JP2024518457A - 量子コンピューティングのための多層光格子量子ビット配列を用いたシステム及び方法 - Google Patents

量子コンピューティングのための多層光格子量子ビット配列を用いたシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

量子コンピューティング(QC)システムは、第1の実質的に平面状の領域における第1の複数の論理量子ビットと、第1の実質的に平面状の領域と実質的に平行な第2の実質的に平面状の領域における第2の複数の論理量子ビットと、を含む。第1の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように構成され、第2の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように、及び第1の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかと相互作用するように構成される。QCシステムは、第1及び第2の実質的に平面状の領域と実質的に平行な追加的な実質的に平面状の領域に、追加的な複数の論理量子ビットを含むことができ、第2の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、追加的な複数の論理量子ビットのうち1つ以上と相互作用するように構成されることができる。

Description

発明の詳細な説明
[背景]
[技術分野]
本願は概して、量子コンピューティング(QC)に関し、より詳しくは複数次元の格子配列構造を採用した量子コンピュータアーキテクチャに関する。
[関連技術の説明]
スケーラブルな量子コンピューティングに向けた技術の道筋は多岐にわたってきた。様々な評価指数において実証された性能は、各手法で使用する物理的な量子ビット(「量子ビット」とも呼ぶ)の種類によって大きく変化する。トラップされた原子イオン、又は超伝導量子ビットに基づく手法は、20年以上にわたって一貫してこの分野を導いてきた。最近のトラップされたリュードベリ原子の手法の進歩により、当該分野での実行可能性及び重要性が高まってきている。
[概要]
本明細書に開示される特定の実施形態は、2つ以上の論理量子ビット(例えば、1つ以上の物理的な量子ビットを備える各論理ビット)が同時にエンタングルされる(もつれ合う)ことができる量子ゲートを実施及び相互接続するための、複数の次元の格子配列構造を用いた量子コンピュータアーキテクチャを提供する。本明細書で開示する特定の実施形態は、ある程度の再構成可能性を有利に提供できるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)に類似した、量子処理チップのための量子マイクロプロセッサ構成及びゲートアレイ設計プラットフォームを提供する。本明細書で開示する特定の実施形態は、特定用途に有利に最適化でき、カスタム設計の柔軟性を有利に提供できる特定用途向け集積回路(ASIC)に類似した、量子処理チップ又はボード(例えば、電気及び/又は光学回路;集積光格子)用の量子マイクロプロセッサ構成及びゲートアレイ設計プラットフォームを提供する。
本明細書に開示される特定の実施形態は、互いに実質的に平行である複数の実質的に平面状の領域(例えば、平面;層)に実質的に配置される複数の量子ビットを備える量子コンピューティング(QC)システムを提供するものであり、少なくともいくつかの実質的に平面状の領域は、2つ以上の量子ビットを備え、各実質的に平面状の領域の1つ以上の量子ビットは、少なくとも1つの隣接した実質的に平面状の領域の1つ以上の量子ビットと相互作用するように構成される。例えば、QCシステムは、(例えば、原子的;光子的に)複数の二次元格子層を備えることができ、その格子層は互いに実質的に平行であり、QCシステムは、複数の格子層にまたがる領域に位置する、複数の多量子ビットゲートとして配置される複数の量子ビットを備える多量子ビットゲートアレイを備えることができる。多量子ビットゲートアレイは、窒素-空孔又はNV中心(例えば、ダイヤモンド又は他の結晶において設計される)、トラップされたボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)の配列、その他の多層格子配列に閉じ込められた、中性(例えば、非荷電)原子、リュードベリ原子、及び/又は他の量子ビットを含むように、及び/又は選択的にアドレスするように構成された格子を備えることができる。特定のこのような例において、これらの実質的に平行な格子配列層は、複数の実質的に平面状の領域(例えば、平面;レベル)に実質的に配置されることができ、少なくとも1つの実質的に平面状の領域の、少なくともいくつかの量子ビットは、少なくとも1つの他の(例えば、隣接した)実質的に平面状の領域の少なくともいくつかの量子ビットと相互作用する(例えば、量子力学的にエンタングルされる)ように構成される。
本明細書に開示される特定の実施形態は、(例えば、ゲートを形成するために)三次元(3D)格子構造の配列として配置される複数の全結合(fully-connected)量子ビットを備える格子構成を備え、幾何学的レイアウトで配列される量子ビットによって、同時の多量子ビットゲート操作(operation/演算)が可能である。本明細書で開示される特定の実施形態は、最適に効率的な量子コンピュータを構築するために共通の重要な課題に対処する。これらの課題のうち主要なものは、最大数の最近傍、次最近傍、次次最近傍等の量子ビットが同時にエンタングルされて、多量子ビットの量子ゲート操作をネイティブに(natively)、又は単一ゲート操作で幾何学的に実現することができる、実装可能で幾何学的な量子ビットの構造をどのように設計するかである(2021年5月7日出願の米国特許仮出願第63/186,037号、2020年11月5日に出願の米国特許出願第17/090747号;2019年11月8日に出願の米国特許仮出願第62/933,148号を参照。それぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)
特定の実施形態において、量子コンピューティング(QC)システムは、第1の実質的に平面状の領域の中の第1の複数の論理量子ビットと、第1の実質的に平面状の領域と実質的に平行である第2の実質的に平面状の領域における第2の複数の論理量子ビットと、を備える。第1の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように構成され、第2の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように、及び、第1の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかと相互作用するように構成される。特定の実施形態において、QCシステムは、第1及び第2の実質的に平面状の領域と実質的に平行な、追加の実質的に平面状の領域に、追加の複数の論理量子ビットを備え、第2の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、追加の複数の論理量子ビットのうちの1つ以上と相互作用するように構成される。
特定の実施形態において、量子コンピューティング(QC)システムは、二次元を超える次元を備える多層量子ビット格子配列において量子ゲートを形成する論理量子ビットを含むように構成された複数の閉じ込め領域を備える。量子ゲートは、1量子ビットゲート及び2量子ビットゲートの連結に依存することなくネイティブに3つ以上の論理量子ビットを巻き込む量子論理演算を実行するように構成される。
[図面の簡単な説明]
添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本明細書に記載される1つ以上の実施形態を例示し、説明と共に、これらの実施形態を説明する。
本明細書に記載される特定の実施形態に従って、実質的に平面状の領域に論理量子ビットを備える例示的な量子コンピューティング(QC)システムの斜視図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、互いに実質的に平行な3つの実質的に平面状の領域に36個の論理量子ビットを備える例示的なシステムの斜視図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、互いに実質的に平行な3つの実質的に平面状の領域に60個の論理量子ビットを備える別の例示的なシステムの斜視図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、互いに実質的に平行な3つの実質的に平面状の領域(例えば、図2A及び図2Bの例示的なシステムと互換性がある)に配置される複数の論理量子ビットの斜視図を概略的に示す。 図3B及び図3Cは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、互いに実質的に平行である5つの実質的に平面状の領域に配置される複数の論理量子ビットの斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図3B及び図3Cは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、互いに実質的に平行である5つの実質的に平面状の領域に配置される複数の論理量子ビットの斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図4A及び図4Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図4A及び図4Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備える例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図5A及び図5Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図5A及び図5Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図5Bと同様の斜視図を概略的に示す。 図6A及び図6Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた更に別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図6A及び図6Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた更に別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図6Bと同様の斜視図を概略的に示す。 図6D及び図6Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた更に別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 図6D及び図6Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、各々が対応する複数の論理量子ビットを備える3つの平面状の領域を備えた更に別の例示的なシステムの一部の(例えば、z軸に沿う)上面図及び斜視図をそれぞれ概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図6Eと同様の斜視図を概略的に示す。 図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、複数の二次元平面光学トラップ領域内に形成される、複数のアドレッシングレーザー光ビームを有する、例示的な多量子ビットゲートセル(例えば、ターゲット量子ビットを中心に有し、制御量子ビットを他の場所に有するパイロクロア構成において21個の量子ビットを有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)の様々な図を概略的に示す。 図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、複数の二次元平面光学トラップ領域内に形成される、複数のアドレッシングレーザー光ビームを有する、例示的な多量子ビットゲートセル(例えば、ターゲット量子ビットを中心に有し、制御量子ビットを他の場所に有するパイロクロア構成において21個の量子ビットを有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)の様々な図を概略的に示す。 図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、複数の二次元平面光学トラップ領域内に形成される、複数のアドレッシングレーザー光ビームを有する、例示的な多量子ビットゲートセル(例えば、ターゲット量子ビットを中心に有し、制御量子ビットを他の場所に有するパイロクロア構成において21個の量子ビットを有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)の様々な図を概略的に示す。 図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、複数の二次元平面光学トラップ領域内に形成される、複数のアドレッシングレーザー光ビームを有する、例示的な多量子ビットゲートセル(例えば、ターゲット量子ビットを中心に有し、制御量子ビットを他の場所に有するパイロクロア構成において21個の量子ビットを有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)の様々な図を概略的に示す。 図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、複数の二次元平面光学トラップ領域内に形成される、複数のアドレッシングレーザー光ビームを有する、例示的な多量子ビットゲートセル(例えば、ターゲット量子ビットを中心に有し、制御量子ビットを他の場所に有するパイロクロア構成において21個の量子ビットを有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)の様々な図を概略的に示す。 図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの様々な図を概略的に示す。 図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの様々な図を概略的に示す。 図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの様々な図を概略的に示す。 図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの様々な図を概略的に示す。 図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの様々な図を概略的に示す。 図9A-図9Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの交差する配列によって作成された3層の10×10の原子トラップ格子の斜視図を概略的に示す。 図9A-図9Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、トラッピングレーザー光ビームの交差する配列によって作成された3層の10×10の原子トラップ格子の斜視図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図9A-図9Bの構造の上面図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、3組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列とを有する3層の10×10の原子格子を備えた、部分的に組み立てられたQCシステムの斜視図を概略的に示す。 図10B-図10Dは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図10Aの3組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列とを異なる方向から見た他の図を示す。 図10B-図10Dは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図10Aの3組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列とを異なる方向から見た他の図を示す。 図10B-図10Dは、本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図10Aの3組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列とを異なる方向から見た他の図を示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、4組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列とを有する3層の10×10の原子格子を備えた、別の部分的に組み立てられたQCシステムの斜視図を概略的に示す。 図10F-図10Hは、本明細書に記載される特定の他の実施形態に従って、図10Eの4組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列を異なる方向から見た他の図を示す。 図10F-図10Hは、本明細書に記載される特定の他の実施形態に従って、図10Eの4組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列を異なる方向から見た他の図を示す。 図10F-図10Hは、本明細書に記載される特定の他の実施形態に従って、図10Eの4組のアドレッシングレーザー光ビームとトラッピングレーザー光ビームの2つの交差する配列を異なる方向から見た他の図を示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、第1の光検出器ポート242aを通して見た、図9A-図9C、図10A-図10Dの3層の10×10の3D原子格子の図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図11Aの構造の側断面図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、図8E、図9A、図10A、及び図11Aに対応する例示的な組立てられたQCシステムの斜視図を概略的に示す。 本明細書に記載される特定の実施形態に従って、様々な多層量子ビット格子配列について所与のゲートフィデリティで同時にエンタングルできる量子ビットの総数を比較する3つの表を示す。
[概要]
本明細書で開示する特定の実施形態は、三次元(3D)格子構造(例えば、セル)の配列として配置される複数の全結合量子ビットを備える格子構成を備え、幾何学的レイアウトで配列された量子ビットによって同時多量子ビットゲート操作(演算)が可能である。本明細書で開示する特定の実施形態は、有利には、格子層の数を増やし、同時にエンタングル可能な(もつれることが可能な)量子ビットの数を、リュードベリ原子についての現在の正方形ベースのフォトニック格子を用いて現在達成可能な限界を超えて(例えば、許容範囲のゲートフィデリティで)、そしてイオンについての六角形の多層表面トラップ幾何学的配置で達成可能な量子ビット密度を潜在的に超えて増加させる。
本明細書で開示する特定の実施形態は、最適で効率的な量子コンピュータを構築するための課題に対処するものである。そのような課題の1つは、最大数の最近傍、次最近傍、次次最近傍等の量子ビットが同時にエンタングル可能で、多量子ビットの量子ゲート操作を(例えば、幾何学的に単一ゲート操作の範囲内で)ネイティブに提供できる実装可能な量子ビットの幾何学的構造をどのように設計するかである。この工学的課題は、2つの等価な部分で構成される。一方は、量子ビットをどのように最適なエンタングリング幾何学的配置に閉じ込める(例えば、トラップする;結晶格子サイト位置を設計する)かである。このような閉じ込めは概して、結晶、電極及び/又は磁場の欠陥部位の正確な周期的位置と併せて、複数のレーザーの複雑な交差を設計する必要がある。他方の工学的課題は、どのように可能な限り選択的に(例えば、個々に)量子ビットをアドレス(例えば、照射;励起;操作)して、読み出す(例えば、検出;撮像する)かである。このアドレッシングは、グローバルアドレッシングで頻繁に行われる、可能な限り多くの量子ビットの間に同時エンタングルメントを生成することを越えることができる。むしろ、多数のエンタングルされた量子ビットの最大限の計算能力を活用することは、所望の多量子ビットゲート操作の個々の量子ビット状態を操作して読み出すことを含むこともでき、これは、必要に応じて個々に各量子ビットをアドレスする能力を利用するものである。この能力は極めて重要でありえる。なぜなら、各量子コンピューティングゲートの本来備わった計算能力は、各ゲート操作において論理量子ビットとして完全に関与することができる同時にエンタングルされた量子ビットの量子ビット数に指数関数的である(例えば、2のべき乗に比例する)ためである。また、オーバーヘッド(例えば、誤り訂正量子ビット;冗長量子ビット;アンシラ量子ビット)を考慮しなければならない。これは、非常に多数の量子ビットの誤りを訂正するために、表面符号が使われるスケールまで量子コンピューティングアーキテクチャのサイズが大きくなるにつれ、劇的に(例えば、桁違いに)増大する。このため、ゲートセルにおいてより個々にアドレス可能な(例えば、論理)量子ビットを同時にエンタングルするという総合的な利点は実に、表面符号誤り訂正が必要とする追加的な桁違いのオーバーヘッドの使用を更に大幅に低減、又は排除し、上述した初期の指数関数的な高速化さえ大幅に上回ることを可能にする。
本明細書で開示する特定の実施形態は、互いに実質的に平行で、三次元(3D)セルの配列を形成する、複数の二次元(2D)(例えば、平面)量子ビット配列(例えば、層)として構成することができる。セルの配列は、3D結晶構造に類似させることもできるし、又は、そのように呼ぶことができる。利用される(例えば、最適化される)量子相互作用の性質を説明するために、光格子構造においてトラップされた中性(例えば、非荷電)原子量子ビット又はリュードベリ原子量子ビットを利用するものとして(例えばI.Bloch,”Quantum coherence and entanglement with ultracold atoms in optical lattices,”Nature 453,1016(2008)参照)、本明細書では、様々な実施形態を説明するが、他の実施形態は、構造と機能の両面で同等な、格子構造における1つ以上の代替する量子ビット技術(例えば、天然結晶格子;人工的に形成された結晶構造にトラップされた量子ビット)を用いることができる。(例えば、最大数の最近傍、次最近傍、次次最近傍等の量子ビットが同時にエンタングルされることを可能にする、パイロクロアに似た構造の拡張を形成でき、それにより、従来は数百、数千の1量子ビット及び2量子ビットの量子ゲート操作の連結で提供されていたものを、単一ゲート内で提供することができる。)
結晶における原子空孔中心(例えば、ダイヤモンドにおける窒素空孔中心、以下、単に「NV中心」と呼ぶ)の1つの例示的な代替技術もまた、フィデリティ(fidelity)、コヒーレンス時間、最大10個の量子ビット間での全結合、最大7個の量子ビットとの多体エンタングル状態といった点で最近進歩している(例えば、C.E.Bradleyらによる「A 10-qubit solid-state spin register with quantum memory up to one minute」,Phys.Rev.X9,031045(2019)参照。)。原子のような特性とともに、NV中心が示すこのような特性は、本明細書に記載される特定の実施形態に直接適用できる量子ビット技術のもう1つの例を形成し、例えば、最大数の量子ビットを同時にエンタングルすることと、多層光格子において量子ビットを個々にアドレッシング(例えば、初期化、ゲート操作の実行、及び値の読み出し)するための最適な幾何学的アクセスと、の両方を可能にする3D格子を形成する上での問題に対する実質的に等価な解決策である。更に他の実施形態は、他の代替的な量子ビット技術、例えば、トラップされたボース・アインシュタイン凝縮(BEC);中性分子;フォノン;光子;及びその他を使用できる。
本明細書に記載される量子コンピューティング(QC)システムの特定の実施形態は、有利には、最近傍、次最近傍、次次最近傍、及び潜在的にそれ以上の間で、最適な数の量子ビットを同時にエンタングルできる多層アーキテクチャを提供する。特定の実施形態は、スケーラブルな量子プロセッサを設計するために必要な、電気的、磁気的、及び光学的アドレッシング、制御、検出、及び読出しの最適な組み合わせを可能にするように構成された幾何学的配置を含む。全結合の量子ビットの配列は、使用される量子ビットの種類又はそれらのレイアウトにより、エンタングルされたゲート操作が特定のペアに限られる設計よりも効率的で柔軟性がある、ハードウェアにおいて量子アルゴリズムを実行するための選択肢を提供する。この向上した効率及び柔軟性は、配列の中の量子ビット数とともに急速に増大する。一度に2つを超える量子ビットを巻き込むゲート操作を実行する能力を追加することで、1量子及び2量子ビットゲートに限定された設計よりも効率向上を著しく加速することができ、何十ものそれらを、1つの4量子ビットゲートと置き換えることができる。本明細書に記載される特定の実施形態は、複数の量子ビット配列(例えば、複数の直接接続(directly-connected)された平面格子)を使用して、一次元及び二次元の幾何学構成の課題(例えば、結合性に対する制限;二次元のみに限られる場合に、ますます高密度になるゲートアレイの中で各量子ビットを制御するのに必要なコンポーネントの混み合い)を有利に回避する。特定の実施形態において、パイロクロアのような結晶に類似した、量子ビットの多次元セルが形成される。特定の実施形態において、量子ビットの多次元セルは再構成可能であり、様々な結晶構造に形成でき、結晶構造に従って、(例えば、セル内;セル間;層間での)最近傍、次最近傍量子ビット、及びそれ以上が、選択されたゲート操作のために同時にエンタングルされる。ゲート当たりの関与する量子ビットを多く利用することで、回路の深さ、誤り訂正、及び干渉軽減の要件を減らすこともできる。再構成可能なコンポーネントセルは、量子FPGA(QFPGA)及び量子ASIC(QASIC)レイアウト(例えば、チップ)を可能にすることができる。
本明細書に記載されるQCシステムの特定の実施形態は、三次元(3D)格子構造(例えば、セル)の配列として配置される複数の全結合量子ビットを備える多層構成を備え、幾何学的レイアウトで配列される量子ビットによって同時多量子ビットゲート操作が可能である。例えば、層における複数の平面的な量子ビット配列(例えば、行及び列;格子)は、互いに実質的に平行であり得て、結晶構造と類似にされ得る、又は結晶構造と呼ばれ得る3Dセルの配列を形成し得る。特定の実施形態において、量子ビットは、複数の量子ビット格子閉じ込めゾーン(例えば、並列中性原子トラップ配列;NV中心)内に局在化(例えば、トラップ;浮遊;閉じ込め)されて、複数の最近傍量子ビット、複数の次最近傍量子ビットなどの間に直接的に最適なコヒーレント結合(例えば、エンタングルメント)を可能にし、それは複数の実質的に平面な配列領域(例えば、層;レベル;平面)にわたり、インシチュー(in situ)処理の量子ビットを他の種又はデータビットへと損失の多い変換をしたり、又は著しい時間遅延を伴ったりする非効率的なフォトニック又は他の相互接続(例えば、量子テレポーテーション)を必要としない。特定のこのような実施形態は、1量子及び2量子ビットゲートに限定された設計に比べて、効率向上を著しく加速することができる、一度に2つを超える量子ビットを巻き込むゲート操作を実行する能力を提供する幾何学的に対称なセル構造を利用する。特定の他の実施形態は、互いに実質的に平行な複数の二次元の(2D)量子ビット格子配列(例えば、平面格子;グリッド;行及び列)として構成され得て、複数の2D層の間に3D構造を形成することを可能にする。
中性原子(例えば、非荷電原子、リュードベリ原子)量子ビット手法の物理学に従い、様々な実施形態を本明細書に記載するが、他の量子ビット手法(例えば、NV中心;超伝導量子ビット;本明細書において引用される他のもの)も、一般性を損なうことなく、本明細書に記載される特定の実施形態に従い使用することができる。
本明細書に記載されるQCシステムの特定の他の実施形態は、複数の多量子ビット三次元(3D)ゲートセルであって、各セルが三次元にわたって同時に全結合できる少なくとも3つの量子ビットを備えるゲートセルと、2つ以上の多量子ビットゲートのゲート操作のために構成された複数の多量子ビットセルと、を備える。特定のこのような実施形態に係るQCシステムは、例えば並列中性原子トラップ配列といった、複数の実質的に平行な量子ビット閉じ込め格子を備えることができ、これは、複数の最近傍量子ビット、複数の次最近傍量子ビットなどの間でダイレクトに、複数の配列層、複数のレベル、又は複数の平面にわたって、フォトニック量子ビットへ及びフォトニック量子ビットからの変換、又は他の非効率的な相互接続(例えば、著しい損失及び/又は時間遅延を伴う相互接続)を必要とせずに、最適なコヒーレント結合又はエンタングルメントを可能にする。多量子ビットセルは、幾何学的対称性を用いて、複数の1量子ビットゲート及び2量子ビットゲートの連結に依存することなく、1つのゲート操作で、多量子ビットゲートをネイティブに実現できるように構成され得る。セルにおける複数の量子ビットの間の等辺連結距離の対称性を利用することで、一度に2つを超えるエンタングルされた量子ビットが、そうでなければ1つのみの量子ビットゲート及び2つの量子ビットゲートからなるより多くの量子ビットゲート操作を必要としたであろうゲート操作を実行できる。
本明細書に開示される他の実施形態は、互いに実質的に平行な複数の2D配列層(例えば、2D格子;平面;グリッド)において実質的に配置される複数の量子ビットを備えるQCシステムを提供し、少なくともいくつかの2D配列層は、2つ以上の量子ビットを備え、各配列層の1つ以上の量子ビットは少なくとも1つの隣接する2D配列層の1つ以上の量子ビットと相互作用するように構成される。QCシステムは、互いに実質的に平行な複数の原子トラップ層(例えば、2D光格子トラップ)を備えることができ、QCシステムは、トラップ層間及び/又はトラップ層内の領域に位置する複数の多量子ビットゲートとして配置される複数の量子ビットを備える多量子ビット3Dゲートアレイを更に備えることができる。例えば、多量子ビットゲートアレイの量子ビットは、中性原子(例えば、非荷電原子、リュードベリ状態)、NV中心又は他の量子ビット種を備える原子量子ビットを含むように構成された2Dトラップ配列を備えることができる。リュードベリ原子、NV中心及び他の原子量子ビット種の例として、量子ビットは、格子に閉じ込められ(例えば、ポテンシャル井戸;原子空孔中心内にトラップされ)、それは光ビーム(例えば、レーザー)格子によって作成され得て、複数の実質的に平行なトラップ配列層(例えば、格子;レベル;平面)に、実質的に配置されることができ、少なくとも1つの2Dトラップ配列層の量子ビットのうち少なくともいくつかは、少なくとも1つの他の(例えば隣接する)実質的に平行なトラップ配列層の少なくともいくつかの量子ビットと直接相互作用する(例えば、量子力学的にエンタングルする)ように構成される。
本明細書に記載されるQCシステムの各実施形態において、セルごとの複数の量子ビットの対称的又は等辺的なカップリング形状は、単一のゲート操作でより複雑な量子ゲートを実行することを可能にし、更に、回路の深さ、誤り訂正及び干渉軽減の要件を低減することが可能である。交換可能なコンポーネントセルは、量子FPGA(QFPGA)及びASIC(QASIC)レイアウト(例えば、チップ)を可能にし、高度に再構成可能であり得る。
本明細書に記載されるQCシステムの特定の実施形態は、有利には、一次元(1D)レイアウト又は二次元(2D)レイアウトを用いて提供されるよりも多くの量子ビット及び/又は量子ビットゲートが計算に使用されることを容易にする、量子ビット及び/又は量子ビットゲートの三次元(3D)レイアウトを提供する(例えば、J.I.Cirac、P.Zollerによる「A scalable quantum computer with ions in an array of microtraps」,Nature,Vol.404,p.579(2000);J.ChiaveriniらによるQuant.Inf.Comp.Vol.5,419(2005)参照。)。例えば、本明細書に記載される特定の実施形態は、量子ビットゲートの3Dレイアウトを提供し、それぞれが複数の原子量子ビット(例えば、3つ以上の同時にエンタングルされた中性原子、荷電原子、NV中心量子ビットなど)を備え、同時に各量子ビットのアドレッシング、操作、制御、読出し、及びポテンシャルサイドバンド冷却のための電気的接続と光経路とを容易にするのに充分な間隔を提供し、更には、照準線アクセス角度(line of sight access angles)を提供する。
量子ビットの特定の配置又は組が、任意の量子ビットがその組の内の他の任意の量子ビットと直接的に量子力学的にエンタングルされる(もつれ合う)ことを可能にする場合、その量子ビットは「全結合(fully connected)」であると記述することができる。例えば、一次元の(1D)線形原子トラップにおいて全結合するイオン(例えば、荷電原子)を備えた少数の量子ビットであっても、対にしか結合しない同じ数の量子ビットよりも、測定できるほどに大きな潜在的処理能力を示すことができる(例えば、N.M.Linkeらによる「Experimental comparison of two quantum computing architectures」,PNAS,Vol.114,no.13(2017)参照。)。
過去20年にわたり実証された量子コンピューティング(QC)の設計は、どのくらい迅速に量子コンピュータが、それに匹敵する古典的コンピュータを性能的に上回ることができるかに最も影響するパラメータが、単純に何個の量子ビットが何らかの方法で接続されるか、に基づくものではないことを示している。このようなシステムの実証された性能は、量子ビットのフィデリティ(例えば、システムがどれだけ正確にゲート操作を実行することができるか)、どのように量子ビットが相互接続されるか、及び、量子ビットが協働して難しい問題の解を計算できるようにするためにどれだけのオーバーヘッドが使用されるか、に帰着してきた。
1量子ビットゲートは、単に量子ビットそれ自体を、「0」から「1」に反転させること、又は、「0」及び「1」の特別な量子重ね合わせ(量子スーパーポジション)に反転させることを伴う。2量子ビットゲートは、量子もつれ(エンタングルメント)で結合した重ね合わせを使って2つの量子ビットを結合し、量子ビットの一方に何かを行うと、他方にも影響が及ぶようにする。このような2量子ビットゲートでは、ターゲット量子ビットは、状態「0」又は状態「1」でスタートしてもよく、「0」と「1」の任意の重ね合わせ(例えば、「0」と「1」の中間)であることができる。例えば、量子制御NOT(CNOT)ゲートの機能は、制御量子ビットが状態「1」の場合、ターゲット量子ビットを反転させる;そうでなければ何もしない。1量子又は2量子ビットゲートは、多くの様々な量子ゲートベースのアーキテクチャにおいて直接実施することができる。より複雑なゲート操作について、一度に2つを超える量子ビットをエンタングルできる実施形態は、操作を達成するために実行されるステップと量子ビットの総数と、それらを組み込んだアルゴリズムとに著しい影響を与え得る(例えば、C.Figgattらによる「Parallel entangling operations on a universal ion-trap quantum computer」,Nature,Vol.571(2019);Y.Luらによる「Global entangling gates on arbitrary qubits」,Nature,Vol.571(2019)参照。)。前もって使用される量子ビット及びステップの数が、測定可能に削減できることで、ある場合には、成功した結果を達成するためのオーバーヘッドを劇的に減少できる。一例としては、時間の一部であっても大規模な誤り訂正をせず、より少ないアンシラで、そうでなければ解決困難な問題に解を与えることができるプロトタイプ実証が挙げられる。
本明細書に記載される特定の実施形態は、複数の全結合した高フィデリティの量子ビットを使用する。このような特定の実施形態の利点(例えば、1量子ビット及び2量子ビットゲートの組合せを使用することとは対照的に、特定の量子ゲート操作が、どれくらいより効率的でありえるか)は、4つの全結合、高フィデリティの量子ビットを備える例示的な量子三重制御NOT(CNOT)ゲートを考慮することにより説明できる。CNOTゲートは、スーパートフォリ(super-Toffoli)ゲートとも呼ばれる。この例示的なCNOTゲートにおいては、4つ目のターゲット量子ビットを「1」から「0」へ反転させるためには、3つの制御量子ビットの全てが特定の状態(例えば、「1、1、1」)でなければならない。このような多量子ビットの量子ゲートは、1つ以上の単一量子ビットゲート操作と組み合わせて使用され得て、量子コンピューティングのためのユニバーサルセットを完成させることができる。多重制御NOTゲートは、参考文献において、概して、拡張された一連の1量子及び2量子ビットゲート操作を備えるものとして記載される(例えば、M.A.NielsenとI.L.Chuangによる「Quantum Computing and Quantum Information」,1st ed.(Cambridge Univ.Press,2000)参照。)。物理的な実装において、これらの1量子及び2量子ビットゲート系列がどの程度まで更にいっそう増加するかは、使用される量子ビットのタイプと、どれくらいの量子ビットを全結合して互いにエンタングルできるかに依存する。しかし、4つの全結合した、同時に多重にエンタングルされたイオンを使用して実装されるCNOTゲートは、適切な物理的レイアウトであれば、1量子及び2量子ビットゲートのみで実装されるCNOTゲートで使用される量子ゲート操作のごく一部で構成できる。よりシンプルなCNOTトフォリゲートを実装する方法は、トラップされたイオンを用いて最初に説明され(例えば、J.I.CiracとP.Zollerによる「Quantum Computations with Cold Trapped Ions」,Phys.Rev.Lett.Vol.74(20)(1995)参照。)、その後、実証された(例えば、T.Monzらによる「Realization of the Quantum Toffoli gate with Trapped Ions」,Phys.Rev.Lett.Vol.102,040501(2009)を参照。)。3量子ビットCNOTの実装は、寄与するゲート数と、全てのゲート操作を完了するのに必要な時間を著しく減少させることを既に示しており、1量子及び2量子ビットゲートの連結よりも、たとえそれらの個々のフィデリティがはるかに高くても、ゲートエラーの総計により、正味のフィデリティを向上させた。この3量子ビットゲートは、幾何学的対称性を強く要求することなく、線形トラップにおいて実現することができた。対照的に、本明細書に記載される特定の実施形態は、本明細書に記載される設計の完全な3D対称性を利用することにより、CNOTゲートを提供する。このように、上記で示した効率改善例は、各CNOTゲートの制御数に応じて、それらを実装するために必要な量子ゲートの付随的な削減を通じて、大幅に倍増することができる。位相回転を含む他の多重制御ゲート操作は、同時に2つを越えるエンタングルされた量子ビットを巻き込む物理的構成を使用して、同様の効率改善を示すことができる。これらの改善により、誤り訂正を実に大幅に減らすことができる。
最高品質の量子ビットでさえ、顕著な誤り率を示し、これは、量子ビット当たりでは小さくても、アルゴリズムを実行するために用いるゲート数により増加し得る。量子操作の小セットであっても、信頼性の高い結果が得られるそれなりの確率を伴う形でこれを実行するために、誤り訂正が必要であるような閾値に、誤り率の総計が達する場合、アーキテクチャの効率は、誤り訂正のために使用するオーバーヘッドの量に比例して直ちに低下する。
論理演算を実行することを目的とする数百の比較的高品質な量子ビットを有する小規模量子コンピュータの場合、誤り訂正量子ビットとアンシラのオーバーヘッドは、量子ビットの数を1桁の大きさ増やすことになり、すなわち約10倍増やすことになり、それに比例して効率が減少する。より大規模システムの場合、オーバーヘッドは、更に多数桁の大きさまで、増加する可能性がある。しかし、本明細書に記載される特定の実施形態では、全結合、高品質の量子ビットの総計の効率からの恩恵を受け、(例えば、多次元の幾何学的配置を利用することによって、ネイティブに実行される)多量子ビットゲート操作を採用する量子コンピュータは、大幅に少ないステップ及び大幅に少ない総数の量子ビットを使用できる。本明細書で使用する場合、「ネイティブ」なゲート操作という用語は、幾何学的レイアウトのおかげで、2つを超える量子ビットが同時に関与できることを示す。本明細書に記載される特定のネイティブな多量子ビットゲートの実施形態は、有利には、大規模な誤り訂正オーバーヘッドを使用することなく、アルゴリズムを実行することができる。更に、数桁少ない量子リソースを用いて、オーバーヘッドの減少による、全体的な設計効率の顕著な改善を達成することができ、それにより、基本的な量子コンピューティングアルゴリズム又はサブルーチンを実行しつつ、古典的コンピューティングシステムと比較して高速化された実用的な有用性を示すことができる。
現在まで、原子量子ビットを用いた多くのQCシステムは、一次元の(例えば、線形の)トラップを採用しており、これらのトラップはその後、電気的に、又は、光を用いて相互接続され得る(例えば、米国特許第9,858,531号;Debnathらによる「Demonstration of a small programmable quantum computer with atomic qubits」,Nature,Vol.536,p.63(2016)」参照。)。このような1Dトラップの多くは、共通のポテンシャル井戸又はトラッピングゾーン内で量子ビットの線形鎖が全結合することを可能にする。全結合の範囲は、線形鎖の対向する端点の又はその近傍にある量子ビット間の結合の強さが弱すぎて信頼性の高い多量子ビットゲート操作に使用できなくなる前に、どれくらい多くの量子ビットを互いに連鎖させることができるかにより制限されるため、限られた長さの複数の線形トラップの間に相互接続を形成することが望ましい場合がある。光相互接続(インターコネクト)は、例えば、量子ビット状態を原子量子ビットから光子へ転送し、その後、量子状態を別の原子へ転送する別の線形トラップにその光子を送ることにより使用することができる。このようなプロセスに一般的に用いられるプロトコルの一種は、「量子テレポーテーション」と呼ばれる。このような相互接続は、(例えば、原子量子ビットから光子へ、そして、第2の原子への)変換に時間遅延及び潜在的非効率性をもたらす。本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、光相互接続を伴う線形又は2D要素を用いて効率的に行うことができるよりも、より直接的な量子ビット対量子ビットの相互作用を同時に最適化するための代替的な構成を提供する。より多数の量子ビットへスケールアップする場合、特定のこのような実施形態は、有利には、関連するペナルティ(例えば、時間遅延;イオン-光子変換損失)を伴うノード間の光相互接続の数を減少させるか、回避することができる。
長方形の二次元の(2D)グリッド構成は、トラップイオン手法や超伝導量子ビット(SCQ)方式において以前から採用されてきた。このような2Dグリッド手法において、量子ビット間の相互作用は概して、トラップされたイオンのグリッドレーン内で発生する1量子及び2量子ビット操作(例えば、交差点を介してレーンに量子ビットを往復して出入りさせることによる)に限られ、通常は顕著な冗長性に依存し、アルゴリズム実行中の成功確率を使用可能なレベルにまで引き上げるために、誤り耐性度を強めるものである。例えば、ある手法では、量子ビットのアンサンブルのグローバルアドレッシングを使用し、グリッドにおいて整列する交差点に対して、量子ビットをイン/アウトさせるように往復させることにより、多数の量子ビット内で、単一の1量子又は2量子ビット操作を冗長的に行い、平均化して誤りを減らす。このような手法のオーバーヘッドは、単一の論理演算を十分なフィデリティで実行するための冗長量子ビット数の観点から、量子コンピュータにより実行され得る論理演算のスケールに比例して急速に増大する。これに対し、本明細書に記載される特定の実施形態では、同時に巻き込まれるように、直接的又はネイティブに多量子ビットゲート操作を行うことができるように、量子ビットを2つ以上の次元に配置することにより、2つを超える量子ビット間のエンタングルメントが可能となる。
他に提案及び/又は採用されてきた2D格子手法として、まずは、リュードベリブロッケード(Rydberg-blockade)法を適用した、中性原子を使用した手法が挙げられる(例えば、M.Saffmanらによる「Quantum information with Rydberg atoms」,Rev.Mod.Phys.82,2313(2010);K.Mallerらによる「Rydberg-blockade controlled-not gate and entanglement in a two-dimensional array of neutral-atom qubits」,Phys.Rev.A92,022336(2015)参照。)。初期のリュードベリブロッケード方法のフィデリティは、コンピューティング用の量子ゲートを形成するには競争力がなかったが、これらのリュードベリブロッケード法がそれ以降、リュードベリ原子をエンタングルする改善された方法に凌駕されてきた(例えば、D.Petrosyan etらによる「High-fidelity Rydberg quantum gate via a two-atom dark state」,Phys.Rev.A96,042306(2017);M.Khazali及びK.Molmerによる「Fast Multiqubit Gates by Adiabatic Evolution in Interacting Excited-State Manifolds of Rydberg Atoms and Superconducting Circuits」,Phys.Rev.X10,021054(2020)参照。)。
本明細書に記載される特定の実施形態を、記述的な用語及び視覚的なレイアウトが類似していると思われる可能性のある他の手法と区別するために、例えば規則的な幾何学的格子トラップなど、2Dの周期的な結晶構造の全体のレイアウトは、多体相互作用の物理学を研究するために有用である方法で形成されてきたが、これは、複数の量子ビットの間でゲート操作を実施するためではないことに注意されたい。例えば、三角形のイオントラップ(例えば、ペニングトラップ)は、周期的な電位井戸の表面として形成することができ、その中に、イオンを配置することができ、それにより、特定の種類の量子シミュレータに使用できる拡張2D結晶又は三角格子を形成することができる。これらのトラップは、モデル化される量子システムの、それらを模倣したエネルギートポロジーを形成するために(例えば、ある分子の最低電子エネルギー構成を見つけるために)用いることができる。同様に、四面体、六角形のキタエフモデル(例えば、A.Kitaevによる「Anyons in an exactly solved model and beyond」,Ann.Phys.Vol.321,2(2006);R.Schmiedらによる「Quantum simulation of the hexagonal Kitaev model with trapped ions」,New J.Phys.13 115011(2011)参照);ハイブリッド格子;カゴメ光格子(R.Samajdarによる「Quantum phases of Rydberg atoms on a kagome lattice」,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.118,e2015785118(2021)参照)、及びその他の規則的な格子構造は類似し得るが、設計の複雑性及び目的において本明細書に記載される特定の実施形態とは根本的に異なる。例えば、このような結晶格子構造は、量子システムのシミュレーションのために設計されてきたが、このような構造は概して、ゲート操作を行うことを意図していない。特に、本明細書に記載される特定の実施形態に従うイオン(例えば、キタエフモデルに従う)又は中性原子(例えば、カゴメ光格子内の)の2D六角格子を備える量子シミュレータは、概して、量子ゲート操作可能な「フルアップ」量子コンピュータのそのような構造の複雑性及び数と比較して、より少ないレーザーで(例えば、個々にアドレッシングするレーザーではなくグローバルアドレッシングで)、より簡単な量子ビット制御、アドレッシング及び読出しスキームを使用することができ、検出スキームが簡単で、使用する電極構造が少ない。
本明細書に記載される特定の実施形態は、2Dトラップ原子格子からスケールアップしたゲートモデルQC構造を設計する際に急速に成長し得、困難又は実行不可能に思われるハードウェアに係る課題解決を有利に促進する。例えば、本明細書に記載される特定の実施形態は、各量子ビットのアドレッシング、操作、読出し及びポテンシャル・サイドバンド・トラッピング及び/又は冷却のための光学要素(例えば、レーザー;光学ポート;ファイバー;検出器)をQC構造に統合し、照準線アクセス角度(line of sight access angles)を提供する。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、最適な数の隣接する量子ビット間で同時のエンタングルメントを可能にすることによって、複雑な量子アルゴリズムを直接「書き込み」、実行することができるスケーラブルなハードウェア構成を提供する。特定の実施形態において、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの従来のファームウェアに類似した、多次元の量子ゲートの実装は、多量子ビットゲートの形態で直接書き込むことができ、柔軟に再プログラムできる。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、多次元の幾何学的配置を利用することによって、多重制御量子ゲート操作をネイティブに実行することを可能にする。特定の実施形態において、量子ゲート操作は、最少のステップ数で(例えば、多重制御NOT操作を実現するのに1量子及び2量子ビットゲート操作の連結に頼ることなく)量子ファームウェアプラットホーム上で実行される。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、ユニバーサル量子コンピューティングを可能にするために、回路モデルアーキテクチャにおける各量子ビットの完全な制御と読み出しのための電気的及び光学的アクセスを統合することによって、量子ファームウェアプラットホームを必要に応じてスケールアップできる、実現可能な工学構成を提供する。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、最適な数の量子ビットが、最近傍、次最近傍、次次最近傍及びそれ以上の量子ビット間で同時にエンタングルされることを可能にするように構成された多層量子コンピューティング構造を提供する。特定のこのような実施形態は、スケーラブルな量子プロセッサにおいて、量子ビットのアドレッシング、制御、及び読出しのための電気チャネル及び光学アクセスを含む。例えば、全結合の量子ビットの配列は、有利には、エンタングルされたゲート操作が特定のペアに(例えば、採用される量子ビットの種類又はそれらのレイアウトのために)限定される他の設計よりも、ハードウェアにおいて量子アルゴリズムを実行するのにより効率的な、柔軟性がある選択肢を提供する。この改良された効率及び柔軟性は、配列における量子ビットの数に応じて、急速に成長可能である。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、一度に2つを超える量子ビットを含むゲート操作を実行することが可能であり、それにより、1量子及び2量子ビットゲートに限定された従来の設計よりも大幅な効率向上を提供する(例えば、数十のそのようなゲートを1つの4量子ビットゲートに置き換えることによって)。本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、一次元及び二次元の量子ビットの幾何学的配置(例えば、線形トラップイオン;2Dグリッドにトラップされたイオン;2Dダイヤモンド格子のNV中心;他の1D及び2D量子ビット格子)に存在する接続の制限を克服する。例えば、量子ビット配列の間に直接的な結合(例えば、エンタングルメント)を持たせて、量子ビットを複数の量子ビット配列(例えば、複数の平面及び/又は線形の量子ビット配列)に配列することにより、1D鎖又は2Dグリッドにおいて数十の原子からスケールアップを継続するためにイオン量子ビットからフォトニック量子ビットに変換し、再び戻すために生じる、著しい時間遅延及び非効率性の問題を解決できる。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、複雑な3D結晶構造(例えば、パイロクロア)に類似した多次元もつれ(エンタングリング)幾何形状を提供する。加えて、特定の実施形態で設計した、特定の、非妨害の照準線(unobstructed lines of sight)は、各原子量子ビットを個々にかつ一意的にそして量子ビットのアンサンブルをグローバルにアドレッシングするための複数の角度からの光アクセスを有利に提供する。特定の実施形態は、有利には、検出器による個々の原子量子ビット状態の読出しのための複数の光アクセスを提供する。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、中性原子量子ビット(例えば、外殻電子が高励起状態まで高まった非荷電リュードベリ原子)を利用して多層量子ビット格子配列を形成し、これは、、代替の量子ビットの種類に対する本システム及び本方法の適用可能性を示すとともに、情報処理能力を更に説明するのに役立つ。近年、リュードベリ原子をエンタングルする技術が向上し、量子コンピューティングへの適用がますます現実的となっている(例えば、M.Khazali及びK.Molmer(2020);D.Petrosyanら(2017)参照。)。技術向上の結果、リュードベリ原子は、本明細書に記載されるシステム及び方法のための別の例示的な量子ビットとして機能することにも非常に適している。リュードベリ量子ビット格子を成形する技術は、コヒーレント光ビーム(例えば、レーザー)を交差させて、光学サイドバンドとの電磁界相互作用を作り、エネルギーポテンシャル井戸を形成することを含むことができ、これにより、交差する光ビーム内(例えば、赤色サイドバンドによって形成されるポテンシャル井戸内)、又は、光ビーム間(例えば、青色サイドバンドによって形成されるポテンシャル井戸内)のスペース(例えば、セル)内に、個々の中性原子量子ビットをトラップするものであり、これは、電気的ポテンシャルを使ってイオン量子ビットをトラップするのと類似しており、トラップされたイオン格子配列と同じ利点を多く備え、いくつかの特定の長所を備える。例えば、リュードベリ量子ビットは、トラップされたイオンに関連する、最高の量子ビットゲートフィデリティ及び最長のライフタイムを未だ実証していないが、リュードベリ原子を六角形格子層に構成することによって、結晶幾何学配置(例えば、パイロクロア構造)であって、主な例としてイオン量子ビットを用いた米国特許出願公開番号2021/0142204A1に記載される結晶幾何学配置と同等及び/又はそれに連続するものを作ることができる。リュードベリ原子をトラップするために利用されるフォトニック格子構造は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、非常に接近した量子ビット間隔及び追加的な配列層を可能にすることができる。
本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、(例えば、主に荷電原子量子ビットの例を使用する)米国特許出願公開番号2021/0142204A1に記載されるものと同等の幾何学的配置における多層格子構造の量子ビット配列にリュードベリ原子を利用し、これには、ポテンシャルであって、格子層の数を増大させ、リュードベリ原子についての現在の正方形ベースのフォトニック格子を用いて、現在達成可能な限界を超えて(例えば、許容可能なゲートフィデリティで)、そして潜在的には、イオンについて本明細書に記載する六角形の多層表面トラップ幾何学的配置で達成可能な量子ビット密度を超えて、同時にエンタングルされ得る量子ビットの数を増加させるポテンシャルがある。小規模な線形及び/又は正方形の配列に中性のリュードベリ原子をトラップすることに係る最近の実験データによると、スケーラブルなフォールトトレラント量子コンピューティングに十分な多量子ビットゲートフィデリティで2Dの正方形格子において、およそ20量子ビットが同時にエンタングルされ得ることが示されている(例えば、M.Khazali及びK.Molmer(2020)参照。)。
コヒーレントフォトニックビーム(例えば、レーザー)の多軸配列を3D光トラップ格子に統合して、3D格子セルの形状と間隔を調整し、多方向の最大数のセルにわたって量子ビットの間でエンタングル操作の数及びフィデリティを最適化することによって、本明細書に記載される特定の実施形態は、有利には、多次元エンタングリング幾何学的配置を提供し、この幾何学的配置は、荷電原子量子ビット(例えば、イオン)のそれと同等であり、3D結晶構造(例えば、パイロクロア)に類似し、複雑性と処理能力が同等、場合によっては増大するものである。例えば、本明細書に記載される特定の実施形態は、フォトニック多層量子ビット格子配列においてリュードベリ原子を利用することで、量子ビット間の間隔(例えば、フォトニックトラップ格子において10ミクロン未満)を有利に最小化することができる。本明細書に記載される特定の実施形態は、イオンについて本明細書に記載されたものと同等の、六角形の多層格子配列を組み込み、それにより、格子層の追加(例えば、3、4、5層以上)を可能にしながら、12個を越える同時にエンタングルされた量子ビットの全結合を可能にする。これらの例示的な実施形態は、より多くの量子ビットを同時にエンタングルする能力をもたらすことができる。処理能力は、同時にエンタングルできる実質的に同等なフィデリティの量子ビットの数とともに指数的に増加するため、この数を例えば12個のエンタングルされた原子量子ビットから42個の量子ビットに増加させた場合、30個の量子ビットの差は、230の計算能力の増加、又は10億倍以上の優位性へ変換できる。
[例示的な実施形態]
本明細書に記載される特定の実施形態は、量子ビットの多次元構成(例えば、セル;ノード)を利用し、それらは3D結晶構造(例えば、パイロクロア)に類似し得る。特定の実施形態は、ゲートごとに多くの量子ビットを利用し、回路の深さ、誤り訂正、及び干渉軽減を有利に低減(最小化)できる。特定の実施形態は、有利には、量子FPGA(QFPGA)及び量子ASIC(QASIC)チップを可能にすることができる交換可能なコンポーネントセルを利用する。
特定の実施形態の物理的構成は、高フィデリティのトラップされた原子量子ビット(例えば、低エラー率を伴う)を使用するものとして本明細書に記載されるが、複数の他の量子ビットと同時に多次元でエンタングルされ得る任意の種類の量子ビット(例えば、天然に存在する;人工的に形成された)を、本明細書に記載される特定の実施形態に従い使用できる。本明細書に記載される特定の実施形態に適合する量子ビットの例は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:素粒子;中性原子;イオン;中性分子;荷電分子;ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC);電子;電子ホール;励起子;磁気量子ビット;(例えば、ダイヤモンドの)窒素空孔(NV)中心;フォノン;光子;量子ドット;リュードベリ原子;シリコンスピン;及び、場合によっては超伝導量子ビットが挙げられる。特定の実施形態において、量子ビットは、特定の構成において2つを超える量子ビットとの間に直接(例えば、ネイティブに)ゲート操作を行うのに適する。例えば、特定の実施形態の物理的アーキテクチャは、有利には、1量子及び2量子ビットゲートの直列的な連結に頼ることなく、例えば多重制御NOT又は位相回転といった、複雑なゲート操作を直接的に提供することができる。
本明細書に記載される特定の実施形態において利用されるトラップされた原子量子ビットは、最適化されるべき量子相互作用の性質を示す。トラップされた原子が示すメリットの関連する姿は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:(i)それらが所与の種の範囲内で同一であり、従って、広範囲なキャリブレーション又はチューニングを有利に回避できるという事実、(ii)それらの潜在的なゲートサイクル時間に対し、良好な安定性とコヒーレンス時間とを有する量子ビットを形成する能力、及び(iii)競合する量子ビット技術と比較して、継続的に実証された高フィデリティのゲート操作。本明細書に記載される特定の実施形態において、同時の多量子ビットゲート操作は、複数の同一の全結合量子ビットを3D幾何学レイアウトで配列した原子によって可能となる。特定の実施形態において、全結合量子ビットの3D幾何学的配置は、複数の量子ビットの種類を有利に統合できる。(例えば、複数の制御量子ビットに1種の原子を採用し、ターゲットとして第2の原子種を採用する;隣接するセルに異なる原子種を採用するなど。)
本明細書に記載される特定の実施形態は、様々な量子ビット技術を利用した多層量子ビット配列を備え、以下を含むがこれらに限定されるものではない:天然に存在する原子;中性原子;荷電原子;イオン;分子;人工的に形成された原子;リュードベリ原子;ダイヤモンドの窒素空孔(NV)中心;ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC);電子;光子;量子粒子;量子ドット;フォノン;トランスモン;量子粒子としてふるまう量子状態。本明細書の図は、非荷電原子(例えば、中性原子;リュードベリ状態;中性リュードベリ原子)を備える様々な例示的な多層量子ビット配列を表すが、これらの例示的な多層量子ビット配列は、他の量子ビット技術とも互換性があると理解される。
図1は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、論理量子ビット110を、実質的に平面状の領域120に備える、例示的な量子コンピューティング(QC)システム100の斜視図を概略的に示す。システム100は、第1の実質的に平面状の領域120aに、第1の複数の論理量子ビット110aを備え、第1の複数の論理量子ビット110aの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように構成される。システム100は、第1の実質的に平面状の領域120aと実質的に平行である第2の実質的に平面状の領域120bに、第2の複数の論理量子ビット110bを更に備える。第2の複数の論理量子ビット110bの少なくともいくつかは、互いに相互作用するよう構成され、かつ、第1の複数の論理量子ビット110aの少なくともいくつかと相互作用するように構成される。図1の複数の論理量子ビット110は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、複数の2D平面光学トラップ層にわたって、多量子ビットゲートを形成する。
特定の実施形態において、図1に概略的に示すように、例示的なシステム100は、第2の実質的に平面状の領域120bと実質的に平行である、第3の実質的に平面状の領域120cに、第3の複数の論理量子ビット110cを更に備える。第3の複数の論理量子ビット110cの少なくともいくつかは、互いに相互作用するよう構成され、かつ、第2の複数の論理量子ビット110bの少なくともいくつかと相互作用するように構成される。本明細書に記載される特定の実施形態と互換性を持つ他の例示的なシステム100は、第1、第2及び第3の実質的に平面状の領域120a,b,cと実質的に平行である、少なくとも1つの追加的な実質的に平面状の領域120に、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビット110を備えることができ、少なくとも1つの付加的な複数の論理量子ビット110は、互いに相互作用するよう構成され、かつ、第1、第2及び/又は第3の複数の論理量子ビット110a,b,cの少なくともいくつかと相互作用するように構成される。特定のこのような実施形態において、システム100は、互いに実質的に平行である4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の実質的に平面状の領域120に配置された、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上のひとまとまりの複数の論理量子ビット110と、様々な平面状の領域120の論理量子ビット110であって、互いに相互作用(例えば、平面内相互作用及び平面間相互作用)するように構成された、様々な平面状の領域120の論理量子ビット110と、を備えることができる。
特定の実施形態において、複数の論理量子ビット110(例えば、第1の複数の論理量子ビット110a、第2の複数の論理量子ビット110b及び/又は第3の複数の論理量子ビット110c)は、以下からなる群から選択される少なくとも1つの物理的な量子ビットを備える:天然に存在する原子;中性原子;荷電原子;イオン;分子;人工的に形成された原子;リュードベリ原子;ダイヤモンドの窒素空孔(NV)中心;ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC);電子;光子;量子粒子;量子ドット;フォノン;トランスモン;量子粒子としてふるまう量子状態。特定の実施形態において、複数の論理量子ビット110(例えば、第1、第2及び/又は第3の複数の論理量子ビット110a、b、c)の論理量子ビット110は、個々にアドレス可能(addressable)である。
特定の実施形態において、少なくともいくつかの論理量子ビット110(例えば、第1の複数の論理量子ビット110aの少なくともいくつか、第2の複数の論理量子ビット110bの少なくともいくつか、及び/又は第3の複数の論理量子ビット110cの少なくともいくつか)は、互いに直接的に相互作用するように構成され、2つを超える論理量子ビット110が同時に関与する多量子ビットゲート操作を経験するように構成された少なくとも1つの三次元(3D)ゲートセル配列(例えば、複数の多量子ビット3Dゲートセル130を備える)を形成する。例えば、3Dゲートセル130の各論理量子ビット110は、3Dゲートセル130の少なくとも1つの他の論理量子ビット110と量子力学的にエンタングルされる(もつれ合う)ように構成され得る。
特定の実施形態において、第1の平面状の領域120aの第1の論理量子ビット110aのそれぞれは、第1の平面状の領域120aにおけるいくつかの(例えば、最近傍の、及び次最近傍の)他の第1の論理量子ビット110aと直接的に相互作用するように構成され得る。同様に、第2の平面状の領域120bにおいて、第2の論理量子ビット110bのそれぞれは、第2の平面状の領域120bにおけるいくつかの(例えば、最近傍の、及び次最近傍の)他の第2の論理量子ビット110bと直接的に相互作用するように構成され得て、第3の平面状の領域120cの第3の論理量子ビット110cのそれぞれは、第3の平面状の領域120cにおけるいくつかの(例えば、最近傍の、及び次最近傍の)他の第3の論理量子ビット110cと直接的に相互作用するように構成され得る。更に、第1の平面状の領域120aにおける第1の論理量子ビット110aのそれぞれは、第2の平面状の領域120b内のいくつかの(例えば、最近傍の、及び次最近傍の)第2の論理量子ビット110bと直接的に相互作用するように構成され得て、第2の平面状の領域120bにおける第2の論理量子ビット110bのそれぞれは、第3の平面状の領域120c内のいくつかの(例えば、最近傍の、及び次最近傍の)第3の論理量子ビット110cと直接的に相互作用するように構成され得て、第3の平面状の領域120cの第3の論理量子ビット110cのそれぞれは、第2の平面状の領域120b内のいくつかの(例えば、最近傍、及び次最近傍の)第2の論理量子ビット110bと直接的に相互作用するように構成され得る。図1には示されていないが、特定の実施形態において、少なくともいくつかの論理量子ビット110は、同一の平面状の領域120及び/又は隣接する平面状の領域120の更に遠い論理量子ビット110(例えば、次次最近傍論理量子ビット110;次次次最近傍論理量子ビット110)とさえも、直接的に相互作用することができる。
図2Aは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、互いに実質的に平行である3つの実質的に平面状の領域120a,b,cに36個の論理量子ビット110を備える例示的なシステム100の斜視図を概略的に示す。図2Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、互いに実質的に平行である3つの実質的に平面状の領域120a,b,cに60個の論理量子ビット110を備える他の例示的なシステム100の斜視図を概略的に示す。図2A及び図2Bの例示的なシステム100はそれぞれ、多量子ビットゲートを形成する複数の2D平面光格子層を備える3D格子量子ビット配列(例えば、隣接する実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110間に直交する結合を有し、複数の平面層に論理量子ビット110が浮遊又はトラップされた3D正六角形又は「パイロクロア」格子量子ビット配列構成において)を備える。
特定の実施形態において、図2A又は図2Bに示される論理量子ビット110は、例示的なシステム100の全ての論理量子ビット110であるが、特定の他の実施形態において、図2A又は図2Bに示される論理量子ビットは、例示的なシステム100の論理量子ビット110のサブセットにすぎない。論理量子ビット110は、少なくとも1つの多量子ビット3Dゲートセル130を形成する。例えば、隣接した3Dゲートセル130の各ペアはそれぞれ、第1の平面状の領域120aに2つの第1の論理量子ビット110aを、第2の平面状の領域120bに2つの第2の論理量子ビット110bを、及び第3の平面状の領域120cに2つの第3の論理量子ビット110cを共有する。
図2Aの平面状の領域120a,b,cのそれぞれは、実質的に六角形の2Dパターンに配置された12個の論理量子ビット110を備え、図2Bの平面状の領域120a,b,cのそれぞれは、実質的に六角形の2Dパターンに配置された20個の論理量子ビット110を備える。図2A及び図2Bの論理量子ビット110は、各平面状の領域120a,b,c内で各論理量子ビット110とその最近傍論理量子ビット110との間に平面内最近傍(nn)距離dを有し、図2A及び図2Bの場合、各論理量子ビット110と他の平面状の領域120における最近傍論理量子ビット110の間の平面内最近傍(nn)距離は、平面間距離dに等しい。特定の実施形態において、各平面状の領域120a,b,cの平面内nn距離dは互いに実質的に等しいが、特定の他の実施形態において、平面状の領域120a,b,cの少なくとも2つの平面内nn距離dは互いに異なる。特定の実施形態において、平面状の領域120a,b間、及び平面状の領域120b,c間の平面間距離dは互いに実質的に等しいが、特定の他の実施形態において、平面状の領域120a,b間、及び平面状の領域120b,c間の平面間距離dは互いに異なる。
特定の実施形態において、平面内nn距離d及び平面間距離dは、実質的に互いに等しく(例えば15ミクロン未満;3ミクロン~15ミクロンの範囲内;8ミクロン~11ミクロンの範囲内)、一方で、特定の他の実施形態において、平面内nn距離d及び平面間距離dは互いに異なり、(例えば、1ミクロン~3ミクロンの範囲内の差で)d>d又はd<dである。例えば、図2A及び図2Bのシステム100の平面状の領域120における量子ビット110の2D六角形パターンは、平面間距離dに等しい平面内nn距離dを有することができ、平面間次最近傍(nnn)距離は、d√2に等しく、平面内nnn距離は、d√3に等しく、平面内次次最近傍(nnnn)距離は2dに等しく、平面間nnnn距離は2dに等しく、平面間次次次最近傍(nnnnn)距離は、d√5に等しく、平面内nnnnn距離は、d√7に等しい。
複数の平面状の領域120の量子ビット110の2D六角形パターンの他の構成は、複数の平面状の領域120間で異なる横方向のオフセットを有し得る(例えば、1つの平面状の領域120における量子ビット110は、隣接する平面状の領域120の量子ビット110の真上にない、といった平面状の領域120に平行なオフセット;例えば図5A-図5C、図6A-図6F参照。)。本明細書に記載されるように、このような構成は、平面内nn距離d、平面間距離d、及び様々な平面内・平面間nnn、nnnn、nnnnn距離について他の値を有し得る。
特定の実施形態では、図2Aに示すように、21個の論理量子ビット110が、第1の多量子ビット3Dゲートセル130a(例えば、C20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)を形成し、21個の論理量子ビット110が、第2の多量子ビット3Dゲートセル130b(例えば、C20NOTゲートセル又はC20φゲートセル)を形成する。例えば、平面状の領域120bにおける論理量子ビット110(図2Aに黒で示す)は、第1のゲートセル130aのターゲット量子ビットであることができ、その20個の制御量子ビット(図2Aに濃い灰色で示す)と同時に量子力学的にエンタングルされる(もつれ合う)ことができ、すなわち、その6個の平面内最近傍論理量子ビット110と、その2個の平面間最近傍論理量子ビット110(例えば、平面状の領域120a,cそれぞれに1個)と、12個の平面間次最近傍論理量子ビット110(例えば、平面状の領域120a,cにそれぞれ6個)と、エンタングルされることができる。同様に、平面状の領域120bにおける別の論理量子ビット110(図2Aに白で示す)は、第2のゲートセル130bのターゲット量子ビットであることができ、その20個の制御量子ビット110と、同時に量子力学的にエンタングルされることができる(例えば、そのうち14個は淡い灰色で図2Aに示され、6個は第1のゲートセル130aの制御量子ビットでもあるため濃い灰色である)。特定の実施形態において、図2B示すように、21個の論理量子ビット110は、第3の多量子ビット3Dゲートセル130cを形成することができ、21個の論理量子ビット110は、第4の多量子ビット3Dゲートセル130dを形成することができる。
図2A及び図2Bの各C20NOT/C20φゲートセル130は、その配置がパイロクロア結晶構造の配置と似ていることから、「パイロクロアセル」と呼ぶことができる。本明細書に記載するように、特定の実施形態において、より多くの論理量子ビット110を互いに同時に量子力学的にエンタングルして、より大きい多量子ビットゲートセル130を形成することができる(例えば、C34NOTゲートセル;C34φゲートセル;C94NOTゲートセル;C94φゲートセルなど。)。これらのより大きいゲートセル130はそれぞれ、「スーパー・パイロクロアセル」と呼ぶことができる。
図2A、図2Bは、様々な論理量子ビット110の間のいくつかのエンタングルメント(もつれ)を様々な太さの破線及び実線で示すが、ゲートセル130(例えば、第1のゲートセル130a)の論理量子ビット110の全ては、互いに直接的に相互作用する(例えば、同時に量子力学的にエンタングルされる;フルにエンタングルされる;完全にエンタングルされる)ことができ、別のゲートセル130(例えば、第2のゲートセル130b)の論理量子ビット110の全ては、互いに直接的に相互作用する(例えば、同時に量子力学的にエンタングルされる)ことができる。特定の実施形態において、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍(nn)論理量子ビット110、その平面間最近傍(nn)論理量子ビット110、及びその平面間次最近傍(nnn)論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。特定の他の実施形態において、各論理量子ビット110は更に、その平面内次最近傍(nnn)論理量子ビット110、その平面間次次最近傍(nnnn)論理量子ビット110、その平面内次次最近傍(nnnn)論理量子ビット110、及び/又は平面間次次次最近傍(nnnnn)論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。特定の他の実施形態において、各論理量子ビット110は更に、その平面内次次次最近傍(nnnnn)量子ビット110と直接相互作用するように構成される。図2Aは、いくつかの例示的な論理量子ビット110を、黒で示す単一の論理量子ビット110との関係でラベル付けする。論理量子ビット110を、追加的な論理量子ビット110と直接相互作用させることによって、ゲートセル130内の論理量子ビット110の数を増加させることができ、それによってゲートセル130の計算能力を増加させることができる。
特定の実施形態において、各多量子ビットゲートセル130は、「ネイティブな」C20NOTゲート(例えば、20制御NOTゲート)として及び/又は「ネイティブな」C20φゲート(例えば、20制御位相ゲート)として作動させることができる21個のエンタングルされた量子ビット110(例えば、図2A及び図2Bに示す)によって形成される。このようなネイティブなC20NOT/C20φゲートは、1量子又は2量子ビットゲートだけによって使用されるよりもはるかに少ないゲート操作で達成され得る。特定の実施形態において、例示的な21量子ビットゲートセル130により提供されるネイティブなC20NOT/C20φゲートの正味のフィデリティは、個々のゲートフィデリティが非常に高い可能性のある2量子ビットゲートを多く備えるC20NOT/C20φゲートのフィデリティよりも著しく大きい。なぜなら、21量子ビットゲートセル130は、多くの連続した操作の誤りを集積せず結果を成し遂げるためである。特定のこのような実施形態において、例示的な21量子ビットゲートセル130が提供するC20NOT/C20φゲートは、複数の2量子ビットゲートを備えたC20NOT/C20φゲートのステップのごく一部しか使わず、このため、例示的な21量子ビットゲートセル130により提供されるC20NOT/C20φゲートは、両方の構造とフィデリティの見積もりを用いたゲート操作の成功率の比較でわかるように、より高速でよりエラーが発生しにくい(例えば、そのため最初に利用する誤り訂正が著しく少ない)。
特定の実施形態において、実質的に平面状の領域120の数を増加させることによって、及び/又は論理量子ビット110が互いに直接的に相互作用することができる距離を長くすることによって、ゲートセル130当たりの論理量子ビット110の数を増加させることができる。例えば、図3Aは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、(例えば、図2A及び図2Bの例示的なシステム100と互換性を持つ)互いに実質的に平行な3つの実質的に平面状の領域120に配置された複数の論理量子ビット110の斜視図を概略的に示す。図3Aの斜視図は、全ての論理量子ビット110が見える方向に沿ったものである(例えば、論理量子ビット110のいずれも、別の論理量子ビット110によって隠されていない。)。図3Aはいくつかの論理量子ビット110の間に線を含み、この線は、ゲートセル130の論理量子ビット110の間の直接的な相互作用の一部を示す。各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110及びその平面間次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成され、図3Aのゲートセル130は、C20NOTゲートセル又はC20φゲートセルである(例えば、例示的なターゲット量子ビットは黒で、その制御量子ビットは濃い灰色で示される)。
他の例として、図3B及び図3Cのそれぞれは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、互いに実質的に平行である5つの実質的に平面状の領域120に配置された複数の論理量子ビット110の斜視図を概略的に示す。図3B、図3Cの斜視図は、全ての論理量子ビット110が見える(例えば、論理量子ビット110のいずれも、別の論理量子ビット110によって隠されていない)方向に沿ったものであり、いくつかの論理量子ビット110の間に線を含み、この線は、ゲートセル130の論理量子ビット110の間の直接的な相互作用の一部を示す。図3Bについて、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、及びその平面間次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成され、図3Bのゲートセル130は、C34NOTゲートセル又はC34φゲートセルである(例えば、例示的なターゲット量子ビットは黒で、その制御量子ビットは濃い灰色で示す)。図3Cについて、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、その平面内次最近傍論理量子ビット110、及びその平面内次次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。図3Cのゲートセル130は、C94NOTゲートセル又はC94φゲートセルである(例えば、例示的なターゲット量子ビットは黒で、その制御量子ビットは濃い灰色で示す)。図3A-図3Cの例示的な配置は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、「スーパーパイロクロア」セルを形成する六角形セルのN層光格子により形成される、中性(例えば、リュードベリ)原子トラップを用いて可能である、同時の結合(例えば、エンタングルメント)の程度が有利に増加することを示す(例えば、3層の正六角形の原子格子における21量子ビットC20NOT/C20φゲート130;5層の正六角形の原子格子における35量子ビットC34NOT/C34φゲート130;5層の正六角形の原子格子における95量子ビットC94NOT/C94φゲート130など。)。
図4A-図4B、図5A-図5C及び図6A-図6Dは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、複数の実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110の間に、異なる相対変位を有する例示的なシステム110の一部を概略的に示す。図4A及び図4Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、それぞれが対応する複数の論理量子ビット110a、b、cを備えた3つの平面状の領域120a、b、cを備えた例示的なシステム100の一部の平面図(例えば、z軸に沿った)と斜視図をそれぞれ概略的に示す。各平面状の領域120内の論理量子ビット110は、実質的に六角形の2Dパターンで配置され、平面状の領域120は互いに実質的に平行である。図4A及び図4Bの六角形の規則的な格子配列において、3D構成は隣接する平面状の領域120の量子ビットの間に直交する結合を含む。図4A及び図4Bにおいて、実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110は、隣接する実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110から、平面状の領域120と実質的に平行な方向に沿って実質的に変位していない。例えば、図4Aに示すように、最上部の平面状の領域120aの論理量子ビット110aは、他の2つの平面状の領域120b、cの対応する論理量子ビット110b、cに対し、論理量子ビット110b、cが論理量子ビット110aによって見えなくされると同時に、論理量子ビット110aが(例えば、z軸に沿って)上方から見えるように整列される。図4A及び図4Bのこの例示的なシステム100は、図2A及び図2Bの例示的なシステムに対応する(例えば、例示的な21量子ビットC20NOT/C20φゲート130は、互いに実質的に等しい平面内nn距離d及び平面間距離dを有し、各論理量子ビット110がその平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、及びその平面間次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。)。
図5A及び図5Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、それぞれが対応する複数の論理量子ビット110a、b、cを備えた3つの平面状の領域120a、b、cを備えた別の例示的なシステム110の一部についての、平面図(例えば、z軸に沿った)と、斜視図とをそれぞれ概略的に示す。各平面状の領域120内の論理量子ビット110は、実質的に六角形の2Dパターンで配置され、平面状の領域120は互いに実質的に平行である。図5A-図5Cの代替的な六角形の格子配列において、3D構成は、隣接する平面状の領域120の量子ビット間に非直交の結合を含み、このような代替的な構造は、光格子のための最適なアクセス角度の選択肢を工学的にトレードする空間を拡大することができる。図5A及び図5Bにおいて、実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110は、隣接する実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110から、平面状の領域120と実質的に平行な方向に沿ってずれている(例えば、オフセットする)。
例えば、図5A及び図5Bに示すように、論理量子ビット110aは、y軸に沿った方向(例えば、x及びz軸と直角をなす;図5Aにおいて破線の両頭矢印で示す)において論理量子ビット110bに対し、δ=d√3/2の変位の大きさでずれているが、平面状の領域120a、bの論理量子ビット110a、bが上方から(例えば、z軸に沿って)見えるように、一方で、論理量子ビット110cが論理量子ビット110aによって隠れるように、論理量子ビット110cと位置合わせされている。図5Cは、図5Bと同様の斜視図を概略的に示し、平面内nn距離dと平面間最近傍量子ビットの間の距離は、互いに実質的に等しく、それにより、平面間距離dがd√3/2に実質的に等しく、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、その平面内次最近傍論理量子ビット110、その平面間次最近傍論理量子ビット110、及びその平面間次次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。図5Cに示すように、例示的な23量子ビットC22NOT/C22φゲート130は、ターゲット量子ビット(黒)と22個の制御量子ビット(濃い灰色)と、を有する。
図6A及び図6Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、それぞれが対応する複数の論理量子ビット110a、b、cを備えた3つの平面状の領域120a、b、cを備えた更に別の例示的なシステム110の一部についての、平面図(例えば、z軸に沿った)と斜視図とをそれぞれ概略的に示す。各平面状の領域120内の論理量子ビット110は、実質的に六角形の2Dパターンで配置され、平面状の領域120は互いに実質的に平行である。図6A及び図6Bにおいて、実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110は、隣接する実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110から、平面状の領域120と実質的に平行な方向に沿ってずれている。例えば、図6A及び図6Bに示すように、論理量子ビット110aは、x軸に沿った方向(例えば、y及びz軸と直角をなす;図6Aにおいて破線の両頭矢印で示す)において論理量子ビット110bに対してδ=d/2の変位の大きさでずれているが、平面状の領域120a、bの論理量子ビット110a、bが上方から(例えば、z軸に沿って)見えるように、一方で論理量子ビット110cが論理量子ビット110aによって隠れるように、論理量子ビット110cと位置合わせされている。図6Cは、図6Bと同様の斜視図を概略的に示し、平面内nn距離dと平面間最近傍量子ビットの間の距離は、互いに実質的に等しく、それにより、平面間距離dがd√3/2に実質的に等しく、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、その平面内次最近傍論理量子ビット110、その平面間次最近傍論理量子ビット110、及びその平面間次次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。図6Cに示すように、例示的な25量子ビットC24NOT/C24φゲート130は、ターゲット量子ビット(黒)と24個の制御量子ビット(濃い灰色)とを有する。
図6D及び図6Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、それぞれが対応する複数の論理量子ビット110a、b、cを備えた3つの平面状の領域120a、b、cを備えた更に他の例示的なシステム110の一部についての、平面図(例えば、z軸に沿った)と斜視図とをそれぞれ概略的に示す。各平面状の領域120内の論理量子ビット110は、実質的に六角形の2Dパターンで配置され、平面状の領域120は互いに実質的に平行である。図6D及び図6Eにおいて、実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110は、隣接する実質的に平面状の領域120の論理量子ビット110から、平面状の領域120と実質的に平行な方向に沿ってずれている。例えば、図6D及び図6Eに示すように、論理量子ビット110aは、dに実質的に等しい変位の大きさδだけ、論理量子ビット110bに対しずれており、y軸に沿った大きさδ=d√3/2の第1のコンポーネントと、x軸に沿った大きさδ=d/2の第2のコンポーネントと、を有する。論理量子ビット110aは、図6Dにおいて、論理量子ビット110b、cが論理量子ビット110aによって隠れるように、論理量子ビット110b、cと位置合わせされる。
図6Fは、図6Eと同様の斜視図を概略的に示し、平面内nn距離dと平面間最近傍量子ビットの間の距離は、互いに実質的に等しく、それにより、平面の間の平面間距離(例えば、間隔)はd=d√3/2であり、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、各論理量子ビット110は、その平面内最近傍論理量子ビット110、その平面間最近傍論理量子ビット110、その平面内次最近傍論理量子ビット、その平面間次最近傍論理量子ビット110、及びその平面間次次最近傍論理量子ビット110と直接相互作用するように構成される。図6Fに示すとおり、例示的な21量子ビットC20NOT/C20φゲート130は、ターゲット量子ビット(黒で示す)と20個の制御量子ビットとを有する。この例、及び上記の全ての例において、全ての論理量子ビット110a、b、cを見ることが可能であり、個々にアドレス可能で個々に検出可能である角度が存在する。
図5A-図5C及び図6A-図6Fは、平面状の領域120の論理量子ビット110の間の例示的な変位を概略的に示し、その変位は例示的な方向及び大きさを有する。特定の他の実施形態は、他方向の(例えば、x軸及びy軸の両方に沿った大きさを有する)及び/又は他の大きさの(例えば1/2セル幅;1/3セル幅)変位を有する。特定の他の実施形態は、異なる平面間距離dを有する。例えば、平面状の領域120の間の間隔は、隣接する平面状の領域120をまたがる最近傍論理量子ビット110の間の垂直線からの角度に従って減少し得る(例えば、dはd/2;2・d/3;3・d/4;0.85・dに等しい)。また、図5A-図5C及び図6A-図6Fは、2Dの実質的に六角形のパターンを有する例示的なシステム100を概略的に示すが、他の2Dパターンもまた、本明細書に記載される特定の実施形態に適合する。
特定の実施形態において、第1の複数の論理量子ビット110aは、個々にアドレス可能で、実質的に平面な第1の光格子に配置され、第2の複数の論理量子ビット110bは、個々にアドレス可能で、第1の光格子と実質的に平行な、実質的に平面な第2の光格子に配置され、第3の複数の論理量子ビット110cは、個々にアドレス可能で、第2の光格子と実質的に平行な、実質的に平面な第3の光格子に配置される。特定の実施形態において、システム100は、第3の実質的に平面状の領域120cと実質的に平行な、少なくとも1つの追加的な実質的に平面状の領域120に、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビット110を備え、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビット110は、互いに相互作用するように、及び/又は、第3の複数の論理量子ビット110cの少なくともいくつかと相互作用するように構成され、そこにおいて、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビット110は、個々にアドレス可能である。例えば、複数の量子ビットの実質的に平行な光格子の数は、第4の光格子、第5の光格子、第6の光格子、第7の光格子等を更に備えることができる。複数の閉じ込め領域は更に、第3の光格子と実質的に平行な少なくとも1つの追加的な光格子に配置される少なくとも1つの追加的な閉じ込め領域を更に備えることができ、少なくとも1つの追加的な光格子は、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビットを備える。
例えば、図7A-図7Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、複数の2D平面光学トラップ領域の間に形成され、複数のアドッシングレーザ光ビーム210を有する例示的な多量子ビットゲートセル130の様々な図を概略的に示す(例えば、中心にターゲット量子ビットを、その他の場所に制御量子ビットを有するパイロクロア構成に21個の量子ビット110を有するC20NOTゲートセル又はC20φゲートセル。)。図7Aは、多量子ビットゲートセル130の多層格子構造の原子量子ビットを示す。図7Aの量子ビット110間の線は、量子ビット110間のエンタングルメントの一部のみを示し、量子ビット110間のその他のエンタングルメントを示す線は、明瞭化のために省略される。図7Bは、原子を個々に照射するように構成された(例えば、光学ポート212から発される)アドレッシングレーザー光ビーム210の一部のみを有する多量子ビットゲートセル130を示し、原子を含む光学ポテンシャル井戸を形成するトラッピングレーザー光ビーム220の配列は、明瞭化のため省略される。図7C及び図7Dに見られるように、各アドレッシングレーザー光ビーム210は、多量子ビットゲートセル130の単一の原子を照射する。2Dの図の限界は、1つの図示それ自体では、単一のレーザー光ビームが複数の原子と交差しているように見え得ることである。しかし、レーザー光ビーム210は、交互の行に配列されて、透明なものとして示される。その結果、実際には各原子が多くても1つのアドレッシングレーザー光ビームに交差している場合でも、1つの原子が複数のレーザー光ビームの中にあるように見えたり、1つのレーザー光ビームが複数の原子と交差するように見えたり、といったように、複数のレーザー光ビーム210の間又は背後にある原子は、その原子をアドレスしないビームを「通って」いるように見えるかもしれない。本明細書に記載される特定の実施形態は、より多くの量子ビット110が単一のネイティブなゲート操作に関与できるように、最近傍、次最近傍、次次最近傍等の量子ビット間で同時に最大数の量子ビットをエンタングルするように構成される。各ゲートセルの潜在的処理能力は、各ゲート操作に同時に関与する量子ビット110の数とともに指数関数的に増加するため、本明細書に記載される特定の実施形態の処理能力も同様に、全体として指数関数的に増加する。特定の実施形態のゲート構造及び配置の動的再構成可能性もまた、同様に大幅に改善される。
図8A-図8Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、トラッピングレーザー光ビーム220の様々な図を概略的に示す。図8A-図8Dのこれらの例示的な実施形態は、交差するトラッピング光ビーム220(例えば、光学ポート222から発されるトラッピングレーザー光ビーム)の中、又はその間に形成されるポテンシャル井戸の3D光格子(例えば、I.Bloch、Nature Physics、1、23(2005)参照)にトラップされた中性の(例えば、非荷電の)リュードベリ原子を利用する。本明細書に記載される特定の実施形態において、相互に配列され、交差する光ビーム(図8A及び図8B参照)の間の格子空間に形成される最小のポテンシャルエネルギー(例えば、ヌル)領域において、原子はトラップされ、その一方で、特定の他の実施形態において、交差する光ビーム(図8C及び図8D参照)の内で、原子はトラップされ得る。このような交差するトラッピング光ビーム220の範囲内のトラッピングは、S.E.AndersonらによるPhys.Rev.Lett.107、263001(2011);T.M.GrahamらによるPhys.Rev.Lett.123、230501(2019))に記載される。
図8A-図8Eは、最近傍量子ビット110間の8ミクロン~11ミクロン(例えば、12ミクロン未満)の範囲の格子間距離を採用する。|101S>;|109S>のセシウム(Cs)リュードベリ遷移(例えば、77K、300K又は他の温度に冷却される)が利用される例の場合、ノミナル値8ミクロンの格子セルサイズは、参照されたデータ曲線に基づき、特定の多重制御量子ゲート操作のための最適値の範囲内である。特定のこのような実施形態は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、設計実現可能性と特定の設計上の利点の両方を提供することができる。
特定の実施形態において、交互の列に配置された原子量子ビットは、隣接する平面の間に、互い違いのオフセット(例えば、x又はyに沿った1/2セルオフセット間隔、x又はyに沿った1/3セルオフセット間隔、x及びyに沿った1/4×1/4セルオフセット間隔)を有する、交互の平面に存在することができ、これは全結合でエンタングルされた原子量子ビットの、正六角柱構成の形成を可能にし、特定の視界から見て傾斜した六角柱構成を可能にすることができる。例えば、交差するトラッピングレーザー光ビーム220の3D交差が直交に近くなることができるように、基準面(例えば、水平;x-y平面)に関して、交差するトラッピングレーザー光ビーム220は、平面ベースの長さxと幅y(例えば、水平次元)とともに、例示的な量子コンピューティングシステムの高さz(例えば、垂直次元)として定義され得る座標系に関して複合角度を形成することができる(例えば、z軸の方へx軸+18.5度、y=0に沿って整列したトラッピングレーザー光ビーム220の第1の配列は、y軸の方へx軸+60度、z=0に沿って整列したトラッピングレーザー光ビーム220の第2の配列と交差する)。トラッピングレーザー光ビーム220の間に形成されるポテンシャル井戸は、特定の角度で見た場合に、平面において実質的に対称であることができ(例えば、断面が正方形又は菱形)、実質的に均一のポテンシャル井戸(例えば、鞍形のウェル;鞍点)を形成することができる。例えば、図8B及び図8Dにおいて、トラッピングレーザー光ビーム220の第1及び第2の配列は、特定の視界からは矩形又は台形に見え得る。しかしながら、図8B及び図8Dにおいて、左下から右上へと角度をなしているように見えるトラッピングレーザー光ビーム220は、3D構造において下方へ角度をつけることもでき、その結果、図8B及び図8Dにおいて水平に描かれたトラッピングレーザー光ビームの第1及び第2の配列の交点は、特定のアクセス角度から斜めに見ると、ほぼ直交するように見える。特定の実施形態において、原子閉じ込め構造は、(例えば、図1A、1B、1Dに示すように)平面を横切る正六角柱を形成することができ、特定の他の実施形態において、原子-原子間の幾何学的配置構造は、傾斜した六角柱構成を形成するように斜め又は角度をなして見え得る。特定の実施形態において、様々な視点及び角度から光ビームの交差は非直交であるように見え得るが、特定の実施形態の角度のついた3D格子構造は、量子ビットの最適なアドレッシング及び読出し(例えば、検出)のための角度から見る場合、原子間に最大の空間的な離間を可能にするように設計される。
図9A-図9Bは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、トラッピングレーザー光ビーム220の交差する配列によって作成された、3層の10×10の原子トラップ格子の斜視図を概略的に示す。図9Cは、図9A-図9Bの構造の上面図を概略的に示す。本明細書に記載される特定の実施形態に従った、3つのアドレッシングレーザー光ビーム210を合わせた配列も示される。
図10Aは、本願明細書に記載される特定の実施形態に従い、3組のアドレッシングレーザー光ビーム210a,b,cとレーザー光ビーム220a,bの2つの交差する配列とを有する、3層の10×10原子格子を備えた、部分的に組み立てられたQCシステム100の斜視図を概略的に示す。図10Aはまた、アドレッシングレーザー光ビーム210a、b、cが通って延在する光学ポート214a、b、cと、トラッピングレーザー光ビーム220a、bを放出する光ファイバポート222a、bと、光学トラップ構成の一部として磁場を生成するように構成される磁場源230(光学トラップ構成の一部として電場を生成するように構成される電極234は図10Aに示される)と、対応する光検出器ポート242a、bを介して量子ビットからの蛍光を受信し、検出するように構成された、第1及び第2の光検出器240a、b(例えば、CCD検出器配列)と、を示す。図10B-図10Dは、本明細書に記載される特定の実施形態に従った、3組のアドレッシングレーザー光ビーム210a、b、cと、図10Aのトラッピングレーザー光ビーム220a、bの2つの交差する配列と、を異なる方向から見た他の図を示す。
図10A-図10Dは3組のアドレッシングレーザー光ビーム210a、b、cを有する例示的なQCシステム100を概略的に示すが、特定の他の実施形態において、QCシステム100は、4組以上のアドレッシングレーザー光ビーム210を備えることができる。例えば図10Eは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、4組のアドレッシングレーザー光ビーム210a、b、c、dとトラッピングレーザー光ビーム220a、bの2つの交差する配列とを有する、3層の10×10の原子格子を備えた、別の部分的に組み立てられたQCシステム100の斜視図を概略的に示す。図10F-図10Hは、本明細書に記載される特定の他の実施形態に従った、4組のアドレッシングレーザー光ビーム210a、b、c、dと、図10Eのトラッピングレーザー光ビーム220a、bの2つの交差する配列と、を異なる方向から見た他の図を示す。
本明細書で使用する場合、x-y平面に位置している全ての方向は仰角0度(例えば、水平)として定義され、x及びyに直交する方向(例えば、垂直)はzとして定義される。更に、yに沿った方向は方位角0度(例えば、zを中心とした回転)と定義され、方位角0度、仰角0度の方向は(0°,0°)と表される。例えば、本明細書に記載される特定の実施形態において、レーザー配列は、図10A-10Cに示すように交差するよう方向付けされ得る。(例えば、トラッピングレーザー光ビーム220a及び220bの交差が、x-y平面から+20度の角度の平面において2D格子を形成するように、トラッピングレーザー光ビーム220aを(0°,0°)、トラッピングレーザー光ビーム220bを(90°,+20°)、レーザー220aの行を、+20度の断面傾斜(例えば、仰角)で配置することができる。特定のこのような実施形態において、実質的に直交するレーザーによって形成されるトラッピングセルは、実質的に正方形であり得る。アドレッシングレーザー光ビーム210aを(293.5°,+53.5°)とし、アドレッシングレーザー光ビーム210bを(246.5°,+53.5°)とし、アドレッシングレーザー光ビーム210cを(71.5°,+58°)とする)。本明細書に記載される特定の他の実施形態において、トラッピングレーザー光ビームの交差は、有利にも他の角度で配置され、ダイヤモンド形又は菱形のトラッピングセルを形成してより多くの平面量子ビット格子配列の追加を可能にすると同時に、3D格子において各量子ビットを個々にアドレッシングするための複数のアドレッシングレーザー角度を可能にし続けることができる。例えば、説明が簡易である別の実施形態において、トラッピングレーザービーム220aは(30°,0°)で配置でき、トラッピングレーザービーム220bは(90°,+20°)で配置でき、アドレッシングレーザーを(0°,60°)、(120°,60°)、(240°,60°)とすることができる。図10Bに図示するようなこの特定の角度の組み合わせは、視覚的に明瞭にするため;すなわち、垂直に近いように見える角度で現れる3つのアドレッシングレーザー光ビーム210のコンパクトな配列に対し、横方向に向いて見える2つのトラッピングレーザー光ビーム220のコンパクトな配列(例えば、クラスタ;バンク)を区別しやすいように選択されていることに注意されたい。他の実施形態は、本明細書に記載される特定の他の実施形態に従い、3D構造内で格子レーザーの実質的に直交する交差を形成すると同時に、個々の量子ビットをアドレッシング及び検出するための照準線の状況を同様に最適化する、複合角度の代替的な組合せを利用することができる。
図11Aは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、第1の光検出器ポート242aを通して見た、図9A-図9C、図10A-図10Dの3層の10×10の3D原子格子の図を概略的に示す。この視点からは、多次元の多層量子ビット格子配列の各原子は、第1の光検出器240aから別々に見ることができ、その結果、1つの専用の光アドレッシングビームによってアドレスされる場合に、各原子の状態を個々に検出及び識別できる。図11Bは、図11Aの構造の側断面図を概略的に示す。図11Aは、3層の10×10の3D原子格子を示すが、格子構造の上下の最適なアクセス角度から格子における各原子が別々に及び個々にアドレスされ、見られる(例えば、第1の光検出器242aにより検出される)ことができるように他の原子格子を構成することもできる。例えば、コンピュータ支援設計(CAD)及び分析を用いて、他の原子格子について他のこのような構成を確認することができる。特定のこのような実施形態により、最近傍、次最近傍、次次最近傍などの量子ビット間に最大数の量子ビットを同時にエンタングルすることができ、単一のネイティブゲート操作でより多くの量子ビットが関与できるようにする。図11Aはまた、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、ゲート操作及び読出しを達成するために量子ビットをアドレッシング及び操作するための、電極領域234、磁場(例えば、磁場B)源230、検出器配列240(例えば、CCDカメラなど)及び光ビームポート242a、214a、b、cの相対的な配置を概略的に示す。
図12は、図10Aの例示的な組立てられたQCシステムの斜視図を概略的に示すものであり、当該システムは、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、3組のアドレッシングレーザー光ビーム210a、b、cと、トラッピングレーザー光ビーム220a、bの2つ交差する配列と、有する、3層の10×10の原子格子を備える。図12はまた、(例えば、図11Aに示すような)第1の光検出器ポート242aを通して見た図と、(例えば、図8E及び図9Aに示すような)トラッピングレーザー光ビーム210a、b、cの交差する配列の2つの異なる図とを概略的に示す。
図13は、本明細書に記載される特定の実施形態に従い、様々な多層量子ビット格子配列について所与のゲートフィデリティで同時にエンタングルされ得る量子ビットの総数を比較する3つの表を示す。
本発明は、いくつかの非限定的な実施形態において説明されてきた。実施形態は互いに排他的ではなく、一実施形態に関して説明された要素を、適切な方法で他の実施形態と組み合わせたり、再編成したり、又は他の実施形態から削除したりして所望の設計目的を達成してもよいことを理解されたい。各実施形態について、いずれの単一の特徴又は特徴群も、必要又は必須ではない。
本発明を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点及び新しい特徴を、本明細書に記載する。しかし、このような利点のすべてが、任意の特定の実施形態に従い必ずしも達成されるとは限らないことを理解されたい。従って、本発明は、本明細書において教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、1つ又は複数の利点を達成する方法で具体化又は実施され得る。
本明細書で使用する場合、「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」又は「ある実施形態」に言及する場合、その実施形態に関連して説明される特定の要素、特徴、構造又は特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所で「一実施形態において」という表現が出てくるが、必ずしも全てが同一の実施形態を指すものではない。本明細書において使用される条件つきの言語、特に「~できる」「~する可能性がある」、「~かもしれない」、「~してもよい」「例えば」などは、特に別段の記載がない限り、又は使用される文脈内で別段理解されない限り、通常、他の実施形態は含まない特定の特徴、要素、及び/又はステップをその特定の実施形態が含むことを伝える意図を有する。また、本明細書及び添付の請求の範囲において用いられる冠詞「a」又は「an」又は「the」は、別段の指定がない限り「1つ以上」又は「少なくとも1つ」を意味するものと解釈されるべきである。
本明細書において使用される、程度を表す表現、例えば「およそ」、「約」、「概して」、「実質的に」などの用語は、そうであっても所望の機能を果たす、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性、に近い値、量、又は特性を表す。例えば、「およそ」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語は、記載された量の±10%以内、±5%以内、±2%以内、±1%以内、又は±0.1%以内の量を指してもよい。別の例として、「概して平行」及び「実質的に平行」という用語は、完全に平行な状態から±10度、±5度、±2度、±1度、又は、±0.1度だけ逸脱した値、量、又は特性を指し、「概して直交する」及び「実質的に直交する」という用語は、完全に直交する状態から±10度、±5度、±2度、±1度、又は、±0.1度だけ逸脱した値、量、又は特性を指す。本明細書に開示される範囲は、あらゆる重複、部分範囲、及びそれらの組み合わせも含む。「~まで」、「少なくとも」、「~よりおおきい」「~より小さい」、「~の間」等の表現は、記載された数値を含む。本明細書で使用する場合、「a」「an」及び「前記」は、文脈からそうではないと明確に指示されない限り、複数の参照を含む。また、本明細書で使用する場合、文脈からそうではないと明確に指示されない限り、「in」の意味は「into」及び「on」を含む。
本明細書で使用する場合、「備える」、「備えた」、「含む」、「含んだ」、「有する」、「有した」等の用語、又はそれらの他の変形は、オープンエンドな用語であり、非排他的な包含を網羅することを意図する。例えば、要素のリストを備えるプロセス、方法、物、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的に列挙されない、又はこのようなプロセス、方法、物、又は装置に固有の、他の要素を含んでもよい。更に、明示的に反対の記載がない限り、「又は」は包括的な「又は」の意味であり、排他的な「又は」の意味ではない。例えば、条件A又はBは、次のいずれか1つによって満たされる:Aは真であり(又は存在する)、Bは偽である(又は存在しない);Aは偽であり(又は存在しない)、Bは真である(又は存在する);又は、A及びBはともに真である(又は存在する)。本明細書で使用する場合、項目のリストのうち「少なくとも1つの」という語句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「A、B又はC:の少なくとも1つの」は、A、B、C、A&B、A&C、B&C、A&B&Cを網羅することを意図する。例えば「X、Y及びZの少なくとも1つ」といったフレーズの接続的な表現は、特に別段の記載がない限り、項目、用語などがX、Y又はZの少なくとも1つであってもよいことを伝えるために一般的に用いられるものとして文脈と共に理解される。従って、このような接続的な表現は概して、特定の実施形態が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZがそれぞれ存在しなければならないことを意図するものではない。
従って、特定の実施形態のみを本明細書で具体的に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明に多数の変更が行われ得ることは明らかであろう。更に、略語は、単に明細書及び請求項の読みやすさを高めるために使用される。これらの略語は、使用される用語の一般性を低減させる意図はなく、特許請求の範囲を本明細書に記載される実施形態に制限すると解釈されるべきではない点に留意すべきである。

Claims (24)

  1. 量子コンピューティング(QC)システムであって、
    第1の実質的に平面状の領域における第1の複数の論理量子ビットであって、前記第1の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように構成される、第1の複数の論理量子ビットと、
    前記第1の実質的に平面状の領域と実質的に平行な第2の実質的に平面状の領域における第2の複数の論理量子ビットであって、前記第2の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように、及び、前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかと相互作用するように構成される、第2の複数の論理量子ビットと、
    を備えるシステム。
  2. 請求項1記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかと、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかは、互いに直接的に相互作用して、2つを超える論理量子ビットが同時に関与する多量子ビットゲート操作を受けるように構成された少なくとも1つの三次元(3D)ゲートセル配列を形成するように構成されるシステム。
  3. 請求項1記載のシステムであって、
    前記第2の実質的に平面状の領域と実質的に平行な第3の実質的に平面状の領域に、第3の複数の論理量子ビットを更に備え、前記第3の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかは、互いに相互作用するように、及び、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかと相互作用するように構成されるシステム。
  4. 請求項3記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビット、前記第2の複数の論理量子ビット、前記第3の複数の論理量子ビットの前記論理量子ビットは、個々にアドレス可能であるシステム。
  5. 請求項3記載のシステムであって、
    前記第3の実質的に平面状の領域と実質的に平行な少なくとも1つの追加的な実質的に平面状の領域に少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビットを更に備え、
    前記少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビットは、互いに相互作用するように、及び/又は、前記第3の複数の論理量子ビットの少なくともいくつかと相互作用するように構成され、
    前記少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビットは、個々にアドレス可能であるシステム。
  6. 請求項1記載のシステムであって、
    実質的に平面状の第1の光格子に配置された第1の閉じ込め領域と、前記第1の光格子と実質的に平行な実質的に平面状の第2の光格子に配置される第2の閉じ込め領域と、を備える複数の閉じ込め領域を画定する複数の光ビームを更に備え、
    前記第1の複数の論理量子ビットは、前記第1の光格子にあり、前記第2の複数の論理量子ビットは前記第2の光格子にあるシステム。
  7. 請求項1記載のシステムであって、
    前記複数の閉じ込め領域は、前記第2の光格子と実質的に平行な実質的に平面状の第3の光格子に配置される第3の閉じ込め領域を更に備え、
    前記第3の複数の論理量子ビットは、前記第3の光格子にあるシステム。
  8. 請求項7記載のシステムであって、
    前記複数の閉じ込め領域は、前記第3の光格子と実質的に平行な少なくとも1つの追加的な光格子に配置される、少なくとも1つの追加的な閉じ込め領域を更に備え、
    前記少なくとも1つの追加的な光格子は、少なくとも1つの追加的な複数の論理量子ビットを備える、システム。
  9. 請求項7記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビット、前記第2の複数の論理量子ビット、及び前記第3の複数の論理量子ビットの前記論理量子ビットは、複数の多量子ビット3Dゲートセルとして構成され、
    前記複数の多量子ビット3Dゲートセルのうちの1つの多量子ビット3Dゲートセルの各論理量子ビットは、前記多量子ビット3Dゲートセルの少なくとも1つの他の論理量子ビットと量子力学的にエンタングルされるように構成されるシステム。
  10. 請求項7記載のシステムであって、
    前記第1の光格子、前記第2の光格子、及び前記第3の光格子のそれぞれの前記閉じ込め領域は、実質的に対称形の正方形パターン、ダイヤモンド形のパターン、又は菱形のパターンである二次元のパターンに配置されるシステム。
  11. 請求項1記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかは、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかと完全にエンタングルされるシステム。
  12. 請求項1記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつか、及び/又は、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかは、前記第1の複数の論理量子ビット及び前記第2の複数の論理量子ビットの最近傍論理量子ビット及び次最近傍論理量子ビットと完全にエンタングルされるシステム。
  13. 請求項12記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつか、及び/又は、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかは、前記第1の複数の論理量子ビット及び前記第2の複数の論理量子ビットの次次最近傍論理量子ビットと完全にエンタングルされるシステム。
  14. 請求項1記載のシステムであって、
    前記第1の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつか、及び/又は、前記第2の複数の論理量子ビットの前記少なくともいくつかは、天然に存在する原子、中性原子、荷電原子、イオン、分子、人工的に形成された原子、リュードベリ原子、ダイヤモンドの窒素空孔(NV)中心、ボース・アインシュタイン凝縮体、電子、光子、量子粒子、量子ドット、フォノン、トランスモン、量子粒子としてふるまう量子状態からなる群から選択される、少なくとも1つの物理的な量子ビットを備えるシステム。
  15. 二次元を超える次元を備える多層量子ビット格子配列において量子ゲートを形成する論理量子ビットを含むように構成された複数の閉じ込め領域を備える量子コンピューティング(QC)システムであって、
    前記量子ゲートは、1量子ビットゲート及び2量子ビットゲートの連結に依存することなくネイティブに3つ以上の論理量子ビットを巻き込む量子論理演算を実行するように構成されるシステム。
  16. 請求項15記載のシステムであって、
    少なくともいくつかの前記量子論理演算は、ネイティブに1つ以上のターゲット量子ビットに作用する2つ以上の制御量子ビットを利用するシステム。
  17. 請求項16記載のシステムであって、
    前記量子論理演算は、単一制御の多重NOTゲート、ファンアウトゲート、多重制御NOTゲート、トフォリゲート、スーパートフォリゲート、多重制御位相ゲートからなる群から選択されるシステム。
  18. 請求項15記載のシステムであって、
    多量子ビット論理演算を実行するように構成された電気的及び光学的要素を更に備えるシステム。
  19. 請求項15記載のシステムであって、
    前記多層量子ビット格子配列における個々の量子ビットの低ノイズのアドレッシング及び読み出しを可能にするように構成された電気トレース、光ビーム構成、検出器、及び迷光管理要素を更に備えるシステム。
  20. 請求項15記載のシステムであって、
    前記多層量子ビット格子配列は、複数の実質的に平行な平面状の量子ビット格子配列を備えるシステム。
  21. 請求項20記載のシステムであって、
    前記複数の実質的に平行な平面状の量子ビット格子配列は、少なくとも第1の平面状の量子ビット格子配列と、第2の平面状の量子ビット格子配列とを備え、前記第1の平面状の量子ビット格子配列の前記量子ビットは、前記第1の平面状の量子ビット格子配列と実質的に平行な方向に沿って前記第2の平面状の量子ビット格子配列の前記量子ビットからオフセットされるシステム。
  22. 請求項21記載のシステムであって、
    前記第1の平面状の量子ビット格子配列の前記量子ビットに位置合わせされた量子ビット、前記第2の配列の前記量子ビットに位置合わせされた量子ビット、又は前記第1の平面状の量子ビット格子配列と前記第2の平面状の量子ビット格子配列の間の前記オフセットと実質的に等しい大きさで前記第2の平面状の量子ビット格子配列と実質的に平行な方向に沿ってオフセットを有する量子ビットを備える、少なくとも1つの追加的な平面状の量子ビット格子配列を更に備える、システム。
  23. 請求項21記載のシステムであって、
    前記第1の平面状の量子ビット格子配列と前記第2の平面状の量子ビット格子配列の間の前記オフセットは、ネイティブに複数の量子ビットゲート操作を行うことができるように、各論理量子ビットが個々に光学的にアドレスされ、かつ、各論理量子ビットの状態が個々に検出される複数の視野角を可能にするシステム。
  24. 請求項21記載のシステムであって、
    前記第1の平面状の量子ビット格子配列と前記第2の平面状の量子ビット格子配列の間の前記オフセットは、正方形及び立方体の格子構成においてよりも、より多くの量子ビットの同時エンタングルメントを所与の相互距離及び所与の体積内で可能にするシステム。
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