JP2024518962A - 流体中の化合物の吸着および脱着の多感覚測定のためのデバイスおよび方法 - Google Patents

流体中の化合物の吸着および脱着の多感覚測定のためのデバイスおよび方法 Download PDF

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Abstract

流体中に存在する化合物の吸着および脱着を多感覚測定するためのこの電子デバイス(10)は、少なくとも1つの嗅覚センサ(18)であって、流体中に存在する可能性が高い複数の化合物と相互作用し、流体中の前記有機化合物の存在を表す複数の信号(SG、SG)を提供するように設計される、嗅覚センサを備える。電子デバイスは、流体組成物の特徴付け(SIG)を得るために提供された信号(SG、SG)を処理するためのプロセッサ(24、28、30、32、34、36、38)をさらに備える。このプロセッサは、提供された信号(SG、SG)の時間的変動の組み合わせに基づいて推定された少なくとも1つの変数の時間的進化を決定し、この時間的進化を使用して、提供された信号(SG、SG)に対する少なくとも吸着状態および脱着状態の開始および終了を示す時間的ラベリングを提供するようにプログラムされる(34)。

Description

本発明は、気体または液体流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定のための電子デバイスに関する。本発明はまた、そのようなデバイスによって実装される方法および対応するコンピュータプログラムに関する。
本発明は、より詳細には、流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定のための電子デバイスであって、
-少なくとも1つの嗅覚センサであって、
・流体中に存在する可能性のある複数の化合物と相互作用し、
・流体中のこれらの有機化合物の存在を表す複数の信号を提供するように設計される、嗅覚センサと、
-提供された信号を処理して流体組成物の特徴付けを得るためのプロセッサとを備える、電子デバイスに関する。
化合物との相互作用、信号の提供およびそれらの処理は、経時的に並行して実行されることが可能である動作であることが理解される。あるいは、処理は、事後的に実施されることが可能である。
この種のデバイスは、多変量センサと呼ばれることがある。これは、複数の嗅覚評価用途に使用されることが可能であり、一般に「電子鼻」と呼ばれる。これは、そのため、分析されるべきガス状流体中の揮発性有機化合物または液体中に存在する化合物を検出、識別および同定するために使用される。これは、以下のような、すなわち
-香料産業、例えば純粋なまたはブレンドされた嗅覚化合物を比較、研究または設計するため、
-特に臭気汚染の検出または程度の差はあるが限定された環境の質の監視のための環境保護、
-潜在的に有害または臭気のある揮発性または溶剤可溶性材料による汚染のリスクがある工業現場の監視、
-健康、例えば、無嗅覚症に罹患している人々に嗅覚の代替物を提供するため、または感染性微生物活性の放散などの揮発性生物学的マーカーを検出するため、
-食品産業、例えば食品製造および/または流通チェーンにおける汚染を検出するため、
-臭気製品の制御が有用であり得る任意の他の産業分野の様々な産業分野で使用されることが可能である。
1つの例が知られており、特許文献の国際公開第2018/158458号パンフレットおよび国際公開第2019/053366号パンフレットに記載されている。この例は、NeOse Pro(登録商標)と呼ばれ、2018年からAryballe社によって販売されている。これは、表面プラズモン共鳴検出技術、すなわちSPR(表面プラズモン共鳴)イメージングシステムに基づいており、複数の反応部位を特徴とする嗅覚センサによって提供される電気信号からM成分ベクトルデジタルシグネチャ(vector digital signature)を提供することができるプロセッサを備え、各シグネチャは検出された臭気に固有である。一般に、Mは、反応部位の数以下である。複数の流体サンプルを異なる条件下で訓練することにより、潜在的にすべての臭気を識別することが可能である。
そのようなデバイスの正確な動作を保証するために、一般に、分析される流体との接触モーメントおよび基準媒体との接触モーメントを厳密に制御することが必要である。このようにして、流体中の標的化合物と電子測定デバイスの反応部位との間の相互作用動態(interaction kinetics)を特徴とする「センサーグラム」と呼ばれる使用可能な時間信号が得られ、そこから流体の組成を特徴付けることが可能である。
2018年7月19日にAnalytical Chemistry 2018、90、16、pages 9879-9887(ACS Publications)において発表されたBernetらによる論文「揮発性有機化合物を検知するための表面プラズモン共鳴イメージングに基づく高選択的オプトエレクトロニクスノーズ(Highly-selective optoelectronic nose based on surface plasmon resonance imaging for sensing volatile organic compounds)」と題する教示によれば、適切な測定プロトコルは、標的化合物と反応部位の受容体との間の相互作用動態が、分析されるべき流体の特徴付けを得やすい平衡定常状態に達するように、十分に制御された方法で、反応部位が配置された電子デバイスの測定チャンバ内の分析されるべき流体の注入および排出を制御することにある。より正確には、測定チャンバへの流体供給は、3つの連続する状態、すなわち、標的化合物の存在なしで、すなわち分析されるべき流体の存在なしでのキャリア流体を伴う基準流体環境(reference fluidic environment)への反応部位の曝露の第1の基準状態、次いで、測定チャンバ内への分析されるべき流体の注入による分析されるべき流体への反応部位の曝露の第2の分析状態、次いで、測定チャンバからの分析されるべき流体の排出による基準流体環境への反応部位の再曝露の、脱着として知られる第3の最終状態を含む。この流体供給は、有利には、正確に制御された開閉を有する弁によって提供され、平衡定常状態のより良好な制御のための異なる状態の先験的な知識を可能にし、その状態の間、分析されるべき流体の特徴は、有利には、センサーグラムから抽出される。これらの制約はすべて、電子測定デバイスを構築するのをより複雑にし、使用しにくくする。加えて、第2の分析的曝露状態中に平衡定常状態に達するのに比較的長い時間がかかる。その結果、分析される流体の特徴付けが比較的遅くなる。
これらの制約を低減する解決策が、特許文献の国際公開第2020/141281号パンフレットに提案されている。この解決策は、センサーグラムを構成するベクトルの正規化された値の時間的進化(temporal evolution)を分析することにある。驚くべきことに、分析されるべき流体の測定チャンバへの第2の注入状態中、そのような正規化されたベクトルに基づいて形成されたセンサーグラムは、従来のセンサーグラムよりもはるかに迅速に定常状態に到達し、実際には、正規化されたセンサーグラムのこの定常状態に到達するとすぐに流体を特徴付けることが可能である。その結果、処理が高速化される。正規化されたセンサーグラムは、従来のセンサーグラムが定常状態に達しない場合、特に測定チャンバ内の吸着/脱着平衡が制御されていない場合でも安定性を達成できることさえ観察されている。しかし、これは、少なくとも前述の3つの曝露状態の先験的な知識のために、流体の流れを正確に制御する必要性を完全に排除するものではない。
加えて、流れ制御であっても、やはり考慮されなければならない不可避の遅延およびタイムラグのために、3つの曝露状態を正確に知ることは依然として非常に困難である。
国際公開第2018/158458号パンフレット 国際公開第2019/053366号パンフレット 国際公開第2020/141281号パンフレット
Bernet et al., 「Highly-selective optoelectronic nose based on surface plasmon resonance imaging for sensing volatile organic compounds」, Analytical Chemistry 2018, 90, 16, pp.9879-9887(ACS Publications), 2018年7月19日
したがって、上述の問題および制約の少なくともいくつかを回避する測定デバイスを提供することが望ましくなり得る。
したがって、流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定のための電子デバイスであって、
-少なくとも1つの嗅覚センサであって、
・流体中に存在する可能性のある複数の化合物と相互作用し、
・流体中のこれらの有機化合物の存在を表す複数の信号を提供するように設計される、嗅覚センサと、
-提供された信号を処理して流体組成物の特徴付けを得るためのプロセッサとを備え、
プロセッサが、
-提供された信号の時間的変動の組み合わせに基づいて推定された少なくとも1つの変数の時間的進化を決定し、
-この時間的進化を使用して、提供された信号に関連する少なくとも1つの吸着状態および1つの脱着状態の開始および終了を示す時間的ラベリング(temporal labeling)を提供するようにプログラムされる、電子デバイスが提案される。
実際、様々な前述の状態を先験的に知る必要さえなく、驚くべきことに、これらが、提供される信号、特に前述のセンサーグラムの時間的変動の組み合わせに基づいて推定される変数の時間的進化の検討から直接推定されることが可能であることを留意されたい。このようにして、測定デバイスの基準媒体および分析されるべき流体への連続的な曝露の厳密な制御および先験的な知識に制約される必要はもはやない。したがって、バルブを制御する必要性、または測定チャンバさえも不要にすることが可能である。これにより、測定デバイスは、特に、例えば人間の鼻が通常直面する現実に近い検出および測定条件において、すなわち、検出される臭気の存在の可能性を事前に知ることなく、要求に応じてまたは連続的に、設計および使用がはるかに簡単になる。
任意選択的に、プロセッサは、
-少なくとも1つの推定変数を少なくとも1つの閾値と比較することによって時間的ラベリングを提供し、
-前記少なくとも1つの嗅覚センサが基準流体環境に曝されている基準状態中の提供された信号の時間的変動に基づいて前記少なくとも1つの閾値を計算するようにプログラムされることが可能である。
また、任意選択的に、前記少なくとも1つの推定変数は、
-スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された時間標準偏差と、
-提供された信号にわたって平均化された瞬間一次導関数と、
-スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された時間的に平均化された一次導関数とからなるセットの要素の少なくとも1つを備える。
また、任意選択的に、提供される信号は、
-流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサとの間の相互作用動態に特徴的な、センサーグラムと呼ばれる時間信号の第1のセットと、
-第1のセットのセンサーグラムから得られ、各測定またはサンプリング時点において、その時点で第1のセットのセンサーグラムによって仮定される値によって形成されるベクトルのノルムを計算することによって得られる、正規化されたセンサーグラムと呼ばれる正規化された時間信号の第2のセットとからなるセットの要素の少なくとも1つを備える。
電子デバイスを使用した、流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定のための方法であって、電子デバイスは、
-少なくとも1つの嗅覚センサであって、
・流体中に存在する可能性のある複数の化合物と相互作用し、
・流体中のこれらの有機化合物の存在を表す複数の信号を提供するように設計される、嗅覚センサと、
-提供された信号を処理して流体組成物の特徴付けを得るためのプロセッサとを備え、
方法は、プロセッサを実行することによって実施される以下のステップ、
-提供された信号の時間的変動の組み合わせに基づいて推定された少なくとも1つの変数の時間的進化を決定することと、
-この時間的進化を使用して、提供された信号に関連する少なくとも1つの吸着状態および1つの脱着状態の開始および終了を示す時間的ラベリングを提供することとをさらに含む、方法が提供される。
任意選択的に、本発明による多感覚測定方法は、吸着および脱着が測定される化合物を含まない基準流体環境への前記少なくとも1つの嗅覚センサの曝露の基準状態の時間的ラベリングを提供することを含んでもよく、この時間的ラベリングは、
-提供された信号の最初のサンプルにおける基準状態の開始と、
-スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された時間標準偏差が、
Figure 2024518962000002

である、提供された信号のK個の第1のサンプルにわたってこの時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された基準閾値以上になるとすぐの、基準状態の終了として定義される。
また、任意選択的に、吸着状態および脱着状態の時間的ラベリングは、以下のように定義され、すなわち
-吸着状態について、吸着状態を高いバイナリ値で示すバイナリ信号を時間的にラベリングすることによって、このバイナリ信号は、
・スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された時間標準偏差が、基準状態中にこの時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された吸着/脱着閾値よりも大きい、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000003

、および
・提供された信号にわたって平均化された一次導関数が、基準状態中にこの一次導関数によって到達される最大値に比例するとして事前定義された吸着閾値よりも大きい、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第2の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000004

の論理的組み合わせから得られ、
-脱着状態について、高いバイナリ値によって脱着状態を示すバイナリ信号を時間的にラベリングすることによって、このバイナリ信号は、
・第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000005

、および
・提供された信号にわたって平均化された一次導関数が、基準状態中にこの一次導関数によって到達される最小値に比例するとして事前定義された脱着閾値よりも低い、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第3の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000006

の論理的組み合わせから得られ、
時間標準偏差および一次導関数は、流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサとの間の相互作用動態に特徴的な、センサーグラムと呼ばれる時間信号上で計算される。
また、任意選択で、本発明による多感覚測定方法は、高いバイナリ値によってプラトー状態(plateau state)を示す時間的ラベリングバイナリ信号によって定義されるプラトー状態の時間的ラベリングを提供することを含んでもよく、このバイナリ信号は、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有し、その場合、スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された時間標準偏差は、基準状態中にこの時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義されたプラトー閾値以下である。
また、任意選択的に、本発明による多感覚測定方法は、定義されたより高い安定性および臭気の存在の状態の時間的ラベリングを提供することを含んでもよく、
-より高い安定性の状態については、高いバイナリ値によってより高い安定性の状態を示すバイナリ信号を時間的にラベリングすることによって、このバイナリ信号は、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値のものであり、その場合、スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化された正規化された時間標準偏差の1に対する補数が、提供された信号の全期間中にこの正規化された時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された、より高い安定性の閾値よりも大きく、
-臭気存在状態については、高いバイナリ値によって臭気存在状態を示すバイナリ信号を時間的にラベリングすることによって、このバイナリ信号は、提供された信号の任意のサンプルについて高いバイナリ値のものであり、その場合、スライディングウィンドウにわたって計算され、提供された信号にわたって平均化され、正規化された時間標準偏差の1に対する補数が、基準状態中にこの正規化された時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された臭気存在閾値よりも大きく、
正規化された時間標準偏差は、流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサとの間の相互作用動態に特徴的な非正規化された時間信号から得られた、正規化されたセンサーグラムと呼ばれる正規化された時間信号に対して、各測定またはサンプリング時点において、非正規化された時間信号によって得られた値によって形成されるベクトルのノルムを計算することによって計算される。
また、通信ネットワークからダウンロード可能であり、および/またはコンピュータ可読媒体に格納され、および/またはプロセッサによって実行可能であるコンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータ上で実行されると、本発明による多感覚測定方法のステップを実行するための命令を含む、コンピュータプログラムも提案される。
本発明は、単に例として、添付の図面を参照して与えられる以下の説明を用いてよりよく理解されるであろう。
本発明の1つの実施形態による、流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定のための電子デバイスの一般構造を図式的に示す図である。 デバイスの嗅覚センサが見える、図1に示される電子デバイスによって生成された画像の典型的な概略例を示す図である。 厳密に制御された多感覚測定条件下で、図2の画像から得られることが可能である応答信号時間図またはセンサーグラムの重ね合わせの第1の例を示す図である。 制御の少ない多感覚測定条件下で図2の画像から得られることが可能である応答信号時間図またはセンサーグラムの重ね合わせの第2の例を示す図である。 図3または図4のようなセンサーグラムから図1に示されるデバイスによって計算されることが可能である嗅覚シグネチャの例を円グラフの形で示す図である。 本発明の1つの実施形態による、図1に示される電子デバイスのソフトウェアモジュールによる自動時間的ラベリングを含む、流体中に存在する化合物の吸着および脱着のための多感覚測定方法の連続ステップを示す図である。 図6に示される方法を実行するときに実装されることが可能であるバイナリ信号論理的組み合わせ方法の連続ステップを示す図である。 図3に示されるものと同様のセンサーグラムに図6に示される方法を適用することによって得られることが可能である結果の一例を示す図である。 図8の詳細および図6の方法の任意選択のアーチファクト除去ステップを適用することによって得られることが可能である結果の例を示す図である。 任意選択のアーチファクト除去ステップの実行後に、図6に示される方法を図3に示されるものと同様のセンサーグラムに適用することによって得られることが可能である結果の別の例を示す図である。 図6に示される方法を図3に示されるセンサーグラムに適用することによって得られることが可能である結果の一例を示す図である。 図6に示される方法を図4に示されるセンサーグラムに適用することによって得られることが可能である結果の一例を示す図である。
図1に概略的に示される流体中に存在する化合物の吸着および脱着を多感覚測定するための電子デバイス10は、非限定的な臭気識別用途のための本発明による測定デバイスの非限定的な例である。電子デバイスは、流体、例えば周囲空気などのガスを受け入れるように設計された測定チャンバ12を備える。この目的のために、電子デバイスは、測定チャンバ12の外側から空気を引き込み、それを内部に引き入れるに設計された吸引デバイス14を備える。さらに、電子デバイスは、測定チャンバ12内に周囲空気を維持するために選択的に閉じられるか、または周囲空気を測定チャンバ12から排出し、吸引デバイス14の作動によって更新することを可能にするために開かれることが可能である空気出口16を有する。したがって、電子デバイスは、流入および流出する流れを制御するための手段を備えている。
デバイス10は、その測定チャンバ12内に多数の嗅覚センサ18を備え、これらはすべて、例えば約60個などの多くの反応部位にわたって分布しており、デバイス10が、揮発性有機化合物を放出する、分析されるべき流体の近くに配置されたとき、特に吸引デバイス14が対象の流体の近くにあるとき、測定チャンバ12内に存在する可能性が高いその揮発性有機化合物と相互作用するように設計される。各嗅覚センサ18は、例えば、揮発性有機化合物の特定のファミリー(family)からの化合物と相互作用するように設計されたバイオセンサである。実際には、各嗅覚センサ18は、この嗅覚センサ18に関連するファミリーの化合物に相補的である、基質上に固定化されたペプチドまたは表面を覆うポリマーなどの分子を含んでもよい。
あるいは、デバイス10は、周囲空気以外の任意の流体、液体または気体と接触するように適合される可能性もある。特に基本的なバージョンでは、デバイスは、吸引デバイス14および空気出口16、または測定チャンバ12さえも含まない可能性もある。したがって、この基本バージョンでは、嗅覚センサ18は、流量制御なしで分析されるべき流体と直接接触させることができる。
嗅覚センサ18は、分析される流体との相互作用によって引き起こされる物理的特性の任意の変化を測定するように配置および構成された少なくとも1つのトランスデューサ20に関連付けられる。トランスデューサ20は、電気信号Sを提供し、この電気信号は、嗅覚センサが測定チャンバ12内で相互作用し得る揮発性有機化合物を表すので、この流体を特徴付ける。
より具体的には、トランスデューサ20は、表面プラズモン共鳴イメージングシステム、すなわち、プラズモン効果により、検討中の流体と嗅覚センサの少なくとも一方との相互作用による屈折率の任意の変化を測定するように構成されたSPR(表面プラズモン共鳴)イメージングシステムであることができる。そのようなトランスデューサは、金属層であって、その第1の面は反応部位を有し、嗅覚センサ18の支持体として機能する、金属層と、金属層の、第1の面の反対側の第2の面に対して配置された光学プリズムと、光学プリズムの光入射面を介してコリメートされ偏光された光で金属層のこの第2の面を照明するためのデバイスと、光学プリズムの光出力に配置され、嗅覚センサ18が配置された反応部位の一連のグレースケール画像の形態で信号Sを提供するためのカメラとを備える。金属層の第1の側の反応部位は、例えば、マトリックス配置格子(matrix positioning grid)に編成される。
図2は、そのようなSPRイメージングシステムによって生成された画像の典型的な概略例を示し、測定デバイス10の嗅覚センサ18は、それらが相互作用した可能性のある揮発性有機化合物の有意な輝度値で見える。説明される例では、嗅覚センサ18は円形であることに留意されたい。しかしながら、カメラはそれらの位置決め格子に対してある程度傾斜しているので、グレースケール画像シーケンスSにおいてそれらが占める領域は楕円である。
あるいは、トランスデューサ20のSPRイメージングシステムは、マッハツェンダ干渉法を使用する光学指数変動増幅システム(optical index variation amplification system)に置き換えられる可能性もある。そのようなシステムは、干渉計の基準アームと任意のそのような反応部位が配置された感知アームとの間の検出可能な位相シフトによって、検討中の流体と嗅覚センサの少なくとも1つとの相互作用による屈折率の任意の変化を測定するように構成される。結果として得られるトランスデューサは、嗅覚センサ18のラジアンで表される位相シフトの画像のシーケンスの形態で信号Sを提供する。
別の変形形態では、トランスデューサ20の一部を形成するSPRイメージングシステムは、ナノ電気機械システムまたは微小電気機械システム(NEMSまたはMEMS)に置き換えられる可能性もある。そのようなシステムは、嗅覚センサのいずれか1つが配置された振動膜の共振周波数の任意の変化を測定するように構成される。嗅覚センサが配置される反応部位は、例えば、NEMSまたはMEMS振動膜のマトリックス内に配置されて、嗅覚センサ18の共振周波数のシフトの一連の信号の形態の信号Sを提供する。
他の変形形態が、当業者の手の届く範囲内にあるので説明されない測定デバイス10の簡単な適合によって、任意の他の同等の物理的変換デバイス(すなわち、光学的、機械的などである)を実装することによって考えられる。トランスデューサ20の選択にかかわらず、一般的な考え方は、揮発性有機化合物を差次的に吸着および脱着するように嗅覚センサ18(すなわち、バイオセンサ、ポリマー、カーボンナノチューブなど)を使用して反応部位を官能化し、嗅覚センサとは異なる分子相互作用応答を形成し、物理的変換デバイスを使用して電気信号Sの形態で応答を増幅することのままである。
図1に戻ると、デバイス10は、以下に説明する複数の機能モジュールをさらに備える。説明されている例では、これらのモジュールは、ソフトウェアの性質のものである。したがって、デバイス10は、処理ユニット24と、複数のコンピュータプログラムまたは単一のコンピュータプログラムの複数の機能が格納される関連するメモリエリア26とを有するコンピュータ様要素22を備える。これらのコンピュータプログラムは、ソフトウェアモジュールの機能を実現するために処理ユニット24によって実行されるように設計された命令を含む。それらは別個のものとして提示されているが、この区別は純粋に機能的なものである。それらは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを形成するために、任意の組み合わせで同じように容易にグループ化される可能性もある。それらの機能はまた、デジタル回路などの専用集積回路に少なくとも部分的にマイクロプログラムされ、またはマイクロ配線される可能性もある。あるいは、コンピュータ22は、同じ動作を実施するために(コンピュータプログラムなしで)デジタル回路のみからなる電子デバイスに置き換えられる可能性もある。
したがって、デバイス10は、まず、処理ユニット24によって実行さる、吸引デバイス14(測定デバイス10内に設けられている場合)、空気出口16(測定デバイス10内に設けられている場合)、およびトランスデューサ20を制御するためのソフトウェアモジュール28を備える。
任意選択的に、しかし有利には、デバイスは、測定デバイス10の嗅覚センサ18の中から、所望の嗅覚指紋に特徴的な揮発性化合物に敏感なセンサのサブセットを選択するために、処理ユニット24によって実行されるソフトウェアモジュール30をさらに含む。これらの特徴的な揮発性化合物は、検討される用途または流体によって異なることもあるので、ソフトウェアモジュール30によって行われる嗅覚センサの選択もまた異なり、パラメータ化されてもよい。選択されたサブセットは、例えば、M≧1個の嗅覚センサ、または有利には複数の嗅覚センサ(M≧2)を備える。
デバイス10は、M個のセンサーグラム、より正確にはSPRイメージングシステムの非限定的な例では、カメラによって提供される画像シーケンスS内のこれらのM個の選択された嗅覚センサに固有の輝度値から、M個の選択された嗅覚センサと関連する揮発性有機化合物との相互作用をそれぞれ表すM個の反射率信号を抽出するために、処理ユニット24によって実行されるソフトウェアモジュール32をさらに備える。これらの反射率信号は、例えば、選択されたM個の嗅覚センサのそれぞれについて、横方向の偏光で得られた輝度値と、同じ90度の偏光で得られた輝度値との比に応じたパーセンテージで表される。
図3は、吸引デバイス14および空気出口16の制御を含む厳密な測定プロトコルに従って、約130秒の期間にわたって得られたいくつかの40個の反射率信号の重ね合わせ時間図を示しており、
-反応部位18は、最初に、第1の基準状態PH1中、分析されるべき流体の標的化合物の存在なしに、キャリア流体基準流体環境に曝露され、
-次いで、これらは、測定チャンバ12内へのこの流体の制御された注入によってトリガされる第2の分析吸着状態PH2中に分析されるべき流体に曝露され、
-これらは、最終的に、測定チャンバ12の外側への、分析されるべき流体の制御された排出によって、第3の最終脱着状態PH3中に最終的に基準流体環境に再曝露される。
この比較的最適な場合、3つの連続する状態は先験的に知られていると考えられることが可能であり、得られた反射率信号は良質である。図3に示される例では、脱着が少し速すぎるため、平衡定常状態は第2の状態PH2の終わりには明らかに到達していないが、わずかに長い吸着では困難なく到達している。
一方、図4は、「接近」、すなわち、吸引デバイス14および空気出口16を制御せずに測定デバイス10を分析されるべき対象の流体に近づけるなど、はるかに厳密ではない測定プロトコルを使用して約50秒の期間にわたって得られた10程度の反射率信号の重ね合わせ時間図を示す。このあまり理想的ではない場合、3つの連続する状態PH1、PH2、PH3は先験的には知られておらず、得られる反射率信号の品質はより低く、平衡定常状態に達するようには決して見えない。
したがって、本発明の目的は、ソフトウェアモジュール32によって提供される信号に対する少なくとも1つの吸着状態および1つの脱着状態の開始および終了を示す自動時間的ラベリングを提供することである。したがって、デバイス10は、ソフトウェアモジュール32によって提供される信号の時間的変動の組み合わせに基づいて推定される少なくとも1つの変数の時間的進化を決定し、この時間的進化を使用して、提供される信号に対する少なくとも1つの吸着状態および1つの脱着状態の開始および終了を示す時間的ラベリングを提供するために、処理ユニット24によって実行されるソフトウェアモジュール34を備える。このソフトウェアモジュール34の動作は、図6を参照して詳細に説明される。
既知のそれ自体の方法で、デバイス10は、検討中の流体を表す嗅覚シグネチャSIGのM個の成分を抽出するために、M個の前述の反射率信号を分析するための時間窓を選択するための、処理ユニット24によって実行されるソフトウェアモジュール36をさらに含む。最新技術では、この選択は、前述の状態PH1、PH2およびPH3の先験的な知識に基づいて行われる。時間窓は、例えば、吸着PH2の終了時および/または脱着PH3の開始時に選択される。本発明によれば、この選択は、有利には、例えば時間的にラベリングされた吸着状態の終了時および/または時間的にラベリングされた脱着状態の開始時に、および/または以下に詳述するような他の可能性のある時間的にラベリングされた状態に応じて、ソフトウェアモジュール34によって実行される自動時間的ラベリングに基づいて行われる。
デバイス10は、M個の反射率信号から前述の嗅覚シグネチャSIGのM個の成分を得るために、処理ユニット24によって実行されるソフトウェアモジュール38をさらに含む。
円グラフとして示す19成分SIG嗅覚シグネチャの例が図5に示されており、例えば、これらのシグネチャは、図3および図4に示されるような反射率信号に基づいてソフトウェアモジュール28から36を順次実行することによって得られる。この連続的な実行はまた、分析される同じ流体の複数の嗅覚シグネチャを得るために数回繰り返されることが可能であり、これらの嗅覚シグネチャは、次いで、改善された最終的な嗅覚シグネチャを得るために、例えば平均化または他の方法によって統計的に処理されることが可能である。
トランスデューサ20がマッハツェンダ干渉計システムである場合、ソフトウェアモジュール32は、それ自体既知の方法で、前述のM個の反射率信号の代わりにM個の位相シフト信号を抽出するように適合される。これらの位相シフト信号は、例えばラジアンで表される。しかしながら、これらは、これもまた使用されることが可能であるセンサーグラムである。ソフトウェアモジュール36および38はまた、適切な時間窓を選択して嗅覚シグネチャを得るために位相シフト信号に単純に適合される。
トランスデューサ20がNEMSまたはMEMSシステムである場合、ソフトウェアモジュール32は、それ自体既知の方法で、前述のM個の反射率信号の代わりにM個の共振周波数シフト信号を抽出するように適合される。これらの共振周波数シフト信号は、例えばHzで表される。それにもかかわらず、これらは、これもまた使用されることが可能であるセンサーグラムである。ソフトウェアモジュール36および38はまた、適切な時間窓を選択して嗅覚シグネチャを得るために共振周波数シフト信号に単純に適合される。
図6は、処理ユニット24によって実行される場合の時間的ラベリングソフトウェアモジュール34の可能な動作の詳細を示す。この非限定的な例では、これは、ソフトウェアモジュール32によってデジタル形式で提供されるこれらのM個のセンサーグラムの各々のN個の連続するサンプルにわたって延びる測定時間窓内のM個の完全なセンサーグラムを得た後に実行される。これらのN個のサンプルは、N個の連続する測定時点または連続する電気信号のサンプリングに対応する。この動作モードは、「後処理」と説明されることが可能である。この動作モードでは、図3のセンサーグラムを処理するのに2分超かかり、図4のセンサーグラムでは1分弱かかる。しかしながら、当業者の手の届く範囲内にある、次に詳述される動作の単純な適合は、「リアルタイム」モードの、すなわち、2つのソフトウェアモジュール32、34の並列実行に従った、さらにより全体的にはソフトウェアモジュール28から34の時間的ラベリングを可能にし、それにより、ソフトウェアモジュール34は、ソフトウェアモジュール32によって提供される連続するセンサーグラムサンプルを受信するとき、そして受信したときにその時間的ラベリングを行い、完了することに留意されたい。このリアルタイムモードでは、進化的ラベリングにリンクされた特定の処理は、秒単位の時間スケールにわたって拡張することができる。
任意選択の第1のフィルタリングステップ100において、M個のセンサーグラムは、有限または無限インパルス応答デジタルフィルタとして実装されるローパスフィルタによってフィルタリングされる。これにより、ソフトウェアモジュール32によって提供されるように、生信号内の高周波測定ノイズが除去される。0.45(すなわち、0.45に等しいカットオフ周波数とサンプリング周波数との間の比の値)に正規化された一次有限インパルス応答およびカットオフ周波数を有するバターワースフィルタが適している。サンプリングされた時間長NのM個のフィルタリングされたセンサーグラムから形成された行列をSG
Figure 2024518962000007

とし、特許文献の国際公開第2020/141281号パンフレットの意味の範囲内のノルム計算によってSGから得られた行列をSG
Figure 2024518962000008

とする。SGおよびSG行列のM個の行ベクトルは、長さNの、それぞれフィルタリングされ、そしてフィルタリングされた後で正規化されたM個のセンサーグラムであり、一方、それらのN個の列ベクトルは、N個の連続するサンプリング時点tからtの各々において、それぞれフィルタリングされ、フィルタリングされた後で正規化されたM個のセンサーグラムによってとられるM値を表す。
後続のステップ102において、正規化されたセンサーグラムSGの行列が計算される。この同じステップにおいて、センサーグラムSGの時間的変動の組み合わせおよび正規化されたセンサーグラムSGの時間的変動の組み合わせに基づいて推定された変数の時間的進化に関する信号の数が、計算される。これらの信号の少なくとも1つは、有利には、前述の時間的ラベリングを提供するために使用される。
マトリックスSGセンサーグラムの時間的変動の第1の信号
Figure 2024518962000009

は、スライディングウィンドウWにわたって計算され、M個のセンサーグラムSGにわたって平均化された時間標準偏差である。これは、ラインベクトル(line vector)として表される。時間窓Wは、例えば、サンプリング周波数20Hzで約0.5秒、すなわち約10サンプルである。
行列SGの正規化されたセンサーグラムの時間的変動の第2の信号
Figure 2024518962000010

は、スライディングウィンドウWにわたって計算され、M個の正規化されたセンサーグラムSGにわたって平均化された別の時間標準偏差である。これは、ラインベクトルとしても表される。より正確には、これは空間[0、1]内のその値をとり、その結果、この第2の信号の1に対する補数も定義されることが可能である。例えば、
Figure 2024518962000011

を留意されたい。
マトリックスSGセンサーグラムの時間的変動の第3の信号
Figure 2024518962000012

は、M個のセンサーグラムSGにわたって平均化された瞬間一次導関数である。これは、ラインベクトルとしても表される。
行列SGセンサーグラムの時間的変動の第4の信号
Figure 2024518962000013

は、例えばスライディングウィンドウWにわたって計算された一次導関数dの時間平均である。これはラインベクトルとしても表される。
次いで、ステップ104において、行列SGセンサーグラムのK個の第1のサンプルの最大標準偏差Δが計算される。
Figure 2024518962000014

この目的のために、考慮される最初のK個のサンプルは、電子測定デバイス10が所定の基準流体環境、例えば分析されるべき流体が存在しない安定した環境に曝露された結果生じると仮定される。この所定の基準流体環境は、所定の最大標準偏差値
Figure 2024518962000015

と関連付けられる。Kは、例えば、センサーグラムSGの1から2秒、すなわち20Hzで20から40の間のサンプルを表す。結果として、環境が安定かつ基準であると見なされるためには、センサーグラムが十分に長い時間にわたって(すなわち、少なくともK個のサンプルについて)十分に低い標準偏差
Figure 2024518962000016

(すなわち
Figure 2024518962000017

未満)を示すことが必要かつ十分であると見なされ得る。したがって、この基準環境の先験的な知識は必要ないように思われる。これはロバストな仮定であり、特に大部分の電子鼻用途では、無臭空気は、臭気源を含まず、したがって可変流出物を含まない環境の空気であるため、標準偏差
Figure 2024518962000018

が低いことによって特徴付けられる。
後続のテスト106では、Δの値が
Figure 2024518962000019

と比較される。
Figure 2024518962000020

の場合、例えば、ノイズが多すぎて基準として使用するのに適していると考えることができない環境により、測定条件が不十分であると考えられ、その結果、時間的ラベリングが終了する(ステップ108)。そうでなければ、方法は、電子測定デバイス10の基準流体環境への曝露の第1の基準状態PH1の時間的ラベリングのための一連のステップ110から114を継続する。
あるいは、特に、基準流体環境に対するいかなる特定の制御もなく測定デバイス10が連続的に使用される場合、少なくともK個のサンプルの新しい時間窓が検出されることが可能になるまで、標準偏差
Figure 2024518962000021


Figure 2024518962000022

を下回り続ける間、時間的ラベリングは、単に一時停止または待機されることが可能である。このように、基準環境についての先験的な知識が不要であることが明らかであるだけでなく、測定開始から測定デバイス10をそのような基準環境下に置く必要がないことも明らかである。
ステップ110は、インデックスiref≦Nの行列SGのセンサーグラムの第1のサンプルを決定することにあり、これについて
Figure 2024518962000023

であり、ここで
Figure 2024518962000024

は、所定の許容係数であり、有利には厳密に1より大きく、例えば1.1に等しい。
次のステップ112において、第1の基準状態PH1は、以下のように定義される時間長Nのバイナリ信号FPH1によって時間的にラベリングされる。
Figure 2024518962000025
言い換えれば、基準状態PH1は、サンプル1からサンプルirefまで、すなわち、バイナリ信号FPH1が1である限り延びる。測定デバイス10の連続使用の前述の変形例によれば、基準状態PH1の第1のサンプルは、基準を構成する
Figure 2024518962000026

という意味で十分に安定した環境から来ると考えられることが可能である少なくともK個の連続サンプルの新しい時間窓のうちの最初のものである。
次のステップ114では、既にラベリングされた基準状態PH1に基づいて、さらなる時間的ラベリングのための任意選択の初期化が提案される。
第1の任意選択の初期化は、基準状態PH1のオフセット信号O
Figure 2024518962000027

を計算することからなる。この信号Oは列ベクトルとして表され、以下のように計算される。
Figure 2024518962000028
次いで、このオフセット信号は、行列SGの列ベクトルの各々から減算される。
同じく任意選択である第2の初期化は、複数の閾値を定義することからなる。
第1の値は、吸着状態PH2および脱着状態PH3を検出することを目的とした、センサーグラムSGに関する標準偏差
Figure 2024518962000029

の閾値である。この閾値
Figure 2024518962000030

は、例えば、以下の適応的な方法で定義される。
Figure 2024518962000031
第2の値は、吸着状態PH2を検出することを目的とした、センサーグラムSGに関連する時間平均化された一次導関数
Figure 2024518962000032

の閾値である。この閾値
Figure 2024518962000033

は、例えば、以下の適応的な方法で定義される。
Figure 2024518962000034
第3の値は、脱着状態PH3を検出することを目的とした、センサーグラムSGに関連する時間平均一次導関数
Figure 2024518962000035

の閾値である。この閾値
Figure 2024518962000036

は、例えば、以下の適応的な方法で定義される。
Figure 2024518962000037
第4の値は、任意選択的に、より高い安定性の状態PH4を検出することを目的とした、正規化されたセンサーグラムSGに関連する標準偏差
Figure 2024518962000038

の閾値である。この閾値
Figure 2024518962000039

は、例えば、以下の適応的な方法で定義される。
Figure 2024518962000040
第5の値は、任意選択的に臭気存在状態PH5を検出することを目的とした、正規化されたセンサーグラムSGに関連する標準偏差
Figure 2024518962000041

の閾値である。この閾値
Figure 2024518962000042

は、例えば、以下の適応的な方法で定義される。
Figure 2024518962000043
加えて、前述の閾値の少なくともいくつかに関連する複数の許容係数を定義することが有利である。例えば、許容係数
Figure 2024518962000044

を閾値
Figure 2024518962000045

に適用して、吸着状態PH2および脱着状態PH3をラベリングし、許容係数
Figure 2024518962000046

を閾値
Figure 2024518962000047

に適用して、任意選択のプラトー状態PH2’をラベリングし、許容係数
Figure 2024518962000048

を閾値
Figure 2024518962000049

に適用して、吸着状態PH2をラベリングし、許容係数を
Figure 2024518962000050

閾値
Figure 2024518962000051

に適用して、脱着状態PH3をラベリングし、許容係数
Figure 2024518962000052

を閾値
Figure 2024518962000053

に適用して、より高い安定性の状態PH4をラベリングし、許容係数
Figure 2024518962000054

を閾値
Figure 2024518962000055

に適用して、臭気存在状態PH5をラベリングする。これらの所定の許容誤差係数はすべて、有利には厳密に1よりも大きく、例えば1.1に等しいが、有利には厳密に1よりも小さく、例えば0.9に等しい許容誤差係数
Figure 2024518962000056

は除く。
あるいは、上述の5つの閾値は、デフォルトで独立して予め定義されることが可能であり、その場合、許容係数を定義する必要はない。
次に、ステップ116において、時間長Nのバイナリ信号の数が、ラベリング状態PH2、PH2’、PH3、PH4、およびPH5に対して定義される。
非限定的な例によれば、吸着状態PH2および脱着状態PH3の組み合わせられたラベリングの第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000057

は、時間標準偏差
Figure 2024518962000058

から以下のように定義される。
Figure 2024518962000059
吸着状態PH2の特異的ラベリングの第2の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000060

は、時間平均化された一次導関数
Figure 2024518962000061

から、以下のように定義される。
Figure 2024518962000062
脱着状態PH3特異的ラベリングの第3の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000063

は、時間平均化された一次導関数
Figure 2024518962000064

から、以下のように定義される。
Figure 2024518962000065
任意選択のプラトー状態PH2’については、時間標準偏差
Figure 2024518962000066

から以下のように定義される時間長Nのバイナリ信号
Figure 2024518962000067

によって直接時間的にラベリングされることが可能である。
Figure 2024518962000068
言い換えれば、バイナリ信号
Figure 2024518962000069

が1である限り、プラトー状態PH2’は継続する。
より高い安定性の状態PH4は、正規化された時間標準偏差
Figure 2024518962000070

の補数から1θまでの以下のように定義される時間長Nのバイナリ信号FPH4によって直接時間的にラベリングされることが可能である。
Figure 2024518962000071
言い換えれば、バイナリ信号FPH4が1である限り、より高い安定性の状態PH4は継続する。
最後に、臭気存在状態PH5は、正規化された時間標準偏差
Figure 2024518962000072

の補数から1θまでの以下のように定義される時間長Nのバイナリ信号FPH5によって直接時間的にラベリングされることが可能である。
Figure 2024518962000073
言い換えれば、臭気存在状態PH5は、バイナリ信号FPH5が1である限り継続する。
後続のステップ118において、吸着状態PH2は、第1および第2の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000074

および
Figure 2024518962000075

の論理的組み合わせから生じる時間長Nのバイナリ信号FPH2によって時間的にラベリングされることが可能である。この目的のために、例えば図7に示されるような論理組み合わせ方法が、使用されることが可能である。
この論理組み合わせ方法の第1のテストステップ200によれば、2つの中間バイナリ信号
Figure 2024518962000076

および
Figure 2024518962000077

のいずれもサンプリング時間全体にわたってゼロではないことが検証される。あてはまる場合、論理組み合わせ方法は、別のテストステップ202に進む。
テストステップ202は、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000078

が実際に1で2つの異なる時間状態を有し、一方は吸着状態PH2に関連し、他方は脱着状態PH3に関連することを検証することにある。そうでない場合、論理組み合わせ方法は、最終ラベリングステップ204に進む。そうである場合、別の最終ラベリングステップ206に進む。
最終ラベリングステップ204は、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000079

を無視し、バイナリ信号FPH2を第2の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000080

に等しいものであることを定義することにある。反対に、最終ラベリングステップ206は、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000081

を考慮し、バイナリ信号FPH2が論理演算
Figure 2024518962000082

、すなわち、これらの2つの信号に対してビットごとに実行される論理AND演算に等しいと定義することにある。
ステップ200の結果が、2つの中間バイナリ信号
Figure 2024518962000083

および
Figure 2024518962000084

のうちの少なくとも一方がサンプリング持続時間全体にわたってゼロであるというものである場合、論理組み合わせ方法は、テストステップ208に進み、ここで、2つの中間バイナリ信号
Figure 2024518962000085

および
Figure 2024518962000086

がサンプリング持続時間全体にわたってゼロであるかどうかがチェックされる。
真の場合、時間的ラベリングを終了する(または待機する)ステップ210が続く。このステップは、測定条件が吸脱着状態を正確に特定することを可能にしないと仮定されるという点で、ステップ108と同様である。他のすべてのバイナリ時間的ラベリング信号は、このステップ210中0に設定される。
2つの中間バイナリ信号
Figure 2024518962000087

および
Figure 2024518962000088

のうちの一方がサンプリング持続時間全体にわたってゼロでない場合、新しいテストステップ212が実施され、ここでは、これが、サンプリング持続時間全体にわたってゼロである中間バイナリ信号
Figure 2024518962000089

であるかどうかがチェックされる。そうである場合、論理組み合わせ方法は、ステップ204と同一の最終ラベリングステップ214に進む。
Figure 2024518962000090

そうでなければ、中間バイナリ信号
Figure 2024518962000091

は、サンプリング持続時間全体にわたってゼロであり、方法は、ステップ202と同一の新しいテストステップ216に進む。
したがって、このステップ216は、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000092

が実際に1で2つの異なる時間状態を有し、一方は吸着状態PH2に関連し、他方は脱着状態PH3に関連することをチェックすることにある。そうでない場合、論理組み合わせ方法は、ステップ210と同一の時間的ラベリングステップ218の最後に進む。そうである場合、別の最終ラベリングステップ220に進む。
最終ラベリングステップ220は、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000093

のみを考慮して、バイナリ信号FPH2が1でのその第1の時間的状態の終了まで
Figure 2024518962000094

に等しくなるように定義することにあり、これは吸着状態PH2に関連すると正確に考えられる。
図7の論理組み合わせ方法が終了する最終ラベリングステップ204、206、214または220にかかわらず、図6の時間的ラベリング方法のステップ118においてこのようにして得られた吸着状態PH2は、バイナリ信号FPH2が1である限り継続する。
図6の時間的ラベリング方法のステップ116に続いて、脱着状態PH3は、ステップ120において、第1および第3の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000095

および
Figure 2024518962000096

の論理的組み合わせから生じる時間長Nのバイナリ信号FPH3によって時間的にラベリングされることが可能である。図7の論理組み合わせ方法はまた、中間バイナリ信号
Figure 2024518962000097


Figure 2024518962000098

に置き換えることによってこの目的に適用されることが可能である。したがって、信号
Figure 2024518962000099

および
Figure 2024518962000100

に適用されることで、最終ラベリングステップ204は、バイナリ信号
Figure 2024518962000101

を提供し、最終ラベリングステップ206はバイナリ信号
Figure 2024518962000102

を提供し、最終ラベリングステップ220はバイナリ信号FPH3を、1でのその第2の時間的状態の開始から
Figure 2024518962000103

と等しいと定義することによって提供し、これは、脱着状態PH3に関連すると正確に考えられるが、その前は0である。
ステップ116、118および120の終わりに、6つの予め定義された状態PH1、PH2、PH2’、PH3、PH4およびPH5が、それらのそれぞれのバイナリ信号FPH1、FPH2、FPH2’、FPH3、FPH4およびFPH5によって時間的にラベリングされる。臭気状態として説明されることが可能である第7の状態PH6は、吸着状態PH2から始まり、脱着状態PH3で終わると定義されることが可能である。したがって、これは、バイナリ信号FPH6によってラベル付けされる。
図8の下部は、図3に示されるものと同様の、すなわち厳密に制御された測定プロトコルに従ったセンサーグラムから得られることが可能である結果を示す。これらの信号は図8の上部に見ることができ、図3の例とは対照的に、脱着前に平衡定常状態に達することは明らかである。異なる状態をより明確に区別するために、異なる状態の高いバイナリ値自体が図8の下側の時間図の横軸上で区別されるが、この選択は限定ではなく例示的なものにすぎず、高いバイナリ値は、例えば、状態PH1については0.2、状態PH2については0.4、状態PH2’については0.6、状態PH3については0.8、状態PH4については1、状態PH5については1.5、状態PH6については1.25である。上記の7つの状態は、すべて時間的にラベリングされる。
プラトー状態PH2’およびより高い安定状態PH4は相関しているが、それらは同じ信号では評価されないため、すなわち、プラトー状態PH2’については信号SGおよびより高い安定状態PH4については正規化された信号SGであるため、全く異なってラベリングされていることに留意されたい。したがって、それらは相補的である。プラトー状態PH2’はより高い安定状態PH4に含まれるので、その検出はより要求が厳しいと推定することができる。
臭気存在PH5状態および臭気物質PH6状態は相関しているが、それらは、同じ信号では評価されないため、すなわち、臭気物質状態PH6については信号SGおよび臭気存在状態PH5については正規化された信号SGであるため、むしろ異なる方法でラベリングされることにも留意されたい。したがって、それらは、ある程度の相補性も示す。しかし、これらはほぼ同時に、吸着状態の開始時に開始する。
最後に、いくつかのアーチファクトの存在に注目する。状態PH3およびPH5のラベルは、第1の基準状態PH1の中に時折かつ偶発的にそれらの高いバイナリ値をとるが、プラトー状態PH2’は目に見えて不安定である。
ステップ116、118および120に続いて、任意選択の最終ステップ122が、アーチファクトを除去するために提案されることが可能である。これらのアーチファクトは、対応するアクティブ状態の外側のバイナリ信号を時間的ラベリングする際のジッタ、または、それらがラベリングしようとするアクティブ状態におけるこれらの信号の不連続性のいずれかに起因する。したがって、この目的のために2つの閾値パラメータが定義され、一方は、この状態のラベリングバイナリ信号内のアクティブ状態の最小長さを課す最小閾値ζmin(すなわち、高いバイナリ値ジッタの排除)であり、他方は、この状態のラベリングバイナリ信号内のアクティブ状態内の不連続の最大長さを課す最大閾値ζmax(すなわち、低いバイナリ値の不連続性の排除)である。したがって、ステップ116、118および120で得られたすべての時間的ラベリング信号FPH1、FPH2、FPH2’、FPH3、FPH4、FPH5およびFPH6において、これら2つの閾値ζminおよびζmaxは、一方ではζmin以上の長さを有する活性状態のみを保持し、他方ではζmax以下の長さを有する不連続部を高いバイナリ値にリセットするように連続的に適用される。本質的に、この手順は、存在し得るあらゆるアーチファクトを排除する。
図9は、例えば5つのサンプルに等しいζminおよびζmaxの値について、アーチファクト除去の前(上)および後(下)の時間的ラベリング信号の拡大詳細を示す。第1のアーチファクトA1は、第1の時間的ラベリングバイナリ信号におけるジッタからなる。このジッタは最小長ζminを超えないため、排除される。第2のアーチファクトは、第2の時間的ラベリングバイナリ信号のアクティブ状態における不連続性からなる。これは、最大長ζmaxに達しないため、排除される。
したがって、図10は、図8に示される例に対してステップ122を実施した後に得られることが可能である結果を示す。上記で言及した7つの状態はすべて、時間的にラベリングされ、それ以上のアーチファクトはない。
図11は、図3のセンサーグラムに対して図6の時間的ラベリング方法を実行することによって得られることが可能である結果を示す。プラトー状態PH2’は検出されず、したがってラベリングされていることに留意されたい。
図12は、図4のセンサーグラムに対して図6の時間的ラベリング方法を実行することによって得られることが可能である結果を示す。プラトー状態PH2’は検出されず、したがってラベリングされないことにも留意されたい。しかしながら、前の例よりもはるかに小さい厳密性で制御された測定条件にもかかわらず、7つの所定の状態のうちの6つが識別されラベリングされ、これは、すべてにかかわらず分析されるべき流体を特徴付ける能力を証明することに留意されたい。
上記のもののような多感覚測定電子デバイスは、基準流体および分析されるべき流体へのデバイスの連続的な曝露の事前の制御を必要とせずに、少なくとも吸着状態および脱着状態を時間的ラベリングする能力によって流体の特徴付けを容易にすることができることがはっきりと表れる。これらの変動が標準偏差および/または一次導関数および/またはその他であるかどうかにかかわらず、センサーグラムの時間的変動の少なくとも1つの組み合わせを巧妙に検討することによって、このラベリングは、先験的な知識なしで自動的に行われることが可能である。その場合、要求に応じたまたは連続的な動作が可能である。さらに、流体の特徴付けは、その嗅覚シグネチャを抽出するための時間ウィンドウの選択を容易にするため、そのようなラベリングに基づくときにより容易である。
なお、本発明は上記で説明された実施形態に限定されるものではない。これは、特に完全であり、効率的であるが、より単純な変形も可能である。
特に、代替として、吸着状態PH2および脱着状態PH3の時間的ラベリングは、第1の中間バイナリ信号
Figure 2024518962000104

のみに基づいて、または第2および第3の中間信号
Figure 2024518962000105

および
Figure 2024518962000106

のみに基づいて、これらの信号の論理的組み合わせなしで行われる可能性もある。あるいは、第2および第3の中間信号
Figure 2024518962000107

および
Figure 2024518962000108

は、この瞬間一次導関数dの時間平均の代わりに、瞬間一次導関数dから定義される可能性もある。さらに、状態PH1、PH2’、PH4、PH5、およびPH6の自動時間的ラベリングは任意選択であることに留意されたい。
また、あるいは、提供された信号の時間的変動の組み合わせに基づいて推定される変数は、必ずしも標準偏差または一次導関数ではない。これは、別の統計的変数またはn次導関数であってもよく、n≧2である。
より一般的には、開示されたばかりの教示に照らして、上記で説明された実施形態に様々な修正が加えられることが可能であることが当業者には明らかであろう。本発明の前述の詳細な提示において、使用される用語は、本発明を本明細書に記載の実施形態に限定するとして解釈されるべきではなく、単に開示された教示の実装にそれらの一般的な知識を適用することによって当業者の理解の範囲内にあるすべての均等物を含むものとして解釈されるべきである。

Claims (10)

  1. 流体中に存在する化合物の吸着および脱着を多感覚測定するための多感覚測定電子デバイス(10)であって、
    -少なくとも1つの嗅覚センサ(18)であって、
    ・前記流体中に存在する可能性のある複数の化合物と相互作用し、
    ・前記流体中の前記有機化合物の存在を表す複数の信号(SG、SG)を提供するように設計される、嗅覚センサと、
    -前記提供された信号(SG、SG)を処理して前記流体組成物の特徴付け(SIG)を得るためのプロセッサ(24、28、30、32、34、36、38)と
    を備える、多感覚測定電子デバイスにおいて、
    前記プロセッサ(24、28、30、32、34、36、38)が、
    -前記提供された信号(SG、SG)の時間的変動の組み合わせに基づいて推定された少なくとも1つの変数の時間的進化(temporal evolution)を決定し、
    -前記時間的進化を使用して、少なくとも
    ・吸着状態(PH2)の開始および終了と、
    ・脱着状態(PH3)の開始および終了とを前記提供された信号(SG、SG)に関連付けて示す時間的ラベリング(temporal labeling)を提供するようにプログラムされる(34)
    ことを特徴とする、多感覚測定電子デバイス。
  2. 前記プロセッサ(24、28、30、32、34、36、38)が、
    -前記少なくとも1つの推定変数を少なくとも1つの閾値と比較することによって前記時間的ラベリングを提供し、
    -基準流体環境(reference fluidic environment)に対する前記少なくとも1つの嗅覚センサ(18)の曝露の基準状態(PH1)中の前記提供された信号(SG、SG)の時間的変動に基づいて、前記少なくとも1つの閾値を計算する
    ようにプログラムされる(34)、請求項1に記載の多感覚測定電子デバイス(10)。
  3. 前記少なくとも1つの推定変数が、
    -スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号(SG、SG)にわたって平均化された時間標準偏差と、
    -前記提供された信号(SG、SG)にわたって平均化された瞬間一次導関数と、
    -前記スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号(SG、SG)にわたって平均化された、時間的に平均化された一次導関数と
    からなるセットの要素の少なくとも1つを備える、請求項1または2に記載の多感覚測定電子デバイス(10)。
  4. 前記提供された信号(SG、SG)が、
    -前記流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサ(18)との間の相互作用動態(interaction kinetics)に特徴的な、センサーグラム(SG)と呼ばれる時間信号の第1のセットと、
    -前記第1のセットの前記センサーグラム(SG)から得られ、各測定またはサンプリング時点において、前記時点で前記第1のセットの前記センサーグラムによって仮定される前記値によって形成されるベクトルのノルムを計算することによって得られる、正規化されたセンサーグラム(SG)と呼ばれる正規化された時間信号の第2のセットと
    からなるセットの要素の少なくとも1つを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の多感覚測定電子デバイス(10)。
  5. 電子デバイス(10)を使用する、流体中に存在する化合物の吸着および脱着の多感覚測定方法であって、前記電子デバイスは、
    -少なくとも1つの嗅覚センサ(18)であって、
    ・前記流体中に存在する可能性のある複数の化合物と相互作用し、
    ・前記流体中の前記有機化合物の存在を表す複数の信号(SG、SG)を提供する
    ように設計される嗅覚センサと、
    -前記提供された信号(SG、SG)を処理して前記流体組成物の特徴付けを得るためのプロセッサ(24、28、30、32、34、36、38)と
    を備える、多感覚測定方法において、
    前記方法が、前記プロセッサの実行によって実行される以下のステップ、すなわち
    -前記提供された信号(SG、SG)の時間的変動の組み合わせに基づいて推定された少なくとも1つの変数の時間的進化を決定することと(102)と、
    -前記時間的進化を使用して、少なくとも
    ・吸着状態(PH2)の開始および終了と、
    ・脱着状態(PH3)の開始および終了を、前記提供された信号(SG、SG)に関連付けて示す時間的ラベルを提供すること(112、114、116、118、120、122)と
    を含むことを特徴とする、多感覚測定方法。
  6. 吸着および脱着が測定される化合物を含まない基準流体環境への前記少なくとも1つの嗅覚センサ(18)の曝露の基準状態(PH1)の時間的ラベリングを提供すること(112)を含み、前記時間的ラベリングは、
    -提供された信号(SG、SG)の最初のサンプルにおける基準状態(PH1)の開始と、
    -スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号(SG、SG)にわたって平均化された時間標準偏差が、
    Figure 2024518962000109

    である、前記提供された信号(SG、SG)のK個の第1のサンプルにわたって前記時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された基準閾値以上になるとすぐの、基準状態(PH1)の終了と
    として定義される、請求項5に記載の多感覚測定方法。
  7. 吸着状態(PH2)および脱着状態(PH3)の前記時間的ラベリングが、
    -前記吸着状態(PH2)について、前記吸着状態を高いバイナリ値で示す時間的ラベリングバイナリ信号によって、前記バイナリ信号は、
    ・スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号にわたって平均化された前記時間標準偏差が、前記基準状態(PH1)中に前記時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された吸着/脱着閾値よりも大きい、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第1の中間バイナリ信号
    Figure 2024518962000110

    、および
    ・前記提供された信号にわたって平均化された一次導関数が、前記基準状態(PH1)中に前記一次導関数によって到達される最大値に比例するとして事前定義された吸着閾値よりも大きい、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第2の中間バイナリ信号
    Figure 2024518962000111

    の論理的組み合わせから得られ、
    -前記脱着状態(PH3)について、高いバイナリ値によって前記脱着状態を示す時間的ラベリングバイナリ信号によって、前記バイナリ信号は、
    ・前記第1の中間バイナリ信号
    Figure 2024518962000112

    、および
    ・前記提供された信号にわたって平均化された前記一次導関数が、前記基準状態(PH1)中に前記一次導関数によって到達される最小値に比例するとして事前定義された脱着閾値よりも低い、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有する第3の中間バイナリ信号
    Figure 2024518962000113

    の論理的組み合わせから得られ、
    前記時間標準偏差および前記一次導関数は、流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサ(18)との間の相互作用動態に特徴的な、センサーグラム(SG)と呼ばれる時間信号に対して計算される、請求項6に記載の多感覚測定方法。
  8. 高いバイナリ値によってプラトー状態(plateau state)を示す時間的ラベリングバイナリ信号によって定義される前記プラトー状態(PH2’)の時間的ラベリングを提供すること(116)を含み、前記バイナリ信号は、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値を有し、その場合、前記スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号にわたって平均化された前記時間標準偏差は、前記基準状態(PH1)中に前記時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義されたプラトー閾値以下である、請求項7に記載の多感覚測定方法。
  9. 定義されたより高い安定性(PH4)および臭気存在(PH5)の状態の時間的ラベリングを提供すること(116)を含み、
    -より高い安定性の前記状態(PH4)については、高いバイナリ値によってより高い安定性の前記状態を示す時間的ラベリングバイナリ信号によって、前記バイナリ信号は、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値のものであり、その場合、前記スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号にわたって平均化された正規化された時間標準偏差の1に対する補数が、前記提供された信号の全期間中に前記正規化された時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義されたより高い安定性の閾値よりも大きく、
    -臭気存在の前記状態に(PH5)については、高いバイナリ値によって前記臭気存在状態を示す時間的ラベリングバイナリ信号によって、前記バイナリ信号は、前記提供された信号(SG、SG)の任意のサンプルについて高いバイナリ値のものであり、その場合、前記スライディングウィンドウにわたって計算され、前記提供された信号にわたって平均化された、前記正規化された時間標準偏差の1に対する補数が、前記基準状態(PH1)中に前記正規化された時間標準偏差によって到達される最大値に比例するとして事前定義された臭気存在閾値よりも大きく、
    前記正規化された時間標準偏差が、流体化合物と前記少なくとも1つの嗅覚センサ(18)との間の相互作用動態に特徴的な非正規化された時間信号(SG)から得られた、正規化されたセンサーグラム(SG)と呼ばれる正規化された時間信号に対して、各測定またはサンプリング時点において、前記非正規化された時間信号によって仮定された値によって形成されるベクトルのノルムを計算することによって計算される、請求項6から8のいずれか一項に記載の多感覚測定方法。
  10. 通信ネットワークからダウンロード可能および/またはコンピュータ可読媒体(26)に格納される、および/またはプロセッサ(24)によって実行可能なコンピュータプログラム(28、30、32、34、36、38)であって、少なくとも1つの嗅覚センサ(18)によって提供される、流体中の有機化合物の存在を表す信号(SG、SG)を処理することができるコンピュータ(22)上で前記プログラムが実行されると、請求項5から9のいずれか一項に記載の多感覚測定方法のステップを実行して、流体組成物の特徴付けを得るための命令を備えることを特徴とする、コンピュータプログラム。
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