JP2024521160A - 補償光学系による、及び検出器に対して相対的に移動する光源についての時間遅延を用いて参照ビームと信号ビームとを分離することによる、古典的及び量子的な自由空間通信の改善 - Google Patents
補償光学系による、及び検出器に対して相対的に移動する光源についての時間遅延を用いて参照ビームと信号ビームとを分離することによる、古典的及び量子的な自由空間通信の改善 Download PDFInfo
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Abstract
開示されるのは、情報伝送速度を改善する方法である。本方法は、補償光学補正用の基準光源及び光通信用の信号光源を同じ波長又は略同じ波長で放射することによって、並びに、基準光源と信号光源との間の時間遅延、及び/又は、補償光学制御における遅延時間、及び/又は、検出モジュールに対する基準光源及び信号光源の見かけの角速度、及び/又は、基準光源と信号光源との間の物理的な分離の調整によって、大気による歪みを低減するステップと、基準光源ビームの検出及び信号光源ビームの検出を並べて行うステップと、基準光源の波形の歪み補正に補償光学を使用して、信号光源の歪みを同時に補正するステップと、を含む。基準光源は、信号光源よりも明るく、(パルス状の又は連続的な)基準光源は、(パルス状の又は連続的な)信号光源よりも早く放出され、基準光源ビームの光路及び信号光源ビームの光路は、略同じ波面の歪みを有する。
Description
関連出願の相互参照
適用される特許法及び/又はパリ条約に従う規則に基づき、本出願は、2018年5月26日に出願された国際特許出願PCT/CN2021/096100の優先権及び利益を適時に主張する。あらゆる目的において、国際特許出願第PCT/CN2021/096100の開示全体は、参照により本出願の開示の一部として援用される。
適用される特許法及び/又はパリ条約に従う規則に基づき、本出願は、2018年5月26日に出願された国際特許出願PCT/CN2021/096100の優先権及び利益を適時に主張する。あらゆる目的において、国際特許出願第PCT/CN2021/096100の開示全体は、参照により本出願の開示の一部として援用される。
開示されるのは、情報伝送速度を改善するシステム、情報伝送システム、情報伝送速度を改善する方法、及び関連方法である。
空気の反射率は、密度、圧力、温度などの物理パラメータの変動によりわずかに変化する。その結果、大気の乱流によって光線の波面が動的に歪み、伝送された画像にブレ及びドリフトを生じさせる。補償光学(AO)は、このような画像の歪みを補正する技術である。その基本的な考え方は、フィードバック制御によって波面の歪みを補正することである。最も一般的に使用される方法は、撮像システムの変形可能な光学素子を動的に調整することである。AO技術は、天文学、光通信、顕微鏡などの分野で広く使用されている。
歪んだ画像を可能な限り迅速かつ正確に補正するためには、十分に明るい基準光源が必要である。典型的な古典的光通信アプリケーションでは、信号源自体が十分に明るく、基準光源としても機能する。多くの実装が提案され、開発されて来た。その一例が、受信された画像を多数のサブアパーチャに分割することである。各サブアパーチャの位相シフタを動的に調整することによって、受信信号全体の瞬間的な出力信号対雑音比を最大化することができる。
AOを含む古典的な光通信の全てが信号光源を使用するわけではない。一例は、衛星上に搭載されたミラーから反射された太陽光を基準光源として使用する。AO技術は、この基準光源と近くの衛星から放射される光信号光源の波面の歪みを補正するために使用される。しかし、この方法には3つの問題がある。第一に、太陽光が常に利用できるとは限らない。第二に、2つの衛星は異なる高度にあるため、AO補正技術を適用するには距離が離れすぎている。さらに、非常に明るい反射太陽光は、基準太陽光を検出して補正するために使用する望遠鏡内部の空気に深刻な管電流を引き起こす。これは、AO補正の性能を低下させる。
天文アプリケーションでは、薄暗い天体を観測するために、天文学者は、(望遠鏡から観測される見かけの角度分離の観点から)近くにある明るい星又は人工的なガイド星を基準光源として使用する。いずれの場合も、基準光源及び観測対象の天体は、同じ天体望遠鏡の光学系を通過する。本アイデアは、2つの光源が角度的に近いため、多少は同じ波面の歪みを経験するはずだという考え方である。したがって、基準光源のAO技術による波面補正が成功すれば、薄暗い天体の画像補正も成功するはずである。
基準光源及び信号源が検出器に対して相対的に移動する場合、信号補正はより困難になり得る。信号源の移動は、大気乱流の有効な空間スケール及び時間スケールが減少することを示唆する。同様のレベルのAO補正を達成するためには、相対的な動きが速ければ速いほど、AO制御も速くならなければならない。このことは、大気の乱流が空間的に不均一であっても時間的に静的であっても同様である。
以下では、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本発明の簡略化された概要を示す。この概要は、本発明の広範な概観ではない。本発明のキー又は重要な要素を特定することも、本発明の範囲を明確にすることも意図していない。むしろ、この概要の唯一の目的は、以下に示すより詳細な説明の前段階として、簡略化した形で本発明のいくつかの概念を提示することにある。
情報伝送速度は、自由空間通信において、特に可視スペクトルにおいて、光源が検出器に対して相対的に移動している場合に、大気による歪みによって深刻な影響を受ける可能性がある。ここでは、基準ビーム及び補償光学系を用いて大気による歪みによる影響を補正し、同時に近傍の遅延信号ビームを介して古典的な情報又は量子的な情報を伝送することを説明する。この技術は、基準ビームの大気による歪みを検出して補正する波面検知モジュールと、実際の光通信信号を検出する信号検出モジュールとが、受信端において互いに近接して配置されている場合に有効である。
本明細書で開示されるのは、情報伝送速度を改善する方法である。この方法は、補償光学補正用の基準光源及び光通信用の信号光源を同じ波長又は略同じ波長で放射することによって、並びに、基準光源と信号光源との間の時間遅延、及び/又は、補償光学制御における遅延時間、及び/又は、検出モジュールに対する基準光源及び信号光源の見かけの角速度、及び/又は、基準光源と信号光源との間の物理的な分離を調整することによって、大気による歪みを低減するステップと、基準光源ビームの検出及び信号光源ビームの検出を並べて行うステップと、基準光源の波形の歪み補正に補償光学を使用して、信号光源の歪みを同時に補正するステップと、を含む。基準光源は、信号光源よりも明るく、基準光源及び信号光源は、検出モジュールに対して相対的に移動し、(パルス状の又は連続的な)基準光源は、(パルス状の又は連続的な)信号光源よりも早く放出され、基準光源ビームの光路及び信号光源ビームの光路は、略同じ波面の歪みを有する。
更に開示されるのは、基準ビームの大気による歪みを検出及び補正する波面検知モジュールと、情報伝送システムの受信端において互いに近接して配置され、実際の光通信信号を検出する信号検出モジュールと、を用いて情報伝送速度を改善するシステムである。波面検知モジュール及び信号検出モジュールは、基準ビームの画像の中心が波面検知モジュールの感光面の中心と少なくとも重なるように、互いに近接して配置される。
更に開示されるのは、光通信のための信号光源を生成する第1のエミッタと、信号光源と同一又は略同一の波長の基準光源を生成する第2のエミッタと、第1の検出器とと、第2の検出器と、補償光学系と、を含む情報伝送システムである。基準光源は信号光源より明るい。基準光源ビームの光路及び信号光源ビームの光路は、略同じ波面の歪みを有する。第1の検出器は、信号光源ビームを検出する。第2の検出器は、基準光源ビームを検出する。第1の検出器及び第2の検出器は、隣り合わせで配置される。補償光学系は、照光源の波形の歪みを補正し、同時に信号光源の歪みを補正する。
前述の目的及び関連する目的を達成するために、本発明は、以下で完全に説明される特徴、特に特許請求の範囲において示される特徴を含む。以下の説明及び添付図面は、本発明の特定の例示的な態様及び実施例を詳細に示す。しかしながら、これらは、本発明の原理が採用され得る様々な手法のほんの一部を示すに過ぎない。本発明の他の目的、利点、及び新規な特徴は、図面と併せて考慮される場合に、以下の発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
最近、AO技術は、19.2kmの距離にわたる地上ベースの自由空間安全量子通信に適用され、そこでは、異なるが近い波長の2つの光子源(一方はAO補正用であり、他方は秘密鍵生成用)が周波数多重を介して使用される。この実装には3つの問題がある。第一に、周波数分散のために通信距離が長くなったときに拡張できない。第二に、2つの周波数信号の分離が効果的でなく、信号伝送速度が非常に低くなる。第三に、信号源が検出器に対して相対的に移動する場合には効果的でない。実際、相対速度が増加するに連れて効果は減少する。
ここで、これらの自由空間安全量子通信の問題は、同じ波長又は略同じ波長で放射する2つの人工光源(効果的なAO補正を行うための明るい基準光源と、実際の光量子通信のための弱い信号光源)を使用することによって解決される。図1から図4を参照すると、これら2つの光源は、物理的に近くに配置されている。同様に、基準光源ビームを検出する波面検知モジュールと、信号光源ビームを検出する信号検出モジュールとは、隣り合わせで配置される。(パルス状の又は連続的な)基準ビームにタイミング、(パルス状の又は連続的な)信号ビームのタイミング、及びAO制御の応答時間は、慎重に、場合によっては動的かつ補償的に調整される。このようにして、同じ波長又は略同じ波長の2組の光源の光路は、同じ波面の歪みを多少は経験する。このように、基準光源のAOによる波形の歪みの補正は、より弱い信号光源の歪みも同時に補正可能である。確かに、2組の光源は十分に離れて配置されているため、基準光源の回折及び散乱が信号光源に与える影響は無視できるほど小さく、その逆も同様である。結果的に、この方法の有利な特徴は、信号伝送速度が基準光源に依存しないことにある。
図5及び図6を参照すると、例示的な実施形態は、信号ビーム及び基準ビームを放射する2つの人工光源、補償光学系、基準検出モジュール、信号検出モジュール、及び基準検出モジュールの読み取り値に基づいて補償光学系を変化させるフィードバック制御の間の光学的関係を示している。すなわち、2つのビームと2つの検出モジュールとの間の相対角速度(θ2/Tr)と、検出モジュールから観察される基準ビームと信号ビームのなす角度(θS)の情報を用いて、時刻t=0に放射された基準ビームが進む光路と、角度(θ1)によって特徴付けられる時刻Trに放射された信号ビームが進む光路との差を最小化することができる。この時間差Trが、大気乱流の変動のタイムスケールよりも一桁程度短く、AOシステムの応答時間よりも長い場合、補償光学システムにコントローラによって実装される波形の歪みの補正は、大気による歪みを最小化し、それによって信号ビームの自由空間通信における通信速度を向上させることができる。確かに、Trの値は動的かつ補償的に調整され得る。さらに、検出器モジュールに対するこれら2つの光源ビームの角速度及び/又は2つの光源ビーム間の物理的な分離を変更することによって、先行する基準ビームと遅延した信号ビームが移動する光路間の差を最小化することもできるが、これらの方法は技術的に困難であり、現在までの技術を使用しても経済的でない可能性がある。
本明細書において、略同じ波長とは、2つの波長が互いに50nmの範囲内であることを意味し、基準ビーム及び信号ビームが検出モジュールに対して相対的に移動するとは、2つのビームと2つの検出モジュールとの間の相対角速度が平均太陽角速度、すなわち1日当たり約360°よりも大きいことを意味し、波面検知モジュールとは、波面を直接的又は間接的に測定及び/又は再構成する装置又は技術を意味する。他の実施形態では、略同じ波長とは、2つの波長が互いに25nmの範囲内であることを意味する。更に他の実施形態では、略同じ波長とは、2つの波長が互いに10nmの範囲内であることを意味する。
この点で、本明細書に記載の方法は、天文学において使用される標準的な人工ガイド星技術と類似している。しかし、少なくとも2、3の大きな違いがある。第一に、本明細書で使用される全ての光源は人工的である。第二に、本明細書における基準光源は、(1又は複数の)信号光源に対して物理的に近接して配置される(見かけ上の角度分離の観点で近接しているだけではない)。第三に、高度な基準光源を使用したり、AOシステムの応答時間を調整したりする必要はない。
この方法は、安全な量子通信のためだけではないことに注意すべきである。ここで説明する方法は、信号源が検出器に対して相対的に移動すれば、自由空間における古典的な光通信にも直接的に適用可能である。この場合、信号源の強度は低くなくてもよい。さらに、本方法は、地上ベースの通信、空対地通信、衛星対地通信にも適用可能である。
すなわち、本明細書では、次のような実装を説明する:
1.移動する2地点間の地上間通信、及び
2.地上から550kmの高度で円軌道を移動する低軌道(LEO)衛星対地通信
1.移動する2地点間の地上間通信、及び
2.地上から550kmの高度で円軌道を移動する低軌道(LEO)衛星対地通信
明確には説明しないが、本明細書に記載されている技術が、ドローン対地、及び飛行機対地の光通信にも適用可能であることを容易に確認することができる。これらの実装を更に説明するために、検知モジュールが焦点面に配置される望遠鏡のセットアップの以下の2つの特殊事例について説明する。第1の特殊事例は市販の望遠鏡に基づき、第2は実際の衛星対地実験に基づく。閉塞直径114mm、有効焦点距離3910mmの356mm径望遠鏡と、焦点距離10mの1m径反射望遠鏡である。
基準ビームと信号ビームの設計
例示的な実施形態の直観は、同様の周波数であり物理的に近い2つの光ビームは、多少は同じ気柱を通過し、したがって、略同時に検出器端に到着するそれらの波面は、略同じように歪むはずである。その結果、単一の波面補正方法は、両方の光ビームを同時に高い忠実度で補正できるはずである。本発明が2つのビームを一緒に配置しないのか疑問に思うかもしれない。ビーム切り替えの時間間隔が大気中の波面の歪みの変化よりもはるかに大きい場合、時間多重化技術も機能するはずである。その答えは、最近の実験で実証されているように、純粋な波長分割多重は機能するが、この技術は移動光源に対してより優れた秘密鍵レートを達成できるということにある。受信機に対する光源の移動方向に沿って信号ビームの前方に基準ビームを配置することで、本方法は、波面の歪みをよりよく補正することができる。さらに重要なことは、2つのビーム間の見かけの角度距離とAOフィードバックループにおいて使用される遅延時間を注意深く調整することで、2つのビームが略同じ光路を通るようにすることができる。その結果、大気による乱流の変動の時間スケールが十分に短い場合、移動光源の場合ほど効果的ではないが、AO補正のレベルは非移動光源の場合と同等になるはずである。
例示的な実施形態の直観は、同様の周波数であり物理的に近い2つの光ビームは、多少は同じ気柱を通過し、したがって、略同時に検出器端に到着するそれらの波面は、略同じように歪むはずである。その結果、単一の波面補正方法は、両方の光ビームを同時に高い忠実度で補正できるはずである。本発明が2つのビームを一緒に配置しないのか疑問に思うかもしれない。ビーム切り替えの時間間隔が大気中の波面の歪みの変化よりもはるかに大きい場合、時間多重化技術も機能するはずである。その答えは、最近の実験で実証されているように、純粋な波長分割多重は機能するが、この技術は移動光源に対してより優れた秘密鍵レートを達成できるということにある。受信機に対する光源の移動方向に沿って信号ビームの前方に基準ビームを配置することで、本方法は、波面の歪みをよりよく補正することができる。さらに重要なことは、2つのビーム間の見かけの角度距離とAOフィードバックループにおいて使用される遅延時間を注意深く調整することで、2つのビームが略同じ光路を通るようにすることができる。その結果、大気による乱流の変動の時間スケールが十分に短い場合、移動光源の場合ほど効果的ではないが、AO補正のレベルは非移動光源の場合と同等になるはずである。
図5に戻ると、2つの光源が物理的に近くに配置されている。同様に、基準光源ビームを検出する波面検知モジュールと、信号光源ビームを検出する信号検出モジュールとは、隣り合わせに配置される。長距離通信における光子損失を低減するため、各ビーム源は、衛星上の望遠鏡の焦点に配置され、光源の近くで放射される光ビームは、進行平面波によってよく近似できる。このようにして、同じ波長又は略同じ波長を有する2組の光源の光路は、同じ波面の歪みを多少は経験する。基準検出モジュールは、大気による歪みを推定し、制御システムへのフィードバック信号を生成する。そして、制御システムは、AOシステムの変形可能ミラー又は空間光変調器のアクチュエータを駆動する。このように、基準光源に対するAOによる波形歪み補正は、より弱い信号光源の歪みも同時に補正する。もちろん、2組の光源は、基準光源の回折及び散乱が信号光源に与える影響及びその逆を無視できるように、十分に離して配置されなければならない。この方法の良い点は、信号伝送速度が基準光源に依存しないことである。
本方法は、観測天文学で使用される標準的な人工ガイド星技術に似ている。本発明は、本方法が量子通信にのみ有効というわけではないことを示す。本発明は、自由空間における古典的な光通信にも直接的に適用できる。この場合、信号源の強度を低くする必要はない。さらに、本方法は、地上ベースの通信、空対地通信、衛星対地通信、検知モジュール及び検出モジュールに対して静止している光源及び動いている光源にも適用できる。しかし、標準的な人工ガイド星法とは2つの大きな違いがあることに注意すべきである。第一に、本発明が使用する全ての光源は、人工的である。第二に、基準光源は、(1又は複数の)信号光源に対して物理的に近接して配置される(見かけ上の角度分離の観点で近接しているだけではない)。
位相スクリーンシミュレーション
この方法の有効性を検証するため、本発明は、基準ビーム及び信号ビームの空間プロファイルのシミュレーションを行う。問題を単純化するために、本発明は、霞及び雲による影響を無視する。さらに、LEO衛星の角速度は速いので、本発明は、反射指数変動の時間依存性を無視する。言い換えれば、大気中の空間的に不均一な反射指数のランダムなサンプルに対するAO補正によって結果が得られる。(本発明は、大気乱流の時間依存性の効果について後に議論する)本発明は、Matlabで記載されたPROPERライブラリを使用して、この媒質中の光の伝搬をシミュレーションする。本発明は、光波の位相を変化させるために使用される一組の位相スクリーンによって、大気による位相乱れをモデル化する。これらの位相スクリーンは、コルモゴロフの乱流理論に従った分布を持つランダムな複素数に対するFFTを用いて生成される。ここで、本発明は、位相スクリーン生成における数式及びパラメータの詳細を提示する。本発明は、近接場及び遠方場の光伝播について、修正フォンカルマン位相雑音パワースペクトル密度(PSD)、スペクトルアルゴリズム、及びフレネル近似フーリエアルゴリズムを使用する。本発明は、望遠鏡及び変形可能ミラーのシミュレーションのためのルーチンも提供する。望遠鏡の回折効果は、より正確な結果を得るためのシミュレーションに含まれる。図7は、シミュレーションにおいて使用された受信端望遠鏡及びAOシステムのセットアップを示す。
この方法の有効性を検証するため、本発明は、基準ビーム及び信号ビームの空間プロファイルのシミュレーションを行う。問題を単純化するために、本発明は、霞及び雲による影響を無視する。さらに、LEO衛星の角速度は速いので、本発明は、反射指数変動の時間依存性を無視する。言い換えれば、大気中の空間的に不均一な反射指数のランダムなサンプルに対するAO補正によって結果が得られる。(本発明は、大気乱流の時間依存性の効果について後に議論する)本発明は、Matlabで記載されたPROPERライブラリを使用して、この媒質中の光の伝搬をシミュレーションする。本発明は、光波の位相を変化させるために使用される一組の位相スクリーンによって、大気による位相乱れをモデル化する。これらの位相スクリーンは、コルモゴロフの乱流理論に従った分布を持つランダムな複素数に対するFFTを用いて生成される。ここで、本発明は、位相スクリーン生成における数式及びパラメータの詳細を提示する。本発明は、近接場及び遠方場の光伝播について、修正フォンカルマン位相雑音パワースペクトル密度(PSD)、スペクトルアルゴリズム、及びフレネル近似フーリエアルゴリズムを使用する。本発明は、望遠鏡及び変形可能ミラーのシミュレーションのためのルーチンも提供する。望遠鏡の回折効果は、より正確な結果を得るためのシミュレーションに含まれる。図7は、シミュレーションにおいて使用された受信端望遠鏡及びAOシステムのセットアップを示す。
自由空間チャネルでは、本発明は大気を2つの層に分割する。上層には1つの位相スクリーンがあり、下層には10個の位相スクリーンがある。衛星高度、層分割高度、及び受信機高度はそれぞれ400km、20km、及び0kmである。位相スクリーンのサイズは1024×1024で、本発明は各シナリオについて1000回のシミュレーションを繰り返す。シミュレーションに使用したパラメータを表Iに示す。望遠鏡の仕様は鹿林天文台の実際の望遠鏡に基づく。また、簡単のため、本発明では、シミュレーションにおいて、支持スパイダーベーンの回折効果を無視する。本発明は、780nmの波長光子源を使用するが、これは、この波長の方が、空間フィルタリング戦略、幾何学的結合、及び焦点スポットのサイズが優れているからである。
ここで、本発明は、量子信号ビーム検出が基準ビームによってトリガされる状況を考慮する。基準光源は比較的強いコヒーレントパルスを送信する。これは量子信号パルスに対してわずかに先行している。この設定により、乱流によるゼロ次歪みが自動的に補正される。さらに重要なことに、基準ビームの位相情報がフィードバック信号として抽出される。この位相は、完全な真空チャネルを伝播する理想的な光ビームと比較される。プロファイルの差は、変形可能ミラー(deformable mirror、DM)を適用することにより、基準ビームと空間的に分離された信号ビームの位相誤差を補正するために使用される。
AOシステムパラメータ
信号波長 780nm
DMアクチュエータアレイサイズ 64×64
初期ビーム径 0.05m
一次ミラー径 1.03m
二次ミラー径 0.36m
焦点距離 8m
信号波長 780nm
DMアクチュエータアレイサイズ 64×64
初期ビーム径 0.05m
一次ミラー径 1.03m
二次ミラー径 0.36m
焦点距離 8m
表I.鹿林天文台の実際のカセグレン望遠鏡に基づくシミュレーションにおいて使用されたAOシステムパラメータ。
本発明は、光波の位相を変化させるために使用される一組の位相スクリーンによって、大気による位相乱れをモデル化する。これらの位相スクリーンは、コルモゴロフの乱流理論に従った分布を持つランダムな複素数に対するFFTを用いて生成される。ここで、本発明は、位相スクリーン生成における数式及びパラメータの詳細を提示する。本発明は、修正フォンカルマン位相雑音パワースペクトル密度(PSD)を使用する。
ここで、κ0=2π/L0、κm=5.92/l0であり、κは空間周波数(rad/m)である。メートル単位のr0は、大気のコヒーレンス直径であり、フリードパラメータとも呼ばれる。ここで、メートル単位で表されるL0は、乱流の外側スケールとも呼ばれる最大の渦(Eddy)の平均サイズであり、メートル単位で表されるl0は、乱流の内側スケールとも呼ばれる最小の渦の平均サイズである。本発明は、L0がCoulman-Verninプロファイルに従うと仮定する。
ここで、hはメートル単位で表される高度である。r0の値は、高度と天頂角と共に次の式に従って変化する。
ここで、ζは天頂角であり、kは光の波数である。
は屈折率構造パラメータである。本発明では、
のシミュレーションにHufnagel-Valleyモデルを使用する。すなわち、
ここで、v=21m/sは風速である。
ここで、κ0=2π/L0、κm=5.92/l0であり、κは空間周波数(rad/m)である。メートル単位のr0は、大気のコヒーレンス直径であり、フリードパラメータとも呼ばれる。ここで、メートル単位で表されるL0は、乱流の外側スケールとも呼ばれる最大の渦(Eddy)の平均サイズであり、メートル単位で表されるl0は、乱流の内側スケールとも呼ばれる最小の渦の平均サイズである。本発明は、L0がCoulman-Verninプロファイルに従うと仮定する。
ここで、hはメートル単位で表される高度である。r0の値は、高度と天頂角と共に次の式に従って変化する。
ここで、ζは天頂角であり、kは光の波数である。
は屈折率構造パラメータである。本発明では、
のシミュレーションにHufnagel-Valleyモデルを使用する。すなわち、
ここで、v=21m/sは風速である。
位相スクリーンの生成には、サブハーモニクスを用いるフーリエ変換法が用いられる。フーリエ変換法の位相スクリーンは、次のように書ける。
ここで、fx及びfyは、それぞれx方向とy方向に沿った空間周波数である。さらに、cn,mはランダムな複素係数であり、次式で与えられる分散を持つ円形の複素ガウス分布を有する。
ここで、fx及びfyは、それぞれx方向とy方向に沿った空間周波数である。さらに、cn,mはランダムな複素係数であり、次式で与えられる分散を持つ円形の複素ガウス分布を有する。
本発明は、Laneらによって提案されたサブハーモニック法を用いて低周波位相スクリーンを生成する。より正確には、サブハーモニックを用いて低周波位相スクリーンを生成し、それをFT位相スクリーンに加える。スクリーンφLF(x,y)は、NP位相スクリーンを合計することによって計算される。
本発明が使用するpthスクリーンの周波数間隔は、Δfp=1/(3pL)である。
図8は、通信チャネルの概略図である。ここでのグレースケールのプレートは、ランダムに生成された(時間に依存しないが空間的に不均一な)位相スクリーンである。各ピクセルのグレースケールは、光がその領域を通過するときの位相変化を表している。
基準ビームと信号ビームの空間的な相関のシミュレーションを行うために、本発明では、両方の(空間的に分離された)ビームが、同じ位相スクリーンのセットを通過する。図8に示すように、位相スクリーン上で2つのビームが重なる領域は、ビームが伝播するに連れて増加する。これは、伝送距離が増えるに連れて、基準ビームが信号ビームの乱流情報をより多く含むようになることを意味する。hが高いときには乱流がほとんどないため、第1の位相スクリーンによる波面の歪みはほとんどゼロになる。その結果、2つのビームが第1の位相スクリーン上で重ならなくとも、システムの性能は影響を受けない。
個々のビームサイズ又はビームの伝送距離が大きくなると、2つのビームの重複面積が大きくなることに注意しなければならない。図9に示すように、ビームは受信機に向けて小さな角度だけ傾けられている。本発明は、ビームの中心が同じ位置で受信端に到達すると仮定する。したがって、位相スクリーンを通過するとき、一方のビームは特定の距離Δx=L(zmax-z)/zmaxだけずれる。ここで、L、zmax、及びzは、ビーム間の分離、送信機と受信機との距離、及び伝播距離である。L<<zmaxであるから、ビームは同じ距離を進み、相対的な傾斜角は無視できる。
乱流によって生じる信号収差は、コヒーレント効率γによって定量化される。
上記の式において、Eidealは、ビームが真空チャネルを通過する理想状態の電界であり、Ereceivedは、歪んだ電界又は補正された電界である。さらに、積分は、受信機表面にわたって行われる。明らかに、0≦γ≦1であり、γ=1は、EidealとEreceivedが完全に一致することを意味する。
上記の式において、Eidealは、ビームが真空チャネルを通過する理想状態の電界であり、Ereceivedは、歪んだ電界又は補正された電界である。さらに、積分は、受信機表面にわたって行われる。明らかに、0≦γ≦1であり、γ=1は、EidealとEreceivedが完全に一致することを意味する。
図10は、コヒーレント効率γ対分離距離Lグラフのシミュレーション結果を示す。AO補正なしの場合、γは、天頂角ζ=0°で約0.3であり、ζ=75°で約0.05である。予想通り、AO使用後はγが増加する。例えば、L=2mの場合、システムは、ζ=0°でγ=0.958、ζ=75°でγ=0.566まで歪みを補正できる。Lが増加するとビームの重複面積が小さくなるため、γが減少することに注意しなければならない。基準ビームの位相歪みは、信号ビームにはあまり関係ない。各ζについて、Lが増加するとコヒーレント効率は突然低下する。その上、この急激な低下が起こる距離Lは、ζと共に減少する。この低下は、乱流の等波面離角に関連する。2光源間の角度が等波面離角よりも小さい場合、それらの歪みはほとんど同じと考えることができる。したがって、Lが増加し、2光源間の角度分離が等波面離角より大きくなると、AO補正の効果は急激に減少する。最後になるが、重要なことに、Lが一定の場合、天頂角ζが増加するに連れて、2つの理由(光ビームがより長い光路を通る必要があること、及び式(3)のフリードパラメータr0が小さくなること)により、γの値は減少する。
DMのアクチュエータに数は限られているため、L=0であってもシステムは信号を完全に復元できないことに注意しなければならない。したがって、高次の乱流を完全に補正することはできない。高次の歪みの寄与は、ζが増加する大きくなる。したがって、γは1ではなく、図11に示すように減少する。
乱流の空間依存性
波長分割多重と本方式との比較
本発明は、本方法のコヒーレント効率を、波長分割多重(wavelength division multiplexing、WDM)を用いて信号ビームと基準ビームとを結合するシステムと比較する。位相偏差は波長に反比例する。シミュレーションにおいて、本発明は、信号ビーム及び基準ビームの波長の比に応じて位相スクリーンを調整する。本発明は、基準波長を標準光通信波長の808nmに設定する。WDMシステムの結果は、信号ビームと基準ビームとを2m分離するシステムと比較される。比較を図12に示す。空間分離方式のコヒーレント効率は、WDMで結合するAOシステムより少なくとも10%高い。ζ≦30°のとき、L=2mのコヒーレント効率は約0.96であり、WDM方式より約13%高い。機器の色収差がシミュレーションに含まれていないことに注意しなければならない。WDM方式の実際の性能はもっと低くなるであろう。図12は、空間分離方式及びWDM方式のコヒーレント効率γ対天頂角ζを示している。上側の線は、L=2mを用いて計算された線である。下側の線は、基準の波長を808nmとして計算された線である。
波長分割多重と本方式との比較
本発明は、本方法のコヒーレント効率を、波長分割多重(wavelength division multiplexing、WDM)を用いて信号ビームと基準ビームとを結合するシステムと比較する。位相偏差は波長に反比例する。シミュレーションにおいて、本発明は、信号ビーム及び基準ビームの波長の比に応じて位相スクリーンを調整する。本発明は、基準波長を標準光通信波長の808nmに設定する。WDMシステムの結果は、信号ビームと基準ビームとを2m分離するシステムと比較される。比較を図12に示す。空間分離方式のコヒーレント効率は、WDMで結合するAOシステムより少なくとも10%高い。ζ≦30°のとき、L=2mのコヒーレント効率は約0.96であり、WDM方式より約13%高い。機器の色収差がシミュレーションに含まれていないことに注意しなければならない。WDM方式の実際の性能はもっと低くなるであろう。図12は、空間分離方式及びWDM方式のコヒーレント効率γ対天頂角ζを示している。上側の線は、L=2mを用いて計算された線である。下側の線は、基準の波長を808nmとして計算された線である。
先行する基準ビームと遅延した信号ビームとの最大経路差
2つの光源の光路が多少は同じ光学的歪みを常に経験している場合、AO技術が機能することは明らかである。この要件は、大気中の光路の区間について、それらの角度分離が等波面離角θ0より小さいときに満たされる。この値の典型的な値は、Hufnagel-Valleyモデルを用いて推定することができる。衛星が地面から約550km上にある特殊事例2では、2組の光源の物理的な分離が約3.5mであれば、AOシステムは良好な性能を発揮できる。衛星対地上光通信は、衛星が天頂に近いときに最も効果的であることに注意しなければならない。さらに、衛星と地上局との間の距離は、衛星が天頂位置の周りをわずかに移動するに連れてゆっくりと変化する。天頂角が増加するとθ0の値は小さくなる。しかし、光源の角度分離がθ0より大きい場合であっても、AOシステムは、ある程度の改善を信号に与えることができる。光源間の角度分離がθ0と同じオーダである限り、ビームの経路の重複領域は、システムが信号ビームの乱流情報を抽出するのに十分な大きさである。
2つの光源の光路が多少は同じ光学的歪みを常に経験している場合、AO技術が機能することは明らかである。この要件は、大気中の光路の区間について、それらの角度分離が等波面離角θ0より小さいときに満たされる。この値の典型的な値は、Hufnagel-Valleyモデルを用いて推定することができる。衛星が地面から約550km上にある特殊事例2では、2組の光源の物理的な分離が約3.5mであれば、AOシステムは良好な性能を発揮できる。衛星対地上光通信は、衛星が天頂に近いときに最も効果的であることに注意しなければならない。さらに、衛星と地上局との間の距離は、衛星が天頂位置の周りをわずかに移動するに連れてゆっくりと変化する。天頂角が増加するとθ0の値は小さくなる。しかし、光源の角度分離がθ0より大きい場合であっても、AOシステムは、ある程度の改善を信号に与えることができる。光源間の角度分離がθ0と同じオーダである限り、ビームの経路の重複領域は、システムが信号ビームの乱流情報を抽出するのに十分な大きさである。
基準光源と信号光源との間の最大物理距離
2つの光源の光路が多少は同じ光学的歪みを常に経験している場合、AO技術が効果的であることは明らかである。この要件は、光源の分離距離がzmaxθ0より小さいときに満たされる。
ここで、θ0は等波面離角であり、hmaxは光源の高度である。この事実は我々のシミュレーション結果でも検証されている。シミュレーション結果は、ビームの分離が等波面離角に比べて大きすぎる場合、コヒーレント効率が著しく低下することを示している。
2つの光源の光路が多少は同じ光学的歪みを常に経験している場合、AO技術が効果的であることは明らかである。この要件は、光源の分離距離がzmaxθ0より小さいときに満たされる。
ここで、θ0は等波面離角であり、hmaxは光源の高度である。この事実は我々のシミュレーション結果でも検証されている。シミュレーション結果は、ビームの分離が等波面離角に比べて大きすぎる場合、コヒーレント効率が著しく低下することを示している。
先行する基準ビームと遅延した信号ビームとの間の最大遅延時間、及びAOシステムの最大応答時間
標準的なAO補正技術は、画像ドリフトを(光学素子の傾きを動的に調整することによって)補正し、ぶれを(光学素子の形状を動的に調整することによって)補正するために使用できる。本明細書において効果的なAO補正は、AOシステムが、いずれかの光路の光学的歪みの動的なタイムスケールよりも少なくとも約1桁短い応答時間で動作することを意味する。さらに、この応答時間は、先行する基準ビームと遅延した信号ビームとの間の遅延時間以下でなければならない。特殊事例1及び2については、電子機器、制御部及び機械部を含むAOシステム全体の応答時間、及び基準ビームと信号ビームとの間の遅延時間≦≒t0である場合に、本明細書における方法が機能する。ここで、t0は、波面の歪みの動的タイムスケールである。典型的には、t0は少なくとも10msである。
標準的なAO補正技術は、画像ドリフトを(光学素子の傾きを動的に調整することによって)補正し、ぶれを(光学素子の形状を動的に調整することによって)補正するために使用できる。本明細書において効果的なAO補正は、AOシステムが、いずれかの光路の光学的歪みの動的なタイムスケールよりも少なくとも約1桁短い応答時間で動作することを意味する。さらに、この応答時間は、先行する基準ビームと遅延した信号ビームとの間の遅延時間以下でなければならない。特殊事例1及び2については、電子機器、制御部及び機械部を含むAOシステム全体の応答時間、及び基準ビームと信号ビームとの間の遅延時間≦≒t0である場合に、本明細書における方法が機能する。ここで、t0は、波面の歪みの動的タイムスケールである。典型的には、t0は少なくとも10msである。
確かに、2つの光源及び検出モジュールは適切に同期していなければならない。さらに、2つの光源は、互いに対して正確に位置合わせされなければならない。幸いなことに、本発明はそれを一度だけ行えばよい。本発明はまた、非常に正確なトラッキングにより、光源と検出器光学系を動的に位置合わせする必要がある。
波面検知モジュールの感光面の最小サイズ
波面検知モジュールの感光面のサイズは、効果的なAO補正のために十分大きくなければならない。ここで、周波数ν、波長λ、及び最大電界強度ERを有する点光源を考える。(より正確には、ERは、検出光学系に入る直前の光子ビームの最大電界強度とみなされるべきである。基本的に、これは大気による吸収及び散乱を差し引いた後の光源の実際のERである。)この光源が直径Dの円形開口部からRだけ離れているとすると(言い換えれば、屈折望遠鏡の場合)、遠視野の場合の回折に起因する円形開口部に対する角度θにおける電界強度は、
に等しく、ここでJ1は第1種ベッセル関数である。より一般的には、直径bDの中央円形閉塞を持つ円形開口の場合(すなわち、カセグレン焦点のカタディオプトリック望遠鏡の場合)、Eは次式で与えられる。
波面検知モジュールの感光面のサイズは、効果的なAO補正のために十分大きくなければならない。ここで、周波数ν、波長λ、及び最大電界強度ERを有する点光源を考える。(より正確には、ERは、検出光学系に入る直前の光子ビームの最大電界強度とみなされるべきである。基本的に、これは大気による吸収及び散乱を差し引いた後の光源の実際のERである。)この光源が直径Dの円形開口部からRだけ離れているとすると(言い換えれば、屈折望遠鏡の場合)、遠視野の場合の回折に起因する円形開口部に対する角度θにおける電界強度は、
に等しく、ここでJ1は第1種ベッセル関数である。より一般的には、直径bDの中央円形閉塞を持つ円形開口の場合(すなわち、カセグレン焦点のカタディオプトリック望遠鏡の場合)、Eは次式で与えられる。
ニュートン式反射鏡の場合も同様に計算できるが、光路の一部を遮る機械的支持部の存在の影響によって、より複雑になる。
AO補正後、波面検知モジュールの感光面によって受光される像の電界強度は、検出望遠鏡の光学設計に応じて、式(10)又は(11)のいずれかに従う。画像補正法は、この検知モジュールによって少なくとも2つの回折リングが記録される場合に最もよく機能する。有効焦点距離fの望遠鏡の場合、これは、波面検知モジュールの感光面の大きさlwが、1以下の全てのbについて次の不等式を満たさなければならないことを意味する。
光源の波長が、既知の衛星対地間通信実験と等しくλ=405nmである場合、望遠鏡セットアップ(i.)又は(ii.)のいずれにおいても、lw≧≒14nmとなる。lwのこの値は、現在の技術で容易に達成可能である。
光源の波長が、既知の衛星対地間通信実験と等しくλ=405nmである場合、望遠鏡セットアップ(i.)又は(ii.)のいずれにおいても、lw≧≒14nmとなる。lwのこの値は、現在の技術で容易に達成可能である。
基準光源と信号光源との間の最小物理距離
基準光源及び信号光源のあり得る最小距離は、光学系の解像力及び2つの光源間の「干渉」の両方によって決定される。AO補正が成功した場合、基準ビームの像の中心が波面検知モジュールの感光面の中心付近にあるはずであることに注意すべきである。信号検出モジュールの光検知面の直線サイズをlsとする。さらに、波面検知モジュールの感光面と信号検出モジュールとの間の分離がdsepであるとする。式(10)と式(11)から、中心から距離xだけ離れた位置における基準ビームの光強度は
に等しい。ここで、fは望遠鏡の有効焦点距離であり、b=0.36/1.03は使用されたカセグレン望遠鏡の副鏡と主鏡の直径の比であり、IR(0)≒2ε0ER 2π2(D/2)4/R2である。したがって、信号検出モジュールの感光面に照射される基準ビームの全光エネルギー束は、∫∫sIR(x)dAであり、この積分は信号検出モジュールの視野絞りの面積以上である。例えば、L=2mのとき、∫∫sIR(x)dA=4.36×10-15I(0)である。最小距離は、ビーム中心からの必要減衰量に応じて設定される必要がある。そうでなければ、逸れた基準ビーム光子が信号検出統計に深刻な影響を与える。積分は、信号検出モジュールSの感光面にわたって行われる。このエネルギー束は、信号検出モジュールの感光面に照射される信号ビームのエネルギー束よりも、少なくとも、例えば10-4~10-3倍弱くなければならない。そうでなければ、逸れた基準ビーム光子が信号検出統計に深刻な影響を与える。これは、D、f、ls、dsepを調整することで容易に達成できる。なぜなら、xが大きい場合、│J1(x)│~x-1/2だからである。
基準光源及び信号光源のあり得る最小距離は、光学系の解像力及び2つの光源間の「干渉」の両方によって決定される。AO補正が成功した場合、基準ビームの像の中心が波面検知モジュールの感光面の中心付近にあるはずであることに注意すべきである。信号検出モジュールの光検知面の直線サイズをlsとする。さらに、波面検知モジュールの感光面と信号検出モジュールとの間の分離がdsepであるとする。式(10)と式(11)から、中心から距離xだけ離れた位置における基準ビームの光強度は
に等しい。ここで、fは望遠鏡の有効焦点距離であり、b=0.36/1.03は使用されたカセグレン望遠鏡の副鏡と主鏡の直径の比であり、IR(0)≒2ε0ER 2π2(D/2)4/R2である。したがって、信号検出モジュールの感光面に照射される基準ビームの全光エネルギー束は、∫∫sIR(x)dAであり、この積分は信号検出モジュールの視野絞りの面積以上である。例えば、L=2mのとき、∫∫sIR(x)dA=4.36×10-15I(0)である。最小距離は、ビーム中心からの必要減衰量に応じて設定される必要がある。そうでなければ、逸れた基準ビーム光子が信号検出統計に深刻な影響を与える。積分は、信号検出モジュールSの感光面にわたって行われる。このエネルギー束は、信号検出モジュールの感光面に照射される信号ビームのエネルギー束よりも、少なくとも、例えば10-4~10-3倍弱くなければならない。そうでなければ、逸れた基準ビーム光子が信号検出統計に深刻な影響を与える。これは、D、f、ls、dsepを調整することで容易に達成できる。なぜなら、xが大きい場合、│J1(x)│~x-1/2だからである。
乱流の時間依存性
上記の議論では、本発明は、ビームの空間相関のみを考慮した。現実には、システムは短時間で応答する。静止した地上ベースの観測者にとって、LEO衛星の見かけの角速度は天体の角速度よりもはるかに速いため、衛星通信におけるAOシステムにはより厳しい要件が課される。
上記の議論では、本発明は、ビームの空間相関のみを考慮した。現実には、システムは短時間で応答する。静止した地上ベースの観測者にとって、LEO衛星の見かけの角速度は天体の角速度よりもはるかに速いため、衛星通信におけるAOシステムにはより厳しい要件が課される。
静止光源と移動光源との差異を比較するために、本発明は、グリーンウッド周波数fGを使用する。グリーンウッド周波数fGは、乱流の変化率を近似的に定量化する有効な方法である[7,22]。
を想起されたい。ここで、v(h)=vwind(h)+vapp(h)は、自然風速に衛星の移動による見かけの風速を加えたものである。LEO衛星がvapp>>vwindとなるように大きな角速度で移動するため、スカラーとして2つの速さを単純に加算するというこの仮定は、正当化される。本発明はさらに、自然風速が高度に依存するBufton風プロファイルに従うと仮定する。
ここで、vg=5m/sを地上付近の自然風速と仮定する。見かけの風速vapp(h)=ωshを加えると、全風速は、
と書くことができ、ここで、ωsは衛星の角度旋回速度である。簡単のため、本発明は、衛星が円軌道の中で動いていると仮定する。したがって、角度旋回速度は、次式に等しい。
ここで、Gは万有引力定数、M+とR+はそれぞれ地球の質量と半径である。vapp>>vwindであるから、LEO衛星追跡についてのグリーンウッド周波数は、大気乱流の固有周波数よりもはるかに高くなる可能性がある。図13に示すように、天頂角が0°の場合、チャネル固有のfGは約64Hzであるのに対し、旋回を含めるとfG≒380Hzとなる。図13はグリーンウッド周波数対天頂角である。一点鎖線の曲線は、旋回があり、空間分離がない条件で計算されている。点線の曲線は、チャネル固有のグリーンウッド周波数である。実線と破線の曲線は、空間分離2.5m、それぞれ応答時間1msと0.5msの条件で計算されている。
を想起されたい。ここで、v(h)=vwind(h)+vapp(h)は、自然風速に衛星の移動による見かけの風速を加えたものである。LEO衛星がvapp>>vwindとなるように大きな角速度で移動するため、スカラーとして2つの速さを単純に加算するというこの仮定は、正当化される。本発明はさらに、自然風速が高度に依存するBufton風プロファイルに従うと仮定する。
ここで、vg=5m/sを地上付近の自然風速と仮定する。見かけの風速vapp(h)=ωshを加えると、全風速は、
と書くことができ、ここで、ωsは衛星の角度旋回速度である。簡単のため、本発明は、衛星が円軌道の中で動いていると仮定する。したがって、角度旋回速度は、次式に等しい。
ここで、Gは万有引力定数、M+とR+はそれぞれ地球の質量と半径である。vapp>>vwindであるから、LEO衛星追跡についてのグリーンウッド周波数は、大気乱流の固有周波数よりもはるかに高くなる可能性がある。図13に示すように、天頂角が0°の場合、チャネル固有のfGは約64Hzであるのに対し、旋回を含めるとfG≒380Hzとなる。図13はグリーンウッド周波数対天頂角である。一点鎖線の曲線は、旋回があり、空間分離がない条件で計算されている。点線の曲線は、チャネル固有のグリーンウッド周波数である。実線と破線の曲線は、空間分離2.5m、それぞれ応答時間1msと0.5msの条件で計算されている。
本発明が提案するアイデアは、基準ビームが信号ビームの前方に配置されている場合、見かけの風速を低減できる。システムの応答時間をTrとする。システムは、t=0で基準信号を受信すると、t=Trで信号を補正する。図6は、t=0及びt=Trにおける衛星の位置及びビームの経路である。ここで、θ1は、先行する基準ビーム及び遅延した信号ビーム(実線及び一点鎖線)間の角度であり、θ2は、t=0及びt=Tr(点線及び一点鎖線)における信号ビームの経路間の角度である。図6は、両方のビームが同じ位置にある場合、2つのタイムスタンプ間の角度は、両ビームが空間的に離れている場合よりも大きくなることを示している。このため、見かけの風速はθ1/θ2だけ小さくなる。等価角度旋回速度は、
であり、ここでθs=L/zmaxは基準ビームと信号ビームとの角度間隔である。式(14)と式(16)とを組み合わせると、θs/Tr=ωsであれば、見かけの風速の影響を完全に排除でき、AOシステムの最適性能を達成できることがわかる。実際、図13で本発明がこれを観測した。
であり、ここでθs=L/zmaxは基準ビームと信号ビームとの角度間隔である。式(14)と式(16)とを組み合わせると、θs/Tr=ωsであれば、見かけの風速の影響を完全に排除でき、AOシステムの最適性能を達成できることがわかる。実際、図13で本発明がこれを観測した。
θs/Tr<ωsの場合、AOシステムの応答時間が、パルス信号及び基準ビームが略同じ光路を通るのに十分速くないため、セットアップの性能は静止光源の場合よりも悪くなることに注意すべきである。より興味深いのは、θs/Tr>ωsの場合である。この場合、fGの値に反映される性能の低下は、システムの応答時間Trが速すぎるために起こる。確かに、人為的にTrを増加させることによって、例えばAOフィードバック制御の遅延を適切に増加させることによって、本発明は、fGを最適な場合まで減少させることができる。
最後に、図13において、天頂角が大きくない場合、L=2.5mで計算されたグリーンウッド周波数曲線は、空間分離なしの条件で計算された曲線よりも低くなっている。天頂角が大きくなるとωs及びθs/Trの両方が減少するため、曲線は減少して固有周波数曲線に近づく。また、ωsはζに従ってθs/Trよりも急速に減少するため、空間分離ありの曲線は旋回なしの曲線と交差する。これは、その点においてθs/Tr=ωsであることを意味する。この点より天頂角が大きい場合は、θs/Tr>ωsとなり、固有周波数付近を維持するために応答時間を短くする必要がある。
強いビームによる散乱ノイズ
強い基準ビームによる散乱は、最終的な鍵レートに影響を与える。基準光源からの光子の一部が信号受信モジュールに入り、エラーを発生させる可能性がある。このセクションでは、本発明は、晴天シナリオにおける強いレーザによる散乱を推定する。ここで、本発明は、レーザ散乱ノイズの概算を得るために、天空散乱ノイズのアプローチを使用する。システムに入射する天空ノイズ光子の数を計算する式は、
によって与えられる。ここで、Hb(Wm-2sr μm)は天空放射輝度、ΩFOV=πΔθ2/4は視野絞りによる立体角視野、DRは受信機一次光学系の直径、Δλはμm単位の分光フィルタのバンドパス、Δtは受信機の光子積分時間である。ここで、ΔθはDFS/fにより計算され、DFSは視野絞りの直径である。両ビームが同一の波長又は略同一の波長を使用するため、本発明は、Δλ=1と仮定し、分光フィルタは基準ビームからの光子を遮断できない。
強い基準ビームによる散乱は、最終的な鍵レートに影響を与える。基準光源からの光子の一部が信号受信モジュールに入り、エラーを発生させる可能性がある。このセクションでは、本発明は、晴天シナリオにおける強いレーザによる散乱を推定する。ここで、本発明は、レーザ散乱ノイズの概算を得るために、天空散乱ノイズのアプローチを使用する。システムに入射する天空ノイズ光子の数を計算する式は、
によって与えられる。ここで、Hb(Wm-2sr μm)は天空放射輝度、ΩFOV=πΔθ2/4は視野絞りによる立体角視野、DRは受信機一次光学系の直径、Δλはμm単位の分光フィルタのバンドパス、Δtは受信機の光子積分時間である。ここで、ΔθはDFS/fにより計算され、DFSは視野絞りの直径である。両ビームが同一の波長又は略同一の波長を使用するため、本発明は、Δλ=1と仮定し、分光フィルタは基準ビームからの光子を遮断できない。
天体写真撮影では、チャネルを探るための基準として、ターゲットに近い明るい星を使用できる。そのため、基準レーザの輝度は、明るい星と同様でなければならない。レーザによって引き起こされる空の輝きは、星による空の輝きによって推定することができる。月のない晴れた夜の状況では、典型的な天空放射輝度は、1.5×10-5Wm-2sr μmである。上述のパラメータを使用し、Δt=1nsとすると、基準光子を受信する確率は10-8のオーダとなり、実用上十分である。
本開示は、AO技術を光通信システムに適用する新しい方法を提案する。この方法の主なアイデアは、基準ビームと信号ビームとを空間的に分離することにある。両ビームが同一の又は略同一の周波数を使用しているため、基準ビームから収集される信号歪み情報は、WDMを使用するシステムよりも精度が高くなる可能性がある。本発明は、位相スクリーンシミュレーションを用いることによってこれを解析する。その結果は、LEO衛星の事例について、本方式の性能がWDM方式よりも優れていることを示す。さらに、高速で移動する信号源について、本設計は、物体の移動によって生じる見かけの風速を低減することができる。これにより、乱流のグリーンウッド周波数を下げることができる。本発明は、Bufton風プロファイルを用いてこれを解析的に検証する。最後に、本発明は、基準ビームの回折及び散乱によって生じるクロストークを推定する。基準受信モジュールの中にはFSがあり、基準ビームのパワーが高くないため、基準ビームによるクロストークは無視できる。
本開示は、検出器に対して相対的に移動する1又は複数の光源の大気による波面の歪みが存在する状況で、自由空間における古典的及び量子的な通信速度を向上させる。より具体的には、本開示は、人工的な基準ビーム光源を、はるかに弱い可能性がある1又は複数の信号源の近くに配置し、さらに波面検知モジュールと受信側の信号検出モジュールとを互いに近くに配置する補償光学技術を使用する。さらに、基準ビームと遅延した信号ビームとが多少は同じ光路を通るように、基準ビームの放出と信号ビームの放出との間の遅延時間及びAOシステムの応答時間が、場合によっては動的かつ補償的に調整される。
実施例並びに明細書及び特許請求の範囲の他の箇所において別段の示唆がない限り、全ての部分及びパーセンテージは重量基準であり、全ての温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧又は大気圧付近である。
所与の特性についての任意の数値又は数値範囲に関して、ある範囲の数値又はパラメータを、同じ特性に関する別の範囲の数値又はパラメータと組み合わせて、数値範囲を生成してもよい。
操作例以外では、又は別段の示唆がある場合には、本明細書及び特許請求の範囲において使用される成分の量、反応条件等を指す全ての数値、値及び/又は表現は、全ての場合において「約」という用語によって修正されているとして理解されるべきである。
本発明は、特定の実施形態に関連して説明されているが、これの様々な変更は、明細書を読めば当業者にとって明らかになることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るような変更をカバーするように意図されていることが理解されるべきである。
Claims (16)
- 情報伝送速度を改善する方法であって、
補償光学補正用の基準光源及び光通信用の信号光源を同じ波長又は略同じ波長で放射することによって、並びに、前記基準光源と前記信号光源との間の時間遅延、及び/又は、補償光学制御における遅延時間、及び/又は、検出モジュールに対する前記基準光源及び前記信号光源の見かけの角速度、及び/又は、前記基準光源と前記信号光源との間の物理的な分離を調整することによって、大気による歪みを低減するステップと、
基準光源ビームの検出及び信号光源ビームの検出を隣り合わせで行うステップと、
前記基準光源の波形の歪み補正に補償光学を使用して、前記信号光源の歪みを同時に補正するステップと、を含み、
前記基準光源は、前記信号光源よりも明るく、
前記基準光源及び前記信号光源は、前記検出モジュールに対して相対的に移動し、
(パルス状の又は連続的な)前記基準光源は、(パルス状の又は連続的な)前記信号光源よりも早く放出され、
前記基準光源ビームの光路及び前記信号光源ビームの光路は、略同じ波面の歪みを有する、
方法。 - 前記基準光源ビーム及び/又は前記信号光源ビームにおいて、周波数多重技術及び/又は時間多重技術及び/又は空間モデル多重技術が使用される、請求項1に記載の方法。
- 前記基準光源は、前記信号光源に隣接する、請求項1に記載の方法。
- 前記情報伝送速度は、光通信方法の範囲内である、請求項1に記載の方法。
- 情報伝送は、古典的通信方法、量子通信方法、又は古典的通信方法と量子通信方法との組合せの範囲内である、請求項1に記載の方法。
- 前記方法は、地上ベース、天体表面ベース、飛行物体ベース、衛星ベース、宇宙探査機ベース、及び/又は水中ベースの基準光源ビーム及び信号光源ビームのうちの1以上を含み、
地上、天体表面上、飛行物体上、衛星上、宇宙探査機上、及び/又は水中の前記1以上の基準光源ビーム及び信号光源ビームを検出することを含む、
請求項1に記載の方法。 - 前記基準光源ビーム及び前記信号光源ビームは、望遠鏡又は光ファイバを部分的に又は完全に通過する、請求項1に記載の方法。
- 前記基準光源ビーム及び前記信号光源ビームは、水、惑星間空間、天体の大気、地球の流体、及び/又は天体の流体を部分的に又は完全に通過する、請求項1に記載の方法。
- 情報伝送は、古典的ネットワーク、量子ネットワーク、又は古典的ネットワークと量子ネットワークとの組合せによって行われる、請求項1に記載の方法。
- 情報伝送速度を改善するシステムであって、
波面検知モジュールと信号検出モジュールとの1以上のペアを備え、
各波面検知モジュールは、対応する基準ビームの大気による歪みを直接的又は間接的に検出及び補正し、
実際の光通信信号を検出する各信号検出モジュールは、情報伝送システムの受信端において、対応する基準ビームの近傍に配置され、
波面検知モジュールと信号検出モジュールの各ペアは、前記基準ビームの対応する画像の中心が前記波面検知モジュールの対応する感光面の中心と少なくとも重なるように、互いに近接して配置される、
システム。 - 情報伝送システムであって、
1以上のエミッタのペアと、
1以上の検出器のペアと、を備え、
前記1以上のエミッタのペアの各ペアの第1のエミッタは、光通信のための信号光源を生成し、
前記1以上のエミッタのペアの各ペアの第2のエミッタは、前記信号光源と同一又は略同一の波長の基準光源を生成し、
前記基準光源は、前記信号光源より明るく、
基準光源ビームの光路及び信号光源ビームの光路は、略同じ波面の歪みを有し、
前記1以上の検出器のペアの各ペアの第1の検出器は、前記信号光源ビームを検出し、
前記1以上の検出器のペアの各ペアの第2の検出器は、前記基準光源ビームを検出し、
前記第1の検出器及び前記第2の検出器は、隣り合わせで配置され、
(パルス状の又は連続的な)前記基準光源と(パルス状の又は連続的な)前記信号光源との間の時間遅延、及び/又は、補償光学制御における遅延時間、及び/又は、検出モジュールに対する前記基準光源及び前記信号光源の見かけの角速度、及び/又は、前記基準光源と前記信号光源との間の物理的な分離の調整は、動的に及び/又は補償的に行われ、
前記情報伝送システムは、前記基準光源の波形の歪みを補正し、同時に前記信号光源の歪みを補正するための補償光学系を更に備える、
情報伝送システム。 - 各ペアの前記第1のエミッタ及び前記第2のエミッタは、地上の構造物、天体表面上の物体、飛行物体、人工衛星、宇宙探査機、又は水中の物体によって構成される、請求項11に記載の情報伝送システム。
- 前記信号光源ビーム及び前記基準光源ビームは、望遠鏡又は光ファイバを通過する請求項11に記載の情報伝送システム。
- 前記補償光学系は、他のリアルタイム信号処理技術及び/又は信号後処理技術に置き換えられる、請求項11に記載の情報伝送システム。
- 検出器モジュールに対する移動光源の先行する基準ビームと遅延した信号ビームの光路間の距離又は角度は、前記検出器モジュールに対して光源が静止しているときの2つのビームの光路間の対応する距離又は角度よりも小さい、請求項11に記載の情報伝送システム。
- 請求項11~15のいずれかに記載の撮像システム。
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