JP2024521491A - ダプロデュスタットおよびその前駆体の新規な製造方法 - Google Patents

ダプロデュスタットおよびその前駆体の新規な製造方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、式(II)のアシル不純物のレベルが、単離されたダプロデュスタット原薬の0.15w/w%未満に保たれる、ダプロデュスタットの製造方法に関する。式(II)のアシル不純物レベルがダプロデュスタット原薬に対して0.15w/w%未満に保たれたダプロデュスタットの組成物を含有するダプロデュスタットの即時放出製剤も開示される。即時放出製剤の医学的使用および投与レジメンが開示される。

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.販売日: 令和2年8月7日 2.販売した場所: 協和キリン株式会社(東日本物流センター)(茨城県古河市茶屋新田270) 3.公開者: グラクソ・スミスクライン株式会社(東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR) 〔刊行物等〕 1.販売日: 令和2年8月26日 2.販売した場所: 協和キリン株式会社(東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ) 3.公開者: 協和キリン株式会社
本開示は、式(II)のアシル不純物のレベルが、単離されたダプロデュスタット原薬の0.15w/w%未満に保たれる、ダプロデュスタットの製造方法に関する。式(II)のアシル不純物レベルがダプロデュスタット原薬に対して0.15w/w%未満に保たれたダプロデュスタットの組成物を含有するダプロデュスタットの即時放出製剤も開示される。即時放出製剤の医学的使用および投与レジメンが開示される。
不純物は、新しい原薬の製造プロセスおよび/または貯蔵中に生じる可能性がある。これらには、出発材料、中間体、副生成物、分解生成物および試薬リガンドおよび触媒が含まれる。
不純物が薬理学的作用または毒性作用を生じさせる可能性があることを考えれば、製造業者が特定する各不純物は、その許容基準と呼ばれる閾値レベル未満に保たれなければならない。特定の不純物の許容基準は、その不純物に関連する作用を反映する。
新しい原薬の仕様を作成することは規制上の要件である。これには、特定された不純物の許容基準、特定されていない不純物の許容基準および不純物全体の許容基準を明記する必要がある。
ダプロデュスタットは、慢性腎疾患による貧血の処置のために現在開発中のプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤である。ダプロデュスタットは、化合物N-((1,3-ジシクロヘキシルヘキサヒドロ-2,4,6-トリオキソピリミジン-5-イル)カルボニル)グリシンのUSAN、INNおよびJAN名である。ダプロデュスタットの小規模実験室での合成は、国際公開第2007/150011号に開示されている。
第1の側面において、本発明は、1,3-ジシクロヘキシル尿素とマロン酸を反応させることを含んでなる、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法を提供し、上記反応の生成物は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと、式(II)の化合物:
(式中、RはC1-6アルキルである)
であり、上記溶媒系は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが単離される温度で式(II)の化合物を溶液中に維持するように選択され、上記反応は、用いられる溶媒系で式(II)の濃度がその溶解度を超える前に終了する。
第2の側面において、本発明は、本明細書において定義される1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製するための方法を提供する。
第3の側面において、本発明は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が、本明細書において定義される方法に従って得られる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を提供する。
第4の側面において、本発明は、本明細書において定義されるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を調製するための方法を提供する。
第5の側面において、本発明は、ダプロデュスタット原薬に対して0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を含んでなるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を提供する。
第6の側面において、本発明は、式(II)の化合物:
(式中、RはC1-6アルキルである)
またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
特定の一つの実施形態では、本発明は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである化合物を提供する。
さらなる側面では、本発明は、本明細書において定義される即時放出製剤の医学的使用を提供する。
イミダゾール(0.5w/w%)のステージ1の反応の進行に対する効果を示す。図1Aは、中間体の消費速度を示す。図1Bは、生成物(1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)の形成速度を示す。図1Cは、1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオンの形成速度を示し、図1Dは、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度を示す。実線は、イミダゾール添加剤の存在下での反応速度を示す。破線は、添加剤を含まない場合の反応速度を示す。 N,N’-ジメチルアミノピリジン(0.9w/w%;N,N’-ジシクロヘキシル尿素に対して1.65モル%に相当)のステージ1の反応の進行に対する効果を示す。図2Aは、中間体の消費速度を示す。図2Bは、生成物(1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)の形成速度を示す。図2Cは、1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオンの形成速度を示し、図2Dは、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度を示す。実線は、イミダゾール添加剤の存在下での反応速度を示す。破線は、添加剤を含まない場合の反応速度を示す。 N,N’-ジシクロヘキシル尿素中の様々な量(%w/w)のイミダゾールのステージ1の反応の進行に対する効果を示す。図3Aは、中間体の消費速度を示す。図3Bは、生成物(1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)の形成速度を示す。図3Cは、1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオンの形成速度を示し、図3Dは、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度を示す。実線は、イミダゾール添加剤の存在下での反応速度を示す。破線は、添加剤を含まない場合の反応速度を示す。 図4は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度のモデルを要約する半正規プロットである。CDは、イミダゾールと酢酸量の複合効果を示し、CEは、イミダゾールと反応温度の複合効果を示す。 図5AおよびBは、相互作用プロットである。図5Aは、2容量の酢酸(正方形)および4容量の酢酸(三角形)の存在下での5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの初期形成速度に対するN,N’-ジシクロヘキシル尿素中のイミダゾールの量(%w/w)の効果を示す。図5Bは、反応温度50℃(正方形)および60℃(三角形)での5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの初期形成速度に対するN,N’-ジシクロヘキシル尿素中のイミダゾールの量(%w/w)の効果を示す。
発明の具体的説明
製造
ダプロデュスタットは、化合物N-((1,3-ジシクロヘキシルヘキサヒドロ-2,4,6-トリオキソピリミジン-5-イル)カルボニル)グリシンのUSAN、INNおよびJAN名である(この化合物のIUPAC名は、N-[(1,3-ジシクロヘキシルヘキサヒドロ-2,4,6-トリオキソピリミジン-5-イル)カルボニル]グリシンである)。ダプロデュスタットは、ケト/エノール互変異性を示し、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンとも命名することができる。特許請求の範囲が、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンに言及する場合、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンの総ての互変異性体は、その混合物も含めて、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
ダプロデュスタットの遊離酸および金属塩は、以下に示す一般的な合成スキームに従って製造されうる:
(式中、Pは、好適な保護基、例えばC1-6アルキル、ベンジルまたはビニルである)。
ステージ1の反応は、脱水剤、例えば、式(I)の化合物:
(式中、Pは、C1-6アルキルであり、Rは、C1-6アルキルである)
の使用を必要とする。
ステージ1での所望の反応に加えて、式(II)のアシル不純物の生成につながる副反応が起こる。
さらに、式(II)の不純物は、式RCOHのカルボン酸が(例えば溶媒として)存在する場合、ステージ1およびステージ2で式RCOHのカルボン酸との反応によって生成される可能性がある。
一つの実施形態では、Rはメチルであり、従って式(II)の化合物は5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである。
実施例1で実証されるように、式(II)の不純物は、上記方法のステージ2およびステージ3では容易にはパージされない。実施例4は、式(II)の不純物の濃度が、ステージ1で用いられる溶媒系でのその溶解度よりも低い場合、不純物を効果的にパージすることができることを教示している。実施例4は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである式(II)の化合物のパージを具体的に実証する。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの溶解度は、15℃(実施例4で使用した単離温度)の29.5v/v%無水酢酸-酢酸(実施例4のステージ1に用いた溶媒系)中で43.7mg/mlである。実施例4の実験は、45.2mg/mlの5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを、ステージ1の生成物の単離中に完全にパージすることができうることを実証した。言い換えれば、完全なパージは、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの濃度が、単離温度でのこの溶媒系へのこの化合物の溶解度に近似する場合に観察された。
当業者は、式(II)の他の化合物が、(実施例4のように)溶媒系に実質的に溶解している状況では、これらがステージ1の生成物の単離中にパージされると予想するであろう。言い換えれば、当業者であれば、反応が終了した時点での式(II)の化合物の濃度は、単離温度での溶媒系の溶解限度以下でなければならないことを理解するであろう。この点を考慮すると、当業者は、式(II)の化合物の濃度が単離温度での溶媒系の溶解限度よりも低い間に反応を終了させる必要性を理解するであろう。
従って、第1の側面において、本発明は、1,3-ジシクロヘキシル尿素とマロン酸を反応させることを含んでなる、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法を提供し、ここで、反応の生成物は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと式(II)の化合物:
(式中、RはC1-6アルキルである)
であり、溶媒系は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが単離される温度で式(II)の化合物を溶液中に維持するように選択され、反応は、用いられる溶媒系で式(II)の濃度がその溶解度を超える前に終了する。
反応が終了する時点が、式(II)の化合物、用いられる溶媒系および選択される単離温度の両方に依存することは明らかであろう。
式(II)の化合物が5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンであり、溶媒系が29.5v/v%無水酢酸-酢酸であり、単離温度が15℃である場合、反応は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの濃度が45.2mg/mlになる前に終了する必要がある。
実施例4に記載されるような溶解度研究を使用して、特定の式(II)の化合物、溶媒系および単離温度について、反応が終了する時点を決定することができる。
HPLCを使用して反応の進行をモニターすることができる。210nmでの検出を使用して、ステージ1の生成物と式(II)の化合物の両方を検出することができる。実施例4に示されるように、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンは、HPLCによる面積%が45.6であったときに完全にパージされた。従って、HPLCモニタリングを5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの濃度をモニタリングする代わりとして使用して、ステージ1の反応を終了するべき時点を特定することができる。
式(II)の化合物が5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンであり、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するために使用される反応条件が1,3-ジシクロヘキシル尿素(1.0重量)、マロン酸(1.3重量)、酢酸(2.7重量)および無水酢酸(6.6当量)を使用し、単離温度が15℃である一つの実施形態では、反応は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの割合が反応の生成物の面積で45%を超える前に終了する必要がある。HPLCモニタリングを使用して、式(II)の他の化合物のステージ1の反応を終了するべき時点を特定することができる。式(II)の化合物が適当な溶媒系に十分に溶解されているときの式(II)の化合物の面積百分率は、HPLCによって容易に決定することができる。式(II)の化合物の濃度が溶媒系および単離温度に対するその溶解限度である場合、この面積百分率は、ステージ1の反応が終了するべき時点に近似する。
ステージ1の反応は、好適な溶媒系の存在下で行われる。溶媒系は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが単離される温度において、式(II)の化合物を溶液中に維持し、ステージ1の反応の生成物(1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン)を溶液中に実質的に維持しないように選択されるので、式(II)の化合物は濾過によって(濾液中に)取り出すことができる。一つの実施形態では、溶媒は、式RCOHのカルボン酸の混合物である。式(I)の脱水剤も溶媒系の一部を形成することができる。一つの実施形態では、溶媒系は、酢酸と、脱水剤である無水酢酸の混合物である。
反応は、任意の簡便な方法で終了させることができる。一つの実施形態では、反応混合物は、例えば、15~25℃に冷却される。別の実施形態では、反応は濾過によって終了される。濾過は、出発材料および不純物(式IIの化合物を含む)を除去することによって反応を終了させ、濾過ケーキが得られる。濾過ケーキを洗浄して、反応生成物を精製し、その後の工程に不適合であるか、または望ましくない副反応、例えば、式(II)の化合物をもたらす副反応を導く微量の溶媒を除去することができる。
式RCOHのカルボン酸がステージ1で使用される特定の実施形態では、濾過ケーキを洗浄して、このカルボン酸のレベルを0.1%(w/w)以下に低下させる。式RCOHのカルボン酸のレベルは、ガスクロマトグラフィーによって測定されてよい。較正を用いて式RCOHのカルボン酸のガスクロマトグラフィーピークをその重量に変換することができる。特定の実施形態では、濾過ケーキは、用いられる温度で、式(II)の化合物が1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンよりも著しく溶解しやすい溶媒で洗浄される。洗浄は、単に他の溶媒を置換するために用いることもできる。
一つの実施形態では、濾過ケーキは、式RCOHのカルボン酸以外の2容量以上の溶媒で洗浄される。
式(II)の化合物が5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである特定の実施形態では、溶媒系は29.5v/v%の無水酢酸-酢酸であり、単離温度は15℃であり、濾過ケーキは2容量の酢酸と2容量の水で洗浄される。最初の洗浄は、フィルター装置内の反応液を置換するために使用され、2回目の洗浄は、酢酸を置換するために使用される。
本発明は、最終製品であるダプロデュスタット中の式(II)の化合物を制御する方法を教示する。上記のように、重要な制御は、式(II)の化合物が効果的にパージされうる時点でステージ1の反応を終了させることである。これをクリアすると、式(II)の化合物が規制当局によって設定された0.15%の閾値を超えてダプロデュスタット原薬中に出現することはない。
これに加えて、本発明者らは、式(II)の化合物の生成を制限する方法を特定した。ステージ1での式(II)の化合物の生成を減少させることにより、反応を終了しなければならない前に生成物のより高い収量を達成することができることが理解されるであろう。具体的には、本発明者らは、出発材料の1,3-ジシクロヘキシル尿素の製品仕様、特に、出発材料中のイミダゾールの含有量が式(II)の化合物の生成に大きな影響を及ぼすことを特定した。イミダゾールは、N,N’-カルボニルジイミダゾールから出発する1,3-ジシクロヘキシル尿素の製造プロセスの副生成物である。これはステージ1の間にパージされるが、式(II)の化合物の形成も触媒する。実施例2および3は、出発材料1,3-ジシクロヘキシル尿素のイミダゾール含有量が、ステージ1の後の式(II)の化合物のレベルに大きな影響を及ぼすことを実証している。従って、一つの実施形態では、1,3-ジシクロヘキシル尿素の出発材料は、0.05%(w/w)以下のイミダゾールを含有する。式(II)の化合物の形成に対する効果はこのレベルのイミダゾールでは小さいことが観察されるが、イミダゾール含有量をこのレベル未満に減らすことは供給業者には達成することが実際上困難である。
さらに、本発明者らは、式(II)の化合物の製剤化速度に対するステージ1の反応温度の影響を特定した。一つの実施形態では、ステージ1の反応は、50~60℃の温度で行われる。より具体的な実施形態では、ステージ1の反応は50℃で行われる。
一つの側面では、本発明は、本明細書において定義される1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製するための方法を提供する。
プロセスの後続の工程は、上に示した一般的な合成スキームに示されるように行うことができる。
ステージ2aは、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、トリエチルアミンなどの好適な塩基の存在下での2-イソシアナト酢酸エチルなどの式(III)の化合物との反応を含んでなる。
ステージ2bは、適当な塩を形成するための金属水酸化物との反応を含んでなる。例えば、水酸化カリウムで処理するとカリウム塩が形成される。水酸化ナトリウム水溶液で処理すると、ナトリウム塩が形成される。
ステージ2cは、以前のステージで使用した溶媒、例えばテトラヒドロフランのレベルを低下させることを目的とした蒸発工程である。
ステージ3は、酸、例えばアセトンなどの好適な溶媒中の塩酸水溶液などによる処理を含んでなる。
実施例1は、ダプロデュスタット中の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのレベルに対するステージ2の酢酸の影響を説明する。表4は、0.1%酢酸のレベルがステージ2で許容されうることを示した。従って、一つの実施形態では、式(III)の化合物との反応の直前の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン中の式RCOHのカルボン酸のレベルは0.1%(w/w)以下である。
一つの実施形態では、プロセスの生成物は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンの薬学上許容可能な塩である。
一つの実施形態では、プロセスの生成物は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸である。
一つの実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩)は、結晶形である。
一つの実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、結晶形である。
特定の実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、CS1と呼ばれる非溶媒和型結晶形である。形態CS1のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、2θ値6.4°±0.2°、7.5°±0.2°、および7.9°±0.2°に特徴的なピークを有する。より具体的な実施形態では、形態CS1のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、2θ値17.2°±0.2°、21.0°±0.2°、24.0°±0.2°、および19.3°±0.2°に1以上のさらなる特徴的なピークを有する。形態CS1は、10℃分の加熱速度および窒素のパージガスを用いて示差走査熱量測定により測定すると、242℃付近に吸熱ピークを有する。
別の実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、CS9と呼ばれる非溶媒和型結晶形である。形態CS9のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、2θ値4.6°±0.2°、6.6°±0.2°、および21.1°±0.2°に特徴的なピークを有する。より具体的な実施形態では、CS9のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、2θ値9.4°±0.2°、20.2°±0.2°、および24.2°±0.2°に1以上のさらなる特徴的なピークを有する。
形態CS1およびCS9は、国際公開第2019/052133号に記載のプロセスに従って遊離酸から結晶化されてよい。
別の実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、形態3と呼ばれる結晶形である。形態3は、CuKα線を用いて、4.5°±0.2°、5.6°±0.2°、9.0°±0.2°および16.8°±0.2°の2-θ値にピークを有するX線粉末回折パターンを有する。より具体的な実施形態では、形態3のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、8.5°±0.2°、11.2°±0.2°、20.6°±0.2°および24.7°±0.2°から選択される2-θ値に1以上のさらなる特徴的なピークを有し、かつ/またはDSC吸熱ピークとTオンセットを245.3℃付近に有する。
別の実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、形態4と呼ばれる結晶形である。形態4は、CuKα線を用いて、7.2°±0.2°、11.5°±0.2°、21.7°±0.2°、22.9°±0.2°、23.3°±0.2°および25.8°±0.2°の2-θ値にピークを有するX線粉末回折パターンを有する。より具体的な実施形態では、形態4のX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、6.3°±0.2°、12.9°±0.2°、16.5°±0.2°、18.1°±0.2°および19.7°±0.2°から選択される2-θ値に1以上のさらなる特徴的なピークを有し、かつ/またはDSC吸熱ピークとTオンセットを243.9℃付近に有する。
形態3および4は、国際公開第2020/102302号に記載されているように結晶化されてよい。
別の実施形態では、プロセスの生成物(N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、形態Mと呼ばれる結晶形である。形態MのX線粉末回折パターンは、CuKα線を用いて、2θ値4.7°±0.2°、6.5°±0.2°、および6.8°±0.2°に特徴的なピークを有する。形態Mは、国際公開第2021/031102号に記載されているように結晶化されてよい。
一つの側面では、本発明は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が、本明細書に記載の方法に従って得られる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を提供する。関連する側面では、本発明は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を提供し、この組成物は、0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる。一つの実施形態では、組成物は、0.01~0.15w/w%の間の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる。
もう一つの側面では、本発明は、式(II)の化合物:
(式中、RはC1-6アルキルである)
またはその薬学上許容可能な塩を提供する。
一つの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩において、Rは、メチルである。
一つの実施形態では、本発明は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである化合物を提供する。
式(II)の化合物は、ケト/エノール互変異性を示し、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである式(II)の特定の化合物は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンとも命名することができる。特許請求の範囲が、式(II)の化合物または5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンに言及する場合、総ての互変異性体は、その混合物も含めて、本発明の範囲内に包含されることが意図される。
医薬組成物
もう一つの側面では、本発明は、本明細書において定義されるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を調製するための方法を提供する。一つの実施形態では、上記N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸である。より具体的な実施形態では、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸は、結晶形である。代替的な実施形態では、上記N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンの薬学上許容可能な塩、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩である。
もう一つの側面では、本発明は、本明細書に記載のプロセスによって得られるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を提供する。
一つの側面では、本発明は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を提供し、この組成物は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩のレベルに対して0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる。
一つの側面では、本発明の即時放出製剤は、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を含んでなり、この組成物は、0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる。
一つの実施形態では、本発明の即時放出製剤は、0.01~0.15w/w%の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる。
一つの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンまたはその薬学上許容可能な塩である。一つの実施形態では、式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである。
一つの実施形態では、本発明の即時放出製剤は、錠剤である。
一つの実施形態では、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤は、以下の溶解基準を満たす、1~8mg(遊離酸として測定)のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を含んでなる錠剤である:
1.錠剤に含まれるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシン遊離酸の平均(少なくとも12錠に基づく)85%以上が、米国薬局方(USP)装置2を50±2rpmの回転速度で使用し、pH6.8緩衝液または酵素を含まない模擬腸液USP中で、2mg未満のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩(遊離酸として測定)を含有する錠剤について500±5mLの溶解量、2mg以上のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩(遊離酸として測定)を含有する錠剤について900±9mLの溶解量で、45分以内に溶解する。
一つの実施形態では、上記で指定した条件下、米国薬局方(USP)装置2を使用した、1~8mg(遊離酸として測定)のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる即放錠剤の溶解プロファイルは、同じ用量の活性医薬成分を含有する実施例5に記載の錠剤と比較して50以上のf2値をさらに示さなければならない。一つの実施形態では、実施例5の錠剤は、200~290MPa、より詳細には240~260MPa、さらにより詳細には約250MPaの主な圧縮圧力を使用して圧縮された。
本発明の即放錠剤は、1~8mg(遊離酸として測定)のダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩を含んでなることができ、200~290MPaの範囲の圧力で錠剤コアを圧縮した後のその錠剤の引張強度は、1.7MPa以上である。より特定の実施形態では、200~290MPaの範囲の圧力で錠剤コアを圧縮した後の錠剤の引張強度は、1.75、1.8、1.9または2.0MPa以上である。
一つの実施形態では、本発明の即放錠剤は、遊離酸の重量に基づいて最大5%の量のダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩を含有するコンパートメントを含み、上記コンパートメントは流動促進剤を含有しない。一つの実施形態では、コンパートメントはダプロデュスタット遊離酸の非溶媒和型結晶形を含有する。特定の実施形態では、ダプロデュスタット遊離酸の非溶媒和型結晶形は、形態CS1である。
一つの実施形態では、錠剤は、所望によりフィルムコーティングされた均一な組成の単一コンパートメントからなるモノリシック錠剤である。
代替的な実施形態では、錠剤は、顆粒外空間に分散した顆粒を含有し、所望によりフィルムコーティングされている。顆粒と顆粒外の組成は、異なっていてもよく、別々のコンパートメントを形成する。一つの実施形態では、顆粒コンパートメントは、ダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩(例えば、ダプロデュスタット遊離酸の非溶媒和型結晶形)を含有し、流動促進剤を含まないコンパートメントである。
一つの実施形態では、顆粒内コンパートメントは、非溶媒和ダプロデュスタット遊離酸の結晶形、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含み、流動促進剤を含まない。疑念を避けるため、複数の希釈剤、結合剤および崩壊剤が含まれていてもよい。一つの実施形態では、顆粒内コンパートメントは、非溶媒和ダプロデュスタット遊離酸の結晶形、1以上の希釈剤、結合剤および崩壊剤からなり、流動促進剤は含まれない。
一つの実施形態では、顆粒外コンパートメントは、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、および所望により流動促進剤を含んでなる。疑念を避けるため、複数の希釈剤、崩壊剤、滑沢剤または流動促進剤が含まれていてもよい。一つの実施形態では、顆粒外コンパートメントは、1以上の希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、および所望により流動促進剤からなる。
好適な希釈剤としては、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)、硫酸カルシウム、および第二リン酸カルシウムが挙げられる。一つの実施形態では、希釈剤はラクトースではない。
好適な結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン)、ヒプロメロース、ゼラチン、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカントガム、グアーガム、ポビドン、およびセルロースおよびその誘導体(例えば、微晶質セルロース)が挙げられる。
好適な崩壊剤としては、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
好適な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびタルクが挙げられる。
流動促進剤としては、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムが挙げられる。一つの実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素またはステアリン酸マグネシウムである。一つの実施形態では、流動促進剤はシリカである。一つの実施形態では、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素である。
一つの実施形態では、即放錠剤は、
a)非溶媒和ダプロデュスタット遊離酸の結晶形、希釈剤、結合剤および崩壊剤を含んでなる顆粒内成分;および
b)希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、および所望により流動促進剤を含んでなる顆粒外成分
からなり、錠剤は所望によりコーティングされている。
より具体的な実施形態では、即放錠剤は、
a)非溶媒和ダプロデュスタット遊離酸の結晶形および1以上の希釈剤、1以上の結合剤および1以上の崩壊剤からなる顆粒内成分;および
b)希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、および所望により流動促進剤を含んでなる顆粒外成分
からなり、錠剤は所望によりコーティングされている。
コーティングは、錠剤コアに適用されてよい。市販のコーティングの例は、「OPADRY OY-S-28876 WHITE」である。着色されたコーティングも市販されている。
一つの実施形態では、即放錠剤は、コーティングされていない錠剤の重量に基づいて最大76重量%の顆粒内成分を含んでなる。
一つの実施形態では、即放錠剤は、顆粒内コンパートメントと顆粒外コンパートメントを含んでなり、この際、
a.顆粒内成分は以下を含んでなる:
i.1~10mgの非溶媒和ダプロデュスタット遊離酸の結晶形;
ii.約5重量%のヒプロメロース;
iii.約1.5重量%のクロスカルメロースナトリウム;および
iv.約2.2~約3.6(例えば約2.3~約3.5、または約2.25)の重量比のマンニトールおよび微結晶セルロース;
b.顆粒外成分は、顆粒外成分の総重量に基づいて、以下を含んでなる:
i.約12重量%のクロスカルメロースナトリウム;
ii.約4重量%のステアリン酸マグネシウム;
iii.約1.5%のコロイドシリカ;および
iv.約0.3~約3(例えば約2)の重量比のマンニトールおよび微結晶セルロース。
特定の実施形態では、錠剤は、約1、2または4mgのダプロデュスタットを含んでなり、コア錠剤の重量は約150mgである。別の実施形態では、錠剤は、約6または8mgのダプロデュスタットを含んでなり、コア錠剤の重量は約300mgである。本明細書に記載の錠剤は、所望によりフィルムコーティングされていてよい。
一つの実施形態では、即放錠剤はラクトースを含まない。
医学的使用
本発明の即時放出製剤は、治療において、より具体的には、貧血の処置において使用されてもよい。ある特定の実施形態において、本発明の即時放出製剤は、慢性腎疾患による貧血(腎性貧血としても知られる)、化学療法(骨髄抑制療法又は白金含有化学療法を含む)を受けているガン患者の貧血、ジドブジン処置されたHIV感染患者の貧血および関節リウマチに起因する貧血の処置に使用されてもよい。1つの実施形態において、本発明の即時放出製剤は、選択的整形外科手術を受けている患者に投与されてもよい。
従って、一つの実施形態では、本発明は、治療に用いるための本発明の即時放出製剤を提供する。
別の実施形態では、本発明は、慢性腎疾患による貧血の処置方法での使用のための、本発明の即時放出製剤を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、慢性腎疾患による貧血の処置に使用するための本発明の即時放出製剤の製造における、0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなるダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩の組成物の使用を提供する。
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象における慢性腎疾患による貧血を処置するための方法であって、本発明の即時放出製剤を上記対象に投与することを含んでなる、方法を提供する。
好適には、対象は哺乳類である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
より特定の実施形態では、慢性腎疾患による貧血を有する対象は、透析、例えば、血液透析または腹膜透析を受けていてよい。別の実施形態では、対象は、鉄欠乏である可能性があり(TSAT≦20%および/または血清フェリチン≦100ng/ml)、さらに鉄補充療法を受けていてもよい。
さらなる実施形態では、本発明は、ヘモグロビンを10~12g/dLの範囲内に維持し、ヘモグロビンレベルがこれを下回る場合にヘモグロビンレベルを安全に増加させることを目的とする、慢性腎疾患による貧血の処置のための投与レジメンを提供する。用量は臨床訪問時に決定されるヘモグロビンの濃度に基づいて変更される。ヘモグロビン濃度は、既知の方法、例えばHemoCueによって測定することができる。
一つの側面では、本発明は、患者の慢性腎疾患による貧血の処置のための投与レジメンを提供し、ここで、本発明の即時放出製剤は、1mg、2mg、4mg、6mg、8mg、12mg、16mgまたは24mgのいずれかの用量で1日1回投与され、用量は、患者のヘモグロビン濃度を10~12g/dLの範囲内に維持するように、患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される。一つの実施形態では、用量は、患者のヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲内に維持するように、患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される。一つの実施形態では、用量は、患者のヘモグロビン濃度を目標の10g/dLに維持するように、患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される。
特定の実施形態では、患者のヘモグロビン濃度は、少なくとも3か月に1回モニターされる。さらに特定の実施形態では、患者のヘモグロビン濃度は、毎月または4週間ごとにモニターされる。当業者であれば、処置が開始されるとモニタリングの頻度が高くなり、患者のヘモグロビン濃度が目標の範囲内/目標値(10~12g/dLまたは10~11g/dLまたは10g/dL)で安定するとモニタリングの頻度が減少することを理解するであろう。
患者のヘモグロビン濃度が急激に上昇する(例えば4週間以内に2.0g/dLを超える)実施形態では、用量は1用量ステップずつ減少されるか、または中断される。
患者のヘモグロビン濃度が目標範囲の上端を超える実施形態では、ヘモグロビン濃度が目標範囲内になるまで投与は中断され、1つ低い用量レベルで処置が再開される。
用量の増減には臨床的判断も重要である。患者が目標範囲を上回っており、血栓塞栓症のリスクがある実施形態(例えば、患者が脳卒中を起こした場合)では、投与は、1用量ステップずつ減少されるか、または中断される。患者が貧血の症状を示している実施形態では、用量は1用量ステップずつ増加される。
一つの実施形態では、患者は透析を受けていない。別の実施形態では、患者は透析中(例えば血液透析または腹膜透析)である。
患者が透析を受けておらず、患者が以前に赤血球生成促進剤(ESA)で処置されたことがある実施形態では、開始用量は以前のESA投与量に基づく。患者が透析を受けておらず、患者が以前に赤血球生成促進剤(ESA)で処置されたことがある実施形態では、開始用量は、患者のヘモグロビン濃度に基づく。表1に好適な開始用量を示す。
ヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲に維持するための、慢性腎疾患による貧血の処置のための投与レジメンが提供される。ここで、本発明の即放錠剤は、以下の用量のうちの1つで1日1回投与される:1、2、4、6、8、12、16および24mg(遊離酸の用量)、さらに:
a)ヘモグロビン濃度が12g/dL以上である場合、ヘモグロビン濃度が11.5g/dL未満になるまでダプロデュスタット治療を中止し、1つ低い用量レベルで処置が再開される;
b)ヘモグロビン濃度が9.5以上11.5g/dL未満の範囲内である場合、用量は維持される;
c)2回の連続した診療所訪問時のヘモグロビン濃度が、11より多く11.5g/dL以下の範囲内であり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が増加したかまたは変化がない場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;
d)ヘモグロビン濃度が11.5より多く12g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が低下している場合、用量は維持される;
e)ヘモグロビン濃度が11.5より多く12g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が増加したかまたは変化がない場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;
f)2回の連続した診療所訪問時のヘモグロビン濃度(concentation)が、9.5以上10未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が低下したかまたは変化がない場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
g)ヘモグロビン濃度が7.5から9.5g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問から0.5g/dL以上のヘモグロビン濃度の増加があった場合、用量は維持される;
h)ヘモグロビン濃度が7.5から9.5g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度の低下、変化なしまたは0.5g/dL未満の増加があった場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
i)ヘモグロビン濃度が7.5g/dL未満である場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
j)4週間にわたって2g/dLを上回るヘモグロビン濃度の増加、または2週間にわって1g/dLを上回るヘモグロビン濃度の低下があった場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;および
k)4週間にわたって2g/dLを上回るヘモグロビン濃度の低下、または2週間にわって1g/dLを上回るヘモグロビン濃度の増加があった場合、用量は1用量ステップずつ増加される。
一つの実施形態では、本発明は、慢性腎疾患による貧血の処置に使用するための本発明の即時放出製剤を提供し、本発明の即放錠剤は、本明細書に記載の投与レジメンに従って、以下の用量のうちの1つで1日1回投与される:、1、2、4、6、8、12、16および24mg(遊離酸の用量)。
一つの実施形態では、本発明は、慢性腎疾患による貧血の処置に使用するための本発明の即時放出製剤の製造において、0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなる、ダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩の組成物の使用を提供し、ここで、本発明の即時放出製剤は、本明細書に記載の投与レジメンに従って、以下の用量のうちの1つで1日1回投与される:1、2、4、6、8、12、16および24mg(遊離酸の用量)。
一つの側面では、本発明は、透析を受けている患者の慢性腎疾患による貧血の処置のための投与レジメンを提供し、本発明の即時放出製剤は、各用量が2mg、4mg、8mg、12mg、16mg、24mg、32mgまたは48mgのいずれかで週3回投与され、この用量は、患者のヘモグロビン濃度を10~12g/dLの範囲内に維持するように、患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される。一つの実施形態では、用量は、患者のヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲内に維持するように、患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される。
特定の実施形態では、患者のヘモグロビン濃度は、少なくとも3か月に1回モニターされる。さらに特定の実施形態では、患者のヘモグロビン濃度は、毎月または4週間ごとにモニターされる。当業者であれば、処置が開始されるとモニタリングの頻度が高くなり、患者のヘモグロビン濃度が目標範囲内(10~12g/dLまたは10~11g/dL)で安定するとモニタリングの頻度が減少することを理解するであろう。
患者のヘモグロビン濃度が急激に上昇する(例えば4週間以内に2.0g/dLを超える)実施形態では、用量は1用量ステップずつ減少されるか、または中断される。
患者のヘモグロビン濃度が目標範囲の上端を超える実施形態では、投与は、ヘモグロビン濃度が目標範囲内になるまで中断され、1用量低いレベルで処置が再開される。
用量の増減には臨床的判断も重要である。患者が目標範囲を上回っており、血栓塞栓症のリスクがある(例えば、患者が脳卒中を起こした場合)では、投与は、1用量ステップずつ減少されるか、または中断される。患者が貧血の症状を示している実施形態では、用量は1用量ステップずつ増加される。
患者が透析を受けておらず、患者が以前に赤血球生成促進剤(ESA)で処置されたことがある実施形態では、開始用量は以前のESA投与量に基づく。表2に好適な開始用量を示す。
表3は、現在赤血球生成促進剤(ESA)で処置されていない、透析を開始する患者の好適な開始用量を示す。
ヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲に維持するための、慢性腎疾患による貧血の処置のための投与レジメンが提供される。ここで、本発明の即放錠剤は、各用量が2mg、4mg、8mg、12mg、16mg、24mg、32mgまたは48mg(遊離酸の用量)のいずれかで週3回投与され、さらに:
a)ヘモグロビン濃度が12g/dL以上である場合、ヘモグロビン濃度が11.5g/dL未満になるまでダプロデュスタット治療を中止し、1段階低い用量で治療を開始する;
b)ヘモグロビン濃度が9.5以上11.5g/dL未満の範囲内である場合、用量は維持される;
c)2回の連続した診療所訪問時のヘモグロビン濃度が、11より多く11.5g/dL以下の範囲内であり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が増加したかまたは変化がない場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;
d)ヘモグロビン濃度が11.5より多く12g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が低下している場合、用量は維持される;
e)ヘモグロビン濃度が11.5より多く12g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が増加したかまたは変化がない場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;
f)2回の連続した診療所訪問時のヘモグロビン濃度(concentation)が、9.5以上10未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度が低下したかまたは変化がない場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
g)ヘモグロビン濃度が7.5から9.5g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問から0.5g/dL以上のヘモグロビン濃度の増加があった場合、用量は維持される;
h)ヘモグロビン濃度が7.5から9.5g/dL未満の範囲にあり、最後の訪問からヘモグロビン濃度の低下、変化なしまたは0.5g/dL未満の増加があった場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
i)ヘモグロビン濃度が7.5g/dL未満である場合、用量は1用量ステップずつ増加される;
j)4週間にわたって2g/dLを上回るヘモグロビン濃度の増加、または2週間にわって1g/dLを上回るヘモグロビン濃度の低下があった場合、用量は、1用量ステップずつ減少される;および
k)4週間にわたって2g/dLを上回るヘモグロビン濃度の低下、または2週間にわって1g/dLを上回るヘモグロビン濃度の増加があった場合、用量は1用量ステップずつ増加される。
一つの実施形態では、本発明は、透析を受けている患者における慢性腎疾患による貧血の処置に使用するための本発明の即時放出製剤を提供し、本発明の即時放出製剤は、本明細書に記載の投与レジメンに従って週3回投与され、各用量は次のいずれかである:2mg、4mg、8mg、12mg、16mg、24mg、32mgまたは48mg(遊離酸の用量)。
一つの実施形態では、本発明は、ダプロデュスタットまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を提供し、この組成物は、透析を受けている患者における慢性腎疾患による貧血の処置に使用するための本発明の即時放出製剤の製造において、0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含み、本発明の即時放出製剤は、本明細書に記載の投与レジメンに従って週3回投与され、各用量は次のいずれかである:2mg、4mg、8mg、12mg、16mg、24mg、32mgまたは48mg(遊離酸の用量)。
疑念を避けるため、特定の用量は、単一の投与形または複数の投与形で投与されうることに留意されたい。例えば、8mgの用量は、1つの8mgの投与形、または2つの4mgの投与形、または4つの2mgの投与形または8つの1mgの投与形、または6mgと2mgの投与形として投与することができうる。
用量調整により、ダプロデュスタットの用量が一度に1用量ステップずつ増加または減少されることは明らかであろう。用量の増加が必要で最高(最大)用量のダプロデュスタットを投与されている人は同じ用量を維持することになるが、用量の減少が必要で最低用量のダプロデュスタットを投与されている人は、ダプロデュスタット治療を終了することになる。
実施例1
ダプロデュスタットは、上記の一般的な合成スキームに従って、Pはエチルであり、金属イオンはカリウムイオンであるステージ1、2a、2b、2cおよび3を含む経路で調製される。ステージ1のプロセスに由来する不純物の原薬品質に対する影響は、ステージ2/3プロセスに意図的に添加された場合のパージを決定することによって評価した。最初の実験では、ステージ1で生成された不純物(N-シクロヘキシル-N-(シクロヘキシルカルバモイル)アセトアミド、3-(1,3-ジシクロヘキシルウレイド)-3-オキソプロパン酸、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオン)およびステージ1の出発材料(1,3-ジシクロヘキシル尿素およびマロン酸)を、1つのグループで0.3w/w%のレベルでステージ1の生成物である1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンにそれぞれスパイクし、これを使用してダプロデュスタットを生成した。ダプロデュスタット中の各スパイク材料のレベルは、HPLC分析によって特定された。ダプロデュスタット中で検出可能な唯一のスパイク材料は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンであり、これはダプロデュスタット中に0.8w/wのレベルで存在していた。
2番目の実験では、0.5%酢酸をステージ1の生成物である1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンにスパイクし、これを使用してダプロデュスタットを生成した。これにより、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンはダプロデュスタット中に0.09w/wのレベルで存在することになった。
さらなる研究を行って、残留5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと酢酸が1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン中に同時に存在した場合の原薬品質に対する影響を決定した(表4)。最初に、不純物を1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンに独立にスパイクして、それらの個々の影響を定量化した。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンは、単独で添加されると、ダプロデュスタットにキャリーオーバーされることが確認された。酢酸を低いレベルで添加すると、低いながらも検出可能な5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが形成された。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと酢酸を同時にスパイクすると、原薬に対するそれらの相乗的な影響が確認された。
この一連の実験は、ステージ2に進む5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび酢酸のレベルが、製剤中の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのレベルを0.15%未満に保つために制御される必要があることを実証している。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのレベルも制御されるステージ2では、0.1%の酢酸のレベルは許容されうる。
実施例2
ステージ1は、酢酸中、脱水剤である無水酢酸の存在下での1,3-ジシクロヘキシル尿素とマロン酸の反応を含む。反応は、中間体である3-(1,3-ジシクロヘキシルウレイド)-3-オキソプロパン酸を介して進行する。目的生成物および不純物の形成速度に対するイミダゾールの影響を、1,3-ジシクロヘキシル尿素中にイミダゾールを0.5w/w%でスパイクすることによって調べた。濾過した反応混合物のHPLC分析により、6時間および8時間の反応プロファイルを決定した。
イミダゾールは、中間体の消費速度(図1A)および生成物由来の不純物(5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(図1D)および1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオン(図1C))の形成を有意に増加させたが、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン生成物(図1B)の形成を抑え、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの大部分の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと1,3-ジシクロヘキシル-2H-ピラノ[2,3-d]ピリミジン-2,4,5,7(1H,3H,6H)-テトラオンの混合物への変換をもたらした。添加されたイミダゾールがこれらの反応の加速を引き起こすメカニズムは、外因性のN,N’-ジメチルアミノピリジンを添加したときの反応プロファイルの類似性から推測された(図2);両方ともこのステージで起こる一連の縮合反応の求核触媒として作用する。さまざまなレベルのイミダゾールを1,3-ジシクロヘキシル尿素に添加した場合の反応の進行を調べると(図3)、0.05%という低い負荷量でも反応が加速されることが示された。
実施例3
1,3-ジシクロヘキシル尿素は、酢酸中で無水酢酸を用いる処理によって1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンに変換される。実施例1で報告された研究を含む予備研究により、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが、ステージ1で形成される無水酢酸とゆっくりと反応して、不純物である5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを生成することが示された。スクリーニング実験計画法(DoE)を実施して、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成に関連するパラメータおよび属性を特定した。この研究は、4つの中心点をもつ2レベル、6因子、20実行の一部実施要因計画であった。調べたパラメータと範囲を表5に示す。
5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度が研究した応答であった。経時的推移データを収集して、各条件下の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン形成の初期速度を決定した。反応濾液のサンプルを一定の間隔で採取し、濾液中の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンおよび5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの相対含有量をHPLCで測定した。各条件のデータを二次多項式に当てはめて、反応の進行を記述した。この方程式を解いて15%転化率に達した時間を決定した。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの初期速度は、この時間の逆数である。
スクリーニング研究の分析は、図4の半正規プロットを用いて示される。1,3-ジシクロヘキシル尿素中のイミダゾール含有量は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成速度に有意な(P<0.0001)影響を及ぼすことが見出された。反応温度(P=0.0003)および酢酸の量(P=0.0016)も効果を示した。
酢酸の量または反応温度と組み合わせた、1,3-ジシクロヘキシル尿素中のイミダゾールの量の変化の影響は、相互作用プロットに示されている(図5)。これらのプロットは、1,3-ジシクロヘキシル尿素中の大量のイミダゾールを高い反応温度または低い酢酸の量のいずれかと組み合わせると反応濃度が上昇し、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成が促進されることを示している。
実施例4
実施例2および3は、ステージ1での5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの形成が、1,3-ジシクロヘキシル尿素中にイミダゾールが存在することに依存し、さらに酢酸の量および反応温度にも依存することを示している。実施例1は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが後のステージで容易にパージできないことをさらに示す。ステージ1の生成物を単離する工程のパージ能力の評価を行って、ステージ1の終了時にこの不純物の許容限度を確立した。
5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの溶解度は、29.5v/v%無水酢酸-酢酸(ステージ1終了時の溶媒組成を模倣)、酢酸および水中で測定された。溶解度は、溶媒を成分で飽和させ、濾過し、上清中の成分濃度を決定することによって測定された。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの15℃の29.5v/v%無水酢酸-酢酸中の溶解度は、43.7mg/mlと決定された。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの20℃の酢酸中の溶解度は、62.3mg/mlと決定され、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの25℃の水中の溶解度は、0.1mg/ml未満と決定された。
ステージ1の生成物である、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの単離中の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのパージを決定するためにスパイク研究を実施した。5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを、29.5%無水酢酸-酢酸中の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの懸濁液に添加した。15℃で濾過し、酢酸(2×1.0容量)、続いて水(2×1.0容量)で洗浄した後の5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのレベルを表6に示す。
5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンのパージを大規模に実証するためにプロセスストレッチング研究(Process stretching studies)を実施した。ステージ1の反応は、上昇した5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを生成すると予測される表7に記載の条件で実行し、続いて15℃で濾過し、酢酸(2×1.0容量)に続いて水(2×1.0容量)で洗浄した。
濾液のHPLCは、反応生成物である1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンに対する面積%が45.6であることを示した。1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン(面積%)の純度は100%であり、総不純物は0.5%(面積%)未満であった。
実施例5
ダプロデュスタット遊離酸の錠剤製剤は、以下のとおり調製されうる。錠剤コアは、顆粒および顆粒外成分を含んでなる。顆粒は、ダプロデュスタット、マンニトール、微晶質セルロース、ヒプロメロース2910およびクロスカルメロースナトリウムを高剪断造粒機に添加することにより調製される。粉末を高剪断下で少なくとも5分間ブレンドし、少なくとも7分の水添加時間および少なくとも2分の湿潤塊形成時間にわたって少なくとも26w/w%の精製水を噴霧しながら造粒を実施する。湿潤顆粒を流動床乾燥機で少なくとも38度の生成物温度で2w/w%を超えない目標含水量まで乾燥させ、顆粒を乾式粉砕して顆粒サイズ分布を正規化する。粉砕された顆粒は、顆粒外成分であるマンニトール、微晶質セルロース、クロスカルメロースナトリウムおよび流動促進剤コロイド状二酸化ケイ素とさらにブレンドされる。ステアリン酸マグネシウムを添加し、得られた混合物を、180~370MPaの範囲の圧縮圧力を用いて、以下の条件下で回転打錠機を使用して錠剤コアに圧縮する。
錠剤形状/サイズ:丸型両凸錠/直径7mm(4mg以下)、直径9mm(6mg以上)
圧縮速度は少なくとも40000錠/時
錠剤の組成を表8に示す。
造粒用の精製水は、加工中に除去され、錠剤中には残らない。

Claims (27)

  1. 1,3-ジシクロヘキシル尿素とマロン酸とを反応させることを含んでなる、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法であって、前記反応の生成物は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンと式(II)の化合物:
    (式中、RはC1-6アルキルである)
    であり、溶媒系は、1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが単離される温度で前記式(II)の化合物を溶液中に維持するように選択され、前記反応は、用いられる前記溶媒系で前記式(II)の濃度がその溶解度を超える前に終了する、方法。
  2. 前記式(II)の化合物が、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである、請求項1に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  3. 前記溶媒系が29.5v/v%無水酢酸-酢酸であり、前記単離温度が15℃であり、前記反応が5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの濃度が45.2mg/mlに達する前に終了する、請求項2に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  4. 前記反応が1,3-ジシクロヘキシル尿素(1.0重量)、マロン酸(1.3重量)、酢酸(2.7重量)および無水酢酸(6.6当量)を使用し、前記単離温度が15℃である場合、前記反応は、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンの前記割合が前記反応の生成物の面積で45%を超える前に終了する、請求項2に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  5. 前記反応が濾過で終了する、請求項1~4のいずれか一項に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  6. 濾過ケーキが、式RCOHのカルボン酸以外の2容量以上の溶媒で洗浄される、請求項5に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  7. 前記1,3-ジシクロヘキシル尿素出発材料が、0.05%(w/w)以下のイミダゾールを含有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製するための方法。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に定義される1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンを調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製するための方法。
  9. 1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンにおける式RCOHのカルボン酸のレベルが、式(III)の化合物との反応の直前に0.1%(w/w)以下である、請求項8に記載のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製するための方法。
  10. 前記N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が結晶形である、請求項8または9に記載のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製するための方法。
  11. N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が、請求項8~10のいずれか一項に定義される方法に従って得られる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物。
  12. N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が、請求項10に定義されるプロセスに従って得られる、請求項11に記載のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物。
  13. 請求項8~10のいずれか一項に定義されるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩を調製する工程を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を調製するための方法。
  14. 前記N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩が結晶形である、請求項13に記載のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤を調製するための方法。
  15. 請求項13または14に記載の方法によって得られるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤。
  16. ダプロデュスタット原薬に対して0.15w/w%未満の式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩を含んでなるN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の組成物を含んでなる、N-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤。
  17. 前記式(II)の化合物またはその薬学上許容可能な塩が、5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである、請求項16に記載のN-[(1,3-ジシクロヘキシル-6-ヒドロキシ-2,4-ジオキソ-1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ピリミジニル)カルボニル]グリシンまたはその薬学上許容可能な塩の即時放出製剤。
  18. 対象における慢性腎疾患による貧血の処置方法での使用のための、請求項15~17のいずれか一項に定義される即時放出製剤。
  19. 前記対象が鉄欠乏であり、前記対象がさらに鉄補充療法を受けている、請求項18に記載の使用のための即時放出製剤。
  20. 前記即時放出製剤が、1mg、2mg、4mg、6mg、8mg、12mg、16mgまたは24mgのいずれかの用量で1日1回投与され、前記用量が、患者のヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲内に維持するように、前記患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される、請求項18または19に記載の使用のための即時放出製剤。
  21. 前記患者が透析を受けていない、請求項18~20のいずれか一項に記載の使用のための即時放出製剤。
  22. 前記即時放出製剤が週3回投与され、各用量が、2mg、4mg、8mg、12mg、16mg、24mg、32mgまたは48mgのいずれかであり、前記用量が、患者のヘモグロビン濃度を10~11g/dLの範囲内に維持するように、前記患者のヘモグロビン濃度に基づいて1用量ステップずつ増加または減少される、請求項18または19に記載の使用のための即時放出製剤。
  23. 前記患者が透析を受けている、請求項22に記載の使用のための即時放出製剤。
  24. 前記患者のヘモグロビン濃度が少なくとも3か月に1回モニタリングされる、請求項20~23のいずれか一項に記載の使用のための即時放出製剤。
  25. 前記患者のヘモグロビン濃度の増加が4週間以内で2.0g/dLを超える場合、前記用量が1用量ステップずつ減少されるかまたは中断される、請求項20~23のいずれか一項に記載の使用のための即時放出製剤。
  26. 式(II)の化合物:
    (式中、RはC1-6アルキルである)
    またはその薬学上許容可能な塩。
  27. 5-アセチル-1,3-ジシクロヘキシルピリミジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンである化合物。
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