JP2549600Y2 - 雑排水再利用装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、雑排水再利用装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭においては、通常、水洗式のト
イレ受水槽へは上水道ラインから上水が供給され、該ト
イレ受水槽に貯留された上水が便器の洗浄に使用され
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く上水を便器の洗浄に使用するのでは、飲料用として
も使えるきれいな水を便器の洗浄という一回だけの使用
で捨ててしまうこととなり、貴重な水資源の無駄使いに
つながっていた。

【０００４】本考案は、斯かる実情に鑑み、特別な動力
源を使わずに水資源の有効活用を図り得る雑排水再利用
装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、上水道ライン
途中に設けられ雑排水再利用槽の水位に応じて開閉可能
な開閉弁と、該開閉弁より下流側の上水道ラインに接続
されるシリンダと、該シリンダと開閉弁との間の上水道
ライン途中に設けられ前記シリンダのヘッド側室に加圧
水を導くポジション並びに前記シリンダのロッド側室に
加圧水を導くポジションを有し且つ前記シリンダへ導か
れる加圧水の一部による自己切換機構を有した切換弁
と、前記シリンダによって駆動され雑排水が貯留される
ピット内の雑排水を前記雑排水再利用槽へ供給可能なポ
ンプとを備えたことを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】従って、雑排水再利用槽内の水が使用され水位
が下がると、開閉弁が開き、上水道ラインの加圧水が切
換弁を介してシリンダのヘッド側室へ供給され、自己切
換機構の作動により切換弁のポジションが切換わると、
前記加圧水がシリンダのロッド側室へ供給され、該シリ
ンダによりポンプが往復駆動され、ピット内の雑排水が
雑排水再利用槽へ供給され、雑排水が所定の水位までく
み上げられると、前記開閉弁が閉じ、シリンダへの加圧
水の供給が停止され、シリンダ及びポンプが停止する。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明
する。

【０００８】図１は本考案の一実施例であり、１は雑排
水再利用槽としてのトイレ受水槽、２はピットとしての
風呂浴槽である。

【０００９】３は上水道ライン４途中に設けられトイレ
受水槽１の水位に応じて開閉可能なフロート式の開閉弁
であり、該開閉弁３より下流側の上水道ライン４にシリ
ンダ５を接続し、該シリンダ５と開閉弁３との間の上水
道ライン４途中に、前記シリンダ５のヘッド側室６に加
圧水を導くポジションＡ並びに前記シリンダ５のロッド
側室７に加圧水を導くポジションＢを有し且つ前記シリ
ンダ５へ導かれる加圧水の一部による自己切換機構８を
有した切換弁９を設ける。

【００１０】前記自己切換機構８は、切換弁９とヘッド
側室６とを結ぶライン４ａから分岐し切換弁９のポジシ
ョンＢ側に設けられたベローズ１０に接続したパイロッ
トライン１２途中に、絞り１４を設けると共に、切換弁
９とロッド側室７とを結ぶライン４ｂから分岐し切換弁
９のポジションＡ側に設けられたベローズ１１に接続し
たパイロットライン１３途中に、絞り１５を設けた構成
を有している。

【００１１】前記シリンダ５のピストン１６に取付けら
れたロッド１７先端には、前記風呂浴槽２とトイレ受水
槽１とを結ぶ移送ライン１８途中に設けたポンプ１９の
ピストン２０を連結する。

【００１２】前記ポンプ１９のヘッド側室２１への移送
ライン１８の接続部には、風呂浴槽２からの雑排水の流
入のみを許容する逆止弁２３を設け、ピストン２０に
は、前記ポンプの１９のヘッド側室２１とロッド側室２
２とを連通する孔２５を穿設すると共に、該孔２５部分
にヘッド側室２１からロッド側室２２への雑排水の流入
のみを許容する逆止弁２４を取付けてある。

【００１３】又、前記切換弁９と風呂浴槽２側の移送ラ
イン１８との間には、前記シリンダ５のピストン１６の
移動に伴いヘッド側室６又はロッド側室７から押出され
た水を前記風呂浴槽２側の移送ライン１８へ送るドレン
ライン２６を設けてある。

【００１４】次に、上記実施例の作動を説明する。

【００１５】入浴時に使用された雑排水は風呂浴槽２内
に貯留されており、この状態で、トイレを使用しトイレ
受水槽１内の水を流すと、フロート式の開閉弁３が開
き、上水道ライン４の加圧水が、先ず図１に示す如くポ
ジションＡに切換わっている切換弁９を介してライン４
ａからシリンダ５のヘッド側室６内に流入し、該ヘッド
側室６の内圧が上昇し、ピストン１６が図１中右方へ移
動し、ロッド側室７内の水がライン４ｂから切換弁９及
びドレンライン２６を経て移送ライン１８から風呂浴槽
２へ押出される。

【００１６】前記ピストン１６が図１中右方へ移動する
と、該ピストン１６にロッド１７を介して連結されたポ
ンプ１９のピストン２０が連動し、該ポンプ１９のヘッ
ド側室２１内の水が逆止弁２４を有した孔２５を通って
ロッド側室２２内へ流入する。

【００１７】このとき、前記ライン４ａを流れる加圧水
の一部は、自己切換機構８を構成する絞り１４を経てパ
イロットライン１２からベローズ１０内へ流入してい
き、該ベローズ１０内の圧力が設定値を越えると、切換
弁９がポジションＡからポジションＢに切換わる。

【００１８】切換弁９がポジションＡからポジションＢ
に切換わると、上水道ライン４の加圧水が、切換弁９を
介してライン４ｂからシリンダ５のロッド側室７内に流
入し、該ロッド側室７の内圧が上昇し、ピストン１６が
図１中左方へ移動し、ヘッド側室６内の水がライン４ａ
から切換弁９及びドレンライン２６を経て移送ライン１
８へ押出される。

【００１９】前記ピストン１６が図１中左方へ移動する
と、前記ポンプ１９のピストン２０が連動し、該ポンプ
１９のロッド側室２２内の水がトイレ受水槽１内へ吐出
されると共に、風呂浴槽２内に貯留された雑排水と前記
ドレンライン２６を経て移送ライン１８へ押出された水
とが逆止弁２３を介してヘッド側室２１内へ吸上げられ
る。

【００２０】このとき、前記ライン４ｂを流れる加圧水
の一部は、自己切換機構８を構成する絞り１５を経てパ
イロットライン１３からベローズ１１内へ流入してい
き、該ベローズ１１内の圧力が設定値を越えると、切換
弁９がポジションＢからポジションＡに切換わる。

【００２１】以下、前述と同様の作動が繰り返し行わ
れ、トイレ受水槽１内へ風呂浴槽２内の雑排水が所定の
水位までくみ上げられると、前記フロート式の開閉弁３
が閉じ、シリンダ５への加圧水の供給が停止され、シリ
ンダ５及びポンプ１９が停止する。

【００２２】尚、前記シリンダ５からのドレン水をドレ
ンライン２６を介して風呂浴槽２内へ補給するようにし
てあるため、短時間ですぐに風呂浴槽２内が空になるこ
とが防がれる。

【００２３】こうして、入浴で既に使用済みの雑排水を
便器の洗浄用として再利用することができ、しかも、特
別な動力源を全く使わず上水道ライン４の水圧のみを利
用するため、一般家庭においても手軽に且つ安全に使う
ことができる。

【００２４】尚、本考案の雑排水再利用装置は、上述の
実施例にのみ限定されるものではなく、ドレンラインの
水をトイレ受水槽へ直接流すようにし、風呂浴槽内に水
位検出用のレベル計を設け、風呂浴槽内の水位があるレ
ベル以下になったらブザー等を鳴らし、風呂浴槽内が空
にならないようにしてもよいこと、又、雑排水再利用槽
としてトイレ受水槽の代りに洗濯機水槽を用いたり、或
いは一般家庭に限らず坊爆区域等におけるピット内流体
の自動排水や移送用として適用してもよいこと等、その
他、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。

【００２５】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の雑排水再
利用装置によれば、特別な動力源を使わずに水資源の有
効活用を図り得るという優れた効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の全体概要図である。

【符号の説明】

１ トイレ受水槽（雑排水再利用槽） ２ 風呂浴槽（ピット） ３ 開閉弁 ４ 上水道ライン ５ シリンダ ６ ヘッド側室 ７ ロッド側室 ８ 自己切換機構 ９ 切換弁 １９ ポンプ Ａ ポジション Ｂ ポジション

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上水道ライン途中に設けられ雑排水再利
   用槽の水位に応じて開閉可能な開閉弁と、該開閉弁より
   下流側の上水道ラインに接続されるシリンダと、該シリ
   ンダと開閉弁との間の上水道ライン途中に設けられ前記
   シリンダのヘッド側室に加圧水を導くポジション並びに
   前記シリンダのロッド側室に加圧水を導くポジションを
   有し且つ前記シリンダへ導かれる加圧水の一部による自
   己切換機構を有した切換弁と、前記シリンダによって駆
   動され雑排水が貯留されるピット内の雑排水を前記雑排
   水再利用槽へ供給可能なポンプとを備えたことを特徴と
   する雑排水再利用装置。