JP2024521996A - インプラント送達システムおよび使用方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2024521996000001
管状インプラントを体管腔内の標的位置へ送達するための方法およびシステムであって、管状インプラントが、径方向に折り畳まれた送達構成にあるときの送達長さ、および、径方向に拡張した植込み構成にあるときの送達長さよりも短い短縮長さを有する、方法およびシステム。送達カテーテル上および管状インプラント上にそれぞれのマーカが設けられ、それらのマーカは、管状インプラントの短縮長さの最終近位部分のランディング位置の視覚的な表示を、最終近位部分の植込み前に提供する。それにより、臨床医は、管状インプラントを完全に植え込む前に、最終近位部分のランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定することが可能になる。
【選択図】図2A

Description

本開示は一般に、医療用インプラントを送達するためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本開示は、患者の血管構造内の標的部位へ管状インプラントを送達するための送達システムおよび送達方法に関する。
血管内医療用デバイスおよびインプラントの使用は、多様な血管疾患を治療するための効果的な方法になってきている。一般に、適切な血管内デバイスが患者の血管系に挿入されて、患者内の標的部位まで血管構造を通して進められる。この方法を使用すると、冠状動脈、大脳、および末梢血管構造を含めて、実質的に患者の血管系内のいかなる標的部位にもアクセスすることができる。
ステントおよび塞栓デバイスなどの医療用インプラントを身体内の所望の位置に設置するために、カテーテルがしばしば利用される。通常、ステントは、体管腔を通じた挿入のための管状プロテーゼである。しかし、ステントは、多岐にわたるサイズおよび形状を有し得る。ステントは、バルーン上に取り付けられてカテーテルに搭載されることによって送達される場合があり、所望の位置にステントを位置決めした後、バルーンは、ステントを径方向外方に拡張するために膨張される。あるいは、ステントは、縮小した構成および/または直径でカテーテルに搭載される場合があり、次いで、カテーテルがステントから引き抜かれ、それにより、ステントを身体血管の管腔内に導入する。例えば、自己拡張型ステントは、カテーテルなどの管状拘束部材内に閉じ込められながら弾性的に圧縮されたまたは折り畳まれた状態で送達されるべきである。カテーテルは、その遠位端部が植込み部位に到達するまで、血管系を通って前進させられる。さらに、カテーテルは、いわゆる「オーバザワイヤ」および「迅速交換」送達システムにおいて、予め導入されていたガイドワイヤを伝って患者内へ導入され得る。折り畳まれたステントは、典型的には、ステントがカテーテルを通して導入され、前進させられ、または押し込まれるように、カテーテルの管腔内に配置されるプッシャ部材または送達ワイヤ上に取り付けられる。ステントは、所望の位置に隣接して位置決めされると、カテーテルをステントに対して引き抜くことによりアンシースされ、ステントが体管腔内で所定の直径まで拡張することが可能になり、それにより、バルーンからの支援を必要とすることなしに、血管の内壁に係合する。
自己拡張型ステントは、送達カテーテルから解放され次第拡張するように付勢されてもよく、および/または、自己拡張型ステントは、所定の状況にさらされ次第ステントが拡張することを可能にする形状記憶構成要素を含んでもよい。一部のステントは、自己拡張型およびバルーン拡張型の両方のステントのいくつかの特徴を有する複合型ステントとして特徴付けられ得る。いずれの構成でも、身体内の標的位置まで送達されると、拡張したステントは、開かれて邪魔のない状態に血管を維持しながら、血管壁を支持しかつ補強する。
動脈瘤の頸部のブリッジング、または動脈瘤もしくは血管からの血流の分流などの一部の医療用途では、標的位置における自己拡張型ステントまたは管状インプラントの正確な植込みが必要とされる。一部のインプラント送達システムは、送達カテーテルの遠位端部先端に放射線不透過性マーカ(radio-opaque marker)を含み、そのため、医師は、蛍光透視撮像システムを活用して、ステントが送達カテーテルの遠位端部先端から外へ送達されたときの管状インプラントの遠位ランディングを推定することができる。しかし、折り畳まれた自己拡張型ステントまたは管状インプラントは、通常、送達カテーテル内に閉じ込められているときに、その植込み長さ(implanted length)よりも大きな送達長さ(delivery length)を有し、ステントまたはインプラントが植込み構成において拡張されたときに、植え込まれたステントまたは管状インプラントの近位端部の近位ランディングを医師が推定することを困難にする。したがって、失敗の危険性および医療処置期間の増大があり得るか、または、例えば所望に応じて動脈瘤の頸部を正確にブリッジするかもしくは血流を血管から分流させるために標的位置内にステントもしくは管状インプラントを送達するのが失敗する可能性が少なくともある。したがって、標的位置におけるインプラントのより正確な送達および位置決めを実現する自己拡張型管状インプラントを送達するための送達システムを提供することが、今なお必要とされている。
開示される発明の1つの実施形態では、体管腔内の標的位置へ管状インプラントを送達する方法が提供され、管状インプラントは、径方向に折り畳まれた送達構成にあるときの送達長さと、径方向に拡張された植込み構成にあるときの送達長さよりも短い短縮長さとを有する。言い換えれば、径方向に折り畳まれた管状インプラントは、径方向に拡張するときに長さが短くなり、短縮として一般に知られている特徴である。管状インプラントの短縮量は、管状インプラントの径方向拡張量に依存し、径方向拡張量は、その中で管状インプラントが拡張する体管腔の直径(または他の側方寸法)に依存する。例えば、より小径の体管腔においては、管状インプラントは、より大径の体管腔におけるよりも少ない量だけ径方向に拡張し、また、管状インプラントは、より大径の体管腔におけるよりも少ない量だけ短縮する。多くの場合、体管腔の直径は、植え込まれる管状部材の長さに沿って変化し、その場合、管状インプラントの複数の部分の短縮量は、植え込まれる管状部材の長さに沿って変化することになる。例えば、体管腔内のランディング位置の遠位部分が大きな直径を有し、体管腔内のランディング位置の近位部分がより小さな直径を有する場合、設置される管状部材の遠位部分は、管状部材の近位部分よりも多く短縮することになる。
体管腔の直径に基づいて変化する管状インプラントの短縮量により、いくつかの問題、および、体管腔の様々な直径が生じる。一例として、体管腔の様々な直径により、その拡張した植込み構成における管状インプラントの完全な短縮長さを正確に決定することは、非常に困難である。その拡張した植込み構成における管状インプラントの完全な短縮長さを決定することは、管状インプラントの全植込み長さに沿った体管腔の断面を正確に測定し、次いで全植込み長さの断面に沿った管状インプラントの各部分においてどのくらいの量の短縮が起こるかを判定することを必要とする。さらに、たとえこの測定が行われ得る場合でも、管状インプラントは送達カテーテルから位置決めおよび送達されるので、管状インプラントの位置の変化、および、完全な植込み長さを決定するために使用される断面の最初の測定からの体管腔の断面の変化が起こり得る。したがって、医師は、インプラントが送達カテーテルから体管腔内へ完全にまたは実質的に完全に解放された時点で、管状インプラントの最終近位部分の位置が管状インプラントの近位端部の標的近位ランディング位置からずれていることに気付く場合がある。例えば、医師は、植込みを可視化するために蛍光透視撮像システムを使用して、管状インプラントの近位部分の位置が臨床的に望ましくないことに気付くことができる。位置は、治療される動脈瘤全体を近位部分がカバーし損なうこと、または、近位部分が屈曲部に付着し、そのことが血栓症もしくは卒中を生じさせ得ること、または、近位部分が別の血管をカバーすることなどのいくつもの理由から、臨床的に望ましくない場合がある。この場合、医師は、ステントを再位置決めすることを必要とし得る。しかし、ステントが完全にまたはほぼ完全に植え込まれると、ステントを再位置決めすることは非常に困難であり得る。例えば、送達カテーテルは、管状部材を送達カテーテル内にリシースすることができない引返し限界点(point-of-no-return)を越えて送達カテーテルがステントから除去される場合がある。これは、仮にステントを再位置決めすることができるとしても、ステントを再位置決めするプロセスを著しく複雑にする。
本発明は、管状インプラントの最終近位部分のランディング位置のより正確な判定を可能にする、改良されたインプラント送達システムおよび使用方法を対象とする。短縮管状インプラントを植え込むための改良された送達システムおよび方法は、決定展開長さ(detaermined deployed length)(すなわち、短縮長さ)の管状インプラントの最終近位部分がなおも送達カテーテルから展開されずに残っているときにそのことを示すために、特別に設置されたマーカを使用する。限定的ではない例として、管状インプラントは、その径方向に折り畳まれた送達構成において120mmの完全送達長さを有し得る。決定展開長さの長さは、管状インプラントの近位部分の標的近位ランディング位置における体管腔の断面に基づいて決定される。一例として、断面は、可視化、体管腔のタイプおよび体内での位置に基づく推定、等のような任意の適切な技法を使用して計測され得る。次いで、決定展開長さは、管状インプラントの特徴および体管腔の断面に基づいて算出され得る。1つの例として、最終近位部分は、径方向に折り畳まれた送達構成において9.5mmであり、かつ、標的近位ランディング位置における5mmの決定展開長さを有し得る。以下でより詳細に説明するように、マーカは、送達カテーテルから展開されずに残っている決定展開長さ(この例では5mm)が存在するポイントまで送達カテーテルが引き抜かれたときにそのことを示すために、デバイス上に設置される。言い換えれば、径方向に折り畳まれた送達構成における管状インプラントのうちの9.5mmが、送達カテーテル内に残っている。このようにして、医師は、植え込まれる管状インプラントの最後の5mmが体管腔内で付着することになる場所を(可視化などによって)確認することができる。改良されたシステムおよび方法は、管状インプラントのうちのより短い近位部分のみの長さを決定するので、最終近位部分の位置の判定は、従来のシステムおよび方法の場合よりもはるかに正確である。このことは、短縮管状インプラントの全長の決定の不正確さをもたらす血管の先細り、動脈瘤頸部長さ、インプラントの負荷、および他の要因の影響を軽減するかまたは排除することすらある。
したがって、本発明の1つの実施形態は、体管腔内の標的位置へ管状インプラントを送達するための方法を対象とする。管状インプラントは、径方向に折り畳まれた送達構成にあるときの送達長さと、径方向に拡張した植込み構成にあるときの送達長さよりも短い短縮長さとを有する。インプラント送達システムは、折り畳まれた送達構成で送達カテーテル内に配置される管状インプラントを備える。インプラント送達システムは、体管腔に挿入されて、管状インプラントの遠位端部が管状インプラントの遠位端部のための標的遠位ランディング位置に隣接するまで、前進させられる。
次いで、送達カテーテルは、管状インプラントを体管腔内へ送達するために引き抜かれる。送達カテーテルは、送達カテーテルの遠位端部上に配置された第1のマーカがインプラント送達システム上に設置された第2のマーカに到達するまで、引き抜かれる。例えば、送達カテーテルが引き抜かれるにつれて第1のマーカが第2のマーカに対して移動するように、第1のマーカは、送達カテーテルの遠位端部上に配置されてもよく、第2のマーカは、インプラント送達システム上に(例えば、管状インプラントまたは送達ワイヤ上に)配置されてもよい。特定の実施形態では、第1のマーカは、単一の小さな放射線不透過性マーカであり得る。他の実施形態では、第1のマーカは、細長い放射線不透過性マーカおよび放射線不透過性コイルであり得る。
第1および第2のマーカは、第1のマーカが第2のマークに到達したときに管状インプラントの最終近位部分が送達カテーテルから展開されずに残っているように、それぞれ位置決めされる。最終近位部分は、決定展開長さを有し、この決定展開長さは、管状インプラントの近位部分のための標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面に対応する、その径方向に拡張した構成における最終近位部分の短縮長さである。言い換えれば、第1および第2のマーカは、最終近位部分のための標的近位ランディング位置の断面における最終近位部分の径方向拡張の量に基づいて、管状インプラントのうちの既知の短縮長さが体管腔内に展開されずに残っているときに、そのことを示す。
最終近位部分の短縮長さは、様々な方法で決定され得る。1つの例として、体管腔の近位ランディング位置の断面は、画像化、ゲージ、などによる任意の適切な手段を使用して計測され得る。断面は、平均値、可変プロファイル、または他の適切な計測値であってもよい。次いで、その径方向に拡張した構成における最終近位部分の短縮長さは、測定された断面に基づいて算出または決定され得る。
方法の別の態様では、インプラント送達システムはまた、インプラント送達システム上に配置されたリシースマーカ(re-sheath marker)を含み得る。リシースマーカは、第1のマーカがリシースマーカに到達するポイントまで送達カテーテルが引き抜かれたときに、カテーテルを遠位に前進させて管状インプラントを送達カテーテル内にリシースすることができない位置である近位に引き抜かれた送達カテーテルの位置をリシースマーカが示すように、位置決めされる。
方法のさらに別の態様では、第2のマーカは、インプラント送達システムに沿ってリシースマーカから遠位に設置され得る。これは、既知の展開長さが残っているように送達カテーテルを引き抜いて管状インプラントの最終近位部分まで管状インプラントを展開できることを確実にし、管状部材は、送達カテーテルを管状部材上で遠位に前進させることにより、依然としてリシースすることができる。それにより、医師は、最終近位部分のランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定することが可能となり、また、望ましくない場合には、体管腔内でインプラント送達システムをリシースして再位置決めすることが可能となる。
さらに別の態様では、方法は、標的近位ランディング位置における体管腔の断面を測定し、次いで、所定展開長さを提供するために、測定された断面に基づいてインプラント送達システムに長手方向に沿って第2のマーカを設置することをさらに含む。この場合、第2のマーカの位置は、管状インプラントの最終近位部分の決定展開長さを調節しかつ設定するために、調節可能である。
別の態様では、方法は、第1のマーカが第2のマーカに到達するように送達カテーテルが引き抜かれた時点で体管腔内の第1のマーカの位置を確認すること、および、第1のマーカの確認された位置と送達カテーテルから展開されずに残っている管状インプラントの近位部分の所定展開長さとに基づいて管状インプラントの近位部分の近位ランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定することを、さらに含む。
さらに別の態様では、方法は、第1のマーカの確認された位置と送達カテーテルから展開されずに残っている管状インプラントの近位部分の所定展開長さとに基づいて管状インプラントの近位部分の近位ランディング位置が臨床的に望ましくないことを判定することをさらに含む。次いで、管状インプラントを送達カテーテル内に完全にリシースするために、送達カテーテルを遠位に前進させる。さらに別の態様では、インプラント送達システムは、管状インプラントが送達カテーテル内に完全にリシースされた状態で、新たな位置に再位置決めされ得る。新たな位置に再位置決めされると、説明された管状インプラントを展開するための手順、近位ランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定するための手順、管状インプラントをリシースするための手順、および/またはインプラント送達システムを再位置決めする手順は、臨床的に望ましい位置において管状インプラントを展開するのに必要とされる回数だけ繰り返され得る。
方法の別の態様では、インプラント送達システムは、送達カテーテル内に摺動可能に配置された送達ワイヤ(例えば、プッシャワイヤ)をさらに含み得る。管状インプラントは、送達カテーテルが送達ワイヤに対して近位に引き抜かれたときに送達カテーテルの開口端部から体管腔内に展開するように、送達ワイヤ上に取り付けられ得る。別の態様では、第2のマーカは、送達ワイヤ上に取り付けられ得る。
方法のさらなる態様では、管状インプラントは、ステントまたは血液分流器のうちの一方を含み得る。
さらに別の態様では、管状インプラントは、自己拡張型であり得る。あるいは、管状インプラントは、インプラント送達システム上に配置されたバルーンシステムによって拡張され得る。
開示される発明の別の実施形態によれば、体管腔内に管状インプラントを植え込むためのインプラント送達システムが提供される。システムは、管腔、近位端部、および開口遠位端部を有する細長い管状部材を備える送達カテーテルを含む。第1のマーカが、送達カテーテルの遠位端部上に配置される。管状インプラントが、管状部材の管腔内に配置される。管状インプラントは、送達カテーテル内での折り畳まれた送達構成における送達長さと、送達カテーテル外に解放されたときの径方向に拡張した植込み構成における短縮長さとを有する。
送達ワイヤが、送達カテーテル内に摺動可能に配置され、管状インプラントは、送達カテーテルの開口端部を通り抜ける送達のために、送達ワイヤに分離可能に結合される。第2のマーカが、送達ワイヤまたは管状インプラントのうちの一方に設置される。第2のマーカは、第2のマーカの位置から管状インプラントの近位端部まで延在する管状インプラントの最終近位部分がその径方向に拡張され短縮された構成において管状インプラントの最終近位部分のための標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面に対応する決定展開長さを有するように、位置決めされる。上記の方法と同様に、第1および第2のマーカは、最終近位部分のための標的近位ランディング位置の断面における最終近位部分の径方向拡張の量に基づいて、管状インプラントの既知の短縮長さが体管腔内に展開されずに残っているときにそのことを示す。
別の態様では、インプラント送達システムは、インプラント送達システム上に配置されたリシースマーカをさらに備えることができ、その結果、送達シースを管状インプラントから引き抜くと、第1のマーカが送達シースと一緒にリシースマーカに対して移動する。リシースマーカは、第1のマーカがリシースマーカに到達するポイントまで送達カテーテルが引き抜かれたときに、カテーテルを遠位に前進させて管状インプラントを送達カテーテル内にリシースすることができない位置である近位に引き抜かれた送達カテーテルの位置をリシースマーカが示すように、位置決めされる。
さらに別の態様では、第2のマーカは、インプラント送達システムに沿ってリシースマーカから遠位に設置され得る。これは、既知の展開長さが残っているように送達カテーテルを引き抜いて管状インプラントの最終近位部分まで管状インプラントを展開できることを確実にし、管状部材は、送達カテーテルを管状部材上で遠位に前進させることに、依然としてリシースすることができる。それにより、医師は、最終近位部分のランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定することが可能になり、また、望ましくない場合には、体管腔内でインプラント送達システムをリシースして再位置決めすることが可能になる。
別の態様では、第2のマーカは、管状インプラントの近位部分の決定展開長さを提供するために、標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面に基づいて、インプラント送達システムに長手方向に沿って設置され得る。
さらに別の態様では、標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面は、標的近位ランディング位置における体管腔の一部分に沿った体管腔の平均直径であり得る。断面は、体管腔の平均値、可変プロファイル、または他の適切な計測値であってもよい。次いで、径方向に拡張した構成における最終近位部分の短縮長さは、測定された断面に基づいて算出または決定される。別の態様では、標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面は、標的近位ランディング位置における体管腔の断面の計測に基づき得る。例えば、体管腔の近位ランディング位置の断面は、画像化、ゲージなどによる任意の適切な手段を使用して計測され得る。代替的な態様では、標的近位ランディング位置における体管腔の測定された断面は、体管腔の標準的な断面を使用した概算に基づき得る。
さらに別の態様では、第2のマーカは、最終近位部分の決定展開長さを設定するために調節され得るように、送達ワイヤまたは管状インプラント上に調節可能に設置可能であり得る。
さらに別の態様では、第2のマーカは、送達ワイヤ上に取り付けられ得る。代替的な態様では、第2のマーカは、管状インプラント上に配置され得る。
さらに別の態様では、管状インプラントは、ステントまたは血液分流器であり得る。システムのさらに別の態様では、管状インプラントは、自己拡張型であり得る。あるいは、管状インプラントは、インプラント送達システム上に配置されたバルーンシステムによって拡張され得る。
本発明の別の実施形態は、管状インプラントを植え込むためのインプラント送達システムのセットが利用可能とされるシステムおよび方法を対象とし、このセットでは、各送達システムが、体管腔における近位ランディング位置の異なる断面のために構成される。臨床医は、近位ランディング位置の断面を測定し、次いで、その断面のために構成されたインプラント送達システムを選択することができる。したがって、それぞれの送達システムが体管腔の近位ランディング位置の異なる断面(すなわち、断面直径)のために構成されている複数の送達システムを含むインプラント送達システムの選択が、利用可能とされる。近位部分マーカの軸方向位置が、体管腔の近位ランディング位置の所与の断面に対する最終近位部分の所定展開長さを提供するために、各それぞれの送達システム上で設定される。例えば、インプラント送達システムのセットが、種々の異なる断面(例えば、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、など)に対して一貫した所定展開長さ(例えば、5mm)を提供するように構成され得る。
複数のインプラント送達システムのセットからインプラント送達システムを選択しかつ使用する方法は、以下の通りである。最初に、体管腔の近位ランディング位置の断面が測定される。次いで、臨床医は、測定された断面に最も良く対応する適切なインプラント送達システムをセットから選択する。次いで、上記で説明したのと同じ方法に従って、選択されたインプラント送達システムが使用される。
本発明のさらに別の実施形態は、管状インプラントが体管腔の近位ランディング位置の様々な範囲の断面に対して使用されるように構成されている、管状インプラントを植え込むための医療用組立体を対象とする。この医療用組立体は、単一の近位部分マーカの代わりに第1の近位部分マーカおよび第2の近位部分マーカの2つの近位部分マーカを有する管状インプラントを有する送達システムを含むことを除けば、上記で説明された医療用組立体に非常に似ている。2つの近位部分マーカは、体管腔の近位ランディング位置の様々な範囲の断面に対して所定展開長さを提供するために、軸方向に位置決めされる。第1の近位部分マーカおよび第2の近位部分マーカ55bは、マーカを互いに視覚的に区別するために、異なる形状または異なる放射線不透過性標識を有し得る。第1の近位部分マーカおよび第2の近位マーカは、第1の近位部分マーカが第2の近位マーカの軸方向遠位に位置決めされるなど、管状インプラント上の異なる軸方向位置に位置決めされる。一例として、第1の近位部分マーカは、近位ランディング位置の第1の断面(例えば、4.0mm)において所定展開長さ(例えば、5.0mm)を提供することができ、第2の近位部分マーカは、第1の断面未満の第2の断面(例えば、3.5mm)において所定展開長さ(例えば、5.0mm)を提供することができる。したがって、送達システムは、第1の断面から第2の断面までの範囲(例えば、3.5mmから4.0mmまで)に対して公称所定展開長さ(例えば、5.0mm)を提供する。
さらに別の実施形態では、様々な範囲の断面に対するインプラント送達システムの選択が、上記で説明されたインプラント送達システムの選択と同様に提供され得る。複数の送達システムのセット内の送達システムのそれぞれは、体管腔の近位ランディング位置の様々な範囲の断面(すなわち、様々な範囲の断面直径)のために構成される。このようにして、2つの近位部分マーカの軸方向位置は、体管腔の近位ランディング位置の所与の断面の範囲に対する所定展開長さを提供するように、各それぞれの送達システム上に設定される。例えば、インプラント送達システムのセットが、3.0~3.5mm、3.5~4.0mm、4.0mm~4.5mm、4.5mm~5.0mm、5.0~5.5mm等の断面直径のような種々の異なる断面の範囲に対して所定展開長さ(例えば、5mm)を提供するように構成され得る。
複数の遠距離インプラント送達システム(ranged implant delivery system)のセットからインプラント送達システム102を選択しかつ使用する方法は、以下の通りである。最初に、体管腔の近位ランディング位置の断面が測定される。次いで、臨床医は、遠距離インプラント送達システムのセットから、測定された断面を含むかまたは包含する距離範囲を有するものを選択する。次いで、上記で説明されたのと同じ方法に従う、選択された遠距離インプラント送達システム。
図1は、開示される発明の1つの実施形態による、管状インプラントを送達するためのインプラント送達システムを含む医療用組立体の側面図である。 図2Aおよび2Bは、図1のインプラント送達システムを使用して管状インプラントを送達カテーテルから体管腔の標的部位内に展開する方法を示す、図1のインプラント送達システムの部分断面図である。 図3A~3Eは、図1のインプラント送達システムを使用して管状インプラントを患者の標的部位内へ送達する方法の断面図である。 図4は、開示される発明の別の実施形態による、管状インプラントを送達するための遠距離インプラント送達システムを含む医療用組立体の側面図である。 図5Aおよび5Bは、図1のインプラント送達システムを使用して管状インプラントを送達カテーテルから体管腔の標的部位内に展開する方法を示す、図4の遠距離インプラント送達システムの部分断面図である。 図6は、開示される発明のさらに別の実施形態による、管状インプラントを送達するためのインプラント送達システムを含む医療用組立体の側面図である。 図7Aおよび7Bは、図6のインプラント送達システムを使用して管状インプラントを送達カテーテルから体管腔の標的部位内に展開する方法を示す、図6のインプラント送達システムの部分断面図である。
以下の定義される用語に対して、特許請求の範囲においてまたは本明細書の他の部分において異なる定義が記載されていない限り、これらの定義が適用される。
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているかどうかを問わず「約」という用語によって修飾されるものと見なされる。「約」という用語は一般に、記載された値と同等である(すなわち、同じ機能または結果を有する)と当業者が考えるであろう数字の範囲を意味する。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められる数字を含み得る。端点による数値範囲の記載は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、および「the」は、そうでないことを内容が明確に示していない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において、「または」という用語は一般に、そうでないことを内容が明確に示していない限り、「および/または」を含むその意味で用いられる。
以下、図を参照しながら、開示される発明の種々の実施形態を説明する。図は必ずしも一定の縮尺で描かれているものではなく、選択要素の相対的な縮尺は、明瞭さのために強調されている場合があり、また、類似の構造または機能の要素は、図にわたって同様の参照番号によって表される。図は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図されており、本発明の包括的な説明として、または、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定められる本発明の範囲の制限として意図されていないことも、理解されるべきである。さらに、開示される発明の例示される実施形態は、示された態様または利点を全て有する必要はない。開示される発明の特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されるものではなく、たとえそのように示されていなくとも任意の他の実施形態において実践され得る。
図1を参照すると、開示される発明の1つの実施形態による、患者の標的部位内へ拡張型管状インプラント20を送達するための医療用組立体10の側面図が示されている。医療用組立体10は、インプラント送達システム12に分離可能に結合されるステントまたは分流器などの管状インプラント20を有する送達システム12を含む。送達システム12および管状インプラント20は、ポリエチレン、ステンレス鋼、もしくは他の適切な生体適合性材料またはその組み合わせなどの、適切なポリマー材料、金属、および/または合金で構成され得る。
送達システム12は、血管構造の遠隔位置に到達する寸法となされ、かつ、血管内の閉塞、動脈瘤頸部に隣接した血管内、分岐した血管、等のような患者の身体内の標的位置へ管状インプラント20を送達するように構成される。送達システム12は送達構成を含み、この送達構成では、管状インプラント20は、径方向に拘束されかつ折り畳まれた構成にあり、完全送達長さL1を有する(図1、図3A~B参照)。送達システム12は展開構成をさらに含み、この展開構成では、管状インプラント20は、送達システム12の外へ展開されたときに展開構成に拡張され、以下でより詳細に説明される送達長さL1よりも短い完全植込み長さL2(図2、図3A)を有する。
管状インプラント20は、近位端部22、遠位端部24を有しかつそれらの間に延在する内腔26を画定する、管状弾性部材を含む。管状インプラント20は、送達カテーテル40による拘束された送達構成から、送達カテーテル40の外へ解放されたときの径方向に拡張した植込み構成に拡張するように付勢される。径方向に拡張した植込み構成に拡張すると、管状部材20は短縮する。言い換えれば、径方向に拘束されかつ折り畳まれた構成において管状インプラント20がカテーテル40内に拘束されているときに、管状インプラント20の送達長さL1(図1、図3A~B)は、植込み長さL2(図2、図3A)よりも長い。管状インプラント20は、送達システム12から解放されると径方向外方に広がるように付勢される。
管状インプラント20は、ステンレス鋼、エルジロイ、ニッケル、チタン、ニチノール、形状記憶ポリマー、またはそれらの組み合わせなどの種々の材料から構成され得る。管状インプラント20はまた、同様に種々の方法で形成され得る。例えば、管状インプラント20は、ステント材料の管またはシートからパターンをエッチングまたは切断することによって形成され得る。ステント材料のシートは、所望のステントパターンに従って切断またはエッチングされてもよく、それから、シートは、所望の実質的に管状の形状、分岐した形状、もしくは他の形状に巻かれるかまたは他の方法でそのような形状に形成されてもよい。管状インプラント20の場合、ステント材料の1つまたは複数のワイヤまたはリボンが、所望の形状およびパターンに織られるか、編まれるか、または他の方法で形成され得る。管状インプラント20は、互いに溶接されるか接着されるかまたは他の方法で係合される、さらなる構成要素を含み得る。管状インプラント20は、例えば管状インプラント20が血液分流器として使用されるときに、非多孔性で非透過性の生体適合性材料のカバーなどを含み得る。
送達システム12は、近位端部分42と、開口遠位端部46を含む遠位端部分44と、近位端部分42と遠位端部分44との間に延在する送達管腔48とを有する、送達カテーテル40を含む。送達システム12はまた、送達カテーテル40の送達管腔48内に摺動可能に配置されたプッシャ部材30を含み得る。プッシャ部材30は、近位端部分32、遠位端部分34、および、それらの間に延在するガイドワイヤ管腔36を有する。管状インプラント20は、送達カテーテル40の開口遠位端部先端46の外へ管状インプラント20を展開するために送達カテーテル40が近位に移動されるときにプッシャ部材30が管状インプラント20の近位への移動を防ぐことができるように、すなわち、以下でより詳細に説明されるように、インプラント20の遠位端部24が血管90)内でおおよそ同じ位置に留まっている間に管状インプラント20をアンシースするように(図3B~D)、送達カテーテル40内に配置され、かつ、プッシャ部材30の遠位に配置される。
あるいは、またはさらに、プッシャ部材30の遠位端部分34は、送達カテーテル40の遠位端部先端46の外へ管状インプラント20を展開するための膨張可能バルーン、解放可能かみ合い幾何形状、機械的締付け具、もしくは電気分解により作動される解放機構などまたはそれらの組み合わせのような機械式分離インタフェースを含むアクチュエータ85を備え得る(図示せず)。アクチュエータ85がバルーンを含む場合、バルーンは、膨張および収縮のためにガイドワイヤ管腔36と流体連通する。膨張源および/または真空源(図示せず)が、流体および/または気体をバルーンまたは送達カテーテル40の遠位端部先端46に送達し、また、流体および/または気体をバルーンまたは送達カテーテル40の遠端部先端46から引き抜くために、ガイドワイヤ管腔36に流体的に結合される。
管状インプラント送達システム12は、送達カテーテル40の送達管腔48と流体連通しているサイドアームアダプタ14、および、プッシャ部材30のガイドワイヤ管腔36と流体連通しているサイドアームアダプタ16を含む。サイドアームアダプタ14および16は、注射器、流体源および/または真空源(図示せず)に結合されるように構成されている。送達カテーテル40は、約50~300cm、典型的には約60~200cmの全長を有し得る。送達カテーテル40は、標的部位における所望の治療のために血管または体管腔90にアクセスするように構成される。例えば、標的部位は、2~5mmの内径を有する小径の血管内に位置し、かつ、急な血管の旋回および複数の血管の分岐を伴い得る曲がりくねった血管経路を経由してアクセス可能であり得る。そのような場合、送達システム12、特に送達カテーテル40は、適切に小径でありかつ可撓性の構成を有する。
さらに、送達システム12はまた、近位部分82および遠位部分84を有するガイドワイヤ80を含み得る。一般に、近位部分82は、ガイドワイヤ80を患者の血管系に通して前進させるのに十分な押し込み性(pushability)を有するように、ガイドワイヤ80の遠位部分84よりも堅い材料から形成されてもよく、一方で、遠位部分84は、血管構造の曲がりくねった領域における遠隔位置にアクセスするために、可撓性であり続けかつより容易に道を辿る、より可撓性の材料で形成されてもよい。場合によっては、ガイドワイヤ80の近位部分82は、ガイドワイヤ80の押し込み性を高めるために、編組み層またはコイル層などの補強層を含み得る。送達システム12を使用するときに、送達カテーテル40、プッシャ部材30、およびインプラント20は、前もって導入されていたガイドワイヤ80を伝って患者内へ導入される。ガイドワイヤ80は、管腔36を通って送達カテーテル40およびプッシャ部材30の全長を貫通して延在することができる(図1参照)。あるいは、ガイドワイヤ80は、いわゆる「迅速交換」送達システム(図示せず)では、送達カテーテル40およびプッシャ部材30の遠位部分のみを貫通して延在してもよい。
送達カテーテル40に戻り参照すると、送達カテーテル40の遠位部分44は、送達カテーテル40の遠位端部上に放射線不透過性の第1のマーカ52(「カテーテル遠位端部マーカ52」とも呼ばれる)を備える(図1~3E参照)。カテーテル遠位端部マーカ52は、白金、金、タングステン、もしくはそれらの合金、または他の金属などの、1つまたは複数の放射線不透過性の生体適合性材料で形成される。送達カテーテル40上のカテーテル遠位端部マーカ52はまた、管状インプラント20が送達システム12における展開準備完了位置において送達カテーテル40に装填されたときに、管状インプラント20の遠位端部24に重なるかまたは他の方法で遠位端部24の位置を示す(図1、図3A~B)。
本明細書において、「展開準備完了位置」という用語は、インプラント20がプッシャ部材30により近位に移動するのを防止されている間に送達カテーテル40をインプラント20に対して引き抜くことにより体管腔90内にインプラント20を展開する直前の、(図1に示されるように)開口遠位端部先端46に近接近しているカテーテル遠位端部分44内のインプラント20の位置を意味する。したがって、送達カテーテル40内で「展開準備完了位置」にあるときのインプラント20の遠位端部24は、送達カテーテル40の外に展開されたときに位置するであろうインプラント20の遠位端部24と同じ位置かまたは実質的に同じ位置にある。さらに、インプラント20の遠位端部24は、インプラント24の遠位端部24と送達カテーテル40の遠位マーカ52との重なりおよび位置整合を支援するように構成された放射線不透過性マーカ(図示せず)を含み得る。インプラント20は、以下で詳細に説明されるように、送達カテーテル40、プッシャ部材30、およびインプラント20が一ユニットとしてガイドワイヤ80を伝って患者内に導入される前に、送達カテーテル40内で「展開準備完了位置」に設置され得る。あるいは、送達カテーテル40は、インプラント20およびプッシャ部材30が送達カテーテル40の近位端部分42内に導入されて遠位端部分44へ押される前に、患者内に導入され得る。これらの後者の実施形態では、インプラント20の遠位端部24上の放射線不透過性マーカが、インプラント20の遠位端部24のカテーテル40の遠位端部46(および、カテーテル遠位端部マーカ52)との生体内での位置合わせを促進する。
カテーテル遠位端部マーカ52は、送達カテーテル40をインプラント20に対して引き抜くことによりインプラントが任意の時点において体管腔90内に植え込まれる場合に、管状インプラント20の遠位端部24の遠位ランディング位置を確認するために使用され得る(図1、図3B~3C)。したがって、臨床医は、撮像デバイス(例えば、蛍光透視鏡)上で体管腔90を観察し、遠位マーカ52が標的遠位ランディング位置に位置決めされるまで送達カテーテル40を操作することにより、所望の(または、「標的」)遠位ランディング位置を選択することができる。
インプラント送達システム12はまた、インプラント送達システム12上に配置された第2のマーカ54a、第3のマーカ54b、および第4のマーカ54c(まとめて「インプラントマーカ54」と呼ばれる)を含む、1つまたは複数のインプラントマーカ54を有する(図1~3)。インプラントマーカ54は、管状インプラント20上、送達ワイヤ80上、またはインプラント送達システム12の他の適切な構造上に配置され得る。インプラントマーカ54は、管状インプラント20を送達カテーテル40の開口遠位端部先端46から体管腔90内に展開するために送達カテーテル40が管状インプラント20に対して近位に移動されるときにカテーテル遠位端部マーカ52がインプラントマーカ54に対して移動するように構成される。以下の説明は、インプラントマーカ54はインプラント送達システム12の任意の適切な構造上に配置され得るという了解の下で、管状インプラント20上に配置されているものとしてインプラントマーカ54を説明する。インプラントマーカ54はまた、白金、金、タングステン、もしくはそれらの合金、または他の材料などの、1つまたは複数の放射線不透過性の生体適合性材料で形成される。
第2のマーカ54a(「最終近位部分マーカ54a」とも呼ばれる)は、管状インプラント20の最終近位部分60の遠位端部を示すために、管状インプラント20上に位置決めされる。管状インプラント20の最終近位部分60は、送達カテーテル40が管状インプラント20から最終近位部分マーカ54aの位置まで引き抜かれたときに管状インプラント20の近位部分22の近位ランディング位置62を判定するために医師によって使用され得る、管状インプラント20のより短い長さである。例えば、折り畳まれた送達構成における最終近位部分60の送達長さLPP1は、典型的には5~10mmの長さ(または、5~20mmの長さ)であり、径方向に拡張した植込み構成における最終近位部分60の植込み短縮長さLPP2は、典型的には約2~5mmの長さ(または、2~10mmの長さ)である(図1、2A、2B、3A、3B参照)。本明細書において説明されるように、最終近位部分60の短縮量は、体管腔90の最終近位部分60の近位ランディング位置62における体管腔90の断面に依存する。一例として、折り畳まれた送達構成における管状インプラント20の直径が2mmであり、かつ、近位ランディング位置62における体管腔90の断面が5mmである場合、管状インプラント20は、50%短縮し得る。本明細書において説明されるように、最終近位部分60の短縮量、したがって最終近位部分60の短縮展開長さは、体管腔90の近位ランディング位置62の断面を測定することによって決定され得る。そのような場合、10mmの送達構成長さLPP1を有する最終近位部分60に対して、体管腔90における短縮展開長さLPP2は、5mmになる。
代替的な実施形態では、最終近位部分マーカ54aは、最終近位部分の遠位端部において遠位端部を有し、かつ、遠位端部の近位にある近位端部まで軸方向に延在する、軸方向に細長いマーカ54aであり得る。例えば、最終近位部分マーカは、管状インプラント20上に配置される実線マーカであってもよく、または、最終近位部分マーカは、送達ワイヤ80上のマーカ材料の被覆であってもよい。軸方向に細長いマーカ54aは、視覚的なゲージを医師に提供するように、5mmまたは10mmなどの既知の長さを有し得る。
次に、近位ランディング位置62における最終近位部分60の短縮展開長さLPP2を決定するための方法を説明する。第1の方法では、体管腔90内の予測される近位ランディング位置62における体管腔90の実際の断面が測定される。例えば、断面は、外部の撮像システムもしくは予測される近位ランディング位置62において体管腔90に挿入される撮像カテーテルシステムを含む撮像システムまたはゲージなどによる可視化などの任意の適切な手段を使用して、計測され得る。次いで、測定された断面は、管状インプラント20の最終近位部分60の短縮送達長さLLP2を決定するために使用される。短縮送達長さLLP2は、管状インプラント20の寸法および物理的特性、管状インプラント20が展開される断面の関数としての管状インプラント20の短縮に関する経験的データによって生成された短縮チャート、などを使用して決定されてもよい。別の方法では、体管腔90内の予測される近位ランディング位置62における体管腔90の断面は、特定の体管腔の「典型的な」寸法(例えば、「標準的な」断面直径)に基づく推定値であり得る。例えば、ステント留置処置のありがちな位置である大脳動脈の一セクションの「標準的な」断面は、約4mmである。したがって、この4mmの標準的な大脳動脈断面、ならびに、管状インプラント20の寸法および特性を考慮すると、近位ランディング位置62における最終近位部分60の展開長さLPP2は、実際の計測された断面を使用するのと同じにまたは同様に決定され得る。
代替的な実施形態では、最終近位部分マーカ54aは、管状インプラント20上に調節可能に設置可能であり得る。この実施形態では、最終近位部分マーカ54aの軸方向位置は、最終近位部分60の決定展開長さに設定され得る。例えば、近位ランディング位置62における最終近位部分60の5mmの決定展開長さLPP2が存在するときにそれを可視化できることが医師にとって望ましい場合がある。体管腔90の近位ランディング位置62の断面が最初に測定され、次いで、5mmの決定展開長さに短縮することになる折り畳まれた送達構成における最終近位部分60の長さLPP1が、近位ランディング位置62の断面(ならびに、管状部材20の直径および物理的特性)に基づいて決定される。次いで、最終近位部分マーカ54aが、管状部材の近位端部22から決定長さLPP1だけ遠位に設置される。
第3のマーカ54b(「リシースマーカ54b」とも呼ばれる)は、送達カテーテルを反対方向に前進させて管状インプラント20をリシースすることができない位置である近位に引き抜かれた送達カテーテル40の位置を示すために、管状インプラント20上に位置決めされる。例えば、体管腔内の管状インプラント20のランディング位置が臨床的に望ましく内位置であるかまたは植込み処置中に何らかの他の合併症が存在することを医師が判定した場合、医師は、管状インプラントが送達カテーテル40内で折り畳まれた送達構成に戻るように送達カテーテル40を管状部材20の展開された部分上で遠位に前進させることにより、管状インプラント20を送達カテーテル40内にリシースすることができる。次いで、医師は、インプラント送達システム12を体管腔90内で再位置決めするか、または、インプラント送達システム12を患者から除去することができる。例示された実施形態に示されるように、リシースマーカ54bは、リシースマーカ54bは、最終近位部分マーカ54aから近位に位置決めされる。これは、送達カテーテル40が少なくとも最終近位部分マーカ54aまで近位に引き抜かれることを可能にし、そこで、医師は、最終近位部分60の近位ランディング位置62を判定することができ、また、近位ランディング位置62が臨床的に望ましくない場合にはインプラント送達システム12をリシースしかつ再位置決めすることができる。あるいは、リシースマーカ54bは、最終近位部分マーカ54aの遠位に位置決めされてもよく、その場合、送達カテーテル40が最終近位部分マーカ54aまで引き抜かれると、送達カテーテル40はリシースマーカ54bを越えて引き抜かれていることになるので、管状部材20をリシースすることができない。
第4のマーカ54c(「インプラント近位端部マーカ54c」とも呼ばれる)は、管状部材20の近位端部上に位置決めされる。インプラント近位端部マーカ54cは、医師が植込み処置中に管状部材20の近位端部の位置を可視化することを可能にする。
図1は、管状インプラント20が折り畳まれた送達構成にあって送達カテーテル30の送達管腔48内に完全に挿入されている、展開準備完了構成におけるインプラント送達システム12を示す。管状インプラント20の遠位端部24は、カテーテル遠位端部マーカ52と軸方向に位置合わせされる(管状インプラント20がインプラント遠位端部マーカを有する場合には、インプラント遠位端部マーカはカテーテル遠位端部マーカ52と軸方向に位置合わせされる)。
次に、図2Aおよび2Bを参照しながら、医療用システム10およびインプラント送達システム12を使用して管状インプラント20を体管腔90内に植え込む方法を説明する。図2Aは、送達カテーテル40が部分的に軸方向に引き抜かれており、それにより管状部材20の遠位部分24を展開している、図1のインプラント送達システム12を示す。したがって、管状部材20の遠位部分24は、径方向に拡張した植込み構成にある。患者の血管構造領域へのアクセスを得た後、送達カテーテル40、その中に挿入された管状インプラント、およびプッシャ部材30は、体管腔90内に前もって挿入されていたガイドワイヤ80を伝って患者内に導入される。送達カテーテル40は、カテーテル遠位端部マーカ52が例えば動脈瘤92の頸部94を越えて管状インプラント20のための標的遠位ランディング位置64に隣接して位置するまで、前進させられる。次いで、臨床医は、管状部材20が送達カテーテル40の開口遠位端部46の外に展開されるように、プッシャ部材30が管状部材20を所定の位置に保持している間に、送達カテーテル40を引き抜く。図1および2Bに示されるように、拡張した植込み構成における管状インプラント20の実際の完全植込み長さL2は、径方向に拘束され折り畳まれた構成における完全送達長さL1よりも短い。図2Aでは、送達カテーテル40は、カテーテル遠位端部マーカ52が最終近位部分マーカ54aに到達するポイントまで引き抜かれており、その結果、管状部材20の最終近位部分60のみが、送達カテーテル40から展開されずに残っている。送達カテーテル40のこの位置では、最終近位部分60は、最終近位部分マーカ54aから(また、カテーテル遠位端部マーカ52から)近位方向に決定短縮展開長さLPP2だけ延在することになることが、知られている。したがって、臨床医は、管状インプラント20の最終近位部分60の実際の近位ランディング位置62を可視化することができる。臨床医は、管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいかどうかを判定することができる。図2Aに見られるように、送達カテーテル40は、リシースマーカ54bの遠位に残っているカテーテル遠位端部マーカ52によって示されるように、管状インプラント20がリシースされ得るポイントを越えてはまだ引き抜かれていない。管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましくないと臨床医が判定した場合、臨床医は、プッシャ部材30を使用して管状インプラント20を送達カテーテル40に対して所定の位置に保持しながら送達カテーテル40を遠位に前進させることにより、管状インプラント20をリシースすることができる。管状インプラント20が完全にリシースされると(すなわち、カテーテル遠位端部マーカ52が管状インプラント20の24の遠位端部に隣接するまで送達カテーテル40が前進させられて、管状インプラント20が再び径方向に拘束され折り畳まれた構成になると、臨床医は、インプラント送達システム12を再位置決めすることができる。管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいと判定された場合、臨床医は、管状インプラント20の最終近位部分60を展開するために送達カテーテル40を引き続き引き抜くことができる。
図2Bは、インプラント送達システム12を示し、送達カテーテル40は、完全に軸方向に引き抜かれることにより管状部材20全体を展開しており、その結果、最終近位部分60もまた、体管腔90内に展開され、かつ、径方向に拡張した植込み構成にあり、また、最終近位部分60は、今や決定展開長さLPP2まで短縮している。管状インプラント20はまた、管状部材20を分離するためのアクチュエータ85を使用することなどにより、プッシャ部材30から分離される。
図3A~3Eに目を向けると、送達システム12を使用して体管腔90内の標的部位へインプラントを送達するために医療用システム10およびインプラント送達システム12を使用する方法。本明細書において説明されるように、管状部材20の最終近位部分60の短縮長さLPP2が決定されるか、または設定される。これは、以下で説明されるように、植え込まれた管状部材20の最終近位部分の近位ランディング位置62を臨床医が正確に判定することを可能にする。
最初に、ガイドワイヤ80は、ガイドワイヤ80の遠位端部84が体管腔の標的遠位ランディング位置64の遠位に位置するように、患者の血管構造領域を通して前進させられて、体管腔90内の管状インプラント20のための所望のランディング位置に沿って位置決めされる。図3Aに示されるように、その径方向に拘束され折り畳まれた構成において送達管腔48内に装填された管状インプラント20を有する送達カテーテル40は、体管腔90内に挿入される。管状インプラント20は、管状部材20の遠位端部24がカテーテル遠位端部マーカ52に隣接するように、送達カテーテル40内に完全に挿入される。送達カテーテル50および管状インプラント20は、ガイドワイヤ80がプッシャ部材30のガイドワイヤ管腔36内に位置決めされた状態で、ガイドワイヤ80を伝って体管腔90内へ前進させられる。
図3Bに示されるように、インプラント送達システム12は、管状インプラント20の遠位端部24の位置が体管腔90内に植え込まれたときの管状インプラント20の遠位端部24のための標的遠位ランディング位置64に隣接して位置決めされたことをカテーテル遠位端部マーカ52が示すまで、前進させられる。臨床医は、適切な撮像システムを使用して、カテーテル遠位端部マーカ52の位置を可視化することができる。
図3Cに示されるように、送達カテーテル40は、プッシャ部材30に対して近位に引き抜かれ、それにより、インプラント20の遠位端部24が実質的に標的遠位ランディング位置64と同じ位置に留まるように、管状インプラント20を送達カテーテル40の開口遠位端部46から体管腔90内へ送達する。管状インプラント20は、送達カテーテル40の外へ送達されると、径方向外方に拡張し、かつ、短縮する。
図3Dに示されるように、送達カテーテル40は、管状部材20の最終近位部分60のみが送達カテーテル40から展開されずに残っているように、カテーテル遠位端部マーカ52が最終近位部分マーカ54aに到達するポイントまでプッシャ部分30に対して引き続き引き抜かれる。送達カテーテル40のこの位置では、最終近位部分60は送達カテーテル40の外へ展開すると最終近位部分マーカ54aから(また、カテーテル遠位端部マーカ52から)近位方向に決定短縮展開長さLPP2だけ延在することが知られている。したがって、臨床医は、管状インプラント20の最終近位部分60の実際の近位ランディング位置62を可視化することができる。臨床医は、管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいかどうかを判定することができる。
やはり図3Dに示されるように、送達カテーテル40はまだ、管状インプラント20がリシースされ得るポイントを越えて引き抜かれておらず、これは、カテーテル遠位端部マーカ52が依然としてリシースマーカ54bの遠位にあることによって示される。
図3Dの位置にある送達カテーテル40により、臨床医は、体管腔90内の管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいかどうかを判定する。最終近位部分60の短縮展開長さLPP2は分かっているので、臨床医は、体管腔90内の管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62を可視化することができる。
臨床医が体管腔90内の管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62を測定すると、次いで、臨床医は、プッシャ部材30を使用して管状インプラント20を送達カテーテル40に対して所定の位置に保持している間に送達カテーテル40を遠位に前進させることにより、管状インプラント20をリシースすることができる。管状インプラント20が完全にリシースされて(すなわち、カテーテル遠位端部マーカ52が管状インプラント20の24の遠位端部に隣接するまで送達カテーテル40が前進させられて)、管状インプラント20が再び径方向に拘束され折り畳まれた構成になると、臨床医は、インプラント送達システム12を再位置決めするか、または、インプラント送達システム12を除去して処置を再スタートすることすらできる。
図3Eに示されるように、管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいと判定された場合、臨床医は、管状インプラント20の最終近位部分60を展開するために、引き続き送達カテーテル40をプッシャ部材30に対して引き抜く。送達カテーテル40は、最終近位部分60も体管腔90内に展開されるように、管状インプラント20から完全に引き抜かれる。最終近位部分60は、決定展開長さLPP2まで短縮するように、径方向に拡張した植込み構成に拡張する。次いで、やはり図3Eに示されるように、管状インプラント20は、管状部材20を分離するためのアクチュエータ85を使用することなどにより、プッシャ部材30から分離される。管状部材20は、今や体管腔90内に完全に植え込まれている。インプラント送達システム12の残りの部分は、体管腔90内に植え込まれた管状部材を残して、体管腔90から完全に引き抜かれ得る。
さらに別の実施形態では、送達システム12のそれぞれが体管腔90の近位ランディング位置62の異なる断面(すなわち、断面直径)のために構成されている複数の送達システム12を含むインプラント送達システム12の選択が提供される。近位部分マーカ54aの軸方向位置は、体管腔90の近位ランディング位置62の所与の断面に対する最終近位部分60の所定展開長さLPP2を提供するように、各それぞれの送達システム12上で設定される。例えば、インプラント送達システム12のセットが、3.0mm、3.5mm、4.0mm、4.5mm、5.0mm、などの断面直径のような種々の異なる断面に対して5mmの所定展開長さLPP2を提供するように構成され得る。言い換えれば、セットは、3.0mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた近位部分マーカ54aを有する、3.0mmの断面直径のための第1のインプラント送達システム12、3.5mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた近位部分マーカ54aを有する、3.5mmの断面直径のための第2のインプラント送達システム12、4.0mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた近位部分マーカ54aを有する、4.0mmの断面直径のための第3のインプラント送達システム12、等を含む。
複数のインプラント送達システム12のセットからインプラント送達システム12を選択して使用する方法は、以下の通りである。最初に、体管腔90の近位ランディング位置62の断面が測定される。次いで、臨床医は、測定された断面に最も良く対応するインプラント送達システム12をセットから1つ選択する。例えば、測定された断面が4.0mmである場合、4.0mmのインプラント送達システム12が選択される。次いで、図3A~3Eに関連して上記で説明されたのと同じ方法に従って、選択されたインプラント送達システム12が使用される。
図4および図5A~5Bに目を向けると、開示される発明の別の実施形態による、拡張型管状インプラント20を患者の標的部位内に送達するための別の医療用組立体100が示されている。医療用組立体100は、単一の近位部分マーカ54aの代わりに2つの近位部分マーカ55aおよび55bを有している管状インプラント20を有する送達システム102(「遠距離インプラント送達システム102」とも呼ばれる)を含むことを除けば、上記で説明された医療用組立体10に非常に似ている。2つの近位部分マーカ55aおよび55bは、体管腔90の近位ランディング位置62の様々な範囲の断面に対して所定展開長さLPP2を提供するために、軸方向に位置決めされる。第1の近位部分マーカ55aおよび第2の近位部分マーカ55bは、マーカを互いに視覚的に区別するために、異なる形状または異なる放射線不透過性標識を有し得る。第1の近位部分マーカ55aおよび第2の近位部分マーカ55bは、管状インプラント20上の異なる軸方向位置に位置決めされる。この例では、第1の近位部分マーカ55aは、第2の近位部分マーカ55bの軸方向遠位に位置決めされている。第1の近位部分マーカ55は、最終近位部分60aを画定し、第2の近位部分マーカ55bは、最終近位部分60bを画定する。第1の近位部分マーカ55aは第2の近位部分マーカ55bの遠位にあるので、第1の近位部分マーカは、第2の近位部分マーカ55bよりも大きな直径の断面のための所与の展開長さを示す。これは、近位ランディング位置62のより大きな直径の断面のための最終近位部分が、より小さな直径の断面のための最終近位部分よりも比例的により多く短縮することになるためである。例えば、第1の近位部分マーカ55aは、近位ランディング位置62の第1の断面(例えば、4.0mm)において所定展開長さ(例えば、5.0mm)を提供することができ、第2の近位部分マーカ55bは、第1の断面未満の第2の断面(例えば、3.5mm)において所定展開長さ(例えば、5.0mm)を提供することができる。したがって、この例では、この管状インプラント20を有する医療用組立体100は、3.5mmから4.0mmまでの断面の範囲に対して約5.0mmの公称所定展開長さを提供するように構成される。
さらに別の実施形態では、遠距離インプラント送達システム102の選択は、上記で説明されたインプラント送達システム12の選択と同様に提供され得る。複数の送達システムのセット内の送達システム102のそれぞれは、体管腔90の近位ランディング位置62の様々な範囲の断面(すなわち、様々な断面直径)のために構成される。したがって、2つの近位部分マーカ55aおよび55bの軸方向位置は、体管腔90の近位ランディング位置62の断面の所与の範囲に対して所定展開長さLPP2を提供するように、各それぞれの送達システム102上に設定される。例えば、インプラント送達システム12のセットが、3.0~3.5mm、3.5~4.0mm、4.0~4.5mm、4.5~5.0mm、5.0~5.5mm等の断面直径のような種々の異なる断面の範囲に対して5mmの所定展開長さLPP2を提供するように構成され得る。言い換えれば、セットは、3.0~3.5mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた近位部分マーカ55aおよび55bを有する3.0~3.5mmの範囲の断面直径のための第1のインプラント送達システム12、3.5~4.0mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた近位部分マーカ55aおよび55bを有する3.5~4.0mmの範囲の断面直径のための第2のインプラント送達システム102、4.0~4.5mmの管腔における展開長さLPP2が5mmであるように軸方向に位置決めされた2つの近位部分マーカ55aおよび55bを有する4.0~4.5mmの断面直径のための第3のインプラント送達システム102、等を含む。
複数のインプラント送達システム102のセットから遠距離インプラント送達システム102を選択して使用する方法は、以下の通りである。最初に、体管腔90の近位ランディング位置62の断面が測定される。次いで、臨床医は、測定された断面を含むかまたは包含する範囲を有するセットからインプラント送達システム102のうちの1つを選択する。例えば、測定された断面が4.2mmである場合、4.0~4.5mmのインプラント送達システム102が選択される。次いで、選択されたインプラント送達システム102は、送達カテーテル40が最終近位部分60のポイントまで引き抜かれたときに近位部分マーカ55aおよび55bがそのことを示すことを除けば、実質的に図3A~3Eに関連して上記で説明されたのと同じ方法に従って使用される。決定短縮長さLPP2が残っているカテーテル遠位端部マーカ52の位置は、測定された断面に基づく。測定された断面が、選択されたインプラント送達システム102のための断面の範囲の最上位にある場合、第1の近位部分マーカ55aは、決定短縮長さLPP2が展開されずに残っていることを示す。測定された断面が、選択されたインプラント送達システム102のための断面の範囲の最下位にある場合、第2の近位部分マーカ55bは、決定短縮長さLPP2が展開されずに残っていることを示す。測定された断面が、選択されたインプラント送達システム102のための断面の範囲内のどこかにある場合、第1の近位部分マーカ55aと第2の近位部分マーカ55bとの間に比例的に配置される位置は、決定短縮長さLPP2が展開されずに残っていることを示す。したがって、臨床医は、第1の近位部分マーカ55aおよび第2の近位部分マーカ55bに対するカテーテル遠位端部マーカ52の適切な位置を推定し、次いで、管状インプラント20の最終近位部分60の実際の近位ランディング位置62を可視化することができる。臨床医は、管状インプラント20の実際の近位ランディング位置62が臨床的に望ましいかどうかを判定し、次いで、図3A~3Eに関連して上記で説明されたように、管状部材20を展開するか、または、必要であれば位置調整を行うことができる。
図6および図7A~7Bを参照すると、開示される発明の別の実施形態による、患者の標的部位内へ拡張型管状インプラント20を送達するための別の医療用組立体120が示されている。医療用組立体120は、放射線不透過性コイル57を含む近位部分マーカ57を有している管状インプラント20を有する送達システム122を含むことを除けば、上記で説明された医療用組立体10に非常に似ている。近位部分マーカ57は、送達ワイヤ80に付着されるか、または、管状部材20上に配置される。図6および図7A~7Bにおける例示された実施形態では、コイル57は、コイル57の近位端部59aが、管状部材20の所定展開長さLPP2が展開されずに残っていることを示す近位部分のためのマーカとして機能するように、位置決めされる。あるいは、近位部分マーカ57は、コイル57の遠位端部59bが、所定展開長さLPP2が展開されずに残っていることを示す近位部分のためのマーカとして機能するように、軸方向に位置決めされ得る。
別の実施形態では、コイル57の長さはまた、コイル57が遠距離インプラント送達システム102の2つのマーカ55aおよび55bと同様に機能するように構成される場合があり、その場合、コイル57の近位端部59aは、第2の近位部分マーカ55bのように機能し、遠位端部59bは、第1の近位部分マーカ55aのように機能する。このようにして、送達システム122は、送達システム102に対して本明細書において説明されたのと同じ方法に対して使用され得る。
送達システム122を有する医療用組立体120を使用する方法は、送達システム12を有する医療用組立体10に対して本明細書において説明されたのと同じである。さらに、複数のインプラント送達システム122のセットが、上記で説明されたインプラント送達システム12および102の選択と同様に提供され得る。複数のインプラント送達システム122のセットから1つのインプラント送達システム122を選択して使用する方法は、本明細書において説明されたように、インプラント送達システム12または102のセットを選択して使用する方法と同じであるかまたは実質的に類似する。
特定の実施形態が本明細書において示されかつ説明されてきたが、それらの実施形態は開示される発明を限定するように意図されていないことが理解されるであろうし、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ定められるべき開示される発明の範囲から逸脱することなしに(例えば、種々の部品の寸法に対する)種々の変更および修正がなされ得ることが明らかであろう。例えば、本明細書において任意の実施形態とともに示された要素または構成要素は、本明細書において開示された他の実施形態に使用されるか他の実施形態と組み合わせて使用され得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく、事例的なものと見なされるべきである。

Claims (29)

  1. 管状インプラントを体管腔内に植え込むためのインプラント送達システムであって、
    管腔、近位端部、および開口遠位端部を有する細長い部材を含む、送達カテーテルと、
    前記送達カテーテルの前記遠位端部上に配置された第1のマーカと、
    前記管状部材の前記管腔内に配置された管状インプラントであって、前記送達カテーテル内で折り畳まれた送達構成にあるときの送達長さ、および、送達カテーテルの外に解放されたときの径方向に拡張した植込み構成における短縮長さを有する、管状インプラントと、
    前記送達カテーテル内に摺動可能に配置されたプッシャ部材であって、前記管状インプラントが、前記送達カテーテルの前記開口端部を通り抜ける送達のために前記プッシャ部材に分離可能に結合される、プッシャ部材と、
    前記プッシャ部材および管状インプラントのうちの一方に設置された第2のマーカであって、前記第2のマーカの位置から前記管状インプラントの近位端部まで延在する前記管状インプラントの最終近位部分が前記管状インプラントの前記最終近位部分のための標的近位ランディング位置における前記体管腔の測定された断面に対応するその径方向に拡張しかつ短縮した構成において決定展開長さを有するように、位置決めされる、第2のマーカと、
    を備える、インプラント送達システム。
  2. 送達シースを前記管状インプラントから引き抜くと前記第1のマーカが前記送達シースと一緒にリシースマーカに対して移動するように前記インプラント送達システム上に配置された前記リシースマーカをさらに備え、前記リシースマーカが、前記第1のマーカを引き抜くことができる最近位位置を示し、前記最近位位置を越えると、前記送達カテーテルを遠位に前進させて前記管状インプラントを前記送達カテーテル内にリシースすることができない、請求項1に記載のインプラント送達システム。
  3. 前記第2のマーカが、前記インプラント送達システムに沿って前記リシースマーカから遠位に設置される、請求項2に記載のインプラント送達システム。
  4. 前記第2のマーカが、前記管状インプラントの前記近位部分の前記決定展開長さを提供するために、前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の測定された断面に基づいて前記インプラント送達システムに長手方向に沿って設置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  5. 前記第2のマーカが、前記最終近位部分の前記決定展開長さを設定するように調節可能であり得るように、前記プッシャ部材または前記管状インプラント上に調節可能に設置可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  6. 前記第2のマーカが、前記プッシャ部材上に取り付けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  7. 前記第2のマーカが、前記管状インプラント上に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  8. 前記管状インプラントが、ステントまたは分流器を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  9. 前記管状インプラントが、自己拡張型である、請求項1から8のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  10. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の前記測定された断面が、前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の一部分に沿った前記体管腔の平均直径を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  11. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の前記測定された断面が、前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の断面の計測に基づく、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  12. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の前記測定された断面が、体管腔の標準的な断面を使用した概算に基づく、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  13. 標的近位位置における前記体管腔の前記測定された断面、請求項1から9のいずれか一項に記載のインプラント送達システム。
  14. 管状インプラントを体管腔内の標的位置へ送達するための方法であって、前記管状インプラントが、径方向に折り畳まれた送達構成にあるときの送達長さ、および、径方向に拡張した植込み構成にあるときの前記送達長さよりも短い短縮長さを有し、前記方法が、
    前記折り畳まれた送達構成において送達カテーテル内に配置された前記管状インプラントを備えるインプラント送達システムを前記体管腔内に挿入し、前記管状インプラントの遠位端部が前記管状インプラントの前記遠位端部のための標的遠位ランディング位置に隣接するまで前記インプラント送達システムを前進させるステップと、
    前記送達カテーテルの遠位端部上に配置された第1のマーカが前記インプラント送達システム上に設置された第2のマーカに到達するまで前記カテーテルを引き抜くステップであって、前記第1のマーカが前記第2のマーカに到達した時点では前記管状インプラントの最終近位部分が前記送達カテーテルから展開されずに残り、前記最終近位部分が、決定展開長さを有し、前記決定展開長さが、前記管状インプラントの前記近位部分のための標的近位ランディング位置における前記体管腔の測定された断面に対応するその径方向に拡張した構成における前記近位部分の短縮長さである、ステップと、
    を含む、方法。
  15. 前記インプラント送達システムが、前記インプラント送達システム上に配置されたリシースマーカをさらに備え、前記第1のマーカが前記リシースマーカに到達する程度にまで前記送達カテーテルが引き抜かれたときに、前記リシースマーカが、前記カテーテルを遠位に前進させて前記管状インプラントを前記送達カテーテル内にリシースすることができない位置である近位に引き抜かれた前記送達カテーテルの位置を示す、請求項14に記載の方法。
  16. 前記第2のマーカが、前記インプラント送達システムに沿って前記リシースマーカから遠位に設置される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の断面を測定するステップと、
    前記決定展開長さを提供するために前記測定された断面に基づいて前記第1のマーカを前記インプラント送達システムに長手方向に沿って設置するステップと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  18. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の断面を測定するステップが、前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の一部分に沿った前記体管腔の平均直径を測定することを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の断面を測定するステップと、
    前記測定された断面に基づいて前記所定展開長さを決定するステップと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  20. 前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の断面を測定するステップが、前記標的近位ランディング位置における前記体管腔の一部分に沿った前記体管腔の平均直径を測定することを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記第1のマーカが前記第2のマーカに到達するように前記送達カテーテルが引き抜かれた時点で前記体管腔内の前記第1のマーカの位置を確認するステップと、
    前記第1のマーカの前記確認された位置、および、前記送達カテーテルから展開されずに残っている前記管状インプラントの前記最終近位部分の前記所定展開長さに基づいて、前記管状インプラントの前記近位部分の近位ランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定するステップと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  22. 前記第1のマーカが前記第2のマーカに到達するように送達カテーテルが引き抜かれた時点で前記体管腔内の前記第1のマーカの位置を確認するステップと、
    前記第1のマーカの前記確認された位置、および、前記送達カテーテルから展開されずに残っている前記管状インプラントの近位部分の前記所定展開長さに基づいて、前記管状インプラントの前記近位部分の近位ランディング位置が臨床的に望ましくないことを判定するステップと、
    前記送達カテーテルを遠位に前進させて前記管状インプラントを前記送達カテーテル内に完全にリシースするステップと、
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  23. 送達カテーテル内に完全にリシースされた管状インプラントを含む前記インプラント送達システムを新たな位置に再位置決めするステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記インプラント送達システムが前記新たな位置にある状態で、前記送達カテーテル上の前記第1のマーカが前記インプラント送達システム上に設置された前記第2のマーカに到達するまで前記カテーテルを引き抜くステップと、
    前記第1のマーカが前記第2のマーカに到達するように送達カテーテルが引き抜かれた時点で前記体管腔内の前記第1のマーカの位置を確認するステップと、
    前記第1のマーカの前記確認された位置、および、前記送達カテーテルから展開されずに残っている前記管状インプラントの近位部分の前記所定展開長さに基づいて、前記管状インプラントの前記近位部分の近位ランディング位置が臨床的に望ましいかどうかを判定するステップと、
    をさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記インプラント送達システムが、前記送達カテーテル内に摺動可能に配置されたプッシャ部材をさらに備え、前記管状インプラントが、前記送達カテーテルが前記プッシャ部材に対して近位に引き抜かれたときの前記送達カテーテルの開口端部から体管腔内への送達のために前記プッシャ部材に分離可能に結合される、請求項14に記載の方法。
  26. 前記第2のマーカが、前記プッシャ部材上に取り付けられる、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第2のマーカが、前記管状インプラント上に配置される、請求項14に記載の方法。
  28. 前記管状インプラントが、ステントまたは分流器を含む、請求項14に記載の方法。
  29. 前記管状インプラントが、自己拡張型である、請求項28に記載の方法。
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