JP2517703B2 - 燃料電池 - Google Patents

燃料電池

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JP2517703B2
JP2517703B2 JP59158253A JP15825384A JP2517703B2 JP 2517703 B2 JP2517703 B2 JP 2517703B2 JP 59158253 A JP59158253 A JP 59158253A JP 15825384 A JP15825384 A JP 15825384A JP 2517703 B2 JP2517703 B2 JP 2517703B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、燃料電池に係り、特に大容量化に好適な電
池集合構造に関する。
〔従来の技術〕
従来の燃料電池の電池出力は電流密度が150mA/cm2
度であり、電圧はアノード、カソードおよび電解質板か
らなる単位電池(以下単セルという。)当り1V弱程度で
ある。従って、一定の発電規模を必要とする場合には、
基本要素である単セルをセパレータを介して数十から数
百個積層して電池ユニットを形成し、この電池ユニット
を発電出力規模に応じて多数配列して燃料電池スタック
を構成し、必要な出力を確保する必要がある。この電池
ユニットの構成を図示すると第2図のようになる。
図において、単セルは積層されて積層セル21となり、
この積層セルはそれより面積の広い締め付け板22,23で
上下から挾持され、その四隅をボルト24とナット25で締
め付けてセルに圧力をかけるように構成されている。
このような電池ユニット内には発電を行うために必要
な燃料ガスと酸化剤ガス(空気)が供給されるが、その
供給方式に電池ユニットの外側にガス室を設けた外部マ
ニホールド方式と、電池ユニットの内部にガス室を設け
た内部マニホールド方式がある。
第3図は外部マニホールド方式の電池ユニットの断面
図を示したもので、酸化剤ガス(空気)はガス供給室31
に導入され、そこからセパレータのガス流路32を通って
各セルに分配される。セパレータのガス流路32を通過し
てきた排気ガスは排出側ガス室33に集められてから排出
される。なお、図において、34は電解質板を、35はアノ
ードを、36はカソードを、37はセパレータをそれぞれ示
す。
第4図は内部マニホールド方式の電池ユニットの断面
図を示したもので、酸化剤ガス(空気)はガス供給室41
に導入され、そこからセパレータのガス流路42を通って
各単セルに分配される。セパレータのガス流路42を通過
してきた排気ガスは排出側ガス室44に集められてから排
出される。なお、図において45は電解質板を、46はアノ
ードを、47はカソードを、48セパレータをそれぞれ示
す。
第3図および第4図は酸化剤ガス(空気)の供給に関
してのみ示してあるが、燃料ガスについても該ガスの流
れ方向が酸化ガス(空気)の流れ方向と直交している点
だけが異なるだけである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記のような電池ユニットの各々は圧力容
器に収納されるのでこの圧力容器を多数配列して燃料電
池スタックを構成する場合には、各々の電池ユニットに
ガス流路を設けることになるので、据付面積が大きくな
るばかりでなく、部品数および組立時間も膨大なものと
なる問題がある。また、電池スタックの表面積が大きく
なることにより、放熱損失が高まり燃料電池の熱効率の
低下ひいては発電効率の低下をきたすという問題があ
る。このことは、燃料電池の大容量化を図る上で問題で
ある。そこで、単セルの面積を大きくして電池ユニット
を大型化し、その配列数を減らして同一の発電出力を持
つ電池スタックを得ることによりこの問題を解決するこ
ころみもなされているが、電極板や電解質板といった単
セル構成要素の面積を大きくすることは材料および製造
法の点で困難であり現在は、実用的なものとはなってい
ない。
一方、特開昭57−182976号公報に、電池ユニットを複
数個組合せて集合電池ユニットを作成し、この集合電池
ユニットに対して共通なガス供給路を設けることによ
り、据付面積の増大の問題を解決しようとする例が記載
されている。しかし、部品数および組立時間の低減、お
よび放熱損失の低減を図り熱効率の増加を図るという点
で不十分でる。
本発明の目的は、コンパクトで高い熱効率となる集合
構造を持ち、部品数および組立時間の低減さらには放熱
損失の低減による熱効率の向上を図り、大容量化に適し
た燃料電池を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、電解質板を挾持して相対向するアノードお
よびカソードからなる単位電池をセパレータを介して複
数個積層してなる燃料電池において、一つのセパレータ
面に相対向するアノードおよびカソードを複数組配置
し、且つ各組のアノードおよびカソードの周辺部に燃料
ガスと酸化剤ガスを供給および排出するマニホールドを
各々設けてなるものとすることにより、上記目的を達成
したのである。
また、一つのセパレータ面に単位電池を複数組配置
し、且つ各々の単位電池の周辺部に燃料ガスと酸化剤ガ
スを供給および排出するマニホールドを各々設けるよう
にしてもよい。
〔作用〕
このように構成されることから、本発明によれば次の
作用により上記目的が達成される。
すなわち、大きさが制限される単セルを大型のセパレ
ータ面に複数配置し、これを積層して一体化構造として
いることから、大型の利点を有する燃料電池を小形の電
極を用いて実現でき、部品数および組立時間の低減さら
には放熱損失の低減による熱効率の向上を図ることがで
きる。
特に、各単セルの周辺部に燃料ガスおよび酸化剤ガス
を供給および排出するマニホールドを設けた内部マニホ
ールドを採用しているから、同一セパレータ面上の複数
の単セルを考えたとき、各単セルに対してそれらのガス
が個別に供・排されることになる。その結果、同一セパ
レータ面上の複数の単セルに供給されるガス濃度が等し
くなるから、各単セルの電池出力を均一にできる。
これに対し、例えば、外部マニホールド方式等のよう
に、同一セパレータ面上の複数の単セルのガス流路を直
結し、供給マニホールドから複数の単セルを経由して排
出マニホールドに導くようにガス流路を形成すると、下
流側の単セルに供給されるガスの濃度は、上流側の単セ
ルで反応した分だけ低下するから、電池出力が不均一に
なるという問題がある。
同様に、外部マニホールド方式等の場合は、電池反応
によりガスの温度が上昇するので、上流側の単セルより
も下流側の単セルの温度が高くなり、性能や寿命に悪影
響があるが、本発明の場合は、各単セルに個別にガスを
給排する内部マニホールドを採用しているので、各単セ
ルのガス温度を等しくすることが容易になり、各単セル
の温度管理を適切に行えるから、性能や寿命を良好に維
持できる。
〔実施例〕
次に本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例を示したものであり、燃
料電池の内部にマニホールドを設けた内部マニホールド
方式の燃料電池用ユニットの分解斜視図である。
図において、アノード61、61A〜61Cと、電解質板62
と、64,65,66および図示されないもう一片のカソードと
からなる単位電池の四組を同一セパレータ67平面上に配
置して一体とし、この一体となった単セルがセパレータ
67と図示されていない上部セパレータにより上下から挾
持されている。
上記セパレータの上下には燃料ガスと酸化剤ガスの流
路のための溝があり、また各単セルの電解質板に酸化剤
ガス供給用マニホールド穴81,82,83,84、酸化剤ガス排
出用マニホールド穴85,86,87,88、燃料ガス供給用マニ
ホールド穴89,90,91,92、燃料ガス排出用マニホールド
穴93,94,95,96が設けられ、セパレータにも電解質板と
対応する部分に酸化剤ガス供給用マニホールド穴97,98,
99および図示されない1個所、酸化剤ガス排出用マニホ
ールド穴100,101および図示されていない2個所、燃料
ガス供給用マニホールド穴102,103,104、と図示されて
いない1個所、燃料ガス排出用マニホールド穴105,106
と図示されていない2個所が設けられている。
この実施例に示す燃料電池の酸化剤ガス(空気)の流
れは次の通りである。
例えば、流路Aでは、単セルの周囲にあるガスを給排
するマニホールドのうち、酸化剤ガス供給用マニホール
ド穴97より供給された空気は、アノード61Cを含む単セ
ルに酸化剤ガスを導入するセパレータ67の酸化剤ガス流
路1Aに導かれる。ガス流路1Aからの排気ガスは空気排出
用マニホールド穴100から排出される。また、隣接する
アノード61Bを含む単セルの酸化剤ガス流路1Bへは、酸
化剤ガス供給用マニホールド穴99から空気が供給され
る。そして、空気排出用マニホールド穴101から排出さ
れる。他の2つの単セルの酸化剤ガス流路も各々の酸化
剤ガス供給マニホールド穴から供給され、各々の排出用
マニホールド穴から排出される。
同様に、燃料ガスも、燃料ガス供給用マニホールド穴
102,103から供給され、流れ方向に配置された2つの電
池部分をそれぞれ流れ、燃料ガス排出用マニホールド穴
105等からそれぞれ排出される。
図面には燃料ガス供給用の流路溝が表われていない
が、この溝はセパレータ67の空気供給用の流路溝がある
面の反対の面に空気供給用の流路溝と直交するように設
けられている。
本実施例によれば、各単セルの周辺部に燃料ガスおよ
び酸化剤ガスを供給および排出するマニホールド穴を設
けた内部マニホールドを採用しているから、同一セパレ
ータ面上の複数の単セルを考えたとき、各単セルに対し
てそれらのガスが個別に給・排されることになる。その
ため、同一セパレータ面上の複数の単セルに供給される
ガス濃度を等しくできることから、各単セルの電池出力
を均一にできる。すなわち、同一セパレータ面上の複数
の単セルのガス流路を直接接続して、一対の供給マニホ
ールドと排出マニホールドによりガスを給排するように
すると、下流側の単セルに供給されるガスの濃度は、上
流側の単セルで反応した分だけ低下するから、電池出力
が不均一になる問題がある。
また、同様の理由により、各単セルの排出側のガス温
度を等しくすることが容易になるから、各単セルの温度
管理を容易に行える。
さらに、運転中に構成材料の腐食や、燃料からのカー
ボン析出で電極のガス通路、マニホールドが閉塞される
ことがあっても、その発生部分以外の電池部分は発電で
きるなど信頼性も向上する。
第5図は第1図の実施例の上記した効果を対比して説
明するための比較例であり、上述した一実施例と同様に
内部マニホールド方式の燃料電池ユニットの分解斜視図
である。
本比較例は、分割された4つの電池部分を1つの大き
な単セルと見做して、燃料ガスおよび酸化剤ガスを供給
・排出している。したがって、単セル構成要素が大きく
なることにより、必然的に反応ガスの流路が長くなるの
で、上述したガス流路の上流側と下流側でガス組成が大
きく変化し、単セル上での電池出力が不均一になるとい
う問題点、およびガスの偏流が大きくなる問題点などが
残る。
図により構造を説明するが、本比較例の部品および構
造は第1図の実施例と同じであるので、マニホールド以
外の同一部分には同一の符号が付されている。セパレー
タ67の周辺各辺部には酸化剤ガス供給用マニホールド穴
69,71、酸化剤ガス排出用マニホールド穴74、燃料ガス
供給用マニホールド穴75,76燃料ガス排出用マニホール
ド穴79が設けられている。なお、図面には表われていな
いが、セパレータ67には酸化剤ガス供給用マニホールド
穴71に対応する酸化剤ガス排出用マニホールド穴が、ま
た燃料ガス供給用マニホールド穴75に対応する燃料ガス
排出用マニホールドがマニホールド穴75の反対側に設け
られている。
電解質板にもセパレータと同様に単セルを構成する電
解質板ごとに酸化剤ガス供給用マニホールド穴70,72、
酸化剤ガス排出用マニホールド穴73、燃料ガス供給用マ
ニホールド穴77,78、燃料ガス排出用マニホールド穴79
が設けられている。
なお、図面には表われていないが、電解質板にもセパ
レータと同様に酸化剤ガス供給用マニホールド穴72に対
応する酸化剤ガス排出用マニホールド穴、燃料ガス供給
用マニホールド穴78に対応する燃料ガス排出口が設けら
れている。
この比較例に示す燃料電池の酸化剤ガス(空気)の流
れは次の通りである。まず、空気供給用マニホールド穴
69,70より供給された空気はその近くにある単セルに酸
化剤ガスを導入するセパレー67の酸化剤ガス流路1Aに導
かれる。その後ガス流路1Aからの排気ガスが、隣接する
単セルの酸化剤ガス流路1Bに供給され最終的に空気排出
口用マニホールド穴へ排出される。
燃料ガスの流れも空気の場合と同様に燃料ガス供給用
マニホールド穴76から供給され、2つの単セル部分を順
次流れ、燃料ガス排出用マニホールド穴79から排出され
る。
図面には燃料ガス供給用の流路溝が表われていない
が、この溝はセパレータ67の空気供給用の流路溝がある
面の反対の面に空気供給用の流路溝と直交するように設
けられている。
この比較例によれば、セパレータおよび一体化セルに
設けられたマニホールド用穴の数が計8個となる。第1
図実施例のマニホールド穴の数の半分となり据付面積が
少なく、コンパクトなものとなるが、前述したように、
燃料ガスや酸化剤ガスの下流側の単セルにおけるそれら
のガスの濃度が低くなるため、同一セパレータ面に配置
された単セル間に発電出力の不均一が生ずるという問題
がある。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、大型セパレータ
面に複数の単位電池を配置して構成したのでコンパクト
化でき、燃料電池の大容量化を図るうえで、燃料電池ス
タックの据付面積、組立時間、部品数を大幅に省略する
ことができ、特に各単位電池の周辺部に燃料ガスと酸化
剤ガスのマニホールドを設けたことから、大型化しても
高い熱効率を持つ燃料電池ユニットを得ることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す燃料電池の一部の分解
斜視図、第2図は従来の単位電池が積層された燃料電池
ユニットの斜視図、第3図は従来の外部マニホールド式
の燃料電池ユニットの断面図、第4図は従来の内部マニ
ホールド式の燃料電池ユニットの断面図、第5図は比較
例の分解斜視図である。 21…燃料電池、22,23…電池締め付け板、24…ボルト、6
1,61A,61B,61C…アノード、62,63…電解質板、64,65,66
…カソード、67,68…セパレータ、81,82,83,84…酸化剤
ガス供給用マニホールド穴、85,86,87,88…酸化剤ガス
排出用マニホールド穴、89,90,91,92…燃料ガス供給用
マニホールド穴、93,94,95,96…燃料ガス排出用マニホ
ールド穴、97,98,99…酸化剤ガス供給用マニホールド
穴、100,101…酸化剤ガス排出用マニホールド穴、102,1
03,104…燃料ガス供給用マニホールド穴、105,106…燃
料ガス排出用マニホールド穴。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−182976(JP,A) 特開 昭58−161266(JP,A) 特開 昭58−150276(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解質板を挾持して相対向するアノードお
    よびカソードからなる単位電池をセパレータを介して複
    数個積層してなる燃料電池において、一つの前記セパレ
    ータ面に前記相対向するアノードおよびカソードを複数
    組配置し、且つ各組のアノードおよびカソードの周辺部
    に燃料ガスと酸化剤ガスを供給および排出するマニホー
    ルドを各々設けてなることを特徴とする燃料電池。
  2. 【請求項2】電解質板を挾持して相対向するアノードお
    よびカソードからなる単位電池をセパレータを介して複
    数個積層してなる燃料電池において、一つの前記セパレ
    ータ面に前記単位電池を複数組配置し、且つ各々の単位
    電池の周辺部に燃料ガスと酸化剤ガスを供給および排出
    するマニホールドを各々設けてなることを特徴とする燃
    料電池。
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