JP2024512743A - がん治療のための併用療法 - Google Patents

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Abstract

がんを治療する方法であって、がんに罹患している患者に、EGFR分解剤を投与することと、患者を放射線に供することと、を含む、方法が本明細書に提供される。がんは、変異、過剰発現、若しくは過剰活性化EGFR、変異型KRAS、又は変異型BRAFを発現することができる。【選択図】図1

Description

政府権益の声明
本発明は、国立衛生研究所により授与された1R01CA248310-01の下で政府の支援により行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
固形腫瘍における3つの一般的ながん遺伝子、EGFR、KRAS、及びBRAFは、全ての固形腫瘍の半数以上で変異又は過剰発現すると見られるが、これらの変異/過剰発現は、通常、相互に排他的であり、ほとんどの腫瘍は、3つのうちの1つにのみの欠陥を示す。市場にはいくつかのEGFR阻害剤が存在するが、小分子については、それらの有効性は、変異型EGFRを発現する非小細胞肺がん(NSCLC)のサブセットに完全に限定され、抗体については、同様の割合の結腸直腸がん(CRC)、及び放射線と組み合わせた頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)に限定される。KRAS変異又はBRAF変異のいずれかを有する患者は、EGFRの状態にかかわらず、EGFR阻害に応答しないことが、繰り返し臨床試験で示されている。これらのがん遺伝子の両方は、非常に重要な増殖及び生存シグナル伝達経路においてEGFRの下流にあるため、EGFR阻害に対する有効性の欠如は、そのシグナル伝達が下流変異による冗長化を示すことで非常に容易に説明することができる。
EGFRは、受容体チロシンキナーゼ(RTK)であり、主に、EGF、HB-EGF、AMPR、EPG、及びTGFαなどの同族受容体を結合させることによって、細胞内に増殖、生存、代謝、及び運動シグナルを提供する。リガンド結合は、チロシンキナーゼの活性化をもたらし、これは、EGFR自体を含む多数の基質タンパク質上のチロシンヒドロキシルの特異的リン酸化をもたらす。この活性は、細胞表面で一連の非常に多くのシグナル伝達カスケード(主にセリン/スレオニンリン酸化を介して)を採用して活性化し、これらのカスケードは核内にシグナル伝達し、増殖を促進する遺伝子発現変化、及び前述の他の活性をもたらす。細胞において、及び動物腫瘍モデルにおいて、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、EGFRを過剰発現するか、又は変異型EGFRを有する腫瘍において、非常に強力かつ全般的な抗腫瘍活性をもたらす。しかしながら、mt-KRAS及びmt-BRAFによって駆動されるモデルでは、予想どおり、これらの影響ははるかに小さい。同様に、EGFR TK活性化を阻止する抗体は、EGFRが駆動がん遺伝子である前臨床モデルにおいて非常に良好な活性を示す。
しかしながら、臨床に入ると、EGFR阻害剤/抗体は、前臨床モデルから予想されるよりもEGFR駆動型腫瘍に対してはるかに少ない広域スペクトルの活性を有することが証明された。TKIは、NSCLC(約15%の発生)でのみ一般的であるmt-EGFRに対してのみ機能し、抗体は、CRCを発現するwt-EGFRのサブセット及び一部のHNSCCに対してのみ機能する。全体として、明らかにEGFR駆動型腫瘍の大部分は、臨床においていずれの治療法にも応答せず、予想どおり、mt-KRAS及びmt-BRAF駆動型固形腫瘍には臨床活性が見られない。現在、承認されたKRAS指向療法は存在しないが、軽微なKRAS変異型がん遺伝子を標的とした薬剤は、臨床試験中である。EGFRに対して臨床的に承認されたキナーゼ阻害剤があるように、mt-BRAFに対しても臨床的に承認されたキナーゼ阻害剤がある。しかしながら、これらの症例の全てにおいて、用量制限毒性があり、薬物に対する最も劇的な応答でさえ一過性であり、実質的に2年を超える無増悪生存期間を得る患者はおらず、最もかなり少ない。したがって、これらの腫瘍タイプの全てには、依然として満たされていない多大な医学的必要性が存在する。
がんに罹患している患者におけるがんを治療する方法であって、患者に、EGFR分解剤を投与することと、患者を放射線に供してがんを治療することと、を含む、方法が、本明細書に提供される。
様々な事例では、EGFR分解剤は、野生型EGFRを分解する。様々な事例では、EGFR分解剤は、変異型EGFRを分解する。いくつかの事例では、EGFR分解剤は、化合物(又はその医薬的に許容される塩)、抗体、タンパク質、ペプチド、PROTAC(キメラを標的とするタンパク質分解)、ウイルス、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマー、ペプチド模倣剤、又はオリゴヌクレオチドである。いくつかの事例では、化合物は、式(I):
の構造を有するか、又はいくつかの事例では、化合物A:
の構造を有する。
様々な事例では、がんは、EGFR、KRAS、又はBRAF変異がんである。いくつかの事例では、がんは、固形腫瘍である。いくつかの事例では、がんは、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、又は肺がんである。
対照と比較して、化合物A(DPI-503と示される)、放射線療法(指定されたRT)、並びに化合物A及び放射線療法の組み合わせ(DPI-503+RTと示される)による治療後の経時的な(A)PC9(変異型EGFR腫瘍)、(B)RKO(変異型BRAF腫瘍)、及び(C)UMSCC74B(変異型KRAS腫瘍)を有するマウスの腫瘍体積を示す。
化学療法剤を投与し、患者に放射線を投与することによって、患者におけるがんを治療する方法が、本明細書に提供される。驚くべきことに、変異状態にかかわらず、多くの固形腫瘍に見られる過剰活性化EGFRを分解する特定の作用様式を有する化学療法剤と放射線との組み合わせは、そのがんがEGFR、KRAS、又はBRAFがん遺伝子の変異によって駆動される場合、化学療法剤又は放射線単独と比較して、がんの治療に予想外に改善された効果を有することが見出されている。
EGF受容体(ODDER)化合物の過剰活性化駆動分解剤は、そのキナーゼ活性に影響を与えるとは思われない方法でEGFRと相互作用するため、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)ではない。しかしながら、ODDERのEGFRへの結合は、活性化されたEGFRが、それらを保護するために必要な安定した分子複合体を形成することを防ぎ、正常な細胞タンパク質分解機序によって迅速に内在化及び分解されることを防ぎ、これはまさにこれらの分子が行うように設計されたものである。EGFRが活性化された後、正常組織における、同族リガンドの結合によって、キナーゼドメインは、ATP又は基質に結合することができない不活性コンフォメーションから、ATP及び基質の両方が酵素に結合することを可能にする活性コンフォメーションにそのコンフォメーションを変化させ、次いで、チロシン側鎖のフェノールヒドロキシ基へのATPのγ-リン酸塩の移行を触媒する。次いで、キナーゼ触媒ドメインは、生成物、チロシルホスフェートモノエステル、及び副生成物ADPの両方に結合を解除し、次いで、触媒サイクルが継続するにつれて、更なるATP及び基質に結合することができる。基質分子におけるチロシンリン酸化には、2つの主な用途があると思われる。1つ目は、基質タンパク質のコンフォメーション変化は、中性でやや疎水性のチロシン側鎖が、生理的pHで2つの負電荷を有する親水性の高いリン酸化チロシンに変換されることによって引き起こされることが多い。2つ目は、多くのタンパク質にリン酸化チロシン残基の結合部位があり、基質タンパク質に新たなタンパク質間相互作用を誘導し、及び/又は新しい多タンパク質複合体に組み立てることを可能にし、その両方とも、リン酸化後、基質タンパク質に非常に異なる活性を示すことができることである。重要なことに、EGFRのための最も重要な基質チロシンのいくつかは、細胞の細胞質にあるそれ自身のC末端ドメイン(CTD)上にある。これは、前述のシグナル伝達カスケードの活性化をもたらす中間タンパク質を採用する。しかしながら、これらのリン酸化のいくつかはまた、受容体をいくつかの異なる経路を介して細胞内に急速に内在化させ、エンドソームと呼ばれる細胞内小胞に終わるタンパク質の動員をもたらす。細胞全体のエンドソームトラフィックは、時にはそれらの特性を変化させ、最終的には、EGFRのようなトラフィックされたタンパク質をエンドソームに分類し、受容体を細胞表面に戻し、そこでシグナル伝達を続けることができ、又はリソソームに戻し、そこで分解されて機能しなくなる。これは複雑なプロセスであるが、ODDERが存在する場合、非活性化又は弱活性化EGFRにはわずかな影響を及ぼすようであるが、腫瘍に典型的に見られる高度に活性化されたEGFRを分解経路に非常に迅速かつ効率的に転換させ、細胞タイプに応じて6~24時間にわたって治療細胞内のEGFRタンパク質の全体的な喪失につながる。興味深いことに、この分解は、この作用機序に対するキナーゼ活性化の重要性を示す、古典的なEGFR阻害剤の共治療の使用によってブロックすることができる。もはや存在しないタンパク質は、TKとして機能することができないため、このタンパク質分解の1つの効果は、EGFRキナーゼTKIとして機能的に作用することであり、予想どおり、これらの化合物は、ある特定のEGFR駆動型腫瘍異種移植モデルで強力な活性を有する。
EGFR-/-マウスは生後数日しか生存しないほど、EGFRは初期発生過程において重要な役割を担っているが、重度の低形成マウス(酵素活性が94%喪失)であるwaved-2マウスは、毛髪及び皮膚の問題、開眼の早さなど、著しく軽度の表現型を有するが、これらの動物は消化管傷害に非常に弱く、治癒が困難である。wt-EGFRを含む皮膚、又はEGFR-/-皮膚を移植した免疫不全マウスで行われた創傷治癒研究でも、後者の創傷治癒が非常に不良であることが示されており、これが新生児期以降のEGFRの主要な役割であることが示唆されている。創傷治癒の特性には、創傷を埋めるための細胞の増殖、新しい組織を支える新しい血管を得るための血管新生、創傷がしばしば外来毒素(感染を含む)を傷害部位に侵入させるためアポトーシスに対する抵抗性、新しい組織を可能な限り早く新しい組織を生成するために必要な急速な同化代謝を支えるための細胞への栄養流入の大幅な増加が含まれる。EGFRの発現及び活性化は、これら全ての後遺症を引き起こすが、当然のことながら、これらは全てがん遺伝子として理想的な特性である。
いくつかの膜トランスポーターは、EGFRキナーゼが下流のキナーゼカスケードを介して活性化されるときに誘導され、キナーゼ阻害によって枯渇させることができる。しかしながら、腫瘍細胞の調節不全環境において、これらの経路のほとんどは、代替経路によって非常に急速に再活性化される傾向があるため、栄養素トランスポーターに対するキナーゼ依存的効果は、一過性であることが多い。EGFRは、キナーゼカスケードシグナル伝達複合体の両方のための足場タンパク質として機能する能力だけでなく、キナーゼシグナル伝達カスケードに直接の機能を有しないいくつかの膜結合タンパク質として機能する能力のために、キナーゼ非依存性機能(KIF)を有することが示されている。これらのEGFR足場依存性タンパク質のいくつかは、膜栄養素トランスポーター、例えば、グルコース及びシステインのトランスポーターでもあり、これは、細胞内の代謝成長の増加を支援するのに役立ち、細胞がより効率的に同化することを可能にし、それによって増殖が増強される。細胞内のsiRNAを介したEGFRの喪失は、細胞表面からのいくつかのそのようなトランスポーターの喪失をもたらすことが報告されており、ODDERを用いる細胞の処理は、おそらく、EGFRタンパク質との複合体が細胞膜に安定して存在するために必要であるため、細胞表面からのこれらのトランスポーターのいくつかの喪失をもたらすことが示されている。
加えて、化合物A(ODDER化合物)に関するNCI60腫瘍細胞パネルからの驚くべきデータは、mt-KRAS又はmt-BRAFによって駆動されるいくつかの腫瘍においてかなりの抗増殖活性を示し、その多くは、EGFR TKI又は抗体の影響を全く受けないことが確立されている。ODDER化合物はまた、mt-KRAS及びmt-BRAF腫瘍において、インビボで抗がん活性を有することが示されている。
影響を受けた細胞株を調べると、それらは全て、KRAS又はBRAFがん遺伝子とともに野生型(wt)-EGFRを共発現し、ODDER化合物処置が腫瘍細胞からのEGFRの枯渇をもたらすことが示される。細胞からのEGFRのアブレーションが成功するのは、これらの腫瘍のがん遺伝子を駆動するものではないが、mt-KRAS及びmt-BRAFの下流効果の両方が、EGFRの強力な活性化、及びしばしば非遺伝子駆動の過剰発現をもたらし、高度にリン酸化されたタンパク質が、ODDER誘導の分解を受けやすくなるためである。
これらの感受性腫瘍株に見られる活性は、主にEGFR KIFに起因すると推論された。腫瘍細胞は、常に代謝的にストレスを受けており、実際の腫瘍では、循環不良は腫瘍内部のストレスを更に深刻にし、腫瘍が100mmを超えるまで成長すると、通常は低酸素になる。実験では、特定のODDERである化合物Aが細胞表面からのEGFRの喪失をもたらし、EGFRシャペロニングを必要とすることが知られている2つの重要なトランスポーター、グルコースを輸入するナトリウム依存性グルコーストランスポーターであるSGLT1、及びシステインを輸入するシステイン-グルタミン酸コトランスポーターであるxCTが、EGFRとともにアブレーションされたことが示された。腫瘍細胞は、酸化的解糖を行おうとするため、正常細胞よりもはるかに大きなグルコース必要量を有し、グルコース輸入の任意の障害により、細胞にストレスがかかり、好気的解糖からATPを産生するための酸化的リン酸化に向かうと予想され、これは、ほぼ確実に、これらの既に異常に代謝される細胞における反応性酸素中間体(ROI)の産生を増加させる。ROIを処理する最も一般的な方法は、グルタチオンとのコンジュゲーション、又は様々な還元酵素との反応を介してであり、そのほとんどは、それらのRedOx能力のためにシステインチオールに依存している。これらの機序はいずれも、ストレスを受けた細胞が大量のシステインを輸入できるようにする必要があり、高い需要が内因性システイン生合成(硫黄源としてメチオニンを必要とする)を完全に圧倒してしまうため、システインの多くは肝臓によって生成され、循環する。したがって、EGFRタンパク質の喪失は、代謝の強制的な変化及び細胞内システインの不足の両方から、任意の腫瘍細胞における酸化的ストレスを増加させるべきであり、このことがmt-KRAS及びmt-BRAF駆動型腫瘍が、単純なEGFR阻害よりもEGFRアブレーションに対してはるかに感受性が高いことにつながり得ると推論された。実際、EGFR阻害は、通常、エンドサイトーシス及び分解を誘発するのに必要なキナーゼ活性を遮断すること、並びにおそらく全体的な代謝をいくらか遅らせることによって、細胞表面EGFRを増加させるので、これらの細胞型における単純なEGFR阻害は、酸化的ストレスを減少させ得る。
細胞内の酸化ストレスの徴候は、過酸化水素レベルが増加した酸化ストレスのマーカーとして選択されている化合物Aの増加量の添加後に調査された。処置から6時間後に、Hレベルの用量依存的な増加が観察され、試験された最大用量は、細胞レベルの2~4倍の増加をもたらし、実際にEGFRアブレーションが、mt-KRAS、mt-BRAF、及びmt-EGFRによって駆動される細胞における細胞酸化的ストレスを増加させることを示した。これらの腫瘍型における酸化的ストレスを利用する方法が検討された。酸化的ストレスは、DNA損傷を引き起こすことに寄与し、DNA損傷を修復することをより困難にする。したがって、放射線などのDNA損傷剤とODDER(例えば、化合物A)の組み合わせは、有用な治療レジメンをもたらし得る。化合物A及び放射線を、mt-EGFR、mt-KRAS、及びmt-BRAF駆動型腫瘍におけるインビボ異種移植実験で調べた。発見されたことは、3つの実験全てにおいて、化合物Aの存在下で放射線抗腫瘍効果が強く増加することであった。したがって、化合物AなどのODDER化合物を放射線と組み合わせて使用して、変異型KRAS又は変異型BRAFのいずれかを発現する局所腫瘍を治療することができると考えられる。また、化合物Aは、その独自の作用機序により、EGFR阻害剤よりも標的毒性がはるかに低いことも注目され、標準的な放射線療法レジメンと組み合わせて、低毒性用量で臨床において使用することができることが予想される。他のODDER化合物も同様に標的毒性が低いと予想される。
EGFR分解剤
本明細書に開示される方法で使用されるEGFR分解剤は、化合物(又はその医薬的に許容される塩)、抗体、タンパク質、ペプチド、PROTAC(キメラを標的とするタンパク質分解)、ウイルス、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマー、ペプチド模倣剤、又はオリゴヌクレオチドなどの変異型EGFRを分解する任意の実体であり得る。
本明細書内で別途明記されない限り、「抗体(複数可)」という用語は、天然に存在する形態の抗体(例えば、IgG、IgA、IgM、IgE)及び組換え抗体、例えば、一本鎖抗体、キメラ及びヒト化抗体、並びに多重特異性抗体、並びに前述の全ての断片及び誘導体を広く包含し、これらの断片及び誘導体は、少なくとも抗原結合部位を有する。抗体誘導体は、抗体にコンジュゲートされたタンパク質又は化学部分を含み得る。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、抗体(又は単に「抗体部分」)の「抗原結合部分」も含む。「抗原結合部分」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原(例えば、バイオマーカーポリペプチド又はその断片)に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって行うことができることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合断片の例としては、(i)Fab断片、VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価の断片、(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片、(iii)VH及びCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメインを含むdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546)、並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が挙げられる。更に、Fv断片の2つのドメイン、VL及びVHは、別々の遺伝子によってコードされているが、組換え方法を使用して、それらを、VL及びVH領域が対合して一価ポリペプチドを形成する単一のタンパク質鎖として作製することを可能にする合成リンカーによって連結することができる(単鎖Fv(scFv)として知られ、例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423-426、及びHuston et al.(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883、及びOsbourn et al.1998,Nature Biotechnology 16:778を参照されたい)。かかる一本鎖抗体はまた、抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含されるように意図されている。特異的scFvの任意のVH及びVL配列は、完全なIgGポリペプチド又は他のアイソタイプをコードする発現ベクターを生成するために、ヒト免疫グロブリン定常領域cDNA又はゲノム配列に連結され得る。VH及びVLはまた、タンパク質化学又は組換えDNA技術のいずれかを使用して、Fab、Fv、又は免疫グロブリンの他の断片の生成に使用することができる。ダイアボディなどの他の形態の一本鎖抗体も包含される。ダイアボディは、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖上で発現される二価の二重特異性抗体であるが、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによってドメインを別の鎖の相補的ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を作製させる(例えば、Holliger et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,90;6444-6448、Poljak et al.(1994)Structure 2:1121-1123を参照されたい)。
更に、抗体又はその抗原結合部分は、抗体又は抗体部分の、1つ以上の他のタンパク質又はペプチドとの共有結合又は非共有結合会合によって形成される、より大きな免疫接着ポリペプチドの一部であり得る。そのような免疫接着ポリペプチドの例としては、ストレプトアビジンコア領域を使用して四量体scFvポリペプチドを作製すること(Kipriyanov et al.(1995)Human Antibodies and Hybridomas 6:93-101)、及びシステイン残基、バイオマーカーペプチド、及びC末端ポリヒスチジンタグを使用して二価及びビオチン化scFvポリペプチドを作製すること(Kipriyanov et al.(1994)Mol.Immunol.31:1047-1058)が挙げられる。Fab及びF(ab’)断片などの抗体部分は、それぞれ、全抗体のパパイン又はペプシン消化などの従来の技法を使用して、全抗体から調製することができる。更に、本明細書に記載の標準的な組換えDNA技術を使用して、抗体、抗体部分、及び免疫接着ポリペプチドを得ることができる。
抗体は、ポリクローナル又はモノクローナルであり得るか、異種、同種、若しくは同種であり得るか、又はその修飾された形態(例えば、ヒト化、キメラなど)であり得る。抗体はまた、完全にヒトであり得る。「モノクローナル抗体」及び「モノクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書で使用される場合、抗原の特定のエピトープと免疫反応することができる抗原結合部位の1つの種のみを含む抗体ポリペプチドの集団を指し、「ポリクローナル抗体」及び「ポリクローナル抗体組成物」という用語は、特定の抗原と相互作用することができる抗原結合部位の複数の種を含む抗体ポリペプチドの集団を指す。モノクローナル抗体組成物は、典型的には、それが免疫反応する特定の抗原に対する単一の結合親和性を示す。
抗体はまた、「ヒト化」され得、これは、ヒト細胞によって作製され得る抗体により近似するように改変された可変及び定常領域を有する非ヒト細胞によって作製される抗体を含むことが意図される。例えば、非ヒト抗体アミノ酸配列を改変して、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に見出されるアミノ酸を組み込むことによって。本発明のヒト化抗体は、例えば、CDRにおいて、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列(例えば、インビトロでのランダム若しくは部位特異的変異誘発によって、又はインビボでの体細胞変異によって導入される変異)によってコードされないアミノ酸残基を含み得る。「ヒト化抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列が、ヒトフレームワーク配列に移植されている抗体も含む。
本明細書で使用される「抗体薬物コンジュゲート」という用語は、小分子、ペプチド、イメージングプローブなどの別の薬剤との抗体又はその抗原結合断片の連結を指す。連結は、共有結合、又は静電力を介するなどの非共有相互作用であり得る。当該技術分野で既知の様々なリンカーは、抗体薬物コンジュゲートを形成するために使用することができる。加えて、抗体薬物コンジュゲートは、抗体薬物コンジュゲートをコードするポリヌクレオチドから発現され得る融合タンパク質の形態で提供することができる。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために同義的に使用され、最小長に限定されない。これらの用語には、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などが含まれる。更に、「ポリペプチド」は、タンパク質が所望の活性を維持する限り、天然配列への修飾、例えば、欠失、付加、及び置換(本質的には概して保存的である)を含むタンパク質を指し得る。これらの修飾は、意図的なものかもしれないし、偶然のものかもしれない。ペプチドは、生物学的活性を維持するタンパク質の断片を指す。
キメラを標的とするタンパク質分解(PROTAC)は、ユビキチン経路タンパク質結合部分(例えば、単独で、又は標的タンパク質へのユビキチンの移行に関与するE2ユビキチンコンジュゲート酵素と複合体中のE3ユビキチンリガーゼ)、及び一緒に連結又は結合されるタンパク質標的部分を指し、ユビキチン経路タンパク質結合部分は、ユビキチン経路タンパク質を認識し、標的部分は、標的タンパク質(例えば、EGFR)を認識する。かかる化合物は、本明細書において、PROTAC化合物又はPROTACと称され得る。PROTACの非限定的な例としては、例えば、ACS Med Chem Lett 10,1549(2019)、ACS Med Chem Lett 13,278(2022)、Bioorg Mol Chem Lett 30,127167(2020)、Cancers 11,1094(2019)、Chem Comm 57,12852(2021)、Drug Dev Res 82,422(2020)、Eur J Med Chem 189,112061(2020)、Eur J Med Chem 192,112199(2020)、Eur J Med Chem 218 113328(2021)、Eur J Org Chem 208,112781(2020)、J Med Chem 65,4709(2022)、JMC 65,5057(2022)、Nature Chem Biol 16,577(2020),Sig Trans Target Ther 5,214 (2020)、WO2019/121562、及びWO2021/127561に記載されるものが挙げられ、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、PROTACは、
であり得る。
本明細書で使用される場合、「核酸分子」、「ヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」、及び「核酸」という用語は、本明細書で互換的に使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。それらは、二本鎖及び一本鎖の両方の配列を含むことができ、ウイルス、原核生物、及び真核生物源からのcDNA、mRNA、ウイルス(例えば、DNAウイルス及びレトロウイルス)又は原核生物源からのゲノムDNA配列、RNAi、cRNA、アンチセンス分子、リボザイム、並びに合成DNA配列を含むが、これらに限定されない。この用語はまた、DNA及びRNAの既知の塩基類似体のうちのいずれかを含む配列を捕捉する。
本明細書で使用される場合、アプタマーは、高い親和性及び特異性を有する標的分子を認識する能力を有するオリゴヌクレオチド又はペプチド配列を指す。アプタマーは天然に存在し得るが、典型的には、所望の標的に対する親和性及び特異性について大きなランダム配列プールをスクリーニングすることによって調製される。
「ペプチド模倣薬」という用語は、一般に、選択された天然ペプチド又はタンパク質機能ドメイン(例えば、結合モチーフ又は活性部位)の三次結合構造又は活性を模倣するペプチド、部分ペプチド、又は非ペプチド分子を指す。これらのペプチド模倣薬には、組換え又は化学的に修飾されたペプチド、並びに小分子薬物模倣薬などの非ペプチド剤が含まれる。
様々な実施形態では、EGFR分解剤は、式Iの構造を有し、
式中、Xが、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、C3-10シクロアルキレン、4~6員複素環、O-C0-6アルキレン、O-C2-6アルケニレン、O-C2-6アルキニレン、O-C3-10シクロアルキレン、O-(4~6員ヘテロシクレン)、S-C0-6アルキレン、S-C2-6アルケニレン、S-C2-6アルキニレン、S-C3-10シクロアルキレン、S-(4~6員ヘテロシクレン)、NR-C0-6アルキレン、NR-C2-6アルケニレン、NR-C2-6アルキニレン、NR-C3-10シクロアルキレン、又はNR-(4~6員ヘテロシクレン)であり、Xが、任意選択的に、Rから独立して選択される1~5つの基で置換され、Yが、C0-6アルキレン、C3-6アルケニレン、又はC3-6アルキニレンであり、Yが、任意選択的に、ハロ、N(R、及びRから独立して選択される1~3つの基で置換され、Aが、C6-10アリール又はN、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、Aが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、Bが、C6-10アリール、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、3~8員シクロアルキル環、又はN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~10員複素環であり、Bが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、R及びRが、各々独立して、C1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、若しくはC3-6シクロアルキルであるか、又はR及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4~8員シクロアルキル若しくは複素環を形成し、複素環が、O、S、及びNから選択される1又は2個の環ヘテロ原子を有し、当該シクロアルキル又は複素環が、任意選択的に、1~2つのRで置換され、各Rが、独立して、OH、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6アルコキシ、フェニル、O-フェニル、ベンジル、O-ベンジル、C3-6シクロアルキル、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環、又はN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する(O)0-1-5~10員ヘテロアリールであるか、又は2つのRが、それらが結合している原子と一緒になって、C3-6シクロアルキル(例えば、C4-6シクロアルケニル)、若しくはN、O、及びSから選択される1個のヘテロ原子を有する4~6員複素環を形成し、各R及びRが、独立して、ハロ、NO、オキソ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル(例えば、CF、CHF)、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ(例えば、OCF、OCHF)、C1-4チオアルコキシ、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、CHO、C(=O)R、C(=O)N(R、S(O)0-2、SON(R、NH、NHR、N(R、NRCOR、NRSO、P(=O)(R、C3-6シクロアルキル、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環(例えば、オキセタニル、オキセタニルオキシ、オキセタニルアミノ、オキソラニル、オキソラニルオキシ、オキソラニルアミノ、オキサニル オキサニルオキシ、オキサニルアミノ、オキセパニル、オキセパニルオキシ、オキセパニルアミノ、アゼチジニル、アゼチジニルオキシ、アゼチジルアミノ、ピロリジニル、ピロリジニルオキシ、ピロリジニルアミノ、ピペリジニル、ピペリジニルオキシ、ピペリジニルアミノ、アゼパニル、アゼパニルオキシ、アゼパニルアミノ、ジオキソラニル、ジオキサニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ-S,S-ジオキシド、ピペラジニル、ジオキセパニル、ジオキセパニルオキシ、ジオキセパニルアミノ、オキサゼパニル、オキサゼパニルオキシ、オキサゼパニルアミノ、ジアゼパニル、ジアゼパニルオキシ、又はジアゼパニルアミノ)であり、各Rが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、COOR、CON(R、C0-3アルキレン-C3-8シクロアルキル、C0-3アルキレン-C6-10アリール、C0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する4~10員複素環)、又はC0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリール、複素環、又はヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
各Rが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシであるか、化合物又はその塩であり得る。
様々な実施形態では、R及びRは、各々独立して、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、R及びRは各々、メチルである。
様々な実施形態では、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4~8員シクロアルキル又は複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキル又は複素環を形成する。いくつかの実施形態では、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成する。
様々な実施形態では、R及びRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、構造:
を有する複素環を形成し、式中、*は、式Iの化合物の残部への結合点を示す。いくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、(C=O)R、(C=O)OR、CON(R、C0-3アルキレン-C3-8シクロアルキル、C0-3アルキレン-C6-10アリール、又はC0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、アリール又はヘテロアリールは、任意選択的に、1~3つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキル、(C=O)R、(C=O)OR、又はCON(Rである。いくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、又はイソペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチルである。いくつかの実施形態では、Rは、重水素化されている。いくつかの実施形態では、Rは、C1-6ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、3,3,3-トリフルオロプロピルである。いくつかの実施形態では、Rは、C0-3アルキレン-C3-8シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである。いくつかの実施形態では、Rは、シクロブチル又はシクロペンチルである。いくつかの実施形態では、Rは、C0-3アルキレン-C6-10アリールである。いくつかの実施形態では、Rは、ベンジルである。いくつかの実施形態では、Rは、C0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、Cアルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、C0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールが、1~3つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Rは、C0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、ヘテロアリールが、非置換である。いくつかの実施形態では、Rは、
である。
様々な実施形態では、Aは、C6-10アリールである。いくつかの実施形態では、Aは、フェニルである。
様々な実施形態では、Bは、C6-10アリールである。いくつかの実施形態では、Bは、フェニルである。様々な実施形態では、Bは、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Bは、ピリジニルである。いくつかの実施形態では、Bは、キノリニルである。様々な実施形態では、Bは、3~8員シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Bは、5員又は6員シクロアルキルである。
いくつかの実施形態では、Aは、1つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Aは、構造:
を有する。いくつかの実施形態では、Aは、2つのRで置換される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、C1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、メチルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、ハロである。いくつかの実施形態では、Rは、ブロモである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、C1-6アルコキシである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、メトキシである。
いくつかの実施形態では、Bは、1つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Bは、2つのRで置換される。いくつかの実施形態では、Bは、構造
を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、ハロである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、フルオロ又はクロロである。いくつかの実施形態では、一方のRは、フルオロであり、他方のRは、クロロである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、C1-6アルコキシである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、メトキシである。いくつかの実施形態では、一方のRは、ハロであり、他方のRは、C1-6アルコキシである。いくつかの実施形態では、一方のRは、クロロであり、他方のRは、メトキシである。
いくつかの実施形態では、R及びRは、各々独立して、C1-6アルキル、ハロ、又はC1-6アルコキシである。いくつかの実施形態では、Rは、C1-6アルキル、(C=O)R、(C=O)OR、又はCON(Rである。
様々な実施形態では、Xは、O-C0-6アルキレン又はS-C0-6アルキレンである。いくつかの実施形態では、Xは、S-C0-6アルキレンである。いくつかの実施形態では、Xは、O、S、O-CH-、又はS-CH-である。様々な実施形態では、Yは、C0-2アルキレンである。いくつかの実施形態では、Yは、ヌル又はCHである。いくつかの実施形態では、Xは、NR-CH、O-CH-、又はS-CH-であり、Yは、ヌルである。いくつかの実施形態では、Xは、NR-CH、O-CH-、又はS-CH-であり、Yは、CHである。いくつかの実施形態では、Rは、Hである。
様々な実施形態では、Xは、C1-6アルキレンである。いくつかの実施形態では、Xは、C2-6アルケニレン又はC2-6アルキニレンである。様々な実施形態では、Yは、C0-2アルキレンである。いくつかの実施形態では、Yは、ヌル(結合)又はCHである。様々な実施形態では、Yは、C3-6アルケニレン又はC3-6アルキニレンである。
本明細書で使用される場合、元素の言及は、説明によるものであるか、又は化学構造によるものであるかにかかわらず、別途記載されない限り、その元素の全ての同位体を包含する。一例として、本明細書で使用される化学構造における「水素」又は「H」という用語は、特定の同位体の使用によって別途示されない限り、例えば、Hのみならず、重水素(H)、三重水素(H)、及びそれらの混合物も包含すると理解される。同位体が包含される元素の他の特定の非限定的な例には、炭素、リン、ヨウ素、及びフッ素が挙げられる。
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に開示されるいずれの化合物においても、絶対立体化学が明確に示されない場合、中心は各々独立して、R配置又はS配置又はそれらの混合物であり得ることが理解される。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であり得るか、又は立体異性混合物であり得る。更に、本明細書に提供される化合物は、スケールミック(scalemic)混合物であり得る。更に、2つ以上のキラル中心を有する本明細書に開示されるいずれの化合物においても、その化合物の全てのジアステレオマーが包含される。加えて、E又はZとして定義することができる幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有するいずれの化合物においても、二重結合は各々独立して、E又はZ又はそれらの混合物であり得ることが理解される。同様に、全ての互変異性形態もまた、含まれることが意図されている。
いくつかの事例では、開示される方法のEGFR分解剤は、化合物A又はその医薬的に許容される塩を含む:
化学の定義
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~30個の炭素原子、例えば1~20個の炭素原子、又は1~10個の炭素原子を有する直鎖状及び分岐状の飽和炭化水素基を指す。Cという用語は、アルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、Cアルキルは、4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。C-Cアルキルとは、全範囲(例えば、1~7個の炭素原子)、並びに全てのサブグループ(例えば、1~6、2~7、1~5、3~6、1、2、3、4、5、6、及び7個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するアルキル基を指す。アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル(2-メチルプロピル)、t-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、3,3-ジメチルペンチル、及び2-エチルヘキシルが挙げられる。別途指示されない限り、アルキル基は、非置換アルキル基又は置換アルキル基であり得る。
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、置換基を有するアルキル基を指す。例えば、アルキレン基は、-CHCH-又は-CH-であり得る。Cという用語は、アルキレン基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、C1-6アルキレンは、「アルキル」基について先で記載されるように、全範囲並びに全てのサブグループを包含する炭素原子数を有するアルキレン基を指す。別途指示されない限り、アルキレン基は、非置換アルキレン基又は置換アルキレン基であり得る。「アルケニレン」及び「アルキニレン」は同様に定義されるが、アルケン基又はアルキン基についてである。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~8個の炭素原子(例えば、3、4、5、6、7、又は8個の炭素原子)を有する環式炭化水素基を指す。Cという用語は、シクロアルキル基が「n」個の炭素原子を有することを意味する。例えば、Cシクロアルキルは、環内に5個の炭素原子を有するシクロアルキル基を指す。C-Cシクロアルキルは、全範囲(例えば、6~8個の炭素原子)、並びに全てのサブグループ(例えば、6~7、7~8、6、7、及び8個の炭素原子)を包含する炭素原子数を有するシクロアルキル基を指す。シクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びシクロオクチルが挙げられる。別途指示されない限り、シクロアルキル基は、非置換シクロアルキル基又は置換シクロアルキル基であり得る。本明細書に記載のシクロアルキル基は、単離され得るか、又は別のシクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基、及び/又はヘテロアリール基と縮合し得る。別途明記されない限り、ヘテロシクロアルキル基が別のヘテロシクロアルキル基と縮合している場合、ヘテロシクロアルキル基は各々、3~8個の炭素原子を有することができる。別途指示されない限り、シクロアルキル基は、非置換又は置換であり得る。
本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、環が、独立して、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を含むことを除いて、シクロアルキルと同様に定義される。具体的には、「複素環という用語は、合計3~12個(例えば、3~8、5~8、3~6、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12個)の原子を有し、そのうちの1、2、又は3個の環原子が、酸素、窒素、及び硫黄からなる群から独立して選択されるヘテロ原子であり、環内の残りの原子が炭素原子である単環式環又は縮合二環式環を指す。複素環基の非限定的な例としては、ピペリジン、ピラゾリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロフラン、モルホリンなどが挙げられる。本明細書に記載の複素環基は、単離され得るか、又は別のヘテロシクロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び/若しくはヘテロアリール基と縮合し得る。別途指示されない限り、複素環基は、非置換又は置換であり得る。
シクロアルキル基及び複素環基は、非芳香族であるが、部分不飽和環であり得、任意選択的に、例えば、独立して選択されるアルキル、アルキレンOH、C(O)NH、NH、オキソ(=O)、アリール、アルキレンハロ、ハロ、及びOHである1~5個又は1~3個の基で置換され得る。複素環基は、任意選択的に、アルキル(例えば、メチル又はエチル)、アルキレン-OH、アルキレンアリール、及びアルキレンヘテロアリールで更にN-置換され得る。特定の複素環基及びシクロアルキル基の他の置換は、本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、6~10個の環原子を有する単環式又は二環式芳香族基を指す。別途指示されない限り、アリール基は、非置換であり得るか、又は、例えば、ハロ、アルキル、アルケニル、OCF、NO、CN、NC、OH、アルコキシ、アミノ、COH、COアルキル、アリール、及びヘテロアリールから独立して選択される1個以上、特に1~5個若しくは1~4個若しくは1~3個の基で置換され得る。アリール基は、単離され得る(例えば、フェニル)か、又はシクロアルキル基(例えば、テトラヒドロナフチル)、複素環基、及び/若しくはヘテロアリール基と縮合し得る。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、合計5~10個の環原子を有し、芳香環中の窒素、酸素、及び硫黄原子から選択される1~4個のヘテロ原子を有する単環式又は二環式芳香環を指す。別途指示されない限り、ヘテロアリール基は、非置換であり得るか、又は、例えば、ハロ、アルキル、アルケニル、OCF、NO、CN、NC、OH、アルコキシ、アミノ、COH、COアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される1つ以上、特に、1~4つの置換基で置換され得る。いくつかの事例では、ヘテロアリール基は、アルキル基及びアルコキシ基のうちの1つ以上で置換される。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、フリル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」又は「アルコキシル」という用語は、「-O-アルキル」基を指す。アルコキシ基又はアルコキシル基は、非置換又は置換であり得る。
本明細書で使用される場合、「ハロ」とは、F、Cl、I、又はBrを指す。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、特定の疾患又は状態(例えば、がん)のうちの1つ以上の症状を改善、減弱又は排除する、あるいは特定の疾患又は状態の1つ以上の症状の発症を予防又は遅延する化合物又は治療的活性化合物の組み合わせの量を意味する。
本明細書で使用される場合、「患者」及び「対象」という用語は、互換的に使用され得、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、及びヒツジなどの動物(例えば、非ヒト動物)、並びにヒトを意味する。特定の患者又は対象は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される」という用語は、本開示の化合物などの参照物質、又は化合物若しくは特定の賦形剤を含む製剤であり、患者若しくは対象への投与に安全かつ好適であることを意味する。「医薬的に許容される賦形剤」という用語は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨げず、それが投与される宿主に対して毒性がない媒体を指す。
本明細書に開示される化合物は、医薬的に許容される塩であり得る。本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される塩」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴うことなく、ヒト及び下等動物の組織との接触での使用に好適であり、妥当な利益/リスク比に相応する塩を指す。医薬的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、参照によって本明細書に組み込まれるJ.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において、医薬的に許容される塩を詳細に記載している。本発明の化合物の医薬的に許容される塩としては、好適な無機及び有機酸及び塩基に由来するものが挙げられる。医薬的に許容される非毒性酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸で形成されるか、又はイオン交換などの当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の医薬的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩(camphorate)、樟脳スルホン酸塩(camphorsulfonate)、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。カルボン酸又は他の酸性官能基を含む化合物の塩は、好適な塩基と反応させることによって調製され得る。かかる塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム塩、アンモニウム、N(C1-4アルキル)塩、及び有機塩基の塩、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルアミン、ビス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、トリ-(2-ヒドロキシエチル)アミン、プロカイン、ジベンジルピペリジン、デヒドロアビエチルアミン、N,N’-ビスデヒドロアビエチルアミン、グルカミン、N-メチルグルカミン、コリジン、キニン、キノリン、並びにリジン及びアルギニンなどの塩基性アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。本発明は、本明細書に開示される化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も企図する。水溶性若しくは油溶性又は分散性産生物は、かかる四級化によって得られ得る。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。更なる医薬的に許容される塩としては、適切な場合、非毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、及び対イオンを使用して形成されるアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などが挙げられる。
本明細書で使用される場合、「治療すること」、「治療する」、又は「治療」などの用語は、予防的(preventative)(例えば、予防的(prophylactic))及び緩和的な治療を含む。
本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性医薬成分(API)以外の、医薬的に許容される添加剤、担体、希釈剤、アジュバント、又は他の成分を意味する。
医薬的組成物
本明細書に開示されるEGFR分解剤は、患者への投与のための医薬的組成物中に製剤化することができる。医薬的組成物は、適切なキャリア及び任意選択的に他の有用な成分と組み合わせた適切な量のEGFR分解剤を含む。例えば、他の有用な成分としては、吸収促進剤、酸化防止剤、結合剤、緩衝剤、コーティング剤、着色剤、希釈剤、崩壊剤、乳化剤、増量剤、充填剤、香味剤、加湿剤、滑沢剤、香料、保存剤、推進剤、放出剤、殺菌剤、甘味剤、可溶化剤、湿潤剤、及びそれらの混合物などのカプセル化材料又は添加剤が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬的組成物は、化合物を生物学的に利用可能にする任意の経路によって、それを必要とする患者に投与される。一実施形態では、組成物は、経口投与に適合された固体製剤である。別の実施形態では、組成物は、錠剤、粉末、若しくはカプセルであるか、又は組成物は、錠剤である。実施形態では、組成物は、経口投与に適合された液体製剤である。実施形態では、組成物は、非経口投与に適合された液体製剤である。実施形態では、組成物は、溶液、懸濁液、若しくはエマルジョンであるか、又は組成物は、溶液である。実施形態では、固体形態組成物は、使用の直前に、経口投与又は非経口投与のいずれかのために液体形態組成物に変換することができる。これらの特定の固体形態組成物は、単位用量形態で提供され、したがって、単一の液体用量単位を提供するために使用される。これら及び他の医薬的組成物、並びにそれらを調製するためのプロセスは、当該技術分野で周知である。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(D.B.Troy,Editor,21st Edition,Lippincott,Williams & Wilkins,2006)を参照されたい。
投与量は、対象の要件、治療される状態の重症度、及び使用される特定の薬剤に応じて変化し得る。特定の状況に対する適切な投与量の決定は、医学分野の当業者によって決定され得る。1日当たりの総投与量は、1日を通して、又は連続送達を提供する手段によって、部分的に分割及び投与され得る。
本明細書に記載のEGFR分解剤及び組成物は、所望の臨床応答に応じて、必要に応じて調整され得る好適な投与量で最初に投与され得る。ある特定の実施形態では、EGFR分解剤は、0.01 ~約50mg/kgの体重の1日投与量で対象に投与される。他の実施形態では、用量は、1~1000mg/日である。ある特定の実施形態では、1日用量は、1~750mg/日、又は10~500mg/日である。
実施形態では、医薬的組成物は、単位剤形である。組成物は、適切な量のEGFR分解剤を含有する単位用量に細分化することができる。単位剤形は、バイアル又はアンプル中の錠剤、カプセル、又は粉末であり得るか、又は包装形態中のこれらのうちのいずれかの適切な数であり得る。単位剤形は、包装された形態であり得、包装は、別個の量の組成物、例えば、バイアル又はアンプル中の包装された錠剤、カプセル、又は粉末を含有する。組成物の単位用量中のEGFR分解剤の量は、特定の用途に応じて、約1mg~約100mg、又は約1mg~約50mg、又は約1mg~約25mgで変化又は調整され得る。
治療のためのがん
本明細書に開示される方法は、EGFR変異、過剰発現、又はリガンド過剰発現、変異型KRAS、又は変異型BRAFによって駆動されるがんの治療に有用である。いくつかの事例では、がんは、少なくとも1つの有害なKRAS変異の存在を特徴とする。有害なKRAS変異には、変異:G12D、G12C、G12V、及びG13Dのうちの1つが含まれ得るが、これらに限定されない。様々な事例では、がんは、EGFR変異:L858R、T790M、C797S、S768I、エクソン19欠失、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上の存在を特徴とし得る。様々な事例では、がんは、有害なBRAF変異(例えば、V600E)を特徴とし得る。様々な事例では、がんは、固形腫瘍である。
がんは、いくつかの態様では、急性リンパ球性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、骨がん、脳がん、乳がん、肛門がん、肛門管がん、若しくは肛門直腸がん、眼がん、肝内胆管がん、関節がん、頸部、胆嚢、若しくは胸膜がん、鼻、鼻腔、若しくは中耳がん、口腔がん、外陰部がん、白血病(例えば、慢性リンパ球性白血病)、慢性骨髄がん、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、消化管カルチノイド腫瘍、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、肝臓がん、肺がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、卵巣がん、膵臓がん、腹膜、網、及び腸間膜がん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓がん(例えば、腎細胞がん(RCC))、小腸がん、軟部組織がん、胃がん、精巣がん、甲状腺がん、尿管がん、及び膀胱がんからなる群から選択されるものである。特定の態様では、がんは、頭頸部がん、卵巣がん、子宮頸がん、膀胱がん及び食道がん、膵臓がん、胃腸がん、胃がん、乳がん、子宮内膜がん及び結腸直腸がん、肝細胞がん、膠芽腫、膀胱がん、肺がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、細気管支肺胞がんからなる群から選択される。特定の態様では、がんは、オシメルチニブ耐性がんである。いくつかの事例では、がんは、膵臓がん、頭頸部がん、黒色腫、結腸がん、腎臓がん、白血病、又は乳がんである。いくつかの事例では、がんは、黒色腫、結腸がん、腎臓がん、白血病、又は乳がんである。いくつかの事例では、本明細書に開示される方法で治療されるがんは、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、肺がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、卵巣がん、頸部がん、胃がん、乳がん、肝細胞がん、神経膠芽細胞腫、肝臓がん、悪性中皮腫、黒色腫、多発性骨髄腫、前立腺がん、及び腎臓がんであり得る。いくつかの実施形態では、がんは、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、又は肺がんである。いくつかの実施形態では、がんは、セツキシマブ耐性がん又はオシメルチニブ耐性がんである。
放射線療法の投与経路
放射線療法は、高エネルギー放射線(例えば、X線、ガンマ線、又は荷電粒子)を使用して、がん細胞を損傷及び/又は殺傷し、腫瘍を縮小することを伴う。本発明の方法では、放射線は、体外に配置された機械(外部ビーム放射線療法)によって、がんの近くに体内に配置された放射性材料(内部放射線療法、近接照射療法とも呼ばれる)によって、又は血流を介してがんに移動する全身投与された放射性物質(例えば、放射性ヨウ素)によって、患者に送達され得る。代替的に、これらの送達方法は、組み合わせて使用することができる。
本明細書に記載の併用治療での使用に好適である放射線療法としては、a)外部ビーム放射線、及びb)放射線放射性同位体を含む放射性医薬品の使用が挙げられる。
外部ビーム放射線:がんの治療のための外部ビーム放射線療法は、患者の外部にある放射線源、典型的には、Co、Csなどの放射性同位体、又は線形加速器などの高エネルギーX線源のいずれかを使用する。外部源は、腫瘍部位に対して、患者に方向付けられたコリメートされたビームを生成する。外部源放射線療法は、内部源放射線療法の問題のいくつかを回避するが、腫瘍組織とともに放射線ビームの経路における有意な体積の非腫瘍性又は健康な組織を照射する。外部放射線ビームを様々な角度で患者に照射し、そのビームをがん(例えば、腫瘍)部位に収束させることによって、腫瘍組織内に所与の用量の放射線を維持しながら、健康な組織への放射線照射による悪影響を低減することができる。放射線ビームの経路に沿った健康な組織の特定の体積の要素は、変化し、処置全体にわたって健康な組織への総用量を減少させる。健康な組織の照射はまた、放射線ビームの軸に垂直にとったがん(例えば、腫瘍)の全体的な断面に放射線ビームをしっかりとコリメートすることにより減少され得る。
放射性医薬品:「放射性医薬品」とは、少なくとも1つの放射線放出性放射性同位体を含有する医薬品を指す。放射性医薬品は、慣例的に、様々な疾患の診断及び/又は治療のために核医学で使用される。例えば、放射標識抗体などの放射性標識医薬品は、放射線源の役割を果たす放射性同位体(RI)を含有する。本明細書で企図されるように、「放射性同位体」という用語は、金属及び非金属放射性同位体を含む。放射性同位体は、放射性標識医薬品の医学的用途に基づいて選択される。放射性同位体が、金属放射性同位体である場合、キレート化剤が典型的に用いられて、金属放射性同位体を分子残部に結合する。放射性同位体が非金属放射性同位体である場合、非金属放射性同位体は、典型的に、分子残部直接結合し、又はリンカーによって結合する。「金属放射性同位体」は、インビボ又はインビトロでの治療又は診断手順で有用な任意の好適な金属放射性同位体である。放射線治療のために最も適切な同位体を同定するには、様々な要因の検討が必要である。これらとしては、腫瘍の取り込み及び保持、血液クリアランス、放射線送達速度、放射性同位体の半減期及び比活性、並びに経済的な方法での放射性同位体の大規模生産の実現可能性が挙げられる。治療用放射性医薬品の要点は、管理し難い副作用を引き起こさずに、必要な量の放射線量を腫瘍細胞に送達して、細胞毒性又は殺腫瘍効果を達成することである。治療用放射性同位体の物理的半減期は、腫瘍部位における放射性医薬品の生物学的半減期と同様であることが好ましい。例えば、放射性同位体の半減期が短すぎる場合、崩壊の大半は、放射性医薬品が最大標的/バックグラウンド比に達する前に起きる。他方、長すぎる半減期は、正常組織に対して不要な放射線量を引き起こし得る。理想的には、放射性同位体は、十分長い半減期を有して、最小線量率を達成し、細胞周期中の最も放射線感受性の高い段階で、全ての細胞を照射すべきである。加えて、放射性同位体の半減期は、製造、放出、及び輸送に十分な時間を可能にするのに十分な長さでなければならない。
本発明の方法で使用するのに好適である放射線タイプが、変動し得る。例えば、放射線は、本質的に電磁又は微粒子であり得る。本発明の実施において有用な電磁放射としては、X線及びガンマ線が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の実施において有用な微粒子放射としては、電子ビーム(ベータ粒子)、プロトンビーム、中性子ビーム、アルファ粒子、及び負のπ中間子が挙げられるが、これらに限定されない。放射線は、従来の放射線学的治療装置及び方法を使用して、並びに術中及び定位固定法によって送達され得る。本発明の実施で使用するのに好適な放射線治療に関する追加的な考察は、Steven A.Leibel et al.,Textbook of Radiation Oncology(1998)(publ.W.B.Saunders Company)の全体を通じて記載され、例えば、第13及び14章に記載されている。放射線はまた、例えば、放射性「シード」による、又は標的放射性コンジュゲートの全身送達による標的化送達などの他の方法によって送達され得る。J.Padawer et al.,Int.J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.7:347-357(1981)。
腫瘍治療のために、α及びβ粒子放出体の両方が調査されている。アルファ粒子は、1つ又は2つの細胞直径内に大量のエネルギーを散逸するため、特に良好な細胞毒性剤である。β粒子放出体は、エネルギーレベルに応じて比較的長い透過範囲(組織中で2~12mm)を有する。長い透過範囲は、不均一な血流及び/又は受容体発現を有する固形腫瘍にとって特に重要である。β粒子放出体は、それらが標的組織内で不均一に分布している場合でさえも、より均質な線量分布をもたらす。
外部ビーム放射線の投与:外部ビーム放射線の投与のために、その量は、治療体積に対して少なくとも1日におきに1回、少なくとも約1グレイ(Gy)画分であり得る。いくつかの実施形態では、放射線は、治療体積に対して少なくとも1日1回、少なくとも約2グレイ(Gy)画分で投与される。別の特定の実施形態では、放射線は、治療体積に対して少なくとも1日に1回、週に5日連続して、少なくとも約2グレイ(Gy)画分で投与される。いくつかの実施形態では、放射線は、治療体積に対して1日おきに、週に3回、10Gyの画分で投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約20Gyの合計が、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約30Gyが、それを必要とする患者に投与される。いくつかの実施形態では、少なくとも約40Gyが、それを必要とする患者に投与される。典型的には、患者は、外部ビーム療法を週に4回又は5回受ける。全治療過程は、がんの種類及び治療の目的に応じて、通常は、1~7週間にわたる。例えば、2Gy/日の用量を、患者に、30日間にわたって投与し得る。
放射性医薬品の投与:放射性医薬品の投与にはいくつかの方法がある。例えば、放射性医薬品は、標的化送達によって、又は放射性標識抗体、放射性標識ペプチド、及びリポソーム送達システムなどの標的放射性コンジュゲートの全身送達によって投与することができる。いくつかの実施形態では、放射性標識薬剤は、放射性標識抗体であり得る。例えば、Ballangrud A.M.,et al.Cancer Res.,2001;61:2008-2014及びGoldenberg,D M J.Nucl.Med.,2002;43(5):693-713を参照されたく、それらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、放射性医薬品は、小型単層小胞、大型単層小胞、及び多重膜小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することができる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、又はホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成され得る。例えば、Emfietzoglou D,Kostarelos K,SgouroS G.An analytical dosimetry Study for the use of radionuclide-liposome conjugates in internal radiotherapy.J Nucl Med 2001;42:499-504を参照されたく、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、放射性医薬品は、放射性標識ペプチドであり得る。例えば、Weiner R E,Thakur M L.Radiolabeled peptides in the diagnosis and therapy of oncological diseases.Appl Radiat Isot 2002 November;57(5):749 63を参照されたく、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
標的化送達に加えて、近接照射療法を使用して、放射性医薬品を標的部位に送達することができる。近接照射療法は、放射線源を腫瘍部位に可能な限り近づける技術である。多くの場合、その源は、腫瘍に直接挿入される。放射線源は、ワイヤ、シード、又はロッドの形態であり得る。一般に、セシウム、イリジウム、又はヨウ素が、使用される。近接照射療法には、腔内照射療法及び間質内照射法の2種類がある。腔内照射療法では、放射線源を保持する容器を、腫瘍に入れられるか、又は腫瘍の近くに置かれる。その源は、体腔に入れられる。間質内照射法では、放射線源のみが、腫瘍に入れられる。これらの放射線源は、患者の中に恒久的に留まり得る。ほとんどの場合、放射線源は、数日後に患者から取り出される。必要な放射線の量は、特定の種類のがんの既知の用量に基づいて、当業者によって決定することができる。例えば、Cancer Medicine 5’’ ed.,Edited by R.C.Bast et al.,July 2000,B C Deckerを参照されたく、その全体の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮すると、例示された実施形態は単なる例であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを認識されたい。
局所的に進行した異種移植片(PC9、RKO、又はUMSCC74B)を有するマウスを、ビヒクル(対照)、化合物A(DPI-503とも称される)の毎日の経口強制投与、放射線+ビヒクル、又は化合物A及び放射線の毎日の経口強制投与の組み合わせで処置した。腫瘍体積は、少なくとも週に3回キャリパーを使用して測定した。
図1Aは、ビヒクル、化合物A(75mg/kg、週5回、3週間)、放射線(2Gy/日、週5回、3週間)、又は放射線及び化合物Aの組み合わせで処置されたオシメルチニブ耐性PC9非小細胞肺がん異種移植片を有するマウスを示す。155日目に、実験が終了したとき、活性腫瘍は、病理組織学、又は組織化学によって検出できなかった。
図1Bは、ビヒクル(対照)、化合物A(100mg/kg、毎日8日間)、放射線(2GY/日、週5日、3週間)+ビヒクル、又は化合物A及び放射線の組み合わせで処置されたRKO BRAF V600E大腸がん腫瘍を有するマウスを示し、併用療法マウスは、4週間を超えて化合物Aの投与を継続した。
図1Cは、UMSCC74B KRAS G12D頭頸部扁平上皮がん腫瘍を有するマウスを、ビヒクル(対照)、化合物A(30mg/kg biwを2週間)、放射線(2GY/日、週5日、3週間)+ビヒクル、又は放射線及び化合物Aで処置することを示す。この実験は、対照動物が腫瘍サイズのために安楽死されなければならなかったときに終了した。
図1に示されるデータは、化合物A及び放射線が、化合物A単独又は放射線単独のいずれかと比較して、変異型EGFR、変異型BRAF、及び変異型KRAS駆動型がんの治療において予想外に有効性を示したことを示す。

Claims (62)

  1. がんに罹患している患者におけるがんを治療する方法であって、前記患者に、EGFR分解剤を投与することと、前記患者を放射線に供して前記がんを治療することと、を含む、方法。
  2. 前記EGFR分解剤が、野生型EGFRを分解する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記EGFR分解剤が、変異型EGFRを分解する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記EGFR分解剤が、化合物(又はその医薬的に許容される塩)、抗体、タンパク質、ペプチド、PROTAC(キメラを標的とするタンパク質分解)、ウイルス、抗体-薬物コンジュゲート、アプタマー、ペプチド模倣剤、又はオリゴヌクレオチドである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記化合物が、式(I)の構造を有し、
    式中、
    Xが、C1-6アルキレン、C2-6アルケニレン、C2-6アルキニレン、C3-10シクロアルキレン、4~6員複素環、O-C0-6アルキレン、O-C2-6アルケニレン、O-C2-6アルキニレン、O-C3-10シクロアルキレン、O-(4~6員ヘテロシクレン)、S-C0-6アルキレン、S-C2-6アルケニレン、S-C2-6アルキニレン、S-C3-10シクロアルキレン、S-(4~6員ヘテロシクレン)、NR-C0-6アルキレン、NR-C2-6アルケニレン、NR-C2-6アルキニレン、NR-C3-10シクロアルキレン、又はNR-(4~6員ヘテロシクレン)であり、Xが、任意選択的に、Rから独立して選択される1~5つの基で置換され、
    Yが、C0-6アルキレン、C3-6アルケニレン、又はC3-6アルキニレンであり、Yが、任意選択的に、ハロ、N(R、及びRから独立して選択される1~3つの基で置換され、
    Aが、C6-10アリール又はN、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールであり、Aが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    Bが、C6-10アリール、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール、3~8員シクロアルキル環、又はO、S、及びNから選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する3~12員複素環であり、Bが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    及びRが、各々独立して、C1-6アルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、若しくはC3-6シクロアルキルであるか、又はR及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4~8員シクロアルキル若しくは複素環を形成し、前記複素環が、O、S、及びNから選択される1又は2個の環ヘテロ原子を有し、前記シクロアルキル又は複素環が、任意選択的に、1~2つのRで置換され、各Rが、独立して、OH、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、フェニル、O-フェニル、ベンジル、O-ベンジル、又はN、O、及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する(O)0-1-5~10員ヘテロアリールであるか、又は2つのRが、それらが結合している原子とともに、C3-6シクロアルキル(例えば、C4-6シクロアルケニル)、若しくはN、O、及びSから選択される1個のヘテロ原子を有する4~6員複素環を形成し、
    及びRが、各々独立して、ハロ、NO、オキソ、シアノ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、C1-4チオアルコキシ、CHO、C(=O)R、C(=O)N(R、S(O)0-2、SON(R、NH、NHR、N(R、NRCOR、NRSO、P(=O)(R、オキセタニル、オキセタニルオキシ、オキセタニルアミノ、オキソラニル、オキソラニルオキシ、オキソラニルアミノ、オキサニル オキサニルオキシ、オキサニルアミノ、オキセパニル、オキセパニルオキシ、オキセパニルアミノ、アゼチジニル、アゼチジニルオキシ、アゼチジルアミノ、ピロリジニル、ピロリジニルオキシ、ピロリジニルアミノ、ピペリジニル、ピペリジニルオキシ、ピペリジニルアミノ、アゼパニル、アゼパニルオキシ、アゼパニルアミノ、ジオキソラニル、ジオキサニル、モルホリノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ-S,S-ジオキシド、ピペラジニル、ジオキセパニル、ジオキセパニルオキシ、ジオキセパニルアミノ、オキサゼパニル、オキサゼパニルオキシ、オキサゼパニルアミノ、ジアゼパニル、ジアゼパニルオキシ、又はジアゼパニルアミノであり、
    各Rが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、COOR、CON(R、C0-3アルキレン-C3-8シクロアルキル、C0-3アルキレン-C6-10アリール、又はC0-3アルキレン-(N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール)であり、ここで、前記アリール又はヘテロアリールが、任意選択的に、1~3つのRで置換され、
    各Rが、独立して、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-6アルケニル、C3-6アルキニル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシであるか、
    又はその医薬的に許容される塩である、請求項4に記載の方法。
  6. 及びRが、各々独立して、C1-6アルキルである、請求項5に記載の方法。
  7. 及びRが各々、メチルである、請求項6に記載の方法。
  8. 及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4~8員シクロアルキル又は複素環を形成する、請求項5に記載の方法。
  9. 及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員又は6員シクロアルキル又は複素環を形成する、請求項8に記載の方法。
  10. 及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成する、請求項9に記載の方法。
  11. 及びRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、構造:
    を有する複素環を形成し、式中、*が、前記式Iの化合物の残部への結合点を示す、請求項9に記載の方法。
  12. Aが、C6-10アリールである、請求項5~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. Aが、フェニルである、請求項12に記載の方法。
  14. Bが、C6-10アリールである、請求項5~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. Bが、フェニルである、請求項14に記載の方法。
  16. Bが、N、O、及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリールである、請求項5~13のいずれか一項に記載の方法。
  17. Bが、ピリジニルである、請求項16に記載の方法。
  18. Bが、キノリニルである、請求項16に記載の方法。
  19. Bが、3~8員シクロアルキルである、請求項5~13のいずれか一項に記載の方法。
  20. Bが、5員又は6員シクロアルキルである、請求項19に記載の方法。
  21. Bが、O、S、及びNから選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する3~12員複素環である、請求項5~13のいずれか一項に記載の方法。
  22. Aが、1つのRで置換される、請求項5~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. Aが、構造:
    を有する、請求項22に記載の方法。
  24. Aが、2つのRで置換される、請求項5~21のいずれか一項に記載の方法。
  25. 少なくとも1つのRが、C1-6アルキルである、請求項5~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 少なくとも1つのRが、メチルである、請求項25に記載の方法。
  27. 少なくとも1つのRが、ハロである、請求項5~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. が、ブロモである、請求項27に記載の方法。
  29. が、クロロである、請求項27又は28に記載の方法。
  30. が、フルオロである、請求項27、28、又は29に記載の方法。
  31. 少なくとも1つのRが、C1-6アルコキシである、請求項5~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 少なくとも1つのRが、メトキシである、請求項31に記載の方法。
  33. Bが、1つのRで置換される、請求項5~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. Bが、2つのRで置換される、請求項5~32のいずれか一項に記載の方法。
  35. Bが、構造
    を有する、請求項34に記載の方法。
  36. 少なくとも1つのRが、ハロである、請求項5~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 少なくとも1つのRが、フルオロ又はクロロである、請求項36に記載の方法。
  38. 一方のRが、フルオロであり、他方のRが、クロロである、請求項34又は36に記載の方法。
  39. 少なくとも1つのRが、C1-6アルコキシである、請求項5~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 少なくとも1つのRが、メトキシである、請求項39に記載の方法。
  41. 一方のRが、ハロであり、他方のRが、C1-6アルコキシである、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 一方のRが、クロロであり、他方のRが、メトキシである、請求項41に記載の方法。
  43. Xが、C1-6アルキレンである、請求項5~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. Xが、C2-6アルケニレン又はC2-6アルキニレンである、請求項5~42のいずれか一項に記載の方法。
  45. Xが、C3-10シクロアルキレン、又は4~6員ヘテロシクレンである、請求項5~42のいずれか一項に記載の方法。
  46. Xが、O-C0-6アルキレン又はS-C0-6アルキレンである、請求項5~42のいずれか一項に記載の方法。
  47. Xが、O、S、O-CH-、又はS-CH-である、請求項46に記載の方法。
  48. Yが、結合又はCHである、請求項5~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. Yが、C1-6アルキレンである、請求項5~47のいずれか一項に記載の方法。
  50. Yが、C2-6アルケニレン又はC2-6アルキニレンである、請求項5~47のいずれか一項に記載の方法。
  51. が、Hである、請求項5~50のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記化合物が、化合物A又はその塩である、請求項4に記載の方法。
  53. 前記がんが、EGFR、KRAS、又はBRAF変異がんである、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記KRAS変異が、G12D、G12V、G12C、若しくはG13D、又はそれらの組み合わせである、請求項53に記載の方法。
  55. 前記KRAS変異が、G12Dである、請求項53又は54に記載の方法。
  56. 前記EGFR変異が、L858R、T790M、C797S、S768I、若しくはデルエクソン19、又はそれらの組み合わせである、請求項53~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記がんが、固形腫瘍である、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記がんが、膵臓がん、結腸直腸がん、頭頸部がん、又は肺がんである、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記EGFR分解剤が、1~500mg/kgの量で投与される、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記EGFR分解剤が、20~40mg/kgの量で投与される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記EGFR分解剤が、経口投与される、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記放射線が、少なくとも2Gyの量で投与される、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
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