JP2518670B2 - マイクロ波加熱システム、方法並びに装置 - Google Patents

マイクロ波加熱システム、方法並びに装置

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JP2518670B2 JP63114442A JP11444288A JP2518670B2 JP 2518670 B2 JP2518670 B2 JP 2518670B2 JP 63114442 A JP63114442 A JP 63114442A JP 11444288 A JP11444288 A JP 11444288A JP 2518670 B2 JP2518670 B2 JP 2518670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はマイクロ波加熱システム、方法並びに装置に
関する。
(従来の技術とその問題点) 従来のマイクロ波加熱は、例えば電子レンジのように
キャビディー内の電界を出来るだけ均一にして加熱する
方式であって、被加熱物の角部と辺部が集中的に加熱さ
れ、中心部がほとんど加熱されない欠点があった。
また、特公昭42−17546号公報に示すような誘電加熱
装置は長軸を伸縮自在に調節し得る中空照射筒の端部を
円錐状にすぼめた照射ヘッドとして構成したものである
が、被加熱物の中央部が端部に較べて電界強度が高くそ
のため均一な加熱処理が行えない欠点があった。
また、特公昭61−55236号公報、実公昭48−8767号公
報、実開昭55−38407号公報に記載のマイクロ波加熱装
置や高周波加熱装置においては、導波管の短絡面にスロ
ットすなわち細孔を設けることなく、傾斜すなわち拡が
りを有する電磁ホーンを設けているため、両端部の電界
強度が零となる不均一な電界が形成され、従って均一な
加熱処理が行えない欠点があった。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであっ
て、出来るだけ照射幅をせまくして均等なヒートパター
ンを発生できる照射口を形成し、ここから放射される電
波でコンベヤー上を移動中の被加熱物を層状加熱できる
マイクロ波加熱方法並びに装置を提供することを目的と
する。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は、マイクロ波発
生装置により発生した電波を導く導波管の底板すなわち
短絡面を有する板にスロットを開孔し、該スロットから
放射される電波を前記スロット板に接続した照射筒内部
で直接及び反射拡散電波の混成状態としながら、前記照
射筒の開口より均一な分布の電波を被加熱物に照射する
ことによりこれを加熱するように構成した。
(実施例) 以下、本発明のマイクロ波加熱システムの実施例を、
第1図、第2a図及び第8図に基づいて説明する。第8図
に示すように、マイクロ波加熱装置200は、マイクロ波
発生装置120、122例えば高周波発電機により発生したマ
イクロ波が、パワーモニター124、126及びエアー供給管
128、130に連接されたガイド管132、134を介して導波管
1の一端からC方向に受け入れられる。導波管1は直状
の筒体である。すなわち、内部が電波の進行方向に拡散
または収れんまたは曲がりくねったものは望ましくな
い。
ガイド管132、134は、マイクロ波の実効強度を調整す
るため、スタブチューナー140、142を介して導波管1に
連通され、また導波管1は、マイクロ波処理室144を形
成するハウジング146に矢印D方向に摺動可能に取付け
られている。エアー供給管128、130から供給されるエア
ーは被加熱物5の表面の温度調節のため及び被加熱物5
より発生した蒸気がマイクロ波発生装置120、122へ侵入
することを防ぐために使用される。
導波管1は、第1図に示すように、被加熱物5の加熱
表面に垂直である必要はなく、例えば前記加熱表面に対
し約20°の角度をもって傾斜させても良い。
導波管1の他端すなわちマイクロ波が導入される端部
と反対側の端面は短絡面を構成するスロット板2により
閉鎖されている。該スロット板のほぼ中央にスロット4
を有する。該スロット4は細長孔であり、その形状は第
2a図に図示のものは幅が一定であるが、スロットの全長
にわたり電界強度を均等にする等の要望に応じ、第2b図
に示すように、スロット4両端の巾を広くして中央部を
狭くしたり、第2c図に示すように、中央部を多少広くす
る等の工夫を行ってもよい。
スロット4の長さは0.5乃至0.62*λcであることが
望ましく、これ以下ではマイクロ波が出難く、またこれ
を越えるとマイクロ波の放射方向を限定し難くなってし
まう。さらに、スロット4の巾は、0.065乃至0.13*λ
cであることが望ましく、これ以下であるとスパークが
発生する危険性があり、またこれを越えるとマイクロ波
の放射方向を絞り難いという問題が発生する。
前記スロット4はその長手方向A−A(第2a図)が被
加熱物5の進行方向B(第3図)、従って該被加熱物を
搬送するコンベヤーの移動方向に対しほぼ直角、場合に
よっても90°から45°以内の傾きを有するよう配置され
る。第1図において被加熱物5はコンベヤー7に載って
図面の紙面に垂直な方向に移動する。
また、前記スロット板2の表面すなわち短絡面は、第
1図に示すように、被加熱物5の被加熱表面に平行であ
る。
前記スロット板2よりほぼ垂直に前記導波管1の反対
側に照射筒3が延出している。該照射筒3の先端は開口
している。該照射筒の内側断面図は前述のスロット4と
同心で且つ前記スロットの面積より広い。また、該照射
筒3の内側断面は特にその端部が、接線が連続して変化
する輪郭線により形成されていることが望ましい。照射
筒3によって形成される電界は25mm以下の被加熱物進行
方向巾を持つことが望ましい。
照射筒3の高さは0.25乃至0.33*λcであることが望
ましく、これ以下ではマイクロ波の放射方向を絞り切れ
ず、またこれを越えるとマイクロ波がスロット4から出
難くなり効率が悪くなる。照射筒3の縦巾は0.6乃至0.8
*λcであることが好ましく、横巾は0.16乃至0.32*λ
cであることが望ましい。
第3図及び第4図に厚さ及び幅が一定の固形状の食品
である被加熱物5を示す。被加熱物5は搬送コンベヤー
に乗せられてB方向に連続的に移動する。第3図に示す
ように被加熱物5はマイクロ波加熱により加熱されて被
加熱部6を形成する。この被加熱部6は巾せまく深さが
全巾にわたり一定であることが望ましい。前述のように
被加熱物5からB方向に移動すると、第4図に示すよう
被加熱物の全面が層状加熱され、食品として理想的な加
熱状態となる。
照射筒3の断面は、マイクロ波照射領域の中央部の電
界を少し強くしたい時は、第2d図に示すように、断面の
内側の中央部を広くし、逆に外側の電界を少し強くした
い時は、第2e図に示すように、断面の内側の両端の巾を
広くする。
前記照射筒3は被加熱物5に対し、第1図に示すよう
な垂直方向許りでなく、例えば水平方向すなわち横方向
等の色々の方向に照射することができる。また、コンベ
ヤーに載って移動中の被加熱物5の両側から同時に同一
部位をまたは異なった部品を照射することもできる。
複数のマイクロ波加熱装置200を配置して被加熱物5
を時間間隔を置いてマイクロ波加熱する場合、被加熱物
5の内部伝熱により温度分布を均一化することができ
る。すなわち、高塩分食品等誘電損失が大きく、とりわ
け温度上昇とともに損失が大きくなる被加熱物5の場
合、その表面が過熱されるので、被加熱物5内部の温度
を自由に調節して温度の分布を均一にするため、上述し
たように複数のマイクロ波加熱装置200を配置して加熱
にインターバルを持たせることが有効である。
また、照射筒3から被加熱物に照射する電界長さは被
加熱物5の巾とほぼ同一にすることが望ましいことが判
明した。すなわち、電界長さが被加熱物5の巾より短い
場合、被加熱物5の周縁付近が加熱し難く、また電界長
さが長い場合は周縁部が過熱されることになる。
また、被加熱物5の搬送に際し、その最短辺すなわち
厚さを高さ方向(搬送ベルト上の)にとり、その最長辺
を搬送方向にとることが望ましいことが判明した。ま
た、照射筒開口端と被加熱物5の加熱表面との間隔は7
乃至13mmが好適であり、これ以下では電界の不均一性が
発生し、またこれを越えるとマイクロ波が被加熱物以外
のところへ逃げて加熱効率が悪くなる問題が発生する。
(第1実験例) 被加熱物5は、1%の食塩を含むアルギンゲルの固体
を100×100×30mm3の直方体にしてマイラーフィルムで
包んで形成した。これを本発明による照射筒を有する第
1加熱装置100、ホーン形照射筒を有する第2加熱装置1
02、及びスロットアンテナ形照射筒を有する第3加熱装
置104を使用して上方から下向きに加熱した。
第1加熱方法では、被加熱物5を静止させ、1.0KWで20
秒間加熱し、赤外線映像装置で温度測定した。第2加熱
方法では、被加熱物を速度13cm/minで移動させながら、
1.0KWで加熱し、赤外線映像装置で温度測定した。
測定結果は、第5図に示す通りである。すなわち、第
5図a,b,cはそれぞれ第1加熱装置100、第2加熱装置10
2、第3加熱装置104を使用した測定結果であり、温度分
布図(1)は第1加熱方法による被加熱物5の表面の温
度分布を示し、温度分布図(2)は第2加熱方法による
被加熱物5の中央表面の巾方向の温度分布を示す。
(第2図実験例) 被加熱物5は、固体を100×100×30mm3の直方体を呈
するアルギン酸ゲルである。加熱は、第6図に示すよう
に、被加熱物5を速度13cm/minで移動させ、上方に本発
明による加熱装置110、112を被加熱物との間に10.5mmの
間隔を置いて配置し、また下方に同じく本発明による加
熱装置114、116を被加熱物5との間に8.0mmの間隔を置
いて配置して行った。すなわち、 (1)加熱装置110(1.3KW)による加熱 (2)インターバル15秒 (3)加熱装置114(0.75KW)による加熱 (4)インターバル45秒 (5)加熱装置112(0.75KW)による加熱 (6)インターバル15秒 (7)加熱装置116(0.6KW)による加熱 の順序で加熱処理し、被加熱物5の中心部であって上面
から深さ5mm、15mm、25mmのところを熱電対で温度測定
した。すなわち、複数個の被加熱物サンプルをつくり、
第1サンプルは上記(1)の加熱後温度測定し、第2サ
ンプルは上記(1)、(3)の加熱後温度測定し、第3
サンプルは上記(1)、(3)、(5)の加熱後温度測
定し、第4サンプルは上記(1)、(3)、(5)、
(7)の加熱後温度測定した。その測定結果は第7図に
示す通りであり、最終的に被加熱物の各部位が略同一温
度となり、均一加熱がなされていることが明らかとなっ
た。
(発明の効果) 以上の構成になる本発明によれば、前記スロット板2
のスロット4から照射筒3の内部に放射されるマイクロ
波を、該照射筒の内部で直接及び間接に拡散してこれを
混合状態としながら該照射筒の開口端から均一な電波と
して厚さ及び巾の略一定な被加熱物に照射し、これを均
等に加熱することができる。従って、前述のように従来
困難であった食品の層状加熱も行うことができるように
なった。
またスロットの形状と大きさを、照射筒の寸法、数
量、配置、該照射筒と被加熱物との相対的関係、被加熱
物の搬送速度等を調節することにより該被加熱物に最適
の加熱状態を容易に作り出すことができる。
さらに、本発明は食塩含有食品等のように誘電損失の
大きな食品に適用しても均一加熱を有効に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマイクロ波加熱装置の縦方向断面図、
第2a図は第1図の装置の底面図、第2b図及び第2c図はス
ロットの他の実施例の平面図、第2d図及び第2e図は照射
筒の他の実施例の断面図、第3図及び第4図は本発明の
装置による被加熱物の層状加熱作業を説明する斜視図、
第5図は第1実験例の説明図、第6図は第2実験例の加
熱方法の説明図、第7図は第2実験例の実験結果のグラ
フ図、第8図は本発明の実施例のマイクロ波加熱システ
ムの説明図である。 1……導波管、2……スロット板、3……照射筒、4…
…スロット、5……被加熱物、6……被加熱部、7……
搬送コンベヤー。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波発生装置と、該マイクロ波発生
    装置に一端を接続した直状筒形導波管と、ほぼ中央にス
    ロットを有し前記導波管の他端を閉鎖するスロット板
    と、前記導波管の反対側で前記スロット板よりほぼ垂直
    に延出し開口端を有する照射筒とを包含し;前記スロッ
    ト板のスロットの長手方向が被加熱物の進行方向に対し
    約45°ないし90°の角度を有し、前記照射筒が前記スロ
    ットとほぼ同心で且つ該スロットの寸法より大きい内側
    断面を有するマイクロ波加熱装置。
  2. 【請求項2】前記スロットの長さが(0.5〜0.62)*λ
    cで、巾が(0.065〜0.13)*λcである請求項(1)
    記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 【請求項3】前記照射筒の高さが(0.25〜0.33)*λc
    で、横巾が(0.16〜0.32)*λcで、縦巾が(0.6〜0.
    8)*λcである請求項(1)記載のマイクロ波加熱装
    置。
  4. 【請求項4】前記導波管がエアー導入管を連通されてい
    る請求項(1)記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項(1)記載のマイクロ波加熱装置を
    被加熱物の搬送路の両側に間隔を置いて交互に配置した
    マイクロ波加熱システム。
  6. 【請求項6】マイクロ波発生装置により発生したマイク
    ロ波を、被加熱物の進行方向に平行な表面を有するスロ
    ット板のスロットから、該スロット板にほぼ垂直に接続
    し前記スロットとほぼ同心で該スロットの寸法より大き
    い寸法の照射筒を通じて、被加熱物に照射して加熱する
    マイクロ波加熱方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092076A (ja) * 2011-10-25 2013-05-16 Honda Motor Co Ltd 車両用エアクリーナ装置

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