JP2599564B2 - 冷却装置 - Google Patents
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- cooled
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却装置に係り、さら
に詳しくは、例えば超電導体等を用いる機器などのよう
に、冷却が必要な機器に用いられる冷却装置に関する。
に詳しくは、例えば超電導体等を用いる機器などのよう
に、冷却が必要な機器に用いられる冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴診断装置等のように、超電導
体を用いた機器においては、超電導体に所望の物性を発
揮させるために、該機器ないしはその一部を冷却する必
要がある。
体を用いた機器においては、超電導体に所望の物性を発
揮させるために、該機器ないしはその一部を冷却する必
要がある。
【0003】このような機器の冷却には、液体窒素、液
体ヘリウム等の低温液化ガスを冷媒として用いて、冷却
する冷却方式が用いられることがある。この冷却方式で
は、所定の蒸気圧下で、被冷却物としての超電導体を液
状冷媒の温度と同一温度に均一に冷却できるという特徴
を有する。
体ヘリウム等の低温液化ガスを冷媒として用いて、冷却
する冷却方式が用いられることがある。この冷却方式で
は、所定の蒸気圧下で、被冷却物としての超電導体を液
状冷媒の温度と同一温度に均一に冷却できるという特徴
を有する。
【0004】図6は、このような冷却方式を採用した冷
却装置を概略的に示したものである。矩形の被冷却物1
01の外周には、真空断熱層102が形成してあり、そ
の内部空間に、冷媒貯溜槽103が形成してある。被冷
却物101としては、たとえば超電導体である。この冷
媒貯溜槽103の下方部には、冷媒供給ライン106の
一端が接続してある。冷媒供給ライン106の他端は、
外部に位置する冷媒供給タンク104に接続してあり、
ライン途中に装着された圧送ポンプ105により、貯溜
槽103内部へ液状冷媒を供給可能になっている。
却装置を概略的に示したものである。矩形の被冷却物1
01の外周には、真空断熱層102が形成してあり、そ
の内部空間に、冷媒貯溜槽103が形成してある。被冷
却物101としては、たとえば超電導体である。この冷
媒貯溜槽103の下方部には、冷媒供給ライン106の
一端が接続してある。冷媒供給ライン106の他端は、
外部に位置する冷媒供給タンク104に接続してあり、
ライン途中に装着された圧送ポンプ105により、貯溜
槽103内部へ液状冷媒を供給可能になっている。
【0005】冷媒貯留槽103の上方部には、貯溜槽1
03の外部へ、貯留槽103内の気化冷媒を導出する気
化媒体導出ライン107の末端が開口している。被冷却
物101の冷却は、冷媒供給ライン106を通じて冷媒
供給タンク104より冷媒貯溜槽103内に液状冷媒1
08を供給し、貯溜槽103内部を液状冷媒108で満
たすことにより開始される。貯留槽103内に満たされ
た液状冷媒108は、時間と共に蒸発し、その蒸発潜熱
を利用して、超電導体などで構成される被冷却物101
を冷却する。貯留槽103内で気化された気化冷媒は、
気化冷媒導出ライン107を通して排出される。
03の外部へ、貯留槽103内の気化冷媒を導出する気
化媒体導出ライン107の末端が開口している。被冷却
物101の冷却は、冷媒供給ライン106を通じて冷媒
供給タンク104より冷媒貯溜槽103内に液状冷媒1
08を供給し、貯溜槽103内部を液状冷媒108で満
たすことにより開始される。貯留槽103内に満たされ
た液状冷媒108は、時間と共に蒸発し、その蒸発潜熱
を利用して、超電導体などで構成される被冷却物101
を冷却する。貯留槽103内で気化された気化冷媒は、
気化冷媒導出ライン107を通して排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6に
示すように、液状冷媒108の気化により、貯溜槽10
3内に存在する液状冷媒108の量が減少し、その液面
110が低下してくると、該液面110よりも上部に位
置する部位の温度が上昇する。その結果、この温度上昇
部分に位置する被冷却物101の上部を所定の温度に保
持できなくなり、冷却の目的を果たせなくなるおそれが
ある。
示すように、液状冷媒108の気化により、貯溜槽10
3内に存在する液状冷媒108の量が減少し、その液面
110が低下してくると、該液面110よりも上部に位
置する部位の温度が上昇する。その結果、この温度上昇
部分に位置する被冷却物101の上部を所定の温度に保
持できなくなり、冷却の目的を果たせなくなるおそれが
ある。
【0007】言い換えれば、液状冷媒108は、その貯
溜槽103内に、ある一定量以上存在しなければ(すな
わち、液面110が一定の高さ以上でなければ)、被冷
却物101全体を所定温度以下に保つという冷却の目的
を果たすことができない。したがって、貯留槽103内
に貯留してある液状冷媒が一定以下になる毎に、貯留槽
103内に液状冷媒を供給する必要があり、冷却状態を
維持できる時間(以下、保持時間)が短く、効率的に冷
却することができないなどの課題を有している。 な
お、保持時間とは、冷却途中で液状冷媒が補給されない
として、被冷却物の冷却を良好に行い得る最大の時間で
ある。この保持時間は、従来では、貯溜槽103の最大
貯溜能力(容量)により与えられる液状冷媒の量よりも
かなり少ない量の冷媒の気化に要する時間で決定されて
いた。
溜槽103内に、ある一定量以上存在しなければ(すな
わち、液面110が一定の高さ以上でなければ)、被冷
却物101全体を所定温度以下に保つという冷却の目的
を果たすことができない。したがって、貯留槽103内
に貯留してある液状冷媒が一定以下になる毎に、貯留槽
103内に液状冷媒を供給する必要があり、冷却状態を
維持できる時間(以下、保持時間)が短く、効率的に冷
却することができないなどの課題を有している。 な
お、保持時間とは、冷却途中で液状冷媒が補給されない
として、被冷却物の冷却を良好に行い得る最大の時間で
ある。この保持時間は、従来では、貯溜槽103の最大
貯溜能力(容量)により与えられる液状冷媒の量よりも
かなり少ない量の冷媒の気化に要する時間で決定されて
いた。
【0008】本発明は、貯留槽内に貯留された液状冷媒
を用いて効率的に被冷却物を冷却し、上記保持時間をで
きるだけ長くすることができる冷却装置を提供すること
を目的とする。
を用いて効率的に被冷却物を冷却し、上記保持時間をで
きるだけ長くすることができる冷却装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の冷却装置は、被冷却物の近くに装着され、
液状冷媒が貯留される冷却槽と、この冷却槽に液状冷媒
を供給する供給手段と、この冷却槽内で気化した気体状
冷媒を排出するベント手段と、前記冷却槽の内部の鉛直
方向複数位置に設けられ、液状冷媒を分散して貯留する
複数の貯溜容器とを有する。
に、本発明の冷却装置は、被冷却物の近くに装着され、
液状冷媒が貯留される冷却槽と、この冷却槽に液状冷媒
を供給する供給手段と、この冷却槽内で気化した気体状
冷媒を排出するベント手段と、前記冷却槽の内部の鉛直
方向複数位置に設けられ、液状冷媒を分散して貯留する
複数の貯溜容器とを有する。
【0010】本発明では、冷却槽とは、液状冷媒を貯留
することができる形状であれば、その具体的形状は特に
限定されず、筒状容器、あるいはパイプを連結した冷媒
貯留容器でも良い。
することができる形状であれば、その具体的形状は特に
限定されず、筒状容器、あるいはパイプを連結した冷媒
貯留容器でも良い。
【0011】
【作用】本発明の冷却装置では、被冷却物の近くに装着
された冷却槽内に、まず供給手段により液状冷媒を供給
する。冷却槽内に供給された液状冷媒は、被冷却物を冷
却する。液状冷媒の蒸発につれて、液状冷媒の主液面は
低下する。しかしながら、本発明の装置では、冷却槽内
の鉛直方向複数位置に、液状冷媒を分散して貯留する複
数の貯溜容器が装着してあるので、主液面の上に位置す
る貯留容器内に液状冷媒が残存する。その結果、気化冷
媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置されるこ
とになり、その部分の冷却が不十分になることを避けら
れる。したがって、冷却効率が向上し、最大冷却可能時
間である保持時間が長くなる。
された冷却槽内に、まず供給手段により液状冷媒を供給
する。冷却槽内に供給された液状冷媒は、被冷却物を冷
却する。液状冷媒の蒸発につれて、液状冷媒の主液面は
低下する。しかしながら、本発明の装置では、冷却槽内
の鉛直方向複数位置に、液状冷媒を分散して貯留する複
数の貯溜容器が装着してあるので、主液面の上に位置す
る貯留容器内に液状冷媒が残存する。その結果、気化冷
媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置されるこ
とになり、その部分の冷却が不十分になることを避けら
れる。したがって、冷却効率が向上し、最大冷却可能時
間である保持時間が長くなる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る冷却装置を、好ましい実
施例に基づき説明する。第1実施例 図1は、本発明の一実施例に係る冷却装置の構成を概略
的に示す。
施例に基づき説明する。第1実施例 図1は、本発明の一実施例に係る冷却装置の構成を概略
的に示す。
【0013】図1に示すように、矩形の被冷却物1の外
周には、真空断熱層2が形成してあり、その内部空間
に、冷媒貯溜槽3が形成してある。被冷却物1として
は、たとえば超電導体である。超電導体としては、特に
限定されないが、NbN,PbBi,Nb3 Sn,Nb
3 Gなどの金属系超伝導材料、BEDT- TTF錯体な
どの有機系超伝導材料、La- Ba- Cu- O,La-
Sr- Cu- O,Y- Ba- Cu- O,Bi- Sr- C
a- Cu- Oなどのセラミック系超伝導材料などを用い
ることができる。
周には、真空断熱層2が形成してあり、その内部空間
に、冷媒貯溜槽3が形成してある。被冷却物1として
は、たとえば超電導体である。超電導体としては、特に
限定されないが、NbN,PbBi,Nb3 Sn,Nb
3 Gなどの金属系超伝導材料、BEDT- TTF錯体な
どの有機系超伝導材料、La- Ba- Cu- O,La-
Sr- Cu- O,Y- Ba- Cu- O,Bi- Sr- C
a- Cu- Oなどのセラミック系超伝導材料などを用い
ることができる。
【0014】この冷媒貯溜槽3の下方部には、供給手段
としての冷媒供給ライン6の一端が接続してある。冷媒
供給ライン6の他端は、外部に位置する冷媒供給タンク
4に接続してあり、ライン途中に装着された圧送ポンプ
5により、貯溜槽3内部へ液状冷媒を供給可能になって
いる。
としての冷媒供給ライン6の一端が接続してある。冷媒
供給ライン6の他端は、外部に位置する冷媒供給タンク
4に接続してあり、ライン途中に装着された圧送ポンプ
5により、貯溜槽3内部へ液状冷媒を供給可能になって
いる。
【0015】冷媒貯留槽3の上方部には、貯溜槽3の外
部へ、貯留槽3内の気化冷媒を導出するベント手段とし
ての気化媒体導出ライン7の末端が開口している。本実
施例では、冷却槽の内部の鉛直方向複数位置に、液状冷
媒を分散して貯留する複数の貯溜容器8が装着してあ
る。各貯留容器8は、たとえば図1(b)に示すよう
に、パイプ本体8aの両端が盲板8a,8bで閉塞さ
れ、パイプ本体8aの上部に、その長手方向に沿って細
い切欠き部8cが形成してある容器である。
部へ、貯留槽3内の気化冷媒を導出するベント手段とし
ての気化媒体導出ライン7の末端が開口している。本実
施例では、冷却槽の内部の鉛直方向複数位置に、液状冷
媒を分散して貯留する複数の貯溜容器8が装着してあ
る。各貯留容器8は、たとえば図1(b)に示すよう
に、パイプ本体8aの両端が盲板8a,8bで閉塞さ
れ、パイプ本体8aの上部に、その長手方向に沿って細
い切欠き部8cが形成してある容器である。
【0016】被冷却物1の冷却は、冷媒供給ライン6を
通じて冷媒供給タンク4より冷媒貯溜槽3内に液状冷媒
9を供給し、貯溜槽3内部を液状冷媒9で満たすことに
より開始される。貯留槽3内に満たされた液状冷媒9
は、超電導体などで構成される被冷却物1を冷却する。
貯留槽3内で気化された気化冷媒は、気化冷媒導出ライ
ン7を通して排出される。液状冷媒の蒸発につれて、液
状冷媒の主液面10は低下する。
通じて冷媒供給タンク4より冷媒貯溜槽3内に液状冷媒
9を供給し、貯溜槽3内部を液状冷媒9で満たすことに
より開始される。貯留槽3内に満たされた液状冷媒9
は、超電導体などで構成される被冷却物1を冷却する。
貯留槽3内で気化された気化冷媒は、気化冷媒導出ライ
ン7を通して排出される。液状冷媒の蒸発につれて、液
状冷媒の主液面10は低下する。
【0017】本実施例の冷却装置では、冷却槽3内の鉛
直方向複数位置に、液状冷媒を分散して貯留する複数の
貯溜容器8が装着してあるので、主液面10の上に位置
する貯留容器8内に液状冷媒9が残存する。その結果、
気化冷媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置さ
れることになり、その部分の冷却が不十分になることを
避けられる。
直方向複数位置に、液状冷媒を分散して貯留する複数の
貯溜容器8が装着してあるので、主液面10の上に位置
する貯留容器8内に液状冷媒9が残存する。その結果、
気化冷媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置さ
れることになり、その部分の冷却が不十分になることを
避けられる。
【0018】このように、本実施例の冷却装置によれ
ば、被冷却物1の近くに配された冷却槽3内部におい
て、時間の経過と共に液状冷媒9が気化により減少して
いく際に、前記容器8の存在により、冷却槽3内で液状
冷媒が三次元的、特に高さ方向において分散して保持さ
れる。このため、各容器8の内部から液状冷媒がなくな
るまで、所定の冷却が可能となり、保持時間をより延長
することができる。
ば、被冷却物1の近くに配された冷却槽3内部におい
て、時間の経過と共に液状冷媒9が気化により減少して
いく際に、前記容器8の存在により、冷却槽3内で液状
冷媒が三次元的、特に高さ方向において分散して保持さ
れる。このため、各容器8の内部から液状冷媒がなくな
るまで、所定の冷却が可能となり、保持時間をより延長
することができる。
【0019】実施例2 上記第1実施例の変形例として、図1に示す冷媒供給ラ
イン6の供給側開口端を、冷却槽3の上部位置に配置さ
れている貯留容器8に冷媒9を供給できるように設け、
冷却槽3の上部から液状冷媒を供給することもできる。
そして上側の貯留容器8から下側の貯留容器8に順次冷
媒が流下するようにしても良い。その実施例の場合に
は、液状冷媒の供給時に、必ずしも冷却槽3内を満杯に
液状冷媒で満たす必要はなくなる。
イン6の供給側開口端を、冷却槽3の上部位置に配置さ
れている貯留容器8に冷媒9を供給できるように設け、
冷却槽3の上部から液状冷媒を供給することもできる。
そして上側の貯留容器8から下側の貯留容器8に順次冷
媒が流下するようにしても良い。その実施例の場合に
は、液状冷媒の供給時に、必ずしも冷却槽3内を満杯に
液状冷媒で満たす必要はなくなる。
【0020】実施例3 図2は、超電導体の囲繞空間を磁気シールドルームとし
て用いる機器における冷却装置の構成を示す。この装置
においては、直径900mm、長さ2mのステンレス鋼
製の金属円筒21の内周面に薄い銀の層を介して厚さ3
00ミクロンの高温超電導体22がコーティングしてあ
る。そして、この金属円筒21の外周側には、金属円筒
21と同軸に金属円筒23を配置し、これら金属円筒2
1,23との両末端を閉塞し、これら金属円筒21,2
3に囲まれた空間を200リットルの環状冷却槽24と
している。
て用いる機器における冷却装置の構成を示す。この装置
においては、直径900mm、長さ2mのステンレス鋼
製の金属円筒21の内周面に薄い銀の層を介して厚さ3
00ミクロンの高温超電導体22がコーティングしてあ
る。そして、この金属円筒21の外周側には、金属円筒
21と同軸に金属円筒23を配置し、これら金属円筒2
1,23との両末端を閉塞し、これら金属円筒21,2
3に囲まれた空間を200リットルの環状冷却槽24と
している。
【0021】この環状冷却槽24には、外部より液状冷
媒ライン25および気化媒体導出ライン26が連通され
ている。また、金属円筒21の内周側および金属円筒2
3の外周側には、さらに金属円筒27および28をそれ
ぞれ配置し、金属円筒21と金属円筒27の両末端、金
属円筒23と金属円筒28の両末端を、それぞれ閉塞
し、その内部を真空として、断熱層29、30としてい
る。
媒ライン25および気化媒体導出ライン26が連通され
ている。また、金属円筒21の内周側および金属円筒2
3の外周側には、さらに金属円筒27および28をそれ
ぞれ配置し、金属円筒21と金属円筒27の両末端、金
属円筒23と金属円筒28の両末端を、それぞれ閉塞
し、その内部を真空として、断熱層29、30としてい
る。
【0022】前記環状冷却槽24の内部には、貯留容器
31が、冷却層24の円周方向にほぼ均等に離間され、
かつ軸方向にほぼ平行に配置してある。この貯留容器3
1は、図1(b)に示す貯留容器8と同様な構造であ
る。実際に、この貯留容器31を10個円周方向に均等
に配置し、液状冷媒ライン25より環状冷却槽24内に
液体窒素を満たし、超電導体22を冷却し、その冷却温
度を77Kに保持しうる保持時間を測定したところ、そ
の保持時間は約200時間となった。一方、容器体31
を全く設けない以外は同様の構成の冷却装置の保持時間
は100時間であった。
31が、冷却層24の円周方向にほぼ均等に離間され、
かつ軸方向にほぼ平行に配置してある。この貯留容器3
1は、図1(b)に示す貯留容器8と同様な構造であ
る。実際に、この貯留容器31を10個円周方向に均等
に配置し、液状冷媒ライン25より環状冷却槽24内に
液体窒素を満たし、超電導体22を冷却し、その冷却温
度を77Kに保持しうる保持時間を測定したところ、そ
の保持時間は約200時間となった。一方、容器体31
を全く設けない以外は同様の構成の冷却装置の保持時間
は100時間であった。
【0023】実施例4 図3は、本発明の冷却装置の別の実施例の構成を示す。
この実施例の冷却装置は、超電導を用いた磁気シールド
ルームであり、その全体形状として、一側面が開放して
いる矩形箱形状を有している。この装置においては、矩
形箱を構成するための四角筒状ケーシング41を熱絶縁
体で形成し、その内部に空間49を設けている。そし
て、このケーシング41の内部空間49にケーシング形
状に沿って、超電導体42を収容している。また、この
空間49の内部には、超電導体42に沿って、図4に示
すような複数の水平パイプ43と垂直パイプ44とを連
結パイプ49により連結させてなる冷却管路45を併せ
て収納している。この冷却管路45には、ケーシング4
1の外部より液状冷媒ライン46および気化媒体導出ラ
イン47が連通されている。
この実施例の冷却装置は、超電導を用いた磁気シールド
ルームであり、その全体形状として、一側面が開放して
いる矩形箱形状を有している。この装置においては、矩
形箱を構成するための四角筒状ケーシング41を熱絶縁
体で形成し、その内部に空間49を設けている。そし
て、このケーシング41の内部空間49にケーシング形
状に沿って、超電導体42を収容している。また、この
空間49の内部には、超電導体42に沿って、図4に示
すような複数の水平パイプ43と垂直パイプ44とを連
結パイプ49により連結させてなる冷却管路45を併せ
て収納している。この冷却管路45には、ケーシング4
1の外部より液状冷媒ライン46および気化媒体導出ラ
イン47が連通されている。
【0024】この冷却管路45の垂直パイプ44内に
は、上端が開口されたカップ状の容器48が複数個高さ
方向に離間して配置してある。実際に、この装置におい
て、液状冷媒ライン46から冷却管路45内に液体窒素
を満たし、超電導体42を77Kに保持しうる保持時間
を測定したところ、その保持時間は約100時間であっ
た。一方、容器48を全く設けない以外は同様の構成の
冷却装置の保持時間は10時間であった。
は、上端が開口されたカップ状の容器48が複数個高さ
方向に離間して配置してある。実際に、この装置におい
て、液状冷媒ライン46から冷却管路45内に液体窒素
を満たし、超電導体42を77Kに保持しうる保持時間
を測定したところ、その保持時間は約100時間であっ
た。一方、容器48を全く設けない以外は同様の構成の
冷却装置の保持時間は10時間であった。
【0025】実施例5 図5は、本発明のさらに別の実施例の構成を示す。この
実施例の装置は、図3に示す実施例の装置と同様の外観
を有する矩形の磁気シールドルームである。この実施例
においても、四角筒状ケーシング51を熱絶縁体で形成
してある。ただし、ケーシング51の内部空間を直接冷
却槽55とし、この内部に超電導体52を収容する構成
としている。そして、この冷却槽55には、ケーシング
51の外部より液状冷媒ライン56および気化媒体導出
ライン57を連通してある。
実施例の装置は、図3に示す実施例の装置と同様の外観
を有する矩形の磁気シールドルームである。この実施例
においても、四角筒状ケーシング51を熱絶縁体で形成
してある。ただし、ケーシング51の内部空間を直接冷
却槽55とし、この内部に超電導体52を収容する構成
としている。そして、この冷却槽55には、ケーシング
51の外部より液状冷媒ライン56および気化媒体導出
ライン57を連通してある。
【0026】冷却槽55の内部には、垂直方向部分にお
いては、上端が開口したカップ状の容器58aを、また
水平方向部分においては、両端が閉塞されかつ上部に複
数個の開口を有するチューブ状の容器58bを、それぞ
れ複数個、離間配置している。
いては、上端が開口したカップ状の容器58aを、また
水平方向部分においては、両端が閉塞されかつ上部に複
数個の開口を有するチューブ状の容器58bを、それぞ
れ複数個、離間配置している。
【0027】この実施例でも、前記実施例と同様に、冷
却保持時間の延長を図ることができる。その他の実施例 以上、本発明を実施例に基づき説明したが、本発明の冷
却装置は、これらの実施例に何ら限定されるものではな
く、種々の変更が可能である。
却保持時間の延長を図ることができる。その他の実施例 以上、本発明を実施例に基づき説明したが、本発明の冷
却装置は、これらの実施例に何ら限定されるものではな
く、種々の変更が可能である。
【0028】たとえば、冷却槽およびその内部に配置さ
れる貯留容器としては、上述した実施例に限定されず、
超電導体などの被冷却物が装着された装置の用途などに
応じて、種々の形状および構造を採用することができ
る。また、冷却に用いられる冷媒としても、液体窒素に
限られず、液体ヘリウム、液体水素等、被冷却物に必要
とされる所望の冷却温度を保持し得るものが適宜選択し
て用いられる。
れる貯留容器としては、上述した実施例に限定されず、
超電導体などの被冷却物が装着された装置の用途などに
応じて、種々の形状および構造を採用することができ
る。また、冷却に用いられる冷媒としても、液体窒素に
限られず、液体ヘリウム、液体水素等、被冷却物に必要
とされる所望の冷却温度を保持し得るものが適宜選択し
て用いられる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように本発明の冷却装置によ
れば、鉛直方向複数位置に貯留容器を設けたので、気化
冷媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置される
ことになり、その部分の冷却が不十分になることを避け
られる。したがって、冷却効率が向上し、最大冷却可能
時間である保持時間が長くなり、次の液状冷媒供給まで
の時間を長くすることができる。
れば、鉛直方向複数位置に貯留容器を設けたので、気化
冷媒が存在する部分に、液状冷媒が分散して配置される
ことになり、その部分の冷却が不十分になることを避け
られる。したがって、冷却効率が向上し、最大冷却可能
時間である保持時間が長くなり、次の液状冷媒供給まで
の時間を長くすることができる。
【0030】本発明の装置は、科学技術研究装置、医療
装置、あるいはその他の各種の装置に応用することで、
これらの装置の性能を大きく高めることが可能である。
装置、あるいはその他の各種の装置に応用することで、
これらの装置の性能を大きく高めることが可能である。
【図1】図1(a)は本発明の一実施例に係る冷却装置
の原理を説明する概略構成図、図1(b)は同図(a)
で用いる貯留容器の一例を示す斜視図である。
の原理を説明する概略構成図、図1(b)は同図(a)
で用いる貯留容器の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明のその他の実施例に係る冷却装置
の構成を模式的に示す図面であり、(a)は側面図、
(b)は断面図である。
の構成を模式的に示す図面であり、(a)は側面図、
(b)は断面図である。
【図3】図3は本発明のその他の実施例に係る冷却装置
の構成を模式的に示す図面であり、(a)は断面図、
(b)および(c)は要部拡大断面図である。
の構成を模式的に示す図面であり、(a)は断面図、
(b)および(c)は要部拡大断面図である。
【図4】図4は図3に示す実施例の冷却装置における冷
却管路の構成を示す斜視図である。
却管路の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は本発明のさらにその他の実施例に係る冷
却装置の構成を模式的に示す図面であり、(a)は断面
図、(b)および(c)は要部拡大断面図である。
却装置の構成を模式的に示す図面であり、(a)は断面
図、(b)および(c)は要部拡大断面図である。
【図6】図6は従来の冷却装置の原理を説明するための
使用状態における概略構成図である。
使用状態における概略構成図である。
1… 被冷却物 2… 真空断熱層 3… 冷却槽 6… 冷媒供給ライン 7… 気化媒体導出ライン 8,48,58a,58b… 貯留容器 9… 液状冷媒
Claims (1)
- 【請求項1】 冷媒の蒸発潜熱を利用して被冷却物を冷
却する冷却装置であって、 被冷却物(1)の近くに装着され、液状冷媒が貯留され
る冷却槽(3)と、 この冷却槽(3)に液状冷媒を供給する供給手段(6)
と、 この冷却槽内で気化した気体状冷媒を排出するベント手
段(7)と、 前記冷却槽の内部の鉛直方向複数位置に設けられ、液状
冷媒を分散して貯留する複数の貯溜容器(8)とを有す
る冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30631993A JP2599564B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30631993A JP2599564B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07174446A JPH07174446A (ja) | 1995-07-14 |
JP2599564B2 true JP2599564B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=17955685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30631993A Expired - Lifetime JP2599564B2 (ja) | 1993-12-07 | 1993-12-07 | 冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599564B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-07 JP JP30631993A patent/JP2599564B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07174446A (ja) | 1995-07-14 |
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