JP2557456Y2 - 液温直接測定式温度変化型屈折率測定装置 - Google Patents
液温直接測定式温度変化型屈折率測定装置Info
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- JP2557456Y2 JP2557456Y2 JP8577291U JP8577291U JP2557456Y2 JP 2557456 Y2 JP2557456 Y2 JP 2557456Y2 JP 8577291 U JP8577291 U JP 8577291U JP 8577291 U JP8577291 U JP 8577291U JP 2557456 Y2 JP2557456 Y2 JP 2557456Y2
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- Japan
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- temperature
- immersion liquid
- refractive index
- sample
- temperature sensor
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- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本考案は、測定試料を浸液に浸したカプセルを位相差偏
向顕微鏡のステージ上に載置し、浸液に温度変化を与え
ながら直接浸液の温度を測定し、試料の屈折率を測定す
る装置に関するもので、鉱物の屈折率を測定して、火山
灰などの地層の特定を行う地質学や考古学の分野等にお
いて利用される。 (従来技術とその問題点) 地質学や考古学の分野においては、異種火山灰相互でガ
ラス等の鉱物の屈折率が相違していることを利用し、火
山灰中のガラス等の鉱物の屈折率を測定することによっ
て、地層の特定を行なっている。この屈折率の測定方法
には、浸液法、分散法及び温度変化法の三方法がある
が、近時はペルチェ効果を利用した熱電素子による高精
度の温度制御装置による温度変化法が、測定効率及び精
度が高いことから主流となってきており、本願考案もこ
の方法に関するものである。この温度変化法は、例えば
直径0.1mm程度以下のガラス等の測定試料をダイフ
ロイル、α−クロルナフタレン、ヨウ化メチレンの三液
体を単体又は適宜混合して調整した浸液に浸し、セルと
呼ばれる密封容器に入れ、これをステージの表面に熱伝
導層を形成し、その上に電流を正逆方向に切り換えるこ
とによって表面の加熱作用と裏面の冷却作用が逆転する
一又は二以上の熱電素子を密着させ、熱電素子の熱交換
手段を設けている温度制御装置に載せ、15〜60℃の
範囲で加熱冷却して、浸液の屈折率を変化させ、試料が
視界から消えた時点の浸液の屈折率を試料の屈折率とし
て特定するというものである。この場合、加熱冷却装置
中に配置した温度センサーで浸液の温度を読取り、試料
が視界から消えた時点でスイッチを操作すると浸液の温
度が判明するようになっている。この方法においては、
浸液の温度を直接測定できないことから、測定温度と実
際の浸液の温度とに差が生じやすく、特に室温との差が
大きくなるほど、この差は大きくなることが懸念され
る。従って、浸液と試料との瞬間的な屈折率の一致時点
における温度にずれが生じ易く、測定は温度上昇時と下
降時との平均値をとらなければならない。このため測定
は同じ試料について二度行なわなければならず、しかも
浸液温度と測定温度との差を含んだ値を平均してこの誤
差を概略補正しなけらばならないなどの不都合があっ
た。 (技術的課題) 本考案は、測定試料を浸液に浸したカプセルを位相差偏
向顕微鏡のステージ上に載置し、浸液に温度変化を与え
ながら試料の屈折率を測定する装置において、浸液の温
度を直接測定することを課題としたものである。 (技術的手段) この技術的課題を解決するための技術的手段は、 (イ) 極薄いガラス板(カバーグラス等)の上に中空
状にグリースをのせ、中空部分に浸液と測定試料を浸
し、これに極細い温度センサーを載せ、さらに上から極
薄いガラス板(カバーグラス等)を載せて、浸液と試料
を密封したものをカプセルとし、 (ロ) このカプセルを位相差偏光顕微鏡のステージ上
に載置した透明加温板上に載せ、浸液の温度を変化させ
ながら、浸液の温度を直接測定して屈折率を測定するこ
と、である。 (技術的手段の作用) 上記の技術手段においては、極薄く熱伝導性の高いカプ
セルと極細く測定精度の高い温度センサーを使用させて
いる。カプセルはグリース等の粘度の大きいシール材を
使用するため、極細い温度センサーを密封中の浸液に容
易に挿入することができ、また引抜きも容易に行なえる
ことから、測定試料の交換は短時間で済む。また、浸液
の温度を直接測定していることから、室内の環境や測定
温度に関係なく正確な浸液の温度を測定し正確な屈折率
を特定することができる。 (本考案の効果) 浸液の温度を直接測定できる結果、室内の環境や測定温
度に関係なく正確な浸液の温度を測定し正確な屈折率を
特定することができる。また、温度上昇時と下降時との
測定温度には差が無いことから、同一試料を上昇及び下
降時の二回測定をする必要が無く、測定時間は半分以下
に短縮される。従来の測定値には、周辺の環境変化、温
度変化速度、室温と浸液との温度差等から発生する複数
の誤差が含まれている可能性が高く、上昇及び下降時の
二回測定の平均化を以てしても誤差を打ち消すことは困
難である。本装置は肉眼による温度変化法での測定限界
にまで精度を向上することが可能である。また試料が消
えるという現象を肉眼以上の感度を有する装置で測定し
た場合や、浸液と測定試料との屈折率との差をさらに強
調できる装置を利用できれば、さらに精度を向上させる
ことも可能である。 (実 施 例) 次に、上記技術手段の具体例を図面を参酌して説明す
る。第1図は、透明加温板(7)上のカプセル(1)及
び加温板の断面図、第2図はこれらの平面図を示したも
のである。カプセルを構成する基盤(2)は四角形の極
薄いガラス板(カバーガラス等)で構成してあり、この
上に側方をグリース(3)で拘束された浸液及び試料
(4)が載る。また、極細い温度センサー(5)がガラ
ス外部よりグリース中を貫き測定試料を含む浸液中に設
置してある。この上にはさらに極薄いガラス板(カバー
ガラス等)(6)が載り、浸液と試料は温度センサーを
含み密封された状態となる。温度センサー(5)及び透
明加温板(7)は図示しないコンピューター制御の温度
コントローラーに接続され、透明加温板を用いて浸液の
温度を制御する。温度センサー(5)は透明加温板
(7)上に固定され、カプセルはこの温度センサーから
容易に着脱できるようになっている。
向顕微鏡のステージ上に載置し、浸液に温度変化を与え
ながら直接浸液の温度を測定し、試料の屈折率を測定す
る装置に関するもので、鉱物の屈折率を測定して、火山
灰などの地層の特定を行う地質学や考古学の分野等にお
いて利用される。 (従来技術とその問題点) 地質学や考古学の分野においては、異種火山灰相互でガ
ラス等の鉱物の屈折率が相違していることを利用し、火
山灰中のガラス等の鉱物の屈折率を測定することによっ
て、地層の特定を行なっている。この屈折率の測定方法
には、浸液法、分散法及び温度変化法の三方法がある
が、近時はペルチェ効果を利用した熱電素子による高精
度の温度制御装置による温度変化法が、測定効率及び精
度が高いことから主流となってきており、本願考案もこ
の方法に関するものである。この温度変化法は、例えば
直径0.1mm程度以下のガラス等の測定試料をダイフ
ロイル、α−クロルナフタレン、ヨウ化メチレンの三液
体を単体又は適宜混合して調整した浸液に浸し、セルと
呼ばれる密封容器に入れ、これをステージの表面に熱伝
導層を形成し、その上に電流を正逆方向に切り換えるこ
とによって表面の加熱作用と裏面の冷却作用が逆転する
一又は二以上の熱電素子を密着させ、熱電素子の熱交換
手段を設けている温度制御装置に載せ、15〜60℃の
範囲で加熱冷却して、浸液の屈折率を変化させ、試料が
視界から消えた時点の浸液の屈折率を試料の屈折率とし
て特定するというものである。この場合、加熱冷却装置
中に配置した温度センサーで浸液の温度を読取り、試料
が視界から消えた時点でスイッチを操作すると浸液の温
度が判明するようになっている。この方法においては、
浸液の温度を直接測定できないことから、測定温度と実
際の浸液の温度とに差が生じやすく、特に室温との差が
大きくなるほど、この差は大きくなることが懸念され
る。従って、浸液と試料との瞬間的な屈折率の一致時点
における温度にずれが生じ易く、測定は温度上昇時と下
降時との平均値をとらなければならない。このため測定
は同じ試料について二度行なわなければならず、しかも
浸液温度と測定温度との差を含んだ値を平均してこの誤
差を概略補正しなけらばならないなどの不都合があっ
た。 (技術的課題) 本考案は、測定試料を浸液に浸したカプセルを位相差偏
向顕微鏡のステージ上に載置し、浸液に温度変化を与え
ながら試料の屈折率を測定する装置において、浸液の温
度を直接測定することを課題としたものである。 (技術的手段) この技術的課題を解決するための技術的手段は、 (イ) 極薄いガラス板(カバーグラス等)の上に中空
状にグリースをのせ、中空部分に浸液と測定試料を浸
し、これに極細い温度センサーを載せ、さらに上から極
薄いガラス板(カバーグラス等)を載せて、浸液と試料
を密封したものをカプセルとし、 (ロ) このカプセルを位相差偏光顕微鏡のステージ上
に載置した透明加温板上に載せ、浸液の温度を変化させ
ながら、浸液の温度を直接測定して屈折率を測定するこ
と、である。 (技術的手段の作用) 上記の技術手段においては、極薄く熱伝導性の高いカプ
セルと極細く測定精度の高い温度センサーを使用させて
いる。カプセルはグリース等の粘度の大きいシール材を
使用するため、極細い温度センサーを密封中の浸液に容
易に挿入することができ、また引抜きも容易に行なえる
ことから、測定試料の交換は短時間で済む。また、浸液
の温度を直接測定していることから、室内の環境や測定
温度に関係なく正確な浸液の温度を測定し正確な屈折率
を特定することができる。 (本考案の効果) 浸液の温度を直接測定できる結果、室内の環境や測定温
度に関係なく正確な浸液の温度を測定し正確な屈折率を
特定することができる。また、温度上昇時と下降時との
測定温度には差が無いことから、同一試料を上昇及び下
降時の二回測定をする必要が無く、測定時間は半分以下
に短縮される。従来の測定値には、周辺の環境変化、温
度変化速度、室温と浸液との温度差等から発生する複数
の誤差が含まれている可能性が高く、上昇及び下降時の
二回測定の平均化を以てしても誤差を打ち消すことは困
難である。本装置は肉眼による温度変化法での測定限界
にまで精度を向上することが可能である。また試料が消
えるという現象を肉眼以上の感度を有する装置で測定し
た場合や、浸液と測定試料との屈折率との差をさらに強
調できる装置を利用できれば、さらに精度を向上させる
ことも可能である。 (実 施 例) 次に、上記技術手段の具体例を図面を参酌して説明す
る。第1図は、透明加温板(7)上のカプセル(1)及
び加温板の断面図、第2図はこれらの平面図を示したも
のである。カプセルを構成する基盤(2)は四角形の極
薄いガラス板(カバーガラス等)で構成してあり、この
上に側方をグリース(3)で拘束された浸液及び試料
(4)が載る。また、極細い温度センサー(5)がガラ
ス外部よりグリース中を貫き測定試料を含む浸液中に設
置してある。この上にはさらに極薄いガラス板(カバー
ガラス等)(6)が載り、浸液と試料は温度センサーを
含み密封された状態となる。温度センサー(5)及び透
明加温板(7)は図示しないコンピューター制御の温度
コントローラーに接続され、透明加温板を用いて浸液の
温度を制御する。温度センサー(5)は透明加温板
(7)上に固定され、カプセルはこの温度センサーから
容易に着脱できるようになっている。
【図面の簡単な説明】
図面は、技術的手段の具体例を説明するためのもので、
第1図は透明加温板及びカプセルの断面図、第2図はこ
れらの平面図、第3図は顕微鏡のステージの平面図であ
る。 (1) カプセル、(2)(6) ガラス板、(3)
グリース、(4) 浸液及び試料、(5) 温度センサ
ー、(7) 透明加温板、(8) 偏光顕微鏡のステー
ジ
第1図は透明加温板及びカプセルの断面図、第2図はこ
れらの平面図、第3図は顕微鏡のステージの平面図であ
る。 (1) カプセル、(2)(6) ガラス板、(3)
グリース、(4) 浸液及び試料、(5) 温度センサ
ー、(7) 透明加温板、(8) 偏光顕微鏡のステー
ジ
Claims (1)
- (57)【実用新案登録請求の範囲】 (1) 測定試料と浸液とを密封したカプセルを位相差
偏光顕微鏡のステージ上に載置した透明加温板上に載
せ、浸液の温度を変化させながら、試料の屈折率を測定
する装置において、極薄いガラス板(カバーグラス等)
の上に中空状にグリースをのせ、中空部分に浸液と測定
試料を浸しこれに極細い温度センサーを載せ、さらに上
から極薄いガラス板(カバーグラス等)を載せて浸液と
試料を密封したものをカプセルとし、浸液の温度を直接
測定して屈折率を測定する装置。 (2) グリースの代わりにゲル状の種々物質を使用す
る実用新案登録請求の範囲1項に記載の装置。 (3) 極細い温度センサーの代わりに極薄い温度セン
サーを使用する実用新案登録請求の範囲1項又は第2項
に記載の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8577291U JP2557456Y2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 液温直接測定式温度変化型屈折率測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8577291U JP2557456Y2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 液温直接測定式温度変化型屈折率測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0612947U JPH0612947U (ja) | 1994-02-18 |
JP2557456Y2 true JP2557456Y2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=13868170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8577291U Expired - Lifetime JP2557456Y2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 液温直接測定式温度変化型屈折率測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2557456Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109490239B (zh) * | 2018-12-27 | 2024-02-02 | 重庆医科大学 | 一种载玻片制样专用红外透反射光谱测量附件 |
-
1991
- 1991-07-23 JP JP8577291U patent/JP2557456Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0612947U (ja) | 1994-02-18 |
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