JP2529966Y2 - ブレーキ用空圧作動器 - Google Patents

ブレーキ用空圧作動器

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JP2529966Y2
JP2529966Y2 JP40485890U JP40485890U JP2529966Y2 JP 2529966 Y2 JP2529966 Y2 JP 2529966Y2 JP 40485890 U JP40485890 U JP 40485890U JP 40485890 U JP40485890 U JP 40485890U JP 2529966 Y2 JP2529966 Y2 JP 2529966Y2
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行雄 左右知
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株式会社ナブコ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、車両のエアブレーキ
システムにおいて、最終的な制動装置として用いられる
ブレーキ用空圧作動器に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】一般に、エアブレーキ
システムは、ペダル操作によって開閉するブレーキバル
ブ、ブレーキバルブの開閉によって信号圧を受けるリレ
ーバルブ、およびリレーバルブを通してエアタンクから
エア圧を受けるブレーキチャンバなどの空圧作動器を含
む。こうしたエアブレーキシステムにおいて、操作する
運転者に適正なブレーキフィーリングを与え、ブレーキ
の制御性を高めることが大切であることはいうまでもな
い。
【0003】従来、適正なブレーキフィーリングを与え
る手法として、ブレーキの効き始めに、たとえば0.6
kg/cm2程度の立上り圧力を設定する方法が知られ
ている。その方法では、通常、ブレーキバルブにおける
スプリングの荷重を設定することによって、所定の立上
り圧力を設定する。
【0004】しかし、そうした従来の方法では、微妙な
設定が非常に難しい。たとえば、立上り圧力の公差を±
0.1kg/cm2にしようとすれば、ブレーキバルブ
のスプリングのセット荷重の公差を±5%程度にしなけ
ればならないが、そうした公差を得るにはスプリングの
加工および荷重のセット上かなりの困難が伴う。特に、
ブレーキバルブの中の組込みスペースが小さいこと等か
ら、セット時の荷重のバラツキを小さくすることは困難
であり、要求に応じた設定値が得られないことが往々に
してある。
【0005】
【考案の目的】この考案の目的は、ブレーキフィーリン
グの上で大切な立上り圧力を、ブレーキバルブの部分で
はなく、最終的な制動装置であるブレーキ用空圧作動器
側で設定するようにした技術を提供することにある。
【0006】
【そのための手段および作用】ブレーキ用空圧作動器
は、供給される空圧を機械力に変換する機器であり、本
体の内部にピストンがある。このピストンは本体の内部
空間を圧力室と無圧室とに区画するが、そのためにカッ
プシール等の第1のシール手段を備えている。この考案
では、供給される空圧を、前記第1のシール手段による
有効受圧面積の部分でピストンが受ける前に、その第1
のシール手段による有効受圧面積よりも小さな有効受圧
面積の部分で受けるようにする。すなわち、この考案で
は、小さな有効受圧面積を画するための第2のシール手
段を新たに備える。第2のシール手段自体は、前記ピス
トンの第1のシール手段の内径部分に小径のシールによ
って構成することもできるし、前記ピストンとは別に小
径なピストンを設け、その小径ピストンを利用して構成
することもできる。第2のシール手段による有効受圧面
積は、第1のシール手段によるそれに比べて小さいとは
いえ、そのシール面積の公差はたとえば±2〜3%程度
に容易に設定することができる。したがって、この考案
では、ブレーキバルブ側のスプリングセット荷重の公差
をたとえば±10%程度にしておき、それよりも細かい
調整を空圧作動器側で行うことによって、高精度な立上
り圧力を確実に設定することができる。
【0007】
【第1の実施例】まず、図1を参照しながら、ブレーキ
用空圧作動器であるエアハイドロリックブースタ10の
全体的な構造を明らかにし、その後、この考案による改
良点の部分をさらに詳しく説明する。エアハイドロリッ
クブースタ10の本体12は、真中に位置するベース部
材120と、ベース部材120の一方側を被うカップ形
状の部材121と、ベース部材120の中央を貫くシリ
ンダ部材122とから構成される。こうしたエアハイド
ロリックブースタ10は、大径なカップ形状の部材12
1の中に構成されるエアサーボ部14と、シリンダ部材
122の中に構成されるマスタシリンダ部16とから成
る。エアサーボ部14には、ピストン18が内蔵され、
第1のシール手段である外周のカップシール20と相俟
ってカップ形状の部材121の中の内部空間を左右2室
22,24に区画している。左側の室22は、給排気の
ための接続孔26を通して図示しないエアリザーバから
圧縮空気が供給される圧力室であり、また、右側の室2
4は、ベース部材120の上部に設置したエアブリーザ
28を通して常時大気に連通する無圧室である。ピスト
ン18は、カップ形状の部材121の中を左右に移動自
在であるが、無圧室24側にリテーナ29を挟んで配置
した主ばね30および補助ばね31によって左方へと付
勢され、通常は図示する復帰位置にある。なお、エアブ
リーザ28の部分が大気に連通する構造上、そこには、
本来の上部カバー28aに加えて、側面の全体を囲む側
面カバー28bがあり、それによって、車両のスチーム
洗浄時などに水分が無圧室24の中に入らないようにし
ている。
【0008】ピストン18には、ロッド32の一端が一
体的に固定され、そのロッド32の他端側がプランジャ
34の孔34a内にわずかな隙間をもってはまり込んで
いる。プランジャ34の他端側は、シリンダ部材122
のシリンダ孔36の内部へと延びている。シリンダ部材
122のシリンダ孔36は段付き形状であり、大きな開
口部には、樹脂製のスリーブ38が、その両端にプレー
ト40a,40bを携えて固定されている。各プレート
40a,40bは、シール部材42a,42bの抜止め
をしており、一方のプレート40aはストッパリング4
4によって、他方のプレート40bはシリンダ孔36の
段部36aによってそれぞれ位置固定されている。シリ
ンダ孔36の段部36aに臨む部分に連絡通路46があ
り、その連絡通路46は継手48およびそれに続く配管
(図示しない)を通して作動液リザーバに連絡する。連
絡通路46は、また、プランジャ34に設けた径方向の
第1通路51および軸線方向の第2通路52、ならびに
バルブ53を通して液圧室54に連絡する。液圧室54
は、一方では残圧弁55および出口56、さらにそれに
続く配管(図示しない)を通して車輪ブレーキ装置のホ
イールシリンダに連絡する。液圧室54に臨む、プラン
ジャ34の先端部のバルブ53は、非作動時にはバルブ
部材53aの端がピン58に当たって開いているが、ブ
レーキ作動に伴って閉じるように機能する。第1通路5
1を貫くピン58は、第1通路51の中をプランジャ3
4の軸方向に所定量移動することができるが、それ自体
はコップ状部材59を介してばね60の力を受けてプレ
ート40bの端面に当たっている。
【0009】さて、ピストン18は、通常、カップ形状
の部材121の内周との間をシールする第1のシール手
段を備えているのみであるが、このエアハイドロリック
ブースタ10においては、第1のシール手段であるカッ
プシール20よりも径方向内側に第2のシール手段70
を備えている。第2のシール手段70については、要部
を拡大して示す図2が明らかにしている。第2のシール
手段70は、ピストン18の圧力室22側の端面の中央
部分に設けたリング形状の溝72の中にある。そして、
その第2のシール手段70は、リップ型のゴム製シール
73と、シール73の中に埋め込んだ金具74とから成
る。金具74は、断面形状がL型で、非作動の状態にお
いて、その一端74aがカップ形状の部材121の内側
面に当たる。金具74のその一端74aの部分には、圧
縮空気の通路として、周方向に沿う複数個所にスリット
76がある。こうした第2のシール手段70は、シール
73のリップ73aがカップ形状の部材121の内側面
に密に当たって、接続孔26を囲む部分に前記外周のカ
ップシール20とは別個の小径な受圧面を区画する。こ
の小径な受圧面の有効受圧面積は、大径なカップシール
20による有効受圧面積よりも小さいことは勿論であ
る。第2のシール手段70は、圧力室22を径方向内外
の2室に区画するということができる。
【0010】次に、エアハイドロリックブースタ10の
作動について説明する。シリンダ孔36内に延びるプラ
ンジャ34は、非作動時、第1通路51内のピン58が
プレート40bに当たることによって一定の位置をと
る。このとき、エアサーボ部14のピストン18は、補
助ばね31の力により、カップ形状の部材121の内側
面に当たり、リップ型のシール73のリップ73aが小
径な受圧面を画する。また、プランジャ34の先端部の
バルブ53は、ピン58による規制作用で開弁し、液圧
室54と外部の作動液リザーバとを連絡している。ブレ
ーキの作動時、接続孔26を通して圧力室22内に圧縮
空気が供給され、小径な受圧面に作用する圧力が所定値
になると、ピストン18が右方に動き、ロッド32の右
端がプランジャ34に当たる。それとともに、第2のシ
ール手段70のシール73のリップ73aがカップ形状
の部材121の内側面から離れ、供給される圧縮空気
は、第1のシール手段20によって区画される大径な受
圧面に作用するようになる。そのため、ピストン18は
大きな力を受けて右方に移動することになる。その結
果、ピストン18はロッド32を介してプランジャ34
を押す。プランジャ34は、まず、ピン58をばね60
の力によりプレート40bに当てたまま右方に移動して
いき、それに応じてバルブ53を閉じ、液圧室54の圧
力を上昇し始める。さらにプランジャ34が右方に移動
していくと、ピン58が第1通路51の左端に当たる。
それ以後、プランジャ34は、その状態を保ちながら右
方に移動し、液圧室54の圧力をさらに上昇させる。
【0011】一方、プレーキの作動を止めると、プラン
ジャ34は、主ばね30の力を受けて左方へ戻される。
この戻りストローク時、バルブ部材53aがピン58の
規制で強制的に開弁されるまでバルブ53は閉弁状態に
あるが、液圧室54にバルブスプリングに打ち勝つ負圧
が生じると、バルブ53はそれに応じて開弁する。ピス
トン18は、最終的にカップ形状の部材121の内側面
に当たるまで戻る。そのとき、圧力室22の中の圧縮空
気は、リップ型シール73が一方向弁を構成することか
ら、リップ73aを押して接続孔26を通して排気され
る。
【0012】以上に述べた作動についての説明からも理
解されるように、エアハイドロリックブースタ10で
は、第2のシール手段70によって画する小径な受圧面
が、ブレーキの立上り圧力を定める。この小径な受圧面
の有効受圧面積は、ブレーキバルブ側のスプリングセッ
ト荷重に比べて、充分にかつ容易に精度を高めることが
できる。また、この第1の実施例のエアハイドロリック
ブースタ10によると、第2のシール手段70をピスト
ン18それ自体に装着している。そのために、エアサー
ボ部14のピストン18の部分を少し変えるだけで、容
易に実施することができる。
【0013】
【第2の実施例】図3に示す第2の実施例でも、ブレー
キ用空圧作動器側で立上り圧力を設定することは第1の
実施例と同じであり、また、空圧作動器自体の全体的な
構成もほぼ同様である。そこで、第2の実施例について
は、第1の実施例と異なる部分を中心に説明をする。こ
の第2の実施例では、第1のシール手段220を備えた
ピストン218に戻り力を与えるばね231と、プラン
ジャ234に戻り力を与えるばね230とをそれぞれ並
列に設けている。また、立上り圧力を定める小径な受圧
面を得るために、前記ピストン218とは別に小径ピス
トン80を設けるようにしている。カップ形状の部材2
21の中央部に、段付き孔81を備えたシリンダ部材8
2があり、そのシリンダ部材82の中に小径ピストン8
0がある。小径ピストン80は、外周にシールリング8
3を保持し、非作動の状態では、ピストン218を介し
てばね231の力を受け、その左端が段部81aに当た
っている。小径ピストン80は、中央を軸方向に貫く中
心孔80aのほか、中心孔80aと圧力室222とを連
絡する切欠き通路80bを備え、さらに、中心孔80a
の一方の開口部80cが弁座となっている。この弁座8
0cには、弱いばね84で付勢されたバルブ部材85が
当たり、中心孔80aを閉じている。したがって、立上
り圧力に関係する小径な受圧面は、小径ピストン80の
外周のシールリング83とバルブ部材85とによるリン
グ形状を呈している。すなわち、この第2の実施例にお
いて、小径ピストン80の回りのシールリング83およ
びバルブ部材85が第2のシール手段270を構成す
る。段付き孔81の一端に設けた接続孔226を通して
圧縮空気が供給されると、小径ピストン80は、前記リ
ング形状の小径な受圧面に圧力を受ける。それによっ
て、小径ピストン80が図の右方にわずかに動くと、バ
ルブ部材85が弁座80cから離れ、ピストン218に
圧力が作用するようになる。したがって、この第2の実
施例でも、立上り圧力の設定について前記第1の実施例
と同様の利点を得る。
【0014】
【考案の効果】この考案によれば、ブレーキの立上り圧
力を、ブレーキ用空圧作動器側で設定することにより、
その設定を容易かつ確実にすることができる。また、前
輪のブレーキ系統と後輪のそれとで配管長さが異なる場
合、その相違に応じて、各系統の空圧作動器の小径な受
圧面の大きさを変えることによって、前後輪におけるブ
レーキの立上りを同期させることができる。その点は、
デュアルブレーキバルブのアッパー側とロア側との立上
り時期の相違についても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1の実施例を示す全体的な断面図
である。
【図2】第1の実施例の要部を示す拡大断面図である。
【図3】この考案の第2の実施例の要部を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10 ブレーキ用空圧作動器 12 本体 18,218 ピストン 20,220 カップシール(第1のシール手段) 26,226 接続孔 34,234 プランジャ 70,270 第2のシール手段 80 小径ピストン

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部空間のある本体と、前記内部空間に
    移動自在に挿入されるピストンと、このピストンと前記
    本体の内周との間に設けられ、前記内部空間を圧力室と
    無圧室とに区画する第1のシール手段と、前記ピストン
    を前記無圧室側から非作動位置に向けて付勢するばね
    と、前記圧力室に対して圧縮空気を給排気可能な接続孔
    とを備えたブレーキ用空圧作動器において、前記ピスト
    ンの非作動位置で、前記接続孔を囲む前記本体と前記ピ
    ストンとの間に、そのピストンに対して前記第1のシー
    ル手段による有効受圧面積よりも小さな有効受圧面積を
    画する第2のシール手段を設けて成るブレーキ用空圧作
    動器。
  2. 【請求項2】 前記第2のシール手段は、前記圧力室側
    から前記接続孔に向かう空気移動を許す一方向弁として
    の機能をもつ請求項1のブレーキ用空圧作動器。
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