JP2593231B2 - 固体蝋からの溶剤抽出による蝋の分離方法 - Google Patents

固体蝋からの溶剤抽出による蝋の分離方法

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義久 片山
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、固体の原料蝋(ろう)から融点すなわち分
子量の相違する蝋を分離製造する方法に関する。
【従来の技術】
固体原料蝋、例えば、チーグラー法によるポリオレフ
ィン製造の際に副産する低重合物(本発明ではチーグラ
ー合成蝋と略称)や、石油パラフィン蝋、合成蝋、等の
パラフィン蝋(原料蝋と略称)を利用して、融点すなわ
ち分子量の異なる蝋を製造したい要求が産業界に強い。
チーグラー合成蝋やその他原料蝋は多成分の混合体であ
るから、これから分離精製すれば、原料蝋中から、融点
すなわち分子量の相違する蝋を製造することができる。 従来、パラフィン蝋又はチーグラー合成蝋を溶剤と混
合し、温度をあげていったん全部を溶解した後、冷却
し、順次析出した蝋を分離製造する方法が提供されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこの方法では、析出した蝋と溶
液とを濾過して分離する必要がある。析出した蝋は、ゲ
ル状であるから、この濾過は容易ではなく、この濾過工
程が工業的に問題となる。 一方、特公昭48−13922号にみられるように、ワック
スを溶剤と固−液接触させて溶剤抽出させる方法も提案
されているが、単なる溶剤抽出であることと、原料を鋭
い羽根を備えたブレンダーで混和することにしているの
で、原料が微粒子となって、低分子量成分のほとんどを
一度に抽出してしまい、融点がシャープでなく、分子量
分布も広いものが得られて、本願発明で得ようするサー
モセンサー、感熱紙、熱転写インキ等に適したシャープ
な融点の蝋を製造するには至っていない。 本発明の目的はチーグラー合成蝋などの固体原料蝋又
はその他原料蝋から、融点がシャープで平均分子量が相
違する複数種類の蝋を簡便に製造する方法を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
固体原料蝋の溶融温度よりも低い温度において原料蝋
を溶かす溶剤とフレーク状,タブレット状,球状あるい
はペレット状で固−液接触させ、次いで分離した溶液か
ら該溶剤を蒸発除去する一連の操作を、固−液接触させ
る溶剤の温度を低温から順次一定温度づつ昇温させては
行ない、各溶出分から溶剤を除去して、溶剤の温度に応
じた融点で平均分子量が相違する複数種類の蝋に分別製
造する方法を開発したのである。 本発明の原料である蝋はチーグラー合成蝋又はその他
原料蝋から選ばれるいずれかの固体状の蝋である。通常
これらは、かなりの分子量分布を有する多成分体であ
る。また少なくとも後述の溶剤と接触させる温度におい
て固体である蝋を用いる。 原料蝋は、不純物を除去するため濾過したもの、ある
いは蒸留して低分子量のものを蒸発除去したものについ
ても、本発明の原料とすることができる。 用いる蝋の形状は、あまり大きな形状あるいは厚みの
厚い形状の蝋では、原料の蝋中から抽出したい蝋成分を
抽出することが困難である。例えば、接触時間をより長
くするなどの必要がある。一方、余りに細かい粉末状の
蝋や厚さの薄いフレークやタブレット状の蝋では、抽出
操作中に破砕して細かい粉末となり、溶剤中に未処理の
原料固体蝋がそのまま混入するおそれがある。このこと
は特公昭48−13922号に使用されているブレンダー中に
高速回転する鋭い羽根を備えたものを使用した場合でも
同様である。また濾過に用いる網、濾布などの目詰まり
を起こすことにもなる。したがって、通常は、直径が10
mm以下の球形又はペレット状の粒状をなす蝋、あるいは
厚みが5mm以下のフレーク状又はタブレット状の蝋の原
料を用いるのが好ましい。一方、0.2mm以下のフレーク
状又はタブレット状のものは抽出操作中に粉末となり、
また1mm以下の直径の球状又はペレット状の蝋を原料と
することは、溶剤中に原料蝋がそのまま混入するか、濾
過に用いる網又は濾布の目を詰めるので好ましくない。 上記の固体状原料蝋を溶かす溶剤としては、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどの脂肪族ケトン類、n
−パラフィン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素で
原料蝋の溶融温度以下で液体のもの、例えばn−ヘキサ
ン、n−オクタン、石油からの軽油溜分や灯油溜分など
が挙げられる。これらのほか、固体蝋から蝋成分を溶解
させ得る能力がある溶剤ならば、いずれの溶剤も用いる
ことができる。しかし、溶解性、固−液接触後の溶剤除
去の操作性などを考慮すると、トルエン、キシレンなど
芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類が好ましい。もちろん、適当な
割合でこれらの溶剤を混合し混合溶剤として使用するこ
ともできる。 溶剤と答−液接触させる際、適当な温度に加温する
が、原料蝋は固体状であることが肝要である。原料蝋そ
れ自身が融解する温度以上の温度では、原料蝋がそのま
ま溶剤中に溶解することになるので、原料蝋とは異なる
蝋製品を得ることはできない。 具体的な固−液接触方法は、適当な容器中に入れた原
料蝋に対し加温した溶剤をシャワーにして接触させた
り、所定時間浸漬してから溶剤を排出したり、所定時間
浸漬した状態で溶剤を供給排出したり、更には浸漬液を
循環させた後新たな溶剤で洗浄するなどの方法が採用で
きる。 固−液接触後、蝋成分が溶解した溶液から、溶剤を常
法に従い蒸発除去し、原料蝋中から、融点すなわち平均
分子量が相違する蝋を分別回収する。一方、蒸発した溶
剤は回収し、これを循環使用することもできる。
【作用】
原料蝋の全部が溶融する温度より低い温度で固体蝋を
溶剤と固−液接触抽出させるので、多成分体の原料蝋中
から、その溶剤の温度に応じた融点の蝋だけが溶出す
る。 したがって、その融点による分子量分別が可能であ
る。そこで、得られた各蝋は融点が相違し、しかも、シ
ャープである。溶剤の種類を選択することによりn−パ
ラフィンとiso−パラフィンとの比率をかえることもで
きる。 所定の溶剤温度で溶解した蝋より高い融点の蝋は、原
料蝋の固体中に残留するので、従来のチーグラー合成蝋
又はその他原料蝋を、溶剤と混合し温度をあげていった
ん全部を溶解した後、冷却し、順次析出した蝋を製造す
る方法によるゲル状物と違って、溶剤との分離が極めて
迅速かつ簡単である。特に残留固体が低融点蝋の溶出と
共に高融点蝋のみの多孔質軽石状固体となり、分別溶出
を更に高能率化する作用をもたらす。 原料蝋を分離容易な程度でフレーク状、タブレット状
又はペレット状にして溶媒抽出を行なうと、短時間に効
率よく溶融・抽出される。溶剤の温度を段階的に上昇し
ながら、抽出することにより分子量分別が可能である。
【実施例】
以下実施例によって本発明を詳細に説明する。 実施例1 厚さ約2mmのフレーク状とした融点86℃のチーグラー
合成蝋A320gを容器にとり、温度10℃のトルエン2を
加え、同じ温度に保ちながら、2時間緩やかな攪拌を継
続して抽出した後、トルエン溶液を抜き出す。これを第
一溶出分とする。次に新たに温度20℃のトルエン2を
加え、同じ温度に保ちながら2時間攪拌を継続した後、
トルエン溶液を抜き出す。これを第二溶出分とする。更
に同様な操作を繰り返して、抽出温度30℃から90℃まで
10℃毎に溶出させ、第3〜第9溶出分を得た。 これらの溶出分はそれぞれ別々に蒸留して、溶剤のト
ルエンを除去して、残った蝋分の融点、平均炭素数、融
解エネルギー、n−パラフィン含有率及び収率を測定し
た。その結果を第1表に示す。 第2表は第1〜第5溶出分のガスクロマトグラフィー
によるパラフィン炭素数の分布を示したものである。 実施例2 厚さ約3mmのタブレット状の融点82.6℃のチーグラー
合成蝋B220gを底に細かい目の金網のある筒型の容器に
とり、温度50℃のメチルイソブチルケトン2を50℃の
温度を保ちながら3時間循環して抽出した後、メチルエ
チルケトン溶液を抜き出す。これを第一溶出分とする。
次に新たなメチルエチルケトン2を60℃の温度で循環
して抽出した後、抜き出してこれを第二溶出分とする。
同様に70℃、80℃で同じ操作を繰り返して第三、第四溶
出分を得た。 各溶出分はそれぞれ別々に蒸留して、溶剤のメチルエ
チルケトンを除去して、残った蝋の収率と融点を測定し
た。その結果を第3表に示す。 実施例3 融点56.7℃、厚さ約2mmのフレーク状のパラフィン蝋3
30gを容器にとり、30℃の温度のメチルイソブチルケト
ン1を加え、同じ温度に保ちながら1時間緩やかな攪
拌を継続した後、メチルエチルケトン溶液を抜き出し、
これを第一溶出分とする。次に新たに40℃のメチルエチ
ルケトン1を加え、同じ温度に保ちながら、1時間攪
拌を継続した後メチルエチルケトン溶液を抜き出し、こ
れを第二溶出分とする。更に同様な操作を繰り返して抽
出温度50℃の第三溶出分を得た。 これらの各溶出分をそれぞれ別々に蒸留して、溶剤の
メチルエチルケトンを除去して、残った蝋分の融点と平
均分子量及び収率を測定した。その結果を第4表に示し
た。 上記各実施例から明らかなように、簡単に原料蝋から
異なる融点すなわち異なる平均分子量を有する1種類又
は複数の種類の製品蝋が製造できた。
【発明の効果】
本発明の方法によれば、分子量分布を有する多成分体
の蝋から、容易に種々の異なる融点すなわち分子量を有
する蝋を多品種製造することができる。特に本発明の方
法は、抽出残の蝋が元の形に近い形で保たれるから、抽
出した溶液との分離が容易で、溶液から蝋を析出させる
ことがないので、ゲル状の析出蝋を処理する必要がな
く、工程の簡略化、操作時間の短縮化、得られる製品の
高品質化等、工業的に極めて有利な方法である。 特に、得られる製品は、融点がシャープで、融解潜熱
が高く、熱安定性が良く、化学的に安定であるため、蓄
熱材、サーモセンサー、感熱紙、熱転写インキ、ホット
メルト接着剤の分野で有用である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固体原料蝋の溶融温度よりも低い温度にお
    いて原料蝋を溶かす溶剤とフレーク状,タブレット状,
    球状あるいはペレット状で固−液接触させ、次いで分離
    した溶液から該溶剤を蒸発除去する一連の操作を、固−
    液接触させる溶剤の温度を低温から順次一定温度づつ昇
    温させては行ない、各溶出分から溶剤を除去して、溶剤
    の温度に応じた融点で平均分子量が相違する複数種類の
    蝋に分別することを特徴とする固体蝋からの溶剤抽出に
    よる蝋の分離方法。
  2. 【請求項2】固体原料蝋を溶剤抽出するに当り、抽出に
    かける原料蝋の形状は、厚さ5mm以下0.2mm以上のフレー
    ク状かあるいはタブレット状又は直径10mm以下1mm以上
    の球状あるいはペレット状である請求項1記載の固体蝋
    からの溶剤抽出による蝋の分離方法。
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