JP2521418C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2521418C
JP2521418C JP2521418C JP 2521418 C JP2521418 C JP 2521418C JP 2521418 C JP2521418 C JP 2521418C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pvoh
extruder
melt
pellets
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Original Assignee
エアー.プロダクツ.アンド.ケミカルス.インコーポレーテッド
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【技術分野】 本発明は、溶融押出し可能なポリビニルアルコールペレットに関する。 【0002】 【発明の背景】 ポリビニルアルコール(PVOH)の最終用途分野は、その優れた強さ、接着
及び障壁の性質にも拘わらず限定されてきた。この限定は、未可塑化の状態のビ
ニルアルコールポリマーが、高い結晶化度を有し、そして約170℃で始まりそ
して200℃で顕著になる分解の発生の前にはほとんどまたは全く熱可塑性を示
さないという事実に一部起因している。 98〜99+モル%の範囲の加水分解度を有するPVOHの結晶化度は、製造
条件に依存して30〜40%である。C.A.Finchによって編集されたポリビニル
アルコールの性質及び応用、John Wiley & Sons Ltd.ロンドン 1973中でK.Toy
oshimaによって述べられているように、PVOH樹脂が経験した熱履歴が高けれ
ば高いほど、結晶化度もそれだけ高い。87〜89モル%が加水分解されたPV
OHの結晶化度は12〜18%の範囲でありそして使用された製造条件からかな
り独立している。 【0003】 PVOHの溶融は、完全な結晶の溶融温度よりも約100〜120℃低い温度
で溶融する小さなそして完全でない結晶をまず溶融することによって起きる。か
くして段々に高い融点を有する結晶の連続的な溶融によって溶融物が生成され、
最後に完全で最高温で溶融する結晶だけが残る。これらの完全な結晶は押出機中
で溶融するのが極端に困難であり、これらの結晶の“粒子流(particle flow)”
が起きると信じられる。粒子流は、ポリ塩化ビニルのコンパウンディングにおい
ては広く知られている現象であり、そしてA.R.Berens及びV.L.Foltによって(
Trans.Soc.Rheology 11,95(1967))最初に報告されそして記述された。A.R.
Berensらによって展開されそして本発明者らによってPVOHの場合に適用され
た理論によれば、完全な結晶は、完全でない結晶及び無定形物質の溶融によって
作られたPVOH溶融物中で流れ、そして押出機の出口では実質的に元のままに
留まるであろうことが予言されるであろう。押出されたPVOH生成物中に観察
されるゲルは、未溶融の結晶性領域から成ることが見い出された。これらの領域
を構成する結晶は、完全な結晶そしてかくして最高の融点を有する結晶であると
信じられる。これらの完全な結晶を溶融するために押出しプロセスの間の熱を増
加させることは、結果として劣化したそして橋かけされた物質の生成をもたら し、これらの物質は結晶性起源のゲルと類似した構造を有するゲルを生成させ、
ただ一つの差は物理的結合の代わりの化学的結合の存在である。ゲルは最終生成
物における不完全さを導き、この不完全さは生成された生成物を通しての気体ま
たは液体の増加した漏れに寄与し、そして機械的及び物理的性質を顕著に減少さ
せる。 【0004】 この押出し可能性の問題の解決は、外部可塑剤、例えばエチレングリコール、
トリメチレングリコール、プロピレングリコール及び2,2,4−トリメチル−1
,3−ペンタンジオール(U.S.3,148,202)の使用によって求められてきた。し
かしながら、外部可塑剤の使用は、物理的性質例えば引張強さ及び伸びにおける
顕著な損失を導くことなく熱分解の問題を完全に克服する融点の充分な低下を与
えることはできない。また、高い可塑剤レベルで製造された物品の粘着性は、ほ
とんどまたは全く商業的価値を持たない物品に導く。さらにまた、可塑剤の添加
は、最終生成物中のゲルの問題を解決には、もしあるとしても、ほとんど貢献し
ない。 【0005】 水ベースの押出しまたは成形プロセスは、融点を低下させそして結晶性領域を
分散させ、かくして低い温度で均一でゲルを含まない溶融物を与えるのを助ける
ことが示唆された。この技術は本質的にPVOHの高固体溶液を生成させ、次に
この溶液はフィルムにキャストされ、このフィルムから蒸発によって水分が除去
され、固体の水を含まないシートが生成される。このプロセスはまた、二軸延伸
されたフィルムを製造するための管状フィルムブロー成形に拡張することもでき
る。しかしながら、空気空隙の形成なしでフィルムから水を除去することができ
る速度によってフィルム厚さが限定される。加えて、必然的に遅い乾燥ステップ
は、特別な応用に依存して有利であるかもしれない結晶化度の再出現を結果とし
てもたらす。この方法で製造されたフィルムは、フィルムから水を除去するため
に必要とされるエネルギーコストのために高価でありそして、最も重要なことに
は、これらのフィルムは、共押出しされた構造体の領域において利用されること
が妨げられる。さらに、この技術は物品の射出成形またはブロー成形を可能にし ない。何故ならば、これらの状況下での水の除去は、不可能ではないにしても極
端に困難であるからである。かくして、水ベースの技術を用いて製造することが
できる最終製品の数は極端に限定される。 【0006】 先行技術は、PVOHの溶融加工性(押出し)に伴う問題を扱ってきた。大多
数の技術は、ポリマーの融点を減らして引き続いてPVOHフィルムを生成させ
るために外部可塑剤の使用を取り扱う。しかしながら、先行技術は、PVOHの
時間/温度履歴に伴う問題を扱っていない。ポリ塩化ビニルとほぼ同様に、ポリ
ビニルアルコールは、劣化が始まる前に限定された熱履歴には耐えることができ
る。この劣化は、熱に誘発された結晶化及び橋かけに起因するポリマーの黄変及
びゲルの増加によって証明される。熱処理での多くの試みは、増加した温度での
時間の長期化を回避するためにPVOHのフィルムまたはその他の物品への直接
の押出しを含んでいた。しかしながら、多くの生成操作のための操作条件は、一
般に、ゲルを除去しそしてポリマーの均一な溶融物を製造するには不十分である
。この結果は、貧弱な品質のフィルムかまたは押出機のよどんだゾーンでの時間
につれての物質の劣化に起因する限定された製造操作かのどちらかである。 【0007】 U.S.3.365,413は、透明な水分散性PVOHチューブのブロー押出しのための
方法を開示している。25〜40重量%の残留酢酸塩含量を有する限界的な(cr
itical)可塑化されたポリビニルアルコール組成物を375〜425°Fの範囲
の温度で溶融して、100〜20,000ポアズの範囲内の粘度を有するプラス
チック物体を生成させる。この物質をリングダイを通して押出しそしてプラスチ
ック状態にある間にブローする。冷却すると、薄い壁の連続的な非粘着性のフィ
ルムが得られる。 【0008】 U.S.3,607,812は、13〜5重量部の多価アルコール可塑剤を、700〜15
00の重合度及び少なくとも97モル%の加水分解度を有しそして0.5重量%
未満の酢酸ナトリウムを含むPVOH樹脂の87〜95重量部に添加し、この混
合物を乾燥して水分含量を2重量%未満に減らし、そして最後に190〜250 ℃の温度に加熱されたダイによってこの物体をフィルムに溶融押出しすることに
よって、40℃未満の温度で水中に不溶性のPVOHフィルムを製造する方法を
開示している。 【0009】 U.S.3,997,489は、低分子量炭化水素オイルまたはワックスとより高分子量の
エチレンホモまたはコポリマーとの組み合わせ物から成る押出し助剤の使用によ
って得られる、改良された溶融流動特性のPVOH組成物を開示している。この
改良は可塑剤の存在下で一層顕著にさえなる。 U.S.4,119,604は、(i)低分子量PVOH及び中間分子量PVOH、そして必
要に応じて、ビニルアルコール及びエチレン性不飽和エステルのコポリマーを含
む樹脂混合物、並びに(ii)可塑剤としてのポリエチレングリコールから本質的
に成る組成物から溶融押出しまたは水性キャスティングによって製造されたフィ
ルムを開示している。 【0010】 U.S.4,206,101は、100重量部の部分的に加水分解された低分子量PVOH
中の5〜20重量部のポリエチレングリコール(325と550の間の範囲の平
均分子量を有する)から本質的に成る組成物から慣用の溶融押出しプロセスによ
って製造された、冷水中で急速にかつ完全に可溶性であり、そして自動パッケー
ジング装置においてパッケージングフィルムとしての使用に適しているフィルム
を開示している。 【0011】 U.S.4,244,914は、熱可塑性物質で作られた、組み合わせられた(coupled)
そして共押出しされた多層物品を製造する方法を開示している。この方法の一部
は、(a)共押出しヘッドと接続された押出機に、可塑化成形材料の水性混合物
と混合されそしてそれをプラスチゾル状態にするために圧力下で加熱された、高
い加水分解度を有するPVOHを供給すること、及び(b)このプラスチゾルP
VOHを、それが共押出しヘッドに入る前にそしてそれが共押出しヘッドの温度
と少なくとも等しくそして好ましくはそれより高い温度にある間に、発生した蒸
気を同時にベントしながら急速な圧力低下にかけることのステップから成る。 【0012】 U.S.4,469,837は、PVOHと少なくとも一つまたはそれより多い固体のポリ
ヒドロキシル化モノマー状アルコールとの実質的に乾いた混合物から成る、熱可
塑性成形及び押出しに適応した、PVOHを基にした熱可塑性組成物を開示して
いる。 U.S.4,529,666は、一またはそれより多い1,4−モノアンヒドロヘキシトー
ル類及び/または一またはそれより多い1,4−3,6−ジアンヒドロヘキシトー
ル類を含む可塑化されたPVOH並びに共押出し、コーティング、ダブリング(
doubling)及び積層による複合フィルムの製造のためのそれの使用を開示してい
る。 U.S.4,611,019は、可塑化された溶融押出し可能なPVOHホモポリマーへの
小量の選ばれたポリアミドまたはポリエステルの添加を開示している。 U.S.4,672,087は、非ヒドロキシル可塑剤を含むPVOHを実質的に水を含ま
ない条件で生成させそして増進された不透過性を与えるのに充分に遅い速度で冷
却することによってPVOHから作られた生成された物品を開示している。 【0013】 JP 86/095,053は、酢酸、酢酸ナトリウム、及び限定されたpka値を有する有機
多塩基性酸の部分的なアルカリ金属塩をPVOHタイプのポリマー中に混入する
ことによって、優れた熱安定性を有するPVOHタイプのポリマーを製造する方
法を開示している。 JP 86/095,054は、酢酸、酢酸ナトリウム、及び限定されたpka値を有する無機
多塩基性酸の部分的なアルカリ金属塩をPVOHタイプのポリマー中に混入する
ことによって、優れた熱安定性を有するPVOHタイプのポリマーを製造する方
法を開示している。 【0014】 【発明の要約】 本発明は、容易に溶融押出し可能であるポリビニルアルコールペレットを提供
する。 押出し可能なPVOH組成物は、PVOHを溶融しかつPVOH溶融物中の結 晶化度を実質的に排除するのに充分なエネルギーを、少なくとも部分的に結晶性
であるPVOHに与えること、及びPVOH溶融物の分解を回避するのに充分な
速度でPVOH溶融物からエネルギーを同時に取り除くことによって得られる。
〔分解は、熱で誘発された結晶化及び橋かけに起因するPVOHの黄変(薄い麦
わら色より濃い)及び/またはゲルの増加によって証明される〕。次に、溶融物
を所望の製品若しくは物品に直接加工してもよく、またはストランドに押出して
、急速に冷却し、そして後続の熱可塑性処理のためにペレットに切断してもよい
。 【0015】 本方法は、未処理のPVOHの最高溶融温度(示差走査熱量計(DSC)によ
って測定された)より少なくとも5℃低い最高溶融温度を有する、透明な本質的
にゲルを含まない熱的に安定なPVOHを与える。本方法において利用されるエ
ネルギー投入は、少なくとも約0.27KWhr/kg、そして望ましくは0.6KWhr/
kg未満、好ましくは0.35KWhr/kg〜0.45KWhr/kgである(KWhr/kg=キロ
ワット時間/キログラムPVOH)。造形操作から溶融コンパウンディングを分
離することによって、ほとんど分解またはゲルを示さないフィルム、シート、物
品などに引き続いて造形することができる押出し可能なPVOHペレットを得る
ことができる。 【0016】 対照的に、従来技術ではPVOHを溶融するのに十分なエネルギーのみを単に
付与し、PVOHの分解を誘発するであろう過剰のエネルギーの付与を回避して
いた。本発明はPVOHの溶融に必要なエネルギーを付与し、そして結晶性の領
域を剪断する付加的なエネルギーを付与するが、同時にこの剪断エネルギーを除
去して溶融温度が分解温度を越えることから防止する。すなわち、付与された付
加的エネルギーは、本質的に樹脂溶融物を通過して効果的に樹脂溶融物を剪断し
て結晶性を排除し、そして、たとえば、押出機の冷却ジャケットにより溶融物を
冷却することにより除去される。 【0017】 押出機には、必要なせん断エネルギーを与えるために強力な混合要素が必要と される。押出機の特別なゾーンにおいて発生させられるせん断エネルギーは、冷
却によって除去することができるエネルギーより大きくてはならない;さもない
と分解が起きる。 【0018】 製造されたPVOHペレットは、熱的に安定でありそして慣用の熱可塑性プラ
スチック処理装置、例えば単軸スクリュー押出機中での後続する溶融処理に耐え
ることができる。装置はペレットを溶融しそして所望の成形操作のために充分な
圧力を発生させねばならないだけなので、これらのペレットは、分解なしで本質
的にゲルを含まない物品に熱可塑的に加工(押出し)することができる。これら
の操作は、例として、押出し、射出成形、熱成形、射出ブロー成形及び管状(tub
ular)フィルムブロー成形を含む。 【0019】 【発明の詳述】 押出し可能なPVOH及び熱可塑性のゲルを含まないペレットの製造における
使用のための適当なポリビニルアルコールは、78〜100モル%加水分解、好
ましくは85〜99+モル%加水分解されていて、そして200〜2500の範
囲の重合度(DPn)を有するPVOHである。 【0020】 本発明による処理のためのPVOHは、望ましくは可塑剤、分散剤及び/また
は酸と混合される。 可塑剤は、PVOHの流動特性を改良するために使用してよい。可塑剤は、P
VOHと適合しなければならず、そして多価アルコール、もっとも好ましくはグ
リセロール、ポリエチレングリコール、またはPVOHとの適合性を有すること
が当該技術において知られているその他の親水性化合物でよい。本発明において
有用なその他の親水性可塑剤は、エチレングリコール、マニトール、ペンタエリ
トリトールまたはその他の多価低分子量アルコール、エチレンオキシド及びプロ
ピレンオキシドのブロックコポリマー、及び当業者に既知のその他のものを含む
。本組成物に添加される可塑剤の量は、PVOHを基にして1〜30重量%、好
ましくは2〜20重量%の範囲である。 【0021】 PVOHの熱安定性は、その中でPVOH及び可塑剤が押出しに先立ってブレ
ンドされてよい高強度(high intensity)ミキサーへの小量の鉱酸、好ましくは
リン酸の添加によってさらに改良することができる。 PVOHは残留灰分(NaO2として測定される酢酸ナトリウム)が低いかま
たは中和する鉱酸によって処理することができるかのどちらかである。 【0022】 加水分解触媒の中和から残留する酢酸ナトリウムを中和するために使用される
鉱酸は、適切には、リン酸、硫酸、塩酸、亜硫酸、またはpH中性若しくは少し酸
性の塩を生成させる任意のその他の強酸でよい。必要とされる酸の量は、5.5
〜7.0のpHを有するPVOHペレットの4重量%水溶液を生成させる量でなけ
ればならない。 【0023】 好ましいリン酸は、PVOHの分解のための触媒として働く残留する酢酸ナト
リウムを酢酸及びリン酸−水素二ナトリウムに転化しそしてかくして熱分解を顕
著に減少させる。しかしながら、リン酸は酢酸ナトリウムに対して特定の比で添
加しなければならず、さもないとリン酸それ自体が分解に顕著に寄与する可能性
がある。酢酸ナトリウム及び添加されるリン酸のモル数の間の比は2:1である
。メタノールで洗浄することによる本質的に酢酸ナトリウムを含まない低灰分の
PVOHは、たいていの場合には、中和する酸の添加を必要としないであろう。
さらに、生成された酢酸は、酸で誘発される分解及び蒸発する酢酸による押出機
出口での発泡を回避するために押出し操作の間に貯蔵しなければならない。 【0024】 PVOH製造プロセスにおける中和の間ではなくてミキサーへの直接のリン酸
の添加は、処理装置中の不溶性リン酸ナトリウムの生成及び結果として生成する
詰まりを排除することによってPVOH製造設備の融通性を大幅に増加させる。
通常のPVOH製造の間に使用される、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラートまたは対応するカリウム化合物でよい触媒の中和の間
のリン酸だけの添加は、大幅に劣った熱安定性を有する生成物をもたらすことを 強調しなければならない。 【0025】 必要に応じて、しかし好都合には、分散剤例えばグリセロールモノオレエート
が混合操作の間に添加される。分散剤は拡散の速度を大幅に増加させそしてそれ
によって可塑剤、PVOH及びリン酸の均一のブレンドを得るのに必要なブレン
ド時間を減少させ;不適切な可塑剤またはリン酸含量に起因して後にゲルの生成
をもたらす可能性がある混合操作の間の塊の生成を防止し;そしていつでも自由
に流動する粉末を与え、慣用の供給装置を用いた押出機の供給を大幅に容易にす
る。さらに、分散剤は、壁上のまたは押出機のよどんだ領域中のPVOHの顕著
な堆積(buildup)を防止する内部潤滑剤として働く。これは、PVOHの劣化
及びゲルの生成に導くPVOHが経験する長引いた滞留時間の可能性を顕著に減
少させる。 【0026】 適切に使用される分散剤は、グリセロール及びC6〜C18脂肪酸のモノ−また
はジエステルである。C6〜C18脂肪酸及び低分子量多価化合物のエステル化か
ら生成する脂肪族エステルは、機能的な等価物と考えられる。これらの脂肪族エ
ステルは界面活性剤として働く。明らかに、その他の分散剤もまた使用してよい
。 高強度混合の間に添加されるグリセロールモノオレエートまたはその他の分散
剤の好ましい範囲は、0.05重量%〜1.0重量%、またはさらに好ましくは0
.1〜0.5重量%である。 【0027】 溶融コンパウンディングに使用される押出機は、PVOHに少なくとも約0.
27KWhr/kg、好ましくは0.35〜0.45KWhr/kgのエネルギー投入を供給す
ることができなければならない。エネルギー投入の上の実際的な限度は約0.6K
Whr/kgであろう。何故ならば、PVOHを溶融させそして結晶化度を排除する
ために必要なエネルギーを越えるすべてのエネルギーは、“不要なエネルギー”
として除去されねばならないからである。PVOHを通過してそして除去されな
ければならないエネルギーが多ければ多いほど、プロセスはそれだけ非効率的で ある。約0.1〜0.15KWhr/kgがPVOHを溶融(そして加熱)するために必
要とされ、そして約0.2〜0.3KWhr/kgが溶融物中の結晶性領域をせん断変形
するために必要とされる。PVOHを溶融するためのエネルギー投入は熱または
機械的エネルギーでよいが、最も適当な押出機に関しては、せん断エネルギーが
そうであるように、すべて機械的エネルギーであろう。 【0028】 さらに、押出機はPVOH樹脂の加熱、溶融および剪断に不必要に投入した過
剰エネルギーを除去可能でなければならい。過剰エネルギーは押出機バレル、押
出機スクリューを通して、または脱蔵ステップ中の可塑剤の蒸発を通して除去さ
れる。商業的に入手可能な好適な押出機は、二軸スクリュー押出機および Buss
Conduxニーダーを含む。 【0029】 溶融コンパウンディング押出機は、必要とされるエネルギー投入を発生させる
ためにスクリューデザインにおける多数の強力混練要素をもって高い回転スクリ
ュー速度で運転される。加えて、押出機からの正味の熱の移動があるように、ス
クリューバレルはポリマーの溶融温度より低い温度で運転される。その結果は、
すべての結晶性領域をせん断変形分離することによってポリマー溶融物のゲルま
たは結晶性部分を排除するのに充分である、ポリマー中への高度の機械的エネル
ギー投入である。熱履歴を減らすための押出機中での短い滞留時間は、結果とし
て押出機出口での本質的にゲルを含まないそして透明な溶融したPVOHのスト
ランドを生成させる、即ち、押出機中の時間が短ければ短いほど、生成物はそれ
だけ一層透明で色がない。ストランドの急速冷却は、さらに熱履歴を減らしそし
てポリマーペレットの生成する色を改良する。 【0030】 好ましい商業的に入手できる装置は、共回転する完全に互いにかみあう押出機
であるWerner and Pfleiderer二軸スクリュー押出機である。このスクリューは
、種々の異なるスクリュー要素をキーの付いたシャフトの上に置いて特定の応用
のために所望の混合の程度を達成することができるように分割された様式でデザ
インされている。スクリュー要素はスクリューの長さ方向に沿って変化すること ができるが、二本のスクリューは完全に互いにかみあう表面を達成するために調
和していなければならない。一般的に言って、二つの異なるタイプの要素、スク
リュー運搬(conveying)要素及び混練(kneading)または混合ディスクがある
。これらのスクリュー要素は前進または逆転ピッチのどちらかを有することがで
き、一方混練ディスクは、前進または逆転ピッチに加えて中立ピッチを有するこ
とができる。混練ディスクは、全体の運搬ピッチを達成するために、オフセット
されているずらされた楕円形のディスクから成る。これらのディスクは、一つの
要素から別の要素へと幅が変化することができるが、典型的には要素内で均一な
幅である。混練ブロックにおける変化するピッチに加えて、異なるスクリュー要
素は異なる運搬ピッチを有することができる。当該技術に熟練した作業者は、適
切なスクリューを組み立てて最適のせん断履歴及び運搬効率を達成して結果とし
て所望の最終生成物を得ることができるであろう。 【0031】 予期できるように、すべての要素は、異なるレベルのせん断履歴及び運搬能力
を賦与する。これらは、要素及びそれらの相対的せん断強度の以下の表中に要約
することができる。 最大のせん断−最小の前進運搬効率 逆転ピッチスクリュー要素 逆転ピッチ混練ブロック 中立混練ブロック 前進ピッチ混練ブロック 前進ピッチスクリュー要素 最小のせん断−最大の前進運搬効率 【0032】 加えて、混練ディスクが広ければ広いほど、それだけ大きなせん断力が溶融物
に賦与される。また、ピッチがきつければきつい(tighter)ほど、それだけ大
きなせん断力が賦与される。この技術に熟練した作業者であれば、これらの要因
のすべてを組み合わせて、生成物を熱的に劣化させることなく最大のせん断力投
入を達成するためにスクリューをデザインすることができる。 【0033】 押出し可能なPVOH組成物を製造するための好ましい方法における第一ステ
ップは、分散剤とブレンドされたPVOHから、溶融コンパウンディング押出機
中に供給されるべき粒状の自由に流動する混合物を製造することを含む。ブレン
ドは、冷却ジャケットを備えた速度可変の高強度ミキサーを用いて製造される。
PVOHをキミサーに仕込み、そして温度を約55℃に上昇せしめた後で、混合
容器にグリセロールモノオレエートを添加する。次に、70℃に到達すれば、液
体可塑剤(グリセロール)をスプレーノズルを通して圧力下で混合室中に注入す
る。このノズルは、可塑剤を霧化するのに役立ちそしてPVOHの塊を排除する
。可塑剤の添加の間には、混合物の温度を105℃未満、好ましくは95℃近く
に維持するために冷却ジャケット温度及びミキサー速度の両方を調節する。好都
合には、必要とされる量の鉱酸、好ましくはリン酸を液体ブレンド中の可塑剤と
混合する。 【0034】 可塑剤添加が完了すれば、その他の固体または液体添加物、顔料、充填剤また
は安定剤を添加してよい。混合作用は、自由に流動する均質な生成物が得られる
まで継続される。これは一般には4〜10分であるが、グリセロールの添加速度
及びPVOHポリマーのTgに依存して変動し得る。自由に流動する混合物を生
成させた後で、それを冷却ブレンダー中に排出しそして温度を30℃に低下させ
る。生成物は、押出しコンパウンディングに関して準備ができた状態である。 【0035】 可塑剤(グリセロール)、鉱酸(H3PO4)および分散剤(グリセロールモノ
オレエート)は予備混合ステップを実施するよりもむしろ、押出機中にPVOH
の加熱に使用する第1ゾーンの直径に基づいて、PVOHの供給位置から約3直
径下流に直接注入することが望ましい。このように添加剤をPVOH中にブレン
ドし、次いで速やかに溶融し、剪断しそして押出し、予備混合機中の高熱により
長時間さらすことを回避する。 【0036】 より好適な押出機は高レベルの機械的エネルギーの投入、ポリマー全体への均 一な分散を達成することができる。スクリュー押出機の機械的エネルギー投入は
比エネルギーの測定により定量化できる。スクリュー押出機の投入比エネルギー
は、スクリューの機械的駆動用の電気エネルギー、キロワット(KW)とポリマーの
処理速度(kg/hr)との比から計算される。均一なPVOH溶融物の製造に投入さ
れる好適な比エネルギーまたは機械的、電気的エネルギーは約0.30KWhr/kg
より大きい。押出機はまた冷却可能な機構、最も好ましくは熱伝導油または水用
にバレル部分にジャッケットを有しなければならない。押出機の異なるゾーンで
得られる好ましい概略の温度はPVOHのグレードにより150〜230℃、最
も好ましくは170〜220℃である。これより低い温度は押出機出口からのス
トランド中に不溶融粒子を出現させ、一方この範囲より上の温度はストランド中
のゲル数を増加させかつバレル壁においてポリマーの劣化を促進する。 【0037】 最後に、押出機は、押出機の出口での生成物の発泡を防止するために残留水分
及びその他の残留反応副生成物を除去することができなければならない。押出機
の脱蔵(devolatilization)ゾーンで付与される真空のレベルは、供給ポリマー
及び可塑剤中の水分及び発生した酢酸のレベルに依存して760〜10トールの
範囲でよい。 【0038】 可塑剤及び任意の添加物を含む予備ブレンドされたPVOH樹脂は、スクリュ
ー押出機の供給口中に容積測定してまたは重量測定してのどちらかで供給される
。供給領域は、供給口中のポリマーの早過ぎる溶融を防止するために冷却される
。生成物は押出機の作業ゾーン中に輸送され、そこで溶融物が生成されそして混
合ピン、混練ブロック、または飛行邪魔板(flight interruptions)のいずれか
を使用することによってせん断力を受ける。一度溶融物または溶けた状態が達成
されれば、この物質を押出機の脱蔵部分まで運搬する。 【0039】 スクリューの残りの部分は、すべてのゲルまたは残留する結晶性物質を除去す
るためにせん断力を加えることによって生成物の均質化を仕上げするために使用
される。この物質は、スクリュー押出機の運搬部分または正変位(positive dis placement)ギアポンプのどちらかによって単一のまたは複数の穴のダイを通し
て加圧される。出て来るストランドは、ポリマー劣化を防止するためにてきる限
り急速に冷却される。ストランドは、冷されたクロムメッキされたまたはステン
レススチールの回転ロール上を通過させても、動く冷されたベルトの上に向けら
れても、または液体窒素の浴を通過させてもよい。一度ストランドが冷却される
と、それらは慣用のプラスチックペレタイザー中で以後の押出しプロセスに適し
たペレツトに切断される。 【0040】 優れた引張強さ及び柔軟性を有する熱可塑性PVOHの製造は、低分子量PV
OH(DPn〜200−1200)の主要成分への小量の高分子量PVOH(D
Pn〜1200−2400)の添加に依存する。低分子量成分は、物質が充分に
低い温度で妥当な粘度を有して以後の押出し処理例えばフィルム形成を可能にす
る母体を供給する。高分子量成分は、二つのやり方で生成物を改良する。第一に
、フィルムの引張強さが劇的に改良される。第二に、室温でのフィルムの柔軟性
が大幅に改良されそして周囲の相対湿度の変化により鈍感になる。 【0041】 しかしながら、PVOH樹脂のこのブレンドの製造は簡単ではない。これらの
二つの原料を一緒にブレンドすることによって作られる非常に幅広い分子量分布
は、フィルム形成に適したゲルを含まない樹脂の製造を極めて困難にする。もし
二つの生成物が高強度ミキサー中で可塑剤と一緒にブレンドされるならば、ブレ
ンダー中の可塑剤取り込みの異なる速度が、非常に柔らかい低分子量成分及び固
い高分子量成分に進める。この生成物を押出しコンパウンディングのための押出
機中に入れると、その結果として低粘度低分子量成分の早過ぎる溶融が起こり、
一方高分子量成分は溶融せずそして押出機を通して低粘度物質の母体中に輸送さ
れる。その結果は、最終生成物中の高い結晶化度の大きな未溶融粒子または領域
である。これらの成分の分子量が非常に異なるので、二つの成分の別々のブレン
ドはこの問題を部分的に緩和するに過ぎない。 【0042】 この問題の解決策は、高及び低分子量成分の両方のための、押出機中の別々の 溶融ゾーンである。これは、両方の樹脂を溶融処理するために二つの押出機を使
用し、次に短い均質化部分として第三の押出機または二つの押出機の一つの下流
部分中で溶融流れを合わせることによって達成することができる。この方法はま
た、押出機の最初の部分中に高分子量成分を供給することによって単一の押出機
中で達成することもできる。一度溶融物が得られると、低分子量成分を押出機中
の溶融物に添加する。次にこのブレンドを混練し、脱蔵しそしてダイを通して加
圧する。ストランドの冷却及びペレット化は先に述べた操作と同じである。 【0043】 本発明によるPVOH生成物は、本質的にゲルーを含まない、たとえば下記の
試験方法により測定されるように20ゲル/24in2未満、好ましくは<15ゲ
ル/24in2、そして最も好ましくは<10ゲル/24in2である:L/Dが24
の単軸スクリュー押出機および8インチのコートハンガーキャストフィルムダイ
を用いてPVOHペレットの与えられた試料から2ミル厚さの単層フィルムを製
造する。フィルムの中央部内に4インチ×6インチの領域を区切り、そしてゲル
含量をLeMont Scientific OASYSを用いて光学的イメージ分析より評価する。単
一のフィルムは厚みの後方から光を当て、そして2.2×の有効倍率でイメージ
を捕捉した。各シート毎に33×44mmの任意の5領域、合計分析領域72.6c
m2を評価した。個々の枠を256グレーレベルの512×480個の画素アレイ
にデジタル化した。イメージコントラストをゲルの輪郭が目で確認できる程度に
上げた。次いで、ゲルを数えそして測定し、さらに標準的なソフトウェアを用い
て統計的な分析を行った。最終的なゲル数は、ゲル数/24平方インチで与えら
れる。 【0044】 処理されたPVOHはまた、少なくとも約5℃、好ましくは、殊に98〜99
+モル%加水分解されたPVOHに関しては少なくとも約10℃、そして殊に8
7〜89モル%加水分解されたPVOHに関しては少なくとも約15℃だけ減少
させられた、DSCによって測定される最高溶融温度を有する。 【0045】 以下の実施例においては、すべての部は重量部である。 実施例1 約0.45%の灰分含量を有する部分的に加水分解された(87〜89モル%)
ポリビニルアルコール(Airvol 205;DPn=550)の75部を高
強度Littleford 180Lミキサー中に導入しそしてミキサーを900RPMで始動
させた。物質温度が65℃に達した時に、同時にミキサー速度を450RPMに減
らして、90部のグリセロール及び0.62部の85%リン酸から成る液体混合
物をこの混合物に添加した。冷却水をミキサーのジャケットに加えそしていつで
も生成物温度が100℃未満を維持するように制御した。グリセロールの添加が
完了した後で、PVOHブレンドを、自由に流動するブレンドが生成されるまで
5分間混合した。次にブレンドをLittleford 400L冷却ミキサー中に排出し
そして生成物温度を40℃に下げた。生成した混合物は自由に流動しそして塊ま
たは劣化した物質を含まなかった。 【0046】 このブレンドされたPVOH組成物を容積測定の供給機中に仕込みそして46
mmの往復運動し回転する Buss Condux 押出機中に供給した。スクリューは、生
成物の劣化なしで高度の機械的エネルギー投入を達成するようにデザインされて
いた。この押出機は脱蔵押出機であり、そして254トール(10inHg)の真空
を原料供給口から7直径下流に位置するベントポートで付与して、ポリマー中の
あり得る残留水分及び酢酸ナトリウムのリン酸−水素二ナトリウムへの転化から
生成された酢酸を除去した。押出機の作業ゾーン中のポリマーの溶融温度は、示
差走査熱量計(DSC)によって示されたポリマー溶融曲線の上端に維持した。
溶融温度は、183℃、197℃及び199℃と測定された。典型的な操作条件
は、以下の表1中に表示されている。 生成物は押出機を出て、そして後続の熱発泡操作の間のゲル形成に導く生成物
の劣化及びポリマーの結晶化を防止するために直ちにそのガラス転移温度未満に
冷却した。ストランドは慣用の方法でペレットに切断しそして収集した。 【0047】 【表1】 製造されたペレットは、ゲルを含まず滑らかでそして麦わらの色を有していた
。これらのペレットからの押出しキャストフィルムは透明でかつゲルを含まなか
った(<10ゲル/24in2)。 【0048】 実施例2 実施例1のPVOHブレンドを重量減少(Iossin-weight)供給機によって30m
mの共回転二軸スクリュー押出機中に供給した。この押出機は30L/Dの長さ
でそして原料供給口から24直径下流の位置で脱蔵するようにデザインされてい
た。127トール(5inHg)の真空をベントドームで付与した。操作条件は表2
中に表示されている。 【0049】 【表2】 出て来るストランドを硬化するまで動く冷却ベルト上で冷却しそしてペレット
化押出機中でペレットに切断した。これらのペレットから押出されたフィルムは
透明でかつゲルを含まなかった(<10ゲル/24in2)。 【0050】 実施例3 実施例1と類似ではあるが、50部のAIRVOL 205 PVOH(灰分〜
0.5%)、6.8部のグリセロール及び0.46部の85%H3PO4から成るブ
レンドを重量測定供給機によって58mmの共回転二軸スクリュー押出機中に供給
した。この押出機は24L/Dの長さでそして原料供給口から18直径下流の位
置で脱蔵するようにデザインされていた。127トール(5inHg)水銀の真空を
ベントドームで付与した。操作条件は表3中に表示されている。 【0051】 【表3】 出て来るストランドを硬化するまで動く冷却ベルト上で冷却しそしてペレット
化押出機中でペレットに切断した。生成したフィルムは透明でかつゲルを含まな
かった(<10ゲル/24in2)。 【0052】 実施例4 50部のAIRVOL 205 ポリビニルアルコール(灰分=0.42%)を
高強度Henschel 150Lミキサー中に導入しそしてミキサーを900RPMで始動
させた。PVOH温度が65℃に達した時に、同時にミキサー速度を450RPM
に減らして、3.5部のグリセロール及び0.44部の85%リン酸の混合物をP
VOHに添加した。冷却水をミキサーのジャケットに加えそしていつでも生成物
温度が100℃未満を維持するように制御した。グリセロール混合物の添加が完
了した後で、PVOHブレンドを、自由に流動するブレンドが生成されるまで5
分間混合した。次にブレンドをPaul Abbe Inc.40L冷却リボンブレンダー中
に排出しそして生成物温度を40℃に下げた。生成したPVOH組成物は自由に
流動しそして塊または劣化した物質を含まなかった。 【0053】 この物質を容積測定の供給機中に仕込みそして実施例1中で述べられた46mm
の往復運動し回転する押出機中に供給した。典型的な操作条件は、表4中に表示
されている。 生成物は押出機を出て、そして後続の熱成形操作におけるゲル形成に導く生成
物の劣化及びポリマーの結晶化を防止するために直ちにそのガラス転移温度未満
に冷却した。ストランドは慣用の方法でペレットに切断しそして招集した。 【0054】 【表4】 生成したフィルムは、透明でゲルを含まなかった(<10ゲル/24in2)。 【0055】 実施例5 50部の高分子量の87〜89モル%加水分解されたポリビニルアルコール〔
Airvol 540(DPn=2200;灰分=0.19%)〕をHenschel高強
度ミキサー中に導入しそしてミキサーを900RPMで始動させた。PVOH温度
が65℃に達した時に、12.5部のグリセロールをこのブレンダーに遅い一定
の速度で添加した。グリセロール添加の後で、0.17部の85%リン酸及び0.
25部のグリセロールモノオレエートを加工助剤としてPVOH混合物に添加し
た。混合物温度を100℃未満に維持するために冷却水を使用した。モノオレエ
ート添加が完了した後で、均一な自由に流動するPVOH混合物が生成されるま で混合を低い速度で続けた。この混合物をPaul Abbe冷却リボンブレンダー中に
排出しそして40℃に冷却した。 【0056】 このPVOH混合物を実施例1中で述べられた46mmの押出機中に導入しそし
てコンパウンディングして均質な物体にした。コンパウンディング押出し条件は
、表5中に述べられている。溶融温度は215℃またはそれ未満で維持された。
ストランドを冷却しそして実施例1と類似の方法でペレット化した。ペレットは
滑らかで透明でありそしてゲルの証拠または不均一性をなんら示さなかった(<
10ゲル/24in2)。 【0057】 【表5】 【0058】 実施例6 50部の99.2モル%加水分解されたポリビニルアルコール(DPn=〜9
00;灰分=0.04%)を、実施例5中で述べたように5.56部のグリセロー
ル及び0.037部の85%リン酸と、高強度Henschelミキサー中でブレンドし
た。 冷却された混合物を容積測定の供給機によって25.4mm(1in)の逆回転す
るテーパーの付いた二軸スクリューHaake押出機中に供給した。この押出機は原
料供給口から6直径下流の位置で大気にベントされていた。押出し条件は表6中 に表示されている。出て来るストランドは三ロールフィルムスタック上で直ちに
冷却しそして慣用のペレタイザーでペレット化した。ストランドは滑らかで透明
でありそしてゲルまたは未溶融物質の証拠を示さなかった。 【0059】 【表6】 【0060】 実施例7 AIRVOL 205 PVOH(22680g;灰分=0.42%)を高せん
断ミキサーに添加しそして65℃に加熱した後で、3093gのグリセロール及
び174gの85%リン酸の混合物を添加した。温度は、冷却水を用いてそして
混合速度を低下させることによって100℃未満に制御した。この混合物を、自
由に流動する時に、リボン冷却ミキサー中に落下させた。ペレットは、実施例6
中で述べた押出機及び表7中に表示されている押出し条件を用いて製造した。 【0061】 【表7】 ストランド中には多数のゲル及び不均一物が観察された。 【0062】 実施例8 表8中に示されている条件に従って、実施例7と同じPVOHブレンド及び押
出機を利用した。 【表8】 ストランド及び製造されたペレット中には、あるとしても、ゲルはほとんど観
察されなかった。 かくして、実施例7及び8は、押出し可能なPVOHを与えるためには、少な くとも約0.3KWhr/kgの比エネルギー投入が必要とされることを示す。 【0063】 実施例9 AIRVOL 205 PVOH(22700g;灰分=0.26%)を高せん
断Papenmeyerミキサーに添加しそして65℃に加熱した後で、2270gのグリ
セロール及び110gの85%リン酸の混合物を添加した。温度は、冷却水を用
いてそして混合速度を低下させることによって100℃未満に制御した。この混
合物を、自由に流動する時に、リボン冷却ミキサー中に落下させた。ペレットは
、3:1圧縮比のスクリューを備えた、しかし混合ヘッドを備えていない19mm
(0.75in)24L/D単軸スクリューKillion押出機を用いて製造した。この
操作の間、スクリーンパックはその場所に置かなかった。 【0064】 【表9】 上のペレットから製造されたブローフィルム中には多数のゲルが観察された。 【0065】 実施例10 実施例9におけるのと同じPVOH混合物を、3:1圧縮比のスクリュー及び
混合ヘッドを備えた19mm(0.75in)24L/D単軸スクリュ−Killion押出
機に供給した。正しい場所に置かれた(in placed)以下のメッシュのスクリー ン(60−100−200−60)を有するスクリーンパックを使用した。 【0066】 【表10】 上のペレットから製造されたキャストフィルム中には多数のゲルが観察された
。 【0067】 実施例11 89.4重量%のAIRVOL 205 PVOH(灰分=0.42)、9.9重
量%のグリセロール及び0.7重量%のリン酸から成る供給物を実施例1におけ
る供給物と同様に製造した。この物質を実施例1の押出機に供給した。同一の方
法でペレットを冷却しそして切断した。ゲルを含まない熱可塑性PVOHペレッ
トを熱的に製造するための操作窓(operation window)を完全に規定するために
多数の実験を実施した。製造されたペレットを溶融しそして6インチ幅の薄いキ
ャストフィルムに押出し、このフィルムをゲル含量を評価するために使用した。
10の実験の結果を表11中に示す。 【0068】 【表11】 0.3KWhr/kgの比エネルギー投入にも拘わらず実験1において観察された多
数のゲルは、押出機中の長い滞留時間によって引き起こされたPVOHの劣化に
起因すると信じられる。 【0069】 実施例12 リン酸/酢酸ナトリウム比の影響を検討した。PVOH 1833g(98.6
モル%加水分解されている;DP〜1600;灰分=0.39%)を高せん断ミ
キサーに添加しそして65℃に加熱した後でグリセロール(204g)及び種々
の量の85%リン酸を含む混合物を添加した。温度は、冷却水を用いてそして混
合速度を低下させることによって100℃未満に制御した。この混合物を、自由
に流動させて一度に取り出した。ペレットは、3:1圧縮比のスクリューを備え
た、しかし混合ヘッドを備えていない0.75inの24L/D単軸スクリュー押
出機を用いて製造した。この試みの間、スクリーンパックはその場所に置かなか
った。PVOH生成物の色は、4%水溶液を製造しそしてHunter比色計によって
色を測定することによって測定した。 【0070】 【表12】 表12中のデータから、コンパウンディングの間、2.66〜1.32の酢酸ナ
トリウム/リン酸モル比を使用するときに、PVOH生成物の色が最小になった
ことが分かる。 【0071】 実施例13 この実施例は、45mm Bussニーダー押出機中で高分子量PVOH及び低分子
量PVOHから成る押出し可能なPVOH組成物を製造するための方法を例示す
る。27%のグリセロール及び1:2のモル比に酢酸ナトリウムを添加されたリ
ン酸を含むAirvol 523 PVOH(87〜89モル%が加水分解されて
いる;DPn=1500)並びに11%のグリセロール及びリン酸を含むAir vol 205 PVOH(87〜89モル%が加水分解されている;DP=〜5
50)のブレンドをLittleford高強度ミキサー中で製造する。Airvol 5
23 PVOHブレンドはニーダー中に添加しそして原料供給口から4直径の間
で処理する。原料供給口から4直径下流の位置でAirvol 205 PVOH
ブレンドをこの溶融物に添加しそしてさらに混合する。原料供給口から7直径下
流の位置でこのブレンドを737トール(29inHg)の真空下で脱蔵しそして原
料供給口から11直径下流の位置でストランドダイペレット化のために正変位ギ
アポンプ中に排出する。Airvol 205/523 PVOHの最終比は3/
1でありそして最終ブレンドは全体で15%のグリセロールを含む。この混合物
を76%Airvol 205 PVOHブレンド対24%Airvol 523
PVOHブレンドの比で押出機に供給する。 【0072】 【表13】 【0073】 実施例14 この実施例においては、種々の加水分解度のPVOHを混練しそして溶融押出
して本発明による先行する実施例において述べたようにペレットを生成させた。
供給物質及びペレットの最高溶融温度をDSCによって測定した。PVOHペレ
ットの最高溶融温度はPVOH供給の最高溶融温度より少なくとも約10℃低か
ったことが分かる。 【0074】 【表14】 20未満のゲル/24in2を含む押出し可能なPVOHペレットは、射出成形
された物品を製造するのに適していて、15未満のゲル/24in2は、ブロー及
び射出成形操作に適していて、そして10未満のゲル/24in2は、フィルムを
製造するのに適している。 【0075】 【産業上の利用分野】 本発明の方法は、フィルム、シート、容器などのような物品に容易に熱可塑的 に加工することができるPVOH組成物を提供する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 酢酸ビニルホモポリマーを78モル%以上加水分解して得られ
    るポリビニルアルコールと可塑剤を含む供給組成物の溶融押出しにより製造され
    るポリビニルアルコールペレットにおいて、 示差走査熱量計により測定して、ポリビニルアルコール供給組成物の最高溶融
    温度よりも少なくとも5℃低い最高溶融温度を有し、かつ2ミルのフィルムにし
    たとき20ゲル/24in2未満を有することを特徴とするポリビニルアルコール
    ペレット。 【請求項2】 最高溶融温度がポリビニルアルコール供給組成物よりも少なく
    とも10℃低い請求項1記載のペレット。 【請求項3】 最高溶融温度がポリビニルアルコール供給組成物よりも少なく
    とも15℃低い請求項1記載のペレット。 【請求項4】 2ミルのフィルムにしたとき15ゲル/24in2未満を有する
    請求項1記載のペレット。 【請求項5】 2ミルのフィルムにしたとき10ゲル/24in2未満を有する
    請求項1記載のペレット。 【請求項6】 可塑剤が低分子量多価アルコールである請求項1記載のペレッ
    ト。 【請求項7】 2〜20重量%の低分子量多価アルコールおよび0.1〜0.5
    重量%の分散剤がポリビニルアルコール供給組成物に添加された請求項1記載の
    ペレット。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5051222A (en) Method for making extrudable polyvinyl alcohol compositions
US5137969A (en) Melt extrudable polyvinyl alcohol pellets having reduced maximum melt temperature and reduced gel content
US5028648A (en) Extrudable polyvinyl alcohol compositions containing thermoplastic polyurethane
EP0415357B1 (en) Extrudable polyvinyl alcohol compositions
US5362778A (en) Extrudable polyvinyl alcohol compositions containing modified starches
US11884807B2 (en) Process and apparatus for manufacture of processable polyvinyl alcohol
JP2005501763A (ja) ポリビニルアルコールをベースとするプラスチック成形品、熱可塑性加工によるそれらの製造方法、およびそれらの使用
CA2080324C (en) Extrudable polyvinyl alcohol compositions containing polyethylene oxide
JP2521418C (ja)
JPH10296820A (ja) 水溶性樹脂成形物の製造法