JP2024516727A - 関節置換術のために骨空隙を準備するためのデバイス、方法、及び、キット - Google Patents

Abstract

関節置換術のために骨を準備するための器具を使用するシステム及び方法を提供する。様々な実施形態において、器具は、ツールフレームと、ドライブインタフェースと、ドライブシャフトと、少なくとも１つのトルクインタフェースと、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールとを備えている。人工股関節全置換術のために大腿骨を準備する方法及びシステムも提供する。

Description

優先出願への参照による組み込み
本出願は、２０２１年５月２１日に出願された米国仮特許出願６３／１８４４５１からの優先権を主張するものであり、その名称は、関節置換術のために骨空隙を準備するためのデバイス、方法、及び、キットであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

本発明の実施形態は、関節を置換するための器具、方法、及び、キットに関する。より具体的には、本発明は、例えば、人工股関節置換術の際に患者の大腿骨に、骨空隙（bone void）を準備する器具、方法、及び、キットに関する。

人工膝関節全置換術（total knee arthroplasty）及び人工股関節全置換術（total hip arthroplasty）は、末期の変性関節疾患（degenerative joint disease）に対する耐久性と信頼性のある治療法であり、世界中で毎年最も頻繁に行われている整形外科手術の２つである。人工関節置換術は、痛みを伴う関節炎の関節を治療するために、病気の骨表面を切除し（resection）、人工関節用のベアリング表面で関節を表面置換する（resurfacing）方法である。人工関節置換術では、痛みを伴う関節表面の切除に加え、耐久性のある人工関節の固定を骨セメントまたは骨再生に依存するように設計された人工関節コンポーネントをうまく埋め込むために骨表面の準備も行われる。セメントを使用しない（cementless）人工関節インプラント（prosthetic implants）も、セメントを使用する（cemented）人工関節インプラントのどちらも、患者の骨に、インプラントの形状に近い空隙を作る。

関節置換術における骨の準備のための改良された方法は、応力のピークを低くして手術中の（intraoperative）骨折率を低減し、一般的な低侵襲アプローチ（minimally-invasive approach）を含む関節へのあらゆる解剖学的アプローチ（anatomic approach）を用いて実施することができ、最も一般的にインプラントされる人工関節用の関節置換体（prosthetic joint replacements）の形状に類似した骨空隙を形成する。

本明細書で使用される場合、用語「態様（aspect）」は、用語「実施形態（embodiment）」と互換的に使用されてもよい。本明細書における実施形態の中で開示される任意の特徴、構造、またはステップは、本明細書において開示される任意の他の特徴、構造、またはステップと置き換えられるか、またはこれらと組み合わされ得るか、または省略されてもよい。さらに、本開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、及び、特徴を本明細書に記載した。本明細書に開示された発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点のいずれか、または、全てが達成されるとは限らないことを理解されたい。本開示の個々の態様は、必須または不可欠ではない。

本発明の様々な態様に従って、関節置換術のために骨を準備するための骨空隙彫成器具（bone void sculpting instrument）、例えば、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するための方法、及び、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するためのシステムを提供する。開示される器具、方法、及びシステムの様々な実施形態は、不規則な形状の骨空隙を、意図される人工関節インプラントのサイズ及び形状にぴったりと一致するように彫成する（sculpting）利点を提供する。本器具、システム、及び、方法は、彫成される骨に共線的なアクセス（collinear access）を提供しない低侵襲アプローチを用いて、不規則な断面を有する骨空隙を彫成することを可能にし、彫成される骨に大きな機械的応力を与えない、連続的な非円形の切断面を提供する。さらに、本明細書に開示された器具、方法、及び、システムは、骨を除去し、骨空洞を拡張または形成するため、または骨空洞内の軟骨を圧縮するために使用することができ、人工関節インプラントと骨空洞との間の一致度合を改善することによって、最終的なインプラントの形状のために骨空洞をより良好に準備し、密度などの骨の機械的特性を改善することによって、インプラントが設置されたときに、より良好な臨床結果をもたらす。

様々な実施形態において、関節置換術のために骨を準備するための骨空隙彫成器具は、第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞（internal tool frame cavity）とを含むツールフレームと、近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループ（continuous loop）を形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツール（a plurality of interlocked bone sculpting tools）と、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、を含む。

一実施形態では、骨空隙彫成器具は、複数の第２側面と、連結された複数の骨彫成ツールによる複数の連続ループと、複数のトルクインタフェースとを含み、前記連結された複数の骨彫成ツールによる複数の連続ループは、対応する前記第２側面及び前記トルクインタフェースと一致する。一実施形態では、骨空隙彫成器具は、５０個以下の前記第２側面、５０個以下の前記連結された複数の骨彫成ツールによる連続ループと、５０個以下の前記トルクインタフェースとを有する。一実施形態では、本体部は、それぞれが、第１側面と、第２側面と、ツールフレーム内空洞を備えた、複数のセグメントから形成されており、前記複数のセグメントは、相互に強固に接続されている。一実施形態では、前記ドライブインタフェースは、第１の回転方向へのトルクを受け、前記第１の回転方向または第２の回転方向のいずれかで前記トルクを前記ドライブシャフトに伝達するように構成されている。一実施形態では、前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの前記近位端と前記遠位端との間に、骨空洞の吸引または洗浄を可能にするように構成されている中央チャネル（central channel）をさらに有する。一実施形態では、前記骨彫成ツールのそれぞれは、凸面及び凹面を有しており、前記凸面は、前記骨彫成ツールが第１の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨に接触するように構成されており、前記凹面は、前記骨彫成ツールが第２の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨に接触するように構成されている。一実施形態では、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、２００個以下の前記骨彫成ツールを含む。一実施形態では、前記連結された複数の骨彫成ツールの前記骨彫成ツールのそれぞれは、前記骨彫成ツールが第１の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨を切削する（mill）ように構成されており、前記骨彫成ツールが第２の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨を圧縮するように構成されている。一実施形態では、前記連結された複数の骨彫成ツールの前記骨彫成ツールのそれぞれは、第１の端部及び第２の端部を有しており、前記第１の端部は、略球状突出部（substantially spherical protrusion）を有しており、前記第２の端部は、略球状空洞部（substantially spherical cavity）を有しており、前記連結された複数の骨彫成ツールによる連続ループは、第１の骨彫成ツールの前記略球状突出部を第２の骨彫成ツールの前記略球状空洞部に嵌め込むことによって形成されている。一実施形態では、前記骨彫成ツールのそれぞれは、前記連結された複数の骨彫成ツールが前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループに形成されたときに、隣り合う前記骨彫成ツールに対して少なくとも三自由度（three degrees of freedom）で動くように構成されている。一実施形態では、前記少なくとも１つのトルクインタフェースは、少なくとも１つのギアを含む。一実施形態では、前記少なくとも１つのトルクインタフェースは、前記ドライブシャフト、及び、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記連続ループに、機械的に結合されている。一実施形態では、前記ツールフレームは、近位端と遠位端とをさらに有しており、前記骨空隙彫成器具は、前記ツールフレームの前記遠位端に強固に接続された複数の円錐形骨空洞リーミングツールをさらに備え、前記複数の円錐形骨空洞リーミングツール（conical bone cavity reaming tools）のそれぞれは、補助シャフト（accessory shaft）と、前記補助シャフトに結合された少なくとも１つのカッティングディスクと、前記補助シャフトを前記ドライブシャフトに結合する補助連結（accessory linkage）とを備え、前記複数の円錐形骨空洞リーミングツールは、互いに独立して回転するように構成され、略卵形の（ovoid）断面形状の切削面を形成するように構成されている。一実施形態では、骨空隙彫成器具は、前記骨空隙彫成器具の冠状軸（coronal axis）を示す前記ツールフレームに付されたマーキングをさらに有する。一実施形態では、骨空隙彫成器具は、前記関節置換術で使用される人工関節インプラントの内側範囲（medial extent）を示す前記ツールフレームに付されたマーキングをさらに有する。一実施形態では、骨空隙彫成器具は、前記ツールフレームに固定された基準マーク（fiducial marker）をさらに有する。一実施形態では、前記ツールフレームのサイズ及び形状は、前記関節置換術で使用される人工関節インプラントのサイズ及び形状と一致する。一実施形態では、前記ツールフレームは、ネック長さ、ネック角度、ステム長さ、及びオフセットをさらに有しており、前記ネック長さは、７ｍｍから６０ｍｍの間であり、前記ネック角度は、１０５度から１６０度の間であり、前記ステム長さは、７５ｍｍから１４５ｍｍの間であり、前記オフセットは、１０ｍｍから７０ｍｍの間である。

様々な実施形態において、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備する方法は、彫成される大腿骨空洞を準備するステップと、第１のサイズの骨空隙彫成器具に、トルクを伝えるように構成されたアタッチメントを結合するステップと、所定の非円形経路に沿って動く、連結された複数の骨彫成ツールによる少なくとも１つの連続ループが骨に接触するように、大腿骨近位部に前記骨空隙彫成器具を導入するステップと、前記アタッチメントを分離し、第１のサイズの仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルを前記骨空隙彫成器具に結合することを含む。

一実施形態では、方法は、術前テンプレート法（pre-operative templating）を用いて、第１のサイズの骨空隙彫成器具を選択することを含む。一実施形態では、方法は、骨髄管（intramedullary canal）内の海綿骨を圧縮するステップと、前記大腿骨近位部から前記骨空隙彫成器具を取り除くステップとを含む。一実施形態では、方法は、前記大腿骨近位部から第１のサイズの前記骨空隙彫成器具を取り外すステップと、第２のサイズの骨空隙彫成器具に、前記アタッチメントを結合するステップと、前記骨空隙彫成器具の、連結された複数の骨彫成ツールによる少なくとも１つの連続ループが骨に接触するように、前記大腿骨近位部に前記第２のサイズの前記骨空隙彫成器具を導入するステップと、前記アタッチメントを分離し、第２のサイズの仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルを前記骨空隙彫成器具に結合するステップとを含む。一実施形態では、方法は、骨髄管内の海綿骨を圧縮するステップと、前記大腿骨空洞から前記骨空隙彫成器具を取り除くステップとを含む。一実施形態では、方法は、前記骨空隙彫成器具は、大腿骨骨幹部（femoral shaft）と共線的な方向で前記大腿骨近位部に導入され、大腿骨に導入されると側方化される（lateralized）。一実施形態では、方法は、前記切削される（milled）大腿骨空洞を準備するステップは、大腿管にアクセスするために大腿骨頸部骨切り術（femoral neck osteotomy）を行うステップと、任意で前記大腿管の頂部を開くステップと、前記大腿管を遠位方向に拡張するステップとを含む。

様々な実施形態において、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するためのシステムは、第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを含むツールフレームと、近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールと、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、を含む骨空隙彫成器具と、前記骨空隙彫成器具にトルクを伝えるように構成されており、前記骨空隙彫成器具の前記ツールフレームに強固に接続されており、前記骨空隙彫成器具の前記ドライブインタフェースに結合されているアタッチメントとを含む。

一実施形態では、前記アタッチメントは、外科用ドリルである。一実施形態では、前記アタッチメントは、外科用ロボットのエンドエフェクタである。一実施形態では、システムは、仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアル（provisional femoral neck prosthetic implant trial）を含む。一実施形態では、システムは、より大きなサイズの少なくとも１つの骨空隙彫成器具を含む。一実施形態では、大腿骨頸部骨切り術を行うための器具と、大腿管を遠位方向に拡張するための器具と、複数のリトラクタ（retractors）とを含む。一実施形態では、前記大腿管を遠位方向に拡張するための器具は、フレキシブルリーマ（flexible reamer）である。一実施形態では、前記大腿管の頂部を開くデバイスを含み、前記デバイスは、チゼル（chisel）、ラスプ（rasp）、及び、ブローチ（broach）からなるグループから選択される。

様々な実施形態において、人工股関節全置換術のためのシステムは、第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを含むツールフレームと、近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールと、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、を含む骨空隙彫成器具と、前記骨空隙彫成器具にトルクを伝えるように構成されており、前記骨空隙彫成器具の前記ツールフレームに強固に接続されており、前記骨空隙彫成器具の前記ドライブインタフェースに結合されているアタッチメントと、人工股関節インプラントとを含む。

様々な実施形態が、例示目的で添付の図面に描かれているが、決して実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。さらに、異なる開示された実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明、及び、添付の図面を参照することによって得られるであろう：

本発明の一実施形態による骨空隙彫成器具の分解斜視図である。 本発明の実施形態による組み立てられた骨空隙彫成器具の側面透視図である。 骨空隙彫成器具にトルクを与えるように構成されたアタッチメントと結合され、及び、アタッチメントから分離された、本発明の実施形態による骨空隙彫成器具の側面概略図である。 本発明の実施形態による骨空隙彫成器具の特定のサブアセンブリの側面概略図である。 本発明の実施形態による骨空隙彫成器具の特定のサブアセンブリの断面図である。 本発明の実施形態による、適合する骨空隙彫成器具の寸法・角度に対応する、人工股関節インプラントの寸法・角度の側面概略図である。 本発明の一実施形態による人工股関節全置換術のために大腿骨を準備する方法のブロック図である。 本発明の一実施形態による人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するステップのブロック図である。 本発明の一実施形態による人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するステップのブロック図である。

本発明の様々な態様にしたがって、関節置換術のために骨を準備するための骨空隙彫成器具、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備する方法、及び、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するためのシステムを提供する。

図１を参照して、本発明の第１の態様の一実施形態である骨空隙彫成器具１００を説明する。骨空隙彫成器具は、ツールフレーム１１０と、ドライブシャフト１２０と、ドライブインタフェース１３０（図示せず）と、連結された複数の骨彫成ツール１４０による少なくとも１つの連続ループと、少なくとも１つのトルクインタフェース１５０（図示せず）と、いくつかの実施形態では、複数の円錐形骨空洞リーミングツール１９０とを備えている。ツールフレーム１１０は、第１側面と、少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを有している。複数の円錐形骨空洞リーミングツール１９０のそれぞれは、補助シャフト３６０と、カッティングディスク３７０と、補助連結３８０（図示せず）とを備えている。

ドライブシャフト１２０は、ツールフレーム内空洞３５０に回転可能に固定されている。ドライブシャフト１２０は、近位端１２１及び遠位端１２２を有している。この文脈で使用される近位端及び遠位端という用語は、デバイスの残りの部分に対するデバイスの端部の位置、または、図面に現れるような対向する端部を指す。近位端は、使用者または医師（physician）によって操作される端部を指すために使用することができる。遠位端は、骨内に挿入されて前進し、医師から最も離れているデバイスの端部を指すために使用することができる。当業者には理解されるように、近位端及び遠位端の使用は、（例えば、解剖学的文脈において、患者を基準とした近位端及び遠位端のように、）別の文脈で変わり得る。

ドライブシャフト１２０の近位端１２１は、ドライブインタフェース１３０（図示せず）に機械的に結合されている。ドライブシャフト１２０はまた、少なくとも１つのトルクインタフェース１５０（図示せず）にも結合されている。各トルクインタフェースはまた、対応する、連結された複数の骨彫成ツール１４０による少なくとも１つの連続ループにも結合されている。図２Ａを参照して図示されるように、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループのそれぞれは、対応する少なくとも１つの第２側面３４０を取り囲んでいる。連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループのそれぞれの周方向の長さ（circumference）は、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループのそれぞれが、移動可能に、対応する第２側面３４０に接触するように選択されている。図１に戻ると、複数の円錐形骨空洞リーミングツール１９０を有する実施の形態では、ドライブシャフト１２０は、補助連結３８０（図示せず）を介して、補助シャフト３６０にも結合されている。カッティングディスク３７０は、補助シャフト３６０に結合されている。

動作時には、図２Ｂに示すように、例えば、従来の外科用ドリル、従来の外科用ロボットのエンドエフェクタ、または、骨空隙彫成器具１００と共に使用するために特別に設計された動力式挿入ハンドル（powered insertion handle）のような、トルクを伝えるアタッチメント２００が使用される。アタッチメント２００は、ツールフレーム１１０に強固に固定されており、ドライブインタフェース１３０に回転可能に結合されている。アタッチメント２００は、従来のブローチハンドルの方向と同様のオフセット方向を有していてもよく、解除レバー等の、骨空隙彫成器具からアタッチメントを解除するデバイスを有していてもよい。アタッチメント２００は、ドライブインタフェース１３０を第１の方向に回転するトルクを提供する。アタッチメント２００は、様々な回転速度で、様々なトルク値をドライブインタフェースに与えることができる。

図１に戻ると、ドライブインタフェース１３０は、アタッチメント２００からドライブシャフト１２０にトルクを伝達する。ドライブシャフト１２０は、少なくとも１つの連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループにトルクを与え、対応するトルクインタフェース１３０を介して、ドライブシャフト１２０から、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループにトルクを伝達し、第２側面３４０に沿って予め設定された経路に沿って、連結された複数の骨彫成ツール１４０を第１の方向に動かす。骨空隙彫成器具１００が大腿骨空洞等の骨空洞に導入されると、複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが骨と接触し、第１の方向への複数の骨彫成ツール１４０の動きが骨空洞を切削する（mill）。骨空洞を切削するために、第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動く複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを使用することにより、有利なことに、人工関節インプラントの不規則な形状に適合するように骨空洞を非円形断面に彫成することができる。加えて、第２側面３４０に沿って予め設定された経路に沿って動く複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを使用することにより、医師は、骨空洞への共線的なアクセスを提供しない低侵襲外科的方法を使用してデバイスを導入することができ、それでもなお、骨空洞を彫成する間に、骨に生じさせる機械的応力のピークを低くすることができる。

円錐形骨空洞リーミングツール１９０を有する実施の形態では、ドライブシャフト１２０は、補助連結３８０を介して、円錐形骨空洞リーミングツール１９０の補助シャフト３６０にもトルクを与え、補助シャフト３６０を回転させる。骨にカッティングディスク３７０が接触するように、器具が骨空洞に導入されていた場合、補助シャフト３６０の回転は、カッティングディスク３７０を回転させ、骨を切削する。円錐形骨空洞リーミングツール１９０は、有利なことに、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループによって切削するには前後径（anterior-posterior diameter）が狭すぎる骨空洞の遠位端において、骨空洞が人工関節インプラントの非円形の形状に一致するようにリーミングすることを可能にする。

骨空隙彫成器具１００は、アタッチメント２００から第２の回転方向のトルクを受けてもよい。一実施形態では、ドライブインタフェース１３０は、ドライブインタフェース１３０が第１の回転方向のトルクを受けるが、ドライブシャフト１２０に第２の回転方向のトルクを与えることができるように、ドライブインタフェース１３０にリバースギア等の反転機構を含んでもよい。一実施形態では、アタッチメント２００から第２の回転方向のトルクを受け取った後、ドライブインタフェース１３０は、トルクをドライブシャフト１２０に伝達する。ドライブシャフト１２０は、第２の方向のトルクを、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに与え、トルクインタフェース１３０を介して、トルクをドライブシャフト１２０から、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに伝達し、第２側面３４０に沿って予め設定された経路に沿って、連結された複数の骨彫成ツール１４０を第２の方向に動かす。連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが骨と接触するように、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが骨髄管等の骨空洞に導入されると、連結された複数の骨彫成ツール１４０の第２の方向への動きにより、骨髄管内の海綿骨等の軟らかい骨が、骨空洞の中心線から離れる半径方向に圧縮される。この圧縮は、骨空洞を最終的な人工関節インプラントの形状に形成し、人工関節インプラントと骨空洞との間の一致度合を向上させることにより、骨空洞を最終的なインプラントの形状に対してより良好に準備し、また、密度等の骨の機械的特性を向上させ、その結果、インプラントを取り付けたときに、より良好な臨床結果をもたらすという利点を提供する。

ツールフレーム１１０は、骨空隙彫成器具のコンポーネントを支持及びガイドし、外科医が骨彫成ツールを適切な位置に配置することを補助する。ツールフレーム１１０は、例えば、術前テンプレート法によって、関節置換術に使用される人工関節インプラントのサイズ及び形状に合わせて形成された剛性構造体である。このサイズ及び形状が人工関節インプラントと一致することにより、骨空隙彫成器具に、不規則な形状の人工関節インプラントのために骨を準備する能力（ability）が有利に提供される。図３をさらに参照すると、ツールフレーム１１０は、第１側面３３０と、少なくとも１つの第２側面３４０と、ツールフレーム内空洞３５０とを有する。第１側面３３０は、導入される人工関節インプラントのサイズ及び形状にぴったりと一致するように意図された骨彫成ツールの第１側面を有している。従って、第１側面３３０は、様々な形状及び輪郭を有していてもよく、いくつかの実施形態では、連続した表面を形成しない。

少なくとも１つの第２側面３４０は、第１側面３３０から凹んでおり、ツールフレーム１１０の周りに、ツールフレームの近位－遠位軸（proximal-distal axis）に略垂直な円周状のトラックを形成する。ツールフレームには、５０個もの第２側面が設けられてもよく、第２側面３４０のそれぞれは、他の第２側面と略平行である。図４を参照して示されるように、第２側面３４０は、ツールフレームの中心軸４２０から測定された半径４１０を有する。半径４１０は、第２側面３４０上の全ての点に対して一定ではない。連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループは、第２側面３４０のそれぞれを囲み、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループのそれぞれは、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが対応する第２側面３４０と略同じ断面形状を有するように、及び、移動可能に、対応する第２側面３４０に接触するように、選択された周方向の長さを有している。第２側面３４０のそれぞれは、骨空隙彫成器具が作動しているときに、対応する連結された複数の骨彫成ツール１４０が移動する、予め設定された経路を形成する。第２側面３４０のそれぞれが一定でない半径４１０を有するため、第２側面３４０のそれぞれの断面形状４００は、連結された複数の骨彫成ツール１４０の連続ループのそれぞれの断面形状と同様に、非円形、例えば卵形である。第２側面３４０、及び、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループの非円形の断面形状により、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが、対応する第２側面３４０によって形成された予め設定された経路に沿って移動することで、非円形の切削面が形成される。この非円形の切削面は、有利には、人工関節インプラントの不規則な断面形状によりよく一致するのに役立ち、従来の切削ツールと比較して、非円形の形状で骨を切削する際に骨にかかる機械的応力のピークを低減し、骨空洞をうまく切削するために骨空洞に共線的にアクセスする必要がなく、有利には、低侵襲の外科的アプローチの使用を可能にする。

図３に戻ると、ツールフレーム１１０は、少なくとも１つのトルクインタフェース１５０（図示せず）が、対応する連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループと結合するように、第２側面３４０の一部が取り除かれた部分である、少なくとも１つの冠状切抜部（coronal cutout）３４５を有していてもよい。冠状切抜部３４５は、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが第２側面３４０に組み込まれた連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループによって形成された断面形状に実質的に影響を与えないように、または、第２側面３４０によって形成された連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループのための予め設定された経路に実質的に影響を与えないように配置されている。

ツールフレーム１１０は、近位端３１０及び遠位端３２０を有する。ツールフレーム内空洞３５０は、近位端３１０を通って遠位端３２０まで延びている。いくつかの実施形態において、ツールフレーム内空洞３５０は、補助連結３８０と結合するために遠位端３２０を通って延びていてもよい。ツールフレーム内空洞３５０は、中央に位置する円形のチャネルであってもよい。ツールフレーム１１０の形状に応じて、ツールフレーム内空洞３５０は、ツールフレームの軸方向の外形（profile）に対応するように、近位－遠位軸において方向を変えることができる。

ツールフレーム１１０は、例えば、金属（ステンレス鋼、アルミニウム、または他の耐腐食性合金など）、セラミック、硬質ポリマ、そのような材料の組み合わせ、または硬質で耐腐食性の特性を有する天然または人工の複合材料などの、硬質で耐腐食性の材料からなっている。ツールフレーム１１０は、１つの連続的な材料片から構成されていてもよいし、剛性的に連結された複数のセグメント３３５から構成されていてもよい。ツールフレーム１１０が剛性的に連結された複数のセグメント３３５からなる実施形態では、セグメントは、固定的に連結されていてもよいし、着脱可能に連結されていてもよい。ツールフレーム１１０は、ステム挿入中に、デバイスを患者の本来の前捻角（anteversion）に整合させるために、骨空隙彫成器具の冠状軸を示す、１つ以上のマーキングを含んでいてもよい。ツールフレーム１１０は、患者の脚の長さを回復するための計画に基づいて、人工関節インプラントの意図された位置の内側範囲を示す１つ以上のマーキングを含んでいてもよい。ナビゲーション登録システムにデバイスの位置を示すため、または、透視検査（fluoroscopy）もしくは他の画像技術の下で基準位置（reference location）を提供するために、ツールフレームに基準マーカーを取り付けてもよい。ツールフレーム１１０は、仮の関節置換トライアル（provisional joint replacement trial）と結合するように構成されていてもよい。

図５をさらに参照して説明すると、空隙彫成器具が人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するために使用されるいくつかの実施形態では、ツールフレーム１１０は、ネック長さ５１０、ネック角度５２０、ステム長さ５３０、及び、オフセット５４０の４つの寸法・角度（dimension）を有している。寸法・角度は、人工股関節全置換術で使用される人工関節インプラントの形状に一致するように選択されるべきであり、術前テンプレート法に基づいて選択されてもよい。ネック長さ５１０は、７ｍｍから６０ｍｍの範囲であってもよい。ネック角度５２０は１０５度から１６０度の範囲であってもよい。ステム長さ５３０は７５ｍｍから１４５ｍｍの範囲であってもよい。オフセット５４０は、１０ｍｍから７０ｍｍの範囲であってもよい。特定の市販の人工股関節インプラントのサイズに適合するように選択された様々な骨空隙彫成器具のサイズの例示的な寸法・角度を以下の表に示す。

いくつかの実施形態では、関節置換術のために骨を準備するために、徐々に大きくなる（progressively larger）骨空隙彫成器具１００を骨に導入することができる。これらの実施形態では、使用されるツールフレーム１１０のそれぞれは、彫成される骨空洞の患者の初期解剖学的形状（initial anatomy）と、関節置換術に使用される最終的な人工関節インプラントのサイズ及び形状との間のサイズ及び形状として構成されてもよい。

図１に戻ると、ドライブシャフト１２０は、骨空隙彫成器具１００を介してトルクを伝達するための剛性のシャフトである。ドライブシャフト１２０のサイズ及び形状は、ドライブシャフト１２０が回転可能に固定されるツールフレーム内空洞３５０内にフィットするように選択される。関節置換術に使用される人工関節インプラントの形状に合わせてツールフレーム１１０が湾曲しているときに、ツールフレーム内空洞３５０の形状に対応するために、ドライブシャフト１２０は、互いに結合された複数のセグメントで構成されてもよい。このようなセグメントは、ユニバーサルジョイント、機械的カップリング、またはシャフトセグメント間のトルクを伝達するための他のカップリング機構を介して結合されてもよい。ドライブシャフト１２０の近位端１２１は、ドライブインタフェース１３０に結合されてもよいし、代わりに、アタッチメント２００等の外部トルク源に直接結合されてもよい。円錐形骨空洞リーミングツール１９０を有する実施形態では、ドライブシャフト１２０の遠位端１２２は、補助連結３８０に連結されてもよい。ドライブシャフト１２０は、ドライブシャフト１２０とトルクインタフェース１５０、ドライブインタフェース１３０とドライブシャフト１２０、または、ドライブシャフト１２０と補助連結３８０との間で、トルクを伝達するためにドライブシャフト１２０に固く連結されたギア１２４を含んでもよい。ドライブシャフト１２０は、代わりに、トルクを伝達するために当該技術分野で公知の他の構造を含んでいてもよい。代わりの構造は、プーリまたはスプロケットなどの機械的トルクカップリング、または電磁または他のトルクカップリングを含んでいてもよい。ドライブシャフト１２０は、近位端１２１から遠位端１２２までの中央チャネル（１２６、図示せず）を含んでもよい。中央チャネルは、骨を切削するために骨空隙彫成器具１００を使用するとき、骨髄（bone marrow）を吸引するために構成されてもよい。関節置換術のための骨空洞を準備するために使用される場合、このように吸引することで、脂肪塞栓（fat embolization）の発生率を有利に低下させる。中央チャネル（図示せず）は、洗浄（irrigation）用に構成することもできる。無菌流体（sterile fluid）または無菌溶液（sterile solution）を用いた洗浄は、熱壊死（thermal necrosis）の危険性を減少させるために高密度の骨（dense bone）を切削するときに有利に使用されてもよいし、または、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを洗浄するために、デバイスが骨の切削に用いられていないときに有利に使用されてもよい。ドライブシャフト１２０は、仮の関節置換トライアルと結合するように構成されていてもよい。

ドライブインタフェース１３０は、ドライブシャフト１２０と、外部トルク源（例えば、アタッチメント２００）との間のカップリングを有している。カップリングは、シャフトカップリング、カラー（collar）、チャック（chuck）、コレット（collet）、または他の機械的結合、または外部トルク源によって提供されるトルクの許容可能な部分をドライブシャフト１２０に伝達するのに十分な他の結合であってもよい。ドライブインタフェース１３０は、ドライブシャフト１２０に固定的または取り外し可能に接続されていてもよい。ドライブインタフェース１３０はまた、ツールフレーム１２０に固定的または取り外し可能に接続されていてもよい。ドライブインタフェース１３０は、仮の関節置換トライアルと結合されるように構成されていてもよい。

図４に、連結された複数の骨彫成ツール１４０の実施形態をさらに詳細に図示している。骨彫成ツール４３０のそれぞれは、骨を切削するための形状を有する第１の面４４０と、骨を圧縮するための形状を有する第２の面４５０を含む。第１の面４４０は、骨を切削するための凸状の外形を有していてもよい。第２の面４５０は、骨を圧縮するための凹状の外形を有していてもよい。骨彫成ツールのそれぞれの外形は、さらに、関節置換術に使用される最終的な人工関節インプラントの輪郭を模した切断角度（cutting angling）を形成するような形状を有していてもよい。切断角度は、骨空隙彫成器具の近位－遠位軸から９０～１８０度の範囲であってよく、より好ましくは１２０～１６０度である。

互いに連結するために、骨彫成ツール４３０のそれぞれは、第１の端部４６０及び第２の端部４８０を有している。第１の端部４６０は、略球状突出部４７０を有していてもよい。第２の端部４８０は、略球状空洞部４９０を有していてもよい。図４の実施形態に示すように、骨彫成ツールを連結させるために、１つの骨彫成ツールの略球状突出部４７０は、隣接する骨彫成ツールの略球状空洞部４９０内に固定されている。様々な実施形態では、３００個、２００個、１５０個、１００個、７５個、５０個、または２５個もの骨彫成ツールを連結させて、連結された複数の骨彫成ツール１４０を形成することができる。連結される骨彫成ツールの数及びサイズは、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが、対応するトルクインタフェース１３０と移動可能に接触した状態を維持し、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループが予め設定された経路に沿って移動する、対応する第２側面３４０とほぼ同様の断面形状４００を維持するのに十分な張力を有するように選択されるべきである。図４に示した実施形態の骨彫成ツールの連結デザインは、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに形成されたときに、骨彫成ツールにその隣接する骨彫成ツールに対する三自由度（three degrees of freedom）を与え、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに、様々な形状の第２側面３４０に沿って予め設定された経路に沿って移動する能力を与えるという利点を提供する。しかしながら、隣接する骨彫成ツールに対する骨彫成ツールの少なくとも一自由度を提供する骨彫成ツールを連結する他のデザインを使用して、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを形成してもよい。

連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループの内側表面４０５は、トルクインタフェース１５０と結合するように構成されている。例えば、骨彫成ツールが連結されて連続ループになっている場合、内側表面４０５は、１つまたは複数のギアまたはスプロケットと噛み合うことができる、鋸歯（serrations）、歯（teeth）、切り欠き（notches）等の繰り返しパターンからなる外形を有することができる。骨彫成ツール４３０のそれぞれは、例えば、金属（ステンレス鋼、アルミニウム、または他の耐腐食性合金など）、セラミック、硬質ポリマ、そのような材料の組み合わせ、または硬質で耐腐食性の特性を有する天然または人工の複合材料などの、硬質で耐腐食性の材料からなっている。

トルクインタフェース１５０は、ドライブシャフト１２０からトルクを受け取り、それを連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに伝達する。トルクインタフェース１５０は、トルクをドライブシャフト１２０から連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに伝達するための任意の適切な機構で構成することができる。例えば、トルクインタフェース１５０は、１つ以上のギアを含んでいてもよい。このような実施形態では、トルクインタフェースのそれぞれの１つ以上のギアは、ドライブシャフト１２０からトルクを受けるために、ドライブシャフト１２０のギアと噛み合わされ、トルクをドライブシャフト１２０から、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに伝達するために、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループの内側表面４０５の外形と噛み合わされる。このようにドライブシャフト１２０及び連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに結合されると、トルクインタフェース１５０のそれぞれは、ドライブシャフト１２０から受けたトルクの許容可能な部分を連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループに伝達し、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを第２側面３４０に沿って予め設定された経路に沿って移動させる。トルクインタフェースは、ツールフレーム１１０に対して回転可能に固定されていてもよい。

一部の関節置換術では、最終的な人工関節インプラントの遠位端の前後径、したがって、人工関節インプラントに適合する空洞の前後径は、連結された複数の骨彫成ツール１４０による連続ループを使用して収容され得る直径よりも小さい。人工関節インプラントの遠位端のための細い直径の骨空洞を彫成するために、骨空隙彫成器具１００は、複数の円錐形骨空洞リーミングツール１９０を含むことができる。円錐形骨空洞リーミングツール１９０はそれぞれ、補助シャフト３６０、カッティングディスク３７０、及び、補助連結３８０を有している。補助連結３８０は、ドライブシャフト１２０を補助シャフト３６０に連結する。補助連結３８０は、ギア、プーリ及びベルト、チェーン及びスプロケット、または他の機械的リンケージもしくはカップリングから構成されていてもよい。例えば、補助連結３８０は、ドライブシャフト１２０のギア１２４と噛み合った、補助シャフト３６０に固定されたギアから構成されていてもよい。補助シャフト３６０は、ツールフレーム１１０の遠位端３２０に回転可能に取り付けられ、遠位端３２０から延びている。補助シャフト３６０は、関節置換術に使用される人工関節インプラントの長さに適合するように選択された長さと、カッティングディスク３７０が骨空洞をリーミングする際の有害な振動、または、カッティングディスクのびびり振動（chatter）を防止するのに十分な直径とからなる。カッティングディスク３７０は、補助シャフト３６０に結合されている。カッティングディスク３７０は、関節置換術に使用される人工関節インプラントの輪郭に適合するように選択された直径、刃先、及び切削角度を有する円形切削ツールからなる。複数の円錐形骨空洞リーミングツール１９０は、カッティングディスク３７０が所望の断面形状、例えば、卵形の断面形状を有する切削面を形成するように構成されている。円錐形骨空洞リーミングツール１９０のそれぞれのカッティングディスク３７０は、円錐形骨空洞リーミングツール１９０のそれぞれの補助シャフト３６０が独立して回転し、円錐形骨空洞リーミングツール１９０のそれぞれのカッティングディスク３７０が互いに干渉しないように、他の円錐形骨空洞リーミングツールのカッティングディスクに対して近位－遠位軸に沿ってずらされている。

本発明のさらなる態様は、図６Ａ、図６Ｂ及び図６Ｃを参照して説明するように、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するための方法である。まず、図６Ａを参照すると、股関節にアクセスするために、利用可能な様々な外科的アプローチのうちの１つを使用する（６００）。骨空洞を彫成する前に、医師は大腿骨空洞を準備しなければならない（６０５）。大腿骨空洞の準備は、外科医の選択に応じて外科的ワークフロー中の様々な時期に行われ、外科的な股関節脱臼（surgical hip dislocation）の前に行われることもあれば、人工寛骨臼カップを受け入れるための寛骨臼（acetabulum）の外科的準備の後に行われることもあり、そうでない場合もある。図６Ｂに関して示されるように、大腿骨近位部の準備は、典型的には、大腿管にアクセスするために大腿骨頸部骨切り術を行い（６０６）、頸部骨切り術の高さに基づいて、患者の脚長の回復計画を立てることによって開始される。その後、任意に、ラスプ、チゼル、または、ブローチ等のツールを使用して、大腿管の頂部を開くことができる（６０７）。次に、仮のフレキシブルリーマを用いて大腿管を遠位方向に拡張し（６０８）、リトラクタを適用してもよい。その後、大腿骨近位部の最適な露出を得るために、リトラクタを適用してもよい。術前テンプレート法に基づいて、骨空隙彫成器具の第１のサイズが選択される（６０９）。

図６Ａに戻ると、トルクを与えるように構成されたアタッチメントに骨空隙彫成器具を結合する（６１０）。次に、骨空隙彫成器具を大腿骨近位部に導入する（６１５）。次に、アタッチメントに電源を入れ、骨空隙彫成器具に第１の方向にトルクを与え、第２側面の予め設定された経路に沿って移動し始めるように、連結された複数の骨彫成ツールによる連続ループにトルクを与える。これにより、骨空隙彫成器具が大腿骨近位部にゆっくりと導入される（６１５）。

図６Ｃを参照して説明されるように、骨空隙彫成器具は、準備プロセスを開始する前に一般的に行われるように大腿骨から余分な骨を除去する必要なく、ステムが内反（varus）になることを防止するためにゆっくりと側方化される（６１７）前に、大腿骨骨幹部と共線的な方向で大腿骨近位部に導入することができる（６１６）。骨彫成ツールによる連続ループが大腿骨空洞の骨に接触すると、骨空隙彫成器具は、患者の骨に対するピーク応力が極めて低い条件下で、最終的なインプラントの形状に高度に対応するように導入されるにつれて、大腿骨近位部の海綿骨（cancellous bone）をゆっくりと削り始める。デバイスは、患者の解剖学的構造（anatomy）とステム形状に基づいて、ステムが可能な限り遠位側へ移動したときに抵抗があるまで、大腿骨近位－遠位方向に導入される。

外科医は、任意選択で、第１のサイズの仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルを骨空隙彫成器具に結合し（６２０）、仮の大腿骨頭を導入して股関節の安定性を試すことができる。あるいは、医師は、患者固有の解剖学的構造を回復するのに必要なステムのサイズを評価した上で、骨空隙彫成器具と大腿骨頸部の切削との関係に基づいて、人工関節インプラントのステムのサイズを変更することを決定することができる。異なるサイズのステムが選択された場合、大腿骨近位部から、第１のサイズの骨空隙彫成器具を取り外す（６２５）。新しいステムのサイズに適合する第２のサイズの骨空隙彫成器具にアタッチメントを結合し（６３０）、同様の方法で大腿骨近位部に導入する（６３５）。

現在の大腿骨ステムのサイズに満足したら、骨空隙彫成器具をアタッチメントから取り外し、大腿骨近位部に留めることができる。次に、医師は、仮の大腿骨頸部トライアルを骨空隙彫成器具に結合し、続いて、仮の大腿骨頭を結合することができる（６４５）。その後、股関節を縮め、人工股関節の安定性を標準的な方法で試す。股関節の安定性に満足したら、医師はアタッチメントを骨空隙彫成器具に再結合し、任意に、アタッチメントをオンにして、骨空隙彫成器具に第２の方向のトルクを与え、骨空隙彫成器具で髄内管内の海綿骨を圧縮させてもよい（６４５）。その後、医師は骨空隙彫成器具を大腿骨近位部から取り外し（６５０）、最終的な大腿骨ステムを埋め込んで手術を終了することができる。

本発明のさらなる態様は、人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するためのシステムである。このシステムは、本発明の他の態様に記載の骨空隙彫成器具１００と、骨空隙彫成器具にトルクを与えるように構成されたアタッチメント２００とを備える。アタッチメント２００は、従来の外科用ドリル、従来の外科用ロボットのエンドエフェクタ、または、骨空隙彫成器具と共に使用するために特別に設計された動力式挿入ハンドルであってもよい。アタッチメント２００は、従来のブローチハンドルの方向と同様のオフセット方向を有していてもよく、解除レバー等の骨空隙彫成器具からアタッチメントを解除するデバイスを有していてもよい。アタッチメント２００は、ドライブインタフェース１３０を第１の方向に回転するトルクを提供する。アタッチメント２００は、様々な回転速度で、様々なトルク値をドライブインタフェースに与えることができる。本システムは、股関節の安定性を試験し、患者固有の解剖学的構造を回復するのに必要な大腿骨ステムのサイズを評価するために、骨空隙彫成器具に結合可能な、仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルをさらに備えていてもよい。本システムは、より大きなサイズの少なくとも１つの骨空隙彫成器具をさらに含んでいてもよい。本システムは、大腿骨頸部骨切り術を行うための器具をさらに含んでいてもよい。本システムは、チゼル、ラスプ、またはブローチなどの、大腿骨管の上部を開くための器具をさらに備えてもよい。本システムは、仮のフレキシブルリーマ等、大腿管を遠位方向に拡張する器具をさらに含んでいてもよい。本システムは、大腿骨近位部の最適な露出を得るための複数のリトラクタをさらに含んでいてもよい。

本発明のさらなる態様は、人工股関節全置換術のためのシステムである。このシステムは、本発明の他の態様に記載の骨空隙彫成器具１００と、骨空隙彫成器具にトルクを与えるように構成されたアタッチメント２００と、人工股関節インプラントとを備える。

本開示は、特定の実施形態及び例の文脈で説明されてきたが、本開示は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替的な実施形態及び／または使用、並びにそれらの明らかな変更及び等価物に及ぶことが当業者には理解されるであろう。加えて、本開示の実施形態のいくつかの変形例を示し、詳細に説明したが、本開示の範囲内である他の変更は、当業者には容易に明らかであろう。また、実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせまたはサブコンビネーションがなされ、それでもなお本開示の範囲内に入ることを意図している。例えば、１つの実施形態に関連して上述した特徴は、本明細書に記載される異なる実施形態と共に使用することができ、その組み合わせは依然として本開示の範囲内にある。開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、本開示の実施形態の様々な態様を形成するために、互いに組み合わされ得るか、または、互いに置換され得ることが理解されるべきである。したがって、本明細書における開示の範囲は、上述した特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。したがって、別段の記載がない限り、または明らかに両立しない場合を除き、本発明の各実施形態は、本明細書に記載されるその本質的な特徴に加えて、本明細書に開示される本発明の他の各実施形態から、本明細書に記載されるような１つまたは複数の特徴を含むことができる。

特定の態様、実施形態、または実施例と関連して記載された特徴（features）、材料（materials）、特性（characteristics）、またはグループは、それと両立しない場合を除き、本セクションまたは本明細書の他の箇所に記載された他の態様、実施形態、または実施例に適用可能であると理解される。本明細書（添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む）に開示された特徴の全て、及び／または、そのように開示された方法若しくはプロセスの全てのステップは、そのような特徴及び／またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。保護（protection）は、前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書（添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む）に開示された特徴の新規なもの、または新規な組み合わせ、あるいはそのように開示された方法またはプロセスのステップの新規なもの、または新規な組み合わせに及ぶ。

さらに、別個の実装（implementation）の文脈で本開示において説明される特定の特徴は、単一の実装において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実装において別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴を特定のコンビネーションで作用するものとして上述することがあるが、場合によっては、クレームされたコンビネーションから１つ以上の特徴を除外することができ、そのコンビネーションを、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形例としてクレームすることができる。

さらに、工程（operation）は、特定の順序で図面に描かれているか、または明細書に記載されているかもしれないが、そのような工程は、望ましい結果を達成するために、示された特定の順序で、または連続した順序で実行される必要はなく、全ての工程が実行される必要もない。図示または記載されていない他の工程も、例示の方法及びプロセスに組み込むことができる。例えば、記載された工程の前、後、同時、または間に、１つ以上の追加工程を実行することができる。さらに、他の実装において、工程を並べ直したり（rearranged）、順序を変えたり（reordered）することもできる。当業者であれば、いくつかの実施形態において、図示及び／または開示されたプロセスで実際に行われるステップは、図示されたものとは異なる可能性があることを理解するであろう。実施形態によっては、上述したステップの一部が削除され、他のステップが追加されてもよい。さらに、上記に開示された特定の実施形態の特徴及び特性（attributes）は、追加の実施形態を形成するために異なる方法で組み合わされてもよく、これらはすべて本開示の範囲内にある。また、上述した実装における様々なシステムのコンポーネントの分離は、全ての実装においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されたコンポーネント及びシステムは、一般に、単一の製品において一緒に統合されてもよく、または複数の製品にパッケージされてもよいことが理解されるべきである。

本開示の目的のために、特定の態様、利点、及び、新規な特徴を本明細書に記載している。必ずしも全てのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示または示唆され得るような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような１つの利点または利点群（group of advantages）を達成する方法で具体化または実施され得ることを認識するであろう。

本明細書で使用される、「できる（can）」、「できる（could）」、「可能性がある（might）」、「可能性がある（may）」、「例えば（e.g.）」等の条件付き言語は、特に別段の記載がない限り、または使用される文脈内で別様に理解されない限り、概して、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び／またはステップを含み、他の実施形態は含まないことを伝えることが意図される。したがって、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び／またはステップが、１つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、または１つまたは複数の実施形態が、他の入力またはプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び／またはステップが、任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうかを決定するためのロジックを必ず含むことを意味するようには意図されていない。用語「備える（comprising）」、「含む（including）」、「有する（having）」などは、同義であり、包括的に、オープンエンドな態様で使用され、追加の要素、特徴、行為、操作などを排除するものではない。また、「または（or）」という用語は、包括的な意味で（排他的な意味ではなく）使用されるため、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「または」という用語は、リスト内の要素の１つ、いくつか、または全てを意味する。

「Ｘ、Ｙ、及びＺのうちの少なくとも１つ」というような接続語は、特に別段の記載がない限り、アイテム、用語などがＸ、Ｙ、またはＺのいずれかである可能性があることを伝えるために一般的に使用されるものとして、文脈とともに理解される。したがって、このような接続語は、一般に、特定の実施形態が、少なくとも１つのＸ、少なくとも１つのＹ、及び、少なくとも１つのＺの存在を必要とすることを意味するものではない。

本明細書で使用される「略」、「約」、「概して」、及び「実質的に」という用語のような、本明細書で使用される程度の言語は、依然として所望の機能を果たすか、または所望の結果を達成する、記載された値、量、または特性に近い値、量、または特性を表す。例えば、用語「略」、「約」、「概して」、及び「実質的に」は、記載された量の１０％未満、５％未満、１％未満、０．１％未満、及び０．０１％未満の範囲内にある量を指す場合がある。別の例として、特定の実施形態では、「概ね平行」及び「実質的に平行」という用語は、完全な平行から１５度以下、１０度以下、５度以下、３度以下、１度以下、０．１度以下、またはその他で逸脱する値、量、または特性を指す。

本明細書で開示される方法は、記載された順序で実行される必要はない。本明細書に開示される方法は、実行者（practitioner）が行う特定の動作を含むが、明示的または暗示的に、これらの動作の任意の第三者による指示を含むこともできる。例えば、「モータの回転数を制御する」といった動作には、「モータの回転数を制御することを指示する」ことも含まれる。

本開示の範囲は、本セクションまたは本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、本セクションまたは本明細書の他の箇所において提示される、または将来提示される特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲に採用された文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書または本出願の明細書中に記載された実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は非排他的なものとして解釈されるべきである。

説明した本発明の好ましい実施形態には、多くの修正、変形、及び細部の変更が可能であるため、前述の説明及び添付図面に示したすべての事項は、例示的なものとして解釈され、限定的な意味で解釈されないことが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的な均等物（legal equivalents）によって決定されるべきである。

Claims (35)

1. 関節置換術のために骨を準備するための骨空隙彫成器具であって、
   第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを有するツールフレームと、
   近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、
   前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、
   前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールと、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、
   前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、
   を備えることを特徴とする骨空隙彫成器具。
2. 複数の第２側面と、
   連結された複数の骨彫成ツールによる複数の連続ループと、
   複数のトルクインタフェースと、をさらに備え、
   前記連結された複数の骨彫成ツールによる複数の連続ループは、対応する前記第２側面及び前記トルクインタフェースと一致する
   ことを特徴とする請求項１に記載の骨空隙彫成器具。
3. ５０個以下の前記第２側面、５０個以下の前記連結された複数の骨彫成ツールによる連続ループと、５０個以下の前記トルクインタフェースとを有する
   ことを特徴とする請求項１に記載の骨空隙彫成器具。
4. 本体部は、それぞれが、第１側面と、第２側面と、ツールフレーム内空洞を備えた、複数のセグメントから形成されており、
   前記複数のセグメントは、相互に強固に接続されている
   ことを特徴とする請求項２に記載の骨空隙彫成器具。
5. 前記ドライブインタフェースは、第１の回転方向へのトルクを受け、前記第１の回転方向または第２の回転方向のいずれかで前記トルクを前記ドライブシャフトに伝達するように構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の骨空隙彫成器具。
6. 前記ドライブシャフトは、前記ドライブシャフトの前記近位端と前記遠位端との間に、骨空洞の吸引または洗浄を可能にするように構成されている中央チャネルをさらに有する
   ことを特徴とする請求項１に記載の骨空隙彫成器具。
7. 前記骨彫成ツールのそれぞれは、凸面及び凹面を有しており、
   前記凸面は、前記骨彫成ツールが第１の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨に接触するように構成されており、
   前記凹面は、前記骨彫成ツールが第２の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨に接触するように構成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の骨空隙彫成器具。
8. 前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、２００個以下の前記骨彫成ツールを含む
   ことを特徴とする請求項７に記載の骨空隙彫成器具。
9. 前記連結された複数の骨彫成ツールの前記骨彫成ツールのそれぞれは、前記骨彫成ツールが第１の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨を切削するように構成されており、前記骨彫成ツールが第２の方向に前記第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動いているときに前記骨を圧縮するように構成されている
   ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
10. 前記連結された複数の骨彫成ツールの前記骨彫成ツールのそれぞれは、第１の端部及び第２の端部を有しており、
    前記第１の端部は、略球状突出部を有しており、
    前記第２の端部は、略球状空洞部を有しており、
    前記連結された複数の骨彫成ツールによる連続ループは、第１の骨彫成ツールの前記略球状突出部を第２の骨彫成ツールの前記略球状空洞部に嵌め込むことによって形成されている
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
11. 前記骨彫成ツールのそれぞれは、前記連結された複数の骨彫成ツールが前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループに形成されたときに、隣り合う前記骨彫成ツールに対して少なくとも三自由度で動くように構成されている
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
12. 前記少なくとも１つのトルクインタフェースは、少なくとも１つのギアを含む
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
13. 前記少なくとも１つのトルクインタフェースは、前記ドライブシャフト、及び、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記連続ループに、機械的に結合されている
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
14. 前記ツールフレームは、近位端と遠位端とをさらに有しており、
    前記骨空隙彫成器具は、前記ツールフレームの前記遠位端に強固に接続された複数の円錐形骨空洞リーミングツールをさらに備え、
    前記複数の円錐形骨空洞リーミングツールのそれぞれは、
    補助シャフトと、
    前記補助シャフトに結合された少なくとも１つのカッティングディスクと、
    前記補助シャフトを前記ドライブシャフトに結合する補助連結とを備え、
    前記複数の円錐形骨空洞リーミングツールは、互いに独立して回転するように構成され、略卵形の断面形状の切削面を形成するように構成されている
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
15. 前記骨空隙彫成器具の冠状軸を示す前記ツールフレームに付されたマーキングをさらに有する
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
16. 前記関節置換術で使用される人工関節インプラントの内側範囲を示す前記ツールフレームに付されたマーキングをさらに有する
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
17. 前記ツールフレームに固定された基準マークをさらに有する
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
18. 前記ツールフレームのサイズ及び形状は、前記関節置換術で使用される人工関節インプラントのサイズ及び形状と一致する
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
19. 前記ツールフレームは、ネック長さ、ネック角度、ステム長さ、及びオフセットをさらに有しており、前記ネック長さは、７ｍｍから６０ｍｍの間であり、前記ネック角度は、１０５度から１６０度の間であり、前記ステム長さは、７５ｍｍから１４５ｍｍの間であり、前記オフセットは、１０ｍｍから７０ｍｍの間である
    ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれか１項に記載の骨空隙彫成器具。
20. 人工股関節全置換術のために大腿骨を準備する方法であって、
    彫成される大腿骨空洞を準備するステップと、
    第１のサイズの骨空隙彫成器具に、トルクを伝えるように構成されたアタッチメントを結合するステップと、
    所定の非円形経路に沿って動く、連結された複数の骨彫成ツールによる少なくとも１つの連続ループが骨に接触するように、大腿骨近位部に前記骨空隙彫成器具を導入するステップと、
    前記アタッチメントを分離し、第１のサイズの仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルを前記骨空隙彫成器具に結合する
    ことを特徴とする方法。
21. 術前テンプレート法を用いて、第１のサイズの骨空隙彫成器具を選択することをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２０に記載の方法。
22. 骨髄管内の海綿骨を圧縮するステップと、
    前記大腿骨近位部から前記骨空隙彫成器具を取り除くステップとをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２０または２１に記載の方法。
23. 前記大腿骨近位部から第１のサイズの前記骨空隙彫成器具を取り外すステップと、
    第２のサイズの骨空隙彫成器具に、前記アタッチメントを結合するステップと、
    前記骨空隙彫成器具の、連結された複数の骨彫成ツールによる少なくとも１つの連続ループが骨に接触するように、前記大腿骨近位部に前記第２のサイズの前記骨空隙彫成器具を導入するステップと、
    前記アタッチメントを分離し、第２のサイズの仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルを前記骨空隙彫成器具に結合するステップとをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２０または２１に記載の方法。
24. 骨髄管内の海綿骨を圧縮するステップと、
    前記大腿骨空洞から前記骨空隙彫成器具を取り除くステップとをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２３に記載の方法。
25. 前記骨空隙彫成器具は、大腿骨骨幹部と共線的な方向で前記大腿骨近位部に導入され、大腿骨に導入されると側方化される
    ことを特徴とする請求項２０または２１に記載の方法。
26. 前記切削される大腿骨空洞を準備するステップは、
    大腿管にアクセスするために大腿骨頸部骨切り術を行うステップと、
    任意で前記大腿管の頂部を開くステップと、
    前記大腿管を遠位方向に拡張するステップとを含む
    ことを特徴とする請求項２０または２１に記載の方法。
27. 人工股関節全置換術のために大腿骨を準備するためのシステムであって、
    骨空隙彫成器具と、アタッチメントとを備え、
    前記骨空隙彫成器具は、
    第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを有するツールフレームと、
    近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、
    前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールと、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、
    前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、を備え、
    前記アタッチメントは、前記骨空隙彫成器具にトルクを伝えるように構成されており、前記アタッチメントは、前記骨空隙彫成器具の前記ツールフレームに強固に接続されており、前記骨空隙彫成器具の前記ドライブインタフェースに結合されている
    ことを特徴とするシステム。
28. 前記アタッチメントは、外科用ドリルである
    ことを特徴とする請求項２７に記載のシステム。
29. 前記アタッチメントは、外科用ロボットのエンドエフェクタである
    ことを特徴とする請求項２７に記載のシステム。
30. 仮の大腿骨頸部の人工関節インプラントトライアルをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２７に記載のシステム。
31. より大きなサイズの少なくとも１つの骨空隙彫成器具をさらに含む
    ことを特徴とする請求項２７に記載のシステム。
32. 大腿骨頸部骨切り術を行うための器具と、
    大腿管を遠位方向に拡張するための器具と、
    複数のリトラクタとをさらに含む
    ことを特徴とする請求項２７乃至３１のいずれか１項に記載のシステム。
33. 前記大腿管を遠位方向に拡張するための器具は、フレキシブルリーマである
    ことを特徴とする請求項３２に記載のシステム。
34. 前記大腿管の頂部を開くデバイスをさらに含み、
    前記デバイスは、チゼル、ラスプ、及び、ブローチからなるグループから選択される
    ことを特徴とする請求項３２に記載のシステム。
35. 人工股関節全置換術のためのシステムであって、
    骨空隙彫成器具と、アタッチメントと、人工股関節インプラントとを備え、
    前記骨空隙彫成器具は、
    第１側面と、前記第１側面から凹んでおり、不連続的な半径を有する少なくとも１つの第２側面と、ツールフレーム内空洞とを有するツールフレームと、
    近位端及び遠位端を有し、前記ツールフレーム内空洞に回転可能に固定されたドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトの前記近位端に結合されたドライブインタフェースと、
    前記少なくとも１つの第２側面の周りに、少なくとも１つの連続ループを形成するように構成された、連結された複数の骨彫成ツールと、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面とほぼ同じ断面形状を有し、前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループは、前記少なくとも１つの第２側面に沿って予め設定された経路に沿って動くように構成されており、
    前記ドライブシャフト及び前記連結された複数の骨彫成ツールによる前記少なくとも１つの連続ループの両方と結合された少なくとも１つのトルクインタフェースと、を備え、
    前記アタッチメントは、前記骨空隙彫成器具にトルクを伝えるように構成されており、前記アタッチメントは、前記骨空隙彫成器具の前記ツールフレームに強固に接続されており、前記骨空隙彫成器具の前記ドライブインタフェースに結合されている
    ことを特徴とするシステム。