JP2024516439A - 電気エネルギ貯蔵部 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電気的に直列及び/又は並列に相互に結線されている複数の個別セル(2)と、欠陥のある個別セル(2)から少なくとも1つの隣接する個別セル(2)へと熱暴走が伝播するリスクを低減するために、少なくとも2つの個別セル(2)間に配置されている複数のサーマルバリア部材(1)と、を備えた電気エネルギ貯蔵部(3)に関する。本発明によれば、各サーマルバリア部材(1)は、1つ又は2つの圧縮可能な外層(S1)と、1つの圧縮可能な外層(S1)に隣接して配置されているか、又は2つの圧縮可能な外層(S1)間に配置されている非圧縮性層(S3)と、を有する。

Description

本発明は、電気的に直列及び/又は並列に相互に結線されている複数の個別セルと、欠陥のある個別セルから少なくとも1つの隣接する個別セルへと熱暴走が伝播するリスクを低減するために、少なくとも2つの個別セル間に配置されている複数のサーマルバリア部材と、を備えた電気エネルギ貯蔵部に関する。
特許文献1からは、電気エネルギ貯蔵部のセル結合体において、欠陥のある個別セルから欠陥のない個別セルへの熱暴走の伝播を阻止するための、親水性のポリマーサーマルバリアシステムが公知である。親水性のポリマーサーマルバリアシステムは、各個別セル間に配置されており、また必要に応じて、個別セルと電気エネルギ貯蔵部のハウジングとの間に配置されているサーマルバリアを含んでいる。サーマルバリアの横断面積は、少なくとも、隣接する個別セルと等しい。サーマルバリアは、欠陥のある個別セルから放出される熱を吸収するために、十分な量の熱吸収材料を含有している。
US2014/0224465A1
更に、特許文献2には、電気エネルギ貯蔵部のセル結合体における熱暴走を抑制するための装置が開示されている。このために、水和したハイドロゲルを含むポーチが、1つ又は複数の個別セルのグループ間の物理的な境界面に使用されている。ハイドロゲルが拡散し、セルの機能不全時に個別セルから放出される熱エネルギを吸収する。ある個別セルが極度に過熱されている間、ハイドロゲルに蓄積された水に相転移が生じて蒸発し、それによって、比較的多くの量の熱エネルギが吸収され、隣接するセルの熱暴走が阻止される。
WO2010/017169A1
本発明が基礎とする課題は、電気エネルギ貯蔵部、及び電気エネルギ貯蔵部の使用を提供することである。
この課題は、本発明によれば、請求項1に記載の特徴を有する電気エネルギ貯蔵部によって解決される。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項の対象である。
電気エネルギ貯蔵部は、電気的に直列及び/又は並列に相互に結線されている複数の個別セルと、欠陥のある個別セルから少なくとも1つの隣接する個別セルへと熱暴走が伝播するリスクを低減するために、少なくとも2つの個別セル間に配置されている複数のサーマルバリア部材と、を備える。本発明によれば、各サーマルバリア部材が、それぞれ隣接している個別セルの体積変化を補償調整するための1つ又は2つの圧縮可能な外層と、1つの圧縮可能な外層に隣接して配置されているか、又は2つの圧縮可能な外層間に配置されている非圧縮性層と、を有する。
このようにして形成されているサーマルバリア部材を用いて、熱暴走に関して電気エネルギ貯蔵部の安全性を著しく向上させることができる。更に、サーマルバリア部材は、それぞれ隣接している個別セルの体積変化の補償調整のための1つ又は2つの圧縮可能な外層に基づいて、個別セルの体積変化を補償するために形成されているので、付加的な緩衝マット等は必要とされない。これによって、電気エネルギ貯蔵部のコンポーネントの数を低減することができ、それによって、組み付けコストが低下し、コスト削減を達成することができる。
即ち、サーマルバリア部材は、体積の補償調整に必要とされる圧縮性の特性と、欠陥のある個別セルから隣接する個別セルへの熱暴走の伝播の阻止に関する安全性と、を兼備している。
電気エネルギ貯蔵部の隣接する個別セルを、各サーマルバリア部材によって電気絶縁させることができ(しかしながら、この電気絶縁は他の部材(セル絶縁体)によっても実現することができる)、この際、サーマルバリア部材を用いて、セルの厚さの周期的で不可逆的な増大を補償でき、また個別セルの熱的な過熱が生じた際、即ち熱暴走時の連鎖反応の危険を低減することができる。
サーマルバリア部材の一実施形態では、非圧縮性層が、充填材としてハイドロゲルを有する担体マトリクスを含み、非圧縮性層はケースによって、即ちパッケージによって包囲されている。カバーは水蒸気不透過性及び/又は気密に形成することができる。この場合、充填剤は、実質的に問題なく担体マトリクスに組み込むことができる。特に、充填剤は、その分解及び/又は相転移時の比エネルギ吸収が比較的高い点で優れており、水蒸気不透過性及び/又は気密なケースにおいて長時間安定性を示す。
熱障壁としてのハイドロゲル及び担体マトリクスの組み合わせによって、隣接する個別セルの内部温度を、電気エネルギ貯蔵部の隣接する個別セル及び更に別の個別セルが熱暴走に至るに必要とされる臨界限界温度を下回る温度に比較的効果的に限定することができる。これによって、伝搬を十分に阻止することができ、また障害を1つの個別セルに限定することができる。
非圧縮性層は堅固な層として構成されているので、非圧縮性層に機械的な力が作用しても、充填剤、即ちハイドロゲルが漏れ出る危険を十分に排除することができる。
電気エネルギ貯蔵部の1つの発展形態では、担体マトリクスがグリッド構造及び/又はハニカム構造として構成されている。サーマルバリア部材の熱的な特性は、一方ではグリッド構造及び/又はハニカム構造によって決定され、他方では、その決定は充填剤の影響を大きく受ける。
熱暴走の経過において、特に吸熱反応の終了後に、非圧縮性層の格子構造及び/又はハニカム構造は、欠陥のある個別セルと隣接する無損傷の個別セルとの間隔を保持するので、欠陥のある個別セルから隣接する個別セルへの熱エネルギの伝達を最小限にすることができる。この場合、グリッド構造及び/又はハニカム構造内の周囲空気が熱的な絶縁部として用いられる。
一実施形態では、ハイドロゲルを備えた担体マトリクスを包囲するケースが気体不透過性に形成されている。この場合、ケースは水蒸気不透過性であり、水蒸気遮蔽部として用いられ、それと共に、ケースは永続的に気密に形成されており、従って、気体がケースを介して拡散されることもない。
1つの別の実施形態では、ケースが、特に異なる密度を有する、ポリエチレンフィルム、及び/又はコーティングされたアルミニウムフィルムから形成されている。ケースを用いて、また担体マトリクスの安定性によって、担体マトリクスに導入された充填剤は、グリッド構造及び/又はハニカム構造の相応の空洞部においてほぼ完全に蒸発することが達成される。
担体マトリクスは、ハイドロゲルと共にケースに密閉されているので、ケースは気密に構成されており、また充填剤が導入されている担体マトリクスの空洞部は、相互に隔てられている。ケースは溶接されており、またケースは気密に構成されているので、ハイドロゲル、即ち充填材、又はそこから放出される水蒸気の漏出を十分に回避することができる。
考えられる1つの発展形態では、ケースが、目標破断箇所を有しているので、ケース、即ちパッケージを必要に応じて開放することができる。例えば、付加的な又は代替的な充填剤を空洞部に注入するために、目標破断箇所を用いてケースを開放することができる。
サーマルバリア部材の別の実施形態では、各外層は、非圧縮性層に接着されているポリウレタン発泡材を含む。この場合、ポリウレタン発泡材は、例えば経年劣化に起因するセルの厚さの増大を補償するために弾性変形するように選択されている。充電状態に依存する各個別セルの体積変化も、外層を用いて補償調整することができる。ポリウレタン発泡材を含む、弾性変形可能な外層を用いて、隣接する個別セルへの均等な圧力分布が実現され、それによって、個別セルの一時的な負荷に起因する経年劣化の加速を十分に阻止することができる。
代替的又は付加的に、外層を形成するために、非圧縮性層を緩衝マット及び/又は発泡性の材料でもって覆うことができる。材料は、発泡性シリコーン、発泡性ポリウレタン材料、ポリエチレンテレフタレート不織布、フォームラバー、ポリエチレン発泡体及び/又は同種の材料であってよい。
更に、サーマルバリア部材の別の考えられる実施形態では、少なくとも1つの外層と非圧縮性層との間に熱伝導性の中間層が配置されている。特に、熱伝導性の中間層は比較的安定した材料から形成されているので、各外層の圧縮性材料が非圧縮性層に押し込まれることを十分に阻止することができる。例えば、熱伝導性の層は、ガラス、炭素繊維プレート及び/又は炭素繊維シートから形成されている。
以下では、本発明の実施例を、図面に基づき詳細に説明する。
複数の個別セルを含む電気エネルギ貯蔵部のためのサーマルバリア部材の概略的な断面図を示す。 個別セル及びサーマルバリア部材を備えた電気エネルギ貯蔵部の一部の概略的な分解斜視図を示す。
いずれの図においても、相互に対応する部分には、同一の参照符号を付している。
図1は、複数の個別セル2を含む電気エネルギ貯蔵部3のための、非常に簡略化して図示したサーマルバリア部材1の断面図を示し、図2には、そのエネルギ貯蔵部3の一部が、分解斜視図で示されている。
電気エネルギ貯蔵部3は、例えば、電気車両、ハイブリッド車両又は燃料電池により駆動される車両のための電気車両用バッテリであってもよいし、家庭用蓄電池、電動工具、非常用バッテリ、工業用貯蔵部等であってもよい。
個別セル2は、特にリチウムイオンの個別セルであり、またいわゆるセルコネクタ4を用いて、電気的に直列及び/又は並列に相互に結線されている。
欠陥のある個別セル2によって、場合によっては、その個別セル2において制御不能なエネルギ放出が生じる可能性がある。電気エネルギ貯蔵部3のセルモジュール内の充填密度が比較的高いことによって、放出された熱エネルギが、熱力学第二法則の適用下で、隣接する個別セル2に分散されるという結果をもたらす可能性がある。個別セル2の最大許容動作温度を超えた場合、隣接する個別セル2では自己増強プロセスにより発熱反応が生じる可能性がある。
各個別セル2の電極にリチウムが組み込まれることによって、各個別セル2に関して体積変化が生じ、その際、セルの厚さが増大し、また場合によっては再び減少する。その種の体積変化は、材料に依存し、また各個別セル2の充電レベルによって、即ち充電状態によって決まり、また体積変化は完全には可逆的ではない。
特に比エネルギ密度が比較的高い個別セル2では、アノード側の一部では、炭素及びケイ素の組み合わせが使用される。所定の割合のケイ素が導入されることによって、各個別セルの充放電時に、より大きな可逆的な体積変化が生じる。これによって、セルハウジングに対して、また場合によってはモジュールフレーム及び/又は電気エネルギ貯蔵部3のハウジングに対して機械的な力が作用する。それらの機械的な力が所定の大きさを上回ると、機械的な損傷が生じる可能性がある。
個別セル2の内部においても、体積変化によって惹起される圧力環境が障害をもたらし、電極構造、安定性、電解液の分布及び電流分布に影響を及ぼす可能性があり、それによって、個別セル2の電気的な容量が、例えばいわゆるリチウムめっき(Lithium-Plating)によって低下する可能性がある。
電気エネルギ貯蔵部3のセルモジュールにおける熱暴走の伝播を十分に阻止し、電気エネルギ貯蔵部3の動作期間中及び耐用期間中の個別セル2の可逆的及び不可逆的な体積変化を十分に補償するために、以下において説明するサーマルバリア部材1が設けられている。
その種のサーマルバリア部材1は、図2に図示されているように、セルモジュールの2つの個別セル2間に配置されている。この場合、サーマルバリア部材1は特に、それぞれ2つの個別セル2の2つの平坦面間に配置されている。しかしながら、本発明の範囲では、全ての個別セル2間にサーマルバリア部材1が配置されている必要はない。その代わりに、1つおき、2つおき、又はn個おき(nは自然数)の個別セル2の後に、サーマルバリア部材1が配置されていてもよい。同様に、サーマルバリア部材1が、不規則な間隔で個別セル2の後に配置されていてもよい。重要なことは、サーマルバリア部材1がそのようにして個別セル2間に、又は個別セル2のグループ間に配置され、それによって、セルモジュール全体の制御不能な熱暴走に至るまでの熱伝播が阻止されることである。
更に、電気エネルギ貯蔵部3の詳細には図示していないハウジングの壁と、セルモジュールに関して縁部側に配置されている個別セル2との間に、サーマルバリア部材1がそれぞれ配置されていてもよい。
ハイブリッドバリアと称されてもよいサーマルバリア部材1は、熱特性を備えた材料と吸熱特性を備えた材料の組み合わせと、体積変化を補償するための少なくとも部分的に可撓性の構造と、を含む。
特に、サーマルバリア部材1は、個別セル2の障害時に、吸熱反応によって熱エネルギを吸収し、この際、吸熱反応が終了したときにも、熱障壁は依然として存在している。
例えば外部の影響及び/又は個別セル2における特異な故障に起因して、個別セル2に熱暴走が生じた場合、個別セル2が内部の発熱反応によって破壊され、比較的大量の熱エネルギが放出される。この熱エネルギは、直接的な熱と、例えば電解液の燃焼から生じる熱の形態で、隣接している各個別セル2を比較的強く加熱する。
システム限界を超える熱伝播は、別の個別セル2の熱暴走をもたらす可能性があり、その際、熱暴走が電気エネルギ貯蔵部3全体に及んで壊滅的な影響をもたらす可能性がある。
2つの個別セル2間にそれぞれ配置されているサーマルバリア部材1は、いわゆるサンドイッチ構造を有している。
ここで、図1に図示した実施形態によるサーマルバリア部材1は、2つの圧縮可能な外層S1と、2つの中間層S2と、中間層S2間に配置されている非圧縮性層S3と、を含む。
非圧縮性層S3は、担体マトリクスとして格子構造及び/又はハニカム構造を含む。担体マトリクスの各空洞部には、充填剤が導入されている。特に、充填剤は、特定の温度において、吸熱分解するか、又は相転移を起こし、温度の顕著な上昇時に熱エネルギの少なくとも一部を吸収するように選択されている。
ハイドロゲル、即ち充填剤と、熱障壁又は遮蔽部としての担体マトリクスとを組み合わせることによって、隣接する個別セル2の内部温度は、臨界限界温度を下回る温度に効果的に限定される。サーマルバリア素子1を用いて臨界限界温度への到達を十分に阻止することができるので、熱伝播を阻止することができ、ひいては障害を熱暴走が生じた個別セル2に限定することができる。
通常の場合、個別セル2の熱暴走時に放出された熱エネルギは、充填剤の潜在的な吸熱能力を遥かに上回るため、エネルギレベルは限定的にしか低下させられない。
非圧縮性層S3の担体マトリクスの空洞部の充填材として、エチレンと組み合わされた水に含浸させることによってハイドロゲルが形成されている、いわゆる高吸収体を使用することによって、結合した水の蒸発エンタルピを利用することができる。この蒸発エンタルピは、他の充填剤、例えば塩水和物に比べて、数倍高い。
ハイドロゲル、即ち充填剤と、熱障壁又は遮蔽部としての担体マトリクスとを組み合わせることによって、隣接する個別セル2の内部温度は、臨界限界温度を下回る温度に効果的に限定される。サーマルバリア素子1を用いて臨界限界温度への到達を十分に阻止することができるので、熱伝播を阻止することができ、ひいては障害を熱暴走が生じた個別セル2に限定することができる。
このハイドロゲルは、更に、使用されている組成に基づき、霜から保護されている。従って、零下温度でのハイドロゲルの氷形成は十分に回避されている。
充填材が導入されている担体マトリクスは、カバーによって、即ちパッケージによって完全に包囲されており、特に密閉されている。カバーは、異なる密度を有するポリエチレンフィルム及び/又はコーティングされたアルミニウムフィルムから形成されている。特に、カバーは、蒸気不透過性に形成されており、及び蒸気を遮断する機能を有しているので、カバーは少なくとも所定の期間にわたり気密性に形成されている。
例えば、カバーは、熱伝播時に所期のように開くように、目標破断箇所を有していてもよい。更に、カバー自体がサーマルバリア部材1の外層S1を形成し、圧縮可能に、即ち圧縮性に形成されていてもよい。
非圧縮性層S3のカバーと外層S1とが別個のコンポーネントを形成する実施形態は、少なくともより廉価であり、またよりスケーラブルであることはほぼ間違いない。
グリッド構造及び/又はハニカム構造としての担体マトリクスは、比較的安定性に形成されている。この安定性により、内部に存在するハイドロゲルは、隣接する個別セル2で熱暴走が生じた場合、その内部に蓄えられている水のあらゆる方向における相転移によってほぼ完全に蒸発し、その後、担体マトリクスから離れる。これによって、充填材、即ちハイドロゲルの利用可能な蒸発エンタルピの大部分を利用することができる。グリッド構造及び/又はハニカム構造の更なる利点は、それらの構造が、水が完全に蒸発した後も、依然として相応の個別セル2間のスペーサ及び熱障壁として機能することである。何故ならば、それらの構造が圧縮性であれば、水が蒸発した後、相応の個別セル2が相互に重なり、2つの個別セル間の熱抵抗が低くなるからである。
圧縮可能な外層S1は、例えば緩衝マットとして形成されている。代替的又は付加的に、外層S1は、他の材料、例えば発泡性シリコーン、発泡性ポリウレタン材料、ポリウレタン材料、ポリエチレンテレフタレート不織布、フォームラバー、ポリエチレン発泡体及び/又は同種の材料、を含んでもよい。
特に、サーマルバリア部材1の外層S1は、要求に応じて、独立して、また伝搬防止部に影響を及ぼすことなく形成されていてもよい。伝播防止部の最小厚さは、特に、非圧縮性層によって保証されている。
サーマルバリア部材1のサンドイッチ構造によって、外層S1及び非圧縮性層S3を、相互に独立して設計して、その後に、相互に結合させることができる。
特に、中間層S2が配置されていない限りでは、外層S1を、非圧縮性層S3のカバーに接着可能であり、及び/又は他のやり方で素材結合により取付可能である。
外層S3は、個別セル2の体積変化を補償するために、弾性変形可能に形成されているので、隣接する個別セル2に作用する圧力を均等に分散させることができる。従って、個別セル2の一時的な負荷、またそれに起因する個別セル2の経年劣化の促進を阻止することができる。
上述したように、図1に図示したサーマルバリア部材1は、外層S1と非圧縮性層S3との間にそれぞれ配置されている中間層S2を含む。
これらの中間層S2は、非圧縮性層S3への熱伝導を最適化するために、熱伝導性に構成されている。更に、中間層S2は、個別セル2の隣接する面にわたる、即ちサーマルバリア部材1に関して面内(「in-plane」)での温度均一化のために設けられている。これによって、規定通りの動作中、又は個別セル2の熱暴走中に放出される熱を、セルモジュールに隣接して配置されている冷却素子、例えば冷却プレートの方向に「in-plane」で誘導させることができる。
例えば、中間層S2は、担体マトリクスの表面及び/又はカバーの表面のコーティングとして構成されている。
考えられる1つの実現形態では、各中間層S2が、比較的安定した材料から形成されることによって、外層S1が担体マトリクスの空洞部内に押し込まれることを十分に阻止することができる。例えば、中間層S2は、ガラス及び/又は炭素繊維プレート及び/又は炭素繊維シートから形成されている。
サーマルバリア部材1は、例えば、このサーマルバリア部材1が介在するように配置されている個別セル2間の短絡を阻止するために、絶縁性に構成されていてもよい。
ハイブリッドバリアとしてのサーマルバリア部材1は、1つ以上の個別セル2を備えた電気エネルギ貯蔵部3のための解決手段となる。この場合、個別セル2は、少なくとも1つのサーマルバリア部材1によって部分的に包囲されている。サーマルバリアエレメント1を用いることによって、個別セル2の熱暴走時に、隣接する個別セル2への伝播のリスクを顕著に低減することができる。更に、セルモジュールにおける各個別セル2の体積変化を、サーマルバリア部材1を用いて補償することができる。
1 サーマルバリア部材
2 個別セル
3 電気エネルギ貯蔵部
4 セルコネクタ
S1 外層
S2 中間層
S3 非圧縮性層

Claims (11)

  1. 電気的に直列及び/又は並列に相互に結線されている複数の個別セル(2)と、欠陥のある個別セル(2)から少なくとも1つの隣接する個別セル(2)へと熱暴走が伝播するリスクを低減するために、少なくとも2つの個別セル(2)間に配置されている複数のサーマルバリア部材(1)と、を備えた電気エネルギ貯蔵部(3)において、
    各サーマルバリア部材(1)は、
    1つ又は2つの圧縮可能な外層(S1)と、
    前記1つの圧縮可能な外層(S1)に隣接して配置されているか、又は前記2つの圧縮可能な外層(S1)間に配置されている非圧縮性層(S3)と、
    を有することを特徴とする、前記電気エネルギ貯蔵部。
  2. 前記非圧縮性層(3)は、充填材としてハイドロゲルを有する担体マトリクスを含み、及びケースによって包囲されていることを特徴とする、請求項1記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  3. 前記担体マトリクスは、グリッド構造及び/又はハニカム構造として形成されていることを特徴とする、請求項2記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  4. 前記ケースは、気体不透過性に形成されていることを特徴とする、請求項2又は3記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  5. 前記ケースは、ポリエチレンフィルム及び/又はコーティングされたアルミニウムフィルムから形成されていることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  6. 前記担体マトリクスは、前記ハイドロゲルと共に前記ケース内に密閉されていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  7. 前記ケースは、目標破断箇所を有することを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  8. 各外層(S1)は、前記非圧縮性層(S3)に接着されているポリウレタン発泡材を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  9. 少なくとも1つの外層(S1)と前記非圧縮性層(S3)との間に、熱伝導性の中間層(S2)が配置されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  10. 前記中間層(S2)を用いて、熱を、前記サーマルバリア部材(1)に関して、セルモジュールに隣接して配置されている冷却素子の方向に面内で誘導可能であることを特徴とする、請求項9記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
  11. 前記サーマルバリア部材(1)は、電気絶縁性に形成されていることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項記載の電気エネルギ貯蔵部(3)。
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