JP2024532191A - Vmat2阻害剤についてのスクリーニングの方法 - Google Patents

Vmat2阻害剤についてのスクリーニングの方法 Download PDF

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ライアン テリー-ロレンゾ,
ディートリック ハウベンベルガー,
ナグディープ ギリ,
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ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
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Abstract

本出願は、VMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法、および/またはVMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法であって、VMAT2阻害剤が、神経学的および精神医学的な疾患および障害を処置するため、ならびに対象において80~96%の占有率を達成するために有用である、方法に関する。ドパミン作動系の調節不全は、神経学的および精神医学的な疾患および障害を含む、いくつかの中枢神経系(CNS)障害にとって肝要なものである。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月20日に出願された米国仮出願第63/235,407号の利益を主張するものであり、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本出願は、VMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法、および/またはVMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法であって、VMAT2阻害剤が、神経学的および精神医学的な疾患および障害の処置のため、ならびに対象において80~96%の占有率を達成するために有用である、方法に関する。
背景
ドパミン作動系の調節不全は、神経学的および精神医学的な疾患および障害を含む、いくつかの中枢神経系(CNS)障害にとって肝要なものである。これらの神経学的および精神医学的な疾患および障害には、多動性運動障害および状態、例えば、統合失調症および気分障害が含まれる。輸送体タンパク質である小胞モノアミン輸送体-2(VMAT2)は、シナプス前ドパミン放出において重要な役割を果たし、貯蔵および放出のために細胞質からシナプス小胞へのモノアミン取り込みを調節する。
概要
本出願は、とりわけ、治療有効投与量のVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
(b)対象におけるVMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップであって、80~96%のVMAT2占有率により、VMAT2阻害剤の量が治療有効投与量であることが示される、ステップ;および
(c)治療有効投与量のVMAT2阻害剤を、薬学的に許容される担体と混合するステップ
を含む方法を提供する。
本出願は、VMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法であって、
(a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
(b)対象におけるVMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップ、および
(c)その量のVMAT2阻害剤のVMAT2占有率が80~96%である場合に、VMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定するステップ
を含む方法を、さらに提供する。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本発明に使用するための方法および材料が本明細書に記載される;当技術分野で公知の他の好適な方法および材料を使用することもできる。材料、方法、および例は、例示的なものに過ぎず、限定することを意図していない。本明細書で言及されるすべての刊行物、特許出願、特許、配列、データベース項目、および他の参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含め、本明細書が優先する。
図1A~1Cは、3頭の異なるカニクイザル:GC786(図1A)、EC865(図1B)およびLC206(図1C)において、ベースラインおよび種々の用量のNBI-750142の後に60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUV画像を示す。線条体取り込みの用量依存的な減少が観察された。 図1A~1Cは、3頭の異なるカニクイザル:GC786(図1A)、EC865(図1B)およびLC206(図1C)において、ベースラインおよび種々の用量のNBI-750142の後に60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUV画像を示す。線条体取り込みの用量依存的な減少が観察された。 図1A~1Cは、3頭の異なるカニクイザル:GC786(図1A)、EC865(図1B)およびLC206(図1C)において、ベースラインおよび種々の用量のNBI-750142の後に60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUV画像を示す。線条体取り込みの用量依存的な減少が観察された。 図1Dは、図1A~1Cのデータを比較する際の解剖学的参照のためのカニクイザルMR画像を示す。 図2は、ベースラインと、実施例1に記載されたNHPモデルからのNBI-750142の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図2は、ベースラインと、実施例1に記載されたNHPモデルからのNBI-750142の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図2は、ベースラインと、実施例1に記載されたNHPモデルからのNBI-750142の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図3Aは、実施例1に記載されたNHPモデルにおける標的占有度と総NBI-750142血漿中濃度との関係を示す。 図3Bは、実施例1に記載されたNHPモデルからのNBI-750142のヒト用量についての推定VMAT2標的占有度(%TO)を示す。 図4A~4Bは、2頭の異なるカニクイザル:A7701(図2A)およびA7702(図2B)における種々の用量でのベースラインおよびNBI-98782後の90~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUV画像を示す。線条体取り込みの用量依存的な減少が観察された。 図4A~4Bは、2頭の異なるカニクイザル:A7701(図2A)およびA7702(図2B)における種々の用量でのベースラインおよびNBI-98782後の90~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUV画像を示す。線条体取り込みの用量依存的な減少が観察された。 図5は、ベースラインと、実施例2に記載されたNHPモデルからのNBI-98782の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図5は、ベースラインと、実施例2に記載されたNHPモデルからのNBI-98782の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図5は、ベースラインと、実施例2に記載されたNHPモデルからのNBI-98782の種々の用量レベルとを比較した[18F]AV-133時間-活性曲線を示す。 図6は、実施例2に記載されたNHPモデルからの標的占有度と総NBI-98782血漿中濃度との関係を示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図7A~7Fは、ヒトにおける、ベースラインの60~120分間で平均化した[18F]AV-133 SUVR(後頭葉参照領域)画像、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)のものを示す。コホート1:100mg(図7A);コホート2:200mg(図7B);コホート3:60mg(図7C);コホート4:60mg(図7D);コホート5A:10mg(図7E);およびコホート5B:10mg(図7F)。MRI画像を解剖学的参照のために示す。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図8A~8Fは、ヒトにおける、ベースライン、ならびにNBI-750142投与の1.5時間後(T1)および18時間後(T2)での[18F]AV-133SUV時間-活性曲線を示す。コホート1:100mg(図8A);コホート2:200mg(図8B);コホート3:60mg(図8C);コホート4:60mg(図8D);コホート5A:10mg(図8E);およびコホート5B:10mg(図8F)。 図9A~9Bは、T1およびT2の両方(図9A)、T1のみ(図9B)についてのEmaxモデルに基づく、NBI-750142線条体占有度と総血漿中濃度との関係を示す。 図9A~9Bは、T1およびT2の両方(図9A)、T1のみ(図9B)についてのEmaxモデルに基づく、NBI-750142線条体占有度と総血漿中濃度との関係を示す。 図10A~10Bは、コホートおよび対象にわたる、総血漿中濃度に対するT1およびT2(図10A)ならびにT1のみ(図10B)での線条体占有度についてのEmaxモデル適合およびアップレギュレーションモデル適合の比較を示す。 図11は、実施例2に記載されたNHPモデルからのNBI-98782についての推定VMAT2標的占有度(%TO)を示す。 図12は、各24時間の期間を通じてのバルベナジンの推定VMAT2占有度を示す。図12はまた、カニクイザルの薬物動態データを、選択時点での%TOの推定とともに示す。以下に述べるように、これらの用量で有害事象が認められ、有害事象をもたらし得る%TO値の評価が可能となった。 図13Aは、NBI-98782(EC50 1.5ng/mL)についての推定VMAT2濃度依存性標的占有度(%TO)を示す。図13Bは、NBI-98782(EC50 3.8ng/mL)についての推定VMAT2濃度依存性標的占有度(%TO)を示す。 図14は、非ヒト霊長類の画像化および試料採取の手順を示す。 図15は、VMAT2占有度を推定するためのプロトコールを示す。 図16は、PETスキャンセッション中の[+]-α-HTBZについての濃度対時間曲線を示す。 図17は、非ヒト霊長類研究において達成されたパーセント標的占有度を示す。
詳細な説明
本出願は、VMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法、および/またはVMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法に関する。一部の実施形態では、本明細書で提供されるVMAT2阻害剤は、本明細書に記載するように、対象において80~96%の占有率を達成するため、ならびに神経学的および精神医学的な疾患および障害の処置のために特に有用である。80~96%の占有率を与えるVMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する(例えば、VMAT2阻害と関連のある試験治療下で発現した有害事象(TEAE)を減少させるかまたは予防するために)ことに対して、重大な満たされていない必要性が存在する。本開示は、以下の開示を参照して明らかなように、これらおよび他の必要性を満たす。
以下の説明において、ある特定の具体的な詳細が、さまざまな実施形態の徹底した理解を提供するために示される。しかし、当業者は、本発明が、これらの詳細なしに実施され得ることを理解する。他の場合には、周知の構造が、その実施形態の不必要に不明瞭な説明を回避するために、詳細に示されても記載されてもいない。文脈が別様に要求しない限り、本明細書および以下に続く特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」およびその変形物、例えば、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」)という語句は、開かれた包括的な意味で、すなわち、「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきである。
本明細書で提供される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求される発明の範囲または意味を解釈するものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を、1つまたは複数の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わせることができる。
また、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容が明らかに別のことを指示していない限り、複数形も含む。
使用の方法
したがって、本出願は、治療有効投与量のVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
(a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
(b)対象におけるVMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップであって、80~96%のVMAT2占有率により、VMAT2阻害剤の量が治療有効投与量であることが示される、ステップ;および
(c)治療有効投与量のVMAT2阻害剤を、薬学的に許容される担体と混合するステップ
を含む方法を提供する。
本出願は、VMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法であって、
(a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
(b)対象におけるVMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップ;および
(c)VMAT2阻害剤の治療有効投与量を、VMAT2阻害剤の量のVMAT2占有率が80~96%である場合に特定するステップ
を含む方法をさらに提供する。
一部の実施形態では、VMAT2占有度は、1つまたは複数の画像化技法によって測定される。一部の実施形態では、1つまたは複数の画像化技法は、VMAT2に結合することができる画像化剤を対象に投与するステップ、およびその後に対象を画像化するステップを含む。
一部の実施形態では、画像化剤はVMAT2阻害剤である。
一部の実施形態では、VMAT2占有度は、陽電子放射断層撮影(PET)アッセイによって測定される。一部の実施形態では、PETアッセイは、VMAT2に結合することができるPET画像化剤を対象に投与するステップ、およびその後に対象を画像化するステップを含む。
一部の実施形態では、PETアッセイは、
(a)VMAT2に結合することができるPET画像化剤を対象に投与するステップ;
(b)PET画像化剤がVMAT2に結合するのに十分な時間、待機するステップ;
(c)対象を1回または複数回画像化するステップ;
(d)PET画像化剤のVMAT2置換を測定するステップ;および
(e)測定されたPET画像化剤のVMAT2置換に基づいてVMAT2占有度を決定するステップ
を含む。
一部の実施形態では、PET画像化剤のVMAT2置換は、画像化中の1つまたは複数の時点で測定される。
一部の実施形態では、PETアッセイは、ステップ(a)の前に対象を画像化して、ベースライン画像を得ることをさらに含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ステップ(a)の後に対象に投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ステップ(b)の後に対象に投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ステップ(b)の後およびステップ(c)の前に対象に投与される。
一部の実施形態では、PET画像化剤は、放射性標識VMAT2阻害剤である。一部の実施形態では、PET画像化剤は、[11C]-放射性標識VMAT2阻害剤である。一部の実施形態では、PET画像化剤は、[18F]-放射性標識VMAT2阻害剤である。
一部の実施形態では、PET画像化剤は、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の放射性標識類似体である。
一部の実施形態では、PET画像化剤は、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の[11C]-または[18F]-放射性標識類似体である。一部の実施形態では、ジヒドロテトラベナジンの放射性標識類似体は、(+)-α-ジヒドロテトラベナジンの放射性標識類似体である。
一部の実施形態では、PET画像化剤は、[18F]-AV-133である。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象におけるVMAT2阻害剤の血漿中濃度を測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の血漿中濃度は、ステップ(c)の画像化中の1つまたは複数の時点で測定される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の血漿中濃度は、ステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の血漿中濃度は、ステップ(c)の画像化中およびステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の血漿中濃度は、ステップ(c)の画像化の約2時間前から画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される。
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の血漿中濃度は、ステップ(c)の画像化の約1時間前から画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が、少なくとも80%~約96%、例えば、約80%、約82%、約84%、約86%、約88%、約90%、約92%、約94%、または約96%であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ96%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ94%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ92%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ90%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、VMAT2阻害剤の投与後に、試験治療下で発現した有害事象(TEAE)に関連する1つまたは複数の症状について対象をモニタリングするステップをさらに含む。
一部の実施形態では、モニタリングは、VMAT2阻害剤の投与後に約30分間~約24時間、例えば、約30分間、約60分間、約90分間、約120分間、約180分間、約6時間、約12時間、約18時間、または約24時間行われる。
一部の実施形態では、モニタリングは、VMAT2阻害剤の投与後に約30分間~約90分間行われる。
一部の実施形態では、モニタリングは、VMAT2阻害剤の投与後に約30分間~約60分間行われる。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象を、VMAT2阻害剤の投与後にTEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象を、VMAT2阻害剤の投与後に眼瞼下垂、活動性低下、鎮静、不安、悪心、アカシジア、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、対象を、VMAT2阻害剤の投与後に眼瞼下垂、活動性低下、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、対象は、VMAT2阻害剤の投与後に、TEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている。
一部の実施形態では、対象は、VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、鎮静、不安、悪心、アカシジア、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている。
一部の実施形態では、対象は、VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ96%以下、例えば、約80%、約82%、約84%、約86%、約88%、約90%、約92%、約94%、または約96%であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ90%以下であると決定された場合に、投与された用量は治療有効投与量と特定される。
一部の実施形態では、上記の方法は、対象におけるシナプス性ドパミンを、
(i)放射性リガンド[11C](+)4-プロピル-3,4,4a,5,6,10b-ヘキサヒドロ-2H-ナフト[1,2-b][1,4]オキサジン-9-オール([11C]-PHNO)を対象に投与すること;および
(ii)対象を画像スキャニングすること
によって、必要に応じて測定することをさらに含み、
置換可能でない結合([11C]-PHNO BPND)に比しての[11C]-PHNO結合能の20~45%の増加は、シナプス性ドパミンの減少に対応し、これにより、VMAT2阻害剤の量が治療有効投与量であるであることが示される。
本出願は、治療有効投与量のVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
治療有効投与量のVMAT2阻害剤を、薬学的に許容される担体と混合するステップ
を含み、
VMAT2阻害剤の治療有効投与量が、
ある量のVMAT2阻害剤を事前に投与された対象におけるVMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定することであって、80~96%のVMAT2占有率により、VMAT2阻害剤の量が治療有効投与量であることが示された、こと
によって特定される、方法をさらに提供する。
一部の実施形態では、本方法は、対象におけるシナプス性ドパミンを、
(i)放射性リガンド[11C](+)4-プロピル-3,4,4a,5,6,10b-ヘキサヒドロ-2H-ナフト[1,2-b][1,4]オキサジン-9-オール([11C]-PHNO)を対象に投与すること;および
(ii)対象を画像スキャニングすること
によって、必要に応じて測定するステップをさらに含み、
置換可能でない結合([11C]-PHNO BPND)に比しての[11C]-PHNO結合能の20~45%の増加が、シナプス性ドパミンの減少に対応し、これにより、VMAT2阻害剤の量が治療有効投与量であることが示された。
一部の実施形態では、[11C]-PNHO BPNDの増加が少なくとも10%~約60%、例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%または約60%であると決定された場合に、投与されたVMAT2阻害剤の用量は治療有効投与量と特定される。そのような実施形態では、[11C]-PNHO BPNDの増加は、シナプス性ドパミンの減少に対応する。
本明細書で使用される「化合物」という用語(例えば、VMAT2阻害剤)は、描写された構造のすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、および同位体を含むことを意味する。1つの特定の互変異性体形態として名称または構造によって本明細書で特定される化合物は、特に明記されない限り、他の互変異性体形態を含むことを意図している。
本明細書で使用される場合、「VMAT2」は、モノアミン、特に神経伝達物質、例えば、ドパミン、ノルエピネフリン、セロトニンおよびヒスタミンを、細胞サイトゾルからシナプス小胞内に輸送するように作用する膜内在性タンパク質であるヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2を指す。
本明細書で使用される場合、「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」という用語は、本明細書に開示される化合物がVMAT2の機能を変更する能力のことを指す。VMAT2阻害剤は、阻害剤とVMAT2との間に可逆的もしくは不可逆的な共有結合を形成することによって、または非共有結合性に結合した複合体の形成を通じて、VMAT2の活性を遮断するかまたは低下させることができる。そのような阻害は、特定の細胞型においてのみ顕在化する場合もあれば、特定の生物学的イベントに随伴する場合もある。「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」という用語はまた、VMAT2と天然の基質との間に複合体が形成する確率を低下させることによって、VMAT2の機能を変更することも指す。
物質は、酵素の比活性または比活性の代謝効果を、その物質の存在によって減少させることができる場合には、そのような減少の正確な機序にかかわらず、酵素活性の「阻害剤」である。例えば、物質は、酵素の発現を減少させること、または他の直接的もしくは間接的な機序によって、競合的、非競合的、アロステリックまたは他の種類の酵素阻害による酵素活性の阻害剤であり得る。所与の薬物と阻害剤との共投与により、挙げられた代謝経路を通してのその薬物の代謝の速度を低下させることができる。
例示に過ぎないが、一部の実施形態では、「シナプス性ドパミン」を、以下のようにして非侵襲的に測定することができる。対象に、[11C]-PHNOの投与前にVMAT2阻害剤の経口投与を行い、VMAT2阻害剤が最高血漿中濃度になるときの前後にPET画像化を行う。被殻、尾状核、および腹側線条体における置換可能でない結合(BPND)に比しての結合能を一次エンドポイントとして使用する。小脳を基準領域として使用して、局所BPNDを推定する。測定された、ベースラインに比しての[11C]-PHNO BPNDの増加(ΔBPND)は、VMAT2阻害剤の投与後のシナプス性ドパミンの減少に対応する。他の放射性リガンドを使用することもできる。あるいは、一部の実施形態では、シナプス性ドパミンの間接的測定を、侵襲性技法、例えば、Huang M., et al., Pharmacology, Biochemistry and Behavior 190 (2020) 172872;およびBosche S.L., et al., Frontiers in Neuroscience, November 2021 | Volume 15 | Article 728092に記載された方法を介して達成することもできる。
対象の「画像スキャニング」は、対象にスキャニング、例えば、陽電子放射断層撮影(PET)および/またはコンピュータ断層撮影(CT)スキャニングを受けさせることを指す。
本出願はまた、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩(例えば、本明細書に記載のVMAT2阻害剤の薬学的に許容される塩)も含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物が、既存の酸または塩基部分をその塩形態に変換することによって修飾されている、開示される化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、塩基性残基の無機または有機酸塩、例えば、アミン;酸性残基のアルカリまたは有機塩、例えば、カルボン酸などが含まれるが、これらに限定されない。本開示の薬学的に許容される塩には、例えば、無毒性の無機または有機酸から形成される親化合物の従来の無毒性の塩が含まれる。本開示の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中、有機溶媒中、またはこの2つの混合物中で反応させることによって調製することができるが、一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、またはブタノール)またはアセトニトリル(ACN)のような非水性媒体が好ましい。好適な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418 and Journal of Pharmaceutical Science, 66, 2 (1977)に見出され、これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
当業者には理解されるが、本明細書で提供される化合物は、その塩および立体異性体を含めて、公知の有機合成技法を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
本明細書で使用される場合、「バルベナジン」は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,l-a]イソキノリン-2-イルエステルと;またはL-バリン,(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルと、またはNBI-98854と称され得る。
本明細書で使用される場合、「NBI-98782」または「(+)-α-HTBZ」は、構造:
Figure 2024532191000001
を有する、バルベナジンの活性代謝物である化合物を指す。
(+)-α-HTBZは、(2R,3R,11bR)と、または(+)-α-DHTBZと、または(+)-α-HTBZと、またはR,R,R-DHTBZと、または(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールと;または(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オールとも称され得る。
本明細書で使用される場合、「NBI-750142」という用語は、以下の構造:
Figure 2024532191000002
を有する化合物を指す。例えば、米国特許第11,040,970号を参照されたく、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載される化合物(例えば、VMAT2阻害剤)および医薬組成物(例えば、VMAT2阻害剤を含む医薬組成物)は、対象においてVMAT2の活性を阻害することができる。VMAT2を阻害する化合物は、神経学的および精神医学的な疾患および障害を処置する手段を提供するのに有用である。
VMAT2に関連する例示的な神経学的および精神医学的な疾患および障害には、多動性障害(すなわち、多動性運動障害または「多動症」)が含まれるが、これに限定されない。VMAT2阻害によって処置し得る疾患または障害のさらなる例は、例えば、米国特許第10,065,952号、同第10,857,137号、同第10,857,148号、同第10,912,771号、同第10,952,997号、同第10,993,941号、同第11,026,931号、および同第11,040,029号;に見出すことができ、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ;ならびに米国特許出願第20200078352号および同第20200397779号にも見出すことができ、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「多動性障害」または「多動性運動障害」または「多動症」は、過度な、異常な、不随意の運動によって特徴付けられる障害または疾患を指す。これらの神経学的障害には、振戦、ジストニア、ミオクローヌス、アテトーシス、ハンチントン病、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群、ジストニア、片側バリズム、舞踏病、老人性舞踏病、またはチックが含まれる。
本明細書で使用する場合、「遅発性症候群」は、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア、遅発性アカシジア、遅発性チック、ミオクローヌス、振戦および離脱時症候群(withdrawal-emergent syndrome)を範囲に含むが、これらに限定されない。遅発性ジスキネジアは、顔面、四肢、または体幹の急速な、反復的な、常同的な、不随意の運動によって特徴付けられる。
本明細書で使用される場合、「投与すること」は、当技術分野で認知された導入手段を介して、組成物または剤形を患者に導入するプロセスを指す。
本明細書で使用される場合、「障害」という用語は、「疾患」、「症候群」、および「状態」(病状のように)という用語と、すべてが、正常な機能を損なっているヒトまたは動物の身体またはその部分のうちの1つの異常状態を反映し、典型的には特徴的な徴候および症状によって顕在化するという点で、一般に同義であることを意図しており、互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「用量」は、患者によって一度に摂取される、活性薬剤の測定された量(quantity)を意味する。活性薬剤がVMAT2阻害剤の遊離塩基形態ではない、ある特定の実施形態では、量はVMAT2阻害剤の遊離塩基形態の相当量に対するモル当量である。例えば、しばしば薬物は、薬学的に許容される塩形態でパッケージングされ、強度に関する投与量は、対応する遊離塩基のモル当量の質量を指す。本明細書で使用される場合、投与される「用量」は、投与される「量(amount)」と互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、薬物、組成物または組合せの「有効量」および「治療有効量」は、無毒性であり、対象または患者(例えば、ヒト対象または患者)への投与の際にある程度の所望の治療効果を生じさせるのに有効な量である。対象に関する正確な治療有効量は、例えば、対象のサイズおよび健康状態、状態の性質および程度、投与のために選択される治療薬または治療薬の組合せ、ならびに当業者に公知の他の変数に依存し得る。所与の状況に関する有効量は、慣行的な実験によって決定され、臨床医の判断の範囲内にある。
本明細書で使用される場合、「患者」または「対象」は、治療が所望されるヒトを含む哺乳動物を意味し、一般には治療のレシピエントを指す。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」は、生物学的にまたは別の点で望ましくないものではない材料を指し、すなわち、材料は、望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、またはそれが含有される組成物の他の成分のいずれとも有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込むことができる。「薬学的に許容される」という用語が、医薬担体または賦形剤を指すために使用される場合には、担体もしくは賦形剤が毒性学的試験および製造試験の必要基準を満たしたこと、または担体もしくは賦形剤が、米国食品医薬品局によって作成された不活性成分ガイドに含まれることを意味する。「薬理学的活性」(または「活性」)誘導体または類似体におけるような「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)は、親化合物と同じ種類の薬理学的活性を有し、程度がほぼ同等である誘導体または類似体を指す。「薬学的に許容される塩」という用語には、無機酸、例えば、塩酸もしくはリン酸など、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などと形成される酸付加塩が含まれる。遊離カルボキシル基と形成される塩もまた、無機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基に由来し得る。
本明細書で使用される場合、「処置すること」または「処置」は、障害の進行を遅延させるかもしくは停止させるための治療的適用、障害の発症を予防するための予防的適用、および/または障害の反転を指す。障害の反転は、反転の方法によって障害の進行が完全に停止するだけでなく、細胞の挙動が、障害の非存在下で観察されるであろう正常な状態にある程度向かうという点で、障害を遅延させるかまたは停止させる治療的適用とは異なる。
医薬組成物
活性医薬成分としてのVMAT2阻害剤を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて含む、神経学的または精神医学的な疾患または障害の処置において使用するための医薬組成物も、本明細書で提供される。
賦形剤の選択は、特定の投与様式、活性成分の溶解性および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの要因に、かなりの程度依存する。
本明細書で提供される医薬組成物は、単位剤形または複数剤形で提供され得る。単位剤形は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物対象への投与に好適であって、当技術分野で公知のように個々にパッケージングされる物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、所望の治療効果を生じるのに十分な活性成分(複数可)の所定の分量を、必要とされる薬学的担体または賦形剤を伴って含有する。単位剤形の例には、アンプル、シリンジ、ならびに個々にパッケージングされた錠剤およびカプセルが含まれる。単位剤形は、その一部または複数で投与されてもよい。複数剤形は、分離された単位剤形で投与されるように単一の容器にパッケージングされた複数の同一の単位剤形である。複数剤形の例には、バイアル、錠剤もしくはカプセルの瓶、またはパイントもしくはガロンの瓶が含まれる。
本明細書で提供される医薬組成物は、単独で、または本明細書で提供される1つもしくは複数の他の化合物、1つもしくは複数の他の活性成分と組み合わせて投与され得る。本明細書で提供される医薬組成物は、経口、非経口および局所的投与のための種々の剤形で製剤化され得る。医薬組成物はまた、遅延放出、延長放出、長期放出、持続放出、パルス放出、制御放出、加速放出および迅速放出、標的化放出、プログラム放出、ならびに胃滞留剤形を含む調節放出剤形(modified release dosage form)として製剤化されてもよい。これらの剤形は、当業者に公知の従来の方法および技法に従って調製され得る。本明細書で提供される医薬組成物は、1回で、または時間間隔をおいて複数回で投与され得る。正確な投与量および処置の継続時間は、処置される患者の年齢、体重および状態に応じて変化してもよく、公知の試験プロトコールを使用して経験的に、またはin vivoもしくはin vitro試験もしくは診断データからの外挿によって決定されてもよいことが理解される。任意の特定の個体に関して、特定の投与レジメンは、個体の必要性、および製剤を投与するかまたは投与を監視する者の専門的な判断に応じて経時的に調整されるべきであることがさらに理解される。
経口投与
本明細書で提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体または液体剤形で提供され得る。本明細書で使用される場合、経口投与は、頬側投与、舌投与および舌下投与も含む。好適な経口剤形には、錠剤、カプセル、丸剤、トローチ、ロゼンジ、香錠、カシェ剤、ペレット、薬用チューイングガム、顆粒、バルク粉末、発泡性または非発泡性粉末または顆粒、溶液、エマルジョン、懸濁液、溶液、ウエハ、スプリンクル、エリキシルおよびシロップが含まれるが、これらに限定されない。活性成分(複数可)に加えて、医薬組成物は、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤、着色剤、移染防止剤、甘味剤および矯味矯臭剤を含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤を含有してもよい。
結合剤または造粒剤は、圧縮後に錠剤が無傷のままであることを確実にするために、錠剤に粘着性を付与する。好適な結合剤または造粒剤(granulator)には、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン(例えば、STARCH1500);ゼラチン;糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜およびラクトース;天然および合成ゴム、例えば、アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイリッシュモス抽出物、パンワールガム、ガティガム、イサブゴル殻の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラビノガラクタン(arabogalactan)、粉末状トラガカントおよびグアーガム;セルロース、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース、例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.、Marcus Hook、PA);ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。好適な充填剤には、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプンおよびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。結合剤または充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物中に約50~約99重量%存在してもよい。
好適な希釈剤には、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプンおよび粉糖が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の希釈剤、例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトールは、十分な分量で存在する場合、一部の圧縮錠剤に、噛むことによって口の中での崩壊を可能にする特性を付与することができる。そのような圧縮錠剤は、チュワブル錠として使用することができる。
好適な崩壊剤には、寒天;ベントナイト;セルロース、例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース;木製品;天然スポンジ;陽イオン交換樹脂;アルギン酸;ゴム、例えば、グアーガムおよびヴィーガムHV;柑橘類の果肉;架橋セルロース、例えば、クロスカルメロース;架橋ポリマー、例えば、クロスポビドン;架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム;ポラクリリンカリウム;デンプン、例えば、トウモロコシデンプン(com starch)、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびアルファ化デンプン;粘土;アライン(align);ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤の種類によって異なり、当業者には容易に識別可能である。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含有してもよい。
好適な滑沢剤には、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール、例えば、ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG);ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油を含む水素添加植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;セキショウシ;シリカまたはシリカゲル、例えば、AEROSIL(登録商標)200(W.R.Grace Co.,Baltimore、MD)およびCAB-0-SIL(登録商標)(Cabot Co.,Boston、MA);ならびにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.1~約5重量%の滑沢剤を含有してもよい。好適な流動促進剤には、コロイド状二酸化ケイ素、CAB-0-SIL(登録商標)(Cabot Co.,Boston、MA)およびアスベスト非含有タルクが含まれる。着色剤には、承認された、認定された水溶性FDおよびC染料、およびアルミナ水和物に懸濁化された水不溶性FDおよびC染料およびレーキ顔料、ならびにこれらの混合物のいずれかが含まれる。レーキ顔料は、水溶性染料を重金属の含水酸化物に吸着させ、染料の不溶性形態を生じさせることによる組合せである。矯味矯臭剤には、果実などの植物から抽出された天然の香料、ならびにペパーミントおよびサリチル酸メチルなどの心地良い味覚を生じる化合物の合成ブレンドが含まれる。甘味剤には、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、ならびに人工甘味料、例えば、サッカリンおよびアスパルテームが含まれる。好適な乳化剤には、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、ならびに界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標)80)、およびトリエタノールアミンオレエートが含まれる。懸濁化剤および分散剤には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、ヴィーガム、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが含まれる。保存剤には、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸(benzoic add)、安息香酸ナトリウムならびにアルコールが含まれる。湿潤剤には、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが含まれる。溶媒には、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップが含まれる。エマルジョンで利用される非水性液体の例には、鉱油および綿実油が含まれる。有機酸には、クエン酸および酒石酸が含まれる。二酸化炭素の供給源には、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが含まれる。
多くの担体および賦形剤が、同じ製剤内においても複数の機能を果たす場合があることが理解されるべきである。本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物、チュワブルロゼンジ、急速溶解性錠剤、複数の圧縮錠剤、または腸溶性コーティング錠、糖衣錠もしくはフィルムコーティング錠として提供され得る。腸溶性コーティング錠は、胃酸の作用に抵抗するが腸内で溶解または崩壊し、それにより胃の酸性環境から活性成分を保護する物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングには、脂肪酸、脂肪、サリチル酸フェニル、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック、および酢酸フタル酸セルロースが含まれるが、これらに限定されない。糖衣錠は、糖衣によって囲まれた圧縮錠剤であり、不快な味または臭いを隠すこと、および錠剤を酸化から保護することに有益であり得る。フィルムコーティング錠は、水溶性材料の薄層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングには、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが含まれるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖衣と同じ一般的な特徴を付与する。複数圧縮錠剤は、複数回の圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤であり、層状錠剤、およびプレスコーティングまたはドライコーティングされた錠剤を含む。
錠剤剤形は、粉末状、結晶性または顆粒状形態の活性成分から、単独で、または結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤および/もしくは着色剤を含む、本明細書に記載される1つもしくは複数の担体もしくは賦形剤と組み合わせて調製され得る。矯味矯臭剤および甘味剤は、チュワブル錠およびロゼンジの形成に特に有用である。
本明細書で提供される医薬組成物は、ゼラチン、メチルセルロース、デンプンまたはアルギン酸カルシウムから作製され得る軟質または硬質カプセルとして提供され得る。乾燥充填カプセル(DFC)としても公知である硬質ゼラチンカプセルは、1つが他方にすっぽり被さった2つの部分からなるため、活性成分を完全に封入する。軟質弾性カプセル(SEC)は、グリセリン、ソルビトールまたは同様のポリオールの添加によって可塑化されるゼラチンシェルなどの軟質の球状シェルである。軟質ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するための保存剤を含有してもよい。好適な保存剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベンならびにソルビン酸を含めて、本明細書に記載されるものである。本明細書で提供される液体、半固体および固体剤形は、カプセル内にカプセル封入されてもよい。好適な液体および半固体剤形は、炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中の溶液および懸濁液を含む。カプセルはまた、活性成分の溶解を改変するかまたは持続させるために、当業者に公知のようにコーティングされてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、エマルジョン、溶液、懸濁液、エリキシルおよびシロップを含む液体および半固体剤形で提供されてもよい。エマルジョンは、1つの液体が小球の形態で別の液体中に分散された二相系であり、水中油型または油中水型であり得る。エマルジョンは、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤および保存剤を含んでもよい。懸濁液は、薬学的に許容される懸濁化剤および保存剤を含んでもよい。アルコール水溶液には、薬学的に許容されるアセタール、例えば、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(「低級」という用語は、1~6個の炭素原子を有するアルキルを意味する)、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール;ならびに1つまたは複数のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒、例えば、プロピレングリコールおよびエタノールを含んでもよい。エリキシルは、透明な、甘味が付与された水性アルコール溶液である。シロップは、糖、例えば、スクロースの濃縮水溶液であり、保存剤も含有してもよい。液体剤形の場合、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液が、投与のために好都合に測定されるのに十分な分量の薬学的に許容される液体担体、例えば水で希釈されてもよい。
他の有用な液体および半固体剤形には、本明細書で提供される活性成分(複数可)、および1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテルを含むジアルキル化モノまたはポリアルキレングリコールを含有するものが含まれるが、これらには限定されず、ここで350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これらの製剤は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートをさらに含んでもよい。
また、経口投与用の本明細書で提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、またはナノシステムの形態で提供されてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、液体剤形に復元される非発泡性または発泡性の顆粒および粉末として提供されてもよい。非発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤には、希釈剤、甘味料および湿潤剤が含まれ得る。発泡性顆粒または粉末に使用される薬学的に許容される担体および賦形剤には、有機酸および二酸化炭素の供給源が含まれ得る。着色剤および矯味矯臭剤は、上記の剤形のすべてに使用することができる。本明細書で提供される医薬組成物は、即時放出剤形、または遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態およびプログラム放出形態を含む、調節放出剤形として製剤化されてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分と、または所望の作用を補う物質、例えば、制酸薬、プロトンポンプ阻害剤およびH受容体アンタゴニストと共製剤化されてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、局所投与または全身投与のために、注射、注入、または埋め込みによって、非経口的に投与することができる。本明細書で使用される場合、非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液包内、および皮下投与が含まれる。
非経口投与
本明細書で提供される医薬組成物は、非経口投与に好適な任意の剤形に製剤化することができ、これには液体、懸濁液、エマルジョン、ミセル、リポソーム、ミクロスフェア、ナノシステム、および注射前の液体中の溶液または懸濁液に好適な固体形態が含まれる。そのような剤形は、薬科学の当業者に公知の従来の方法に従って調製することができる。
非経口投与を意図した医薬組成物は、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対抗する抗菌剤または保存剤、安定剤、溶解性増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、増粘剤、pH調整剤、および不活性ガスを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数の薬学的に許容される担体および賦形剤を含んでもよい。
好適な水性ビヒクルには、水、食塩水、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロースおよび乳酸加リンゲル注射液が含まれるが、これらに限定されない。非水性ビヒクルには、植物起源の不揮発性油、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、落花生油、ハッカ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、水素添加植物油、水素添加ダイズ油、ならびにヤシ油およびパーム核油の中鎖トリグリセリドが含まれるが、これらに限定されない。水混和性ビヒクルには、エタノール、1,3-ブタンジオール、液体ポリエチレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400)、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドが含まれるが、これらに限定されない。
好適な抗菌剤または保存剤には、フェノール、クレゾール、水銀製剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピル-ヒドロキシベンゾエート(methyl and propyl phydroxybenzate)、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸が含まれるが、これらに限定されない。好適な等張剤には、塩化ナトリウム、グリセリン、およびデキストロースが含まれるが、これらに限定されない。好適な緩衝剤には、リン酸塩およびクエン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。好適な抗酸化剤は、重亜硫酸塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載されるものである。好適な局所麻酔薬には、塩酸プロカインが含まれるが、これに限定されない。好適な懸濁化剤および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンを含む、本明細書に記載されるものである。好適な乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、およびトリエタノールアミンオレエートを含む、本明細書に記載されるものが含まれる。好適な金属イオン封鎖剤またはキレート剤には、EDTAが含まれるが、これに限定されない。好適なpH調整剤には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が含まれるが、これらに限定されない。好適な錯化剤には、アルファ-シクロデキストリン、ベータ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-ベータ-シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7-ベータ-シクロデキストリン(CAPTISOL(登録商標)、CyDex、Lenexa、KS)を含むシクロデキストリンが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で提供される医薬組成物は、単回投与または複数回投与によって投与するために製剤化され得る。単回投与用製剤は、アンプル、バイアルまたはシリンジにパッケージングされる。複数回投与用の非経口製剤は、静菌性または静真菌性の濃度で抗菌剤を含有しなければならない。当技術分野において公知であって実践されているように、すべての非経口製剤は無菌でなければならない。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、すぐに使用できる無菌液剤として提供される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、使用前にビヒクルで復元される、凍結乾燥粉末および皮下注射用錠剤を含む無菌乾燥可溶性製品として提供される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、すぐに使用できる無菌懸濁剤として提供される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、使用前にビヒクルで復元される無菌乾燥不溶性製品として提供される。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、すぐに使用できる無菌乳剤として提供される。
本明細書で提供される医薬組成物は、即時放出剤形、または遅延放出形態、持続放出形態、パルス放出形態、制御放出形態、標的化放出形態、およびプログラム放出形態を含む調節放出剤形として製剤化されてもよい。
医薬組成物は、埋込みデポー剤として投与するための懸濁液、固体、半固体、またはチキソトロピー液として製剤化されてもよい。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、体液に不溶性であるが医薬組成物の活性成分の拡散は許容する外側ポリマー膜によって囲まれている、内側固体マトリックス中に分散される。
好適な内側マトリックスには、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコール、ならびに架橋されて部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニルが含まれる。
好適な外側ポリマー膜には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンとの塩化ビニルコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、ならびにエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマーが含まれる。
局所投与
本明細書で提供される医薬組成物は、皮膚、開口部、または粘膜に対して局所的に投与され得る。本明細書で使用される場合、局所投与には、真皮(内)投与、結膜(conjuctival)投与、角膜内投与、眼内投与、点眼投与、耳介投与、経皮投与、鼻投与、膣投与、尿道投与、呼吸器投与、および直腸投与が含まれる。
本明細書で提供される医薬組成物は、乳剤、液剤、懸濁剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏剤、ダスティングパウダー、被覆剤、エリキシル剤、ローション剤、懸濁剤、チンキ剤、ペースト剤、フォーム剤、フィルム剤、エアロゾル剤、潅注液、スプレー剤、坐薬、包帯、皮膚用パッチ剤を含む、局所効果または全身効果のための局所投与に好適な任意の剤形に製剤化され得る。本明細書で提供される医薬組成物の局所製剤はまた、リポソーム、ミセル、ミクロスフェア、ナノシステム、およびそれらの混合物を含んでもよい。
本明細書で提供される局所製剤における使用のために好適な、薬学的に許容される担体および賦形剤には、水性ビヒクル、水混和性ビヒクル、非水性ビヒクル、微生物の成長に対抗する抗菌剤または保存剤、安定剤、溶解性増強剤、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、懸濁化剤および分散剤、湿潤剤または乳化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、浸透促進剤、凍結保護剤、凍結乾燥保護剤、増粘剤、および不活性ガスが含まれるが、これらに限定されない。
また、医薬組成物を、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス、および極微針または無針注射、例えば、POWDERJECT(商標)(Chiron Corp.,Emeryville,CA)およびBIOJECT(商標)(Bioject Medical Technologies Inc.,Tualatin,OR)によって局所的に投与することもできる。
本明細書で提供される医薬組成物は、軟膏、クリーム、およびゲルの形態で提供されてもよい。好適な軟膏ビヒクルには、ラード、安息香酸ラード、オリーブ油、綿実油および他の油、白色ワセリンなどを含む油性または炭化水素基剤;乳化性または吸収基剤、例えば、親水ワセリン、ヒドロキシステアリンスルフェート、および無水ラノリン;水分除去性基剤、例えば、親水軟膏;さまざまな分子量のポリエチレングリコールを含む水溶性軟膏基剤;セチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラノリン、およびステアリン酸を含む、油中水型(W/O)エマルジョンまたは水中油型(O/W)エマルジョンのいずれかであるエマルジョン基剤が含まれる。これらのビヒクルは、皮膚軟化性であるが、一般に抗酸化剤および保存剤の添加を必要とする。
好適なクリーム基剤は、水中油型であってもよく、または油中水型であってもよい。クリームビヒクルは、水で洗浄可能であってもよく、油相、乳化剤、および水相を含有する。油相は「内」相とも呼ばれ、一般に、ワセリン、および脂肪アルコール、例えば、セチルアルコールまたはステアリルアルコールで構成される。水相は通常、必ずそうというわけではないが、容量において油相を上回り、一般に保湿剤を含有する。クリーム製剤中の乳化剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、または両性界面活性剤であってもよい。
ゲルは、半固体の懸濁液タイプの系である。単相ゲルは、液体担体の全体にわたって実質的に均一に分布する有機高分子を含有する。好適なゲル化剤には、架橋アクリル酸ポリマー、例えば、カルボマー、カルボキシポリアルキレン、Carbopol(登録商標);親水性ポリマー、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリビニルアルコール;セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびメチルセルロース;ゴム、例えば、トラガカントおよびキサンタンガム;アルギン酸ナトリウム;ならびにゼラチンが含まれる。均一のゲルを調製するために、分散剤、例えば、アルコールもしくはグリセリンを添加してもよく、またはゲル化剤を、研和、機械的混合、および/もしくは撹拌によって分散させてもよい。
本明細書で提供される医薬組成物は、坐薬、ペッサリー、ブジー、湿布薬またはパップ剤、ペースト剤、粉剤・散剤(powder)、被覆剤、クリーム剤、硬膏剤、避妊薬、軟膏剤、液剤、乳剤、懸濁剤、タンポン、ゲル剤、フォーム剤、スプレー剤、または浣腸剤の形態で、直腸に、尿道に、膣に、または膣周囲に投与され得る。これらの剤形は、従来のプロセスを使用して製造することができる。
直腸、尿道、および膣の坐薬は、身体の開口部に挿入するために固体の物体であり、常温では固体であるが、体温で融解または軟化して、開口部内部で活性成分(複数可)を放出する。直腸および膣の坐薬に利用される薬学的に許容される担体は、本明細書で提供される医薬組成物とともに製剤化された場合に、体温に近い融点をもたらす硬化剤などのビヒクル;ならびに重亜硫酸塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、本明細書に記載される抗酸化剤を含む。好適なビヒクルには、カカオ脂(テオブロマ油)、グリセリン-ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、鯨蝋、パラフィン、白蝋および黄蝋、ならびに脂肪酸のモノ、ジ、およびトリグリセリドの適切な混合物、ヒドロゲル、例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリル酸;グリセリンゼラチンが含まれるが、これらに限定されない。さまざまなビヒクルの組合せを使用することができる。直腸および膣の坐薬は、圧縮方法または成型によって調製することができる。直腸および膣の坐薬の典型的重量は、約2~3gである。
本明細書で提供される医薬組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏剤、乳剤、ゲル形成液剤、液剤用の粉剤・散在、ゲル剤、眼挿入物、および埋込剤の形態で、眼科的に投与することができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、鼻腔内に、または吸入によって気道に投与することができる。医薬組成物は、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、例えば、電気流体力学を使用して微細な霧を生み出すアトマイザー、またはネブライザーを使用して、単独で、または好適な噴射剤、例えば、1,1,1,2-テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンと組み合わせて、送達用のエアロゾル剤または液剤の形態で提供することができる。また、医薬組成物を、単独で、または不活性担体、例えば、ラクトースもしくはリン脂質と組み合わせて、吹送用の乾燥粉剤、および点鼻薬として提供することもできる。鼻腔内使用の場合、粉剤は、キトサンまたはシクロデキストリンを含む生体接着剤を含んでもよい。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーで使用するための液剤または懸濁剤は、本明細書で提供される活性成分の分散、可溶化もしくは放出延長のためのエタノール、水性エタノール、もしくは好適な代替剤、溶媒としての噴霧剤;および/または界面活性剤、例えば、ソルビタントリオレエート、オレイン酸、もしくはオリゴ乳酸を含むように製剤化され得る。
本明細書で提供される医薬組成物は、吸入による送達のために好適なサイズ、例えば、50マイクロメートルもしくはそれ未満、または10マイクロメートルもしくはそれ未満に微粒子化することができる。そのようなサイズの粒子は、当業者に公知の粉砕方法、例えば、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成する超臨界流体加工、高圧均質化、または噴霧乾燥を使用して、調製することができる。
吸入器または吹送器で使用するためのカプセル、ブリスターおよびカートリッジを、本明細書で提供される医薬組成物の粉末混合物;好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプン;および性能改質剤、例えば、/-ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムを含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であってもよく、または一水和物の形態であってもよい。他の好適な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。吸入/鼻腔内投与のための本明細書で提供される医薬組成物はさらに、好適な香料、例えば、メントールおよびレボメントール、または甘味剤、例えば、サッカリンもしくはサッカリンナトリウムを含んでもよい。
局所投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、即時放出、または遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム放出を含む調節放出であるように製剤化され得る。
調節放出
本明細書で提供される医薬組成物は、調節放出剤形として製剤化され得る。本明細書で使用される場合、「調節放出」という用語は、同じ経路によって投与された場合に、活性成分が放出される速度または場所が即時剤形のものとは異なる剤形を指す。調節放出剤形には、遅延放出剤形、延長放出剤形、長期放出剤形、持続放出剤形、拍動放出剤形またはパルス放出剤形、制御放出剤形、加速放出剤形および高速放出剤形、標的化放出剤形、プログラム放出剤形、ならびに胃内貯留剤形が含まれる。
調節放出剤形にある医薬組成物は、マトリックス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多粒子制御放出デバイス、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、ミクロスフェア、リポソーム、およびそれらの組合せを含むがこれらに限定されない、当業者に公知のさまざまな調節放出デバイスおよび方法を使用して調製することができる。また、活性成分(複数可)の放出速度を、活性成分(複数可)の粒径および多形性を変化させることによって調節することもできる。
調節放出剤形にある本明細書に提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリックス制御放出デバイスを使用して製造することができる。
ある特定の実施形態では、調節放出剤形にある本明細書で提供される医薬組成物は、合成ポリマー、ならびに天然ポリマーおよび誘導体、例えば、多糖類およびタンパク質を含む、水膨潤性、浸食性、または可溶性のポリマーである浸食性マトリックスデバイスを使用して製剤化される。
浸食性マトリックスの形成に有用な材料には、キチン、キトサン、デキストランおよびプルラン;寒天ゴム、アラビアゴム、カラヤガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガッチゴム、グアーガム、キサンタンガム、およびスクレログルカン;デンプン、例えば、デキストリンおよびマルトデキストリン;親水コロイド、例えば、ペクチン;ホスファチド、例えば、レシチン;アルギネート;アルギン酸プロピレングリコール;ゼラチン;コラーゲン;ならびにセルロース誘導体、例えば、エチルセルロース(EC)、メチルエチルセルロース(MEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMEC、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、酢酸セルロース(CA)、プロピオン酸セルロース(CP)、酪酸セルロース(CB)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAP、CAT、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、HPMCP、HPMCAS、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートトリメリテート(HPMCAT)およびエチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC);ポリビニルピロリドン;ポリビニルアルコール;ポリ酢酸ビニル;グリセロール脂肪酸エステル;ポリアクリルアミド;ポリアクリル酸;エタクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー(EUDRAGIT(登録商標)、Rohm America,Inc.、Piscataway、NJ);ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート);ポリラクチド;L-グルタミン酸およびエチル-L-グルタメートのコポリマー;分解性の乳酸グリコール酸コポリマー;ポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸;ならびに他のアクリル酸誘導体、例えば、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート、および(トリメチルアミノエチル)メタクリレートクロリドのホモポリマーおよびコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、非浸食性マトリックスデバイスを用いて製剤化される。活性成分は、不活性マトリックスに溶解または分散され、いったん投与されると、主に不活性マトリックスを通じた拡散によって放出される。非浸食性マトリックスデバイスとしての使用に好適な材料には、不溶性プラスチック、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル-メタクリル酸メチルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/アクリル酸エチルコポリマー、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンとの塩化ビニルのコポリマー、イオノマーポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコールターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー、ポリ塩化ビニル、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、ならびに;親水性ポリマー、例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、クロスポビドン、および架橋され部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニル;ならびに脂肪族化合物、例えば、カルナウバワックス(camauba wax)、微結晶性ワックスおよびトリグリセリドが含まれるが、これらに限定されない。
マトリックス制御放出系では、所望される放出動態を、例えば、使用されるポリマーの種類、ポリマーの粘度、ポリマーおよび/または活性成分(複数可)の粒径、活性成分(複数可)のポリマーに対する比、ならびに組成物中の他の賦形剤を介して制御することができる。
調節放出剤形にある本明細書で提供される医薬組成物は、直接圧縮、乾式または湿式造粒後の圧縮、融解造粒後の圧縮を含む、当業者に公知の方法によって調製することができる。
調節放出剤形にある本明細書で提供される医薬組成物は、一容器系、二容器系、非対称膜技術(AMT)および押出コアシステム(ECS)を含む、浸透圧制御放出デバイスを使用して製造することができる。一般に、そのようなデバイスは、少なくとも2つの構成要素:(a)活性成分(複数可)を収容するコア;および(b)そのコアを封入する少なくとも1つの送達ポートを有する半透膜を有する。半透膜は、送達ポート(複数可)を通じた押出によって薬物が放出されるように、水性の使用環境からコアへの水の流入を制御する。
活性成分(複数可)に加えて、浸透圧デバイスのコアは、必要に応じて、使用環境からデバイスのコアに水を輸送するための推進力を生み出す浸透圧剤を含む。浸透圧剤の1つのクラスは、水膨潤性親水性ポリマーであり、これらは「浸透ポリマー」および「ヒドロゲル」とも称される。好適な浸透圧剤には、親水性ビニルおよびアクリルポリマー、多糖類、例えば、アルギン酸カルシウム、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリル)酸、ポリ(メタクリル)酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、架橋PVP、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA/PVPコポリマー、疎水性モノマー、例えば、メタクリル酸メチルおよび酢酸ビニルとのPVA/PVPコポリマー、大きなPEOブロックを含有する親水性ポリウレタン、クロスカルメロースナトリウム、カラゲナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、およびカルボキシエチルセルロース(CEC)、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ゼラチン、キサンタンガム、ならびにデンプングリコール酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
浸透圧剤の他のクラスは、オスモゲンであり、これは水を吸収して、周囲のコーティングのバリア全体にわたって浸透圧勾配に影響を及ぼすことができる。好適なオスモゲンには、無機塩、例えば、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、硫酸カリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、塩化カリウムおよび硫酸ナトリウム;糖、例えば、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、ラクトース、マルトース、マンニトール、ラフィノース、ソルビトール、スクロース、トレハロースおよびキシリトール;有機酸、例えば、アスコルビン酸、安息香酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、セバシン酸、ソルビン酸、アジピン酸、エデト酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸、コハク酸および酒石酸;尿素;ならびにそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
溶解速度の異なる浸透圧剤を使用して、活性成分(複数可)が剤形から最初に送達される速度に影響を及ぼすことができる。例えば、Mannogeme EZ(SPI Pharma,Lewes,DE)などのアモルファス糖を使用して、最初の数時間の間はより迅速な送達を提供して、所望される治療効果を速やかに生じさせ、かつ残存量を段階的かつ継続的に放出して、長期間にわたって所望されるレベルの治療効果または予防効果を維持することができる。この場合、活性成分(複数可)は、代謝および排出される活性成分の量を置き換えるような速度で放出される。
コアはまた、剤形の性能を強化するため、または安定性もしくは加工を促進するために、本明細書に記載の多種多様な他の賦形剤および担体を含んでもよい。
半透膜を形成するのに有用な材料には、生理的に妥当なpHで水透過性および水不溶性であるか、または架橋などの化学変化によって水不溶性にされやすい、さまざまなグレードのアクリル、ビニル、エーテル、ポリアミド、ポリエステル、およびセルロース系誘導体が含まれる。コーティングを形成するのに有用な、好適なポリマーの例には、可塑化、非可塑化、および強化された酢酸セルロース(CA)、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、CAプロピオネート、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(CAB)、CAエチルカルバメート、CAP、CAメチルカルバメート、CAスクシネート、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、CAジメチルアミノアセテート、CAエチルカーボネート、CAクロロアセテート、CAエチルオキサレート、CAメチルスルホネート、CAブチルスルホネート、CA p-トルエンスルホネート、寒天アセテート、アミローストリアセテート、ベータグルカンアセテート、ベータグルカントリアセテート、アセトアルデヒドジメチルアセテート、ローカストビーンガムのトリアセテート、水酸化エチレン-酢酸ビニル、EC、PEG、PPG、PEG/PPGコポリマー、PVP、HEC、HPC、CMC、CMEC、HPMC、HPMCP、HPMCAS、HPMCAT、ポリ(アクリル)酸およびエステル、ならびにポリ(メタクリル)酸およびエステル、ならびにそれらのコポリマー、デンプン、デキストラン、デキストリン、キトサン、コラーゲン、ゼラチン、ポリアルケン、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックスおよび合成ワックスが含まれる。
半透膜はまた、米国特許第5,798,119号に開示されているような、孔が実質的にガスで充填されており、水性媒体によって湿潤されることはないが水透過性である、疎水性微細孔膜であってもよい。そのような疎水性であるが水透過性である膜は、典型的には、疎水性ポリマー、例えばポリアルケン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸誘導体、ポリエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン、ポリビニルハライド、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルエステルおよびエーテル、天然ワックス、ならびに合成ワックスで構成される。半透膜上の送達ポート(複数可)は、機械的穿孔またはレーザー穿孔によって、コーティング後に形成することができる。送達ポート(複数可)はまた、水溶性材料のプラグの浸食によって、またはコアの窪みの上の膜のより薄い部分の破断によって、in situで形成することもできる。加えて、送達ポートが、コーティングプロセスの間に形成されてもよい。
放出される活性成分(複数可)の総量および放出速度は、半透膜の厚さおよび多孔性、コアの組成、ならびに送達ポートの数、サイズおよび位置を介して実質的にモジュレートすることができる(can substantially by modulated)。
浸透圧制御放出剤形にある医薬組成物は、さらに、製剤の性能または加工を促進するために、本明細書に記載のさらなる従来の賦形剤を含んでもよい。
浸透圧制御放出剤形は、当業者に公知の従来の方法および技法に従って調製することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、活性成分(複数可)および他の薬学的に許容される賦形剤を含むコアをコーティングする非対称浸透圧膜を含む、AMT制御放出剤形として製剤化される。AMT制御放出剤形は、直接圧縮、乾式造粒、湿式造粒、および浸漬コーティング法を含む、当業者に公知の従来の方法および技法に従って調製することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、活性成分(複数可)、ヒドロキシエチルセルロース、および他の薬学的に許容される賦形剤を含むコアをコーティングする浸透圧膜を含む、ESC制御放出剤形として製剤化される。
調節放出剤形にある本明細書で提供される医薬組成物は、直径が約10pm~約3mm、約50pm~約2.5mm、または約100pm~約1mmの範囲にある多数の粒子、顆粒またはペレットを含む、多粒子制御放出デバイスとして製造することができる。そのような多粒子は、湿式または乾式造粒、押出/球形化、ローラー圧縮、融解凝固を含む、当業者に公知の(know to)プロセスによって、およびシードコアをスプレーコーティングすることによって作製することができる。
本明細書に記載されている他の賦形剤を、多粒子の加工および形成に役立つように医薬組成物と配合することができる。得られた粒子は、それ自体が多粒子デバイスを構成してもよく、またはさまざまなフィルム形成材料、例えば、腸溶性ポリマー、水膨潤性、および水溶性ポリマーによってコーティングされてもよい。多粒子を、カプセルまたは錠剤としてさらに加工することができる。
標的化送達
また、本明細書で提供される医薬組成物は、処置を受ける対象の身体の特定の組織、受容体、または他の領域を標的とするように製剤化されてもよく、これにはリポソームベース、再封赤血球ベース、および抗体ベースの送達系が含まれる。
標識化合物
一部の実施形態では、本明細書で提供されるVMAT2阻害剤は、VMAT2阻害剤の同位体バリアントである。本明細書で使用される場合、「同位体バリアント」は、そのような化合物を構成する原子のうちの1つまたは複数において、天然でない割合の同位体を含む化合物を意味する。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、水素(H)、重水素(H)、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、およびヨウ素-131(131I)を含むがこれらに限定されない、天然でない割合の1つまたは複数の同位体を含む。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、安定な形態にあり、すなわち、非放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、水素(H)、重水素(H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、および酸素-18(18O)を含むがこれらに限定されない、天然でない割合の1つまたは複数の同位体を含む。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、不安定な形態にあり、すなわち、放射性である。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、トリチウム(H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、および酸素-15(15O)を含むがこれらに限定されない、天然でない割合の1つまたは複数の同位体を含む。本明細書で提供される化合物において、当業者の判断に従って実現可能である場合、任意の水素が、例としてHであり得、または任意の炭素が、例として13Cであり得、または任意の窒素が、例として15Nであり得、任意の酸素が、例として18Oであり得ることは、理解される。ある特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、天然でない割合の重水素を含む。
本明細書で提供される化合物に関して、特定の原子位置が重水素または「D」または「d」を有すると指定される場合、その位置における重水素の存在量が、約0.015%という重水素の天然の存在量よりも実質的に多いことは理解される。重水素を有するとして指定される位置は、典型的には、指定された各重水素位置において、ある特定の実施形態では、少なくとも1000(15%の重水素組み込み)、少なくとも2000(30%の重水素組み込み)、少なくとも3000(45%の重水素組み込み)、少なくとも3500(52.5%の重水素組み込み)、少なくとも4000(60%の重水素組み込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組み込み)、少なくとも5000(75%の重水素組み込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組み込み)、少なくとも6000(90%の重水素組み込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組み込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組み込み)、少なくとも6600(99%の重水素組み込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素組み込み)の最小の同位体濃縮係数を有する。本明細書で提供される化合物の同位体濃縮は、質量分析法、核磁気共鳴分光法、および結晶学を含む、当業者に公知の従来の分析法を使用して決定され得る。
一部の実施形態では、本出願は、放射性標識化合物、およびその使用を提供する。一部の実施形態では、本明細書に提供される放射性標識化合物は、11C、13N、15O、18F、68Ga、89Zr、82Rb、124I、および131Iからなる群から選択される少なくとも1つの放射性同位体を含む。一部の実施形態では、放射性同位体は、陽電子放出体である。本明細書で使用される場合、用語「陽電子放出体」は、陽子が中性子に変換され、それによって陽電子および電子ニュートリノを放出する放射性同位体を指す。一部の実施形態では、陽電子放出体は、11Cまたは18Fである。一部の実施形態では、本明細書で提供される放射性標識化合物は、少なくとも1つの18F放射性同位体を含む。一部の実施形態では、本明細書で提供される放射性標識化合物は、画像化剤としての使用に好適である。一部の実施形態では、本明細書で提供される放射性標識化合物は、陽電子放射断層撮影(PET)画像化剤としての使用に好適である。
キット
本出願はさらに、例えば、本明細書中に言及される疾患および障害の処置において有用な医薬キットを含み、これは本明細書に記載される医薬組成物を含有する1つまたは複数の容器を含む。そのようなキットは、当業者には容易に明らかであるように、所望される場合、さまざまな従来の医薬キット構成要素の1つまたは複数、例えば、1つまたは複数の薬学的に許容される担体を有する容器、追加の容器などをさらに含むことができる。投与される構成要素の量、投与のためのガイドライン、および/または構成要素を混合するためのガイドラインを示す、挿入物またはラベルのいずれかとしての指示も、キットに含まれ得る。
略語
以下の略語を、本出願の全体を通して使用することができる。
Figure 2024532191000003
以下の実施例は、特許請求される発明をよりよく説明するために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとは解釈されるべきではない。特定の材料が言及されている限りにおいて、それは単に例示の目的であり、本発明を限定することを意図しない。当業者は、発明能力を行使することなく、かつ発明の範囲から逸脱することなく、同等の手段または反応物を開発することができる。
(実施例1)
18F]AV-133陽電子放射断層撮影(PET)を使用したNBI-98782の静脈内(i.v.)投与後の非ヒト霊長類(NHP)におけるVMAT2受容体占有度研究
本研究の目的は、非ヒト霊長類(NHP)の脳において、PETを使用して、NBI-98782の用量/血漿中濃度と、[18F]AV-133によるVMAT2占有度との関係を評価することであった。NBI-98782(すなわち、[+]-α-HTBZ;または(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール;または(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)は、VMAT2を阻害してシナプス前神経終末でのドパミン放出を減少させる治療薬として開発されたバルベナジンの活性代謝物である。放射性リガンドである[18F]AV-133は、脳VMAT2をin vivoで画像化し、定量するために使用されてきた。NHPにおけるPET研究は、新規化合物による脳へのアクセスおよびターゲットエンゲージメントに関する有用な情報を提供することが示されている。そのようなデータを使用して、新規CNS化合物のターゲットエンゲージメントを実証して、薬力学的アウトカムを指標化することができ、これにより、例えば、臨床現場において、重要な意味を持つ投与量範囲の特定が可能になる。
18F]AV-133の標識プロトコール
18F]AV-133は、以下の放射性合成スキームから調製された:
Figure 2024532191000004
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)クロマトグラムにより、標識後の最終的な精製された放射性標識[18F]AV-133の純度が実証された。
投与製剤の調製
18F]AV-133を、エタノールおよびアスコルビン酸を含む食塩水中で製剤化した。NBI-98782を0.9%滅菌食塩水に溶解させ、得られた溶液を、0.2μmの滅菌フィルターに通して濾過し、滅菌された空のガラスバイアルに入れた。濾過中の損失の可能性を回避するために、およそ5mLの製剤化材料をフィルターに通し、最終投与製剤の収集前に廃棄した。溶液を目視検査したところ、透明で粒子がないことが見出された。すべての調製物について、濃度は補正係数1.73を使用してNBI-98782の遊離塩基として報告される。
動物モデル
2頭の雌性非ナイーブカニクイザル(Macaca fascicularis)を本研究に使用した。動物は研究開始前に健康状態が良好であると判断された。研究開始時、動物A7701(タグID A5028)およびA7702(タグID A5029)はそれぞれ、4.45kg/4歳11か月および4.75kg/3歳10か月であった。
in vivo画像化研究
動物をベースライン時にビヒクル(0.9%食塩水)を用いて[18F]AV-133により画像化し、別の日にNBI-98782遮断後に画像化した。ビヒクルおよびNBI-98782を静脈内(i.v.)ボーラスとして投与し、その後に3時間かけて持続注入を行った。ビヒクル/NBI98782投与の1時間後に、[18F]AV-133を静脈内ボーラスとして注射した。研究デザインを表1-1にまとめる。
Figure 2024532191000005
用量投与
用量投与日に各動物の体重を測定した。2本の静脈ラインを設置して、(1)放射性医薬([18F]AV-133)および(2)被験物質(NBI-98782)またはビヒクル(0.9%食塩水)の投与に使用した。詳細については表1-2および表1-3を参照のこと。
個々の各PETスキャンの前に、サルを一晩絶食させた。NBI-98782またはビヒクルの投与の前に、ケタミン5~10mg/kgの筋肉内注射により動物を鎮静させた。動物に、麻酔維持を達成するためにイソフルランの持続的送達のための気管内チューブを挿管した。乳酸加リンゲル液(LRS)3~5mL/kg/hの静脈内投与により、水分補給を維持した。イソフルランおよび輸液のレベルを研究の過程で調整して、麻酔を維持した。
体温は温水ブランケットを使用して維持した。心拍数、呼吸数、酸素飽和度および体温を含むバイタルサインを、サルが麻酔下にある期間を通して少なくとも10~15分毎にモニターした。
画像の取得および処理
動的データを、MicroPET Focus-220カメラ(Siemens Microsystems, Knoxville, TN)で取得した。注射後120分間、発光データを収集し、一続きの33フレームに再構成して、すべての標準的な補正を適用した:正規化、ランダム、散乱および減衰(CTスキャンを介して)。動的脳PET画像を転送し、画像処理PMODソフトウェアパッケージv3.802(PMOD Technologies, Zurich, Switzerland)を使用して解析した。PET画像は、以前に取得した動物の脳のT1 MRIに厳密に位置合わせし、続いて解剖学的脳領域の定義のために一般的なカニクイザルMRIテンプレートに対して空間的に正規化した。
分析方法
NBI-98782濃度の評価
各スキャン中に、投与前(-5分)、被験物質の投与の4分後(ボーラス完了のおよそ1分後)、30分後、60分後([18F]AV-133放射性医薬の投与直前)、90分後、120分後、150分後、180分後(スキャン終了)に、全血PK試料を(K2 EDTAチューブ中に)収集した。PK試料は各およそ1mLであった(投与前試料を含めて計8mL)。PK試料の収集時間は、NBI-98782ボーラス投与の開始を基準とした。
カニクイザル血漿試料中のNBI-98782濃度を、検証されたLC-MS/MS法を使用して分析した。NBI-98782アッセイの定量範囲は0.50~500ng/mLであり、希釈完全性は12,500ng/mLまで実証されている。血漿試料を、安定な同位体で標識された内部標準物質13C-83198を加える液液抽出を使用して処理した。処理した試料を、C18逆相カラムでクロマトグラフィー分離し、検出のためにSciex API 4000トリプル四重極質量分析計に接続した。NBI-98782の平均濃度を表1-6に提示する。
LC-MS-MSによるCyno PET画像化研究におけるカニクイザルの安定化K2-EDTA血漿中のNBI-98782の非GLP決定
この方法は、LC-MS-MSによる100μLのカニクイザル血漿の分析に基づき、NBI-98782について0.500~500ng/mLの範囲で検証された。定量は、抽出日に調製した較正用標準物質から作成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。液液抽出は、内部標準溶液(およそ400ng/mLの[13C]-放射性標識[13C]-NBI-98854(すなわち、[13C]-バルベナジン)の10.0μL)および[13C]-NBI-83198(2種のジヒドロテトラベナジンエナンチオマーのラセミ混合物)の添加により開始した。すべての試料に炭酸ナトリウム溶液(0.2M)50.0μLおよびメチルtert-ブチルエーテル2.00mLを加えた後、チューブを密封し、ボルテックス処理して、遠心分離した。その後、有機層を清浄なチューブに移し、乾燥するまで蒸発させた。続いて、試料を150μLの復元溶液(水/メタノール/酢酸;80:20:0.2)で復元し、密封して、ボルテックス処理し、超音波処理して、遠心分離した。続いて、復元された抽出物を96ウェルプレートに移した。クロマトグラフィー分離は、HPLC Kinetex C18カラム(2.6μm、50×2.1mm)を用い、移動相A(水/酢酸アンモニウム溶液/酢酸;1000:5:1)および移動相B(2-プロパノール/メタノール/酢酸アンモニウム溶液/酢酸;300:700:5:1)を使用する勾配溶出を行うことによって達成した。TurboIonSpray源を備えた三重四重極質量分析計(Sciex API 4000)を陽イオンモードで使用した。定量は、NBI-98782および[13C]-NBI-83198のm/z遷移の多重反応モニタリング(MRM)に基づいた。
組織取り込みの可視化
カニクイザルのテンプレート空間(例えば、Ballanger et al. Neuroimage, 2013, 77:26-43を参照)内で定義された関心容積(VOI)を、空間的に正規化されたPET画像に適用して、尾状核(0.96cm)、被殻(1.34cm)および後頭葉(8.61cm)について時間-活性曲線(TAC、kBq/cm)を計算した。TACおよび画像(90~120分間で平均)は、動物の体重および注射用量によって正規化した標準取り込み値(SUV)単位(g/mL)で提示した。
画像の定量化
非侵襲性Loganグラフ解析(適合(fit)の開始時間、t=30分)を使用し、小脳皮質を基準TACとした上で尾状核および被殻のTACを使用して、局所的な置換可能でない結合能(BPND)を推定した。BPNDは、ベースラインおよびNBI-98782スキャンにわたって尾状核および被殻で計算した。標的占有度は、式2-1に従って計算した。
Figure 2024532191000006
尾状核と被殻との間(すなわち、線条体)で平均化したVMAT2での占有度と、スキャンの時間中に投与されたNBI-98782の用量または平均血漿中濃度との関係を、式2-2に従って、最大占有度を100%に固定した単一特異的結合部位Emaxモデルを使用して決定した:
Figure 2024532191000007
式中、hはヒル勾配(h=1.0)であり、Cはスキャニング間隔(投与後の60~180分間)中に観察された血漿中濃度の平均値である。
結果
2頭の雌性カニクイザルを、ベースラインおよびNBI-98782の投与後に[18F]AV-133(5.5±0.9mCi)により画像化して、スキャンの時間中の平均総NBI-98782濃度(NBI-98782の投与後の60~180分間の平均濃度)と、線条体におけるVMAT2占有度(尾状核および被殻から平均した占有度)との関係を調べた。表1-2および表1-3は、各評価について[18F]AV-133およびNBI-98782注射の情報を示す。評価全体にわたって、[18F]AV-133 SUV画像を図4に示し、TACを図5に示す。
ベースラインでは、尾状核および被殻における[18F]AV-133の取り込みは、脳の残りの部分に比して高かった。[18F]AV-133結合の用量依存的かつ濃度依存的な減少が、NBI-98782の投与後に観察された。BPNDおよび占有度を、動物A7701については表1-4に、動物A7702については表1-5に示す。総NBI-98782濃度および[18F]AV-133線条体占有度を、表1-6に示す。NBI-98782の占有度と総血漿中濃度との関係を図6に示す。50%有効総濃度(EC50)は3.8ng/mLであり、95%信頼区間は1.9ng/mL~7.5ng/mLであった。
Figure 2024532191000008
Figure 2024532191000009
Figure 2024532191000010
Figure 2024532191000011
Figure 2024532191000012
結論
NHP脳における[18F]AV-133 PET画像化によって測定したところ、VMAT2のNBI-98782線条体占有度は濃度依存性であった。ヒル勾配1.0および固定値である最大占有度100%を用いるEmaxモデルを使用したところ、VMAT2占有度について総血漿中NBI-98782濃度のEC50は3.8ng/mL(95%信頼区間:1.9ng/mL~7.5ng/mL)であった。カニクイザルのPPBデータを使用したところ、遊離(非結合)EC50は1.5ng/mLであった(例えば、図13を参照)。
遅発性ジスキネジアの第3相試験で有効性が実証された2種のバルベナジン用量(40mgおよび80mg)をバルベナジンの公知の薬物動力学特性とともに使用し、上記のPET法を適用して、TD処置のためのバルベナジンの治療レベルでのVMAT2標的占有度(%TO)を推定した。ヒトにおける定常状態でのNBI-98782の遊離血漿中濃度を、40mg、60mgまたは80mgのバルベナジンの毎日1回投与後に、NBI-98782の総血漿中濃度およびヒトPPBデータから推定した。続いて、NHP PETから得られた遊離EC50を使用して、バルベナジンの臨床的に有効な用量に基づく定常状態でのNBI-98782の最高、平均および最小血漿中濃度(Cmax、Cave、Ctrough)について、ヒトにおける%TOを推定した。
EC50データを定常状態でのヒトのPKデータに適用したところ、図11に示すように、以下のように毎日1回のバルベナジン投与によりVMAT2標的占有度が維持されることが示された:40mg(73%~82%);60mg(82%~88%);80mg(85%~91%)。遅発性ジスキネジアの処置において臨床的に有効であることが実証された用量で、バルベナジンは各24時間の期間を通して高いVMAT2占有度(≧73%)を維持すると推定される(図11を参照)。妥当な標的占有度(Caveでは約80%)が、TDを有する全患者に対する推奨開始用量(および承認された最低用量)である毎日1回40mgのバルベナジンで達成され、このことは処置開始から潜在的な生物学的効果があることを示す。カニクイザルにおいてVMAT2標的占有度が推定96%~98%では(図12を参照)、投与の約30分~1時間後に部分的な閉眼(眼瞼下垂)(すべてのサル)、活動低下(2/3のサル)、および流涎(サル1頭)を含む臨床的観察が記録された。
第3相臨床試験でバルベナジン80mgについてバルベナジン40mgと比較してより大きなエフェクトサイズが観察されたことに基づき、本試験の結果は、高い持続的占有度(85%以上)およびVMAT2阻害が、TDに対する最大の有効性を支持することを示唆する。サルにおける有害作用が95%を上回る占有度で観察されたことからみて、これらの結果は、バルベナジン80mgの毎日1回投与は、有害作用を回避しながら(TOを概ね95%未満に保つことによって)、有効性を最大化するように(例えば、85% TOを上回ることおよび維持することによって)薬理学的に最適化され得ることを示唆する。本明細書に記載されたプロセスは、バルベナジンの臨床的有効性を%TO推定値と対応させた。これらの値は、図12にまとめたように、続いて、任意のテトラベナジン類似体VMAT2阻害剤に対して比較するための基準値として役立つ可能性がある。これらの基準値はTDの処置における有効性によって定義されるが、これらの基準値は任意の治療領域においてVMAT2阻害剤の有効性を探索するための好適な「規範事例」として役立つであろうことが提唱される。
(実施例2)
18F]AV-133陽電子放射断層撮影(PET)を使用したNBI-750142の静脈内(i.v.)投与後の非ヒト霊長類(NHP)におけるVMAT2受容体占有度研究
本研究の目的は、非ヒト霊長類(NHP)の脳において、PETを使用して、NBI-750142の用量/血漿中濃度と、[18F]AV-133によるVMAT2占有度との関係を評価することであった。放射性リガンドである[18F]AV-133は、脳VMAT2をin vivoで画像化し、定量するために使用されてきた。NHPにおけるPET研究は、新規化合物による脳へのアクセスおよびターゲットエンゲージメントに関する有用な情報を提供することが示されている。そのようなデータを使用して、新規CNS化合物のターゲットエンゲージメントを実証して、薬力学的アウトカムを指標化することができ、これにより、例えば、臨床現場において、重要な意味を持つ投与量範囲の特定が可能になる。
18F]AV-133の標識プロトコール
18F]AV-133は、以下の放射性合成スキームに従って調製された:
Figure 2024532191000013
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)クロマトグラムにより、標識後の最終的な精製された放射性標識[18F]AV-133の純度が実証された。
投与製剤の調製
18F]AV-133を、アスコルビン酸ナトリウム(4.66mg/mL)および10%以下のエタノールを含む食塩水中で製剤化した。NBI-750142を0.9% USPグレードの食塩水に溶解させ、得られた溶液を0.2μmの滅菌フィルターに通して濾過し、滅菌された空のガラスバイアルに入れた。溶液を目視検査したところ、透明で目に見える粒子がないことが見出された。すべての調製物について、濃度は補正係数1.59を使用してNBI-750142の遊離塩基として報告される。
動物モデル
3頭の非ナイーブカニクイザル(Macaca fascicularis)を本研究に使用した。動物は本研究開始前に健康状態が良好であると判断された。研究開始時、動物はそれぞれ7歳(雌性、EC865)、8歳(雄性、GC786)および9歳(雌性、LC206)であり、体重はそれぞれ4.2kg、7.0kgおよび5.4kgであった。
in vivo画像化研究
動物をベースライン時にビヒクル(0.9%食塩水)を用いて[18F]AV-133により画像化し、別の日にNBI-750142遮断後に画像化した。ビヒクルおよびNBI-750142を静脈内(i.v.)ボーラスとして投与し、その後に3時間かけて持続注入を行った。ビヒクル/NBI-750142投与の1時間後に、[18F]AV-133を静脈内ボーラスとして注射した。研究デザインを下の表2-1にまとめる
Figure 2024532191000014
用量投与
用量投与日に各動物の体重を測定した。2本の静脈ラインを設置して、(1)放射性医薬([18F]AV-133)および(2)被験物質(NBI-750142)またはビヒクル(0.9%食塩水)の投与に使用した。詳細については表2-2を参照のこと。
Figure 2024532191000015
個々のPETスキャンの前に、サルを8~12時間絶食させた。NBI-750142またはビヒクルの投与の少なくとも60分前に、動物をアフラキサン2mg/kg、デクスメデトミジン0.02mg/kg、およびミダゾラム0.3mg/kg(筋肉内、IM)の組合せで鎮静させ、画像検査室(imaging suite)に移送した。1%リドカインを1~2滴、喉頭上に局所的に適用し、挿管により誘発される炎症を制御した。動物に直ちに気管内チューブの挿管を行い、再呼吸または非再呼吸回路を介して、麻酔維持のために酸素(1.5~2.5L)および1.0~2.5%イソフルランを継続的に送達した。ゾフラン1.0mg/kg(皮下、SC)およびデキサメタゾン0.5mg/kg(IM)は、それぞれ悪心および炎症を制御するために挿管直後に投与された。水分補給は、乳酸加リンゲル液(LRS)+5%デキストロースにより4~10mL/kg/時間(i.v.)で維持した。イソフルランおよび流体のレベルは研究の過程中に調整して、麻酔を維持した。
体温は温水ブランケットを使用して35~40℃に維持した。心拍数、血圧、呼吸数、酸素飽和度、体温を含むバイタルサインを、サルが麻酔下にある期間を通して少なくとも10~15分毎にモニターした。グリコピロレート(0.01mg/kg IM)は、挿管により誘発される唾液分泌を制御するために研究の最後に投与された。
画像の取得および処理
動的データを、MicroPET Focus-220カメラ(Siemens Microsystems, Knoxville, TN)で取得した。注射後120分間の発光データを収集し、一続きの33フレームに再構成して、すべての標準的な補正を適用した:正規化、ランダム、散乱および減衰。動的脳PET画像を転送し、画像処理PMODソフトウェアパッケージv3.802(PMOD Technologies, Zurich, Switzerland)を使用して解析した。PET画像は、以前に取得した動物の脳T1 MRIに厳密に位置合わせし、続いて解剖学的脳領域の定義のために一般的なカニクイザルMRIテンプレートに対して空間的に正規化した。
分析方法
NBI-750142濃度の評価
各スキャン中に、投与前(-5分)、被験物質の投与の1分後(ボーラス終了)、30分後、60分後([18F]AV-133放射性医薬の投与直前)、90分後、120分後、150分後、180分後(スキャン終了)に、全血PK試料を(K2 EDTAチューブ中に)収集した。PK試料はそれぞれ約1mLであった(投与前試料を含めて計8mL)。PK試料の収集時間は、NBI-750142ボーラス投与の開始を基準とした。
カニクイザル血漿試料中のNBI-750142濃度を、適格なLC-MS/MS生物分析法を使用して分析した。本アッセイの定量範囲は0.25~250ng/mLであり、希釈完全性は1250ng/mLまで実証されている。血漿試料を、アセトニトリル中の0.1%ギ酸によるタンパク質沈殿抽出および安定な重水素同位体で標識された内部標準NBI-750142-D6の添加を使用して処理した。処理した試料を、C18カラム上でクロマトグラフィー分離し、Sciex API 4000トリプル四重極質量分析計に接続した。NBI-750142の濃度を表2-6に示す。
LC-MS-MSによるカニクイザルK2-EDTA血漿中のNBI-750142の決定
本研究で使用した方法は、LC-MS-MSによる血漿100μLの分析に基づいて0.250~250ng/mLの範囲で適格とされた。定量は、較正用標準物質から作成した加重1/x2線形最小二乗回帰分析を使用して行った。タンパク質沈殿抽出手順は、内部標準溶液(約100ng/mLの重水素化NBI-750142-D6の20.0μL)の添加により開始した。400μLのアセトニトリル/ギ酸(1000:1.00)を添加した後、チューブを密封し、ボルテックス処理して、遠心分離した。その後、上清100μLを400μLの水/ギ酸(1000:1.00)を含む新しいプレートに移した。クロマトグラフィー分離は、HPLC Kinetex C18カラム(2.6μm、2.1×50mm)を用い、移動相A(水/ギ酸;1000:1.00)および移動相B(アセトニトリル/メタノール/ギ酸;500:500:1.00)を使用する勾配溶出を行うことによって達成した。TurboIonSpray源を備えた三重四重極質量分析計(Sciex API 4000)を陽イオンモードで使用した。定量は、NBI-750142およびNBI-750142-D6のm/z遷移の多重反応モニタリング(MRM)に基づいた。
組織取り込みの可視化
カニクイザルのテンプレート空間(例えば、Ballanger et al. Neuroimage, 2013, 7:26-43を参照)内で定義された関心容積(VOI)を、空間的に正規化されたPET画像に適用して、尾状核(0.96cm)、被殻(1.34cm)および小脳(3.81cm)について時間-活性曲線(TAC、kBq/cm)を計算した。TACおよび画像(60~120分間で平均)は、動物の体重および注射用量によって正規化した標準取り込み値(SUV)単位(g/mL)で提示した。
画像の定量化
非侵襲性Loganグラフ解析(適合の開始時間、t=35分)を使用し、小脳皮質を基準TACとした上で尾状核および被殻のTACを使用して、局所的な置換可能でない結合能(BPND)を推定した。BPNDは、ベースラインおよびNBI-750142スキャンにわたって尾状核および被殻で計算した。標的占有度は、式1-1に従って計算した。
Figure 2024532191000016
尾状核と被殻との間(すなわち、線条体)で平均化したVMAT2での占有度と、スキャンの時間中に投与されたNBI-750142の用量または平均血漿中濃度との関係を、式1-2に従って、最大占有度を100%に固定した単一特異的結合部位Emaxモデルを使用して決定した。
Figure 2024532191000017
式中、hはヒル勾配(h=1.0)であり、Cはスキャニング間隔(投与後の60~180分間)中に観察された血漿中濃度の平均値である。
結果
3頭のカニクイザルを、ベースラインおよびNBI-751042の投与後に[18F]AV-133(3.33±0.45mCi)により画像化して、スキャンの時間中の平均総NBI-750142濃度(NBI-750142の投与後の60~180分間の平均濃度)と、線条体におけるVMAT2占有度(尾状核および被殻から平均した占有度)との関係を調べた。表2-2は、各評価について[18F]AV-133およびNBI-750142注射の情報を示す。評価全体にわたって、[18F]AV-133 SUV画像を図1A~1Dに示し、TACを図2に示す。ベースラインでは、尾状核および被殻における[18F]AV-133の取り込みは、脳の残りの部分に比して高かった。[18F]AV-133結合の用量依存的な減少が、NBI-750142の投与後に観察された。動物LC206、EC865およびGC786における評価について、BPNDおよび占有度をそれぞれ表2-3、表2-4および表2-5に示す。総NBI-750142濃度および[18F]AV-133線条体占有度を表2-6に示す。NBI-750142の占有度と総血漿中濃度との関係を図3Aに示し、ここで50%有効総濃度(EC50)は11ng/mLであった。
Figure 2024532191000018
Figure 2024532191000019
Figure 2024532191000020
Figure 2024532191000021
結論
NHP脳におけるVMAT2でのNBI-750142の濃度依存的占有度を、[18F]AV-133およびPETにより測定した。ヒル勾配1のEmaxモデルを使用したところ、占有度は総血漿NBI-750142濃度と関連付けられ、EC50は11ng/mLであった。NBI-98782に使用したのと同じプロセス(実施例1参照)に従って、上記のPET法をヒト薬物動態データに適用して、NBI-750142についてVMAT2標的占有度(%TO)を推定した(図3B参照)。60mg BIDのNBI-750142(ヒトにおける最大許容用量と予想される用量)は、バルベナジンの中程度有効用量よりも低い%TOを達成すると推定されることが決定された。したがって、NBI-750142は、その最大許容用量として、TDの処置においてバルベナジンほど有効であるとは期待されないであろう。これらのデータは、本明細書に記載されたプロセスを使用して、VMAT2化合物を早期の段階でさらなる開発のために評価することができる一例として役立ち、VMAT2阻害剤の臨床開発のための効果的かつ効率的な意思決定を可能にする。理論には拘束されないが、実施例(例えば、カニクイザルPETのヒトPKデータとの照合)に記載されたプロセスは、少なくともテトラベナジン類似体VMAT2阻害剤を開発するためには有用であり得ると考えられる。
(実施例3)
18F]AV-133を使用したNBI-750142の単回経口投与のVMAT2標的占有度を調べるための健常成人男性対象におけるオープンラベル陽電子放射断層撮影試験
本試験は、健常対象におけるNBI-750142の単回経口投与後のVMAT2の脳透過およびターゲットエンゲージメントを評価するために実施された。本PET試験では、NBI-750142のin vivoでのVMAT2とのエンゲージメントを、投与後の2つの時点で評価した。逐次コホートデザインにより、前の各コホートからの安全性、標的占有度および利用可能な薬物動態(PK)データを、次のコホートの用量レベルの選択前に評価することが可能となった。NBI-750142の用量(最大200mg)の範囲を試験して、NBI-750142の血漿中濃度と選択された脳領域におけるVMAT2のエンゲージメントとの関係を調査した。
本試験は、[18F]AV-133 PET画像化を使用する、最大12名の健康な男性対象を対象としたNBI-750142の単一施設、オープンラベル、単回投与、標的占有度の第I相試験であった。本試験は、最大6コホートの逐次コホートデザインを有し、各用量コホートにつき2~4名の対象にNBI-750142を単回経口投与した。合計12名の対象が試験を完了した。本試験に登録された対象は、以下に詳述するように4回に分けて臨床試験現場への報告が求められた。
スクリーニング期間(-28日目~-2日目)
投与日は1日目である。-1日目は投与日の前日、-2日目は投与日の48時間前、-n日目は投与日のn日前である。適格性を判断するためにスクリーニング評価が実施された(被験薬の投与前28日以内)。すべてのスクリーニング安全性評価は、対象が医学的に健康であることを確認するために実施された。適格性を評価するために、すべての対象で脳磁気共鳴画像(MRI)が取得された。MRIは、対象のPET加算画像への共登録により、解剖学的位置決定およびROI(関心領域)分析のためにも利用された。
対象が適格であるとみなされたが、28日間のスクリーニング期間内に登録されなかった場合、試験中の再スクリーニングは許容された。再スクリーニング来院中、対象は、新たな臨床的に重要な病歴または身体所見、臨床検査プロファイル、バイタルサイン、またはECG上の臨床的に重要な所見がなく、医学的に健康であることを確認するために、プロトコールに従ってすべてのスクリーニング安全性評価を繰り返した。脳MRIは安全性評価パネルの一部ではなかったため、再スクリーニング来院から1年以内に実施された場合、MRIを繰り返す必要はなかった。
スクリーニング評価の完了後、適格対象には以下のように指示された:
・禁止薬物の摂取を控える
・-1日目前の48時間(投与日から測定)は、アルコールおよびカフェイン入り製品の摂取を控える
・第-14日から-1日目までの間(投与日から測定)にベースライン評価のために治験センターに戻る
ベースライン評価(-14日目から-1日目まで)
対象は1日目(投与日)前の14日間以内にベースライン評価手順を受けた。ベースライン来院の前日に、対象は治験センターに入院した。対象は医学的に評価され、試験の組み入れ/除外基準を満たしていることが確認された。入院時に尿薬物スクリーニング(UDS)、尿中コチニンおよび尿中アルコール検査を行った。翌日にベースライン[18F]AV-133 PETスキャンを行った。ベースライン来院日の翌日にNBI-750142投与が行われた場合、ベースライン評価とNBI-750142投与の間に対象は退院しなかった。
投与前日(-1日目)
対象は、NBI-750142投与前日(-1日目)に治験センターにまだ入院していない場合は入院し、3日目に退院した。
処置およびフォローアップの期間(1日目~3日目)
各用量コホートに2名の対象を最初に登録した。各対象は、スクリーニング中に構造的脳磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを1回、[18F]AV-133 PETスキャンを最大3回(ベースラインスキャンを1回、NBI-750142の単回用量を受けた後のフォローアップスキャンを最大2回)受けた。第1のコホートに登録された対象は、1日目にNBI-750142 100mgの単回用量を経口投与された。PETスキャンは、1日目にNBI-750142投与の約1.5時間後に、2日目にNBI-750142投与の約18時間後に実施された。続いて、3日目にすべての手技および評価が完了した後に、対象は治験センターから退院した。
最終の治験来院(10日目±2日または早期終了)
対象は10日目(±2日)に最終の治験来院のために施設に戻った。身体および神経学的検査、有害事象評価、心電図、バイタルサインおよび臨床検査を含む、安全性評価が行われた。
組み入れ基準および除外基準
対象は、以下の組み入れ基準を満たすことが本試験への適格性の要件とされた:
1.スクリーニング時に18歳~55歳である男性。
2.医学的に健康であり、スクリーニング時または-1日目の身体検査、検査室で得たプロファイル、バイタルサインまたは心電図において、臨床的に重大な病歴または臨床的に重大な所見がないこと。
3.肥満度指数(BMI)が18kg/m以上でかつ30kg/m以下であること。
4.男性対象およびその妊娠可能なパートナーは、2種の避妊法の使用を約束しなければならない。そのうちの1つは、試験期間中の男性対象に対するバリア法である。
5.男性対象は、試験期間中および試験終了後の90日間は精子を提供してはならない。
6.インフォームド・コンセント文書(ICF)を読み、理解し、署名して、日付を記入することができる。
7.激しい不慣れな運動およびスポーツを控えることを含め、すべての試験手順および制限事項を進んで遵守する。
8.義務付けられている期間は治験ユニットのみにとどまり、フォローアップ来院時には必ず戻ることに同意する。
対象は、本試験の適格性を得るために以下の除外基準のいずれにも該当しないことが求められた:
1.スクリーニング前の1年以内に不安定な心理的障害があるか、または自殺もしくは暴力的行動の著しいリスクがある。
2.痙攣発作、てんかん、重大な脳損傷もしくは脳病変、脳卒中もしくは一過性脳虚血発作、または頭蓋内手術もしくは脳手術の既往がある。
3.現在、臨床的に重大な心血管疾患を有するか、またはスクリーニングのECGに異常が認められる。これにはスクリーニングまたはベースライン時にフリデリシアの式を使用して3回補正したQT間隔の平均値(QTcF)が450msecを上回るか、またはQT延長症候群の既往歴があることが含まれるが、これらに限定されない。
4.スクリーニング時にヒト免疫不全ウイルス抗体(HIV-Ab)検査結果が陽性、B型肝炎表面抗原(HBsAg)検査結果が陽性、もしくはC型肝炎ウイルス抗体(HCV-Ab)検査結果が陽性でHCV-Abポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が陽性であるか、または陽性の結果の既往がある。
5.スクリーニング時のヘモグロビン値が12g/dL未満である。
6.スクリーニング時のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、または総ビリルビン値が正常値上限(ULN)を上回る。ジルベール症候群との診断が記載されている対象はビリルビン基準を満たす必要はない。
7.スクリーニング時または-1日目にアルコール尿検査陽性またはUDS(アンフェタミン、バルビツール酸、ベンゾジアゼピン、フェンシクリジン、コカイン、アヘン剤、またはカンナビノイドについて陽性)を有する。
8.-1日目の7日以内に毎日2杯を上回るかもしくは毎週14杯を上回るアルコール飲料を摂取しているか、-1日目の48時間以内に何らかのアルコールを摂取している。
9.-1日目の前の60日以内にニコチンまたは大麻製品を使用した。
10.アセトアミノフェン(推奨用量内)を除き、処方薬または市販薬(OTC)を-1日目の前の7日以内に使用したこと。
11.ビタミンおよびミネラル(ハーブ調製物が補足されたものを除く)を除き、代替/補完医療製品(例えば、ハーブサプリメント、薬用茶、クレアチン、スポーツサプリメント)を-1日目の前の7日以内に使用した。ビタミンおよびミネラルは毎日の推奨栄養許容量(RDA)の用量以内でなければならない(例えば、毎日のマルチビタミン)。
12.CYP3A4/5の強力な誘導物質(例えば、リファンピン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン、プリミドン、セントジョーンズワート)を、-1日目の前の30日以内に使用した。
13.CYP3A4/5の強力な阻害剤(例えば、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル)を、-1日目の前の14日以内または5半減期(いずれか長い方)以内に服用した。
14.CYP2D6阻害剤(例えば、ブプロピオン、フルオキセチン、パロキセチン、キニジン)を-1日目の前の14日以内または5半減期(いずれか長い方)以内に服用した。
15.モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)(例えば、イソカルボキサジド、トラニルシプロミド、フェネルジン、セレギリン、ラサギリン)を-1日目の30日以内に服用した。
16.VMAT2阻害剤(例えば、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、またはレセルピン)を-1日目の前の30日以内に服用した;任意の時点で[18F]AV-133注射またはNBI-750142。
17.ベースラインの[18F]AV-133注射の前の30日以内に、[18F]AV-133 PET画像化に干渉する可能性のある、併用処置の項に記載されている医薬品のいずれかを服用している:メチルフェニデート、レセルピン、アンフェタミン誘導体、デキストロアンフェタミン誘導体、メチルフェニデート誘導体、またはブプロピオン。
18.QT延長を引き起こすことが公知である薬剤を現在服用している。
19.治験責任医師が治験への参加を妨げる可能性があると判断した、他の何らかの医学的または精神医学的な状態または臨床検査値の異常。
20.VMAT2阻害剤(例えば、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、またはレセルピン)に対するアレルギー反応の既往がある。
21.現在、物質乱用(例えば、鎮痛薬、トランキライザー、オピオイド、刺激薬、気分調節薬)があるか、または薬物依存が判明している。
22.-1日目の前の過去30日間に1日5杯を上回るカフェイン含有飲料を摂取したと自己申告しているか、または-1日目の前の48時間以内にカフェイン含有製品を摂取したと自己申告している。
23.-1日目の前の7日以内にグレープフルーツジュースまたはグレープフルーツ製品を摂取した。
24.判明している場合は製品の5半減期に相当する期間内に何らかの被験製品を投与されたことがあり、または-1日目の前の少なくとも60日間に投与されたことがある。
25.臨床試験におけるコンプライアンス不良の既往、またはその疑いがある。
26.-1日目の56日以内に500mL以上の失血または献血がある。
27.脳MRIで以下の所見のいずれかがある:感染症、占拠性病変、正常圧水頭症、またはCNS疾患に関連する他の何らかの異常の所見。
28.インプラント、例えば、植込み型心臓ペースメーカーもしくは除細動器、インスリンポンプ、人工内耳、金属眼内異物、植込み型神経刺激器、CNS動脈瘤クリップ、もしくはMRI用に認証されていない他の医療用インプラントを有する、またはMRIで閉所恐怖症の既往がある。
29.本臨床試験への参加により予想される放射線被曝に加えて、過去1年間に他の試験プロトコールまたは診療に参加しており、その結果、放射線被曝が、米国連邦ガイドラインで定められた年間許容限度である実効線量50mSvを上回る可能性がある。
30.治験責任医師により治験への参加が認められないと判断された。
併用処置
スクリーニング前の30日間に対象が服用したすべての処方薬、OTC薬、栄養補助食品(ビタミン剤を含む)およびハーブサプリメントを記録した。処方薬、OTC薬および代替/補完医療製品(例えば、ハーブサプリメント、薬用茶、クレアチン、スポーツサプリメント)の使用は、ビタミンおよびミネラル(ハーブ調製物が補足されたものを除く)ならびにアセトアミノフェン(推奨用量内)を除き、-1日目の前の7日以内から試験終了時まで禁止された。ビタミンおよびミネラルは、毎日のRDA(推奨栄養許容量)の用量内(例えば、毎日のマルチビタミン)でなければならない。
以下の薬物は本試験では禁止された:
・-1日目の前の30日以内の、CYP3A4/5の強力な誘導物質(例えば、リファンピン、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン、プリミドン、セントジョーンズワート)。
・-1日目の前の14日または5半減期(いずれか長い方)以内の、CYP3A4/5の強力な阻害剤(例えば、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル)。
・-1日目の前の14日または5半減期(いずれか長い方)以内の、CYP2D6阻害剤(例えば、ブプロピオン、フルオキセチン、パロキセチン、キニジン)。
・-1日目の30日以内の、MAOI(例えば、イソカルボキサジド、トラニルシプロミド、フェネルジン、セレギリン、ラサギリン)。
・-1日目の前の30日以内の、VMAT2阻害剤(例えば、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、またはレセルピン)、および任意の時点での[18F]AV-133注射またはNBI-750142。
・-1日目の前の7日以内の、アセトアミノフェンを除く処方薬またはOTC薬(推奨用量内)。
・-1日目の前の7日以内の、毎日の推奨1日許容量以内のビタミンおよびミネラル(ハーブ調製物が補足されたものを除く)を除く、代替的または補完的な医療製品(例えば、ハーブサプリメント、薬用茶、クレアチンおよびスポーツサプリメント)。
以下の医薬品のリストは、[18F]AV-133 PET画像化に干渉する可能性があり、ベースラインの[18F]AV-133注射の前の30日以内には許可されなかった:
・メチルフェニデート
・VMAT2阻害剤
・アンフェタミン誘導体
・デキストロアンフェタミン誘導体
・メチルフェニデート誘導体
・ブプロピオン
食事制限および他の制限
試験期間中、対象には絶食させた。対象はNBI-750142投与の少なくとも8時間前には大量の食事を控える必要があった。絶食が8時間を上回る場合には、対象は完全な朝食を摂取した(投与の8時間前に与えた)。全対象は、NBI-750142投与の少なくとも2時間前に所定の小さなスナックを摂取した。対象は、NBI-750142投与後少なくとも3時間はいかなる食物も摂取してはならず、PETスキャン中は食物の摂取を許可されなかった。
対象は、NBI-750142投与の1時間前から1時間後まで、水(投与に必要な240mLを除く)を摂取することを許可されなかった。他のすべての絶食期間中は水を摂取することを認めた。また、対象は、ベースライン前および2回目の投与後PETスキャンの前には、1回目の投与後PETスキャンと同様に絶食する必要があった。
他の食事制限には以下が含まれた:
・アルコール
・カフェイン製品
・ニコチンまたは大麻製品
・グレープフルーツまたはグレープフルーツジュース
NBI-750142試験薬
NBI-750142は、投与の72時間以内に水で構成された溶液にした。投与溶液の適切な容量(コホートに基づく)を経口投与シリンジで投与した。投与後、対象には、溶液と水の総投与容量が240mLになるように、所定の容量の水を摂取するように指示した。対象は2分以内に投与溶液および水を摂取する必要があった。
18F]AV-133画像化手順
対象は、脳が視野の中心になるように、カメラのレーザー光を使用して、穏やかに固定されたヘッドホルダー内に位置を定めた。放射性トレーサーの注射およびエミッション画像化の前に、CTスキャンを実施して、物質による光子減衰に関する補正係数を得た。
対象に、静脈カテーテルを介して注入ポンプ(約3.33mL/分)を使用して、[18F]AV-133の単回用量を3分間かけて静脈内に投与した後、10mLの食塩水を流した。脳の動的PET画像は、以下のプロトコールに従って、Siemens Biograph 6 PET/CTカメラへの放射性トレーサー注射に続いて120分にわたって取得した:
・頭部のCTスキャン
・[18F]AV-133注射(T=0分)
・エミッションスキャン:6×30秒間、4×1分間、4×2分間、21×5分間(0~120分間)
画像は、反復再構成アルゴリズム(OSEM 4回の反復、16サブセット)および事後ガウスフィルター=3mmを用いて、168×168×81マトリックス(ピクセルサイズ2.03mm×2.03mm)に再構成された。カメラの製造元によって提供された、ランダム、散乱、システムデッドタイムおよび減衰に関する標準的な補正を行った。
MRI脳画像化
MRIスキャンを、スクリーニング来院の一部として適格な対象から取得して、個々のPET画像に対して関心のある脳解剖学的領域を特定し、描写した。MRIスキャンは、Siemens Espree 1.5 Tesla臨床用マグネットで得た。1mmの連続スライスのMRIスキャンを、以下の順序で得た:矢状断T1、水平断T2ダブルエコー、水平断フレア(axial flair)、冠状断T2、水平断DWI、水平断T1、矢状断MPRAGE。
18F]AV-133画像解析
再構成されたPET画像データボリュームを画像処理PMODソフトウェアパッケージ(PMOD Technologies, Zurich, Switzerland)に転送し、そこで画像は動きおよび減衰を補正され、対象のMRI上に再位置合わせされ、続いて標準MNI(Montreal Neurological Institute)空間に正規化されたが、ここで関心容積(VOI)はテンプレートから定義された(例えば、Hammers et al, Adult brain maximum probability map ("Hammersmith atlas"; n30r83) in MNI space, 2008を参照)。対象MRIは、灰白質、白質、およびCSFマップにセグメント化された。皮質領域の灰白質ボクセルに限定される各VOI内の平均活性濃度(kBq/cc)を測定し、時間活性曲線(TAC)を作成した。TACは以下のVOIから抽出した:尾状核および被殻(線条体)、中脳、小脳、および後頭皮質。TACは(TACs and)、対象の体重および注射用量で正規化することにより、標準取り込み値(SUV)単位(g/mL)で表した。後頭皮質を基準領域として使用し、標的領域の活性を正規化してSUVr画像を作成した。可視化のために、標準取り込み値の比(SUVr)画像を60~120分の間で計算した。主要アウトカム指標である置換可能でない結合能(BPND)を、後頭皮質を基準領域として使用して、尾状核、被殻および中脳における非侵襲性Loganグラフ解析(NI-LGA、t=20分)により推定した。領域別のNBI-750142(薬物)の測定占有パーセント(OM)は、投与後の各時点、T1(投与の1.5時間後)およびT2(投与の18時間後)において、式3-1に従って算出した。
Figure 2024532191000022
式3-2のEmaxモデルを使用して、NBI-750142の血漿中濃度(ng/mL、スキャン開始およびスキャン終了の測定値の平均)と、線条体(尾状核および被殻の平均占有度)および中脳における占有度の間の関係を記述した。ここで、Emaxは100に制限され、すなわち、十分に高い濃度で最大占有度が100%に達し、
Figure 2024532191000023
式中、[薬物]は血漿中で測定されたNBI-750142濃度(ng/mL)であり、EC50は[18F]AV-133の置換によって測定された、50%のVMAT2占有度を達成する推定血漿中薬物濃度である。
事後探索解析では、T2で観察された見かけの「負の占有」値を説明するためにアップレギュレーションモデル(式3-3)を適用した(T2のBPND値はベースラインの対応するBPND値よりも予想外に高かった)。
Figure 2024532191000024
アップレギュレーションモデル(式3-3)について、アップレギュレーション因子(URF)およびEC50が推定された(十分に高い薬物濃度では完全な占有度(100%)を仮定した)。このモデルにおけるアップレギュレーション因子(URF)は時間依存性も濃度依存性もなく、すなわち、データが取得された時期に関係なく、すべてのデータポイントにアップレギュレーションが適用される。
試験結果
対象の人口統計
合計20名の健康男性志願者をスクリーニングして、合計12名の参加者を登録した。スクリーニング時点の参加者の年齢は29~54歳(平均43.2歳)であった。登録された対象のうち9名は黒人またはアフリカ系アメリカ人であり、3名は白人であった。ラテンアメリカ系が1名、非ラテンアメリカ系が11名であった。対象の人口統計を表3-1に示す。
Figure 2024532191000025
18F]AV-133脳画像および時間活性曲線
12名の健康男性志願者を、別々の日に[18F]AV-133により画像化した:ベースライン時、ならびにNBI-750142投与後の2つの時点、1.5時間(T1)および18時間(T2)。各コホートには2名~4名の対象がいた:
コホート1は100mgの投与を受け;
コホート2は200mgの投与を受け;
コホート3は60mgの投与を受け;
コホート4は60mgの投与を受け;
コホート5A(対象1および対象2)は10mgの投与を受け;
コホート5B(対象3および対象4)は10mgの投与を受けた。
60mgコホートでは希釈が異なっていた(コホート3=3mL中20mg/mL、コホート4=6mL中10mg/mL)。各コホートについて、60~120分の間で平均化された[18F]AV-133 SUVr画像(後頭葉皮質に対して正規化)を、ベースラインおよびNBI-750142投与後(T1およびT2)について図7A~7Fに示す。[18F]AV-133 SUVr TACを、各コホートの同じ画像化の時点について図8A~8Fに示す。ベースラインでは、[18F]AV-133取り込みは、脳の残りの部分と比較して、VMAT2が豊富に存在する尾状核および被殻(標的領域)で高かった。TACは中脳および小脳で比較的低い活性を示し、後頭葉皮質では取り込みが最も低い。T1では、各対象の線条体における[18F]AV-133のベースラインと比較して、100mgおよび200mgの用量は両対象における取り込みを著しく減少させた;コホート3および4における60mgは対象間でばらつきを示し、両コホートの対象1と比較して、対象2における線条体取り込みの減少は小さかった;コホート5Aおよび5Bにおける10mgは取り込みの減少を示さなかった。全コホートを通じて、T2での線条体取り込みは、ベースラインレベルに戻るか、それをわずかに上回るように見えた。
定量的評価
主要アウトカム指標であるBPNDを、後頭葉皮質を基準領域として、NI-LGAを使用して推定した。BPNDを、標的領域である尾状核および被殻、ならびにより結合の低い領域である中脳で推定した。小脳は、[18F]AV-133の同じく公知の基準領域であるため、小脳BPNDは評価しなかった。加えて、小脳皮質は後頭葉皮質に比べて取り込みがわずかに高いことが、SUVr画像およびTACにおいて観察された。ベースライン、T1およびT2における[18F]AV-133のBPND、ならびにT1およびT2におけるNBI-750142のVMAT2占有度を表3-2に示す。対象1および対象2の線条体におけるT2での占有度は、それぞれ以下の通りであった:
100mgのコホート1:1%および14%;
200mgのコホート2:-28%および-6%;
60mgのコホート3:-14%および-21%;
60mgのコホート4:-10%および-12%;
10mgのコホート5A:-3%および-4%;および
10mgのコホート5B:-14%(対象3)および5%(対象4)。
中脳における占有度は線条体を反映しており、T1では(正の)占有度が観察された;しかし、T2では見かけ上の負の占有度が算出された。Emaxモデル(式3-2を参照)を使用して、NBI-750142の血漿中濃度とVMAT2の線条体占有度との間の関係を記述し、EC50を推定した。図9A~9Cは、T1およびT2の占有度、T1占有度のみ、およびT2占有度のみに対してプロットした、NBI-750142の血漿中濃度を示す。EC50は、T1占有値のみを使用した場合は25.5ng/mL、T1およびT2占有値の両方を使用した場合は35.2ng/mLと推定された。このEmaxモデルは、T2のみで占有度データを適合させることはできなかった。
Figure 2024532191000026
事後解析:アップレギュレーションモデル
コホート間で主にT2で見かけ上の負の占有度が観察され、EmaxモデルをT2データに適合させることができなかったことを受けて、アップレギュレーションモデル(式3-3;Gunn and Rabiner, Semin. Nucl. Med. 2017, 47: 89-98も参照)を適用した事後探索的解析を評価した。T2での負の占有度は、ベースラインと比較してT2での線条体BPNDがより高いことに起因した。従来のEmaxモデル(式3-2)と強化アップレギュレーションモデル(式3-3)を使用したデータ適合の比較を図10Aに示す。アップレギュレーションモデルは、T1とT2の両方のデータを使用して、EC50を6.3ng/mL、URFを2.76と推定した。アップレギュレーションモデルは、NBI-750142の血漿中濃度の関数としてT1とT2の両方の占有度を使用したデータを、適合の視覚的評価および補正された赤池の情報量基準(AICc)に基づくEmaxモデルと比較して、よりよく記述した(アップレギュレーションモデル:AICc=123に対してEmaxモデル:AICc=131)。AICcは、それぞれがT1データのみに適合する場合、Emaxモデルよりもアップレギュレーションモデルを支持しない。しかし、図10Bに示すように、アップレギュレーションモデルでは、より低いEC50が推定される。
まとめおよび結論
この第1相オープンラベル試験では、12名の健康成人男性の対象を、[18F]AV-133により画像化して、NBI-750142の単回経口投与後の小胞モノアミン輸送体2(VMAT2)の標的占有度を調べた。線条体における占有度(尾状核および被殻の平均占有度)は、T1で-4%(10mg)から76%(100mg)、T2で-28%(200mg)から14%(100mg)の範囲であった。VMAT2標的占有度とNBI-750142血漿中濃度との間の関係を、Emaxモデルで評価した。EC50は、T1占有度を使用して25.5ng/mL、T1およびT2占有度の両方を使用して35.2ng/mLと推定された。しかし、EC50は、T2占有度データのみでは推定することができなかった。
NBI-750142の血漿中濃度はT2での定量レベルを上回り、約0.3~10ng/mLの範囲であったにもかかわらず、多くの算出されたT2占有度は負であった。PET試験で観察された負の占有度は、「薬物」スキャン時点での結合(BPND)のベースラインレベルが以前のベースラインスキャン測定値と一致しなくなった場合に生じる可能性がある。[18F]AV-133のBPNDに対する試験-再試験値は9.4%である(例えば、Freeby et al., Mol. Imaging Biol. 2016, Apr;18(2):292-301を参照)。このことは、本試験で観察されたT2での負の占有度の傾向が0%とは異なることを示唆する。理論には拘束されないが、この不一致の原因として考えられることの1つは、薬物投与後の放射性トレーサーがアクセス可能なVMAT2結合部位の数のアップレギュレーションである。この仮説に対処するために、アップレギュレーションモデルを使用した事後探索的解析を行った。T1およびT2占有度の両方を使用した解析では、EC50は6.3ng/mL、アップレギュレーション因子は2.76と推定された。Emaxモデルと比較して、アップレギュレーションモデルは、NBI-750142血漿中濃度とT1およびT2占有度との間の関係をよりよく記述した。この結論は、モデル適合の視覚的評価、および「補正AIC」標準適合度測定基準に基づいた(アップレギュレーションモデル:AICc=123に対してEmaxモデル:AICc=131)。AICは、パラメーター数に対してペナルティを受ける適合度の尺度である。補正AICは、小規模「n」試験に好適である。この結果は、Emaxモデルは、T1データのみに適用した場合であっても、真のEC50よりも大きなEC50値を与える可能性があることを示唆する。
結論として、NBI-750142によるVMAT2の実質的な占有度が、[18F]AV-133およびPET画像化を用いて、健康志願者の生きたヒト脳で測定された。EmaxモデルをT1データ(NBI-750142の1.5時間後)のみに適用すると、25.5ng/mLの推定EC50が得られたが、T2データのみではEmaxモデルを使用して解析することができなかった。すべてのデータ(T1およびT2から)の探索的解析も、薬剤投与後のVMAT2部位のアップレギュレーションを可能にするモデルを用いて行った。後者の分析からのEC50は6.5ng/mLであった。探索的ではあるが、このアップレギュレーションモデルの知見は、T1データのみからのEmaxの結果を上限として扱うべきであることを示唆する。
実施例2で概説したように(例えば図3Aを参照)、カニクイザルPETにおけるNBI-750142のEC50は11ng/mLであった。この値は、2つの異なるモデルを使用してヒトで得られたEC50値の中間であり、それぞれの値の2~3倍以内である。カニクイザルおよびヒトにおけるNBI-750142 PPBは同程度であるため、サルとヒトのPET結果の間のこの密接な関係は、遊離(非結合)化合物濃度を使用したEC50値にも適用される。ヒトおよびカニクイザルのPET由来EC50がかなりよく一致することは、カニクイザルのPET EC50値をヒトのPKデータに適用した、実施例1~2に記載された結論をさらに裏付けるものである。
(実施例4)
11C]-PHNO陽電子放射断層撮影(PET)によって測定したヒトにおけるドパミン系に対するバルベナジンの効果
進行中の試験の中間的な画像化および忍容性のデータを収集して、2~4名の健康志願者のコホートにおいて分析した。各スキャンについて、参加者は、D2/D3ドパミン受容体アゴニストである放射性リガンド[11C](+)4-プロピル-3,4,4a,5,6,10b-ヘキサヒドロ-2H-ナフト[1,2-b][1,4]オキサジン-9-オール([11C]-PHNO)の注射を受け、その後にSiemens Biograph PET/CTを使用して90分間のデータ取得を行った。バルベナジン投与後のスキャンについては、参加者は[11C]-PHNO投与の6~8時間前にバルベナジンの経口投与を受け、PET画像化はバルベナジンの血漿中濃度が最大になる時点あたりで行われた。被殻、尾状核および腹側線条体における置換可能でない結合(BPND)に比しての結合能を、主要エンドポイントとして使用した。小脳を基準領域として使用して、局所BPNDを推定した。バルベナジン投与後のシナプス性ドパミンの減少は、ベースラインに比しての[11C]-PHNO BPNDの増加(ΔBPND)に対応していた。バルベナジンおよびバルベナジンの活性代謝物である(+)-α-dTBZ(ジヒドロテトラベナジン)の血漿中濃度を、バルベナジン投与後の各PETスキャンの開始時および終了時に測定した。平均血漿中(+)-α-dTBZ濃度(Cave)を各参加者のΔBPNDと一致させて、曝露反応曲線を得た。
9名の参加者(男性5名、女性4名)に40~160mgのバルベナジンを投与した結果、血漿中(+)-α-dTBZのCaveはおよそ10~60ng/mLとなった。中間解析では、8名の参加者がバルベナジンによる用量依存的な[11C]-PHNO ΔBPNDの増加(21~44%)を示した。より高用量のバルベナジンによる(+)-α-dTBZへの曝露量が高いほど、より大きなΔBPNDをもたらし、単調な曝露-反応曲線を示した。本試験における有害事象は、遅発性ジスキネジア(TD)の臨床試験で既に報告されているように、バルベナジンの公知の安全性および忍容性プロファイルと一致した。
バルベナジンは、[11C]-PHNO ΔBPNDの増加によって示されるように、用量および濃度依存的にシナプス性ドパミンを減少させるようであった。本試験で観察されたおよそ20~40%の[11C]-PHNO ΔBPNDの増加は、ドパミンを枯渇させるチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤による処置後に以前に見られた[11C]-PHNO ΔBPNDと同程度である(Caravaggio et al, Neuropsychopharmacology 2014;39:2769)。したがって、薬理学的および治療的なバルベナジン用量で、生物学的に意味のあるドパミンの減少がヒトで観察された。これらのデータは、VMAT2阻害と他の中枢神経系障害の処置の可能性との間の関係について今後の調査を可能にする。
その他の実施形態
本発明をその詳細な説明とともに記載してきたが、前述の説明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を例示することを意図したものであり、限定するものではないことを理解されたい。その他の態様、利点、および修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。本発明が関係する技術分野の当業者には、本発明の任意の特定の態様および/または実施形態に関して本明細書に記載された特徴のいずれも、本明細書に記載された本発明の任意の他の態様および/または実施形態の任意の他の特徴のいずれかの1つまたは複数と組み合わせることができ、組合せの適合性を確保するために適宜修正を加え得ることが理解されるべきである。そのような組合せは、本開示によって想定されている本発明の一部である。

Claims (75)

  1. 治療有効投与量のVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
    (a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
    (b)前記対象における前記VMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップであって、80~96%のVMAT2占有率により、前記VMAT2阻害剤の前記量が治療有効投与量であることが示される、ステップ;および
    (c)前記治療有効投与量の前記VMAT2阻害剤を、薬学的に許容される担体と混合するステップ
    を含む、方法。
  2. VMAT2占有度が、1つまたは複数の画像化技法によって測定される、請求項1に記載の方法。
  3. 1つまたは複数の画像化技法が、VMAT2に結合することができる画像化剤を前記対象に投与するステップ、およびその後に前記対象を画像化するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記画像化剤がVMAT2阻害剤である、請求項3に記載の方法。
  5. VMAT2占有度が、陽電子放射断層撮影(PET)アッセイによって測定される、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記PETアッセイが、VMAT2に結合することができるPET画像化剤を前記対象に投与するステップ、およびその後に前記対象を画像化するステップを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記PETアッセイが、
    (a)VMAT2に結合することができるPET画像化剤を前記対象に投与するステップ;
    (b)前記PET画像化剤がVMAT2に結合するのに十分な時間、待機するステップ;
    (c)前記対象を1回または複数回画像化するステップ;
    (d)前記PET画像化剤のVMAT2置換を測定するステップ;および
    (e)測定された前記PET画像化剤のVMAT2置換に基づいてVMAT2占有度を決定するステップ
    を含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記PET画像化剤のVMAT2置換が、前記画像化中の1つまたは複数の時点で測定される、請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(a)の前に前記対象を画像化して、ベースライン画像を得るステップをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(a)の後に前記対象に投与される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(b)の後に前記対象に投与される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(b)の後およびステップ(c)の前に前記対象に投与される、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記PET画像化剤が、放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項6~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記PET画像化剤が、[11C]-放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項6~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記PET画像化剤が、[18F]-放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項6~13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記PET画像化剤が、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の放射性標識類似体である、請求項6~13のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記PET画像化剤が、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の[11C]-または[18F]-放射性標識類似体である、請求項6~13のいずれか一項に記載の方法。
  18. ジヒドロテトラベナジンの前記放射性標識類似体が、(+)-α-ジヒドロテトラベナジンの放射性標識類似体である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 前記PET画像化剤が[18F]-AV-133である、請求項6~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記対象における前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度を測定するステップをさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化中の1つまたは複数の時点で測定される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化中およびステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される、請求項20に記載の方法。
  24. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の約2時間前から前記画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の約1時間前から前記画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、試験治療下で発現した有害事象(TEAE)に関連する1つまたは複数の症状についてモニタリングするステップをさらに含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記モニタリングするステップが、前記VMAT2阻害剤の投与後に約30分間~約90分間行われる、請求項27に記載の方法。
  29. 前記モニタリングするステップが、前記VMAT2阻害剤の投与後に約30分間~約60分間行われる、請求項27に記載の方法。
  30. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、TEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、鎮静、不安、悪心、アカシジア、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記対象が、前記VMAT2阻害剤の投与後に、TEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記対象が、前記VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
  36. VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ90%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項35に記載の方法。
  37. VMAT2阻害剤の治療有効投与量を特定する方法であって、
    (a)ある量のVMAT2阻害剤を対象に投与するステップ;
    (b)前記対象における前記VMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定するステップ、および
    (c)VMAT2阻害剤の治療有効投与量を、前記VMAT2阻害剤の前記量の前記VMAT2占有率が80~96%である場合に特定するステップ
    を含む、方法。
  38. VMAT2占有度が、1つまたは複数の画像化技法によって測定される、請求項37に記載の方法。
  39. 1つまたは複数の画像化技法が、VMAT2に結合することができる画像化剤を前記対象に投与するステップ、およびその後に前記対象を画像化するステップを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記画像化剤がVMAT2阻害剤である、請求項39に記載の方法。
  41. VMAT2占有度が、陽電子放射断層撮影(PET)アッセイによって測定される、請求項37または38に記載の方法。
  42. 前記PETアッセイが、VMAT2に結合することができるPET画像化剤を前記対象に投与するステップ、およびその後に前記対象を画像化するステップを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記PETアッセイが、
    (a)VMAT2に結合することができるPET画像化剤を前記対象に投与するステップ;
    (b)前記PET画像化剤がVMAT2に結合するのに十分な時間、待機するステップ;
    (c)前記対象を1回または複数回画像化するステップ;
    (d)前記PET画像化剤のVMAT2置換を測定するステップ;および
    (e)測定された前記PET画像化剤のVMAT2置換に基づいてVMAT2占有度を決定するステップ
    を含む、請求項41または42に記載の方法。
  44. 前記PET画像化剤のVMAT2置換が、前記画像化中の1つまたは複数の時点で測定される、請求項43に記載の方法。
  45. ステップ(a)の前に前記対象を画像化して、ベースライン画像を得るステップをさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
  46. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(a)の後に前記対象に投与される、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(b)の後に前記対象に投与される、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記VMAT2阻害剤が、ステップ(b)の後およびステップ(c)の前に前記対象に投与される、請求項43~45のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記PET画像化剤が、放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項42~48のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記PET画像化剤が、[11C]-放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記PET画像化剤が、[18F]-放射性標識VMAT2阻害剤である、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記PET画像化剤が、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の放射性標識類似体である、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記PET画像化剤が、バルベナジン、テトラベナジン、デューテトラベナジン、ジヒドロテトラベナジン、NBI-750142、およびAV-133からなる群から選択されるVMAT2阻害剤の[11C]-または[18F]-放射性標識類似体である、請求項42~49のいずれか一項に記載の方法。
  54. ジヒドロテトラベナジンの前記放射性標識類似体が、(+)-α-ジヒドロテトラベナジンの放射性標識類似体である、請求項52または53に記載の方法。
  55. 前記PET画像化剤が[18F]-AV-133である、請求項42~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記対象における前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度を測定するステップをさらに含む、請求項37~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化中の1つまたは複数の時点で測定される、請求項56に記載の方法。
  58. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される、請求項56に記載の方法。
  59. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化中およびステップ(c)の画像化の前の1つまたは複数の時点で測定される、請求項56に記載の方法。
  60. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の約2時間前から前記画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される、請求項56~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記VMAT2阻害剤の血漿中濃度が、ステップ(c)の画像化の約1時間前から前記画像化の終了までの1つまたは複数の時点で測定される、請求項56~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項37~61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、試験治療下で発現した有害事象(TEAE)に関連する1つまたは複数の症状についてモニタリングするステップをさらに含む、請求項37~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記モニタリングするステップが、前記VMAT2阻害剤の投与後に約30分間から約90分間行われる、請求項63に記載の方法。
  65. 前記モニタリングするステップが、前記VMAT2阻害剤の投与後に約30分間から約60分間行われる、請求項63に記載の方法。
  66. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、TEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む、請求項37~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記対象を、前記VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、鎮静、不安、悪心、アカシジア、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定するステップをさらに含む、請求項37~66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記対象が、前記VMAT2阻害剤の投与後に、TEAEに関連する1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている、請求項37~67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記対象が、前記VMAT2阻害剤の投与後に、眼瞼下垂、活動性低下、および流涎から選択される1つまたは複数の症状を呈しないと特定されている、請求項37~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. VMAT2占有度が少なくとも80%でかつ90%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項37~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ95%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項37~69のいずれか一項に記載の方法。
  72. VMAT2占有度が少なくとも85%でかつ90%以下であると決定された場合に、投与された用量が治療有効投与量と特定される、請求項71に記載の方法。
  73. 前記対象におけるシナプス性ドパミンを、
    (iii)放射性リガンド[11C](+)4-プロピル-3,4,4a,5,6,10b-ヘキサヒドロ-2H-ナフト[1,2-b][1,4]オキサジン-9-オール([11C]-PHNO)を前記対象に投与すること;および
    (iv)前記対象を画像スキャニングすること
    によって測定するステップをさらに含み、
    置換可能でない結合([11C]-PHNO BPND)に比しての[11C]-PHNO結合能の20~45%の増加が、シナプス性ドパミンの減少に対応し、これにより、前記VMAT2阻害剤の前記量が治療有効投与量であることが示される、請求項1~72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 治療有効投与量のVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を調製する方法であって、
    前記治療有効投与量の前記VMAT2阻害剤を薬学的に許容される担体と混合するステップ
    を含み、
    前記VMAT2阻害剤の前記治療有効投与量が、
    ある量の前記VMAT2阻害剤を事前に投与された対象における前記VMAT2阻害剤のin vivo VMAT2占有度を測定することであって、80~96%のVMAT2占有率により、前記VMAT2阻害剤の前記量が治療有効投与量であることが示される、こと
    によって特定される、方法。
  75. ある量の前記VMAT2阻害剤を事前に投与された対象におけるシナプス性ドパミンを、
    (i)放射性リガンド[11C](+)4-プロピル-3,4,4a,5,6,10b-ヘキサヒドロ-2H-ナフト[1,2-b][1,4]オキサジン-9-オール([11C]-PHNO)を前記対象に投与すること;および
    (ii)前記対象を画像スキャニングすること;
    によって測定するステップをさらに含み、
    置換可能でない結合([11C]-PHNO BPND)に比しての[11C]-PHNO結合能の20~45%の増加が、シナプス性ドパミンの減少に対応し、これにより、前記VMAT2阻害剤の前記量が治療有効投与量であることが示された、請求項74に記載の方法。
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