JP2554964B2 - 通水中でもグランドパッキンを交換し得る仕切弁装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、グランドパッキン交換
時に管路内の圧力を落す、又は、断水を行うことなくグ
ランドパッキンの交換が、安全かつ簡単にできるように
した通水中でもグランドパッキンを交換し得る仕切弁装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、図−１に示す弁軸貫通部(Ａ)
に、図−２に示すようにグランド箱(11)が弁箱(２)に直
接取付けられ、この内周面と弁軸(３)の外周面との間に
設けた間隙にグランドパッキン(４)を挿着し、グランド
押え(12)によってグランドパッキン(４)の寿命が来るま
で増締めを行って使用しているが、グランドパッキン
(４)の交換時にはグランドパッキン(４)の手前で密封す
る装置を具備していないことから、通水中に於いてはグ
ランド押えを外すことが不可能であり、従って管路を断
水して圧力を無くしてからグランドパッキンの交換を行
わなければならなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
水道水を断水した場合、水の需要側に与える影響は多大
なことであると同時に、供給側にとっても損害は大き
い。また、一度び断水すると再通水時に生じるあか水問
題等衛生面にも影響を及ぼすことになりかねない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、その様な問題
を解決し、通水中でもグランドパッキンを有効に交換可
能とするものであり、そのため、一方を弁箱内の弁体と
一体状に連結させた弁軸の他端は、弁箱の外部に突出さ
せる様にした仕切弁に於いて、弁軸の貫通部の外周と、
グランド箱の内周との間に水封用グランドパッキンを嵌
挿させ、グランド箱の上記グランドパッキンを嵌挿さ
せ、グランド箱の上記グランドパッキン嵌挿位置より下
方の外周面切欠個所で外側のネックハウジングの内周面
と接する個所に、漏水パッキンを装着させるとともに、
グランド箱の下方部で弁軸における下方外周面と外側の
ネックハウジングの内周面に接し、且つネック軸受の上
面と接する間隔にＶパッキンを介在させ、また、グラン
ド箱とネックハウジングとの間には、シムセットビスに
よって取付けたシムを噛み、グランドパッキンの交換時
には、シムを旋回して除去するとともに、グランド箱を
下側に押し込んでＶパッキンを押し付けながら密封可能
に構成したものである。

【０００５】

【実施例】次に、図−１、図−３、図−４及び、図−
５、図−６に示す本発明の実施例について説明する。図
−１は、本発明の要部を取り付ける位置(Ａ)を示し、弁
体(１)に連結して回転、又は、上下に摺動する弁軸(３)
が弁箱(２)の内部水圧側から、その外部大気圧側へ貫通
して突出する位置(Ａ)の水封装置に関する。図−３、図
−４に示す如く弁箱(２)の上端にはネックハウジング(1
0)の下端面に、０リング(21)を装着したネックハウジン
グ(10)を取付ボルトナット(17)により固定する。ネック
ハウジン(10)の下方内周にはネック軸受(９)が装着され
ているので弁軸(３)は中心に安定して貫通している。

【０００６】ネック軸受(９)の上方の弁軸(３)の外周と
ネックハウジング(10)の内周の間隙部にアダプター下
(７)、その上方にＶパッキン(５)、その上方にアダプタ
ー上(６)が装着されている。さらにネックハウジング(1
0)の天端部の内周に対して、グランド箱(11)の下部外周
にＵパッキン(８)を装着した状態で嵌込むが、このとき
ネックハウジング(10)の上部フランジと、グランド箱(1
1)の面間にネックハウジング(10)へ、ピン(19)で旋回自
在に取付けられたシム(13)を挾み込んで、グランド箱(1
1)を押えボルト(14)で締め込み固定すると、図−５に示
す如くＶパッキン(５)に対して間隙(ｂ)と間隙(ｃ)が保
持されることにより、Ｖパッキン(５)はパッキンの機能
を果さず、加圧中に弁軸(３)が駆動してもＶパッキン
(５)は、摩擦や変形を生じないようにしている。この状
態は通常時でありＶパッキン(５)の代りにグランドパッ
キン(４)が、大気側への止水を行うようにしたものであ
る。

【０００７】次に、グランドパッキン（４）の交換時に
おける作用を説明すると、先ず押えボルト（１４）を微
小緩め、ネックハウジング（１０）の上部フランジとグ
ランド箱（１１）の下部フランジの面間に挾み込んでい
たシム（１３）を旋回させて外側に引き出した後、押え
ボルト（１４）をネックハウジング（１０）の上部フラ
ンジと、グランド箱（１１）の下部フランジの面が密着
するまで締め付けると、図−６に示す如くＶパッキン
（５）は、ネック軸受（９）の上端と、グランド箱（１
１）の下端内面で押し付けられ、弁軸（３）の外周面側
とネックハウジング（１０）の内周面側へとリップが張
って、グランドパッキン（４）の手前で密封効果を発揮
する。この効果により、グランドパッキン（４）は、水
圧を受けなくなるので増締めボルトナット（１８）を緩
めて倒し、次に、セットボルト（１６）を緩めて取外す
と、グランド押え（１２）は、２ツに分解して完全に除
去できる。従って、グランドパッキン（４）の交換作業
が容易となるようにした。次に、グランドパッキン
（４）を新品と交換の後の復旧は、２ツに分解したグラ
ンド押え（１２）をセットボルト（１６）で締め込んで
一対にし、増締めボルトナット（１８）にて、グランド
パッキン（４）をしっかりと締め付ける。

【０００８】次に、押えボルト(14)を既に外側に引き出
されているシム(13)の厚さにプラスαぶんだけ緩め、ジ
ャッキボルト(15)を締め付け、グランド箱(11)を押えボ
ルト(14)を緩めた分だけ上方に押し上げる。次に、シム
(13)を再度挾み込んだ後に、ジャッキボルト(15)を完全
に緩める。次に、押えボルト(14)を完全に締め付けてグ
ランドパッキン(４)の交換作業が完了する。

【０００９】

【発明の効果】この様に本発明は、グランドパッキン
（４）の交換を必要としない通常時は、グランド箱（１
１）がネックハウジング（１０）にシムセットビス（２
０）によって取付けたシム（１３）を噛んで、シム（１
３）の厚さ分だけ上側に引き上げられて、Ｖパッキン
（５）は拘束を解かれて弁軸（３）との摩擦が無い状態
となるが、グランドパッキン（４）によって弁箱（２）
内の圧力を密封できることになり、また、グランドパッ
キン（４）の老化が生じて新品と交換する際には、シム
（１３）を旋回させて除去し、そのシム（１３）の厚さ
の分だけグランド箱（１１）を下側に押し込んで、グラ
ンドパッキン（４）の手前のＶパッキン（５）を押し付
けながら簡単に密封させることができることになって、
管路の圧力を落したり断水させることなく、加圧通水中
でも安全で迅速容易に行うことができることになり、断
水による前記のような問題点を解決することができると
ともに好適に実施できる特徴を有する。

【００１０】

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る弁箱内と要部Ａの部位を示した断
面図である。

【図２】従来例を示した断面図である。

【図３】本発明の実施例である要部Ａの部分を示した断
面図である。

【図４】図３を分解して示した斜視図である。

【図５】図３の一部を拡大して示した断面図である。

【図６】図５の一部の作動状態を示した作動説明図であ
る。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方を弁箱（２）内の弁体（１）と、一体
   状に連結させた弁軸（３）の他端は、弁箱（２）の外部
   に突出させる様にした仕切弁に於いて、弁軸（３）の貫
   通部（Ａ）の外周とグランド箱（１１）の内周との間に
   水封用グランドパッキン（４）を嵌挿させ、また、グラ
   ンド箱（１１）の上記グランドパッキン（４）嵌挿位置
   より下方の外周面切欠個所で外側のネックハウジング
   （１０）の内周面と接する個所に漏水パッキン（８）を
   装着させるとともに、グランド箱（１１）の下方部で弁
   軸（３）における下方外周面と外側のネックハウジング
   （１０）の内周面に接し且つネック軸受（９）の上面と
   接する間隙にＶパッキン（５）を介在させ、また、グラ
   ンド箱（１１）とネックハウジング（１０）との間に
   は、シムセットビス（２０）によって取付けたシム（１
   ３）を噛み、グランドパッキン（４）の交換時には、シ
   ム（１３）を旋回して除去するとともに、グランド箱
   （１１）を下側に押し込んでＶパッキン（５）を押し付
   けながら密封可能にして構成したことを特徴とする通水
   中でもグランドパッキンを交換し得る仕切弁装置。