JP2517533B2 - ボイラ―の煙道ガス中に窒素酸化物抑制剤を噴射する方法及び装置 - Google Patents

ボイラ―の煙道ガス中に窒素酸化物抑制剤を噴射する方法及び装置

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JP2517533B2
JP2517533B2 JP6090768A JP9076894A JP2517533B2 JP 2517533 B2 JP2517533 B2 JP 2517533B2 JP 6090768 A JP6090768 A JP 6090768A JP 9076894 A JP9076894 A JP 9076894A JP 2517533 B2 JP2517533 B2 JP 2517533B2
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Chimneys And Flues (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物(NOX
の大気への排出を減じるためにボイラーの煙道ガス中に
窒素酸化物抑制剤を噴射する方法及び装置に関係する。
【0002】
【従来の技術】NOX の排出は、ボイラーの運転に関与
する極めて高い温度によりボイラー運転中常に遭遇する
問題である。環境問題への関心の高まりは、NOX 汚染
物問題に対応するべく幾つかの方法及び装置の開発をも
たらしてきた。
【0003】米国特許第4,208,386号は、流れ
に沿って704〜1094℃(1300〜2000°
F)の温度帯域を有する煙道ガスに噴射される尿素或い
は尿素溶液の使用を通して燃焼排出ガス中に見いだされ
るNOX 排出物を減じる方法を開示する。試剤がこの温
度帯域の位置内で噴射されるとNOX 抑制効果が最善で
あることが見いだされた。
【0004】米国特許第4,842,834号は、燃料
の燃焼による煙道ガス中の汚染物の濃度を減じるための
方法及び装置を開示する。排出物処理流体は、独立して
変更可能な液滴寸法及び距離において煙道ガス通路内部
の広く様々の分布模様に噴射される。噴霧化導管が噴霧
化流体を供給するために煙道ガス中に伸延しそして処理
流体導管周囲に同軸に位置付けられている。
【0005】米国特許第4,985,218号は、燃焼
室からの煙道ガス中のNOX 濃度を減じるための方法及
び装置を開示する。この方法及び装置は低い処理流体流
速において煙道ガス処理流体の噴射を可能ならしめ、し
かも閉塞をほとんど乃至全然起こすことなく煙道ガス通
路内で処理流体の一様な分散を与える。処理流体供給導
管内に同軸に位置付けられる噴霧化導管が煙道ガス中に
伸延しそしてスチームや空気のような噴霧化流体を供給
する。処理流体は供給導管を通してそして噴霧化導管壁
における少なくとも一つの噴出口を通して0.6〜18
m/秒(2〜60フィート/秒)の速度で供給されて、
処理流体をノズル内で噴霧化せしめる。NOX 排出物を
減じるために使用される処理流体は好ましくは、尿素、
アンモニア、窒素化炭化水素、酸素化炭化水素、炭化水
素乃至その組合せの水溶液から成る。
【0006】米国特許第5,058,514号は煙道ガ
スにおける酸性ガス排出物を規制するための方法を開示
する。煙道ガスからSO2 及びNOX 排出物両方を抑制
するのに炉内噴射方法が使用される。汚染物を減じるこ
とを目的とする試剤が炉内に900〜1350℃の範囲
の温度帯域における炉内に噴射される。最適操業条件に
おいては、SO2 の約80%そしてNOX の90%が除
去される。同様に、尿素が好ましい窒素を含む添加剤源
であることが見いだされた。尿素は煙道ガス流れに交差
流、並流或いは向流方向において噴射され得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】大半の場合において、
試剤を指定された温度帯域(temperature window)に噴
射せねばならないことは幾つかの適用問題を呈した。そ
うした問題の一つは、適正な温度帯域の位置がボイラー
負荷の減少にともないガス流れの方向上流に移動しそし
て負荷の増大に伴って下流方向に移動することにより生
じた。ボイラー内で変動する負荷の変化により、所定の
煙道ガス温度はボイラー負荷変化に関連して煙道ガス行
路に沿って前後に移動する。従って、ボイラー負荷の変
動は煙道ガス室内部の温度のシフトをもたらし、その結
果NOX 抑制剤の噴射を適正な煙道ガス温度で行うこと
ができなくなる。本発明の課題は、汚染物抑制効果及び
効率を最大限にするためにNOX 抑制剤が適正な温度帯
域の位置、即ち煙道ガス室内での最も効果的且つ効率的
な位置において使用されることを可能ならしめることで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、パッケージ
ボイラー、発電その他の公益事業ボイラー或いは産業用
ボイラーの煙道ガス中にNOX 抑制剤を噴射してNOX
の排出を減じるための方法及び装置の開発に向け研究を
重ねた。本発明は、前記課題を、ボイラーからのNOX
排出物を減じることを目的とする試剤を分散せしめるた
めに煙道ガス室内に挿入される可動の導管及び分散ノズ
ルを使用することにより解決した。かくして、本発明
は、(1)所定の温度帯域において最適にNOX の発生
を抑制するNOX 抑制剤をボイラー壁手段により構成さ
れた煙道ガス流れのためのガス通路においてボイラーの
負荷の変化に伴って温度が変動する煙道ガス中に噴射す
るための装置であって、煙道ガス中にNOX 抑制剤を噴
射するためのノズルを有する導管と、該ノズルの位置を
変更するために該導管を前記壁手段に対して移動可能に
取付けるための取付け手段と、該取付け手段に沿って前
記導管を移動するために該導管に作動上接続される駆動
装置と、前記所定の温度帯域の位置を突き止めるために
煙道ガスの温度を検出する温度センサと、前記ノズルを
前記所定の温度帯域の位置に移動せしめるために前記駆
動装置を作動するべく該駆動装置と温度センサとの間に
接続される制御手段とを備えることを特徴とするNOX
抑制剤噴射装置を提供する。導管が取付け手段に摺動自
在に連結されることが好ましい。ノズルが煙道ガスの流
れに平行な方向に移動されることが好ましい。本発明は
また、所定の温度帯域において最適にNOX の発生を抑
制するNOX 抑制剤をボイラー壁手段により構成された
煙道ガス流れのためのガス通路においてボイラーの負荷
の変化に伴って温度が変動する煙道ガス中に噴射するた
めの方法であって、煙道ガス中にNOX 抑制剤を噴射す
るためのノズルを有する導管を挿入し、該ノズルの位置
を変更するために該導管を前記壁手段に対して移動可能
に取付け、前記所定の温度帯域の位置を突き止めるため
に煙道ガスの温度を検出し、そして前記ノズルを前記所
定の温度帯域の位置に移動することを包含するNOX
制剤噴射方法を提供する。温度をノズルに隣り合って位
置付けられたセンサにより検出することが好ましい。導
管をガス流れ方向に平行に移動することが好ましい。
【0009】
【作用】ボイラーからのNOX 排出物を減じることを目
的とする試剤を分散せしめるために煙道ガス室内に挿入
される可動の導管及び分散ノズルを使用する。こうした
NOX 抑制剤は所定の最適使用温度範囲を持っている。
尿素が汚染物を減じるために使用することのできるそう
したNOX 抑制剤の1例である。温度センサが煙道ガス
温度を検出するために導管に配設される。温度センサ
は、煙道ガス室内の温度を制御装置に中継する。次い
で、制御装置は、煙道ガス室内での最適の試剤噴射位置
であることが判明している適正な温度領域、好ましくは
871〜1038℃(1600〜1900°F)の位置
に導管及び分散ノズルを移動しそして再配置するべく機
能する駆動手段に指令を出す。これは、温度センサがボ
イラーの運転中負荷変動を補償するべくノズル位置の自
動調整がなされることを可能とするので、効果的な且つ
効率的なそして一様なNOX 排出物の減少を保証する。
【0010】
【実施例】図面を参照すると、図1及び2において具現
される本発明の具体例は、バーナ12を装備しそして矩
形断面の水管壁内張り炉室16とやはり水管壁及び/或
いは多重ループ管によりスチームの直列流れを与えるよ
うに形成される過熱器の形態にある熱交換器(図示な
し)を収納する対流区画或いは通路18を備えるパッケ
ージボイラー10から構成される。ボイラー周囲壁が炉
室及び対流区画を囲んでいる。水管区画壁32が炉室1
6を隣り合って位置する対流区画18から分画してい
る。こうしたボイラー周囲壁及び区画壁がボイラー壁手
段を構成する。ボイラー壁手段により構成されたガス通
路を煙道ガスが流れる。
【0011】ボイラー10の通常の運転において、燃焼
空気と燃料がバーナ12に供給されそして燃料が炉室1
6内で火炎14として示すように燃焼せしめられる。燃
焼ガスは対流区画18を通して流れそしてダクト20を
通して流出し、最終的に煙突(図示なし)から放出され
る。
【0012】NOX 抑制剤供給導管22が、摺動シール
17を通してパッケージボイラー10の、図1に示され
るように炉室16内に或いは図2に示されるように対流
区画18内に挿入される。ノズル24が、図1に示され
るように炉室16を通して或いは図2に示されるように
対流区画18を通して流れる煙道ガス中にNOX 抑制剤
を分散せしめるために導管22の出口端に配置される。
【0013】温度センサ、例えば温度トランスジューサ
26も又導管22に配置されそして煙道ガス温度を検出
しそして炉室16或いは対流区画18内の適正温度帯域
(871〜1038℃(1600〜1900°F))の
位置を突き止めるのに使用される。温度トランスジュー
サ26が炉室16或いは対流区画18内の煙道ガス温度
を検出するに際して、それは温度読みを制御手段30に
中継する。温度トランスジューサ26から制御手段30
に伝達された温度読みに基づいて、制御手段は駆動装置
28を起動する。駆動装置28は、適正温度帯域の位置
にノズル24を移動するために炉室16或いは対流区画
18内でNOX 抑制剤供給導管22を移動しそして位置
決めする機能をなす。
【0014】シール17は、任意の従来型式のものでよ
くそして例えば炉室16或いは対流区画18から摺動自
在に設置された導管周囲を通して煙道ガスの漏出を実質
上阻止するために導管22周囲にそしてそこに密着して
炉室16或いは対流区画18内に連続空気流れを差し向
けることにより確立され得る。
【0015】図3は、水管壁内張り炉室46内に多数の
バーナ42(単一のバーナとして示す)を配設した発電
所等の公益事業ボイラー或いは産業用ボイラーを例示す
る。ボイラー40の通常の運転において、燃焼空気及び
燃料はバーナ42に供給されそして燃料は炉室46の下
方部分において火炎44として示されるように燃焼せし
められる。燃焼ガスは、煙道ガスとして炉室46を通し
て上方に流れ、対流区画或いは通路48に達し、二次過
熱器50、再熱器52及び一次過熱器54の菅群の周囲
及び間を順次通りそして通路70を通して下方に流れ
る。ボイラー周囲壁がボイラー壁手段を構成する。ボイ
ラー壁手段により構成されたガス通路を煙道ガスが流れ
る。図示は省略したが、発電所等のボイラー或いは産業
用ボイラーと通常関連するエコノマイザー、空気加熱
器、集塵機及び煙突が通路70内に又その外側にガス流
れ方向下流に順次して設置されている。図3に示した具
体例において、二次過熱器50、再熱器52及び一次過
熱器54は、対流区画48の全幅を横切って延在してお
りそして多重ループ管によりスチームの直列流れを提供
するように形成されている。
【0016】NOX 抑制剤供給導管62が、二次過熱器
50、再熱器52及び一次過熱器54の管群の間を通入
し得るように対流区画48内に摺動シール80を通して
挿入される。試剤が流動する煙道ガス中に分散されるよ
うにノズル64が導管62に配置される。温度センサ7
2が対流区画内部の温度を検出し得るように導管62に
配置されそして検出した温度を制御手段74に中継す
る。温度センサ72からの温度読みを受け取るに際し
て、制御手段74は駆動装置68に指令を出す。駆動装
置68は対流区画48内でNOX 抑制剤供給導管62の
移動と位置決めを行う役目を果たす。温度センサ72、
制御手段74及び駆動装置68が協同してNOX 抑制剤
供給導管62が適正な温度帯域に位置決めされているこ
とを保証し、従って煙道ガスが煙突(図示なし)から放
出される前にNOX 排出物が最も効率的に低減される。
【0017】図1〜3において、導管は煙道ガス流れ方
向に平行して摺動し得るように設置されたが、導管は又
或る角度をなして或いは曲線行路において移動し得るよ
うにも設置され得る。移動行路は一般に、温度変化の生
じている方向に沿っていなければならない。
【0018】NOX 抑制剤は好ましくは液体相にある
が、本発明では気体及び粉末状試剤をも使用することが
できる。最初に例示したような公知のNOX 抑制剤のい
ずれをも使用することができる。
【0019】
【発明の効果】NOX 抑制剤を散布するノズル位置が適
正な温度帯域位置に常に位置決めされていることを保証
し、従ってNOX 抑制剤の作用を最大限に発揮せしめ、
煙道ガスが煙突(図示なし)から放出される前にNOX
排出物を最も効果的に且つ効率的に低減する。温度セン
サがボイラーの運転中負荷変動を補償するべくノズル位
置の自動調整がなされることを可能とするので、効果的
な且つ効率的なそして一様なNOX 排出物の減少を保証
する。
【0020】本発明の具体例について説明したが、本発
明の範囲内で多くの変更をなし得ることを銘記された
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッケージボイラーと関連しての本発明の具体
例の設置状況を示す説明図である。
【図2】パッケージボイラーと関連しての本発明の別の
具体例の設置状況を示す説明図である。
【図3】発電用或いは産業用ボイラーと関連しての本発
明の具体例の設置状況を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ボイラー 12 バーナ 14 火炎 16 炉室 17 摺動シール 18 対流区画 20 ダクト 22 NOX 抑制剤供給導管 24 ノズル 26 温度センサ 28 駆動装置 30 制御手段 40 ボイラー 42 バーナ 44 火炎 46 炉室 48 対流区画 50 二次過熱器 52 再熱器 54 一次過熱器 62 NOX 抑制剤供給導管 64 ノズル 68 駆動装置 70 通路 72 温度センサ 74 制御手段 80 摺動シール

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の温度帯域において最適にNOX
    発生を抑制するNOX 抑制剤をボイラー壁手段により構
    成された煙道ガス流れのためのガス通路においてボイラ
    ーの負荷の変化に伴って温度が変動する煙道ガス中に噴
    射するための装置であって、煙道ガス中にNOX 抑制剤
    を噴射するためのノズルを有する導管と、該ノズルの位
    置を変更するために該導管を前記壁手段に対して移動可
    能に取付けるための取付け手段と、該取付け手段に沿っ
    て前記導管を移動するために該導管に作動上接続される
    駆動装置と、前記所定の温度帯域の位置を突き止めるた
    めに煙道ガスの温度を検出する温度センサと、前記ノズ
    ルを前記所定の温度帯域の位置に移動せしめるために前
    記駆動装置を作動するべく該駆動装置と温度センサとの
    間に接続される制御手段とを備えることを特徴とするN
    X 抑制剤噴射装置。
  2. 【請求項2】 導管が取付け手段に摺動自在に連結され
    る請求項1のNOX抑制剤噴射装置。
  3. 【請求項3】 ノズルが煙道ガスの流れに平行な方向に
    移動される請求項1のNOX 抑制剤噴射装置。
  4. 【請求項4】 所定の温度帯域において最適にNOX
    発生を抑制するNOX 抑制剤をボイラー壁手段により構
    成された煙道ガス流れのためのガス通路においてボイラ
    ーの負荷の変化に伴って温度が変動する煙道ガス中に噴
    射するための方法であって、煙道ガス中にNOX 抑制剤
    を噴射するためのノズルを有する導管を挿入し、該ノズ
    ルの位置を変更するために該導管を前記壁手段に対して
    移動可能に取付け、前記所定の温度帯域の位置を突き止
    めるために煙道ガスの温度を検出し、そして前記ノズル
    を前記所定の温度帯域の位置に移動することを包含する
    NOX 抑制剤噴射方法。
  5. 【請求項5】 温度をノズルに隣り合って位置付けられ
    たセンサにより検出する請求項4のNOX 抑制剤噴射方
    法。
  6. 【請求項6】 導管をガス流れ方向に平行に移動する請
    求項4のNOX 抑制剤噴射方法。
JP6090768A 1993-06-07 1994-04-06 ボイラ―の煙道ガス中に窒素酸化物抑制剤を噴射する方法及び装置 Expired - Lifetime JP2517533B2 (ja)

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US072257 1993-06-07

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