JP2024520911A - レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリおよび方法 - Google Patents

レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024520911A
JP2024520911A JP2023569847A JP2023569847A JP2024520911A JP 2024520911 A JP2024520911 A JP 2024520911A JP 2023569847 A JP2023569847 A JP 2023569847A JP 2023569847 A JP2023569847 A JP 2023569847A JP 2024520911 A JP2024520911 A JP 2024520911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
positive
negative
mea
redox flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023569847A
Other languages
English (en)
Inventor
ティアゴ グローバーグ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ESS Tech Inc
Original Assignee
ESS Tech Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ESS Tech Inc filed Critical ESS Tech Inc
Publication of JP2024520911A publication Critical patent/JP2024520911A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • H01M8/184Regeneration by electrochemical means
    • H01M8/188Regeneration by electrochemical means by recharging of redox couples containing fluids; Redox flow type batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04298Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems
    • H01M8/04313Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems characterised by the detection or assessment of variables; characterised by the detection or assessment of failure or abnormal function
    • H01M8/0438Pressure; Ambient pressure; Flow
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/1004Fuel cells with solid electrolytes characterised by membrane-electrode assemblies [MEA]
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/24Grouping of fuel cells, e.g. stacking of fuel cells
    • H01M8/2465Details of groupings of fuel cells
    • H01M8/2483Details of groupings of fuel cells characterised by internal manifolds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリを組み立てて動作させるためのシステムおよび方法が提供される。1つの例では、電極アセンブリは可膨張式筐体を含んでよく、可膨張式筐体内に負極スペーサおよび正極が配置されてよく、可膨張式筐体は、レドックス・フロー・バッテリ・システムの動作中に加えられた内圧に応答して膨張してよい。一部の例では、電極アセンブリは、ロールツーロール処理によって組み立てられてよく、同様の構成の電極アセンブリに機械的かつ流体的に結合されてよい。このようにして、電極アセンブリ製造のための成形に基づく工程に対して、公差の積み重ねが減少し、加工が簡略化され、コストが低減され得る。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年5月11日に出願された米国特許仮出願第63/187,358号「SYSTEMS AND METHODS FOR ELECTRODE ASSEMBLY FOR REDOX FLOW BATTERY SYSTEM」に対する優先権を主張する。上で識別された出願の内容全体は、すべての目的で、参照によって本明細書に組み込まれている。
本説明は、一般に、電極アセンブリを組み立てて動作させるためのシステムおよび方法に関連しており、詳細には、レドックス・フロー・バッテリ・システムのためのシステムおよび方法に関連している。
レドックス・フロー・バッテリは、従来のバッテリ技術と比較して、性能損失を低減しながら、電力および容量を独立してスケーリングし、数千サイクルもの充電および放電することができるため、グリッドスケール蓄電の用途に適している。全鉄ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ(all-iron hybrid redox flow battery)は、低コストで豊富に存在する材料の組み込むことができるため、特に魅力的である。一般に、鉄レドックス・フロー・バッテリ(IFB:iron redox flow batteries)は、電解液に鉄、塩、および水を使用するため、単純な豊富に存在する安価な材料を含み、刺激の強い化学物質の組み込みを排除し、環境フットプリントを低減する。
特定のIFBは、レドックス反応が発生する正(レドックス)極、およびめっき反応を介して電解液内の第一鉄(Fe2+)が還元されてめっきされる負(めっき)極を含むフロー・セルを含むことがある。レドックス反応およびめっき反応のためのイオンを輸送する電解液は、レドックス反応およびめっき反応のためのイオンを循環させるために、正極および負極を収容している区画を通ることに加えて、過剰な第二鉄(Fe3+)を還元し、電解液をリバランスし、その後再び区画に送り込むために、リバランス・セルを通って、送り込まれることがある。一部の実施例では、IFBは、多くの場合、複雑な流体分配システムを使用して、電解液を送り込み、IFBを通って循環させる、直列に結合された複数のフロー・セルを含むことがある。
大きい形式のIFBでは、アセンブリ・コンポーネントを製造するために、それに応じて大きい成形ツールが使用されることがある。そのような成形ツールは、高価で特殊であることがあり、アセンブリ・コンポーネントの微調整が望ましい場合に、変更または調整することが困難であることがある。同様に、製造ラインに沿ってアセンブリ・コンポーネントを移動させるために、大きく高価なハンドリング装置が採用されることがある。したがって、成形ツールおよびハンドリング装置だけで、過剰な床面積が占有されることがある。さらに、そのような大きい形式のIFBが、直列に結合された多くのフロー・セルを含む場合、数百個のコンポーネントが積み重ねられ、公差の積み重ねの問題をもたらすことがある。成形ツールを変更することは困難であるため、そのような公差の積み重ねの問題が、成形設定では実質的に不可避であることがある。
1つの例では、前述の問題は、レドックス・フロー・バッテリの電極アセンブリによって対処されてよく、電極アセンブリが、内部容積を少なくとも部分的に取り囲み、内部容積が負極区画および正極区画を含む可膨張式筐体と、負極区画に配置された負極スペーサと、正極区画に配置され正極とを含み、レドックス・フロー・バッテリの動作中に加えられた内圧に応答して、可膨張式筐体が膨張し、電極アセンブリの内部容積を増やしてよい。一部の例では、電極アセンブリは、電極アセンブリのスタックに含まれてよく、電極アセンブリは、可膨張式筐体内に配置された電解液ポートを隣接する電解液アセンブリの電解液ポートに揃えることから形成された共通の流体マニホールドを介して、互いに流体結合される。1つの例では、電解液ポートの各々は電解液分配インサートを含んでよく、電解液分配インサートは、隣接する電解液アセンブリの電解液ポートに含まれている対応する電解液分配インサートと連結し、共通の流体マニホールドを封止してよい。さらに、一部の例では、電極アセンブリは、ロールツーロール処理によって製造されてよく、ロールツーロール処理では、押し出し熱可塑性シートが、互いに溶着され、ロールから切り取られて、可膨張式筐体を形成してよい。そのような例では、電極アセンブリの追加のコンポーネントが、押し出し熱可塑性シートに溶着されるか、またはそのようなロールツーロール処理中に形成された空洞もしくは区画に配置される。このようにして、構造的に安定している柔軟な電極アセンブリが形成されてよく、この電極アセンブリでは、公差の積み重ねが、成形に基づく電極アセンブリ製造工程と相対的に軽減され得る。
上記の要約は、「発明を実施するための形態」においてさらに説明される概念の選択を、簡略化された形で紹介するために提供されているということを理解されたい。上記の要約は、特許請求される主題の重要な特徴または不可欠な特徴を識別するよう意図されておらず、その範囲は、「発明を実施するための形態」の後に続く特許請求の範囲によって一意に定義される。さらに、特許請求される主題は、上記または本開示のいずれかの部分に示されたいずれかの欠点を解決する実施態様に限定されない。
レドックス電極およびめっき電極を含む膜電極アセンブリ(MEA:membrane electrode assembly)を含む例示的なレドックス・フロー・バッテリ・システムの概略図を示す図である。 MEAスタックの分解図を示す図である。 図2AのMEAスタックのうちの1つのMEAの分解図を示す図である。 図2BのMEAの概略断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液インサート(electrolyte inserts)の透視断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液インサート(electrolyte inserts)の透視断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液インサートのうちの1つの概略断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液通路構成の透視断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液通路構成の透視断面図を示す図である。 図2BのMEAの電解液通路構成の概略上面図を示す図である。 ロールツーロール処理によってMEAスタックを組み立て、MEAスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させ、MEAスタックを試験するための方法のフロー・チャートを示す図である。 ロールツーロール処理によってMEAを組み立てるための方法のフロー・チャートを示す図である。 MEAスタックを組み立てるための例示的なロールツーロール処理構成の概略図を示す図である。
以下の説明は、ロールツーロール処理によって膜電極アセンブリ(MEA)を組み立て、MEAをレドックス・フロー・バッテリとして動作させるためのシステムおよび方法に関連している。本明細書において使用されるとき、「膜電極アセンブリ」または「MEA」は、電極の区画、室、または空洞の境界を定めている一体化された膜を有する筐体を含むバッテリ構成を指す場合がある。実施形態例では、MEAは、レドックス・フロー・バッテリ・システムのMEAスタックに含まれ、少なくとも1つの共通の流体マニホールドを介して電解液サブシステムに流体結合され得る。レドックス・フロー・バッテリ・システムが図1に概略的に示されており、MEAが、分離した正電解液室および負電解液室を含む一体型多室タンクに流体結合されている。一部の例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、IFBの正(レドックス)極および負(めっき)極の両方で鉄レドックス化学を利用する全鉄フロー・バッテリ(IFB)であってよい。電解液室は、1つまたは複数のバッテリ・セルに結合されてよく、各セルは、正極および負極を含む。したがって、電解液は、正極および負極をそれぞれ収容している正極区画および負極区画を通って送り込まれてよい。
一部の例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システムであってよい。ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリは、電極(例えば、負極)上の固体層としての、1つまたは複数の電気活性材料の堆積によって特徴付けられ得るレドックス・フロー・バッテリである。ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリは、例えば、バッテリ充電工程を通じて、基板上の固体として電気化学反応によってめっきし得る化学種を含んでよい。バッテリ放電中に、さらなる電気化学反応によって、めっき種がイオン化し、電解液内に溶解できるようになってよい。ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システムでは、レドックス・フロー・バッテリの充電容量(例えば、蓄えられるエネルギーの最大量)は、バッテリ充電中にめっきされる金属の量によって制限されることがあり、したがって、めっきシステムの効率に加えて、めっきに使用できる体積および表面積に依存することがある。
しかし、レドックス・フロー・バッテリ・システムが、IFB、ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システム、またはこれらの組み合わせ(例えば、全鉄ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システム)のいずれとして構成されるかにかかわらず、一部の例では、多くのレドックス・フロー・バッテリ・セルが、望ましい性能および出力を達成するために、直列に配置されることがある。そのような配置は、不必要に高い公差の積み重ねをもたらすことがあり、レドックス・フロー・バッテリ・システムの組み立て、動作、および使用において問題になることがある。そのような公差の積み重ねを軽減するために、本明細書において実施形態によって説明されるように、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、押し出し熱可塑性プラスチックのロールツーロール処理によって組み立てられた、図2Bの分解図および図3の概略断面に示されたMEAなどの複数のMEAを含む、図2AのMEAスタックなどの、MEAスタックを含むことができる。ロールツーロール処理によってMEAスタックを組み立て、MEAスタックを動作させ、MEAスタックを試験するための例示的な方法が、図6および7で提供される。MEAスタックを組み立てるための1つの例示的なロールツーロール処理構成が、図8に概略的に示されている。
MEAスタック内のMEAが、レドックス・フロー・バッテリ・システムのレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作する場合、レドックス・フロー・バッテリ・システムの充電および放電のためのイオンを補充し、交換するために、レドックス・フロー・バッテリ・セルを通って正電解液および負電解液が循環されてよい。したがって、MEAは、MEAスタックに広がる共通の流体マニホールドに流体結合された電解液ポートを含んでよく、共通の流体マニホールドは、電解液サブシステムに流体結合され、正電解液および負電解液の循環を可能にする。一部の例では、図4A~4Cに示されているように、特定のMEAの電解液ポートは電解液分配インサートをそれぞれ含んでよく、電解液分配インサートは、隣接するMEAの電解液分配インサートと機械的に連結して、MEAスタックのMEAを流体結合し、共通の流体マニホールドを形成してよい(本明細書において使用されるとき、「隣接する」は、間に介在するコンポーネントを含んでいない任意の2つのコンポーネントを表してよい)。正電解液および負電解液は、電解液分配インサート内のチャネルを介してMEAスタックの各MEAの電解液ポートに入り、そこから各正電解液通路および負電解液通路を介して各正極区画および負極区画に流れてよい。正電解液通路および負電解液通路の1つの例示的な構成が図5A~5Cに示されており、正電解液通路および負電解液通路が、MEAの押し出し熱可塑性プラスチック間に形成されるように示されている。
図1に示されているように、レドックス・フロー・バッテリ・システム10では、負極26がめっき電極と見なされてよく、正極28がレドックス電極と見なされてよい。レドックス・フロー・バッテリ・セル18のめっき側(例えば、負極区画20)の中の負電解液はめっき電解液と見なされてよく、レドックス・フロー・バッテリ・セル18のレドックス側(例えば、正極区画22)の正電解液はレドックス電解液と見なされてよい。
「陽極」は、電気活性材料が電子を失う電極のことを指し、「陰極」は、電気活性材料が電子を獲得する電極のことを指す。バッテリ充電中に、負極26で負電解液が電子を獲得し、負極26は、電気化学反応の陰極である。バッテリ放電中に、負電解液が電子を失い、負極26は、電気化学反応の陽極である。代替として、バッテリ放電中に、負電解液および負極26は、それぞれ電気化学反応の陽極液および陽極と見なされてよく、一方、正電解液および正極28は、それぞれ電気化学反応の陰極液および陰極と見なされてよい。バッテリ充電中に、負電解液および負極26は、それぞれ電気化学反応の陰極液および陰極と見なされてよく、一方、正電解液および正極28は、それぞれ電気化学反応の陽極液および陽極と見なされてよい。簡単にするために、「正」および「負」という用語は、本明細書では、レドックス・フロー・バッテリ・システム内の電極、電解液、および電極区画を参照するために使用される。
ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリの1つの例は、全鉄レドックス・フロー・バッテリ(IFB)であり、全鉄レドックス・フロー・バッテリ(IFB)では、電解液が鉄塩(例えば、FeCl、FeClなど)の形態で鉄イオンを含み、負極26が鉄金属を含む。例えば、負極26で、バッテリ充電中に第一鉄(Fe2+)が2つの電子を獲得し、鉄金属(Fe)として負極26上にめっきされ、バッテリ放電中にFeが2つの電子を失い、Fe2+として再び溶解する。正極28で、バッテリ充電中にFe2+が1つの電子を失って第二鉄(Fe3+)を形成し、バッテリ放電中にFe3+が1つの電子を獲得してFe2+を形成する。電気化学反応は、方程式(1)および(2)に要約され、正反応(左から右へ)はバッテリ充電中の電気化学反応を示し、一方、逆反応(右から左へ)はバッテリ放電中の電気化学反応を示す。
Fe2++2e←→Fe -0.44V(負極) (1)
Fe2+←→2Fe3++2e +0.77V(正極) (2)
前述したように、IFBにおいて使用される負電解液は、バッテリ充電中にFe2+が負極26から2つの電子を受け取ってFeを形成し、基板上にめっきできるように、十分な量のFe2+を供給してよい。バッテリ放電中に、めっきされたFeが2つの電子を失い、Fe2+にイオン化し、電解液内に再び溶解してよい。上記の反応の平衡電位は-0.44Vであり、したがって、この反応は望ましいシステムの負端子を提供する。IFBの正側で、バッテリ充電中に、電解液がFe2+を供給してよく、Fe2+が電子を失って酸化し、Fe3+になる。バッテリ放電中に、電解液によって供給されたFe3+が、正極28によって供給された電子を吸収することによってFe2+になる。この反応の平衡電位は+0.77Vであり、望ましいシステムの正端子を作成する。
IFBは、非再生電解液を利用する他のバッテリの種類とは対照的に、その中で電解液を充電および再充電する能力を提供することができる。端子40および42を介して電極26および28にわたって電流をそれぞれ加えることによって、充電が実現されてよい。正極28を介して電子が負電解液に供給され得るように、負極26が、端子40を介して電圧源の負側に電気的に結合されてよい(例えば、正極区画22内の正電解液においてFe2+がFe3+に酸化される)。負極26に供給された電子は、負電解液内のFe2+を還元して、(めっき)基板にFeを形成し、Fe2+を負極26上にめっきさせることを引き起こすことができる。
Feが負電解液に酸化のために使用可能なままである間、およびFe3+が正電解液に還元のために使用可能なままである間は、放電が持続されてよい。例として、外部正電解液室52などの外部供給源を介して、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の正極区画22側において正電解液の濃度または体積を増やし、追加のFe3+イオンを供給することによって、Fe3+の可用性が維持されてよい。さらに一般には、放電中のFeの可用性が、IFBシステムにおいて問題になることがあり、放電に使用できるFeは、負極基板の表面積および体積に加えて、めっき効率に比例する場合がある。充電容量は、負極区画20内のFe2+の可用性に依存する可能性がある。例として、Fe2+の可用性は、外部負電解液室50などの外部供給源を介して追加のFe2+イオンをレドックス・フロー・バッテリ・セル18の負極区画20側に供給し、負電解液の濃度または体積を増やすことによって維持されてよい。
IFBでは、IFBシステムの充電状態(SOC:state of charge)に応じて、正電解液は、第一鉄、第二鉄、第二鉄複合体、またはこれらの任意の組み合わせを含んでよく、一方、負電解液は、第一鉄または第一鉄複合体を含んでよい。前述したように、負電解液および正電解液の両方における鉄イオンの利用は、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の両側での同じ電解液種の利用を可能にすることができ、電解液の相互汚染を減らすことができ、IFBシステムの効率を向上させ、他のレドックス・フロー・バッテリ・システムと比較して、電解液の交換を少なくすることができる。
IFBにおける効率損失は、セパレータ24(例えば、イオン交換膜バリア、微多孔膜など)を通る電解液のクロスオーバーから生じることがある。例えば、正電解液内のFe3+イオンは、Fe3+イオンの濃度勾配およびセパレータ24を横切る電気泳動力によって、負電解液に向かって駆動されることがある。そして、セパレータ24を貫通して負極区画20へクロスオーバーするFe3+イオンが、クーロン効率の損失を引き起こすことがある。低pHのレドックス側(例えば、酸性度の高い正極区画22)から高pHのめっき側(例えば、酸性度の低い負極区画20)へクロスオーバーするFe3+イオンが、Fe(OH)の沈殿を引き起こすことがある。Fe(OH)の沈殿は、セパレータ24を劣化させ、永続的なバッテリの性能および効率の損失を引き起こすことがある。例えば、Fe(OH)の沈殿は、イオン交換膜の有機官能基を化学的に汚染するか、またはイオン交換膜の微小孔を物理的に詰まらせることがある。いずれの場合も、Fe(OH)の沈殿物に起因して、時間と共に膜オーム抵抗が発生し、バッテリ性能が低下することがある。酸を使用してIFBを洗浄することによって沈殿物が除去され得るが、定期的な保守およびダウンタイムは、商用バッテリの用途にとって不利益であることがある。さらに、洗浄は、追加の処理コストおよび複雑さに寄与する電解液の定期的な準備に依存することがある。代替として、電解液のpHの変化に応じて特定の有機酸を正電解液および負電解液に追加することは、コスト全体を押し上げずに、バッテリの充電および放電サイクル中の沈殿物の形成を軽減することができる。さらに、Fe3+イオンのクロスオーバーを抑制する膜バリアを実装することも、汚染を軽減することができる。
追加のクーロン効率の損失が、H(例えば、陽子)の還元およびその後のHガスの形成、ならびにHガスを形成するために負極26のめっきされた鉄金属で供給された電子との負極区画20内の陽子の反応によって、引き起こされることがある。
IFBの電解液(例えば、FeCl、FeCl、FeSO、Fe(SOなど)は、容易に使用可能であることがあり、低コストで生成され得る。1つの例では、IFBの電解液は、塩化第一鉄(FeCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化マンガン(II)(MnCl)、およびホウ酸(HBO)から形成されてよい。IFBの電解液は、同じ電解液が負電解液および正電解液に提供され得るため、より高い再利用価値を提供し、その結果、他のシステムと比較して相互汚染問題を軽減することができる。さらに、鉄の電子配置のため、鉄は、負極基板への鉄のめっき中に、概して均一な固体構造に凝固することができる。ハイブリッド・レドックス・バッテリにおいて一般に使用される亜鉛および他の金属の場合、めっき中に固体樹枝状構造が生じることがある。IFBシステムの安定した電極形態は、他のレドックス・フロー・バッテリと比較して、バッテリの効率を向上させることができる。さらに、鉄レドックス・フロー・バッテリは、他のレドックス・フロー・バッテリの電解液と比較して、有害な原料の使用を減らすことができ、相対的に中性のpHで動作することができる。したがって、IFBシステムは、製造中の他のすべての現在の高度なレドックス・フロー・バッテリ・システムと比較して、環境危険を減らすことができる。
引き続き図1を参照すると、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の概略図が示されている。レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、一体型多室電解液貯蔵タンク(integrated multi-chambered electrolyte storage tank)110に流動的に結合されたレドックス・フロー・バッテリ・セル18を含んでよい。レドックス・フロー・バッテリ・セル18は、負極区画20、セパレータ24、および正極区画22を含んでよい。セパレータ24は電気絶縁イオン伝導バリア(electrically insulating ionic conducting barrier)を含んでよく、電気絶縁イオン導電性バリアは、それを通して特定のイオンの伝導を可能にしながら、正電解液および負電解液の大量の混合を防ぐ。例えば、前述したように、セパレータ24は、イオン交換膜および/または微多孔膜を含んでよい。
負極区画20は負極26を含んでよく、負電解液は電気活性材料を含んでよい。正極区画22は正極28を含んでよく、正電解液は電気活性材料を含んでよい。一部の実施例では、レドックス・フロー・バッテリ・システム10内により高い電圧または電流を生成するために、複数のレドックス・フロー・バッテリ・セル18が直列または並列に結合されてよい。
図1には、負電解液ポンプ30および正電解液ポンプ32がさらに示されており、これらは両方とも、レドックス・フロー・バッテリ・システム10を通る電解質溶液を送り込むために使用される。電解液は、セルの外部の1つまたは複数のタンクに蓄えられ、負電解液ポンプ30および正電解液ポンプ32を介して送り込まれ、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の負極区画20側および正極区画22側をそれぞれ通る。
レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、背面側、例えば、負極26および正極28のセパレータ24の方を向いている側の反対側に沿ってそれぞれ配置された、第1のバイポーラ板36および第2のバイポーラ板38も含んでよい。第1のバイポーラ板36は負極26と接触してよく、第2のバイポーラ板38は正極28と接触してよい。しかし、他の例では、バイポーラ板36および38は、電極26および28に近接しているが、電極26および28から離れて間隔を空けられて配置され、各電極区画20および22内に収容されてよい。いずれの場合も、バイポーラ板36および38は、直接接触によって、または負極26および正極28をそれぞれ介して、端子40および42にそれぞれ電気的に結合されてよい。IFBの電解液は、バイポーラ板36および38の材料の導電性の結果として、第1および第2のバイポーラ板36および38によって、負極26および正極28での反応部位に輸送され得る。電解液の流れは、レドックス・フロー・バッテリ・セル18を通る強制対流を促進する負電解液ポンプ30および正電解液ポンプ32によって支援されてもよい。反応電気化学種(Reacted electrochemical species)は、強制対流と第1および第2のバイポーラ板36および38の存在との組み合わせによって、反応部位から離れる方向に向けられてもよい。
図1に示されているように、レドックス・フロー・バッテリ・セル18は、負バッテリ端子40および正バッテリ端子42をさらに含んでよい。充電電流がバッテリ端子40および42に加えられた場合、正極28で正電解液が酸化されてよく(1つまたは複数の電子を失う)、負極26で負電解液が還元されてよい(1つまたは複数の電子を獲得する)。バッテリ放電中に、電極26および28に逆レドックス反応が発生してよい。言い換えると、正極28で正電解液が還元されてよく(1つまたは複数の電子を獲得する)、負極26で負電解液が酸化されてよい(1つまたは複数の電子を失う)。バッテリの両端の電位差は、正極区画22および負極区画20内の電気化学レドックス反応によって維持されてよく、この反応が持続されている間に、電流コレクタを通る電流を誘導してよい。レドックス・バッテリによって蓄えられるエネルギーの量は、電解液の全体積および電気活性材料の溶解度に応じて、放電に使用できる電解液内の電気活性材料の量によって制限され得る。
一部の例では、レドックス・フロー・バッテリ・セル18は、MEAスタック(または図2Aを参照して下で詳細に説明されるMEAスタック)のうちの1つのMEA102として(または図2B~5Cを参照して下で詳細に説明されるMEAとして)構成されてよい。MEA102は、一体型膜シートをセパレータ24として含む押し出し熱可塑性筐体104を含んでよい。一体型膜シートは、負極26および正極28をそれぞれ収容している負極区画20および正極区画22を分離するように、押し出し熱可塑性筐体104の内面に溶着されてよい。押し出し熱可塑性筐体104は、バッテリ端子40および42に電気的に結合された一体型導電性シート(例えば、第1および第2のバイポーラ板36および38、ならびに/またはMEAスタックのうちの隣接するMEA102上のバイポーラ板36、38間の抵抗を下げるために提供される追加の導電性シート)をさらに含んでよい。一体型導電性シートは、一体型膜シートと反対側の負極区画20および正極区画22の側面を形成し、それによって、負極区画20および正極区画22を通ってそれぞれ循環している正電解液および負電解液との電子接触を維持するように、押し出し熱可塑性筐体104の外面に溶着されてよい。
押し出し熱可塑性筐体104は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の動作中に拡大または膨張し、レドックス・フロー・バッテリ・システム10が動作していないときに縮小または収縮するように構成されてよい。例えば、押し出し熱可塑性筐体104は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の動作中に加えられた内圧(例えば、押し出し熱可塑性筐体104を通して正電解液および負電解液を送り込むことから生じる内圧)に応答して膨張し、MEA102の内部容積を増やしてよい。正電解液および負電解液は、MEAスタックに含まれているMEA102の電解液ポートにおいて構成された電解液分配インサートを機械的に連結するという流体結合から形成された共通の流体マニホールドを介して、MEAスタックを通って分配されてよい。さらに、押し出し熱可塑性筐体104は、収容されたさまざまなコンポーネントにアクセスするために、比較的容易に切断されて開けられ得るため、押し出し熱可塑性筐体104の柔軟性は、押し出し熱可塑性筐体104内の劣化したコンポーネントまたは旧式のコンポーネントの診断、除去、および/または交換を容易にすることができる。このようにして、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、レドックス・フロー・バッテリ・セル18としてそれぞれ動作し、柔軟なモジュール式の構成で互いに流体結合される複数のMEA102を含んでよい(しかし、他の例では、1つのMEA102のみがレドックス・フロー・バッテリ・システム10に含まれてよい)。
レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、一体型多室電解液貯蔵タンク110をさらに含んでよい。多室電解液貯蔵タンク110は、隔壁98によって分割されてよい。隔壁98は、正電解液および負電解液が両方とも単一のタンク内に含まれ得るように、多室電解液貯蔵タンク110内に複数の室を作成してよい。負電解液室50は、電気活性材料を含む負電解液を保持し、正電解液室52は、電気活性材料を含む正電解液を保持する。隔壁98は、負電解液室50と正電解液室52の間の望ましい体積比を生み出すように、多室電解液貯蔵タンク110内に配置されてよい。1つの例では、隔壁98は、負のレドックス反応と正のレドックス反応の間の理論混合比に従って負電解液室50および正電解液室52の容積比を設定するように配置されてよい。図1は、多室電解液貯蔵タンク110の充填高さ112をさらに示しており、充填高さ112は、各タンクの区画内の液面を示してよい。図1は、負電解液室50の充填高さ112の上にある気体ヘッド・スペース90、および正電解液室52の充填高さ112の上にある気体ヘッド・スペース92も示している。気体ヘッド・スペース92は、(例えば、陽子還元および鉄腐食側の還元に起因して)レドックス・フロー・バッテリの動作によって生成され、レドックス・フロー・バッテリ・セル18から戻る電解液と共に多室電解液貯蔵タンク110に運ばれたHガスを蓄えるために利用されてよい。Hガスは、多室電解液貯蔵タンク110内の気液界面(例えば、充填高さ112)で自発的に分離され、それによって、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の一部として追加の気液セパレータを含むことを除外してよい。Hガスは、電解液から分離された後に、気体ヘッド・スペース90および92を満たしてよい。そのため、蓄えられたHガスは、多室電解液貯蔵タンク110から他の気体を取り除くことに役立ち、それによって、電解液種の酸化を減らすための不活性ガス・ブランケットの役割を果たし、レドックス・フロー・バッテリの容量損失を減らすのに役立つことができる。このようにして、一体型多室電解液貯蔵タンク110を利用することによって、従来のレドックス・フロー・バッテリ・システムに共通している別々の負電解液貯蔵タンクおよび正電解液貯蔵タンク、水素貯蔵タンク、ならび気液セパレータに含むことを差し控えることができ、それによって、システム設計を簡略化し、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の物理的設置面積を減らし、システム・コストを減らす。
図1は、スピルオーバー・ホール96も示しており、スピルオーバー・ホール96は、気体ヘッド・スペース90と気体ヘッド・スペース92の間の隔壁98内の開口部を作り出すことができ、室50と室52の間の気体圧を均一にする手段を提供することができる。スピルオーバー・ホール96は、充填高さ112の上のしきい値高さに配置されてよい。スピルオーバー・ホール96は、バッテリのクロスオーバーの場合に、負電解液室50および正電解液室52の各々における電解液を自動バランス調整する能力をさらに可能にすることができる。全鉄レドックス・フロー・バッテリ・システムの場合、同じ電解液(Fe2+)が負極区画20および正極区画22の両方において使用されるため、負電解液室50と正電解液室52の間の電解液のあふれが、システム全体の効率を低下させることがあるが、電解液全体の組成、バッテリ・モジュールの性能、およびバッテリ・モジュールの容量が維持され得る。漏れのない連続的な加圧状態を維持するために、多室電解液貯蔵タンク110への入り口および多室電解液貯蔵タンク110からの出口のすべてのパイプ接続に、フランジ継手が利用されてよい。多室電解液貯蔵タンク110は、負電解液室50および正電解液室52の各々からの少なくとも1つの出口、および負電解液室50および正電解液室52の各々への少なくとも1つの入り口を含んでよい。さらに、Hガスをリバランス・リアクタ(rebalancing reactors)またはセル80および82に向かわせるために、気体ヘッド・スペース90および92からの1つまたは複数の出口の接続が設けられてよい。
図1に示されていないが、一体型多室電解液貯蔵タンク110は、負電解液室50および正電解液室52の各々に熱的に結合された1つまたは複数のヒーターをさらに含んでよい。代替の例では、負電解液室50および正電解液室52のうちの1つのみが、1つまたは複数のヒーターを含んでよい。正電解液室52のみが1つまたは複数のヒーターを含む場合、レドックス・フロー・バッテリ・セル18に発生した熱を負電解液に伝達することによって、負電解液が加熱されてよい。このようにして、レドックス・フロー・バッテリ・セル18は、負電解液を加熱し、負電解液の温度調節を容易にすることができる。負電解液室50および正電解液室52の温度を独立して、または一緒に調節するために、コントローラ88によって1つまたは複数のヒーターが作動されてよい。例えば、電解液の温度がしきい値温度を下回ることに応答して、コントローラ88は、電解液への熱流束が増やされ得るように、1つまたは複数のヒーターに供給される電力を増やしてよい。電解液の温度は、センサ60および62などの、多室電解液貯蔵タンク110に取り付けられた1つまたは複数の温度センサによって示されてよい。例として、1つまたは複数のヒーターは、電解質溶液に浸されるコイル型ヒーターまたは他の液浸ヒーター、あるいは負電解液室50および正電解液室52の壁を介して熱を伝導的に伝達し、内部の液体を加熱する表面マントル型ヒーター(surface mantle type heaters)を含んでよい。本開示の範囲から逸脱することなく、他の既知の種類のタンク・ヒーターが採用されてよい。さらに、コントローラ88は、液面が固体充填しきい値レベル(solids fill threshold level)を下回ることに応答して、負電解液室50および正電解液室52内の1つまたは複数のヒーターを無効化してよい。言い換えると、一部の例では、コントローラ88は、液面が固体充填しきい値レベルを上回ることのみに応答して、負電解液室50および正電解液室52内の1つまたは複数のヒーターを有効化してよい。このようにして、負電解液室50および/または正電解液室52内に十分な液体が存在しない状態で1つまたは複数のヒーターを有効化することが防止され、それによって、ヒーターの過熱または焼損のリスクを減らす。
さらに、フィールド水和システム(図示されていない)から負電解液室50および正電解液室52の各々への、1つまたは複数の入り口の接続が設けられてよい。このようにして、フィールド水和システムは、最終使用場所でのレドックス・フロー・バッテリ・システム10の設置、充填、および水和を含む、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の試運転を容易にすることができる。さらに、最終使用場所でのレドックス・フロー・バッテリ・システム10の試運転に先立って、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10を最終使用場所に配送する前に、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の充填および水和を行わずに、最終使用場所と異なるバッテリ製造施設で乾式組み立てされてよい。1つの例では、最終使用場所は、オンサイトエネルギー貯蔵のためにレドックス・フロー・バッテリ・システム10が設置されて利用される場所に対応してよい。言い換えると、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、最終使用場所で設置されて水和された後に、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の位置が固定されてよく、レドックス・フロー・バッテリ・システム10が、運搬できる乾式システムであると見なされなくなってよいように設計されてよい。したがって、エンド・ユーザの視点からは、乾式の運搬できるレドックス・フロー・バッテリ・システム10が現場に配送され、その後、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、設置されて水和され、試運転されてよい。水和の前に、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、乾燥した運搬できるシステムと見なされてよく、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、水および湿った電解液がないか、またはこれらを含んでいない。水和された後に、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、湿った運搬できないシステムと見なされてよく、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、湿った電解液を含む。
さらに図1に示されている、多室電解液貯蔵タンク110に主に蓄えられている電解質溶液が、負電解液ポンプ30および正電解液ポンプ32を介してレドックス・フロー・バッテリ・システム10全体に送り込まれてよい。負電解液室50に蓄えられている電解液が、負電解液ポンプ30を介して、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の負極区画20側を通って送り込まれてよく、正電解液室52に蓄えられている電解液が、正電解液ポンプ32を介して、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の正極区画22側を通って送り込まれてよい。
レドックス・フロー・バッテリ・システム10内で、電解液リバランス・リアクタ80および82が、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の負側および正側での電解液の再循環する流路と直列または並列にそれぞれ接続されてよい。1つまたは複数のリバランス・リアクタが、バッテリの負側および正側での電解液の再循環する流路と直列に接続されてよく、他のリバランス・リアクタが、冗長性のため、およびリバランス能力の向上のために、並列に接続されてよい(例えば、バッテリおよびリバランスの動作を中断せずに、リバランス・リアクタが使用可能にされてよい)。1つの例では、電解液リバランス・リアクタ80および82が、それぞれ、負極区画20および正極区画22から負電解液室50および正電解液室52への戻り流路に配置されてよい。一部の例では、電解液リバランス・リアクタ80および82は、互いにおよび/またはMEAスタックと積み重ねられ、レドックス・フロー・バッテリ・セル18として動作するMEA102に(例えば、共通の流体マニホールドを介して)流体結合されたリバランス・セル・アセンブリ80および82としてそれぞれ構成され得る。特定の例では、電解液リバランス・リアクタ80および82は、連結している電解液分配インサートを介して、隣接するMEA102と機械的に連結してよい。
電解液リバランス・リアクタ80および82は、本明細書において説明されるように、副反応、イオンクロスオーバーなどに起因して発生するレドックス・フロー・バッテリ・システム10内の電解液電荷の不均衡をリバランスするのに役立つことができる。1つの例では、電解液リバランス・リアクタ80および82はトリクル・ベッド・リアクタを含んでよく、トリクル・ベッド・リアクタでは、電解液リバランス反応を実行するために、Hガスおよび電解液が充填層内の触媒表面で接触してよい。他の例では、リバランス・リアクタ80および82は、フロースルー型リアクタ(flow-through type reactors)を含んでよく、フロースルー型リアクタは、充填触媒層なしで、Hガスおよび電解質溶液と接触し、電解液リバランス反応を実行することができる。
レドックス・フロー・バッテリ・システム10の動作中に、センサおよびプローブが、電解液のpH、濃度、SOCなどの電解液の化学的特性を監視し、制御してよい。例えば、図1に示されているように、正電解液室52および負電解液室50で正電解液および負電解液の状態をそれぞれ監視するために、センサ62および60が配置されてよい。別の例では、センサ62および60は、正電解液室52および負電解液室50内の電解液のレベルをそれぞれ示すために、1つまたは複数の電解液レベル・センサをそれぞれ含んでよい。別の例として、図1にも示されているセンサ72および70が、正極区画22および負極区画20での正電解液および負電解液の状態をそれぞれ監視してよい。センサ72および70は、pHプローブ、光学的プローブ、圧力センサ、電圧センサなどであってよい。電解液の化学的特性および他の特性を監視するために、センサがレドックス・フロー・バッテリ・システム10全体の他の位置に配置されてよいということが、理解されるであろう。
例えば、センサは外部酸タンク(図示されていない)内に配置され、外部酸タンクの産量またはpHを監視してもよく、電解液内の沈殿物の形成を減らすために、外部酸タンクからの酸が、外部ポンプ(図示されていない)を介してレドックス・フロー・バッテリ・システム10に供給されてよい。他の添加物をレドックス・フロー・バッテリ・システム10に供給するために、追加の外部タンクおよびセンサが設置されてよい。例えば、フィールド水和システムの温度センサ、導電率センサ、およびレベル・センサを含むさまざまなセンサが、信号をコントローラ88に送信してよい。さらに、コントローラ88は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の水和中に、フィールド水和システムのバルブおよびポンプなどのアクチュエータに信号を送信してよい。例として、センサ情報が、コントローラ88に送信されてよく、ポンプ30および32を作動させ、レドックス・フロー・バッテリ・セル18を通る電解液の流れを制御するか、または他の制御機能を実行してよい。このようにして、コントローラ88は、センサおよびプローブのうちの1つまたは組み合わせに応答してよい。
レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、Hガスの供給源をさらに含んでよい。1つの例では、Hガスの供給源は、分離した専用の水素ガス貯蔵タンクを含んでよい。図1の例では、Hガスが、一体型多室電解液貯蔵タンク110に蓄えられ、一体型多室電解液貯蔵タンク110から供給されてよい。一体型多室電解液貯蔵タンク110は、追加のHガスを正電解液室52および負電解液室50に供給してよい。一体型多室電解液貯蔵タンク110は、追加のHガスを、電解液リバランス・リアクタ80および82の入り口に交互に供給してよい。例として、(コントローラ88によって制御され得る)質量流計または他の流れ制御デバイスが、一体型多室電解液貯蔵タンク110からのHガスの流れを調節してよい。一体型多室電解液貯蔵タンク110は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10内で生成されたHガスを補充してよい。例えば、レドックス・フロー・バッテリ・システム10内で気体の漏出が検出された場合、または低水素分圧で還元反応速度が低すぎる場合、正電解液および負電解液内の電気活性材料のSOCをリバランスするために、一体型多室電解液貯蔵タンク110からHガスが供給されてよい。例として、コントローラ88は、pHの測定された変化に応答して、または電解液もしくは電気活性材料のSOCの測定された変化に応答して、一体型多室電解液貯蔵タンク110からHガスを供給してよい。
例えば、負電解液室50または負極区画20のpHの増加は、Hガスがレドックス・フロー・バッテリ・システム10から漏れていること、および/または使用可能な水素分圧での反応速度が遅すぎることを示すことがあり、コントローラ88は、pHの増加に応答して、一体型多室電解液貯蔵タンク110からレドックス・フロー・バッテリ・システム10へのHガスの供給を増やしてよい。さらなる例として、コントローラ88は、pHが第1のしきい値pHを超えて増加するか、または第2のしきい値pHを超えて減少するpHの変化に応答して、Hガスを一体型多室電解液貯蔵タンク110から供給してよい。IFBの場合、コントローラ88は、追加のHガスを供給して、Fe3+イオンの還元速度および陽子の生成速度を増やしてよく、それによって、正電解液のpHを減らす。さらに、正電解液から負電解液にクロスオーバーするFe3+イオンの水素還元によって、または陽子の濃度勾配および電気泳動力に起因して負電解液へクロスオーバーする正側で生成された陽子によって、負電解液のpHが下げられてよい。この方法で、Fe(OH)としての(正極区画22からクロスオーバーする)Fe3+イオンの沈殿のリスクを減らしながら、負電解液のpHが安定領域内に維持されてよい。
電解液のpHの変化に応答して、または酸化還元電位(ORP:oxygen-reduction potential)計もしくは光センサなどの他のセンサによって検出された電解液のSOCにおける変化に応答して、一体型多室電解液貯蔵タンク110からのHガスの供給速度を制御するための他の制御方式が実装されてよい。さらに、コントローラ88のアクションを引き起こすpHまたはSOCにおける変化は、ある期間にわたって測定された変化率、または変化に基づいてよい。変化率の期間は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の時定数に基づいて事前に決定されるか、または調整されてよい。例えば、再循環速度が高い場合、この期間が減らされてよく、時定数が小さくなることができるため、(例えば、副反応または気体の漏出に起因する)濃度の局所的変化が素早く測定され得る。
コントローラ88は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の動作モードに基づく制御方式をさらに実行してよい。例えば、コントローラ88は、システムの調整中に負極26で鉄の予備形成を引き起こすように、レドックス・フロー・バッテリ・セル18の充電および放電を制御してよい(システムの調整は、バッテリ・サイクルの外部でレドックス・フロー・バッテリ・システム10の電気化学的性能を最適化するために採用される動作モードを含んでよい)。すなわち、システムの調整中に、コントローラ88は、鉄金属を負極26にめっきするためのレドックス・フロー・バッテリ・システム10の1つまたは複数の動作条件を調整し、その後のバッテリ・サイクル中のバッテリ充電容量を改善してよい(このようにして、バッテリ・サイクルのために鉄金属が予備形成されてよい)。コントローラ88は、前述したように、電解液のリバランスをさらに実行してレドックス・フロー・バッテリ・システム10の過剰な水素ガスを取り除き、Fe3+イオン濃度を減らしてよい。このようにして、システムの調整中に負極26で鉄を予備形成し、電解液のリバランスを実行し、鉄のめっき損失を軽減することによって、バッテリ・サイクル中のレドックス・フロー・バッテリ・セル18の全体的容量を増やしてよい。本明細書において使用されるとき、バッテリ・サイクル(「充電サイクル」とも呼ばれる)は、レドックス・フロー・バッテリ・システム10の充電モードと放電モードを繰り返すことを含んでよい。
センサ60および62ならびに一体型多室電解液貯蔵タンク110(およびそれに含まれているコンポーネント)から離れているすべてのコンポーネントが、電力モジュール120に含まれていると見なされてよいということが、理解されるであろう。そのため、レドックス・フロー・バッテリ・システム10は、一体型多室電解液貯蔵タンク110に流動的に結合され、センサ60および62に通信可能に結合された電力モジュール120を含むとして表されてよい。一部の実施例では、レドックス・フロー・バッテリ・システム10が単一のユニットとして単一の場所に含まれ得るように、電力モジュール120および多室電解液貯蔵タンク110の各々は、単一の筐体(図示されていない)に含まれてよい。正電解液、負電解液、センサ60および62、電解液リバランス・リアクタ80および82、ならびに一体型多室電解液貯蔵タンク110(およびそれに含まれているコンポーネント)が、電解液サブシステム130に含まれていると見なされてよいということが、さらに理解されるであろう。そのため、電解液サブシステム130は、1つまたは複数の電解液をレドックス・フロー・バッテリ・セル18(およびそれに含まれているコンポーネント)に供給してよい。
ここで図2Aを参照すると、図1のレドックス・フロー・バッテリ・システム10などのレドックス・フロー・バッテリ・システムのMEAスタック202を示す分解図200が示されている。実施形態例では、MEAスタック202は、レドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作し得るMEA204の連続的積み重ねを含んでよい。したがって、MEA204の各々は、図1のレドックス・フロー・バッテリ・セル18として動作し得るMEA102として構成されてよい。基準軸のセット201は、示されているコンポーネントの相対的配置を表すため、および図2A~5Cの図間の比較のために、さらに提供されており、軸201はx軸、y軸、およびz軸を示している。例えば、本明細書において相対的なコンポーネントの配置を修飾する場合の「上側」および「下側」という用語は、上側のz軸の位置および下側のz軸の位置のことをそれぞれ指してよい。
一部の実施例では、MEA204は、ロールツーロール処理によって形成されてよい。そのような例では、ロールツーロール処理によってもたらされる公差の積み重ねが減少するため、成形に基づく電極組み立て工程によって製造される電極アセンブリのスタックと比較して、MEAスタック202内のMEA204の数が増やされ得る。例えば、MEAスタック202が、50個のMEA204の連続的積み重ねとして分解図200に示されている。しかし、MEAスタック202に含まれるMEA204の数は特に制限されず、特定の用途の性能要求に従って、より多いか、またはより少ないMEA204がMEAスタック202に含まれてよい。しかし、一部の例では、相対的に大きい数のMEA204は、それに応じて(例えば、図5A~5Cを参照して下で詳細に説明されるシャント防止流路(anti-shunting flow paths)などの、内部のシャント防止流路の有効長を増やすことによって)より大きいシャント保護およびより大きいパッケージを含むことができる。したがって、そのような例では、MEA204の数の上限は、過度に長いシャント防止流路からの増大した圧力降下に起因する性能問題によって決まってよい(さらに、シャント防止流路は、実際のパッケージ制約によって制限されることがある)。
図に示されているように、各MEA204は、MEA204のさまざまなコンポーネントを少なくとも部分的に取り囲む外部の囲いまたは筐体210を含んでよい。筐体210は、望ましくない短絡事象を減らすために、プラスチックまたは他のポリマーなどの、低い導電率を有する材料で構成されてよい。例えば、筐体210は、互いに溶着されたか、または他の方法で接着された押し出し熱可塑性シートまたはフレームで構成されてよい(本明細書において使用されるとき、「接着された」は、2つのコンポーネント間の接着のことを指してよい)。一部の例では、押し出し熱可塑性シートまたはフレームは、高密度ポリエチレン(HDPE:high density polyethylene)、ポリプロピレン、および(例えば、追加の構造強度をもたらすための)これらの材料のいずれかの繊維強化成形から選択された材料で構成されてよい。他の例では、押し出し熱可塑性シートまたはフレームの繊維強化の厚さおよび程度の各々が増やされ、それに応じて押し出し熱可塑性シートまたはフレームの(例えば、図2Bおよび3を参照して下で詳細に説明される上側導電性シート260および/または下側導電性シート290などの、外側耐荷シートまたはフレームの)剛性または構造強度を向上させることができる。同様に、一部の例では、押し出し熱可塑性シートまたはフレームの繊維強化の厚さおよび程度の各々が減らされ、それに応じて押し出し熱可塑性シートまたはフレームの(例えば、図2Bおよび3を参照して下で詳細に説明される膜シート270などの、内側シートの)柔軟性を向上させることができる。
MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作しているときに、内部容積を形成する区画、室、または他の空洞が基本構成から膨張した構成に拡大されるか、または膨張し得るように、押し出し熱可塑性シートまたはフレームは、可逆的に拡張可能であってよい。MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作していないときに、MEA204は、膨張した構成から基本構成に再び縮小されるか、または収縮してもよい。一部の例では、複数の電解液ポート(下で詳細に説明される)を除いて、筐体210の拡大または膨張中にMEA204の内部容積(図3を参照して下で詳細に説明される内部容積310など)が密封されるように、筐体210を形成する押し出し熱可塑性シートまたはフレームが、互いに、および他のコンポーネントに接着されてよい。
例えば、各MEA204の導電性シートは、筐体210の両面212aおよび212bに溶着されるか、または他の方法で接着されてよく、これらの導電性シートは、筐体210内の外周に配置された上側開口部および下側開口部(図2Bを参照して下で詳細に説明される中央開口部265および295など)を封止する。1つの例では、導電性シートは、電解液漏出を防ぐために、筐体210内の外周に配置された上側開口部および下側開口部を密封してよい。導電性シートは、炭素繊維などの、追加の構造的安定性を筐体210にもたらすことができる導電材料で構成されてよく、レドックス・フロー・バッテリ・システムの端子に電気的に結合されてよい。分解図200では、一部のMEA204の上側導電性シート260のみが見えており、各MEA204の筐体210の(上側)側面212aに配置されているが、下側導電性シート(図2Bおよび3を参照して下で詳細に説明される下側導電性シート290など)が、各MEA204の筐体210の(下側)側面212bに含まれてよい。さらに、MEA204のすべては、その各側面212aに、各上側各導電性シート260を(分解図200で見えるかどうかにかかわらず)含んでよい。
各MEA204の導電性シートは、区画、室、または他の空洞の側面をそれぞれ形成し、MEA204の内部容積を形成してよい。例えば、各MEA204の上側導電性シート260が、対応する正極区画(図3を参照して下で詳細に説明される正極区画312など)の側面を形成してよく、各MEA204の下側導電性シート(図2Aに示されていない、図2Bおよび3を参照)が、対応する負極区画(図3を参照して下で詳細に説明される負極区画314など)の側面を形成してよい。さらに、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、導電性シートに電気的に結合されたレドックス・フロー・バッテリ・システムの端子(図1に関して上で詳細に説明された端子40および42など)を介して、導電性シートの両端に電流が加えられてよい。このようにして、導電性シートは、流体的かつ電気的にMEA204の内部容積と(例えば、導電性シートと接触している、正電解液および負電解液などの、内部容積内の液体または他の流体と)連通してよい。
一部の例では、隣接するMEA204の対の各導電性シートは、互いに面共有接触してよい。例として、MEAスタック202の上端214aでの(例えば、z軸に沿った最高値での)MEA204の下側導電性シートは、隣接するMEA204(例えば、z軸に沿った負方向で最も近いMEA204)の上側導電性シート260と面共有接触してよい。別の例として、MEAスタック202の下端214bでの(例えば、z軸に沿った最低値での)MEA204の上側導電性シート260は、隣接するMEA204(例えば、z軸に沿った正方向で最も近いMEA204)の下側導電性シートと面共有接触してよい。さらに別の例として、MEAスタック202の上端214aでのMEA204とMEAスタック202の下端214bでのMEA204の間における特定のMEA204ごとに、特定のMEA204の下側導電性シートが、隣接するMEA204(例えば、z軸に沿った正方向で最も近いMEA204)の上側導電性シート260と面共有接触してよく、特定のMEA204の上側導電性シート260が、別の隣接するMEA204(例えば、z軸に沿った負方向で最も近いMEA204)の下側導電性シートと面共有接触してよい。
一部の例では、隣接するMEA204の対の各導電性シートは、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作しているとき(例えば、隣接するMEA204の対の各導電性シートが互いに対して押されるように、各MEA204の筐体210が拡大されるか、または膨張することができるとき)にのみ、互いに面共有接触してよい。それに応じて、そのような例では、隣接するMEA204の対の各導電性シートは、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作していないとき(例えば、隣接するMEA204の対の各導電性シートが互いに対して押されず、それらの間に空間が存在するように、各MEA204の筐体210が縮小されるか、または収縮することができるとき)に、互いに面共有接触しなくてよい。追加または代替の例では、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作している間のMEA204の隣接する対の間の電気接触抵抗は、(例えば、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、隣接するMEA204の対の各導電性シートが互いに押し付けられ得るため)MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作していない間のMEA204の隣接する対の間の電気接触抵抗より低くてよい。したがって、互いに物理的に接触し、それらの間に相対的に低い電気接触抵抗を有している、隣接するMEA204の導電性シートは、直列に電気を通してよい。
各特定のMEA204は、特定のMEA204の押し出し熱可塑性シートまたはフレームの各々における開口部を揃えることによって形成された1つまたは複数の電解液ポートを含んでよい。例えば、分解図200では、MEA204の各々は、内部容積に流体結合された第1の正電解液ポート206a、第2の正電解液ポート206b、第1の負電解液ポート208a、および第2の負電解液ポート208bの各々を含んでよい。1つの例では、第1および第2の正電解液ポート206a、206bの各々は、(例えば、図5Cを参照して下で詳細に説明されるように、押し出し熱可塑性シートまたはフレームのうちの2つの間に形成された各正電解液通路を介して)正極区画に流体結合されてよく、第1および第2の負電解液ポート208a、208bの各々は、(例えば、図5Cを参照して下で詳細に説明されるように、押し出し熱可塑性シートまたはフレームのうちの2つの間に形成された各負電解液通路を介して)負極区画に流体結合されてよい。
一部の例では、第1および第2の正電解液ポート206a、206bのうちの1つが、正電解液の入り口として機能してよく、一方、第1および第2の正電解液ポート206a、206bのうちの他の1つが、正電解液の出口として機能してよく、正電解液が、正電解液の入り口を介して特定のMEA204に入り、特定のMEA204の正極区画を通って流れ、正電解液の出口を介して特定のMEA204から出てよい。同様に、一部の例では、第1および第2の負電解液ポート208a、208bのうちの1つが、負電解液の入り口として機能してよく、一方、第1および第2の負電解液ポート208a、208bのうちの他の1つが、負電解液の出口として機能してよく、負電解液が、負電解液の入り口を介して特定のMEA204に入り、特定のMEA204の負極区画を通って流れ、負電解液の出口を介して特定のMEA204から出てよい。
MEA204の各々の1つまたは複数の電解液ポートは、MEA204の各々(例えば、MEA204の各々の内部容積)をそれぞれ互いに流体結合する1つまたは複数の電解液マニホールドを形成するように揃えられてよい。例えば、分解図200では、z軸に沿ってMEA204の第1の正電解液ポート206aの各々を揃えることによって、第1の正電解液マニホールド216aが形成されてよく、z軸に沿ってMEA204の第2の正電解液ポート206bの各々を揃えることによって、第2の正電解液マニホールド216bが形成されてよく、z軸に沿ってMEA204の第1の負電解液ポート208aの各々を揃えることによって、第1の負電解液マニホールド218aが形成されてよく、z軸に沿ってMEA204の第2の負電解液ポート208bの各々を揃えることによって、第2の負電解液マニホールド218bが形成されてよい。一部の例では、第1および第2の正電解液マニホールド216a、216bのうちの1つが、正電解液の入り口マニホールドとして機能してよく、一方、第1および第2の正電解液マニホールド216a、216bのうちの他の1つが、正電解液の出口マニホールドとして機能してよく、正電解液が、正電解液の入り口マニホールドを介してMEAスタック202に入り、MEA204の各々の正極区画を通って流れ、正電解液の出口マニホールドを介してMEAスタック202から出てよい。同様に、一部の例では、第1および第2の負電解液マニホールド218a、218bのうちの1つが、負電解液の入り口マニホールドとして機能してよく、一方、第1および第2の負電解液マニホールド218a、218bのうちの他の1つが、負電解液の出口マニホールドとして機能してよく、負電解液が、負電解液の入り口マニホールドを介してMEAスタック202に入り、MEA204の各々の負極区画を通って流れ、負電解液の出口マニホールドを介してMEAスタック202から出てよい。
一部の例では、図2Bおよび4A~4Cを参照して下で詳細に説明されるように、各MEA204の1つまたは複数の電解液ポートにそれぞれ含まれている電解液分配インサートを機械的に連結することによって、第1および第2の正電解液マニホールド216a、216bならびに第1および第2の負電解液マニホールド218a、218bが形成されてよい。実施形態例では、MEA204の隣接する対の電解液分配インサートは互いに機械的に連結し、それによって、(例えば、機械的に連結している電解液分配インサートの対の間で正電解液または負電解液が漏れ得ないように)そこから形成された電解液マニホールドを密封してよい。したがって、このようにして電解液マニホールドを密封することによって、MEA204間の空間または界面が乾燥し、正電解液および負電解液が実質的になくなることができる。
(例えば、電解液分配インサートの対を介して)互いに機械的に連結するようにMEA204を構成することによって、MEAスタック202は、特定の用途に従ってMEA204が追加されるか、除去されるか、交換されるか、または代用され得るように、モジュール式の方法で形成されてよい。例として、あるMEA204が劣化していると決定された場合、このMEA204は、MEAスタック202から機械的に切り離され、新しい(劣化していない)MEA204に置き換えられてよい。別の例として、MEAスタック202の内部または上に、MEA204と異なる構成を有するアセンブリが積み重ねられてよい。
例えば、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、MEA204と共に連続的積み重ねで配置された(例えば、MEAスタック202の上に積み重ねられた)1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリを含んでよく(例えば、1つまたは複数のリバランス・セルの少なくとも一部が、図1のリバランス・リアクタ80、82のうちのどちらかとして独立して構成されてよい)、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリのうちの少なくとも1つが、電解液分配インサートの対を介して、MEA204のうちの少なくとも1つと機械的と連結してよい(それによって、電解液マニホールドのうちの少なくとも1つを介して、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリをMEAスタック202に流体結合する)。例えば、特定のリバランス・セル・アセンブリの1つの側面で、特定のリバランス・セル・アセンブリの電解液分配インサートが、隣接するMEA204(または隣接するリバランス・セル・アセンブリ)の各電解液分配インサートと機械的に連結してよい。特定のリバランス・セル・アセンブリの反対側で、特定のリバランス・セル・アセンブリの電解液分配インサートが、別の隣接するリバランス・セル・アセンブリの各電解液分配インサートと機械的に連結してよい(または、特定のリバランス・セル・アセンブリの反対側の電解液分配インサートが、例えば、リバランス・セル・アセンブリが介在せずに、レドックス・フロー・バッテリ・システムの電解液サブシステムと流体的に直接結合してよい)。
したがって、一部の例では、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリのうちの(例えば、リバランス・セル・アセンブリのサブスタックの下端または上端での)1つのみがMEA204のうちの(例えば、MEAスタック202の上端または下端での)1つのみと機械的に連結することができるように、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが、MEAスタック202から分離した1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリのサブスタックに積み重ねられてよい。このようにして、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリをMEAスタック202と近接して配置することは、MEAスタック202と1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリの間の長い電解液流路を回避することによって、動作中のpHレベルで不安定化されることがある電解液内の副反応が急速に再び安定化されるか、または維持され得るという点において、有利であることがある。MEAスタック202のMEA204は、そこを通る相対的に大きい電流を、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリには非実用的なレベルで駆動することができる。したがって、実施形態例では、1つまたは複数のリバランス・セルが、MEAスタック202に(例えば、MEAスタック202の上端または下端に)流体結合されたまま、MEAスタック202から電気的に切り離されてよい。
特定の例では、MEAスタック202から分離して1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリがパッケージ化され得るように、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが、MEAスタック202に機械的に直接結合されなくてよい(例えば、レドックス・フロー・バッテリ・システムのパイプおよび/または他のコンポーネントが、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリとMEAスタック202の間に配置されてよい)。そのような例では、追加のハードウェア(例えば、パイプ、過剰な流体圧力を封じ込めるための圧力板など)が実装されてよく、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが電解液分配インサートの対を介してMEAスタック202と機械的に連結される例と比較して、より大きい床面積が利用されてよい。
ここで図2Bを参照すると、MEA204を示す分解図250が示されている。実施形態例では、MEA204は、図2AのMEAスタック202のMEA204のうちの1つであってよい。したがって、一部の例では、MEA204は、レドックス・フロー・バッテリ・システム内のレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作してよい。
MEA204は、互いに溶着されたか、または他の方法で接着された1つまたは複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレームから形成された筐体(例えば、図2Aの筐体210)を含んでよい。一部の例では、1つまたは複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレームは、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292を含んでよい。そのような例では、上側熱可塑性フレーム262は、中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されて、(図3を参照して下で詳細に説明されるように)正極区画を形成してよい。同様に、そのような例では、下側熱可塑性フレーム292は、中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されて、(図3を参照して下で詳細に説明されるように)負極区画を形成してよい。
1つまたは複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレームの各々は、その中に配置され、z軸に沿ってそれを通って伸びる1つまたは複数の開口部を含んでよい。例えば、分解図250に示されているように、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、中央開口部265、275、および295をそれぞれ含んでよい。中央開口部265、275、および295は、(例えば、z軸に対して垂直な平面内に)長方形を有するように示されている。しかし、中央開口部265、275、および295の各々の形状が、特定の用途の必要に応じて、他の多角形で、または円形、楕円形、もしくは不規則な形状で、独立して構成されてよいということが、理解されるであろう。さらに、分解図250では、中央開口部265、275、および295が、実質的に同等のサイズを有するように示されているが、他の例では、中央開口部265、275、および295のサイズは変化してよい。
一部の例では、中央開口部265、275、および295の各々は、対応するシートによって、それらの各外周で封止されてよい。例として、上側導電性シート260は、中央開口部265がその外周で封止され得る(例えば、密封され得る)ように、上側熱可塑性フレーム262に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。別の例として、下側導電性シート290は、中央開口部295がその外周で封止され得る(例えば、密封され得る)ように、下側熱可塑性フレーム292に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。一部の例では、上側導電性シート260および下側導電性シート290の各々は、同じ構造構成および組成に対応してよい(しかし、上側導電性シート260および下側導電性シート290の相対的配置は、互いに異なってよい)。したがって、そのような例では、上側導電性シート260および下側導電性シート290の各々は、図2Aを参照して上で説明された構造および組成の特徴の各々を含んでよい。例えば、上側導電性シート260および下側導電性シート290の各々は、炭素繊維で構成されてよい。
さらに別の例として、膜シート270は、中央開口部275がその外周で封止され得る(例えば、密封され得る)ように、中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。そうすることにおいて、膜シート270は、正極区画および負極区画を形成するように、MEA204の内部容積を2分してよい。したがって、膜シート270は、正区画と負区画の間に配置され、正区画および負区画の各々の側面を形成してよい。膜シート270は、それを通して特定のイオンの伝導を可能にしながら、正電解液および負電解液の大量の混合を防ぐ電気絶縁イオン伝導性バリア(例えば、任意選択的に、流体のクロスオーバーを軽減するためにNafion(商標)で覆われた、イオン交換膜バリア、微多孔膜、柔軟な多孔質セラミック・セパレータなど)で構成されてよい。電気絶縁イオン伝導性バリアは、中央熱可塑性フレーム272への膜シート270の接着中に耐えられる接着力および温度に耐えるように、さらに選択されてよい。
上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290の各々の最小寸法は、z軸に対して垂直であってよく、z軸に対して垂直な平面への上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290の各々の正投影は、中央開口部265、275、および295の形状に類似する、わずかにより大きい形状をそれぞれ有してよい。例えば、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290の各々の正投影の形状は、それぞれ、中央開口部265、275、および295の長方形よりわずかに大きい長方形であってよい。しかし、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290の各々の正投影の形状が、特定の用途の必要に応じて(例えば、非長方形の中央開口部265、275、または295にそれぞれ従うように)、他の多角形で、または円形、楕円形、もしくは不規則な形状で、独立して構成されてよいということが、理解されるであろう。さらに、分解図250では、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290が、実質的に同等のサイズを有するように示されているが、他の例では、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290のサイズは変化してよい。
分解図250にさらに示されているように、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292の各々は、その中に配置され、z軸に沿ってそれを通って伸びる1つまたは複数のポート開口部をさらに含んでよい。1つの例では、上側熱可塑性フレーム262は、第1の正電解液ポート開口部266a、第2の正電解液ポート開口部266b、第1の負電解液ポート開口部268a、および第2の負電解液ポート開口部268bを含んでよい。中央熱可塑性フレーム272は、第1の正電解液ポート開口部276a、第2の正電解液ポート開口部276b、第1の負電解液ポート開口部278a、および第2の負電解液ポート開口部278bを含んでよい。下側熱可塑性フレーム292は、第1の正電解液ポート開口部296a、第2の正電解液ポート開口部296b、第1の負電解液ポート開口部298a、および第2の負電解液ポート開口部298bを含んでよい。
上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292の各々における1つまたは複数のポート開口部が1つまたは複数の電解液ポートをそれぞれ形成し得るように、z軸に沿って揃えられてよい。1つの例では、第1の正電解液ポート開口部266a、276a、および296aは、第1の正電解液ポート(例えば、図2Aの第1の正電解液ポート206a)を形成するように一列に揃ってよく、第2の正電解液ポート開口部266b、276b、および296bは、第2の正電解液ポート(例えば、図2Aの第2の正電解液ポート206b)を形成するように一列に揃ってよく、第1の負電解液ポート開口部268a、278a、および298aは、第1の負電解液ポート(例えば、図2Aの第1の負電解液ポート208a)を形成するように一列に揃ってよく、第2の負電解液ポート開口部268b、278b、および298bは、第2の負電解液ポート(例えば、図2Aの第2の負電解液ポート208b)を形成するように一列に揃ってよい。
ポート開口部は、(例えば、z軸に対して垂直な平面内に)円形を有するように示されている。しかし、ポート開口部の各々の形状が、特定の用途の必要に応じて、楕円形、多角形、または不規則な形状で、独立して構成されてよいということが、理解されるであろう。さらに、分解図250では、ポート開口部が、実質的に同等のサイズを有するように示されているが、他の例では、ポート開口部のサイズは変化してよい。一部の例では、分解図250に示されているように、ポート開口部(例えば、266a、266b、268a、268b、276a、276b、278a、278b、296a、296b、298a、298b)の各々のサイズは、中央開口部265、275、および295の各々より小さくてよい。
分解図250にさらに示されているように、電解液分配インサート282は、隣接する押し出し熱可塑性シートまたはフレームのポート開口部間にそれぞれ配置されてよく、電解液分配インサート282は、隣接する押し出し熱可塑性シートまたはフレームの互いへの接着によって、定位置に保持されている。1つの例では、電解液分配インサート282の少なくとも一部が、上側熱可塑性フレーム262と中央熱可塑性フレーム272の間に配置されてよい。例えば、電解液分配インサート282のうちの1つが、第1の負電解液ポート開口部268aと第1の負電解液ポート開口部278aの間に配置されてよく、電解液分配インサート282のうちの別の1つが、第2の負電解液ポート開口部268bと第2の負電解液ポート開口部278bの間に配置されてよい。同様に、追加または代替の例では、電解液分配インサート282の少なくとも一部が、中央熱可塑性フレーム272と下側熱可塑性フレーム292の間に配置されてよい。例えば、電解液分配インサート282のうちの1つが、第1の正電解液ポート開口部276aと第1の正電解液ポート開口部296aの間に配置されてよく、電解液分配インサート282のうちの別の1つが、第2の正電解液ポート開口部276bと第2の正電解液ポート開口部296bの間に配置されてよい。
各特定の電解液分配インサート282は、2つのポート開口部の周囲に配置されてよく、これら2つのポート開口部間に、特定の電解液分配インサート282が配置される。例えば、ポート開口部が円形を有する場合、それに応じて、電解液分配インサートは環状であってよい。このようにして、電解液分配インサート282の各々は、電解液ポートのうちの対応する1つの周囲を囲んでよい。
図4A~4Cを参照して下でさらに詳細に説明されるように、複数の電解液チャネルが、電解液分配インサート282の各々の外周の周りに配置され、電解液ポートをMEA204の電解液通路に流体結合してよい。各正電解液ポートまたは負電解液ポートを介して正電解液または負電解液がMEA204に流れ込むときに、正電解液または負電解液は、複数の電解液チャネルを介して各正電解液通路または負電解液通路に均等に分配されてよい。このようにして、電解液分配インサート282の各々の複数のチャネルを介して、正電解液および負電解液がMEA204の内部容積に入り、MEA204の内部容積から出てよい。
図5A~5Cを参照して下でさらに詳細に説明されるように、正電解液ポートの各々は、中央熱可塑性フレーム272と下側熱可塑性フレーム292の間に形成された各正電解液通路に流体結合されてよく、負電解液ポートの各々は、上側熱可塑性フレーム262と中央熱可塑性フレーム272の間に形成された各負電解液通路に流体結合されてよい。1つの例では、中央熱可塑性フレーム272に形成された上側のくぼみ274a、274bは、下側熱可塑性フレーム292の上面と組み合わさって、正電解液通路を形成してよい。さらに示されているように、上側熱可塑性フレーム262に形成された上側のくぼみ264a、264bは、上側のくぼみ274a、274bをそれぞれ受け止めてよい。同様に、1つの例では、中央熱可塑性フレームに形成された下側のくぼみ284a、284bは、上側熱可塑性フレーム262の下面と組み合わさって、負電解液通路を形成してよい。さらに示されているように、下側熱可塑性フレーム292に形成された下側のくぼみ294a、294bは、下側のくぼみ284a、284bをそれぞれ受け止めてよい。
ここで図3を参照すると、図2BのMEA204を示す概略断面図300が示されている。実施形態例では、MEA204は筐体210を含んでよく、筐体210は、正極区画312および負極区画314に少なくとも分割された内部容積310を少なくとも部分的に取り囲む。正極区画312および負極区画314は、正極区画312と負極区画314の間のイオンの移動を可能にし得る一体化された膜(例えば、膜シート270)によって分離されてよい。さらに、MEA204は、電解液サブシステムに流体結合されてよく、電解液サブシステムは、正電解液322および負電解液324を、(例えば、送り込むことによって)正極区画312および負極区画314を通ってそれぞれ循環させてよい。このようにして、MEA204は、レドックス・フロー・バッテリ・システム内のレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作してよい。
概略断面図300に示されているように、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、少なくともその各外周に沿って互いに溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。1つの例では、上側熱可塑性フレーム262は、その各外周に沿った接着領域330aで中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されてよく、中央熱可塑性フレーム272は、その各外周に沿った接着領域330aで下側熱可塑性フレーム292に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。概略断面図300にさらに示されているように、上側熱可塑性フレーム262および下側熱可塑性フレーム292の各々は、その各外周から(例えば、接着領域330aから)z軸に沿って互いに反対方向に離れて広がってよい。したがって、正極区画312が、上側熱可塑性フレーム262と中央熱可塑性フレーム272の間に形成されてよく、負極区画314が、中央熱可塑性フレーム272と下側熱可塑性フレーム292の間に形成されてよい。一部の例では、(例えば、接着領域330bで上側熱可塑性フレーム262に溶着されたか、または他の方法で接着された)上側導電性シート260および(例えば、接着領域330cで中央熱可塑性フレーム272に溶着されたか、または他の方法で接着された)膜シート270によって、正極区画312の両面が少なくとも部分的に形成されてよい。同様に、一部の例では、(例えば、接着領域330cで中央熱可塑性フレーム272に溶着または接着された)膜シート270および(例えば、接着領域330dで下側熱可塑性フレーム292に溶着または接着された)下側導電性シート290によって、負極区画314の両面が少なくとも部分的に形成されてよい。
上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、正極区画312および負極区画314がそこで密封されるように、互いに、ならびに上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290にさまざまに、溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。したがって、接着領域330aの幅332a、接着領域330bの幅332b、接着領域330cの幅332c、および接着領域330dの幅332dの各々は、(例えば、最大で、MEA204の内圧が最高値になると予想され得るときまでの)予想される力の範囲、組成、および構造構成全体に従って、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中の密封を保証するために指定された少なくとも最小幅であってよい。例えば、幅332a、332b、332c、および332dの各々は、少なくとも3mmであってよい。しかし、MEA204の特定の構造および組成の考慮事項に応じて、他の最小幅値が選択されてよい。追加的または代替的に、幅332a、332b、332c、および332dの各々は、極端な動作条件(例えば、低pH領域での、リバランス動作の前の、レドックス・フロー・バッテリ・システムの初期充電中の過剰な水素ガス生成に関連する、相対的に高い温度、相対的に高い圧力など)の間のMEA204の過剰な内圧を考慮するために、最小幅より多少大きくてよい。例えば、幅332a、332b、332c、および332dの各々は、最大で1cmまでであってよい。
一部の例では、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、接着剤または他の粘着性物質がMEA204のコンポーネント間に含まれないように、互いに、ならびに上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290にさまざまに、溶着のみが行われてよい。このようにして、相対的に高価な接着剤が取り除かれ得るため、MEA204の製造中のコストがされに減らされてよい。
MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作しているときに、MEA204は、基本(収縮した)構成から膨張した構成に拡大または膨張してよい。例えば、筐体210は、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290のうちの1つまたは複数が、その初期位置と相対的にz軸に沿ってシフトし得るように、(双方向の破線320によって示されているように)z軸の正方向および負方向に沿って外側に拡大してよい。1つの例では、z軸の正方向および負方向に沿った筐体210の外側への拡大は、(接着領域(例えば、330a)を除いて)MEA204を取り囲む外部環境に曝される上側熱可塑性フレーム262の部分と下側熱可塑性フレーム292の部分の間にわたって実質的に均等に分散されてよい(一方、筐体210は、あまり柔軟でなくてよく、それに応じて、あまり拡張可能でないか、または実質的に拡張不可能であってよい)。それと共に、内部容積310(例えば、正極区画312および負極区画314の各々)は、正電解液322および負電解液324がそれを通って循環するときに、第1の流体圧力から第2の流体圧力に上昇する内部容積310内の流体圧力に応答して、第1の容積から第2の容積に拡大または膨張してよい。x軸およびy軸に沿った筐体210の縮小/拡大は、実際には無視できることがある。例えば、z軸に沿った拡大中に筐体がピンと張られたときに、x軸およびy軸に沿った相対的に小さい縮小が(例えば、接着領域330aに)生じることがあるが、そのような縮小は、レドックス・フロー・バッテリ・システムの実際の動作にとって重要でないと見なされてよい。
それに応じて、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作していないときに、MEA204は、膨張した構成から基本(収縮した)構成に縮小または収縮してよい。例えば、筐体210は、上側導電性シート260、膜シート270、および下側導電性シート290のうちの1つまたは複数が、相対的にz軸に沿ってシフトしてその初期位置に戻り得るように、(双方向の破線320によって示されている外側への拡大と反対の)z軸の正方向および負方向に沿って内側に縮小してよい。1つの例では、z軸の正方向および負方向に沿った筐体210の内側への縮小は、(接着領域(例えば、330a)を除いて)MEA204を取り囲む外部環境に曝される上側熱可塑性フレーム262の部分と下側熱可塑性フレーム292の部分の間にわたって実質的に均等に分散されてよい(一方、筐体210は、より硬くてよく、それに応じて、あまり縮小可能でないか、または実質的に縮小不可能であってよい)。それと共に、内部容積310(例えば、正極区画312および負極区画314の各々)は、正電解液322および負電解液324がそれを通る循環を減らすか、または停止するときに、第2の流体圧力から第1の流体圧力に低下する内部容積310内の流体圧力に応答して、第2の容積から第1の容積に縮小または収縮してよい。
一部の例では、内部容積310は、例えば、内部容積310が第2の容積に拡大されるときに面共有接触するように配置された、z軸に沿った物理的制約によって、最大容積未満に維持されてよい。例として、図2Aを参照すると、物理的制約は、(例えば、MEA204が、MEAスタック202の上端214aおよび下端214bとは対照的に、MEAスタック202の中央に配置される場合に)隣接するMEA204の対が、z軸に沿ってそれらの間にMEA204を挟み込むことを含んでよい。別の例として、物理的制約は、(例えば、MEA204がMEAスタック202の上端214aまたはMEAスタック202の下端214bに配置される場合に)隣接するMEA204および圧力板を含んでよい。そのような例では、上側圧力板および下側圧力板がMEAスタック202全体のz軸に沿って拡大を制約し得るように、上側圧力板が、MEAスタック202の上端214aでMEA204と面共有接触して配置されてよく、下側圧力板が、MEAスタック202の下端214bでMEA204と面共有接触して配置されてよい。1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリがMEAスタック202の上に積み重ねられる代替の例では、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが、上側圧力板とMEAスタック202の上端214aでのMEA204の間、または下側圧力板とMEAスタック202の下端214bでのMEA204の間に配置されてよい。
ここで図3を参照すると、一部の例では、MEA204への電解液の流れは、コンポーネントの対の間の密封におけるコンポーネントの劣化も破裂もなく、MEA204内に加えられる流体圧力が最大流体圧力まで耐えられ得るように、(例えば、図1のコントローラ88で実行される命令に基づいて)制御可能に調整することができてよい。1つの例では、正電解液322および負電解液324の各々の流量は、それらの間の流体圧力差を最大流体圧力未満に維持するように、独立して調整されてよい。最大流体圧力は、膜シート270を横切る液圧クロスオーバー(hydraulic crossover)を防ぐように選択されてよい。そのような液圧クロスオーバーは、MEA204の電気化学的性能および寿命を不必要に阻害することがある。1つの例では、最大流体圧力は、10kPaであってよい。
追加または代替の例では、電解液の流れを動的に制限するために、収縮機能(例えば、調整可能な隔壁)が、正電解液322および/または負電解液324の流路に沿って配置されてよい。例えば、流体クロスオーバー軽減機能(例えば、Nafion(商標)のコーティング)を含んでも含まなくてもよい、より広い範囲の組成から膜シート270が選択され得るように、正電解液322と負電解液324の間の圧力差をバランス調整し、維持するために、収縮機能が、内部容積310の拡大および縮小中の(例えば、レドックス・フロー・バッテリ・システムのさまざまな動作モードの間の)電解液の流れを受動的に制御してよい。そのような例では、膜シート270は、(例えば、やはりコーティングされない膜を使用する鉛酸バッテリなどの静的システムと同様に)どの追加のコーティングもなしで形成されてよく、これによって、レドックス・フロー・バッテリ・システムの電気化学的性能を実質的に維持しながら、MEA204の全体的な製造コストを減らすことができる。
構造的安定性および強度を筐体210にもたらすように、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292の各厚さ342、344、および346がさらに選択されてよい。一部の例では、上側熱可塑性フレーム262および下側熱可塑性フレーム292は、筐体210のより大きい比率の外面を構成する(そのため、上側熱可塑性フレーム262および下側熱可塑性フレーム292は、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、中央熱可塑性フレーム272より大きい合計の力に曝されることがある)ため、中央熱可塑性フレーム272の厚さ344は、上側熱可塑性フレーム262の厚さ342および下側熱可塑性フレーム292の厚さ346の各々より小さくてよい。例えば、中央熱可塑性フレーム272の厚さ344は、少なくとも0.07mmであってよく、一方、上側熱可塑性フレーム262の厚さ342および下側熱可塑性フレーム292の厚さ346の各々は、少なくとも1mmであってよい。したがって、そのような例では、中央熱可塑性フレーム272は、上側熱可塑性フレーム262および下側熱可塑性フレーム292より柔軟であってよい。
方程式(2)のレドックス反応を促進するために、さまざまなコンポーネントが正極区画312内に配置されてよい。例えば、概略断面図300に示されているように、正極302が、上側導電性シート260と膜シート270の間の正電解液322内に配置されてよい。一部の例では、正極302は、炭素フェルトなどのフェルトで構成されてよく、フェルトは、レドックス・フロー・バッテリ・システムの充電中に正電解液322と接触するときのFe2+の酸化、およびレドックス・フロー・バッテリ・システムの放電中に正電解液322と接触するときのFe3+の還元に役立つことができる。
同様に、方程式(1)のめっき反応を促進するために、さまざまなコンポーネントが負極区画314内に配置されてよい。例えば、概略断面図300に示されているように、負極スペーサ304が、膜シート270と下側導電性シート290の間の負電解液324内に配置されてよい。一部の実施例では、負極スペーサ304は、プラスチック・メッシュなどの非導電性メッシュで構成されてよく、非導電性メッシュは、そこからの負電解液324の分配およびFe2+のめっきのための(例えば、図3に示されていない負極の表面に沿った)流路を定めることができ、膜シート270が下側導電性シート290のしきい値近接以内に近づく(特定の例では、これが短絡を引き起こすことがある)のを防ぐためのセパレータとして、さらに機能することができる。一部の例では、(例えば、レドックス・フロー・バッテリ・システムの動作中に負電解液324と流体接触する)z軸に沿って正方向を向いている下側導電性シート290の面は、化学反応(例えば、方程式(1)のめっき反応)が発生し得る表面積を増やすために、ざらつきがあってよい。
追加または代替の例では、負極区画314に入る負電解液324に、相対的に小さい量の流体背圧(および、それによる圧力降下)を作り出すことによって、負電解液324の流れの分配をさらに改善するために、非導電性フェルト・ストリップが、負極区画314内の、例えば負電解液324の入り口に、または入り口に隣接して、配置されてよい。そのような例では、y軸に沿った非導電性フェルト・ストリップの長さは、y軸に沿ったFeのめっきのための負極区画314内の活性化領域の長さ(例えば、負電解液324と流体接触する下側導電性シート290の部分の長さ)と実質的に同等であってよく、一方、x軸に沿った非導電性フェルト・ストリップの幅は、相対的に小さくてよい(例えば、約1cmであってよい)。
正極区画312および負極区画314は、正電解液322および負電解液324でそれぞれ満たされ、その中に、正極302および負極スペーサ304などのさまざまなコンポーネントをそれぞれ浸してよい。実施形態例では、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、正極区画312の使用可能な容積が正電解液322によって実質的に完全に満たされるように、正電解液322が正極区画312を通って循環してよい。したがって、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、正極区画312内の流体圧力が増加し、それによって、筐体210を拡大するか、または膨張させてよい。同様に、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、負極区画314の使用可能な容積が負電解液324によって実質的に完全に満たされるように、負電解液324が負極区画314を通って循環してよい。したがって、レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中に、負極区画314内の流体圧力が増加し、それによって、筐体210を拡大するか、または膨張させてよい。
ここで図4A~4Cを参照すると、電解液分配インサート282の例示的な構成を示す透視断面図400および440ならびに概略断面図480が、それぞれ示されている(図4Cの概略断面図480は、図4Bの透視断面図440の切断線4C-4Cによって定義された分割平面によって示されている)。実施形態例では、電解液分配インサート282は、複数の電解液チャネル・パーティション406間に配置された複数の電解液チャネル408を含む成形プラスチック・リングとして形成されてよい。電解液分配インサート282は、(図4Aの透視断面図400に示されているように)上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292にそれぞれ配置された第1の負電解液ポート開口部268a、278a、および298aから形成された第1の負電解液ポート208aまたは(図4Bの透視断面図440に示されているように)上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292にそれぞれ配置された第1の正電解液ポート開口部266a、276a、および296aから形成された第1の正電解液ポート206aなどの、MEA204の電解液ポート内に配置されてよい。したがって、電解液分配インサート282は、特定の電解液ポートと、筐体210の熱可塑性シート間に形成された電解液通路との間の流体結合を形成してよい。
例として、電解液分配インサート282は、複数の電解液チャネル408を介して第1の負電解液ポート208aを負電解液通路414に流体結合してよい。別の例として、電解液分配インサート282は、複数の電解液チャネル408を介して第1の正電解液ポート206aを正電解液通路412に流体結合してよい。下で詳細に説明されるように、例えば、複数のMEA204を、例えばz軸に沿って積み重ね、電解液分配インサート282を介して機械的に連結することによって、共通の流体マニホールド(例えば、図2Aの第1の負電解液マニホールド218a、図2Aの第1の正電解液マニホールド216aなど)が形成され得るように、電解液分配インサート282が互いに機械的に連結してよい。このようにして、正電解液および負電解液(例えば、図4A~4Cに示されていない図3の正電解液322および負電解液324)が、各MEA204に含まれている1つまたは複数の電解液分配インサート282から形成された共通の流体マニホールドを介して、レドックス・フロー・バッテリ・システム内のレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作するMEA204のスタックに送り込まれ、循環されてよい。
電解液分配インサート282は、複数の電解液チャネル408の上面および下面をそれぞれ形成する上側プレート402および下側プレート404を含んでよい。一部の例では、電解液分配インサート282は、上側プレート402および下側プレート404が、電解液分配インサート282が配置される電解液ポートより大きい各内径403、405を有するように、成形されてよい。さらに、図4A~4Bに示されているように、上側プレート402の内径403は、下側プレートの内径405より大きくてよい。したがって、一部の例では、筐体210の熱可塑性シートの特定の対の間に電解液分配インサート282を配置し、熱可塑性シートの特定の対を互いに溶着すると、電解液分配インサート282の位置が特定の電解液ポートの位置に密封固定され得る。
一部の例では、図4Aおよび4Bの透視断面図400および440にそれぞれ示されているように、電解液分配インサート282が、接着領域430で筐体210に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。1つの例では(例えば、電解液分配インサート282が、第1の負電解液ポート208aなどの負電解液ポートのうちの1つに配置される場合)、上側プレート402が、そこで密封を形成するように、電解液分配インサート282の外周の周りに広がる接着領域430のうちの1つで上側熱可塑性フレーム262に溶着されるか、または他の方法で接着されてよく、下側プレート404が、そこで密封を形成するように、電解液分配インサート282の外周の周りに広がる接着領域430のうちの別の1つで中央側熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。同様に、1つの例では(例えば、電解液分配インサート282が、第1の正電解液ポート206aなどの正電解液ポートのうちの1つに配置される場合)、上側プレート402が、そこで密封を形成するように、電解液分配インサート282の外周の周りに広がる接着領域430のうちの1つで中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されてよく、下側プレート404が、そこで密封を形成するように、電解液分配インサート282の外周の周りに広がる接着領域430のうちの別の1つで下側熱可塑性フレーム292に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。
したがって、接着領域430の各々の(図4Aに示されているような)幅432は、(例えば、MEA204の内圧が最高値になると予想され得るときに)レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中の密封を保証するために指定された少なくとも最小幅であってよい。例えば、各幅432は、少なくとも3mmであってよい。しかし、MEA204の特定の構造および組成の考慮事項に応じて、他の最小幅値が選択されてよい。追加的または代替的に、各幅432は、極端な動作条件(例えば、低pH領域での、リバランス動作の前の、レドックス・フロー・バッテリ・システムの初期充電中の過剰な水素ガス生成に関連する、相対的に高い温度、相対的に高い圧力など)の間のMEA204の過剰な内圧を考慮するために、最小幅より多少大きくてよい。例えば、各幅432は、最大で1cmまでであってよい。
複数の電解液チャネル408を形成するために、複数の電解液チャネル・パーティション406が、上側プレート402と下側プレート404の間に配置され、電解液分配インサート282の外周の周りで、実質的に均等に間隔を空けられてよい。したがって、複数の電解液チャネル・パーティション406の数は、複数の電解液チャネル408の数に等しくてよい。図400、440、および480では、電解液分配インサート282が、12個の電解液チャネル・パーティション406および12個の電解液チャネル408を含むように示されているが、電解液分配インサート282に含まれる複数の電解液チャネル・パーティション406の数および複数の電解液チャネル408の数は特に制限されなくてよく、特定の用途の性能要求に従って、より多いか、またはより少ない電解液チャネル・パーティション406および電解液チャネル408が電解液分配インサート282に含まれてよい。
1つの例として、複数の電解液チャネル・パーティション406の数および複数の電解液チャネル408の数は、電解液分配インサート282の構造的完全性を維持しながら、できるだけ多くの電解液の流れを可能にするように選択されてよい。複数の電解液チャネル・パーティション406および複数の電解液チャネル408の各々の寸法は、同様の考慮事項、例えば、構造的完全性との電解液の流れのバランスを調整することによって、決まってよい。例として、(例えば、電解液分配インサート282の外周とおおよそ平行な)複数の電解液チャネル・パーティション406の各々の、図4Cに示されているような幅482は、構造的完全性が確実に維持され得る、電解液分配インサート282の組成に固有の下限を有してよい。別の例として、(例えば、電解液分配インサート282の外周とおおよそ平行な)複数の電解液チャネル408の各々の、図4Cに示されているような幅484は、複数の電解液チャネル408の目詰まりが軽減され得るように、下限を有してよい。
MEA204は、レドックス・フロー・バッテリ・システムの電解液サブシステムに流体結合された電解液ポートを介して正電解液および負電解液を受け取ってよい。一部の例では、各電解液ポートで電解液分配インサート282を封止するように固定することによって、複数の電解液チャネル408を介して正電解液および負電解液のみがMEA204に入ることができる。例として、図4Aの矢印410によって示されているように、負電解液が、複数の電解液チャネル408を介して、第1の負電解液ポート208aから負電解液通路414に流れてよい。別の例として、図4Bの矢印450によって示されているように、正電解液が、複数の電解液チャネル408を介して、第1の正電解液ポート206aから正電解液通路412に流れてよい。
電解液分配インサート282は、他の電解液分配インサート282との電解液分配インサート282の機械的連結のために、上側フランジ416および下側フランジ418を含んでよい。1つの例では、電解液分配インサート282の対の上側フランジ416および下側フランジ418は、電解液分配インサート282の対が互いに機械的に連結するように、図4Bに示されているように、連結界面または領域452で、互いに対になるようにかみ合ってよく、例えば、互いに対になるように成形されてよい。例として、電解液分配インサート282の対のうちの1つの電解液分配インサート282の下側フランジ418が、連結界面または領域452で、電解液分配インサート282の対のうちの他の電解液分配インサート282の上側フランジ416と、対になるようにかみ合ってよい。言い換えると、第1の電解液分配インサートの下側フランジ418が、第1の電解液分配インサートの直下に配置された第2の電解液分配インサート282の上側フランジ416内へ、z軸に沿って下方にスライドし、上側フランジ416の内径403内で緊密に嵌合してよい。
別の例として、図4Bの透視断面図440に示されているように、電解液分配インサート282の対のうちの1つの電解液分配インサート282の上側フランジ416が、連結界面または領域452で、電解液分配インサート282の対のうちの他の電解液分配インサート282の下側フランジ418と、対になるようにかみ合ってよい。一部の例では、第1の正電解液ポート206aに配置された電解液分配インサート282と機械的に連結されて示されている電解液分配インサート282が、別のMEA204(図4Bに示されていない)の電解液ポートに配置されてよいということが、理解されるべきである。このようにして、電解液分配インサート282は、上側フランジ416および下側フランジ418を介して機械的に連結し、それによって、(例えば、図2AのMEAスタック202などのMEAスタック内の)MEA204の隣接する対を機械的かつ流体的に結合するように構成されてよい。
ここで図5A~5Cを参照すると、図2AのMEA204のうちの1つの透視断面図500および540、ならびに正電解液通路412および負電解液通路414の例示的な構成を示す概略上面図580が、それぞれ示されている。図5Bの透視断面図540は、図5Aに示された領域501の詳細な図である。実施形態例では、正電解液通路412および負電解液通路414が、筐体210の隣接する熱可塑性シート間に形成され、電解液ポート206a、206b、208a、および208bを、シャント防止流路を介して正極区画および負極区画(例えば、図5A~5Cに示されていない図3の正極区画312および負極区画314)に流体結合してよい。
例えば、図5Bに示されているように、正電解液通路412が、下側熱可塑性フレーム292の上面297aと中央熱可塑性フレーム272の上側のくぼみ(例えば、上側のくぼみ274a)の間に形成されてよく、負電解液通路414が、上側熱可塑性フレーム262の下面267bと中央熱可塑性フレーム272の下側のくぼみ(例えば、下側のくぼみ284a)の間に形成されてよい。したがって、正電解液通路412は、(例えば、z軸の正方向に沿って)上側熱可塑性フレーム262の上面267aから外側へ押し出されてよく、負電解液通路414は、(例えば、z軸の負方向に沿って)下側熱可塑性フレーム292の下面297bから外側へ押し出されてよい。
正電解液通路412および負電解液通路414は、正電解液および負電解液(例えば、図5A~5Cに示されていない図3の正電解液322および負電解液324)のみが、電解液ポート206a、206b、208a、および208b、ならびに正極区画および負極区画を介して正電解液通路412および負電解液通路414に入り、正電解液通路412および負電解液通路414から出ることができるように、接着領域530で、正電解液通路412および負電解液通路414を形成する熱可塑性シートの界面に沿って密封されてよい。このようにして、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・システム内のレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作するときに、正電解液が、第1および第2の正電解液ポート206aおよび206bのうちの1つを介してMEA204に入り、正電解液通路412のうちの1つに沿って正極区画に流れ、そこから正電解液通路412のうちの他の1つに沿って流れ、第1および第2の正電解液ポート206aおよび206bのうちの他の1つを介してMEA204から出てよい。同様に、MEA204がレドックス・フロー・バッテリ・システム内のレドックス・フロー・バッテリ・セルとして動作するときに、負電解液が、第1および第2の負電解液ポート208aおよび208bのうちの1つを介してMEA204に入り、負電解液通路414のうちの1つに沿って負極区画に流れ、そこから負電解液通路414のうちの他の1つに沿って流れ、第1および第2の負電解液ポート208aおよび208bのうちの他の1つを介してMEA204から出てよい。
MEA204のモジュール方式(例えば、互いの容易な機械的/流体結合/分離)のため、正電解液通路412および負電解液通路414の構成全体の態様(例えば、シャント防止流路の形状、MEA204に含まれる正電解液通路412および負電解液通路414の数など)は、必要に応じてレドックス・フロー・バッテリ・システムから(例えば、図2AのMEAスタック202などのMEAスタックから)MEA204を除去および交換することによって、容易に変更され得る。例えば、図500、540、および580では、正電解液通路412および負電解液通路414が、2つの屈曲部を含むシャント防止流路を含むように示されているが、特定の用途の性能要求に従って、より短い、より直接的な(例えば、1つの屈曲部を含むか、または屈曲部を含まない)流路、またはより長い、あまり直接的でない(例えば、3つ以上の屈曲部を含む)流路を含む他の流路構成が選択されてよい。
例えば、シャント防止流路の各々における屈曲部の数を減らすことに応じて、正電解液および負電解液(例えば、図5A~5Cに示されていない正電解液322および負電解液324)の背圧が減り、それによって、レドックス・フロー・バッテリ・システムの電解液ポンプ(例えば、図5A~5Cに示されていない図1の負電解液ポンプ30および正電解液ポンプ32)での寄生電力消費を減らすことができる。しかし、シャント防止流路の各々の屈曲部の数は、特定のMEA204のパッケージ制約に従って、特定のシャント防止流路の最小の長さを実現するように十分に多く選択されてよい。そのようなシャント保護の考慮事項は、MEAスタック202に含まれるMEA204の全体数の減少と共に減少する場合があり、シャント防止流路の各々の最小の長さがそれに応じて減少し得、特定の例では、より少ない屈曲部が含まれるか、または屈曲部が含まれないようにすることができる。
さらに、図500、540、および580では、MEA204が、2つの正電解液通路412および2つの負電解液通路414を含むように示されているが、正電解液の各入り口および出口のために少なくとも2つの正電解液通路412が設けられ、負電解液の各入り口および出口のために少なくとも2つの負電解液通路414が設けられる限り、正電解液通路412の数および負電解液通路414の数は特に制限されず、特定の用途の性能要求に従って、より多くの正電解液通路412および負電解液通路414がMEA204に含まれてよい。
図5Aおよび5Bの透視断面図500および540にそれぞれ示されているように、上側熱可塑性フレーム262、中央熱可塑性フレーム272、および下側熱可塑性フレーム292は、x軸およびy軸によって定義された平面内に広がる正電解液通路412および負電解液通路414の少なくとも封止エッジで、互いに溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。1つの例では、正電解液通路412および負電解液通路414が密封されるように、正電解液通路412および負電解液通路414の封止エッジに沿って配置された接着領域530で、上側熱可塑性フレーム262が中央熱可塑性フレーム272に溶着されるか、または他の方法で接着されてよく、中央熱可塑性フレーム272が下側熱可塑性フレーム292に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。したがって、接着領域530の各々の幅532は、(例えば、MEA204の内圧が最高値になると予想されるときに)レドックス・フロー・バッテリ・セルとしてのMEA204の動作中の密封を保証するために指定された少なくとも最小幅であってよい。例えば、各幅532は、少なくとも3mmであってよい。しかし、MEA204の特定の構造および組成の考慮事項に応じて、他の最小幅値が選択されてよい。
追加的または代替的に、各幅532は、極端な動作条件(例えば、低pH領域での、リバランス動作の前の、レドックス・フロー・バッテリ・システムの初期充電中の過剰な水素ガス生成に関連する、相対的に高い温度、相対的に高い圧力など)の間のMEA204の過剰な内圧を考慮するために、最小幅より多少大きくてよい。例えば、各幅532は、最大で1cmまでであってよい。追加または代替の例では、MEA204の拡大/縮小中に、図3の接着領域330a、330b、330c、330dと相対的により低い全体的力が接着領域530で持続され得るため、各幅532は、図3の幅332a、332b、332c、332dの各々より短くてよい。
一部の例では、正電解液通路412および負電解液通路414は、各電解液通路内で直列に互いに流体結合された、異なるセクションをそれぞれ含んでよい。例えば、図5Cに示されているように、正電解液通路412は、プレナム564a(第1および第2の正電解液ポート206a、206bのうちの1つにさらに流体結合されてよい)、第1の縦方向通路セクション564b、第1の通路屈曲部564c、第2の縦方向通路セクション564d、および第2の通路屈曲部564e(正極区画にさらに流体結合されてよく、第2の通路屈曲部564eと、上側導電性シート260が部分的に重複している)の連続的な流体結合から形成されてよい。同様に、負電解液通路414は、プレナム594a(第1および第2の負電解液ポート208a、208bのうちの1つにさらに流体結合されてよい)、第1の縦方向通路セクション594b、第1の通路屈曲部594c、第2の縦方向通路セクション594d、および第2の通路屈曲部594e(負極区画にさらに流体結合されてよく、第2の通路屈曲部594eと、図2Bの下側導電性シート290(図5Cに示されていない)が少なくとも部分的に重複している)の連続的な流体結合から形成されてよい。図5Cの概略上面図580は、上側のくぼみ264a、264b(実線で示されている)によって包含されている正電解液通路412の異なるセクションの各々、および下側のくぼみ294a、294b(破線で示されており、MEA204の、概略上面図580において見ることができる特徴と反対の側にある)によって包含されている負電解液通路414の異なるセクションの各々を示している。
正電解液通路412および負電解液通路414が異なるセクションで形成される例では、それに応じて正電解液および負電解液は、順に(例えば、プレナム564aまたは594aから第2の通路屈曲部564eまたは594eへ)、または逆順に(例えば、第2の通路屈曲部564eまたは594eからプレナム564aまたは594aへ)異なるセクションを通って流れてよい。1つの例では、図5Aの矢印550によって示されているように、正電解液が、第1の正電解液ポート206aを介してMEA204に入り、そこから、(図5Cに示されているように)プレナム564a、第1の縦方向通路セクション564b、第1の通路屈曲部564c、第2の縦方向通路セクション564d、および第2の通路屈曲部564eを連続的に介して正電解液通路412のうちの1つを通り、正極区画に流れてよい。さらに、正電解液は、第2の通路屈曲部564e、第2の縦方向通路セクション564d、第1の通路屈曲部564c、第1の縦方向通路セクション564b、およびプレナム564aを連続的に介して正電解液通路412のうちの他の1つを通り、正極区画から第2の正電解液ポート206bに流れ、MEA204から出てよい。
同様に、1つの例では、図5Aの矢印510によって示されているように、負電解液が、第1の負電解液ポート208aを介してMEA204に入り、そこから、(図5Cに示されているように)プレナム594a、第1の縦方向通路セクション594b、第1の通路屈曲部594c、第2の縦方向通路セクション594d、および第2の通路屈曲部594eを連続的に介して負電解液通路414のうちの1つを通り、負極区画に流れてよい。さらに、負電解液は、第2の通路屈曲部594e、第2の縦方向通路セクション594d、第1の通路屈曲部594c、第1の縦方向通路セクション594b、およびプレナム594aを連続的に介して負電解液通路414のうちの他の1つを通り、負極区画から第2の負電解液ポート208bに流れ、MEA204から出てよい。他の例では、正電解液および負電解液が、クロスオーバーするような構成でMEA204を通って流れてよい(例えば、正電解液が、第1の正電解液ポート206aを介してMEA204に入り、第2の正電解液ポート206bを介してMEA204から出てよく、負電解液が、第2の負電解液ポート208bを介してMEA204に入り、第1の負電解液ポート208aを介してMEA204から出てよく、この逆も同様である)。
ここで図6を参照すると、ロールツーロール処理によってMEAスタックを組み立て、MEAスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させ、MEAスタックを試験および診断するための方法600の例のフロー・チャートが示されている。MEAスタックの個別のMEAが、ロールツーロール処理によって組み立てられてよく、これによって、成形に基づく電極アセンブリ製造工程に帰する問題を減らすか、または軽減することができる。例えば、そのような成形に基づく電極アセンブリ製造工程に対して、ロールツーロール処理は、MEAの公差の積み重ねを減らし、コスト全体および床面積を減らし、劣化した製造コンポーネント、欠陥のある製造コンポーネント、旧式の製造コンポーネント、大きい製造コンポーネントの交換を容易にすることができる(それによって、成形に基づく工程では、成形プレスのサイズ制限によって制限されることがある、より大きい形式のバッテリのためのMEAの製造を可能にする)。さらに、ロールツーロール処理を採用することによって、MEAの各々の筐体を形成することにおいて、押し出し熱可塑性シートなどの相対的に柔軟な材料が採用されてよく、MEAの各々に含まれている劣化したコンポーネントのより容易な診断および再生利用を可能にすることができる。このようにして、成形に基づく工程の代わりにロールツーロール処理を採用することによって、MEAの製造工程、ならびに最終的に形成されたMEAの動作および試験の各々の全体的柔軟性が向上することができる。
一部の例では、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作中に、MEAスタックを通って正電解液および負電解液が循環され得るように、MEAスタックが、レドックス・フロー・バッテリ・システムにおいて実装され、その中の電解液サブシステムに流体結合されてよい。実施形態例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、図1のレドックス・フロー・バッテリ・システム10であってよく、MEAスタックは、図2AのMEAスタック202であってよい。したがって、方法600は、図1~5Cの実施形態を参照して検討されてよい(しかし、本開示の範囲から逸脱することなく、類似する方法が前述の実施形態または他の実施形態に適用されてよいということが、理解されるであろう)。例えば、方法600では、(例えば、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作および試験を含む)少なくとも一部のステップまたはステップの部分が、図1のコントローラ88によって実行されよく、コントローラ88に通信可能に結合された実行可能な命令として非一時的記憶媒体(またはメモリ)に格納されてよい。図6を参照して説明されるさらなるコンポーネントは、図1~5Cの対応するコンポーネントの例であってよい。
602で、方法600は、ロールツーロール処理によって、層を連続的に積み重ねてMEAを形成することを含む(ロールツーロール処理によってMEAを形成することを参照して使用されるとき、「層を連続的に積み重ねる」は、MEAのさまざまな層、シート、またはコンポーネントを配置すること、および/あるいは溶着するか、または他の方法で接着することを指してよい)。1つの例では、MEAの筐体は、複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレームを溶着するか、または他の方法で接着することによって形成されてよい。導電性シートは、MEAの内部に流体的かつ電子的に結合されるように、MEAの筐体の外面に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。膜シートは、MEAの内部容積を正極区画および負極区画に2分しながら、それらの間のイオン伝導を可能にするように、MEAの筐体の内面に溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。正極および負極スペーサなどの、さまざまな電極コンポーネントが、正極区画および負極区画内に配置されてよい。そのようなロールツーロール処理のさらなる詳細が、図7の方法700を参照して下で説明される。1つの実施形態として、図7の方法700は、部分的に、または完全に602を置換してよい。しかし、図7の方法700が、MEAのロールツーロール処理の1つの実施形態例を構成するということ、および本開示の範囲内で、追加または代替のロールツーロール処理方法が実施されてよいということが、理解されるであろう。
604で、方法600は、MEAに対して空気圧試験を実施することを含む。空気圧試験は、MEAの密封に漏出が存在するかどうか、または密封が、空気圧試験中に破裂する相対的に弱い封止領域を含むかどうかを診断することを含んでよい。
606で、方法600は、MEAが空気圧試験に合格したかどうか(例えば、MEAに対して合格フラグが生成されたかどうか)を判定することを含む。MEAが劣化していると決定された場合(例えば、1つまたは複数の漏出の存在または形成に起因して、MEAが空気圧試験に合格しない場合)、方法600が608に進み、608で、方法600は、劣化したMEAを再封止する(1つまたは複数の漏出をスポット溶着するか、または他の方法で再接着する)こと、または空気圧試験に正常に合格した(例えば、602、604、および606で形成され、試験され、診断された)MEAと交換することを含む。MEAが劣化していないと決定された場合(例えば、MEAが空気圧試験に合格し、その接着領域で密封されていると決定された場合)、または608で、劣化したMEAが再封止されたか、もしくは交換された場合、方法600が610に進み、610で、方法600は、MEAをMEAスタックに追加することを含む。
一部の例では、MEAスタックの各MEAは、チャネル電解液分配インサート(channeled electrolyte distribution inserts)を含んでよく、チャネル電解液分配インサートは、(例えば、MEAスタックの上端または下端で)各MEAを隣接するMEAと機械的に連結する。そのような例では、チャネル電解液分配インサートは、正電解液および負電解液が、チャネル電解液分配インサートのチャネルを介して流体マニホールドのうちの1つまたは複数から各MEAの内部にそれぞれ収容され得るように、各MEAの内部をMEAスタックの流体マニホールドに流体結合してもよい。
612で、方法600は、直近に組み立てられて追加されたMEA(例えば、602で組み立てられ、604で試験され、606で診断された後に、610でMEAスタックに追加されたMEA)が、MEAスタックに追加される最後のMEAであるかどうかを判定することを含む。直近に組み立てられて追加されたMEAが、MEAスタックに追加される最後のMEAでない場合、方法600が602に戻り、602で、方法600は、ロールツーロール処理によって別のMEAを組み立てることを含む。
直近に組み立てられて追加されたMEAが、MEAスタックに追加される最後のMEAである場合、ロールツーロール処理による(602、604、606、608、610、および612を含む)MEAスタックの組み立てが完了したと見なされてよく、方法600が614に進み、614で、方法600は、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、試験プローブをMEAスタックの1つまたは複数のMEAに結合する(例えば、電気的に結合する)ことを含む。1つの例として、MEAスタックに含まれているMEAが十分に縮小されているか、または収縮しているときに(例えば、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作する前に)、試験プローブが、MEAスタックのMEAの隣接する対の間に、および/またはMEAスタックの上端または下端に挿入されてよい。1つの例では、試験されている特定のMEAに関して、特定のMEAの片側に電気的に結合するように1つの試験プローブが配置されてよく、特定のMEAの反対側に電気的に結合するように別の試験プローブが配置されてよい。
616で、方法600は、正電解液および負電解液を、流体マニホールドのうちの1つまたは複数を通ってMEAスタックにそれぞれ送り込みながら、MEAスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させることを含む。一部の実施例では、流体マニホールドは、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作中に、正電解液および負電解液がMEAスタックの各MEAに分配され得るように、MEAスタックの各MEAを互いに流体結合してよい。追加または代替の例では、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作中に、正電解液および負電解液が、チャネル電解液分配インサートのチャネルを介して流体マニホールドから、MEAスタックの各MEAの内部に収容され、そこから放出されてよい(一部のチャネル電解液分配インサートが、正電解液および負電解液をMEAスタックのMEAの内部に収容し、他のチャネル電解液分配インサートが、MEAスタックのMEAの内部から正電解液および負電解液を放出する)。
MEAスタックに含まれているMEAの筐体を形成する押し出し熱可塑性シートまたはフレームの柔軟性のため、MEAスタックは、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作しているときに、拡大されるか、または膨張してよく、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していないときに、縮小されるか、または収縮してよい。1つの例では、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作している間に、(例えば、MEAスタックを通って送り込まれている正電解液および負電解液からの)第1の流体圧力によってMEAスタックが第1の容積に拡大されてよく、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、(例えば、相対的に低い流量を有するか、または実質的に静止している正電解液および負電解液からの)第2の流体圧力によってMEAスタックが第2の容積に縮小されてよく、第1の容積は第2の容積より大きく、第1の流体圧力は第2の流体圧力より大きい。このようにして、押し出し熱可塑性シートまたはフレームは、MEAスタックに含まれているMEAの内部における相対的に大きい容積変化を可能にすることによって、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作中に、柔軟性の向上をもたらすことができる。さらに、MEAスタックの体積を増やすことによって、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作している間の隣接するMEA間(例えば、互いに面共有接触することを強制された隣接するMEAの導電性シート間)の電気接触抵抗が、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間の電気接触抵抗より低くなり得るように、MEAスタックの隣接するMEAが、互いに物理的に接触してよい。
618で、方法600は、1つまたは複数の試験条件が満たされたかどうかを判定することを含む。1つの例として、1つまたは複数の試験条件は、製造または直近の試験以降に経過した、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作の所定の累積持続時間を含んでよい。1つまたは複数の試験条件が満たされていない場合、方法600が620に進み、620で、方法600は、MEAスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させ続けることを含む。それに応じて、方法600が616に戻る。
1つまたは複数の試験条件が満たされた場合、方法600が622に進み、622で、方法600は、試験プローブによって特定のMEAの電圧試験を実施することを含む。電圧試験は、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作中に、MEAスタックが充電および放電されている間に、試験プローブを使用して特定のMEAの両端の電位差を試験することを含んでよい。したがって、電圧試験は、特定のMEAが診断を生成するための十分なデータが収集されるまで実施され続けてよい。
試験が完了したと決定された場合、方法600が624に進んでよく、624で、方法600は、MEAスタックのすべてのMEAが電圧試験に合格したかどうか(例えば、MEAスタックのすべてのMEAに対して合格フラグが生成されたかどうか)を判定することを含む。MEAスタックのMEAのうちの少なくとも1つが劣化していると決定された場合(例えば、MEAスタックのMEAのうちの少なくとも1つが試験に合格しない場合)、方法600が626に進み、626で、方法600は、MEAスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させることを停止し、MEAスタックの流体圧力を減らすことを含む。1つの例では、MEAスタックの流体圧力が第1の流体圧力から第2の流体圧力に減少してよく、それに伴って、MEAスタックに含まれているMEAが縮小または収縮するにつれて、MEAスタックの体積が第1の容積から第2の容積に減少してよい。MEAスタックに含まれているMEAが(例えば、MEAスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に)十分に縮小されるか、または収縮した後に、628で、方法600は、少なくとも1つの劣化したMEAを交換することを含む。例えば、少なくとも1つの劣化したMEAが、電圧試験に正常に合格した少なくとも1つのMEAにそれぞれ置き換えられてよい。
MEAスタックのMEAのすべてが劣化していないと決定された場合(例えば、MEAスタックのMEAのすべてが電圧試験に合格する場合)、またはMEAスタックのMEAの一部が劣化していないと決定され、MEAスタックの少なくとも1つの残りの(劣化した)MEAが628で交換された場合、方法600が630に進み、630で、方法600は、レドックス・フロー・バッテリとしてのMEAスタックの動作を再開することを含む。
ここで図7を参照すると、ロールツーロール処理によってMEAを組み立てるための方法700の例のフロー・チャートが示されている。1つの例では、MEAは、複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレーム、2つの導電性シート、および膜シートを互いにさまざまに溶着するか、または他の方法で接着し、最終的に形成された正極区画および負極区画にそれぞれ対応するように正極コンポーネントおよび負極コンポーネントを配置し、複数の押し出し熱可塑性シートまたはフレームを(最終的な)ロールから切断することによって、組み立てられてよい。このようにして、製作公差をより厳密に順守することができ、成形に基づく電極アセンブリ製造工程よりも、製造中の調整を容易にすることができる。
一部の例では、MEAは、レドックス・フロー・バッテリ・システム内に実装されるように、MEAスタックに追加されてよい。実施形態例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、図1のレドックス・フロー・バッテリ・システム10であってよく、MEAは、図2A~4Bおよび5A~5CのMEA204であってよい。したがって、方法700は、図1~5Cの実施形態を参照して検討されてよい(しかし、本開示の範囲から逸脱することなく、類似する方法が前述の実施形態または他の実施形態に適用されてよいということが、理解されるであろう)。
702で、方法700は、第1の導電性シート(例えば、炭素繊維シート)を第1の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着することを含む。第1の導電性シートを第1の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着するときに、第1の導電性シートが、第1の熱可塑性シート内に配置された開口部を密封してよい。
704で、方法700は、第1の導電性シート上に負極スペーサ(例えば、非導電性メッシュ・スペーサ)を配置することを含む。一部の例では、(最終的に形成されたときに、MEA内の負電解液の圧力降下を増やし、流れの分配を改善するように配置された)非導電性フェルト・ストリップなどの、さらなる負極コンポーネントが、第1の導電性シート上の負極スペーサと共に積み重ねられてよい。
706で、方法700は、第2の熱可塑性シートを第1の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着することを含む。第2の熱可塑性シートは、第1の導電性シートおよび第1の熱可塑性シートの接着領域が、第1および第2の熱可塑性シートの接着領域によって周囲を囲まれるように、第1の熱可塑性シートに溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。
708で、方法700は、膜シートを第2の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着することを含む。膜シートを第2の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着するときに、負極スペーサ(および任意のさらなる負極コンポーネント)を収容している負極区画が形成されるように、膜シートが、第2の熱可塑性シート内に配置された開口部を密封してよい。
710で、方法700は、膜シート上に正極(例えば、炭素フェルト電極)を配置することを含む。
712で、方法700は、第3の熱可塑性シートを第2の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着することを含む。1つの例として、第3の熱可塑性シートは、第1および第2の熱可塑性シートの接着領域の正投影が第2および第3の熱可塑性シートの接着領域の正投影と重複するように、第2の熱可塑性シートに溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。
714で、方法700は、第2の導電性シート(例えば、炭素繊維シート)を第3の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着することを含む。第2の導電性シートを第3の熱可塑性シートに溶着するか、または他の方法で接着するときに、第2の導電性シートが、第3の熱可塑性シート内に配置された開口部を密封してよい。さらに、第2の導電性シートは、第2の導電性シートおよび第3の熱可塑性シートの接着領域が、第2および第3の熱可塑性シートの接着領域によって周囲を囲まれるように、第3の熱可塑性シートに溶着されるか、または他の方法で接着されてよい。
716で、方法700は、第1、第2、および第3の熱可塑性シートの各々を(最終的な)ロールから切断して、MEAを形成することを含む。その後、(図6を参照して上で詳細に説明されたように)方法600の610などで、MEAがMEAスタックに追加されてよい。
ここで図8を参照すると、MEAスタック804を組み立てるための例示的なロールツーロール処理構成802を示す概略図800が示されている。実施形態例では、ロールツーロール処理構成802内で、MEAスタック804の各MEA806が、各ロール808から供給される原料シート810のロールツーロール処理によって個別に組み立てられてよく、原料シート810が、任意選択的に、溶着される(814)原料シート810の対の間の1つまたは複数の電極コンポーネントの適切な配置の後に、その接着領域(例えば、最終的に形成されたときのMEA806の密封または構造的完全性のための所定の溶着領域)で熱溶着機812によって互いに溶着され(814)、原料シート810のすべてが対応する原料シート810に溶着された(814)後に切断され(816)、揃えられて、MEAスタック804の他のMEA806と共に積み重ねられてよい。一部の例では、原料シート810は、押し出し熱可塑性シートまたはフレーム、導電性シート、および膜シートなどの、標準的な熱溶着温度に曝されるときに構造的完全性を維持できる材料で構成されてよい。このようにして、例示的なロールツーロール処理構成802によってもたらされる単純な製造設計、再現可能な高精度の公差、および容易なコンポーネントの交換に起因して、MEAスタック804の製造が、成形に基づく電極アセンブリ製造工程よりも効率的、正確、かつ柔軟になることができる。
一部の例では、例示的なロールツーロール処理構成802による組み立ての後に、MEAスタック804が、レドックス・フロー・バッテリ・システム内に実装されてよい。実施形態例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムは、図1のレドックス・フロー・バッテリ・システム10であってよく、MEAスタック804の各MEA806は、図2A~4Bおよび5A~5CのMEA204として構成されてよい。追加的または代替的に、図6の方法600の1つまたは複数のステップまたは図7の方法700は、例示的なロールツーロール処理構成802によって実行されてよい。例えば、図6の方法600の602、ならびに/または図7の方法700の702、704、706、708、710、712、714、および716の各々は、例示的なロールツーロール処理構成802によって実行されてよい。したがって、例示的なロールツーロール処理構成802は、図1~7の実施形態を参照して検討されてよい(しかし、本開示の範囲から逸脱することなく、類似するロールツーロール処理構成が前述の実施形態または他の実施形態に使用されてよいということが、理解されるであろう)。図8の概略図800に示されているMEA806、ロール808、原料シート810、および熱溶着機812の相対数が例示的であり、本開示の範囲から逸脱することなく、より多いか、またはより少ないMEA806がMEAスタック804に含まれてよく、より多いか、またはより少ないロール808、原料シート810、および熱溶着機812が、例示的なロールツーロール処理構成802に独立して含まれてよいということが、さらに理解されるであろう。
このようにして、押し出し熱可塑性プラスチックのロールツーロール処理によって、レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリが形成されてよい。1つの例では、押し出し熱可塑性プラスチックのシートは、一連のロールに沿って、互いに、および電極アセンブリの他のコンポーネント(例えば、膜シートおよび導電性シート)に、接着(または溶着)されて、さまざまな区画を形成してよい(処理中に、さらなるコンポーネントが配置されてよい)。形成された後に、電極アセンブリが切断され、同様の構成の電極アセンブリのスタックに追加されてよい。ロールツーロール処理によって電極アセンブリを形成することの1つの例示的な技術的結果は、(ロールツーロール処理が特定の成形における逸脱の複製を防ぐという理由だけでなく、ロールツーロール処理が、公差の積み重ねをさらに減らすために、容易かつ安価に調整され得るという理由でも)電極アセンブリ製造のための成形に基づく工程と相対的に、公差の積み重ねが減らされ得ることである。そのため、ローラー設定に有利に、高価で特殊な、相対的に大きい成形ツールおよびハンドリング装置が取り除かれ得る。
形成された後に、電極アセンブリの各電解液ポートに位置している電解液分配インサートを連結することによって、電極アセンブリが互いに取り付けられてよい。連結する電解液分配インサートは、連結された後に、密封されて共通の流体マニホールドを形成してよく、電解液が、共通の流体マニホールドを通って電極アセンブリ全体に分配されてよい。レドックス・フロー・バッテリ・システムの動作中に、循環している電解液の流体圧力の増加に応答して、押し出し熱可塑性プラスチックが拡大または膨張してよい。したがって、電極アセンブリを製造することにおいて押し出し熱可塑性プラスチックを使用することの1つの例示的な技術的結果は、レドックス・フロー・バッテリ・システムを形成することにおいて、(例えば、電極アセンブリの筐体または格納が変化できること、収縮時に試験プローブが電極アセンブリ間に配置され得ること、循環している電解液の動的な流れの制限、などの)より大きい柔軟性が実現され得ることである。さらに、電極アセンブリのモジュール方式は、劣化した電極アセンブリの容易な交換に加えて、連結する電解液分配インサートによる共通の流体マニホールドへの追加のセル(例えば、電解液リバランス・セル)の結合を可能にすることができる。
1つの例では、レドックス・フロー・バッテリの電極アセンブリであって、電極アセンブリが、内部容積を少なくとも部分的に取り囲み、内部容積が負極区画および正極区画を備える可膨張式筐体と、負極区画に配置された負極スペーサと、正極区画に配置され正極とを備え、レドックス・フロー・バッテリの動作中に加えられた内圧に応答して、可膨張式筐体が膨張し、電極アセンブリの内部容積を増やす。電極アセンブリの第1の例は、可膨張式筐体が上側押し出し熱可塑性フレーム、中央押し出し熱可塑性フレーム、および下側押し出し熱可塑性フレームを備え、下側押し出し熱可塑性フレームが中央押し出し熱可塑性フレームに接着されて負極区画を形成し、上側押し出し熱可塑性フレームが中央押し出し熱可塑性フレームに接着されて正極区画を形成することをさらに含む。任意選択的に電極アセンブリの第1の例を含む電極アセンブリの第2の例は、下側押し出し熱可塑性フレームに接着された第1の炭素繊維シート、中央押し出し熱可塑性フレームに接着された膜シート、および上側押し出し熱可塑性フレームに接着された第2の炭素繊維シートをさらに備え、負極スペーサが、第1の炭素繊維シートと膜シートの間に配置され、正極が、第2の炭素繊維シートと膜シートの間に配置される。任意選択的に電極アセンブリの第1および第2の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第3の例は、上側押し出し熱可塑性フレーム、中央押し出し熱可塑性フレーム、および下側押し出し熱可塑性フレームが揃えられて複数の電解液ポートを形成し、複数の電解液ポートが負電解液ポートおよび正電解液ポートを含み、負電解液ポートが負極区画に流体結合され、正電解液ポートが正極区画に流体結合され、複数の電解液ポートを除いて、可膨張式筐体の膨張中に内部容積が密封されることをさらに含む。任意選択的に電極アセンブリの第1~第3の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第4の例は、複数の電解液ポートの周囲をそれぞれ囲む電解液分配インサートをさらに備える。任意選択的に電極アセンブリの第1~第4の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第5の例は、負電解液ポートが、上側押し出し熱可塑性フレームと中央押し出し熱可塑性フレームの間に形成された各負電解液通路を介して負極区画に流体結合され、正電解液ポートが、下側押し出し熱可塑性フレームと中央押し出し熱可塑性フレームの間に形成された各正電解液通路を介して正極区画に流体結合されることをさらに含む。任意選択的に電極アセンブリの第1~第5の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第6の例は、中央押し出し熱可塑性フレームへの上側押し出し熱可塑性フレームの溶着によって負電解液通路が封止され、中央押し出し熱可塑性フレームへの下側押し出し熱可塑性フレームの溶着によって正電解液通路が封止されることをさらに含む。任意選択的に電極アセンブリの第1~第6の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第7の例は、負極スペーサが非導電性メッシュから形成され、正極が炭素フェルトから形成されることをさらに含む。任意選択的に電極アセンブリの第1~第7の例のうちの1つまたは複数を含む電極アセンブリの第8の例は、接着剤が電極アセンブリのコンポーネント間に含まれないことをさらに含む。
別の例では、レドックス・フロー・バッテリ・システムが複数の膜電極アセンブリを備え、複数の膜電極アセンブリの各々が、炭素繊維シートが両面に溶着されている拡張可能な熱可塑性筐体、拡張可能な熱可塑性筐体内に収容されたフェルト電極、拡張可能な熱可塑性筐体内に収容されたメッシュ電極スペーサ、および拡張可能な熱可塑性筐体の内面に溶着された膜シートを備え、膜シートが、フェルト電極とメッシュ電極スペーサの間に配置されている。レドックス・フロー・バッテリ・システムの第1の例は、複数の膜電極アセンブリの各々の電解液ポートが揃えられて、複数の膜電極アセンブリの各々を互いに流体結合する電解液マニホールドを形成することをさらに含む。任意選択的にレドックス・フロー・バッテリ・システムの第1の例を含むレドックス・フロー・バッテリ・システムの第2の例は、電解液ポートの各々が円周の電解液分配インサートを含み、複数の膜電極アセンブリのうちの隣接する膜電極アセンブリの対の各円周の電解液分配インサートが互いに機械的に連結することをさらに含む。任意選択的にレドックス・フロー・バッテリ・システムの第1および第2の例のうちの1つまたは複数を含むレドックス・フロー・バッテリ・システムの第3の例は、複数の膜電極アセンブリが連続的積み重ねに配置され、複数の膜電極アセンブリのうちの隣接する膜電極アセンブリの対の各炭素繊維シートが互いに面共有接触することをさらに含む。任意選択的にレドックス・フロー・バッテリ・システムの第1~第3の例のうちの1つまたは複数を含むレドックス・フロー・バッテリ・システムの第4の例は、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリをさらに備え、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが複数の膜電極アセンブリと共に連続的積み重ねに配置され、1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが複数の膜電極アセンブリと流体結合される。任意選択的にレドックス・フロー・バッテリ・システムの第1~第4の例のうちの1つまたは複数を含むレドックス・フロー・バッテリ・システムの第5の例は、レドックス・フロー・バッテリ・システムが全鉄ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システムであることをさらに含む。
さらに別の例では、方法が、ロールツーロール処理によって、層を連続的に積み重ねて、膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを形成することと、各流体マニホールドを通って正電解液および負電解液を膜電極アセンブリのスタックに送り込みながら、膜電極アセンブリのスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させることとを含み、流体マニホールドが、膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを互いに流体結合する。方法の第1の例は、ロールツーロール処理によって層を連続的に積み重ねて膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを形成することが、膜電極アセンブリのスタックの膜電極アセンブリごとに、第1の導電性シートを第1の熱可塑性シートに溶着することと、負極スペーサを第1の導電性シート上に配置することと、第2の熱可塑性シートを第1の熱可塑性シートに溶着することと、膜シートを第2の熱可塑性シートに溶着することと、正極を膜シート上に配置することと、第3の熱可塑性シートを第2の熱可塑性シートに溶着することと、第2の導電性シートを第3の熱可塑性シートに溶着することと、その後、第1、第2、および第3の熱可塑性シートをロールから切断して各膜電極アセンブリを形成することとを含むということをさらに含む。任意選択的に方法の第1の例を含む方法の第2の例は、膜電極アセンブリのスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作している間の膜電極アセンブリのスタックの隣接する膜電極アセンブリ間の電気接触抵抗が、膜電極アセンブリのスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間の膜電極アセンブリのスタックの隣接する膜電極アセンブリ間の電気接触抵抗より低くなり、膜電極アセンブリのスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作している間に、第1の流体圧力によって膜電極アセンブリのスタックが第1の容積に拡大され、膜電極アセンブリのスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、第2の流体圧力によって膜電極アセンブリのスタックが第2の容積に縮小され、第1の容積が第2の容積より大きく、第1の流体圧力が第2の流体圧力より大きいということをさらに含む。任意選択的に方法の第1および第2の例のうちの1つまたは複数を含む方法の第3の例は、膜電極アセンブリのスタックがレドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、試験プローブを膜電極アセンブリのスタックの少なくとも1つの膜電極アセンブリに電気的に結合することと、試験プローブによって膜電極アセンブリのスタックの少なくとも1つの膜電極アセンブリの電圧試験を実施することと、電圧試験中に膜電極アセンブリのスタックの1つまたは複数の劣化した膜電極アセンブリを識別することに応答して、1つまたは複数の劣化した膜電極アセンブリを交換することとをさらに含む。任意選択的に方法の第1~第3の例のうちの1つまたは複数を含む方法の第4の例は、膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリが、各膜電極アセンブリの内部を流体マニホールドに流体結合するチャネル電解液分配インサートを含み、正電解液および負電解液が、チャネル電解液分配インサートのチャネルを介して流体マニホールドから膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリの内部に収容されることをさらに含む。
図2A~5Cは、さまざまなコンポーネントの相対的配置を含む例示的な構成を示している。互いに直接接触して、または直接結合されて示されている場合、そのような要素は、少なくとも1つの例では、それぞれ直接接触しているか、または直接結合されていると見なされてよい。同様に、互いに近接または隣接して示されている要素は、少なくとも1つの例では、それぞれ互いに近接または隣接してよい。例として、互いに面共有接触しているコンポーネントは、面共有接触していると見なされてよい。別の例として、間に空間のみを含み、他のコンポーネントを含まずに互いに離れて配置された要素は、少なくとも1つの例では、そのように見なされてよい。さらに別の例として、互いに上/下、互いに反対側、または互いに左/右に示された要素は、互いに相対的に、そのように見なされてよい。さらに、図に示されているように、最上部の要素または要素の点は、少なくとも1つの例では、コンポーネントの「上部」と見なされてよく、最下部の要素または要素の点は、コンポーネントの「下部」と見なされてよい。本明細書において使用されるとき、上部/下部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸と相対的であり、互いに相対的に図の要素の配置を表すために使用されてよい。そのため、他の要素の上に示された要素は、1つの例では、他の要素の上の垂直方向に配置される。さらに別の例として、図内に示された要素の形状は、そのような形状を有している(例えば、円形である、直線である、平面である、曲線である、丸みを帯びている、面取りされている、角度がついている、など)と見なされてよい。さらに、互いにクロスオーバーして示された要素は、少なくとも1つの例では、クロスオーバーしている要素、または互いにクロスオーバーしていると見なされてよい。さらに、別の要素の内部に示されたか、または別の要素の外部に示された要素は、1つの例では、そのように見なされてよい。図2A~5Cは、近似的に一定の縮尺で描かれているが、他の寸法または相対的寸法が使用されてよい。
以下の特許請求の範囲は、新しい、自明でないと見なされる特定の組み合わせおよび部分的組み合わせを特に指摘する。これらの特許請求の範囲は、「1つの」要素、または「第1の」要素、あるいはこれらと同等のものを参照することがある。そのような特許請求の範囲は、2つ以上のそのような要素を必要とすることも、除外することもなく、1つまたは複数のそのような要素の組み込みを含むように理解されるべきである。本特許請求の範囲の補正を通じて、または本出願もしくは関連する出願における新しい特許請求の範囲の提示を通じて、開示された特徴、機能、要素、および/または特性の他の組み合わせおよび部分的組み合わせが主張されてよい。そのような特許請求の範囲は、元の特許請求の範囲に対して広いか、狭いか、等しいか、または異なっているかにかかわらず、やはり本開示の主題に含まれていると見なされる。

Claims (20)

  1. レドックス・フロー・バッテリの電極アセンブリであって、
    内部容積を少なくとも部分的に取り囲み、前記内部容積が負極区画および正極区画を備える可膨張式筐体と、
    前記負極区画に配置された負極スペーサと、
    前記正極区画に配置された正極とを備え、
    前記レドックス・フロー・バッテリの動作中に加えられた内圧に応答して、前記可膨張式筐体が膨張し、前記電極アセンブリの前記内部容積を増やす、電極アセンブリ。
  2. 前記可膨張式筐体が上側押し出し熱可塑性フレーム、中央押し出し熱可塑性フレーム、および下側押し出し熱可塑性フレームを備え、
    前記下側押し出し熱可塑性フレームが前記中央押し出し熱可塑性フレームに接着されて前記負極区画を形成し、
    前記上側押し出し熱可塑性フレームが前記中央押し出し熱可塑性フレームに接着されて前記正極区画を形成する、請求項1に記載の電極アセンブリ。
  3. 前記下側押し出し熱可塑性フレームに接着された第1の炭素繊維シート、
    前記中央押し出し熱可塑性フレームに接着された膜シート、および
    前記上側押し出し熱可塑性フレームに接着された第2の炭素繊維シートをさらに備え、
    前記負極スペーサが、前記第1の炭素繊維シートと前記膜シートの間に配置され、
    前記正極が、前記第2の炭素繊維シートと前記膜シートの間に配置される、請求項2に記載の電極アセンブリ。
  4. 前記上側押し出し熱可塑性フレーム、中央押し出し熱可塑性フレーム、および下側押し出し熱可塑性フレームが揃えられて複数の電解液ポートを形成し、前記複数の電解液ポートが負電解液ポートおよび正電解液ポートを含み、
    前記負電解液ポートが前記負極区画に流体結合され、
    前記正電解液ポートが前記正極区画に流体結合され、
    前記複数の電解液ポートを除いて、前記可膨張式筐体の膨張中に前記内部容積が密封される、請求項2に記載の電極アセンブリ。
  5. 前記複数の電解液ポートの周囲をそれぞれ囲む電解液分配インサートをさらに備える、請求項4に記載の電極アセンブリ。
  6. 前記負電解液ポートが、前記上側押し出し熱可塑性フレームと前記中央押し出し熱可塑性フレームの間に形成された各負電解液通路を介して前記負極区画に流体結合され、
    前記正電解液ポートが、前記下側押し出し熱可塑性フレームと前記中央押し出し熱可塑性フレームの間に形成された各正電解液通路を介して前記正極区画に流体結合される、請求項5に記載の電極アセンブリ。
  7. 前記中央押し出し熱可塑性フレームへの前記上側押し出し熱可塑性フレームの溶着によって前記負電解液通路が封止され、
    前記中央押し出し熱可塑性フレームへの前記下側押し出し熱可塑性フレームの溶着によって前記正電解液通路が封止される、請求項6に記載の電極アセンブリ。
  8. 前記負極スペーサが非導電性メッシュから形成され、
    前記正極が炭素フェルトから形成される、請求項1に記載の電極アセンブリ。
  9. 接着剤が前記電極アセンブリのコンポーネント間に含まれない、請求項1に記載の電極アセンブリ。
  10. 複数の膜電極アセンブリを備えているレドックス・フロー・バッテリ・システムであって、
    前記複数の膜電極アセンブリの各々が、
    炭素繊維シートが両面に溶着されている拡張可能な熱可塑性筐体、
    前記拡張可能な熱可塑性筐体内に収容されたフェルト電極、
    前記拡張可能な熱可塑性筐体内に収容されたメッシュ電極スペーサ、および
    前記拡張可能な熱可塑性筐体の内面に溶着された膜シートを備え、前記膜シートが、前記フェルト電極と前記メッシュ電極スペーサの間に配置されている、レドックス・フロー・バッテリ・システム。
  11. 前記複数の膜電極アセンブリの各々の電解液ポートが揃えられて、前記複数の膜電極アセンブリの各々を互いに流体結合する電解液マニホールドを形成する、請求項10に記載のレドックス・フロー・バッテリ・システム。
  12. 前記電解液ポートの各々が円周の電解液分配インサートを含み、
    前記複数の膜電極アセンブリのうちの隣接する膜電極アセンブリの対の各円周の電解液分配インサートが互いに機械的に連結する、請求項11に記載のレドックス・フロー・バッテリ・システム。
  13. 前記複数の膜電極アセンブリが連続的積み重ねに配置され、
    前記複数の膜電極アセンブリのうちの隣接する膜電極アセンブリの対の各炭素繊維シートが互いに面共有接触する、請求項10に記載のレドックス・フロー・バッテリ・システム。
  14. 1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリをさらに備え、
    前記1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが前記複数の膜電極アセンブリと共に前記連続的積み重ねに配置され、
    前記1つまたは複数のリバランス・セル・アセンブリが前記複数の膜電極アセンブリと流体結合される、請求項13に記載のレドックス・フロー・バッテリ・システム。
  15. 全鉄ハイブリッド・レドックス・フロー・バッテリ・システムである、請求項10に記載のレドックス・フロー・バッテリ・システム。
  16. ロールツーロール処理によって、層を連続的に積み重ねて、膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを形成することと、
    各流体マニホールドを通って正電解液および負電解液を前記膜電極アセンブリのスタックに送り込みながら、前記膜電極アセンブリのスタックをレドックス・フロー・バッテリとして動作させることとを含む方法であって、前記流体マニホールドが、前記膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを互いに流体結合する、方法。
  17. ロールツーロール処理によって前記層を連続的に積み重ねて前記膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリを形成することが、前記膜電極アセンブリのスタックの膜電極アセンブリごとに、
    第1の導電性シートを第1の熱可塑性シートに溶着することと、
    負極スペーサを前記第1の導電性シート上に配置することと、
    第2の熱可塑性シートを前記第1の熱可塑性シートに溶着することと、
    膜シートを前記第2の熱可塑性シートに溶着することと、
    正極を前記膜シート上に配置することと、
    第3の熱可塑性シートを前記第2の熱可塑性シートに溶着することと、
    第2の導電性シートを前記第3の熱可塑性シートに溶着することと、その後、
    前記第1、第2、および第3の熱可塑性シートを各熱可塑性シートのロールから切断して前記各膜電極アセンブリを形成することとを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記膜電極アセンブリのスタックが前記レドックス・フロー・バッテリとして動作している間の前記膜電極アセンブリのスタックの隣接する膜電極アセンブリ間の電気接触抵抗が、前記膜電極アセンブリのスタックが前記レドックス・フロー・バッテリとして動作していない間の前記膜電極アセンブリのスタックの隣接する膜電極アセンブリ間の電気接触抵抗より低くなり、
    前記膜電極アセンブリのスタックが前記レドックス・フロー・バッテリとして動作している間に、第1の流体圧力によって前記膜電極アセンブリのスタックが第1の容積に拡大され、
    前記膜電極アセンブリのスタックが前記レドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、第2の流体圧力によって前記膜電極アセンブリのスタックが第2の容積に縮小され、
    前記第1の容積が前記第2の容積より大きく、
    前記第1の流体圧力が前記第2の流体圧力より大きい、請求項16に記載の方法。
  19. 前記膜電極アセンブリのスタックが前記レドックス・フロー・バッテリとして動作していない間に、試験プローブを前記膜電極アセンブリのスタックの少なくとも1つの膜電極アセンブリに電気的に結合することと、
    前記試験プローブによって前記膜電極アセンブリのスタックの前記少なくとも1つの膜電極アセンブリの電圧試験を実施することと、
    前記電圧試験中に前記膜電極アセンブリのスタックの1つまたは複数の劣化した膜電極アセンブリを識別することに応答して、前記1つまたは複数の劣化した膜電極アセンブリを交換することとをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記膜電極アセンブリのスタックの各それぞれの膜電極アセンブリが、前記各膜電極アセンブリの内部を前記流体マニホールドに流体結合するチャネル電解液分配インサートを含み、
    前記正電解液および負電解液が、前記チャネル電解液分配インサートのチャネルを介して前記流体マニホールドから前記膜電極アセンブリのスタックの各膜電極アセンブリの前記内部に収容される、請求項16に記載の方法。
JP2023569847A 2021-05-11 2022-03-18 レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリおよび方法 Pending JP2024520911A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163187358P 2021-05-11 2021-05-11
US63/187,358 2021-05-11
PCT/US2022/071223 WO2022241344A1 (en) 2021-05-11 2022-03-18 Systems and methods for electrode assembly for redox flow battery system

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024520911A true JP2024520911A (ja) 2024-05-27

Family

ID=83998099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023569847A Pending JP2024520911A (ja) 2021-05-11 2022-03-18 レドックス・フロー・バッテリ・システムの電極アセンブリおよび方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US11817609B2 (ja)
EP (1) EP4320666A1 (ja)
JP (1) JP2024520911A (ja)
CN (1) CN117916921A (ja)
AU (1) AU2022274837A1 (ja)
WO (1) WO2022241344A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20240186556A1 (en) * 2022-12-02 2024-06-06 Ess Tech, Inc. Co-extruded negative electrode spacer

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PT1051766E (pt) * 1998-01-28 2002-01-30 Squirrel Holdings Ltd Sistema de baterias redox de fluxo e pilha de celulas
US9685651B2 (en) 2012-09-05 2017-06-20 Ess Tech, Inc. Internally manifolded flow cell for an all-iron hybrid flow battery
AT513834B1 (de) * 2013-03-01 2014-08-15 Cellstrom Gmbh Elastomerer Endrahmen einer Redox-Durchflussbatterie
US10505162B2 (en) 2017-10-05 2019-12-10 Analog Devices, Inc. Battery housing
CN112840489A (zh) 2018-08-10 2021-05-25 Ess技术有限公司 用于通过卷对卷工艺制造氧化还原液流电池系统的方法和系统
WO2021231153A1 (en) * 2020-05-15 2021-11-18 Ess Tech, Inc. Redox flow battery and battery system
EP4016681A1 (de) 2020-12-15 2022-06-22 VoltStorage GmbH Rebalancing system einer fe/fe redox flow batterie

Also Published As

Publication number Publication date
AU2022274837A1 (en) 2023-12-21
US20220367898A1 (en) 2022-11-17
WO2022241344A1 (en) 2022-11-17
US20240039026A1 (en) 2024-02-01
CN117916921A (zh) 2024-04-19
EP4320666A1 (en) 2024-02-14
US11817609B2 (en) 2023-11-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10141594B2 (en) Systems and methods for assembling redox flow battery reactor cells
JP2023526343A (ja) レドックスフロー電池及び電池システム
US20240039026A1 (en) Systems and methods for electrode assembly for redox flow battery system
JP2023526344A (ja) レドックスフロー電池及び電池システム
US11677093B2 (en) Electrode assembly for a redox flow battery
JP2024041740A (ja) レドックス・フロー・バッテリ・システムのリバランス・セルのための電解質流動場
CN115606025A (zh) 氧化还原液流电池和电池系统
JP2024532905A (ja) 直列結合されたレドックスフロー電池セル内で電解質及び電流を循環させるためのシステム及び方法
JP2024530996A (ja) レドックスフロー電池システムにおいて電解質を流動させ、貯蔵し、かつリバランシングするためのシステム及び方法
US11367915B2 (en) Flow battery, process for the manufacture, and use thereof
US20240194921A1 (en) Rebalancing cell system for redox flow battery
US20240063416A1 (en) Rebalancing cell system for redox flow battery
CN112151844B (zh) 用于液流电池堆的保温板和具有其的液流电池堆
JP2024525785A (ja) レドックスフロー電池システムのためのリバランシングセル
CN117859223A (zh) 用于氧化还原液流电池系统的再平衡单元

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240112