JP2024513918A - 置換スルホンアミド-クロマン化合物、ならびにその医薬組成物および使用方法 - Google Patents

置換スルホンアミド-クロマン化合物、ならびにその医薬組成物および使用方法 Download PDF

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Abstract

本明細書において提供されるのは、化合物、医薬組成物、およびそれらの使用方法であり、神経学的障害の治療方法を含む。例えば、本明細書において提供されるのは、式I:TIFF2024513918000139.tif5352で示される化合物またはその医薬的に許容される塩であり、ここで可変基(例えば、X1、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D)の意味は本明細書に開示されるとおりである。本明細書に開示の化合物(例えば、式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩)および医薬組成物は神経学的障害を治療するのに使用され得る。

Description

本願は、2021年4月10日付け出願の米国仮出願第63/173,369号の優先権を主張するものであり、その開示全体を出典明示により本明細書に組み込むものである。
本開示は、化合物、医薬組成物、およびそれらの使用方法に関するものであり、神経学的または精神病理学的疾患または障害を治療する方法を含む。
神経学的または精神病理学的疾患または障害は、様々な程度の重篤度で、実質的な割合の人口に影響を及ぼす、分類が複雑で交絡的な症状に関する。例えば、一連の神経学的または精神病理学的疾患または障害が、本態性振戦を含む、運動障害である。本態性振戦は、頭部、咽頭(声の震え)または下肢などの他の部位での振戦と共にまたは無しで、少なくとも3年間にわたって持続した、孤立性両側上肢の活動性振戦で特徴付けられる振戦症候群であると考えられる。本態性振戦は、軽度の運動失調、疑わしいほどの手足の異常姿位、または記憶障害などの診断に正確性を欠くさらに軽度の神経学的徴候を伴って現れることがあり、世界人口の1%が罹患している(Haubenberger, D.ら、New Eng J Med, 378(19):1802-1810)。さらなる神経学的または精神病理学的疾患または障害はまた、米国精神医学会によって定期的にアップデートされている、「the Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」、第5版(2013)(DSM-V)にて説明されている。
いくつかの神経学的または精神病理学的疾患または障害に対する治療法が存在するが、様々な神経学的および精神病理学的疾患および障害に対する効果的な治療への要求は依然として残っている。例えば、ベータ-ブロッカーとして分類される、プロプラノロールは、本態性振戦を治療するために米国食品医薬品局(FDA)によって承認された唯一の医薬治療剤である。加えて、抗けいれん剤、またはベンゾジアゼピン系などの他の薬物クラスも本態性振戦を治療するために使用されている。しかしながら、より安全で、より効果的な治療の選択肢が求められている。
1の態様において、本開示は、式I:
[式中:
は、C(R4A)(R4B)またはN(R4C)であり;
4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルであるか;または
4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルであり;
1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;
またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基であり;および
がN(R4C)であり、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合、その時には(i)R1Aはメチルでなく;(ii)R1Bはメチルでなく;および(iii)R3Cはメトキシまたはエトキシではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩を提供する。
もう一つ別の態様において、本発明は、本明細書に開示の化合物、またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される賦形剤とを含む、医薬組成物に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、対象での神経学的または精神病理学的疾患または障害を治療する方法であって、該対象に、効果的な量の本明細書に開示の化合物またはその医薬的に許容される塩、あるいは医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
以下、例示としての実施態様について説明する。
本開示の解釈を補足するために本明細書にて定義を提供する。適切な場合は常に、単数形で用いられる用語は複数形も包含するであろう。文脈にてそうでないと明らかに示されない限り、本明細書にて使用される用語は以下の意味を有する。
本明細書にて記載されるすべての方法は、本明細書にて特記されない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、いずれか適切な順序で行われ得る。本明細書において提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示の理解をより容易にすることを意図とし、他に主張される本開示の範囲に制限を課すものではない。
本明細書にて用いる場合、「アシル」なる語は、基-C(=O)Rをいい、ここでRは、本明細書にて定義されるように、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニルまたは(C-C)シクロアルキルである。アシルの例として、ホルミル、アセチル、およびシクロヘキシルカルボニルが挙げられる。
本明細書にて用いる場合、「アルキル」なる語は、特定数の炭素原子を有し、一般式:C2n+1で示される、分岐鎖または直鎖の一価の炭化水素基をいう。かくして、「(C-C)アルキル」なる語は、一般式:C2n+1(式中、nは1、2、3、4、5または6である)で示される、分岐鎖または直鎖の一価の炭化水素置換基をいう。アルキルの例には、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、3,3-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-メチルペンチル等が含まれる。
本明細書にて用いる場合、「アルケニル」なる語は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有し、2~4個の炭素原子を有する、脂肪族基(すなわち、C-Cアルケニル)をいう。アルケニル基の例として、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニル、および1,3-ブタジエニルを含む)が挙げられる。
本明細書にて用いる場合、「アルキニル」なる語は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有し、2~4個の炭素原子を有する、脂肪族基(すなわち、C-Cアルキニル)をいう。「アルキニル」なる語はまた、1個の三重結合と、1個の二重結合を有する、それらの基も包含する。
本明細書にて使用されるような「アルコキシ」なる語は、酸素連結原子を介して結合したアルキル基をいい、ここでアルキルは本明細書にて記載されるとおりである。「(C-C)アルコキシ」は、(C-C)アルキルが酸素連結原子を介して結合しているアルコキシ基をいう。アルコキシ基の例として、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソ-プロポキシ)、およびブトキシ(例えば、t-ブトキシ)が挙げられる。
本明細書にて使用されるような「ハロゲン」および「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。いくつかの実施態様において、ハロゲンはフルオロ、クロロまたはブロモである。いくつかの実施態様において、ハロゲンはフルオロまたはクロロである。いくつかの実施態様において、ハロゲンはクロロ、ブロモまたはヨードである。いくつかの実施態様において、ハロゲンはクロロまたはブロモである。
本明細書にて使用されるような「ハロアルキル」は、1または複数の水素原子が、各々独立して、ハロゲンで置換されているアルキル基をいい、ここでアルキルは本明細書にて記載されるとおりである。「ハロアルキル」はモノ-、ポリ-およびペルハロアルキル基を包含する。「(C-C)ハロアルキル」は、1または複数の水素原子が、各々独立して、ハロゲンで置換されている(C-C)アルキルをいう。ハロアルキルの例には、限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、およびヘプタクロロプロピルが含まれる。
本明細書にて使用されるような「ヒドロキシル」は-OHを意味する。
本明細書にて使用されるような「シアノ」または「-CN」は
を意味する。
本明細書にて使用されるような「シクロアルキル」なる語は、特定数の炭素原子を有する、飽和した単環式または多環式(例えば、二環式、三環式)の脂肪族炭化水素環系をいう。かくして、「(C-C)シクロアルキル」は、5~8個の環炭素を有するシクロアルキル環系を意味する。シクロアルキルの例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびノルボルニルが含まれる。
本明細書にて使用されるような「ジェミナル」(または「gem」と略される)なる語は、同じ炭素に結合した置換基の関係をいう。シクロアルキルの例には、限定されないが、1,1-ジメチルシクロヘキサンが含まれ、ここでシクロヘキサンは同じ炭素原子上にて2個のジェミナルメチル置換基で置換されている。
本明細書にて使用されるような「スピロ」なる語は、隣接する環が厳密に1個の原子を共有する2またはそれ以上の環の関係をいう。シクロアルキルの例には、限定されないが、シクロヘキサンが炭素原子を共有する隣接する環としてスピロプロピル置換基で置換されている、スピロ[2.5]オクタンが含まれる。
本明細書にて使用されるような「置換されている」なる語は、少なくとも1個(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個等、1~5個、1~3個、1個または2個)の水素原子が水素以外の置換基で置換されていることを意味する:ただし、正常な原子価は維持されたままであり、その置換が安定した化合物をもたらすものとする。特記されない限り、「所望により置換されてもよい」基は、該基の置換可能な各位置にて置換基を有することができ、所定のいずれかの構造で1個より多くの位置が特定の群より選択される1個より多くの置換基で置換されていてもよい場合、置換基はあらゆる位置で同一または異なるとすることができる。あるいはまた、「所望により置換されてもよい基」は非置換とすることもできる。
本開示の化合物上に窒素原子がある場合には、これらの窒素原子は、酸化剤(例えば、mCPBAおよび/または過酸化水素)を用いて処理することでN-オキシドに変換され、本開示の他の化合物を得ることができる。かくして、示され、かつクレームされる窒素原子は、その示されている窒素、およびそのN-オキシド(N->O)誘導体の両方に及ぶものと考えられる。
化合物のいずれかの構成要素または式中に、任意の可変基が複数回出現する場合、各出現でのその定義は、他のすべての出現でのその定義からは独立している。かくして、例えば、基が0~3個の置換基で置換されると示されている場合、その時には該基は置換されていなくても、3個までの置換基で置換されてもよく、各置換基は他の置換基から独立して選択される。
置換基および/または可変基の組み合わせは、かかる組み合わせが安定した化合物をもたらす場合にのみ、許容される。
当業者であれば理解できるように、例えば、分子中のケトン(-C(H)C(O))基はそのエノール形態(-C=C(OH))に互変異性化されてもよい。本開示は構造がその一方だけを示している場合であっても、可能性のあるすべての互変異性体に及ぶものとする。
「医薬的に許容される」なる文言は、その文言が修飾する物質または組成物が、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴うことなく、ヒトまたは下等動物の組織と接触して使用するのに適するものでなければならず、合理的な利益/不利益の割合に見合ったものでなければならないことを意味する。物質が粗製物または製剤の一部である場合には、該物質はまた、組成物または製剤中の他の成分と化学的および/または毒物学的に適合していなければならない。
特記されない限り、「本開示の化合物」なる語は、本明細書にて描かれるいずれの構造式の化合物(例えば、式Iの化合物、式I(A)、I(B)、II(A)、II(B)、III、III(A)、III(B)、IV、またはIV(A)の化合物などの式Iの下位式の化合物)、ならびにその立体異性体(ジアステレオ異性体、エナンチオマー、およびラセミ体を含む)、幾何異性体、コンフォメーション異性体(回転異性体およびアトロプ異性体を含む)、互変異性体、同位体標識化合物(重水素置換を含む)、および固有形成部分(例えば、多形体および/または水和物などの溶媒和物)をいう。塩の形成能のある部分が存在する場合、その時には塩も、特に医薬的に許容される塩も同様に含まれる。本明細書にて使用され、当業者に理解されるように、「化合物」の記載は、明示的にさらに限定されない限り、その化合物の塩を包含するものとする。特定の実施態様において、「化合物」なる語は、化合物またはその医薬的に許容される塩をいい;この用語は、たとえ明示的に記載されていなくても、化合物の医薬的に許容される塩をいう。
本開示の化合物は、不斉中心、キラル軸、およびキラル面を有し(例えば、E. L. ElielおよびS. H. Wilen、Stereo-chemistry of Carbon Compounds, John Wiley & Sons, New York, 1994, pages 1119-1190に記載されている)、ラセミ混合物、個々の異性体(例えば、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体、コンフォメーション異性体(回転異性体およびアトロプ異性体を含む)、互変異性体)および中間体の混合物として生じてもよく、可能性のあるすべての異性体およびその混合物は本開示に含まれる。
本明細書にて用いる場合、「治療」、「治療する」および「治療している」なる語は、本明細書にて記載されるように、疾患または障害を逆転すること、緩和すること、その発症を遅らせること、その進行を阻害すること、または疾患または障害の1または複数の徴候を管理することをいう。いくつかの実施態様において、1または複数の徴候を発症した後に治療を行ってもよい。他の実施態様において、徴候がない状態で治療を行ってもよい。例えば、徴候を発現する前に(例えば、徴候の病歴に照らして、および/または遺伝的または他の感受的因子に照らして)、治療を感受性のある個体に施してもよい。治療はまた、徴候が消失した後も、例えば、その再発を防止または遅延させるために続けてもよい。
本明細書にて用いる場合、「異性体」なる語は、同じ分子式を有するが、原子の配列および配置が異なる、別個の化合物をいう。「エナンチオマー」とは、相互に重畳不可能な鏡像体である、一対の立体異性体のことである。一対のエナンチオマーの1:1の混合物が「ラセミ」混合物である。「ラセミ体」または「ラセミ」は、適切な場合には、ラセミ混合物を指定するために使用される。本開示の化合物を立体化学で指定する場合、2個のキラル中心の相対的および絶対的配置が既知である単一の立体異性体は、従来のRS系を用いて指定され(例えば、(1S,2S));相対的配置は既知であるが、絶対的配置が未知である単一の立体異性体は、星印で指定され(例えば、(R)、(S)、(1R,2R));ラセミ体は2文字で指定される(例えば、(1RS,2RS)は(1R,2R)および(1S,2S)のラセミ混合物として;(1RS,2SR)は(1R,2S)および(1S,2R)のラセミ混合物として指定される)。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有し、相互に鏡像でない、立体異性体である。絶対立体化学は、Cahn-Ingold-Prelog R-S系に従って特定され得る。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素での立体化学はRまたはSのいずれかで特定され得る。分割化合物は、それらがナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)に応じて、(+)または(-)と指定され得る。あるいはまた、分割化合物は、キラルHPLCを介する対応するエナンチオマー/ジアステレオマーの個々の保持時間によっても定義され得る。あるいはまた、本明細書にて使用されるラセミ体、アンビスカルミック(ambiscalemic)およびスカルミック(scalemic)またはエナンチオマーとして純粋な化合物の図式的表示は、Maehr J. Chem. Ed. 62, 114-120(1985)から由来の記号の修飾されたバージョンであり:単純な線は立体化学に関する情報を提供せず、連結性だけを伝えるものであり;実線および破線の楔はキラル元素の絶対配置を示すのに使用され;実線および破線の太線は絶対配置を確定できない相対的立体化学を示した。例えば、図式的表示:
は、
で示される一対のエナンチオマーの一方のエナンチオマーを示し、ここでその対の絶対配置は確立されておらず、

のエナンチオマーが任意の割合で存在し、一方で、表示:
は、描かれた絶対配置を有する単一のエナンチオマー、例えば、上記の(S)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミドを示す。特記されない限り、本明細書にて開示される化合物のキラル中心の各出現は、可能となるすべての立体異性体を包含する。
組成物の「エナンチオマー過剰率」または「エナンチオマー過剰%」は、下記の式を用いて計算し得る。下記に示される例では、組成物は一方のエナンチオマー、例えば、Sエナンチオマーを90%で含有し、他方のエナンチオマー、例えば、Rエナンチオマーを10%で含有する。この例では、%ee=(90-10)/100=80%である。
かくして、一方のエナンチオマーを90%、他方のエナンチオマーを10%で含有する組成物は、エナンチオマー過剰率が80%である。本明細書にて記載されるいくつかの組成物は、エナンチオマー過剰率が少なくとも約50%、75%、90%、95%、または99%のSエナンチオマーを含有する。言い換えれば、組成物は、エナンチオマー過剰率がSエナンチオマーでRエナンチオマーよりも大きく含有する。他の実施態様において、本明細書にて記載されるいくつかの組成物は、エナンチオマー過剰率が少なくとも約50%、75%、90%、95%、または99%のRエナンチオマーを含有する。言い換えれば、組成物は、エナンチオマー過剰率がRエナンチオマーでSエナンチオマーよりも大きく含有する。
例えば、異性体/エナンチオマーは、いくつかの実施態様において、対応するエナンチオマーを実質的に含まない状態で提供され得、そのことは、本明細書にて互換的に使用される、「光学的に富む」、「エナンチオマー的に富む」、「エナンチオマー的に純粋な」および「非ラセミ体」とも称される。これらの用語は、1のエナンチオマーの重量%が、ラセミ組成物の対照となる混合物中にてその1のエナンチオマーの量よりも多い(例えば、重量で1:1よりも多い)、組成物をいう。例えば、Sエナンチオマーをエナンチオマー的に富む調製物は、R調製物と比べてSエナンチオマーを約50重量%よりも大きく、例えば、少なくとも約75重量%、さらには例えば少なくとも約80重量%で有する化合物の調製物を意味する。いくつかの実施態様において、その富む割合は約80重量%よりもずっと大きくすることができ、「実質的にエナンチオマー的に富む」「実質的にエナンチオマー的に純粋な」または「実質的に非ラセミ体」の調製物を提供し、それは他のエナンチオマーと比べて1のエナンチオマーを少なくとも約85重量%、例えば少なくとも約90重量%で、さらには例えば少なくとも約95重量%で有する組成の調製物をいう。特定の実施態様において、本明細書にて提供される化合物は、少なくとも約90重量%の1のエナンチオマーで構成される。他の実施態様において、該化合物は、少なくとも約95重量%、98重量%、または99重量%の1のエナンチオマーで構成される。
いくつかの実施態様において、化合物は(S)-と(R)-異性体のラセミ混合物である。他の実施態様において、本明細書にて提供されるのは、化合物の混合物であり、その混合物中の個々の化合物は(S)-または(R)-異性体配置で優勢的に存在する。例えば、化合物の混合物は、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%より大きな、またはそれ以上の(S)-エナンチオマー過剰率を有する。他の実施態様において、化合物の混合物は、約55%より大きく約99.5%までの、約60%より大きく約99.5%までの、約65%より大きく約99.5%までの、約70%より大きく約99.5%までの、約75%より大きく約99.5%までの、約80%より大きく約99.5%までの、約85%より大きく約99.5%までの、約90%より大きく約99.5%までの、約95%より大きく約99.5%までの、約96%より大きく約99.5%までの、約97%より大きく約99.5%までの、約98%より大きく約99.5%までの、約99%より大きく約99.5%までの、またはそれ以上の(S)-エナンチオマー過剰率を有する。
他の実施態様において、化合物の混合物は、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%より大きな、またはそれ以上の(R)-エナンチオマー純度を有する。いくつかの他の実施態様において、化合物の混合物は、約55%より大きく約99.5%までの、約60%より大きく約99.5%までの、約65%より大きく約99.5%までの、約70%より大きく約99.5%までの、約75%より大きく約99.5%までの、約80%より大きく約99.5%までの、約85%より大きく約99.5%までの、約90%より大きく約99.5%までの、約95%より大きく約99.5%までの、約96%より大きく約99.5%までの、約97%より大きく約99.5%までの、約98%より大きく約99.5%までの、約99%より大きく約99.5%までの、またはそれ以上の(R)-エナンチオマー過剰率を有する。
他の実施態様において、化合物の混合物は、それらの立体化学的配向、すなわち、(S)-または(R)-異性体を除いて、同一の化学的実体を含有する。例えば、本明細書にて開示される化合物が不斉中心に可変置換基、例えば、--CH(R)--(ここで、Rは水素以外の基である)を有する場合、その時には--CH(R)--はキラルであり、(S)-または(R)-立体化学的配向のいずれかを有してもよく、その両方が構造表示にて表される。いくつかの実施態様において、構造表示は、等量の同一の化学的実体の混合物、すなわち、(S)-および(R)-異性体のラセミ混合物である。もう一つ別の実施態様において、構造によって表されるエナンチオマーの混合物は、1の異性体を優勢に、例えば、(S)-異性体を優勢的に、または(R)-異性体を優勢的に含有する。例えば、同一の化学的実体の混合物中に(S)-異性体が、(R)-異性体に対して、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、またはそれ以上で存在する。いくつかの実施態様において、同一の化学的実体の混合物中に(S)-異性体が、約55%より大きく約99.5%までの、約60%より大きく約99.5%までの、約65%より大きく約99.5%までの、約70%より大きく約99.5%までの、約75%より大きく約99.5%までの、約80%より大きく約99.5%までの、約85%より大きく約99.5%までの、約90%より大きく約99.5%までの、約95%より大きく約99.5%までの、約96%より大きく約99.5%までの、約97%より大きく約99.5%までの、約98%より大きく約99.5%までの、約99%より大きく約99.5%までの、またはそれ以上の(S)-エナンチオマー過剰率で存在する。
もう一つ別の実施態様において、同一の化学的実体(それらの立体化学的配向を除く)の混合物中に(R)-異性体が、(S)-異性体に対して、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、またはそれ以上で存在する。いくつかの実施態様において、同一の化学的実体(それらの立体化学的配向を除く)の混合物中に(R)-異性体が、約55%より大きく約99.5%までの、約60%より大きく約99.5%までの、約65%より大きく約99.5%までの、約70%より大きく約99.5%までの、約75%より大きく約99.5%までの、約80%より大きく約99.5%までの、約85%より大きく約99.5%までの、約90%より大きく約99.5%までの、約95%より大きく約99.5%までの、約96%より大きく約99.5%までの、約97%より大きく約99.5%までの、約98%より大きく約99.5%までの、約99%より大きく約99.5%までの、またはそれ以上の(R)-エナンチオマー過剰率で存在する。
幾何異性体は、化合物が二重結合または分子にある程度の構造的剛性を付与するいくつかの他の特徴を含有する場合に、生じる可能性がある。化合物が二重結合を含有する場合には、二重結合はE-またはZ-配置であってもよい。化合物が二置換シクロアルキルを含有する場合、該シクロアルキル置換基はシス-またはトランス-配置を有してもよい。
配座異性体(またはコンフォーマー)は1または複数の結合の回りの回転によって異なり得る異性体である。回転異性体は単結合だけの回りの回転が異なるコンフォーマーである。
本明細書にて使用されるような「アトロプ異性体」なる語は、分子内の制限された回転よりもたらされる軸性または平面性キラリティに基づく構造異性体をいう。
光学活性(R)-および(S)-異性体は、キラル合成物またはキラル試剤を用いて製造されてもよく、または従来の技法を用いて分割されてもよい(例えば、適切な溶媒または溶媒の混合物を用い、ダイセル・コーポレーション(DAICEL Corp.)から入手可能なキラルパック(CHIRALPAK)(登録商標)およびキラルセル(CHIRALCEL)(登録商標)カラムなどのキラルSFCまたはHPLCクロマトグラフィーカラム上で、または他の等価なカラム上で分離し、適切な分離を達成してもよい)。
本開示の化合物は、光学活性形態またはラセミ形態にて単離され得る。光学活性形態はラセミ形態を分割することで、または光学活性な出発材料から合成することで製造され得る。本開示の化合物を製造するのに使用されるすべての工程、およびその中で製造される中間体は本開示の一部であると考えられる。エナンチオマーまたはジアステレオマーの生成物が製造される場合、それらは従来の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって分離され得る。
プロセス条件に応じて、本開示の最終生成物は、遊離(中性)形態または塩形態のいずれかで得られる。これらの最終生成物の遊離形態および塩は共に本開示の範囲内にある。所望によって、化合物の1の形態はもう一つ別の形態に変換され得る。遊離塩基または酸は塩に変換でき;塩は遊離化合物またはもう一つ別の塩に変換でき;本開示の異性体の化合物の混合物は、個々の異性体に分離され得る。
医薬的に許容される塩が好ましい。しかしながら、他の塩も、例えば、製造の間に利用され得る単離または精製工程にて有用であるかもしれず、かくして、本開示の範囲内にあると考えられる。
本明細書にて用いる場合、「医薬的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、ヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、合理的な利益/危険性の割合に見合う、適切な無機および有機酸および塩基から誘導される塩をいう。
医薬的に許容される酸付加塩は無機酸および有機酸で形成され得る。塩を誘導し得る無機酸には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が含まれる。塩を誘導し得る有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸等が含まれる。医薬的に許容される酸付加塩には、限定されないが、アセテート、アスコルベート、アジペート、アスパルテート、ベンゾエート、ベシレート、ブロミド/ヒドロブロミド、ビカルボネート/カルボネート、ビサルフェート/サルフェート、カンファースルホネート、カプレート、クロリド/ヒドロクロリド、クロルテオフィロネート、シトレート、エタンジスルホネート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルクロネート、グルタメート、グルタレート、グリコレート、ヒップレート、ヒドロヨーダイド/ヨーダイド、イセチオネート、ラクテート、ラクトビオネート、ラウリルサルフェート、マレート、マレエート、マロネート/ヒドロキシマロネート、マンデレート、メシレート、メチルサルフェート、ムケート、ナフトエート、ナプシレート、ニコチネート、ニトレート、オクタデカノエート、オレエート、オキサレート、パルミテート、パモエート、フェニルアセテート、ホスフェート/ハイドロジェンホスフェート/ジハイドロジェンホスフェート、ポリガラクツロネート、プロピオネート、サリチレート、ステアレート、スクシネート、スルファメート、スルホサリチレート、タートレート、トシレート、トリフルオロアセテートおよびキシナホエート塩が含まれる。
医薬的に許容される塩基付加塩は無機および有機塩基を用いて形成され得る。塩を誘導し得る無機塩基には、例えば、アンモニウム塩および周期表のI~XII列からの金属が含まれる。特定の実施態様において、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛または銅から誘導され;特に適切な塩として、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が挙げられる。塩が誘導され得る有機塩基には、例えば、第1、第2および第3アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂等が含まれる。有機アミンの例として、限定されないが、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンが挙げられる。
本開示の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成され得る。一般に、かかる塩は、遊離酸または塩基の形態のこれらの化合物を、水中、または有機溶媒中、あるいはその両者の混合液中にて化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることで製造され得;一般には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストが、Allen, L.V., Jr.編、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 22nd Edition, Pharmaceutical Press、London, UK(2012)に記載されており、その関連する開示のすべてを出典明示により本明細書に組み込むものとする。
水素結合のドナーおよび/またはアクセプターとして作用し得る基を含有する本開示の化合物は、適切な共結晶形成剤との共結晶の形成能を有する。これらの共結晶は既知の共結晶形成操作によって本開示の化合物より製造され得る。かかる操作には、本開示の化合物を共結晶形成剤と共に結晶化条件下で粉砕し、加熱し、共昇華させ、共融解させ、または溶液中で接触させ、それによって形成された共結晶を単離することが含まれる。適切な共結晶形成剤には、WO 2004/078163に記載の形成剤が含まれる。かくして、本開示はさらには、本開示の化合物および共結晶形成剤を含む、共結晶を提供する。
本明細書にて示されるいずれの化学式も、化合物の非標識の形態、ならびに同位体標識された形態を表すものとする。本明細書にて示される化合物の同位体標識された形態は、その非標識のカウンターパートの構造を有するが、その構造中の1または複数の特定の原子の位置に、測定可能な量の天然に存在しない同位体を含有するか、または天然の同位体が天然の存在量を超えてその同位体を多量に含有するように、特定の同位体に富む、出発材料または試剤を用いて製造される。本開示の化合物に組み込まれ得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体、例えば、個々に、H、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、123I、124I、および125Iが含まれる。本開示には、本明細書にて定義される様々な同位体標識された化合物、例えば、その中にHおよび14Cなどの放射性同位体が存在するもの、またはHおよび13Cなどの非放射性同位体が存在するものが含まれる。かかる同位体標識された化合物は、代謝性研究(14Cを用いる)、反応速度論研究(例えば、HまたはHを用いる)、薬物または基質の組織分布アッセイを含む、陽電子放射断層撮影法(PET)または単一光子放射コンピュータ断層撮影法(SPECT)などの検出または画像化技法にて、または患者の放射線治療にて有用である。特に18Fまたは標識化合物は、PETまたはSPECT研究にて特に望ましい。
さらには、より重い同位体、特に重水素(すなわち、HまたはD)と置き換えることは、より高い代謝安定性、例えば、インビボでの半減期の増加、または必要とされる投与量の減少、または治療インデックスの改善からもたらされる特定の治療上の利点を付与するかもしれない。この文脈での重水素は本開示の化合物の置換基とみなされることが理解される。かかる重い同位体、とりわけ重水素の濃度は、同位体に富む因子によって定義されてもよい。本明細書にて使用されるような「同位体に富む因子」なる語は、同位体の存在量と特定の同位体の天然での存在量の間での割合を意味する。本開示の化合物での置換基が重水素で示される場合、かかる化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素での重水素の取り込みが52.5%)、少なくとも4000(重水素の取り込みが60%)、少なくとも4500(重水素の取り込みが67.5%)、少なくとも5000(重水素の取り込みが75%)、少なくとも5500(重水素の取り込みが82.5%)、少なくとも6000(重水素の取り込みが90%)、少なくとも6333.3(重水素の取り込みが95%)、少なくとも6466.7(重水素の取り込みが97%)、少なくとも6600(重水素の取り込みが99%)、または少なくとも6633.3(重水素の取り込みが99.5%)の同位体に富む因子を有する。
本開示の同位体標識された化合物は、一般に、当業者に既知の従来技術によって、または下記のスキームにて、または実施例および製造にて開示されるプロセス(または本明細書にて下記に示されるプロセスと類似するプロセス)によって、適切なまたは容易に入手可能な同位体標識された試剤を、そうでなければ利用される同位体標識されていない試剤の代わり用いることによって製造され得る。かかる化合物は、例えば、潜在的な医薬としての化合物の標的となるたんぱく質または受容体との結合能を測定するのに、またはインビボまたはインビトロにて生物受容体に結合した本開示の化合物を画像化するのに、標体または試剤として、種々の使用の可能性がある。
本明細書と通して1または複数の範囲に言及される場合、各範囲は、その範囲を説明する端点を含め、その範囲内にある各個々の点を、その同じ点が明細書中に十分に記載されているかのように、包含すると理解される。
1の態様において、本開示は、式I:
[式中:
は、C(R4A)(R4B)またはN(R4C)であり;
4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルであるか;または
4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルであり;
1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;
またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基であり;および
がN(R4C)であり、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合、その時には(i)R1Aはメチルでなく;(ii)R1Bはメチルでなく;および(iii)R3Cはメトキシまたはエトキシではない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩を提供する。
もう一つ別の態様において、本明細書にて、式I:
[式中:
は、C(R4A)(R4B)またはN(R4C)であり;
4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルであるか;または
4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルであり;
1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;
またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1は水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基である]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩であって、
N-(6-エトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-スルファミド;
N-[(4S)-3,4-ジヒドロ-6-メトキシ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-スルファミド;
N-[(2R,4R)-3,4-ジヒドロ-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-スルファミド;または
N-[(2S,4S)-3,4-ジヒドロ-2-メチル-2H-1-ベンゾピラン-4-イル]-スルファミド以外の化合物が提供される。
もう一つ別の態様において、本明細書にて、式I(A):
[式中:
4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;
またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時にはR4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基である]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
もう一つ別の態様において、本明細書にて、式I(B):
[式中:
4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルであり;
1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;
またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時にはR4Cは水素以外の基であり;および
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合、その時には(i)R1Aはメチルでなく;(ii)R1Bはメチルでなく;および(iii)R3Cはメトキシまたはエトキシでない]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3Dのうちの1つは水素以外の基である。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3Dのうちの1つ、1つだけが水素以外の基である。
いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つは水素以外の基である。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つ、1つだけが水素以外の基である。
いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、R4A、およびR4Bのうちの1つは水素以外の基である。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、R4A、およびR4Bのうちの1つ、1つだけが水素以外の基である。
いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、R4A、R4B、およびR4Cのうちの1つは水素以外の基である。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、R4A、R4B、およびR4Cのうちの1つ、1つだけが水素以外の基である。
いくつかの実施態様において、XはC(R4A)(R4B)である。いくつかの実施態様において、XはN(R4C)である。いくつかの実施態様において、XはCHまたはNHである。いくつかの実施態様において、XはCHである。いくつかの実施態様において、XはNHである。
いくつかの実施態様において、R4A、R4B、およびR4Cは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。
いくつかの実施態様において、R4A、R4B、およびR4Cは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4A、R4B、およびR4Cは、各々独立して、H、メチル、またはエチルである。
いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々独立して、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。
いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R4AはHであって、R4BはH、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R4AはHであって、R4Bはメチルまたはエチルである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々、Hである。いくつかの実施態様において、R4AはHであって、R4Bは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々、(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、各々、メチルである。
いくつかの実施態様において、R4Aは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4AはHまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4Aは、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4Aは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4Aは、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R4AはHである。いくつかの実施態様において、R4Aはメチルまたはエチルである。いくつかの実施態様において、R4Aはメチルである。いくつかの実施態様において、R4Aはエチルである。
いくつかの実施態様において、R4Bは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4Bは、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4Bは、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4Bは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4Bは、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R4BはHである。いくつかの実施態様において、R4Bはメチルまたはエチルである。いくつかの実施態様において、R4Bはメチルである。いくつかの実施態様において、R4Bはエチルである。
いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成する。いくつかの実施態様において、R4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する。
いくつかの実施態様において、R4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R4CはHまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R4CはHまたはメチルである。いくつかの実施態様において、R4CはHである。いくつかの実施態様において、R4CはHである。
いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)ハロアルキルである。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルである。
いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)ハロアルキルである。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R1AはHであって、R1BはH、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R1AはHであって、R1Bは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R1AはHであって、R1Bはメチルまたはエチルである。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々、メチルである。
いくつかの実施態様において、R1Aは、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R1AはHである。いくつかの実施態様において、R1Aはメチルまたはエチルである。
いくつかの実施態様において、R1Bは、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R1BはHである。いくつかの実施態様において、R1Bはメチルまたはエチルである。
いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成する。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-シクロプロピル基またはスピロ-シクロブチル基を形成する。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-シクロプロピル基を形成する。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-ブチル基を形成する。
いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルである。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)ハロアルキルである。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R2AはHであって、R2BはH、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R2AはHであって、R2Bは(C-C)アルキルである。いくつかの実施態様において、R2AはHであって、R2Bはメチルまたはエチルである。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々、メチルである。
いくつかの実施態様において、R2AはH、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R2AはHである。いくつかの実施態様において、R2Aはメチルまたはエチルである。
いくつかの実施態様において、R2BはH、メチル、またはエチルである。いくつかの実施態様において、R2BはHである。いくつかの実施態様において、R2Bはメチルまたはエチルである。
いくつかの実施態様において、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。
いくつかの実施態様において、R3AはHまたはハロゲンである。いくつかの実施態様において、R3AはHまたはFである。いくつかの実施態様において、R3AはHである。いくつかの実施態様において、R3AはFである。いくつかの実施態様において、R3Aはハロゲンである。
いくつかの実施態様において、R3Bは、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3Bは、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3Bは、H、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3Bは、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3BはFである。
いくつかの実施態様において、R3CはHまたはハロゲンである。いくつかの実施態様において、R3CはHまたはFである。いくつかの実施態様において、R3CはHである。いくつかの実施態様において、R3CはFである。いくつかの実施態様において、R3Cはハロゲンである。
いくつかの実施態様において、R3DはHまたはハロゲンである。いくつかの実施態様において、R3DはHまたはFである。いくつかの実施態様において、R3DはHである。いくつかの実施態様において、R3DはFである。いくつかの実施態様において、R3Dはハロゲンである。
いくつかの実施態様において、R3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであって、R3Bは、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであって、R3Bは、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである。
いくつかの実施態様において、R3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであって、R3Bは、H、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。いくつかの実施態様において、R3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであって、R3BはF、Cl、メチル、CF、または-CNである。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩であって、ここで:
がC(R4A)(R4B)またはN(R4C)であり;
4A、R4B、およびR4Cが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;
またはR4AおよびR4Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
1A、R1B、R2A、およびR2Bが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;
またはR1AおよびR1Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである;
ただし:
1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基であり;および
がN(R4C)であり、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合には、その時には(i)R1Aはメチルでなく;および(ii)R1Bはメチルでない
化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、XはC(R4A)(R4B)であり、R4AおよびR4Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;またはR4AおよびR4Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;またはR4AはHであり、R4BはH、メチル、またはエチルであるか;またはR4AはHであり、R4Bはメチルまたはエチルであるか;またはR4AおよびR4Bは、各々、Hであるか;またはR4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成するか;またはR4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピルを形成する。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;またはR1AはHであり、R1BはH、メチル、またはエチルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々、メチルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々、Hであるか;またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成するか;またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-シクロプロピルまたはスピロ-シクロブチルを形成する。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;またはR2AはHであり、R2BはH、メチル、またはエチルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々、メチルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々、Hである。いくつかの実施態様において、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;またはR3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、F、Cl、メチル、CF、または-CNであるか;またはR3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであり、R3BはH、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;またはR3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであり、R3BはH、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時にはR4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基である。置換基のこのリストは、かかる置換基が式中に存在する場合には、式I(A)、I(B)、II(A)、II(B)、III、III(A)、III(B)、IV、およびIV(A)を含め、本明細書に開示の他の式にも適用される。
いくつかの実施態様において、XはN(R4C)であって、R4CはHまたは(C-C)アルキルであるか;またはR4CはHであるか;またはR4Cはメチルである。いくつかの実施態様において、R1AおよびR1Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;またはR1AはHであり、R1BはH、メチル、またはエチルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々、メチルであるか;またはR1AおよびR1Bは、各々、Hであるか;またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルであるか;またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-シクロプロピルまたはスピロ-シクロブチルを形成する。いくつかの実施態様において、R2AおよびR2Bは、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;またはR2AはHであり、R2BはH、メチル、またはエチルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々、メチルであるか;またはR2AおよびR2Bは、各々、Hである。いくつかの実施態様において、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;またはR3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、F、Cl、メチル、CF、または-CNであるか;またはR3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであり、R3BはH、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;またはR3A、R3C、およびR3Dは、各々、Hであり、R3BはH、F、Cl、メチル、CF、または-CNである。R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時にはR4Cは水素以外の基であり;R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合には、その時には(i)R1Aはメチルでなく;(ii)R1Bはメチルでない。置換基のこのリストは、かかる置換基が式中に存在する場合には、式I(A)、I(B)、II(A)、II(B)、III、III(A)、III(B)、IV、およびIV(A)を含め、本明細書に開示の他の式にも適用される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式II(A):
[式中:X、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式II(B):
[式中:X、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式III:
[式中:X、R1A、R1B、R2A、R2B、およびR3Bは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式III(A):
[式中:R1A、R1B、R2A、R2B、R3B、R4A、およびR4Bは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式III(B):
[式中:R1A、R1B、R2A、R2B、R3B、およびR4Cは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式IV:
[式中:X、R1A、R1B、R2A、およびR2Bは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
いくつかの実施態様において、本明細書にて、式IV(A):
[式中: R1A、R1B、R2A、R2B、R4A、およびR4Bは本明細書にて定義されるとおりである]
で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩が提供される。
1の実施態様において、式Iに係る化合物であって、以下の表1から選択される化合物が提供される:
表1. 化合物
または上記したいずれかの化合物の医薬的に許容される塩。
もう一つ別の実施態様において、表1に列挙される化合物またはその医薬的に許容される塩の立体異性体が提供される。いくつかの実施態様において、表1にて列挙される化合物の立体異性体は、該化合物またはその医薬的に許容される塩のエナンチオマーであってもよい。いくつかの実施態様において、表1にて列挙される化合物の立体異性体は、該化合物またはその医薬的に許容される塩のジアステレオマーであってもよい。いくつかの実施態様において、該化合物のエナンチオマー(すなわち、該化合物の2種の立体異性体)の混合物を含む、表1の化合物が提供される。いくつかの実施態様において、該化合物のエナンチオマーおよびジアステレオマー(すなわち、該化合物の2、3または4種の立体異性体)の混合物を含む、表1の化合物が提供される。あるいはまた、いくつかの実施態様において、該化合物の1の立体異性体を含む、表1の化合物が提供される。例えば、式Iに係る化合物であって、表1Aにて提供されるような、表1にて列挙される化合物の立体異性体である化合物が提供される:
表1A. 化合物
または上記したいずれかの化合物の医薬的に許容される塩。
方法
米国精神医学会が2013年に公開し、修正または補遺がなされた、The Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Ed.(「DSM-5」)は、当業者が種々の疾患および障害を診断する際に依拠する標準的な診断システムを提供するものであり、その内容を出典明示により本明細書に組み込むものとする。DSM-5では、混合型特定症(mixed specifier)を含めることで、亜症候性混合徴候の患者の大部分を捉えようとしている。加えて、国際疾病統計分類(the International Statistical Classification of Diseases)(ICD10)コード化システムは、(例えば、合衆国にて課金するために)特定の診断について連絡するための認識システムであり、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、ICD10の第6章は、神経系の疾患をコードすることと関連付けられる。
本開示の方法は、本明細書に開示される化合物および組成物を用い、神経学的または精神病理学的疾患または障害を治療することに関する。いくつかの実施態様において、神経学的または精神病理学的疾患または障害は、修正または補遺がなされたDSM-5、または国際疾病統計分類(ICD10)コード化システムにて説明されている。
神経学的または精神病理学的疾患または障害のクラスの非限定的な例として、運動障害、認知障害、疼痛、神経発達障害;統合失調症スペクトラムおよび他の精神病性障害;双極性障害および関連障害;抑うつ障害;不安障害;脅迫症および関連障害;トラウマ-およびストレッサー関連障害;解離性障害;身体症状および関連障害;摂食障害;排泄障害;睡眠-覚醒障害;性機能不全;性別違和;破壊、衝動制御、および行為障害;物質関連および中毒障害;神経認知障害;人格障害;パラフィリア障害;他の神経障害;および薬物誘発性運動障害および薬物の他の副作用が挙げられる。
神経学的または精神病理学的疾患または障害のクラスの非限定的な例には、次の疾患または障害が含まれる:
運動障害
振戦;ジスキネジア;ジストニア;チック;発声障害;運動失調(例えば、脊髄小脳失調失調);ミオクローヌス;本態性振戦;てんかん;遅発性ジスキネジア;レストレスレッグス症候群;トゥレット症候群;多系統萎縮症(MSA);多発性硬化症;ハンチントン病;パーキンソン病;パーキンソニズム;パーキンソン病振戦、非定型パーキンソニズム(例えば、レビー小体型認知症、進行性核上性麻痺、MSAおよび皮質基底症候群を含む);ウィリアム病;脳卒中からの損傷もしくは副作用
無動症および無動硬直症候群の例として、パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソニズム、後脳症性パーキンソニズム、二次性パーキンソニズム、パーキンソンプラス症候群、非定型パーキンソニズム、特発性パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、皮質基底変性症、パーキンソニズム-ALS認知症複合症および大脳基底核石灰化、薬物誘発性パーキンソニズム(神経遮断薬誘発性パーキンソニズム、神経遮断薬悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジアおよび薬物誘発性姿勢振戦など)、ジル・ドラ・トゥレット症候群、てんかん、筋痙攣、および振戦を含む、筋痙攣または筋力低下に付随する障害が挙げられる。ジスキネジアの例として、薬物(例えば、L-DOPA)誘発性ジスキネジア振戦(安静時振戦、姿勢時振戦、意図振戦など)、舞踏病(シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経拮抗細胞症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病および片側バリズムなど)、ミオクローヌス(全身性ミオクローヌスおよび局所性ミオクローヌスなど)、チック(単純チック、複雑チックおよび症候性チックを含む)が挙げられる。ジストニアの例として、全身性ジストニア、特発性ジストニア、薬物誘発性ジストニア、症候性ジストニア、発作性ジストニア、局所性ジストニア、眼瞼痙攣、顎関節ジストニア、痙攣性発声障害、痙攣性斜頸、軸性ジストニア、ジストニア性書痙、および片麻痺ジストニアが挙げられる。運動疾患または障害の他の例として、定型性運動障害、持続性(慢性)運動障害、薬物誘発性運動障害、心因性運動障害、物質/薬物誘発性運動障害、錐体外路性運動障害、運動過多性運動障害、運動低下性運動障害、交互片麻痺、アンジェルマン症候群、ハレルヴォルデン・シュパッツ病、運動失調症、歯状小脳運動失調、毛細血管拡張性運動失調症(ルイス・バー症候群)、フリードライヒ運動失調症、遺伝性脊髄運動失調症、遺伝性脊髄硬化症、マハド・ヨーゼフ病、脊髄小脳失調失調、進行性ミオクロニー運動失調症、アテトーゼ、バリスムス、眼瞼痙攣(眼球痙攣)、脳性麻痺、遅発性ジストニア、遅発性ジスキネジア、特発性捻転性ジストニア、捻転性ジストニア、局所性ジストニア、特発性家族性ジストニア、特発性非家族性ジストニア、頸部ジストニア(痙攣性斜頸)、原発性ジストニア、口腔ジストニア、発達性協調障害、球脊髄性筋萎縮症(ケネディ病)、シャイ・ドレガー症候群、およびスティッフ・パーソン(スティッフ・マン)症候群が挙げられる。いくつかの実施態様において、本開示は、てんかんおよび/または発作の1または複数の徴候を治療する方法であって、ここでてんかんおよび/または発作が、腹てんかん、欠神発作、後天性てんかん、後天性てんかん様失語症、アイカルディ症候群、アルパース病、アルパース・ハッテンロッハー症候群、アンジェルマン症候群、良性焦点性てんかん、小児良性焦点性てんかん、良性頭蓋内圧亢進症、良性ローランドてんかん(BRE)、CDKL5障害、小児欠神てんかん、歯状小脳運動失調症、ドース症候群、ドラベット(Dravet)症候群、認知障害焦点発作、大発作を伴うてんかん、ミオクロニー欠神てんかん、てんかん性片麻痺、熱性発作、焦点発作、前頭葉てんかん、全身性強直間代発作、遺伝性てんかん、Glut1欠損症候群、視床下部過誤腫、特発性てんかん、特発性全般てんかん、特発性局在関連てんかん、特発性部分てんかん、特発性発作、若年性欠神てんかん、若年性ミオクロニーてんかん、ラフォラ病、ラフォラ進行性ミオクローヌスてんかん、ランド・クレフナー症候群、ラッスール・グラハム・リトル症候群、レノックス症候群、レノックス・ガストー症候群、医学的難治性てんかん、中側頭葉硬化症、ミオクロニー発作、新生児てんかん、後頭葉てんかん、オオタハラ症候群、パナイオトプロス症候群、頭頂葉てんかん、PCDH19てんかん、光過敏性てんかん、進行性ミオクロニー、ラスムッセン脳炎、ラスムッセン症候群、難治性てんかん、発作性障害、てんかん重積症、スタージ・ウェーバー症候群、症候性全般てんかん、症候性部分てんかん、TBCK関連ID症候群、側頭葉てんかん、側頭葉発作、強直間代発作、ウェスト症候群、振戦、小脳振戦、小脳流出振戦、意図振戦、本態性振戦、良性本態性振戦、パーキンソン振戦、および薬物誘発性姿勢振戦を包含する、治療方法を提供する。
認知障害
アルツハイマー病;認知障害;認知症(例えば、意味認知症;前頭側頭認知症;抑うつ特徴を伴う認知症;持続性皮質下認知症;レビー小体型認知症;パーキンソニズム-ALS認知症複合症;アルツハイマー病を含むもう一つ別の疾患または障害に付随する認知症;虚血;多発性梗塞性認知症;トラウマ;血管問題;脳卒中からの損傷もしくは副作用;HIV病;パーキンソン病;ハンチントン病;ダウン症候群;ピック病;クロイツフェルト・ヤコブ病;周産期低酸素症、または物質乱用)、せん妄;健忘性障害;または加齢に伴う認知機能低下
認知障害には、認知機能または認知領域、例えば、作業記憶、注意および警戒、言語学習および記憶、視覚学習および記憶、推論および問題解決(例えば、実行機能、処理速度および/または社会的認知)の低下が含まれる。特に、認知障害は、注意の障害、思考の乱れ、思考の遅さ、理解の困難性、集中力の低下、問題解決の障害、記憶力の低下、考えを表現することの困難性、および/または思考、感情、および行動を統合することの困難性、または関係のない考えを消滅させることの困難性を示すことがある。認知障害は、認知(DSM-5で定義されている認知領域は、複合的注意、実行機能、学習と記憶、言語、知覚運動、社会的認知である)の障害として現すことができ;時にドーパミンシグナル伝達の欠如と関連付けられ;時に大脳基底核の機能障害と関連付けられ;時に運動活性調節障害と関連付けられ;時に前頭前皮質機能の障害と関連付けられる。
疼痛
線維筋痛症;神経障害性疼痛(例えば、ヘルペス後(または帯状疱疹後)神経痛、反射性交換神経性ジストロフィー/カウザルギーまたは神経外傷、幻肢疼痛、手根管症候群、および抹消神経障害(糖尿病性神経障害または慢性アルコール使用に起因する神経障害など))、神経障害性疼痛に伴う感作、炎症性疼痛;急性疼痛;侵害受容性疼痛;関節炎疼痛;関節リウマチ;変形性関節症;関節痛;筋骨格通;背中の痛み;背痛;椎間板膨隆;股関節痛;内臓痛;頭痛;緊張性頭痛;急性緊張性頭痛;慢性緊張性頭痛;慢性群発頭痛;一般的な片頭痛;古典的な片頭痛;群発頭痛;混合頭痛;外傷後頭痛;眼精疲労頭痛;短時間持続性片側神経型(SUNCT)頭痛;SUNCT症候群、帯状疱疹(Herpes Zoster);急性帯状疱疹;帯状疱疹(Shingles);帯状疱疹後神経痛(Shingles);カウザルギー;中枢性疼痛;中枢性疼痛症候群;慢性背痛;神経痛;神経障害性疼痛症候群;神経障害;糖尿病性神経障害;糖尿病関連神経障害;糖尿病関連神経痛;繊維炎;化学療法によって引き起こされる末梢神経障害;末梢神経疾患;末梢神経障害;神経痛;神経外傷;神経障害性疼痛に伴う感作;複合性局所疼痛性症候群;圧迫性神経障害;頭蓋顔面痛;慢性関節痛;慢性膝痛;慢性疼痛症候群;がん性疼痛;三叉神経痛;チック・ドロロー;反射性交換神経痛;有痛性末梢神経障害;脊髄神経損傷;くも膜炎;脊髄痛;ベルンハルト・ロート症候群(感覚麻痺);手根管症候群;脳脊髄液症候群;シャルコ・マリー・トゥース病;遺伝性運動および感覚神経障害;腓骨筋萎縮症;クラスター・チック症候群;尾骨痛症候群;コンパートメント症候群;椎間板変性疾患;背部手術失敗症候群;性器-骨盤痛/貫通障害;痛風;炎症性疼痛;腰椎神経根症;神経腫(有痛性瘢痕); 多発性硬化症に付随する疼痛;骨盤底障害;幻肢痛;梨状筋症候群;心因性疼痛;放射線性疼痛症候群;レーダー症候群;関連疼痛;反射性交換神経性ジストロフィー症候群;坐骨神経痛;坐骨神経痛性疼痛:脊柱側弯症;椎間板すべり症;体性疼痛;脊柱管狭窄症;スティッフパーソン症候群/スティッフマン症候群;切り株痛;交換神経性疼痛;トロサ・ハント症候群;むち打ち症;ライム病に伴う痛み
神経発達障害
知的障害(知的発達障害);グローバル発達遅延;特定不能な知的障害(知的発達障害);言語障害;言語音障害;小児期発症流暢性障害(吃音);社会性(語用論的)会話障害;特定不能な会話障害;自閉症スペクトラム障害(例えば、アスペルガー症候群;広範性発達障害;レット症候群;および脆弱性X症候群を含む);注意欠陥/多動性障害;その他に特定された注意欠陥/多動性障害;特定不能な注意欠陥/多動性障害;特異的学習障害;小児期学習障害;発達性協調障害;定型性運動障害;チック障害;他の特定されたチック障害;特定不能なチック障害;他の特定された神経発達障害;特定不能な神経発達障害
統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害
統合失調症型(人格)障害;妄想性障害;短期精神病性障害;共有精神病性障害、統合失調症型障害;統合失調症(妄想型、無秩序型、緊張型、または未分化型);統合失調性感情障害;物質/薬物誘発性精神病性障害;もう一つ別の医学的状態に起因する精神病性障害;もう一つ別の精神障害に付随する緊張病(緊張病特定症);もう一つ別の医学的状態に起因する緊張性障害;特定不能な緊張病;他の特定された統合失調症スペクトラムおよび他の精神病性障害;特定不能な 統合失調症スペクトラムおよび他の精神病性障害
統合失調症は原因が不明の障害であり、通常は、成人期の早期に初めて現れ、精神病性徴候、相前後する進行および発達、および/または社会的行動および職業能力の悪化などの特徴が際立っている。特徴的な精神病性徴候は、思考内容の障害(例えば、複数の、断片的な、支離滅裂な、ありえないまたは単なる妄想的な内容、または迫害の観念)および精神の障害(例えば、付き合いの喪失、想像力の奔逸、理解できないまでの矛盾)、ならびに知覚障害(例えば、幻覚)、感情障害(例えば、表面的なまたは不十分な感情)、自己認識、意図、衝動、および/または人間関係の障害、および精神運動障害(例えば、緊張病)である。他の徴候もこの障害に関連している。統合失調症は下位群:妄想と幻覚とを特徴とし、思考障害、無秩序な行動、および感情のフラット化が認められない妄想型;思考障害およびフラットな感情が一緒に存在する、「ヘベフレニック統合失調症」とも称される、無秩序型;顕著な精神運動障害が明らかであり、徴候として緊張性昏迷およびワックスのような柔軟性が挙げられ得る、緊張病型;および精神病性徴候は見られるが、妄想型、無秩序型、または緊張病型の基準を満たさない、未分化型に分類される。統合失調症の徴候は、通常、それ自体が陽性、陰性および認知徴候の3種の大きなカテゴリーで現れる。陽性徴候とは、幻覚および妄想などの、正常な経験が「過剰である」ことを示す、徴候である。陰性徴候とは、無感覚および社会的交流の欠如などの、正常な経験の欠如に苦しむ、徴候である。認知徴候は、注意力の持続および意思決定障害などの、統合失調症での認知損傷に関連する。
双極性障害および関連障害
双極性I障害;双極性II障害;気分循環性障害;物質/薬物誘発性双極性障害および関連障害;もう一つ別の医学的状態に起因する双極性障害および関連障害;他の特定された双極性障害および関連障害;特定不能な双極性障害および関連障害;双極性障害および関連障害のついての特定症
双極性障害(双極性I型および双極性II型の両方を含む)は、有病率が人口の約2%を占める、重篤な精神病理学的障害であり、男女の性別を問わず発症する。双極性障害は、気分の高揚(すなわち、躁状態)と、抑うつ状態との間を循環することで特徴付けられる再発寛解型の症状であり、大うつ病障害および統合失調症などの他の障害とは区別される。双極性I型は完全な躁病エピソードを発症することで定義されるが、大部分の個体は有意なうつ状態を経験する。躁病の徴候には、気分の高揚または過敏性、多動性、誇大性、睡眠欲求の低下、雑念、場合によっては精神病が含まれる。抑うつエピソードは、無気力、悲しい気分、絶望感、自尊心の欠如、集中力の低下および無気力によって特徴付けられる。双極性II型は、大うつ病エピソードおよび軽躁病(重度でない躁病)エピソードを発症するものと定義されるが、対象はかなりの時間をうつ状態で過ごしている。他の関連状態には、気分循環性障害が含まれる。
抑うつ障害
うつ病、気分変調性障害;大うつ病性障害(MDD)(単極性うつ病);持続性うつ病性障害(ディスチミア);月経前不快気分障害;物質/薬物誘発性うつ病性障害;治療抵抗性うつ病;もう一つ別の医学的状態に起因するうつ病性障害;他の特定されたうつ病性障害;特定不能なうつ病性障害
不安障害
不安症;分離不安障害;選択的無言症;特異的恐怖症;社会不安障害(社交恐怖症);パニック障害;パニック発作特定症;広場恐怖症;全般性不安障害;物質/薬物誘発性不安障害;もう一つ別の医学的状態に起因する不安障害;他の特定された不安障害;特定不能な不安障害
不安障害は、恐怖、心配および不安のよって特徴付けられ、通常、状況に対する過剰反応として一般化され、焦点が定まらない。不安障害は、恐怖、不安、または回避行動を誘発する状況、または対象の型、および関連する認知的観念において異なる。不安は、不安が知覚された将来の脅威に対する情動反応であるのに対して、恐怖は知覚された、または現実の差し迫った脅威と関連付けられるという点で恐怖とは異なる。それらはまた、関連する思考または信念の内容においても異なる。不安障害の例には、分離不安障害、選択的無言症、特異的恐怖症、社会不安障害(社会恐怖症)、パニック障害、パニック発作特定症、広場恐怖症、全般的不安障害、物質/薬物誘発性不安障害、もう一つ別の医学的状態に起因する不安障害、疾病不安障害、社会的(語用論的)会話障害、他の特定された不安障害、および特定不能な不安障害;反応性アタッチメント障害、抑制性社会関与障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、急性ストレス、および適応障害を含む、ストレッサー関連障害が含まれる。
強迫症および関連障害
強迫症;身体醜形障害;溜め込み障害;トリコチロマニア(毛抜き障害);排泄(皮膚摘出)障害;物質/薬物誘発性強迫症および関連障害;もう一つ別の医学的状態に起因する強迫症および関連障害;他の特定された強迫症および関連障害;特定不能な強迫症および関連障害
トラウマおよびストレッサー関連障害
反応性アタッチメント障害;抑制性社会関与障害;心的外傷後ストレス障害;急性ストレス障害;適応障害;他の特定されたトラウマおよびストレッサー関連障害;特定不能なトラウマおよびストレッサー関連障害
解離性障害
解離性同一性障害;解離性健忘症;非人格化/非現実化障害;他の特定された解離性障害;特定不能な解離性障害
身体徴候障害および関連障害
身体徴候障害;病的不安障害;転換性障害(機能性神経徴候障害);他の医学的状態に影響と及ぼす心理的因子;虚偽性障害;他の特定された身体徴候障害および関連障害;特定不能な身体徴候障害および関連障害
摂食障害
異食症;反すう性障害;回避性/制限性食物摂取障害;神経性食欲不振症;神経性過食症;無茶食い障害;他の特定された摂食障害;特定不能な摂食障害
排泄障害
尿崩症;尿失禁;他の特定された排泄障害;特定不能な排泄障害
睡眠覚醒障害
不眠障害;過眠障害;ナルコレプシー;閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症;中枢性睡眠時無呼吸症;睡眠関連低喚起症;概日リズム睡眠覚醒障害;ノンレム睡眠覚醒障害;悪夢障害;レム(REM)睡眠行動障害;むずむず脚症候群;物質/薬物誘発性睡眠障害;他の特定された不眠障害;特定不能な不眠障害;他の特定された過眠障害;特定不能な過眠障害;他の特定された睡眠覚醒障害;特定不能な睡眠覚醒障害
性的機能障害
遅漏;勃起障害;女性オーガズム障害;女性性的興味/覚醒障害;性器骨盤痛/挿入障害;男性性欲減退障害;早発(早期)射精;物質/薬物誘発性性機能障害;他の特定された性機能障害;特定不能な性機能障害
性別違和感
性別違和感;他の特定された性別違和感;特定不能な性別違和感
破壊性障害、衝動制御性障害、および行為性障害
社会性障害;反抗的行為障害;間欠性爆発性障害;行為性障害;反社会性パーソナリティ障害;パイロマニア;クレプトマニア;他の特定された破壊性、衝動制御性、および行為性障害;特定不能な破壊性、衝動制御性、および行為性障害
物質関連障害および中毒障害
中毒;アルコール使用障害;アルコール中毒;アルコール離脱症;特定不能なアルコール関連障害;胎児性アルコール症候群;カフェイン中毒;カフェイン離脱症;特定不能なカフェイン関連障害;大麻使用障害;大麻中毒;大麻離脱症;特定不能な大麻関連障害;フェンサイクリジン使用障害;他の幻覚剤使用障害;フェンサイクリジン中毒;他の幻覚剤中毒;幻覚剤持続性知覚障害;特定不能なフェンサイクリジン関連障害;特定不能な幻覚剤関連障害;吸入剤使用障害;吸入剤中毒;特定不能な吸入剤関連障害;オピオイド使用障害;オピオイド中毒;オピオイド離脱症;特定不能なオピオイド関連障害;鎮静剤、催眠剤、または抗不安剤使用障害;鎮静剤、催眠剤、または抗不安剤中毒;鎮静剤-、催眠剤-、または抗不安剤離脱症;特定不能な 鎮静剤-、催眠剤-、または抗不安剤-関連障害;刺激剤使用障害;刺激剤中毒;刺激剤離脱症;特定不能な刺激剤関連障害;タバコ使用障害;タバコ離脱症;特定不能なタバコ関連障害;他の(または不明)物質使用障害;他の(または不明)物質中毒;他の(または不明)物質離脱症;特定不能な他の(または不明)物質関連障害;ギャンブル障害
神経認知障害
せん妄;他の特定されたせん妄;特定不能なせん妄;重度および軽度の神経認知障害;アルツハイマー病に起因する重度または軽度の神経認知障害;重度または軽度の前頭側頭型神経認知障害;レビー小体での重度または軽度の神経認知障害;重度または軽度の血管性神経認知障害;外傷性脳損傷に起因する重度または軽度の神経認知障害;物質/薬物誘発性の重度または軽度の神経認知障害;HIV感染に起因する重度または軽度の神経認知障害;プリオン病に起因する重度または軽度の神経認知障害;パーキンソン病に起因する重度または軽度の神経認知障害;ハンチントン病に起因する重度または軽度の神経認知障害;もう一つ別の医学的状態に起因する重度または軽度の神経認知障害;複数の病因に起因する重度または軽度の神経認知障害;特定不能な神経認知障害
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害についての次元モデル;一般的パーソナリティ障害;妄想性パーソナリティ障害;統合失調症性パーソナリティ障害;統合失調症型パーソナリティ障害;反社会性パーソナリティ障害;境界性パーソナリティ障害;ヒストリオン性パーソナリティ障害;自己陶酔性パーソナリティ障害;回避性パーソナリティ障害;依存性パーソナリティ障害;強迫性パーソナリティ障害;もう一つ別の医学的状態に起因するパーソナリティ変化;他の特定されたパーソナリティ障害;特定不能なパーソナリティ障害
パラフィリア障害
覗き趣味性障害;露出症性障害;性倒錯症性障害;性的マゾヒズム障害;性的サディズム障害;小児愛性障害;フェティシズム障害;トランスベスティック障害;他の特定されたパラフィリア障害;特定不能なパラフィリア障害
他の精神障害
もう一つ別の医学的状態に起因する他の特定された精神障害;もう一つ別の医学的状態に起因する特定不能な精神障害;他の特定された精神障害;特定不能な精神障害
薬物誘発性運動障害および薬物の他の有害作用
神経遮断薬誘発性パーキンソニズム;他の薬物誘発性パーキンソニズム;神経遮断薬誘発性悪性症候群;薬物誘発性急性ジストニア;薬物誘発性急性アカシジア;遅発性ジスキネジア;遅発性ジストニア;遅発性アカシジア;薬物誘発性姿勢振戦;他の薬物誘発性運動障害;抗うつ薬中断症候群;薬物の他の有害作用
神経学的または精神病理学的疾患および障害の徴候
神経学的または精神病理学的疾患または障害は様々な徴候として現れ得る。神経学的または精神病理学的疾患または障害の徴候の非限定的な例としては、無気力、抑うつ、不安、認知障害、精神的、攻撃的、興奮、衝動制御性障害、睡眠障害、気分の高揚または刺激、多動性、誇大性、睡眠要求の低下、思考の高ぶり、場合によっては、精神病、無感覚症、悲しい気分、絶望感、自尊心の低下、集中力の低下および倦怠感、筋委縮性側索硬化症、原発性側索硬化症、進行性筋萎縮症、進行性球(萎縮性)麻痺、仮性球麻痺脊髄性筋萎縮性疾患(例えば、ヴェルドニッヒ・ホフマン病とも称される、SMAI型、SMAII型、クーゲルベルグ・ヴェランダー病とも称される、SMAIII型、および進行性脊髄性筋萎縮症とも称される、ケネディ病)、ハレルフォルデン・スパッツ病、ザイテルベルガー病(小児神経軸索性ジストロフィー)、副腎白質ジストロフィー、アレキサンダー病、常染色体優性小脳失調症(ADCA)、純粋自律神経失調症(ブラッドベリー・エグレストン症候群)、CADASIL症候群、およびバッテン病(スピルマイヤー・フォクト・シェーグレン)などの神経細胞セロイドリポフスチノース障害、老人性認知症、早期発症アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、認知症、記憶喪失、健忘症/健忘性症候群、意識障害、昏睡、注意力の低下、言語障害、失認症、失語症、失行症、軽度認知障害(MCI)、良性物忘れ、軽度神経認知障害、重度神経認知障害、疾患(例えば、ハンチントン病、パーキンソン病、プリオン病、外傷性脳損傷、HIVまたはAIDS)に起因する神経認知障害、ビンスワンガー病(皮質下白質脳症)、およびカプグラス症候群;あるいは本明細書に開示の神経学的または精神病理学的疾患または障害に付随する他のいずれかの徴候が挙げられる。
医薬組成物
特定の実施態様において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の化合物、および医薬的に許容される賦形剤または担体を含む、組成物(例えば、医薬組成物)である。いくつかの実施態様において、本明細にて提供されるのは、神経学的または精神病理学的疾患または障害を治療する方法であって、それを必要とする対象に、効果的な量の本明細書に記載の化合物または医薬組成物を投与することを含む、方法である。担体および賦形剤の例は当業者に周知であり、例えば、Ansel, Howard C.ら、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia:Lippincott, Williams & Wilkins, 2004;Gennaro, Alfonso R.ら、Remington:The Science and Practice of Pharmacy. Philadelphia:Lippincott, Williams & Wilkins, 2000;およびRowe, Raymond C. Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago, Pharmaceutical Press, 2005において詳細に説明されている。製剤はまた、1または複数の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、沈殿防止剤、保存剤、酸化防止剤、オパーク化剤、滑沢剤、加工助剤、着色剤、甘未剤、香料、矯味矯臭剤、希釈剤を、および薬物(すなわち、本開示の化合物またはその医薬組成物)にエレガントな体裁を、または医薬製品(すなわち、医薬品)の製造にて補助を提供するための他の既知添加剤を含み得る。
本開示の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入によって、局所的に、経直腸的に、鼻孔的に、バッカル的に、舌下的に、経膣的に、または埋め込み型レザバーを介して投与されてもよい。本明細書にて使用されるような「非経口的」なる語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨下、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内注射または注入技術を包含する。いくつかの実施態様において、組成物は、経口、腹腔内または静脈内に投与される。本開示の組成物の滅菌注射可能な形態は、水性または油性懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤、および沈殿防止剤を用い、当該分野にて既知の技法に従って処方されてもよい。滅菌注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、例えば、1,3-ブタンジオール中溶液のような、滅菌注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。とりわけ、利用され得る、許容可能なビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液、および等張塩化ナトリウム溶液である。加えて、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒体として慣用的に利用される。本開示の医薬的に許容される組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または溶液を含む、任意の経口的に許容される剤形にて経口的に投与され得る。
単一剤形の組成物を製造するのに、担体材料と組み合わせてもよい、本開示の化合物の量は、治療される宿主、および特定の投与様式を含む、種々の因子に応じて変化するであろう。また、任意の特定の対象に対する特定の投与量および治療レジメンは、利用される特定の化合物の活性、年齢、体重、一般的な健康状態、性別、食事、投与期間、排泄の割合、薬物の組み合わせ、および治療医師の判断、および治療される特定の疾患の重篤度を含む、種々の因子に依存するであろうことも理解すべきである。本開示の化合物の組成物中の量も組成物中の特定の化合物に依存するであろう。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物および組成物は、投与の容易性および投与量の均一性のために、投与単位形態で処方される。本明細書にて使用されるような「投与単位形態」または「剤形」なる表現は、治療される対象に適切な薬剤の物理的に別々の単位をいう。しかしながら、本開示の化合物および組成物の一日当たりの総使用量は、合理的な医学的判断の範囲内で、顧問医によって決定されることが理解されるであろう。
併用療法
いくつかの実施態様において、本開示は、本明細書に記載の神経学的および/または精神病理学的疾患または障害を治療する方法であって、本開示の化合物を、1または複数の医薬剤と組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切な医薬剤には、本態性振戦治療薬、パーキンソン病治療薬、ジストニア治療薬、小脳性運動失調治療薬、ハンチントン病治療薬、多系統萎縮症治療薬が含まれる。
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切な本態性振戦治療薬には、例えば、ベータ-遮断剤(例えば、プロプラノロール、メトプロロール)、抗けいれん剤(例えば、プリミドン、トピラメート、ゾニサミド)、ベンゾジアゼピン(例えば、ロラゼパム、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロナゼパム)、神経ステロイド(例えば、GABA-A受容体陽性アロステリック調整剤、アロプレグナノロン、ズラノロン)、SKチャネル陽性アロステリック調整剤(例えば、CAD-1883)、Tチャネル遮断剤(例えば、スベカルタミド)が含まれる。さらなる本態性振戦治療薬には、ガバペンチンおよびボツリヌス毒素が含まれる。本開示の化合物はまた、例えば、脳深部シミュレーション(DBS)および集束超音波視床切開術を含む、本態性振戦の治療法と組み合わせることができる。
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切なパーキンソン病治療薬には、例えば、神経ステロイド(例えば、GABA-A受容体陽性アロステリック調整剤、アロプレグナノロン、ズラノロン)、Tチャネル遮断剤(例えば、スベカルタミド)、レボドパ、カルビドパ、ドーパミン受容体アゴニスト(例えば、プラミペキソール、ロピニロール、塩酸アポモルフィン、ロチゴチン)、MAO-B阻害剤(例えば、セレギリン、ラサギリン、サフィナミド、ゾニサミド)、COMT阻害剤(例えば、エンタコポン、トルカポン、オピカポン)、アデノシンA2aアンタゴニスト(例えば、イストラデフィリン)、抗コリン作動薬(ベンゾトロピン、トリヘキシルフェニジル、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン)、5-HT1Aアゴニスト(例えば、ブスピロン、サリゾタン)、mGluR55アンタゴニスト(例えば、マボグルラント、ジプラグルラント)、抗精神病薬、5-HT2Aアンタゴニスト(例えば、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピンおよびジピラシドン、ピマバンセリン)、およびSEP-363856が含まれる。付加的な治療薬としては、例えば、アマンタジンが挙げられる。本開示の化合物はまた、例えば、脳深部シミュレーション(DBS)を含む、パーキンソン病の治療法と組み合わせて使用され得る。
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切なジストニア治療薬には、例えば、ボツリヌス毒素、抗精神病薬、5-HT2Aアンタゴニスト(例えば、クロザピン、リスペリドン、オランザピン、クエチアピンおよびジピラシドン、ピマバンセリン)、抗コリン作動剤(例えば、トリヘキシルフェニジル)、バクロフェン、およびレボドパが含まれる。本開示の化合物はまた、例えば、脳深部シミュレーション(DBS)および選択的脱神経手術を含む、ジストニアの治療と組み合わせることができる。
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切な小脳性運動失調治療薬には、例えば、抗けいれん剤(例えば、プリミドン、トピラマート、ゾニサミド)、SKチャネル陽性アロステリック調整剤(例えば、CAD-1883)、およびリルゾールが含まれる。本開示の化合物はまた、例えば、経頭蓋直流刺激(TDCS)および経頭蓋磁気刺激(TMS)を含む、小脳性運動失調治療の治療法と組み合わせることができる。
適切な多系統萎縮症治療薬には、例えば、レボドパ、カルビドパ、ピリドスチグミン(コリンエステラーゼ阻害剤)、フルドロコルチゾン、ミドドリン(アドレナリン作動性a1-受容体アゴニスト)、ボツリヌス毒素、およびミドドリン(α1アドレナリン作動性受容体アゴニスト)が含まれる。
本開示の化合物はまた、舞踏病およびハンチントン病を治療するための治療薬(例えば、テトラベナジンおよびドイテトラベナジン)およびREM睡眠行動障害を治療するための治療薬(例えば、メラトニン、クロナゼパム)と組み合わせて使用され得る。
本開示の化合物と組み合わせて使用され得る適切な医薬剤としては、抗パーキンソン薬、抗アルツハイマー薬、抗うつ剤、抗精神病薬、抗虚血剤、CNS抑制剤、抗コリン作動剤、向知性薬、てんかん薬、注意(例えば、ADD/ADHD)治療薬、睡眠促進治療薬、覚醒促進治療薬、および疼痛治療薬が挙げられる。いくつかの実施態様において、適切な医薬剤は抗不安剤である。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外脱炭酸酵素阻害剤と共にまたは無しで)、ビピリデン(所望により、その塩酸塩または乳酸塩として)、およびトリヘキシルフェニジル(ベンズヘキシル)塩酸塩などの抗コリン作動剤、エンタカポンまたはトルカポンなどのCOMT阻害剤、MAO A/B阻害剤、酸化防止剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動性アゴニスト、NMDA受容体アンタゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニストおよびドーパミン受容体アゴニスト、例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールと組み合わせて使用され得る。ドーパミンアゴニストは医薬的に許容される塩の形態、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、塩酸キサナゴリド、およびメシル酸ペルゴリドであってもよいことが認識されよう。リスリドおよびプラミペキソールは、通常、非塩形態で使用される。
適切な抗アルツハイマー薬には、ベータ-セクレターゼ阻害剤、ガンマ-セクレターゼ阻害剤、ドネペジル、ガランタミンまたはリバスチグミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤、イブプロフェン、ビタミンE、および抗アミロイド抗体を含む、NSAIDが含まれる。いくつかの実施態様において、抗アルツハイマー薬はメマンチンである。
適切な抗うつ剤および抗不安剤には、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(三環系三級アミンおよび二環系二級アミンを含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α-アデノ受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ剤、ベンゾジアゼピン、5-HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5-HT1A部分アゴニスト、およびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが含まれる。
具体的に適切な抗うつ剤および抗不安剤には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、シタロプラム、エスシタロプラム、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド:ベンラファキシン;デスベンラファキシン、デュロキセチン;アプレピタント;ブプロピオン、ビラゾドン、ミルタザピン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、レボキセチン、ボルチオキセチン、クロラゼペート、およびケタミン、およびそれらの医薬的に許容される塩が含まれる。いくつかの実施態様において、適切な抗うつ剤および抗不安剤はチアネプチン、またはその医薬的に許容される塩である。
適切な抗精神病剤および気分安定化剤としては、D2アンタゴニスト、5HT2Aアンタゴニスト、非定型抗精神病薬、リチウムおよび抗けいれん剤が挙げられる。
具体的に適切な抗精神病剤および気分安定化剤には、クロルプロマジン、フルフェナジン、ハロペリドール、アミスルプリド、ペルフェナジン、チオリダジン、トリフルオペラジン、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、オランザピン、パリペリドン、ブレクスピプラゾール、パリペリドン、カリプラジン、ピマバンセリン、イロペリドン、ルマテペロン、MIN-101、クエチアピン、リスペリドン、ジピラシドン、ルラシドン、フルペンチクソール、レボメプロマジン、ペリシアジン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、ズクロペンチクソール、オランザピンおよびフルオキセチン、リチウム、カルバマゼピン、ラモトリギン、バルプロ酸、イロペリドン、チオチキセン、ガバペンチン、チアガビンおよびそれらの医薬的に許容される塩が含まれる。
適切なてんかん治療薬には、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、クロバザム、レチガビン、ゾニサミド、フェルバメート、酢酸エスクリカルバゼピン、ラコサミド、カルバマゼピン、チアガビン、メトスキシミド、プロガビド、バルプロ酸、ラモトリギン、ブリバラセタム、ルフィナミド、トピラマートおよびペランパネムが含まれる。
適切な注意治療薬には、メチルフェニデート、アトモキセチン、グアンファシン、D-アンフェタミン、リスデキサンフェタミン、メチルアンフェタミン、およびクロニジンが含まれる。
適切な睡眠促進治療薬には、ラメルテオン、トリアゾラム、ゾピクロン、エスゾピクロン、ゾルピデム、テマゼパム、およびトラゾドンが含まれる。
適切な覚醒促進治療薬には、モダフィニル、D-アンフェタミン、カフェイン、およびアルモダフィニルが含まれる。
適切な疼痛治療薬には、デキストロメトルファン、タペンタドール、ブプレノルフィン、コデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、モルフィン、ナロキセゴール、オキシコドン、トラマドール、ガバペンチル、ジフルプレドネート、プレガバリン、アセチルサリチル酸、ブロムフェナク、ジクロフェナク、ジフルニサル、インドメタシン、ケトロラク、メオキシカン、およびナプロキセンが含まれる。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物および組成物は、他の療法と組み合わせて使用されてもよい。適切な療法には、心理療法、認知行動療法、電気けいれん療法、経頭蓋磁気刺激療法、迷走神経刺激療法、および脳深部刺激療法が含まれる。
本開示の化合物および組成物がまた、併用し得る他の薬剤の例として、ビタミンおよび滋養強壮補助剤、制吐剤(例えば、5-HT3受容体アンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、NK1受容体アンタゴニスト、ヒスタミン受容体アンタゴニスト、カンナビノイド、ベンゾジアゼピン、または抗コリン作動剤)、多発性硬化症(MS)を治療するための薬剤、例えば、ベータインターフェロン(例えば、アボネックス(登録商標)およびレビフ(登録商標)、ダルファムプリジン、アレムツズマブ)、コパキソン(登録商標)、およびミトキサントロン;テトラベナジンなどのハンチントン病の治療剤;アルブテロールおよびシングレア(登録商標)などの喘息の治療剤;コルチコステロイド、TNF遮断剤、IL-1 RA、アザチオプリン、およびスルファサラジンなどの抗炎症剤;シクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、ミコフェノール酸モフェチル、インターフェロン、コルチコステロイド、シクロホスファミド、アザチオプリン、およびスルファサラジンなどの免疫調整および免疫抑制剤;神経栄養因子、例えば、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、インターフェロン、抗けいれん剤、イオンチャネル遮断剤、リルゾール、心血管疾患の治療剤、例えば、ベータ-遮断剤、ACE阻害剤、利尿剤、ニトレート、カルシウムチャネル遮断剤、およびスタチン、フィブレート、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸分泌抑制剤、およびナイアシン;コルチコステロイド、コレスチラミン、インターフェロン、および抗ウイルス剤などの肝疾患の治療剤;コルチコステロイド、抗白血病剤、および成長因子などの血管障害の治療剤;ガンマグロブリンなどの免疫不全障害の治療剤;ならびにビグアナイド系(メトホルミン、フェンホルミン、ブホルミン)、チアゾリジンジオン系(ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)、スルホニル尿素系(トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド)、メグリチニド系(レパグリニド、ナテグリニド)、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(ミグリトール、アカルボース)、インクレチン模倣剤(エキセナチド、リラグルチド、タスポグルチド)、胃阻害性ペプチドアナログ、DPP4阻害剤(ビルダグリプチン、シタグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、アログリプチン)、アミリンアナログ(プラムリンチド)、およびインスリンとインスリンアナログなどの抗糖尿病剤が挙げられる。
いくつかの実施態様において、本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩は、アンチセンス剤、モノクローナルまたはポリクローナル抗体、またはsiRNA治療薬と組み合わせて投与される。
いくつかの実施態様において、1または複数の付加的な剤は、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩と組み合わされてもよい。本明細書にて用いる場合、「組み合わせ」、「組み合わせた」なる語および関連する用語は、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩に加えて、1または複数の治療剤を同時に、同時期に、または連続して投与することをいう。いくつかの実施態様において、1または複数の付加的な剤は、複数回投与レジメンの一部として、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む組成物とは別個に投与されてもよい。あるいはまた、いくつかの実施態様において、1または複数の付加的な剤は、単一の組成物において、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩と一緒に組み合わされた1または複数の付加的な剤を含む、単一の剤形の一部であってもよい。いくつかの実施態様において、2以上の活性剤(すなわち、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩、および1または複数の付加的な剤)は、複数回投与レジメンの一部として同時に投与されてもよい。あるいはまた、いくつかの実施態様において、2以上の活性剤は、複数回投与レジメンの一部として、投与間隔を設けた別々の期間内に、またはより長期間にわたる投与計画にて、連続して投与されてもよい。いくつかの実施態様において、1または複数の付加的な剤の連続的な投与は、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩の初期投与から5時間以内に行われる。いくつかの実施態様において、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩の連続的な投与は、1または複数の付加的な剤の初期投与から5時間以内に行われる。
いくつかの実施態様において、担体材料と組み合わせ、単一の剤形を生成することのできる、(上記したような付加的な治療剤を含むそれらの組成物中にある)本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩、および1または複数の付加的な剤の量は、治療される宿主および特定の投与様式に応じて変化するであろう。いくつかの実施態様において、組成物は、本明細書にて開示される式Iの化合物、またはその医薬的に許容される塩が0.01-100mg/kg体重/日の投与量で投与され得るように処方されてもよい。
付加的な治療剤を含むそれらの組成物において、その付加的な治療剤と本開示の化合物は相乗的に作用する可能性がある。従って、各組成物における付加的な治療剤の量は、その治療剤が単独で利用される単剤療法にて必要とされる量よりも少ないであろう。かかる組成物において、0.01-100mg/kg体重/日の投与量の付加的な治療剤が投与され得る。
本開示の組成物中に配合される付加的な治療剤の量は、その治療剤を唯一の活性剤として含む組成物で一般的に投与される量よりも多くはないであろう。いくつかの実施態様において、本開示の組成物中に配合される付加的な治療剤の量は、その治療剤を唯一の治療活性剤として含む組成物中に一般的に配合される量の約50%~100%の範囲にあるであろう。
実施例
本開示の化合物は、本明細書にて提供される方法、反応スキームおよび実施例を考慮して、有機合成の分野の当業者に公知の多くの方法で製造され得る。本開示の化合物は、以下に記載の方法を、合成有機化学の分野にて公知の合成方法と一緒に用いて、または当業者によって認識されるように、それを変換することで合成され得る。好ましい方法には、限定されないが、下記の方法が含まれる。反応は、利用される試薬および材料に適し、変形を行うのに最適な溶媒または溶媒の混合液中で行われる。分子上に存在する官能基が提案される変形と合致するものでなければならないことは当業者であれば認識するであろう。このために、時には、該開示の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を修飾するか、または1の特定のプロセススキームを、もう一つ別のプロセススキームに優先して選択する、判断が求められるであろう。実施例は、特記される場合を除いて、相対立体化学を用いて記載される。
出発材料は、サプリメント(Beilstein online databaseを介して入手することもできる)を含め、一般に、シグマ・アルドリッチ(Sigma Aldrich)または他の商用供給業者などの商業的供給源から入手可能であるか、本開示に記載されるように製造されるか、または当業者に周知の方法(例えば、Louis F. FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, New York(1967-1999 ed.)、Larock, R.C.、Comprehensive Organic Transformations, 2nd ed., Wiley-VCH Weinheim, Germany(1999)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlinにおいて一般的に記載される方法)を用いて容易に製造される。
説明を目的として、下記の反応スキームは、本開示の化合物ならびに重要な中間体を合成するための潜在的な経路を提供する。当業者であれば、他の合成経路が使用され、本開示の化合物を合成し得ることを理解するであろう。特定の出発材料および試薬が下記のスキームにて記載され、検討されているが、種々の誘導体および/または反応条件を提供するのに、他の出発材料および試薬が代わりに容易に使用され得る。加えて、下記の方法によって製造される化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を用いて、本開示を考慮してさらに修飾され得る。
本開示の化合物の製造においては、中間体のリモート官能性の保護が必要な場合がある。かかる保護の必要性は、リモート官能性の性質および製造方法の条件に応じて変化するであろう。かかる保護の必要性は当業者が容易に決定する。保護基とその使用の一般的な記載については、Greene, T.W.ら、Protecting Groups in Organic Synthesis, 4th Ed., Wiley(2007)を参照のこと。トリチル保護基などの、本開示の化合物を製造するのに組み込まれる保護基は、1の位置異性体として示されてもよいが、位置異性体の混合物として存在してもよい。
本明細書にて使用される以下の略語は、その対応する意味を有する:
実施例1. (R)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物2)および(S)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物1)の製造
エチル 2-シクロプロピリデンアセテートの合成
(1-エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン(5.0g、28.6ミリモル)およびエチル 2-(トリフェニル-ホスファニリデン)アセテート(12.9g、37.4ミリモル)のトルエン(150mL)中溶液に、安息香酸(0.84g、6.9ミリモル)を約室温で添加した。混合物を約80℃で約10時間にわたって攪拌し、ついで濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラム(PE/EtOAc=50/1)に付して精製し、エチル 2-シクロプロピリデンアセテートを得た。
エチル 2-(1-(3-フルオロフェノキシ)シクロプロピル)アセテートの合成
エチル 2-シクロプロピリデンアセテート(1.0g、16.8ミリモル)、3-フルオロフェノール(2.65g、23.7ミリモル)および4Åモレキュラーシーブ(1.0g)のDMF(20mL)中混合物を約130℃で約15時間にわたって攪拌した。水(50mL)を混合物に加え、次に混合物をEtOAc(100mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥かつ濃縮させて粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10/1)に付して精製し、所望の生成物を得た。MS(ESI):m/z 239[M+H]
2-(1-(3-フルオロフェノキシ)シクロプロピル)酢酸の合成
エチル 2-[1-(3-フルオロフェノキシ)シクロプロピル]アセテート(1.4g、5.9ミリモル)、NaOH(0.71g、17.7ミリモル)のMeOH/HO(25mL、4:1)中溶液を約室温で約10時間にわたって攪拌した。反応混合物のpH値を酢酸で7に調整した後、反応物を濃縮した。水(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(100mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(PE/EtOAc=5/1)に付して精製した。MS(ESI):m/z 211[M+H]
7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-オンの合成
2-[1-(3-フルオロフェノキシ)シクロプロピル]酢酸(1.0g、4.76ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、塩化チオニル(1.41g、11.9ミリモル)を約室温で添加した。混合物を約室温で約10時間にわたって攪拌し、ついで真空下で濃縮した。残渣をDCM(20mL)に溶かし、三塩化アルミニウム(0.75g、5.68ミリモル)/DCM(10mL)を上記の溶液に約0℃でゆっくりと添加した。混合物をこの温度で約0.5時間にわたって攪拌した後、水(30mL)を0℃でゆっくりと加えた。混合物をこの温度で新たに約0.5時間攪拌し、ついでDCM(50mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥させて濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム(PE/EtOAc=10/1)に付して精製し、7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-オンを得た。MS(ESI):m/z 193(M+H)
tert-ブチル (7-フルオロ-4-ヒドロキシスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メチルスルホニルカルバメートの合成
tert-ブチル メチルスルホニルカルバメート(1.2g、6.1ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、9.4mL、12.1ミリモル)を約-78℃で滴下して加え、反応物をこの温度で約1時間攪拌した。7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-オン(0.9g、4.7ミリモル)のTHF(10mL)中溶液を添加し、混合物をこの温度で約3時間攪拌した。反応物を飽和塩化アンモニア(水性20mL)でクエンチさせ、EtOAc(50mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させて真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc=5/1を用いて精製した。MS(ESI):m/z 405[M+Na]
(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル N-({7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロスピロ[1-ベンゾピラン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル}メタンスルホニル)カルバメート(1.2g、3.1ミリモル)のDCM(50mL)中溶液に、TES(1.1g、9.3ミリモル)添加した。約0℃で約0.5時間攪拌した後、TFA(2.9g、25ミリモル)を該混合物にこの温度で添加した。混合物をこの温度で約3時間攪拌した。水(100mL)を添加し、該混合物をEtOAC(50mLx2)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(5/1)を用いて精製し、中間体のtert-ブチル (7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イリデン)メチルスルホニルカルバメート(MS(ESI):m/z 270[M+H])を得た。そこに、酢酸(10mL)およびPd/C(950mg)を添加した。混合物をH下で約3時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物をろ過し、ろ液を真空下で蒸発させた。その残渣に、DCM(2mL)およびトリフルオロ酢酸(2mL)添加した。反応物を約室温で約3時間にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を真空下にて蒸発させ、粗生成物をPE/EtOAc(5/1)で再結晶させた。Ms=294[M+Na]
(R)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物2)および(S)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物1)の合成
(7-フルオロスピロ-[クロマン-2,1’-シクロプロパン]-4-イル)-メタン-スルホンアミドのラセミ混合物をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つの単一エナンチオマーを得た:
化合物2(P1)(保持時間:1.959分間)H NMR(400MHz、MeOD-d) δ 7.29~7.25(m,1H)、6.69~6.64(m,1H)、6.48~6.45(m,1H)、3.60~3.48(m,3H)、2.40~2.36(m,1H)、2.25~2.20(m,1H)、1.04~0.99(m,1H)、0.95~0.86(m,2H)、0.67~0.63(m,1H);および化合物1(P2)(保持時間:2.283分間)、H NMR(400MHz、MeOD-d) δ 7.79~7.53(m,1H)、6.69~6.64(m,1H)、6.48~6.45(m,1H)、3.60~3.48(m,3H)、2.40~2.36(m,1H)、2.25~2.20(m,1H)、1.04~0.99(m,1H)、0.95~0.86(m,2H)、0.67~0.63(m,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AS 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.8分間
サンプル溶液:120mgを15mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9ml
実施例2. (R)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物4)および(S)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物3)の製造
7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-オンの合成
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(5g、32.4ミリモル)のトルエン(25mL)中溶液に、シクロブタノン(2.95g、42.1ミリモル)およびピロリジン(2.30g、32.4ミリモル)添加した。反応物を約室温で約1時間にわたって攪拌し、次に約4時間還流させた。混合物をEtOAc(200mL)および水(100mL)中に注いだ。層を分離し、有機層をHCl(1M水溶液、100mL)で洗浄し、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAC(100%:0%)~PE/EtOAc(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=207[M+H]
tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(4.06g、20.8ミリモル)のTHF(50mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M)(32mL、41.7ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約30分間にわたって攪拌した後、7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-オン(2.4g、11.6ミリモル)/THF(10mL)を添加した。混合物を約-78℃で約2時間にわたって攪拌した。混合物を次に水(100mL)およびEtOAc(150mL)中に注いだ。クエン酸をゆっくりと加えてそのpHを5-6に調整した。層を分離した。水層をEtOAc(100mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=424[M+Na]
{7-フルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[1-ベンゾピラン-2,1’-シクロブタン]-4-イル}メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル N-({7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロスピロ[1-ベンゾピラン-2,1’-シクロブタン]-4-イル}メタンスルホニル)カルバメート(3.6g、8.96ミリモル)のジクロロメタン(40mL)中溶液に、TES(2.84g、26.8ミリモル)を約0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、トリフルオロ酢酸(12.2g、107ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。溶媒を除去した。残りの物質をメタノール(30mL)に溶かした。該溶液にPd/C(10%)(295mg)を添加した。混合物をH雰囲気下にて約室温で約2時間にわたって攪拌した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(97%:3%)の勾配溶出に供して精製し、{7-フルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[1-ベンゾピラン-2,1’-シクロブタン]-4-イル}メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=286[M+H]
(R)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物4)および(S)-(7-フルオロスピロ[クロマン-2,1’-シクロブタン]-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物3)の合成
{7-フルオロ-3,4-ジヒドロスピロ[1-ベンゾピラン-2,1’-シクロブタン]-4-イル}メタン-スルホンアミドをキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た:
化合物4(P1)(保持時間=2.622分間)H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.33-7.25(m,1H)、6.64(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.53(dd,J=10.3、2.6Hz,1H)、3.75(dd,J=14.3、3.1Hz,1H)、3.48(d,J=9.1Hz,1H)、3.25(dd,J=14.3、9.6Hz,1H)、2.65(dd,J=13.8、6.0Hz,1H)、2.39(dd,J=20.0、10.1Hz,1H)、2.27-2.08(m,3H)、2.01-1.83(m,2H)、1.83-1.73(m,1H);および化合物3(P2)(保持時間=3.984分間). H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.28(dd,J=8.1、6.7Hz,1H)、6.64(td,J=8.5、2.7Hz,1H)、6.53(dd,J=10.3、2.6Hz,1H)、3.75(dd,J=14.3、3.1Hz,1H)、3.48(d,J=8.8Hz,1H)、3.25(dd,J=14.3、9.6Hz,1H)、2.65(dd,J=13.8、6.0Hz,1H)、2.39(dd,J=19.9、10.1Hz,1H)、2.26-2.07(m,3H)、1.99-1.83(m,2H)、1.83-1.72(m,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AD 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4.6分間
サンプル溶液:560mgを25mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9ml
実施例3. (R)-(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物6)および(S)-(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物5)の製造
6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オンの合成
1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(14.4g、83.6ミリモル)のMeOH(150mL)中溶液に、ピロリジン(5.94g、83.6ミリモル)およびプロパン-2-オン(9.69g、167ミリモル)を添加した。混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。溶媒を除去し、残渣を水(100mL)中に注いだ。混合物をDCM(3x100mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(90%:10%)の勾配溶出に供して精製し、6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オンを得た。
tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(3.41g、17.5ミリモル)のTHF(150mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M)(27mL、35.1ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約30分間にわたって攪拌した後、6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オン(2.5g、11.7ミリモル)/THF(20mL)を添加した。混合物を約-78℃で約30分間にわたって攪拌した。混合物を約2時間にわたって徐々に約0℃までの加温に供した。水(100mL)を添加して反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加してそのpHを5-6に調整した。混合物をEtOAc(200mLx2)で抽出し、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(75%:25%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=430[M+Na]
(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(9g、22.0ミリモル)のDCM(80mL)中溶液に、TES(7.67g、66.0ミリモル)を0℃で添加した。混合物を約0℃で約20分間にわたって攪拌し、TFA(20.0g、176ミリモル)を添加した。混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。溶媒を除去した。残渣をMeOH(200mL)に溶かし、Pd/C(10%)(1.10g)を添加した。反応混合物をH雰囲気下にて約室温で約2時間にわたって攪拌した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残りの物質をEtOAc(15mL)、ヘプタン(90mL)で洗浄し、次にアセトンおよび水で再結晶させ、(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=292[M+H]
(R)-(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物6)および(S)-(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物5)の合成
(6,7-ジフルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを以下の条件下でキラルHPLCに付して分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物6(P1)(保持時間=0.985分間)MS(ESI):m/z=292[M+H]H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.32-7.27(m,1H)、6.65-6.61(dd,J=11.8、7.2Hz,1H)、3.76-3.71(dd,J=14.4、3.2Hz,1H)、3.46-3.44(m,1H)、3.25-3.21(dd,J=14.4、8.8Hz,1H)、2.42-2.37(dd,J=13.8、6.4Hz,1H)、1.77-1.71(dd,J=13.8、11.3Hz,1H)、1.42(s,3H)、1.27(s,3H);および化合物5(P2)(保持時間=1.226分間)MS(ESI):m/z=292[M+H]H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.32-7.27(dd,J=11.6、9.2Hz,1H)、6.65-6.61(dd,J=11.8、7.2Hz,1H)、3.76-3.71(dd,J=14.4、3.2Hz,1H)、3.46-3.44(d,J=8.6Hz,1H)、3.25-3.2(dd,J=14.4、8.8Hz,1H)、2.34-2.32(dd,J=13.8、6.4Hz,1H)、1.77-1.71(dd,J=13.8、11.2Hz,1H)、1.42(s,3H)、1.27(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AD 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.9分間
サンプル溶液:3000mgを36mLのメタノールに溶かす。
注入容量:0.6mL
実施例4. ((3S,4R)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物8)、((3R,4S)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物7)、((3S,4S)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物9)および((3R,4R)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物10)の製造
6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-オンの合成:
6,7-ジフルオロ-3-メチル-4H-クロメン-4-オン(5.9g、28.5ミリモル)のEtOAc(200mL)中溶液に、TEA(4.32g、42.7ミリモル)およびPd/C(1.18g、10%湿式)を添加した。反応物を約室温のH下で約16時間にわたって攪拌した。混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE(85%)およびEtOAc(15%)のイソクラティック溶出に供して精製し、6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=199[M+H]
tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成:
6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-オン(4.8g、23.0ミリモル)のTHF(90mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、35mL、69.0ミリモル)を添加した。反応物を約-78℃で2時間にわたって攪拌した。NHCl飽和水溶液(20mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、水相をEtOAc(3x40mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させ、真空下で濃縮してtert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=319.0[M-56-18]
(6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(5g、7.62ミリモル)のDCM(3mL)中溶液に、TES(2.65g、22.8ミリモル)およびTFA(8.68g、76.2ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、次に溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(95%:5%)のイソクラティック溶出に供して精製し、中間体の(6,7-ジフルオロ-3-メチル-2H-クロメン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=298.0[M+Na]。(6,7-ジフルオロ-3-メチル-2H-クロメン-4-イル)メタンスルホンアミド(5g、10.8ミリモル)をMeOH(15mL)に溶かし、Pd/C(1.41g、10%湿式)を添加した。反応物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(50%:50%)の勾配溶出に供して精製し、(6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを4つのジアステレオマーの混合物として得た。MS(ESI):m/z=300.1[M+Na]
((3S,4R)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物8)、((3R,4S)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物7)、((3S,4S)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物9)および((3R,4R)-6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物10)の合成
(6,7-ジフルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのジアステレオマー混合物を、次の条件下でキラルHPLCに付して分離し、4つのジアステレオマーを得た。
化合物8(P1)(保持時間=1.776分間)
MS(ESI):m/z=300[M+Na]H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.08(dd,J=11.1、9.0Hz,1H)、6.56(dd,J=11.8、7.1Hz,1H)、4.03(dd,J=11.4、2.3Hz,1H)、3.87(ddd,J=11.4、3.5、1.3Hz,1H)、3.32(dd,J=14.7、8.5Hz,1H)、3.26-3.22(m,1H)、2.98(t,J=18.8Hz,1H)、2.30(qd,J=6.9、3.8Hz,1H)、0.97(d,J=7.0Hz,3H);および
化合物7(P2)(保持時間=2.349分間)
MS(ESI):m/z=300.1[M+Na]H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.08(dd,J=11.1、9.0Hz,1H)、6.57(dd,J=11.8、7.1Hz,1H)、4.03(dd,J=11.4、2.3Hz,1H)、3.87(ddd,J=11.4、3.5、1.3Hz,1H)、3.32(dd,J=14.7、8.5Hz,1H)、3.28-3.22(m,1H)、2.95(d,J=8.1Hz,1H)、2.30(qd,J=7.0、4.0Hz,1H)、1.23-0.76(m,3H);および
化合物10(P3)(保持時間=2.768分間)
MS(ESI):m/z=300.1[M+Na]H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.27(dd,J=11.6、9.1Hz,1H)、6.59(dt,J=77.7、38.8Hz,1H)、4.13(dd,J=11.0、2.9Hz,1H)、3.91(dd,J=11.0、7.3Hz,1H)、3.52-3.38(m,1H)、3.33-3.19(m,1H)、2.47-2.29(m,1H)、1.05(d,J=7.0Hz,3H);および
化合物9(P4)(保持時間=3.890分間)
MS(ESI):m/z=300.1[M+Na]. H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.18(dd,J=11.6、9.2Hz,1H)、6.54(dd,J=11.8、7.2Hz,1H)、4.03(dd,J=11.0、2.4Hz,1H)、3.82(dd,J=11.0、7.3Hz,1H)、3.36(dd,J=10.6、5.3Hz,1H)、3.27-3.21(m,2H)、2.45-2.11(m,1H)、1.30-0.63(m,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4.3分間
サンプル溶液:2000mgを45mlのMeOHに溶かす
注入容量:0.6ml
実施例5. ((2S,4S)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物13)、((2R,4R)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物14)、((2S,4R)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物12)および((2R,4S)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物11)の製造
2-エチル-7-フルオロクロマン-4-オンの合成
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタノン(15g、97.3ミリモル)のEtOH(200mL)中溶液に、DIPEA(13.8g、107ミリモル)およびプロパナール(6.21g、107ミリモル)を添加した。反応混合物をマイクロ波にて約140℃に加熱し、その温度で約1時間にわたって攪拌した。EtOAc(50mL)を該反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相を塩化ナトリウム飽和溶液(水性、2x25mL)で洗浄した。有機相を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(90%:10%)の勾配溶出に供して精製し、2-エチル-7-フルオロクロマン-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=195[M+H]
tert-ブチル (2-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル-スルホニルカルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(2.98g、15.3ミリモル)のTHF(100mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、23.5mL、30.6ミリモル)を約-78℃で添加した。反応混合物をその温度で約1時間にわたって攪拌した。2-エチル-7-フルオロクロマン-4-オン(2.3g、11.8ミリモル)/THF(2mL)を反応物に加えた。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。水(100mL)およびNaOH(1M水溶液、20mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相をNaCl飽和水溶液(2x20mL)で洗浄した。有機相を無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(80%:20%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (2-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートを得た。MS(ESI):m/z=412[M+Na]
(2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (2-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル-スルホニルカルバメート(4.6g、9.6ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、TES(3.3g、28.6ミリモル)およびTFA(8.71g、76.4ミリモル)を添加した。反応混合物を約室温で16時間にわたって攪拌し、真空下で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(50mL)に溶かし、Pd/C(1g、0.94ミリモル)を添加した。反応物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を真空下で濃縮した。LCMSは(2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの2対のエナンチオマーが、20:1のジアステレオマー割合で生成されたことを示した。粗生成物をヘプタン(20mL)で洗浄し、(2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのジアステレオマー混合物を得た。MS(ESI):m/z=274[M+H]
((2S,4S)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物13)、((2R,4R)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物14)、((2S,4R)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物12)および((2R,4S)-2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物11)の合成
(2-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド混合物(2g)のジアステレオマー混合物を、次の条件下でキラルHPLCに付して分離し、2つのエナンチオマーを得た。エナンチオマーのマイナーな対は混合物から単離されなかった。
化合物12(P1)(保持時間=1.468分間)
MS(ESI):m/z=274[M+H]H NMR(500MHz、CDOD) δ 7.35-7.25(m,1H)、6.68-6.60(m,1H)、6.55-6.47(m,1H)、3.99-3.88(m,1H)、3.79(dd,J=14.3、3.0Hz,1H)、3.58-3.46(m,1H)、3.16(dd,J=14.3、9.4Hz,1H)、2.59(dd,J=13.3、5.9Hz,1H)、1.84-1.65(m,2H)、1.59(dd,J=25.0、11.5Hz,1H)、1.08(t,J=7.5Hz,3H);および
化合物11(P2)(保持時間=1.887分間)
MS(ESI):m/z=274[M+H]H NMR(500MHz、CDOD) δ 7.31(dd,J=8.1、7.0Hz,1H)、6.70-6.58(m,1H)、6.52(dd,J=10.3、2.7Hz,1H)、4.01-3.87(m,1H)、3.79(dd,J=14.3、3.0Hz,1H)、3.62-3.42(m,1H)、3.16(dd,J=14.3、9.4Hz,1H)、2.65-2.51(m,1H)、1.84-1.66(m,2H)、1.66-1.52(m,1H)、1.08(t,J=7.5Hz,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AD 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/EtOH(0.5%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4.2分間
サンプル溶液:2000mgを40mLのMeOHに溶かす
注入容量:0.6mL
実施例6. (R)-(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物16)および(S)-(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物15)の製造
tert-ブチル (((7,8-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(2g、10.2ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、1.56mL、20.4ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約0.5時間にわたって攪拌した後、7,8-ジフルオロクロマン-4-オン(939mg、5.09ミリモル)/THF(5mL)を添加した。反応物を約-78℃で約1.5時間にわたって攪拌した。完了したら、水(100mL)添加し、反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加し、そのpHを6付近に調整した。混合物をEtOAc(200mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((7,8-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=402[M+Na]
(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((7,8-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメート(1.94g、5.11ミリモル)のDCM(100mL)中溶液に、TES(1.77g、15.3ミリモル)を約0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、TFA(7.02g、61.3ミリモル)を添加した。反応混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を真空下で除去した。残渣をメタノール(10mL)に溶かし、Pd/C(10%)(107mg)添加した。混合物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をPE/EtOAc(4:1、100mL)でトリチュレートし、ついでろ過して(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=286[M+Na]
(R)-(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物16)および(S)-(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物15)の合成
(7,8-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのラセミ混合物(850mg)を次の条件下でキラルHPLCに付して分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物16(保持時間=1.01分間)、MS(ESI):m/z 286[M+Na]H NMR(500MHz、CDOD): δ 7.04-7.00(m,1H)、6.80-6.75(m,1H)、4.38-4.34(m,1H)、4.28-4.23(m,1H)、3.51-3.48(m,1H)、3.46-3.38(m,2H)、2.37-2.33(m,1H)、2.28-2.23(m,1H);および化合物15(保持時間=1.62分間)、MS(ESI):m/z 286[M+Na]H NMR(500MHz、CDOD): δ 7.04-7.00(m,1H)、6.80-6.75(m,1H)、4.38-4.34(m,1H)、4.28-4.23(m,1H)、3.51-3.48(m,1H)、3.46-3.38(m,2H)、2.37-2.33(m,1H)、2.28-2.22(m,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AY 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=70/30
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.0分間
サンプル溶液:850mgを20mLのMeOHに溶かす
注入容量:1.0mL
実施例7. (R)-(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物18)および(S)-(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物17)の製造
tert-ブチル (((5,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル (メチルスルホニル)カルバメート(1.71g、8.78ミリモル)のTHF(15mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、13.4mL、17.5ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約1時間にわたって攪拌した後、5,7-ジフルオロクロマン-4-オン(0.9g、4.88ミリモル)/THF(5mL)を添加した。反応物を約-78℃で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、水(80mL)を添加し、反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加し、そのpHを5-6に調整した。混合物をEtOAc(100mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(75%:25%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((5,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=402[M+Na]
(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((5,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメート(2g、5.27ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、TES(1.83g、15.8ミリモル)を約0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、TFA(7.20g、63.2ミリモル)を添加し、反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を除去し、残渣をMeOH(20mL)に溶かした。該溶液に、Pd/C(10%)(439mg)を添加し、混合物を約室温のH雰囲気下で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をEtOAc/ヘプタン(1:5)で洗浄し、次にアセトンおよび水から再結晶して(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=264[M+H]
(R)-(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物18)および(S)-(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物17)の合成
(5,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを、キラルHPLCによって以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物18(P1)(保持時間=1.24分間)
MS(ESI):m/z=264[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 6.52(ddd,J=10.2、9.2、2.5Hz,1H)、6.46-6.40(m,1H)、4.34(dt,J=11.6、2.9Hz,1H)、4.23-4.13(m,1H)、3.64(d,J=4.7Hz,1H)、3.39(dd,J=18.7、8.9Hz,2H)、2.59-2.50(m,1H)、2.11-1.99(m,1H);および
化合物17(P2)(保持時間=1.59分間)
MS(ESI):m/z=264[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 6.56-6.48(m,1H)、6.46-6.39(m,1H)、4.34(dt,J=11.5、2.9Hz,1H)、4.24-4.13(m,1H)、3.64(s,1H)、3.39(dd,J=18.8、8.9Hz,2H)、2.55(dd,J=14.7、2.3Hz,1H)、2.16-1.97(m,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AY 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:2.6分間
サンプル溶液:700mgを30mLのMeOHに溶かす
注入容量:0.6mL
実施例8. ((3S,4R)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物20)、((3R,4S)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物19)、((3S,4S)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物22)および((3R,4R)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物21)の製造
tert-ブチル (3-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートの合成
tert-ブチル メチルスルホニルカルバメート(9.9g、50.9ミリモル)のTHF(150mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、78mL、101ミリモル)を約-78℃の窒素下で添加した。この温度で約1.0時間攪拌した後、3-エチル-7-フルオロクロマン-4-オン(9.0g、46.3ミリモル)のTHF(30mL)中溶液を添加し、混合物を約-78℃でさらに約2時間にわたって攪拌した。完了したら、反応物を水(300mL)でクエンチさせ、pHが約4になるまでクエン酸飽和水溶液で酸性にした。混合物を酢酸エチル(200mLx3)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムに付し、PE/EtOAc(3/1)~PE/EtOAc(1:1)で溶出して精製し、tert-ブチル (3-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートを得た。MS(ESI):m/z 407[M+NH
(3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (3-エチル-7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメート(4.0g、10.24ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、TES(3.53g、30.5ミリモル)を約0℃で添加した。この温度で約0.5時間にわたって攪拌した後、BF-EtO(6.2g、20.4ミリモル)を添加し、混合物を約0℃でさらに約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物を飽和NaHCO(80mL)中に注ぎ、DCM(100mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムに付し、PE/EtOAc(2/1)~PE/EtOAc(1:1)で溶出して精製し、3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドをジアステレオマー混合物として得た。MS(ESI):m/z 294[M+Na]
((3S,4R)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物20)、((3R,4S)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物19)、((3S,4S)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物22)および((3R,4R)-3-エチル-7-フルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物21)の合成
工程2からのジアステレオマー混合物を、以下のキラル分離条件を用いて分離し、化合物20(P1、保持時間:1.93分間)、化合物19および化合物21の混合物(P2)、および化合物22(P3、保持時間:4.30分間)を得た。
化合物20(P1、保持時間:1.93分間)
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.24(t,J=8.0Hz,1H)、7.02(brs,2H)、6.78-6.73(m,1H)、6.63-6.60(m,1H)、4.12(s,2H)、3.45-3.35(m,1H)、3.17-3.07(m,2H)、2.10-2.07(m,1H)、1.33-1.25(m,2H)、0.94(t,J=7.2Hz,3H);および
化合物22(P3、保持時間:4.30分間)
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.34(s,1H)、6.99(brs,2H)、6.67-6.58(m,2H)、4.16-4.13(m,1H)、4.00-3.97(m,1H)、3.41(s,1H)、3.23(m,2H)、2.00(s,1H)、1.43(s,1H)、1.24(bs,1H)、0.98(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-150(Thar, Waters)
カラム:AS 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/IPA(0.5%MeOH アンモニア)=55/45
流速:100g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:5分間
サンプル溶液:1000mgを40mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9mL
化合物19および化合物21の上記した最初のキラル分離(P2)からのジアステレオマー混合物、P2を、別のキラルHPLC条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物19:(P1、保持時間:0.69分間)
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.24(t,J=7.6Hz,1H)、7.01(brs,2H)、6.77-6.72(m,1H)、6.63-6.60(m,1H)、4.12(bs,2H)、3.44-3.37(m,1H)、3.17-3.07(m,2H)、2.10-2.07(m,1H)、1.33-1.25(m,2H)、0.94(t,J=7.2Hz,3H);および
化合物21:(P2、保持時間:1.11分間)
H NMR(400MHz、DMSO-d) δ 7.34(t,J=7.6Hz,1H)、6.99(brs,2H)、6.67(t,J=7.6Hz,1H)、6.60(d,J=10.4Hz,1H)、4.14(d,J=10.8Hz,1H)、3.97(t,J=9.2Hz,1H)、3.41(s,1H)、3.27-3.17(m,2H)、2.00(s,1H)、1.47-1.40(m,1H)、1.25-1.18(m,1H)、0.97(t,J=7.2Hz,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=75/25
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.5分間
サンプル溶液:300mgを25mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.0mL
実施例9. (R)-1-((S)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物23)、(S)-1-((R)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物24)、(S)-1-((S)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物25)および(R)-1-((R)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物26)の製造
(R)-1-((S)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物23)、(S)-1-((R)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物24)、(S)-1-((S)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物25)および(R)-1-((R)-7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-1-スルホンアミド(化合物26)は、7-フルオロクロマン-4-オンおよびtert-ブチル (プロピルスルホニル)カルバメートから出発して化合物47-50の合成と同様の操作を用いて合成され得る。
実施例10. (R)-1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミド(化合物28)および(S)-1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミド(化合物27)の製造
tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)シクロプロピル)スルホニル)カルバメートの合成:
tert-ブチル シクロプロピルスルホニルカルバメート(6.92g、28.2ミリモル)のTHF(100mL)中溶液に、t-BuLi(32.5mL、ペンタン中1.3M、42.3ミリモル)を約-78℃で添加し、つづいて7-フルオロクロマン-4-オン(2.4g、14.1ミリモル)のTHF(50mL)中溶液を加えた。反応物をこの温度で約2時間攪拌し、ついで約室温で新たに約2時間にわたって攪拌した。NHCl飽和水溶液(20mL)を反応容器に加え、得られた2相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(3x40mL)および水(2x20mL)で洗浄した。有機層を合わせ、乾燥かつ真空下で濃縮させた。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(90%:10%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)シクロプロピル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=410[M+Na]
1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミドの合成:
tert-ブチル tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)シクロプロピル)スルホニル)カルバメート(2.4g、4.95ミリモル)のDCM(3mL)中溶液に、TES(1.72g、14.8ミリモル)およびTFA(5.64g、49.5ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、ついで溶媒を除去した。残渣をMeOH(15mL)に溶かし、Pd/C(10%、湿式)(728mg)を添加した。混合物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(50%:50%)の勾配溶出に供して精製し、1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=294.1[M+Na]
(R)-1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミド(化合物28)および(S)-1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミド(化合物27)の合成
1-(7-フルオロクロマン-4-イル)シクロプロパン-1-スルホンアミド(1.6g)のラセミ混合物をキラルHPLCによって次の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物28(P1)(保持時間:1.17分間)
MS(ESI):m/z=294.1[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.23-7.04(m,1H)、6.50(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.38(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.30-4.18(m,1H)、4.13-4.05(m,1H)、3.60(t,J=5.5Hz,1H)、2.48(dtd,J=14.4、5.7、3.3Hz,1H)、2.06-1.88(m,1H)、1.40-1.25(m,1H)、1.22-1.12(m,1H)、0.88-0.77(m,1H)、0.59-0.45(m,1H);および
化合物27(P2)(保持時間:2.17分間)
MS(ESI):m/z=294.1[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.13(dd,J=8.4、6.8Hz,1H)、6.50(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.38(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.34-4.15(m,1H)、4.16-4.00(m,1H)、3.60(t,J=5.5Hz,1H)、2.48(dtd,J=14.5、5.7、3.3Hz,1H)、1.98(ddd,J=18.8、9.4、4.6Hz,1H)、1.36-1.24(m,1H)、1.24-1.11(m,1H)、0.92-0.68(m,1H)、0.52(ddd,J=9.7、6.7、5.3Hz,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=55/45
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4.4分間
サンプル溶液:1600mgを60mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9ml
実施例11. (R)-(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物30)および(S)-(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物29)の製造
6,7-ジフルオロ-4H-クロメン-4-オンの合成
1-(4,5-ジフルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(2g、11.0ミリモル)に、DMFを添加した。DMA(20mL)反応物を約70℃のN下で約2時間にわたって攪拌した。水(100mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、水層をEtOAc(3x200mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。残渣をDCM(200mL)に溶かし、HCl(6M水溶液、20mL)を添加した。反応物を約100℃で約2時間にわたって攪拌した。DCM(30mL)を該反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、水層をDCM(3x30mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(50%:50%)のイソクラティック溶出に供して精製し、6,7-ジフルオロ-4H-クロメン-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=183.1[M+H]
6,7-ジフルオロクロマン-4-オンの合成
6,7-ジフルオロ-4H-クロメン-4-オン(12.4g、57.6ミリモル)のEtOAc(120mL)中溶液に、TEA(8.74g、86.4ミリモル)およびPd/C(10%)(2.718g、4.14ミリモル)を添加した。反応物を約室温のH下で約16時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮して6,7-ジフルオロクロマン-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=185.1[M+H]
tert-ブチル (((6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメートの合成:
tert-ブチル メチルスルホニルカルバメート(8.9g、45.6ミリモル)のTHF(150mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、70.2mL、91.2ミリモル)を添加した。混合物を約-78℃で1時間にわたって攪拌し、6,7-ジフルオロクロマン-4-オン(6.6g、30.4ミリモル)/THF(20mL)を添加した。反応混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、飽和NHCl(水性、30mL)を反応容器に加えた。得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、水相をEtOAc(3x30mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(80%:20%)のイソクラティック溶出に供してtert-ブチル N-[(6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=401.8[M+Na]
(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル N-[(6,7-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメート(3.6g、9.48ミリモル)のDCM(40mL)中溶液に、TES(3.30g、28.4ミリモル)およびTFA(10.8g、94.8ミリモル)を添加した。反応混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、真空下で濃縮した。残渣をMeOH(50mL)に溶かし、Pd/C(10%)(460mg)を添加した。混合物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮して(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=286.0[M+Na]
(R)-(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物30)および(S)-(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物29)の合成
(6,7-ジフルオロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドをキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物30(P1)(保持時間=0.927分間)
MS(ESI):m/z=286.0.[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.05(dd,J=11.2、9.0Hz,1H)、6.56(dd,J=11.9、7.1Hz,1H)、4.21-3.95(m,2H)、3.42-3.23(m,3H)、2.23-1.98(m,2H);および
化合物29(P2)(保持時間=1.202分間)
MS(ESI):m/z=286.0.[M+Na]
H NMR(500MHz、CDOD) δ 7.05(dd,J=11.2、8.9Hz,1H)、6.56(dd,J=11.8、7.1Hz,1H)、4.16-4.00(m,2H)、3.35-3.25(m,3H)、2.18-2.04(m,2H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AY 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/EtOH(0.5%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:5.5分間
サンプル溶液:3500mgを90mLのMeOHに溶かす
注入容量:0.6mL
実施例12. (R)-(7-クロロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物32)および(S)-(7-クロロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物31)の製造
tert-ブチル (((7-クロロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)-カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(3.82g、19.6ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、t-BuLi(ヘプタン中1.3M、30.1mL、39.2ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で1時間にわたって攪拌した後、7-クロロクロマン-4-オン(2g、10.9ミリモル)/THF(10mL)を添加した。混合物を約-78℃で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、水(80mL)を添加して反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加してそのpHを5に調整した。混合物をEtOAc(100mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((7-クロロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=400[M+Na]
tert-ブチル (((7-クロロクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成:
粗tert-ブチル (((7-クロロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメートのDCM(40mL)中溶液に、TES(3.22g、27.7ミリモル)を約0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、BF・EtO(8.36g、58.9ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約3時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物をろ過し、ろ過ケークをアセトンおよび水から再結晶し、tert-ブチル (((7-クロロクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=262[M+H]
(R)-(7-クロロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物32)および(S)-(7-クロロクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物31)の合成
tert-ブチル (((7-クロロクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(674mg)をキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物32(P1)(保持時間=0.94分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.20(d,J=8.3Hz,1H)、6.89(dd,J=8.3、2.2Hz,1H)、6.80(d,J=2.1Hz,1H)、4.25(dt,J=11.1、4.3Hz,1H)、4.22-4.14(m,1H)、3.51-3.35(m,3H)、2.31(ddd,J=14.4、7.3、4.5Hz,1H)、2.22(ddd,J=14.3、9.4、4.5Hz,1H);および
化合物31(P2)(保持時間=1.19分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.18(d,J=8.3Hz,1H)、6.87(dd,J=8.3、2.2Hz,1H)、6.78(d,J=2.1Hz,1H)、4.27-4.20(m,1H)、4.20-4.12(m,1H)、3.50-3.53(m,3H)、2.27(dd,J=7.4、4.6Hz,1H)、2.21(dd,J=9.6、4.5Hz,1H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AY 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=75/25
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.1分間
サンプル溶液:670mgを35mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.0mL
実施例13. ((2S,4R)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物34)、((2R,4S)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物33)、((2S,4S)-2-メチルクロマン-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物35)および((2R,4R)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物36)の製造
tert-ブチル (((4-ヒドロキシ-2-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成:
tert-ブチル (メチルスルホニル)カルバメート(3.12g、16.0ミリモル)のTHF(40mL)中溶液に、t-BuLi(ヘキサン中1.3N、24.6mL、32.0ミリモル)を約-78℃のN下で添加した。約30分間攪拌した後、2-メチルクロマン-4-オン(1.85g、10.7ミリモル)のTHF(40mL)中溶液を添加した。反応物を攪拌し、約2時間にわたって室温にまで徐々に加温した。飽和NHCl(水性、100mL)を反応容器に加えた。混合物を飽和クエン酸(水性)を用いてpHが約4になるまで酸性とし、EtOAc(3x100mL)で抽出した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(95%:5%)で溶出して精製し、tert-ブチル (((4-ヒドロキシ-2-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=380.1.[M+Na]
(2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((4-ヒドロキシ-2-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(1.29g、3.10ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に、TFA(2.82g、24.8ミリモル)およびTES(1.08g、9.30ミリモル)を添加した。約室温で約16時間にわたって攪拌した後、混合物を濃縮した。残渣をMeOH(15mL)に溶かし、Pd/C(10%湿式、567mg)を添加した。混合物を約外界温度のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、溶媒を真空下で除去し、粗(2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを、LCMS分析に基づいて、エナンチオマーの2対について20:1の割合で、4つのジアステレオマーの混合物として得た。
((2S,4R)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物34)、((2R,4S)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物33)、((2S,4S)-2-メチルクロマン-4-イル)メタン-スルホンアミド(化合物35)および((2R,4R)-2-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物36)の合成
工程2からのジアステレオマー混合物をキラルHPLCを用いて分離し、2つのメジャーエナンチオマーを得た。
化合物34(P1)(保持時間:2.49分間)
MS(ESI):m/z=264.1[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.30-7.28(d,J=7.8Hz,1H)、7.12-7.08(t,J=7.7Hz,1H)、6.91-6.88(t,J=7.4Hz,1H)、6.78-6.76(dd,J=8.1Hz,1H)、4.13-4.09(m,1H)、4.09-4.08(dd,J=14.3、2.8Hz,1H)、3.83-3.79(dd,J=17.7、7.2Hz,1H)、3.57-3.53(dd,J=14.3、9.7Hz,1H)、3.33-3.32(dd,J=13.6、6.4Hz,1H)、2.63-2.58(dt,J=13.6、11.3Hz,1H)、1.65-1.56(d,J=6.2Hz,1H),1.41-1.39(d,3H);および
化合物33(P2)(保持時間:2.92分間)
MS(ESI):m/z=264.1[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.30-7.28(d,J=7.8Hz,1H)、7.12-7.08(t,J=7.7Hz,1H)、6.91-6.88(t,J=7.4Hz,1H)、6.78-6.76(dd,J=8.1Hz,1H)、4.13-4.09(m,1H)、4.09-4.08(dd,J=14.3、2.8Hz,1H)、3.83-3.79(dd,J=17.7、7.2Hz,1H)、3.57-3.53(dd,J=14.3、9.7Hz,1H)、3.33-3.32(dd,J=13.6、6.4Hz,1H)、2.63-2.58(dt,J=13.6、11.3Hz,1H)、1.65-1.56(d,J=6.2Hz,1H),1.41-1.39(d,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:OJ 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:6.8分間
サンプル溶液:600mgを35mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.0mL
実施例14. (R)-(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物38)および(S)-(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物37)の製造
tert-ブチル (4-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(1.17g、6.00ミリモル)のTHF(20mL)中溶液に、t-BuLi(9.23mL、ペンタン中1.3M、12.0ミリモル)を約-78℃で添加した。反応物をその温度で約1時間にわたって攪拌し、7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-オン(1g、4.62ミリモル)を添加した。次に反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。水(50mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。有機層を分離し、NaCl飽和水溶液(2x50mL)で洗浄した。有機液を合わせ、乾燥し、真空下で濃縮してtert-ブチル (4-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートを得た。MS(ESI):m/z 434[M+Na]
(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (4-ヒドロキシ-7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメート(1.5g、3.37ミリモル)のDCM(80mL)中溶液に、TFA(3.06g、26.9ミリモル)およびTES(1.17g、10.1ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc(50mL)に溶かし、Pd/C(0.7g、0.6568ミリモル)を添加した。反応物を約室温のH下で約16時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(90%:10%)の勾配溶出に供して精製し、(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z 318[M+23]
(R)-(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物38)および(S)-(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物37)の合成
(7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのラセミ混合物をキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物38(P1)(保持時間:0.842分間)
MS(ESI):m/z 318[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.43(d,J=8.0Hz,1H)、7.17(d,J=7.2Hz,1H)、7.05(s,1H)、4.43-4.17(m,2H)、3.63-3.52(m,1H)、3.51-3.37(m,2H)、2.45-2.21(m,2H);および
化合物37(P2)(保持時間:1.027分間)
MS(ESI):m/z 318[M+23]
H NMR(400MHz、MeOD) δ 7.43(d,J=8.0Hz,1H)、7.17(d,J=8.2Hz,1H)、7.05(s,1H)、4.40-4.16(m,2H)、3.61-3.52(m,1H)、3.52-3.36(m,2H)、2.46-2.19(m,2H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-150(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=70/30
流速:100g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3分間
サンプル溶液:850mgを30mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9mL
実施例15. ((3S,4R)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物40)、((3R,4S)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物39)、((3S,4S)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物41)および((3R,4R)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物42)の製造
tert-ブチル (4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル-スルホニルカルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(5.44g、27.9ミリモル)のTHF(200mL)中溶液に、t-BuLi(43mL、ペンタン中1.3M、55.9ミリモル)を約-78℃で添加した。反応物をこの温度で約0.5時間攪拌し、3-メチルクロマン-4-オン(3.6g、21.5ミリモル)のTHF(10mL)中溶液を滴下して加えた。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。水(100mL)およびEtOAc(200mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。有機層を分離し、NaCl飽和水溶液(2x50mL)で洗浄した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(80%:20%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメートを得た。MS(ESI):m/z 380[M+Na]
(3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチルスルホニルカルバメート(7.1g、17.8ミリモル)のDCM(80mL)中溶液に、TES(6.20g、53.4ミリモル)およびTFA(16.1g、142ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌し、次に溶媒を真空下で除去した。残渣をEtOAc(100mL)に溶かし、それにPd/C(7g、6.57ミリモル)を添加した。反応物を約室温のH下で約16時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を真空下で濃縮して(3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(4.27g)をジアステレオマーの混合物として得た。MS(ESI):m/z 264[M+1]
((3S,4R)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物40)、((3R,4S)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物39)、((3S,4S)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物41)および((3R,4R)-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物42)の合成
(3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのジアステレオマー混合物をキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、4つのジアステレオマーを得た。
化合物40(P1)(保持時間:2.697分間)
MS(ESI):m/z 264[M+1]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.26-7.20(m,1H)、7.15-7.08(m,1H)、6.93-6.87(m,1H)、6.80-6.74(m,1H)、4.19-4.13(m,1H)、4.04-3.96(m,1H)、3.44(dd,J=14.6、9.3Hz,1H)、3.39-3.34(m,1H)、3.11(d,J=9.2Hz,1H)、2.54-2.40(m,1H)、1.10(d,J=7.1Hz,3H);
化合物39(P2)(保持時間:3.730分間)
MS(ESI):m/z 264[M+1]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.26-7.20(m,1H)、7.15-7.08(m,1H)、6.94-6.86(m,1H)、6.80-6.74(m,1H)、4.21-4.13(m,1H)、4.04-3.97(m,1H)、3.50-3.40(m,1H)、3.40-3.34(m,1H)、3.11(d,J=9.4Hz,1H)、2.54-2.42(m,1H)、1.10(d,J=7.1Hz,3H);
化合物42(P3)(保持時間:4.270分間)
MS(ESI):m/z 264[M+1]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.33(d,J=7.7Hz,1H)、7.16-7.07(m,1H)、6.92-6.82(m,1H)、6.79-6.72(m,1H)、4.21-4.11(m,1H)、4.02-3.91(m,1H)、3.61-3.53(m,1H)、3.53-3.37(m,2H)、2.53-2.38(m,1H)、1.09(d,J=7.0Hz,3H);および
化合物41(P4)(保持時間:5.137分間)
MS(ESI):m/z 264[M+1]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.33(d,J=7.7Hz,1H)、7.11(t,J=7.1Hz,1H)、6.87(t,J=7.5Hz,1H)、6.75(d,J=8.1Hz,1H)、4.23-4.10(m,1H)、4.03-3.91(m,1H)、3.59-3.52(m,1H)、3.52-3.36(m,2H)、2.52-2.38(m,1H)、1.09(d,J=7.0Hz,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-200(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=90/10
流速:140g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:9.5分間
サンプル溶液:4600mgを45mlのMeOHに溶かす
注入容量:0.8mL
実施例16. (R)-(7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物44)および(S)-(7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物43)の製造
3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オールの合成
2-ブロモ-5-フルオロフェノール(3g、15.7ミリモル)のDMF(50mL)中溶液に、KCO(4.32g、31.3ミリモル)、3-ブロモ-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(2.60g、15.6ミリモル)を添加した。反応混合物を約120℃で約16時間にわたって攪拌した。EtOAc(100mL)および水(200mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相を水(2x50mL)およびNaCl飽和水溶液(2x50mL)で洗浄した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.20g)を得た。MS(ESI):m/z=259、261[M-OH]
3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパナールの合成
3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン-1-オール(1.2g、4.33ミリモル)のDCM(50mL)中溶液に、PCC(1.21g、5.62ミリモル)を添加した。反応混合物を約室温で約4時間にわたって攪拌して溶媒を除去した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(90%:10%)の勾配溶出に供して精製し、3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパナールを得た。MS(ESI):m/z=257、259[M-OH]
7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-オンの合成
3-(2-ブロモ-5-フルオロフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパナール(1g、3.63ミリモル)の1,4-ジオキサン(20mL)中溶液に、Pd(OAc)(81.4mg、363マイクロモル)、PPh(237mg、907マイクロモル)およびKCO(1.49g、10.8ミリモル)をN下で添加した。反応混合物を約120℃に加熱し、混合物をこの温度で約16時間攪拌した。水(40mL)およびEtOAc(40mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相を水(2x40mL)およびNaCl飽和水溶液(2x40mL)で洗浄した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-オンを得た。MS(ESI):m/z=195[M+H]
tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル (メチルスルホニル)カルバメート(570mg、2.92ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、4.5mL、5.84ミリモル)を約-78℃のN下で添加した。混合物をこの温度で約30分間攪拌し、次に7-フルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-オン(380mg、1.95ミリモル)/THF(30mL)を添加した。反応物を攪拌し、約2時間にわたって室温にまで徐々に加温した。NHCl飽和水溶液(20mL)およびEtOAc(20mL)を反応容器に加え、得られた二相混合物を分離漏斗に移した。層を分離し、有機相を水(50mL)およびNaCl飽和水溶液(50mL)で洗浄した。有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(50%:50%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル N-[(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=412[M+Na]
(7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル N-[(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメート(510mg、1.30ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に、TFA(4.82mL、65.0ミリモル)およびTES(2.06mL、13.0ミリモル)を添加した。反応混合物を加熱して還流させ、混合物をこの温度で約4時間攪拌した。混合物を濃縮し、(7-フルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=274[M+H]
(R)-(7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物44)および(S)-(7-フルオロ-3,3-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物43)の合成
(7-フルオロ-3,3-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホンアミドをキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物44(P1)(保持時間=2.543分間)
H NMR(400MHz、MeOD) δ 7.54(dd,J=8.8、6.4Hz,1H)、6.64(td,J=8.4、2.4Hz,1H)、6.48(dd,J=10.4、2.8Hz,1H)、3.84(dd,J=14.0、3.2Hz,2H)、3.53(dd,J=14.8、2.8Hz,1H)、3.25(dd,J=14.8、6Hz,1H)、3.12(m,1H)、1.07(s,3H)、1.00(s,3 H);および
化合物43(P2)(保持時間=3.163分間)
H NMR(400MHz、MeOD) δ 7.54(dd,J=8.8、6.4Hz,1H)、6.64(td,J=8.4、2.4Hz,1H)、6.48(dd,J=10.4、2.8Hz,1H)、3.84(dd,J=14.0、3.2Hz,2H)、3.53(dd,J=14.8、2.8Hz,1H)、3.25(dd,J=14.8、6Hz,1H)、3.12(m,1H)、1.07(s,3H)、1.00(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Waters)
カラム:CHIRALPAK AD 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4分間
注入容量:1.0ml
サンプル溶液:320mgを25mLのMeOHに溶かす
実施例17. (S)-(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物46)および(R)-(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物45)の製造
7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オンの合成
1-(4-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(25g、162ミリモル)のMeOH(200mL)中溶液に、アセトン(18.8g、324ミリモル)およびピロリジン(13.7g、194ミリモル)を添加した。約室温で約16時間にわたって攪拌した後、混合物を真空下で濃縮した。EtOAc(200mL)および水(150mL)を残渣に加え、相を分離した。有機層をHCl(1M水性、50mL)およびNaHCO溶液(飽和、50mL)で洗浄し、次に乾燥させて濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オンを得た。(ESI):m/z=195.1[M+H]
tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(13.0g、66.8ミリモル)のTHF(50mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、102mL、133ミリモル)を約-78℃の窒素下で添加した。約-78℃で1時間にわたって攪拌した後、7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オン(10g、51.4ミリモル)のTHF(20mL)中溶液をこの温度で添加した。混合物を約2時間にわたって攪拌しながら約室温にまで加温させた。水(150mL)を添加し、反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加してそのpHが約4になるように調整した。混合物をEtOAc(100mLx3)で抽出し、有機相を乾燥させて濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。(ESI):m/z=412[M+Na]
(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(30g、77.0ミリモル)のDCM(80mL)中溶液に、TES(44.6g、385ミリモル)を0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、TFA(87.7g、770ミリモル)を添加した。混合物を約室温で16時間にわたって攪拌し、溶媒を真空下で除去した。残渣をMeOH(200mL)に溶かし、Pd/C(10%湿式)(2.32g)を添加した。反応物を約室温のH下雰囲気下で約4時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮し、得られた物質をEtOAc/n-ヘキサン(1:3、30mL)で、ついでアセトン/HO(1:10、20mL)で洗浄し、(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。LCMS:ESI:m/z=274[M+H]
(S)-(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物46)および(R)-(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物45)の合成
(7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのラセミ混合物をキラルHPLCを用いて分離し、2つの単一エナンチオマーを得た。
化合物46:(P1、保持時間:1.62分間)
(ESI)m/z:274[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.34(dd,J=7.8、6.6Hz,1H)、6.64(td,J=8.5、2.7Hz,1H)、6.48(dd,J=10.4、2.7Hz,1H)、3.80(dd,J=14.3、3.0Hz,1H)、3.47(dd,J=17.7、9.6Hz,1H)、3.20(dd,J=14.3、9.3Hz,1H)、2.44(dd,J=13.8、6.4Hz,1H)、1.75(dd,J=13.7、11.2Hz,1H)、1.43(s,3H)、1.28(s,3H);および
化合物45:(P2、保持時間:2.04分間)
(ESI)m/z:274[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.34(dd,J=7.8、6.6Hz,1H)、6.64(td,J=8.5、2.7Hz,1H)、6.48(dd,J=10.4、2.7Hz,1H)、3.80(dd,J=14.3、3.0Hz,1H)、3.47(dt,J=12.5、9.7Hz,1H)、3.19(dt,J=16.4、8.2Hz,1H)、2.44(dd,J=13.8、6.4Hz,1H)、1.75(dd,J=13.8、11.2Hz,1H)、1.43(s,3H)、1.27(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-150(Thar, Waters)
カラム:AD 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:100g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4分間
サンプル溶液:15gを200mLのMeOHに溶かす
注入容量:2mL
実施例18. (S)-1-((R)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物48)、(R)-1-((S)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物47)、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物50)および(R)-1-((R)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物49)の製造
tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル (エチルスルホニル)カルバメート(8.87g、42.4ミリモル)のTHF(100mL)中溶液に、t-BuLi(ヘプタン中1.3M、54.3ml、70.7ミリモル)を約-78℃のN下で添加した。約-78℃で約1時間にわたって攪拌した後、7-フルオロ-2、2-ジメチルクロマン-4-オン(5.5g、28.3ミリモル)/THF(10mL)を添加し、混合物を約6時間にわたって約室温になるまで攪拌しながら徐々に加温させた。水(80mL)を添加し、反応物をクエンチさせ、クエン酸を添加し、そのpHを5に調整した。混合物をEtOAc(100mLx3)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2、2-ジメチルクロマン-4-イル)エチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=421[M+HO]
1-(7-フルオロ-2、2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミドの合成
tert-ブチル ((1-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-2、2-ジメチルクロマン-4-イル)エチル)スルホニル)カルバメート(2.8g、6.95ミリモル)のDCM(50mL)中溶液に、TES(4.0g、34.7ミリモル)を約0℃で添加した。約0℃で約30分間にわたって攪拌した後、TFA(7.9g、5.1mL)を添加した。反応物を約室温で16時間にわたって攪拌した。濃縮した後、残渣をDCM(100mL)に溶かし、HO(50mLx2)で洗浄した。有機層を乾燥させて真空下で濃縮した。得られた物質をMeOH(20mL)に溶かし、Pd/C(10%、370mg)を添加した。混合物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮して、残渣をPE/EtOAc(3:1、3x10mL)で洗浄して1-(7-フルオロ-2、2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=309[M+Na]
(S)-1-((R)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物48)、(R)-1-((S)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物47)、(S)-1-((S)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物50)および(R)-1-((R)-7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(化合物49)の合成
1-(7-フルオロ-2、2-ジメチルクロマン-4-イル)エタン-1-スルホンアミド(ジアステレオマーの混合物)をキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離した。2つのメジャージアステレオマー(エナンチオマーのメジャー対)を単離した。
化合物48(P1)(保持時間=1.30分間)
MS(ESI):m/z=288、310[M+H、M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD): δ 7.71-7.67(m,1H)、6.61-6.56(m,1H)、6.48-6.45(m,1H)、3.68-3.63(m,1H)、3.60-3.54(m,1H)、2.02-1.91(m,2H)、1.44(s,3H)、1.31(d,J=7.2Hz,3H)、1.25(s,3H);および
化合物47(P2)(保持時間=2.10分間)
MS(ESI):m/z=288、310[M+H、M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD):7.68-7.64(m,1H)、6.59-6.54(m,1H)、6.46-6.42(m,1H)、3.66-3.62(m,1H)、3.57-3.52(m,1H)、2.00-1.89(m,2H)、1.42(s,3H)、1.29(d,J=7.2Hz,3H)、1.23(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AY 20x250mm、10μm(Daicel);
カラム温度:35℃;
移動相:CO/EtOH(0.5%MeOH アンモニア)=85/15;
流速:80g/分;
背圧:100バール;
検出波長:214nm;
サイクル時間:3.2分間;
サンプル溶液:1500mgを35mlのMeOHに溶かす;
注入容量:1.0mL
実施例19. (R)-2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物52)および(S)-2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物51)の製造
2-(7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)プロパン-2- スルホンアミドの合成
tert-ブチル N-(プロパン-2-スルホニル)カルバメート(2g、8.95ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、13.7mL、17.9ミリモル)を約-78℃のN下で添加した。この温度で約1時間にわたって攪拌した後、7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-オン(1.18g、7.15ミリモル)のTHF(5mL)中溶液を添加した。混合物を同じ温度で別途約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物を水(80mL)でクエンチさせ、pHが約4となるまで飽和クエン酸で酸性にし、酢酸エチル(80mLx2)で抽出した。有機層を乾燥させ、溶媒を真空下で除去して残渣を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(5:1)に供して精製し、2-(7-フルオロ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=412[M+Na]
2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミドの合成
tert-ブチル N-[2-(7-フルオロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)プロパン-2-スルホニル]カルバメート(1.3g、3.33ミリモル)およびTES(1.15g、9.99ミリモル)のDCM(20mL)中溶液に、TFA(3.03g、26.6ミリモル)を添加した。混合物を約室温で一夜にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を真空下で除去して残渣を得、それを酢酸(15mL)に溶かした。該溶液に、Pd/C(391mg、3.68ミリモル)を添加した。混合物を60℃のH下で一夜にわたって攪拌した。完了したら、混合物を珪藻土を通してろ過し、ろ液を真空下にて蒸発させて粗生成物を得、それを0.01%水性TFAでの分取性HPLCに付して精製し、2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミドを得た。MS(ESI):m/z=296[M+Na]
(R)-2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物52)および(S)-2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミド(化合物51)の合成
2-(7-フルオロクロマン-4-イル)プロパン-2-スルホンアミドをキラルHPLCによって以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物52(P1):(保持時間:1.45分間)
MS(ESI):m/z:296[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD): δ 7.21(dd,J=6.8、8.8Hz,1H)、6.63-6.53(m,2H)、4.50-4.43(m,1H)、4.31-4.27(m,1H)、3.37-3.34(m,1H)、2.84-2.79(m,1H)、2.05-1.95(m,1H)、1.44(s,3H)、1.29(s,3H);および
化合物51(P2):(保持時間:1.86分間)
MS(ESI):m/z:296[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD): δ 7.21(dd,J=6.8、8.8Hz,1H)、6.63-6.53(m,2H)、4.50-4.43(m,1H)、4.31-4.27(m,1H)、3.37-3.34(m,1H)、2.84-2.79(m,1H)、2.05-1.95(m,1H)、1.44(s,3H)、1.29(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AD-H 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:5.5分間
実施例20. ((3S,4R)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物54)、((3R,4S)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物53)、((3S,4S)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物55)および((3R,4R)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物56)の製造
tert-ブチル (((6-フルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(2g、10.2ミリモル)のTHF(25mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、15.7mL、20.4ミリモル)を約-78℃のN下で添加した。約-78℃で約1時間にわたって攪拌した後、6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-オン(918mg、5.10ミリモル)のTHF(15mL)中溶液を添加した。混合物を約-78℃でさらに約3時間にわたって攪拌し、飽和NHCl(水性、20mL)を用いてクエンチさせ、つづいてpHが約6になるまでクエン酸を添加した。混合物をEtOAc(25mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((6-フルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。MS(ESI):m/z=398[M+Na]
(6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((6-フルオロ-4-ヒドロキシ-3-メチルクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(1.7g、4.52ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に、TES(1.56g、13.5ミリモル)を約0℃で添加した。0℃で30分間にわたって攪拌した後、TFA(6.20g、54.2ミリモル)を添加した。混合物を約室温で約16時間にわたって攪拌して濃縮した。残渣をメタノール(10mL)に溶かし、Pd/C(10%湿式、949mg)を添加した。混合物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。ろ過した後、ろ液を濃縮して(6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの粗ジアステレオマー混合物を、エナンチオマーの2対について約20:1の割合で得た。MS(ESI):m/z=282[M+Na]
((3S,4R)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物54)、((3R,4S)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物53)、((3S,4S)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物55)および((3R,4R)-6-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物56)の合成
工程2からのジアステレオマー混合物をキラルHPLCを用いて分離した。2つのエナンチオマーのうちメジャー対だけが得られた。マイナージアステレオマーは分離の際に失われた。
化合物54(P1)(保持時間:1.661分間)
MS(ESI):m/z 282[M+Na]
H NMR(500MHz、CDOD): δ 7.04-7.01(m,1H)、6.90-6.86(m,1H)、6.78-6.75(m,1H)、4.15-4.12(m,1H)、4.00-3.97(m,1H)、3.47-3.43(m,1H)、3.38-3.37(m,1H)、3.10-3.09(m,1H)、2.43-2.42(m,1H)、1.10(d,J=7.1Hz,3H);および
化合物53(P2)(保持時間:2.335分間)
MS(ESI):m/z 282[M+Na]
H NMR(500MHz、CDOD): δ 7.04-7.01(m,1H)、6.90-6.86(m,1H)、6.78-6.75(m,1H)、4.15-4.12(m,1H)、4.00-3.97(m,1H)、3.47-3.43(m,1H)、3.38-3.37(m,1H)、3.10-3.09(m,1H)、2.43-2.42(m,1H)、1.10(d,J=7.1Hz,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:AS 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=75/25
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.3分間
サンプル溶液:700mgを30mLのMeOHに溶かす
注入容量:1.9mL
実施例21. (R)-(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物58)および(S)-(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物57)の製造
tert-ブチル N-[(4-ヒドロキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメートの合成:
tert-ブチル N-メタンスルホニルカルバメート(960mg、4.92ミリモル)のTHF(10mL)中溶液に、t-BuLi(ペンタン中1.3M、7.56mL、9.84ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約40分間にわたって攪拌した後、7-メチルクロマン-4-オン(0.4g、2.46ミリモル)/THF(2mL)を添加した。反応物を約-78℃で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、水(50mL)を添加し、反応物をクエンチさせ、次にクエン酸を添加してそのpHを約5に調整した。混合物をEtOAc(50mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(70%:30%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル N-[(4-ヒドロキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメートを得た。ESI:m/z=380[M+Na]
(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル N-[(4-ヒドロキシ-7-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)メタンスルホニル]カルバメート(0.7g、1.95ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に、TES(679mg、5.84ミリモル)を約0℃で添加した。0℃で20分間にわたって攪拌した後、TFA(2.65g、23.3ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約16時間にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を除去し、残渣をアセトンおよび水から再結晶し、(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。ESI:m/z=264[M+Na]
(R)-(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物58)および(S)-(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物57)の合成
(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのラセミ混合物(260mg)をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物58(保持時間=1.503分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.07(d,J=7.8Hz,1H)、6.74-6.68(m,1H)、6.59(s,1H)、4.23-4.09(m,2H)、3.45(dd,J=10.1、4.2Hz,2H)、3.39-3.34(m,1H)、2.35-2.14(m,5H);および
化合物57(保持時間=1.845分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.08(d,J=7.8Hz,1H)、6.71(d,J=7.8Hz,1H)、6.59(s,1H)、4.24-4.10(m,2H)、3.45(dd,J=10.2、4.4Hz,2H)、3.39-3.34(m,1H)、2.47-2.01(m,5H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=70/30
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.0分間
サンプル溶液:260mgを25mlのMeOHに溶かす
注入容量:0.8ml
実施例22. (R)-(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物60)および(S)-(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物59)の製造
tert-ブチル (((7-ブロモ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)-スルホニル)カルバメートの合成
tert-ブチル (メチルスルホニル)カルバメート(2.90g、14.9ミリモル)のTHF(40mL)中溶液に、t-BuLi(1.3M)(23.0mL、29.9ミリモル)を約-78℃で添加した。約-78℃で約1時間にわたって攪拌した後、7-ブロモクロマン-4-オン(2.27g、9.99ミリモル)/THF(10mL)を添加した。反応物を約-78℃で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、水(80mL)を添加し、反応物をクエンチさせ、次にクエン酸を添加してそのpHを約5に調整した。混合物をEtOAc(100mLx2)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(75%:25%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (((7-ブロモ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメートを得た。ESI:m/z=444,446[M+Na]
(7-ブロモクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成
tert-ブチル (((7-ブロモ-4-ヒドロキシクロマン-4-イル)メチル)スルホニル)カルバメート(3.6g、8.52ミリモル)のDCM(40mL)中溶液に、TES(2.96g、25.5ミリモル)を約0℃で添加した。0℃で20分間にわたって攪拌した後、BF・EtO(25.5ミリモル)を添加し、混合物を約室温で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよびPEでトリチュレートして7-ブロモクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。ESI:m/z=328、330[M+Na]
(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドの合成:
(7-ブロモクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(0.918g、2.99ミリモル)のDMF(10mL)中溶液に、シアン化亜鉛(702mg、5.98ミリモル)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(345mg、299マイクロモル)を添加した。反応混合物を約125℃に加熱し、マイクロ波の照射下にてその温度で約2時間にわたって攪拌した。冷却した後、混合物をブライン(100mLx4)で洗浄し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。残渣を分取性HPLCに付して精製し、(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドを得た。ESI:m/z=253[M+H]
(R)-(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物60)および(S)-(7-シアノクロマン-4-イル)メタンスルホンアミド(化合物59)の合成
(7-メチルクロマン-4-イル)メタンスルホンアミドのラセミ混合物(330mg)をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物60(保持時間=1.512分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.42(d,J=8.0Hz,1H)、7.23(dd,J=8.0、1.5Hz,1H)、7.14(d,J=1.4Hz,1H)、4.31(dt,J=11.2、4.3Hz,1H)、4.28-4.19(m,1H)、3.55(dt,J=8.8、4.4Hz,1H)、3.45-3.32(m,2H)、2.39-2.30(m,1H)、2.9~2.20(m,1H);および
化合物59(保持時間= 2.909分間)
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.30(d,J=8.0Hz,1H)、7.10(dd,J=8.0、1.6Hz,1H)、7.02(d,J=1.5Hz,1H)、4.19(dt,J=11.1、4.3Hz,1H)、4.16-4.08(m,1H)、3.43(dt,J=8.8、4.5Hz,1H)、3.38-3.27(m,2H)、2.39-2.30(m,1H)、2.29-2.20(m,1H)
キラル分離条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=45/55
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:4.0分間
サンプル溶液:340mgを25mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9mL
実施例23. (4(R))-4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物66)および(4(S))-4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物65)の製造
7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-アミンの合成:
7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-オン(2.5g、11.5ミリモル)のMeOH(50mL)中溶液に、O-ベンジルヒドロキシルアミン・HCl塩(2.18g、13.7ミリモル)を添加した。反応混合物を約70℃に加熱し、この温度で約2時間攪拌した。次に混合物を約0℃に冷却した。ボラン-ジメチルスルフィド(30mL)をそれに約0℃で添加した。次に混合物を約70℃まで加熱し、混合物をこの温度で約16時間攪拌した。室温に冷却して、HCl(1M、30mL)を反応容器に加え、得られた混合物のpH値をNaOH(水性、2M)をゆっくりと加えることで約9に調整した。混合物をDCM(3x100mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水NaSO上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-アミンを得た。MS(ESI):m/z=201[M+H]
4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンの合成
7-(トリフルオロメチル)クロマン-4-アミン(1.1g、5.06ミリモル)のピリジン(10mL)中溶液に、スルファモイルアミン(3.88g、40.4ミリモル)を添加した。反応混合物を約120℃に加熱し、その温度で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、反応混合物をEtOAc(100mL)に溶かし、次にHCl(6M水溶液、100mL)で洗浄した。有機層を乾燥かつ濃縮させた。粗生成物を分取性HPLCに付して精製し、4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンを得た。MS(ESI):m/z=319[M+Na]
(4(R))-4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物66)および(4(S))-4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物65)の合成
4-(スルファモイルアミノ)-7-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンをキラルHPLCを用いて以下の条件下で分離し、2つのエナンチオマーを得た:
化合物65(P1)(保持時間=1.25分間)
MS(ESI):m/z=319[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.68-7.66(d,J=8.1Hz,1H)、7.18-7.16(d,J=7.9Hz,1H)、7.042(s,1H)、4.66-4.63(m,1H)、4.33-4.30(t,J=5.4Hz,2H)、2.30-2.31(m,2H);および
化合物66(P2)(保持時間=1.95分間)
MS(ESI):m/z=319[M+Na]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.68-7.66(d,J=8.1Hz,1H)、7.19-7.16(dd,J=8.1、1.2Hz,1H)、7.04(s,1H)、4.66-4.63(t,J=5.6Hz,1H)、4.33-4.30(m,2H)、2.30 -2.21(m,2H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-150(Waters)
カラム:AD 20x250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=70/30
流速:120g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:6分間
サンプル溶液:760mgを30mLのMeOHに溶かす
注入容量:2mL
実施例24. (4(R))-7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメン(化合物68)および(4(S))-7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメン(化合物67)の製造
7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-アミンの合成
7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-オン(3g、15.4ミリモル)のMeOH(50mL)中溶液に、O-ベンジルヒドロキシルアミン(2.93g、18.4ミリモル)を添加した。反応混合物を約70℃に加熱し、その温度で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物を濃縮し、BH・MeS(THF中2N、40mL)を約0℃でゆっくりと添加した。次に混合物を約70℃で約16時間にわたって攪拌した。約室温に冷却してから、HCl(1M水溶液、30mL)を反応容器に加え、次にNaOH(2N、水性)をゆっくりと加え、そのpHを約9に調整した。混合物をDCM(3x100mL)で抽出し、有機液を合わせ、乾燥させて真空下で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-アミンを得た。MS(ESI):m/z=179[M-NH
7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメンの合成
7-フルオロ-2,2-ジメチルクロマン-4-アミン(0.686g、3.51ミリモル)のピリジン(8mL)中溶液に、スルファモイルアミン(2.69g、28.0ミリモル)を添加した。反応混合物を約120℃に加熱し、その温度で約2時間にわたって攪拌した。室温に冷却してから、DCM(30mL)およびHCl(1N、水性、30mL)を添加した。有機相を分離して濃縮した。残渣を分取性HPLCに付して精製し、7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメンを得た。MS(ESI):m/z=297[M+Na]
(4(R))-7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメン(化合物68)および(4(S))-7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメン(化合物67)の合成
7-フルオロ-2,2-ジメチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロクロメンのラセミ混合物をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物67(P1)(保持時間=1.63分間)
MS(ESI):m/z=297[M+23]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.61~7.57(m,1H)、6.66~6.61(m,1H)、6.46~6.43(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.60~4.56(dd,J=11.1、6.1Hz,1H)、2.40~2.35(dd,J=13.3、6.1Hz,1H)、1.87~1.81(m,1H)、1.44(s,3H)、1.32(s,3H);および
化合物68(P2)(保持時間=2.07分間)
MS(ESI):m/z=297[M+23]
H NMR(400MHz、CDOD) δ 7.61~7.57(m,1H)、6.66~6.61(m,1H)、6.46~6.43(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.60~4.56(dd,J=11.2、6.1Hz,1H)、2.40~2.35(dd,J=13.3、6.1Hz,1H)、1.87~1.81(m,1H)、1.44(s,3H)、1.32(s,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:OJ 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=85/15
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.9分間
サンプル溶液:550mgを30mLのMeOHに溶かす
注入容量:1.0mL
実施例25. 4(R))-7-フルオロ-4-[メチル(スルファモイル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物70)および4(S))-7-フルオロ-4-[メチル(スルファモイル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物69)の製造
7-フルオロクロマン-4-アミンの合成
7-フルオロクロマン-4-オン(2.0g、12.0ミリモル)のMeOH(30mL)中溶液に、O-ベンジルヒドロキシルアミン・HCl塩(2.28g、14.3ミリモル)を約室温で添加した。混合物を70℃で2時間にわたって攪拌した。約0℃に冷却してから、BH・MeS(20ml)を混合物にゆっくりと添加した。混合物を約70℃で約16時間にわたって攪拌した。室温に冷却してから、HCl(1M水溶液、30mL)を反応容器に加えた。NaOH(2N、水性)をゆっくりと添加し、そのpHを約9に調整した。混合物をDCM(30mLx3)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥かつ真空下で濃縮させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(100%:0%)~DCM/MeOH(95%:5%)の勾配溶出に供して精製し、7-フルオロクロマン-4-アミンを得た。MS(ESI):m/z=151[M-NH
7-フルオロ-N-メチルクロマン-4-アミンの合成
7-フルオロクロマン-4-アミン(1.1g、6.57ミリモル)のDCM(25mL)中溶液に、ジ-tert-ブチル ジカルボネート(1.71g、7.88ミリモル)およびTEA(1.98g、19.7ミリモル)を添加した。反応物を約室温で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物を 水(100mLx2)で洗浄し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(92%:8%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル (7-フルオロクロマン-4-イル)カルバメートを得た。ESI:m/z=290[M+Na]
tert-ブチル (7-フルオロクロマン-4-イル)カルバメート(1.7g、6.35ミリモル)のDMF(10mL)中溶液に、NaH(60%)(508mg、12.7ミリモル)を約0℃で添加した。混合物を約0℃で約1時間にわたって攪拌し、ヨードメタン(1.35g、9.52ミリモル)を添加した。約室温で2時間にわたって攪拌した後、水(80mL)およびEtOAc(150mL)を加えた。混合物をブライン(100mLx4)で洗浄し、有機層を合わせ、乾燥させて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(100%:0%)~PE/EtOAc(93%:7%)の勾配溶出に供して精製し、tert-ブチル N-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-N-メチルカルバメートを得た。ESI:m/z=304[M+Na]
tert-ブチル N-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-N-メチルカルバメート(0.85g、3.02ミリモル)のEtOAc(10mL)中溶液に、HCl/EtOAc(3M、10mL)を添加した。反応物を約室温で約3時間にわたって攪拌し、溶媒を除去した。残渣を水(30mL)に溶かし、NaOH(2N)を用いてpHを約10に中和し、次にDCM(50mLx2)で抽出した。有機相を乾燥かつ濃縮させて7-フルオロ-N-メチルクロマン-4-アミンを得た。ESI:m/z=151[M-30]
ベンジル(N-(7-フルオロクロマン-4-イル)-N-メチルスルファモイル)カルバメートの合成
[(クロロスルホニル)イミノ]メタノン(778mg、5.5ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に、ベンジルアルコール(594mg、5.5ミリモル)を約0℃で添加した。混合物を約室温で約0.5時間にわたって攪拌し、7-フルオロ-N-メチルクロマン-4-アミン(0.5g、2.75ミリモル)およびTEA(555mg、5.5ミリモル)のDCM(10mL)中溶液に0℃で注いだ。混合物をこの温度で新たに約1時間攪拌し、水(30mL)を添加した。クエン酸をゆっくりと添加し、そのpHを約5に調整した。混合物をDCM(50mLx2)で抽出し、有機相を乾燥させて濃縮した。残渣を分取性HPLCに付して精製し、ベンジル (N-(7-フルオロクロマン-4-イル)-N-メチルスルファモイル)カルバメートを得た。(ESI)m/z:417[M+Na]
N-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-N-メチルアミノスルホンアミドの合成:
ベンジル (N-(7-フルオロクロマン-4-イル)-N-メチルスルファモイル)カルバメート(0.74g、1.87ミリモル)のメタノール(20mL)中溶液に、Pd/C(10%)(196mg、1.87ミリモル)を添加した。反応物を約室温のH下で約2時間にわたって攪拌した。完了したら、混合物をろ過し、ろ液を真空下で濃縮した。残りの粗ラセミ体のN-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-N-メチルアミノスルホンアミド(0.44g)を、さらに精製することなく、次の工程に用いた。ESI:m/z=283[M+Na]
4(R))-7-フルオロ-4-[メチル(スルファモイル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物70)および4(S))-7-フルオロ-4-[メチル(スルファモイル)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物69)の合成
N-(7-フルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-イル)-N-メチルアミノスルホンアミド(0.44g)をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物70(P1)(保持時間=1.082分間)
H NMR(500MHz、CDOD) δ 7.41~ 7.34(m,1H)、6.68(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.53(dd,J=10.3、2.6Hz,1H)、5.17(t,J=8.1Hz,1H)、4.36(dt,J=11.3、3.9Hz,1H)、4.21~4.17(m,1H)、2.59(s,3H)、2.25~2.20(m,2H);および
化合物69(P2)(保持時間=1.895分間)
H NMR(500MHz、CDOD) δ 7.41~ 7.34(m,1H)、6.68(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.53(dd,J=10.3、2.6Hz,1H)、5.17(t,J=8.1Hz,1H)、4.36(dt,J=11.3、3.9Hz,1H)、4.21~4.17(m,1H)、2.59(s,3H)、2.25~2.20(m,2H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=55/45
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.5分間
サンプル溶液:440mgを35mlのMeOHに溶かす
注入容量:1.9ml
実施例26. 4(R))-7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物72)および4(S))-7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物71)の製造
7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンの合成
7-フルオロクロマン-4-アミン(6g、35.8ミリモル)のピリジン(100mL)中溶液に、スルファモイルアミン(27.4g、286ミリモル)を添加した。反応混合物を約120℃に加熱し、その温度で約1時間にわたって攪拌した。冷却してから、混合物を水(100mL)中に注いでろ過した。ろ過ケークを水(30mL)で濯ぎ、7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンを得た。MS(ESI):m/z=269[M+Na]
4(R))-7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物72)および4(S))-7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物71)の合成
7-フルオロ-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンのラセミ混合物(4g)をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、2つのエナンチオマーを得た。
化合物72(P1)(保持時間.:1.066分間)
MS(ESI):m/z 269[M+ Na]
H NMR(500MHz、CDOD)δ :7.47(dd,J=8.5、6.8Hz,1H)、6.66(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.51(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.56(t,J=5.0Hz,1H)、4.34-4.22(m,2H)、2.21(dd,J=10.6、5.2Hz,2H);および
化合物71(P2)(保持時間:3.211分間)
MS(ESI):m/z 269[M+ Na]
H NMR(500MHz、CDOD)δ :7.47(dd,J=8.5、6.8Hz,1H)、6.66(td,J=8.5、2.6Hz,1H)、6.51(dd,J=10.4、2.6Hz,1H)、4.56(t,J=5.0Hz,1H)、4.34-4.22(m,2H)、2.21(dd,J=10.6、5.2Hz,2H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:40℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=40/60
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:6分間
サンプル溶液:4gを200mlのメタノールに溶かす
注入容量:4ml
実施例27. (3(R),4(S))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物74)、(3(S),4(R))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物73)、(3(R),4(R))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物75)および(3(S),4(S))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物76)の製造
N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)-2-メチル プロパン-2-スルフィンアミドの合成
7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-オン(2.0g、11.1ミリモル)のTHF(30mL)中溶液に、2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(2.69g、22.2ミリモル)およびチタンエトキシド(7.59g、33.3ミリモル)を窒素下で添加した。混合物を攪拌しながら一夜にわたって加熱して還流させた。完了したら、混合物を水(200mL)でクエンチさせ、EtOAc(100mL)を添加した。物質をろ過で取り出し、層を分離した。有機層を乾燥かつ真空下で濃縮させた。残渣をMeOH(30mL)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(596mg、15.7ミリモル)を約0℃で添加した。混合物をこの温度で約1時間攪拌した。完了したら、混合物を水(150mL)でクエンチさせ、真空下にて蒸発させてメタノールを除去し、EtOAc(100mLx2)で抽出した。有機層を分離し、乾燥させて真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、PE/EtOAc(5/1)で溶出して精製し、N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)-2-メチル プロパン-2-スルフィンアミドを得た。(ESI)m/z:286[M+H]
7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-アミンの合成
N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(3.0g、10.5ミリモル)のMeOH(10mL)中溶液に、HCl/MeOH(3N、21mL、63.0ミリモル)を添加した。混合物を約室温で一夜にわたって攪拌し、ついで真空下にて蒸発乾固させた。水(150mL)を添加し、混合物をPE/EtOAc(2:1)(100mL)で洗浄し、NaOH(15%、水性)を用いてpHが約12となるまで塩基性とし、EtOAc(100mLx2)で抽出した。有機層を分離し、乾燥かつ真空下で濃縮し、7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-アミンを得た。(ESI)m/z:165[M-NH
tert-ブチル (N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)スルファモイル)カルバメートの合成
[(クロロスルホニル)イミノ]メタノン(1.67g、11.8ミリモル)のDCM(15mL)中溶液に、2-メチルプロパン-2-オール(873mg、11.8ミリモル)を0℃で添加した。混合物を約室温で約0.5時間にわたって攪拌し、ついで7-フルオロ-3-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-4-アミン(1.43g、7.89ミリモル)およびTEA(1.27g、12.6ミリモル)のDCM(15mL)中溶液に0℃で滴下して加えた。添加した後、混合物をこの温度で新たに約1時間攪拌し、飽和クエン酸(水性、50mL)でクエンチさせ、ジクロロメタン(50mLx2)で抽出した。有機相を乾燥かつ真空下で濃縮させた。残渣をEtO/DCM(8/1)でトリチュレートしてtert-ブチル (N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)スルファモイル)カルバメートを得た。(ESI)m/z:383[M+Na]
7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンの合成
tert-ブチル (N-(7-フルオロ-3-メチルクロマン-4-イル)スルファモイル)カルバメート(2.1g、5.82ミリモル)のDCM(15mL)中溶液に、HCl/ジオキサン(4N、14.5mL、58.2ミリモル)を約室温で添加した。混合物をこの温度で一夜にわたって攪拌し、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、DCM/MeOH(20:1)で溶出して精製し、7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンをジアステレオマーの混合物として得た。(ESI)m/z:283[M+Na]
(3(R),4(S))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物74)、(3(S),4(R))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物73)、(3(R),4(R))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物75)および(3(S),4(S))-7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメン(化合物76)の合成
7-フルオロ-3-メチル-4-(スルファモイルアミノ)-3,4-ジヒドロ-2(H)-クロメンのジアステレオマー混合物をキラルHPLCに付し、以下の条件を用いて分離し、4つのジアステレオマーを得た。
化合物75:P1(保持時間:0.866)
(ESI)m/z:283[M+Na]
1H-NMR(CDOD): δ 7.52-7.48(m,1H)、6.70-6.65(m,1H)、6.53-6.49(m,1H)、4.27-4.24(m,1H)、4.17(d,J=4.8Hz,1H)、4.02-3.98(m,1H)、2.28-2.26(m,1H)、1.07(d,J=7.2Hz,3H);
化合物73:P2(保持時間:1.001)
(ESI)m/z:283[M+Na]
1H-NMR(CDOD): δ 7.59-7.56(m,1H)、6.67-6.63(m,1H)、6.51-6.49(m,1H)、4.57(d,J=3.6Hz,1H)、4.15-4.12(m,1H)、3.94-3.90(m,1H)、2.32-2.27(m,1H)、1.11(d,J=5.2Hz,3H);
化合物76:P3(保持時間:1.300)
(ESI)m/z:283[M+Na]
1H-NMR(CDOD): δ 7.52-7.48(m,1H)、6.70-6.65(m,1H)、6.53-6.49(m,1H)、4.27-4.24(m,1H)、4.17(d,J=4.8Hz,1H)、4.02-3.98(m,1H)、2.28-2.26(m,1H)、1.07(d,J=7.2Hz,3H);および
化合物74:P4(保持時間:1.680)
(ESI)m/z:283[M+Na]
1H-NMR(CDOD): δ 7.59-7.56(m,1H)、6.67-6.63(m,1H)、6.51-6.49(m,1H)、4.57(d,J=3.6Hz,1H)、4.15-4.12(m,1H)、3.94-3.90(m,1H)、2.32-2.27(m,1H)、1.11(d,J=5.2Hz,3H)
キラルHPLC条件:
装置:SFC-80(Thar, Waters)
カラム:IG 20250mm、10μm(Daicel)
カラム温度:35℃
移動相:CO/MeOH(0.2%MeOH アンモニア)=80/20
流速:80g/分
背圧:100バール
検出波長:214nm
サイクル時間:3.1分間
アッセイ
本明細書にて開示される例示としての化合物を、ハルマリン誘発性振戦モデル、および/またはタクリン誘発性振戦モデルにて試験した。
ハルマリン誘発性振戦:ハルマリン誘発性振戦は本態性振戦(ET)の動物モデルとして広く認識されている。急性投与すると、ハルマリンは、げっ歯類、ネコ、およびサルにて、ETと同様に、付属肢および体軸筋肉組織を含め、姿勢性および運動性である、8~16Hzの振戦を引き起こす(Handforth, A.(2012). Harmaline tremor:underlying mechanisms in a potential animal model of essential tremor. Tremor and Other Hyperkinetic Movements(NY), 2, 02-92-769-1;Handforth, A.(2016). Linking Essential Tremor to the Cerebellum-Animal Model Evidence. Cerebellum, 15(3), 285-298;LeDoux, M. (2005). Harmaline tremor. In Movement Disorders. Elsevier Inc.;Louis, E. D.(2014). Re-thinking the biology of essential tremor:From models to morphology. Parkinsonism and Related Disorders, 20(SUPPL.1), S88-S93)。このことは、下オリーブニューロン間の結合を強化することを介した、オリーブ小脳循環の直接的モジュレーションに起因することを示唆する(Handforth 2016;Louis 2014)。患者のETを制御する臨床剤は、一般に、ハルマリン誘発性振戦モデルにて効果的である(Handforth 2016)。ハルマリンをマウスに急性投与した後に、振戦周波数(10~20Hz)を、典型的には、自動化されたフォースプレートをベースとするシステムを用いて記録する。
操作:振戦活動を、アンプ(A-M Systems model 1700)に接続された、圧電センシングプラットフォームを含有する特注の試験装置を用いて測定した。成体雄性CD1マウスを、試験の1時間前に、順化させるのに実験室に連れてきた。マウスをまず、10分間のベースライン訓化のために試験装置の中に入れた。最初の訓化の後に、マウスをビヒクル(10ml/kg)または試験物質(30mg/kg、i.p.)で処理し、さらに20分間のベースライン記録のために装置に戻した。その後で、動物にハルマリン(30mg/kg、i.p.)を注射し、20分間にわたって振戦活動を測定した。振戦活動の電気信号を、マルチチャンネルアンプを用いて512Hzのサンプリングレートで増幅し、次にデータ収集ユニット(CED Micro 1401)で取得し、量子化してデジタル化した。ソフトウェアSpike2(v7.07、Cambridge Electronic Design、Cambridge、UK)を用いて、データを周波数スペクトルとするフーリエ変換を行うことで振戦信号を解析した。絶対パワーの変化は、10~20Hzの周波数について、各動物の20分間のベースラインに対する相対的なもので表された。30mg/kg(i.p.)で試験した選択された化合物の結果を下記の表に示す。処理群と、各ビヒクル群との間での比較を、両側スチューデントt-試験を用いて評価した。統計的有意性のレベルはp<0.05と定義した(例えば、表2.1を参照のこと)。ビヒクルと比較した振戦抑制のパーセントでの大きさを表2.2に示す。
表2.1:選択された化合物を、両側スチューデントt-試験を用いて評価した、処理群と、個々のビヒクル群との間で比較した、結果
振戦抑制評点は、ビヒクルと比較した振戦抑制のパーセントでの大きさで定義された:
24%(D)、25-55%(C)、56-70%(B)および71-100%(A)。
試験せず(---)
表2.2:ハルマリンモデル振戦抑制活動
タクリン誘発性振戦:コリン様作用剤誘発性振戦顎運動(TJM)はパーキンソン病安静時振戦の薬理学的モデルであると考えられる。TJMは、いかなる刺激とも関連付けられない、下顎の迅速な垂直偏向と定義される(Salamoneら、1998)。げっ歯類では、TJMは、ヒトでもパーキンソン病をもたらす条件(すなわち、線条体ドーパミン枯渇、ドーパミン受容体拮抗作用、およびコリン様作用性活動)で誘発され、レボドーパ、ドーパミン受容体アゴニスト、および抗コリン作用剤を含む、数種の抗パーキンソン病薬によって逆転され得る(Collins-Praino, L. E.、Paul, N. E.、Rychalsky, K. L.、Hinman, J. R.、Chrobak, J. J.、Senatus, P. B. & Salamone, J. D.(2011). Pharmacological and physiological characterization of the tremulous jaw movement model parkinsonian tremor:Potential insights into the pathophysiology of tremor. Frontiers in Systems Neuroscience, 5(JULY 2011), 1-14)。コリンエステラーゼ阻害剤のタクリンは、ラットにてTJMを誘発するのに頻繁に使用される。タクリン誘発性TJMは、パーキンソン病安静時振戦にて観察されるのと同じ3-7Hzの周波数領域にて発生し、それはジスキネジアの周波数(1-2Hz)、および姿勢振戦の周波数(8-14Hz;Collins-Prainoら、2011)と異なる。
操作:ウィスター系雄性成体ラットを少なくとも1時間にわたって実験室に順化させた。動物をビヒクル(5ml/kg)または試験品(10-100mg/kg、p.o.)で処理し、指定された前処理時間にわたってホームケージに戻した。次に、ラットにタクリン(5mg/kg、i.p.)を注射し、最初の10分間の訓化期間では試験チャンバーに入れた。訓化の後に、処理に対して盲検である経験豊富な観察者がTJMを5分間にわたって評点付けした。多群間比較は、一方向性(one-way)ANOVAで評価し、つづいて適切な事後分析で評価した。統計的有意性レベルはp<0.05であると定義した。本明細書にて開示される例示としての化合物を試験し、それらは振戦抑制活動を示した。
本明細書にて引用されるすべての特許、公開出願および参考文献の教示は、その全体を出典明示により本明細書に組み込まれるものとする。
例示としての実施態様が特に示され、記載されているが、添付の特許請求の範囲に包含される実施態様の範囲から逸脱することなく、形態および詳細において種々の変形がその範囲内でなされ得ることは当業者であれば理解するであろう。

Claims (22)

  1. 式I:
    [式中:
    は、C(R4A)(R4B)またはN(R4C)であって;
    4AおよびR4Bは、各々独立して、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、または(C-C)シクロアルキルであるか;または
    4AおよびR4Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
    4Cは、H、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、または(C-C)シクロアルキルであり;
    1A、R1B、R2A、およびR2Bは、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、または(C-C)シクロアルキルであるか;
    またはR1AおよびR1Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成するか;
    またはR2AおよびR2Bは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
    3A、R3B、R3C、およびR3Dは、各々独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、(C-C)アルキル、(C-C)アルケニル、(C-C)アルキニル、(C-C)アルコキシ、(C-C)ハロアルキル、アシル、-CN、または(C-C)シクロアルキルである;
    ただし:
    1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基であり;および
    がN(R4C)であって、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合、その時には(i)R1Aはメチルでなく;(ii)R1Bはメチルでなく;および(iii)R3Cはメトキシまたはエトキシでない]
    で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  2. 式I(A):
    で示される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. 式I(B):
    で示される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. a. R4AおよびR4Bが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;または
    b. R4AおよびR4Bが、各々独立して、H、メチルまたはエチルであるか;または
    c. R4AがHであって、R4Bが(C-C)アルキルであるか;または
    d. R4AおよびR4Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成するか;または
    e. R4AおよびR4Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、シクロプロピル基を形成する、
    請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. 4CがHまたは(C-C)アルキルである、所望によってR4CがHまたはメチルであってもよい、請求項1または3に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. a. R1AおよびR1Bが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;または
    b. R1AおよびR1Bが、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;または
    c. R1AがHであって、R1Bが(C-C)アルキルであるか;または
    d. R1AおよびR1Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成するか;または
    e. R1AおよびR1Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-シクロプロピル基またはスピロ-シクロブチル基を形成する、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. a. R2AおよびR2Bが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか;または
    b. R2AおよびR2Bが、各々独立して、H、メチル、またはエチルであるか;または
    c. R2AがHであって、R2Bが(C-C)アルキルである、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  8. 3AがHまたはハロゲンである、所望によってR3AがHまたはFであってもよい、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  9. a. R3BがH、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;または
    b. R3Bがハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNであるか;または
    c. R3BがH、F、Cl、メチル、CF、または-CNであるか;または
    d. R3BがFである、
    請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  10. 3CがHまたはハロゲンである、所望によってR3CがHまたはFである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  11. 3DがHまたはハロゲンである、所望によってR3DがHまたはFである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  12. がC(R4A)(R4B)またはN(R4C)であって;
    4A、R4B、およびR4Cが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか、または
    4AおよびR4Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、(C-C)シクロアルキルを形成し;
    1A、R1B、R2A、およびR2Bが、各々独立して、Hまたは(C-C)アルキルであるか、または
    1AおよびR1Bが、それらの結合する炭素原子と一緒になって、スピロ-(C-C)シクロアルキルを形成し;および
    3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々独立して、H、ハロゲン、(C-C)アルキル、(C-C)ハロアルキル、または-CNである;
    ただし:
    1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、およびR3Dが、各々、水素である場合、その時には(i)R4AおよびR4Bのうちの少なくとも1つは水素以外の基であるか、または(ii)R4Cは水素以外の基であり;および
    がN(R4C)であって、R1A、R1B、R2A、R2B、R3A、R3B、R3C、R3D、およびR4Cのうちの1つだけが水素以外の基である場合、その時には(i)R1Aはメチルでなく;および(ii)R1Bはメチルでない、
    請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  13. 表1に列挙される化合物より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  14. より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  15. より選択される、請求項14に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  16. 治療的に効果的な量の請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および1または複数の医薬的に許容される賦形剤を含む、医薬組成物。
  17. 治療的に効果的な量の請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および治療的に効果的な量の1または複数の他の治療剤を含む、医薬の組み合わせ。
  18. 対象での神経学的または精神病理学的疾患または障害を治療する方法であって、その治療の必要のある対象に、治療的に効果的な量の請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、請求項16に記載の医薬組成物、あるいは請求項17に記載の医薬の組み合わせを投与することを含む、方法。
  19. 神経学的または精神病理学的疾患または障害が運動障害である、請求項18に記載の方法。
  20. 運動障害が、振戦;ジスキネジア;ジストニア;チック;発声障害;運動失調(例えば、脊髄小脳失調);ミオクローヌス;本態性振戦;てんかん;遅発性ジスキネジア;レストレスレッグス症候群;トゥレット症候群;多系統萎縮症(MSA);多発性硬化症;ハンチントン病;パーキンソン病;パーキンソニズム;パーキンソン病振戦、非定型パーキンソニズム;ウィリアム病;または脳卒中からの損傷もしくは副作用である、請求項18に記載の方法。
  21. 運動障害が本態性振戦である、請求項20に記載の方法。
  22. 運動障害がパーキンソン病振戦である、請求項20に記載の方法。
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