JP2501958Y2 - 船釣用釣竿支持具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、船釣用の釣竿支持具に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の釣竿支持具において、釣竿の支持角度
を調整できるように構成したものとしては、実開昭57
-154974号、実公昭59-32298号、実公昭60-11798
号、実開昭63-71669号、実開昭63-122085号、実
開昭63-151773号、実開昭63-201475号各公報等に開示
されているものが知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記〜の各公報に開示のものでは、釣竿
の支持角度（傾斜角度）を変更するには、ピンを抜き差
ししたり、ピンを差し替えたり、又ボルトを緩めること
によって行う構成であるため、上記の角度調整操作が面
倒であり、仕掛け投入後錘りの位置等によって釣竿の角
度を随時変更する必要があるが、かゝる場合に時間がか
ゝり、迅速に対応できない問題点がある。

又、従来では、釣竿と釣竿ホルダーとの固定は、釣竿
に固定用部品をボルト等で締着し、これを釣竿ホルダー
に嵌合するようにしたり、釣竿ホルダーに釣竿を固定す
るようにしているので、仕掛け投入後、例えば、糸フケ
をとる等の為に、リールを操作する場合、リールが船外
にあり、釣人より遠い為操作性が悪く、これ又時間がか
ゝり、迅速に対応できなかったり、又当該支持具をボー
トへ固定する為の固定具は万力タイプのものが一般的で
あるから、釣を始める場合や終了後におけるボートに対
する脱着や、釣り位置を変更する場合のボートに対する
脱着が面倒である操作上の問題点がある。更に、簡易タ
イプのロッドホルダーは前方への抜け止めがなく、釣竿
を海中へ落下させる等のトラブルが多かった。

本考案は、上記従来の技術の有するこのような問題点
に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、釣
竿をロッドホルダーに対して確実に支持できるにもかゝ
わらず該釣竿の取付け、取外しを容易に行うことができ
ると共に、釣竿の保持角度の調整及びリールの前後方向
の取付け位置の調整並びにボートに対する脱着、取付け
位置の変更等を簡単、かつ容易に行い得るようにした船
釣用釣竿支持具を提供しようとするものである。

〔課題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に、本考案の船釣用釣竿支持具
は、ボート縁の孔に脱着自在に固定され、かつボート縁
の長さ方向に沿うベースプレートと、一定間隔に固定さ
れた２枚のプレートの下部に旋回用シャフトを有し、前
記プレートの同一円周線上に穿設された複数箇の角度調
整孔を有し、該角度調整孔に任意に移動及び固定可能に
配したロックピンを有し、前記旋回用シャフトによりベ
ースプレートの取付孔に旋回自在に取付けられる角度調
整板と、前記角度調整板が回動自在に枢設され、前記ロ
ックピンにて所望角度に調整可能に支持されるホルダー
支持台と、複数箇の調整用固定孔を有し、リールの脚を
脱着自在に挾持するリール脚クランプを有し、かつ釣竿
元部の押え板を有し、前記ホルダー支持台上部に前後方
向へ移動調整自在にして一定角度に支持されるロッドホ
ルダーとからなることを特徴としている。

〔作用〕

ベースプレートは、そのネジ筒をボート縁の把手孔に
挿入しボルトにて締着することによりボートに固定され
る。角度調整板は、その下部へ突設した旋回用シャフト
を上記ベースプレートの任意の取付孔に挿入し、平ワッ
シャを介在して松葉ピン等で抜け止めされ、水平状態で
旋回自在に固定される。

釣竿は、リールを装着した状態にてロッドホルダーの
前方から挿入すると、リール脚クランプの一対のクリッ
パーはリール脚に押圧されることによりスプリング力に
抗して対称的に開き、該リール脚が所定位置に挿入され
ることでスプリングの付勢によって閉じ、一方、釣竿元
部は押え板の下部に挿入され、上下動と、前方への移動
及び離脱はリール脚クランプによって防止され、左右動
は左右の側板によって防止された状態にてロッドホルダ
ーに支持される。

ロッドホルダーは、リールの大きさ等に応じて、当該
リールの後端部がホルダー支持台に最も近接するよう固
定孔を選択して固定ボルトによりホルダー支持台に略水
平状態の一定角度に固定される。

上記リールは、リール脚を備えたものであればスピリ
ングリールに限らず両軸受リールであってもよい。

釣鈎に餌を付け、仕掛けを水中に投入後、錘りの位置
等によって釣竿の角度調整を行う時は、一方の手でロッ
ドホルダーを所定角度に保持し、他方の手の、例えば親
指と人差指でロックピンの端部を対向的に押し込むと、
該ロッドピンはスプリングを圧縮しながら対向的に移動
し、角度調整孔との固定が解かれるので、この状態でロ
ックピンを長孔に沿ってホルダー支持台へ当接する位置
まで移動した後、ロックピンの押し込みを解放すること
でスプリングの付勢により当該ロックピンは対称的に移
動復帰してその位置にある角度調整孔に係嵌して固定さ
れ、釣竿は所望の角度に調整され、その角度に保持され
る。

上記ホルダー支持台は、その下端の水平部上面が上記
ロックピンによって支持されているので、ロッドホルダ
ーを把持し持ち上げることで、釣竿を調整された角度か
ら上方向へ自由にロッドホルダーと一体的に回動できる
ので、魚の当りがあった場合の釣竿による合せ動作や、
コマセを振り込む場合の釣竿をあおる動作を、他に特別
な操作を要することなく行うことができる。

又魚が掛った場合は、釣竿が所望角度に保持されてい
る状態のままか又は上方へ回動し、所望角度とした状態
にてリールを操作し、釣糸を巻き取るか、もしくはリー
ル脚クランプのクリッパーを対向的に押圧操作してリー
ル脚のクランプを解除し、釣竿をロッドホルダーから取
り外した状態にてリール操作を行い釣糸を巻き取るよう
にすればよい。

海中においては、潮の流れの方向により、仕掛け、釣
糸を介して釣竿に外力としての旋回力が作用すると、角
度調整板の旋回用シャフトを中心としてベースプレート
に対し、角度調整板、ホルダー支持台、ロッドホルダー
と共に釣竿は旋回する。この旋回角度は、旋回シャフト
やベースプレートに適当な旋回角度規制部を設けること
により、任意の角度に規制することができる。

又、魚釣り終了後、海岸や港に戻る時、又は釣りを中
断する時等にあって、釣竿を直立状態に保持させたい場
合は、ロックピンを上述したように操作して最下端の角
度調整孔に固定し、ホルダー支持台の水平端をロックピ
ンに当接保持させることにより可能となる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

第１図〜第３図に示したように、当該釣竿支持具は、
ベースプレート１と、角度調整板２と、ホルダー支持台
３と、ロッドホルダー４を主要部材として構成されてい
る。

第１図、第２図に示したように、ベースプレート１
は、ボート縁5aに穿孔した把手孔5bに挿入可能な直径を
有し、かつ内周面に雌ネジが刻設してある２箇のネジ筒
６、６が裏面から下方へ突設させてあると共に、ボート
５の内側となる端部にはＬ字型のアングル７がボート縁
5aに沿うよう固着させてあり、該アングル７の長さ方向
には、上記角度調整板２を旋回自在に取付ける為の複数
箇の取付孔８…が所定間隔毎に貫通されている。

このベースプレート１は、図示の如く、ネジ筒６、６
を上記把手孔5bに嵌合し、ボート縁5a上へ重ね合せた状
態にて、プレート９をボート縁5aの裏面に介在し、下方
からボルト10を上記ネジ筒６に螺着することによってボ
ート５に固定される。

上記角度調整板２は、第１図、第２図、第６図、第７
図に各々示したように、正面略扇形状の２枚のプレート
11、11を３本の連結杆12、12′、12″にて所定の間隔に
固定することによって形成されている。

上記角度調整板２は、その２枚のプレート11、11の下
部一側（第６図において左側）へ延出した延設部11a、1
1aには底板13が架設され、該底部13から上記ベースプレ
ート１の取付孔８…へ旋回自在に挿入する旋回用シャフ
ト14が下向きに垂設一体化させてある。

この旋回用シャフト14は、先端近傍にピン孔14aが貫
通させてあり、該旋回用シャフト14が、上記取付孔８に
挿入後、平ワッシャ15を介してピン孔14aへ松葉ピン16
を挿入することで、上記ベースプレート１のアングル７
に角度調整板２は水平方向へ旋回自在に固定されるよう
に形成されている。

又、角度調整板２は、２枚のプレート11、11の扇形と
しての要部に相当する部分に一対のピン孔17、17が同一
軸線上に貫通させてあると共に、２枚のプレート11、11
には、上記ピン孔17、17を中心とする仮想円周線上へ複
数箇の一対の角度調整孔18…18ⁿが所定間隔毎に、かつ
上記円周線上に沿って開設された弧状の長孔19により連
通された状態にて形成させてある。

上記角度調整孔18…18ⁿの１箇には第６図、第７図に
明示した如く前記ホルダー支持台３を支持する為の一対
のロックピン20、20が移動可能に係嵌固定されている。

即ち、上記ロックピン20、20は、上記角度調整板２の
両プレート11、11の間に移動可能に配置される長さを有
する円筒21にスプリング22を内装した状態にて両端部に
摺動自在に挿入させてあり、上記スプリング22により対
称方向へ付勢されている。

このロックピン20、20は、上記円筒21に挿入される部
分が径大部20aに形成され、該径大部20aから順に、上記
角度調整孔18…18ⁿに適合する径を有する係嵌部20bと上
記長孔19にスライド可能に挿入される径小の首部20c
と、指掛け用の円盤部20dとが同一軸線上へ一体に形成
させてあり、上記係嵌部20b、20bが上記角度調整孔18に
嵌合されることにより、両プレート11、11間にあって任
意の角度調整孔18…18ⁿに固定されるよう形成されてい
る。

又、上記ロックピン20、20は、釣糸がらみを防ぐよ
う、上記円盤部20dを省略するようにしてもよい。

而して、上記ロックピン20、20は、その両端部を対向
的に押し込むことで、スプリング22を圧縮して円筒21内
に押し込まれ、その首部20c、20cが角度調整孔18…と一
致した位置において、下方、又は上方向へ押圧すること
により、首部20c、20cが長孔19に挿入されるので、この
状態にて長孔19に沿って移動可能であり、又所望位置の
角度調整孔18…18ⁿに一致させた後、押し込み力を解く
とスプリング22の付勢により係嵌部20b、20bが上記角度
調整孔18…18ⁿと係嵌し、その位置に固定される。

上記ホルダー支持部３は、第１図、第６図、第７図に
示した如く垂直部3aと、水平部3bとにより側面略Ｌ字形
状に形成されていて、その屈曲部の略中心部において、
上記角度調整板２のピン孔17、17に挿通されるピン23に
より前後方向（第１図、第６図において左右方向）へ回
動自在に、上記角度調整板２の両プレート11、11間に枢
着されている。

このホルダー支持台３は、その水平部3bの上面が、上
記ロックピン20、20に当接されることにより、所望の角
度に保持されるよう形成されている。

従って、上記角度調整板２の角度調整孔18…18ⁿのう
ち、最上部の角度調整孔18は、同孔18にロックピン20、
20を固定した状態で、上記ホルダー支持台３を第６図中
実線で示した如く直立状態を保持する位置に設けてあ
り、又最下端の角度調整孔18ⁿは、同孔18ⁿにロックピン
20、20を固定した状態にてホルダー支持台３を第６図に
二点破線で示す如く、ボート５の内側へ略水平に倒した
状態を保持できる位置に設けてある。

又、前記３本の連結杆12、12′、12″のうち、２本の
連結杆12、12′は、ホルダー支持台３の水平部3bと干渉
しない位置に、他の１本の連結杆12″はホルダー支持台
３を上記したように倒した状態にて水平部3bの下面を当
接支承する位置（図示例では延設部11a、11a）に設けて
ある。

上記ロッドホルダー４は、釣竿26を、左右移動が阻止
される状態にて保持できるよう第１図〜第５図に示した
ように、底板4aと、左右の側板4b、4bとで横断面略形
状もしくは略Ｕ字形状にして、一軸方向へ長く形成され
ている。

上記ロッドホルダー４は、その側板4b、4bの長さ方向
に、複数箇の調整用固定孔24…が所定間隔毎に貫通させ
てあり、任意の固定孔24を選択して上記ホルダー支持台
３の垂直部3a上端に一対の蝶ボルト25、25等により水平
に固定されている。

又、ロッドホルダー４が水平に固定されるよう前記ホ
ルダー支持台３における垂直部3aの上端近傍にはプレー
ト27が固設されている。

又、ロッドホルダー４は、釣竿26の元部26aの浮き上
がりを防止する為の押え板28が、後端（第２図において
右端）の上部に固着させてあり、又前端には、釣竿26に
装着されるリール29のリール脚29aを脱着自在にクラン
プする為のリール脚クランプ30が設けられている。

このリール脚クランプ30は、第４図、第５図に明示し
た如く、先端にフック部31aを、後端外側に押圧片31bを
有して平面略くの字形状にして、かつ対称に形成されて
いる２箇のクリッパー31、31を、その略中間部におい
て、上記ロッドホルダー４における底板4bの先端部裏面
にネジ32、32等により水平状態にて回動可能に対向的に
枢着し、該両クリッパー31、31のフック部31a、31aによ
って、上記底板4bの先端に欠除形成した凹部4cに挿入さ
れるリール脚29aを挾持可能に両クリッパー31、31をス
プリング33により対向的に付勢して形成されている。

又、上記リール脚クランプ30は、その両クリッパー3
1、31のフック部31a、31aの先端部内側面を、基端から
先端外側へ傾斜する傾斜面31c、31cに形成させてあり、
これにより、リール脚29aを前方から押し込むことで両
クリッパー31、31がスプリング力に抗して開き、上記凹
部4cに挿入されると同時にスプリング33の付勢により閉
じるように設けられている。

又、上記両クリッパー31、31の押圧片31b、31bは、指
先等によって内側へ押し込み易くする為にロッドホルダ
ー４の側板4b、4bより外側へ突出させてある。

更に、前記角度調整板２の旋回用シャフト14とベース
プレート１のアングル７の双方、又は何れか一方に、他
方部材と当接可能に番８図に示した如く、平面略Ｈ字形
状等の角度規制用部材35を設けるようにしてもよい。こ
のように構成すると釣竿26の旋回角度を、図示例のよう
に任意の角度αに規制することができる。

又、前記ロッドホルダー４の内面には、フエルト、ゴ
ム等の柔軟材（図示せず）を貼着させてもよい。

〔考案の効果〕 本考案は、以上説明したように構成されているので、
ロッドホルダー４に対して釣竿26を前方への抜け出し、
浮き上がり、上下、左右動が阻止された状態にて安定的
に保持できるにもかかわらず、ロッドホルダー４に釣竿
26を前方から挿入し、又、リール脚クランプ30の両クリ
ッパー31、31間に押し込むだけの容易な操作によって当
該釣竿の取付け、取外しを簡単に、かつ短時間に行うこ
とができ、又釣竿26の保持角度の調整は、手元側におい
て、ロックピン20、20の押し込み及び移動するワンタッ
チ操作にて容易に行うことができ、更にリール29のハン
ドル位置を、釣人に最も近接した位置に選択できるので
リール29の操作性が良く、又その選択の為の操作を容易
に行うことができる。

更に、ボート縁5aの把手孔5bを利用して固定されるベ
ースプレート１の複数箇の取付孔８…に対して、角度調
整板２の旋回用シャフト14をピンの抜き差しによって任
意に選択して取付けができる為２〜３台並べて取付ける
こともでき、更にベースプレートを両弦へ取付けておく
ことにより、ボート５の向きや潮流の方向等に対してロ
ッドホルダー４の位置を容易にして迅速に変更できる等
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る船釣用釣竿支持具の実施例を示す
使用状態の側面図、第２図は第１図における平面図、第
３図は第１図における背面図、第４図は同実施例におけ
るリール脚クランプの拡大平面図、第５図は第４図にお
けるＶ−Ｖ線断面図、第６図は同実施例における角度調
整板の拡大側面図、第７図は同実施例における角度調整
板を一部断面して示した正面図、第８図は同実施例にお
ける旋回角度規制部の底面図である。 １……ベースプレート、２……角度調整板 ３……ホルダー支持台、４……ロッドホルダー 4b、4b……側板、5a……ボート縁 ８……取付孔、11、11……プレート 14……旋回用シャフト、18…18ⁿ……角度調整孔 19……長孔、20、20……ロックピン 23、23……スプリング、24……調整用固定孔 26……釣竿、28……押え板 29……リール、29a……リール脚 30……リール脚クランプ、31、31……クリッパー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボート縁の孔に脱着自在に固定され、かつ
   ボート縁の長さ方向に沿うベースプレートと、下部に旋
   回用シャフトを有し、前記プレートの同一円周線上に穿
   設された複数箇の角度調整孔を有し、該角度調整孔に任
   意に移動及び固定可能に配したロックピンを有し、前記
   旋回シャフトによりベースプレートの取付孔に旋回自在
   に取付けられる角度調整板と、前記角度調整板が回動自
   在に枢設され、前記ロックピンにて所望角度に調整可能
   に支持されるホルダー支持台と、複数箇の調整用固定孔
   を有し、リールの脚を脱着自在に挾持するリール脚クラ
   ンプを有し、かつ釣竿元部の押え板を有し、前記ホルダ
   ー支持台上部に前後方向へ移動調整自在にして一定角度
   に支持されるロッドホルダーとからなることを特徴とす
   る船釣用釣竿支持具。