JP2592509B2 - 無機多孔体 - Google Patents

無機多孔体

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JP2592509B2 JP63299091A JP29909188A JP2592509B2 JP 2592509 B2 JP2592509 B2 JP 2592509B2 JP 63299091 A JP63299091 A JP 63299091A JP 29909188 A JP29909188 A JP 29909188A JP 2592509 B2 JP2592509 B2 JP 2592509B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、無機多孔体に関する。
〔従来の技術〕
従来、膨潤性無機層状化合物を熱風乾燥したり、凍結
乾燥したりして乾燥させてなる無機多孔体が知られてい
る(特公昭62−20130号公報、特開昭60−137813号公
報)。これらの無機多孔体は、無機層状化合物の層間に
挿入されたピラー材を支柱にして、層間に空隙が保たれ
るように乾燥されている。これらの無機多孔体は、断熱
材や吸着材などの機能材料として利用できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記の無機多孔体は、細孔容積が0.8c
c/g以下と低く、層間間隔も満足できるほどには広くな
く、断熱性、吸着性が不充分で高機能性材料とは言い難
い。
そこで、この発明は、大きな細孔容積を有し、有効に
作用する大きな空隙を有する無機多孔体を提供すること
を課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、請求項1〜4の各発明に
かかる無機多孔体は、膨潤状態にある膨潤性無機層状化
合物と、TiO2、Al2O3、ZrO2およびFe2O3からなる群の中
から選ばれた少なくとも1つのコロイド状無機化合物と
の混合物が超臨界状態で乾燥されてなるもとのされてい
る。
請求項2〜4の各発明にかかる無機多孔体は、さら
に、前記混合物が有機ピラー材も含むものとされてい
る。
請求項3,4の各発明にかかる無機多孔体は、さらに、
膨潤性無機層状化合物が、Na−モンモリロナイト、Ca−
モンモリロナイト、合成ヘクトライト、合成スメクタイ
ト、酸性白土および合成雲母からなる群の中から選ばれ
た少なくとも1つであるものとされている。
請求項4の発明にかかる無機多孔体は、さらに、膨潤
状態にある膨潤性無機層状化合物が、エタノール、メタ
ノール、二酸化炭素、ジクロロジフルオロメタンおよび
エチレンからなる群の中から選ばれた少なくとも1つの
流体を含んでいるものとされている。
〔作用〕
膨潤状態にある無機層状化合物の乾燥を超臨界状態で
行うようにすると、溶媒(流体)の凝縮が抑えられ、層
状化合物粒子の溶媒中での集合状態をうまく保つような
かたちで乾燥がなされ、無機層状化合物の粒子相互間に
大きな空隙のある集合体が得られる。しかも、コロイド
状無機化合物を混合することにより、その集合状態がよ
り強固になり、より空隙の量が多い多孔体が得られる。
また、このコロイド状無機化合物は、層間に一部、挿入
反応を起こし、無機層状化合物の層間の支柱となってそ
の層間間隔をも保持している。そのため、多孔性に富
み、細孔容積の大きい集合体となり、吸着性、断熱性に
優れた無機多孔体となる。
有機ピラー材も無機層状化合物の層間の支柱としての
働きをする。しかし、使用状態によっては、有機ピラー
材の残存、特に炭素の残存が問題となることがある。無
機多孔体において、有機ピラー材を除くために焼成を行
うと、工程数が増え、しかも、炭素がどうしても残存す
る。これに対し、超臨界状態で乾燥を行えば、有機ピラ
ー材は、超臨界状態にある流体によって抽出されるた
め、乾燥に際して同流体とともに層間から除くことがで
きる。超臨界状態での乾燥によれば、上記の焼成工程も
要らず、炭素の残存も抑えられるので、たいへん都合が
良い。
コロイド状無機化合物として、TiO2、Al2O3、ZrO3
よびFe2O3からなる群の中から選ばれた少なくとも1つ
を用いると、これらの化合物は、触媒機能を持つため、
触媒機能を有する無機多孔体となる。
膨潤性無機層状化合物が、Na−モンモリロナイト、Ga
−モンモリロナイト、合成ヘクトライト、合成スメクタ
イト、酸性白土および合成雲母からなる群の中から選ば
れた少なくとも1つであると、無機多孔体の多孔性、機
能性に好都合である。
膨潤状態にある膨潤性無機層状化合物の含有する流体
が、エタノール、メタノール、二酸化炭素、ジクロロジ
フルオロメタンおよびエチレンからなる群の中から選ば
れた少なくとも1つであると、前記流体が水である場合
に比較して、超臨界状態での乾燥を容易に行うことがで
きる。これらの流体は、臨界圧力および臨界温度が、い
ずれも、水と比べて格段に低いからである。もちろん、
膨潤状態にある膨潤性無機層状化合物が含む水を、他の
流体、たとえばエタノールで置換し、この置換した流体
をさらに別の流体、たとえば二酸化炭素で置換しながら
2成分系の流体とし、超臨界状態で乾燥を行う場合で
も、水に比べて臨界温度・圧力条件が緩やかであるか
ら、やはり、乾燥が容易である。
〔実 施 例〕
以下に、この発明を、その1実施例を表す図面を参照
しながら詳しく説明する。
第1図は、請求項1記載の発明にかかる無機多孔体を
拡大して表した模式図である。この無機多孔体10は、膨
潤状態にある膨潤性無機層状化合物1…とコロイド状無
機化合物4…との混合物が超臨界状態で乾燥されてなる
多孔体である。無機多孔体10は、花弁状ないしセミの羽
状の無機層状化合物1…が寄せ集まったカードハウス状
ないしスポンジ状の集合体である。このため、膨潤性無
機層状化合物同士の間に大きな空隙ができており、細孔
容積の大きい多孔性に富む多孔体となっている。このよ
うな構造の無機多孔体10は、コロイド状無機化合物と膨
潤性無機層状化合物の混合物を超臨界状態で乾燥させる
ことにより作ることができるが、これ以外の方法で作る
こともできる。
個々の無機層状化合物1は、第2図にもみるように、
その層11,11間には部分的にコロイド状無機化合物4…
が挿入(インターカレーション)されている。コロイド
状無機化合物4は、無機ピラー材として働く場合もあ
り、これにより、無機層状化合物1の層11,11間の空隙
2…がより大きなものとされている。
この発明にかかる無機多孔体は、たとえば、つぎのよ
うにして製造されるが、製造方法は下記のものに限らな
い。まず、膨潤性無機層状化合物を膨潤させる。続い
て、膨潤させた膨潤性無機層状化合物とコロイド状無機
化合物とを混合する。混合には、撹拌を行うようにして
もよい。必要に応じて、有機ピラー材をも混合する。そ
して、混合物を超臨界状態で乾燥することにより、混合
物に含まれている流体を除去するのである。
膨潤性無機層状化合物の膨潤に用いる溶媒としては、
特に限定はなく、たとえば、水、エタノール、メタノー
ル、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルス
ルホキサイド)、アセトンなどの極性溶媒などがそれぞ
れ単独で、または、2種以上併せて用いられる。前記溶
媒として、一般に水が用いられる。
膨潤性無機層状化合物としては、たとえば、Na−モン
モリロナイト、Ca−モンモリロナイト、合成ヘクトライ
ト、合成スメクタイト(たとえば、3−八面体型のもの
が挙げられる。3−八面体型のものとしては、たとえ
ば、合成サポナイト、Na−ヘクトライト、Li−ヘクトラ
イト、Na−テニオライト、Li−テニオライト)、酸性白
土、および、合成雲母などのフィロケイ酸塩鉱物(ここ
では、天然物、合成物のいずれでもよい)などが、それ
ぞれ単独でまたは2種以上併せて使用されるが、これら
のものに限らないことは言うまでもない。なお、Ca−モ
ンモリロナイトおよび酸性白土などのような難膨潤性無
機層状化合物を用いる場合には、膨潤時に混練などによ
り、強い剪断力を加える必要がある。膨潤性粘土鉱物
(天然物、合成物のいずれでもよい)のような物質は、
第4図左側に示す膨潤性無機層状化合物1が多数結合し
たものである。主材たるこの化合物1を水などの溶媒と
混合し、さらには、必要に応じて混練し、第4図右側に
示すように、層11,11間に溶媒3を含ませて、あらかじ
め膨潤させておく。膨潤時の無機層状化合物の層間間隔
は、たとえば、粘土鉱物の場合、150Å程度である。
コロイド状無機化合物としては、特に限定されない
が、機能性を考えると、触媒機能などの機能を持つもの
が好ましい。このような化合物としては、TiO2、ZrO2
Al2O3、Fe2O3が挙げられ、これらがそれぞれ単独で、あ
るいは、複数混合して用いられる。これらのコロイド状
無機化合物は、プラスのチャージを帯びているため、マ
イナスのチャージを帯びている粘土鉱物などの無機層状
化合物とコンプレックスを作り、無機層状化合物の表面
や層間に付着する。そして、超臨界状態での乾燥によ
り、微粒子となる。コロイド状無機化合物として、シリ
カゾルなどを用いる場合には、その粒子の表面を、陽イ
オン性無機化合物やアルコラートなどであらかじめ化学
的に修飾する工程が必要であったり、そのように修飾さ
れたものを用いる必要があったりする。しかし、上に例
示したコロイド状無機化合物だと、たとえば、市販のゾ
ルをそのまま使用することが可能になり、量産効果を得
ることもできる。
コロイド状無機化合物の粒径(平均粒径)について
も、この発明では、特に限定されないが、たとえば、50
〜200Å程度の粒径とされる。たとえば、TiO2ゾルは、
粒径150Å程度、アルミナゾルは、粒径180〜200Å程度
である。コロイド状無機化合物の粒径は、コロイド状無
機化合物が無機層状化合物の層間への挿入反応を行うか
否かに影響を与えるが、この発明では、無機層状化合物
の層間への挿入反応を行わない程度の粒径であってもよ
い。
また、この発明では、有機ピラー材を、単独で、また
は、コロイド状無機化合物とともに、前記膨潤性無機層
状化合物と混合および挿入することもできる。有機ピラ
ー材としては、特に限定はないが、たとえば、水溶性高
分子化合物、第4級アンモニウム塩、高級脂肪酸、両性
界面活性剤およびコリン化合物の中から選ばれた少なく
とも1つが使用される。有機ピラー材をコロイド状無機
化合物とともに、膨潤性無機層状化合物と混合したり、
膨潤性無機層状化合物の層間に挿入したりすると、第3
図にみるように、有機ピラー材5が、無機多孔体1の層
11,11間を押し拡げて保持したり、(無機層状化合物の
粒子間および/または層間に存在する)コロイド状無機
化合物4,4間に存在してコロイド状無機化合物の凝集を
防いだり、層11,11間に挿入されたコロイド状無機化合
物4の動きを鈍くしてこの層11,11間にとどめたりする
働きをする。この働きのためには、水溶性高分子化合物
および/または第4級アンモニウム塩を用いるのが好ま
しい。
水溶性高分子化合物としては、特に限定はなく、たと
えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール
(ポリエチレンオキサイド)、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸、ポ
リアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドンなどが挙げられ、それぞれ、単独でまたは2
種以上併せて使用される。
第4級アンモニウム塩および高級脂肪酸としては、種
々のものが考えられるが、その中でも、オクタデシル
基、ヘキサデシル基、テトラデシル基およびドデシル基
などの基を有するものが好ましい。このような第4級ア
ンモニウム塩としては、オクタデシルトリメチルアンモ
ニウム塩、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウム塩、ジヘキサデシル
ジメチルアンモニウム塩、テトラデシルトリメチルアン
モニウム塩、ジテトラデシルジメチルアンモニウム塩な
どが、また、高級脂肪酸としては、パルミチン酸(ヘキ
サデシル酸)、ステアリン酸(オクタデシル酸)、オレ
イン酸(cis−9−オクタデセン酸)、リノール酸(cis
−9,cis−12−オクタデカジエン酸)などが、それぞ
れ、単独でまたは2種以上併せて使用される。
コリン化合物も、種々のものが考えられるが、たとえ
ば、〔HOCH2CH2N(CH3+OH-(すなわち、C5H15N
O2)、C5H14ClNO、C5H14NOC4H5O6、C5H14NOC6H7O7、C5H
14NOC6H12O7が好ましいものとして挙げられ、それぞ
れ、単独でまたは2種以上併せて使用される。
両性界面活性剤としては、種々のものが考えられる
が、その中でも、陽イオン部が脂肪族アミン型で、か
つ、陰イオン部がカルボキシル基、硫酸エステル基、ス
ルホン基、および、リン酸エステル基の中から選ばれた
少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
この発明に有機ピラー材を用いる場合、有機ピラー材
としては、膨潤性無機層状化合物の層間に挿入可能なも
のであれば、上記以外のものを使用することもできる。
続いて、より具体的に説明する。あらかじめ膨潤させ
ておいた無機層状化合物に、コロイド状無機化合物を滴
下して加え、混合する。混合時の温度は、特に限定され
ないが、60〜70℃前後であることが望ましい。無機層状
化合物と混合されたコロイド状無機化合物は、すべて無
機層状化合物の層間に挿入される場合と、すべて無機層
状化合物の層間に挿入されない場合と、無機層状化合物
の層間に挿入されたものと挿入されないものとが混在す
る場合がある。これらの違いは、無機層状化合物の膨潤
時の層間間隔と、コロイド状無機化合物の粒径との大小
によりもたらされる。
以上のような反応溶液を遠心分離して試料をゲル状態
化したのち、ヘラ等で板状に配向させる。
この板状体を、超臨界状態で乾燥する。もちろん、反
応液に入っている状態から乾燥を始めるようにしてもよ
い。
ここに、超臨界状態とは、臨界点を超えた場合のみで
はなく、ちょうど臨界点にあるものも含む。超臨界状態
を作るための方法としては、例えば、層間に含有されて
いる水等、膨潤性層状化合物が保持含有する溶媒を直接
加熱・加圧して、その臨界点以上の状態に到達させるよ
うにする方法もあるが、このような方法では、水の臨界
点が臨界温度374.2℃、臨界圧217.6atmという、きわめ
て高い値であるため、乾燥容器が大きくなり、危険性の
高いものになる。これを避けるためには、膨潤性層状化
合物中の水を、例えば、エタノールで置換したのち、さ
らに、二酸化炭素を加えてゆき、徐々にエタノールを二
酸化炭素に置換しながら、二酸化炭素とエタノールの2
成分系の臨界点以上の温度、圧力に加熱加圧して超臨界
状態を出現させるようにすればよい。この場合、臨界点
以上の二酸化炭素を系に送り込んで置換させるようにす
ることもできる。
超臨界状態にある流体を系から脱出させることによっ
て乾燥が終わる。
このような方法により、乾燥時の前記凝集・凝縮を防
止することができ、乾燥前の構造がそのまま保持され、
きわめて多孔性に富み細孔容積の大きい無機多孔体が得
られるのである。熱風乾燥、あるいは、凍結乾燥で乾燥
されてなる無機多孔体では、この発明の無機多孔体に比
べて、細孔容積が著しく少ない。それは、乾燥前の構造
をうまく保持できないからである。
なお、溶媒として利用できる流体は上記のものに限ら
ない。実用の範囲で臨界流体化することが可能なもの
は、種々あるが、例えば、エタノール、メタノール、二
酸化炭素、ジクロロジフルオロメタン、エチレンなどが
挙げられる。
上記超臨界状態を作る際に、超臨界条件を選定して乾
燥を行えば、層間に含有されている有機物を超臨界流体
中に抽出することができる。したがって、層間に層間隔
を押し拡げて保持するための有機ピラー材が挿入されて
いる場合には、適宜選定した超臨界条件で乾燥を行うよ
うにすれば、有機ピラー材のみを抽出、除去することが
可能となる。このようにすれば、乾燥後の試料を、焼成
しなくても、有機ピラー材を除去することができる。焼
成工程を省略することができるとともに、焼成後の層間
にカーボンが残存し、触媒作用等の利用を制限するとい
った問題も解消させられる。
なお、参考のために、主要な流体についての臨界条件
を第1表に示した。
この発明にかかる無機多孔体は、比表面積が大きいこ
とから、消臭作用、吸着作用、触媒作用などを有するも
のとして利用することができる。また、細孔容積が大き
いため、断熱材などとして利用することもできる。しか
し、この発明の無機多孔体の用途は、これらに限定され
ない。
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示
すが、この発明は下記のものに限定されない。
−実施例1− 水で膨潤させておいた膨潤性層状化合物であるNa−モ
ンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製クニピアF)
の0.8wt%水溶液に、コロイド状無機化合物であるTiO2
ゾル(日産化学工業株式会社製特注品)を滴下、混合
し、60℃で1.5時間、反応させた。
反応後、エタノールによる洗浄→遠心分離を数回繰り
返し、ヘラで板状に配向させ、比較的臨界点の低い二酸
化炭素(CO2)を添加しながら、40℃、80気圧で8時
間、乾燥して無機多孔体を得た。
なお、各成分の混合比は、重量比で、Na−モンモリロ
ナイト:TiO2=1:0.6である。
−実施例2− 実施例1において、Na−モンモリロナイトのかわり
に、合成スメクタイト(クニミネ工業株式会社製スメク
トン)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして無
機多孔体を得た。
−実施例3− 実施例1において、Na−モンモリロナイトのかわり
に、合成雲母(トピー工業株式会社製ナトリウム四ケイ
素雲母)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして
無機多孔体を得た。
−実施例4− 実施例1において、コロイド状無機化合物としてAl2O
3ゾル(日産化学工業株式会社製アルミナゾル−200)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして無機多孔体を
得た。
−実施例5− 水で膨潤させておいた膨潤性層状化合物であるNa−モ
ンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製クニピアF)
の0.8wt%水溶液に、コロイド状無機化合物であるTiO2
ゾル(日産化学工業株式会社製特注品)を滴下、混合
し、60℃で1.5時間、反応させた。
次に、この混合物へ有機ピラー材として、第4級アン
モニウム塩(日本油脂株式会社カチオンAB…オクタデシ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)を加え、60℃で
1.5時間反応させた。
反応後、エタノールによる洗浄→遠心分離を数回繰り
返し、ヘラで板状に配向させ、比較的臨界点の低い二酸
化炭素を添加しながら、40℃、80気圧で8時間、乾燥し
て無機多孔体を得た。
なお、各成分の混合比は、重量比で、Na−モンモリロ
ナイト:TiO2:第4級アンモニウム塩=1:0.6:1である。
−比較例− 実施例1において、乾燥を60℃での熱風乾燥としたこ
と以外は、実施例1と同様にして無機多孔体を得た。
実施例1〜5および比較例の各無機多孔体について、
比表面積、細孔容積および消臭特製を調べ、結果を第2
表に示した。なお、第2表には、無機多孔体の原材料と
乾燥条件も示した。
比表面積および細孔容積は、窒素吸着法におけるBET
の方法を利用して調べた。
消臭特性測定のため、臭気成分としてトリメチルアミ
ン、および、メチルメルカプタンをそれぞれ用いた下記
の2つの消臭実験を行った。
実験 300mlの三角フラスコに、無機多孔体を0.3g入
れ、栓で三角フラスコの口を密封した。ついで、密封し
た三角フラスコ内にメチルメルカプタン(9.16体積%)
を100倍希釈したものを5ml注入し、1分間放置後、UVを
照射してから三角フラスコ内のガスを1mlサンプリング
してガスクロマトグラフで測定した。分析の結果、完全
に消臭(ガスクロマトグラフの測定値0ppm)した場合
は、そのときのサンプリングするまでの時間を調べた。
完全に消臭しない場合には、ガスクロマトグラフの測定
値がほぼ一定値に落ち着くまでの時間を調べた。
実験 300mlの三角フラスコに、多孔体を0.3g入れ、
栓で三角フラスコの口を密封した。ついで、密封した三
角フラスコ内にトリメチルアミン(9.48体積%)を1ml
注入し、その後、1分後に三角フラスコ内のガスを0.5m
lサンプリングしてガスクロマトグラフで調べた。分析
の結果、完全に消臭(ガスクロマトグラフの測定値0pp
m)した場合は、上記操作を繰り返し、完全に消臭しな
い場合はサンプリングするまでの時間を延ばしてゆき、
完全に消臭するまでの時間を調べた。
なお、測定等に用いた機器の主なものは以下の通りで
ある。
窒素吸着法…カンタクローム社製の商標オートソープ6 超臨界乾燥装置…住友重機工業株式会社製の超臨界流出
装置 第2表にみるように、実施例1とこれに対応する比較
例とを対比すると明らかに、この発明にかかる無機多孔
体は、比表面積、細孔容積および空隙の大きさが大きく
なっている。このため、この発明にかかる無機多孔体
は、優れた消臭性(吸着性あるいは触媒機能)が発揮さ
れる。また、実施例1と5とを対比すると、有機ピラー
材を用いると、より効果が高まっているのがわかる。
〔発明の効果〕
請求項1〜4の各発明にかかる無機多孔体は、以上に
述べたように、乾燥前の多孔性がうまく保たれ、大きな
比表面積・細孔容積と、十分な大きさの空隙を持ち、そ
のため優れた機能を発揮する。使用されたコロイド状無
機化合物が機能性を有するため、コロイド状無機化合物
が無機層状化合物の粒子間および/または層間に存在す
ることにより、機能性の付与されたものとなっている。
請求項2〜4の各発明にかかる無機多孔体は、以上に
述べたように、使用された有機ピラー材が支柱となって
無機層状化合物の層間を十分に拡げたり、コロイド状無
機化合物同士間に存在して凝集を防いだり、無機層状化
合物の層間に挿入されたコロイド状無機化合物の動きを
鈍くして層間にとどめたりする働きをする。このため、
無機層状化合物は、層間に十分な空隙を持つようにな
り、さらに細孔容積が増え、多孔性が増す。しかも、有
機ピラー材自体は、乾燥条件によれば、超臨界状態での
乾燥により除去されるので、有機ピラー材除去のための
焼成工程が不要となり、炭素分が無機多孔体に残ること
もないため、たいへん望ましい。
請求項3,4の各発明にかかる無機多孔体は、使用され
た無機層状化合物が無機多孔体に用いるのに好ましいも
のであるため、多孔性、機能性の良いものとなってい
る。
請求項4の発明にかかる無機多孔体は、膨潤状態にあ
る膨潤性無機層状化合物が含んでいる流体が、水よりも
緩やかな超臨界状態を実現できるので、緩やかな条件で
の乾燥により得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1の発明にかかる無機多孔体の1実施例
の拡大模式図、第2図はその一部分の拡大模式図、第3
図は請求項2の発明にかかる無機多孔体の1実施例の一
部分の拡大模式図、第4図は無機層状化合物の膨潤を表
す模式説明図である。 1……無機層状化合物、3……溶媒、4……コロイド状
無機化合物、5……有機ピラー材、10……無機多孔体、
11……無機層状化合物の層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 隆 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 横川 弘 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (72)発明者 牧野 篤 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電 工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−85068(JP,A) 特開 昭63−185871(JP,A) 特開 昭63−166777(JP,A) 特開 平2−92877(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膨潤状態にある膨潤性無機層状化合物と、
    TiO2、Al2O3、ZrO2およびFe2O3からなる群の中から選ば
    れた少なくとも1つのコロイド状無機化合物との混合物
    が超臨界状態で乾燥されてなる無機多孔体。
  2. 【請求項2】混合物が有機ピラー材も含む請求項1記載
    の無機多孔体。
  3. 【請求項3】膨潤性無機層状化合物が、Na−モンモリロ
    ナイト、Ca−モンモリロナイト、合成ヘクトライト、合
    成スメクタイト、酸性白土および合成雲母からなる群の
    中から選ばれた少なくとも1つである請求項1または2
    に記載の無機多孔体。
  4. 【請求項4】膨潤状態にある膨潤性無機層状化合物が、
    エタノール、メタノール、二酸化炭素、ジクロロジフル
    オロメタンおよびエチレンからなる群の中から選ばれた
    少なくとも1つの流体を含んでいる請求項1ないし3の
    いずれかに記載の無機多孔体。
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