JP2024526290A - 溶質輸送体ファミリー27メンバー3(slc27a3)阻害剤による喘息の治療方法 - Google Patents

溶質輸送体ファミリー27メンバー3(slc27a3)阻害剤による喘息の治療方法 Download PDF

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アレン レベズ フェレイラ、マヌエル
バックマン、ジョシュア
リー、アレクサンダー
アベカシス、ゴンサロ
ホロウィッツ、ジュリー
シミノビッチ、キャサリン
バラス、アリス
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Abstract

本開示は、喘息を有するか、または喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法、及び喘息を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法を提供する。

Description

配列表の参照
本出願は、2022年6月25日に作成された18923807702SEQという名称で137キロバイトのサイズのテキストファイルとして電子提出された配列表を含む。この配列表は参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示は一般に、溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤による、喘息を有するか、または喘息を発症するリスクのある対象の治療、及び喘息を発症するリスクが高い対象を特定する方法に関する。
喘息は、世界中で数百万人が罹患している慢性的な肺疾患である。米国では2018年におよそ2500万人が喘息を患っており、そのうち約550万人が小児であった。世界全体では、推定3億3,900万人が喘息を患っている。気管支過敏症を含む気道炎症と気道リモデリングは、表現型異質性の慢性呼吸器疾患である喘息の主な特徴である。多くの証拠が、異常な気管支上皮細胞及び免疫細胞活性が典型的喘息において役割を果たすことを示している。
喘息及び他の炎症性肺疾患を治療するための現在のアプローチは、持続的な疾患の制御を達成及び維持するための長期管理薬と、急性症状及び増悪を治療するための発作治療薬(quick-relief medication)という2つの一般的な分類に分けられ、これらのほとんどは経口またはエアロゾル送達を通じた標的細胞による受動的な薬物取り込みを必要とする。多くの患者に有効である一方で、現在のアプローチに抵抗性の患者も増加しており、疾患を制御するためのより改善された治療戦略が求められている。重度の喘息患者の気道に高周波エネルギーを加える気管支サーモプラスティという最近のアプローチもまた臨床的に使用されているが、標的部位での炎症が誘発され、痙攣及び重度の喘息増悪を伴う。
溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)は、内在性膜タンパク質の遺伝子ファミリーの1つで、脂質代謝に関与するタンパク質をコードしている。このタンパク質は、長鎖及び超長鎖脂肪酸に対するアシル-CoAリガーゼ活性を有する。人工多能性幹細胞由来のヒト神経幹細胞においてこの遺伝子の発現が増加していることから、これは脳の初期発生に重要な役割を果たしていることが示唆されている。この遺伝子の自然発生的変異は自閉症スペクトラム障害と関連している。
本開示は、喘息を有するか、または喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法を提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、アレルギー性喘息を有するか、またはアレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、非アレルギー性喘息を有するか、または非アレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、運動誘発気管支収縮を有するか、または運動誘発気管支収縮を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、喘息-慢性閉塞性肺疾患(COPD)オーバーラップ症候群(ACOS)を有するか、またはACOSを発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、好酸球性喘息を有するか、または好酸球性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、小児喘息を有するか、または小児喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、職業性喘息を有するか、または職業性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤で対象を治療する方法も提供し、その際、該対象は喘息を有する、または喘息を発症するリスクがあり、該方法は、該対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを、対象から生体試料を得ることまたは得たことと;対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生体試料で配列分析を実施することまたは実施したこととによって決定する工程と;i)SLC27A3基準である対象に、喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量で投与するもしくは投与し続ける、及び/または該対象にSLC27A3阻害剤を投与する工程;ii)SLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に、喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与するもしくは投与し続ける、及び/または該対象にSLC27A3阻害剤を投与する工程;またはiii)SLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である対象に、喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与するもしくは投与し続ける工程を含み;その際、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は該対象が喘息を発症するリスクが低いことを示す。
本開示はまた喘息を発症するリスクが高い対象を特定する方法を提供し、該方法は、対象から得られる生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の存在または非存在を決定することまたは決定したことを含み;その際、該対象がSLC27A3基準である場合、該対象は喘息を発症するリスクが高く;該対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型であるまたはホモ接合型である場合、該対象は喘息を発症するリスクが低い。
本開示はまた、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、またはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子を有する対象にて喘息の治療または予防に使用するための喘息を治療するまたは予防する治療剤も提供する。
本開示はまた、a)SLC27A3ゲノム核酸分子、SLC27A3 mRNA分子、もしくはSLC27A3 cDNA分子について基準であるか、またはb)i)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、ii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、もしくはiii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子についてヘテロ接合型である対象にて喘息の治療または予防に使用するためのSLC27A3阻害剤も提供する。
本開示の態様に関する種々の用語が本明細書及びクレームの全体を通して使用されている。特に指示されない限り、そのような用語には当該技術分野における通常の意味を付与するものとする。具体的に定義されている他の用語は、本明細書に示されている定義と一致する形で解釈されるものとする。
別段に明示的な定めのない限り、本明細書に示されているいずれの方法または態様も、その工程を特定の順序で行う必要があるものとして解釈するようには決して意図されていない。したがって、方法クレームが、工程を特定の順序に限定すべきことをクレームまたは説明にて具体的に定めていない場合には、いかなる点においても、順序を定めるようには決して意図されていない。このことは、工程もしくは作業フローの手筈に関する論理事項、文法構成もしくは句読法に由来する一般的意味、または本明細書に記載されている態様の数もしくは種類を含め、あらゆる考え得る非明示的な解釈基準についても同様である。
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「a」、「an」及び「the」という単数形には、複数の参照対象が含まれる。
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、引用された数値が概算であり、小さな変動が開示された実施形態の実践に有意に影響を及ぼさないことを意味する。数値が使用される場合、文脈によって別段の指示がない限り、「約」という用語は、数値が±10%変動し、開示された実施形態の範囲内に留まることができることを意味する。
本明細書で使用されるとき、「comprising(含む)」という用語は、特定の実施形態では、所望に応じて、「consisting(成る)」または「consisting essentially of(から本質的に成る)」と置き換えてもよい。
本明細書で使用されるとき、核酸分子またはポリペプチドに関して、「単離された」という用語は、核酸分子またはポリペプチドが、例えば、血液及び/または動物組織から離れて、その本来の環境以外の状態にあることを意味する。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子またはポリペプチドは、他の核酸分子または他のポリペプチド、特に動物起源の他の核酸分子またはポリペプチドを実質的に含まない。いくつかの実施形態では、核酸分子またはポリペプチドは、高度に精製された形態、すなわち、95%を超えて純粋または99%を超えて純粋であることができる。この文脈で使用される場合、「単離された」という用語は、二量体または代わりにリン酸化もしくは誘導体化された形態のような代わりの物理的形態における同じ核酸分子またはポリペプチドの存在を排除しない。
本明細書で使用するとき、「核酸」、「核酸分子」、「核酸配列」、「ポリヌクレオチド」、または「オリゴヌクレオチド」という用語は、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を含むことができ、DNA及び/またはRNAを含むことができ、且つ一本鎖、二本鎖または多重鎖であることができる。核酸の一方の鎖はその相補体も指す。
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、哺乳動物を含む任意の動物を含む。哺乳動物には、家畜(例えば、ウマ、ウシ、ブタ)、ペット動物(例えば、イヌ、ネコ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ)、及び非ヒト霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、ヒトは、医師のケア下にある患者である。
本開示に従って、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子(これらの変異が特定の対象においてホモ接合型であるかヘテロ接合型であるかにかかわらず)は、喘息を発症する低下したリスクと関連することが観察されている。SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、喘息と関連しないと考えられている。さらに、本開示による追加の変異体と遺伝子負荷マスクとの関連性の特定は、SLC27A3自体が(別の遺伝子の変異体との連鎖不平衡ではなく)喘息における保護効果の原因であることを示す。
したがって、SLC27A3基準またはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象は、喘息が抑制もしくは予防される、その症状が軽減もしくは予防される、及び/または症状の発症が抑制もしくは予防されるように、SLC27A3阻害剤で治療され得る。また、喘息を有するこのような対象は、喘息を治療するまたは予防する治療剤でさらに治療され得ると考えられている。
本開示の目的のために、任意の特定の対象、例えばヒトは、3つのSLC27A3遺伝子型:i)SLC27A3基準;ii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型;またはiii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型のうちの1つを有するものとして分類することができる。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子のコピーを有さない場合、対象はSLC27A3基準である。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の単一コピーを有する場合、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有する変異体SLC27A3ポリペプチドをコードする任意の核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。部分的な機能喪失(または予測される部分的な機能喪失)を有するSLC27A3ポリペプチドを有する対象は、SLC27A3について低形質性である。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の2つのコピー(同じまたは異なる)を有する場合、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である。
SLC27A3基準であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息のような喘息を発症するリスクが高い。SLC27A3基準であるまたはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象はSLC27A3阻害剤で治療することができる。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、SLC27A3阻害剤を投与することによって喘息が予防される対象は、アレルギー、呼吸器感染症、喘息に対する遺伝的素因を有する対象、または肥満の対象を含むが、これらに限定されない、喘息を発症するリスクを有する任意の者であり得る。いくつかの実施形態では、任意の対象は喘息を発症するリスクがあり得る。いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤の投与は、すでに喘息を患っていた対象におけるさらなる喘息の発症を予防するために実施され得る。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するSLC27A3変異体ポリペプチドをコードする任意の核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)であることができる。いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、基準SLC27A3と比較してSLC27A3リガンドに対する試験管内反応の低下と関連する。いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、ヒト基準ゲノム配列と比較してSLC27A3ポリペプチドの早期切断をもたらすか、またはもたらすと予測されるSLC27A3変異体である。いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、Polyphen、SIFT、または類似のアルゴリズムなどの試験管内予測アルゴリズムによって損傷を与えると予測される変異体である。いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、SLC27A3において非同義アミノ酸置換を引き起こすか、または引き起こすと予測される変異体であり、その対立遺伝子頻度は、対象が選択される集団において1/100対立遺伝子未満である。いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、任意の希少変異体(対立遺伝子頻度0.1%未満;または1,000個に1個の対立遺伝子)、または任意のスプライスサイト、ストップゲイン、スタートロス、ストップロス、フレームシフト、もしくはインフレームインデル、または他のフレームシフトSLC27A3変異体である。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドは、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有する任意のSLC27A3ポリペプチドであることができる。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子は、SLC27A3基準ゲノム核酸分子のヌクレオチド配列(配列番号1;ENSG00000143554.14、GRCh38/hg38ヒトゲノムアセンブリのchr1:153,774,354-153,780,157に位置する)を基準配列として使用して1番染色体の位置に変異を含み得る。
SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の任意の1つ以上(すなわち、任意の組み合わせ)を、本明細書に記載されている方法のいずれか内で使用して、対象が喘息を発症する高いリスクを有するかどうかを決定することができる。特定の変異体の組み合わせは、SLC27A3と、喘息を発症するリスクの低下との特定の相関を統計的に分析するために使用されるマスクを形成することができる。
本明細書に記載される実施形態のいずれかでは、喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息である。いくつかの実施形態では、喘息はアレルギー性喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は非アレルギー性喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は運動誘発気管支収縮である。いくつかの実施形態では、喘息はACOSである。いくつかの実施形態では、喘息は好酸球性喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は小児喘息である。いくつかの実施形態では、喘息は職業性喘息である。
アレルギー性喘息の症状には、息切れ、胸部圧迫感、咳(特に夜間)、及び喘鳴が挙げられるが、これらに限定されない。
非アレルギー性喘息の症状には、息切れ、胸部圧迫感、咳(特に夜間)、及び喘鳴が挙げられるが、これらに限定されない。
運動誘発気管支収縮の症状には、息切れ、胸部圧迫感、咳が挙げられるが、これらに限定されない。
ACOSの症状には、呼吸困難、粘液過多(通常より多い)、疲労感、頻繁な咳、頻繁な息切れ、及び喘鳴が挙げられるが、これらに限定されない。
好酸球性喘息の症状には、息切れ、胸部圧迫感、咳(特に夜間)、喘鳴、慢性鼻及び副鼻腔炎、ならびに鼻茸が挙げられるが、これらに限定されない。
小児喘息の症状には、睡眠中の咳、気管支炎または肺炎の繰り返し、笑ったり泣いたり遊んだりした結果としての咳または喘鳴、及び大きな呼吸音または速い呼吸が挙げられるが、これらに限定されない。
職業性喘息の症状には、喘鳴、息切れ、鼻水、鼻づまり、目の炎症、及び胸部圧迫感が挙げられるが、これらに限定されず、これらは職場での刺激物(複数可)への曝露中に悪化する可能性がある。
本開示は、喘息を有するか、または喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法を提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、アレルギー性喘息を有するか、またはアレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、非アレルギー性喘息を有するか、または非アレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、運動誘発気管支収縮を有するか、または運動誘発気管支収縮を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、ACOSを有するか、またはACOSを発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、好酸球性喘息を有するか、または好酸球性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、小児喘息を有するか、または小児喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
本開示はまた、職業性喘息を有するか、または職業性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法も提供し、該方法は対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は、阻害性核酸分子を含む。阻害性核酸分子の例には、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、及びショートヘアピンRNA(shRNA)が挙げられるが、これらに限定されない。そのような阻害性核酸分子は、SLC27A3核酸分子の任意の領域を標的とするように設計することができる。いくつかの実施形態では、アンチセンスRNA、siRNA、またはshRNAは、SLC27A3ゲノム核酸分子またはmRNA分子の範囲内の配列とハイブリダイズし、対象の細胞にてSLC27A3ポリペプチドの発現を低下させる。いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は、SLC27A3ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞にてSLC27A3ポリペプチドの発現を低下させるアンチセンス分子を含む。いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は、SLC27A3ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞にてSLC27A3ポリペプチドの発現を低下させるsiRNAを含む。いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は、SLC27A3ゲノム核酸分子またはmRNA分子とハイブリダイズし、対象の細胞にてSLC27A3ポリペプチドの発現を低下させるshRNAを含む。
阻害性核酸分子は、RNA、DNA、またはRNAとDNAの双方を含むことができる。阻害性核酸分子を、例えばベクターにおける異種核酸配列、または異種標識に連結させる、または融合させることもできる。例えば、阻害性核酸分子は、阻害性核酸分子と異種核酸配列とを含むベクター内に、またはそれらを含む外来性ドナー配列として存在してもよい。阻害性核酸分子を異種標識に連結させる、または融合させることもできる。標識は、直接検出可能(例えば、蛍光色素分子)であることができる、または間接的に検出可能(例えば、ハプテン、酵素、または蛍光色素分子消光剤)であることができる。そのような標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的な手段によって検出可能であることができる。そのような標識には、例えば、放射性標識、顔料、染料、色原体、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識はまた、例えば、化学発光物質;金属含有物質;または酵素であることもでき、その際、シグナルの酵素依存性の二次生成が発生する。「標識」という用語はまた、結合分子が、続いて基質とともに添加されると、検出可能なシグナルを生成するために使用されるように結合分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指すこともできる。例えば、ビオチンは、タグに結合するための西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアビジン結合体またはストレプトアビジン結合体と一緒にタグとして使用し、比色測定基質(例えば、テトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光発生基質を使用して調べてHRPの存在を検出することができる。精製を促進するためのタグとして使用することができる例示的な標識には、myc、HA、FLAGまたは3×FLAG、6×Hisまたはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識には、例えば、粒子、蛍光色素分子、ハプテン、酵素ならびにそれらの比色性、蛍光性及び化学発光性の基質、ならびに他の標識が挙げられる。
阻害性核酸分子は、例えば、ヌクレオチド、または、例えば、ヌクレオチド類似体もしくはヌクレオチド置換体のような非天然ヌクレオチドもしくは修飾ヌクレオチドを含むことができる。そのようなヌクレオチドには、修飾された塩基、糖、もしくはリン酸基を含有するヌクレオチド、またはその構造内に非天然部分を組み込んでいるヌクレオチドが含まれる。非天然ヌクレオチドの例には、ジデオキシヌクレオチド、ビオチン化ヌクレオチド、アミノ化ヌクレオチド、脱アミノ化ヌクレオチド、アルキル化ヌクレオチド、ベンジル化ヌクレオチド、及び蛍光色素分子標識ヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
阻害性核酸分子は、1以上のヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換体を含むこともできる。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、またはリン酸の部分のいずれかに対する修飾を含有するヌクレオチドである。塩基部分に対する修飾には、A、C、G、及びT/Uの天然修飾及び合成修飾、ならびに、例えばシュードウリジン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、及び2-アミノアデニン-9-イルのようなさまざまなプリン塩基またはピリミジン塩基が挙げられるが、これらに限定されない。修飾された塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換のアデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば、5-ブロモ)、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換のウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられるが、これらに限定されない。
ヌクレオチド類似体は糖部分の修飾を含むこともできる。糖部分に対する修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾、ならびに合成修飾が挙げられるが、これらに限定されない。糖修飾には、2’位における次の修飾:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルが挙げられるが、これらに限定されず、その際、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは置換または非置換のC1~10アルキルまたはC2~10アルケニル、及びC2~10アルキニルであってもよい。例示的な2’糖修飾には、-O[(CHO]CH、-O(CHOCH、-O(CHNH、-O(CHCH、-O(CH-ONH、及び-O(CHON[(CHCH)](式中、n及びmは独立して1~約10である)も挙げられるが、これらに限定されない。2’位における他の修飾には、C1~10アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。同様の修飾を、糖における他の位置で、特に3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位で行ってもよい。修飾された糖は、CH及びSのような架橋環酸素での修飾を含有するものも含むことができる。ヌクレオチド糖類似体はペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分のような糖模放体を有することもできる。
ヌクレオチド類似体はリン酸部分にて修飾することもできる。修飾されたリン酸部分には、2つのヌクレオチド間の結合が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネートならびに3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートを含有するように修飾することができるものが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこうしたリン酸結合または修飾リン酸結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を介することができ、結合は3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’のような逆極性を含有することができる。種々の塩、混合塩、及び遊離酸の形態も含まれる。ヌクレオチド置換体にはペプチド核酸(PNA)も含まれる。
いくつかの実施形態では、アンチセンス核酸分子はギャップマーであり、それによって5’末端及び3’末端の最初の1~7ヌクレオチドは、それぞれ2’-メトキシエチル(2’-MOE)修飾を有する。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の5ヌクレオチドは、それぞれ2’-MOE修飾を有する。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の1~7ヌクレオチドは、RNAヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、5’末端及び3’末端の最初の5ヌクレオチドは、RNAヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド間の骨格結合のそれぞれは、ホスホロチオエート結合である。
いくつかの実施形態では、siRNA分子は末端修飾を有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端はリン酸化される。いくつかの実施形態では、加水分解することができない5’-リン酸類似体、例えば5’-(E)-ビニル-ホスホネートが使用される。
いくつかの実施形態では、siRNA分子は骨格修飾を有する。いくつかの実施形態では、連続するリボースヌクレオシドを連結する修飾ホスホジエステル基は、siRNAの安定性及び生体内での生物学的利用能を高めることが示されている。ホスホジエステル結合の非エステル基(-OH、=O)を硫黄、ホウ素、またはアセテートと置き換えて、ホスホロチオエート、ボラノホスフェート、及びホスホノアセテート結合を得ることができる。加えて、ホスホジエステル基をホスホトリエステルで置換することにより、その負電荷を除去することによって、siRNAの細胞取り込み及び血清成分での保持を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、siRNA分子は糖修飾を有する。いくつかの実施形態では、糖は脱プロトン化され(エキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼによって触媒される反応)、それによって2’-ヒドロキシルが求核剤として作用し、ホスホジエステル結合の隣接するリンを攻撃することができる。かかる代替物には、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-フルオロ修飾が挙げられる。
いくつかの実施形態では、siRNA分子は塩基修飾を有する。いくつかの実施形態では、塩基は、シュードウリジン、5’-メチルシチジン、N6-メチルアデノシン、イノシン、及びN7-メチルグアノシンなどの修飾塩基で置換され得る。
いくつかの実施形態では、siRNA分子は脂質に結合される。脂質はsiRNAの5’末端または3’末端に結合することができ、それらを血清リポタンパク質と会合させることにより、生体内での生物学的利用能を向上させることができる。代表的な脂質には、コレステロール及びビタミンE、ならびに脂肪酸、例えば、パルミチン酸、及びトコフェロールが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、代表的なsiRNAは以下の式:
センス:mNmN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/32FN/
アンチセンス:/52FN//i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN/i2FN/mN
を有し、式中「N」は塩基であり;「2F」は2’-F修飾であり;「m」は2’-O-メチル修飾であり;「I」は内部塩基であり;「」はホスホロチオエート骨格結合である。
本開示は、阻害性核酸分子のいずれか1以上を含むベクターも提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、阻害性核酸分子のいずれか1以上、及び異種核酸を含む。ベクターは、核酸分子を輸送することが可能なウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドまたはコスミド(例えば追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNAなど)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲーションされ得る、ウイルスベクターである。発現ベクターとしては、プラスミド、コスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、植物ウイルス、例えば、カリフラワーモザイクウイルス及びタバコモザイクウイルス、酵母人工染色体(YAC)、エプスタイン・バー(EBV)由来エピソーム、ならびに当該技術分野で既知の他の発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示は、阻害性核酸分子のいずれか1以上を含む組成物も提供する。いくつかの実施形態では、組成物は医薬組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は担体及び/または賦形剤を含む。担体の例には、ポリ(乳酸)(PLA)ミクロスフェア、ポリ(D,L-乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)ミクロスフェア、リポソーム、ミセル、逆ミセル、脂質コクリエート、及び脂質微小管が挙げられるが、これらに限定されない。担体は、PBS、HBSSなどのような緩衝化塩溶液を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は、SLC27A3ゲノム核酸分子内の認識配列(複数可)または認識配列に結合するDNA結合タンパク質にて1以上のニックまたは二本鎖切断を誘導するヌクレアーゼ剤を含む。認識配列は、SLC27A3遺伝子のコード領域内、または遺伝子の発現に影響を及ぼす調節領域内に配置することができる。DNA結合タンパク質またはヌクレアーゼ剤の認識配列は、イントロン、エクソン、プロモーター、エンハンサー、調節領域、または任意の非タンパク質コード領域に配置することができる。認識配列はSLC27A3遺伝子の開始コドンを含む、またはそれに近接させることができる。例えば、認識配列は、開始コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチドに配置することができる。別の例として、それぞれが開始コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする2以上のヌクレアーゼ剤を使用することができる。別の例として、1つが開始コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とし、もう1つが終止コドンを含むまたはそれに近接するヌクレアーゼ認識配列を標的とする2つのヌクレアーゼ剤を使用することができ、これらのヌクレアーゼ剤による切断は2つのヌクレアーゼ認識配列間のコード領域の欠失を生じることができる。所望の認識配列にニックまたは二本鎖切断を誘導する任意のヌクレアーゼ剤を本明細書で開示されている方法及び組成物において使用することができる。所望の認識配列に結合する任意のDNA結合タンパク質を本明細書で開示されている方法及び組成物において使用することができる。
本明細書で使用するのに好適なヌクレアーゼ剤及びDNA結合タンパク質には、ジンクフィンガータンパク質またはジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)対、転写活性化因子様エフェクター(TALE)タンパク質または転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、またはクラスター化された規則的に散在する短いパリンドローム反復(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)システムが挙げられるが、これらに限定されない。認識配列の長さは異なることができるが、例えば、ジンクフィンガータンパク質またはZFN対については約30~36bp、各ZFNについては約15~18bp、TALEタンパク質またはTALENについては約36bp、及びCRISPR/CasガイドRNAについては約20bpである認識配列が挙げられる。
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムを用いて、細胞内のSLC27A3ゲノム核酸分子を修飾することができる。本明細書で開示されている方法及び組成物は、SLC27A3核酸分子の部位特異的切断のためにCRISPR複合体(Casタンパク質と複合体化したガイドRNA(gRNA)を含む)を利用することによってCRISPR-Cas系を採用することができる。
Casタンパク質は一般に、gRNAと相互作用することができる少なくとも1つのRNA認識ドメインまたはRNA結合ドメインを含む。Casタンパク質はまた、ヌクレアーゼドメイン(例えば、DNaseまたはRNaseドメイン)、DNA結合ドメイン、ヘリカーゼドメイン、タンパク質-タンパク質相互作用ドメイン、二量体化ドメイン、及び他のドメインも含むことができる。好適なCasタンパク質には、例えば、野生型Cas9タンパク質及び野生型Cpf1タンパク質(例えば、FnCpf1)が挙げられる。Casタンパク質は、SLC27A3ゲノム核酸分子にて二本鎖切断を作り出すための完全な切断活性を有することができ、または、SLC27A3ゲノム核酸分子にて一本鎖切断を作り出すニッカーゼであることができる。Casタンパク質の追加の例として、Cas1、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas5e(CasD)、Cas6、Cas6e、Cas6f、Cas7、Cas8a1、Cas8a2、Cas8b、Cas8c、Cas9(Csn1またはCsx12)、Cas10、Cas10d、CasF、CasG、CasH、Csy1、Csy2、Csy3、Cse1(CasA)、Cse2(CasB)、Cse3(CasE)、Cse4(CasC)、Csc1、Csc2、Csa5、Csn2、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Csb1、Csb2、Csb3、Csx17、Csx14、Csx10、Csx16、CsaX、Csx3、Csx1、Csx15、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、及びCu1966、ならびにその相同体または改変体が挙げられるが、これらに限定されない。Casタンパク質を、融合タンパク質として異種ポリペプチドに操作可能に連結することもできる。例えば、Casタンパク質を、切断ドメイン、エピジェネティック修飾ドメイン、転写活性化ドメイン、または転写抑制因子ドメインに融合させることができる。Casタンパク質は任意の形態で提供することができる。例えば、Casタンパク質を、タンパク質、例えば、gRNAと複合体化したCasタンパク質の形態で提供することができる。あるいは、Casタンパク質を、Casタンパク質をコードする核酸分子、例えば、RNAまたはDNAの形態で提供することができる。
いくつかの実施形態では、Casタンパク質と、SLC27A3ゲノム核酸分子における標的ゲノム遺伝子座内の1以上のgRNA認識配列とハイブリダイズする1以上のgRNAとに細胞を接触させることによってSLC27A3ゲノム核酸分子の標的とされた遺伝子組み換えを生成することができる。例えば、gRNA認識配列は配列番号1の領域内に位置することができる。gRNA認識配列は、SLC27A3ゲノム核酸分子の開始コドンまたはSLC27A3ゲノム核酸分子の終止コドンを含む、またはそれらに近接することができる。例えば、gRNA認識配列は開始コドンまたは終止コドンから約10、約20、約30、約40、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れて位置することができる。
SLC27A3ゲノム核酸分子における標的ゲノム遺伝子座内のgRNA認識配列は、Cas9ヌクレアーゼが標的とするDNA配列の直後にある2~6塩基対のDNA配列であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列の近くに位置する。標準的なPAMは、配列5’-NGG-3’であり、その際、「N」は任意の核酸塩基であり、その後に2つのグアニン(「G」)核酸塩基が続く。gRNAは遺伝子編集のためにCas9をゲノム内のどこにでも輸送することができるが、Cas9がPAMを認識する部位以外の部位では編集を行うことはできない。加えて、5’-NGA-3’はヒト細胞にとって高度に効率的な非標準的なPAMであることができる。一般に、PAMはgRNAの標的となるDNA配列の下流の約2~6ヌクレオチドである。PAMはgRNA認識配列に隣接することができる。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列にPAMを3’末端で隣接させることができる。いくつかの実施形態では、gRNA認識配列にPAMを5’末端で隣接させることができる。例えば、Casタンパク質の切断部位はPAM配列の上流または下流における約1~約10、約2~約5塩基対または3塩基対であることができる。いくつかの実施形態(例えば、S.pyogenes由来のCas9または密接に関連するCas9を使用する場合)では、非相補鎖のPAM配列は5’-NGG-3’であることができ、その際、Nは任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの非相補鎖のgRNA認識配列の直近の3’側である。したがって、相補鎖のPAM配列は5’-CCN-3’であり、式中、Nは任意のDNAヌクレオチドであり、標的DNAの相補鎖のgRNA認識配列の直近の5’側である。
gRNAは、Casタンパク質に結合し、Casタンパク質をSLC27A3ゲノム核酸分子内の特定の位置に標的指向化するRNA分子である。例示的なgRNAはSLC27A3ゲノム核酸分子に結合するまたはそれを切断するようにCas酵素を誘導するのに有効なgRNAであり、その際、gRNAはSLC27A3ゲノム核酸分子内のgRNA認識配列とハイブリダイズするDNA標的化セグメントを含む。例示的なgRNAは、開始コドンまたは終止コドンを含むまたはそれに近接するSLC27A3ゲノム核酸分子内に存在するgRNA認識配列とハイブリダイズするDNA標的化セグメントを含む。例えば、gRNAは、開始コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れて位置するgRNA認識配列と、または終止コドンから約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約100、約200、約300、約400、約500、または約1,000ヌクレオチド離れて位置するgRNA認識配列とハイブリダイズするように選択することができる。好適なgRNAは約17~約25ヌクレオチド、約17~約23ヌクレオチド、約18~約22ヌクレオチド、または約19~約21ヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、gRNAは20ヌクレオチドを含むことができる。
ヒトSLC27A3基準遺伝子内に位置する好適なgRNA認識配列の例は、配列番号39~58として表1に記述されている。
Casタンパク質とgRNAは複合体を形成し、Casタンパク質は標的SLC27A3ゲノム核酸分子を切断する。Casタンパク質は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合する標的SLC27A3ゲノム核酸分子に存在する核酸配列の内部または外部の部位で核酸分子を切断することができる。例えば、CRISPR複合体(gRNA認識配列とハイブリダイズし、Casタンパク質と複合体を形成するgRNAを含む)の形成は、gRNAのDNA標的化セグメントが結合するSLC27A3ゲノム核酸分子に存在する核酸配列内またはその近傍(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、または50以内、またはそれ以上の塩基対以内)において一方または双方の鎖の切断を生じることができる。
そのような方法は、例えば、配列番号1のある領域が破壊される、開始コドンが破壊される、終止コドンが破壊される、またはコード配列が破壊されるもしくは欠失するSLC27A3ゲノム核酸分子を生じることができる。任意で、細胞を、SLC27A3ゲノム核酸分子の標的ゲノム遺伝子座内の追加のgRNA認識配列とハイブリダイズする1以上の追加のgRNAとさらに接触させることができる。細胞を1以上の追加のgRNA(例えば、第2のgRNA認識配列とハイブリダイズする第2のgRNA)と接触させることによって、Casタンパク質による切断は2以上の二本鎖切断または2以上の一本鎖切断を作り出すことができる。
いくつかの実施形態では、治療及び/または予防方法はさらに、対象の生体試料におけるSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の存在または非存在を検出することを含む。本開示全体を通して使用されるとき、「SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子」は、部分的な機能喪失、完全な機能喪失、予測される部分的な機能喪失、または予測される完全な機能喪失を有するSLC27A3ポリペプチドをコードする任意のSLC27A3核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはcDNA分子)である。
本開示はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤で対象を治療する方法も提供し、その際、該対象は喘息を有する、または喘息を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、方法は、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを、対象から生体試料を得ることまたは得たことと、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために生体試料にて配列分析を実施することまたは実施したこととによって決定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、SLC27A3基準である対象に喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量で投与するもしくは投与し続ける、及び/または対象にSLC27A3阻害剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、SLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与すること、もしくは投与し続けること、及び/または対象にSLC27A3阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、SLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である対象に喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与するまたは投与し続けることを含む。SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は、対象が喘息を発症するリスクは低いことを示している。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3基準である。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。
SLC27A3基準であるまたはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型であると遺伝子型決定されている、または決定されている対象については、そのような対象は、本明細書に記載されているように、SLC27A3阻害剤を投与することができる。
対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の存在または非存在を検出すること、及び/または対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、核酸分子は対象から得られる細胞内に存在することができる。
いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3基準である場合、対象は、標準的な投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、対象は、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。
いくつかの実施形態では、治療及び/または予防方法はさらに、対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドの存在または非存在を検出することを含む。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有さない場合、対象は、標準的な投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤も投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有する場合、対象は、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤も投与される。
本開示はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤で対象を治療する方法も提供し、その際、該対象は喘息を有する、または喘息を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、方法は、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを、対象から生体試料を得ることまたは得たことと、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを決定するために生体試料にてアッセイを行うことまたは行ったこととによって決定することを含む。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有さない場合、喘息を治療するまたは予防する治療剤が標準的な投与量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはSLC27A3阻害剤が対象に投与される。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有する場合、喘息を治療するまたは予防する治療剤が、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で対象に投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはSLC27A3阻害剤が対象に投与される。SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドの存在は、対象が喘息を発症するリスクは低いことを示している。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有する。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有さない。
対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドの存在または非存在を検出すること、及び/または対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドを有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、ポリペプチドは対象から得られる細胞内に存在することができる。
いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は小分子である。いくつかの実施形態では、SLC27A3阻害剤は抗SLC27A3抗体である。
喘息を治療するまたは予防する治療剤の例には、吸入ステロイド(例えば、モメタゾン、シクレソニド、フルチカゾン、ブデソニド、フルニソリド、ベクロメタゾン、及びトリアムシノロン);配合薬(例えば、フルチカゾン(fluticasome)及びサルメテロール、モメタゾン及びホルモテロール、ブデソニド及びホルモテロール、ならびにフルチカゾンフロエート及びビランテロールの組み合わせ);抗コリン性維持薬(例えば、アクリジニウム、グリコピロニウム、イプラトロピウム、チオトロピウム、及びウメクリジニウム);ロイコトリエン調節薬(例えば、ザフィルルカスト、モンテルカスト)、及びジロイトン);及び生物学的免疫調節薬(例えば、メポリズマブ、レスリズマブ、ベンラリズマブ、オマリズマブ、及びデュピルマブ)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤は吸入ステロイドである。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤は配合薬である。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤は抗コリン性維持薬である。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤はロイコトリエン調節薬である。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤は生物学的免疫調節薬である。
いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはモメタゾンである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはシクレソニドである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはフルチカゾンである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはブデソニドである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはフルニソリドである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはベクロメタゾンである。いくつかの実施形態では、吸入ステロイドはトリアムシノロンである。いくつかの実施形態では、配合薬はフルチカゾン及びサルメテロールである。いくつかの実施形態では、配合薬はモメタゾン及びホルモテロールである。いくつかの実施形態では、配合薬はブデソニド及びホルモテロールである。いくつかの実施形態では、配合薬はフルチカゾンフロエート及びビランテロールである。いくつかの実施形態では、抗コリン性維持薬はアクリジニウムである。いくつかの実施形態では、抗コリン性維持薬はグリコピロニウムである。いくつかの実施形態では、抗コリン性維持薬はイプラトロピウムである。いくつかの実施形態では、抗コリン性維持薬はチオトロピウムである。いくつかの実施形態では、抗コリン性維持薬はウメクリジニウムである。いくつかの実施形態では、ロイコトリエン調節薬はザフィルルカストである。いくつかの実施形態では、ロイコトリエン調節薬はモンテルカストである。いくつかの実施形態では、ロイコトリエン調節剤はジロイトンである。いくつかの実施形態では、生物学的免疫調節薬はメポリズマブである。いくつかの実施形態では、生物学的免疫調節薬はレスリズマブである。いくつかの実施形態では、生物学的免疫調節薬はベンラリズマブである。いくつかの実施形態では、生物学的免疫調節薬はオマリズマブである。いくつかの実施形態では、生物学的免疫調節薬はデュピルマブである)。
いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤の用量は、SLC27A3基準である(標準的な投与量を受け入れてもよい)対象と比べてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である(すなわち、標準的な投与量よりも少ない)対象については、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%減らすことができる。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤の用量は約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減らすことができる。加えて、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象は、SLC27A3基準である対象と比べてさらに少ない頻度で投与され得る。
いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤の用量は、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象と比べてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である対象については、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%減らすことができる。いくつかの実施形態では、喘息を治療するまたは予防する治療剤の用量は約10%、約20%、約30%、約40%、または約50%減らすことができる。加えて、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である対象における喘息を治療するまたは予防する治療剤の用量は、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象と比べてさらに少ない頻度で投与することができる。
喘息を治療するまたは予防する治療剤及び/またはSLC27A3阻害剤の投与は、例えば、1日後、2日後、3日後、5日後、1週後、2週後、3週後、1ヵ月後、5週後、6週後、7週後、8週後、2ヵ月後、または3ヵ月後に繰り返すことができる。反復投与は同じ用量または異なる用量であることができる。投与は1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれ以上繰り返すことができる。例えば、特定の投薬計画によれば、対象は、例えば、6ヵ月、1年、またはそれ以上のような長期間にわたって治療を受けることができる。
喘息を治療するまたは予防する治療剤及び/またはSLC27A3阻害剤の投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、くも膜下腔内、腹腔内、局所、鼻腔内、または筋肉内を含むが、これらに限定されない任意の好適な経路によって発生することができる。投与用の医薬組成物は、望ましくは無菌であり、実質的に等張であり、GMP条件下で製造される。医薬組成物は、単位剤形(すなわち、単回投与の用量)で提供することができる。医薬組成物は、1以上の生理学的及び薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤または補助剤を使用して製剤化することができる。製剤は選択した投与経路に依存する。「薬学的に許容される」という用語は、担体、希釈剤、賦形剤、または補助剤が製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントにとって実質的に有害ではないことを意味する。
本明細書で使用されるとき「治療する」、「治療すること」、及び「治療」ならびに「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、それぞれ、治療効果及び予防効果のような所望の生物学的応答を引き出すことを指す。いくつかの実施形態では、治療効果は、薬剤または薬剤を含む組成物の投与後の、喘息の減少/軽減、喘息の重症度の減少/軽減(例えば、喘息の発症の減少または抑制)、症状及び喘息関連の影響の減少/軽減、症状の発症及び喘息関連の影響の遅延、喘息関連の影響の症状の重症度の軽減、症状及び喘息関連の影響の数の軽減、症状及び喘息関連の影響の潜伏期間の短縮、症状及び喘息関連の影響の改善、二次症状の軽減、二次感染の軽減、喘息の再発の防止、再発エピソードの数または頻度の減少、症候性エピソード間の潜伏期間の増加、持続的な進行までの時間の増加、回復の加速、または代替治療剤の有効性の増加もしくは耐性の減少、及び/または罹患した宿主動物の生存期間の増加のうちの1以上を含む。予防効果は、治療プロトコールの投与に続く喘息の発症/進行の完全なまたは部分的な回避/抑制または遅延(例えば、完全なまたは部分的な回避/抑制または遅延)、及び罹患した宿主動物の生存時間の増加を含んでもよい。喘息の治療には、臨床段階または臨床症状のいずれかで何らかの形態の喘息を有するとすでに診断された対象の治療、喘息の症状または徴候の発症または進展または増悪または悪化の遅延、及び/または喘息の重症度の予防及び/または軽減が包含される。
本開示はまた、喘息を発症するリスクが高い対象を特定する方法も提供する。いくつかの実施形態では、方法は、SLC27A3ポリペプチドをコードするSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子及び/またはcDNA分子)の存在または非存在を対象から得られた生体試料にて決定すること、または決定したことを含む。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を欠いている(すなわち、対象が遺伝子型決定でSLC27A3基準として分類される)場合、対象は喘息を発症する高いリスクを有する。対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有する(すなわち、対象が、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型またはホモ接合型である)場合、対象は喘息を発症する低いリスクを有する。
SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の単一のコピーを有することは、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子のコピーを有さないことよりも、喘息を発症することから対象をさらに保護する。特定の理論または作用機序に限定されることを意図するものではないが、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の単一コピー(すなわち、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型)は喘息を発症することから対象を保護すると考えられており、且つ、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の2コピー(すなわち、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型)を有することは、単一のコピーを持つ対象と比べて喘息を発症することから対象をさらに保護し得るとも考えられている。したがって、いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の単一コピーは喘息を発症することから対象を完全に保護しなくてもよいが、代わりに、部分的または不完全に保護し得る。特定の理論に束縛されることを望むわけではないが、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の単一コピーを有する対象に依然として存在する喘息の発症に関与する追加の因子または分子が存在し得、それにより喘息の発症からの完全ではない保護が生じ得る。
対象が対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを決定すること、及び/または対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを決定することは、本明細書に記載されている方法のいずれかによって実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は試験管内で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は原位置で実施することができる。いくつかの実施形態では、これらの方法は生体内で実施することができる。これらの実施形態のいずれかでは、核酸分子は対象から得られる細胞内に存在することができる。
いくつかの実施形態では、対象が喘息を発症する高いリスクを有すると特定されると、対象は、本明細書に記載されているように、喘息を治療するまたは予防する治療剤及び/またはSLC27A3阻害剤を投与される。例えば、対象がSLC27A3基準であり、したがって喘息を発症するリスクが高い場合、対象はSLC27A3阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、そのような対象はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、対象は、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与され、SLC27A3阻害剤も投与される。いくつかの実施形態では、そのような対象はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である場合、対象は、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3基準である。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかは、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子、及び/または喘息を発症するリスクの低下に関連するSLC27A3で予測される機能喪失型変異体ポリペプチドを有する対象の総負荷を決定することをさらに含み得る。総負荷は、SLC27A3遺伝子内のすべての変異体の合計であり、これは、喘息との関連分析で実施され得る。いくつかの実施形態では、対象は、喘息を発症するリスクの低下に関連するSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の1つ以上についてホモ接合型である。いくつかの実施形態では、対象は、喘息を発症するリスクの低下に関連するSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の1つ以上についてヘテロ接合型である。関連分析の結果は、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子が、喘息を発症するリスクの低下に関連することを示唆する。対象がより低い総負荷を有する場合、対象は喘息を発症するリスクがより高く、対象は、喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量で、及び/またはSLC27A3阻害剤を投与される、または投与され続ける。対象がより高い総負荷を有する場合、対象は喘息を発症するリスクがより低く、対象は、喘息を治療するまたは予防する治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与される、または投与され続ける。総負荷が大きいほど、喘息を発症するリスクは低くなる。
総負荷分析において使用することができるSLC27A3変異体は、以下の任意の1つ以上または任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするいずれか1つ以上のSLC27A3変異体核酸分子を有する対象の総負荷は、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子のいずれかの複数の加重和を表す。いくつかの実施形態では、該総負荷は、SLC27A3遺伝子内またはその周辺(最大10Mb)に存在する、少なくとも約2、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、少なくとも約60、少なくとも約70、少なくとも約80、少なくとも約100、少なくとも約120、少なくとも約150、少なくとも約200、少なくとも約250、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約1,000、少なくとも約10,000、少なくとも約100,000、または少なくとも約1,000,000もしくはそれを超える遺伝子変異体を使用して計算され、ここで、遺伝子負荷は、対立遺伝子の数に、各対立遺伝子についての喘息または関連するアウトカムとの関連推定値を掛けたもの(例えば、加重多遺伝子負荷スコア)である。これには、ゲノムアノテーションに関係なく、遺伝子関連分析において喘息関連形質とゼロでない関連性を示すSLC27A3遺伝子に近接する(遺伝子の周囲に最大10Mb)、任意の遺伝子変異体を含めることができる。いくつかの実施形態では、対象が所望の閾値スコアよりも高い総負荷を有する場合、対象は、喘息を発症する低いリスクを有する。いくつかの実施形態では、対象が所望の閾値スコアよりも低い総負荷を有する場合、対象は、喘息を発症する高いリスクを有する。
いくつかの実施形態では、該総負荷は、例えば、上位五分位、中間五分位、及び下位五分位の五分位に分けることができ、総負荷の上位五分位は最低リスク群に対応し、総負荷の下位五分位は最高リスク群に対応する。いくつかの実施形態では、より大きな総負荷を有する対象は、対象集団からの上位10%、上位20%、上位30%、上位40%、または上位50%の総負荷を含むがこれらに限定されない、最高加重総負荷を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子変異体は、喘息との関連性を、関連性についてのp値範囲の上位10%、上位20%、上位30%、上位40%、または上位50%に有する遺伝子変異体を含む。いくつかの実施形態では、特定された遺伝子変異体のそれぞれは、約10-2、約10-3、約10-4、約10-、約10-6、約10-7、約10-8、約10-9、約10-10、約10-11、約10-12、約10-13、約10-14、または約10-15以下のp値で喘息と関連性を有する遺伝子変異体を含む。いくつかの実施形態では、特定された遺伝子変異体は5×10-8未満のp値で喘息と関連性を有する遺伝子変異体を含む。いくつかの実施形態では、特定された遺伝子変異体は、オッズ比(OR)が分布の上位20%について、約1.5以上、約1.75以上、約2.0以上、もしくは約2.25以上;または約1.5以上、約1.75以上、約2.0以上、約2.25以上、約2.5以上、もしくは約2.75以上である参照集団の残りと比較して高リスクである対象において、喘息と関連性を有する遺伝子変異体を含む。いくつかの実施形態では、オッズ比(OR)は、約1.0~約1.5、約1.5~約2.0、約2.0~約2.5、約2.5~約3.0、約3.0~約3.5、約3.5~約4.0、約4.0~約4.5、約4.5~約5.0、約5.0~約5.5、約5.5~約6.0、約6.0~約6.5、約6.5~約7.0の範囲、または7.0を超えていてもよい。いくつかの実施形態では、高リスクの対象は、参照集団における下位十分位、五分位、または三分位の総負荷を有する対象を含む。総負荷の閾値は、意図される実際の用途の性質と、その実際の用途にとって意味があると考えられるリスク差に基づいて決定される。
いくつかの実施形態では、対象が喘息を発症する高いリスクを有すると特定されると、対象はさらに、本明細書に記載されているように、喘息を治療するまたは予防する治療剤及び/またはSLC27A3阻害剤を投与される。例えば、対象がSLC27A3基準であり、したがって喘息を発症するリスクが高い場合、対象はSLC27A3阻害剤を投与される。いくつかの実施形態では、そのような対象はまた、喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である場合、対象は、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与され、SLC27A3阻害剤も投与される。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3基準である。いくつかの実施形態では、対象はSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である。さらに、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有することについてより低い総負荷を有し、したがって喘息を発症する高いリスクを有する場合、対象は喘息を治療するまたは予防する治療剤を投与される。いくつかの実施形態では、対象がSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有することについてより低い総負荷を有する場合、対象は、喘息を治療するまたは予防する治療剤を、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有することについてより大きい総負荷を有する対象に投与される標準的な投与量と同じまたはそれより多い投与量で投与される。
本開示はまた、対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子(すなわち、ゲノム核酸分子、mRNA分子、またはmRNA分子から生成されたcDNA分子)の存在または非存在を検出する方法も提供する。集団内の遺伝子配列、及びそのような遺伝子によってコードされるmRNA分子は、一塩基多型のような多型に起因して異なり得ることが理解される。SLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3変異体mRNA分子、及びSLC27A3変異体cDNA分子について本明細書で提供される配列は例示的な配列にすぎない。SLC27A3変異体ゲノム核酸分子、変異体mRNA分子、及び変異体cDNA分子について他の配列も可能である。
生体試料は、対象の任意の細胞、組織、または生体液に由来することができる。この生体試料は、例えば、骨髄試料、腫瘍生検、細針吸引物、または例えば、血液、歯肉溝滲出液、血漿、血清、リンパ、腹水、嚢胞液もしくは尿のような体液の試料のような任意の臨床的に関連する組織を含んでもよい。いくつかの場合では、試料は口腔スワブを含む。本明細書で開示されている方法において使用する生体試料は、アッセイ形式、検出方法の性質、及び試料として使用する組織、細胞、または抽出物に基づいて異なり得る。生体試料は採用されるアッセイに応じて異なる処理を行うことができる。例えば、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を検出する場合、ゲノムDNAについて生体試料を単離するまたは濃縮するように設計した予備処理を採用することができる。この目的では、種々の技術を使用してもよい。SLC27A3変異体mRNA分子のレベルを検出する場合、さまざまな技術を使用してmRNA分子を含む生体試料を濃縮することができる。mRNA分子の存在もしくはレベル、または特定の変異体ゲノムDNA遺伝子座の存在を検出するために種々の方法を使用することができる。
いくつかの実施形態では、対象にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を検出することは、生体試料におけるSLC27A3ゲノム核酸分子、及び/または生体試料におけるSLC27A3 mRNA分子、及び/または生体試料におけるmRNA分子から生成されたSLC27A3 cDNA分子が機能喪失(部分的なまたは完全な)を引き起こすか、または機能喪失(部分的なまたは完全な)を引き起こすと予測される1以上の変異を含むかどうかを決定するために対象から得られる生体試料にて配列分析を実施することを含む。
いくつかの実施形態では、対象におけるSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはmRNA分子から生成されたcDNA分子)の存在または非存在を検出する方法は、対象から得られた生体試料にてアッセイを実施することを含む。アッセイは、生体試料における核酸分子が特定のヌクレオチド配列を含むかどうかを決定する。
いくつかの実施形態では、生体試料には細胞または細胞溶解物が含まれる。そのような方法はさらに、例えば、SLC27A3ゲノム核酸分子またはmRNA分子を含む生体試料を対象から取得すること、及びmRNAであれば、任意でmRNAをcDNAに逆転写することを含むことができる。そのようなアッセイは、例えば、特定のSLC27A3核酸分子のこれらの位置の同一性を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は試験管内の方法である。
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、生体試料にてSLC27A3ゲノム核酸分子、SLC27A3 mRNA分子、またはSLC27A3 cDNA分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部を配列決定することを含み、その際、配列決定された部分は機能喪失(部分的なまたは完全な)を引き起こすか、または機能喪失(部分的なまたは完全な)を引き起こすと予測される1以上の変異を含む。
いくつかの実施形態では、アッセイは核酸分子全体を配列決定することを含む。いくつかの実施形態では、SLC27A3ゲノム核酸分子のみが分析される。いくつかの実施形態では、SLC27A3 mRNAのみが分析される。いくつかの実施形態では、SLC27A3 mRNAから得られるSLC27A3 cDNAのみが分析される。
変異特異的ポリメラーゼ連鎖反応技術を使用して核酸配列におけるSNPのような突然変異を検出することができる。変異特異的プライマーが使用され得るのは、鋳型とのミスマッチが存在するとDNAポリメラーゼが伸長しないからである。
いくつかの実施形態では、試料における核酸分子はmRNAであり、増幅工程の前にmRNAはcDNAに逆転写される。いくつかの実施形態では、核酸分子は、対象から得られた細胞内に存在する。
いくつかの実施形態では、アッセイは、ストリンジェントな条件下で、対応するSLC27A3基準配列ではなく、SLC27A3変異体ゲノム配列、変異体mRNA配列、または変異体cDNA配列に特異的にハイブリダイズする変異特異的プライマーまたは変異特異的プローブなどのプライマーまたはプローブに生体試料を接触させることと、ハイブリダイゼーションが起こったかどうかを決定することとを含む。
いくつかの実施形態では、決定工程、検出工程、または配列分析は、a)SLC27A3ポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも一部を増幅することと;b)増幅した核酸分子を検出可能な標識で標識することと;c)標識した核酸分子を、変異特異的プローブを含む支持体に接触させることと;d)検出可能な標識を検出することとを含む。
いくつかの実施形態では、アッセイはRNAの配列決定(RNA-Seq)を含む。いくつかの実施形態では、アッセイは、例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によってmRNAをcDNAに逆転写することも含む。
いくつかの実施形態では、方法は、標的ヌクレオチド配列に結合し、SLC27A3の変異体ゲノム核酸分子、変異体mRNA分子、または変異体cDNA分子を含むポリヌクレオチドを特異的に検出する及び/または特定するのに十分なヌクレオチド長のプローブ及びプライマーを利用する。ハイブリダイズの条件または反応条件は、この結果を達成するように作業者が決定することができる。ヌクレオチド長は、本明細書に記載されているまたは例示されている任意のアッセイを含む、最適な検出方法にて使用するのに十分である任意の長さであってもよい。そのようなプローブ及びプライマーは、高ストリンジェントなハイブリダイズ条件下で標的ヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズすることができる。標的ヌクレオチド配列とは異なり、且つ標的ヌクレオチド配列を特異的に検出する及び/または特定する能力を保持するプローブが従来の方法によって設計されてもよいが、プローブ及びプライマーは標的ヌクレオチド配列内の連続ヌクレオチドの完全なヌクレオチド配列同一性を有してもよい。プローブ及びプライマーは、標的核酸分子のヌクレオチド配列と約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または100%の配列同一性または相補性を有することができる。
核酸配列決定技術の説明に役立つ実例には、連鎖停止剤(Sanger)配列決定及びダイターミネーター配列決定が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法には、精製DNA、増幅DNA及び固定細胞標本に対する標識プライマーまたは標識プローブの使用を含めて、配列決定以外の核酸ハイブリダイズ法(蛍光原位置ハイブリダイズ(FISH))が含まれる。いくつかの方法では、検出の前にまたは検出と同時に標的核酸分子を増幅してもよい。核酸増幅技術の説明に役立つ実例には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換型増幅法(SDA)、及び核酸配列に基づく増幅法(NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない。他の方法には、リガーゼ連鎖反応、鎖置換型増幅法、及び好熱SDA(tSDA)が挙げられるが、これらに限定されない。
ハイブリダイズ技術では、プローブまたはプライマーがその標的と特異的にハイブリダイズするように、ストリンジェントな条件を採用することができる。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他の非標的配列よりも検出可能に高い程度で、例えば、バックグラウンドの10倍を超えてを含めてバックグラウンドの少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍またはそれ以上高い程度でその標的配列とハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも2倍ハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも3倍ハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列と少なくとも4倍ハイブリダイズするであろう。いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下のポリヌクレオチドのプライマーまたはプローブは、他のヌクレオチド配列よりも検出可能に高い程度でその標的ヌクレオチド配列とバックグラウンドの10倍を超えてハイブリダイズするであろう。ストリンジェントな条件は配列に依存し、異なる状況では異なるであろう。
DNAのハイブリダイズを促進する適当なストリンジェントな条件、例えば、約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、その後の50℃での2×SSCの洗浄は公知である、またはCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6に見いだすことができる。通常、ハイブリダイズ及び検出のためのストリンジェントな条件は、塩濃度が、pH7.0~8.3において約1.5M未満のNa+イオン、通常、約0.01~1.0MのNa+イオン濃度(または他の塩)であり、温度が、短いプローブ(例えば10~50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃、それよりも長いプローブ(例えば50ヌクレオチド超)では少なくとも約60℃である条件であろう。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドのような不安定化剤の添加により達成されてもよい。任意で、洗浄緩衝液は約0.1%~約1%のSDSを含んでもよい。ハイブリダイズの持続期間は一般に約24時間未満、ふつう約4~約12時間である。洗浄の持続期間は少なくとも平衡に達するのに十分な長さの時間であろう。
いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、少なくとも約25、少なくとも約30、少なくとも約35、少なくとも約40、少なくとも約45、少なくとも約50、少なくとも約55、少なくとも約60、少なくとも約65、少なくとも約70、少なくとも約75、少なくとも約80、少なくとも約85、少なくとも約90、少なくとも約95、少なくとも約100、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、少なくとも約1000、少なくとも約2000、少なくとも約3000、少なくとも約4000、または少なくとも約5000のヌクレオチドを含むか、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、少なくとも約5、少なくとも約8、少なくとも約10、少なくとも約11、少なくとも約12、少なくとも約13、少なくとも約14、少なくとも約15、少なくとも約16、少なくとも約17、少なくとも約18、少なくとも約19、少なくとも約20、少なくとも約21、少なくとも約22、少なくとも約23、少なくとも約24、または少なくとも約25のヌクレオチドを含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約18のヌクレオチドを含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約15のヌクレオチドを含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約10~約35、約10~約30、約10~約25、約12~約30、約12~約28、約12~約24、約15~約30、約15~約25、約18~約30、約18~約25、約18~約24、または約18~約22のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約18~約30のヌクレオチドをから成る、またはそれ含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は少なくとも約15のヌクレオチド~少なくとも約35のヌクレオチドを含む、またはそれから成る。
いくつかの実施形態では、そのような単離された核酸分子は、ストリンジェントな条件下でSLC27A3変異体核酸分子(例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及び/またはcDNA分子)とハイブリダイズする。そのような核酸分子は、例えば、本明細書に記載されているまたは例示されているようなプローブ、プライマー、変異特異的プローブ、または変異特異的プライマーとして使用することができ、限定されないが、プライマー、プローブ、アンチセンスRNA、shRNA、及びsiRNAが含まれ、これらのそれぞれは本明細書の他の箇所でより詳細に記載され、本明細書に記載される方法のいずれかにおいて使用することができる。
いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、SLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3変異体mRNA分子及び/またはSLC27A3変異体cDNA分子と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%同一である核酸分子の少なくとも約15の連続ヌクレオチドとハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約15~約100のヌクレオチド、または約15~約35のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は約15~約100のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。いくつかの実施形態では、単離された核酸分子は、約15~約35のヌクレオチドから成る、またはそれを含む。
いくつかの実施形態では、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーはDNAを含む。いくつかの実施形態では、変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーはRNAを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているプローブ及びプライマー(変異特異的プローブ及び変異特異的プライマーを含む)は、本明細書で開示されている核酸分子のいずれかまたはその相補体と特異的にハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、プローブ及びプライマーはストリンジェントな条件下にて本明細書で開示されている核酸分子のいずれかと特異的にハイブリダイズする。
いくつかの実施形態では、プライマーは変異特異的プライマーを含めて、第2世代配列決定またはハイスループット配列決定において使用することができる。時には、プライマーは変異特異的プライマーを含めて、修飾することができる。特に、プライマーは、例えば、大規模並行シグネチャー配列決定(Massive Parallel Signature Sequencing)(MPSS)、Polony配列決定、及び454パイロ配列決定のさまざまな工程において使用される種々の修飾を含むことができる。修飾されたプライマーは、クローニング工程におけるビオチン化プライマー、ならびにビーズ負荷工程及び検出工程にて使用される蛍光標識プライマーを含めて、プロセスのうちのいくつかの工程で使用することができる。Polony配列決定は一般的に、DNA鋳型の各分子が長さ約135bpであるペアエンドタグライブラリを使用して行われる。ビオチン化プライマーはビーズ負荷工程及びエマルジョンPCRにおいて使用される。蛍光標識された縮重ノナマーオリゴヌクレオチドは検出工程で使用される。アダプターは、ストレプトアビジン被覆ビーズにDNAライブラリを不動化するための5’-ビオチンタグを含有することができる。
本明細書に記載されているプローブ及びプライマーを使用して、本明細書で開示されているSLC27A3変異体ミスセンスゲノム核酸分子、SLC27A3変異体mRNA分子、及び/またはSLC27A3変異体cDNA分子のいずれかの範囲内でヌクレオチド変異を検出することができる。本明細書に記載されているプライマーを使用して、SLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3変異体mRNA分子、またはSLC27A3変異体cDNA分子、またはそれらの断片を増幅することができる。
本開示の文脈において、「特異的にハイブリダイズする」とは、プローブまたはプライマー(例えば、変異特異的プローブまたは変異特異的プライマー)が、SLC27A3基準のゲノム核酸分子、SLC27A3基準のmRNA分子、及び/またはSLC27A3基準のcDNA分子をコードする核酸配列とハイブリダイズしないことを意味する。
いくつかの実施形態では、プローブ(例えば、変異特異的プローブ)は標識を含む。いくつかの実施形態では、標識は蛍光標識、放射性標識、またはビオチンである。
本開示はまた、本明細書で開示されているプローブのいずれか1以上が結合している基材を含む支持体も提供する。固体支持体は、本明細書で開示されているプローブのいずれかのような分子が会合することができる固体状態の基材または支持体である。固体支持体の形態はアレイである。固体支持体の別の形態はアレイ検出器である。アレイ検出器は、複数の異なるプローブがアレイ状、グリッド状または他の組織化されたパターンで結合している固体支持体である。固体状態の基材の形態は標準的な96ウェル型のようなマイクロタイターディッシュである。いくつかの実施形態では、ふつう1ウェル当たりに1つのアレイを含有するマルチウェルスライドグラスを用いることができる。
SLC27A3基準のゲノム核酸分子のヌクレオチド配列は配列番号1に記述されている(GRCh38/hg38ヒトゲノムアセンブリ中のchr1:153,774,354-153,780,157を包含するENSG00000143554.14)。
SLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号2に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号3に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号4に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号5に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号6に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号7に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号8に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号9に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号10に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号11に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号12に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号13に記述されている。別のSLC27A3基準のmRNA分子のヌクレオチド配列は配列番号14に記述されている。
SLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号15に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号16に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号17に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号18に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号19に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号20に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号21に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号22に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号23に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号24に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号25に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号26に記述されている。別のSLC27A3基準のcDNA分子のヌクレオチド配列は配列番号27に記述されている。
SLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号28に記述されており、811アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号29に記述されており、683アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号30に記述されており、648アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号31に記述されており、640アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号32に記述されており、730アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号33に記述されており、288アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号34に記述されており、700アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号35に記述されており、399アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号36に記述されており、152アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号37に記述されており、144アミノ酸長である。別のSLC27A3基準ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号38に記述されており、229アミノ酸長である。
ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、任意の生物に由来することができる。例えば、ゲノム核酸分子、mRNA分子、及びcDNA分子は、ヒト、または別の生物(例えば、非ヒト哺乳動物、げっ歯類、マウス、もしくはラット)からのオーソログであり得る。集団内の遺伝子配列は、一塩基多型のような多型に起因して異なり得ることが理解される。本明細書で提供される例は、例示的な配列にすぎない。他の配列もまた可能である。
本明細書で提供されるのはまた、開示されている核酸分子と相互作用することができる機能性ポリヌクレオチドである。機能性ポリヌクレオチドの例には、アンチセンス分子、アプタマー、リボザイム、三重鎖形成分子、及び外部ガイド配列が挙げられるが、これらに限定されない。機能性ポリヌクレオチドは標的分子が持つ特定の活性のエフェクター、阻害剤、モジュレーター、及び刺激剤として作用することができ、または機能性ポリヌクレオチドはいかなる他の分子とも無関係なデノボ活性を持つことができる。
本明細書で開示されている単離された核酸分子は、RNA、DNA、またはRNAとDNAの双方を含むことができる。単離された核酸分子を、例えばベクターにおける異種核酸配列、または異種標識に連結させる、または融合させることもできる。例えば、本明細書で開示されている単離された核酸分子は、単離された核酸分子と異種核酸配列とを含むベクター内に、またはそれらを含む外来性ドナー配列として存在してもよい。単離された核酸分子を異種標識に連結させる、または融合させることもできる。標識は、直接検出可能(例えば、蛍光色素分子)であることができる、または間接的に検出可能(例えば、ハプテン、酵素、または蛍光色素分子消光剤)であることができる。そのような標識は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、または化学的な手段によって検出可能であることができる。そのような標識には、例えば、放射性標識、顔料、染料、色原体、スピン標識、及び蛍光標識が挙げられる。標識はまた、例えば、化学発光物質;金属含有物質;または酵素であることもでき、その際、シグナルの酵素依存性の二次生成が発生する。「標識」という用語はまた、結合分子が、続いて基質とともに添加されると、検出可能なシグナルを生成するために使用されるように結合分子に選択的に結合することができる「タグ」またはハプテンを指すこともできる。例えば、ビオチンは、タグに結合するための西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアビジン結合体またはストレプトアビジン結合体と一緒にタグとして使用し、比色測定基質(例えば、テトラメチルベンジジン(TMB))または蛍光発生基質を使用して調べてHRPの存在を検出することができる。精製を促進するためのタグとして使用することができる例示的な標識には、myc、HA、FLAGまたは3×FLAG、6×Hisまたはポリヒスチジン、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、エピトープタグ、または免疫グロブリンのFc部分が挙げられるが、これらに限定されない。多数の標識には、例えば、粒子、蛍光色素分子、ハプテン、酵素ならびにそれらの比色性、蛍光性及び化学発光性の基質、ならびに他の標識が挙げられる。
単離された核酸分子またはその相補体は、宿主細胞内に存在することができる。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、本明細書に記載されている核酸分子のいずれかまたはその相補体を含むベクターを含むことができる。いくつかの実施形態では、核酸分子は、宿主細胞内で活性なプロモーターに操作可能に連結する。いくつかの実施形態では、プロモーターは外因性プロモーターである。いくつかの実施形態では、プロモーターは誘導性プロモーターである。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細菌細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、酵母細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、昆虫細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、哺乳動物細胞である。
開示されている核酸分子は、例えば、ヌクレオチド、または、例えば、ヌクレオチド類似体もしくはヌクレオチド置換体のような非天然ヌクレオチドもしくは修飾ヌクレオチドを含むことができる。そのようなヌクレオチドには、修飾された塩基、糖、もしくはリン酸基を含有するヌクレオチド、またはその構造内に非天然部分を組み込んでいるヌクレオチドが含まれる。非天然ヌクレオチドの例には、ジデオキシヌクレオチド、ビオチン化ヌクレオチド、アミノ化ヌクレオチド、脱アミノ化ヌクレオチド、アルキル化ヌクレオチド、ベンジル化ヌクレオチド、及び蛍光色素分子標識ヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で開示されている核酸分子は、1以上のヌクレオチド類似体またはヌクレオチド置換体を含むこともできる。ヌクレオチド類似体は、塩基、糖、またはリン酸の部分のいずれかに対する修飾を含有するヌクレオチドである。塩基部分に対する修飾には、A、C、G、及びT/Uの天然修飾及び合成修飾、ならびに、例えばシュードウリジン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、及び2-アミノアデニン-9-イルのようなさまざまなプリン塩基またはピリミジン塩基が挙げられるが、これらに限定されない。修飾された塩基には、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6-メチル誘導体及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2-プロピル誘導体及び他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換のアデニン及びグアニン、5-ハロ(例えば、5-ブロモ)、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換のウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられるが、これらに限定されない。
ヌクレオチド類似体は糖部分の修飾を含むこともできる。糖部分に対する修飾には、リボース及びデオキシリボースの天然修飾、ならびに合成修飾が挙げられるが、これらに限定されない。糖修飾には、2’位における次の修飾:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルが挙げられるが、これらに限定されず、その際、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは置換または非置換のC1~10アルキルまたはC2~10アルケニル、及びC2~10アルキニルであってもよい。例示的な2’糖修飾には、-O[(CHO]CH、-O(CHOCH、-O(CHNH、-O(CHCH、-O(CH-ONH、及び-O(CHON[(CHCH)](式中、n及びmは独立して1~約10である)も挙げられるが、これらに限定されない。2’位における他の修飾には、C1~10アルキル、置換された低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、及び同様の特性を有する他の置換基が挙げられるが、これらに限定されない。同様の修飾を、糖における他の位置で、特に3’末端ヌクレオチドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、及び5’末端ヌクレオチドの5’位で行ってもよい。修飾された糖は、CH及びSのような架橋環酸素での修飾を含有するものも含むことができる。ヌクレオチド糖類似体はペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分のような糖模放体を有することもできる。
ヌクレオチド類似体はリン酸部分にて修飾することもできる。修飾されたリン酸部分には、2つのヌクレオチド間の結合が、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネートならびに3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデート及びアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートを含有するように修飾することができるものが挙げられるが、これらに限定されない。2つのヌクレオチド間のこうしたリン酸結合または修飾リン酸結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を介することができ、結合は3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’のような逆極性を含有することができる。種々の塩、混合塩、及び遊離酸の形態も含まれる。ヌクレオチド置換体にはペプチド核酸(PNA)も含まれる。
本開示は、本明細書で開示されている核酸分子のいずれか1以上を含むベクターも提供する。いくつかの実施形態では、ベクターは、本明細書で開示されている核酸分子のいずれか1以上と異種核酸とを含む。ベクターは、核酸分子を輸送することが可能なウイルスベクターまたは非ウイルスベクターであり得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドまたはコスミド(例えば追加のDNAセグメントがライゲーションされ得る環状二本鎖DNAなど)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲーションされ得る、ウイルスベクターである。発現ベクターとしては、プラスミド、コスミド、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、植物ウイルス、例えば、カリフラワーモザイクウイルス及びタバコモザイクウイルス、酵母人工染色体(YAC)、エプスタイン・バー(EBV)由来エピソーム、ならびに当該技術分野で既知の他の発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。
哺乳動物宿主細胞発現のために所望される調節配列としては、例えば哺乳動物細胞における高レベルのポリペプチド発現を指令するウイルスエレメント、例えばレトロウイルスLTR、サイトメガロウイルス(CMV)(例えばCMVプロモーター/エンハンサーなど)、シミアンウイルス40(SV40)(例えばSV40プロモーター/エンハンサーなど)、アデノウイルス(例えばアデノウイルス主要後期プロモーター(AdMLP)など)、ポリオーマに由来するプロモーター及び/またはエンハンサー、ならびに強力な哺乳動物プロモーター、例えば、ネイティブ免疫グロブリンプロモーター及びアクチンプロモーターが挙げられ得る。細菌細胞または真菌細胞(例えば酵母細胞など)中でポリペプチドを発現させる方法も周知である。プロモーターは、例えば構成的活性化プロモーター、コンディショナルプロモーター、誘導性プロモーター、時間的に制限されたプロモーター(例えば発生的に調節されたプロモーターなど)、または空間的に制限されたプロモーター(例えば細胞特異的または組織特異的プロモーターなど)であり得る。
核酸分子内のヌクレオチド配列またはポリペプチド内のアミノ酸配列の特定の区間の間での同一性パーセント(%)(または相補性パーセント)は、BLASTプログラム(基本配列比較検索ツール)とPowerBLASTプログラム(Altschul et al.,J.Mol.Biol.,1990,215,403-410;Zhang and Madden,Genome Res.,1997,7,649-656)を用いて、または、SmithとWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl.Math.,1981,2,482-489)を使用するデフォルト設定を用いたGapプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park, Madison Wis.)を用いて日常的に決定することができる。本明細書において、配列同一性パーセントに言及している場合、配列同一性パーセントは低いよりも高い方が好ましい。
本明細書で使用されるとき、「に対応する」という表現またはその文法的変形は、特定のヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列もしくは位置の番号付けの文脈で使用される場合、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチドの配列を参照配列(例えば、配列番号1)と比べたときの指定された参照配列の番号付けを指す。言い換えれば、特定のポリマーの残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の番号または残基(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の位置は、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列の範囲内でのその残基の実際の位置番号によってではなく、参照配列を基準として指定される。例えば、特定のヌクレオチド配列は、ギャップを導入して、2つの配列間の残基の一致を最適化することによって参照配列に対して並べることができる。これらの場合では、ギャップは存在するが、その特定のヌクレオチドまたはヌクレオチド配列における残基の番号付けはそれが並べられている参照配列を基準にして行われる。
添付の配列表に列挙されているヌクレオチド配列及びアミノ酸配列は、ヌクレオチド塩基の標準的な略記及びアミノ酸の3文字表記を用いて示されている。ヌクレオチド配列は、配列の5’末端での開始から3’末端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進む標準的な慣例に従う。各ヌクレオチド配列の片方の鎖のみが示されているが、示されている鎖の参照によって相補鎖が含まれるものと理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端での開始からカルボキシ末端の方に(すなわち、各配列において左から右に)進む標準的な慣例に従う。
本開示はまた、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、またはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子を有する対象にて喘息の治療または予防に使用するための喘息を治療するまたは予防する治療剤も提供する。本明細書に記載されている喘息を治療するまたは予防する治療剤のいずれかが、これらの方法において使用され得る。喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息であり得る。
本開示はまた、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、またはSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子を有する対象にて喘息を治療または予防するための薬物の調製における使用のための喘息を治療するまたは予防する治療剤の使用も提供する。本明細書に記載されている喘息を治療するまたは予防する治療剤のいずれかが、これらの方法において使用され得る。喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息であり得る。
本開示はまた、a)SLC27A3ゲノム核酸分子、SLC27A3 mRNA分子、もしくはSLC27A3 cDNA分子について基準であるか、またはb)i)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、ii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、もしくはiii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子についてヘテロ接合型である対象にて喘息の治療または予防に使用するためのSLC27A3阻害剤も提供する。本明細書に記載されているSLC27A3阻害剤のいずれかが、これらの方法において使用され得る。喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息であり得る。
本開示はまた、a)SLC27A3ゲノム核酸分子、SLC27A3 mRNA分子、もしくはSLC27A3 cDNA分子について基準であるか、またはb)i)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子、ii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子、もしくはiii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子についてヘテロ接合型である対象にて喘息を治療または予防するための薬物の調製におけるSLC27A3阻害剤の使用も提供する。本明細書に記載されているSLC27A3阻害剤のいずれかが、これらの方法において使用され得る。喘息は、アレルギー性喘息、非アレルギー性喘息、運動誘発気管支収縮、ACOS、好酸球性喘息、小児喘息、及び/または職業性喘息であり得る。
上記または下記で引用されている特許文書、ウェブサイト、他の刊行物、受入番号などはすべて、個々の文献が具体的且つ個別に参照によってそのように組み込まれることが指示されている場合と同じ程度に、あらゆる目的のためにその全体が参照によって組み込まれる。配列のさまざまなバージョンが異なる時点での受入番号に関連付けられている場合、本出願の有効出願日での受入番号に関連付けられているバージョンを意味する。有効出願日とは、該当する場合、その受入番号について言及している実際の出願日または優先権主張出願の出願日のうちの早い方を意味する。同様に、異なるバージョンの刊行物、ウェブサイトなどが異なる時点で公開されている場合、特に指示されない限り、出願の有効出願日において最後に公開されたバージョンを意味するものとする。本開示のいずれの特徴、工程、要素、実施形態、または態様も、特に指示されない限り、任意の他の特徴、工程、要素、実施形態、または態様と組み合わせて使用することができる。明瞭性及び理解を目的として本開示を説明及び実例として多少詳細に説明してきたが、特定の変更及び改変が添付のクレームの範囲内で実施されてもよいことは明らかであろう。
以下の実施例は、実施形態をさらに詳細に説明するために提供されている。これらは、特許請求する実施形態を例示することを意図しており、限定することを意図していない。以下の実施例は、本明細書に記載されている化合物、組成物、物品、装置及び/または方法がどのように作製され、且つ評価されるかについての開示及び説明を当業者に提供し、単に例示的なものであるように意図されており、いかなるクレームの範囲も限定するようには意図されていない。数(例えば、量、温度など)については、精度を確保するように努めてきたが、ある程度の誤差及び偏差が考慮され得る。特に指示されない限り、部は重量部であり、温度は℃または周囲温度であり、圧力は大気圧またはほぼ大気圧である。
実施例1:小児喘息のリスク低下に関連するSLC27A3の稀なpLOF及び有害な変異体の負荷
454,787のUKB試験参加者のエクソームが配列決定され、すでに記載されている通り標的塩基の95.8%が20倍以上の深さでカバーされた(Szustakowski,Advancing Human Genetics Research and Drug Discovery through Exome Sequencing of the UK Biobank.bioRxiv,2021;及びVan Hout et al.,Nature,2020)。18,659遺伝子のコード領域にわたって3900万の塩基対において1200万個の変異体が特定され(データは示されていない)、これは、TOPMed3とgnomAD4を合わせたデータセットに含まれるコーディング変異(950万個の変異体)の約1.3倍、UKB試験でインピュテーションにより入手可能なコーディング変異(160万個の変異体)の約8倍を上回る。特定された変異体の中には、3,375,252(個体あたりの中央値は10,260)の同義変異体、7,689,495(個体あたり9,284)のミスセンス変異体、及び889,957(個体あたり212)の推定機能損失(pLOF)変異体(データは示されていない)があり、これらのうち約半分は、このデータセットで1回しか観察されなかった(シングルトン変異体;データは示されていない)。
小児喘息のリスクが低いことと、稀なpLOF及び有害な変異体の負荷との間の新たな関連性をSLC27A3において発見した(3,787のキャリア;OR=0.65、95%CI0.55~0.76、P=8.2×10-8)。SLC27A3は長鎖脂肪酸を活性化するアシル-CoA合成酵素をコードし、動脈、脂肪、及び肺組織で最も高発現し、肺癌では発現が上昇する。喘息との関連性は以下の追加的観察によって裏付けられた。第一に、稀なpLOF及び有害な変異体の負荷は、アレルギー性喘息において重要なエフェクター機能を有する細胞タイプである血中好酸球数の低下とも関連していた(5,227キャリア;効果=-0.045SDユニット、95%CI-0.070~-0.020、P=4.4×10-4)。第2に、GHSコホートにおいて、喘息(1,354キャリア;OR=0.87、95%CI0.754~1.006、P=0.060)と好酸球数(1,755キャリア;効果=-0.052SDユニット、95%CI-0.096~-0.008、P=0.021)の両方に一貫した保護的関連がみられた。これらの結果は、SLC27A3が喘息からの保護と喘息リスクの上昇に関連する機能喪失型変異体の両方を保有していることを示唆している。
本明細書に記載されているものに加えて、記載されている主題の種々の修正は前述の説明から当業者には明らかとなるであろう。そのような修正は添付のクレームの範囲内に入るようにも意図されている。本出願で引用されている各参考文献(雑誌記事、米国及び米国以外の特許、特許出願刊行物、国際特許出願刊行物、遺伝子バンク受入番号などを含むが、これらに限定されない)は、その全体が且つすべての目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。

Claims (113)

  1. 喘息または喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  2. アレルギー性喘息またはアレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  3. 非アレルギー性喘息または非アレルギー性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  4. 運動誘発気管支収縮または運動誘発気管支収縮を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  5. 喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)または喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  6. 好酸球性喘息または好酸球性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  7. 小児喘息または小児喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  8. 職業性喘息または職業性喘息を発症するリスクのある対象を治療する方法であって、前記方法が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤を前記対象に投与することを含む、前記方法。
  9. 前記SLC27A3阻害剤が、SLC27A3核酸分子とハイブリダイズする阻害性核酸分子を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記阻害性核酸分子が、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記SLC27A3阻害剤が、Casタンパク質と、SLC27A3ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記gRNA認識配列が配列番号1内に位置する、請求項11または請求項12に記載の方法。
  14. プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項11または請求項12に記載の方法。
  15. 前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記gRNA認識配列が配列番号39~58のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記対象の生体試料にてSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の存在または非存在を検出することをさらに含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 喘息を治療、予防、または抑制する治療剤を標準的な投与量で対象に投与することをさらに含み、前記SLC27A3変異体核酸分子が前記生体試料に存在しない、請求項17に記載の方法。
  19. 喘息を治療、予防、または抑制する治療剤を、前記SLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に、標準的な投与量と同じまたはそれより少ない投与量で投与することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記SLC27A3で予測される変異体核酸分子が、スプライスサイト変異体、ストップゲイン変異体、スタートロス変異体、ストップロス変異体、フレームシフト変異体、もしくはインフレームインデル変異体、または切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする変異体である、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記SLC27A3変異体核酸分子が、切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする、請求項20に記載の方法。
  22. 喘息を治療するまたは予防する治療剤で対象を治療する方法であって、前記対象が、喘息を有するか、または喘息を発症するリスクがあり、前記方法が、
    前記対象が溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子を有するかどうかを、
    前記対象から生体試料を得ることまたは得たことと、
    前記対象が前記SLC27A3変異体核酸分子を含む遺伝子型を有するかどうかを決定するために前記生体試料にて配列分析を実施する、または実施したこととによって決定する工程と;
    喘息を治療するまたは予防する前記治療剤を、SLC27A3基準である対象に標準的な投与量で投与するもしくは投与し続ける、及び/または前記対象にSLC27A3阻害剤を投与する工程;
    喘息を治療するまたは予防する前記治療剤を、前記SLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である対象に標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与するもしくは投与し続ける、及び/または前記対象にSLC27A3阻害剤を投与する工程;または
    喘息を治療するまたは予防する前記治療剤を、前記SLC27A3変異体核酸分子についてホモ接合型である対象に標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与するもしくは投与し続ける工程を含み;
    その際、前記SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする前記SLC27A3変異体核酸分子を有する遺伝子型の存在は前記対象が喘息を発症する低いリスクを有することを示す、前記方法。
  23. 前記対象がSLC27A3基準であり、前記対象が、喘息を治療、予防、または抑制する前記治療剤を標準的な投与量で投与される、または投与され続ける、且つSLC27A3阻害剤を投与される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記対象がSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型であり、前記対象が、喘息を治療、予防、または抑制する前記治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与される、または投与され続ける、且つSLC27A3阻害剤を投与される、請求項22に記載の方法。
  25. 前記SLC27A3変異体核酸分子が、スプライスサイト変異体、ストップゲイン変異体、スタートロス変異体、ストップロス変異体、フレームシフト変異体、もしくはインフレームインデル変異体、または切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする変異体である、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記SLC27A3変異体核酸分子が、切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記SLC27A3阻害剤が、SLC27A3核酸分子とハイブリダイズする阻害性核酸分子を含む、請求項22~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記阻害性核酸分子が、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記SLC27A3阻害剤が、Casタンパク質と、SLC27A3ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項22~26のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記gRNA認識配列が配列番号1内に位置する、請求項29または請求項30に記載の方法。
  32. プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項29または請求項30に記載の方法。
  33. 前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記gRNA認識配列が配列番号39~58のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記喘息がアレルギー性喘息である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記喘息が非アレルギー性喘息である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記喘息が運動誘発気管支収縮である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  38. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  39. 前記喘息が好酸球性喘息である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  40. 前記喘息が小児喘息である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  41. 前記喘息が職業性喘息である、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記喘息がアレルギー性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  43. 前記喘息が非アレルギー性喘息であり、治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記喘息が運動誘発気管支収縮であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  45. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記喘息が好酸球性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記喘息が小児喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記喘息が職業性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項22~34のいずれか1項に記載の方法。
  49. 喘息を発症する高いリスクを有する対象を特定する方法であって、前記方法が、
    前記対象から得られる生体試料にて溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体核酸分子の存在または非存在を決定すること、または決定したことを含み;その際、
    前記対象がSLC27A3基準である場合、前記対象は喘息を発症する高いリスクを有し;且つ
    前記対象が前記SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする前記SLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型である、またはホモ接合型である場合、前記対象は喘息を発症する低いリスクを有する、前記方法。
  50. 前記SLC27A3変異体核酸分子が、スプライスサイト変異体、ストップゲイン変異体、スタートロス変異体、ストップロス変異体、フレームシフト変異体、もしくはインフレームインデル変異体、または切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする変異体である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記SLC27A3変異体核酸分子が、切断されたSLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードする、請求項49に記載の方法。
  52. 前記対象がSLC27A3基準であり、前記対象が、喘息を治療、予防、または抑制する前記治療剤を標準的な投与量で投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはSLC27A3阻害剤を投与される、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記対象がSLC27A3変異体核酸分子についてヘテロ接合型であり、前記対象が、喘息を治療、予防、または抑制する前記治療剤を標準的な投与量と同じまたはそれより少ない量で投与される、もしくは投与され続ける、及び/またはSLC27A3阻害剤を投与される、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記SLC27A3阻害剤が、SLC27A3核酸分子とハイブリダイズする阻害性核酸分子を含む、請求項52または請求項53に記載の方法。
  55. 前記阻害性核酸分子が、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項54に記載の方法。
  56. 前記SLC27A3阻害剤が、Casタンパク質と、SLC27A3ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項52または請求項53に記載の方法。
  57. 前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項56に記載の方法。
  58. 前記gRNA認識配列が配列番号1内に位置する、請求項56または請求項57に記載の方法。
  59. プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項52または請求項53に記載の方法。
  60. 前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項55~59のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記gRNA認識配列が配列番号39~58のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項55~60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記喘息がアレルギー性喘息である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記喘息が非アレルギー性喘息である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記喘息が運動誘発気管支収縮である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  66. 前記喘息が好酸球性喘息である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記喘息が小児喘息である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  68. 前記喘息が職業性喘息である、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  69. 前記喘息がアレルギー性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  70. 前記喘息が非アレルギー性喘息であり、治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  71. 前記喘息が運動誘発気管支収縮であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  72. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  73. 前記喘息が好酸球性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  74. 前記喘息が小児喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  75. 前記喘息が職業性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項49~61のいずれか1項に記載の方法。
  76. 溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子;
    SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子;または
    SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子を有する対象にて喘息の治療または予防に使用するための喘息を治療するまたは予防する治療剤。
  77. 前記喘息がアレルギー性喘息である、請求項76に記載の治療剤。
  78. 前記喘息が非アレルギー性喘息である、請求項76に記載の治療剤。
  79. 前記喘息が運動誘発気管支収縮である、請求項76に記載の治療剤。
  80. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)である、請求項76に記載の治療剤。
  81. 前記喘息が好酸球性喘息である、請求項76に記載の治療剤。
  82. 前記喘息が小児喘息である、請求項76に記載の治療剤。
  83. 前記喘息が職業性喘息である、請求項76に記載の治療剤。
  84. 前記喘息がアレルギー性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  85. 前記喘息が非アレルギー性喘息であり、治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  86. 前記喘息が運動誘発気管支収縮であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  87. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  88. 前記喘息が好酸球性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  89. 前記喘息が小児喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  90. 前記喘息が職業性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項76に記載の治療剤。
  91. a)SLC27A3ゲノム核酸分子、SLC27A3 mRNA分子、もしくはSLC27A3 cDNA分子について基準であるか、または
    b)
    i)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体ゲノム核酸分子;
    ii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体mRNA分子;または
    iii)SLC27A3で予測される機能喪失型ポリペプチドをコードするSLC27A3変異体cDNA分子についてヘテロ接合型である対象にて喘息の治療または予防に使用するための、溶質輸送体ファミリー27メンバー3(SLC27A3)阻害剤。
  92. 前記喘息がアレルギー性喘息である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  93. 前記喘息が非アレルギー性喘息である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  94. 前記喘息が運動誘発気管支収縮である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  95. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  96. 前記喘息が好酸球性喘息である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  97. 前記喘息が小児喘息である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  98. 前記喘息が職業性喘息である、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  99. 前記喘息がアレルギー性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  100. 前記喘息が非アレルギー性喘息であり、治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  101. 前記喘息が運動誘発気管支収縮であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  102. 前記喘息が喘息-COPDオーバーラップ症候群(ACOS)であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  103. 前記喘息が好酸球性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  104. 前記喘息が小児喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  105. 前記喘息が職業性喘息であり、前記治療剤が吸入ステロイド、抗コリン性維持薬、ロイコトリエン調節薬、及び生物学的免疫調節薬、またはそれらの任意の組み合わせから選択される、請求項91に記載のSLC27A3阻害剤。
  106. 前記SLC27A3阻害剤が、SLC27A3核酸分子とハイブリダイズする阻害性核酸分子を含む、請求項91~105のいずれか1項に記載のSLC27A3阻害剤。
  107. 前記阻害性核酸分子が、アンチセンス核酸分子、低分子干渉RNA(siRNA)、またはショートヘアピンRNA(shRNA)を含む、請求項106に記載のSLC27A3阻害剤。
  108. 前記SLC27A3阻害剤が、Casタンパク質と、SLC27A3ゲノム核酸分子内のガイドRNA(gRNA)認識配列とハイブリダイズするgRNAとを含む、請求項91~105のいずれか1項に記載のSLC27A3阻害剤。
  109. 前記Casタンパク質がCas9またはCpf1である、請求項108に記載のSLC27A3阻害剤。
  110. 前記gRNA認識配列が配列番号1内に位置する、請求項108または請求項109に記載のSLC27A3阻害剤。
  111. プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列が、前記gRNA認識配列の約2~約6ヌクレオチド下流である、請求項108または請求項109に記載のSLC27A3阻害剤。
  112. 前記gRNAが約17~約23ヌクレオチドを含む、請求項108~111のいずれか1項に記載のSLC27A3阻害剤。
  113. 前記gRNA認識配列が配列番号39~58のいずれか1つに記載のヌクレオチド配列を含む、請求項108~112のいずれか1項に記載のSLC27A3阻害剤。
JP2024500089A 2021-07-02 2022-06-30 溶質輸送体ファミリー27メンバー3(slc27a3)阻害剤による喘息の治療方法 Pending JP2024526290A (ja)

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