JP2531439B2 - 複合触媒 - Google Patents
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Landscapes
- Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種有機反応や環境
浄化等に用いられる触媒に関する。
浄化等に用いられる触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種有機反応や環境浄化のために
用いられる触媒は、粉末状あるいは担体上に粉末として
担持された状態で用いられることがほとんどである。ま
た、膜状に形成された場合でも単一材料が用いられてい
る。
用いられる触媒は、粉末状あるいは担体上に粉末として
担持された状態で用いられることがほとんどである。ま
た、膜状に形成された場合でも単一材料が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】触媒として用いられる
粉末材料は、その粒径をそろえるのはかなり工夫が必要
であるし、また複合物であればその組成はミクロ的に見
れば制御されておらず、反応についても制御できない部
分が存在するという問題点がある。
粉末材料は、その粒径をそろえるのはかなり工夫が必要
であるし、また複合物であればその組成はミクロ的に見
れば制御されておらず、反応についても制御できない部
分が存在するという問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の複合触媒は、上
述の問題を解決するために、基板上に少なくとも2種類
以上の酸化又は還元用の触媒膜を交互に積層し、この触
媒膜に基板に垂直方向の複数の溝を設けることを特徴と
する。
述の問題を解決するために、基板上に少なくとも2種類
以上の酸化又は還元用の触媒膜を交互に積層し、この触
媒膜に基板に垂直方向の複数の溝を設けることを特徴と
する。
【0005】
【作用】本発明は、以上のようにいくつかの触媒材料の
薄膜を交互に積層し、溝を形成することによって、溝の
側面に生じた制御された膜厚の各触媒材料によって触媒
反応を生じさせることができ、反応の制御を容易に行な
うことができる。
薄膜を交互に積層し、溝を形成することによって、溝の
側面に生じた制御された膜厚の各触媒材料によって触媒
反応を生じさせることができ、反応の制御を容易に行な
うことができる。
【0006】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例の断面図であ
る。以下、製造方法と共に説明する。
る。以下、製造方法と共に説明する。
【0007】所定の温度に加熱されたSi基板1上にス
パッタ、蒸着あるいはメッキ等の薄膜製造装置によって
貴金属膜として白金膜2と酸化鉄(例えばγ−Fe2 O
3 やマグネタイト等)膜3とを10nmの厚さに交互に
積層する。その後、ホトリソグラフィを用いたレジスト
などのマスクを用い、化学エッチングあるいはプラズマ
エッチングによって薄膜面に垂直に縦横方向に多数の溝
4を基板面まで1〜10μmの幅で形成する。その後、
電子顕微鏡によって確かに溝の側面で膜が所定の厚さで
交互に並んでいることを確認した。
パッタ、蒸着あるいはメッキ等の薄膜製造装置によって
貴金属膜として白金膜2と酸化鉄(例えばγ−Fe2 O
3 やマグネタイト等)膜3とを10nmの厚さに交互に
積層する。その後、ホトリソグラフィを用いたレジスト
などのマスクを用い、化学エッチングあるいはプラズマ
エッチングによって薄膜面に垂直に縦横方向に多数の溝
4を基板面まで1〜10μmの幅で形成する。その後、
電子顕微鏡によって確かに溝の側面で膜が所定の厚さで
交互に並んでいることを確認した。
【0008】上記のようにして得られた複合触媒を基板
ごと1×1cm2 程度のチップ状に切断したあと周囲か
ら電気炉で加熱できる直径2cm程度の石英反応管容器
に必要数だけ導入する。このチップ状の複合触媒は反応
管容器内に並べて入れてもランダムに入れてもよい。触
媒膜には縦横方向に複数の溝が形成されている為、処理
対象とするガスや液体の被処理流体はこの溝内に入り込
み、触媒膜の表面で反応する。被処理流体として炭酸ガ
スと水素1:1の混合ガスを50ml/minの流量で
流通させて反応させ、反応生成物をガスクロマトグラフ
ー質量分析系および元素分析系で分析した。その結果、
加熱温度260℃で10%、300℃で20%、350
℃で30%の炭酸ガスが一酸化炭素(CO)、メタン
(CH4 )、炭素(C)に転化していた。各温度での生
成物の組成は表1の通りである。尚、白金膜の代りにル
テニウム,ニッケル,銅,コバルト等を用いることがで
きる。
ごと1×1cm2 程度のチップ状に切断したあと周囲か
ら電気炉で加熱できる直径2cm程度の石英反応管容器
に必要数だけ導入する。このチップ状の複合触媒は反応
管容器内に並べて入れてもランダムに入れてもよい。触
媒膜には縦横方向に複数の溝が形成されている為、処理
対象とするガスや液体の被処理流体はこの溝内に入り込
み、触媒膜の表面で反応する。被処理流体として炭酸ガ
スと水素1:1の混合ガスを50ml/minの流量で
流通させて反応させ、反応生成物をガスクロマトグラフ
ー質量分析系および元素分析系で分析した。その結果、
加熱温度260℃で10%、300℃で20%、350
℃で30%の炭酸ガスが一酸化炭素(CO)、メタン
(CH4 )、炭素(C)に転化していた。各温度での生
成物の組成は表1の通りである。尚、白金膜の代りにル
テニウム,ニッケル,銅,コバルト等を用いることがで
きる。
【0009】
【表1】
【0010】第2の実施例としては図1と同様の構成に
おいて、Si基板1上にスパッタ、蒸着あるいはメッキ
等の薄膜製造装置によって酸化ニッケル(NiO)薄膜
と酸化鉄薄膜を交互に積層する。その後、第1の実施例
と同じ方法で縦横方向に溝を基板面まで形成する。
おいて、Si基板1上にスパッタ、蒸着あるいはメッキ
等の薄膜製造装置によって酸化ニッケル(NiO)薄膜
と酸化鉄薄膜を交互に積層する。その後、第1の実施例
と同じ方法で縦横方向に溝を基板面まで形成する。
【0011】上記のようにして得られた複合触媒を第1
の実施例と同じ様に加工した後、石英反応管容器に導入
し、容器を250℃程度加熱し、水素中で約30分程度
熱処理した後、1000ppm程度のNO2 ガスが含ま
れる窒素ガスを100ml/min程度流通させて反応
させ、反応生成物をガスクロマトグラフィー質量分析計
で分析した。その結果、NO2 ガスは検出計にほとんど
検出できないくらいまで減少していた。
の実施例と同じ様に加工した後、石英反応管容器に導入
し、容器を250℃程度加熱し、水素中で約30分程度
熱処理した後、1000ppm程度のNO2 ガスが含ま
れる窒素ガスを100ml/min程度流通させて反応
させ、反応生成物をガスクロマトグラフィー質量分析計
で分析した。その結果、NO2 ガスは検出計にほとんど
検出できないくらいまで減少していた。
【0012】図2は本発明の第3の実施例の断面図であ
り、3種類の薄膜を交互に積層した場合である。以下製
造方法と共に説明する。
り、3種類の薄膜を交互に積層した場合である。以下製
造方法と共に説明する。
【0013】第1の実施例と同様の薄膜形成装置を用い
て、アルミナ基板10上にニッケル膜11酸化亜鉛(Z
nO)膜12、酸化鉄膜13を約10nmの厚さに交互
に積層する。その後、第1の実施例と同じ方法で基板に
対して垂直に縦横方向に溝4を基板面まで形成する。
て、アルミナ基板10上にニッケル膜11酸化亜鉛(Z
nO)膜12、酸化鉄膜13を約10nmの厚さに交互
に積層する。その後、第1の実施例と同じ方法で基板に
対して垂直に縦横方向に溝4を基板面まで形成する。
【0014】上記のようにして得られた複合触媒を、第
1の実施例と同様に加工した後、反応管容器に導入し、
容器を300℃程度に加熱し、水素中で30分程度熱処
理した後、1000ppmのSO2 ガスを含む窒素ガス
を100ml/min程度流通させ反応させ、反応生成
物を第2の実施例と同じ方法で分析した。その結果、S
O2 ガスはほとんど検出できないくらい減少していた。
1の実施例と同様に加工した後、反応管容器に導入し、
容器を300℃程度に加熱し、水素中で30分程度熱処
理した後、1000ppmのSO2 ガスを含む窒素ガス
を100ml/min程度流通させ反応させ、反応生成
物を第2の実施例と同じ方法で分析した。その結果、S
O2 ガスはほとんど検出できないくらい減少していた。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
2種類以上の酸化又は還元用の触媒薄膜を交互に積層し
て溝を作り、チップ状に分割して反応管容器内に導入
し、被処理流体を流すことにより、溝の側面に現れる周
期的な触媒膜の表面と被処理流体とを反応させることが
できる。このため膜の厚さを反応対象によって適度に変
化させることにより、反応系に最適な材料からなる触媒
を比較的簡単に得ることができる。また、本発明による
構成で形成した複合触媒が環境浄化に有効であることも
確認できた。また、異なる膜が金属だけからなる複合触
媒でも、同様な効果が得られる。
2種類以上の酸化又は還元用の触媒薄膜を交互に積層し
て溝を作り、チップ状に分割して反応管容器内に導入
し、被処理流体を流すことにより、溝の側面に現れる周
期的な触媒膜の表面と被処理流体とを反応させることが
できる。このため膜の厚さを反応対象によって適度に変
化させることにより、反応系に最適な材料からなる触媒
を比較的簡単に得ることができる。また、本発明による
構成で形成した複合触媒が環境浄化に有効であることも
確認できた。また、異なる膜が金属だけからなる複合触
媒でも、同様な効果が得られる。
【図1】本発明の第1の実施例の断面図。
【図2】本発明の第3の実施例の断面図。
1 Si基板 2 白金膜 3,13 酸化鉄膜 4 溝 10 アルミナ基板 11 ニッケル膜 12 酸化亜鉛膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/36 102B
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に交互に積層された少くとも2種
類の酸化又は還元用の触媒膜と、この触媒膜に設けられ
た前記基板に垂直方向の複数の溝とを含むことを特徴と
する複合触媒。 - 【請求項2】 触媒膜材料の少くとも1種類は貴金属ま
たは遷移金属である請求項1記載の複合触媒。 - 【請求項3】 触媒膜は金属酸化膜である請求項1記載
の複合触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5149992A JP2531439B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 複合触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5149992A JP2531439B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 複合触媒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0716474A JPH0716474A (ja) | 1995-01-20 |
JP2531439B2 true JP2531439B2 (ja) | 1996-09-04 |
Family
ID=15487103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5149992A Expired - Fee Related JP2531439B2 (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 複合触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2531439B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH031065Y2 (ja) * | 1984-10-19 | 1991-01-14 |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP5149992A patent/JP2531439B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0716474A (ja) | 1995-01-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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