JP2543406B2 - 養魚装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、水槽の内部に縦水槽の下方の一部を突入さ
せ、主として縦水槽の内部で観賞用の魚を飼育するよう
にした養魚装置に関するものである。

〈従来の技術〉 水槽の内部に縦方向の水槽の下方を突入させ、縦方向
の水槽の内部で魚を飼育するようにした養魚装置は、例
えば特開昭61−47126号公報や、特開昭62−201528号公
報に記載されている。

上記した従来の養魚装置は、縦方向の水槽の上方に排
気管や給水管を接続しているだけであり、また水槽の内
部にサイフォン管を設けただけである。

〈発明が解決しようとする課題〉 したがって、上記した従来の養魚装置では、縦方向の
水槽の内部の水位を正確に制御することができないの
で、仮に縦方向の水槽の水位が極端に低下した場合には
内部の水が下方の水槽内に溢れる危険があり、また、縦
方向の水槽の内部には水より軽い浮上性の餌しか供給す
ることができないので、縦方向の水槽の内部に魚が遊泳
する時間帯が極めて少ない。

〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記に鑑み提案されたもので、水槽と、上端
部が気密に閉塞いて下端部が開放し、下方が上記水槽の
内部に突入して開放下端部が水槽の水面より下の位置で
開口するとともに、閉塞する上端部が水槽の上面より上
方に位置し、かつ縦水槽の内容積が水面より上方の空間
部分の容積より少ない透明な縦水槽と、上端の開口部が
縦水槽の内部上方に位置している空気管および上記空気
管の下端に接続した吸気ポンプを有する排気機構と、縦
水槽の内部の水位を検出する検出部及び該検出部の情報
により作動して上記排気機構の作動を制御するコントロ
ール部を有する制御機構と、揚送機構に餌供給部を設け
て縦水槽の上方に餌を供給することができる餌供給機構
とを設けることにより、極めて効果的な養魚装置を提供
するのである。

〈実施例〉 以下に本発明を図面の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図において、水槽１は周知のように
ガラス、透明な合成樹脂板などからなる前面部、後面部
および左右の側面部の上縁に上枠２を、下縁に下枠３を
嵌め付けた上面が開放する容器で、内部には底部濾過装
置４、エアーストーン５などを設け、水槽１の開放上面
に設けた上面枠材６の上面に設置したエアーポンプ７と
上記した底部濾過装置４、エアーストーン５とをチュー
ブ８で接続する。したがって、エアーポンプ７を作動す
ると底部濾過装置４に空気が強制的に供給されて水槽１
の内部の水が底部濾過装置４を循環して通過するので浄
化されるし、エアーストーン５に空気が強制的に供給さ
れるので水槽１内の水に空気が気泡として供給される。

一方、上記した上面枠材６には、縦水槽９を設置す
る。この縦水槽９はガラス、透明合成樹脂などの透明材
質により成形するもので、上端部10は気密に閉塞してい
るが、下端部11が開放する縦方向の中空筒状である。

そして、上記した縦水槽９を上面枠材９に固定し、上
面枠材６を水槽１の開放上面に載置した状態では、縦水
槽９の下方が水槽１の内部に突入して開放する下端部11
が水槽１の内部に張った水面ａより下に位置し、上端部
10が水槽１の上面より上方に位置する。また、縦水槽９
の内部容積は、水槽１の水面ａより上方の容積より少な
いものである。

一方、前記した上面枠材６には、排気機構12を設け
る。

この排気機構12は、上端の開口部が縦水槽９の内部上
方に位置している空気管13と、この空気管13の下端が接
続されている吸気ポンプ14とからなり、吸気ポンプ14が
作動すると空気管13により縦水槽９の内部上方空間の空
気を吸引するので減圧状態になる。

また、前記した上面枠材６には、制御機構15を設け
る。

この制御機構15は縦水槽９の上方に設けた検出部16
と、検出部16に連絡されているコントロール部17とを有
する。

この検出部16は、第１図から第３図の実施例によれば
高さ位置を調節できるフロート18と、先端に上記したフ
ロート18を設けたアーム19と、アーム19を傾動可能に支
えるとともに、縦水槽９の内部と外部とを水密に仕切る
支持板20と、アーム19に連続して外部に突出する第１の
接触板21と、上記第１の接触板21の上方に位置する第２
の接触板22とを有し、検出部16とコントロール部17とは
第２の接触板22に接続した線23により連絡されているの
で、検出部16とコントロール部17とは、電気的な連絡状
態にある。

したがって、縦水槽９の内部の水が多くてフロート18
が上昇状態であるとアーム19が上方に傾動しているので
第１の接触板21と第２の接触板22とが非接触状態である
から、線23から検出部16の情報がコントロール部17に供
給されない。しかし、縦水槽９の内部の水が少なくてフ
ロート18が下降状態になるとアーム19が下に傾動するの
で、第１の接触板21と第２の接触板22とが接触状態とな
って線23から検出部16に情報が電気的に供給される。

上記したコントロール部17は、電源線24とコンセント
25との途中にトライアック26、表示灯27を設けるととも
に、前記した線23を接続した構成で、コンセント25と前
記した吸気ポンプ14とを線28で接続する。したがって、
検出部16からの情報としての電気信号が線23を介してコ
ントロール部17に供給されると、トライアック26の作動
により表示灯27が点灯して作動中である表示をするとと
もに、電源線24が導通状態となってコンセント25から線
28により吸気ポンプ14に駆動用電源を供給して吸気ポン
プ14を作動状態にする。

また、前記した上面枠材６には、餌供給機構29を設け
る。

この餌供給機構29は、上面枠材６の上面に設置したモ
ータ機構30の下面にパイプ材31を下向きに延在させて下
端に中間枠32を取り付け、この中間枠32の下面に取水パ
イプ33を下向きに延在させるとともに、中間枠32の上面
と縦水槽９の内部上方との間に給水パイプ34を設け、前
記した水槽１の水面ａに開口するラッパ状の餌投入口35
から延びる連絡パイプ36を前記した取水パイプ33に接続
した構成で、中間枠32の内部にはモータ機構30により高
速回転するプロペラ（図示せず）を設けてある。したが
って、モータ機構30に電源が投入されて駆動すると中間
枠32の内部のプロペラが回転して取水パイプ33により水
槽１内部の水を吸い込み、給水パイプ34に圧送して縦水
槽９の内部上方に供給する。

この場合、餌投入口35に餌が存在すると取水パイプ33
を揚送する水とともにこの餌が連絡パイプ36から取水パ
イプ33を伝わって中間枠32から給水パイプ34を水流によ
り上昇し、縦水槽９の内部上方に供給される。

したがって、餌供給機構29は、モータ機構30が駆動し
て餌投入口35に餌が供給されていれば、縦水槽９の内部
に上方から餌を供給することができる。

本発明の第１図から第３図に示す養魚装置は上記した
構成であるから、使用に際しては水槽１の内部に水を充
分に供給し、水槽１の上面にエアーポンプ７、縦水槽
９、排気機構12、制御機構15、餌供給機構29などを有す
る上面枠材６を載置して縦水槽９の開放下端部を水槽１
の内部に位置させる。そして、制御機構15の電源線24に
電源を投入するとフロート18が下降しているのでコント
ロール部17が作動状態となり、吸気ポンプ14に電源を供
給するので駆動し、縦水槽９の内気を強力に吸引する。
したがって、縦水槽９の内部が減圧するので水槽１の内
部の水が縦水槽９を上昇する。縦水槽９の内部の水が検
出部16にまで上昇したら、フロート18がわずかに上昇し
て第１の接触板21と第２の接触板22とを非接触状態にす
るので、コントロール部17の作動が停止して吸気ポンプ
14に電源を供給しなくなる。このため、縦水槽９内の水
の上昇が停止する。この状態で水槽１の内部に魚を入れ
ると、水槽１や縦水槽９の内部で遊泳する。

また、前記したエアーストーン５を縦水槽９の開放下
端部11の下方に位置させると、エアーポンプ７を駆動し
た場合にエアーストーン５から噴出する無数の気泡が縦
水槽９内を上昇するし、底部濾過装置４に空気が供給さ
れて水槽１内部の水が浄化される。しかも、餌供給機構
29のモータ機構30を駆動すると、前記したように水槽１
の内部の水が縦水槽９の上方に供給されるし、餌投入口
35に餌を投入すると、この餌も餌供給機構29による水流
で縦水槽９の上方に供給される。したがって、水槽１の
内部で遊泳している魚は縦水槽９を上昇することにな
り、観賞魚の飼育状態として好適なものとなる。

一方、縦水槽９の内部にエアーストーン５からの気泡
が上昇したり、給水パイプ34から水槽１内の水が供給さ
れると、縦水槽９の内部上端の空隙部の圧力が変化す
る。そのため、制御機構15のフロート18が上下動する
が、フロート18が下降状態になると第１の接触板21と第
２の接触板22とが接触してコントロール部17が作動状態
となり、吸気ポンプ14が駆動するので縦水槽９の上端の
空気を空気管13により吸引する。したがって、縦水槽９
の内部の水位が次第に上昇し、フロート18が所定にまで
上昇するとコントロール部17、吸気ポンプ14の作動が停
止して水位上昇が止まるので、常に一定の水位を維持す
ることができる。

このように本発明では縦水槽９の内部の水位の状態を
検出部16が検出してコントロール部17に情報を供給する
ことにより、縦水槽９の水位を一定に維持し、また縦水
槽９の内部に気泡、水および餌を供給しながら魚を飼育
することができる。

第４図、第５図の実施例は、制御機構15の検出部16と
して排気機構12の空気管13の開口端部を利用し、また空
気管13の下方に分岐管37を接続して制御機構15のコント
ロール部17に接続した構成である。

そして、コントロール部17には分岐管37に接続したダ
イヤフラム38、ダイヤフラム38に連絡した接片39を設
け、この接片39を電源線24とコンセント25との回路の途
中に接続する。

なお、コントロール部17には、接片39の接触状態を調
整することができる調節ネジ40を設ける。

第４図、第５図において、説明していない符号は前記
した実施例の同一符号と同一の構成であるから説明を省
略する。

この実施例は上記のような構成であるから、コントロ
ール部17により吸気ポンプ14に電源が供給されて駆動し
ていると空気管13により縦水槽９の内気を吸引するので
縦水槽９の水位が上昇し、同時に縦水槽９の上端の空隙
部の圧力が減少する。縦水槽９の水位が十分に上昇して
上記した空隙部の圧力が低くなると、分岐管37によりダ
イヤフラム38に減圧状態が供給されるので収縮して接片
39がオフとなり、吸気ポンプ14の駆動が停止するので縦
水槽９の水位上昇が止まる。そして、エアーストーン５
による気泡が縦水槽９を上昇したり、餌供給機構29から
の水が縦水槽９の上方に供給されて縦水槽９の上端の空
隙部の圧力が上昇して水位が下降すると、分岐管37によ
りダイヤフラム38が膨張して接片39がオンとなり、コン
トロール部17が作動して吸気ポンプ14が駆動し、前記し
たように縦水槽９の上方の空気を所定の圧力になるまで
吸引するので水位が上昇する。

このように、この実施例でも縦水槽９内の水位を常に
一定に維持することができ、また空気や餌を供給しなが
ら縦水槽９の内部で魚を飼育することができる。

第６図の実施例は、水槽１の上面の上方であって、縦
水槽９の上方の途中に拡径部分41を設け、拡径部分41の
上面から低く延びる筒部分42の上端に外向きのフランジ
部43を形成し、また縦水槽９の上端に被着する半球状の
蓋材44の開放下端の外周にも上記フランジ部43に一致す
るフランジ部45を設け、フランジ部43とフランジ部45と
の間にパッキング材46を介在させるとともに、空気管13
と給水パイプ34の上端を蓋材44の内部に開口させ、フロ
ートによって構成した検出部16も蓋材44の内部に位置さ
せた構成である。

したがって、空気管13から蓋材44の内部の空気を吸引
して縦水槽９の水位を蓋材44まで上昇させると検出部16
により水位上昇が停止し、また水位が検出部16より下降
すると空気管13から吸引して蓋材44の水位が上昇するの
で、常に蓋材44内の水位を一定に維持することができ
る。

この場合、蓋材44内の水や空気は減圧状態であるか
ら、フランジ部43とフランジ部45との間に単にパッキン
グ材46を介在させるだけで液密に封じることができ、フ
ランジ部43とフランジ部45とをネジなどにより強固に固
定する必要がない。

なお、第６図の実施例においても、説明していない符
号は前記した実施例の同一符号と同一の構成であるから
説明を省略する。また、この実施例においても、水槽１
の上面もしくは近傍に排気機構12、制御機構15および餌
供給機構29などを有するものである。

以上本発明を図面の実施例に基づいて説明したが、本
発明は上記した実施例に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのように
でも実施することができる。

〈発明の効果〉 以上要するに本発明によれば、水槽内に縦水槽の下方
を突入させ、また排気機構、制御機構および餌供給機構
とを設けることにより、魚を縦水槽の内部で効果的に飼
育することができる。そして、縦水槽の内部には常に気
泡、水槽内の水および餌を供給できるので飼育されてい
る魚にとって好適な成育環境となり、死滅することなく
長期間飼育できる。また、水槽から上方に延びる縦水槽
を有し、この縦水槽内で魚が遊泳するので、観賞魚用と
して極めて効果の高いものとなり、実用的価値の高い養
魚装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は一部を
欠截した正面図、第２図は制御機構の概略図、第３図は
検出部の概略図、第４図は他の実施例の一部を欠截した
正面図、第５図はコントロール部の概略図、第６図は縦
水槽の他の実施例の縦断正面図である。 １は水槽、４は底部濾過装置、７はエアーポンプ、９は
縦水槽、10は上端部、11は下端部、12は排気機構、15は
制御機構、16は検出部、17はコントロール部、29は餌供
給機構。

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水槽と、 上端部が気密に閉塞して下端部が開放し、下方が上記水
   槽の内部に突入して開放下端部が水槽の水面より下の位
   置で開口するとともに、閉塞する上端部が水槽の上面よ
   り上方に位置し、かつ縦水槽の内容積が水槽の水面より
   上方の空間部分の容積より少ない透明な縦水槽と、 上端の開口部が縦水槽の内部上方に位置している空気管
   および上記空気管の下端に接続した吸気ポンプを有する
   排気機構と、 縦水槽の内部の水位を検出する検出部及び該検出部の情
   報により作動して上記排気機構の作動を制御するコント
   ロール部を有する制御機構と、 揚送機構に餌供給部を設けて縦水槽の上方に餌を供給す
   ることができる餌供給機構と、 を有する養魚装置。
2. 【請求項２】内部に水の濾過装置と、エアーストーンと
   を有し、エアーストーンが縦水槽の開放下端部の下方に
   位置している請求項（１）に記載の養魚装置。
3. 【請求項３】検出部にフロートを有し、該フロートによ
   り縦水槽内の水位を検出してスイッチ機構で上方を電気
   的にコントロール部に供給するようにした請求項（１）
   または（２）に記載の養魚装置。
4. 【請求項４】検出部が排気機構の空気管の上端の開口部
   で、縦水槽の内部上方の空気圧を情報としてコントロー
   ル部に供給するようにした請求項（１）または（２）に
   記載の養魚装置。
5. 【請求項５】縦水槽は、水槽の上方に位置する高さの途
   中に拡径部分を形成し、上端を蓋材で気密に閉塞した請
   求項（１），（２），（３），（４）のいずれかに記載
   の養魚装置