JP2591318Y2 - 人検知装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、たとえば噴水装置のよ
うに、周辺での人の集まり状況に応じてその動作を制御
することが望まれるような被制御機器と組み合わせて使
用される人検知装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、周辺の人々の集まり状況に応
じてその形態に趣向を凝らすようにした噴水装置におい
ては、人の集まり状況を検知しその検知結果に応じて噴
水形態を変化させるようにしたものが知られている。そ
して、このような人の集まり状況を検知するための装置
として、従来は、地表面にマット状物を敷き、そのマッ
ト状物の上に人が乗ったりその上を人が歩行すると、噴
水装置を制御するための電気信号が切り換わるようにし
たものが主に用いられていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな従来の人検知装置では、マット状物が地表面に敷設
されるので、そのマット状物が目立って周囲の景観との
違和感を生じやすいという問題があった。

【０００４】本考案は以上の問題点を解消するためにな
されたもので、地中に埋設することができるようにする
ことによって、噴水装置などの被制御機器が設置されて
いる付近の景観との違和感を生じさせることなく人を検
知して電気信号を切り換えることのできる人検知装置を
提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の考案による人
検知装置は、人の重さを受けることにより下方に移動変
位する受圧板と受圧板の過圧縮を防ぐ加圧調整用部材と
受圧板が変位したときにその受圧板により加圧されかつ
加圧されることによって電気信号を切り換える機能を備
えたスイッチ要素とからなる加圧型センサを、上記受圧
板が人の重さを受けて変位し得る深さの地中に埋設され
るケースに収容してなるものである。

【０００６】請求項２の考案による人検知装置は、人の
重さを受けることにより下方に撓み変位する受圧板と受
圧板の端部を支持する支持体と受圧板が変位したときに
その受圧板により加圧されかつ加圧されることによって
電気信号を切り換える機能を備えたスイッチ要素とから
なる加圧型センサを、上記受圧板が人の重さを受けて変
位し得る深さの地中に埋設されるケースに収容してなる
ものである。

【０００７】ここで、スイッチ要素としては所謂加圧式
ゴムスイッチを使用することが可能である。

【０００８】

【作用】請求項１および請求項２の考案の人検知装置
は、加圧型センサが地中に埋設されるケースに収容され
ていることにより、地中に埋設して使用することが可能
である。そのため、人検知装置が目立って周囲の景観と
違和感を生じることはない。そして、地中に埋設した状
態では、受圧板の上の地表面に人が乗ったり人が歩行し
たり通過したりすると、その人の重さで受圧板の上の地
層が受圧板と共に下方に変位し、そのような受圧板の変
位（平行移動による変位または撓みによる変位）により
スイッチ要素が加圧されて電気信号を切り換える。スイ
ッチ要素として加圧式ゴムスイッチを採用すると、受圧
板の上の地表面に人が乗ったりしたときなどに噴水駆動
装置を起動して噴水装置を動作させ、受圧板の上の地表
面に人がいないときには、噴水駆動装置を停止させて噴
水装置の動作を休止させておくことが可能になる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説
明する。

【００１０】図１は請求項１の考案の一実施例による人
検知装置の設置状態を説明的に示した概略断面図、図２
は図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図である。この人検
知装置は、ケース１の中央部に加圧式ゴムスイッチ１を
置き、その上に塩化ビニル樹脂板などのプラスチック板
や鉄板などの金属板で作られた受圧板２を乗せ、ケース
１０内の４隅のそれぞれにゴム塊でなる加圧調整用部材
３を配置し、上記加圧式ゴムスイッチ１の周囲に受圧板
２が変位しすぎないようにするためのストッパ４を配備
し、さらに、受圧板２をゴムシート５で覆った構成を有
している。６は信号ケーブルを示す。この構成におい
て、受圧板２と加圧式ゴムスイッチ１とにより加圧型セ
ンサが構成される。

【００１１】このような人検知装置は図１のように地表
面Ｇとゴムシート５との間隔が数ｃｍ〜１０数ｃｍ程度
になるように地中に埋設される。このような埋設状態に
おいて、受圧板２の上の地表面Ｇを人が歩行すると、そ
の人の重さが受圧板２の上の地層Ｓに加わり、その地層
Ｓと共にゴムシート５が下方に撓んで受圧板２が下方に
平行移動して変位（移動変位）する。そのような受圧板
２の変位により加圧型ゴムスイッチ２が加圧されて圧縮
すると電気信号が切り換わる。これにより人が検知され
る。

【００１２】したがって、たとえば噴水装置を動作させ
るための噴水駆動装置に上記信号ケーブル６を接続して
おくと、受圧板２の上の地表面Ｇに人が乗ったりしたと
きなどに噴水駆動装置が起動して噴水装置が動作し、受
圧板２の上の地表面Ｇに人がいないときには、加圧式ゴ
ムスイッチが圧縮されていない状態に復帰しているため
に噴水駆動装置が停止して噴水装置が休止したものにな
る。

【００１３】この実施例においては加圧式ゴムスイッチ
１をスイッチ要素として用いているので、耐久性に優
れ、しかも土の自重によっては電気信号が容易に切り換
わらなくなって誤作動を起こしにくいという長所があ
る。なお、スイッチ要素としては、加圧されることによ
って電気信号を切り換える機能を備えたものであれば加
圧式ゴムスイッチ以外のものでも使用可能である。

【００１４】上記加圧調整用部材３は受圧板２やゴムシ
ート５や受圧板２の上の地層Ｓの重さによって加圧式ゴ
ムスイッチ１が圧縮されないようにすることに役立つ。
したがって、この加圧調整用部材３としてコイルばねを
用いることも可能である。ストッパ４は受圧板２に過大
な荷重が加わったときにその受圧板２の変位幅を規制す
ることに役立つ。したがって、このストッパ４は加圧式
ゴムスイッチ１を保護する機能を有している。ゴムシー
ト５は受圧板２や加圧式ゴムスイッチ１を収容している
ケース１０内に土や水分が入り込まないようにすること
に役立つ。すなわち、このゴムシート５は防塵防水のた
めに役立っている。

【００１５】図３は請求項２の考案の実施例を示してい
る。この実施例においては、受圧板２が、人の重さによ
って撓み変位する材料、たとえばプラスチック板やゴム
板などで作られている。そして、この受圧板２の周辺部
が、鉄やプラスチックなどの剛性の高い材料で作られた
支持体７で支えられている。このような人検知装置によ
ると、受圧板２の上の地表面Ｇに人が乗ったりしたとき
などには、その重みで受圧板２が仮想線で示したように
下方に撓み変位して加圧式ゴムスイッチ１を加圧して圧
縮する。その他の事項は図１および図２で説明した実施
例と同様であるので、同一部分または相応する部分に同
一符号を付して詳細な説明を省略する。

【００１６】以上説明した各実施例において、人検知装
置を埋設してある地層Ｓの地表面Ｇに人が乗ったりして
もその人が人検知装置を視認することはないので、人検
知装置が目立って周囲の景観と違和感を生じることはな
い。また、人の重さによる受圧板２の上の地層Ｓや受圧
板２などの変位幅は１〜２ｍｍといったごく僅かでよい
ので、地表面Ｇでの人の踏圧感が損なわれることも、人
がそのような変位に気付くといったことも起こりにく
い。

【００１７】上記の各実施例では、被制御機器として、
噴水装置を例に説明したが、噴水装置以外でも、人を対
象にして動作制御することが望まれる遊具など、いかな
る被制御機器にも本考案の人検知装置を適用可能であ
る。

【００１８】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、被制御機
器の周辺の景観を損なわずに人検知を行うことが可能に
なるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１の考案の一実施例による人検知装置の
設置状態を説明的に示した概略断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図である。

【図３】請求項２の考案の他の実施例による人検知装置
の設置状態を説明的に示した概略断面図である。

【符号の説明】

１ 加圧式ゴムスイッチ（スイッチ要素） ２ 受圧板 ３ 加圧調整用部材 ７ 支持体 １０ ケース

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 人の重さを受けることにより下方に移動
   変位する受圧板と受圧板の過圧縮を防ぐ加圧調整用部材
   と受圧板が変位したときにその受圧板により加圧されか
   つ加圧されることによって電気信号を切り換える機能を
   備えたスイッチ要素とからなる加圧型センサを、上記受
   圧板が人の重さを受けて変位し得る深さの地中に埋設さ
   れるケースに収容してなることを特徴とする人検知装
   置。
2. 【請求項２】 人の重さを受けることにより下方に撓み
   変位する受圧板と受圧板の端部を支持する支持体と受圧
   板が変位したときにその受圧板により加圧されかつ加圧
   されることによって電気信号を切り換える機能を備えた
   スイッチ要素とからなる加圧型センサを、上記受圧板が
   人の重さを受けて変位し得る深さの地中に埋設されるケ
   ースに収容してなることを特徴とする人検知装置。