面1a,2
a,3a,4b,5bが柾目となるように木取りされた複数枚(図
示例では五枚)の矩形断面を有する木材単板1〜5を用
意し、これら木材単板1〜5の木目による狂いが相互に
打ち消し合うように木材単板1〜5を配材して図示しな
い接着材を介し相互に接合し、集成材6とする。そし
て、これを素材として柾目の方向が棹の長手方向となる
ように図中、二点鎖線で示す如き所定の棹形状に削り、
必要に応じて図示しない指板を前記弦が張り渡される側
の木材単板1〜5の面1a,2a,3a,4b,5bに更に接合する。
この第1図に示した集成材6の製造方法の一例として
まず木材単材7を用意し、弦が張り渡される側の面が柾
目となるようにこの木材単材7を五枚の木材単板1〜5
に挽いたのち(第2図参照)、木材単板4,5の上下を逆
にすると共に第1図に示すように各木材単板4,5の配列
順を変え、木材単板1〜3と木材単板4,5とを棹の長手
方向に沿って第3図に示すようにθだけ相互に傾斜さ
せ、この状態で接着材により木材単板1〜5を集成す
る。しかるのち、この集成素材8から接着材で相互に接
合した部分だけ挽き(第4図中、二点鎖線参照)集成材
6とする。
まず木材単材7を用意し、弦が張り渡される側の面が柾
目となるようにこの木材単材7を五枚の木材単板1〜5
に挽いたのち(第2図参照)、木材単板4,5の上下を逆
にすると共に第1図に示すように各木材単板4,5の配列
順を変え、木材単板1〜3と木材単板4,5とを棹の長手
方向に沿って第3図に示すようにθだけ相互に傾斜さ
せ、この状態で接着材により木材単板1〜5を集成す
る。しかるのち、この集成素材8から接着材で相互に接
合した部分だけ挽き(第4図中、二点鎖線参照)集成材
6とする。
このように、各木材単板1〜5を交互に傾斜させて木
目を交差させることにより、集成材6としての強度の方
向性が緩和され、均一な均質の集成材6とすることがで
きる。この傾斜角θは、集成材6の歩留りと品質の均一
性との兼ね合いから10度以下が好ましい。なお、上述し
た例では一つの木材単材7を分割して木材単板1〜5を
得るようにしたが、複数の木材単材から得られる多数の
木材単板を任意に組合わせて集成することも当然可能で
ある。又、木材単板の厚みや集成枚数等は、弦楽器の棹
寸法に応じて適宜設定すると良い。
目を交差させることにより、集成材6としての強度の方
向性が緩和され、均一な均質の集成材6とすることがで
きる。この傾斜角θは、集成材6の歩留りと品質の均一
性との兼ね合いから10度以下が好ましい。なお、上述し
た例では一つの木材単材7を分割して木材単板1〜5を
得るようにしたが、複数の木材単材から得られる多数の
木材単板を任意に組合わせて集成することも当然可能で
ある。又、木材単板の厚みや集成枚数等は、弦楽器の棹
寸法に応じて適宜設定すると良い。
<発明の効果> 本発明の弦楽器の棹構造によると、複数枚の木材単板
をこれらの狂いが相互に打ち消し合うように配材し、こ
れによって得られる集成材を弦楽器の棹として用いるよ
うにしたので、従来では狂いが発生するために棹として
使用できなかった木材やそれらの単板を音響特性の低下
を招来することなく有効利用することが可能となり、品
質の安定した良質の棹を低コストにて作ることができ
る。
をこれらの狂いが相互に打ち消し合うように配材し、こ
れによって得られる集成材を弦楽器の棹として用いるよ
うにしたので、従来では狂いが発生するために棹として
使用できなかった木材やそれらの単板を音響特性の低下
を招来することなく有効利用することが可能となり、品
質の安定した良質の棹を低コストにて作ることができ
る。
第1図は本発明による弦楽器の棹構造の一例を表す集成
材の断面図、第2図〜第4図はその製造方法の一例を表
す加工工程図である。 又、図中の符号で1〜5は木材単板、6は集成材、7は
木材単材、8は集成素材である。
材の断面図、第2図〜第4図はその製造方法の一例を表
す加工工程図である。 又、図中の符号で1〜5は木材単板、6は集成材、7は
木材単材、8は集成素材である。
Claims (4)
- 【請求項1】一端側が胴に接合されると共に他端側に糸
巻きが連結され且つ複数本の弦が張り渡される弦楽器の
棹において、この棹を単一の木材単材から該木材単材の
長手方向に沿って延びる複数本の木材単板を木取りする
と共に、上記木材単板を貼り合わせてなる集成材で構成
し、上記各木材単板の狂いが相互に打ち消し合うように
複数本の上記木材単板を配材したことを特徴とする弦楽
器の棹構造。 - 【請求項2】上記集成材は、第一の上記木材単板と、こ
の木材単板の上下を逆さにした第二の上記木材単板とを
交互であって互に木目が交差するように配材したことを
特徴とする特許請求の範囲第1項記載の弦楽器の棹構
造。 - 【請求項3】上記集成材は、上記第一の木単板と上記第
二の木材単板とを上記棹の長手方向に沿って相互に所定
角度だけ傾斜角を施して配材したことを特徴とする特許
請求の範囲第2項記載の弦楽器の棹構造。 - 【請求項4】上記集成材の傾斜角は、10度以下に配材し
たことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の弦楽器
の棹構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62148024A JP2628043B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | 弦楽器の棹構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62148024A JP2628043B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | 弦楽器の棹構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63313198A JPS63313198A (ja) | 1988-12-21 |
JP2628043B2 true JP2628043B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=15443401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62148024A Expired - Fee Related JP2628043B2 (ja) | 1987-06-16 | 1987-06-16 | 弦楽器の棹構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628043B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS443885Y1 (ja) * | 1966-03-11 | 1969-02-13 |
-
1987
- 1987-06-16 JP JP62148024A patent/JP2628043B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63313198A (ja) | 1988-12-21 |
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Legal Events
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