JP2024513991A - トリガイベントに基づいて術野のディスプレイオーバーレイを変更するためのシステム及び方法 - Google Patents

トリガイベントに基づいて術野のディスプレイオーバーレイを変更するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されているディスプレイと、撮像デバイス及びディスプレイに動作可能に連結される制御システムとを備える、外科用システムが開示される。ライブストリームは、撮像デバイスによって捕捉される。制御システムは、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、トリガイベントの発生を検出し、トリガイベントの発生に基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2021年4月14日に出願された「HEADS UP DISPLAY」と題する米国仮特許出願第63/174,674号、及び2021年11月30日に出願された「INTRAOPERATIVE DISPLAY FOR SURGICAL SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第63/284,326号に対する利益を主張するものであり、これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、外科的処置中に拡張現実インタラクティブ体験を提供するための装置、システム、及び方法に関する。外科的処置中に、実世界に存在するオブジェクトが、時には視覚、聴覚、触覚、体性感覚、及び嗅覚を含む複数の感覚モダリティにわたって、コンピュータ生成された知覚情報をオーバーレイすることによって強化される、実世界環境の拡張現実インタラクティブ体験を提供することが望ましいであろう。本開示の文脈では、術野並びに術野に現れる外科用器具及び他のオブジェクトの画像は、コンピュータ生成された視覚、聴覚、触覚、体性感覚、嗅覚、又は他の感覚情報を、術野並びに術野に現れる器具又は他のオブジェクトの実世界画像上にオーバーレイすることによって強化される。画像は、リアルタイムでストリーミングされてもよいし、静止画像であってもよい。
実世界の外科用器具は、エネルギー、ステープラ、又はエネルギーとステープラとの組合せを含む、種々の外科用デバイスを含む。エネルギーベースの医療デバイスは、限定ではないが、とりわけ、無線周波数(RF)ベースの単極及び双極電気外科用器具、超音波外科用器具、RF電気外科用器具と超音波器具との組合せ、RF電気外科用ステープラと機械的ステープラとの組合せを含む。外科用ステープラデバイスは、肥満、胸部、結腸直腸、産婦人科、泌尿器科、及び一般外科を含む、種々の外科的処置において組織を切断及びステープル留めするために使用される外科用器具である。
様々な例では、本開示は、外科用システムであって、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイと、撮像デバイス及びディスプレイに動作可能に連結された制御システムとを備える、外科用システムを提供する。ライブストリームは、撮像デバイスによって捕捉される。制御システムは、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、トリガイベントの発生を検出し、トリガイベントの発生に基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている。
様々な例では、本開示は、外科用システムであって、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイと、撮像デバイス及びディスプレイに動作可能に連結された制御システムとを備える、外科用システムを提供する。ライブストリームは、撮像デバイスによって捕捉される。制御システムは、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、トリガイベントカウントを設定し、部分的なトリガイベントを検出し、部分的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントを調整し、トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている。
様々な例では、本開示は、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイと、状況認識モジュールと、撮像デバイス、ディスプレイ、及び状況認識モジュールに動作可能に連結された制御システムとを備える、外科用システムを提供する。ライブストリームは、撮像デバイスによって捕捉される。制御システムは、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、状況認識モジュールによって、外科的処置のステップを決定し、トリガイベントの発生を検出し、トリガイベントの発生及び外科的処置のステップに基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている。
構成及び操作方法の両方に関して本明細書で説明する様々な態様は、それらの更なる目的及び利点とともに、以下の説明を以下の添付図面と併せて参照することで最良に理解され得る。
本開示の一態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムのブロック図である。 本開示の一態様による、手術室内で外科的処置を実行するために使用される外科用システムの図である。 本開示の一態様による、可視化システム、ロボットシステム、及びインテリジェント器具とペアリングされた外科用ハブである。 本開示の一態様による、医療施設の1つ以上の手術現場、又は外科手術のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に位置しているモジュール式デバイスをクラウドに接続するように構成されたモジュール式通信ハブを含む外科用データネットワークを示す図である。 本開示の一態様による、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システムを示す図である。 本開示の一態様による、モジュール式制御タワーに連結された複数のモジュールを含む外科用ハブを示す図である。 本開示の一態様による、撮像モジュールと外科用ハブディスプレイとの間の通信経路内に配置された中間信号結合器を含む拡張現実(AR)システムを示す図である。 本開示の一態様による、撮像モジュールと外科用ハブディスプレイとの間の通信経路内に配置された中間信号結合器を含む拡張現実(AR)システムを示す図である。 本開示の一態様による、外科用ハブにデータを通信するために外科医によって装着される拡張現実(AR)デバイスを示す図である。 本開示の一態様による、拡張現実ディスプレイを使用して外科用器具情報を拡張するためのシステムを示す図である。 本開示の一態様による、状況認識外科的処置のタイムラインを示す図である。 本開示の少なくとも一態様による、外科用可視化システムを示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、術野のライブストリームを示しているディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための方法を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、術野のライブストリームを示しているディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための方法を示す図である。 本開示の少なくとも1つの態様による、術野のライブストリームを示しているディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための方法を示す図である。
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載された例示は、様々な開示された実施形態を一形態で示しており、そのような例示は、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時に出願された以下の米国特許出願を所有する。
・「METHOD FOR INTRAOPERATIVE DISPLAY FOR SURGICAL SYSTEMS」と題された米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP1/210120-1M、
・「UTILIZATION OF SURGICAL DATA VALUES AND SITUATIONAL AWARENESS TO CONTROL THE OVERLAY IN SURGICAL FIELD VIEW」と題された米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP2/210120-2、
・「SELECTIVE AND ADJUSTABLE MIXED REALITY OVERLAY IN SURGICAL FIELD VIEW」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP3/210120-3、
・「RISK BASED PRIORITIZATION OF DISPLAY ASPECTS IN SURGICAL FIELD VIEW」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP4/210120-4、
・「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING SURGICAL DATA OVERLAY」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP5/210120-5、
・「CUSTOMIZATION OF OVERLAID DATA AND CONFIGURATION」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP7/210120-7、
・「INDICATION OF THE COUPLE PAIR OF REMOTE CONTROLS WITH REMOTE DEVICES FUNCTIONS」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP8/210120-8、
・「COOPERATIVE OVERLAYS OF INTERACTING INSTRUMENTS WHICH RESULT IN BOTH OVERLAYS BEING EFFECTED」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP9/210120-9、
・「ANTICIPATION OF INTERACTIVE UTILIZATION OF COMMON DATA OVERLAYS BY DIFFERENT USERS」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP10/210120-10、
・「MIXING DIRECTLY VISUALIZED WITH RENDERED ELEMENTS TO DISPLAY BLENDED ELEMENTS AND ACTIONS HAPPENING ON-SCREEN AND OFF-SCREEN」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP11/210120-11、
・「SYSTEM AND METHOD FOR TRACKING A PORTION OF THE USER AS A PROXY FOR NON-MONITORED INSTRUMENT」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP12/210120-12、
・「UTILIZING CONTEXTUAL PARAMETERS OF ONE OR MORE SURGICAL DEVICES TO PREDICT A FREQUENCY INTERVAL FOR DISPLAYING SURGICAL INFORMATION」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP13/210120-13、
・「COOPERATION AMONG MULTIPLE DISPLAY SYSTEMS TO PROVIDE A HEALTHCARE USER CUSTOMIZED INFORMATION」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP14/210120-14、
・「INTRAOPERATIVE DISPLAY FOR SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP15/210120-15、
・「ADAPTATION AND ADJUSTABILITY OR OVERLAID INSTRUMENT INFORMATION FOR SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP16/210120-16、及び、
・「MIXED REALITY FEEDBACK SYSTEMS THAT COOPERATE TO INCREASE EFFICIENT PERCEPTION OF COMPLEX DATA FEEDS」と題する米国特許出願;代理人整理番号END9352USNP17/210120-17。
本出願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、以下の米国特許出願を所有する。
・「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」と題する米国特許出願第16/209,423号(現在は、米国特許出願公開第2019/0200981-A1号)、
・「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」と題する米国特許出願第16/209,453号(現在は、米国特許出願公開第2019/0201046-A1号)。
外科用デバイス及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例解的な実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明において例解される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示の実施例は、他の態様、変形形態、及び修正形態で実装されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
様々な態様は、様々なエネルギー及び外科用ステープラベースの医療デバイスのための外科用システムのための画面上表示を対象とする。エネルギーベースの医療デバイスは、限定ではないが、とりわけ、無線周波数(RF)ベースの単極及び双極電気外科用器具、超音波外科用器具、RF電気外科用器具と超音波器具との組合せ、RF電気外科用ステープラと機械的ステープラとの組合せを含む。外科用ステープラデバイスは、電気外科用デバイス及び/又は超音波デバイスと組み合わされた外科用ステープラを含む。超音波外科用デバイスの態様は、例えば、外科的処置中に組織を横切開及び/又は凝固するように構成され得る。電気外科用デバイスの態様は、例えば、外科的処置中に、組織を横切開、凝固、封止、溶接及び/又は乾燥させるように構成され得る。外科用ステープラデバイスの態様は、外科的処置中に組織を横切開してステープル留めするように構成することができ、いくつかの態様では、外科用ステープラデバイスは、外科的処置中に組織にRFエネルギーを送達するように構成することができる。電気外科用デバイスは、治療用及び/又は非治療用RFエネルギーを組織に送達するように構成されている。外科用ステープラ、電気外科用デバイス、及び超音波デバイスの要素は、単一の外科用器具において組み合わせて使用され得る。
様々な態様では、本開示は、外科的処置中にORチームにリアルタイム情報の画面上表示を提供する。本開示の様々な態様によれば、様々な視覚情報フィードバックを画面上でORチームに表示するために、多くの新しい固有の画面上表示が提供される。本開示によれば、視覚情報は、音を伴う又は伴わない様々な視覚媒体のうちの1つ以上を含むことができる。一般に、視覚情報は、静止写真、動画写真、ビデオ又はオーディオ記録、グラフィックアート、視覚補助、モデル、表示、視覚表現サービス、及びサポートプロセスを含む。視覚情報は、例えば、とりわけ、一次ORスクリーン、エネルギー又は外科用ステープラデバイス自体、タブレット、拡張現実眼鏡等の任意の数の表示オプション上で通信することができる。
様々な態様では、本開示は、ORチームをあまりに多くの視覚情報で圧倒することなく、視覚情報をリアルタイムでORチームに通信するための潜在的オプションの多くのリストを提供する。例えば、種々の態様では、本開示は、外科医、又はORチームの他のメンバーが、豊富な視覚情報を管理するために、画面オプションを取り囲むアイコン等の画面上表示を選択的に起動することを可能にする、視覚情報の画面上表示を提供する。要因のうちの1つ又は組合せが、アクティブ表示を決定するために使用することができ、これらは、とりわけ、使用中のエネルギーベース(例えば、電気外科、超音波)又は機械ベース(例えば、ステープラ)外科用デバイス、所与の表示と関連付けられる推定リスク、外科医の経験レベル、及び外科医の選択を含んでもよい。他の態様では、視覚情報は、視覚情報を管理するために手術視野にオーバーレイ又は重畳された豊富なデータを含んでもよい。以下に説明する様々な態様では、データを適切にオーバーレイするためにビデオ解析及び追跡を必要とする重畳画像を含む。このように通信された視覚情報データは、静的アイコンとは対照的に、ORチームに対してより簡潔で理解しやすい方法で追加の有用な視覚情報を提供することができる。
様々な態様では、本開示は、外科的処置中に視覚情報を管理するために、スクリーンを取り囲むアイコン等の画面上表示を選択的に起動するための技術を提供する。他の態様では、本開示は、要因のうちの1つ又は組合せを使用してアクティブ表示を決定するための技術を提供する。様々な態様では、本開示による技術は、とりわけ、アクティブ表示として使用中のエネルギーベース又は機械ベースの外科用デバイスを選択すること、所与の表示に関連付けられたリスクを推定すること、選択を行う外科医又はORチームの経験レベルを利用することを含み得る。
他の態様では、本開示による技術は、視覚情報を管理するために、豊富なデータを手術視野上にオーバーレイ又は重畳することを含んでもよい。本開示によって説明されるいくつかの表示配置は、術野のライブストリーム上に外科用データの種々の視覚表現をオーバーレイすることを伴う。本明細書で使用される場合、オーバーレイという用語は、半透明オーバーレイ、部分的オーバーレイ、及び/又は移動オーバーレイを含む。グラフィカルオーバーレイは、透明グラフィック、半透明グラフィック、又は不透明グラフィック、あるいは透明、半透明、及び不透明の要素又は効果の組合せの形態であってもよい。更に、オーバーレイは、例えば、エンドエフェクタ及び/又は重要な外科用構造等の、術野におけるオブジェクト上に、又は少なくとも部分的にその上に、又はその近くに配置され得る。特定の表示配置は、表示優先度値の変化に基づいて、色、サイズ、形状、表示時間、表示場所、表示頻度、強調表示、又はそれらの組合せの変化を含む、オーバーレイの1つ以上の表示要素の変化を含み得る。グラフィカルオーバーレイは、アクティブ表示モニタの上にレンダリングされ、重要な情報を迅速かつ効率的にORチームに伝達する。
他の態様では、本開示による技術は、視覚情報データを適切にオーバーレイするためにビデオ解析及び追跡することを必要とする画像を重畳することを含み得る。他の態様では、本開示による技術は、単純な静的アイコンとは対照的に、豊富な視覚情報を通信して、より簡潔で理解しやすい方法で追加の視覚情報をORチームに提供することを含むことができる。他の態様では、視覚オーバーレイは、聴覚及び/又は体性感覚オーバーレイ、例えば、熱的、化学的、及び機械的デバイス、並びにそれらの組合せと組み合わせて使用することができる。
以下の説明は、概して、外科的処置中に拡張現実(AR)インタラクティブ体験を提供する装置、システム、及び方法に関する。この文脈では、術野並びに術野に現れる外科用器具及び他のオブジェクトの画像は、コンピュータ生成された視覚、聴覚、触覚、体性感覚、嗅覚、又は他の感覚情報を、術野、術野に現れる器具及び/又は他のオブジェクトの実世界画像上にオーバーレイすることによって強化される。画像は、リアルタイムでストリーミングされてもよいし、静止画像であってもよい。拡張現実は、実環境上にオーバーレイされる仮想又は「拡張」仮想オブジェクト、データ、又は視覚効果をレンダリング及び表示するための技術である。実環境は、術野を含んでもよい。実環境上にオーバーレイされた仮想オブジェクトは、実環境の1つ以上の態様に対して固定された位置、又は設定された位置で表され得る。非限定的な例では、実世界オブジェクトが実環境の視野から出る場合、実世界オブジェクトに固定された仮想オブジェクトも拡張現実の視野から出る。
本開示によって説明されるいくつかの表示配置は、術野のライブストリーム上に外科用データの種々の視覚表現をオーバーレイすることを伴う。本明細書で使用される場合、オーバーレイという用語は、半透明オーバーレイ、部分的オーバーレイ、及び/又は移動オーバーレイを含む。更に、オーバーレイは、例えば、エンドエフェクタ及び/又は重要な外科用構造等の、術野におけるオブジェクト上に、又は少なくとも部分的にその上に、又はその近くに配置され得る。特定の表示配置は、表示優先度値の変化に基づいて、色、サイズ、形状、表示時間、表示場所、表示頻度、強調表示、又はそれらの組合せの変化を含む、オーバーレイの1つ以上の表示要素の変化を含み得る。
本明細書で説明されるように、ARは、技術を介して送達されるデジタル視覚要素、音、又は他の感覚刺激の使用を通して達成される、現実の物理世界の拡張バージョンである。仮想現実(VR)は、現実であるように見えるシーン及びオブジェクトを有するコンピュータ生成環境であり、ユーザがそれらの周囲に没入しているように感じさせる。この環境は、仮想現実ヘッドセット又はヘルメットとして知られるデバイスを通して知覚される。複合現実(MR)及びARは両方とも没入型技術と考えられているが、それらは同じではない。MRは、現実及び仮想要素が環境内で相互作用することを可能にする複合現実の拡張である。ARは、多くの場合、カメラを使用することによってライブビューにデジタル要素を追加するが、MR体験は、実世界及びデジタルオブジェクトが相互作用するAR及びVRの両方の要素を組み合わせる。
AR環境では、1つ以上のコンピュータ生成仮想オブジェクトが、1つ以上の現実(すなわち、いわゆる「実世界」)要素とともに表示されてもよい。例えば、周囲環境のリアルタイム画像又はビデオは、1つ以上のオーバーレイ仮想オブジェクトとともにコンピュータスクリーンディスプレイ上に示されてもよい。そのような仮想オブジェクトは、環境に関する補足的な情報を提供することができ、又は一般に、ユーザの知覚及び環境との関与を向上させることができる。逆に、周囲環境のリアルタイム画像又はビデオは、加えて又は代替的に、ディスプレイ上に示される仮想オブジェクトとのユーザの関与を向上させることができる。
本開示の文脈における装置、システム、及び方法は、外科的処置中に1つ以上の撮像デバイスから受信された画像を向上させる。撮像デバイスは、非侵襲性及び低侵襲性外科的処置中に使用される種々のスコープ、ARデバイス、及び/又は切開外科的処置中に画像を提供するカメラを含んでもよい。画像は、リアルタイムでストリーミングされてもよいし、静止画像であってもよい。装置、システム、及び方法は、仮想オブジェクト又はデータ及び/又は現実オブジェクトの表現を現実外科用環境上にオーバーレイすることによって、実世界外科用環境の画像を向上させることによって、拡張現実インタラクティブ体験を提供する。拡張現実体験は、ユーザが実世界外科用環境上にオーバーレイされた仮想オブジェクトを視認することを可能にする、ディスプレイ及び/又はARデバイス上で視認されてもよい。ディスプレイは、手術室内に配置されてもよいし、手術室から離れてもよい。ARデバイスは、外科医又は他の手術室人員の頭部に装着され、典型的には、ユーザの各目に対して1つを含む、2つの立体ディスプレイレンズ又はスクリーンを含む。自然光は、ARデバイスのユーザに仮想オブジェクトを可視にするために光を投影しながら、実環境の態様が可視であるように、2つの透明又は半透明ディスプレイレンズを通過することができる。
2つ以上のディスプレイ及びARデバイスは、例えば、定義された役割を有するシステム内の1つ以上の追加のディスプレイ又はARデバイスを制御する第1のディスプレイ又はARデバイスと協調して使用されてもよい。例えば、ディスプレイ又はARデバイスを起動するとき、ユーザは、役割(例えば、外科的処置中の外科医、外科助手、看護師等)を選択してもよく、ディスプレイ又はARデバイスは、その役割に関連する情報を表示してもよい。例えば、外科助手は、外科医が外科的処置の次のステップのために行う必要がある器具の仮想表現を表示させてもよい。現在のステップに対する外科医の焦点は、手術助手とは異なる表示された情報を見る場合がある。
多くの既知の画面上表示及びアラートが存在するが、本開示は、外科的処置中に多くの新規かつ固有の拡張現実インタラクティブ体験を提供する。そのような拡張現実インタラクティブ体験は、手術室の内側又は外側の手術チームへの視覚、聴覚、触覚、体性感覚、嗅覚、又は他の感覚フィードバック情報を含む。実世界外科用環境上にオーバーレイされる仮想フィードバック情報は、例えば、限定ではないが、とりわけ、手術外科医、外科医の助手、スクラブ着衣者、麻酔医、及び外回り看護師を含む、OR内の人員を含む、手術室(OR)チームに提供されてもよい。仮想フィードバック情報は、一次ORスクリーンディスプレイ、ARデバイス、エネルギー又は外科用ステープラ器具、タブレット、拡張現実眼鏡、デバイス等の任意の数の表示オプション上で通信することができる。
図1は、1つ以上の外科用システム2及びクラウドベースのシステム4を含むコンピュータ実装インタラクティブ外科用システム1を示す。クラウドベースシステム4は、リモートストレージ5に連結されたリモートサーバ13を含み得る。各外科用システム2は、クラウド4と通信する少なくとも1つの外科用ハブ6を備える。例えば、外科用システム2は、可視化システム8と、ロボットシステム10と、手持ち式インテリジェント外科用器具12とを備えてもよく、それぞれが、互いに、及び/又はハブ6と通信するように構成されている。いくつかの態様では、外科用システム2は、M個のハブ6と、N個の可視化システム8と、O個のロボットシステム10と、P個の手持ち式インテリジェント外科用器具12とを備えてもよく、M、N、O及びPは1以上の整数である。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム1は、本明細書で説明されるように、外科的処置中に拡張現実インタラクティブ体験を提供するように構成されてもよい。
図2は、外科手術室16内の手術台14上に横たわっている患者に対して外科的処置を実行するための外科用システム2の例を示す。ロボットシステム10は、外科的処置において外科用システム2の一部として使用される。ロボットシステム10は、外科医のコンソール18と、患者側カート20(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ22とを含む。患者側カート20は、外科医が外科医のコンソール18又は外科医によって装着された拡張現実(AR)デバイス66を通して手術部位を視認しながら、患者の身体の低侵襲切開を通じて、少なくとも1つの着脱可能に連結された外科用ツール17を操作することができる。低侵襲処置中の手術部位の画像(例えば、リアルタイムでストリーミングされる静止画像又はライブ画像)は、医療用撮像デバイス24によって取得することができる。患者側カート20は、撮像デバイス24を操作して、撮像デバイス24を配向することができる。切開外科的処置の画像は、医療用撮像デバイス96によって取得することができる。ロボットハブ22は、外科医のコンソール18、又は外科医若しくは外科手術室16内の他の人によって装着されたARデバイス66上にその後表示するために手術部位の画像を処理する。
撮像デバイス24、96又はARデバイス66の光学構成要素は、1つ以上の照明源、及び/又は1つ以上のレンズを含み得る。1つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられ得る。1つ以上の画像センサは、術野内の組織及び器具から反射又は屈折された光を受信し得る。
様々な態様では、撮像デバイス24は、低侵襲外科的処置において使用するように構成されている。本開示とともに使用するために適切な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、膀胱鏡、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃カメラ)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。様々な態様では、撮像デバイス96は、切開(侵襲)外科的処置において使用するように構成されている。
様々な態様では、可視化システム8は、滅菌野に対して戦略的に配置される1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理装置と、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイとを備える。一態様では、可視化システム8は、HL7、PACS及びEMR用のインターフェースを備える。一態様では、撮像デバイス24は、トポグラフィと下にある構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを採用し得る。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにおいて特定の波長範囲内の画像データを捕捉する。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具によって分離される。スペクトル撮像は、人間の目には見えない情報を抽出することができる。マルチスペクトルモニタリングは、処置された組織に対して試験を実行するための外科用タスクが完了した後に術野を再配置することができる。
図2は、手術台14のオペレータに見えるように滅菌野に配置される一次ディスプレイ19を示す。可視化タワー11は、滅菌野の外側に配置され、互いに反対側を向いている第1の非滅菌ディスプレイ7及び第2の非滅菌ディスプレイ9を含む。ハブ6によって誘導される可視化システム8は、ディスプレイ7、9、19を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ6は、可視化システム8に、一次ディスプレイ19又はARデバイス66上に手術部位のライブ映像を維持しながら、撮像デバイス24、96によって記録される手術部位のAR画像を非滅菌ディスプレイ7、9又はARデバイス66を通じて表示させることができる。非滅菌ディスプレイ7、9は、例えば、非滅菌オペレータが、外科的処置に関連する診断ステップを実行することを可能にすることできる。
図3は、可視化システム8、ロボットシステム10及び手持ち式インテリジェント外科用器具12と通信するハブ6を示す。ハブ6は、ハブディスプレイ35、撮像モジュール38、発電機モジュール40、通信モジュール30、プロセッサモジュール32、ストレージアレイ34、及び手術室マッピングモジュール33を含む。ハブ6は、排煙モジュール26及び/又は吸引/灌注モジュール28を更に含む。様々な態様では、撮像モジュール38は、ARデバイス66を含み、プロセッサモジュール32は統合ビデオプロセッサ及び拡張現実モデラ(例えば、図10に示すようなもの)を含む。モジュール式光源は、様々な撮像デバイスとともに使用するように適合され得る。様々な例では、複数の撮像デバイスを術野の異なる位置に配置して、複数のビューを提供することができる(例えば、非侵襲的、低侵襲的、侵襲的、又は切開外科的処置)。撮像モジュール38は、最適なビューを提供するために撮像デバイス間を切り替えるように構成することができる。種々の態様では、撮像モジュール38は、異なる撮像デバイスからの画像を統合し、本明細書に説明されるような外科的処置の間、拡張現実インタラクティブ体験を提供するように構成することができる。
図4は、医療施設の1つ以上の手術現場/部屋に位置するモジュール式デバイスをクラウドベースのシステムに接続するように構成されたモジュール式通信ハブ53を含む外科用データネットワーク51を示す。クラウド54は、ストレージデバイス55に連結されたリモートサーバ63(図5)を含むことができる。モジュール式通信ハブ53は、ネットワークルータ61と通信するネットワークハブ57及び/又はネットワークスイッチ59を含む。モジュール式通信ハブ53は、データを処理するためにローカルコンピュータシステム60に連結される。手術現場のモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ53に連結され得る。ネットワークハブ57及び/又はネットワークスイッチ59は、ネットワークルータ61に連結されて、デバイス1a~1nをクラウド54又はローカルコンピュータシステム60に接続することができる。デバイス1a~1nに関連付けられたデータは、リモートデータ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。手術現場デバイス1a~1nは、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ53に接続され得る。外科用データネットワーク51環境は、本明細書で説明されるように、外科的処置中に拡張現実インタラクティブ体験を提供するために、特に、術野の拡張画像を1つ以上のリモートディスプレイ58に提供するために採用されてもよい。
図5は、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム50を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム50は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム1と類似している。コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム50は、多くの点で外科用システム2と類似する1つ以上の外科用システム52を含む。各外科用システム52は、リモートサーバ63を含み得るクラウド54と通信する少なくとも1つの外科用ハブ56を備える。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム50は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット及び手術現場内に位置する他のコンピュータ化デバイス等の複数の手術現場デバイスに接続されたモジュール式制御タワー23を備える。図6に示すように、モジュール式制御タワー23は、コンピュータシステム60に連結されたモジュール式通信ハブ53を含む。
図5に戻ると、モジュール式制御タワー23は、内視鏡98に連結された撮像モジュール38、エネルギーデバイス99に連結された発電機モジュール27、排煙器モジュール76、吸引/灌注モジュール78、通信モジュール13、プロセッサモジュール15、ストレージアレイ16、任意選択的にディスプレイ39に連結されたスマートデバイス/器具21及びセンサモジュール29に連結されている。手術現場デバイスは、モジュール式制御タワー23を介して、サーバ63、データストレージ55及びディスプレイ58等のクラウドコンピューティングリソースに連結されている。ロボットハブ72もまた、モジュール式制御タワー23、及びサーバ63、データストレージ55、並びにディスプレイ58に接続されてもよい。とりわけ、デバイス/器具21、可視化システム58が、本明細書に記載されるように、有線又は無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー23に連結されてもよい。モジュール式制御タワー23は、撮像モジュール38、デバイス/器具ディスプレイ39及び/又は他の可視化システム58から受信した、現実外科世界上のオーバーレイされた仮想オブジェクトを含む、受信された拡張画像を表示するためにハブディスプレイ65(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイ65はまた、画像及びオーバーレイ画像とともにモジュール式制御タワー23に接続されたデバイスから受信したデータを表示し得る。
図6は、モジュール式制御タワー23に連結された複数のモジュールを含む外科用ハブ56を示す。モジュール式制御タワー23は、例えばネットワーク接続デバイス等のモジュール式通信ハブ53と、例えば拡張外科用情報のローカルでの処理、可視化及び撮像を行うためのコンピュータシステム60とを含む。モジュール式通信ハブ53は、モジュール式通信ハブ53に接続されてもよいモジュール(例えば、デバイス)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム60、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送してもよい。モジュール式通信ハブ53内のネットワークハブ/スイッチ57/59の各々は、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含み得る。上流のネットワークハブ/スイッチ57、59は、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ67への通信接続を提供するためにプロセッサ31に接続されている。クラウド54への通信は、有線通信チャネル又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
コンピュータシステム60は、プロセッサ31と、ネットワークインターフェース37とを含む。プロセッサ31は、システムバスを介して、通信モジュール41、ストレージ45、メモリ46、不揮発性メモリ47、及び入力/出力インターフェース48に連結される。システムバスは、様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用した、メモリバス若しくはメモリコントローラ、周辺バス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含む、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであってもよい。
プロセッサ31は、拡張現実モデラ(例えば、図10に示されるような)を含み、Texas Instrumentsによる商標名ARM Cortexで知られているもの等のシングルコア又はマルチコアプロセッサとして実装されてもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
コンピュータシステム60はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性のコンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージ等を含む。ディスク記憶装置としては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード又はメモリスティックのような装置が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスク記憶装置は、上記の記憶媒体を、独立して、又は他の記憶媒体との組合せで含むことができる。他の記憶媒体としては、コンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない。ディスク記憶装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
様々な態様では、図6のコンピュータシステム60、図4~図6の撮像モジュール38、及び/又は可視化システム58、及び/又はプロセッサモジュール15は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、画像処理装置(GPU)、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
図7は、撮像モジュール38と外科用ハブディスプレイ67との間の通信経路内に配置された中間信号結合器64を含む拡張現実システム263を示す。信号結合器64は、撮像モジュール38及び/又はARデバイス66から受信された音声及び/又は画像データを組み合わせる。外科用ハブ56は、結合器64から組み合わされたデータを受信し、ディスプレイ67に提供されたデータをオーバーレイし、オーバーレイされたデータが表示される。撮像デバイス68はデジタルビデオカメラであってもよく、オーディオデバイス69はマイクロフォンであってもよい。信号結合器64は、外科用ハブ56がディスプレイ67上にデータをオーバーレイすることを可能にするコンソールへのディスプレイ67の通信経路内に配置されたARデバイス66に連結するための無線ヘッドアップディスプレイアダプタを含み得る。
図8は、撮像モジュールと外科用ハブディスプレイとの間の通信経路内に配置された中間信号結合器を含む拡張現実(AR)システムを示す。図8は、外科用ハブ56にデータを通信するために外科医73によって装着されるARデバイス66を示す。ARデバイス66の周辺情報は、アクティブ映像を含まない。むしろ、周辺情報は、デバイス設定、又はリフレッシュレートの同じ要求を有さない信号のみを含む。相互作用は、術前コンピュータ断層撮影(CT)又は外科用ハブ56内でリンクされた他のデータとのリンクに基づいて、外科医73の情報を拡張させ得る。ARデバイス66は、構造を識別することができ、例えば、器具が神経、血管、又は癒着に触れているかどうかを尋ねることができる。ARデバイス66は、術前スキャンデータ、光学ビュー、処置全体を通して取得される組織調査特性、及び/又は回答を提供するために使用される外科用ハブ56における処理を含み得る。外科医73は、報告又はフォローアップにおける後の使用のためにハブストレージ45内に患者データとともに保存されるように、ARデバイス66にメモを書き取ることができる。
外科医73によって装着されるARデバイス66は、オーバーレイの必要性を回避するために、聴覚及び視覚情報を用いて外科用ハブ56にリンクし、視野の周辺の周りに表示される情報のカスタマイズを可能にする。ARデバイス66は、デバイス(例えば、器具)からの信号を提供し、デバイス設定又は象限若しくは位置を識別するためにビデオとリンクされた位置情報に関するクエリに回答する。ARデバイス66は、ARデバイス66からの音声制御及び音声フィードバックを有する。ARデバイス66は、手術現場内の他のシステムと相互作用することができ、外科医73がどこを視認しても利用可能なフィードバック及び相互作用を有することができる。例えば、ARデバイス66は、外科医から音声又はジェスチャ開始コマンド及びクエリを受信してもよく、ARデバイス66は、音声、視覚、又は触覚タッチを含む1つ以上のモダリティの形態でフィードバックを提供してもよい。
図9は、ARデバイス66を装着している外科医73、患者74を示し、手術室75内にカメラ96を含んでもよい。外科医73によって装着されるARデバイス66は、拡張現実ディスプレイ89を通して、又はハブ接続ディスプレイ67を通して、術野のリアルタイム画像上にオーバーレイされる仮想オブジェクトを外科医73に提示するために使用されてもよい。リアルタイム画像は、外科用器具77の一部を含んでもよい。仮想オブジェクトは、手術室75内の他者(例えば、外科助手又は看護師)には可視でない場合があるが、彼らもまた、ARデバイス66を装着し得る。別の人がARデバイス66を用いて手術室75を視認している場合であっても、その人は、仮想オブジェクトを見ることができない場合があるか、又は外科医73と共有される拡張現実において仮想オブジェクトを見ることができる場合があるか、又は(例えば、外科医73に固有のカスタマイゼーションに従って)仮想オブジェクトの修正バージョンを見ることができる場合があるか、又は異なる仮想オブジェクトを見る場合がある。
仮想オブジェクト及び/又はデータは、外科用器具77の一部上に、又は撮像モジュール38、低侵襲外科的処置中の撮像デバイス68、及び/又は切開外科的処置中のカメラ96によって捕捉された手術視野内に現れるように構成され得る。図示の例では、撮像モジュール38は、低侵襲外科的処置中に外科領域のライブ映像を提供する腹腔鏡カメラである。ARシステムは、ARシステムの1人又は複数の視認者(例えば、外科医73)の視点に関係なく、実オブジェクトに固定される仮想オブジェクトを提示してもよい。例えば、仮想オブジェクトは、手術室75内のARシステムの視認者に可視であってもよく、手術室75外のARシステムの視認者に可視でなくてもよい。仮想オブジェクトは、視認者が手術室75に入ったときに、手術室75外の視認者に表示されてもよい。拡張画像は、外科用ハブディスプレイ67又は拡張現実ディスプレイ89に表示されてもよい。
ARデバイス66は、単一スクリーン又は2つのスクリーン(例えば、ユーザの目毎に1つ)等の1つ以上のスクリーン又はレンズを含んでもよい。スクリーンは、仮想オブジェクトを表示している間に実環境の態様が可視であるように、光がスクリーンを通過することを可能にし得る。仮想オブジェクトは、光を投影することによって外科医73に可視になり得る。仮想オブジェクトは、ある程度の透明度を有するように見えてもよく、又は不透明であってもよい(すなわち、実環境の態様を遮断する)。
ARシステムは、1人以上の視認者に可視であってもよく、ビュー間で共通のいくつかの態様を保持しながら、1人以上の視認者に利用可能なビュー間の差異を含んでもよい。例えば、ヘッドアップディスプレイは、2つのビューの間で変化し得るが、仮想オブジェクト及び/又はデータは、両方のビュー内の実オブジェクト又は領域に固定され得る。オブジェクトの色、照明、又は他の変更等の態様は、少なくとも1つの仮想オブジェクトの固定位置を変更することなくビュー間で行われ得る。
ユーザは、ARシステム内に提示される仮想オブジェクト及び/又はデータを、不透明として、又はあるレベルの透明度を含むものとして見ることができる。一例では、ユーザは、仮想オブジェクトを第1の位置から第2の位置に移動させること等によって、仮想オブジェクトと相互作用することができる。例えば、ユーザは、自身の手でオブジェクトを動かしてもよい。これは、(例えば、ARデバイスカメラ79又は別個の96等のARデバイス66上に搭載されてもよく、静的であってもよく、又は移動するように制御されてもよい、1つ以上のカメラを使用して)手がオブジェクトと一致又は隣接する位置に移動したことを判定し、それに応じてオブジェクトを移動させることによって、ARシステムにおいて仮想的に行われてもよい。仮想態様は、実世界オブジェクトの仮想表現を含んでもよく、又は照明効果等の視覚効果を含んでもよい。ARシステムは、仮想オブジェクトを重力又は摩擦に曝す等、仮想オブジェクトの挙動を支配するための規則を含んでもよく、又は実世界の物理的制約(例えば、浮遊オブジェクト、永久運動等)を否定する他の事前定義された規則を含んでもよい。ARデバイス66は、ARデバイス66上にカメラ79を含み得る(ARデバイス66とは別個のカメラ96と混同されるべきではない)。ARデバイスカメラ79又はカメラ96は、赤外線カメラ、赤外線フィルタ、可視光フィルタ、複数のカメラ、深度カメラ等を含み得る。ARデバイス66は、ユーザが視認することができる実環境の表現の上に仮想アイテムを投影し得る。
ARデバイス66は、例えば、外科医73によって患者74に対して行われる外科的処置中に手術室75内で使用され得る。ARデバイス66は、外科医の視覚を拡張するために、外科的処置中の仮想オブジェクト等の仮想オブジェクトを投影又は表示してもよい。外科医73は、ARデバイス66、ARデバイス66のためのリモートコントローラを使用して仮想オブジェクトを視認してもよく、又は、例えば、ARデバイス66のカメラ79によって認識される仮想オブジェクト又はジェスチャと「相互作用」するために手を使用して、仮想オブジェクトと相互作用してもよい。仮想オブジェクトは、外科用器具77等の外科用ツールを拡張することができる。例えば、仮想オブジェクトは、(ARデバイス66を通して仮想オブジェクトを視認する外科医73に対して)外科用器具77と連結されるように、又は外科用器具77から固定距離のままであるように見えてもよい。別の例では、仮想オブジェクトは、外科用器具77を案内するために使用されてもよく、患者74に固定されているように見えてもよい。特定の例では、仮想オブジェクトは、術野における他の仮想又は実世界のオブジェクトの動きに反応し得る。例えば、仮想オブジェクトは、外科医が仮想オブジェクトに近接して外科用器具を操作しているときに変更され得る。
拡張現実ディスプレイシステム撮像デバイス38は、外科的処置の間、外科領域の実画像を捕捉する。拡張現実ディスプレイ89、67は、外科領域の実画像上への外科用器具77の動作態様のオーバーレイを提示する。外科用器具77は、ARデバイス66上の通信回路233を介して外科用器具77からARデバイス66に動作態様及び機能データを通信するための通信回路231を含む。外科用器具77及びARデバイス66は、矢印B、Cによって示されるように、回路231、233の間のRF無線通信において示されているが、他の通信技術(例えば、有線、超音波、赤外線等)が採用されてもよい。オーバーレイは、アクティブに可視化されている外科用器具77の動作態様に関連する。オーバーレイは、外科領域における組織相互作用の態様を外科用器具77からの機能データと組み合わせる。ARデバイス66のプロセッサ部分は、外科用器具77から動作態様及び機能データを受信し、外科用器具77の動作に関連するオーバーレイを決定し、外科領域内の組織の態様を外科用器具77からの機能データと組み合わせるように構成されている。拡張画像は、デバイス性能考慮事項に関するアラート、不適合な使用のアラート、不完全な捕捉に関するアラートを示す。不適合な使用には、範囲外の組織状態及びエンドエフェクタのジョー内で不正確にバランスされた組織が含まれる。追加の拡張画像は、組織張力のインジケーション及び異物検出のインジケーションを含む付随事象のインジケーションを提供する。他の拡張画像は、デバイス状況オーバーレイ及び器具インジケーションを示す。
図10は、本開示の少なくとも一態様による、ARディスプレイ89を使用して情報とともに術野の画像を拡張するためのシステム83を示す。システム83は、例えば、プロセッサ85を使用することによって、以下で説明される技術を実行するために使用され得る。システム83は、データベース93と通信することができるARデバイス66の一態様を含む。ARデバイス66は、プロセッサ85、メモリ87、ARディスプレイ89、及びカメラ79を含む。ARデバイス66は、センサ90、スピーカ91、及び/又は触覚コントローラ92を含んでもよい。データベース93は、画像ストレージ94又は術前計画ストレージ95を含んでもよい。
ARデバイス66のプロセッサ85は、拡張現実モデラ86を含む。拡張現実モデラ86は、拡張現実環境を作成するために、プロセッサ85によって使用され得る。例えば、拡張現実モデラ86は、カメラ79又はセンサ90等から、術野内の器具の画像を受信し、手術視野の表示画像内に収まるように拡張現実環境を作成してもよい。別の例では、物理的オブジェクト及び/又はデータは、手術視野及び/又は外科用器具画像上にオーバーレイされてもよく、拡張現実モデラ86は、物理的オブジェクト及びデータを使用して、仮想オブジェクト及び/又はデータの拡張現実ディスプレイを拡張現実環境内に提示してもよい。例えば、拡張現実モデラ86は、患者の手術部位で器具を使用又は検出し、外科用器具上の仮想オブジェクト及び/又はデータ、及び/又はカメラ79によって捕捉された手術視野内の手術部位の画像を提示してもよい。ARディスプレイ89は、実環境にオーバーレイされたAR環境を表示してもよい。ディスプレイ89は、AR環境内の固定位置等にあるARデバイス66を使用して、仮想オブジェクト及び/又はデータを示すことができる。
ARデバイス66は、赤外線センサ等のセンサ90を含むことができる。カメラ79又はセンサ90は、外科医又は他のユーザによるジェスチャ等の動きを検出するために使用されてもよく、動きは、プロセッサ85によって、ユーザによる仮想ターゲットとの試みられた又は意図された相互作用として解釈されてもよい。プロセッサ85は、カメラ79を使用して受信された情報を処理すること等によって、実環境内のオブジェクトを識別することができる。他の態様では、センサ90は、拡張環境を作成するために様々なデータフィードと組み合わされ得る対応する信号を生成するための触覚センサ、可聴センサ、化学センサ、又は熱センサであり得る。センサ90は、バイノーラルオーディオセンサ(空間音)、慣性測定(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計)センサ、環境センサ、深度カメラセンサ、手及び視線追跡センサ、並びに音声コマンド認識機能を含み得る。
ARディスプレイ89は、例えば、外科的処置中に、術野がARディスプレイ89を通して視認されることを可能にしながら、術野内等に、患者の解剖学的態様によって隠される物理的特徴に対応する仮想特徴を提示してもよい。仮想特徴は、物理的特徴の第1の物理的位置又は配向に対応する仮想位置又は配向を有し得る。一例では、仮想特徴の仮想位置又は配向は、物理的特徴の第1の物理的位置又は配向からのオフセットを含み得る。オフセットは、拡張現実ディスプレイからの所定の距離、拡張現実ディスプレイから解剖学的態様までの相対距離等を含んでもよい。
一例では、ARデバイス66は、個々のARデバイスであり得る。一態様では、ARデバイス66は、ワシントン州レドモンドのMicrosoftによって製造されたHoloLens 2 ARデバイスであってもよい。このARデバイス66は、レンズ及びバイノーラルオーディオ特徴(空間音)を伴うバイザと、慣性測定(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計)と、環境センサと、深度カメラと、ビデオカメラと、手及び視線追跡と、音声コマンド認識機能とを含む。それは、鏡を使用して導波路を着用者の目の前に向けることによって、高解像度で改善された視野を提供する。画像は、ミラーの角度を変えることによって拡大することができる。それはまた、ユーザを認識し、特定のユーザのためにレンズ幅を調整するための視線追跡を提供する。
別の例では、ARデバイス66は、Snapchat Spectacles 3 ARデバイスであり得る。このARデバイスは、ペア画像を捕捉し、3D深度マッピングを再作成し、仮想効果を追加し、3Dビデオを再生する能力を提供する。ARデバイスは、60fpsで3D写真及びビデオを捕捉するための2つのHDカメラを含み、一方、4つの内蔵マイクロフォンは、没入型高忠実度オーディオを記録する。両方のカメラからの画像を組み合わせて、ユーザの周りの実世界の幾何学的マップを構築し、奥行き知覚の新しい感覚を提供する。写真及びビデオは、外部ディスプレイデバイスに無線で同期され得る。
更に別の例では、ARデバイス66は、GoogleによるGlass 2 ARデバイスであり得る。このARデバイスは、情報を補足するためにレンズ(視野外)上にオーバーレイされた慣性測定(加速度計、ジャイロスコープ、磁力計)情報を提供する。
別の例では、ARデバイス66は、AmazonによるEcho Frames ARデバイスであり得る。このARデバイスは、カメラ/ディスプレイを有しない。マイクロフォン及びスピーカはAlexaにリンクされる。このARデバイスは、ヘッドアップディスプレイよりも機能が少ない。
更に別の例では、ARデバイス66は、North(Google)によるFocals ARデバイスであり得る。このARデバイスは、通知プッシャ/スマートウォッチアナログ、慣性測定、情報(天気、カレンダ、メッセージ)のスクリーンオーバーレイ、音声制御(Alexa)統合を提供する。このARデバイスは、基本的なヘッドアップディスプレイ機能を提供する。
別の例では、ARデバイス66は、Nreal ARデバイスであり得る。このARデバイスは、空間音、2つの環境カメラ、写真カメラ、IMU(加速度計、ジャイロスコープ)、周辺光センサ、近接センサ機能を含む。nebulaは、アプリケーション情報をレンズ上に投影する。
様々な他の例では、ARデバイス66は、以下の市販のARデバイス、すなわち、Magic Leap 1、Epson Moverio、Vuzix Blade AR、ZenFone AR、Microsoft AR眼鏡プロトタイプ、EyeTapのうちのいずれか1つであってもよく、これにより、環境の光と同一直線上の光を直接網膜に作成する。ビームスプリッタは、例えば、情報を処理しオーバーレイするために、コンピュータに目に見える同じ光を利用可能にする。AR可視化システムは、HUD、コンタクトレンズ、眼鏡、仮想現実(VR)ヘッドセット、仮想網膜ディスプレイ、手術室内ディスプレイ、及び/又はスマートコンタクトレンズ(バイオニックレンズ)を含む。
ARデバイス66のためのマルチユーザインターフェースは、目の前のスクリーン上ではなく網膜上に直接描画されるラスタディスプレイ等の仮想網膜ディスプレイ、スマートテレビ、スマートフォン、及び/又はSony空間ディスプレイシステム等の空間ディスプレイを含む。
他のAR技術は、例えば、AR捕捉デバイス及びソフトウェアアプリケーション、AR作成デバイス及びソフトウェアアプリケーション、並びにARクラウドデバイス及びソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。AR捕捉デバイス及びソフトウェアアプリケーションは、例えば、Apple Polycam app、Ubiquity 6(Display.land appを使用するMirrorworld)を含み、ユーザは、(3dモデルを作成するために)実世界の3D画像をスキャンし、取得することができる。AR作成デバイス及びソフトウェアアプリケーションは、例えば、Adobe Aero、Vuforia、ARToolKit、Google ARCore、Apple ARKit、MAXST、Aurasma、Zappar、Blipparを含む。ARクラウドデバイス及びソフトウェアアプリケーションは、例えば、Facebook、Google(world geometry、objection recognition、predictive data)、Amazon AR Cloud(commerce)、Microsoft Azure、Samsung Project Whare、Niantic、Magic Leapを含む。
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科的処置に関連する情報を判定又は推測するための、外科用システムのいくつかの態様の能力である。情報は、実行されている処置のタイプ、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科的処置に関するコンテキスト情報によると、外科用システムは、例えば、外科用システムが、それに接続されるモジュール式デバイス(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)を制御し、外科的処置の過程で外科医にコンテキスト化された情報又は提案を提供する様式で改善し得る。
図11は、状況認識外科的処置のタイムラインを示す。図11は、例示的な外科的処置のタイムライン5200と、外科的処置の各ステップでデータソース5126から受信されたデータから外科用ハブ5104が導出することができるコンテキスト情報とを示す。タイムライン5200は、手術現場のセットアップで始まり、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除処置の過程中に、看護師、外科医及び他の医療従事者がとるであろう一般的なステップを示す。状況認識外科用ハブ5104は、外科的処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ5104とペアリングされたモジュール式デバイス5102を使用する度に生成されるデータを含むデータを、データソース5126から受信する。外科用ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式デバイス5102及び他のデータソース5126からこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどのステップが行われているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ5104の状況認識システムは、例えば、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療従事者によってとられているステップを検証すること、特定の処置ステップに関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、表示画面を介して)提供すること、コンテキストに基づいてモジュール式デバイス5102を調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスのFOVを調整する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更する)こと、及び上述される任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
第1の5202では、病院職員は、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを取り出す。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、外科用ハブ5104は、実施される処置が胸部手術であることを判定する。
第2の5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ5104は、スキャンされた物資を様々なタイプの処置において利用される物資のリストと相互参照し、物資の混合物が、胸部処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ5104はまた、処置が楔形切除術ではないと判定することができる(入来する用品が、胸部楔形切除術に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸部楔形切除術に対応していないかのいずれかであるため)。
第3の5206では、医療従事者は、外科用ハブ5104に通信可能に接続されたスキャナ5128を介して患者バンドをスキャンする。次いで、外科用ハブ5104は、スキャンされたデータに基づいて患者の身元を確認することができる。
第4の5208では、医療職員が補助装置をオンにする。利用されている補助機器は、外科的処置の種類、及び外科医が使用する技術に従って変動し得るが、この例示的なケースでは、排煙器、送気器及び医療用撮像デバイスが挙げられる。起動されると、モジュール式デバイス5102である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式デバイス5102の特定の近傍内に位置する外科用ハブ5104と自動的にペアリングすることができる。次いで、外科用ハブ5104は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式デバイス5102の種類を検出することによって、外科的処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ5104は、ペアリングされたモジュール式デバイス5102のこの特定の組合せに基づいて、外科的処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組合せ、処置に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式デバイス5102の種類に基づいて、外科用ハブ5104は、外科チームが実施する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ5104が、何の特定の処置が行われているかを知ると、次いで外科用ハブ5104は、メモリから、又はクラウドからその処置のステップを読み出し、次いで接続されたデータソース5126(例えば、モジュール式デバイス5102及び患者モニタリングデバイス5124)からその後受信したデータを相互参照して、外科的処置のどのステップを外科チームが実行しているかを推定することができる。
第5の5210では、職員は、EKG電極及び他の患者モニタリングデバイス5124を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者モニタリングデバイス5124は、外科用ハブ5104とペアリングすることができる。外科用ハブ5104が患者モニタリングデバイス5124からデータの受信を開始すると、外科用ハブ5104は患者が手術現場にいることを確認する。
第6の5212では、医療関係者は患者において麻酔を誘発する。外科用ハブ5104は、例えば、EKGデータ、血圧データ、人工呼吸器データ又はこれらの組合せを含む、モジュール式デバイス5102、及び/又は患者モニタリングデバイス5124からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推測することができる。第6のステップ5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部が開始する。
第7の5214では、手術されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ5104は、患者の肺が虚脱されたことを人工呼吸器データから推測することができる。外科用ハブ5104は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期されるステップ(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術ステップであると判定することができる。
第8の5216では、医療用撮像デバイス5108(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像デバイスからのビデオ映像が開始される。外科用ハブ5104は、医療用撮像デバイスへの接続を通じて医療用撮像デバイスデータ(すなわち、静止画像データ又はリアルタイムのライブストリーミングビデオ)を受信する。医療用撮像デバイスデータを受信すると、外科用ハブ5104は、外科的処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ5104は、行われている特定の処置が、肺葉切除術とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2のステップ5204で受信したデータに基づいて、楔形切除術は外科用ハブ5104によって既に考慮に入れられていないことに留意されたい)。医療用撮像デバイス124(図2)からのデータを利用して、様々な方法で、例えば、患者の解剖学的構造の可視化に対して向けられている医療用撮像デバイスの角度を判定することによって、利用されている(すなわち、起動されており、外科用ハブ5104とペアリングされている)数又は医療用撮像デバイスを監視することによって、及び利用されている可視化装置の種類を監視することによって、行われている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定することができる。
例えば、VATS肺葉切除術を実行するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置するが、他方、VATS区域切除術を実行するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前方の肋間位置に配置する。状況認識システムは、例えば、パターン認識技術又は機械学習技術を使用して、患者の解剖学的構造の可視化に従って、医療用撮像デバイスの位置を認識するように訓練することができる。別の例として、VATS肺葉切除術を実行するための1つの技術は、単一の医療用撮像デバイスを利用するが、VATS区域切除術を実行するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の例として、VATS区域切除術を実行するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として手術用ハブへと通信可能に連結できる)を利用するが、これはVATS肺葉切除術では利用されない。医療用撮像デバイス5108からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ5104は、行われている特定の種類の外科的処置、及び/又は特定の種類の外科的処置に使用されている技術を判定することができる。
第9のステップ5218では、外科チームは、処置の切開ステップを開始する。外科用ハブ5104は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ5104は、受信したデータを外科的処置の読み出しされたステップと相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置のステップが完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開ステップに対応していると判定することができる。
第10のステップ5220では、外科チームは、処置の結紮ステップに進む。外科用ハブ5104は、器具が発射されていることを示すデータを外科用ステープル留め及び切断器具から受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前ステップと同様に、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内のステップと相互参照することによって、この推定を導出することができる。
第11のステップ5222では、処置の区域切除術の部分が行われる。外科用ハブ5104は、ステープルカートリッジからのデータを含む、外科用器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定する。カートリッジデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応し得る。カートリッジデータは、異なるタイプの組織に利用される異なるタイプのステープルに対して、ステープル留め及び/又は横切開されている組織のタイプを示し得る。発射されているステープルのタイプは実質組織又は他の同様の組織タイプに利用され、外科用ハブ5104は、区域切除処置が行われていると推定することができる。
続いて第12のステップ5224で、結節切開ステップが行われる。外科用ハブ5104は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す、発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を行っていると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に利用されるRF又は超音波器具は結節切開ステップに対応しており、これにより外科用ハブ5104がこの推定を行うことができる。異なる器具が特定のタスクに対してより良好に適合するので、外科医が、処置中の特定のステップに応じて、手術用ステープリング/切断器具と手術用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどのステップを実行しているかを示すことができる。第12のステップ5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
第13のステップ5226では、患者の麻酔を解く。外科用ハブ5104は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
最後に、第14の5228では、医療従事者が患者から様々な患者モニタリングデバイス5124を除去する。したがって、外科用ハブ5104は、ハブがEKG、BP、及び患者モニタリングデバイス5124からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。外科用ハブ5104と通信可能に連結された各種データソース5126から受信したデータに従って、外科用ハブ5104は、所与の外科的処置の各ステップが発生しているときを判定又は推定することができる。
図11に示されるタイムライン5200の第1のステップ5202に示されるように、EMRデータベース(複数の場合もある)からの患者データを利用して、実行されている外科的処置のタイプを推定することに加えて、患者データはまた、状況認識外科用ハブ5104によって利用されて、ペアリングされたモジュール式デバイス5102の制御調整を生成することができる。
外科用ディスプレイ(例えば、ディスプレイ7、9、19、35、62、65、66、67、及び89)は、臨床医(例えば、外科医、外科スタッフ)に有用な情報を提供することによって、手術室内で重要な機能を果たし、この情報は、とりわけ、外科的処置の進行を評価し、外科的処置を行うための後続のステップを決定し、患者のバイタルサインを監視するため等に使用することができる。ディスプレイは、提供されるこの情報を見ることができるように十分な大きさである必要があるが、過度であり、混雑した手術室内のワークフロー又は移動を妨げるほど大きくはない。
例えば、本明細書の他の箇所で説明される多くの撮像デバイスのうちの1つ等の撮像デバイスは、外科的処置の間、術野のライブストリームを捕捉するために使用される。ディスプレイは、臨床医が外科的処置中に術野を視認することができるように、撮像デバイスによって捕捉されたこのライブストリームを示す。
外科的処置の過程において、外科的処置に関連する又は関連付けられた情報は、ディスプレイ上のライブストリーム上にオーバーレイされ得る。例えば、心電図(EKG)は、外科的処置中に患者の心拍数を監視し、監視された心拍数は、臨床医が患者が安定していることを確実にすることができるように、ライブストリーム上にオーバーレイされる。
様々な他のセンサ、検出器、モジュール等は、外科的処置の過程にわたって他のパラメータを監視し、これらのパラメータに関連付けられた情報もまた、ディスプレイ上にオーバーレイすることができる。しかしながら、いくつかのオーバーレイされた情報は、他のオーバーレイされた情報よりも重要であり得る。一例として、臨床医が外科用器具のエンドエフェクタを用いて組織を操作しているとき、エンドエフェクタを用いてどの程度の力が組織に加えられているかに関する情報は、組織が意図せずに損傷していないことを確実にするために監視することに関連する。
しかしながら、ディスプレイ上にオーバーレイされている情報量のために、組織に加えられている力等のより重要な情報が臨床医によって見落とされるか、又は見逃される場合がある。この豊富な競合情報により、外科医は、外科的処置を適切に行う能力にとって有害であり得る情報に圧倒される可能性があり、患者にとって費用がかかることが判明する可能性がある。したがって、ディスプレイ上にオーバーレイされているデータ/情報の量を優先付け、制御し、及び/又は制限する必要がある。
図12は、本開示の少なくとも一態様による、外科用可視化システム6000を示す。外科用可視化システム6000の様々な構成要素は、本開示の他の箇所に記載される他のシステムの構成要素と多くの点で類似しており、したがって、簡潔にするために同じレベルの詳細で本明細書において繰り返されない。外科用可視化システム6000は、例えば、プロセッサ85等の1つ以上のプロセッサ又は処理回路を使用することによって、本明細書に説明される種々の技術を実行するように構成されている、制御モジュール6001を備える。いくつかの実施態様では、システム6000は、例えば、拡張現実デバイス85を備えるか、それとともに使用されるか、又はそれと通信することができる。システム6000は、例えばメモリ6003等の記憶媒体、例えばカメラ88等の撮像デバイス6004、及びディスプレイ6005を更に備えることができる。システム6000は、1つ以上のスピーカ91、触覚コントローラ92、及び/又はセンサ90を更に備えてもよい(図10参照)。ディスプレイ6005は、例えば、ARディスプレイ89、VRディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、スクリーン、及び/又は視覚コンテンツを描写するための任意の他の適切なデバイスを含むことができる。
いくつかの実施態様では、システム6000は、例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科用システム50に組み込まれる。いくつかの実施態様では、システム6000は、外科用データをシステム6000に送達することができる、1つ以上のハブ、システム、ネットワーク、サーバ、及び/又はデータベースと動作可能に通信している。例えば、システム6000は、本明細書で説明されるように、有線又は無線通信標準又はプロトコルを介して、リモートサーバ63、ロボットハブ72、外科用ハブ56、デバイス/器具21、及び/又はモジュール式制御タワー23を含み得るクラウド54と動作可能に通信することができる。いくつかの実施態様では、システム6000は、外科用ハブ5104に関連して説明したものと同様の状況認識モジュール6006を備える。状況認識モジュール6006は、センサ入力及び/又はユーザ入力を通じて受信された多数の周術期データに基づいて、外科的処置に関するコンテキスト情報を外挿するように訓練され得る。
ディスプレイ上にオーバーレイされる情報の量の競合に関連付けられた前述の問題を考慮して、本開示は、ディスプレイ上にオーバーレイされる情報を制御するように、外科的処置の前、間、又は後に発生するトリガイベントの発生を監視、感知、及び/又は検出することができる、システム6000等のシステムを提供する。一態様では、トリガイベントは、ディスプレイ上にオーバーレイされる情報の変更を開始することができる、本明細書の他の箇所で説明される任意の数のセンサ、システム、又はモジュールを介して、システムによって検出されるイベントであり得る。様々な実施形態では、トリガイベントの検出は、情報をディスプレイに追加させ、ディスプレイから除去させ、又は例として、情報をディスプレイ上の異なる位置に移動させる、若しくは情報がディスプレイ上で占有するサイズを調整する等、ディスプレイ上で調整させることができ、本明細書の他の箇所でより詳細に説明する。
一態様では、システムは、可視化システム8等の外科用可視化システムを介して、認識ベースのトリガを検出し、それに応じて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。様々な実施形態では、可視化システム8は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第11,000,270号、米国特許出願公開第2020/0015900号、米国特許出願公開第2020/0015899号、米国特許第11,259,793号、米国特許出願公開第2020/0015924号、米国特許出願公開第2020/0015898号、米国特許出願公開第2020/0015906号、米国特許出願公開第2020/0015907号、米国特許第10,925,598号、米国特許出願公開第2020/0015914号、及び米国特許出願公開第2020/0015902号に説明される可視化システムに類似することができる。
一態様では、認識ベースのトリガは、例えば、所定の及び/又は識別可能なサイズ、形状、パターン、色、配列、又はオブジェクトに固有の任意の他の識別可能な特徴を有するオブジェクト(外科用器具、外科用インプラント、外科用構造、器官、組織等)であり得る。様々な実施形態では、システムは、メモリ6003等のメモリを備えることができ、メモリは、外科的処置中に撮像デバイス6004等の撮像デバイスによって捕捉されるオブジェクトとの比較のために、オブジェクトに関連付けられる画像及び/又はパラメータ等のオブジェクトに関連付けられるデータをその中に記憶する。一態様では、メモリは、例として、上面図、底面図、側面図、等角図、又はオブジェクトの任意の他の適切な2次元図等、その中のオブジェクトの2次元画像を記憶することができる。一態様では、メモリは、任意の数の画像ビューが比較のためにシステムに利用可能であるように、その中のオブジェクトのCADモデル等の3次元モデルを記憶することができる。一態様では、3次元モデルは、可視化システム8を使用して、CTスキャン又はMRIスキャン等の術前撮像技術を使用して生成することができる。
例示的な一実施形態では、システムは、撮像デバイスを介して、ライブストリーム内のオブジェクトを識別することができる。システムは、オブジェクトが既知のオブジェクトであるかどうかを判定するために、システムによって識別され得るオブジェクトの画像及びそのパラメータ(色、寸法等)を、メモリに記憶された画像及びパラメータと比較することができる。一致、又は少なくとも実質的な一致の場合、システムは、ライブストリーム内で識別されたオブジェクトに関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
例示的な一実施形態では、撮像デバイスは、ライブストリーム内の胃の角切痕等の自然表面特徴を捕捉することができる。システムは、自然表面特徴が外科用スタッフによって見られ得るように、ライブストリームの視覚表現をディスプレイに伝送することができる。システムは更に、自然表面特徴の画像及び決定されたパラメータを、メモリに記憶された画像及びパラメータと比較して、自然表面特徴が既知の自然表面特徴であるかどうかを決定することができる。自然表面特徴の肯定的な識別の場合、システムは、自然表面特徴に関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。一態様では、自然表面特徴に関連付けられた情報は、メモリに記憶され得る。一態様では、オーバーレイされた情報は、ディスプレイ上の自然表面特徴の上にオーバーレイされ得る。一態様では、オーバーレイされた情報は、オーバーレイされた情報が容易に見えるが、ディスプレイ上の自然表面特徴のビューを妨げないように、ディスプレイ上の自然表面特徴の近くにオーバーレイすることができる。一態様では、オーバーレイされた情報は、ディスプレイの角等、ライブストリーム中の肯定的な識別のために指定されたディスプレイ上の所定の場所にオーバーレイされ得る。
一態様では、上記で説明したように、ライブストリーム中のオブジェクトは、自然表面特徴であり得る。一態様では、ライブストリーム内のオブジェクトは、外科用ステープルカートリッジ等の外科用器具の表面特徴であり得る。一態様では、ライブストリーム中のオブジェクトは、バーコード、エンブレム、パターン等のマーカであり得る。一態様では、ライブストリーム中のオブジェクトは、システムがメモリ中に記憶されたオブジェクトの画像及びパラメータと比較することができる任意の数のオブジェクトであり得る。
一態様では、システムは、ライブストリーム内のオブジェクト上の部分識別に基づいて、ディスプレイ上に情報をオーバーレイすることができる。一態様では、システムは、閾値許容限度を満たすライブストリーム内のオブジェクトを識別し、閾値許容限度に達するか又はそれを超える場合、ディスプレイ上に情報をオーバーレイすることができる。一態様では、閾値許容限度は、事前定義することができ、メモリに記憶することができ、ユーザによって定義することができ、業界標準に基づくことができ、又はそれらの組合せとすることができる。閾値許容限界に達しない場合、システムはディスプレイ上に情報をオーバーレイすることができない。
例示的な一実施形態では、システムは、ライブストリーム内のステープルカートリッジの一部を識別することができる。一態様では、ステープルカートリッジは、ステープルカートリッジの一部のみが見えるように、ライブストリーム上で妨げられるか、又は部分的にフレーム外にある可能性がある。システムは、ステープルカートリッジの視認可能部分を、メモリに記憶されたステープルカートリッジの画像及びパラメータと比較することができる。一態様では、ステープルカートリッジのパラメータは、カートリッジの色、ステープル空洞間の距離又は切断ナイフが横断する細長いスロットの長さ等のカートリッジの視認可能/識別可能な寸法、ステープル空洞の数、又はステープルカートリッジに関連付けられた任意の他の識別可能なパラメータであり得る。以下でより詳細に説明するように、ステープルカートリッジの一部が、メモリに記憶された外科用ステープルカートリッジと比較して閾値許容限度に達するか又は超えるとシステムが判定した場合、システムは、判定に基づいて情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
いくつかの実施形態では、閾値許容限界は、ライブストリーム内で識別された、メモリ内に記憶された画像又はそのパラメータの割合として定義することができる。例示的な一実施形態では、システムは、ライブストリーム内のステープルカートリッジの一部を識別することができる。システムは、画像を分析し、メモリに記憶されたステープルカートリッジの75%が、ライブストリームからのオブジェクト上で識別されたと判定することができる。一実施形態では、システムは、例えば、ライブストリーム内のオブジェクトとメモリに記憶された画像との間の比較によって超えている、50%の閾値許容限界を有することができる。したがって、ステープルカートリッジに関連付けられた情報は、ディスプレイ上にオーバーレイされ得る。様々な実施形態では、許容限界閾値は、メモリに記憶することができ、ユーザによって定義することができ、ユーザ毎に異なることができ、標準的な業界慣行に基づくことができ、又はそれらの組合せとすることができる。
いくつかの実施形態では、閾値許容限度は、ライブストリーム内で識別されたオブジェクトとメモリ内に記憶されたオブジェクトとの比較に基づいて識別されたパラメータの閾値数として定義され得る。例示的な一実施形態では、システムは、ライブストリーム内のステープルカートリッジの一部を識別することができる。システムは、色、ステープル空洞間の間隔、ステープル空洞上の既知のマーク、又はステープルカートリッジの任意の他の識別可能な特徴等、ステープルカートリッジの様々なパラメータを識別することができる。システムは、これらのパラメータを識別し、それを、ルックアップテーブルに記憶されたパラメータ等、メモリに記憶されたパラメータと比較することができる。一態様では、閾値許容限度は、ライブストリーム中で識別されたオブジェクトとメモリ中に記憶されたオブジェクトとの間の3つの一致に設定され得る。システムが、閾値許容限度に達したか又はそれを超えたと判定した場合(例として、ステープルカートリッジの色を識別すること、ステープル空洞間隔を識別すること、その上の既知のエンブレムを見ること等)、システムは、一致に従って情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。様々な実施形態では、閾値許容限度は、ライブストリーム内で識別されたオブジェクトの割合と、識別されたオブジェクトのパラメータの数との組合せであり得る。例示的な一実施形態では、閾値許容限度は、ライブストリーム内のオブジェクトの50%がメモリに記憶されたオブジェクトに一致し、3つのパラメータがメモリに記憶されたオブジェクトに一致するものとすることができる。
一態様では、システムは、識別された一致に関連付けられた信頼レベルをオーバーレイすることができる。本明細書で上述したように、システムは、閾値許容限度に達したか又は超えたときに、ライブストリーム内の部分的な一致を識別し、情報をオーバーレイすることができる。部分的な一致の場合、システムは、信頼レベル又は割合を、オーバーレイされた情報とオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、メモリに記憶されたステープルカートリッジは、それに関連付けられた8つのパラメータを有することができるが、閾値許容限度は、3つの一致のみに設定される。システムが、ライブストリーム内のステープルカートリッジ内の8つのパラメータの3つの肯定的な一致を識別した場合、システムは、ステープルカートリッジに関する情報をライブストリーム上にオーバーレイすることができる。加えて、システムは、オーバーレイが、識別されている8つのパラメータのうちの3つに基づく、すなわち、完全一致ではないことを識別するノートをオーバーレイすることができる。信頼レベルをオーバーレイすることによって、ディスプレイを見ている外科用人員は、彼らが決定に同意するかどうかについて彼ら自身の判断を利用することができる。様々な実施形態では、システムは、外科用スタッフがオーバーレイされた情報を受け入れるか又は拒否することを可能にするユーザインターフェースを含むことができ、それによって、スタッフが評価に同意しないか又はオーバーレイされた情報を必要としない場合に、オーバーレイされた情報を除去する能力をスタッフに与える。
様々な実施形態では、システムは、ライブストリーム上の識別されたオブジェクトに従って、情報をライブストリーム上にオーバーレイすることができる。一態様では、システムは、肯定的な識別に基づいてオブジェクトの様々な領域又は特徴を識別するマーカをオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムがオブジェクトを胃であると識別した場合、システムは、例として、大彎、小彎、角切痕を指し示すマーカをオーバーレイすることができる。一態様では、システムは、オブジェクトの様々な領域を識別するセグメント化されたオーバーレイをオブジェクト上にオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、胃を識別し、例として、眼底、身体、幽門洞、幽門管、及び十二指腸内を識別するセグメント化されたオーバーレイをオーバーレイすることができる。
一態様では、システムは、肯定的な識別に基づいて、方向情報をライブストリーム上にオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムが角切痕を識別する場合、システムは、大彎等の胃の他の領域、又は腸等の患者内の他の器官を外科医が見つけるのを支援する方向矢印をオーバーレイすることができる。一態様では、方向矢印は、識別されたオブジェクトと、オブジェクトが識別された向き又は角度との両方に基づくことができる。いくつかの態様では、方向矢印は、外科的処置の決定されたステップに基づくことができる。例示的な一実施形態では、外科的処置の現在のステップが、外科医が大彎を見ていることを必要とするが、外科医が現在角切痕を見ている場合、システムは、大彎に到達するために外科医がどの方向に進む必要があるかを示す方向矢印をオーバーレイすることができる。
一態様では、システムは、オブジェクトの既知のパラメータ又は特徴に関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、ライブストリーム内の緑色の外科用ステープルカートリッジを識別することができる。肯定的な識別の場合、システムは、例として、ステープルのサイズ、ステープル材料、識別されたステープルカートリッジとともに使用することが意図された組織の厚さ、及びこれらの組合せ等のパラメータを、識別されたステープルカートリッジに関連付けられたライブストリーム上にオーバーレイすることができる。
一態様では、システムは、ライブストリーム内で識別されたオブジェクトの識別された向きに従って、情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、オブジェクトと、メモリに記憶されたオブジェクトに関連付けられたデータとの比較に基づいて、ディスプレイ内のオブジェクトを識別することができる。一実施形態では、システムは、オブジェクトがオブジェクトの側面図等の第1の向きで見られていることを識別し、第1のオーバーレイ調整をトリガすることができる。別の実施形態では、システムは、オブジェクトが、オブジェクトの上面図等の第2の向きで見られていることを識別し、第1のオーバーレイ調整と異なる第2のオーバーレイ調整をトリガすることができる。一実施形態では、システムは、オブジェクトが、その直立位置に対して30度の角度等の第1の向きで見られていることを識別し、第1のオーバーレイ調整をトリガすることができる。別の実施形態では、システムは、オブジェクトが、その直立位置に対して15度の角度等の第2の向きで見られていることを識別し、第1のオーバーレイ調整と異なる第2のオーバーレイ調整をトリガすることができる。
一態様では、システムはインタラクティブセンサを備えることができ、トリガイベントは、インタラクティブセンサと相互作用するユーザとすることができる。様々な実施形態では、インタラクティブセンサは可聴センサとすることができ、トリガイベントは、可聴センサを介して、メモリに記憶することができる既知の音、単語、フレーズ等を識別するシステムとすることができる。例示的な一実施形態では、外科医は、「再焦点合わせ」と言うことができ、システムは、可聴センサを介して、単語を検出し、識別された単語に基づいて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。様々な実施形態では、トリガイベントは、撮像デバイスによって捕捉された所定の動きに基づくことができる。一態様では、所定の動きをメモリに記憶し、撮像デバイスによって捕捉された動きと比較することができる。例示的な一実施形態では、外科医は、外科用器具のエンドエフェクタを円運動で動かすことができ、システムは、ライブストリーム内の円運動を検出し、検出された運動に基づいて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。様々な実施形態では、検出された相互作用に従って、オーバーレイされた情報に対してシステムが行う調整は、メモリ内に記憶することができる。例示的な一実施形態では、外科医は、「クリア」と言うことができ、システムは、メモリ内に記憶されたデータに基づいて、「クリア」は、外科医がディスプレイ上の全てのオーバーレイされた情報を除去したいことを意味すると判定することができる。
いくつかの態様では、検出された相互作用に従ってオーバーレイされた情報に対してシステムが行う調整は、外科的処置の識別されたステップに基づくことができる。様々な実施形態では、状況認識モジュール6006等の状況認識モジュールは、システムによって受信される1つ以上の入力に基づいて、実行されている外科的処置のステップを判定することができる。ユーザによって提供される相互作用及び外科的処置の決定されたステップに基づいて、システムは、それに応じて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、外科医は、音等の可聴コマンドをシステムに提供することができる。システムは、状況認識モジュールを介して、外科的処置の特定のステップが実行されていると判定することができる。システムは、音をメモリに記憶された音と比較することができる。一態様では、メモリは、検出された音及び外科的処置の決定されたステップの両方に基づいて実行するための様々な実行可能命令を記憶することができる。一態様では、ある音は、1つの決定されたステップのためのオーバーレイされた情報に対する第1の調整と、第2の決定されたステップのためのオーバーレイされた情報に対する第2の調整とを引き起こすことができ、第1の調整及び第2の調整は異なる。様々な実施形態では、可聴コマンドは、外科的処置の決定されたステップとは独立して、オーバーレイされた情報に対する同じ調整を引き起こすことができる。
一態様では、システムは、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整させる場所ベースのトリガを検出することができる。様々な実施形態では、システムは、外科的処置に関連する様々な構成要素及び/又は個人の位置を追跡及び/又は決定することができる、本明細書の他の箇所に記載されるもの等の様々なセンサ及び可視化システムを含むことができる。一態様では、システムは、様々な構成要素及び/又は個人の位置を決定するためにGPSを利用することができる。一態様では、システムは、様々な構成要素及び/又は個人の位置を決定するためのデジタルコンパスを含むことができる。一態様では、システムは、様々な構成要素及び/又は個人の位置を決定するために、速度データ及び加速度データを測定するためのセンサ(例として、加速度計等)を含むことができる。一態様では、追跡のための構成要素及び個人は、システムによって追跡されることが可能な位置センサを含むことができる。上記で提供された位置追跡技術は、ORの内部又は外部の構成要素及び/又は個人の位置を識別する目的で、単独で、及び互いに組み合わせて使用することができる。
例示的な一実施形態では、外科医は、外科用切断デバイスを使用して、結腸直腸S状結腸切除動員を通して作業し、そのライブストリームをディスプレイ上で見ることができる。システムは、上記で参照されるように、任意の数の位置追跡技術を介して、外科用切断デバイスのエンドエフェクタが血液供給の切断点に接近しているときを検出することができる。エンドエフェクタが切断点に接近しているか、又は到達したことをシステムが検出することに基づいて、システムは、次の動員ステップを支援するために情報をオーバーレイするようにディスプレイを調整することができる。一例として、システムは、外科用可視化システムからシステムへの入力に基づいて、血流の場所及び方向性、並びに血液が供給される場所をオーバーレイすることができ、それによって、処置の次のステップの可視化を支援する。
様々な実施形態では、システムは、上記で参照されるように、任意の数の位置追跡技術を介して、OR内又は外の個人又は個人のグループの位置を検出し、それらの検出された位置(複数の場合もある)に基づいて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、例として、ウェアラブルARデバイス66等のディスプレイを有する、病院内の看護師等の個人の位置を監視することができる。先の議論は、ウェアラブルARデバイスの文脈であるが、本明細書に説明される任意の他のディスプレイが、代替として使用され、同一結果を達成することができることを理解されたい。様々な実施形態では、ARデバイス66の代わりに、看護師は、例として、タブレット、携帯電話、又は任意の他の携帯用ディスプレイを有することができる。
様々な実施形態では、システムは、任意の数の場所に対する携帯用デバイスを有する個人の位置を検出することができる。一態様では、システムは、個人が或る場所に近づいている、又は到着したときを検出し、それに応じて、ARデバイス66上にオーバーレイされる情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、ARデバイス66を装着している看護師が、保管室のドア等の場所に到着すると、システムは、保管室に関連付けられたARデバイスのレンズ上に情報をオーバーレイすることができる。一実施形態では、システムは、ドアの後ろにどの部屋があるかをオーバーレイすることができる。一実施形態では、システムは、どの外科用器具が保管室に保管されているかをオーバーレイすることができる。一実施形態では、システムは、システムによる外科的処置の検出されたステップに基づいて、保管室が外科的処置のために必要とされる機器を含む場合にオーバーレイすることができる。様々な実施形態では、システムは、外科的処置のための所望の機器の一部を回収するために、個人に有用な任意の情報の量をオーバーレイすることができる。一態様では、システムは、外科的処置のステップを完了するために特定の機器の一部をどこで得ることができるかを示す方向情報等、外科的処置の検出されたステップに基づいて情報をオーバーレイすることができる。様々な実施形態では、システムは、特定の機器の一部を識別された場所で見つけることができるかどうかを問い合わせる言語コマンド等のユーザ入力に基づいて情報をオーバーレイすることができる。場所に関する情報、例えば、その場所でどの機器を見つけることができるかをメモリに記憶することができる。
様々な実施形態では、システムは、実行されている、又は間もなく実行される外科的処置のステップを決定し、決定に従ってARデバイス上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、システムは、状況認識モジュールを介して、外科用ステープル留めステップが間もなく実行され、特定のタイプのステープルカートリッジが必要とされることを決定することができる。システムは、一例として、看護師のARデバイス上に、特定のタイプのステープルカートリッジが間もなく必要となることをオーバーレイすることができる。システムは、例えば、ステープルカートリッジを見つけることができる場所、ステープルカートリッジがどのように見えるか、ステープルカートリッジのモデル番号、又は看護師がステープルカートリッジを取得するのを支援する任意の他の適切な識別情報を、ARデバイス上に更にオーバーレイすることができる。システムは、看護師がステープルカートリッジを見つけるのを支援するために、ARデバイス上に方向情報を更にオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、ステープルカートリッジを見つけることができる場所に関する情報、例えば、部屋番号、棚番号、ビン番号、又はステープルカートリッジを見つけることができる場所に関する任意の他の適切な記述情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、GPS等の位置追跡技術を利用し、ARデバイスのレンズ上に方向矢印をオーバーレイして、ステープルカートリッジを取り出すことができる場所に看護師を視覚的に誘導することができる。一態様では、システムは、ステープルカートリッジの回収を支援するために重要な特徴上にハイライトをオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、ステープルカートリッジが保管されている保管室のドアがARデバイスの視野に入ると、システムは、ドアを強調表示して、強調表示されたドアの後ろにステープルカートリッジを見つけることができることを看護師に知らせることができる。上記で参照した実施形態の任意の組合せを互いに組み合わせて使用して、所望の機器の場所を識別するのを支援することができる。
種々の他の実施形態では、ARデバイスは、外科的処置、外科的処置の判定された外科用ステップ、外科医の選好、物理的若しくは口頭入力等のユーザ入力、又はそれらの組合せに基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、看護師がARデバイスを装着して保管室に入ると、システムは、外科的処置、外科的処置の決定された外科用ステップ、外科医の選好、物理的若しくは口頭等のユーザ入力、又はそれらの組合せに基づいて、機器の一部を指すか、又は強調表示するように、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、オーバーレイされた情報を調整して、外科的処置のために必要とされる、又は必要とされることになるORから現在欠落している保管室内の機器の一部を強調表示することができる。一態様では、システムは、特定の機器の一部がどこに位置するかを問い合わせる看護師からの口頭の要求に基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。要求に基づいて、システムは、それに応じてオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、保管室内の他の強調表示されたアイテムよりも、要求されたアイテムをより明るく、又はより強く強調表示することができる。別の例示的な実施形態では、システムは、要求された機器の一部以外の全てを強調表示しないことができる。
様々な実施形態では、システムは、ARデバイスの場所を追跡し、その場所に基づいてトリガイベントの関連性を変更することができる。一態様では、第1のユーザは、第1のARデバイスを装着して第1の場所にいることができ、第2のユーザは、第2のARデバイスを装着して第2の場所にいることができる。例示的な一実施形態では、システムにオーバーレイされた情報を調整させるトリガイベントを検出することができる。システムは、第1のユーザがトリガイベントに関連付けられていること、及び第2のユーザがトリガイベントに関連付けられていないことを検出することができる。一態様では、システムは、第1のユーザがトリガイベントが発生した特定の距離内にあり、第2のユーザがトリガイベントが発生した特定の距離外にあることを検出することができる。判定に基づいて、システムは、第1のARデバイスのオーバーレイされた情報を更新することができるが、第2のARデバイス上では更新しない。例示的な一実施形態では、外科医は、ARデバイスを装着して外科的処置を実行することができ、看護師は、ARデバイスを装着して機器の一部を取り出すことができる。看護師が保管室に到着すると(場所ベースのトリガイベント)、システムは、外科医ARデバイス上にオーバーレイされているものを維持しながら、看護師ARデバイス上にオーバーレイされた情報を調整することができる。オーバーレイされた情報におけるこの選択的な調整は、オーバーレイされた情報が特定の個人にとってほとんど又は全く価値がない可能性がある場合にディスプレイが調整されることを防止する。
様々な実施形態では、システムは、本明細書に説明される任意の数の可視化システム等の可視化システムによって検出されるような任意の数のトリガイベントに基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされる情報を調整することができる。一態様において、システムは、特定の外科用デバイスを誰が保持しているかの判定に基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、可視化システムの視野に入る特定の外科用デバイスに基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、患者に対して外科用デバイスがどこにあるかに基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、特定の外科用デバイスが、任意の数の入力、例えば、可視化システム、位置センサ、又は本明細書に記載される任意の他の位置追跡技術によって決定されるように、患者の閾値距離内に来ると、システムは、外科用デバイスに関連する情報をオーバーレイするようにディスプレイを調整することができる。例示的な一実施形態では、特定の外科用デバイスが、任意の数の入力、例えば、可視化システム、位置センサ、又は本明細書に記載される任意の他の位置追跡技術によって決定されるように、患者の閾値距離を出ると、システムは、外科用デバイスに関連するオーバーレイされた情報を除去するようにディスプレイを調整することができる。例示的な一実施形態では、特定の外科用デバイスが、任意の数の入力、例えば、可視化システム、位置センサ、又は本明細書に記載される任意の他の位置追跡技術によって決定されるように、患者の閾値距離に達すると、システムは、外科用デバイスに関連するオーバーレイされた情報を追加するようにディスプレイを調整することができる。
様々な実施形態では、システムは、外科用タスクのための決定された優先付けに基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、例えば状況認識モジュールを使用して外科的処置のステップを決定し、決定に基づいてトリガイベントの重要性又は発生を調整することができる。例示的な一実施形態では、システムは、状況認識モジュールを使用して、外科用ステープル留めステップが実行されている、又は実行される予定であることを決定することができる。システムは、外科用ステープル留めステップ中にトリガイベントを監視し、外科用ステープル留めステップとのそれらの決定された関連性に従って、オーバーレイされた情報に対する調整が必要とされるかどうかを決定することができる。一態様では、過剰な力がステープル留めされている組織に印加される等のトリガイベントを検出することができる。システムは、過剰な力が外科的処置の現在のステップに関連することを決定し、それに応じてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。一態様では、組織の温度が温度閾値を超える等のトリガイベントを検出することができる。システムは、過剰な温度が外科的処置の現在のステップと関連性が低いと判定することができ、判定に基づいて、オーバーレイされた情報を更新しないことを選択することができる。様々な実施形態では、外科的処置のステップに対するトリガイベントの関連性は、メモリに記憶されるか、定義されて使用されるか、業界標準に基づくか、又はそれらの組合せとすることができる。一態様では、システムが、情報が外科的進行の現在のステップと関連性が低いと判定したとき、システムは、情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができるが、ディスプレイのどの程度の情報がオーバーレイされるかを調整することができる。一例では、システムが関連性の低いトリガイベントを検出した場合、外科用ステップが現在実行されている。システムは、ステップに関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができるが、オーバーレイされた情報が通常占めるサイズの50%の情報をオーバーレイする。他の実施形態では、システムは、ステップに関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができるが、ディスプレイの角又は縁等、ディスプレイの容易に見えない部分に情報を配置することができる。
様々な実施形態では、システムは、外科用デバイスを操作しているユーザに対するデータの重要性に基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされる情報を調整することができる。一実施形態では、外科医は、外科用ステープラを利用して組織をステープル留めすることができる。システムは、メモリに記憶されたデータに基づいて、システムが重要であると見なす、組織に印加される過剰な力を検出し、過剰な力の検出が外科用ステープラを利用する外科医に知らされるように、ARデバイス66等の外科医に関連付けられたディスプレイを調整することができる。
様々な実施形態では、システムは、ユーザによって使用される特定のタイプの外科用デバイスの検出に基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、オーバーレイされた情報を調整して、ユーザが潜在的な故障点を知ることを進めることができるように、使用される特定の外科用デバイスに関連する問題をユーザに知らせることができる。一例として、システムは、外科用デバイスの潜在的な誤用が、他の外科用デバイスに対する故障等の二次故障をどのように引き起こし得るかをユーザに知らせるために、オーバーレイされた情報を調整することができる。様々な実施形態では、このデータは、メモリに記憶され得る。様々な実施形態では、このデータは、クラウドベースシステム4等のクラウドベースシステムからアクセス可能であり得る。
様々な実施形態では、システムは、第1のディスプレイから第2のディスプレイに情報を移動させることによって、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、OR内の一次ディスプレイ上のオーバーレイされた情報の変更を引き起こす可能性があるトリガイベントの発生を検出することができる。様々な実施形態では、オーバーレイされた情報におけるこの変更は、情報の一部のサイズ、情報の一部の重み、情報の一部の位置を変更すること、オーバーレイされた情報を除去すること、オーバーレイされた情報を追加すること、又はそれらの組合せであり得る。一態様では、調整の結果として、システムは、実行されている特定の外科用ステップと関連性が低い等、関連性が低いと見なされる情報を第1のディスプレイから第2のディスプレイに移動させることができ、それによって、外科用スタッフに利用可能な情報を維持するが、外科用スタッフの主な焦点ではない場合があるディスプレイ上にある。
様々な実施形態では、システムは、トリガイベントが特定のユーザによって利用される外科用器具によって誘発されたという検出に基づいて、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。いくつかの態様では、システムは、OR内のセンサ、モジュール、及び/又は可視化システムから受信されるデータに基づいて、どの外科用デバイスがどの外科用人員によって能動的に使用されているかを判定することができる。例示的な一実施形態では、システムは、発電機モジュール40から受信したデータに基づいて、エネルギーデバイスが能動的に使用されていると判定することができる。例示的な一実施形態では、システムは、センサモジュール29から受信されたデータに基づいて、外科用デバイスが能動的に使用されていると判定することができる。例示的な一実施形態では、システムは、撮像モジュール25、又は本明細書の他の箇所に説明される任意の数の可視化システムから受信されるデータに基づいて、外科用デバイスが能動的に使用されていると判定することができる。例示的な一実施形態では、システムは、状況認識モジュールから行われた推論に基づいて、外科用デバイスが能動的に使用されていると判定することができる。例示的な一実施形態では、システムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第10,758,310号に説明されるように、ユーザ装着識別子と外科用器具との間で生じるペアリングを示す信号を受信するシステムに基づいて、デバイスが能動的に使用されていると判定することができる。様々な実施形態では、システムは、本明細書に記載される様々なセンサ、モジュール、及び入力デバイスに基づいて、単独で又は互いに組み合わせて、どの外科用デバイスが能動的に使用されているかを判定することができる。
様々な実施形態では、システムは、ユーザによって能動的に制御される外科用器具から発生するトリガイベントを検出し、それに応じてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。例示的な一実施形態では、システムは、外科医が組織マニピュレータを能動的に使用して手術場所で組織を操作していることを検出することができる。システムは、組織張力閾値を超える組織張力を検出し、張力が外科医に関連付けられた組織マニピュレータによって誘発されたと判定することができる。検出されたイベント及び器具の発生に基づいて、システムは、外科医によって装着されるウェアラブルARデバイス等のディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。
様々な実施形態では、システムは、ユーザによって制御される能動的な外科用器具の外部から発生するトリガイベントを検出し、それに応じてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を更新することができる。例示的な一実施形態では、外科医が肝臓の切開のために2つの器具を能動的に使用している間に、外科医と関連付けられていない肝臓開創器を展開して肝臓に固定することができる。外科医によって能動的に使用される2つの器具の相互作用に基づいて、張力閾値を超える固定された開創器に起因して、肝臓内の組織張力が誘発され得る。システムは、可視化システムを使用する等して、開創器によって誘発された組織張力を検出し、組織張力イベントが外科医と関連付けられていない構成要素によって誘発されるにもかかわらず、外科医によって装着されたARデバイス等のディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。したがって、システムは、特定のユーザに関連付けられた又は関連付けられていない器具又はアクションによって誘発されるイベントに従って、ARデバイス上の情報を更新することができる。
様々な実施形態では、システムは、リスクイベントの検出に基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、リスクイベントは、外科的処置に関して好ましくない結果を引き起こす少なくともいくらかの可能性を有するイベントであり得る。例示的な一実施形態では、リスクイベントは、外科的処置の特定のステップのために使用されている特定のタイプのデバイスの検出であり得る。別の例示的な実施形態では、リスクイベントは、例として、患者内の動脈、静脈、又は腫瘍等の重要な構造の閾値距離内に入る外科用器具のエンドエフェクタであり得る。例示的な一実施形態では、リスクイベントは、外科的処置の決定されたステップに不適切なステープル留めデバイス内に特定のステープルカートリッジが設置されたことを検出するシステムであり得る。いくつかの実施形態では、リスクイベントは、意図された位置から非常に離れて関節動作する外科用器具のエンドエフェクタであり得る。いずれの態様においても、リスクイベントの検出は、システムに、検出されたリスクイベント及びリスクイベントを回避するための可能な改善策を説明する警告又は是正ステップをディスプレイ上にオーバーレイさせることができる。
様々な実施形態では、システムは、視野の外側から発生するイベントの検出に基づいて、ディスプレイ上にオーバーレイされる情報を調整することができる。一態様では、撮像デバイスは、術野のライブストリームを捕捉し、外科用スタッフが見るためにライブストリームをディスプレイに伝送することができる。イベントは、術野のライブストリームの外側から誘発又は発生する可能性があり、これは、注意、又は反応、又は外科医を必要とする。例示的な一実施形態では、外科医は、ディスプレイ上の術野内で見える組織を操作することができる。組織操作の結果として、術野の外側の組織の一部は、閾値張力が組織に不注意に印加される結果として、断裂し得る。システムは、例えば可視化システムを介して断裂を検出し、組織断裂が外科医の視野の外側で生じたことを外科医に警告することができる。これにより、外科医が撮像デバイスを断裂の場所に再配置し、適切なアクションをとることができる。一態様では、システムは、視野外で発生したイベントを見つけるためにどこを見るべきかを外科医に知らせる方向情報をオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、システムは、ウェアラブルディスプレイ上のオーバーレイされた情報に対する調整を引き起こし得るトリガイベントを検出することができる。いくつかの態様では、ウェアラブルディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することに加えて、システムはまた、ウェアラブルARデバイスを装着していない個人も調整されたオーバーレイを見ることができるように、OR内の様々な他のディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、システムは、ARデバイス上のオーバーレイされた情報を調整させるトリガイベントを検出することができる。加えて、システムは、ARデバイス66を装着していない外科用人員が見るために、ディスプレイ19等のOR内の他のディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。
様々な実施形態では、システムは、任意の数の方法でディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、任意の数のセンサに応じてデバイスの状態に関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、温度センサによって検出され得る、デバイスの熱又は熱プロファイルに関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、撮像デバイスがその手術視野を調整するために移動されるべき方向に関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、患者に対する潜在的な損傷を回避するために回避されるべき組織の領域等の危険領域に関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、任意の数のセンサによって決定される組織の状態に関する情報をオーバーレイすることができる。例示的な一実施形態では、トリガイベントが発生すると、システムは、患者に埋め込まれたクリップ又はステープル等、システムによって検出された外部インプラントに関する情報をオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、システムは、開放されている外科用構成要素を収容するパッケージの発生を検出し、それに応じてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、システムは、外科用ステープルカートリッジリロードを含むパッケージが開放されていることを検出することができる。システムは、ステープル保持器等の二次パッケージに対する示唆等、パッケージ内の構成要素に関連付けられた情報をオーバーレイすることができる。いくつかの態様では、システムは、例として、ステープルサイズ、ステープル材料、又はカートリッジでステープル留めされる予定の組織の厚さ等、パッケージ内にある構成要素に関連付けられたパラメータ等の情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、システムは、外科的処置の外科用ステップを検出し、それに応じてオーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、器具内の古い外科用ステープルカートリッジを処分すること、及び器具を新しいカートリッジと交換すること等、処分ステップを後に必要とする外科用ステップを検出することができる。例示的な一実施形態では、システムは、ステープル留めストロークの完了を検出し、カートリッジを取り外して交換する必要があるという外科用スタッフへの命令をオーバーレイすることができる。一態様では、オーバーレイされた情報は、後続のステープル発射ストロークを完了するために利用する交換カートリッジのタイプを更に識別することができる。様々な実施形態では、システムは、外科用ステープルカートリッジが処分され得る場所に関する情報をオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、システムは、パラメータ閾値に達するか、又はそれを超える患者に関連付けられた監視されるパラメータに基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、任意の数のセンサ又はシステムが、心拍数等の患者と関連付けられたパラメータを監視し、それに応じて、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、システムは、様々なパラメータの値を監視し、その値をメモリに記憶されたパラメータ閾値と比較することができる。パラメータの値がパラメータ閾値に達するか又はそれを超える場合、システムは、後続のアクションをとることができるように、閾値に達したか又はそれを超えたことの発生をユーザに知らせるようにオーバーレイされた情報を調整することができる。いくつかの実施形態では、システムは、パラメータの値をパラメータ閾値未満に下げることを支援することができる是正措置をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。様々な実施形態では、システムは、患者に関連付けられたパラメータの変化率を監視し、変化率が変化率閾値に達するか、又はそれを超えることに基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。
様々な実施形態では、システムは、部分的なトリガイベントの蓄積を検出し、蓄積されたイベントをトリガイベント閾値と比較することによって、トリガイベントの発生を検出することができる。一態様では、システムは、トリガイベントカウントを設定し、部分的なトリガイベントの発生回数をカウントすることができる。例示的な一実施形態では、システムは、外科的処置の開始時にトリガイベントカウントを0に設定することができる。別の例示的な実施形態では、システムは、外科的処置の特定のステップの開始時にトリガイベントカウントを0に設定することができる。一態様では、システムは、外科的処置の完了したステップの終了時にトリガイベントカウントを0に戻すことができる。いくつかの実施形態では、トリガイベントカウントは、1、2、3、又は任意の他の適切な整数等の0以外の値に設定することができる。様々な実施形態では、システムは、ユーザ入力、外科的処置の検出されたステップに基づく状況認識モジュールからの入力、又はそれらの組合せに基づいて、トリガイベントカウントを設定することができる。
一態様では、システムは、部分的なトリガイベントを検出し、部分的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントを調整し、トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができる。例示的な一実施形態では、システムは、トリガイベント閾値を3つの部分的トリガイベントに設定することができる。システムは、検出された組織操作ステップの開始時に、トリガ偶数カウントを0に設定することができる。システムは、張力閾値に対して操作された組織に誘発される組織張力を検出し、張力閾値に達するか又はそれを超える度に、トリガイベントカウントに1を加算することができる。トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか、又はそれを超える場合、システムは、それに応じてディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することができ、例えば、外科用スタッフに警告を発するか、又は張力閾値に達しないか、若しくはそれを超えないことを確実にするために是正措置を提供する。
部分的なトリガイベントを検出及びカウントする能力は、システムが、単独では軽微又は重要ではない場合があるが、その蓄積が、重大又は重要なイベントにつながり得るイベントを追跡することを可能にする。例えば、上記で参照された組織操作ステップにおいて、単独で張力閾値を超える組織張力を誘発することは、患者組織を過度に傷つけない場合があるが、複数回の発生は、断裂又は損傷した組織をもたらし得る。
様々な実施形態では、部分的なトリガイベントは、トリガイベントカウントに加算する付加的なトリガイベントと、トリガイベントカウントから減算する負のトリガイベントとを含むことができる。組織マニピュレータによって誘発される組織張力に関する上述の例示的な実施形態では、組織マニピュレータによって誘発される組織張力は、トリガイベントカウントに1を加算する付加的なトリガイベントであってもよい。いくつかの態様では、システムは、最後の付加的なトリガイベントの発生から経過した時間量を追跡し、経過時間を閾値時間と比較することができる。別の付加的なトリガイベントが、経過時間が閾値時間を検索する時間までに誘発されない場合、システムは、これを負のトリガイベントとして検出し、トリガイベントカウントから1を減算することができる。様々な実施形態では、負のトリガイベントは、付加的トリガイベントによって引き起こされる影響を減少させる、又は取り除く任意のイベントとすることができる。例示的な一実施形態では、付加的なトリガイベントは、温度閾値に達するか又はそれを超えることとすることができ、負のトリガイベントは、加熱された組織を冷却する温度閾値未満の温度を適用することとすることができる。他の例示的な実施形態では、負のトリガイベントは、正のトリガイベントによって引き起こされる影響を打ち消すか又は取り除く、注射等の薬物を投与することであり得る。
様々な実施形態では、付加的及び負の部分的なトリガイベントは、異なる重みを有することができる。一態様では、第1のタイプの付加的なトリガイベントは、トリガイベントカウントに1を加算することができ、一方、第2のタイプの付加的なトリガイベントは、トリガイベントカウントに2を加算することができる。一態様では、第1のタイプの負のトリガイベントは、トリガイベントカウントから1を減算することができ、一方、第2のタイプの負のトリガイベントは、トリガイベントカウントから2を減算することができる。1~n等の任意の数の重みを部分的なトリガイベントに割り当てることができ、ここで、nはトリガイベント閾値である(すなわち、重みnを有する付加的なトリガイベントカウントは、その発生時にトリガイベント閾値に到達させる)。重みは、ユーザによって定義されるか、メモリに記憶されるか、業界標準に基づくか、又はそれらの組合せとすることができる。様々な実施形態では、部分的なトリガイベントは、例として、0.5、1.5、又は1.8等、整数以外の値であり得る。
トリガイベントカウントに加算及び減算する能力は、システムが、単独では軽微又は重要でない場合があるが、その累積が、重大又は重要なイベントにつながり得るイベントを追跡することを可能にする(付加的なトリガイベント)。しかしながら、システムは、付加的なトリガイベントを最小化又は減少させるイベントを検出することもでき、したがって、トリガイベントカウントから取り除くことができる(負のトリガイベント)。例えば、上記で参照された組織操作ステップにおいて、単独で張力閾値を超える組織張力を誘発することは、患者組織を過度に傷つけない場合があるが、複数回の発生は、断裂又は損傷した組織をもたらし得る(付加的なトリガイベント)。しかしながら、数時間続く場合がある外科的処置の経過中に、張力閾値を超えることは、トリガイベント閾値よりも大きい回数生じることが予想される場合がある。しかしながら、長期間にわたって起こるこの発生回数は、組織に重大な害をもたらさない場合がある。したがって、システムは、トリガイベントカウントをトリガイベント閾値未満に維持し、オーバーレイされる情報が必要でない場合にオーバーレイされる情報が調整されるのを防ぐために、トリガイベントカウントから減算することができる(負のトリガイベント)。
様々な実施形態では、システムは、トリガイベントカウントをリセットさせることができるキャンセルトリガイベントを検出することができる。一実施形態では、システムは、外科的処置のステップ中に張力閾値を超える張力が組織に誘発される発生回数を検出することができる。システムは、外科的処置の現在の組織操作ステップが終了したこと、及び外科的処置の新しいステップが行われていることを検出することができる。したがって、システムは、カウントをリセットして0に戻す等、トリガイベントカウントをリセットするキャンセルトリガイベントとして組織操作ステップの完了を検出することができる。
様々な実施形態では、システムは、異なるトリガイベント閾値を有し得る複数のトリガイベントを監視することができる。一実施形態では、第1のトリガイベントは、システムが3つの部分的なトリガイベントを検出する等、第1のトリガイベント閾値を有することができ、第2のトリガイベントは、システムが4つの部分的なトリガイベントを検出する等、第2のトリガイベント閾値を有することができる。一態様では、異なるトリガイベント閾値を有することにより、システムが、様々な程度の重大度を有し得る部分的なトリガイベントを監視することができる。
様々な実施形態では、付加的なトリガイベントは、同一又は類似の付加的トリガイベントであり得る。例示的な一実施形態では、システムが、組織の張力が張力閾値に達するか又はそれを超える等、同じ3つの部分的なトリガイベントの発生を検出したときに、トリガイベント閾値に達することができる。これにより、システムは、トリガイベント閾値に関連付けられた特定のタイプのイベントを監視し、特定のタイプのイベントが閾値回数発生した場合に、オーバーレイされた情報を調整することができる。
様々な実施形態では、付加的なトリガイベントは、異なる付加的なトリガイベントであり得る。例示的な一実施形態では、システムが、張力閾値に達する組織内に誘発される張力、力閾値に達する組織に印加される力、及び温度閾値に達する組織に印加される熱等、3つの異なるタイプの付加的なトリガイベントの発生を検出したときに、トリガイベント閾値に達することができる。これにより、システムは、単独では重要ではないかもしれないが、組み合わされると組織を損傷する可能性がある異なるイベントを監視することができる。したがって、トリガイベント閾値は、複数の独立した部分的なトリガイベントの発生時に達することができ、したがって、システムに、ディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整させることができる。
図13は、術野のライブストリームを示しているディスプレイ6005等のディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための例示的な方法10000の動作を示すフローチャートを示す。一態様では、ライブストリームは、術野を撮像する撮像デバイス6004等の撮像デバイスによって捕捉され得る。撮像デバイスは、同様にディスプレイに動作可能に連結されるシステム6000等の制御システムに動作可能に連結することができる。制御システムは、外科用人員がディスプレイ上でライブストリームを見ることができるように、術野のライブストリームを撮像デバイスからディスプレイに伝送することができる。
様々な実施形態では、方法10000は、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイすること(10005)を含む。一態様では、制御システムは、例として、様々なモジュール、センサ、ユーザ入力デバイス、状況認識モジュールから入力を受信し、これらの入力に関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、方法10000は、トリガイベントの発生を検出すること(10010)を含む。一態様では、トリガイベントは、システムがディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することをもたらし得る、本開示によって説明される任意の数のトリガイベントであり得る。
様々な実施形態では、方法10000は、トリガイベントの発生に基づいて、オーバーレイされた情報を調整すること(10015)を含む。例示的な一実施形態では、調整は、制御システムがトリガイベントに関連付けられたディスプレイ上にオーバーレイされる情報をオーバーレイすることであり得る。オーバーレイされた情報に対する任意の数の調整が、本開示によって説明されるように行われることができる。
図14は、術野のライブストリームを示しているディスプレイ6005等のディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための例示的な方法10100の動作を示すフローチャートを示す。一態様では、ライブストリームは、術野を撮像する撮像デバイス6004等の撮像デバイスによって捕捉され得る。撮像デバイスは、同様にディスプレイに動作可能に連結されるシステム6000等の制御システムに動作可能に連結することができる。制御システムは、外科用人員がディスプレイ上でライブストリームを見ることができるように、術野のライブストリームを撮像デバイスからディスプレイに伝送することができる。
様々な実施形態では、方法10100は、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイすること(10105)を含む。一態様では、制御システムは、例として、様々なモジュール、センサ、ユーザ入力デバイス、状況認識モジュールから入力を受信し、これらの入力に関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、方法10100は、トリガイベントカウントを設定すること(10110)を更に含む。一態様では、システムは、外科的処置のステップの始まり又は開始時に、トリガイベントカウントを0等の値に設定することができる。一態様では、システムは、外科的処置の始まり又は開始時に、トリガイベントカウントを0等の値に設定することができる。
様々な実施形態では、方法10100は、部分的なトリガイベントを検出すること(10115)を更に含む。一態様では、システムは、例として、組織張力が張力閾値に達するか若しくはそれを超えること、組織の温度が温度閾値に達するか若しくはそれを超えること、又は組織に印加された力が温度閾値に達するか若しくはそれを超えること等、部分的なトリガイベントを検出することができる。システムは、本明細書の他の箇所で説明されるように、任意の数のセンサ、モジュール、撮像システム、又はそれらの組合せを使用して、部分的なトリガイベントを検出することができる。
様々な実施形態では、方法10100は、部分的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントを調整すること(10120)を更に含む。一態様では、システムは、付加的なトリガイベントが検出されたときに、トリガイベントカウントを1だけ増加させるようインデックスすることができる。一態様では、システムは、負のトリガイベントが検出されたときに、トリガイベントカウントを1だけ低減させるようインデックスすることができる。一態様では、システムは、キャンセルトリガイベントの検出時に、トリガイベントカウントを0等の初期トリガイベントカウントにリセットして戻すことができる。
様々な実施形態では、方法10100は、トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいて、オーバーレイされた情報を調整すること(10125)を更に含む。一態様では、システムは、トリガイベントカウントをトリガイベント閾値と比較し、トリガイベント閾値に達したか又はそれを超えたという決定に基づいて、オーバーレイされた情報を調整することができる。一態様では、トリガイベント閾値に達したか又はそれを超えた場合、システムは、トリガイベント閾値に達したか又はそれを超えたことを示す警告をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
図15は、術野のライブストリームを示しているディスプレイ6005等のディスプレイ上への提示を求めて競合する外科用データの表示配置を決定するための例示的な方法10100の動作を示すフローチャートを示す。一態様では、ライブストリームは、術野を撮像する撮像デバイス6004等の撮像デバイスによって捕捉され得る。撮像デバイスは、同様にディスプレイに動作可能に連結されるシステム6000等の制御システムに動作可能に連結することができる。制御システムは、外科用人員がディスプレイ上でライブストリームを見ることができるように、術野のライブストリームを撮像デバイスからディスプレイに伝送することができる。
様々な実施形態では、方法10200は、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイすること(10205)を含む。一態様では、制御システムは、例として、様々なモジュール、センサ、ユーザ入力デバイス、状況認識モジュールから入力を受信し、これらの入力に関連付けられた情報をディスプレイ上にオーバーレイすることができる。
様々な実施形態では、方法10200は、外科的処置のステップを決定すること(10210)を更に含む。一態様では、システムは、システムに提供される任意の数の入力に基づいて、現在実行されているステップ又は間もなく実行されるステップ等の外科的処置のステップを決定することができる。一態様では、システムは、外科的処置のステップを決定する目的で、センサ、モジュール、及びデバイスから様々な量の情報を受信することができる状況認識モジュールを使用して、外科的処置のステップを決定することができる。
様々な実施形態では、方法10200は、トリガイベントの発生を検出すること(10215)を更に含む。一態様では、トリガイベントは、システムがディスプレイ上のオーバーレイされた情報を調整することをもたらし得る、本開示によって説明される任意の数のトリガイベントであり得る。
様々な実施形態では、方法10200は、トリガイベントの発生及び外科的処置のステップに基づいて、オーバーレイされた情報を調整すること(10120)を更に含む。例示的な一実施形態では、システムは、外科的処置の次のステップが外科用ステープル留め動作であり、トリガイベントが外科的処置のステップの完了であると判定することができる。システムは、外科的処置のステップを完了するために必要とされるステープルカートリッジのタイプ等、外科的処置の次のステップについての情報をオーバーレイするようにディスプレイを調整することができる。別の例示的な実施形態では、システムは、外科的処置の現在のステップが組織操作ステップであり、トリガイベントが、力閾値に達するか又はそれを超える組織に印加された力であると判定することができる。システムは、より少ない圧力が印加されるべきであることをユーザに通知する等、閾値に達するか又はそれを超えることに関連する情報をオーバーレイするようにディスプレイを調整することができる。
本明細書に記載される主題の様々な追加的態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1:外科用システムであって、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、ライブストリームが撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、撮像デバイス及びディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、トリガイベントの発生を検出し、トリガイベントの発生に基づいて、オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
実施例2:制御システムが、外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、トリガイベントが、パラメータの値がパラメータ閾値に達するか又はそれを超えることを含む、実施例1に記載の外科用システム。
実施例3:制御回路が、外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、トリガイベントは、パラメータの値の変化率が変化率閾値に達するか又はそれを超えることを含む、実施例1又は2に記載の外科用システム。
実施例4:外科医に関連付けられた外科用デバイスを更に備え、トリガイベントが、外科用デバイスによって誘発されるイベントを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例5:外科医に関連付けられた第1の外科用デバイスと、外科医に関連付けられていない第2の外科用デバイスと、を更に備え、トリガイベントが、第2の外科用デバイスによって誘発されたイベントを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例6:トリガイベントがトリガイベント閾値を含み、制御システムが、トリガイベントカウントを設定し、部分的なトリガイベントを検出し、部分的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントを調整するように更に構成され、トリガイベントの発生を検出することが、トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることを検出することを含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例7:部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、トリガイベントカウントを調整することが、付加的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントに加算することと、負のトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントから減算することと、を含む、実施例6に記載の外科用システム。
実施例8:オブジェクトに関連付けられたデータを記憶するメモリを更に備え、制御システムが、ライブストリーム内のオブジェクトを識別し、オブジェクトをメモリに記憶されたオブジェクトに関連付けられたデータと比較するように更に構成され、トリガイベントが、オブジェクトが比較から識別されることを含む、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例9:インタラクティブセンサを更に備え、トリガイベントが、ユーザがインタラクティブセンサと相互作用することを含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例10:エンドエフェクタを含む外科用器具を更に備え、制御システムが、エンドエフェクタの位置を監視するように更に構成され、トリガイベントが、エンドエフェクタが或る場所に到達することを含む、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例11:制御システムが、ユーザの位置を監視するように構成され、トリガイベントが、ユーザが或る場所に到達することを含む、実施例1~10のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例12:オーバーレイされた情報を調整することが、場所に関連付けられた情報をオーバーレイすることを含む、実施例11に記載の外科用システム。
実施例13:場所に関連付けられたオーバーレイされた情報が、外科的処置に関連付けられた情報を含む、実施例12に記載の外科用システム。
実施例14:制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、制御システムが、状況認識モジュールによって、外科的処置のステップを決定するように更に構成され、場所に関連付けられたオーバーレイされた情報が、外科的処置のステップに関連付けられた情報を含む、実施例12又は13に記載の外科用システム。
実施例15:場所に関連付けられたオーバーレイされた情報が、ユーザ入力に基づく情報を含む、実施例12~14のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例16:制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、制御システムが、状況認識モジュールによって、外科的処置のステップを決定し、外科的処置のステップを実行するために必要とされる構成要素を決定するように更に構成され、トリガイベントが、制御システムが外科的処置のステップを実行するために必要とされる構成要素を決定することを含み、オーバーレイされた情報を調整することが、構成要素がどこに位置し得るかについての方向情報を提供することを含む、実施例1~15のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例17:ディスプレイが第1のディスプレイを含み、外科用システムが、第2のディスプレイを更に含み、オーバーレイされた情報を調整することが、オーバーレイされた情報を第1のディスプレイから第2のディスプレイに移動させることを含む、実施例1~16のいずれか1つに記載の外科用システム。
実施例18:外科用システムであって、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、ライブストリームが撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、撮像デバイス及びディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、トリガイベントカウントを設定し、部分的なトリガイベントを検出し、部分的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントを調整し、トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
実施例19:部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、トリガイベントカウントを調整することが、付加的なトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントに加算することと、負のトリガイベントの発生に基づいてトリガイベントカウントから減算することと、を含む、実施例18に記載の外科用システム。
実施例20:外科用システムであって、撮像デバイスと、外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、ライブストリームが撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、状況認識モジュールと、撮像デバイス、ディスプレイ、及び状況認識モジュールに動作可能に連結された制御システムであって、外科的処置に関連付けられた情報をライブストリーム上にオーバーレイし、状況認識モジュールによって、外科的処置のステップを決定し、トリガイベントの発生を検出し、トリガイベントの発生及び外科的処置のステップに基づいてオーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
いくつかの形態が示され説明されてきたが、添付の特許請求の範囲をそのような詳細に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組合せ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組合せ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組合せによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組合せとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「制御回路」という用語は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組合せを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組合せで実装されてもよいことを認識するであろう。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」等という用語は、制御回路、コンピュータ関連エンティティ、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組合せ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかを指すことができる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組合せ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信デバイスは、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信デバイスは、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成されている(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成されている」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(複数可)で示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する(responsive to)」、「~に関連する(related to)」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の特徴部、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾するあらゆる内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例とともに、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書とともに提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 外科用システムであって、
撮像デバイスと、
外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
前記撮像デバイス及び前記ディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、
前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
トリガイベントの発生を検出し、
前記トリガイベントの前記発生に基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
(2) 前記制御システムが、前記外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記パラメータの値がパラメータ閾値に達するか又はそれを超えることを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(3) 制御回路が、前記外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記パラメータの値の変化率が変化率閾値に達するか又はそれを超えることを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(4) 外科医に関連付けられた外科用デバイスを更に備え、前記トリガイベントが、前記外科用デバイスによって誘発されるイベントを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(5) 外科医に関連付けられた第1の外科用デバイスと、
前記外科医に関連付けられていない第2の外科用デバイスと、を更に備え、
前記トリガイベントが、前記第2の外科用デバイスによって誘発されたイベントを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(6) 前記トリガイベントがトリガイベント閾値を含み、前記制御システムが、
トリガイベントカウントを設定し、
部分的なトリガイベントを検出し、
部分的なトリガイベントの発生に基づいて、前記トリガイベントカウントを調整するように更に構成され、
前記トリガイベントの前記発生を検出することが、前記トリガイベントカウントが前記トリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることを検出することを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(7) 前記部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、前記トリガイベントカウントを調整することが、
付加的なトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントに加算することと、
負のトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントから減算することと、を含む、実施態様6に記載の外科用システム。
(8) オブジェクトに関連付けられたデータを記憶するメモリを更に備え、前記制御システムが、
前記ライブストリーム中のオブジェクトを識別し、
前記オブジェクトを、前記メモリに記憶されたオブジェクトに関連付けられた前記データと比較するように更に構成され、
前記トリガイベントが、前記オブジェクトが前記比較から識別されることを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(9) インタラクティブセンサを更に備え、前記トリガイベントが、ユーザが前記インタラクティブセンサと相互作用することを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(10) エンドエフェクタを含む外科用器具を更に備え、前記制御システムが、前記エンドエフェクタの位置を監視するように更に構成され、前記トリガイベントが、前記エンドエフェクタが或る場所に到達することを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(11) 前記制御システムが、ユーザの位置を監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記ユーザが或る場所に到達することを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(12) 前記オーバーレイされた情報を調整することが、前記場所に関連付けられた情報をオーバーレイすることを含む、実施態様11に記載の外科用システム。
(13) 前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、前記外科的処置に関連付けられた情報を含む、実施態様12に記載の外科用システム。
(14) 前記制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、前記制御システムが、前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定するように更に構成され、前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、前記外科的処置の前記ステップに関連付けられた情報を含む、実施態様12に記載の外科用システム。
(15) 前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、ユーザ入力に基づく情報を含む、実施態様12に記載の外科用システム。
(16) 前記制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、前記制御システムが、
前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定し、
前記外科的処置の前記ステップを実行するために必要とされる構成要素を決定するように更に構成され、
前記トリガイベントが、前記制御システムが前記外科的処置の前記ステップを実行するために必要な前記構成要素を決定することを含み、
前記オーバーレイされた情報を調整することが、前記構成要素がどこに位置し得るかについての方向情報を提供することを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(17) 前記ディスプレイが、第1のディスプレイを含み、前記外科用システムが、第2のディスプレイを更に備え、前記オーバーレイされた情報を調整することが、オーバーレイされた情報を前記第1のディスプレイから前記第2のディスプレイに移動させることを含む、実施態様1に記載の外科用システム。
(18) 外科用システムであって、
撮像デバイスと、
外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
前記撮像デバイス及び前記ディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、
前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
トリガイベントカウントを設定し、
部分的なトリガイベントを検出し、
部分的なトリガイベントの発生に基づいて、前記トリガイベントカウントを調整し、
前記トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
(19) 前記部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、前記トリガイベントカウントを調整することが、
付加的なトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントに加算することと、
負のトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントから減算することと、を含む、実施態様18に記載の外科用システム。
(20) 外科用システムであって、
撮像デバイスと、
外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
状況認識モジュールと、
前記撮像デバイス、前記ディスプレイ、及び前記状況認識モジュールに動作可能に連結された制御システムであって、
前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定し、
トリガイベントの発生を検出し、
前記トリガイベントの前記発生及び前記外科的処置の前記ステップに基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。

Claims (20)

  1. 外科用システムであって、
    撮像デバイスと、
    外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
    前記撮像デバイス及び前記ディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、
    前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
    トリガイベントの発生を検出し、
    前記トリガイベントの前記発生に基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
  2. 前記制御システムが、前記外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記パラメータの値がパラメータ閾値に達するか又はそれを超えることを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  3. 制御回路が、前記外科的処置が実行されている患者に関連付けられたパラメータを監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記パラメータの値の変化率が変化率閾値に達するか又はそれを超えることを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  4. 外科医に関連付けられた外科用デバイスを更に備え、前記トリガイベントが、前記外科用デバイスによって誘発されるイベントを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  5. 外科医に関連付けられた第1の外科用デバイスと、
    前記外科医に関連付けられていない第2の外科用デバイスと、を更に備え、
    前記トリガイベントが、前記第2の外科用デバイスによって誘発されたイベントを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  6. 前記トリガイベントがトリガイベント閾値を含み、前記制御システムが、
    トリガイベントカウントを設定し、
    部分的なトリガイベントを検出し、
    部分的なトリガイベントの発生に基づいて、前記トリガイベントカウントを調整するように更に構成され、
    前記トリガイベントの前記発生を検出することが、前記トリガイベントカウントが前記トリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることを検出することを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  7. 前記部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、前記トリガイベントカウントを調整することが、
    付加的なトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントに加算することと、
    負のトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントから減算することと、を含む、請求項6に記載の外科用システム。
  8. オブジェクトに関連付けられたデータを記憶するメモリを更に備え、前記制御システムが、
    前記ライブストリーム中のオブジェクトを識別し、
    前記オブジェクトを、前記メモリに記憶されたオブジェクトに関連付けられた前記データと比較するように更に構成され、
    前記トリガイベントが、前記オブジェクトが前記比較から識別されることを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  9. インタラクティブセンサを更に備え、前記トリガイベントが、ユーザが前記インタラクティブセンサと相互作用することを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  10. エンドエフェクタを含む外科用器具を更に備え、前記制御システムが、前記エンドエフェクタの位置を監視するように更に構成され、前記トリガイベントが、前記エンドエフェクタが或る場所に到達することを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  11. 前記制御システムが、ユーザの位置を監視するように構成され、前記トリガイベントが、前記ユーザが或る場所に到達することを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  12. 前記オーバーレイされた情報を調整することが、前記場所に関連付けられた情報をオーバーレイすることを含む、請求項11に記載の外科用システム。
  13. 前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、前記外科的処置に関連付けられた情報を含む、請求項12に記載の外科用システム。
  14. 前記制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、前記制御システムが、前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定するように更に構成され、前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、前記外科的処置の前記ステップに関連付けられた情報を含む、請求項12に記載の外科用システム。
  15. 前記場所に関連付けられた前記オーバーレイされた情報が、ユーザ入力に基づく情報を含む、請求項12に記載の外科用システム。
  16. 前記制御システムに動作可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、前記制御システムが、
    前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定し、
    前記外科的処置の前記ステップを実行するために必要とされる構成要素を決定するように更に構成され、
    前記トリガイベントが、前記制御システムが前記外科的処置の前記ステップを実行するために必要な前記構成要素を決定することを含み、
    前記オーバーレイされた情報を調整することが、前記構成要素がどこに位置し得るかについての方向情報を提供することを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  17. 前記ディスプレイが、第1のディスプレイを含み、前記外科用システムが、第2のディスプレイを更に備え、前記オーバーレイされた情報を調整することが、オーバーレイされた情報を前記第1のディスプレイから前記第2のディスプレイに移動させることを含む、請求項1に記載の外科用システム。
  18. 外科用システムであって、
    撮像デバイスと、
    外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
    前記撮像デバイス及び前記ディスプレイに動作可能に連結された制御システムであって、
    前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
    トリガイベントカウントを設定し、
    部分的なトリガイベントを検出し、
    部分的なトリガイベントの発生に基づいて、前記トリガイベントカウントを調整し、
    前記トリガイベントカウントがトリガイベント閾値に達するか又はそれを超えることに基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
  19. 前記部分的なトリガイベントが、付加的なトリガイベント及び負のトリガイベントを含み、前記トリガイベントカウントを調整することが、
    付加的なトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントに加算することと、
    負のトリガイベントの発生に基づいて前記トリガイベントカウントから減算することと、を含む、請求項18に記載の外科用システム。
  20. 外科用システムであって、
    撮像デバイスと、
    外科的処置の術野のライブストリームを示すように構成されたディスプレイであって、前記ライブストリームが前記撮像デバイスによって捕捉される、ディスプレイと、
    状況認識モジュールと、
    前記撮像デバイス、前記ディスプレイ、及び前記状況認識モジュールに動作可能に連結された制御システムであって、
    前記外科的処置に関連付けられた情報を前記ライブストリーム上にオーバーレイし、
    前記状況認識モジュールによって、前記外科的処置のステップを決定し、
    トリガイベントの発生を検出し、
    前記トリガイベントの前記発生及び前記外科的処置の前記ステップに基づいて、前記オーバーレイされた情報を調整するように構成されている、制御システムと、を備える、外科用システム。
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US63/284,326 2021-11-30
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