JP2024523620A - 経皮送達システムを用いた併用療法 - Google Patents

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ウン ス リ,
マーク クレイプール,
ジェイコブ カーホフ,
ジャロッド ベント,
ダスティン モーズリー,
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コリウム, エルエルシー
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Abstract

Figure 2024523620000001
本開示は、任意選択的にアデュカヌマブなどの第二の治療薬剤と組み合わせて、ドネペジルを用いてアルツハイマー病を治療するための経皮送達システムを提供する。一実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:(1)バッキング層;(2)高エネルギー表面処理で処理された分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;(3)ドネペジルHClを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
【選択図】図1A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月28日に出願された米国仮特許出願第63/215,863号に対する優先権を主張するものであり、それは、全ての目的のためにその全体において本明細書中に組み入れられる。
経皮薬物送達システムは、他の経路、例えば経口又は非経口などを介して投与された場合に不利益を有し得る活性医薬的薬剤を投与するための効果的な手段であり得る。しかし、長期間(例、数日又はそれ以上)にわたる多くの薬物の送達は困難である。塩基性(即ち、アルカリ性)薬物の経皮送達は、不良な皮膚透過性に起因して、特に困難であり得る。さらに、一部の活性薬剤は、典型的な経皮製剤中で使用される接着剤及び/又は他の成分において、不良な又は低い溶解性を有する。さらに、投与期間にわたって薬剤の安定的で効果的な放出を提供し、長期投与のための適切な接着を有する活性薬剤の安定的な長期投与(例、1~10日又はそれ以上)についてのニーズがある。
経皮送達のための活性薬剤は、典型的には、それらの中性形態で提供される。なぜなら、中性形態は、典型的には、対応する塩形態よりもずっと皮膚透過性であるためである。従来の経皮製剤中では、中性形態の活性薬剤は、接着マトリクス中で可溶化され、活性薬剤は接着マトリクスを通じて皮膚中に拡散する。経皮パッチは、従って、典型的には、接着マトリクス中の薬剤の溶解性によって可能になる限り多くの、接着マトリクス中に溶解された活性薬剤を含み、しばしば、その溶解性を高めるための可溶化剤を伴う。あるいは、活性薬剤の中性、固体粒子は、粒子の溶解速度が、溶解した活性薬剤の一定の供給が提供される限り、時折、接着マトリクス中に分散される。
多くの活性薬剤については、しかし、中性形態は、対象への投与のために組成物、システム、又は医薬中に可溶化及び/又は製剤化することがより困難である。薬物が、非イオン化中性形態と同様に、接着マトリクス中での低い溶解性を有する場合、治療レベルで複数日間にわたり送達するために、十分な量の薬物を接着剤中での可溶化形態で組み入れることは困難である。さらなる合併症は、溶解した活性薬剤が、医薬を調製するプロセス、例えば、溶媒和、コーティング、及び乾燥中に接着マトリクス内で結晶化し得ることである。さらに、多くの活性薬剤は、塩形態よりも中性形態で安定性が低い。経皮パッチについての他の課題は、バッキング層の剥離を含み得る。従って、長期間にわたって治療量の活性薬剤を一貫して効果的に送達することができる成分層として接着マトリクスを有する組成物、システム、及び医薬についてのニーズが存在する。また、バッキング層の剥離を低下させるために、バッキング層とパッチの残り部分の間での改善された接着を伴う経皮パッチについてのニーズが存在する。
関連技術の前述の例及びそれに関する限定は、例証的であり、排他的ではないことが意図される。関連技術の他の限定は、本明細書の読取及び図面の試験に基づいて、当業者に明らかになるであろう。
一実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)高エネルギー表面処理で処理された分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHClを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
別の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、上面が少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、分離層;
(3)ドネペジルHClを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
別の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
別の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理される、分離層;
(3)治療薬剤を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が、分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
別の実施形態では、本発明は、ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層を提供し、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する。
別の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む第一の混合物を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること;
第一の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること;及び
コーティングされた混合物を乾燥させ、それにより薬物マトリクス層を調製すること。
別の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iii)高エネルギー表面処理で分離層の上面を処理して、処理された分離層を形成することであって、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、処理された分離層が、上面及び底面を含む;及び
(iv)処理された分離層を、薬物マトリクスラミネートの上面上に積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、処理された分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(vi)バッキング層の底面を、接着性オーバーレイ層が、処理された活性ラミネートの上面と接触するように、処理された活性ラミネートの上面上に積層して、それにより本発明の経皮送達システムを形成すること。
別の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iii)薬物マトリクスラミネートの上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層が上面及び底面を含み、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(iv)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(v)バッキング層の底面を、接着性オーバーレイ層が活性ラミネートの上面と接触するように、活性ラミネートの上面上に積層して、それにより本発明の経皮送達システムを形成すること。
別の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)以下を含む薬物マトリクス層を調製すること:
パルミチン酸アスコルビル、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルを含む第一の混合物を形成すること、
第一の混合物及びポリビニルピロリドンを含む第二の混合物を形成すること、
第二の混合物及びドネペジルHClを含む第三の混合物を形成すること;
第三の混合物及びソルビタンモノラウレートを含む第四の混合物を形成すること;
第四の混合物、重炭酸ナトリウム、及びグリセリンを含む第五の混合物を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること、
第五の混合物及びアクリレートポリマーを含む第六の混合物を形成すること、
第六の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること、
コーティングされた混合物を乾燥すること、
剥離ライナーを除去し、それにより薬物マトリクス層を調製すること;
(iii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iv)薬物マトリクスラミネートの上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層が上面及び底面を含み、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(vi)バッキング層の底面を、活性ラミネートの上面上に積層して、接着性オーバーレイ層が、活性ラミネートの上面と接触するようにすること;
(vii)分離層の上面を、コロナ放電処理で処理して、処理された分離層を形成することであって、コロナ放電処理が、0.10kW~0.12kWの電力及び2.1~2.6W/ft/分の電力密度を使用して実施され、処理された分離層が上面及び底面を有して、処理された分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有するようにし、接触接着層の底面が、第一のプロセスライナーと接触する、形成すること;
(viii)第一のプロセスライナーを除去して、接触接着層の底面を露出させること;及び
(ix)剥離ライナーを、接触接着層の底面上に積層し、それにより経皮送達システムを形成すること。
別の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び1μm~500μmのD90粒子サイズを有する重炭酸ナトリウム粒子を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
別の実施形態では、本発明は、以下を含む経皮送達システムを提供する:
(1)バッキング層;
(2)分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)2~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む接触接着層であって、接触接着層が上面及び底面を有して、上面が、膜層の底面と接触するようにする、接触接着層、を含み、
経皮送達システムが、
(i)ドネペジルHCl及び重炭酸ナトリウムを混合して薬物マトリクス層を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、形成すること;
(ii)膜層を、接触接着層の上面上に積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(iii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iv)分離層を、薬物マトリクスラミネートの上面上に積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;及び
(vi)バッキング層の底面を、活性ラミネートの上面上に積層し、接着性オーバーレイ層が、活性ラミネートの上面と接触するようにし、それにより経皮送達システムを形成すること、を含む方法により調製される。
別の実施形態では、本発明は、ドネペジル遊離塩基を経皮的に投与するための方法を提供し、以下を含む:(i)本発明の経皮送達システムから剥離ライナーを除去すること;及び(ii)約10日間までの期間にわたり経皮送達システムを対象の皮膚に接着して、ドネペジル遊離塩基を当該対象に送達すること。
別の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を治療する方法を提供し、対象の皮膚に本発明の経皮送達システムを適用して、ドネペジル遊離塩基を対象に送達し、それによりアルツハイマー病を治療することを含む。
別の実施形態では、本発明は、ドネペジル遊離塩基の経皮送達のための方法を提供し、以下を含む:本発明の経皮送達システムを対象の皮膚に固定する、又は固定するように指示し、活性薬剤の塩基形態をシステムから皮膚に送達すること、ここで、(i)定常状態フラックスに達する時間が、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも約20%速く、(ii)システムが、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速いその定常状態平衡フラックスを達成し;及び/又は(iii)活性薬剤が、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速くシステムから皮膚に拡散する。
図1A、図1B、及び図1Cは、本発明の経皮送達システムの例証を示す。 同上。 同上。
図2は、混合の完了直後及びコーティング/積層前に測定された、薬物マトリクス混合中のドネペジル遊離塩基濃度vs.完成パッチについての重炭酸ナトリウムD90粒子サイズ分布を示す。
図3は、混合の完了後及びコーティング/積層を終えるまでのコーティング/積層中での薬物マトリクス製造混合物中のドネペジル遊離塩基含量vs.時間を示す。
図4は、室温で6ヶ月間の期間にわたり保存された、コーティングされたラミネート中間体についてのドネペジル遊離塩基含量の安定性を示す。
図5は、25℃及び60%の相対湿度(RH)での、時間0、3ヶ月(3M)、及び6ヶ月(6M)での分離層の上面のコロナ放電処理を伴う又は伴わないパッチ中での一貫したドネペジル遊離塩基含量を示す。
図6は、実施例2のドネペジル経皮送達システム(丸)で1週間にわたり、又は1日目及び7日目(三角)に経口投与された5mgのドネペジルで処置されたヒト対象における、時間の関数としてのng/mLでのドネペジルの平均血漿濃度のグラフを示す。
I.概要
本開示は、とりわけ、認知症及びアルツハイマー病を含む中枢神経系障害に罹患している患者に、ドネペジル遊離塩基を送達するための経皮送達システムを記載する。本開示の経皮送達システムは、以下の一つ又は複数により特徴付けられる:(1)高エネルギー表面処理、例えばコロナ放電などで分離層の表面を処理しながら生成された少なくとも40ダインの表面エネルギーを伴う少なくとも一つの表面を有する分離層;(2)重炭酸ナトリウム粒子が0.1μm~1000μmのD90粒子サイズを有する薬物マトリクス層中の重炭酸ナトリウム粒子;及び(3)接触接着層の総重量の少なくとも0.1%(w/w)の量の接触接着層中のドネペジル遊離塩基。
II.定義
様々な態様が、ここで、以下でより完全に記載される。そのような態様は、しかし、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書中に記載される実施形態に限定されるものとして解釈すべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、その範囲を当業者に完全に伝達するように提供される。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限の間の各介在値、及びその記載された範囲中の任意の他の記載された値又は介在値が本開示内に包含されることが意図される。例えば、1μm~8μmの範囲が記載されている場合、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、及び7μm、ならびに1μmを上回る又はそれと等しい値の範囲及び8μmを下回る又はそれと等しい値の範囲も明示的に開示されることが意図される。
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他を明確に示さない限り、複数の参照を含む。このように、例えば、「ポリマー」への言及は、単一のポリマーならびに同じ又は異なるポリマーの二つ又はそれ以上を含み、「賦形剤」への言及は、単一の賦形剤ならびに同じ又は異なる賦形剤の二つ又はそれ以上、及び同様のものを含む。
数値の直前にある場合の言葉「約」は、本開示の文脈が他を示さない、又はそのような解釈と矛盾しない限り、その値のプラス又はマイナス10%の範囲を意味し、例えば、「約50」は45~55を意味し、「約25,000」は22,500~27,500を意味する、など。例えば、数値のリスト、例えば「約49、約50、約55などにおいて、「約50」は、先行する値とその後の値の間での間隔の半分未満、例えば、49.5超~52.5未満に及ぶ範囲を意味する。さらに、値の語句「約未満」又は値の語句「約以上」は、本明細書中に提供される用語「約」の定義を考慮して理解すべきである。
「高エネルギー表面処理」は、高エネルギー処理の使用を通して表面の表面エネルギーを増加させるプロセスを指す。代表的な高エネルギー表面処理は、表面の特性を修飾するために、表面をコロナ放電又はコロナプラズマに露出させることを含むコロナ放電処理を含む。高エネルギー表面処理に露出される表面は、高エネルギー表面処理前の表面エネルギーと比較して、ダインにより測定される、より高い表面エネルギーにより特徴付けられ得る。
「接触」は、二つの物体又は二つの物体の表面を、それらが互いに物理的に接触させるように、近接させることを指す。
「微多孔膜」は、活性薬剤を薬物マトリクス層から接触接着層へ、及び患者へ輸送するための膜溶媒組成物で充填された複数の細孔を有する膜を指す。
「閉塞性材料」は、例えば、皮膚からの水分喪失を低下又は最小化するために、低い水分透過率を有する材料を指す。閉塞剤は、材料、例えばシリコーン、ワックス、オイルなど、ならびに様々なポリマー及びコポリマーを含み得る。
「表面エネルギー」は、表面を横切って物体を移動させるのに要求されるエネルギーを指す。表面エネルギーは、1平方センチメートル/秒(g・cm/s)の速度で1グラムの質量を加速させるために要求される力であるダインで測定される。例えば、1ダインは1×10-5ニュートンに相当する。
「アルカリ塩」は、とりわけ、塩基、例えば炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどを指す。
「D90粒子サイズ」は、粒子の90%が、記載されたD90粒子サイズ又はそれより小さい直径を有する、複数の粒子のサイズ分布を指す。
「ライン速度」は、高エネルギー処理に露出されている層が、高エネルギー処理に露出され、そこから除去される速度を指す。代表的な速度は、インチ又はフィート/分であり得る。
「積層している(laminating)」、「積層する(laminate)」、又は「積層(lamination)」は、熱、圧力、又は接着剤の使用を通じて、二つの別々の層を一つの中に組み合わせることにより材料を調製するプロセスを指す。
「プロセスライナー」は、層の一つの表面を保護するために、二つの異なる層の積層の前、中、又は後に使用される保護層を指す。プロセスライナーを次に、次の積層工程の前に、表面から除去することができる。
「定常状態フラックス」又は「定常状態平衡フラックス」は、経時的な実質的な変化を伴うことなく一定の値を達成する経皮送達システムからの活性薬剤の流れを指す。
「単位投与形態」は、処置される対象について適した治療用製剤の物理的に個別の単位を指す。しかし、本発明の組成物の一日の総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で担当医により決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象又は生物についての特定の有効用量レベルは、治療される障害及び障害の重症度;用いられる特定の活性薬剤の活性;用いられる特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的な健康、性別及び食事;投与の時間、及び用いられる特定の活性薬剤の排泄速度;治療の期間;用いられる特定の化合物との組み合わせにおいて又はそれらと同時に使用される薬物及び/又は追加の治療、ならびに医療技術分野において周知の同様の因子を含む、様々な因子に依存するであろう。
本明細書中に記載される「接着マトリクス」は、一つの片において作製されたマトリクス、例えば、溶媒キャスト又は押出成形を介して作製されたマトリクス、ならびに次に一緒にプレス又は接合される二つ又はそれ以上の部分中で形成されたマトリクスを含む。
本明細書中で使用される用語「治療有効量」は、非毒性であるが、しかし、所望の治療効果を提供するのに十分である活性薬剤の量を指す。「有効」である量は、当業者に公知であるように、個人の年齢及び全身状態、特定の活性薬剤又は薬剤、ならびに同様のものに依存して、対象から対象で変動し得る。
語句「医薬的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比率に相応する、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒト及び/又は他の哺乳動物の組織と接触した使用のために適切な、それらの化合物、塩、組成物、投薬形態などを指すために本明細書中で用いられる。一部の態様では、「医薬的に許容可能な」は、哺乳類(例、動物)における、より具体的にはヒトにおける使用のために、連邦又は州政府の規制当局により承認されている、又は米国薬局方もしくは他の一般的に認識されている薬局方において列挙されていることを意味する。
本明細書中で使用される用語「経皮」又は「経皮送達」は、活性薬剤が、身体表面、例えば、皮膚を通じて、個人の血流中に通過するような、個体の身体表面への活性薬剤の投与を指す。用語「経皮」は、経粘膜投与、即ち、薬剤が、粘膜組織を通じて、個人の血流中に通過するような、個人の粘膜(例、舌下、頬側、膣、直腸)表面への薬物の投与を含むことが意図される。
用語「局所送達システム」、「経皮送達システム」、及び「TDS」は、皮膚組織を介した薬物の送達の経路を指し、本明細書中で互換的に使用される。
本明細書中で使用される用語「皮膚(skin)」、「組織」、又は「皮膚(cutaneous)」は、角質層、又は透明層、及び/又は他の粘膜により覆われた組織を含むとして定義される。この用語は、体腔の内部表面、例えば、粘膜内層を有する口腔、鼻腔、直腸、膣などを含む粘膜組織をさらに含む。用語「皮膚」は、「粘膜組織」を含むとして解釈すべきであり、その逆もまた同様である。
用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」、「治療(treatment)」、「治療(therapy)」、「治療的(therapeutic)」及び同様のものは、本明細書中で使用されるように、病理学的な状態を目的とする任意の医学的介入の過程を包含し、疾患の永久的な治癒だけでなく、疾患の予防、管理、又は疾患もしくは疾患症状を軽減するために取られるさらなる工程を含む。例えば、障害、例えばアルツハイマー病などを治療する方法への参照において、実施形態は、一般的に、活性薬剤を受けていない対象と比較して、対象における医学的状態の症状の頻度を低下させる、又はその発症を遅延させる活性薬剤の投与を含む。これは、対象の状態(例、精神機能の退行)を改善又は安定化させる様式において、状態の症状、臨床徴候、及び根底にある病理を逆転、低下、又は停止させることを含み得る。
治療薬剤の投与が、疾患又は障害に対する効果的な治療レジメンである「対象」又は「患者」は、好ましくはヒトであるが、治験又はスクリーニング又は活性実験の状況において実験動物を含む、任意の動物であり得る。このように、当業者により容易に認識され得るように、本明細書中に提供される方法及びシステムは、獣医学的な使用のための、任意の動物、特に、哺乳動物、限定されないが、ヒト、飼育動物、例えば猫又は犬の対象など、家畜、例えば、限定されないが、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、及びブタの対象など、野生動物(野生における又は動物園におけるかを問わない)、研究動物、例えばマウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、犬、猫など、鳥類、例えばニワトリ、七面鳥、鳴禽類などを含む、への投与に特に適している。
「共投与」とは、一つ又は複数の追加の治療薬剤の単位用量の投与前あるいは後における、本明細書に開示される経皮送達システムの投与を指し、例えば、一つ又は複数の追加の治療薬剤の投与の数秒以内、数分以内、または数時間以内の本明細書に開示される経皮送達システムの投与を指す。例えば、本発明の経皮送達システムの単位用量が最初に投与され、その後、数秒または数分以内に、一つ又は複数の追加の治療薬剤の単位用量が投与され得る。あるいは、一つ又は複数の追加の治療薬剤の単位用量が最初に投与され、その後、数秒または数分以内に本発明の経皮送達システムが投与される。一部の実施形態では、本発明の経皮送達システムの単位用量が最初に投与され、その後、数時間(例えば、1~12時間)後に、一つ又は複数の追加の治療薬剤の単位用量が投与される。別の実施形態では、一つ又は複数の追加の治療薬剤の単位用量が最初に投与され、その後、数時間(例えば、1~12時間)後に、本発明の経皮送達システムの単位用量が投与される。
「治療薬剤」は、傷害、病理、状態、又は症状(例、疼痛)を治療することができる薬物又は薬剤を指す。代表的な治療薬剤は、限定されないが、塩酸ドネペジル、ドネペジル遊離塩基、メマンチン、アルツハイマー病を治療するために有用な薬剤、ならびに他の状態及び疾患を治療するために有用な薬剤を含む。
「モル比率」は、第一の成分のモルと第二の成分のモルとの比率を指し、モル比率は、第一の成分のモルを、第二の成分のモルにより割ることにより決定される。
III.経皮送達システム
水不溶性薬物塩基の全身送達のための経皮送達システムが提供される。経皮システムは、一般的に、接触接着層及び薬物マトリクス層で構成され、ここで二つの層は、膜溶媒組成物で前処理された微多孔膜を含む膜層により分離される。システムは、以下に記載されるように、追加の層を含み得る。システム中の層の組成をここに記載する。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、活性薬剤として、ドネペジル化合物又はその誘導体を含む。ドネペジルは、化学構造2,3-ジヒドロ-5,6-ジメトキシ-2-[[l-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル〕メチル]-lH-インデン-l-オンを伴うアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である:
Figure 2024523620000002

ドネペジルは、379.5の分子量を有し、親油性である(ログ値3.08~4.11)。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)高エネルギー表面処理で処理された分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHClを含む薬物マトリクス層であって、接着剤接触層が上面及び底面を有して、上面が、分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の少なくとも0.1%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
本発明の経皮送達システムは、図1A~図1C中に示されるように、様々な構成を有し得る。図1Aは、バッキング層20、上面31及び底面32を有する分離層30、上面41及び底面42を有する薬物マトリクス層40、上面51及び底面52を有する膜層50、ならびに上面61及び底面62を有する接触接着層60、を有する、経皮送達システム10を示す。
バッキング層
経皮送達システムは、基礎をなす接着層を保持又は支持するための構造要素を提供するバッキング層を含み得る。バッキング層は、当技術分野において公知の任意の適切な材料で形成され得る。一部の実施形態では、バッキング層は閉塞性である。一部の実施形態では、バッキングは、好ましくは、水分に対して不透過性又は実質的に不透過性である。一つの例示的な実施形態では、バッキング層は、約50g/m2日未満の水蒸気透過率を有する。一部の実施形態では、バッキング層は不活性である。一部の実施形態では、バッキング層は、好ましくは、バッキング層を通じた接着層の成分の放出を防止する。バッキング層は、可撓性又は非可撓性であり得る。バッキング層は、好ましくは、バッキング層が、パッチが適用される皮膚の形状に少なくとも部分的に適合できるように、少なくとも部分的に可撓性である。一部の実施形態では、バッキング層は、バッキング層が、パッチが適用される皮膚の形状に適合するように可撓性である。一部の実施形態では、バッキング層は、動き、例えば、皮膚の動きを伴う適用部位での接触を維持するのに十分に可撓性である。典型的には、バッキング層用に使用される材料によって、デバイスが皮膚又は他の適用部位の輪郭に従い、皮膚の領域、例えば関節又は他の屈曲点などに快適に着用されることを可能にすべきであり、それは、通常、皮膚及びデバイスの柔軟性又は弾性における差に起因してデバイスが皮膚から外れる可能性がほとんど又は全くない機械的歪みを受ける。
一部の実施形態では、バッキング層は、弾性ポリマーフィルム、ポリマー布、多方向性弾性織布、多方向性弾性不織布、伸縮性ポリマーフィルム、伸縮性織布、又は伸縮性不織布を含む。
一部の実施形態では、バッキング層は、フィルム、不織布、織布、ラミネート、及びそれらの組み合わせの一つ又は複数で形成される。一部の実施形態では、フィルムは、一つ又は複数のポリマーで構成されるポリマーフィルムである。適切なポリマーは当技術分野において公知であり、エラストマー、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエーテルアミドを含む。一部の実施形態では、バッキング層は、ポリエチレンテレフタレート、様々なナイロン、ポリプロピレン、金属化ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニリデン、及びアルミニウムホイルの一つ又は複数で形成される。一部の実施形態では、バッキング層は、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンなどの一つ又は複数で形成される布である。一部の実施形態では、バッキング層は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン酢酸ビニルもしくはそのコポリマー、又はポリウレタンの一つ又は複数のポリマーを含む。一部の実施形態では、バッキング層は、ポリエステルフィルムラミネートで形成される。一部の実施形態では、バッキング層は、ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)ヒートシール層(9%EVA)のラミネートで形成される。一つの特定のポリエステルフィルムラミネートは、ポリエチレン及びポリエステルラミネート、例えば名称SCOCHPAK(商標)#9723の下で販売されているラミネートなどである。一部の実施形態では、バッキング層はKOB052を含む。一部の実施形態では、バッキング層はSCOTCHPAK(商標)#9732を含む。
一部の実施形態では、バッキング層は、約0.2~50ミリメートルの厚さを有する。
経皮送達システムは、接着性オーバーレイを含み得る。一部の実施形態では、バッキング層は、分離層の上面と接触する接着性オーバーレイ層をさらに含む。
バッキング層は、多様な構成、例えば図1B中に示される、などを採用し得る。図1Bは、接着性オーバーレイ層21を有するバッキング層20を示す。
バッキング層中の接着成分は、様々な接着材料、例えば感圧接着ポリマーなどのいずれかであり得る。ポリアクリレート感圧接着ポリマーは一例であり、典型的には、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーであるポリアクリレートを含む。他の単量体、例えばアクリル酸及び酢酸ビニルなどが存在してもよい。一部の実施形態では、アクリルポリマーは、アクリルエステル、例えば2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)及びエチルアクリレートなどに基づく。一部の実施形態では、ポリアクリレートポリマーは、アクリル酸及び酢酸ビニルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーである。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ペンダントカルボキシル(-COOH)又はヒドロキシル(-OH)官能基を有する。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、それらの誘導体、及びそれらのコポリマーの少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、アクリル接着剤は、アクリルエステル単量体、アクリル酸、及び/又は酢酸ビニル単量体を含むアクリレートコポリマーで構成される。アクリル酸及び酢酸ビニルのコポリマーは、一例である。アクリレートコポリマーは、商品名DURO-TAK(登録商標)の下で販売されており、限定されないが、DURO-TAK 87-2287、387-2516、387-2051、及び387-2074を含む。一部の実施形態では、アクリレートポリマーはDURO-TAK 82-2287を含む。一部の実施形態では、アクリレートポリマーはDURO-TAK 87-2052/2287/2051を含む。
一部の実施形態では、接着性オーバーレイ層はアクリレートコポリマーを含む。
分離層
一部の実施形態では、分離層の上面は、高エネルギー表面処理で処理される。一部の実施形態では、経皮送達システムは、高エネルギー表面処理で処理された分離層を含み、分離層は上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする。分離層は、当技術分野において公知の任意の適切な材料で形成され得る。一部の実施形態では、分離層は、閉塞性材料又は通気性材料の少なくとも一つを含む。
一部の実施形態では、分離層は閉塞性である。一部の実施形態では、バッキングは、好ましくは、水分に対して不透過性又は実質的に不透過性である。一つの例示的な実施形態では、バッキング層は、約50g/m2日未満の水蒸気透過率を有する。一部の実施形態では、分離層は、好ましくは、不活性であり、及び/又は活性薬剤を含む接着層の成分を吸収しない。一部の実施形態では、分離層は、好ましくは、分離層を通じた接着層の成分の放出を防止する。分離層は、可撓性又は非可撓性であり得る。分離層は、好ましくは、分離層が、パッチが適用される皮膚の形状に少なくとも部分的に適合することができるように、少なくとも部分的に可撓性である。一部の実施形態では、分離層は、分離層が、パッチが適用される皮膚の形状に適合するように可撓性である。一部の実施形態では、分離層は、動き、例えば、皮膚の動きを伴う適用部位での接触を維持するのに十分に可撓性である。典型的には、分離層用に使用される材料によって、デバイスが皮膚又は他の適用部位の輪郭に従い、皮膚の領域、例えば関節又は他の屈曲点などに快適に着用されることを可能にすべきであり、それは、通常、皮膚及びデバイスの柔軟性又は弾性における差に起因してデバイスが皮膚から外れる可能性がほとんど又は全くない機械的歪みを受ける。
一部の実施形態では、分離層は、弾性ポリマーフィルム、ポリマー布、多方向性弾性織布、多方向性弾性不織布、伸縮性ポリマーフィルム、伸縮性織布、又は伸縮性不織布を含む。一部の実施形態では、分離層は、フィルム、不織布、織布、ラミネート、及びそれらの組み合わせの一つ又は複数で形成される。一部の実施形態では、フィルムは、一つ又は複数のポリマーで構成されるポリマーフィルムである。適切なポリマーは当技術分野において公知であり、エラストマー、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、及びポリエーテルアミドを含む。一部の実施形態では、分離層は、ポリエチレンテレフタレート、様々なナイロン、ポリプロピレン、金属化ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニリデン、及びアルミニウムホイルの一つ又は複数で形成される。一部の実施形態では、分離層は、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンなどの一つ又は複数で形成される布である。一部の実施形態では、分離層は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン酢酸ビニルもしくはそのコポリマー、又はポリウレタンの一つ又は複数のポリマーを含む。一つの特定の、しかし、非限定的な実施形態では、分離層は、ポリエステルフィルムラミネートで形成される。一つの特定のポリエステルフィルムラミネートは、ポリエチレン及びポリエステルラミネート、例えば名称SCOCHPAK(商標)#9723の下で販売されているラミネートなどである。一部の実施形態では、分離層はSCOTCHPAK(商標)#1012を含む。一部の実施形態では、分離層はSCOTCHPAK(商標)#9732を含む。
一部の実施形態では、分離層は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート/エチレン酢酸ビニルラミネートから選択される一つ又は複数のポリマーを含む。一部の実施形態では、分離層はポリエステルを含む。
一部の実施形態では、分離層の上面は、高エネルギー表面処理で処理される。一部の実施形態では、分離層は、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングをさらに含む。一部の実施形態では、分離層の上面は、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む。
一部の実施形態では、高エネルギー表面処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態では、高エネルギー表面処理はコロナ放電処理である。
一部の実施形態では、分離層の上面は、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む。一部の実施形態では、分離層の上面は、コロナ放電処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む。一部の実施形態では、分離層の上面は、約0.24kWの電力を使用して実施されるコロナ放電処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む。
コロナ放電処理で処理された分離層の上面は、任意の適切な表面エネルギーを有し得る。例えば、コロナ放電処理で処理された分離層の上面は、限定されないが、少なくとも20ダイン、又は25、30、35、40、45、50、55、60、65、もしくは少なくとも70ダインの表面エネルギーを有し得る。あるいは、コロナ放電処理で処理された分離層の上面は、限定されないが、少なくとも41ダイン、又は42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは少なくとも60ダインの表面エネルギーを有し得る。一部の実施形態では、分離層の上面は、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する。表面エネルギーは、当業者に公知の様々な技術及び機器を使用して測定することができ、限定されないが、Krussによるモバイル表面分析器、Tantec A/SからのDyneTECテストキット、綿スワブアプリケータ、溶液先端部「ダインペン」、及びフルエッチドローダウンロッドを含む。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)高エネルギー表面処理で処理された分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、上面が少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、上面が少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、分離層;
(3)ドネペジルHClを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
薬物マトリクス層
経皮送達システムはまた、薬物マトリクス層を含む。薬物マトリクス層はドネペジルHClを含み、上面及び底面を有し、上面が分離層の底面と接触するようにする。
薬物マトリクス層は、任意の適切な量でドネペジルHClを含み得る。例えば、薬物マトリクス層は、限定されないが、1~50%(w/w)、又は1~45%、1~40%、5~35%、5~30%、5~25%、10~25%、10~20%、11~19%、12~18%、13~17%、もしくは14~16%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約14.5%(w/w)、又は約14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、もしくは約16.5%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、14~16%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約15%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約15.4%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、15.4%(w/w)の量でドネペジルHClを含み得る。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するドネペジルHClの重量パーセンテージを表すことができる。
任意の特定の理論により拘束されないが、薬物マトリクス溶媒組成物は、(i)活性薬剤の塩形態を薬物マトリクス層中に溶解及び/又は懸濁することを可能にし、(ii)活性薬剤の塩基形態に対する、活性薬剤の塩形態のインサイツでの反応を支持し、(iii)活性薬剤の塩基形態を、微多孔膜中への及び接触接着層中への拡散のために、薬物マトリクス層中に溶解又は可溶化させることを可能にする。
薬物マトリクス層は、様々な他の成分を含み得る。例えば、他の成分は、限定されないが、ドネペジル遊離塩基、接着マトリクス、アクリレートポリマー、薬物マトリクス溶媒組成物、アルカリ塩、及び他を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基をさらに含む。ドネペジル遊離塩基は、任意の適切な量で存在し得る。例えば、薬物マトリクス層は、限定されないが、ドネペジル遊離塩基及びドネペジル塩酸塩の総重量の少なくとも1%(w/w)、又は少なくとも5、10、15、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、もしくは少なくとも35%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。薬物マトリクス層は、限定されないが、ドネペジル遊離塩基及びドネペジル塩酸塩の総重量の1~50%(w/w)、又は5~45%(w/w)、又は10~40%(w/w)、又は20~40%(w/w)、又は21~39%(w/w)、又は22~37%(w/w)、又は22~36%(w/w)、又は22~35%(w/w)、又は25~35%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の少なくとも10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の少なくとも20%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の20%~40%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の90%(w/w)以下の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の80%(w/w)以下の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の60%~80%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。
ドネペジル遊離塩基が存在する場合、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の重量の少なくとも約13.9%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の重量の少なくとも約12.3%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の9.2~12.3%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の重量の10.0~12.0%(w/w)の量でドネペジルHClを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するドネペジルHClの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、接着ポリマーを含む接着マトリクス、薬物マトリクス溶媒組成物、ならびにドネペジル塩及びアルカリ塩又は別の両性塩基化合物の反応により薬物マトリクス層中でインサイツ生成されたドネペジル遊離塩基を含む組成物である。薬物マトリクス層は、ドネペジルの塩形態、例えば、ドネペジル塩酸塩(HCl)、及びインサイツで反応してドネペジル遊離塩基を形成するアルカリ塩を使用して製造される。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、以下をさらに含む:(i)アクリレートコポリマー、(ii)グリセリンならびに乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの一つ又は複数を含む薬物マトリクス溶媒組成物、及び(iv)重炭酸ナトリウムを含むアルカリ塩。
本明細書中に記載される及び上記の薬物マトリクス層は、経皮送達システムにおける使用のために企図され、システムは接着成分を追加的に含む。接着性成分は、限定されないが、接着性ポリマー又はコポリマーの約50~90%(w/w)、又は約55~90%(w/w)の間、又は約60~90%(w/w)の間、約65~90%(w/w)の間、約70~90%(w/w)の間、約75~90%(w/w)の間、又は約80~90%(w/w)の間の量で存在し得る。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する接着性ポリマー又はコポリマーの重量パーセンテージを表すことができる。一部の実施形態では、皮膚接触接着剤は、アクリレート/酢酸ビニルのコポリマーで構成される。一部の実施形態では、接着成分は、ポリビニルピロリドン、例えば架橋ポリビニルピロリドンなどを追加的に含む。
薬物マトリクス層中の接着成分は、様々な接着材料、例えば感圧接着ポリマーなどのいずれかであり得る。ポリアクリレート感圧接着ポリマーは一例であり、典型的には、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーであるポリアクリレートを含む。他の単量体、例えばアクリル酸及び酢酸ビニルなどが存在してもよい。一部の実施形態では、アクリルポリマーは、アクリルエステル、例えば2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)及びエチルアクリレートなどに基づく。一部の実施形態では、ポリアクリレートポリマーは、アクリル酸及び酢酸ビニルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーである。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ペンダントカルボキシル(-COOH)又はヒドロキシル(-OH)官能基を有する。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、それらの誘導体、及びそれらのコポリマーの少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、アクリル接着剤は、アクリルエステル単量体、アクリル酸、及び/又は酢酸ビニル単量体を含むアクリレートコポリマーで構成される。アクリル酸及び酢酸ビニルのコポリマーは、一例である。アクリレートコポリマーは、商品名DURO-TAK(登録商標)の下で販売されており、限定されないが、DURO-TAK 87-2287、387-2516、387-2051、及び387-2074を含む。一部の実施形態では、アクリレートポリマーはDURO-TAK 82-2287を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の重量に対して少なくとも約25~80%(w/w)の接着ポリマーを含む(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、限定されないが、約35~80%、30~75%、少なくとも約40~75%、少なくとも約50~75%、少なくとも約60~75%、少なくとも約25~70%、少なくとも約30~70%、少なくとも約40~70%、少なくとも約50~70%、少なくとも約60~70%、少なくとも約25~60%、少なくとも約30~60%、少なくとも約40~60%、少なくとも約50~60%、少なくとも約25~50%、少なくとも約30~50%、少なくとも約40~50%、少なくとも約25~40%、少なくとも約30~40%、又は少なくとも約25~30%(w/w)の量で接着性ポリマー又はコポリマーあるいはポリマー及び/又はコポリマーの混合物を含む。薬物マトリクス層は、一つ又は複数のあるいは少なくとも一つの接着ポリマー又はコポリマーを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、マトリクス中のポリマーの総重量に対して少なくとも約5~75%の個々のポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、限定されないが、約5~10%、5~15%、5~20%、5~25%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~75%、10~15%、10~20%、10~20%、10~25%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~75%、15~20%、15~25%、15~30%、15~40%、15~50%、15~60%、15~70%、15~75%、20~25%、20~30%、20~40%、20~50%、20~60%、20~70%、20~75%、25~30%、25~40%、25~50%、25~60%、25~70%、25~75%、30~40%、30~50%、30~60%、30~70%、30~75%、40~50%、40~60%、40~70%、40~75%、50~60%、50~70%、50~75%、60~70%、60~75%、又は70~75%(w/w)の量で個々のポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、30~50%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、35~45%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、37~41%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約39%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約39.3%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、39.3%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するアクリレートポリマーの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は、一つ、二つ、又は三つの同一の溶媒を有する。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は、同じ溶媒で構成される。例えば、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は各々、クエン酸エステル、界面活性剤、及び/又はα-ヒドロキシ酸のエステルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物(薬物マトリクス層中)は、膜溶媒組成物もしくは接触接着溶媒組成物から除外される、又はその中に存在しない親水性溶媒を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物は、限定されないが、ラウリン酸メチル、プロピレングリコールモノラウレート、グリセロールモノラウレート、モノオレイン酸グリセロール、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、及び酢酸ドデシルを含む。追加の薬物マトリクス溶媒組成物が、米国特許第8,874,879号中に記載されており、それは参照により本明細書中に組み入れられる。本明細書中の組成物は、一つ又は複数の、あるいは少なくとも一つの薬物マトリクス溶媒組成物を含み得ることが理解されよう。
薬物マトリクス層はまた、薬物マトリクス溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物は、一つ、二つ、三つ、又は四つの溶媒を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物は、クエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、グリセリン及びソルビタンモノラウレートの一方又は両方が、追加的に存在する。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物中のさらなる溶媒としてのα-ヒドロキシ酸のエステルが存在する。α-ヒドロキシ酸溶媒の例示的なエステルは、乳酸又はグリコール酸のエステルであり、一例は乳酸ラウリルである。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、及びグリセリンで構成される、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物は、膜層薬物マトリクス溶媒組成物中に含まれない親水性材料又は成分を含み得る。一部の実施形態では、接触接着層及び/又は薬物マトリクス溶媒組成物の一方又は両方において存在するが、しかし、膜溶媒組成物中には存在しない親水性材料は、親水性溶媒、例えば、限定されないが、グリセリン、水、及びそれらの混合物などである。他の親水性材料は、限定されないが、プロピレングリコール及び低重量ポリエチレングリコールを含む。一部の実施形態では、微多孔膜は、疎水性微多孔膜を提供するために疎水性材料から製造され;一例はポリプロピレン微多孔膜又はポリエチレン微多孔膜である。任意の特定の理論により拘束されないが、親水性材料、例えば薬物マトリクス層内にある薬物マトリクス溶媒組成物中の親水性溶媒などは、膜材料の疎水性に起因して、微多孔膜中に又は微多孔膜の細孔中に拡散又は浸透しない。薬物マトリクス層内の薬物マトリクス溶媒組成物中の親水性材料は、その医薬的に許容可能な塩からの水不溶性塩基性活性薬剤のin situ形成を促進及び支持する。活性薬剤の塩基形態が薬物マトリクス層中に形成された後、活性薬剤の塩基形態は、薬物マトリクス溶媒組成物中の少なくとも一つの成分により及び膜層薬物マトリクス溶媒組成物中の少なくとも一つの成分により可溶化されて、活性薬剤の塩基形態が、薬物マトリクス層から、微多孔膜の疎水性細孔中に、それを通じて拡散するようにする。一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は、一つ、二つ、又は三つの同一の溶媒を有する、しかし、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は異なる。例えば、一部の実施形態では、薬物マトリクス溶媒組成物及び膜溶媒組成物は各々、クエン酸エステル、界面活性剤、及び/又はα-ヒドロキシ酸を含み、薬物マトリクス溶媒組成物は、膜層薬物マトリクス溶媒組成物から除外される、又はその中に存在しない親水性溶媒を含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、薬物マトリクス層の重量に対して、薬物マトリクス溶媒組成物の約10~50%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含む(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、限定されないが、約10~45%、15~45%、15~40%、15~35%、20~35%、20~30%、又は25~30%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含む。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約20%(w/w)、又は約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、もしくは約35%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約28%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約28.0%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、28.0%(w/w)の量で薬物マトリクス溶媒組成物を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する薬物マトリクス溶媒組成物の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、グリセリンを含む。グリセリンは、薬物マトリクス層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、薬物マトリクス層は、限定されないが、約1~20%(w/w)、又は約2~19%、又は約3~18%、又は約4~17%、又は約5~16%、又は約5~15%、又は約6~15%、又は約7~15%、又は約8~14%、又は約9~13%、又は約10~12%(w/w)の量でグリセリンを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約5%(w/w)、又は約6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは約15%(w/w)の量でグリセリンを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約11%(w/w)の量でグリセリンを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約11.5%(w/w)の量でグリセリンを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、11.5%(w/w)の量でグリセリンを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するグリセリンの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、クエン酸トリエチルを含む。クエン酸トリエチルは、薬物マトリクス層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、限定されないが、約1~20%(w/w)、又は約2~19%、又は約3~18%、又は約4~17%、又は約5~16%、又は約5~15%、又は約6~15%、又は約7~15%、又は約8~14%、又は約9~13%、又は約10~12%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約5%(w/w)、又は約6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは約15%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約11%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約11.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、11.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するクエン酸トリエチルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、乳酸ラウリルを含む。乳酸ラウリルは、薬物マトリクス層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.5~10%、又は約1~10%、又は約1~5%、又は約2~4%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約1%(w/w)、又は約1.5、2.0、2.5、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、もしくは約5.0%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約3%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約3.3%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、3.3%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する乳酸ラウリルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層の薬物マトリクス溶媒組成物は、ソルビタンモノラウレートを含む。ソルビタンモノラウレートは、薬物マトリクス層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、薬物マトリクス層は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.1~5%、又は約0.5~5%、又は約1~5%、又は約1~3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約1%(w/w)、又は約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、もしくは約2.5%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約1.9%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、1.9%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するソルビタンモノラウレートの重量パーセンテージを表すことができる。
アルカリ塩は、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、オキシル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はサリチル酸ナトリウムであり得る。一部の実施形態では、アルカリ塩は重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、アルカリ塩は、重炭酸ナトリウムから本質的になる。一部の実施形態では、アルカリ塩は、重炭酸ナトリウムからなる。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び1μm~500μmのD90粒子サイズを有する重炭酸ナトリウム粒子を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)高エネルギー表面処理で処理された分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、上面が少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、分離層;
(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
重炭酸ナトリウムは、任意の適切な粒子サイズであり得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、限定されないが、限定されないが、0.1μm~1000μm、又は0.1μm~900μm、又は0.1μm~800μm、又は0.1μm~700μm、又は0.1μm~600μm、又は0.1μm~500μm、又は0.1μm~400μm、又は0.1μm~300μm、又は0.1μm~200μm、又は0.1μm~100μm、又は0.1μm~90μm、又は0.1μm~85μm、又は0.1μm~80μm、又は0.1μm~75μm、又は0.1μm~70μm、又は0.1μm~65μm、又は0.1μm~60μm、又は0.1μm~65μm、又は0.1μm~60μm、又は0.1μm~55μm、又は0.1μm~50μm、又は0.1μm~45μm、又は0.1μm~40μm、又は0.1μm~35μm、又は0.1μm~30μm、又は0.1μm~25μm、又は0.1μm~20μm、又は0.1μm~15μm、又は0.1μm~10μmのD90粒子サイズを有する粒子を含み得る。重炭酸ナトリウムは、限定されないが、限定されないが、1μm~1000μm、1μm~500μm、1μm~200μm、又は1μm~100μm、又は1μm~90μm、又は1μm~85μm、又は1μm~80μm、又は1μm~75μm、又は1μm~70μm、又は1μm~65μm、又は1μm~60μm、又は1μm~65μm、又は1μm~60μm、又は1μm~55μm、又は1μm~50μm、又は1μm~45μm、又は1μm~40μm、又は1μm~35μm、又は1μm~30μm、又は1μm~25μm、又は1μm~20μm、又は1μm~15μm、又は1μm~10μmのD90粒子サイズを有する粒子を含み得る。重炭酸ナトリウムは、限定されないが、20μm~100μm、又は10μm~200μm、又は5μm~300μmのD90粒子サイズを有する粒子を含み得る。
一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~1000μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、10μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。
アルカリ塩は、様々な量で存在し得る。例えば、アルカリ塩は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.1~5%、又は約0.5~5%、又は約1~5%、又は約2~4%(w/w)、又は約2~3%(w/w)の量で存在し得る。あるいは、アルカリ塩は、限定されないが、約2%(w/w)、又は約2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、もしくは約3.5%(w/w)の量で存在する。一部の実施形態では、アルカリ塩は、約2.5%(w/w)の量で存在する。一部の実施形態では、アルカリ塩は、2.5%(w/w)の量で存在する。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するアルカリ塩の重量パーセンテージを表すことができる。
重炭酸ナトリウムは、様々な量で存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.1~5%、又は約0.5~5%、又は約1~5%、又は約2~4%(w/w)、又は約2~3%(w/w)の量で存在し得る。あるいは、重炭酸ナトリウムは、限定されないが、約2%(w/w)、又は約2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、もしくは約3.5%(w/w)の量で存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、約2.5%(w/w)の量で存在する。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する重炭酸ナトリウムの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、1μm~500μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する重炭酸ナトリウムの重量パーセンテージを表すことができる。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する重炭酸ナトリウムの重量パーセンテージを表すことができる。
薬物マトリクス層は、任意の適切な量でドネペジルHCl及び重炭酸ナトリウムを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、10~20%(w/w)の量でドネペジルHCl、及び1~5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、1μm~500μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、14~16%(w/w)の量でドネペジルHCl、及び2~4%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、10μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約15%(w/w)の量でドネペジルHCl、及び約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約15.4%(w/w)の量でドネペジルHCl、及び約2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、15.4%(w/w)の量でドネペジルHCl、及び2.5%(w/w)の量で重炭酸ナトリウムを含み、重炭酸ナトリウムは、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するドネペジルHClの重量パーセンテージを表すことができる。
重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、約1未満の任意のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.1のモル比率、又はデノペジルHClと比べて、0.95~0.1、0.90~0.1、0.85~0.1、0.80~0.1、0.75~0.1、0.74~0.1、0.73~0.1、0.72~0.1、0.71~0.1、0.70~0.1、0.69~0.1、0.68~0.1、0.67~0.1、0.66~0.1、もしくは0.65~0.1のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.2のモル比率、又はデノペジルHClと比べて、0.95~0.2、0.90~0.2、0.85~0.2、0.80~0.2、0.75~0.2、0.74~0.2、0.73~0.2、0.72~0.2、0.71~0.2、0.70~0.2、0.69~0.2、0.68~0.2、0.67~0.2、0.66~0.2、もしくは0.65~0.2のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.3のモル比率、又はデノペジルHClと比べて、0.95~0.3、0.90~0.3、0.85~0.3、0.80~0.3、0.75~0.3、0.74~0.3、0.73~0.3、0.72~0.3、0.71~0.3、0.70~0.3、0.69~0.3、0.68~0.3、0.67~0.3、0.66~0.3、もしくは0.65~0.3のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.4のモル比率、又はデノペジルHClと比べて、0.95~0.4、0.90~0.4、0.85~0.4、0.80~0.4、0.75~0.4、0.74~0.4、0.73~0.4、0.72~0.4、0.71~0.4、0.70~0.4、0.69~0.4、0.68~0.4、0.67~0.4、0.66~0.4、もしくは0.65~0.4のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.5のモル比率、又はデノペジルHClと比べて、0.95~0.5、0.90~0.5、0.85~0.5、0.80~0.5、0.75~0.5、0.74~0.5、0.73~0.5、0.72~0.5、0.71~0.5、0.70~0.5、0.69~0.5、0.68~0.5、0.67~0.5、0.66~0.5、もしくは0.65~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在し得る。
一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、1.0~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、0.9~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、0.8~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、0.75~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClと比べて、0.70~0.5のモル比率において薬物マトリクス層中に存在する。
薬物マトリクス層は、一つ又は複数のマトリクス修飾剤をさらに含み得る。理論により束縛されることを望まないが、マトリクス修飾剤は、接着マトリクスの均質化を促進すると考えられる。親水性部分の収着は、このプロセスについての可能な機構である。このように、ある程度の吸水剤である周知のマトリクス修飾剤が使用され得る。例えば、可能性なマトリクス修飾剤は、コロイド状二酸化シリコーン、ヒュームドシリカ、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、可溶性PVP、セルロース誘導体(例、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC))、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリアクリル酸塩、又は粘土、例えばカオリンもしくはベントナイトなどを含む。例示的な市販のヒュームドシリカ製品は、Cab-O-Sil(Cabot Corporation、マサチューセッツ州ボストン)である。米国公開特許出願第2003/0170308号において記載される親水性混合物も用いられ得るが、例えば、PVP及びPEGの、又はPVP、PEGの混合物、ならびに水膨潤性ポリマー、例えばEUDRAGIT(登録商標)L100-55などである。一部の実施形態では、マトリクス修飾剤は、接着マトリクスの重量に対して約1~25%、約2~25%、約5~25%、約5~7%、約7~20%、又は約7~25%の間の量で個々に含まれる(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、マトリクス修飾剤はエチルセルロースを含まない。
薬物マトリクス層はまた、コポリマー、例えばポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリレート/酢酸ビニルコポリマー、又は酢酸ビニル/酢酸エチレンコポリマーなどを含み得る。一部の実施形態では、コポリマーは、酢酸ビニル/N-ビニルピロリドンコポリマー、例えばPlasdone(商標)S630(Ashland)として販売されているコポリマーなどである。一部の実施形態では、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、n-ビニル-2-ピロリドン及び酢酸ビニルの直鎖状ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、コポリマーは、n-ビニル-2-ピロリドン及び酢酸ビニルの60:40コポリマーである。
薬物マトリクス層はまた、ポリビニルピロリドン(PVP)を含み得る。PVPは、N-ビニルピロリドン単量体で構成される水溶性ポリマーであり、架橋及び非架橋を含む様々な形態で入手可能である。本明細書中の実施例の一部では、架橋PVPが、薬物マトリクス層中に含まれる。一部の実施形態では、架橋PVPはクロスポビドンである。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、クロスポビドンをさらに含む。
クロスポビドンは、任意の適切な量で薬物マトリクス層中に存在し得る。例えば、クロスポビドンは、限定されないが、1~50%(w/w)、又は5~25%、又は10~20%、又は11~19%、又は12~18%、又は13~17%、又は14~16%(w/w)の量で薬物マトリクス層中に存在する。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、約13.5%(w/w)、又は約13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4.、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、もしくは約15.5%(w/w)の量でクロスポビドンを含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約14%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、14~16%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約14.4%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、14.4%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するクロスポビドンの重量パーセンテージを表すことができる。
薬物マトリクス層は、当技術分野において公知の、他の従来の添加剤、例えば接着剤、抗酸化剤、架橋剤又は硬化剤、pH調節剤、顔料、染料、屈折性粒子、導電性種、抗菌剤、乳化剤、ゲル化剤、粘度調整剤又は増粘剤、安定化剤、及び同様のものなどをさらに含み得る。接着を低下又は除去する必要がある実施形態では、従来の脱粘着剤がまた、使用され得る。他の薬剤、例えば抗菌剤などをまた、加えて、保存時の損傷を防止し、即ち、微生物、例えば酵母及びカビなどの成長を阻害してもよい。適切な抗菌剤は、典型的には、p-ヒドロキシ安息香酸(即ち、メチル及びプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、及びそれらの組み合わせのメチルエステル及びプロピルエステルからなる群から選択される。これらの添加剤、及びそれらの量は、接着剤及び/又は活性薬剤の所望の化学的及び物理的特性に有意に干渉しないような方法において選択される。
薬物マトリクス層はまた、薬物、エンハンサー、又は組成物の他の成分からもたらされる皮膚の炎症及び/又は皮膚損傷の可能性を最小化又は排除するための刺激軽減添加剤を含み得る。適切な刺激軽減添加剤は、例えば、α-トコフェロール;モノアミンオキシダーゼ阻害剤、特にフェニルアルコール、例えば2-フェニル-l-エタノールなど;グリセリン;サリチル酸及びサリチル酸塩;アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩;イオノフォア、例えばモネンシンなど;両親媒性アミン;塩化アンモニウム;N-アセチルシステイン;シス-ウロカニン酸;カプサイシン;クロロキン;及びコルチコステロイドを含む。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層はまた、アスコルビン酸を含む。任意の適切なアスコルビン酸を、本発明の経皮送達システムにおいて使用することができる。代表的なアスコルビン酸は、限定されないが、パルミチン酸アスコルビル及びステアリン酸アスコルビルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、パルミチン酸アスコルビルを含む。
薬物マトリクス層は、任意の適切な量のパルミチン酸アスコルビルを含み得る。例えば、薬物マトリクス層は、限定されないが、0.01~10%(w/w)、又は0.1~5%、又は0.1~4%、又は0.1~3%、又は0.1~2%、又は0.1~1%、又は0.2~0.9%、又は0.3~0.8%、又は0.4~0.6%(w/w)の量でパルミチン酸アスコルビルを含み得る。薬物マトリクス層はまた、限定されないが、パルミチン酸アスコルビルを、約0.1%(w/w)、又は0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、もしくは約1.0%(w/w)の量で含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、0.1~1.0%(w/w)の量でパルミチン酸アスコルビルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、0.4~0.6%(w/w)の量でパルミチン酸アスコルビルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、約0.5%(w/w)の量でパルミチン酸アスコルビルを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、0.5%(w/w)の量でパルミチン酸アスコルビルを含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対するパルミチン酸アスコルビルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムをさらに含む。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、ドネペジル遊離塩基、ドネペジルHC1、及び重炭酸ナトリウムを含む又はそれらから本質的になる薬物マトリクス層;クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及びグリセリンの薬物マトリクス溶媒組成物混合物;ならびに架橋ポリビニルピロリドンの高分子接着性マトリクス及びアクリレート/酢酸ビニルのコポリマーを含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基、約10~25%(w/w)ドネペジルHC1及び約1~5%(w/w)重炭酸ナトリウム;約5~15%(w/w)クエン酸トリエチル;約0.5~5%(w/w)ソルビタンモノラウレート;約5~15%(w/w)グリセリン;約5~25%(w/w)架橋ポリビニルピロリドン;及び約30~50%(w/w)アクリレート-酢酸ビニルコポリマーを含む又はそれらから本質的になる。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、ドネペジル遊離塩基、約14~18%(w/w)ドネペジルHC1及び約2~5%(w/w)重炭酸ナトリウム;約8~12%(w/w)クエン酸トリエチル;約1.5~2.5%(w/w)ソルビタンモノラウレート;約10~12%(w/w)グリセリン;約13~17%(w/w)架橋ポリビニルピロリドン;及び約38~40%(w/w)アクリレート-酢酸ビニルコポリマーから本質的になる薬物マトリクス層を含む組成物を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、約39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、約11.5%(w/w)の量のグリセリン、約3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、約1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、約11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、約2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、それにおいて、重炭酸ナトリウム粒子は、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有し、ならびに約14.4%(w/w)の量のクロスポビドン、それにおいて、薬物マトリクス層は、分離層の底面と接触する、を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、約39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、約11.5%(w/w)の量のグリセリン、約3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、約1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、約11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、約2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、それにおいて、重炭酸ナトリウム粒子は、20μm~100μmのD90粒子サイズを有し、ならびに約14.4%(w/w)の量のクロスポビドン、それにおいて、薬物マトリクス層は、分離層の底面と接触する、を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、11.5%(w/w)の量のグリセリン、3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、それにおいて、重炭酸ナトリウム粒子は、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有し、ならびに14.4%(w/w)の量のクロスポビドン、それにおいて、薬物マトリクス層は、分離層の底面と接触する、を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、11.5%(w/w)の量のグリセリン、3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、それにおいて、重炭酸ナトリウム粒子は、20μm~100μmのD90粒子サイズを有し、ならびに14.4%(w/w)の量のクロスポビドン、それにおいて、薬物マトリクス層は、分離層の底面と接触する、を含む。提供される重量パーセンテージは、薬物マトリクス層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、任意の治療薬剤を、本発明の経皮送達システムにおいて使用することができる。一部の実施形態では、本発明は、以下を含む経皮送達システムを提供する:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにし、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理される、分離層;
(3)治療薬剤を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が、分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにする、接触接着層。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載される任意の成分を有する分離層を含み得る。一部の実施形態では、分離層は、閉塞性材料又は通気性材料の少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、分離層は閉塞性材料を含む。一部の実施形態では、分離層は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート/エチレン酢酸ビニルラミネートから選択される一つ又は複数のポリマーを含む。一部の実施形態では、分離層はポリエステルポリマーを含む。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載されるように、任意の成分を有する上面を含み得る。一部の実施形態では、分離層の上面は、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載されるように、任意の処理を有する高エネルギー表面処理を含み得る。一部の実施形態では、高エネルギー表面処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態では、高エネルギー表面処理はコロナ放電処理である。一部の実施形態では、分離層の上面は、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載される成分の任意の組み合わせを有する薬物マトリクス層を含み得る。治療薬剤は、任意の適切な治療薬剤を含み得る。例えば、治療薬剤は、ドネペジル塩酸塩、ドネペジル遊離塩基、メマンチン、又はそれらの組み合わせを含み得る。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、(i)アクリレートコポリマー、及び(ii)グリセリンならびに乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの一つ又は複数を含む薬物マトリクス溶媒組成物をさらに含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルをさらに含む。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、パルミチン酸アスコルビルをさらに含む。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載される成分の任意の組み合わせを有する微多孔膜層を含み得る。一部の実施形態では、微多孔膜はポリプロピレンを含む。一部の実施形態では、微多孔膜は複数の細孔を含む。一部の実施形態では、微多孔膜中の複数の細孔は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルの一つ又は複数で構成される溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、微多孔膜はポリプロピレンを含み、微多孔膜中の複数の細孔は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載される成分の任意の組み合わせを有する接触接着層を含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、アクリレート及び酢酸ビニルのコポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、又は乳酸ラウリルの一つ又は複数の溶媒をさらに含む。
治療薬剤を有する経皮送達システムは、内部に記載される成分の任意の組み合わせを有する剥離層を含み得る。一部の実施形態では、経皮送達システムはまた、接触接着層の底面と接触する剥離層を含む。一部の実施形態では、剥離層は、シリコーン被覆材料、フルオロカーボン被覆材料、又はフルオロシリコーン被覆材料を含む。一部の実施形態では、剥離層はシリコーン被覆材料を含む。
本発明はまた、1.0~0.1の重炭酸ナトリウムとドネペジルHClとのモル比率を有する薬物マトリクス層を提供する。一部の実施形態では、本発明は、ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層を提供し、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClに対して0.8~0.5のモル比率において存在する。一部の実施形態では、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClに対して0.7~0.5のモル比率において存在する。
薬物マトリクス層は、内部に記載されるように、任意の追加の成分を含み得る。一部の実施形態では、薬物マトリクス層は、アクリレートポリマー、グリセリン、パルミチン酸アスコルビル、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの少なくとも一つをさらに含む。
内部に記載される経皮送達システムは、ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層を含むことができ、重炭酸ナトリウムは、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する。
本発明はまた、1.0~0.1の重炭酸ナトリウムとドネペジルHClのモル比率を有する薬物マトリクス層を調製する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、以下を含む薬物マトリクス層を調製する方法を提供する:
ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む第一の混合物を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること;
第一の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること;及び
コーティングされた混合物を乾燥させ、それにより薬物マトリクス層を調製すること。
一部の実施形態では、薬物マトリクス層を調製する方法はまた、以下を含む:
パルミチン酸アスコルビルを含む第二の混合物を形成すること;
第二の混合物及びポリビニルピロリドンを含む第三の混合物を形成すること;
第三の混合物及びドネペジルHClを含む第四の混合物を形成すること;
第四の混合物及びソルビタンモノラウレートを含む第五の混合物を形成すること;
第五の混合物、重炭酸ナトリウム、及びグリセリンを含む第一の混合物を形成すること;ならびに
第一の混合物及びアクリレートポリマーを含む第六の混合物を形成して、それにより薬物マトリクス層を調製すること。
薬物マトリクス層はまた、内部に記載される成分の任意の組み合わせを含む。一部の実施形態では、第二の混合物は、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルをさらに含む。
膜層(中間層)
膜層は、また、布層、中間層、又は密着層として言及され、限定されないが、ポリエステル、酢酸ビニルポリマー及びコポリマー、ポリエチレン、ならびにそれらの組み合わせを含む、任意の適切な材料で形成され得る。一部の実施形態では、膜層は、ポリエステル繊維の不織布層、例えば、名称、Reemay(登録商標)(Kavon Filter Products Co.)の下で販売されているフィルムなどである。一部の実施形態では、膜層は、接着層からの活性薬剤の放出の速度に影響を及ぼさない。
一部の実施形態では、膜層は微多孔膜を含む。例えば、微多孔膜は、微多孔ポリプロピレン又はポリエチレンであり得る。微多孔膜は、経皮送達システムからの薬物放出の速度を制御するのに役立ち得る。いくつかの異なる微多孔膜が市販されており、例えば、名称、Celgard(登録商標)、例えば、Celgard(登録商標)2400(Polypore International、LP)などの下で販売されているものなどである。
微多孔膜を形成する際に有用な他の材料は、限定されないが、ポリカーボネート、即ち、ジヒドロキシ芳香族、例えばビスフェノールなどのホスゲン化による、カーボネート基がポリマー鎖中に繰り返す炭酸の線状ポリエステル;ポリ塩化ビニル;ポリアミド、例えばポリヘキサメチレンアジパミド及びナイロンとして広く公知の他のポリアミドなど;モダクリルコポリマー、例えばスチレン-アクリル酸コポリマーなど;ポリスルホン、例えば直鎖中のジフェニレンスルホン基により特徴付けられる種類のものが有用である;ハロゲン化ポリマー、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びポリフルオロハロカーボンなど;ポリクロロエーテル及び他のそのような熱可塑性ポリエーテル;アセタールポリマー、例えばポリホルムアルデヒドなど;アクリル樹脂、例えばポリアクリロニトリルポリメチルポリ(ビニルアルコール)、ポリスチレンの誘導体など、例えばポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)及びポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレートポリ(イソブチルビニルエーテル)など)を含み;前述のポリマーのリストからの、様々な割合の単量体を反応させることにより形成することができる多数のコポリマーが、また、本発明において有用な速度制御構造を調製するために有用である。一部の実施形態では、微多孔膜はポリプロピレンを含む。
任意の特定の理論により拘束されることなく、微多孔高分子材料、例えば微多孔ポリプロピレンなどを通した活性薬剤の拡散は困難であり得る。ポリマーは、細孔チャネルを除いて、活性薬剤に対して不透過性であり、その次でも、活性薬剤は、それが気化した状態でない限り、細孔を通って拡散することはできない。このように、微多孔膜が、経皮送達システムの製作において購入される際に使用される場合、過剰な時間が、薬物マトリクス層からの送達溶媒(即ち、薬物マトリクス溶媒組成物)が細孔中に分配され、次に活性薬剤が細孔内の送達溶媒中に分配されるまでに要求され得る。結果的な効果は、活性薬剤が、その意図される標的に達するのに長い時間がかかり得ることである。
微多孔膜を通じた活性薬剤の放出速度は、微多孔膜が適切な送達溶媒又は膜溶媒組成物で前処理された場合に、大きく改善され得る。本明細書中で使用される前処理は、微多孔膜が、経皮システム中への微多孔膜の組み入れ前に、微多孔膜内の細孔を充填するために、膜溶媒組成物に露出させることを意図する。微多孔膜の細孔は、微多孔膜が経皮システム中に組み入れられる前及びその時点で、膜溶媒組成物で充填される又はそれを含む。微多孔膜を通した活性薬剤の放出速度は、いくつかの変数、例えば膜溶媒組成物中の活性薬剤の拡散性及び溶解性ならびに微多孔材料の厚さ及び多孔度などに依存する。微多孔膜の細孔を通じた活性薬剤の流れについては、濃度勾配、膜の厚さ、活性薬剤の粘度、細孔サイズに対する活性薬剤分子のサイズ、細孔サイズの絶対値、及び材料中の細孔の数又は空隙率(多孔度)が、膜中への及び膜を通じた薬剤の溶解性及び拡散性を支配する寄与因子である。
一部の実施形態では、微多孔膜は複数の細孔を含む。一部の実施形態では、微多孔膜は、限定されないが、約30%~約50%、約35%~約45%、又は約40%~約42%の範囲中の空隙率を有し得る。例えば、微多孔膜は、限定されないが、約30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、又は50%の空隙率を有し得る。
一部の実施形態では、微多孔膜は、限定されないが、約0.001μm~約100μm、約1μm~約10μm、約0.010μm~約0.100μm、又は約0.040μm~約0.050μmの範囲中の平均細孔径を有し得る。例えば、平均細孔径は、限定されないが、約0.035μm、0.036μm、0.037μm、0.038μm、0.039μm、0.040μm、0.041μm、0.042μm、0.043μm、0.044μm、0.045μm、0.046μm、0.047μm、0.048μm、0.049μm、又は0.050μmであり得る。一部の実施形態では、微多孔膜は、約0.043μmの平均細孔径を有する。
微多孔膜は、薬物マトリクス層中に存在する薬物マトリクス溶媒組成物と同じ又は異なる膜溶媒組成物で前処理され得る。一部の実施形態では、微多孔膜は、溶媒、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、安定化剤、可塑剤、及び/又はそれらの組み合わせを含む膜溶媒組成物で前処理される。一部の実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤である。一部の実施形態では、微多孔膜は、クエン酸エステルで前処理される。一部の実施形態では、クエン酸エステルはクエン酸トリエチルである。一部の実施形態では、微多孔膜は、乳酸ラウリルで前処理される。一部の実施形態では、微多孔膜は、ソルビタンモノエステルで前処理される。一部の実施形態では、ソルビタンモノエステルは、ソルビタンモノラウレート(ソルビタンラウレート)である。一部の実施形態では、膜層は、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及びソルビタンモノラウレートを含む膜溶媒組成物で前処理される。一部の実施形態では、微多孔膜は、オクチルドデカノールで前処理される。
一部の実施形態では、微多孔膜は、微多孔膜との流体連絡における薬物マトリクス層中の薬物マトリクス溶媒組成物とは異なる膜溶媒組成物で充填される又はそれを含む複数の細孔を有する。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、活性薬剤の塩形態が可溶性である溶媒を含まない(即ち、除外する)。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、活性薬剤の塩形態が可溶性である親水性溶媒を含まない(即ち、除外する)。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、溶媒ポリオール、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン(グリコール)、アセトニトリル、1-プロパノール、Ν,Ν-ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドなどを含むポリオールを含まない(即ち、除外する)。
任意の特定の理論により拘束されることなく、膜溶媒組成物は、活性薬剤の塩基形態を、その中に溶解又は懸濁させ、微多孔膜中に及びそれを通じて拡散的に移動させることを可能にする。
膜溶媒組成物のために選択される材料は、非毒性であってもよく、速度制御微多孔性材料が、要求される溶解性を有するものであってもよい。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、微多孔膜が製造される材料用の溶媒ではない。すなわち、微多孔膜は、膜溶媒組成物中で化学的に安定である。微多孔膜の細孔又は微細孔を含浸、充填、又は飽和するために有用である材料は、極性、半極性、又は非極性であり得る。上に列挙されるものに加えて膜溶媒組成物中での使用のための材料は、限定されないが、6~25の炭素原子を含む、医薬的に許容可能なアルコール、例えばヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1,2-ブタンジオール、グリセリン、及びアミルアルコール、ならびにオクチルドデカノールなど;5~12の炭素原子を有する炭化水素、例えばn-ヘキサン、シクロヘキサン、及びエチルベンゼンなど;4~10の炭素原子を有するアルデヒド及びケトン、例えばヘプチルアルデヒド、シクロヘキサノン、及びベンズアルデヒドなど;4~10の炭素原子を有するエステル、例えば酢酸アミル及びプロピオン酸ベンジルなど;エーテルオイル、例えばユーカリの油、ルーの油、クミン油、リモネン、タイム、及び1-ピネンなど;2~8の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素、例えばn-ヘキシルクロリド、n-ヘキシルブロミド、及びシクロヘキシルクロリドなど;又は前述の材料のいずれかの混合物を含む。
一部の実施形態では、微多孔膜中の複数の細孔は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルの一つ又は複数で構成される膜溶媒組成物を含む。
一部の実施形態では、微多孔膜はクエン酸トリエチルを含む。クエン酸トリエチルは、任意の適切な量で存在し得る。例えば、膜層は、限定されないが、約50~99%(w/w)、又は約55~95%、又は約55~90%、又は約55~85%、又は約55~80%、又は約60~75%、又は約61~74%、又は約62~73%、又は約63~72%、又は約64~71%、又は約65~70%、又は約66~69%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。膜層はまた、限定されないが、約50%(w/w)、又は約55、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、80、85、90、又は約95%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含み得る。一部の実施形態では、膜層は、約67%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、膜層は、約66.7%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、膜層は、66.7%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。提供される重量パーセンテージは、膜溶媒組成物の総重量に対するクエン酸トリエチルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、微多孔膜は乳酸ラウリルを含む。乳酸ラウリルは、任意の適切な量で存在し得る。例えば、膜層は、限定されないが、約1~50%(w/w)、又は約1~40%、又は約5~35%、又は約10~30%、又は約15~25%、又は約16~24%、又は約17~23%、又は約18~22%、又は約19~21%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含み得る。膜層はまた、限定されないが、約5%(w/w)、又は約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、又は約50%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含み得る。一部の実施形態では、膜層は、約20%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、膜層は、約20.0%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、膜層は、20.0%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。提供される重量パーセンテージは、膜溶媒組成物の総重量に対する乳酸ラウリルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、微多孔膜はソルビタンモノラウレートを含む。ソルビタンモノラウレートは、任意の適切な量で存在し得る。例えば、膜層は、限定されないが、約1~50%(w/w)、又は約1~45%、又は約1~40%、又は約1~35%、又は約1~30%、又は約5~25%、又は約10~20%、又は約10~15%、又は約12~15%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。膜層はまた、限定されないが、約5%(w/w)、又は約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、又は約50%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。一部の実施形態では、膜層は、約13%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、膜層は、約13.3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、膜層は、13.3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。提供される重量パーセンテージは、膜溶媒組成物の総重量に対するソルビタンモノラウレートの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、微多孔膜はポリプロピレンを含み、微多孔膜中の複数の細孔は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む。
一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、約60%(w/w)~約75%(w/w)のクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、限定されないが、約55%(w/w)~約80%(w/w)、約60%(w/w)~約70%(w/w)、約65%(w/w)~約75%(w/w)、又は約65%(w/w)~約70%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、約10%(w/w)~約17%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、限定されないが、約8%(w/w)~約25%(w/w)、約10%(w/w)~約25%(w/w)、約8%(w/w)~約17%(w/w)、約12%(w/w)~約20%(w/w)、約10%(w/w)~約15%(w/w)、又は約12%(w/w)~約14%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、約15%(w/w)~約25%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、限定されないが、約10%(w/w)~約30%(w/w)、約15%(w/w)~約30%(w/w)、約15%(w/w)~約20%(w/w)、約10%(w/w)~約25%(w/w)、約10%(w/w)~約20%(w/w)、約17%(w/w)~約23%(w/w)、約18%(w/w)~約22%(w/w)、又は約19%(w/w)~約21%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、上に列挙される範囲のいずれかにおいて、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及びソルビタンモノラウレートの組み合わせで製剤化され得る。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、約66.7%(w/w)の量でクエン酸トリエチル、約20.0%(w/w)の量で乳酸ラウリル、及び約13.3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、66.7%(w/w)の量でクエン酸トリエチル、20.0%(w/w)の量で乳酸ラウリル、及び13.3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。提供される重量パーセンテージは、膜溶媒組成物の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
微多孔膜の厚さは、材料の種類及び微多孔膜の所望の特徴(例、空隙率、微多孔サイズ、膜を通じた活性薬剤の時間拡散)に依存して変動し得る。一部の実施形態では、微多孔膜は、約5~約200μmの厚さを有する。一部の実施形態では、微多孔膜は、限定されないが、約10~約150μm、約10~約125μm、約10~約100μm、約10~約75μm、約10~約50μm、約5~約45μm、約5~約30μm、約10~約30μm、約15~約30μm、又は約20~約30μmの厚さを有する。一部の実施形態では、微多孔膜は、限定されないが、約22~約28μmの厚さを有する。一部の実施形態では、微多孔膜は、約24~約26μmの厚さを有する。一部の実施形態では、微多孔膜は、約25μmの厚さを有する。
微多孔膜は、様々な方法で前処理され得る。一般的に、前処理することは、微多孔膜を、膜溶媒組成物と十分な様式において、十分な時間にわたり接触させることを含む。一部の実施形態では、微多孔膜の前処理は、微多孔膜を膜溶媒組成物と接触させること、微多孔膜を膜溶媒組成物で飽和させること、及び任意の過剰な膜溶媒組成物を飽和微多孔膜から除去することを含む。一部の実施形態では、微多孔膜を膜溶媒組成物中に浸漬させる。一部の実施形態では、微多孔膜を、膜溶媒組成物の浴槽中に浸漬させる。一部の実施形態では、膜溶媒組成物を、微多孔膜が飽和するまで微多孔膜上に広げて、次に過剰な膜溶媒組成物を除去する。
膜溶媒組成物を用いた微多孔膜の前処理は、程度において変動し得る。一部の実施形態では、微多孔膜の細孔の一部分は、その中に膜溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、細孔の約三分の一、約二分の一、約三分の二、又は約四分の三は、膜溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、細孔の全てが、膜溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、膜溶媒組成物を含む細孔の部分は、部分的にのみ充填される。一部の実施形態では、膜溶媒組成物は、占有細孔内の空間の約四分の一、約三分の一、約半分、約三分の二、又は約四分の三を占める。一部の実施形態では、微多孔膜の細孔の全てが、膜溶媒組成物で完全に充填され、微多孔膜は、このように、膜溶媒組成物で飽和される。
接触接着層
本発明の経皮送達システムは、接触接着層を含む。接触接着層は、様々な成分、例えばポリマー又はコポリマーなどを含み得る。
一部の実施形態では、接触接着層は、ポリイソブチレン(PIB)、シリコーンポリマー、アクリレートコポリマー、ブチルゴム、ポリブチレン、スチレン-イオスプレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、それらの混合物及びコポリマーの一つ又は複数から選択される一つ又は複数の生体適合性ポリマーを含む。一部の実施形態では、生体適合性ポリマーはポリイソブチレンである。
本明細書中に記載される及び上記の接触接着層は、経皮送達システムにおける使用について企図され、システムは、追加的に接着成分を含む。接触接着層は、限定されないが、接着性ポリマーもしくはコポリマーの約50~90%(w/w)、又は約55~90%(w/w)の間、又は約60~90%(w/w)の間、約65~90%(w/w)の間、約70~90%(w/w)の間、約75~90%(w/w)の間、又は約80~90%(w/w)の間の量で接着成分を含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、アクリレート/酢酸ビニルのコポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、ポリビニルピロリドン、例えば架橋ポリビニルピロリドンなどを含む。
接触接着層の接着ポリマー成分は、任意の適切な接着材料、例えば感圧接着ポリマーなどであり得る。ポリアクリレート感圧接着ポリマーは一例であり、典型的には、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーであるポリアクリレートを含む。他の単量体、例えばアクリル酸及び酢酸ビニルなどが存在してもよい。一部の実施形態では、アクリルポリマーは、アクリルエステル、例えば2-エチルヘキシルアクリレート(2-EHA)及びエチルアクリレートなどに基づく。一部の実施形態では、ポリアクリレートポリマーは、アクリル酸及び酢酸ビニルから選択される単量体又は単量体のポリマー又はコポリマーである。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ペンダントカルボキシル(-COOH)又はヒドロキシル(-OH)官能基を有する。一部の実施形態では、アクリルポリマー接着剤は、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、それらの誘導体、及びそれらのコポリマーの少なくとも一つを含む。一部の実施形態では、アクリル接着剤は、アクリルエステル単量体、アクリル酸、及び/又は酢酸ビニル単量体を含むアクリレートコポリマーで構成される。アクリル酸及び酢酸ビニルのコポリマーは、一例である。アクリレートコポリマーは、商品名DURO-TAK(登録商標)の下で販売されており、限定されないが、DURO-TAK 87-2287、387-2516、387-2051、及び387-2074を含む。一部の実施形態では、アクリレートポリマーはDURO-TAK 82-2287を含む。
一部の実施形態では、接触接着層は、接触接着層の重量に対して少なくとも約25~80%(w/w)の接着ポリマーを含む(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、接触接着層は、接着ポリマー又はコポリマーあるいはポリマー及び/又はコポリマーの混合物を、限定されないが、約35~80%、30~75%、約40~75%、約50~75%、約60~75%、約25~70%、約30~70%、約40~70%、約50~70%、約60~70%、約25~60%、約30~60%、約40~60%、約50~60%、約25~50%、約30~50%、約40~50%、約25~40%、約30~40%、又は約25~30%(w/w)の量で含む。接触接着層は、一つ又は複数の接着ポリマー又はコポリマーを含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、接触接着層中のポリマーの総重量に対して約5~75%の個々のポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、限定されないが、約5~10%、5~15%、5~20%、5~25%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~75%、10~15%、10~20%、10~20%、10~25%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~75%、15~20%、15~25%、15~30%、15~40%、15~50%、15~60%、15~70%、15~75%、20~25%、20~30%、20~40%、20~50%、20~60%、20~70%、20~75%、25~30%、25~40%、25~50%、25~60%、25~70%、25~75%、30~40%、30~50%、30~60%、30~70%、30~75%、40~50%、40~60%、40~70%、40~75%、50~60%、50~70%、50~75%、60~70%、60~75%、又は70~75%(w/w)の量で個々のポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、50~75%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、60~70%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、63~65%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約64%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約64.6%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、64.6%(w/w)の量でアクリレートポリマーを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するアクリレートポリマーの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層は、アクリル酸及び酢酸ビニルのコポリマーを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約64.6%(w/w)の量でDuro-Tak87-2287を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、64.6%(w/w)の量でDuro-Tak87-2287を含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するDuro-Tak87-2287の重量パーセンテージを表すことができる。
接触接着層はまた、一つ又は複数の溶媒を含み得る。接触接着層はまた、接触接着溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、接触接着溶媒組成物は、一つ、二つ、三つ、又は四つの溶媒を含む。一部の実施形態では、接触接着溶媒組成物はクエン酸トリエチルを含み、他の実施形態では、乳酸ラウリル及びソルビタンモノラウレートの一方又は両方が追加的に存在する。一部の実施形態では、接触接着溶媒組成物は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルで構成される、それらから本質的になる、又はそれらからなる。
一部の実施形態では、接触接着層は、ラウリン酸メチル、プロピレングリコールモノラウレート、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノオレエート、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、及び酢酸ドデシルの一つ又は複数を含み得る。追加の接触接着溶媒組成物は、米国特許第8,874,879号において記載されており、それは参照により本明細書中に組み入れられる。
一部の実施形態では、接触接着層は、接触接着層の重量に対して約5~50%(w/w)の量の接触接着溶媒組成物を含む(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、接触接着層は、接触接着溶媒組成物を、限定されないが、約5~45%、5~40%、5~35%、5~30%、5~25%、10~20、11~19、12~18、13~17、又は14~16%(w/w)の量で含む。あるいは、接触接着層は、接触接着溶媒組成物を、限定されないが、約10%(w/w)、又は約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは約25%(w/w)の量で含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約15%(w/w)の量で接触接着溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約15.6%(w/w)の量で接触接着溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、15.6%(w/w)の量で接触接着溶媒組成物を含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対する接触接着溶媒組成物の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層の接触接着溶媒組成物は、クエン酸トリエチルを含む。クエン酸トリエチルは、接触接着層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、接触接着層の接触接着溶媒組成物は、限定されないが、約1~20%(w/w)、又は約2~19%、又は約3~18%、又は約4~17%、又は約5~16%、又は約5~15%、又は約6~15%、又は約7~15%、又は約8~14%、又は約9~13%、又は約9~11%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含み得る。あるいは、接触接着層は、限定されないが、約5%(w/w)、又は約6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは約15%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約10%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約10.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、10.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチルを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するクエン酸トリエチルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層の接触接着溶媒組成物は、乳酸ラウリルを含む。乳酸ラウリルは、接触接着層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、接触接着層の接触接着溶媒組成物は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.5~10%、又は約1~10%、又は約1~5%、又は約2~4%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含み得る。あるいは、接触接着層は、限定されないが、約1%(w/w)、又は約1.5、2.0、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、もしくは約5.0%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約3%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約3.1%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、3.1%(w/w)の量で乳酸ラウリルを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対する乳酸ラウリルの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層の接触接着溶媒組成物は、ソルビタンモノラウレートを含む。ソルビタンモノラウレートは、接触接着層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、接触接着層は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.1~5%、又は約0.5~5%、又は約1~5%、又は約1~3%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。あるいは、接触接着層は、限定されないが、約1%(w/w)、又は約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、もしくは約2.5%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、約2%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約2.0%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、2.0%(w/w)の量でソルビタンモノラウレートを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するソルビタンモノラウレートの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、又は乳酸ラウリルの一つ又は複数の溶媒をさらに含む。
一部の実施形態では、接触接着層は、ドネペジルHCl又はドネペジル遊離塩基を含まない接着製剤から製造される。任意の特定の理論により拘束されないが、接触接着層はドネペジルHCl又はドネペジル遊離塩基で製造されない一方で、ドネペジル遊離塩基は、経皮送達システムの調製後、及び対象への経皮送達システムの投与前に、薬物マトリクス層から接触接着層中に移動することができる。
一部の実施形態では、接触接着層は、ドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、対象への経皮送達システムの投与の前にドネペジル遊離塩基を含む。ドネペジル遊離塩基は、接触接着層中に任意の適切な量で存在し得る。例えば、接触接着層は、限定されないが、約0.1~10%(w/w)、又は約0.1~5%、又は約0.5~5%、又は約1~5%、又は約1~6%、又は約2~5%、又は約3~5%、又は約4~5%、又は約1~4%、又は約1~3%、又は約1~2%、又は約2~4%、又は約2~3%、又は約3~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含み得る。あるいは、接触接着層は、限定されないが、約1%(w/w)、又は約1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、もしくは約2.5%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、少なくとも0.1%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、少なくとも1%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約2%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約2%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約2.0%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、1~5%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、2~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、2~3%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、2.0%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む。任意の特定の理論により拘束されないが、接触接着層中に存在するドネペジル遊離塩基は、対象の皮膚への本発明の経皮送達システムの適用後に、対象に投与される。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するドネペジル遊離塩基の重量パーセンテージを表すことができる。
接触接着層はまた、接触接着溶媒組成物を含み得る。一部の実施形態では、接触接着層は、クエン酸エステル、界面活性剤、及び/又はα-ヒドロキシ酸の一つ又は複数の接触接着溶媒を含む。一部の実施形態では、接触接着層は、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び/又は乳酸ラウリルの一つ又は複数の接触接着溶媒組成物を含む。一部の実施形態では、製造される接触接着層は、全身送達について意図される医薬的に活性な薬剤を含まず、例えば、接触接着層を形成するために組み合わせられた成分及び/又は接触接着溶媒組成物は、薬物の塩基形態又は塩形態、例えばドネペジル遊離塩基又はドネペジル塩などを含まない。使用中、接触接着層が対象の皮膚に適用された後、薬物マトリクス層中にある活性薬剤の塩基形態は、薬物マトリクス層中の薬物マトリクス溶媒組成物中に分配され、次に、微多孔膜中の膜層溶媒組成物中に分配及び移動し、次に、対象の皮膚への送達のために、接触接着溶媒組成物中に分配及び移動する。
一部の実施形態では、接触接着層は、場合により、高度分散シリカ、例えば、疎水性薬物及び他の疎水性成分を効果的に吸着することができる疎水性コロイドシリカを含む。疎水性コロイドシリカを賦形剤として特定のパーセンテージ(製剤中、約3%~約20%、好ましくは約5%~約10%)で使用することにより、マトリクスを通した活性成分の拡散を保存中に制御することができる。組成物中での使用のための分散シリカの例は、限定されないが、名称AEROSILの下で販売されている医薬品中での使用のための高純度非晶質無水コロイド二酸化ケイ素、例えば、AEROSIL(登録商標)90、AEROSIL(登録商標)130、AEROSIL(登録商標)150、AEROSIL(登録商標)200、AEROSIL(登録商標)300、AEROSIL(登録商標)380、AEROSIL(登録商標)OX50、AEROSIL(登録商標)TT600、AEROSIL(登録商標)MOX80、AEROSIL(登録商標)COK84、AEROSIL(登録商標)R202、AEROSIL(登録商標)R805、AEROSIL(登録商標)R812、AEROSIL(登録商標)812S、AEROSIL(登録商標)R972、及び/又はAEROSIL(登録商標)R974、又は任意の他の高度分散シリカを含み、特に、AEROSIL(登録商標)200及び/又はAEROSIL(登録商標)R972を高度分散シリカとして使用することができる。
一部の実施形態では、接触接着層が、接着層全体の重量に対して少なくとも約40重量%の高度分散シリカを含み、接着層の重量に対して少なくとも約1重量%を含み、少なくとも約3%、例えば、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、又はそれより大きい重量%を含み、全ての値が、接着層全体の重量に対する。
接触接着層は、一つ又は複数のマトリクス修飾剤をさらに含み得る。理論により束縛されることを望まないが、マトリクス修飾剤は、接着マトリクスの均質化を促進すると考えられる。親水性部分の収着は、このプロセスについての可能な機構である。このように、ある程度の吸水剤である周知のマトリクス修飾剤が使用され得る。例えば、可能性なマトリクス修飾剤は、コロイド状二酸化シリコーン、ヒュームドシリカ、架橋ポリビニルピロリドン(PVP)、可溶性PVP、セルロース誘導体(例、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC))、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、又は粘土、例えばカオリンもしくはベントナイトなどを含む。例示的な市販のヒュームドシリカ製品は、Cab-O-Sil(Cabot Corporation、マサチューセッツ州ボストン)である。米国公開特許出願第2003/0170308号において記載される親水性混合物も用いられ得るが、例えば、PVP及びPEGの、又はPVP、PEGの混合物、ならびに水膨潤性ポリマー、例えばEUDRAGIT(登録商標)L100-55などである。一部の実施形態では、マトリクス修飾剤は、接着マトリクスの重量に対して約1~25%、約2~25%、約5~25%、約5~7%、約7~20%、又は約7~25%の間の量で個々に含まれる(部分範囲を含む)。一部の実施形態では、マトリクス修飾剤はエチルセルロースを含まない。
接触接着層はまた、コポリマー、例えばポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリレート/酢酸ビニルコポリマー、又は酢酸ビニル/酢酸エチレンコポリマーなどを含み得る。一部の実施形態では、コポリマーは、酢酸ビニル/N-ビニルピロリドンコポリマー、例えばPlasdone(商標)S630(Ashland)として販売されているコポリマーなどである。一部の実施形態では、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、n-ビニル-2-ピロリドン及び酢酸ビニルの直鎖状ランダムコポリマーである。一部の実施形態では、コポリマーは、n-ビニル-2-ピロリドン及び酢酸ビニルの60:40コポリマーである。
接触接着層はまた、ポリビニルピロリドン(PVP)を含み得る。PVPは、N-ビニルピロリドン単量体で構成される水溶性ポリマーであり、架橋及び非架橋を含む様々な形態で入手可能である。本明細書中の作業実施例の一部では、架橋PVPが、接触接着層中に含まれる。一部の実施形態では、架橋PVPはクロスポビドンである。一部の実施形態では、接触接着層はクロスポビドンをさらに含む。
クロスポビドンは、任意の適切な量で接触接着層中に存在し得る。例えば、クロスポビドンは、限定されないが、1~50%(w/w)、又は5~25%、又は10~20%、又は11~19%、又は12~18%、又は13~17%、又は14~16%(w/w)の量で接触接着層中に存在する。あるいは、接触接着層は、限定されないが、約19.0%(w/w)、又は約19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、20.0、20.1、20.2、20.3、20.4、20.5、20.6、20.7、20.8、20.9、もしくは21.0%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約20%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、約19.9%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、19.9%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対するクロスポビドンの重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、接触接着層は、約64.6%(w/w)の量でアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、10.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチル、約3.1%(w/w)の量で乳酸ラウリル、約2.0%(w/w)の量でソルビタンモノラウレート、及び約19.9%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。一部の実施形態では、接触接着層は、64.6%(w/w)の量でアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、10.5%(w/w)の量でクエン酸トリエチル、3.1%(w/w)の量で乳酸ラウリル、2.0%(w/w)の量でソルビタンモノラウレート、及び19.9%(w/w)の量でクロスポビドンを含む。提供される重量パーセンテージは、接触接着層の総重量に対する各成分の重量パーセンテージを表すことができる。
一部の実施形態では、本発明は経皮送達システムを提供し、以下を含む:
(1)バッキング層;
(2)上面及び底面を有する分離層であって、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
v(3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにし、ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)上面及び底面を有する接触接着層であって、上面が膜層の底面と接触するようにし、接触接着層が、接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層。
剥離ライナー
本発明の経皮送達システムはまた、剥離ライナーを含み得る。剥離ライナーは、経皮送達システムの任意の他の層に付着される。一部の実施形態では、経皮送達システムは、適用前に接触接着層を保護するために、少なくとも接触接着層と、少なくとも部分的に接触する剥離ライナーを含む。一部の実施形態では、経皮送達システムはまた、接触接着層の底面と接触する剥離層を含む。
剥離ライナーは、典型的には、治療部位へのデバイスの適用前に除去される使い捨て層である。一部の実施形態では、剥離ライナーは、好ましくは、活性薬剤を含む接触接着層の成分を吸収しない。一部の実施形態では、剥離ライナーは、接触接着層の成分(活性薬剤を含む)に対して不透過性であり、剥離ライナーを通じた接触接着層の成分の剥離を防止する。一部の実施形態では、剥離ライナーは、フィルム、不織布、織布、ラミネート、及びそれらの組み合わせの一つ又は複数で形成される。一部の実施形態では、剥離ライナーは、シリコーン被覆ポリマーフィルム又はペーパーである。一部の非限定的な実施形態では、剥離ライナーは、シリコーン被覆ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、フルオロカーボンフィルム、又はフルオロカーボン被覆PETフィルムである。
一部の実施形態では、剥離層は、シリコーン被覆材料、フルオロカーボン被覆材料、又はフルオロシリコーン被覆材料を含む。一部の実施形態では、剥離層はシリコーン被覆材料を含む。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、重炭酸ナトリウム、クロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む複数の細孔と、を含む微多孔膜を含む膜層であって、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)接触接着層の総重量の2~4%(w/w)の量でアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、クロスポビドン、及びドネペジル遊離塩基を含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層であって、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、重炭酸ナトリウム、クロスポビドン、及びパルミチン酸アスコルビルを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する、薬物マトリクス層;
(4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む複数の細孔と、を含む微多孔膜を含む膜層であって、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)接触接着層の総重量の2~4%(w/w)の量でアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、クロスポビドン、及びドネペジル遊離塩基を含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有し、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、重炭酸ナトリウム、及びクロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む複数の細孔と、を含む微多孔膜を含む膜層であって、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、及びクロスポビドンを含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する重炭酸ナトリウム粒子、及びクロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む複数の細孔と、を含む微多孔膜を含む膜層であって、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、及びクロスポビドンを含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有し、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する重炭酸ナトリウム粒子、及びクロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む複数の細孔と、を含む微多孔膜を含む膜層であって、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、及びクロスポビドンを含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有し、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、約39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、約11.5%(w/w)の量のグリセリン、約3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、約1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、約11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、約2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム粒子が、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する、及び約14.4%(w/w)の量のクロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレン及び複数の細孔を含む微多孔膜を含む膜層であって、各々が、約66.7%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、約13.3%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、及び約20.0%(w/w)の量の乳酸ラウリルを含み、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)約64.6%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、約10.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、約2.0%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、約3.1%(w/w)の量の乳酸ラウリル、及び約19.9%(w/w)の量のクロスポビドンを含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
一部の実施形態では、経皮送達システムは、以下を含む:
(1)ポリエステルを含むバッキング層であって、バッキング層が、アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層をさらに含む、バッキング層;
(2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む分離層であって、分離層の上面が、高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有し、分離層の上面が、接着性オーバーレイ層と接触する、分離層;
(3)薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の65%~78%(w/w)の量のドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、39.3%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、11.5%(w/w)の量のグリセリン、3.3%(w/w)の量の乳酸ラウリル、1.9%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、11.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、2.5%(w/w)の量の重炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム粒子が、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有し、及び14.4%(w/w)の量のクロスポビドンを含み、薬物マトリクス層が、分離層の底面と接触する;
(4)ポリプロピレン及び複数の細孔を含む微多孔膜を含む膜層であって、各々が、66.7%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、13.3%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、及び20.0%(w/w)の量の乳酸ラウリルを含み、膜層の上面が、薬物マトリクス層の底面と接触する、膜層;
(5)64.6%(w/w)の量のアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、10.5%(w/w)の量のクエン酸トリエチル、2.0%(w/w)の量のソルビタンモノラウレート、3.1%(w/w)の量の乳酸ラウリル、及び19.9%(w/w)の量のクロスポビドンを含む接触接着層であって、接触接着層の上面が、膜層の底面と接触する、接触接着層;ならびに
(6)接触接着層の底面と接触する剥離層。
本発明の経皮送達システムは、図1C中に示されるように、多様な配置を有し得る。図1Cは、バッキング層20及び接着性オーバーレイ層21を有する経皮送達システム10、上面31及び底面32を有する分離層30、それにおいて、上面31は、高エネルギー放電で処理されたエチル酢酸ビニルコーティングを含み、上面41及び底面42を有する薬物マトリクス層40、上面51及び底面52を有する膜層50、上面61及び底面62を有する接触接着層60、ならびに剥離ライナー70を示す。
経皮送達システムの調製
本発明の経皮送達システムは、当業者に公知の任意の適切な手段により調製することができる。
デバイス及び/又は接着マトリクスの厚さ及び/又はサイズは、少なくとも装着性及び/又は必要用量の考慮に基づいて、当業者により決定され得る。デバイスのための投与部位は、投与部位の利用可能なサイズ及び投与部位の使用(例、動きを支持するための柔軟性についての必要性)に起因する、装着性の考慮事項に影響を及ぼすであろうことが認識されるであろう。一部の実施形態では、デバイス及び/又は接着マトリクスは、約25~500μmの厚さを有する。一部の実施形態では、デバイス及び/又は接着マトリクスは、約50~500μmの厚さを有する。一部の実施形態では、パッチは、約16cm~225cmの範囲のサイズを有する。本明細書中に提供される厚さ及びサイズは、単に例示的であり、実際の厚さ及び/又はサイズは、特定の製剤について必要とされるように、より薄く/より小さく又はより厚く/より大きくてもよいことが理解されよう。
経皮送達システムの製作は、当業者によりルーチン的に行われ、接着層の各々を、適切なフィルム、例えば剥離ライナーなどの上に又は経皮送達システムの別の層上にキャスト又は押出し、必要な場合に、乾燥させて溶媒及び/又は揮発性化合物を除去することを含む。経皮送達システムの層は、一緒に積層されて最終システムを形成することができる。
経皮送達システム及び薬物接着マトリクスを調製して、本明細書中に記載される実施形態を例証した。実施例は、例示的な組成物及び送達システムを示す。実施例1中に記載される通り、経皮送達システムは、図1A中に描写されるように、薬物マトリクス層と接触接着層の間に位置する速度制御膜を伴う、薬物マトリクス層と接触接着層を含んだ。固体一体化接着性リザーバーの形態における薬物マトリクス層を、薬物マトリクス溶媒組成物-クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルを伴うアクリレート/酢酸ビニルコポリマー接着剤を使用して調製した。薬物マトリクス溶媒組成物と同じアクリレート/酢酸ビニルコポリマー接着剤と、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルで構成される接触接着層を調製した。流量制御膜によって、薬物マトリクス層からのドネペジル遊離塩基の拡散放出が制御され、薬物マトリクス層と接触接着層が分離された。
経皮送達システムは、任意の適切な手段により調製することができる。一部の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を含み、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iii)薬物マトリクスラミネートの上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層が上面及び底面を含み、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(iv)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(v)バッキング層の底面を、接着性オーバーレイ層が活性ラミネートの上面と接触するように、活性ラミネートの上面上に積層して、それにより本発明の経皮送達システムを形成すること。
この方法は、追加の工程、例えば分離層を高エネルギー表面処理で処理することなど、を含み得る。一部の実施形態では、方法は、分離層を、薬物マトリクス層の上面上に積層する前に、(vi)分離層の上面を、高エネルギー表面処理で処理して、処理された分離層を形成することをさらに含み、処理された分離層は、上面及び底面を含む。
一部の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を含み、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iii)高エネルギー表面処理で分離層の上面を処理して、処理された分離層を形成することであって、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、処理された分離層が、上面及び底面を含む;及び
(iv)処理された分離層を、薬物マトリクスラミネートの上面上に積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、処理された分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(vi)バッキング層の底面を、接着性オーバーレイ層が、処理された活性ラミネートの上面と接触するように、処理された活性ラミネートの上面上に積層して、それにより本発明の経皮送達システムを形成すること。
分離層の上面を、任意の適切な高エネルギー表面処理で処理して、処理された分離層を形成することができる。一部の実施形態では、高エネルギー表面処理は、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。一部の実施形態では、高エネルギー表面処理はコロナ放電処理である。
コロナ放電処理は、コロナ処理電極の電力、ライン速度、及び幅を含む様々なプロセスパラメータを使用して実施され、任意の適切な電力密度を達成することができる。代表的な電力密度は、限定されないが、0.1~10W/ft/分、又は0.5~10、又は0.6~9、又は0.7~8、又は0.8~7、又は0.9~6、又は1~5、又は1.55~4、又は2~3、又は2.1~2.9、又は2.1~2.8、又は2.1~2.7、又は2.1~2.6W/ft/分を含む。他の電力密度は、限定されないが、約1W/ft/分、又は約1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、もしくは約3.0W/ft/分を含む。
コロナ放電処理は、任意の適切な条件下で実施され得る。代表的な条件は、限定されないが、電力及びライン速度を含む。代表的な電力は、限定されないが、0.001kW~1.0kW、又は0.01~1.0、又は0.01~0.9、0.01~0.8、0.01~0.7、0.01~0.6、0.01~0.5、0.02~0.04、0.03~0.3、0.04~0.25、0.05~0.20、0.06~0.15、0.07~0.14、0.08~0.13、0.09~0.12、又は0.1~1.2kWを含む。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、0.01kW~1.0kWの電力を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、0.05kW~0.12kWの電力を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、0.10kW~0.12kWの電力を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、約0.11kWの電力を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、約0.24kWの電力を使用して実施される。
コロナ放電処理のための代表的ライン速度は、限定されないが、1~100フィート/分、又は1~95、1~90、1~85、1~80、1~75、1~70、1~65、1~60、1~55、5~50、5~45、5~40、5~35、5~30、5~25、5~20、6~19、7~18、8~17、9~16、10~15、もしくは11~14フィート/分を含む。他の代表的なライン速度は、限定されないが、10~50フィート/分、又は15~45、又は20~40フィート/分を含む。他の代表的なライン速度は、限定されないが、10フィート/分、又は11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40フィート/分を含む。
一部の実施形態では、コロナ放電処理は、1~100フィート/分のライン速度を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、20~40フィート/分のライン速度を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、約30フィート/分のライン速度を使用して実施される。一部の実施形態では、コロナ放電処理は、約13フィート/分のライン速度を使用して実施される。
コロナ放電処理は、任意の適切な表面エネルギーを有する処理された分離層を提供する。処理された分離層の代表的な表面エネルギーは、限定されないが、少なくとも10ダイン、又は少なくとも15、20、25、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、もしくは少なくとも75ダインを含む。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、少なくとも30ダインの表面エネルギーを有する。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、少なくとも35ダインの表面エネルギーを有する。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する。
一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理の前に分離層の上面よりも大きい表面エネルギーを有する。処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも1ダイン大きい、又は高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、もしくは30ダイン大きい表面エネルギーを有し得る。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも5ダイン大きい表面エネルギーを有する。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも10ダイン大きい表面エネルギーを有する。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも15ダイン大きい表面エネルギーを有する。一部の実施形態では、処理された分離層の上面は、高エネルギー表面処理前の分離層の上面よりも少なくとも20ダイン大きい表面エネルギーを有する。
一部の実施形態では、接触接着層の底面は、第一のプロセスライナーと接触する。
一部の実施形態では、経皮送達システムを調製する方法は、(vii)第一のプロセスライナーを除去して、接触接着層の底面を露出させること;及び(viii)剥離ライナーを接触接着層の底面上に積層することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、本発明の方法により調製された本発明の経皮送達システムを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、経皮送達システムを調製するための方法を提供し、以下を含む:
(i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(ii)以下を含む薬物マトリクス層を調製すること:
パルミチン酸アスコルビル、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルを含む第一の混合物を形成すること、
第一の混合物及びポリビニルピロリドンを含む第二の混合物を形成すること、
第二の混合物及びドネペジルHClを含む第三の混合物を形成すること;
第三の混合物及びソルビタンモノラウレートを含む第四の混合物を形成すること;
第四の混合物、重炭酸ナトリウム、及びグリセリンを含む第五の混合物を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること、
第五の混合物及びアクリレートポリマーを含む第六の混合物を形成すること、
第六の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること、
コーティングされた混合物を乾燥すること、
剥離ライナーを除去し、それにより薬物マトリクス層を調製すること;
(iii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iv)薬物マトリクスラミネートの上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層が上面及び底面を含み、分離層の上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
(vi)バッキング層の底面を、活性ラミネートの上面上に積層して、接着性オーバーレイ層が、活性ラミネートの上面と接触するようにすること;
(vii)分離層の上面を、コロナ放電処理で処理して、処理された分離層を形成することであって、コロナ放電処理が、0.10kW~0.12kWの電力及び2.1~2.6W/ft/分の電力密度を使用して実施され、処理された分離層が上面及び底面を有して、処理された分離層の上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有するようにし、接触接着層の底面が、第一のプロセスライナーと接触する、形成すること;
(viii)第一のプロセスライナーを除去して、接触接着層の底面を露出させること;及び
(ix)剥離ライナーを、接触接着層の底面上に積層し、それにより経皮送達システムを形成すること。
一部の実施形態では、本発明は、以下を含む経皮送達システムを提供する:
(1)バッキング層;
(2)分離層であって、分離層が上面及び底面を有して、上面がバッキング層と接触するようにする、分離層;
(3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、上面が分離層の底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
(4)微多孔膜を含む膜層であって、膜層が上面及び底面を有して、上面が薬物マトリクス層の底面と接触するようにする、膜層;ならびに
(5)2~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む接触接着層であって、接触接着層が上面及び底面を有して、上面が、膜層の底面と接触するようにする、接触接着層、を含み、
経皮送達システムが、
(i)ドネペジルHCl及び重炭酸ナトリウムを混合して薬物マトリクス層を形成することであって、重炭酸ナトリウムが、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、形成すること;
(ii)膜層を、接触接着層の上面上に積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
(iii)接触接着ラミネートの上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
(iv)分離層を、薬物マトリクスラミネートの上面上に積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、分離層の底面が、薬物マトリクスラミネートの上面と接触する、形成すること;
(v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;及び
(vi)バッキング層の底面を、活性ラミネートの上面上に積層し、接着性オーバーレイ層が、活性ラミネートの上面と接触するようにし、それにより経皮送達システムを形成すること、を含む方法により調製される。
IV.治療の方法
治療薬剤を対象に経皮的に送達するための方法が提供される。一部の実施形態では、本発明は、ドネペジル遊離塩基を経皮的に投与するための方法を提供し、以下を含む:(i)本発明の経皮送達システムから剥離ライナーを除去すること;及び(ii)約10日間までの期間にわたり対象の皮膚に経皮送達システムを接着して、ドネペジル遊離塩基を当該対象に送達すること。
一部の実施形態では、方法は、本明細書中に記載される送達システムを使用した、一つ又は複数の中枢神経系(CNS)障害の治療を含む。CNS障害の例は、限定されないが、認知症(例、アルツハイマー病、パーキンソン病、ピック病、前頭側頭型認知症、血管性認知症、正常圧水頭症、ハンチントン病(HD)、及び軽度認知障害(MCI))を含み、神経関連状態、認知症関連状態、例えばてんかん、発作障害、急性疼痛、慢性疼痛、慢性神経障害性疼痛などが、本明細書中に記載されるシステム及び方法を使用して治療され得る。てんかん状態は、複雑部分、単純部分、二次性全般化を伴う部分、全般を含み-欠神、大発作(強直間代性)、強直、脱力、ミオクローヌス、新生児、及び乳児けいれんを含む。追加の特異的てんかん症候群は、若年性ミオクローヌスてんかん、レノックス・ガストー、近心側頭葉てんかん、夜間前頭葉てんかん、精神遅滞を伴う進行性てんかん、及び進行性ミオクローヌスてんかんである。本明細書中に記載されるシステム及び方法はまた、脳血管疾患、運動ニューロン疾患(例、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄運動萎縮症、テイ・サックス病、サンドフ病、家族性痙性対麻痺)、神経変性疾患(例、家族性アルツハイマー病、プリオン関連疾患、小脳失調症、フリードリヒ失調症、SCA、ウィルソン病、網膜色素変性症(RP)、ALS、副腎白質ジストロフィー、メンケSx、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL);脊髄性筋萎縮症、家族性ALS、筋ジストロフィー、シャルコー・マリー・トゥース病、神経線維腫症、フォン・ヒッペル・リンダウ、脆弱X、痙性対麻痺、精神障害(例、パニック症候群、全般性不安障害、全ての種類の恐怖症候群、躁病、躁うつ病、軽躁病、単極性うつ病、うつ病、ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、身体表現性障害、パーソナリティ障害、精神病、統合失調症)、及び薬物依存(例:アルコール、精神刺激薬(例、クラック、コカイン、スピード、メアンフェタミン)、オピオイド、及びニコチン)、結節性硬化症、ワルデンブルグ症候群)、脳卒中(例、血栓性、塞栓性、血栓塞栓性、出血性、静脈収縮性、及び静脈性)、運動障害(例、パーキンソン病(PD)、ジストニア、良性本態性振戦、遅発性ジストニア、遅発性ジスキネジア、トゥレット症候群)、運動失調症候群、交感神経系の障害(例、シャイ・ドレーガー、オリーブ橋小脳変性、線条体黒質変性、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、ガリアン・バレー、カウザルギー、複合性局所疼痛症候群I型及びII型、糖尿病性神経障害、ならびにアルコール性神経障害))、脳神経障害(例、三叉神経障害、三叉神経痛、メニエル症候群、舌趾神経痛、嚥下障害、発声障害、及び脳神経麻痺)、脊髄症、外傷性脳及び脊髄損傷、放射線脳損傷、多発性硬化症、髄膜炎後症候群、プリオン病、脊髄炎、神経根炎、神経障害(例、ギリアン・バレー、異常タンパク質血症を伴う糖尿病、トランスサイレチン誘発性神経障害、HIVに関連付けられる神経障害、ライム病に関連付けられる神経障害、帯状疱疹に関連付けられる神経障害、手根管症候群、足根管症候群、アミロイド誘発性神経障害、らい病性神経障害)、ベル麻痺、圧迫神経障害、サルコイドーシス誘発性神経障害、多発脳神経炎、重金属誘発性神経障害、遷移金属誘発性神経障害、薬物誘発性神経障害)、軸索性脳損傷、脳症、及び慢性疲労症候群を含む障害により起こされる疼痛の治療及び予防のために有用である。本明細書中に記載されるシステム及び方法はまた、多発性硬化症、特に再発寛解型多発性硬化症の治療、ならびに多発性硬化症及び/又は再発寛解型多発性硬化症における再発の予防のために有用である。上の障害の全てが、本明細書中に記載されるシステム及び方法で治療され得る。
一部の実施形態では、ドネペジルを含む組成物及びデバイスは、認知障害又は疾患の症状を治療する、進行を遅延させる、発症を遅延させる、進行を遅らせる、予防する、寛解を提供する、及び改善のために有用である。一部の実施形態では、ドネペジルを含む組成物及びデバイスは、限定されないが、思考、記憶、発話スキルの維持、ならびに認知障害又は疾患の一つ又は複数の行動症状の管理又は緩和の少なくとも一つを含む、精神機能を維持するために提供される。一部の実施形態では、認知障害はアルツハイマー病である。一部の実施形態では、認知障害はアルツハイマー型認知症である。一部の実施形態では、ドネペジルを含む組成物及びデバイスは、軽度、中程度、又は重度のアルツハイマー病の治療などにおける使用のために提供される。
一部の実施形態では、治療的な実施形態は、対象の組織、例えば、皮膚組織を、本明細書中に提供される経皮送達システムと接触させることにより行われる。
一部の実施形態では、治療的な実施形態は、対象、例えば、CNS障害、例えばアルツハイマー病及び/又は認知症などに罹患している対象などに活性薬剤を経皮的に投与することにより行われる。用語「投与する」は、療法として、例えば、そのような薬物が、例えば、経皮的に受けられ、その意図される目的を行う際に有効であり得るような様式における活性薬剤の配置などにより適用することを意味する。
システムを用いた対象の治療は、当技術分野で公知の方法を使用してモニターされ得る。例えば、Forchetti et al,“Treating Patients with moderate to severe Alzheimer’s Disease:Implications of Recent Pharmacologic Studies.”Prim Care Companion J Clin Psychiatry,7(4):155-161,2005(PMID:16163398)を参照のこと。システムを使用した治療の有効性は、好ましくは、例えば、有害症状、行動、もしくは発作の頻度における減少、又は症状の持続的な悪化についての時間における増加を記述することにより、定量的方法において対象の症状を調べることにより評価される。成功裏の治療では、対象の状態は改善しているであろう(即ち、再発の頻度が減少する、又は持続的な進行までの時間が増加する)。
本明細書中に記載される例示的な経皮送達システム(また、経皮デバイス又はデバイスとして言及される)に基づいて、活性薬剤で適切な状態を治療するための方法が提供される。一部の実施形態では、活性薬剤を含むデバイスは、認知障害又は疾患の及び多発性硬化症の症状を治療する、進行を遅延させる、発症を遅延させる、進行を遅らせる、予防する、寛解を提供する、及び改善のために有用である。一部の実施形態では、活性薬剤を含むデバイスは、限定されないが、思考、記憶、発話スキルの維持、ならびに認知障害又は疾患の一つ又は複数の行動症状の管理又は緩和の少なくとも一つを含む、精神機能を維持するために提供される。一部の実施形態では、認知障害はアルツハイマー病である。一部の実施形態では、認知障害はアルツハイマー型認知症である。一部の実施形態では、ドネペジルを含むデバイスが、軽度、中程度、又は重度のアルツハイマー病の治療などにおける使用のために提供される。他の実施形態では、フィンゴリモドを含むデバイスは、多発性硬化症の治療、多発性硬化症、特に再発寛解型多発性硬化症の再発の予防及び/又はその頻度の低下における使用のために提供される。
一部の実施形態では、方法は、対象の組織を、一つ又は複数の経皮送達システムと接触させることによる、それを必要とする対象におけるCNS障害の又は自己免疫障害の治療に関する。用語「経皮」及び「局所」は、薬剤が身体表面、例えば、皮膚を通過し、個人の血流中に入るように、ヒトを含む動物の皮膚表面又は粘膜への活性薬剤、例えば、メマンチン又はドネペジル又はフィンゴリモドの投与を指すために、最も広い意味において本明細書中で使用される。
アルツハイマー病は、老年期認知症の最も一般的な原因であり、コリン作動性ニューロンの変性に関連する認知障害により特徴付けられる。アルツハイマー病は、65歳を超える人々の6~8%及び85歳を超える人々の30%近くに罹患し(Sozio et al.,Neurophsychiatric Disease and Treatment,2012,8:361-368)、認知機能及び行動能力の喪失を含む。アルツハイマー病の原因は、まだ完全には理解されていない。アルツハイマー病は、アセチルコリン(Ach)を含むいくつかの脳神経伝達物質の低下レベルに関連付けられるため、現在の治療は、コリンエステラーゼ阻害剤の投与を含む。コリンエステラーゼ阻害剤は、コリンエステラーゼ及び/又はブチリルコリンエステラーゼを阻害することにより、シナプス間隙におけるアセチルコリンの加水分解を低下させ、それによって、アセチルコリンレベルが増加し、改善された神経伝達がもたらされる(Id)。
一部の実施形態では、本発明は、アルツハイマー病を治療する方法を提供し、対象の皮膚に、本発明の経皮送達システムを適用して、ドネペジル遊離塩基を対象に送達し、それによりアルツハイマー病を治療することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、ドネペジル遊離塩基の経皮送達のための方法を提供し、以下を含む:本発明の経皮送達システムを対象の皮膚に固定する、又は固定するように指示し、活性薬剤の塩基形態をシステムから皮膚に送達すること、ここで、(i)定常状態フラックスに達する時間が、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも約20%速く、(ii)システムが、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速いその定常状態平衡フラックスを達成し;及び/又は(iii)活性薬剤が、微多孔膜の細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速くシステムから皮膚に拡散する。
本明細書中に記載される経皮デバイスは、活性薬剤の長期使用及び/又は連続投与用に設計され得る。FDAによって、5mg、10mg、及び23mgのドネペジルの毎日の経口用量が承認されている。経皮的デバイスあたりの活性薬剤の総用量が、デバイスのサイズ及び接着性マトリクス内の活性薬剤の装填により決定されることが認識されるであろう。一実施形態では、活性薬剤は、遊離塩基形態のドネペジルである。ドネペジル遊離塩基のより低い薬物負荷は、塩形態(例、ドネペジル塩酸塩)と比較して有効であり得る。有効性を達成するためにより低い薬物負荷を含める能力によって、デバイスについてのより低いプロファイル(より薄い)及び/又はより小さいサイズがもたらされ、それらの両方によって不快感が低下されることが望ましい。一部の実施形態では、経皮デバイスについての適用期間は、約1~10日、1~7日、1~5日、1~2日、3~10日、3~7日、3~5日、5~10日、及び5~7日の間である(包括的)。一部の実施形態では、活性薬剤は、適用期間にわたって連続的及び/又は持続的な放出として接着マトリクスから放出される。
ドネペジル遊離塩基を対象に経皮的に送達するための方法が提供される。本方法では、経皮送達システムが皮膚に適用され、対象の皮膚への経皮送達システムの適用時に、ドネペジル遊離塩基の経皮送達が生じ、定常状態で、経口的な治療薬剤の投与と生物学的に同等である薬剤(又は代謝産物)の全身血液濃度が提供される。以下で考察するように、生物学的同等性は、(a)経皮送達システムから及び経口送達を介して投与される治療薬剤の相対平均Cmax及びAUCの90%信頼区間は、0.80~1.25の間又は0.70~1.43の間である、あるいは(b)経皮送達システムから及び経口送達を介して投与される治療薬剤のAUC及びCmaxの幾何平均比率の90%信頼区間は、0.80~1.25の間又は0.70~1.43の間である。
インビボでの投与形態の挙動を評価するためにルーチン的に使用される(言い換えれば、動物又はヒト対象に投与される場合の)標準PKパラメータは、Cmax(血漿中の薬物のピーク濃度)、Tmax(ピーク薬物濃度が達成される時間)、及びAUC(血漿濃度vs.時間曲線下面積)を含む。これらのパラメータを決定及び評価するための方法は、当技術分野において周知である。本明細書中に記載される経皮送達システムの望ましい薬物動態プロファイルは、限定されないが、以下を含む:(1)投与後に哺乳動物対象の血漿中でアッセイされた場合の経皮送達形態のドネペジルについてのCmaxであって、それは、同じ投与量で投与された、経口送達もしくは静脈内送達形態の薬物についてのCmaxと生物学的に同等であり;ならびに/あるいは(2)投与後に哺乳動物対象の血漿中でアッセイされた場合の経皮送達形態のドネペジルについてのAUCであって、それは、好ましくは、同じ投与量で投与された、経口送達もしくは静脈内送達形態の薬物についてのAUCと生物学的に同等である;ならびに/あるいは(3)投与後に哺乳動物対象の血漿中でアッセイされた場合の経皮送達形態のドネペジルについてのTmaxであって、それは、同じ投与量で投与された、経口送達もしくは静脈内送達形態の薬物についてのTmaxの約80~125%内である。好ましくは、経皮送達システムは、先行する文章の特徴(1)、(2)及び(3)の二つ又はそれ以上の組み合わせを有するPKプロファイルを示す。好ましくは、経皮送達システムは、特徴(1)及び(2)の一方又は両方を有するPKプロファイルを示す。
医薬品開発の分野では、用語「生物学的同等性」は、当業者により容易に理解及び認識されるであろう。様々な規制当局は、二つの薬物製品が生物学的に同等であるか否かを評価するための厳格な基準及びテストを有する。これらの基準及びテストは、医薬品業界全体で一般に使用されており、生物学的同等性の評価は、一つの産物の特性及び性能が、別の産物の特性及び性能と比較されている薬物開発プログラムにおける標準的な形態の活性として認識されている。実際に、特定の種類の産物(FDAの「略式新薬許可申請」手順の下で評価されたものなど)を市販する承認を求める際に、後続産物が、参照産物と生物学的に同等であることが示されていることが要件である。
一部の実施形態では、方法は、絶食状態にある対象へのドネペジル遊離塩基を含む経皮送達システムを提供及び/又は投与することが、特に、米国食品医薬品局及び対応する欧州規制当局(EMEA)により与えられるCmax及びAUCガイドラインにより定義されるように、また、絶食状態にある対象への経口又は静脈内の薬剤(塩基又は塩形態における)の投与と生物学的に同等であることを包含する。一部の実施形態では、方法は、絶食状態にある対象にドネペジル遊離塩基を含む経皮送達システムを提供及び/又は投与することが、また、非絶食状態又は摂食状態にある対象への経口又は静脈内の薬剤(塩基又は塩形態における)の投与と生物学的に同等であることを包含する。米国FDA及び欧州EMEAガイドラインの下では、二つの産物又は方法は、AUC及びCmaxについての90%信頼区間(CI)が0.80~1.25の間である場合、生物学的に同等である(Tmax測定値は、規制上の目的のために生物学的同等性に関連しない)。ヨーロッパのEMEAは以前、異なる標準を使用していたが、それは0.80~1.25の間のAUCについて90%のCI及び0.70~1.43について90%のCIを要求した。Cmax及びAUCを決定するための方法は、当技術分野において周知である。
V.併用療法
本発明はまた、アルツハイマー病を治療するための併用療法を提供する。一部の実施形態では、アルツハイマー病を治療する方法はまた、対象に一つ又は複数の追加の治療薬剤を投与することを含む。
追加の治療薬剤は、アルツハイマー病、およびアルツハイマー病を患う対象が呈する症状を治療するための薬剤を含み得る。例えば、追加の治療薬剤は、記憶および思考などの認知症状、行動および心理症状などの非認知症状、うつ病、不安、攻撃性、憤怒、精神的苦痛、身体的または言語的な爆発、不穏、幻覚、妄想、または睡眠障害などの行動の変化に対処し得る。したがって、追加の治療薬剤としては、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、コリンエステラーゼ阻害剤、グルタミン酸調節剤、およびオレキシン受容体拮抗薬が挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、追加の治療薬剤の各々は独立して、アデュカヌマブ、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン、スボレキサント、シタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、トラゾドン、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、アリピプラゾール、クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、カルバマゼピン、ノルトリプチリン、ゾルピデム、ザレプロン、または抱水クロラールである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、アデュカヌマブである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、リバスチグミンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ガランタミンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、メマンチンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、スボレキサントである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、シタロプラムである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、フルオキセチンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、パロキセチンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、セルトラリンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、トラゾドンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ロラゼパムである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、オキサゼパムである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、テマゼパムである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、アリピプラゾールである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、クロザピンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ハロペリドールである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、オランザピンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、クエチアピンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、リスペリドンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ジプラシドンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、カルバマゼピンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ノルトリプチリンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ゾルピデムである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、ザレプロンである。一部の実施形態では、追加の治療薬剤は、抱水クロラールである。
追加の治療薬剤の各々は、食品医薬品局によって承認された方法および量などの、任意の好適な方法および任意の好適な量で、対象に投与することができる。例えば、追加の治療薬剤がアデュカナマブである場合、アデュカナマブは、各投与の間に少なくとも21日間をおき、四週間毎におよそ一時間にわたって、静脈内(IV)注入を介して約10mg/kgの用量で対象に投与することができる。
追加の治療薬剤の投与は、本発明の経皮送達システムの0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、または24時間以内とすることができる。共投与は、二つの治療薬剤を同時に、ほぼ同時に(例えば、互いの約1、5、10、15、20、または30分以内に)、または任意の順序で順次投与することを含む。
一部の実施形態では、経皮送達システムが最初に投与され、追加の治療薬剤が二番目に投与される。一部の実施形態では、追加の治療薬剤が最初に投与され、経皮送達システムが二番目に投与される。一部の実施形態では、経皮送達システムおよび第二の治療薬剤は、同時に投与される。
一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象においてアルツハイマー病を治療する方法を提供し、方法は、本発明の経皮送達システムを使用してドネペジル遊離塩基を、および一つ又は複数の追加の治療薬剤を、対象に投与することを含む。一部の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象においてアルツハイマー病を治療する方法を提供し、方法は、本発明の経皮送達システムを使用してドネペジル遊離塩基を対象に投与することと、各投与の間に少なくとも21日間をおき、四週間毎におよそ一時間にわたって、静脈内(IV)注入を介して約10mg/kgの用量で対象にアデュカヌマブを投与することと、を含む。
VI.実施例
実施例1.コロナ処理分離層を伴うドネペジルHCl経皮送達システムの調製
本発明の代表的な経皮送達システムを、図1A、図1B、及び図1C中に記載している。
バッキング層の調製。アクリレートコポリマー接着剤、Duro-Tak 87-2287をコーティングし、PET剥離ライナー上で、80g/mのドライコート重量で乾燥させた。それをKOB 052織布で積層して、バッキング層を調製した。
膜層の調製。66.7%w/wのクエン酸トリエチル、20.0%w/wの乳酸ラウリル、及び13.3%のソルビタンモノラウレートの膜処理組成物を調製した。クエン酸トリエチルを乳酸ラウリルと十分に混合して、透明な溶液の混合物を形成した。ソルビタンモノラウレートを次に混合物に加えて、十分に混合して、濁った均質な組成物を形成した。濁った処理混合物をCelgard 2400微多孔膜上にコーティングして、11.1g/mの被覆重量で膜を飽和させ、賦形剤処理された微多孔膜層を調製した。
膜層を伴う接触接着層のラミネートの調製。9.737kgのクエン酸トリエチル、2.921kgの乳酸ラウリル、及び1.850kgのソルビタンモノラウレート(SPAN(登録商標)20)を、31.28kgの酢酸エチル及び1.647kgのイソプロピルアルコールの混合物中に溶解した。18.50kgの架橋ポリビニルピロリドン(Kollidon CL-M)の添加後、混合物を分散機、Rotosolverにより均質化した。均質化した混合物に、119.1kgの量のアクリレートコポリマー(Duro-Tak 387-2287、固形分50.5%)を加えて、十分に混合した。接触接着湿潤接着製剤を剥離ライナー上にコーティングし、乾燥させて、50g/mの乾燥被覆重量を与えて、接触接着層を調製した。
乾燥接触接着層を、賦形剤処理された微多孔膜層で積層して、接触接着剤/微多孔膜のラミネートを作製した。
活性薬物ラミネートの調製。21.67kgの量のクエン酸トリエチル及び6.299kgの乳酸ラウリルを121.49kgの酢酸エチルと混合し、次に、0.928kgのパルミチン酸アスコルビルを、分散機を使用して溶解した。溶液に、27.79kgの架橋ポリビニルピロリドン(Kollidon CL-M)を分散させ、均質化した。均質化した分散物に、31.13kgのドネペジル塩酸塩を加えて、アンカー、タービン、及び分散機撹拌を使用して混合した。分散機を遮断し、3.705kgのソルビタンモノラウレートを次に加えて、アンカー及びタービン撹拌を使用して混合した。分散機を次に再開し、4.817kgの重炭酸ナトリウム(20μm~100μmのD90粒子サイズを伴う)及び22.15kgのグリセリンを加えた。これに続いて、分散機を再びオフにし、150.03kgのアクリレートコポリマー(Duro-Tak 387-2287)を加えて、薬物マトリクス湿潤接着製剤を形成した。
ドネペジル遊離塩基含量を、図3中に示すとおり、薬物マトリクス湿潤接着製剤中で決定した。
薬物マトリクス湿潤接着製剤を剥離ライナー上にコーティングし、乾燥させて、120g/mの乾燥被覆重量を得て、薬物マトリクス乾燥接着製剤(薬物マトリクス層)を形成した。
薬物マトリクス湿潤接着製剤の乾燥後、薬物マトリクス乾燥接着製剤を接触接着剤/微多孔膜のラミネートに積層して、活性薬物ラミネートを形成した。
Figure 2024523620000003
ドネペジル遊離塩基含量の安定性がまた、室温で6ヶ月間の期間にわたり保存された薬物マトリクスラミネートについて決定された、図4。薬物マトリクスラミネート中のドネペジル遊離塩基の量を、以下を使用してアッセイした。
1.抽出溶液:ヘプタン
2.抽出容積:薬物マトリクスラミネートの1”ディスクパンチについて100mL。
3.抽出溶液の2mLアリコートを乾燥させ、80%アセトン/20%メタノールの再構成溶液で再構成した。
4.再構成溶液をサンプル希釈剤:80%:20%:0.1%=水:アセトニトリル:TFA(トリフルオロ酢酸)で希釈する。
オーバーレイ及び最終産物を用いた活性薬物ラミネートの積層。活性薬物ラミネートを、コロナ処理された分離層、EVA(エチレン酢酸ビニル)及びPET(ポリエチレンテレフタレート)のラミネートに積層した。分離層のEVA表面を、薬物マトリクス接着剤へのPET表面の積層の直前にコロナ放電プラズマで処理した。このプロセス中に、分離層のEVA表面は、オーバーレイ接着剤への固定を改善するために、約2.14~2.57W/ft/分のワット密度でコロナ処理される。2.14~2.57W/ft/分は、14”幅の電極を用いて20~40ft/分のライン速度で、0.10~0.12kWの最大電力設定(40ft/分の最大電力での速度)を使用して達成される。コロナ放電処理された分離層の表面エネルギーを、適切なデバイスを使用してテストし、表面エネルギーが少なくとも40ダインであることを確認した。
薬物マトリクス接着剤への分離層の積層の直後に、オーバーレイ接着剤を分離層のコロナ処理されたEVA側に積層して、オーバーレイ/分離層/薬物リザーバー(薬物マトリクス層)/微多孔膜/接触接着層/剥離ライナーからなる、最終的な6層ラミネートを作製する。最終ラミネートをパッチ中に切断し、パウチに入れた。
代替的なパッチ設計では、活性薬物ラミネートを、オーバーレイ接着剤での積層前に、必要に応じてセグメント中に切断した。
Figure 2024523620000004
図2中に示す通り、約20μm、約60μm、約70μm、又は約130μmのD90粒子サイズを有する炭酸ナトリウム粒子を含む、本発明の経皮送達システムにおける炭酸ナトリウムの様々な粒子サイズをテストした。混合の完了時及びコーティング前の薬物マトリクス混合中のドネペジル遊離塩基の量。
薬物マトリクス混合物中のドネペジル遊離塩基の量を、ヘプタン中で抽出することにより決定し、ドネペジル遊離塩基を、以下を使用してアッセイした。
1.抽出溶液:ヘプタン
2.抽出容積:200mLのヘプタン中での約0.3mLの薬物マトリクス混合物の正確な重量。
3.抽出溶液の2mLアリコートを乾燥させ、80%/20%=アセトン/メタノールの再構成溶液で再構成した。
4.再構成溶液をサンプル希釈剤:80%:20%:0.1%=水:アセトニトリル:TFA(トリフルオロ酢酸)で希釈し、薬物をHPLCにより分析する。
実施例2.コロナ放電処理を伴わないドネペジルHCl経皮送達システムの調製
コロナ放電処理を伴わない経皮送達システムは、当技術分野において公知の方法、例えば、「Transdermal Delivery System with a Microporous Membrane Having Solvent-Filled Pores」と題されるWO 2019/023499の実施例1、2、3、又は9などに従って調製することができる。コロナ放電処理された分離層を伴う及び伴わない経皮送達システムの安定性の比較を図5中に示す。
Figure 2024523620000005
図6は、WO2019/023499の実施例1のドネペジル経皮送達システムのインビボ投与を記載するWO 2019/023499の実施例4において記載されるように、コロナ放電処理を伴わない1週間にわたるドネペジル経皮送達システムを用いて(円)、又は1日目及び7日目に経口投与された5mgのドネペジルを用いて(三角)処置されたヒト対象における、ドペジルの平均血漿濃度をng/mLで示す。ドネペジル経皮送達システムによって、同様の用量のドネペジルの経口送達から提供される血漿濃度と同様の血漿濃度が提供された。
実施例3.ドネペジル経皮送達システムからのドネペジルのインビボ投与
ドネペジルを含む経皮送達システムを、実施例1において記載されるように調製することができる。12名のヒト対象(12名)を、経皮送達システムを用いた(n=6)又は経口投与されたドネペジル(ARICEPT(登録商標))を用いた処置のための二群中に無作為化し、5mgを試験の1日目及び7日目に服用することができる。経皮送達システムを皮膚に適用し、一週間にわたり着用し、次に除去することができる。血液サンプルは、経皮送達システムで処置された対象から毎日採取することができる。血液サンプルは、経口的に送達されたドネペジルで処置された群において、1日目及び7日目に頻繁な時間間隔で、ならびに再び、8、10、12、及び14日目に採取することができる。
実施例4.ドネペジル経皮送達システムからのドネペジルのインビボ投与
ドネペジルを含む経皮送達システムを、実施例1において記載されるように調製することができる。患者は、五週間の処置試験のために登録され、三つの処置群中に無作為に分けることができる。第1期間(処置群)に、全ての患者が5週間(一週間あたり一つのパッチ)にわたり、より小さなサイズのパッチ(5mg/日)で処置され、第2及び第3期間には、全ての患者が二つの群に分けられ、第2期間中に一つの群は、5週間(一週間あたり一つのパッチ)にわたり、より大きなパッチ(10mg/日)で処置され、他方は、代わりに5週間にわたりアリセプト錠剤10mg/日で処置され、処置薬物は、第3期間中に群間で変更された。
第1群及び第2群の対象については、血液サンプルを、血漿濃度が定常状態にあることができる場合に、10mgレベルでの投薬の第四週中に毎日採取することができる。第3群中の対象については、血液サンプルは、10mg/日の投薬の第四週の最終日に採取することができる。
実施例5.インビトロ皮膚フラックステスト
皮膚切開されたヒト死体皮膚を皮膚バンクから得て、使用のための準備ができるまで凍結することができる。皮膚を解凍後1~2分間にわたり60℃の水中に置き、表皮を真皮から注意深く分離することができる。表皮は、直ちに使用する、又はラップして、後の使用のために凍結させることができる。
インビトロ皮膚フラックス試験は、0.64cm2の活性拡散面積を伴うフランツ型拡散細胞を使用して実施することができる。表皮は、拡散細胞のドナー区画と受容体区画の間に取り付けることができる。実施例1の経皮送達システムを皮膚上に置くことができ、二つの区画を一緒に密接にクランプした。
受容体区画は、0.01%ゲンタマイシンを含む、0.01Mリン酸緩衝液、pH6.5で充填することができる。受容体区画中の溶液は、受容体区画中の磁気撹拌バーを使用して継続的に撹拌することができる。温度は、32°±0.5°C に維持することができる。サンプルは、受容体溶液から定期的に採取され、薬物含量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して分析することができる。
結果は、一時間あたり、cmあたりの表皮を通して拡散される薬物の量に関して算出され得る。
実施例6.接触接着層中のドネペジル遊離塩基の測定
接触接着層のテープストリッピングのための調製パッチ:
実施例1に従って調製されたパッチを、パッチのKOB不織布上に付着された剥離ライナーに固定した。
1.剥離ライナーの非剥離側に両面接着剤を手で積層し、ラミネーターを通過させる。
2.両面接着剤/剥離ライナーのラミネートからペーパーライナーを除去し、接着剤を露出させた。
3.接着剤に面したオーバーレイを伴うドネペジルパッチを置いた。
4.パッチ/両面接着剤/剥離ライナーの組立物をラミネーターに通過させた。
テープ剥離接触接着剤
1.元の剥離ライナーをパッチから除去した。
2.接着テープを接触接着層上に置いた。
3.パッチに向かう剥離ライナーの剥離側を伴う剥離接着テープの上部に追加の剥離ライナーで覆い、ラミネーターを通過する。
4.カバー剥離ライナーを除去して、付着された剥離接着テープを露出させた。
5.接着テープを剥がして、接触接着層を取り除いた。剥がした後、折り畳まれた剥離ライナーを接着テープ上に戻して、サンプルの露出/喪失を回避し、テストの時間まで小さなペトリ皿中に入れた。
6.接着剤を伴うサンプルを秤量した。ブランク重量を減算して、接着重量テープを剥がした。
7.接着剤を伴うサンプルを秤量した。ブランク重量を減算して、接着重量テープを剥がした。
接触接着層接着剤からのドネペジルの抽出:AM 257
1.抽出溶液:80%v/v:20%v/vのアセトン:メタノール
2.抽出容積:25mL
3.サンプル希釈剤:80%:20%:0.1%=水:アセトニトリル:TFA(トリフルオロ酢酸)
4.希釈係数:5;10mLメスフラスコ中2mL、QSからサンプル希釈剤を伴う容積マークまで。
ドネペジル塩基を、抽出溶液及び容積を使用してサンプルから抽出し、サンプル希釈剤及び希釈係数を使用して希釈した。濃縮された希釈剤及び秤量されたドネペジル遊離塩基。
前述の発明は、理解の明確さの目的のために、例証及び実施例により、ある程度詳細に記載されてきたが、当業者であれば、特定の変更及び修正が、添付の特許請求の範囲内で実行され得ることを理解するであろう。また、本明細書中に提供される各参照は、各参照が、参照により個々に組み入れられるのと同じ程度に、その全体において参照により組み入れられる。矛盾が本出願と本明細書中に提供される参照の間に存在する場合、本出願が支配的であるものとする。

Claims (108)

  1. 経皮送達システムであって、
    (1)バッキング層;
    (2)分離層であって、前記分離層が上面及び底面を有して、前記上面が前記バッキング層と接触するようにする、分離層;
    (3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、前記薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、前記上面が、前記分離層の前記底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
    (4)微多孔膜を含む膜層であって、前記膜層が上面及び底面を有して、前記上面が前記薬物マトリクス層の前記底面と接触するようにする、膜層;ならびに
    (5)上面及び底面を有する接触接着層であって、前記上面が前記膜層の前記底面と接触するようにし、前記接触接着層が、前記接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層、を含む、経皮送達システム。
  2. 前記バッキング層が、弾性ポリマーフィルム、ポリマー布、多方向性弾性織布、多方向性弾性不織布、伸縮性ポリマーフィルム、伸縮性織布、又は伸縮性不織布を含む、請求項1に記載の経皮送達システム。
  3. 前記バッキング層が、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン酢酸ビニルもしくはそのコポリマー、又はポリウレタンの一つ又は複数のポリマーを含む、請求項1又は2に記載の経皮送達システム。
  4. 前記バッキング層が、約0.2~50ミリメートルの厚さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  5. 前記バッキング層が、前記分離層の前記上面と接触する接着性オーバーレイ層をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  6. 前記接着性オーバーレイ層がアクリレートコポリマーを含む、請求項5に記載の経皮送達システム。
  7. 前記分離層が、閉塞性材料又は通気性材料の少なくとも一つを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  8. 前記分離層が閉塞性材料を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  9. 前記分離層が、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート/エチレン酢酸ビニルラミネートから選択される一つ又は複数のポリマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  10. 前記分離層がポリエステルポリマーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  11. 前記分離層の前記上面が、高エネルギー表面処理で処理される、請求項1~10のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  12. 前記分離層の前記上面が、前記高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む、請求項11に記載の経皮送達システム。
  13. 前記高エネルギー表面処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11又は12に記載の経皮送達システム。
  14. 前記高エネルギー表面処理がコロナ放電処理である、請求項11~13のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  15. 前記分離層の前記上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、請求項11~14のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  16. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の少なくとも10%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  17. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の少なくとも20%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項16に記載の経皮送達システム。
  18. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の20%~40%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項16又は17に記載の経皮送達システム。
  19. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  20. 前記薬物マトリクス層が、
    (i)アクリレートコポリマー;
    (ii)グリセリンならびに乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの一つ又は複数を含む薬物マトリクス溶媒組成物、及び
    (iv)重炭酸ナトリウムを含むアルカリ塩をさらに含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  21. 前記薬物マトリクス層が、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムをさらに含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  22. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、請求項20又は21に記載の経皮送達システム。
  23. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.7~0.5のモル比率において存在する、請求項20~22のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  24. 前記薬物マトリクス層がパルミチン酸アスコルビルをさらに含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  25. 前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~1000μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  26. 前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項20~25のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  27. 前記重炭酸ナトリウムが、10μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項20~25のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  28. 前記重炭酸ナトリウムが、20μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項20~25のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  29. 前記微多孔膜がポリプロピレンを含む、請求項1~28のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  30. 前記微多孔膜が複数の細孔を含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  31. 前記微多孔膜中の前記複数の細孔が、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルの一つ又は複数で構成される溶媒組成物を含む、請求項30に記載の経皮送達システム。
  32. 前記微多孔膜がポリプロピレンを含み、前記微多孔膜中の前記複数の細孔がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む、請求項31に記載の経皮送達システム。
  33. 前記接触接着層が、アクリレート及び酢酸ビニルのコポリマーを含む、請求項1~32のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  34. 前記接触接着層が、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、又は乳酸ラウリルの一つ又は複数の溶媒をさらに含む、請求項33に記載の経皮送達システム。
  35. 前記接触接着層が、ドネペジルHCl又はドネペジル遊離塩基を含まない接着製剤から製造される、請求項1~34のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  36. 前記接触接着層が、前記接触接着層の総重量の1~5%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  37. 前記接触接着層が、前記接触接着層の総重量の2~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  38. 前記接触接着層の前記底面と接触する剥離層をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  39. 前記剥離層が、シリコーン被覆材料、フルオロカーボン被覆材料、又はフルオロシリコーン被覆材料を含む、請求項38に記載の経皮送達システム。
  40. 前記剥離層がシリコーン被覆材料を含む、請求項39に記載の経皮送達システム。
  41. 前記経皮送達システムが、
    (1)ポリエステルを含む前記バッキング層であって、前記バッキング層が、アクリレートポリマーを含む前記接着性オーバーレイ層をさらに含む、前記バッキング層;
    (2)ポリエステル及びエチレン酢酸ビニルのコーティングを含む前記分離層であって、前記分離層の前記上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーの前記コーティングを含み、前記分離層の前記上面が、前記接着性オーバーレイ層と接触する、前記分離層;
    (3)前記薬物マトリクス層であって、ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量のドネペジル遊離塩基、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、クエン酸トリエチル、重炭酸ナトリウム、クロスポビドン、及びパルミチン酸アスコルビルを含み、前記薬物マトリクス層が、前記分離層の前記底面と接触する、前記薬物マトリクス層;
    (4)ポリプロピレンと、各々がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む前記複数の細孔と、を含む前記微多孔膜を含む前記膜層であって、前記膜層の前記上面が、前記薬物マトリクス層の前記底面と接触する、前記膜層;
    (5)前記接触接着層の総重量の2~4%(w/w)の量でアクリレート-酢酸ビニルコポリマー、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、乳酸ラウリル、クロスポビドン、及びドネペジル遊離塩基を含む前記接触接着層であって、前記接触接着層の前記上面が、前記膜層の前記底面と接触する、前記接触接着層;ならびに
    (6)前記接触接着層の前記底面と接触する前記剥離層を含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  42. 経皮送達システムであって、
    (1)バッキング層;
    (2)上面及び底面を有する分離層であって、前記上面が前記バッキング層と接触するようにする、分離層;
    (3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、前記薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、前記上面が、前記分離層の前記底面と接触するようにし、前記ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
    (4)微多孔膜を含む膜層であって、前記膜層が上面及び底面を有して、前記上面が前記薬物マトリクス層の前記底面と接触するようにする、膜層;ならびに
    (5)上面及び底面を有する接触接着層であって、前記上面が前記膜層の前記底面と接触するようにする、接触接着層、を含む、経皮送達システム。
  43. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、請求項42に記載の経皮送達システム。
  44. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.7~0.5のモル比率において存在する、請求項42又は43に記載の経皮送達システム。
  45. 前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項42~44のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  46. 前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~100μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項42~45のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  47. 前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~20μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、請求項42~46のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  48. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の少なくとも20%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項42~47のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  49. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の20%~40%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項42~48のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  50. 前記薬物マトリクス層が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総重量の22%~35%(w/w)の量で前記ドネペジル遊離塩基を含む、請求項42~49のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  51. 前記分離層の前記上面が、高エネルギー表面処理で処理される、請求項42~50のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  52. 前記高エネルギー表面処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項42~51のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  53. 前記高エネルギー表面処理がコロナ放電処理である、請求項42~52のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  54. 前記分離層の前記上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、請求項42~53のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  55. 前記分離層の前記上面が、前記高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む、請求項42~54のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  56. 経皮送達システムであって、
    (1)バッキング層;
    (2)上面及び底面を有する分離層であって、前記上面が前記バッキング層と接触するようにする、分離層;
    (3)ドネペジルHCl、ドネペジル遊離塩基、及び重炭酸ナトリウムを含む薬物マトリクス層であって、前記薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、前記上面が前記分離層の前記底面と接触するようにし、前記ドネペジル遊離塩基が、ドネペジル遊離塩基及びドネペジルHClの総量の少なくとも10%(w/w)の量で存在する、薬物マトリクス層;
    (4)微多孔膜を含む膜層であって、前記膜層が上面及び底面を有して、前記上面が前記薬物マトリクス層の前記底面と接触するようにする、膜層;ならびに
    (5)上面及び底面を有する接触接着層であって、前記上面が前記膜層の前記底面と接触するようにし、前記接触接着層が、前記接触接着層の総重量の0.1~10%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む、接触接着層、を含む、経皮送達システム。
  57. 経皮送達システムであって、
    (1)バッキング層;
    (2)上面及び底面を有する分離層であって、前記上面が前記バッキング層と接触するようにし、前記分離層の前記上面が、高エネルギー表面処理で処理される、分離層;
    (3)治療薬剤を含む薬物マトリクス層であって、前記薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、前記上面が、前記分離層の前記底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
    (4)微多孔膜を含む膜層であって、前記膜層が上面及び底面を有して、前記上面が前記薬物マトリクス層の前記底面と接触するようにする、膜層;ならびに
    (5)上面及び底面を有する接触接着層であって、前記上面が前記膜層の前記底面と接触するようにする、接触接着層、を含む、経皮送達システム。
  58. 前記分離層が、閉塞性材料又は通気性材料の少なくとも一つを含む、請求項57に記載の経皮送達システム。
  59. 前記分離層が閉塞性材料を含む、請求項57又は58に記載の経皮送達システム。
  60. 前記分離層が、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、及びポリエチレンテレフタレート/エチレン酢酸ビニルラミネートから選択される一つ又は複数のポリマーを含む、請求項57~59のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  61. 前記分離層がポリエステルポリマーを含む、請求項57~60のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  62. 前記分離層の前記上面が、前記高エネルギー表面処理で処理されたエチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含む、請求項57~61に記載の経皮送達システム。
  63. 前記高エネルギー表面処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項57~62のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  64. 前記高エネルギー表面処理がコロナ放電処理である、請求項57~63のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  65. 前記分離層の前記上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、請求項57~64のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  66. 前記薬物マトリクス層が、
    (i)アクリレートコポリマー、及び
    (ii)グリセリンならびに乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの一つ又は複数を含む薬物マトリクス溶媒組成物をさらに含む、請求項57~65のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  67. 前記薬物マトリクス層が、アクリレート-酢酸ビニルコポリマー、グリセリン、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルをさらに含む、請求項57~66のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  68. 前記薬物マトリクス層がパルミチン酸アスコルビルをさらに含む、請求項57~67のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  69. 前記微多孔膜がポリプロピレンを含む、請求項57~68のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  70. 前記微多孔膜が複数の細孔を含む、請求項57~69のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  71. 前記微多孔膜中の前記複数の細孔が、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルの一つ又は複数で構成される溶媒組成物を含む、請求項70に記載の経皮送達システム。
  72. 前記微多孔膜がポリプロピレンを含み、前記微多孔膜中の前記複数の細孔がクエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、及び乳酸ラウリルを含む、請求項70又は71に記載の経皮送達システム。
  73. 前記接触接着層がアクリレート及び酢酸ビニルのコポリマーを含む、請求項57~72のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  74. 前記接触接着層が、クエン酸トリエチル、ソルビタンモノラウレート、又は乳酸ラウリルの一つ又は複数の溶媒をさらに含む、請求項57~73のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  75. 前記接触接着層の前記底面と接触する剥離層をさらに含む、請求項57~74のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  76. 前記剥離層が、シリコーン被覆材料、フルオロカーボン被覆材料、又はフルオロシリコーン被覆材料を含む、請求項75に記載の経皮送達システム。
  77. 前記剥離層がシリコーン被覆材料を含む、請求項76に記載の経皮送達システム。
  78. 薬物マトリクス層であって、
    ポリビニルピロリドン;
    ドネペジルHCl;及び
    重炭酸ナトリウムであって、前記ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、重炭酸ナトリウム、を含む、薬物マトリクス層。
  79. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.8~0.5のモル比率において存在する、請求項78に記載の薬物マトリクス層。
  80. 前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.7~0.5のモル比率において存在する、請求項78又は79に記載の薬物マトリクス層。
  81. 前記薬物マトリクス層が、アクリレートポリマー、グリセリン、パルミチン酸アスコルビル、乳酸ラウリル、ソルビタンモノラウレート、及びクエン酸トリエチルの少なくとも一つをさらに含む、請求項78~80のいずれか一項に記載の薬物マトリクス層。
  82. 請求項78~81のいずれか一項に記載の薬物マトリクス層を含む、経皮送達システム。
  83. 請求項78~81のいずれか一項に記載の薬物マトリクス層を調製する方法であって、
    ポリビニルピロリドン、ドネペジルHCl、及び重炭酸ナトリウムを含む第一の混合物を形成することであって、前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること;
    前記第一の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること;及び
    前記コーティングされた混合物を乾燥させ、それにより前記薬物マトリクス層を調製すること、を含む、方法。
  84. パルミチン酸アスコルビルを含む第二の混合物を形成すること;
    前記第二の混合物及びポリビニルピロリドンを含む第三の混合物を形成すること;
    前記第三の混合物及びドネペジルHClを含む第四の混合物を形成すること;
    前記第四の混合物及びソルビタンモノラウレートを含む第五の混合物を形成すること;
    前記第五の混合物、重炭酸ナトリウム、及びグリセリンを含む前記第一の混合物を形成すること;ならびに
    前記第一の混合物及びアクリレートポリマーを含む第六の混合物を形成して、それにより前記薬物マトリクス層を調製すること、をさらに含む、請求項83に記載の方法。
  85. 前記第二の混合物が、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルをさらに含む、請求項83に記載の方法。
  86. 経皮送達システムを調製するための方法であって、
    (i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
    (ii)前記接触接着ラミネートの前記上面上に薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
    (iii)前記薬物マトリクスラミネートの前記上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、前記分離層が上面及び底面を含み、前記分離層の前記上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、前記分離層の前記底面が、前記薬物マトリクスラミネートの前記上面と接触する、形成すること;
    (iv)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
    (v)前記バッキング層の前記底面を、前記活性ラミネートの前記上面上に積層して、前記接着性オーバーレイ層が、前記活性ラミネートの前記上面と接触するようにし、それにより請求項1~56のいずれか一項に記載の経皮送達システムを形成すること、を含む、方法。
  87. 前記分離層を、前記薬物マトリクス層の前記上面上に積層する前に、
    (vi)前記分離層の前記上面を高エネルギー表面処理で処理して、処理された分離層を形成することをさらに含み、前記処理された分離層が上面及び底面を含む、請求項86に記載の方法。
  88. 前記高エネルギー表面処理が、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線、イオンビーム処理、電子ビーム処理、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項87に記載の方法。
  89. 前記高エネルギー表面処理がコロナ放電処理である、請求項87又は88に記載の方法。
  90. 前記コロナ放電処理が、0.01kW~1.0kWの電力を使用して実施される、請求項89に記載の方法。
  91. 前記コロナ放電処理が、0.10kW~0.12kWの電力を使用して実施される、請求項89又は90に記載の方法。
  92. 前記コロナ放電処理が、2.1~2.6 W/ft/分の電力密度を使用して実施される、請求項89又は90に記載の方法。
  93. 前記コロナ放電処理が、1~100フィート/分のライン速度を使用して実施される、請求項89~92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記コロナ放電処理が、20~40フィート/分のライン速度を使用して実施される、請求項89~93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記コロナ放電処理が、約13フィート/分のライン速度を使用して実施される、請求項89~93のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記処理された分離層の前記上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有する、請求項86~95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記接触接着層の前記底面が、第一のプロセスライナーと接触する、請求項86~96のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記方法が、
    (vii)前記第一のプロセスライナーを除去して、前記接触接着層の前記底面を露出させること;及び
    (viii)剥離ライナーを、前記接触接着層の前記底面上に積層することをさらに含む、請求項97に記載の方法。
  99. 前記薬物マトリクス層が、請求項83~85のいずれか一項に記載の方法により調製される、請求項86~98のいずれか一項に記載の方法。
  100. 経皮送達システムを調製するための方法であって、
    (i)接触接着層の上面上に微多孔膜層を積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
    (ii)以下を含む薬物マトリクス層を調製すること:
    パルミチン酸アスコルビル、クエン酸トリエチル、乳酸ラウリル、及び酢酸エチルを含む第一の混合物を形成すること、
    前記第一の混合物及びポリビニルピロリドンを含む第二の混合物を形成すること、
    前記第二の混合物及びドネペジルHClを含む第三の混合物を形成すること;
    前記第三の混合物及びソルビタンモノラウレートを含む第四の混合物を形成すること;
    前記第四の混合物、重炭酸ナトリウム、及びグリセリンを含む第五の混合物を形成することであって、前記重炭酸ナトリウムが、前記ドネペジルHClに対して0.9~0.5のモル比率において存在する、形成すること、
    前記第五の混合物及びアクリレートポリマーを含む第六の混合物を形成すること、
    前記第六の混合物を剥離ライナー上にコーティングすること、
    前記コーティングされた混合物を乾燥すること、
    前記剥離ライナーを除去し、それにより前記薬物マトリクス層を調製すること;
    (iii)前記接触接着ラミネートの前記上面上に前記薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
    (iv)前記薬物マトリクスラミネートの前記上面上に分離層を積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、前記分離層が上面及び底面を含み、前記分離層の前記上面が、エチレン酢酸ビニルコポリマーのコーティングを含み、前記分離層の前記底面が、前記薬物マトリクスラミネートの前記上面と接触する、形成すること;
    (v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;
    (vi)前記バッキング層の前記底面を、前記活性ラミネートの前記上面上に積層して、前記接着性オーバーレイ層が、前記活性ラミネートの前記上面と接触するようにすること;
    (vii)前記分離層の前記上面を、コロナ放電処理で処理して、処理された分離層を形成することであって、前記コロナ放電処理が、0.10kW~0.12kWの電力及び2.1~2.6W/ft/分の電力密度を使用して実施され、前記処理された分離層が上面及び底面を有して、前記処理された分離層の前記上面が、少なくとも40ダインの表面エネルギーを有するようにし、前記接触接着層の前記底面が、第一のプロセスライナーと接触する、形成すること;
    (viii)前記第一のプロセスライナーを除去して、前記接触接着層の前記底面を露出させること;及び
    (ix)剥離ライナーを、前記接触接着層の前記底面上に積層し、それにより前記経皮送達システムを形成すること、を含む、方法。
  101. 請求項86~99のいずれか一項に記載の方法により調製される、請求項1~77のいずれか一項に記載の経皮送達システム。
  102. 経皮送達システムであって、
    (1)バッキング層;
    (2)分離層であって、前記分離層が上面及び底面を有して、前記上面が前記バッキング層と接触するようにする、分離層;
    (3)ドネペジルHCl及びドネペジル遊離塩基を含む薬物マトリクス層であって、前記薬物マトリクス層が上面及び底面を有して、前記上面が、前記分離層の前記底面と接触するようにする、薬物マトリクス層;
    (4)微多孔膜を含む膜層であって、前記膜層が上面及び底面を有して、前記上面が前記薬物マトリクス層の前記底面と接触するようにする、膜層;ならびに
    (5)2~4%(w/w)の量でドネペジル遊離塩基を含む接触接着層であって、前記接触接着層が上面及び底面を有して、前記上面が、前記膜層の前記底面と接触するようにする、接触接着層、を含み、
    前記経皮送達システムが、
    (i)ドネペジルHCl及び重炭酸ナトリウムを混合して前記薬物マトリクス層を形成することであって、前記重炭酸ナトリウムが、0.1μm~200μmのD90粒子サイズを有する粒子を含む、形成すること;
    (ii)前記膜層を、前記接触接着層の前記上面上に積層して、上面及び底面を有する接触接着ラミネートを形成すること;
    (iii)前記接触接着ラミネートの前記上面上に前記薬物マトリクス層を積層して、上面及び底面を有する薬物マトリクスラミネートを形成すること;
    (iv)前記分離層を、前記薬物マトリクスラミネートの前記上面上に積層して、上面及び底面を有する活性ラミネートを形成することであって、前記分離層の前記底面が、前記薬物マトリクスラミネートの前記上面と接触する、形成すること;
    (v)アクリレートポリマーを含む接着性オーバーレイ層上にポリエステル繊維を積層して、上面及び底面を有するバッキング層を形成すること;及び
    (vi)前記バッキング層の前記底面を、前記活性ラミネートの前記上面上に積層し、前記接着性オーバーレイ層が、前記活性ラミネートの前記上面と接触するようにし、それにより前記経皮送達システムを形成すること、を含む方法により調製される、経皮送達システム。
  103. ドネペジル遊離塩基を経皮投与するための方法であって、
    (i)請求項1~77のいずれか一項に記載の経皮送達システムから剥離ライナーを除去すること;及び
    (ii)前記経皮送達システムを約10日間までの期間にわたり対象の皮膚に接着して、前記ドネペジル遊離塩基を前記対象に送達すること、を含む方法。
  104. 対象の皮膚に、請求項1~77のいずれか一項に記載の経皮送達システムを適用して、ドネペジル遊離塩基を前記対象に送達し、それによりアルツハイマー病を治療することを含む、アルツハイマー病を治療する方法。
  105. 前記対象に一つ又は複数の追加の治療薬剤を投与することをさらに含む、請求項104に記載の方法。
  106. 前記追加の治療薬剤の各々が独立して、アデュカヌマブ、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチン、スボレキサント、シタロプラム、フルオキセチン、パロキセイン、セルトラリン、トラゾドン、ロラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、アリピプラゾール、クロザピン、ハロペリドール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、カルバマゼピン、ノルトリプチリン、ゾルピデム、ザレプロン、または抱水クロラールである、請求項105に記載の方法。
  107. 前記追加の治療薬剤が、アデュカヌマブである、請求項105または106に記載の方法。
  108. ドネペジル遊離塩基の経皮送達のための方法であって、
    請求項1~77のいずれか一項に記載の経皮送達システムを対象の皮膚に固定する、又は固定するように指示し、活性薬剤の塩基形態を前記システムから前記皮膚に送達することを含み、(i)定常状態フラックスに達する時間が、前記微多孔膜の前記細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも約20%速く、(ii)前記システムが、前記微多孔膜の前記細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速いその定常状態平衡フラックスを達成し;及び/又は(iii)前記活性薬剤が、前記微多孔膜の前記細孔中に膜溶媒組成物を伴わないシステムと比較して少なくとも20%速く前記システムから前記皮膚に拡散する、方法。
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