JP2556262Y2 - ポータブルキッチンセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、車両等を利用してオー
トキャンプを行う場合のポータブルキッチンセットに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、車両を利用してキャンプを行う場
合、車両にキッチン用の調理，炊事具等の設備を完備し
たキャンピングカー，キャンピングトレーラー等がある
が、これらの車両を利用することは経済的に高価となる
ため、一般的にはワゴン車，ワンボックス車両等のバン
型車両が利用されるもので、この場合、例えば調理，炊
事等に供する用具としては図１０乃至図１５に示すもの
があり、図１０は蛇口２を有する飲料水の貯水タンク
１、図１１に示すものは貯水タンク４，汚水タンク５，
流し台６とを組立てた貯水兼用流し台３で、手動ポンプ
７が設けられている。また、図１２のものは貯水タンク
８，汚水タンク９，流し台１０がそれぞれ個別に設けら
れたもので、貯水タンク８には電動ポンプ１１が内蔵さ
れて電源コード１２によりバッテリ等に接続され、ま
た、給水管１３により流し台１０に接続されて給水可能
に設けられ、また、流し台１０にはシャワー兼用の蛇口
１４が設けられ、同流し台１０は排水管１５により汚水
タンク９に接続されている。また、図１３及び図１４は
炊事用のコンロ１６，１７であって、このコンロ１６は
小型の携帯用のもので、ＬＰガス或いはホワイトガソリ
ン，灯油等の燃料タンク１８が一体に形成され、また、
コンロ１７は２連のバーナー１９を有する中形コンロで
あって、別体の中，大型のＬＰガス、或いはホワイトガ
ソリン，灯油等のボンベ２０がガスホース２１等により
接続されている。又、この他に図１５に示すようなテー
ブル２２及び食器類，テント等が必要であり、これらの
ものはキャンプの形態に応じて各種に組み合わせて準備
し、車両に積載するものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のキャンプ用具を車両に積み下ろしするのは極めて手数
を要するとともに、積み重ねすると損傷する恐れのある
ことから、積載スペースを広く必要として荷室に対する
積載効率が悪く、また、車両による移動中における器具
の使用を簡単に行うことができない問題点があった。

【０００４】本考案は、上記従来の問題点を解決すべく
成されたもので、車両に対する積載効率が良好で、その
積み下ろし，使用勝手の良好なポータブルキッチンセッ
トを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記技術課題
を解決するため、ワンボックス車両等のバン型車両のボ
デー後部の座席兼用の荷室の開口部側に載置可能なポー
タブルキッチンセットであって、上部側にレンジ部と流
し台部、下部側に汁器，食料等の収納庫と飲料水，汚水
等のタンクを格納するタンク収納部とを形成したキッチ
ン函体を主体とし、前記流し台には傾動可能に折り込ま
れる蛇口が設けられ、前記タンク収納部には、観音開き
状に開閉可能で開放状態で上面に調理用板を橋渡し状に
することで作業台とし得る扉が取り付けられ、前記レン
ジ部には、レンジを積載した引き出し可能なスライド板
が設けられ、前記キッチン函体は前記荷室にリヤシート
を立脚した後部に載置可能であって、かつ前記レンジ部
及び流し台部の上面を閉蓋する蓋部材はリヤシートに干
渉することなく展開可能に設けられ、支持杆を介し所定
角度で開状態に保持できるとともに展開して簡易テーブ
ルとすることができるように構成され、しかも、前記キ
ッチン函体は車両の後部に載置した場合に後方確認可能
な高さに構成したポータブルキッチンセットに存する。

【０００６】

【作用】上記構成としたことにより、調理，炊事等に供
する用具をコンパクトに納めることができて、車両への
積み下ろしが容易となり、積載した状態で炊事．調理す
ることができる。

【０００７】

【実施例】次に、本考案の一実施例を図面に従って説明
すると、図中３１はワンボックス車両であって、ボデー
後部の座席兼用の荷室の開口部Ｗには跳ね上げ式のリヤ
ゲート３２が開閉可能に取り付けられ、この荷室の開口
部Ｗ側には折り畳み可能なリヤシート３３を起立（展
開）した状態での後部側のスペースには積み下ろし可能
にポータブルキッチンセット３４が積載されている。

【０００８】このポータブルキッチンセット３４はキッ
チンボックス３５を主体とし、同キッチンボックス３５
は上部側の左右にレンジ部３６，流し台部３７が、その
下部側には汚水タンク４９及び飲料水タンク５０を格納
するタンク収納部３８と、食料，汁器或いはクールボッ
クス等を格納する収納庫３９とが形成されている。

【０００９】このキッチンボックス３５は左右の側板４
０と背面板４２，底板４３，レンジ板４４とからなり、
図示のようにリヤシート３３のシートバック３３ａに干
渉しない程度に形成されて背面板４２が取り付けられて
いる。また、流し台板４５の上部にはステンレス製等の
流し台４６が取り付けられるとともに、この流し台４６
には図示傾動可能に折り込まれる蛇口４７が設けられ、
かつ飲料水汲み上げ用の電動ポンプ４８が内装されてい
る。また、流し台部３７の下部のタンク収納部３８には
汚水タンク４９，飲料水タンク５０及びガス供給器５１
が格納可能に設けられ、同収納部３８には観音開き状に
扉５２が開閉可能に取り付けられている。この収納部３
８に格納された汚水タンク４９は流し台４６の排水口４
６ａにホース５３を介して着脱可能に接続され、また、
飲料水タンク５０は電動ポンプ４８を介して蛇口４７に
着脱可能に接続されている。また、ガス供給器５１はレ
ンジ５５に着脱可能に連結されている。

【００１０】また、レンジ部３６のレンジ板４４の上部
にはスライド板５４が引出可能に設けられ、同スライド
板５４の上には２連のバーナー５６を有するレンジ５５
が積載されている。また、下部の収納庫３９は食器，食
料或いはクールボックス等を格納可能に形成されて扉３
６ａが開閉可能に取り付けられている。

【００１１】また、レンジ部３６及び流し台部３７には
それぞれ蓋部材５７，５８がヒンジを介して開閉可能に
設けられるとともに、この蓋部材５７，５８の内側面に
はステンレス鋼板等が張着され、また、図示のような支
持杆５９が取り付けられて図示のように所定の角度に支
持可能に、かつ背面板４２の左右に取り付けられた支持
部材６０により水平状に支持可能に設けられている。

【００１２】このように設けられたキッチンポータブル
セット３４をリヤシート３３の後部に積載してリヤゲー
ト３２を閉止すると、同セット３４の上部はリヤウイン
ドの下縁とほぼ同一ラインとなるように設けられてい
る。

【００１３】さて、本例キッチンボックス３５は上記の
ように構成したものであるから、各種の器具を立体的に
コンパクトに配設，格納することができ、かつ車両のリ
ヤゲート３２側の小スペースに納めることができるもの
で、この車両に納めた状態でリヤシート３３は立脚可能
であるから、乗員の数により着座が可能であり、小人数
の場合は折り畳んで荷物等が積載可能となる。また、キ
ッチンボックス３５はリヤシート３３とほぼ同高さに形
成されたものであるから、車両の運転に際し後方の視界
の確認に支障を与えることがない。

【００１４】また、このキッチンセット３４の使用はリ
ヤゲート３２を開放することで容易に使用が可能であっ
て、開放した状態で蓋部材５７，５８を開放して支持杆
５９を使用することで所定の角度に保持することができ
て、レンジ５５による熱気が室内側へ伝わることを遮断
することができ、また、流し台４６の使用で水がリヤシ
ート３３へ飛び散ることを防止することができる。ま
た、この蓋部材５７，５８を１８０度展開して支持部材
６０により支持することで、水平状に支持して配膳台兼
簡易テーブルとすることができる。また、タンク収納部
３８等の観音開き状の扉５２を開放して図示のように別
設の調理用板６１を橋渡し状にすることで調理台等の作
業台とすることができる。また、レンジ５５は引出可能
に設けたスライド板５４上に載置したものであるから、
例えばキャンプ参加者の多い場合には大きな鍋を使用す
る必要があるが、スライド板５４を引き出すことで大き
な鍋による炊事が容易となる。また、キッチンセット３
４はリヤゲート３２側に載置することができるものであ
るから、その積み下ろしを容易に行うことができて車外
においても容易に利用することができる。

【００１５】なお、上記実施例においては、レンジ部３
６及び流し台部３７に閉蓋可能に取り付けた蓋部材５
７，５８を後方（リヤシート側）に展開可能に設けて例
示したが、これに限定するものではなく、例えば図５乃
至図９の構成としても良い。図５に示すものは流し台部
３７の蓋部材５８を図示前後の蓋部分５８ａ，５８ｂに
２分割して、一方の蓋部分５８ａを遮蔽板，配膳兼テー
ブルに、他方の蓋部分５８ｂを調理板とする構成とした
ものである。また、図６のものは蓋部材６２を蓋部分６
２ａ，６２ｂ，６２ｃに３分割したもので、中央の蓋部
分６２ｂは図示後方へ、左右の蓋部分６２ａ，６２ｃは
左右へ展開可能に設けられている。また、図７のものは
蓋部材５７は後方へ、蓋部材５８は前方へ展開するよう
に設けたものである。また、図８のものは蓋部材５７，
５８を左右方向へ展開可能に設け、また、収納部３８，
３９の扉６３ａ，６３ｂを上方へ跳ね上げ式に構成した
ものである。また、図９のものはレンジ部３６及び流し
台部３７にそれぞれ２枚の蓋部材６４ａ，６４ｂ及び蓋
部材６５ａ，６５ｂをそれぞれ付設して、蓋部材６４
ａ，６５ａは後方へ、蓋部材６４ｂ，６５ｂは左右へ展
開可能に設けたものである。

【００１６】

【考案の効果】本考案は上記のように構成したことによ
り、キッチンボックスには各種の器具を立体的にコンパ
クトに配設，格納することができ、かつ車両のリヤゲー
ト側等の小スペースに納めることができるもので、この
車両に納めた状態でリヤシートは立脚可能であるから、
乗員の数により着座が可能であり、小人数の場合は折り
畳んで荷物等が積載可能となる。また、キッチンボック
スはリヤシートとほぼ同高さに形成されたものであるか
ら、車両の運転に際し後方の視界の確認に支障を与える
ことがない。また、キッチンセットの使用はリヤゲート
を開放することで容易に使用が可能であって、開放した
状態で、蓋部材を開放して支持杆を使用することで蓋部
材を所定の角度に保持することができて、レンジによる
熱気が室内側へ伝わることを遮断することができ、ま
た、流し台の使用で水がリヤシートへ飛び散ることを防
止することができる。また、この蓋部材を展開して水平
状にして簡易テーブルとすることができる。また、タン
ク収納部の観音開き状の扉を開放して別設の調理用板を
橋渡し状にすることで調理台等の作業台とすることがで
きる。また、レンジは引出可能に設けたスライド板上に
載置したものであるから、例えばキャンプ参加者の多い
場合には大きな鍋を使用する必要があるが、スライド板
を引き出すことで大きな鍋による炊事が容易となる。ま
た、キッチンセットはリヤゲート側に載置することがで
きるものであるから、その積み下ろしを容易に行うこと
ができて車外においても容易に利用することができる効
果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ワンボックス車両にポータブルキッチンセット
を積載した斜視図である。

【図２】ポータブルキッチンセットの斜視図である。

【図３】ポータブルキッチンセットの正面図である。

【図４】ポータブルキッチンセットの側面図である。

【図５】蓋部材及び扉の付設の別態様を示す斜視図であ
る。

【図６】蓋部材及び扉の付設の別態様を示す斜視図であ
る。

【図７】蓋部材及び扉の付設の別態様を示す斜視図であ
る。

【図８】蓋部材及び扉の付設の別態様を示す斜視図であ
る。

【図９】蓋部材及び扉の付設の別態様を示す斜視図であ
る。

【図１０】従来の貯水タンクの斜視図である。

【図１１】従来の貯水タンク兼用流し台の斜視図であ
る。

【図１２】流し台と貯水タンク及び汚水タンクのセット
の斜視図である。

【図１３】小型携帯用コンロの斜視図である。

【図１４】中形携帯用コンロと燃料タンクとのセットの
斜視図である。

【図１５】テーブルの斜視図である。

【符号の説明】

３１ ワンボックス車両 ３２ リヤゲート ３３ リヤシート ３４ ポータブルキッチンセット ３５ キッチンボックス ３６ レンジ部 ３７ 流し台部 ３８ タンク収納部 ３９ 収納庫 ４９ 汚水タンク ５０ 飲料水タンク ５２ 扉 ５５ レンジ ５７，５８ 蓋部材 ５９ 支持杆

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワンボックス車両等のバン型車両のボデ
   ー後部の座席兼用の荷室の開口部側に載置可能なポータ
   ブルキッチンセットであって、上部側にレンジ部と流し
   台部、下部側に汁器，食料等の収納庫と飲料水，汚水等
   のタンクを格納するタンク収納部とを形成したキッチン
   函体を主体とし、前記流し台には傾動可能に折り込まれ
   る蛇口が設けられ、前記タンク収納部には、観音開き状
   に開閉可能で開放状態で上面に調理用板を橋渡し状にす
   ることで作業台とし得る扉が取り付けられ、前記レンジ
   部には、レンジを積載した引き出し可能なスライド板が
   設けられ、前記キッチン函体は前記荷室にリヤシートを
   立脚した後部に載置可能であって、かつ前記レンジ部及
   び流し台部の上面を閉蓋する蓋部材はリヤシートに干渉
   することなく展開可能に設けられ、支持杆を介し所定角
   度で開状態に保持できるとともに展開して簡易テーブル
   とすることができるように構成され、しかも、前記キッ
   チン函体は車両の後部に載置した場合に後方確認可能な
   高さに構成したポータブルキッチンセット。