JP2509074Y2 - リボンガイド - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、リボンを所定位置にガイドするリボンガイ
ドに関する。

［従来の技術］ プリンタにおいては、インクリボンを印字ヘッドに対
し上下方向に位置決めしつつリボンの長手方向に円滑移
動するためリボンガイドが用いられている。

係るリボンガイドの従来構造は、例えば第４図に示す
如くなっていた。

第４図において、リボンガイドは、両側を平板部材2
9,29で連結固定された上ガイドプレート11と下ガイドプ
レート31とからなるガイド本体10と両ガイドプレート1
1,31の前部に回転可能かつ着脱自在に装着された一対の
ローラ59,59とから構成されていた。各ローラ59,59は図
示しない印字ヘッドを移送するキャリア１に植設された
一対のシャフト2,2に嵌合できる位置において装着され
る。従って、ガイド本体10をリボン９の前面に押し当て
た後、リボン９の背面側からロラ59,59を前面側に押し
出しつつガイド本体10にワンタッチで嵌挿すればリボン
９をリボンガイドに装着することができた。その後に両
ローラ59,59をシャフト2,2に嵌挿すれば上記印字ヘッド
に対する適正な位置でリボン９をガイドすることができ
た。

また、他の構造として上部挿入型が知られている。こ
の型はキャリアに２段かつ振り分け配置した４本のシャ
フトを設け、一方印字ヘッドには４本のローラを回転可
能かつ離脱不能に設ける構成とされ、リボンをローラ間
に挟持案内させた後に各ローラを対応シャフトに嵌挿す
るという構造であった。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、上記従来のワンタッチ型（第４図）では、ロ
ーラ59,59を上，下ガイドプレート（11,31）間を通して
リボン９の背面側から押し出してガイド本体10に装着し
なければならないので複雑なプリンタ構造内部における
作業能率が悪く、手を汚すという虞れもあった。また、
リボンカセットから繰り出されたリボン９は一方の平板
部材29に接しかつ他方の平板部材29に接して連続移動さ
れるのでリボン９を破損させるという欠点を有してい
た。さらに、ガイド本体10に対するリボン９の幅方向の
位置の規制は両ガイドプレート11,31の内面によって行
われるから位置決め精度が悪いばかりかこの点からもリ
ボンの損傷という問題があった。

一方、上記上部挿入型においては、ワンタッチ型に比
較してリボンの損傷という問題は軽減されるもののリボ
ンをつまんで各ローラ間に挿入渡設しなければならない
ので人手を汚すという事態を回避することができなかっ
た。また、各ローラは印字ヘッドに離脱不能に取り付け
られた構造であるから、予めリボンカセットに収納され
たリボンにリボンガイドを取り付けておくことができな
い。その結果リボンカセットの交換毎にリボンをリボン
ガイドに装着するための作業をプリンタ使用者自身が行
わなければならないという不都合を有していた。さら
に、リボンの幅方向位置規制には印字ヘッド側またはキ
ャリア側に格別の規制手段を設けなければならずプリン
タの小型軽量化を阻害するという問題を有していた。４
本のシャフトを正確配設しなければならず組立困難、円
滑回転困難という欠点も有していた。

ここに本考案は、上記従来の問題点に鑑みなされたも
ので、その目的とするところはリボンを迅速かつ正確に
着装することのできるとともに小型軽量で円滑移動を保
障することのできるリボンガイドを提供することにあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は印字ヘッドノーズの挿入空間を有するガイド
本体を弾性部材から形成し、 上下に鍔が設けられた横断面中実円形状の外側ローラ
をガイド本体後部の左右の穴に当該ガイド本体の前方か
ら着脱自在かつ回転可能に装着し、 一対の横断面中空円形状の内側ローラを外側ローラ間
においてキャリアに設けられた位置決めシャフトに挿入
可能な位置でガイド本体前部の穴に回転可能に装着し、
外側ローラをリボン前面と接触させかつ両内側ローラを
リボン背面と接触させてリボンをガイドする構成とし前
記目的を達成する。

［作用］ ガイド本体の前部側に両内側ローラに接するようにし
てリボンを張設し、その前方より両外側ローラを押し込
みつつガイド本体にワンタッチで装着すれば所定位置に
リボンをガイドできる。また、外側ローラの上下の鍔に
よりリボンの幅方向位置も正確に規制される。その後、
両内側ローラをキャリア側のシャフトに嵌挿すれば印字
ヘッドに対するリボンの位置決めを迅速かつ正確に行え
る。

［実施例］ 本考案に係るリボンガイドの好適な実施例を第１図な
いし第３図に基づいて詳細に説明する。

このリボンガイドは、ガイド本体10と外側ローラ40と
内側ローラ50とから構成されている。

ガイド本体10は、Ｌ字形の上ガイドプレート11と平板
状の下ガイドプレート31とこれらプレート11,31とを一
体的に連結する連結材21,21とからなり、全体として弾
性に富むプラスチックの一体成形品である。上ガイドプ
レート11の起立面12の上部にはつまみ13が設けられ、水
平面14の基端部には左右一対の穴15,15、突出した部分
には一対の穴16,16が設けられている。また、上ガイド
プレート11には、印字ヘッド５のノーズ７に引っ掛ける
ための一対のフック部材17,17が設けられている。これ
ら間が挿入空間26である。フック17a,17aはノーズ７に
対してリボンガイドが上方向に抜けることを防止するた
めのものである。下ガイドプレート31には、穴15,15、1
6,16に対応させた位置に穴35,35、36,36が設けられてい
る。

次に、外側ローラ40は、リボンの幅方向位置を規制す
るための上下に配設された鍔43U,43Dを有する軸部材42
から形成されている。軸部材42は十分な強度をもちかつ
小型とするために横断面中実円形状とされている。この
外側ローラ40は両ガイドプレート11,31自体の弾性撓み
を利用して両ガイドプレート11,31の後部間すなわちガ
イド本体10の後部に当該ガイド本体10の前方から着脱自
在とされかつ装着された状態では回転自在である。

一方、内側ローラ50は、軽量化のための横断面中空円
形状の軸部材42から形成され、ガイド本体10すなわち両
ガイドプレート11,31の前部間に回転自在に装着されて
いる。そして、内側ローラ50,50はキャリア１に立設さ
れたシャフト2,2に嵌挿できる位置でガイド本体10の前
部に装着されている。Ｑガイド本体10の前部とは、キャ
リア１に装着された状態でプラテン（図示省略）側に最
接近する部分を意味し、その後部とは前部よりも後方の
部分を意味する。シャフト2,2はリボンガイドを介し印
字ヘッド５を図示しないプラテンの所定位置に位置付け
できるようにキャリア１に立設されている。

このような構成のリボンガイドの組立は次の通りであ
る。

ガイド本体10のつまみ13,13を把持して内側ローラ50,
50をリボン９の背面側に押し付ける。次に、各外側ロー
ラ40をリボン９の前面側から押し当てて上ガイドプレー
ト11の穴15および下ガイドプレート31の穴35に嵌挿させ
る。このようにしてリボン９を張設渡設したガイド本体
10は両内側ローラ50,50をシャフト2,2に嵌挿することに
よってキャリア１に取り付けられる。

ここに、印字ヘッド５（ノーズ７）とリボン９と図示
しないプラテンとは適正に位置決めされる。

しかして、この実施例によれば内側ローラ50,50をリ
ボン９に押し当てた後、外側ローラ40,40を押し込みつ
つガイド本体10の弾性変形を利用して穴15,35、15,35に
嵌挿する構成とされているのでリボンガイドをリボン９
に迅速かつ正確にワンタッチで着装することができる。
また、リボン９に手を触れないで済むから汚れの心配も
ない。もとよりリボンカセットに予めリボンガイドを装
着しておくことができるからプリンタ使用者に手間を煩
わせないリボンカセットを提供することも可能となる。

また、ガイド本体10は弾性に富むプラスチックから形
成され、外側ローラ40,40は鍔43,43を設けることができ
かつ十分な機械的強度を持たせることができる横断面中
実円形状とされているので小型軽量化が容易である。

さらに、キャリア１に対するリボン９の位置を規制す
るシャフト2,2は２本とされているから、それらの加
工、組立が容易で円滑なリボン９の回転案内をすること
ができ、リボン９の損傷も防止することができる。

さらにまた、外側ローラ40,40には鍔43,43が設けられ
ているのでリボン９の幅方向の位置を正確に規制するこ
とができ、リボン９の損傷を引き起こすこともない。

なお、以上の実施例では内側ローラ50,50をガイド本
体10に回転自在に装着されているものとしたが、外側ロ
ーラ40,40と同様に着脱自在としてもよい。また、ガイ
ド本体10はプラスチックの一体成形品としたが、上ガイ
ドプレート11、連結材21、下ガイドローラ31とを組み立
てる構成としてもよい。

また、各ローラ40,40、50,50はプラスチックに限らず
その材料は限定されない。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかの通り、弾性部材から形成され
たガイド本体後部に鍔付の横断面中実円形状の外側ロー
ラを当該ガイド本体の前方から着脱自在とするとともに
本体前部の横断面中空円形状の内側ローラにキャリア側
の２本のシャフトを嵌挿させて位置決めするように構成
されているので、リボンを迅速かつ正確に着装できると
ともに小型軽量でリボンの円滑移動を保障できる廉価な
リボンガイドを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るリボンガイドの一実施例を示す分
解斜視図、第２図は同じく正面図、第３図は同じく各ロ
ーラの側断面図であって、（Ａ）は内側ローラ、（Ｂ）
は外側ローラである。および第４図は従来リボンカセッ
トの外観斜視図である。 １……キャリア、２……シャフト、４……印字ヘッド、
７……ノーズ、10……ガイド本体、15,16,35,36……
穴、26……挿入空間、40……外側ローラ、43（43U,43
D）……鍔、50……内側ローラ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】印字ヘッドノーズの挿入空間を有するガイ
   ド本体を弾性部材から形成し、 上下に鍔が設けられた横断面中実円形状の外側ローラを
   ガイド本体後部の左右の穴に当該ガイド本体の前方から
   着脱自在かつ回転可能に装着し、 一対の横断面中空円形状の内側ローラを外側ローラ間に
   おいてキャリアに設けられた位置決めシャフトに挿入可
   能な位置でガイド本体前部の穴に回転可能に装着し、外
   側ローラをリボン前面と接触させかつ両内側ローラをリ
   ボン背面と接触させてリボンをガイドする構成としたこ
   とを特徴とするリボンガイド。