JP2515171B2 - 魚介類用船の荷役装置 - Google Patents

魚介類用船の荷役装置

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JP2515171B2
JP2515171B2 JP2231840A JP23184090A JP2515171B2 JP 2515171 B2 JP2515171 B2 JP 2515171B2 JP 2231840 A JP2231840 A JP 2231840A JP 23184090 A JP23184090 A JP 23184090A JP 2515171 B2 JP2515171 B2 JP 2515171B2
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Wako Sangyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は魚介類用船の荷役装置に係り、詳しくは、例
えば、トロールなどの船内に冷凍状態で保管されている
すり身などを自動的に積出すことのできる荷役装置に係
る。
従来の技術 従来から、魚介類はトロール船で漁獲され、その漁獲
物は仲積み船に集められ、仲積み船が陸上との間で往復
して漁獲類を陸上の加工工場において迅速に加工され、
すり身やミールなどの加工品が製造されている。しかし
ながら、洋上における母船、トロール船、仲積み船など
の移し作業が煩雑で、この作業により魚介類が破損され
ることも多く、最近では、漁獲水域が陸上からきわめて
遠いところになるに至って、漁獲から加工までには数週
間、長いときには数ヶ月かかることが多く、漁獲時の品
質に較べると、加工物の品質は大幅に劣化する。
これに対し、最近では、トロール船などに魚介類の加
工整備を取付けて、漁獲後速やかに魚介類を加工処理し
て、すり身やミール等の加工品をトロール船、つまり、
洋上でつくり、漁獲時の魚介類の鮮度、品質、風味が失
なわれない加工品、つまり、洋上すり身などが製造され
ている。
この洋上加工物は陸上加工物に比べると、品質、鮮
度、風味にすぐれ、洋上加工品はコスト的にも高いもの
になっている。
魚介類のすり身は通常かまぼこ、ちくわ、ソーセージ
その他の食品の原料になっている。これら食品の製造過
程ではすわりその他の性質が要求され、性質の一つのす
わりは陸上のものと洋上のものとでは大巾な差が存在す
る。すなわち、陸上すり身は鮮度、品質が大幅に損なわ
れていることから、最良の条件ですわらされても強いジ
ェリー強度が形成できない。これに対し、洋上すり身は
漁獲時の性質がそのまま封じ込められているため、すわ
りを通常の条件で行なっても十分にすわり、強いジェリ
ー強度が形成でき、食感、風味、味などの良好な食品が
得られる。
このようなところから、最近では魚介類加工設備を持
ったトロール船が建造されている。しかし、トロール船
などの加工設備によって魚介類を洋上加工する場合であ
っても、洋上加工品は、トロール船から仲積み船、仲積
み船から陸上の如く運搬され、その都度荷積み、積出
し、積込みが行なわれる。これらの作業が容積が限られ
た船内で行なわれるため、これら作業そのものがきわめ
て苛酷で危険性が高い。
例えば、トロール船で洋上加工する場合は、船内の加
工ステーションにおいて、漁獲後30分〜2時間の間に加
食性部分を採取し、これを混練その他の加工処理してす
り身をつくる。このすり身は例えば20kg単位程度の如
く、一人の作業員が持ち運びできる程度の重量に分け
て、これを一つの箱に詰めて凍結する。その後、冷凍す
り身はトロール船内の収納ステーションに積込んで保管
し、収納ステーションが一ぱいになったときにトロール
船の積荷を相当な時間をかけて仲積み船に積替え、トロ
ール船のところで収納されている各ケースを仲積み船の
中に積替えるという作業が行なわれる。この作業はきわ
めて苛酷であり、作業人員も非常に多く要する。なかで
も、トロール船内においては一つの箱に詰められた冷凍
すり身をその収納ステーションに長時間、例えば数十日
にわたって保管するため、収納ステーションは例えば−
30℃の如くきわめて低温に常に保持されている。従っ
て、トロール船内の収納ステーションにおいて積込まれ
た一つの箱単位のすり身を順次に積みおろし、これを甲
板上まで搬出するのは、相当な作業であり、とくに、こ
れら作業はあたかも冷凍庫内で行なわれるものであっ
て、作業員の疲労度の上から連続的に作業することがで
きないで、適正なインターバルで休息を取りつつ行なわ
れる。
また、トロール船の収納ステーションは常に−30℃程
度の温度に保たれなければならないため、船内、とく
に、甲板の内側に封鎖されて形成されている。しかし、
仲積み船への積みかえるときに収納ステーションから搬
出作業が必要になるため、甲板には荷上げ口例えばハッ
チはなるべく小さいのが好ましいが、船上荷役装置の作
動スペースとの関連から極限まで小さくしても、例えば
60×60cm程度の面積のものが必要で、作業時間が長くな
ると、収納ステーション内の冷気が相当量失なわれる。
また、このような狭いハッチを通して船上荷役装置によ
ってすり身など積荷を甲板上まで荷上げする作業はきわ
めて苛酷であるほか、相当な熟練度を要しないと達成で
きない。例えば、収納ステーションからの荷上げはトロ
ール船の甲板上に取付けられた荷上げクレーンを利用し
て行なわれる。荷上げクレーンのフックは狭いデッキを
通してフックを収納ステーションまで下降させ、このフ
ックに数単位に冷凍すり身をつるして甲板に持ち上げ
る。しかし、この作業ではフックを狭いハッチの中を通
すことになり、併せて、吊った荷物は狭いハッチを通し
て上昇させることになり、これら作業を円滑に行なうの
には相当な熟練度を持った作業員を要する。
このトロール船の収納ステーションからの搬出作業の
合理化の上から、例えば日本国実公昭50−30318号公報
のように示されるような布製の搬送機材が提案されてい
る。この搬送機材であると、数ケースまたは数十ケース
のすり身などの積荷が容易に一つにまとめて集合させる
ことができ、このようにまとめると、船上の荷上げクレ
ーンで用いて収納ステーションから甲板上に集約的に荷
上げすることができる。しかし、このような布製搬送機
材を用いても荷上げの際に狭いデッキの中を通すことが
必要になり、搬出時には−30℃程度の収納ステーション
ですり身などの積荷を布製搬送機材でまとめてつつむと
いう作業が必要になる。
このところから、封鎖された収納ステーションの天井
部分に天井走行クレーンを設け、このクレーンによって
ハッチ直下までのすり身などの積荷を運搬することも提
案されている。しかし、収納ステーションの天井部分に
天井走行クレーンを備えつけると、クレーン走行スペー
スだけすり身などの積荷が積めず大きなデッドスペース
が発生する。とくに、船内の収納ステーションの容積は
限られているため、この荷積みスペースの減少はトロー
ル船能力の大幅な低下を招き、とくに、魚介類の漁獲時
期が非常に限られ、一時的であるため、漁獲途中であっ
ても収納ステーションのスペースが満たされると、みす
みす魚介類がとれるにも拘らず、漁獲を放棄することに
なり、経済性ならびに生産性が大幅に損なわれる。
なお、上記のところでは主としてトロール船について
述べた。これらの問題は仲積み船から運搬船に移す場
合、運搬船から陸上に移す場合にも同様な問題があり、
また、洋上すり身などのほかに、船上で加工される冷凍
魚介類についても同じような問題があり、更に、運搬船
から陸上げする場合には、停泊期間の延長はつきまと
い、停泊チャージを増加させ、このチャージのかさみに
よってすり身その他の加工品のコストが著しく増大して
いる。
発明が解決しようとする課題 本発明は上記欠点の解決を目的とし、具体的には、例
えば、トロール船などの冷凍状態の船艙からすり身など
を自動的かつ連続的に搬出できる船内荷役装置を提案す
る。
課題を解決するための手段ならびにその作用 すなわち、本発明に係る荷役装置は、船内で魚介類の
単位積荷を冷凍又は冷却状態で収納する収納ステーショ
ンと、この収納ステーション内で船の長手方向または幅
方向に走行しかつ1個又は2個以上の単位積荷を集合し
た集合積荷をフレキシブル機材等を介して吊って収納ス
テーション内を移送する天井走行クレーンとを具える魚
介類用船の船内荷役装置であって、この荷役装置におい
ては、フレキシブル機材等の一部に補助搬送機器を着脱
自在に装着し、この補助搬送機器に天井走行クレーンの
係合フックを係合する。また、天井走行クレーンの長手
方向走行通路を横切ってトラバース搬送軌道を設け、こ
のトラバース搬送軌道に補助搬送機器を介してフレキシ
ブル機材が装着されたままで集合積荷を吊下げて搬送す
る。また、このトラバース搬送軌道の先端部に隣接する
下端部と船の甲板上にまで延在する上端部とを有する昇
降移動軌道を設け、この昇降移動軌道には、トラバース
搬送軌道からの集合積荷が前フレキシブル機材に補助搬
送機器を装着したままで受渡され、この集合積荷を船の
甲板上に上昇させる。
そこで、これら手段たる構成ならびにその作用につい
て図面によって更に詳しく説明すると、次の通りであ
る。
なお、第1図は本発明の一つの実施例に係る荷役装置
を具えるトロール船の一部を破断して示す平面図であ
り、第2図は本発明の一つの実施例に係る荷役装置にお
いてトラバース搬送軌道および昇降移動軌道を一つの側
面から示す説明図であり、第3図はフレキシブル機材等
の一つの実施例を装着してまとめた集合積荷の一例の斜
視図であり、第4図はフレキシブル機材等の他の実施例
の展開図であり、第5図(a)ならびに(b)は第2図
に示す荷役装置において集合積荷の天井走行クレーンか
らトラバース搬送軌道への移動過程を示す説明図であ
り、第6図(a)ならびに(b)はそれぞれ本発明に係
る荷役装置うちの補助搬送機器の一例の斜視図であり、
第7図は本発明に係る荷役装置の待期ステーションをト
ラバース搬送軌道ならびに天井走行クレーンとの関連で
示す斜視図であり、第8図(a)ならびに(b)はトラ
バース搬送軌道と昇降移動軌道とを分離して構成する際
の一例の側面図とこれを線図的に示す平面図である。
第1図で符号1はトロール船を示し、トロール船1は
通常の漁撈設備のほかに、漁獲直後の魚介類を直ちに例
えばすり身や落し身などの魚介類加工品に加工冷凍する
加工ステーション11と、この冷凍された魚介類加工品を
冷凍または冷却状態、例えば、−30℃程度に保って収納
する収納ステーション12とが設けられている。これら加
工ステーション11ならびに収納ステーション12は甲板13
によって密閉され、船艙内に設けられている。なかで
も、収納ステーション12は船艙内に設けられることが必
要で、甲板13の下の内部に設けられ、加工品の特性によ
って保存温度は異なるが、すり身の場合には、例えば−
30℃程度に保たれて、あたかも、冷凍庫のように構成さ
れている。また、加工ステーション11は、漁獲後の魚介
類は、直ちに、例えば、30分から2時間以内にすり身な
どの魚介類加工品に加工され、魚介類加工品は、例えば
単位重量20kg程度の如く容易に持運びできる重量に分け
られ、分けられた各加工品は個別的に箱詰めされ、凍結
される。これら各単位加工品は単位積荷15(第3図参
照)として、両ステーション11、12を連絡する移送コン
ベヤ14にのせられて、収納ステーション12に送られる。
収納ステーション12内においては、各単位積荷15はなる
べくデッドスペースを残すことなく収納ステーション12
の収納能力をできる限りつかって積込まれ、冷凍保存さ
れる。
この積込みを高能率で人力を要せずして行なうため
に、収納ステーション12の天井部分に少なくとも1つの
天井走行クレーン16を設ける。すなわち、船艙内に設け
た収納ステーション12は、甲板13を支持するため、支柱
17が設けられ、支柱17によってクレーン16の走行通路が
制限される。このため、従来例の型式のクレーンを設け
る場合には、これら支柱17によって切区される区画部分
に応じて複数個、第1図に示す例えば3個の天井走行ク
レーン16が設けられ、各天井走行クレーン16は、各区画
部分内で、収納ステーション12の長手方向ならびにそれ
の直交方向に走行する。
また、収納ステーション12内が支柱17によって複数個
に区分されていても、次の構造の天井走行クレーンであ
れば、収納ステーション12の中央部に一つのクレーンを
設けても、その目的が達成できる。すなわち、天井走行
クレーンのガーダ(Girder)の下に往復ビーム(shuttl
ing beam)を設け、このビームの先端に旋回機構(slew
ingunit)を介して荷積手段(liftingmeans)が取付け
られる。この構造のクレーンであると、ガーダの下でビ
ームが往復し、ビームの先端部はガーダの両端をこえて
伸びるため、直交方向の走行通路がのび、大巾に延長で
きる。また、ビームの先端部はその旋回機構を介して荷
積手段が自由に回転し、ガーダの取付位置に制限される
ことなく、換言すると、ガーダの取付位置をこえるとこ
ろまで、荷を積込むことができる。
以上の通りに、収納ステーション12内で、天井走行ク
レーン16を長手方向ならびにそれの直交方向に走行させ
ることによって加工ステーション11から送られる単位積
荷15を積込む場合、移送コンベヤ14の出口附近で、単に
1個又は2個以上の単位積荷15を集合して集合積荷18に
するのではなく、この集合積荷18はフレキシブル機材20
で包むか、しばって、フレキシブル機材20が装着された
ままの状態で天井走行クレーン16によって収納ステーシ
ョン12内に積込まれ、そのまま、冷凍又は冷却状態で保
存される。このように積込まれると、積荷は集合されて
積込むことができ、積込みには、クレーン16が効果的に
利用でき、積込作業時の危険度は大巾に減少する。この
クレーン16を利用する積込みの際に、フレキシブル機材
20は第6図(a)ならびに(b)に示す補助搬送機器50
を介してクレーン16により吊上げることもできる。
なお、フレキシブル機材20は、フレキシブル機材で集
合積荷18を荷くずれなく包むか、一体にまとめられるも
のであればいずれのものも用いることができる。フレキ
シブル機材20のうちで第3図に示す通りに構成し、しか
も、布か又は合成樹脂、なかでも、合成樹脂から成るも
のが好ましい。すなわち、第3図に示すフレキシブル機
材20は板状の底部材21、底部材21の四つの隅部に装着さ
れた吊り帯状材22、これら吊り帯状材22の間を締付けて
集合積荷18の荷くずれを防ぐ側方締付け帯状材23ならび
に集合積荷18を側方からおさえるおさえ材24から成って
いる。この構成のフレキシブル機材20であると、移送コ
ンベヤ14を経て加工ステーション11からの送られた単位
積荷15を、移送コンベヤ14の出口附近に展開したフレキ
シブル機材20の底部材21上に順次に、積上げて集合積荷
18をつくり、集合積荷18の四隅に吊り帯状材22をかけ、
側方締付け帯状材23の端部を結合して締付けると、容易
にフレキシブル機材20が装着できる。その後は、フレキ
シブル機材20の一部、つまり、吊り帯状材22を直接天井
走行クレーン16のフック161に係合するか、後記の補助
搬送機器50を介して係合するかして、クレーン16を長手
方向または直交方向に移動させると、フレキシブル機材
20が装着されたままで収納ステーション12内に集合積荷
18は収納保存できる。なお、補助搬送機器50を装着した
ときには、収納時には、補助搬送機器50を取除いてお
く。
また、フレキシブル機材20は第4図に示す通り、第3
図に示すおさえ材24を設けなくとも、底部材21、吊り帯
状材22ならびに側方締付け帯状材23からも構成できる。
このようにフレキシブル機材20を装着したままで集合
積荷18が収納される収納ステーション12内において、集
合積荷18を例えば中積船や運搬船に移す際の荷役を円滑
かつ自動的に行なうために、天井走行クレーン16のほか
に、その長手方向走行通路を横切るよう、トラバース搬
送軌道30を設ける。
すなわち、収納ステーション12の一側において、各天
井走行クレーン16の長手方向走行通路をそれぞれ横切っ
て、トラバース搬送軌道30を設ける。この搬送軌道30は
収納ステーション12内で集合積荷18がフレキシブル機材
20を装着したままで自動的に搬送できるものであればい
ずれのものとしても構成できる。しかし、収納ステーシ
ョン12が例えば−30℃の如くきわめて低温に保持されて
いることから、第7図に示すように複数個のリンク片31
を回転軸32で無終端状に結合したチェンコンベヤから構
成するのが好ましい。更に、後記の如く、補助搬送機器
50(第6図(a)ならびに(b)参照)を係止するため
に、所定の間隔をおいて受け具33を取付けるのが好まし
い。
また、このトラバース搬送軌道30の先端部、つまり、
出口側に隣接して昇降移動軌道40を設ける。すなわち、
第2図に示す如く、昇降移動軌道40の下端部はトラバー
ス移動軌道30の出口側に隣接させる。ただし、第2図に
示す例では、両軌道30、40は単に隣接させるのみでな
く、一体に結合している。また、昇降移動軌道40の上端
部41は第2図に示すように甲板13から突出させて、上端
部41は甲板13と略々平行に折曲げて構成する。この場
合、昇降移動軌道40はトラバース移動軌道30が上記の如
くチェンコンベヤから成る場合には、それと同様にチェ
ンコンベヤを無終端状に構成したものから構成し、この
チェンコンベヤの全長にわたり、所定の間隔をおいて受
け具を取付ける。なお、昇降移動軌道40の各受け具は、
第2図に示すように、トラバース移動軌道30の先端部と
昇降移動軌道40の下端部の入口側とを連結し両軌道30、
40を一体に構成する場合は、トラバース搬送軌道30の各
受け具33と共通なものとして構成できる。
また、以上の通りに構成されるトラバース搬送軌道30
ならびに昇降移動軌道40に関連して、集合積荷18に装着
されているフレキシブル機材20に着脱自在に補助搬送機
器50を取付け、集合積荷18をフレキシブル機材20を装着
したままで荷出しする。この補助搬送機器50は、ほとん
ど人手を要せずに両軌道30、40を利用して収納ステーシ
ョン12内の集合積荷18を自動的に甲板13上に搬出するた
めのものである。従って、このように船内荷役装置を構
成すると、収納ステーション12を封鎖する甲板13には昇
降移動軌道40の上端部又は突出部分のみが貫通するよう
開口131(第2図参照)を設けておけば、従来例の如
く、甲板13に対し、不必要な大きさ、つまり、甲板13上
の荷役クレーンが出入りできるほどの大きさにハッチを
設ける必要もなく、収納ステーション12内は完全に近く
封鎖されて冷凍保存機能を十分に発揮できる。
補助搬送機器50は第6図(a)に示す如く、棒状材51
と係止部52とから構成する。すなわち、第6図(a)に
おいては棒状材51は円形断面から構成されているが、棒
状材であれば、第6図(b)に示す如く、方形に構成す
ることもできる。また、円形や方形断面以外に、一部に
円弧部を有する形状や、だ円または多角形の断面の棒状
材からも構成できる。また、係止部52は第6図(a)に
示すように、棒状材の表面に一線を成すよう間隔をおい
て設け、これら係止部52にはフレキシブル機材20の一
部、例えば、吊り帯状材22又はこれらに結合した係止帯
状材(図示せず)がかけられる。また、第6図(b)に
示す方形断面の棒状材51はほぼ中央部を切欠いて切欠き
部53を形成し、この切欠き部にフレキシブル機材20の吊
り帯状材22又はこれらの結合した係止帯状材をかける。
このように補助搬送機器50を取付け、補助搬送機器50に
はかけられた吊り帯状材22の間に天井走行クレーン16の
フック161が係合され、集合積荷18は吊り上げられて、
後記の如く、トラバース搬送軌道30上に受渡される。こ
の受渡しは通常トラバース搬送軌道30の入口側の受渡し
ステーションにおいて行なわれ、このために、第5図
(a)に示す如く、受渡しステーションの上部に案内ガ
イド162を設ける。従って、フック161によって吊られた
集合積荷18が案内ガイド162によって案内されつつ下降
すると、補助搬送機器50の棒状材51の両端は後記の待期
ステーション60(第7図参照)上に着座する。このとき
に、トラバース搬送軌道30は連続的に移動しているため
に、一旦待期ステーション60上で待期している棒状材51
は受け具33の係合部に係合し(第5図(b)参照)、集
合積荷18は補助搬送機器50によって吊られたままでトラ
バース搬送軌道30の走行とともに搬送される。
なお、補助搬送機器50にフック161を直接係合して集
合積荷18を吊下げなくとも、別個に帯状材(図示せず)
をフレキシブル機材20に装着し、この帯状材をフック16
1に係合させて集合積荷18を吊下げることもできる。
更に、天井走行クレーン16のフック161からトラバー
ス搬送軌道30への受渡しを円滑に行なうために、第7図
に示すように、その受渡しステーションは待期ステーシ
ョン60を設ける。すなわち、トラバース搬送軌道30には
受け具33が間隔をおいて設けられ、しかも、第7図に示
す矢印方向に連続的に所定の速度で走行している。この
ため、天井走行クレーン16のフック161からの集合積荷1
8の受渡しがトラバース搬送軌道30の受け具33の間で行
なわれたときには、両側の受け具33の係合部に補助搬送
機器50の棒状材51両端部が係合できないし、また、この
受渡しのときにフック161が補助搬送機器50の棒状材51
から離れにくいという問題が起こる。これらの問題を除
去するために、トラバース搬送軌道30において、天井走
行クレーン16、なかでも、そのフック161の下降する受
渡しステーションに、第7図に示す如く、一対の待期ス
テーション60を設ける。待期ステーション60は棒状材51
をトラバース搬送軌道30の移動と関係なく受けて待期で
きるものであればどのようにも構成できるが、通常はブ
ロック状体として構成し、その表面が受け具33の係合部
のレベルより僅かに高くなるよう突出させるのが好まし
い。このように構成するとフック161と係合されたまま
で下降する棒状材51がはじめに待期ステーション60に衝
突し、この際の衝突反力によって棒状材51は容易にフッ
ク161から離脱する。また、離脱した棒状材51は上記の
如くトラバース搬送軌道30の受け具33によってつかまれ
て持運ばれるため、フック161は自動的に棒状材51から
はなれる。また、トラバース搬送軌道30ならびに昇降移
動軌道40に設けられた受け具は、棒状材51が着脱自在に
係合され、搬送中に棒状材51が離脱しないものであれ
ば、いずれにも構成できる。例えば、棒状材51を円形断
面に構成し、両軌道30ならびに40を一体かつ連続なもの
として構成する場合には、第2図ならびに第7図に示す
如く、受け具33はL字状で、しかも、係合部を円弧状に
構成し、このL字状受け具33は昇降移動軌道40に共通な
受け具としても構成する。また、両軌道30ならびに40
を、第8図(a)ならびに(b)に示す如く、個別的に
構成するときには、トラバース搬送軌道30の受け具33を
Y字状とし、昇降移動軌道40の受け具42をL字状に構成
する。
また、第2図に示す如く、トラバース搬送軌道30と昇
降移動軌道40とを一体かつ連続に構成する代りに、第8
図(a)ならびに(b)に示すように分離させて個別的
に構成することができる。
すなわち、一対の無終端チェンから成るトラバース搬
送軌道30の先端部において、内部に一対のチェンコンベ
ヤから成る昇降移動軌道40が入るよう配設し、例えば、
トラバース搬送軌道30にはY字状の受け具33を取付ける
一方、昇降移動軌道40にはL字状受け具42を取付ける。
このため、トラバース搬送軌道30の先端に集合積荷18が
達したときには、上向きに上昇する昇降移動軌道40の受
け具42に補助搬送機器50の棒状材51の両端が受渡されて
上昇し、甲板13上に荷上げされる。このように分離個別
的に構成すると、トラバース搬送軌道30のレベルが自由
に調整できる。
また、昇降移動軌道40の上端部41、とくに、その水平
部分の下には搬送コンベヤ70を設け、搬送コンベヤ70は
上昇搬送軌道40の上端部41に達したとき、補助搬送機器
50に吊られた集合積荷18の底面が搬送コンベヤ70に接触
する。この上端部41に達した集合積荷18の底面が搬送コ
ンベヤ70に接触して浮上り、浮かされ、このときに、補
助搬送機器50の棒状材51の両端は受け具42から離れて搬
送コンベヤ70により排出される。この集合積荷18が昇降
移動軌道40の上端部41から浮上されたときには、フレキ
シブル機材20に装着された補助搬送機器50も浮上る。こ
のときに、補助搬送機器50を取出し、収納ステーション
12内に戻る上昇移動軌道40の受け具42の係合部内にこの
取出した補助搬送機器50をはめ込むと、補助搬送機器50
は収納ステーション12内に戻り、僅かに力をかける程度
で取り出すことができる。この取り出された補助搬送機
器50は上述のように再使用できる。
次に、実施例について説明する。
まず、実際のスケソウタラのトロール船において、そ
の加工ステーションで漁獲後のスケソウタラの可食部を
とって、常法によってすり身として加工し、1箱20kgづ
つとして包装し、これを凍結した。この凍結したすり身
20kgを単位積荷として、順次に隣接する収納ステーショ
ンに送り、収納ステーションでは送られた順に、80ケー
ス(総重量1600kg)を一つにまとめて集合積荷とし、こ
れをフレキシブル機材でつつんだ。この際、合成樹脂等
のフレキシブル機材を拡げ、その底部材上に平面に8ケ
ース並べて各ケースを10段積上げてこの4隅に吊り帯状
材をかけ、これらの間を締付け帯状材で締付けた。この
ようにフレキシブル機材を装着後はそのままで集合積荷
の状態で−30℃の収納ステーション内に収納した。
次に、船外への搬出のときには、第6図(a)に示す
補助搬送機器を使用し、この機器のうち棒状材を集合積
荷に装着されているフレキシブル機材に取付け、この棒
状材に天井走行クレーンのフックを係合させて集合積荷
を吊下げた。続いて、天井走行クレーンを走行させて集
合積荷はフレキシブル機材ならびに補助搬送機器が装着
されたままでトラバース搬送軌道の入口側におかれ、各
受け具に棒状材の両端を係合させ、第2図に示すよう
に、集合積荷はトラバース搬送軌道ならびに昇降移動軌
道を通って自動的に甲板上に搬出された。なお、甲板上
に搬出後は、トロール船の荷役クレーンを用いて仲積み
船にフレキシブル機材を装着したままで集合積荷を搬出
した。
このように搬出したときに、8000ケース(160000kg)
を搬出するのに20分程度であって、フレキシブル機材に
補助搬送機器を装着するとき天井走行クレーンの走行の
ときなどには作業員が必要であった。これは多くて2〜
3名程度で、そのうちの少なくとも1名は甲板上の作業
であって、作業量が大巾に減少した。
ちなみに、従来例であると、搬出に要する時間は30分
程度であるが、30分にとどめるため、作業員としては20
名程度必要になり、これらの作業は全て−30℃の如く極
めて低い極低温作業になっている。また、搬出には収納
ステーションに連通する中央ハッチ30分間をあけておく
ため、内部の冷気が相当失なわれた。
〈発明の効果〉 以上詳しく説明した通り、本発明においては、魚介類
すり身などの積荷はフレキシブル機材などで複数個集合
させた状態で、まとめられて収納ステーション内に収納
保管でき、搬出のときには、このフレキシブル機材等の
一部に補助搬送機器を装着して、トラバース搬送軌道に
受渡すと、トラバース搬送軌道ならびに昇降移動軌道で
は複数個のすり身などが集合した集合積荷は補助搬送機
器ならびにフレキシブル機材などで吊下げられたままで
甲板上まで搬出できる。このため、収納ステーションが
冷凍又は冷却された状態であって、収納ステーション内
にはほとんど作業員が必要でなく、苛酷な作業から開放
される。
また、トラバース搬送軌道の入口側に隣接しかつ天井
走行クレーンの下降位置に対応するよう待期ステーショ
ンを設けて、この待期ステーションによって天井走行ク
レーンに係合する補助搬送機器を受けて待機させる。こ
のため、天井走行クレーンからトラバース搬送軌道への
積荷の受渡しは、きわめて円滑で自動的に行なうことが
できる。
また、トラバース搬送軌道と昇降移動軌道とは別個に
分離して構成すると、トラバース搬送軌道のレベルが調
整でき、収納ステーション内での積荷が合理的に達成で
きる。
また、昇降移動軌道の上端部が甲板レベルと略々平行
に折曲げられて構成されると共に、この上端部の下に吊
下げられた集合積荷の底面が接触するよう、搬送コンベ
ヤが設けられている。このため、集合積荷が上端部に達
すると、その底面が搬送コンベヤ上に接触し、この接触
によって補助搬送機器が浮上り、容易にフレキシブル機
材などから離脱できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一つの実施例に係る荷役装置を具える
トロール船の一部を破断して示す平面図、第2図は本発
明の一つの実施例に係る荷役装置においてトラバース搬
送軌道および昇降移動軌道を一つの側面から示す説明
図、第3図はフレキシブル機材等の一つの実施例を装着
してまとめた集合積荷の一例の斜視図、第4図はフレキ
シブル機材等の他の実施例の展開図、第5図(a)なら
びに(b)は第2図に示す荷役装置において集合積荷の
天井走行クレーンからトラバース搬送軌道への移動過程
を示す説明図、第6図(a)ならびに(b)はそれぞれ
本発明に係る荷役装置うちの補助搬送機器の一例の斜視
図、第7図は本発明に係る荷役装置の待期ステーション
をトラバース搬送軌道ならびに天井走行クレーンとの関
連で示す斜視図、第8図(a)ならびに(b)はトラバ
ース搬送軌道と昇降移動軌道とを分離して構成する際の
一例の側面図とこれを線図的に示す平面図である。 符号1……トロール船 11……加工ステーション 12……収納ステーション 13……甲板 16……天井走行クレーン 18……集合積荷 20……フレキシブル機材 30……トラバース搬送軌道 40……垂直移動軌道 50……補助搬送機器

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船内で魚介類の単位積荷を冷凍又は冷却状
    態で収納する収納ステーションと、この収納ステーショ
    ン内で船の長手方向または幅方向に走行しかつ1個又は
    2個以上の前記単位積荷を集合した集合積荷をフレキシ
    ブル機材等を介して吊って前記収納ステーション内を移
    送する天井走行クレーンとを具える魚介類用船の荷役装
    置において、 前記フレキシブル機材等の一部に着脱自在に装着されか
    つ前記天井走行クレーンの係合フックに係合される補助
    搬送機器と、 前記天井走行クレーンが船の長手方向に走行する際の走
    行通路を横切るよう設けられ、しかも、前記フレキシブ
    ル機材に前記補助搬送機器が装着されたままで、前記集
    合積荷を吊下げて搬送するトラバース搬送軌道と、 このトラバース搬送軌道の先端部に隣接する下端部と船
    の甲板上にまで延在する上端部とを有し、前記トラバー
    ス搬送軌道からの前記集合積荷が前記フレキシブル機材
    に補助搬送機材を装着したままで受渡され、この集合積
    荷を船の甲板上に上昇させる昇降移動軌道とを設けて成
    ることを特徴とする魚介類用船の荷役装置。
  2. 【請求項2】前記フレキシブル機材等を、フレキシブル
    な板状材からなる底部と、この底部の四隅部に装着され
    た吊り帯状材と、これら吊り帯状材のうち隣接する2つ
    の吊り帯状材の間に取付けられた少なくとも2つの側方
    締付け帯状材と、これら側方締付け帯状材の対向端部を
    結合してこれらの間を締付ける締付け具とから成ること
    を特徴とする請求の範囲1記載の魚介類用船の荷役装
    置。
  3. 【請求項3】前記補助搬送機器を、円形、だ円、多角形
    又は一部に円弧部分を持つ形状の断面を持つ棒状材と、
    この棒状材上に間隔をおいて取付けた複数個の係止突起
    とから成ることを特徴とする請求の範囲1記載の魚介類
    用船の荷役装置。
  4. 【請求項4】前記補助搬送機器を、円形、だ円、多角形
    又は一部に円弧部分を持つ形状の棒状材と、この棒状材
    の一部を切欠いて形成した切欠部とから成ることを特徴
    とする請求の範囲1記載の魚介類用船の荷役装置。
  5. 【請求項5】前記トラバース搬送軌道上に、所定の間隔
    をおいて受け具を設けて成ることを特徴とする請求の範
    囲1記載の魚介類用船の荷役装置。
  6. 【請求項6】前記受け具をL字状又はY状に構成して成
    ることを特徴とする請求の範囲5記載の魚介類用船の荷
    役装置。
  7. 【請求項7】前記トラバース搬送軌道を複数個のリンク
    片が無終端状に結合されたチェンコンベヤから構成して
    成ることを特徴とする請求の範囲1記載の魚介類用船の
    荷役装置。
  8. 【請求項8】前記昇降移動軌道上に、所定の間隔をおい
    て受け具を設けて成ることを特徴とする請求の範囲1記
    載の魚介類用船の荷役装置。
  9. 【請求項9】前記受け具をL字状又はY状に構成して成
    ることを特徴とする請求の範囲8記載の魚介類用船の荷
    役装置。
  10. 【請求項10】前記昇降移動軌道を複数個のリンク片が
    無終端状に結合されたチェンコンベヤから構成して成る
    ことを特徴とする請求の範囲1記載の魚介類用船の荷役
    装置。
  11. 【請求項11】前記トラバース搬送軌道と前記昇降移動
    軌道とを連続かつ一体に結合して成ることを特徴とする
    請求の範囲1記載の魚介類用船の荷役装置。
  12. 【請求項12】船内で魚介類の単位積荷を冷凍又は冷却
    状態で収納する収納ステーションと、この収納ステーシ
    ョン内で船の長手方向または幅方向に走行しかつ1個又
    は2個以上の前記単位積荷を集合した集合積荷をフレキ
    シブルな機材等を介して吊って前記収納ステーション内
    を移送する天井走行クレーンとを具える魚介類用船の荷
    役装置において、 前記フレキシブル機材等の一部に着脱自在に装着されか
    つ前記天井走行クレーンの係合フックに係合される補助
    搬送機器と、 前記天井走行クレーンが船の長手方向に走行する際の走
    行通路を横切るよう設けられ、しかも、前記フレキシブ
    ル機材に前記補助搬送機器が装着されたままで、前記集
    合積荷を搬送するトラバース搬送軌道と、 このトラバース搬送軌道の先端部に隣接する下端部と船
    の甲板上にまで延在する先端部とを有し、前記トラバー
    ス搬送軌道からの前記集合積荷が前記フレキシブル機材
    に補助搬送機材を装着したままで受渡され、この集合積
    荷を船の甲板上に上昇させる昇降移動軌道と、 前記トラバース搬送軌道に隣接しかつ前記天井走行クレ
    ーンの下降位置に対応するよう設けられ、しかも、前記
    天井走行クレーンに係合する補助搬送機器を受けて待機
    する待期ステーションとを、 設けて成ることを特徴とする魚介類用船の荷役装置。
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