JP2578629B2 - 紙、パルプおよび板紙工業におけるセルロ−ス繊維の懸濁液および排水の保持率および精製を改善するための方法 - Google Patents

紙、パルプおよび板紙工業におけるセルロ−ス繊維の懸濁液および排水の保持率および精製を改善するための方法

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【発明の詳細な説明】 この発明は、カチオン性澱粉誘導体またはカチオン性
セルロース誘導体と組合わせてフェノールホルムアルデ
ヒド樹脂および高分子量のポリエチレンオキサイドで処
理することにより、紙、パルプまたは板紙工業における
セルロース繊維の懸濁液および排水の保持率および/ま
たは精製を改善するための方法に関するものである。
紙、パルプおよび板紙工業においては、カチオン性ポ
リアミン、カチオン性ポリアクリルアミドおよびカチオ
性澱粉誘導体のような異なる高分子電解質の添加によ
り、セルロース繊維の懸濁液の脱水の際、保持率を改善
するいくつかの方法が知られている。セルロース繊維の
懸濁液は、セルロース繊維に加えて、変化する量の、ク
レー、ドロマイト質石灰石およびせっこうのような無機
フィラー、無機および有機のバインダ、リグニンおよび
ヘミセルロースを含んでいる場合があり、高分子電解質
の添加はパルプ懸濁液中に存在する生成物の凝集を促進
し、次々とこれが保持率を改善する。ドイツ特許第2549
089号は、高分子量のポリエチレンオキサイドおよびフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂またはフェノール硫酸樹
脂およびポリアミドの組合わせを用いてセルロース繊維
の懸濁液を脱水する際保持率を改善する方法を開示して
いる。
セルロース繊維の懸濁液の脱水の後、多量の排水が受
け入れられる。たとえ保持率が良くても、排水の中には
少量の微小繊維、フィラーおよびバインダの残渣がリグ
ニンおよびヘニセルロースの溶解成分と同様に含まれて
いる。排水処理において、硫酸アルミニウム、塩化鉄、
ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン
イミンおよびカチオン性澱粉誘導体のような無機および
/または有機高分子電解質を添加することが試みられ、
凝集により不純物が除去されることは以前より知られて
いる。
カナダ特許第1004782号は、セルロース繊維の懸濁液
の脱水の際の保持率を改善するため高分子量のポリエチ
レンオキサイドと組合わせてフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂を用いる方法が開示されている。セルロース繊維
の懸濁液の脱水の際および排水の精製の際の両方におい
て、ポリエチレンオキサイド付加物は、フェノールホル
ムアルデヒド樹脂により形成されたフロックの凝集を促
進し、これは保持および精製を促進する。
高分子量のポリエチレンオキサイドとフェノールホル
ムアルデヒド樹脂との組合わせは良好な保持率および精
製をもたらすが、微小繊維および微粒子でコロイド状の
溶解物質の一定量は、周知の技術によってもウェブに保
持されないかまたは排水から除去されない。したがっ
て、さらにより良い保持率および精製を与える方法が望
まれている。このような問題は、たとえば廃棄紙パルプ
またはメカニカルパルプからの繊維懸濁液を脱水すると
き、あるいはそのようなパルプもしくはウッドルームか
らの排水を処理するときに生じる。したがって、さらに
良い保持率および精製を与える方法が望まれている。
ホルムアルデヒド樹脂および高分子量のポリエチレン
オキサイドに加えて、カチオン性澱粉誘導体もしくはカ
チオン性セルロース誘導体を繊維懸濁液または排水に加
えれば、保持率および精製を改善することができること
がここで見出された。カチオン性澱粉誘導体の存在によ
り、微小繊維および処理の間中存在もしくは形成される
凝集物質が、より容易に捕えられることが見出された。
繊維懸濁液脱水の際、微小繊維、バインダ粒子、フィラ
ー、フロック等は、より広い範囲にわたってウェブと結
合し、このことはより高い収率、より速い脱水および浄
化された排水を意味する。排水処理においては、この発
明を応用すると、微小繊維、バインダ粒子、フィラー、
顔料、リグニンおよびヘミセルロースが本質的により広
い範囲にわたって凝集してフロックとなることが観察さ
れた。このフロックは非常に安定で、沈降、浮揚、また
は遠心分離の後容易に分離することができる。
この発明に従う方法で用いるのに適した高分子量のポ
リエチレンオキサイドは、500,000以上の分子量を有し
ていることが好ましく、さらに好ましくは2,000,000以
上である。臨界的な上限は観察されておらず、したがっ
て分子量12,000,000のポリエチレンオキサイドでは良い
結果が達成されている。調製の間、鎖が短くなるため、
本質的により高い分子量を得ることが難しいこと証明さ
れている。この発明に従うポリエチレンオキサイドは主
にオキシエチレン基からなるが、オキシプロピレンのよ
うな他の基を少量含んでいてもよい。オキシエチレン以
外の他の基の量は、ポリエチレンオキサイドが水溶性を
残している量だけにすべきである。
この発明に従うフェノールホルムアルデヒド樹脂とし
ては、中性もしくは塩基性のpHで限られた溶解性を有す
る樹脂を用いることができるのであるが、水溶性である
ことが好ましい。酸性のpHでは、通常、樹脂は沈澱す
る。
この発明の方法で用いられるカチオン性澱粉誘電体
は、4級アンモニウム基で置換された、ジャガイモ、ト
ウモロコシまたは小麦からの適当な澱粉よりなる。適当
な置換度は0.01〜0.1である。このモディフィケーショ
ンにより、カチオン性澱粉誘電体は水溶性になる。カチ
オン性セルロース誘導体は水溶性であるべきであり、カ
チオン基に加えて、メチルもしくはエチル基のような低
級アルキル基、ならびにヒドロキシエチル、ヒドロキシ
プロピルおよびヒドロキシブチルのようなヒドロキシア
ルキル基を含んでいてもよい。適当なセルロース誘導体
は、アンヒドログルコース単位あたり0.01〜0.5のカチ
オン基、好ましくは4級アンモニウム基の置換度を有
し、約10,000から約1,000,000の分子量を有している。
フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンオキ
サイドおよびカチオン性澱粉誘導体もしくはカチオン性
セルロース誘導体の量には、臨界がない。適当な添加量
は、微小繊維、フィラー、バインダ、顔料、リグニンお
よびヘミセルロースの量および種類により調整される。
通常、フェノールホルムアルデヒド樹脂は排水をベース
にして、約1ppm以上、好ましくは約5ppm以上であり、ポ
リエチレンオキサイド量は約0.1ppm以上、好ましくは約
1ppm以上である。カチオン性澱粉誘導体もしくはカチオ
ン性セルロース誘導体の量は、排水をベースにして、約
1ppm以上、好ましくは5ppm以上である。適当な上限値
は、排水をベースにして、それぞれ約100、20および200
ppmである。保持率のためには、適当な添加量は懸濁液
中の物質の量をベースにして、フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂で重量で0.01〜0.5%であり、ポリエチレンオ
キサイドで重量で0.001〜0.1%であり、カチオン性澱粉
誘導体もしくはカチオン性セルロース誘導体で重量で0.
01〜1.0%である。成分が排水処理に用いられるかまた
は保持のために用いられるかに依存するが、ポリエチレ
ンオキサイドに対するフェノールホルムアルデヒド樹脂
の比率は、好ましくは1:5から50:1であり、ポリエチレ
ンオキサイドに対するカチオン性澱粉誘導体もしくはカ
チオン性セルロース誘導体の比率は、好ましくは1:5か
ら100:1である。
この発明の3つの成分は、任意の順番で供給すること
ができる。たとえば、カチオン性澱粉誘導体およびカチ
オン性セルロース誘導体をまず最初に供給し、続いてフ
ェノールホルムアルデヒド樹脂およびポリエチレンオキ
サイドをまさしくこの順序で添加することができる。ま
た、最初にフェノールホルムアルデヒド樹脂を添加し、
その後ポリエチレンオキサイドおよびカチオン性澱粉誘
導体もしくはカチオン性セルロース誘導体の混合物を添
加することもできる。
以下の実施例によりこの発明をさらに説明するが、こ
の実施例により発明の範囲が限定されるものではない。
実施例1 CTMP−およびボードミルからの排水の混合物からなる
排水を、ガラス容器に800mlの量注いだ。排水は6.5のpH
を有し、リッターあたりの乾燥固体含有量は2.5gであっ
た。25℃で500rpmの速度で排水を撹拌しながら、高分子
電解質を添加した。1分間撹拌した後、フェノールホル
ムアルデヒド樹脂を添加し、さらに1分後、高分子量の
エチレンオキサイド付加物を500rpmの速度の撹拌下に添
加した。最終添加の10秒後、撹拌速度を100rpmに減速
し、さらに50秒後、撹拌を中止した。排水中に形成され
たフロックは、それから1分間で落着き、サンプルは透
明な相を表わし、濁度は濁度計で計測した。添加した化
学薬品、その量および得られた透明性を第1表に示し
た。
この結果から明らかなように、この発明に従うテスト
2および3はカナダ特許第1004782号に従いなされたテ
ストに比べ本質的により大きな透明性を与える。カチオ
ン性澱粉誘導体以外の他の高分子電解質の添加はテスト
1との比較から、いかなる改善をも与えなかった。
実施例2 漂白していない古紙の洗浄−インク抜き工程からの排
水を、実施例1と同様にして25℃で処理した。排水は2.
5g/の乾燥固体含有量であり、pH7であった。添加した
化学薬品、その量および得られた結果を第2表に示す。
結果から明らかなように、この発明に従ったカチオン
性澱粉誘導体もしくはカチオン性セルロース誘導体の添
加は、フェノールホルムアルデヒド樹脂と高分子量のポ
リエチレンオキサイドとの従来の組合わせの使用に比べ
本質的に改善された精製を与えた。他の高分子電解質を
伴なうフェノールホルムアルデヒド樹脂と高分子量のポ
リエチレンオキサイドとの組合わせは改善を与えなかっ
た。
実施例3 漂白した古紙の洗浄−インク抜き工程からの排水を、
実施例1と同様にして25℃で処理した。排水は、リッタ
ーあたり4.4gの乾燥固体含有量を有し、pH8であった。
添加した化学薬品、その量および得られた結果を第3表
に示す。結果から明らかなように、この発明に従ったテ
ストは、フェノールホルムアルデヒド樹脂と高分子量の
ポリエチレンオキサイドのみを別々にもしくは組合わせ
て使った場合に比べ、かなり改善された精製を与えた。
実施例4 重量で0.55%のセルロース繊維濃度およびpH7を有す
るパルプ懸濁液を、35℃で保持テストした。セルロース
繊維の60%は洗浄−インク抜きパルプからのものであ
り、30%はサルフェートパルプのブロークからのもので
あり、10%は漂白したサルフェートパルプからのもので
あった。保持テストは、Brittに従って行なった。TAPPI
56(10),46(1973)を参照。添加した化学薬品、それ
らの量および得られた結果は第4表に示す。結果から明
らかなように、この発明に従った方法により得られる保
持は、比較試験において得られる保持に比べ、本質的に
改善されている。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノールホルムアルデヒド樹脂および高
    分子量のポリエチレンオキサイドによる処理により、
    紙、パルプおよび板紙工業におけるセルロース繊維の懸
    濁液および排水の保持率および精製を改善するための方
    法において、 フェノールホルムアルデヒド樹脂および高分子量のポリ
    エチレンオキサイドによる処理を、カチオン性澱粉誘導
    体またはカチオン性セルロース誘導体の組合わせて行な
    うことを特徴とする、紙、パルプおよび板紙工業におけ
    るセルロース繊維の懸濁液および排水の保持率および製
    造を改善するための方法。
  2. 【請求項2】ポリエチレンオキサイドに対するフェノー
    ルホルムアルデヒド樹脂の重量比が1:5〜50:1であり、
    かつポリエチレンオキサイドに対する澱粉誘導体または
    セルロース誘導体の重量比が1:5〜100:1であることを特
    徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】澱粉誘導体およびセルロース誘導体のカチ
    オン性基が4級アンモニウム基であることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリエチレンオキサイドが500,000以上の
    分子量を有することを特徴とする、請求項1、2または
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】澱粉誘導体が0.01〜0.1のカチオン置換度
    を有することを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれ
    か1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】セルロース繊維の懸濁液が、重量で0.01〜
    0.5%のフェノールホルムアルデヒド樹脂、重量で0.001
    〜0.1%の量のポリエチレンオキサイドおよび重量で0.0
    1〜1.0%の量のカチオン性澱粉誘導体またはカチオン性
    セルロース誘導体の存在下に脱水されることを特徴とす
    る、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】排水が、排水をベースにして、1ppm以上の
    量のフェノールホルムアルデヒド樹脂、0.1ppm以上の量
    のポリエチレンオキサイドおよび1ppm以上のカチオン性
    澱粉誘導体またはカチオン性セルロース誘導体の存在下
    に精製されることを特徴とする、請求項1〜6のうちい
    ずれか1項に記載の方法。
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