JP2024524309A - デクスメカミラミンおよびその使用 - Google Patents

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ジョセフ, エー. バロン,
ジョナサン レイス,
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アタカマ セラピューティクス, インコーポレイテッド
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Abstract

本開示は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することによって、ざ瘡、拡大した毛穴、汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌化膿症を有する対象を治療する方法を特徴とする。

Description

本開示は、患者の疾患を治療するための方法、例えば、化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)の投与を提供する。
一態様において、本開示は、ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌(例えば、ざ瘡、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂癌腫、皮脂腺嚢腫、シワ、もしくは脂性肌、またはざ瘡もしくは化膿性汗腺炎)を必要とする対象に投与することを特徴とする。上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、ざ瘡(例えば、拡大した毛穴を有さない)を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、拡大した毛穴を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、化膿性汗腺炎を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、脂漏症を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、皮脂腺過形成を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、脂漏性皮膚炎を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、皮脂腺腫を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、皮脂腺癌を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、皮脂腺嚢腫を有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、シワを有する対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、脂性肌を有する対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩は、経口投与、吸入投与、鼻腔内投与、または局所投与の方法により投与される。いくつかの実施形態において、上記対象が拡大した毛穴を有する場合、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミンが経口投与される。
いくつかの実施形態において、上記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を0.1mgから16mg(例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16mg)投与される。
いくつかの実施形態において、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩は、上記対象に約1、2、4、または8mgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、上記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を2mg投与される。いくつかの実施形態において、上記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を4mg投与される。
いくつかの実施形態において、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミンは、塩の形態、例えば、塩酸塩である。
いくつかの実施形態において、上記被検体は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。いくつかの実施形態において、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩による上記治療後、上記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩での上記治療前の上記対象の皮脂産生よりも少なくとも20%(例えば、少なくとも20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれらよりも大きい比率)少ない皮脂産生を示す。いくつかの実施形態において、上記皮脂産生は顔の皮脂産生である。
いくつかの実施形態において、上記対象はヒトである。
いくつかの実施形態において、治療は少なくとも1週間、例えば少なくとも2、3、もしくは4週間、または少なくとも2、3、6、もしくは12ヶ月間である。
定義
本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は、記載される値の上下10%以内の値を指す。例えば、「約5nM」という用語は、4.5から5.5nMの範囲を示す。
本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、対象または系への組成物(例えば、本明細書に記載の化合物または化合物を含む調製物)の投与を指す。動物対象(例えば、ヒト)への投与は、任意の適切な経路によって行ってもよい。例えば、いくつかの実施例において、投与は、気管支(気管支注入によるものを含む)、吸入経頬投与、腸内投与、皮膚間投与、動脈内投与、皮内投与、胃内投与、髄内投与、筋肉内投与、鼻腔内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、腫瘍内投与、静脈内投与、脳室内投与、粘膜投与、経鼻投与、経口投与、直腸投与、皮下投与、舌下投与、局所投与、気管(気管内投与を含む)投与、経皮投与、膣内投与、または硝子体投与であってもよい。
参考のため、本明細書において、「エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン」は、95重量%より多いか95重量%のデクスメカミラミンおよび5重量%より少ないか5重量%のエキソ-R-メカミラミンを含む。より好ましくは、「エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン」は、98重量%より多いか98重量%のデクスメカミラミンおよび2重量%より少ないか2重量%のエキソ-R-メカミラミンを含む。より好ましくは、「エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン」は、99重量%より多いか99重量%のデクスメカミラミンおよび1重量%より少ないか1重量%のエキソ-R-メカミラミンを含む。さらに好ましくは、「エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン」は、99.5重量%より多いか99.5重量%のデクスメカミラミンおよび0.5重量%より少ないか0.5重量%のエキソ-R-メカミラミンを含む。最も好ましくは、「エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン」は、99.7重量%より多いか99.7重量%のデクスメカミラミンおよび0.3重量%より少ないか0.3重量%のエキソ-R-メカミラミンを含む。
「医薬組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、薬学的に許容される賦形剤とともに製剤化された本明細書に記載の化合物を含む組成物を表す。医薬組成物は、例えば、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、カプレット剤、ゼラチンカプセル剤、バッカル剤、またはシロップ剤)での経口投与用;局所投与用(例えば、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、皮膚パッチ剤、または軟膏剤);静脈内投与用(例えば、粒子状塞栓物を含まず、静脈内使用に適した溶媒系中の無菌溶液として);または任意の他の薬学的に許容される製剤で処方され得る。
「薬学的に許容される賦形剤」とは、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される化合物以外の任意の成分(例えば、活性化合物を懸濁または溶解できるビヒクル)であって、患者において実質的に無毒性および非炎症性であるという特性を有するものを指す。賦形剤としては、例えば、付着防止剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮補助剤、崩壊剤、染料(着色剤)、エモリエント剤、乳化剤、充填剤(希釈剤)、フィルム形成剤またはコーティング剤、香味剤、香料、滑沢剤(流動性向上剤)、滑沢剤、保存剤、印刷インク、吸着剤、懸濁剤、または分散剤、甘味剤、および水和水が挙げられる。例示的な賦形剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基性)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、およびキシリトールが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載される化合物の任意の薬学的に許容される塩を意味する。例えば、本明細書に記載される任意の化合物の薬学的に許容される塩としては、適切な医学的判断の範囲内であり、過度の毒性、刺激、アレルギー反応なく、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適しており、妥当な利益/リスク比に見合う塩が挙げられる。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。例えば、薬学的に許容される塩は、Bergeら、J.PharmaceuticalSciences66:1-19、1977、およびPharmaceutical Salts:Properties, Selection ,and Use, (Eds. P.H. StahlおよびC.G. Wermuth)、Wiley-VCH、2008に記載されている。上記塩は、本明細書に記載の化合物の最終的な単離および精製中にin situで調製することも可能であり、また、遊離塩基性基を適切な有機酸と反応させることによって別途調製することも可能である。
本開示の化合物は、薬学的に許容される塩として調製できるように、イオン化可能な基を有していてもよい。これらの塩は、無機酸または有機酸を含む酸付加塩であってもよい。しばしば、上記化合物は、薬学的に許容される酸の付加生成物として調製される薬学的に許容される塩として調製または使用される。適切な薬学的に許容される酸および適切な塩の調製方法は、当該技術分野において周知である。塩は、無機酸および有機酸を含む薬学的に許容される無毒性の酸から調製することができる。
代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミスルホン酸塩、ヘプトン酸塩、ヘキサン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、およびバレレート塩が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、本開示に従う組成物が、例えば、実験、診断、予防、および/または治療目的のために投与され得る任意の生物を指す。典型的な対象としては、任意の動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、およびヒトなどの哺乳動物)が挙げられる。対象は、治療を求めている、もしくは治療の必要性がある、治療を必要としている、治療を受けている、将来治療を受ける、または特定の疾患もしくは状態について訓練された専門家による治療を受けているヒトもしくは動物であってもよい。
本明細書において、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」または「治療している(treating)」という用語は、治療的処置および予防的または防止的処置の両方を意味し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、もしくは疾患を予防するか、もしくは遅らせる(軽減する)こと、または有益なもしくは所望の臨床的結果を得ることである。有益または所望の臨床結果には、症状の緩和;状態、障害、もしくは疾患の程度の減少;状態、障害、もしくは疾患の安定化(すなわち、悪化していない);状態、障害、もしくは疾患の発症の遅延もしくは進行の遅延;状態、障害、もしくは疾患の状態の検出可能であるか検出不可能であるかを問わない改善もしくは寛解(部分的であるか全体的であるかを問わない);必ずしも患者によって識別可能であることを要しない、少なくとも1つの測定可能な身体的パラメータの改善;または状態、障害、もしくは疾患の増強もしくは改善、が挙げられるが、これらに限定されない。治療には、過度の副作用を伴わずに臨床的に有意な反応を引き出すことが含まれる。治療には、治療を受けなかった場合に予想される生存期間と比較して生存期間を延長することも含まれる。
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。本開示の他の特徴、目的、および利点は、本明細書および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本開示は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を用いて、患者の種々の疾患または障害(例えば、ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂癌腫、皮脂腺嚢腫、シワ、および脂性肌)を治療する方法を提供する。ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌を有する対象は、本開示の方法に従って、本明細書に記載される任意の経路により、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与されることによって、治療されてもよい。
医薬組成物
本開示の化合物は、好ましくは、インビボでの投与に適した生物学的に適合する形態で、ヒト対象に投与するための医薬組成物に製剤化される。
本開示の化合物は、遊離塩基の形態で、または塩の形態で使用されてもよい。全ての形態が本開示の範囲内である。本開示の方法に従って、記載された化合物またはその薬学的に許容される塩は、当業者には理解されるように、選択された投与経路に応じた種々の形態で患者に投与されてもよい。本開示の化合物は、例えば、経口投与、非経口投与、頬投与、局所投与、舌下投与、経鼻投与、吸入投与(例えば、ネブライザーによる)、直腸投与、パッチ投与、ポンプ投与、または経皮投与によって投与されてもよく、上記医薬組成物はそれに応じて製剤化される。非経口投与としては、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、経上皮投与、経鼻投与、肺内投与、髄腔内投与、直腸投与、および局所投与が挙げられる。非経口投与は、選択された期間にわたって連続注入によって行われてもよい。
本開示は、本明細書に記載の化合物の塩または溶媒和物を含み、塩の溶媒和物などのそれらの組み合わせを含む。上記化合物は、例えば水和物などの溶媒和物および非溶媒和物の形態で存在してもよく、本開示は、そのような形態をすべて包含する。典型的には、絶対ではないが、本開示の塩は、薬学的に許容される塩である。「薬学的に許容される塩」という用語に包含される塩は、本開示の化合物の非毒性塩を指す。適切な薬学的に許容される塩の例としては、塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、および硝酸塩などの無機酸付加塩;酢酸塩、ガラクタル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびアスコルビン酸塩などの有機酸付加塩;およびアスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩などの酸性アミノ酸との塩が挙げられる。上記塩は、場合によっては、水和物またはエタノール溶媒和物であってもよい。特定の実施形態において、デクスメカミラミン塩酸塩は好ましい塩の形態である。
本開示の化合物をバルク活性化学物質の形態で投与することは可能であるが、上記化合物を医薬組成物または製剤の形態で投与することが好ましい。従って、本開示の1つの態様は、化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)および/またはその薬学的に許容される塩、および1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を含む。本開示のもう1つの態様は、本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)および/またはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを混和することを含む、医薬組成物の調製のためのプロセスを提供する。
本開示の化合物は、例えば、不活性希釈剤とともに、もしくは吸収可能な食用担体とともに経口投与さてもよく、またはハードシェルもしくはソフトシェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、または錠剤に圧縮されてもよく、または食餌に直接組み込んでもよい。経口治療投与のために、本開示の化合物は賦形剤と組み合わされてもよく、経口、頬または舌下用薄膜、消化可能錠剤、バッカル錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、およびウエハーの形態で使用さてもよい。
本開示の化合物はまた、非経口的に投与さてもよい。本開示の化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水中で調製することができる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSOおよびアルコールを含むかまたは含まないそれらの混合物、ならびに油中で調製することができる。通常の保管および使用条件下では、これらの調製物は微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有していてもよい。適切な製剤の選択および調製のための通常の手順および成分は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2020、23rd ed.)、およびThe United States Pharmacopeia:The National Formulary(USP43-NF38)に記載されている。例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミンを局所投与することができる。上記化合物の局所製剤は、0.05%から1%(w/w)の化合物、例えば約0.1%(w/w)の化合物を含むことができる。
注射用に適した医薬形態には、無菌の水溶液または分散液、および無菌の注射用溶液または分散液を即時に調製するための無菌の粉末が含まれる。全ての場合において、その形態は無菌でなければならず、注射器で容易に投与できる程度に流動性がなければならない。
鼻腔投与用の組成物は、エアゾール、滴下剤、ゲルおよび粉末として簡便に製剤化することができる。エアゾール製剤は、一般的には、生理学的に許容される水性溶媒または非水性溶媒中の活性物質の溶液または微細な懸濁液を含み、通常、単回または複数回投与量を無菌状態で密封容器に収容して提供され、この密封容器は、噴霧装置とともに使用するためのカートリッジまたはレフィルの形態をとることができる。あるいは、密封容器は、単回用量の鼻用吸入器、または使用後の廃棄を意図した計量バルブを備えたエアゾールディスペンサーのような、一体型調剤装置であってもよい。上記剤形がエアゾールディスペンサーからなる場合、それは、圧縮空気などの圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素などの有機推進剤であり得る推進剤を含む。上記エアゾール剤形は、ポンプアトマイザーの形態をとることもできる。
医薬組成物は、単位用量の形態、または複数もしくはサブ単位用量の形態で製剤化されてもよい。上記医薬組成物は、マウス、ラット、ネコ、ウサギ、イヌ、ブタ、ウシ、またはサルのような哺乳動物などの患者または対象に投与されてもよいが、好ましくはヒトに投与される。さらに、医薬組成物が投与される時間帯(例えば、朝、夕、就寝前)および1日あたりの回数(例えば、1日1回、1日2回)は変化し得る。
いくつかの実施形態において、上記単位用量は、約1から8mg、例えば、約1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、または8mgである。例えば、経口剤形は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン2mg、4mg、または8mgを含んでもよい。
治療方法
本発明者らは、デクスメカミラミンが皮脂産生を減少させることを発見し、このことは、デクスメカミラミンが脂性肌によって引き起こされる、または悪化する疾患や障害の治療に使用できることを示している。このような疾患としては、ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、および脂性肌が挙げられる。
例えば、本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩)は、ざ瘡の治療に有効である。ざ瘡は、尋常性ざ瘡としても知られ、毛髪および毛包皮脂腺に影響を及ぼす慢性疾患であり、毛包の膨張および閉鎖が起こり、その結果炎症が起こる。ざ瘡は、黒ずみや白斑、吹き出物、脂性肌、および潜在的な瘢痕を特徴とする。ざ瘡には、面皰性の性ざ瘡や結節性ざ瘡など、いくつかの種類がある。拡大した毛穴は、ざ瘡だけでなく、酒さなどの他の症状とも関連し得るもので、一般的に皮脂産生、皮膚の老化および光ダメージ、および毛包の大きさと関連している。
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩、)はまた、本明細書に記載される疾患または障害のいずれか1つの症状を治療するために対象に投与され得る。いくつかの実施形態において、上記対象は、多汗症、過活動膀胱(OAB)、物質中毒(例えば、ニコチン、コカイン、アルコール、アンフェタミン、アヘン、他の精神刺激薬およびそれらの組み合わせ)、高血圧、高血圧クリーゼ、ヘルペスI型およびII型、トゥレット症候群または他の振戦、癌(小細胞肺癌など)、アテローム性プロファイル、神経精神障害(双極性障害、うつ病、不安障害、パニック障害、統合失調症、発作性障害、パーキンソン病、および注意欠陥多動性障害など)、慢性疲労症候群、クローン病、自律神経失調症、もしくは痙攣性腸疾患を有しておらず、および/または喫煙をしない。
本明細書に記載のいずれかの状態を治療するために、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミンまたはその薬学的に許容される塩を、上記患者に1日1回投与することができる。あるいは、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を、上記状態の効果的な治療のために必要に応じて、1日2回、3回、4回、5回、またはそれらよりも多く投与することができる。
治療は、所望の治療結果に到達するか、またはそれを維持するのに必要な期間だけ行ってもよい。例えば、治療は少なくとも1週間、例えば少なくとも2週間、3週間、もしくは4週間、または2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、もしくは6ヶ月、または1年、またはそれらより長く行ってもよい。治療は毎日1回または1回よりも多く、例えば2回または3回行ってもよい。
いくつかの実施形態において、上記対象は、治療前に、ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌と診断される。
投与量
本開示の化合物または上記化合物を含む組成物の投与量は、例えば、上記化合物の薬力学的特性、投与様式、レシピエントの年齢、健康状態、または体重、症状の性質および程度、治療の頻度、同時治療がある場合はその種類、および治療される動物における化合物のクリアランス率などの複数の因子に応じて変化し得る。当業者であれば、上記因子に基づいて適切な投与量を決定することができる。本開示の化合物は、臨床的応答に応じて必要に応じて調整されてもよい適切な用量で最初に投与されてもよい。典型的には、本開示の化合物を、例えば、0.05mgおよび3000mg(固体形態として測定)の間の1日投与量でヒトに投与した場合、満足な結果が得られる可能性がある。用量範囲としては、例えば、0.1~1000mg(例えば、0.2~950、0.4~900、0.6~850、0.8~800、1~750、1~20、2~16、2~700、4~650、6~600、8~550、10~500、15~450、20~400、30~350、40~300、50~250、75~200、または100~150mg)が挙げられる。いくつかの実施形態において、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない上記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩の約1、2、2.5、4、5、8、10、15、または20mgが、例えば、1日あたり投与される。単回投与または複数回投与は、24時間周期で行ってもよい。例えば、特定の実施形態において、0.5~8mg(例えば、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、または8mg)の上記化合物が、上記対象に1日1回または1回よりも多く、例えば2回投与される。
あるいは、投与量は患者の体重を用いて計算することができる。例えば、患者に投与される化合物またはその医薬組成物の投与量は、0.005~5(0.01~4.8、0.02~4.6、0.04~4.4、0.06~4.2、0.08~4.0、0.1~3.8、0.2~3.6、0.3~3.4、0.4~3.2、0.5~3.0、0.6、2.8、0.7~2.6、0.8~2.4、0.9~2.2、1~2、1.1~1.9、1.2~1.8、1.3~1.7、または1.4~1.6)mg/kgである。例示的な非限定的実施形態において、上記用量は、0.005~1mg/kg(例えば、0.01~0.5、0.01~0.2、または0.01~0.1mg/kg)の範囲であってもよい。
以下の実施例は、本明細書に記載される組成物および方法がどのように使用され、製造され、評価され得るかの説明を当業者に提供するために記載され、本開示の単なる例示であることが意図され、本発明者らが本発明とみなすものの範囲を限定することは意図されない。
実施例1.デクスメカミラミンで治療した対象を対象とした第II相臨床試験
尋常性ざ瘡は、皮脂産生の亢進を特徴とする皮膚病態であり、その一部は交感神経系内のコリン作動性シグナル伝達によって引き起こされる。ヒトの皮脂腺上のニコチン受容体の活性化は、皮脂の産生と分泌を亢進させることが知られている。デクスメカミラミンはニコチン性アセチルコリン受容体に作用し、交感神経節のシナプス前ニコチン受容体を選択的に阻害することにより交感神経緊張を低下させる。ざ瘡およびその関連病態の治療におけるデクスメカミラミンの治療効果を明らかにするために、本発明者らは、デクスメカミラミン塩酸塩で治療された、多汗症および脂性肌(すなわち、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2またはそれらより大きい)皮脂産生量)を有するヒト対象15名において第II相臨床試験を実施した。デクスメカミラミン2mgまたは4mg BIDで治療された対象は、以下の表1に示すように、デクスメカミラミンによる4週間の治療後、顔の皮脂産生の減少を示した。
*レスポンスは、ベースラインの皮脂産生量と比較した、2週間の治療レジメン終了時の平均顔面皮脂量の変化率として測定される。
**レスポンスは、ベースラインの皮脂産生量と比較した、4週間の治療レジメン終了時の平均顔面皮脂量の変化率として定義される。
***デクスメカミラミンによる治療後、皮脂量の20%または20%より大きい減少を示した対象をレスポンダーと定義する。
†20%未満の皮脂産生減少。
††20%から35%の間の皮脂産生減少。
†††35%超の皮脂産生減少。
これらの結果は、デクスメカミラミンが、例えば、ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌を含む過剰な皮脂産生に関連する病態の治療のための治療薬として、特に2週間超の治療で有利に使用できる可能性があることを示している。
実施例2.ざ瘡の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミンまたはその薬学的に許容される塩)は、ざ瘡患者に投与される。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、白斑、黒ずみ、丘疹、吹き出物、結節、および嚢胞を含むざ瘡の徴候は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記化合物は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
特に、デクスメカミラミン塩酸塩4mgは対象に1日2回経口投与される。対象は、Sebumeter(登録商標)グリーススポット光度計で顔の3箇所を測定したところ脂性肌(>100μg/cm2)であり、顔の尋常性ざ瘡(鼻を含む)を有する。有効性は、12週時点のベースラインからの絶対変化量として皮脂の比較により決定される。有効性の他の測定としては、8週時点の炎症性病変数および非炎症性病変数のベースラインからの絶対変化量、8週および12週時点の病変数(炎症性および非炎症性)のベースラインからの変化率が挙げられる。有効性のさらなる指標は、12週時点のベースラインからの変化として5段階(0~4)の定性的評価である。成功は、0または1のグレードで、かつ少なくとも2グレードの改善と定義することができる。上記評価には、病変の質と量を考慮するために、病変の量、病変の大きさ、炎症の強さ、および病変の位置を含めてもよい。
実施例3.拡大した毛穴の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、拡大した毛穴を有する患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、上記化合物の投与の結果として、拡大した毛穴が減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記化合物は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例4.化膿性汗腺炎の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、化膿性汗腺炎の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、化膿性汗腺炎は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)の量の皮脂を産生する。
特に、デクスメカミラミン塩酸塩4mgを1日2回、化膿性汗腺炎を有する対象に経口投与する。有効性は、ベースラインから12週時点までの、1から10までの、10が最も悪い10段階の数値評価尺度を用いて測定される疼痛の変化、ベースラインから12週時点までのDermatology Life Quality Index(DLQI)を用いたQOLの変化、ベースラインから12週時点までのHurley Stagingを用いた臨床状態の変化;ベースラインから12週時点までのInternational Hidradenitis Suppurative Severity Score System(IHS4)を用いた臨床状態の変化;ベースラインから12週時点までのHidradenitis Suppurative Clinical Response(HiSCR)を用いた臨床状態の変化;ベースラインから12週時点までのHidradenitis Suppurative Physician Global Assessment(HS-PGA)による臨床状態の変化;ベースラインから12週時点までのHidradenitis Suppurative Area and Severity Index-Revised(HASI-R)による臨床状態の変化;および/または膿瘍もしくは炎症性結節の絶対数の変化により測定される。
実施例5.脂漏症の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、脂漏症の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、脂漏症は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例6.皮脂腺過形成の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、皮脂腺過形成の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、上記化合物の投与の結果として、皮脂腺過形成が減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例7.脂漏性皮膚炎の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、脂漏性皮膚炎の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、脂漏性皮膚炎は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例8.皮脂腺腫の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、皮脂腺腫の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、皮脂腺腫は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例9.皮脂癌の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、皮脂腺癌の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、皮脂癌腫は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例10.皮脂腺嚢腫の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、皮脂腺嚢腫の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、皮脂腺嚢腫は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例10.皮脂性シワの治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、シワを有する患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、シワは、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
実施例11.脂性肌の治療
本開示の化合物(例えば、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン)を、脂性肌の患者に投与する。上記化合物を投与された患者は、改善された症状を示し、皮膚による皮脂産生は、上記化合物の投与の結果として減少または消失する。いくつかの実施形態において、上記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい(例えば、125、135、150、175、200μg/cm2、またはそれらより大きい)量の皮脂を産生する。
他の実施形態
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、記載された本発明の様々な修正および変形が当業者には明らかであろう。本発明を特定の実施形態に関連して説明したが、特許請求される本発明は、そのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、本発明を実施するために記載された態様のうち、当業者にとって自明である様々な改変は、本発明の範囲内であることが意図される。他の実施形態は特許請求の範囲に記載されている。

Claims (22)

  1. ざ瘡、拡大した毛穴、化膿性汗腺炎、脂漏症、皮脂腺過形成、脂漏性皮膚炎、皮脂腺腫、皮脂腺癌、皮脂腺嚢腫、シワ、または脂性肌を、それを必要とする対象において治療する方法であって、前記対象に、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない治療有効量のデクスメカミラミンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  2. 前記対象は、ざ瘡を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象は、拡大した毛穴を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対象は、化膿性汗腺炎を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記対象は、脂漏症を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記対象は、皮脂腺過形成を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記対象は、脂漏性皮膚炎を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対象は、皮脂腺腫を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記対象は、皮脂腺癌を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記対象は、皮脂腺嚢腫を有する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記対象は、シワを有する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記対象は、脂性肌を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩は、経口投与、吸入投与、鼻腔内投与、または局所投与の方法により投与される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩0.1mgから16mgを投与される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩0.1mgから16mgを2週間または2週間よりも長く投与される、請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
  16. デクスメカミラミン塩酸塩が投与される、請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩を2mg投与される、請求項15または16に記載の方法。
  18. 前記対象は、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩4mgを投与される、請求項15または16に記載の方法。
  19. 治療前に、前記対象は、100μg/cm2または100μg/cm2より大きい量の皮脂を産生する、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記対象は、125μg/cm2、135μg/cm2、150μg/cm2、175μg/cm2、200μg/cm2、またはそれらより大きい量の皮脂を産生する、請求項19に記載の方法。
  21. エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まないデクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩での前記治療後に、前記対象が、エキソ-R-メカミラミンを実質的に含まない前記デクスメカミラミン、またはその薬学的に許容される塩での前記治療前の前記対象の皮脂産生よりも少なくとも20%少ない皮脂産生を示す、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記皮脂産生が顔の皮脂産生である、請求項21に記載の方法。
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