JP2568400Y2 - 帽子における帽章・装飾ワッペン取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は帽子の帽章・装飾ワッペ
ンなどの取付構造に際し、特に帽章・装飾ワッペンを意
のままに取換えることができる帽子における帽章・装飾
ワッペン取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般の縁無し帽子は、図５に示す如く、
クラウン部１１及び目びさし１２（その他ハットなどは
ブリム）からなり、ほとんどがそのクラウン部１１正面
又は周面に各模様の帽章・装飾ワッペン１３を縫付け
て、着用者の所属グループや職業柄を示したり、或い
は、例えば子供や小学生などはミッキー・マウス、ドナ
ルド・ダックなどのアニメや漫画の主人公、中学生や高
校生はアイドルの肖像や興味ある記章模様、大学生や大
人は創意あるロマンチックな図柄などを取付けて、帽子
に美観や興味感を漂わせて人目を引き着けたり、又はそ
の他特別のシンボルを表示させるようにしている。

【０００３】然しながら、その帽章・装飾ワッペン１３
は、一様に単純な固定方式によって取付けられて取替え
できないか若しくは取換えに手間がかかるものが多く、
永久不変だと飽き易く時には変化を求めたい者、特に帽
章・装飾ワッペン１３をときどき意のままに変えたがる
人達にとっては物足りなく感じられる。

【０００４】上記従来の帽子における帽章・装飾ワッペ
ン取付け態様の問題点に鑑み、本考案者は、随時に帽章
・装飾ワッペンを取換えることができ、周囲の者に新
奇、興味、創意及び美観などの多様な感覚を与える帽子
における帽章・装飾ワッペン取付構造を提供することを
目的として、従来から研究を続けた結果、新しいワッペ
ン取付構造を開発し、既に平成５年１月１８日付で実用
新案登録願第１１４０８６号として提案をした。

【０００５】これは図１に示すように、帽子の装飾ワッ
ペン４０を取換え可能に、帽子クラウン部２０周面の適
当な箇所又は目びさし３０にナイロン質ループシート２
１を縫付けて接着部を形成し、自分の好むそれぞれ装飾
ワッペン４０裏側にフックシート４１を取付けることに
より、貼着手段としてマジックテープ式に装飾ワッペン
４０を上記接着部に着脱自在に取付保持させるものであ
る。

【０００６】この新しい技術はワッペンを自由に取換え
ることができる点で極めて優れたものである。しかしそ
のナイロン質ループシート２１は質感が硬く、表面がば
さばさして感触的に決して最良とは言い難く、外観上、
美観に乏しい傾向がある。このため、ループシート２１
の接着区域の面積を小さくして装飾ワッペン４０により
全面的に覆い被すようにすると、今度は装飾ワッペン４
０周縁がはみだして捲れ易く外観上に悪影響をもたらす
ことがある。特に、多数の装飾ワッペン４０を意のまま
に同時に接着させることができないので、使用上、比較
的融通性に欠ける。そして、逆に、ループシート２１の
接着区域の面積を大きくすると、多数の装飾ワッペン４
０を任意に組合せて同時に取付けることができるが、各
装飾ワッペン４０の配置関係から一部のループが露出し
易く或いは部分装飾ワッペン４０周縁がはみだして捲れ
たりすることがあり、外観上に影響をもたらす傾向が残
る。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の帽子におけ
る帽章・装飾ワッペン取付け態様の問題点に鑑み、本考
案は、任意に帽章・装飾ワッペンを取換えることがで
き、周囲の者に新奇、興味、創意及び美観などの多様な
感覚を与える製作容易な帽子における帽章・装飾ワッペ
ン取付構造を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案は、その正面下端縁よりほぼ水平外向きに伸出す
る目びさしとクラウン部から成る帽子において、クラウ
ン部（但し、クラウン部が網目構造をその一部に有して
いる場合には、網目構造部分を除く）を接着部となし、
該接着部は、外側から裏側へとビロード織ナイロン布、
スポンジ及び紡織布をこの順序で積層縫合せて形成さ
れ、該ビロード織ナイロン布及び紡織布を伸縮性を持た
すよう弛め平織りして、かつ複数の帽章・装飾ワッペン
背面にそれぞれ張付部を設けて、該張付部を該接着部に
接着固走させることにより、該帽章・装飾ワッペンを取
換え可能に該クラウン部周面に取付けるようにして構成
される。

【０００９】上記紡織布を編織紡織布、代表的には「ト
リコット」なる登録商標で知られているものによって編
織るようにしたり、クラウン部全体を該接着部で形成し
たり、或いは、上記クラウン部のその一部が網目構造と
なっている場合には、その網目構造部分を除いた残りの
部分、例えば全体の２／３面積に相当する部分が網目構
造部分の場合には、この部分を除いて接着部としたり、
さらに、上記目びさし表面を該接着部や或はビロード織
ナイロン布で形成するようにすれば一層好ましくなる。

【００１０】

【作用】上記のように、本考案は、帽子のクラウン部
（但し、網目構造を有する場合には、この網目構造部分
を除く）に接着部を形成し、一方、異なる図柄の帽章・
装飾ワッペン背面に該接着区域と互いに貼合せて固定す
る接着手段を設けて、それぞれ帽章・装飾ワッペンを着
脱自在に該接着部に貼着して該クラウン部に取付けるこ
とができるので、着用者は周囲環境の違いに応じて適宜
に帽章・装飾ワッペンを取換えて使用することができ
る。

【００１１】本考案は、帽子のクラウン部に接着部を設
ける一方、多数の模様図柄の異なる帽章・装飾ワッペン
背面にそれぞれ該接着部と互いに接着する張付部を設け
て、それぞれ帽章・装飾ワッペンを着脱自在に該接着部
に貼着して該クラウン部部に取付けることができるよう
にしているので、着用者が周囲環境に応じて適宜に模様
異なる帽章・装飾ワッペンを着脱自在に取換えて使用す
ることができる。尚クラウン部とは図２及び図５で示さ
れる様に、目びさしが存在する所ばかりでなく、目びさ
し部の存在しない部分をも示す。

【００１２】そして、上記紡織布を編織紡織布によって
編織るようにしたり、上記クラウン部全体を接着部に形
成したり、或いは、網目構造が上記クラウン部全体の２
／３面積に相当する場合には残りの１／３部分に接着部
を設けたり、さらに、上記目びさし表面を該接着部又は
ビロード織ナイロン布で那成するようにしているので、
多数の帽章・装飾ワッペンを組合せて取付けることがで
き、帽子にいろいろな興味ある図形模様をそなえさせる
ことができる。

【００１３】この考案の上記またはその他の目的、特徴
および利点は、図面を参照しての以下の実施例の詳細な
説明から一層明らかとなろう。

【００１４】

【実施例】

【００１５】本考案の実施例として図２に示す如く、本
考案の帽子における帽章・装飾ワッペン取付け構造は、
主として、クラウン部２０及び該クラウン部２０正面底
縁から前向きに押出する目びさし３０によって形成され
た帽子の、そのクラウン部２０の少なくとも一部を接着
部に形成して、図３に示すように、該接着部を表面から
裏面へと順にビロード織ナイロン布２２、スポンジ層２
３、及び紡織布２４を積層して形成し、そのうち、該ビ
ロード織ナイロン布２２は編織りによってなり、柔軟質
であると共にかなり良好な伸縮性をそなえて、その表面
をけば立ち処理により接着ループを形成させる。該紡織
面２４は編織紡織布、綿糸、麻糸、混紡糸などを編み織
ってなり、その作用は頭部に接触被覆して快適な感じを
あたえると共に、帽子内面に縫合されてスポンジ層２３
を保護し、本実施例では、編織紡織布、例えば「トリコ
ット」なる登録商標のものにより該紡織布２４を網目に
編み織るのであるが、該トリコットは極めて伸縮性に優
れてかつ廉価である。

【００１６】該目びさし３０は、上記クラウン部２０正
面下縁より押出するように設けられ、図４に示すよう
に、表面から底面にかけてビロード織ナイロン布３１、
スポンジ３２、板体３３、布３４など４層を重畳積層し
て縫合せ、その表面に上記クラウン部２０同様の接着部
を形成する。

【００１７】そして、このような構造から、一般の帽章
・装飾ワッペン４０の裏面にフックシート４１による張
付部を設けると、任意に上記クラウン部２０周面や目び
さし３０表面に接着させて、使用者が意のままに自分の
好きな帽章・装飾ワッペン４０を使用して新奇、興味、
創意ある多様な展示効果をあげることができる。しか
も、該ビロード織ナイロン布２２の材質は極めて柔軟で
感触がよく、かつスポンジ層２３の支持により容易に皺
が寄らないので、全体表面が接着部としての機能をまっ
とうすると共に、その外観上の美観を確保することがで
きる。

【００１８】図６に示すのは、本考案の使用状態表示図
であり、該クラウン部２０周面または目びさし３０表面
の接着部に、任意に使用者の好む装飾ワッペン４０を接
着保持させることができ、例えば、図示のように平面お
よび立体の装飾ワッペン４０を接着して、インディアン
の住居環境の雰囲気をかもし出させているように、いろ
いろな態様の装飾ワッペン４１を組合せてクラウン部２
０および目びさし３０のそれぞれ接着部に接着させ、帽
子に生き生きとした雰囲気を漂わせることができる。

【００１９】図７に示すのは、本考案における第２の実
施例で、図示のように、そのクラウン部２０全体の１／
３面積に当たるクラウン部正面を接着部に形成し、その
他２／３の面積に相当する後方部分を網目２５に形成し
て、かつ該接着部を上記同様にビロード織ナイロン布２
２、スポンジ２３、および編織紡織布編みの紡織布２４
など３層を順に積層して形成すると共に、該目びさし３
０を表面から底面へ順にビロード織ナイロン布、スポン
ジ、板体、布など４層を重畳積層して縫い合せ、該目び
さし３０全体表面を接着部に形成するのである。

【００２０】図８に示すのは、本考案における他の実施
例で、図示のように、その他種類の帽子、例えばクラウ
ン部２０上端が空になっている運動帽や日よけ帽、また
は適当なハットなども、それぞれのクラウン部２０に上
記接着部を形成して、上記実施例と同様に意のままに帽
章・装飾ワッペン４０を取り替えて素敵な使用効果を期
待することができる。

【００２１】上記の説明から分かるように、本考案の主
な特徴は、ビロード織ナイロン布２２、スポンジ２３、
および編織紡織布編みの紡織布２４など３層を利用し
て、順に重畳積層させて帽子クラウン部の製作材料にし
ており、該３層はともに伸縮性材質に属するので、容易
にクラウン部形状に造り上げることができて、制作上、
極めて簡単便利であり、かつビロードの美しい表面を保
ちながらも優れた接着効果を具えていると同時に、帽子
全体表面、若しくは部分表面を接着部に形成して、いろ
いろな装飾ワッペンを各種各様の態様に組立接着させ
て、それぞれ場面にマッチした素敵な使用効果を発揮さ
せることができる。

【００２２】現在、帽子に使用されている装飾ワッペン
には千差万別の模様、例えば動物、草花、アニメや漫画
の主人公、日用品、車両、船舶、運動用具、国旗、紋章
等とあるが、本考案に貼着して取換え可能に使用できる
ように各種模様のものを製作して、そのそれぞれ背面に
張付部を取付けて使用者に選ばせて購入させる必要があ
るとともに、使用者としても各種各様の帽子を擁するわ
けには行かないので、本考案を使用すればまさに一つの
帽子で多様な展示効果を得ることができる。

【００２３】

【考案の効果】上記のように構成された、本考案は、帽
子クラウン部に装着されるループシートに着脱自在に貼
付け固定する該帽章・装飾ワッペンを、各種模様または
形状帽章など、例えば著名なアイドルスターなどの写真
図柄、或いはプロ野球チームの球団ロゴなどと色々な図
柄で形成して、帽子屋やその他店先で販売するように容
易に購入できるようにすれば、使用者は自分の好みの色
々な図柄の帽章・装飾ワッペンを備えて、出かけ先の環
境雰囲気にマッチして意のままに帽子クラウン部の帽章
・装飾ワッペンを取換え使用することができ、周囲の者
に多様な新奇、興味、創意ある感じや素敵な美観を表示
することができる。

【００２４】上記のように構成された、本考案は、頭上
に被られる帽子のクラウン部周面の適当な箇所に、取換
え可能に帽章・装飾ワッペンを取付けると非常に目立つ
ものとなり、その装飾ワッペンの模様変化は他人の視線
を集められずにはおかない吸引力がひとしお強く、それ
故、その構造特徴から少なくとも下記のような効果が生
ずる。

【００２５】１．一つで多様な効果を得る。ただ一個の
帽子で、使用者の好みの装飾ワッペンを任意に取換え着
脱させて、それぞれ場面に即応した各自の個性や品格を
展示させることができる。

【００２６】２．娯楽的効果がある。例えば、アニメや
漫画の主役、玩具、人形、星や月、アイドルスター等の
図柄を任意に着脱して、使用上の変化からいろいろな娯
楽効果を得ることができる。

【００２７】３．教育効果をもたらす。一般幼い子供は
動植物全部について熟知しているはずがなく、もしも水
族館や動物園の行ったあと、適当にいろいろな動物や魚
類の装飾ワッペンを購入して帽子に取付け、かつ蛸であ
るとか鮫であるとかと教えて、印象深い教育効果を上げ
ることができる。

【００２８】４．自己の信念を表示する。適当な文字の
配列や図柄を帽子に接着して、禁煙の標示、環境保護の
標示、或いは動物愛護の標示などをさせて、自己の考え
方を表示することができる。

【００２９】５．スポーツの参加種目を表示する。もし
運動会に参加した場合、単に所属チームを表示するなら
ばワッペンに所属チームの名を印せばよいが、所属チー
ムのバスケットチームのメンバーである時は、バスケッ
トボールの模様を付加したワッペンを取付ければ、その
参加スポーツ種目が一目瞭然と分かる。

【００３０】６．流行の波に乗らせる。流行の波に乗っ
て新奇な図柄模様のワッペンを帽子に取付けると、若い
青少年の流行に同流したい欲求を満足させることができ
る。

【００３１】７．美観を漂わせて、快適な触覚を保たせ
る。接着部表面をナイロン質ビロードで形成しているの
で、外観が美しくかつ触覚も上々である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案者が先に考案した帽子における帽章・装
飾ワッペン取付構造の立体分解図である。

【図２】帽子における本考案の接着部の立体斜視図であ
る。

【図３】本考案の帽子クラウン部における接着部の断面
表示図である。

【図４】本考案の帽子目さびしにおける接着部の断面表
示図である。

【図５】従来の帽子における帽章・装飾ワッペンの取付
け態様表示図である。

【図６】本考案の帽子における帽章・装飾ワッペン取付
構造の使用態様表示図である。

【図７】本考案の他の実施例表示図である。

【図８】本考案の帽子における帽章・装飾ワッペン取付
構造のもう一つの使用態様表示図である。

【符号の説明】

２０：クラウン部 ２１：ループシート ２２：ビロード織ナイロン布 ２３：スポンジ ２４：紡織布 ３１：ビロード織ナイロン布 ４０：帽章・装飾ワッペン ４１：フックシート

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】目びさし（３０）とクラウン部（２０）と
   から成る帽子に於いて、クラウン部を接着部となし、該
   接着部は外側から裏側へとビロード織ナイロン布（２
   ２）、スポンジ（２３）及び紡織布（２４）を積層縫合
   せて形成され、該ビロード織ナイロン布（２２）及び紡
   織布（２４）は伸縮性をもたすように弛め平織りされて
   おり、且つ複数の帽章、装飾ワッペン（４０）背面にそ
   れぞれ張付部を設けて、該張付部を該接着部に接着固定
   させることにより、該帽章・装飾ワッペン（４０）を取
   換え可能に該クラウン部（２０）に取付るようにしてな
   る帽子における帽章、装飾ワッペン取付構造。
2. 【請求項２】上記目びさし（３０）表面に上記積層縫合
   させた接着部を形成させた請求項１に記載の帽子におけ
   る帽章・ワッペン取付構造。
3. 【請求項３】上記目びさし（３０）表面をビロード織ナ
   イロン布（３２）で形成するようにしてなる請求項１に
   記載の帽子における帽章・ワッペン取付け構造。
4. 【請求項４】上記紡織布（２４）を編織紡織布によって
   編織るようにしてなる請求項１に記載の帽子における帽
   章・装飾ワッペン取付構造。