JP2024511801A - (フロピリミジン-4-イル)ピペラジン化合物及びその使用 - Google Patents

(フロピリミジン-4-イル)ピペラジン化合物及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2024511801A
JP2024511801A JP2023559132A JP2023559132A JP2024511801A JP 2024511801 A JP2024511801 A JP 2024511801A JP 2023559132 A JP2023559132 A JP 2023559132A JP 2023559132 A JP2023559132 A JP 2023559132A JP 2024511801 A JP2024511801 A JP 2024511801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound according
compound
ring
cancer
pharmaceutically acceptable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023559132A
Other languages
English (en)
Inventor
洋輔 ▲高▼梨
仁志 坂
学 草木
剛之 岩▲崎▼
ドゥルブ,ハルシル
エル ワーナー,スティーブン
Original Assignee
スミトモ ファーマ オンコロジー, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by スミトモ ファーマ オンコロジー, インコーポレイテッド filed Critical スミトモ ファーマ オンコロジー, インコーポレイテッド
Publication of JP2024511801A publication Critical patent/JP2024511801A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D491/00Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00
    • C07D491/02Heterocyclic compounds containing in the condensed ring system both one or more rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms and one or more rings having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by groups C07D451/00 - C07D459/00, C07D463/00, C07D477/00 or C07D489/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D491/04Ortho-condensed systems
    • C07D491/044Ortho-condensed systems with only one oxygen atom as ring hetero atom in the oxygen-containing ring
    • C07D491/048Ortho-condensed systems with only one oxygen atom as ring hetero atom in the oxygen-containing ring the oxygen-containing ring being five-membered
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

以下の構造式(I)の化合物:又はその薬学的に許容できる塩が本明細書に提供され、ここで、可変要素(例えば、R1、R2、R3、X、Y、m、n、p、環G)の値は本明細書に記載される通りである。式Iの化合物及びその薬学的に許容できる塩、上記のもののいずれかの医薬組成物、並びに上記のもののいずれかの組合せを使用して、例えば、RAD51のレベルを減少させることができる。TIFF2024511801000137.tif30160

Description

関連出願
本願は、2021年3月26日に出願された米国仮特許出願第63/166,852号明細書の利益を主張し、その教示全体を参照により本明細書に組み込む。
DNA修復は、絶えずDNA損傷を生じさせる環境中で細胞がゲノム安定性を維持するために必須である(非特許文献1)。細胞中の修復されないDNA損傷はゲノム不安定性をもたらし、最終的に癌を起こし得る。癌は、制御不能に分裂し、正常な体組織に浸潤し破壊する能力を有する異常な細胞の疾患である。癌予防は、相同組換え修復(HRR)を含む数種のDNA損傷修復経路の維持に依存する。しかし、HRRが欠乏している腫瘍は、DNA複製に干渉する癌治療法に感受性がある(非特許文献2)。したがって、癌細胞中のDNA損傷修復タンパク質の誘導は、治療抵抗性及び転移とすら関連する(非特許文献3)。
HRR経路中の主要なタンパク質はRAD51である。RAD51は、古細菌RadAタンパク質の遺伝子複製から生じて、進化を通じて高度に保存されているrecA/RAD51遺伝子ファミリーに属する(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。ヒトにおいて、RAD51は、二本鎖切断(DSB)修復の間のDNAの相同組換えに大きな役割を果たす339-アミノ酸タンパク質である。RAD51は、BRCA1、BRCA2、PALB2及びRAD51パラログを含む一群のタンパク質により調節される(非特許文献7)。RAD51又はその調節因子の1つの調節異常は、癌並びにファンコニ貧血(FA)-様症候群と関連している(非特許文献7、非特許文献8)。RAD51タンパク質機能の喪失又は低下が癌のリスクを増加させ得る一方で、癌中のRAD51上方制御は治療抵抗性の原因になり得る(非特許文献9、非特許文献10)。適切なレベルのRAD51発現及び活性を維持することは、癌予防と癌治療の両方においてHRRにとって重要である。
HRRの一部として、RAD51は、中断された配列(interrupted sequences)間の鎖転移及びそれらの損傷されていない相同性を促進する(非特許文献11)。いくつかの研究により、RAD51タンパク質発現のレベルが不死化細胞中並びに多種多様なヒト癌細胞株中で上昇していることが示された(非特許文献12、非特許文献13)。RAD51過剰発現が、放射線及びトポイソメラーゼ阻害剤又はDNA架橋剤などの数種の化学療法薬に対する細胞の抵抗性を増加させることが提唱された(非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15)。RAD51過剰発現は、免疫組織染色(IHC)を使用して多くの腫瘍組織中でも調査された。RAD51の過剰発現は、神経芽細胞腫、乳房、卵巣、膵臓、頭頸部、肺、結腸直腸、前立腺、及び食道扁平上皮癌、並びに多発性骨髄腫及びグリオーマを含むがこれらに限定されない事実上全ての異なる種類の癌に観察された(非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19、非特許文献20、非特許文献21、非特許文献22、非特許文献23、非特許文献24、非特許文献25、非特許文献26、非特許文献12、非特許文献27、非特許文献28、これらの内容全体は参照により本明細書に組み込まれている)。治療的には、RAD51過剰発現は、これらの癌研究のほとんどにおいて患者予後不良とも関連していた。
癌細胞の顕著な特徴の1つは、制御されない増殖である(非特許文献29)。迅速な増殖に対処するために、癌細胞は、非癌細胞よりも速い速度で大量のタンパク質合成を必要とする。癌細胞中の高速度のタンパク質合成のため、タンパク質フォールディングの増大した能力が必要とされ、それは、小胞体(ER)中のタンパク質フォールディング機構に対する相当な要求をかける[非特許文献30]。細胞中の折り畳まれないか又は折り畳みに失敗したタンパク質の負荷が、ERがタンパク質を折り畳む能力を超える場合、細胞はERストレスの状態にある[非特許文献31]。ERストレスを克服するために、癌細胞は、小胞体ストレス応答(UPR)などの固有の適応機構を利用する[非特許文献30、非特許文献32]。ERストレス及び関連するUPRが、癌の発生に関与していることが示されてきた[非特許文献33]。さらに、最近の知見は、持続したレベルの高ERストレスが癌細胞に対する治療効果を与え得ることを示した[非特許文献34、非特許文献35、非特許文献36、非特許文献37]。実際に、ERストレスを誘導する薬物は骨髄腫などの癌を治療することにおいて有用であった[非特許文献38]。ERストレスがUPRを活性化する場合、ERストレスの解消を目標として、ER中の異常なタンパク質分解の上方制御を含む複雑な細胞応答が起こる[非特許文献39]。ERストレスに誘導されるUPRが、RAD51、MGMT、及びMPGを含むがこれらに限定されない多数のDNA修復タンパク質の分解をもたらすことが示された[非特許文献40、非特許文献41、非特許文献31、非特許文献42]。そのため、ERストレス及びUPRの治療的誘導は、例えばRAD51を分解することにより、癌細胞をDNA損傷療法に対して特異的に脆弱にし得る。
したがって、例えば、ERストレス及びUPRの誘導により、癌細胞中のRAD51のレベルを減少させる化合物が必要とされている。
PMID:33015624 PMID:20598756 PMID:24397478 PMID:10486005 PMID:9021132 PMID:16798872 PMID:25833843 PMID:30551670 PMID:18243065 PMID:32001312 PMID:12778123 PMID:11782381 PMID:12712436 PMID:12024032 PMID:9611228 PMID:10851081 PMID:11093813 PMID:15956972 PMID:16596227 PMID:17707537 PMID:19545791 PMID:20092964 PMID:21744352 PMID:23065657 PMID:20002770 PMID:32554304 PMID:31632548 PMID:32577161 PMID:21376230 PMID:32457508 PMID:30996048 PMID:17565364 PMID:24823636 PMID:30863482 PMID:27729194 PMID:26555175 PMID:27308392 PMID:23729400 PMID:9891777 PMID:26951384 PMID:24021650 PMID:32521270
RAD51のレベルを減少させる化合物、その薬学的に許容できる塩、上記のもののいずれかの医薬組成物、及び上記のもののいずれかの組合せが本明細書に提供される。本明細書に記載される化合物は、例えば、それを必要とする対象に、治療上有効な量の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩、又は化合物若しくはその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物若しくは組合せを投与することにより、癌を治療する方法に使用できる。
一態様は、式Iの化合物:
又はその薬学的に許容できる塩であり、式中、可変要素(例えば、X、Y、R、R、R、m、n、p及び環G)の値は本明細書に記載される通りである。
別の態様は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)及び1種以上の薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物である。
さらに別の態様は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)及び1種以上の追加の治療剤を含む医薬組合せである。
別の態様は、細胞(例えば癌細胞)中のRAD51のレベルを減少させる方法であって、細胞を、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)、例えば、治療上有効な量の本開示の化合物と接触させることを含む方法である。
別の態様は、それを必要とする対象(例えば、癌を有する対象)におけるRAD51レベルを減少させる方法であって、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法である。
別の態様は、癌を治療する方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法である。
別の態様は、対象における本明細書に記載される障害、疾患、又は病態を治療することに使用するための本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)、又は本明細書に記載される組成物(例えば、医薬組成物)である。別の態様は、本明細書に記載される障害、疾患、又は病態を治療するための医薬品の製造のための、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)の使用である。
特許又は出願ファイルは、カラーで仕上げられた少なくとも1つの図面を含む。カラー図面を有する本特許又は特許出願公報のコピーは、要求及び必要な料金の支払いにより当局により提供されるだろう。
上記のことは、例の実施形態の以下のより詳細な説明から明らかだろう。
アッセイ実施例2による化合物1により処理された22Rv1細胞中のイムノブロット分析の例を示す。 アッセイ実施例3による化合物1又は化合物4二塩酸塩により処理された22Rv1細胞中のATF3のRT-qPCR分析の例を示す。 アッセイ実施例3による化合物1又は化合物4二塩酸塩により処理された22Rv1細胞中のGADD34のRT-qPCR分析の例を示す。 アッセイ実施例3による化合物1又は化合物4二塩酸塩により処理された22Rv1細胞中のERO1αのRT-qPCR分析の例を示す。 アッセイ実施例3による化合物1又は化合物4二塩酸塩により処理された22Rv1細胞中のTRIB3のRT-qPCR分析の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物1の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物5塩酸塩の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物2塩酸塩の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物3二塩酸塩の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物11二塩酸塩の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物4二塩酸塩の効果の例を示す。 アッセイ実施例4によるELISAアッセイにより測定されたインビトロのRAD51の濃度に対する化合物15二塩酸塩(dihydrrochloride)の効果の例を示す。 アッセイ実施例5に記載される72時間でのRAD51 Fociアッセイの例の画像を示す。 アッセイ実施例5における本明細書に開示される種々の化合物の24時間でのRAD51 Foci数の定量化の例を示す。 アッセイ実施例5における本明細書に開示される種々の化合物の48時間でのRAD51 Foci数の定量化の例を示す。 アッセイ実施例5における本明細書に開示される種々の化合物の72時間でのRAD51 Foci数の定量化を示す。 アッセイ実施例6による化合物1及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物5塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物2塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物3二塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物4二塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物11二塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6による化合物15二塩酸塩及びオラパリブによる22Rv1細胞の組合せ試験の例のデータを示す。 アッセイ実施例6に記載されるアッセイにおける、Ov56細胞に対する本明細書に開示される種々の化合物の単剤効果の例を示す。 アッセイ実施例6に記載されるアッセイにおける、22Rv1細胞に対する本明細書に開示される種々の化合物の単剤効果の例を示す。 アッセイ実施例6に記載されるアッセイにおける、MDA-MB-231細胞株における本明細書に開示される種々の化合物の単剤効果の例を示す。 薬物動態(PK)/薬力学(PD)試験1のデザインを示す模式図である。 PK/PD試験1に記載される試験における、化合物1の24時間後の血漿及び腫瘍中の薬物濃度の要約を示す。 PK/PD試験1に記載される試験における、化合物5塩酸塩の24時間後の血漿及び腫瘍中の薬物濃度の要約を示す。 PK/PD試験1に記載される試験における、化合物3二塩酸塩の24時間後の血漿及び腫瘍中の薬物濃度の要約を示す。 PK/PD試験1に記載される試験における、化合物11二塩酸塩の24時間後の血漿及び腫瘍中の薬物濃度の要約を示す。 PK/PD試験1に記載される試験における、化合物4二塩酸塩の24時間後の血漿及び腫瘍中の薬物濃度の要約を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物1の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物5塩酸塩の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物2塩酸塩の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物3二塩酸塩の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物4二塩酸塩の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物11二塩酸塩の効果の例を示す。 PK/PD試験1によるELISAアッセイにより決定されたインビボのRAD51の濃度に対する化合物15二塩酸塩の効果の例を示す。
例の実施形態の説明が続く。
化合物
第1の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である(式中
Xは-O-であり、且つYは-C(H)-であるか、又はYは-O-であり、且つXは-C(H)-であり;
環Gは、(C~C15)アリール、(C~C15)ヘテロアリール、(C~C15)カルボシクリル、単環式(C~C10)ヘテロシクリル又は二環式縮合(C~C15)ヘテロシクリルであり;
は、各出現で、独立に、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシであり;
は、H、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C15)アリール(C~C)アルキル又は(C~C15)ヘテロシクリル(C~C)アルキルであるか、或いは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した3員~8員環を形成し;
は、各出現で、独立に、オキソ又はハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C12)アルコキシアルキル、-C(O)(C~C)アルキル、-C(O)-(C~C)アルキレン-N(R、-C(O)(OR)、-C(O)N(R、-S(O)N(R)、又は-N(Rであり;
は、各出現で、独立に、H又は(C~C)アルキルであり;
は、各出現で、独立に、H、(C~C)アルキル、(C~C15)アリール、(C~C15)ヘテロアリール、-C(O)(OR)又は-CHC(O)(OR)であり;
は、各出現で、独立に、H又は(C~C)アルキルであり;
mは、0、1又は2であり;
nは、0、1、2又は3であり;且つ
pは、0、1又は2である)。
第1の実施形態の第1の態様において、Xは-O-であり、Yは-C(H)-である。残りの可変要素の値は第1の実施形態に記載された通りである。
第1の実施形態の第2の態様において、Yは-O-であり、Xは-C(H)-である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第3の態様において、環Gは、(C~C10)アリール、(C~C10)ヘテロアリール、(C~C10)カルボシクリル、単環式(C~C)ヘテロシクリル又は二環式縮合(C~C10)ヘテロシクリルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1若しくは第2の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第4の態様において、環Gは、オキサゾリル、フェニル、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第3の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第5の態様において、環Gは、(C6~15)アリール又は(C5~15)ヘテロアリール(例えば、いくつかの態様において、(C~C15)アリール)である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第4の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第6の態様において、環Gはフェニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第5の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第7の態様において、環Gは(C5~15)ヘテロアリールである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第6の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第8の態様において、環Gは、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル又はベンゾフラニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第7の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第9の態様において、環Gは、ピリジニル、インドリル、キノリニル又はキノキサリニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第8の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第10の態様において、環Gは、二環式縮合(C~C15)ヘテロシクリルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第9の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第11の態様において、環Gは、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、クロマニル、又はジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第10の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第12の(twelth)態様において、環Gは、(C3~15)カルボシクリル又は単環式(C5~15)ヘテロシクリルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第11の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第13の(tirteenth)態様において、環Gは、飽和(C5~8)カルボシクリル又は飽和単環式(C5~8)ヘテロシクリルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第12の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第14の態様において、環Gは、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第13の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第15の態様において、Rは、各出現で、独立に、ハロ、シアノ、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第14の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第16の態様において、Rは、独立に、ハロ又はシアノである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第15の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第17の態様において、Rは、独立に、ブロモ又はシアノである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第16の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第18の態様において、RはHであるか、或いは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した3員~8員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第17の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第19の態様において、RはHである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第18の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第20の態様において、Rは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した4員~6員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第19の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第21の態様において、Rは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロである4員~6員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第20の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第22の態様において、R及び環Gは、それらの介在する原子と共に、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イルを形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第21の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第23の態様において、Rは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに縮合した4員~6員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1~第22の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第24の態様において、R及び環Gは、それらの介在する原子と共に、5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-6-イル又は5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イルを形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第23の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第25の態様において、Rは、各出現で、独立に、ハロ、(C~C)アルキル、シアノ又は(C~C)アルコキシである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第24の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第26の態様において、Rは、各出現で、独立に、-F、-Cl、-Br、又はメトキシである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第25の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第27の態様において、Rは、各出現で、独立に、-C(O)-(C~C)アルキレン-N(R、-C(O)(OR)、-C(O)N(R、-S(O)N(R)、又は-N(Rである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第26の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第28の態様において、Rは、各出現で、独立に、(C~C)アルキルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第27の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第29の態様において、Rは、各出現でHである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第28の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第30の(thirteeth)態様において、Rは、各出現で、H、ピリミジニル、tert-ブトキシカルボニル、メチルtert-ブトキシカルボニル又はメチルカルボキシラートである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第29の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第31の態様において、Rは、各出現で、独立に、-C(O)(OR)又は-CHC(O)(OR)である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第30の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第32の態様において、Rは、各出現で、独立に、(C~C)アルキルである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第31の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第33の態様において、Rは、各出現でHである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第32の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第34の態様において、mは、0又は1である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第33の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第35の態様において、mは0である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又は第1から第34の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第36の態様において、mは1である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第35の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第37の態様において、nは、0、1又は2である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第36の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第38の態様において、nは、0又は1である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第37の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第39の態様において、nは0である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第38の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第40の態様において、nは1である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第39の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第41の態様において、pは0である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第40の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第42の態様において、pは1である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第41の態様に記載された通りである。
第1の実施形態の第43の態様において、pは2である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態又はその第1から第42の態様に記載された通りである。
第2の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である(式中、Rは、H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシである)。残りの可変要素(例えば、R、R、n、p及び環G)の値は、第1の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
第2の実施形態の第1の態様において、Rは、H、ハロ、シアノ、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキル(例えば、いくつかの態様において、H、ハロ、シアノ又は(C~C)ハロアルキル)である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第2の実施形態に記載された通りである。
第2の実施形態の第2の態様において、Rは、H、ハロ又はシアノである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第2の実施形態若しくはその第1の態様に記載された通りである。
第2の実施形態の第3の態様において、Rは、H、ブロモ又はシアノである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第2の実施形態若しくはその第1若しくは第2の態様に記載された通りである。
第2の実施形態の第4の態様において、RはHである。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第2の実施形態若しくはその第1から第3の態様に記載された通りである。
第3の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である(式中、Aは、-C(H)-又は-N-であり;Z及びZは存在しないか、又はZ及びZは、それらの介在する原子と共に、任意選択で1、2又は3つの独立に選択されたヘテロ原子を含む4~7員環を形成する)。残りの可変要素(例えば、R、R、R、m、n、p及び環G)の値は、第1の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
第3の実施形態の第1の態様において、Aは-C(H)-である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第3の実施形態に記載された通りである。
第3の実施形態の第2の態様において、Aは-N-である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第3の実施形態若しくはその第1の態様に記載された通りである。
第3の実施形態の第3の態様において、Z及びZは存在しない。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第3の実施形態若しくはその第1若しくは第2の態様に記載された通りである。
第3の実施形態の第4の態様において、Z及びZは、それらの介在する原子と共に、任意選択で1、2又は3つの独立に選択されたヘテロ原子を含む4~7員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第3の実施形態若しくはその第1から第3の態様に記載された通りである。
第3の実施形態の第5の態様において、Z及びZは、それらの介在する原子と共に、O及びNから独立に選択される1又は2つのヘテロ原子を含む5~6員環を形成する。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第3の実施形態若しくはその第1から第4の態様に記載された通りである。
第4の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である。可変要素(例えば、A、Z、Z、R、R、R、n、p及び環G)の値は、第1から第3の実施形態又は上記のもののいずれかの態様に記載された通りである。
第5の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である(式中、Aは、-C(H)-、-N(H)-又は-O-であり;Aは、>C(H)-又は>N-である)。残りの可変要素(例えば、R、R、R、m、n、p及び環G)の値は、第1の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
第5の実施形態の第1の態様において、Aは-C(H)-であり、Aは>C(H)-である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第5の実施形態に記載された通りである。
第5の実施形態の第2の態様において、Aは-O-であり、Aは>C(H)-である。残りの可変要素の値は、第1の実施形態若しくはそのいずれかの態様又は第5の実施形態若しくはその第1の態様に記載された通りである。
第6の実施形態は、以下の構造式を有する化合物:
又はその薬学的に許容できる塩である。可変要素(例えば、A、A、R、R、R、n、p)の値は、第1、第2、若しくは第5の実施形態又は上記のもののいずれかの態様に記載された通りである。
本開示の化合物の具体例としては、表Aに描写される化合物及びその薬学的に許容できる塩がある。
定義
本明細書を解釈する目的で、以下の定義が当てはまり、適切な場合は常に、単数で使用される用語は複数も含む。本明細書に使用される用語は、文脈により別途明確に示されない限り、以下の意味を有する。
本明細書に記載される全方法は、本明細書に特記されない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、あらゆる好適な順序で実施できる。本明細書に提供されるありとあらゆる例又は例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、本開示をより明らかにすることが意図されるに過ぎず、別途特許請求された本開示の範囲に限定を課さない。
用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記(the)」、及び本開示の文脈で(特に請求項の文脈で)使用される類似の用語は、本明細書に特記されない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を含むと解釈されるものとする。
本明細書で使用される通り、用語「ヘテロ原子」は、窒素(N)、酸素(O)又は硫黄(S)原子、特に、窒素又は酸素を指す。1つのヘテロ原子がSである場合、それは、任意選択で一又は二酸化されていてよい(すなわち-S(O)-又は-S(O)-)。特記されない限り、原子価が満たされていないあらゆるヘテロ原子は、原子価を満たすのに充分な水素原子を有すると見なされる。
本明細書で使用される通り、用語「アルキル」は、明示された数の炭素原子及び一般式C2n+1を有する分岐鎖又は直鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。そのため、用語「(C~C)アルキル」は、nが、1、2、3、4、5又は6である一般式C2n+1の分岐鎖又は直鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、ネオペンチル、3,3-ジメチルプロピル、ヘキシル、2-メチルペンチルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、アルキルが本明細書に記載される通りである、酸素連結分子を経て結合したアルキルラジカルを指す。「(C~C)アルコキシ」は、(C~C)アルキルが酸素連結分子を経て結合しているアルコキシ基を指す。アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ及びiso-プロポキシ)、及びブトキシ(例えば、t-ブトキシ)があるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「アルコキシアルキル」は、アルキル及びアルコキシが本明細書に記載される通りである、1つ以上の(例えば1つの)水素原子が、それぞれ独立に、アルコキシに置き換えられているアルキルラジカルを指す。「アルコキシ(C~C)アルキル」は、1つ以上の水素原子が、それぞれ、アルコキシに置き換えられている(C~C)アルキルを指す。「(C~C12)アルコキシアルキル」は、アルコキシアルキル中の総炭素数が2~12炭素であることを指す。アルコキシアルキルの例としては、2-メトキシエチルがあるが、これに限定されない。
本明細書で使用される「ハロゲン」及び「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。いくつかの実施形態において、ハロゲンは、フルオロ、クロロ又はブロモである。いくつかの実施形態において、ハロゲンは、フルオロ又はクロロである。いくつかの実施形態において、ハロゲンは、クロロ、ブロモ又はヨードである。いくつかの実施形態において、ハロゲンは、クロロ又はブロモである。
本明細書で使用される「ハロアルキル」は、アルキル及びハロゲンが本明細書に記載される通りである、1つ以上の水素原子が、それぞれ独立に、ハロゲンに置き換えられているアルキルラジカルを指す。「ハロアルキル」には、モノ-、ポリ-及びペルハロアルキル基がある。「(C~C)ハロアルキル」は、1つ以上の水素原子が、それぞれ独立に、ハロゲンに置き換えられた(C~C)アルキルを指す。ハロアルキルの例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、及びヘプタクロロプロピルがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ハロアルコキシ」は、ハロアルキルが本明細書に記載される通りである、酸素連結分子を経て結合しているハロアルキルラジカルを指す。「(C~C)ハロアルコキシ」は、(C~C)ハロアルキルが酸素連結分子を経て結合しているハロアルコキシ基を指す。ハロアルコキシの例としては、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、及びペンタフルオロエトキシがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ヒドロキシ」は-OHを意味する。
本明細書で使用される「ヒドロキシアルキル」は、アルキル及びヒドロキシが本明細書に記載される通りである、1つ以上の(例えば、1つの)水素原子がヒドロキシに置き換えられているアルキルラジカルを指す。「ヒドロキシ(C~C)アルキル」を、1つ以上の水素原子がヒドロキシに置き換えられている(C~C)アルキルを指す。ヒドロキシアルキルの例としては、2-ヒドロキシエチルがあるが、これに限定されない。
本明細書で使用される「シアノ」は-C≡Nを意味する。
本明細書で使用される「オキソ」は=Oを意味する。
本明細書で使用される「チオウレア」は、
を意味する。置換されたチオウレアは、水素の1つ以上が置換基に置き換えられている。
本明細書で使用される「チオアミド」は、
を意味する。置換されたチオアミドは、水素の1つ以上が置換基に置き換えられている。「カルボチオアミド」はまた「チオアミド」を指す。
本明細書で使用される用語「カルボシクリル」は、明示された数の環炭素原子を有する、飽和又は不飽和の非芳香族、単環式又は多環式(例えば、二環式、三環式)炭化水素環系を指す。そのため、「(C~C)カルボシクリル」は、5~8つの環炭素を有するカルボシクリル環系を意味する。カルボシクリルは飽和(すなわちシクロアルキル)であり得る。或いは、カルボシクリルは不飽和であり得る(すなわち、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合又は三重結合におけるなど、少なくとも1つの不飽和度を含む)。カルボシクリル環系は、単環式環、縮合環、架橋環、及びスピロ環式環からなり得る。カルボシクリルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、及びノルボルニルがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「シクロアルキル」は、明示された数の炭素原子を有する、飽和の単環式又は多環式(例えば、二環式、三環式)、脂肪族、炭化水素環系を指す。そのため、「(C~C)シクロアルキル」は、5~8つの環炭素を有するシクロアルキル環系を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びノルボルニルがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「シクロアルコキシ」は、酸素連結分子を経て結合しているシクロアルキル環系を指す。「(C~C)シクロアルコキシ」は、(C~C)シクロアルキルが酸素連結分子を経て結合しているシクロアルコキシ基を指す。シクロアルコキシ基の例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「アリール」は、明示された数の環原子を有する、単環式又は多環式、芳香族炭素環系を指す。そのため、「(C)アリール」は、6つの環炭素原子を有するアリール環系を指す。典型的には、アリールは、6~15、6~10、6~9、又は6つの環炭素原子を有する。アリール環系は、単環又は縮合環系からなり得る。アリールとしては、フェニル及びナプチル(napthyl)があるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「アリールアルキル」は、アルキル及びアリールが本明細書に記載される通りである、1つ以上の(例えば、1つの)水素原子が、それぞれ独立に、アリールに置き換えられているアルキルラジカルを指す。アラルキルの例としては、ベンジルがあるが、これに限定されない。
本明細書で使用される用語「ヘテロアリール」は、明示された数の環原子を有し、環中の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子に置き換えられた単環式又は多環式、芳香族、炭化水素環系を指す。そのため、「(C~C)ヘテロアリール」は、5又は6つの環原子を有するヘテロアリール環系を指す。典型的には、ヘテロアリールは、5~15、5~10、5~9、又は5~6つの環原子を有する。ヘテロアリール環系は、単環又は縮合環系からなり得る。典型的な単環式ヘテロアリールは、酸素、硫黄、及び窒素から独立に選択される1~3つ(例えば、1、2、又は3つ)のヘテロ原子を含む5~6員環であり、典型的な縮合ヘテロアリール環系は、酸素、硫黄、及び窒素から独立に選択される1~4つのヘテロ原子を含む9~10員環系である。縮合ヘテロアリール環系は、共に縮合した2つのヘテロアリール環又はアリール環(例えばフェニル)に縮合したヘテロアリール環からなり得る。ヘテロアリールの例としては、ピロリル、ピリジル、ピラゾリル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、インダゾリル、チエニル、フラニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、プリニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾリルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリル」は、明示された数の環原子を有し、環系中の少なくとも1つの炭素原子が、酸素、硫黄、及び窒素から独立に選択されるヘテロ原子に置き換えられた飽和又は部分飽和、非芳香族、単環式又は多環式(例えば、二環式、三環式)環系を指す。そのため、「(C~C)ヘテロシクリル」は、3~7つの環原子を有するヘテロシクリルを意味する。「ヘテロシクリル」としては、単環式環、縮合環、架橋環、及びスピロ環式環がある。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは、(C~C)ヘテロシクリル、(C~C)ヘテロシクリル、(C)ヘテロシクリル又は(C)ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル(例えば、(C~C)ヘテロシクリル)は飽和ヘテロシクリルである。
ヘテロシクリルは、1~7、1~5、1~3、1~2、1又は2つのヘテロ原子を含み得る。ヘテロシクリルは、原子価が許す限り、ヘテロ原子ででも、又は炭素原子ででも結合し得る。ヘテロシクリルの例としては、アゼチジニル、オキセタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピラニル、1,3-ジオキソリル、1,4-ジオキサニル、1,4-オキサチアニル、ジヒドロベンゾフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、アゼパニル、3-アザビシクロ[3.2.2]ノナニル、デカヒドロイソキノリニル、2-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3-オキサ-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタニル、2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、2,5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカニル、3-オキサ-1,8-ジアザスピロ[4.5]デカニル、オクタヒドロピロロ[3,2-b]ピロリル、テトラヒドロ-2H-ピラン、1,2-ジヒドロピリジン、1,6-ジヒドロピリジニル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラニルなどがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「ヘテロシクリルアルキル」は、1つ以上(例えば1つ)の水素原子が、それぞれ独立に、ヘテロシクリルに置き換えられており、アルキル及びヘテロシクリルが本明細書に記載される通りであるアルキルラジカルを指す。「ヘテロシクリル(C~C)アルキル」は、1つ以上の水素原子が、それぞれ独立に、ヘテロシクリルに置き換えられている(C~C)アルキルを指す。ヘテロシクリルアルキルの例としては、2-モルホリノエチル
があるが、これに限定されない。
用語「縮合ヘテロシクリル」は、上記で定義されたアリール(例えば、フェニル)又はヘテロアリール環に縮合した、上記で定義されたヘテロシクリルを指す。そのような縮合ヘテロシクリルとしては、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン、インドリン、イソインドリン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,7-ナフチリジン、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジン、1,2,3,4-テトラヒドロ-2,6-ナフチリジン、5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[d]アゼピン、1,2,3,4-テトラヒドロ-1,4-エピミノナフタレン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-b]ピラジンなどがあるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、縮合ヘテロシクリルは、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、任意選択で置換されているインドール、(例えば、1H-インドール、1-メチル-1H-インドール、ジ-tert-ブチル2,2’-((5-(1H-インドール-1-イル)-5-オキソペンチル)アザンジイル)ジアセタート、tert-ブチルインドリン-1-カルボキシラート)、キノキサリン、キノリン、イソキノリン、インドリン、1,3-ジヒドロイソベンゾフラン、2,3-ジヒドロベンゾフラン、任意選択で置換されている1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、(例えば、1-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン、tert-ブチル3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート、1-(3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)エタン-1-オン)である。いくつかの実施形態において、縮合ヘテロシクリルは、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾ[d]イミダゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノキサリン、ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール、クロマン、又はジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシンである。いくつかの実施形態において、縮合ヘテロシクリルは、6,7-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-b]ピリジン又は5,6,7,8-テトラヒドロ-1,7-ナフチリジンである。
用語「単環式」は、単環からなる環系をさす。単環式環の例としては、フェニル、ピリジル、ピペラジニル、モルホリノ、テトラヒドロピラニル、イミダゾール、並びにフラニル及びチオフェニルがあるが、これらに限定されない。
用語「二環式」は、2つの環からなる環系を指す。二環式環の例としては、ナフチル、キノリニル、インドリル及びインドリンがあるが、これらに限定されない。
用語「スピロ環式環」又は「スピロ」は、単一の炭素原子により第2のカルボシクリル又は第2のヘテロシクリル基に結合している、本明細書に記載されるカルボシクリル又はヘテロシクリルを指す。そのようなスピロ環式環の例としては、
があるが、これに限定されない。
用語「縮合環」又は「縮合」は、第2の環(例えば、アリール環、ヘテロアリール環、カルボシクリル環又はヘテロシクリル環)と2つの隣接原子を共有するあらゆる環(例えば、アリール環、ヘテロアリール環、カルボシクリル環又はヘテロシクリル環)を指す。縮合環の例としては、
があるが、これらに限定されない。
先に定義された用語のいずれかの最後で「イル」の後に「エン」が加えられて新たな用語が形成される場合、新たな用語は、新たな用語が誘導される元の用語から1つの水素原子を除くことにより形成されたラジカルを指す。例えば、「アルキレン」は、アルキル基から1つの水素原子を除くことにより形成された二価ラジカルを指し、「メチレン」は、メチルから1つの水素原子を除くことから誘導された二価ラジカル、-CH-を指す。親基から1つの水素原子を除くことにより形成された二価ラジカルの他の例としては、それぞれ、カルボシクリル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールから誘導された、カルボシクレン、シクロアルキレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、及びヘテロアリーレンがあるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「置換された」は、通常の原子価が維持され、置換により安定な化合物がもたらされるという条件で、少なくとも1つの(例えば、1、2、3、4、5、6つなど、1~5つの、1~3つの、1又は2つの)水素原子が、非水素置換基に置き換えられていることを意味する。特記されない限り、「任意選択で置換された」基は、基の置換可能な各位置で置換基を有し得る。構造式Iの化合物
において、例えば、mが、いくつかの実施形態において、0、1又は2であるため、X及びYを含む環中のあらゆる置換可能な原子が任意選択で置換されていることが認識されるだろう。X及びYが-C(H)-であり、mが0でない場合、X及びYが、それぞれ独立に、任意選択で置換されていることがさらに認識されるだろう。例えば、Xが-O-であり、Yが-C(H)-である場合、Rが水素である場合は、構造式IVの化合物
中のようにYは非置換であり、又はRが水素ではない場合、構造式IIの化合物中のようにYは置換されている。同様に、構造式IIIaの化合物
中のAを含む環中の置換された任意の原子は、pが、いくつかの実施形態において、0、1又は2であるので、任意選択で置換されており、さらに、Aが-C(H)-であり、pが0でない場合、Aは、Rにより任意選択で置換されている。所与の構造中の2つ以上の位置が、明示された基から選択された2つ以上の置換基により置換され得る場合(例えば、mが2であり、pが2であるか、又はmが1であり、pが、1又は2である場合)、置換基は、全ての位置で同じでも、又は異なっていてもよい。或いは、「任意選択で置換された基」は非置換であり得る(例えば、m及び/又はpが0である場合)。
置換基がオキソである場合、単一原子上の2つの水素がその置換基に置き換えられている。オキソ置換基は、芳香族部分には存在しない。
本開示の化合物上に窒素原子が存在する場合、窒素原子は、独立に、酸化剤(例えば、mCPBA及び/又は過酸化水素)による処理によりN-オキシドに転化されて、本開示の他の化合物を提供し得る。そのため、示されて特許請求される窒素原子は、示される窒素とそのN-オキシド(N→O)誘導体の両方を含むと考えられる。
任意の可変要素が化合物のあらゆる構成要素又は式に2回以上出現する場合、各出現でのその定義は、全ての他の出現での定義とは独立している。そのため、例えば、基が0~3つの置換基により置換されると示されている場合、前記基は、非置換でも、又は3つまでの置換基により置換されていてもよく、各置換基は、他の置換基とは独立に選択される。
置換基への結合が、環中の2つの原子を連結する結合に交差するか(構造式I中のRへの結合のような)、又は環を示す円に交差する(構造式I中のRへの結合のような)ことが示される場合、そのような置換基は、環中のあらゆる置換可能な原子に結合し得る。さらに、置換基への結合が交差する環が多環式(例えば、二環式、X及びYを含む構造式I中の環系のような)である場合、置換基は、置換基への結合が交差する環又は環系のあらゆる置換可能な原子に結合し得る。置換基が、そのような置換基が所与の式の化合物の残りに結合する原子を示さずに列記される場合、そのような置換基は、そのような置換基中のあらゆる原子により結合され得る。
置換基及び/又は可変要素の組合せは、そのような組合せが安定な化合物をもたらす場合のみ許容できる。
当業者であれば理解する通り、例えば、分子中のケトン(-C(H)C(O))基は、そのエノール形態(-C=C(OH))に互変異性化し得る。本開示は、構造が互変異性体のうち1つしか示さない場合でも、可能性のある全互変異性体を含むものとする。
X及びYを含む二環式環は、式I中の芳香族共役環
により示され、Xが-O-であり、Yが-C(H)-である場合、以下の共鳴構造
を含み;Yが-O-であり、Xが-C(H)-である場合、以下の共鳴構造
を含むと理解される。
句「薬学的に許容できる」は、句が修飾する物質又は組成物が、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無しに、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適でなくてはならず、妥当なベネフィット/リスク比に釣り合っていることを意味する。物質が組成物又は製剤の一部である場合、物質は、また、組成物又は製剤中の他の成分と、化学的且つ/又は毒物学的に適合性がなくてはならない。
特記されない限り、用語「本開示の化合物」は、本明細書に描写されるあらゆる構造式の化合物(例えば、式I、式Iの化合物の下位式の化合物)、並びに異性体、例えば、立体異性体(ジアステレオ異性体、エナンチオマー、及びラセミ体を含む)、幾何異性体、配座異性体(回転異性体及びアストロプ異性体(astropisomers)を含む)及び互変異性体、同位体標識化合物(重水素置換を含む)、及びその本質的に形成される部分(inherently formed moieties)(例えば、多形体及び/又は水和物などの溶媒和物)を指す。塩を形成することが可能な部分が存在する場合、塩、特に、薬学的に許容できる塩も同様に含まれる。
本開示の化合物は、不斉中心、キラル軸、及びキラル面を有し得て(例えば、E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereo-chemistry of Carbon Compounds,John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119-1190に記載される通り)、ラセミ混合物、個別の異性体(例えば、ジアステレオマー、エナンチオマー、幾何異性体、配座異性体(回転異性体及びアトロプ異性体を含む)、互変異性体)、及び中間体混合物として存在し、その全ての可能な異性体及び混合物が本発明に含まれる。
本明細書で使用される通り、用語「異性体」は、同じ分子式を有するが、原子の配列及び配置が異なる、異なる化合物を指す。
「エナンチオマー」は、互いの重ね合わせることができない鏡像である1対の立体異性体である。1対のエナンチオマーの1:1混合物は「ラセミ」混合物である。「ラセミ体」又は「ラセミ」は、適切な場合ラセミ混合物を示すように使用される。本開示の化合物の立体化学を示す場合、2つのキラル中心の既知の相対及び絶対配置を有する単一の立体異性体は、従来のRSシステム(例えば、(1S,2S))を使用して示される;相対的配置が既知であるが絶対配置が未知の単一の立体異性体は、スターにより(例えば、(1R,2R));及びラセミ体は2文字により示される(例えば、(1RS,2RS)を(1R,2R)と(1S,2S)のラセミ混合物として;(1RS,2SR)を、(1R,2S)と(1S,2R))のラセミ混合物として)。
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いの鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR-Sシステムに従って明示される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル炭素の立体化学は、RかSのいずれかで明示され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、それらがナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)に応じて(+)又は(-)により示すことができる。或いは、分割された化合物は、キラルHPLCにより、対応するエナンチオマー/ジアステレオマーの相対的な保持時間により定義できる。
化合物が二重結合又は分子に特定の量の構造的硬直性を与えるいくらかの他の特徴を有する場合、幾何異性体が存在し得る。化合物が二重結合を含む場合、二重結合は、E又はZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含む場合、シクロアルキル置換基は、シス又はトランス配置を有し得る。
配座異性体(又はコンフォーマー)は、1つ以上の結合の周りの回転により異なり得る異性体である。回転異性体は、1つの単結合のみの周りの回転により異なる配座異性体である。
本明細書で使用される用語「アトロプ異性体」は、分子中の束縛回転から生じるアキシャル又は平面キラリティに基づく構造異性体を指す。
光学活性な(R)-及び(S)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製され得るか、又は従来の技法を使用して分割され得る(例えば、適切な溶媒又は溶媒の混合物を使用して、株式会社ダイセルから利用可能なCHIRALPAK(登録商標)及びCHIRALCEL(登録商標)カラム又は他の同等なカラムなどのキラルSFC又はHPLCクロマトグラフィーカラムで分離して好適な分離を達成する)。
本開示の化合物は、光学活性形態でも、又はラセミ形態でも単離できる。光学活性な形態は、ラセミ形態の分割によっても、光学活性な出発物質からの合成によっても調製され得る。プロセス内で製造される本開示の化合物及び中間体を調製するのに使用される全プロセスは、本開示の一部であると考えられる。エナンチオマー的又はジアステレオマー的生成物が調製される場合、それらは、従来の方法により、例えばクロマトグラフィー又は分別晶析により分離され得る。
プロセス条件によって、本開示の最終生成物は、遊離(中性)又は塩形態のいずれかで得られる。これらの最終生成物の遊離形態と塩の両方が本開示の範囲内にある。所望される場合、化合物の一形態が別の形態に転化され得る。遊離の塩基又は酸は、塩に転化され得る;塩は、遊離の化合物又は別の塩に転化され得る;本開示の異性体化合物の混合物は、個別の異性体に分離され得る。
句「薬学的に許容できる」は、句が修飾する物質又は組成物が、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無しにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適でなくてはならず、妥当なベネフィット/リスク比に釣り合わっていることを意味する。物質が組成物又は製剤の一部である場合、物質は、また、組成物又は製剤中の他の成分と化学的且つ/又は毒物学的に適合性がなくてはならない。
本明細書で使用される通り、「薬学的に許容できる塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応など無しにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に釣り合う、好適な無機及び有機酸並びに無機及び有機塩基から誘導された塩を指す。薬学的に許容できる塩が好ましい。しかし、他の塩も、例えば、調製の間に利用され得る単離又は精製工程において有用であり得て、そのため、本開示の範囲内であることが企図される。
薬学的に許容できる酸付加塩は無機酸及び有機酸から形成できる。塩を誘導できる無機酸としては、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などがある。塩を誘導できる有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸などがある。薬学的に許容できる酸付加塩としては、酢酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロミド/臭化水素酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、カプリン酸塩、クロリド/塩酸塩、クロルテフオフィロネート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩/ヒドロキシマロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、及びキシナホ酸塩があるが、これらに限定されない。
薬学的に許容できる塩基付加塩は無機及び有機塩基から形成できる。塩を誘導できる無機塩基としては、例えば、アンモニウム塩及び周期表のI~XII列の金属がある。特定の実施形態において、塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、又は銅から誘導される。特に好適な塩基付加塩としては、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩がある。塩を誘導できる有機塩基としては、例えば、一級、二級、及び三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などがある。有機アミンの例としては、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート(cholinate)、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンがあるが、これらに限定されない。
本開示の化合物の塩(例えば、薬学的に許容できる塩)は、塩基性又は酸性部分を含む親化合物から、従来の化学的方法により合成できる。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸又は塩基形態を、化学量論量の適切な塩基又は酸と、水中若しくは有機溶媒中、それら2種の混合物中で反応させることにより調製できる。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。
本開示の化合物が、2つ以上の塩基性部分又は2つ以上の酸性部分を含む場合、そのような各部分が、独立に、酸付加塩形態又は塩基付加塩形態の形成に関与することができ、可能性のある全塩形態が本開示に含まれることが理解されるだろう。さらに、本開示の化合物の2つ以上の部分が塩形態である場合、2つ以上の塩形態を形成するアニオン又はカチオンは同じであることも異なることもある。典型的には、2つ以上の塩形態を形成するアニオン又はカチオンは同じである。本開示の化合物の塩中のアニオン又はカチオンと本開示の化合物との典型的なモル比は、3:1、2:1、1:1、2:1、3:1、4:1及び5:1である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の塩中のアニオン又はカチオン(例えば、アニオン)と本開示の化合物のモル比は1:1である(例えば、化合物6の一塩酸塩中のように)。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の塩中のアニオン又はカチオン(例えば、アニオン)と本開示の化合物のモル比は2:1である(例えば、化合物4の二塩酸塩中のように)。
好適な塩のリストは、関連する開示が参照により本明細書に全体として組み込まれるAllen,L.V.,Jr.,ed.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,22nd Edition,Pharmaceutical Press,London,UK(2012)に見出される。
本明細書に記載される化合物は、また、遊離塩基として提供され、遊離塩基として投与できる。
本明細書に与えられるあらゆる式は、化合物の未標識形態並びに同位体標識形態を表すようにも意図される。同位体標識化合物は、1つ以上の原子が選択された原子質量又は質量数を有する原子に置き換えられている以外、本明細書に与えられる式により描写される構造を有する。本開示の化合物に組み込むことができる同位元素の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位元素、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、123I、124I、及び125Iがある。本開示は、本明細書に定義される種々の同位体標識化合物、例えばH及び14Cなどの放射性同位元素又はH及び13Cなどの非放射性同位元素が存在するものを含む。そのような同位体標識化合物は、代謝研究(14Cによる)、反応速度研究(例えばH又はHによる)、薬物若しくは基質組織分布アッセイを含む陽電子放出断層撮影(PET)若しくは単一光子放出型コンピュータ断層撮影(SPECT)などの検出若しくは画像化技法、又は患者の放射線治療に有用である。特に、18F又は標識化合物は、PET又はSPECT試験に特に望ましいことがある。
さらに、より重い同位元素、特に重水素(すなわちH又はD)による置換は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は用量要件の減少又は治療指数の改善を与え得る。この文脈での重水素が、本開示の化合物の置換基とみなされることが理解される。そのようなより重い同位元素、具体的には重水素の濃度は、同位体濃縮係数により定義され得る。本明細書で使用される用語「同位体濃縮係数」は、明示された同位元素の同位体存在度と天然存在度の比を意味する。本開示の化合物中の置換基が重水素であると示される場合、そのような化合物は、指示された各重水素原子の少なくとも3500(指示された各重水素原子での52.5%重水素組込み)、少なくとも4000(60%重水素組込み)、少なくとも4500(67.5%重水素組込み)、少なくとも5000(75%重水素組込み)、少なくとも5500(82.5%重水素組込み)、少なくとも6000(90%重水素組込み)、少なくとも6333.3(95%重水素組込み)、少なくとも6466.7(97%重水素組込み)、少なくとも6600(99%重水素組込み)、又は少なくとも6633.3(99.5%重水素組込み)の同位体濃縮係数を有する。
同位体標識された本開示の化合物は、一般的に、従来の当業者に公知である従来の技法により、又はスキームに、若しくは以下に記載される実施例及び調製に開示されるプロセス(又は本明細書で以下に記載されるものに類似のプロセス)により、そうでない場合利用される同位体標識されていない試薬を、適切又は容易に利用可能である同位体標識された試薬に替えることにより調製できる。そのような化合物は、例えば、潜在的な医薬化合物が標的タンパク質若しくは受容体に結合する能力の決定における標準及び試薬として、又はインビボ若しくはインビトロで生物学的受容体に結合した本開示の化合物を画像化するための種々の潜在的な用途を有する。
用語「溶媒和物」は、本開示の化合物と、有機であれ無機であれ1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は水素結合を含む。特定の場合において、例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、溶媒和物は単離が可能だろう。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配列及び/又は秩序のない配列で存在し得る。溶媒和物は、化学量論量か非化学量論量のいずれかの溶媒分子を含み得る。「溶媒和物」は、液相及び固相溶媒和物の両方を包含する。溶媒和物の例としては、水和物、エタノレート、メタノレート、及びイソプロパノレートがあるが、これらに限定されない。溶媒和の方法は、一般的に当技術分野に公知である。
本開示の化合物は、非晶質固体又は結晶性固体として提供できる。凍結乾燥を利用して、本開示の化合物を固体として提供できる。
「薬学的に許容できる担体」は、当業者には公知である通り(例えば、Allen,L.V.,Jr.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2Volumes),22nd Edition,Pharmaceutical Press(2012)参照)、一般に安全と認められる(GRAS)溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、緩衝剤(例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウムなど)、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、染料など及びこれらの組合せを含む、動物、特に哺乳動物への生物活性薬剤の送達のために当技術分野において一般的に認められている媒体を指す。
用語「増加したレベルのDNA損傷」は、基準レベルに対して1つ以上の細胞中で起こるDNA損傷である。
用語「DNA損傷」は、細胞中に存在するDNAの破損、切れ目、及び変異を指す。例えば、DNA損傷は、一本鎖切断(例えば、切れ目)、二本鎖切断(DSB)、及び変異の1つ以上を含み得る。DNA損傷は、例えば、DNA損傷剤への曝露、並びに環境的ショック、例えば異常高熱により起こり得る。
用語「変異」は、基準の野生型遺伝子配列と比べた、細胞の遺伝物質の変化又は差異、例えば、欠失、挿入、SNP、遺伝子再構成、及び/又は外来遺伝子若しくは配列の導入を指す。DNA損傷は、例えば変異により直接的に、又は、例えば、DNA損傷プロセス若しくはDNA修復タンパク質の増加したレベル及び/若しくは活性により間接的に特定できる。いくつかの実施形態において、DNA修復タンパク質はDNA編集酵素である。
用語「DNA損傷剤」は、相同組換えが損傷を修復できるように、直接的又は間接的にDNAを損傷させるあらゆる薬剤を指す。DNA損傷剤の非限定的な例は、DNA損傷性化学物質、化学療法剤、放射線化学療法及び電離放射線又は紫外線である。DNA損傷性化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、ニトロソウレア、代謝拮抗物質、植物アルカロイド、植物抽出物及び放射性同位元素がある。DNA損傷性化学療法剤の非限定的な例としては、DNA損傷性薬物、例えば、5-フロオロウラシル(5-FU)、カペシタビン、S-1(テガフール、5-クロロ-2,4-ジヒドロキシピリジン及びオキソン酸)、5-エチニルウラシル、アラビノシルシトシン(ara-C)、5-アザシチジン(5-AC)、2’,2’-ジフルオロ-2’-デオキシシチジン(dFdC)、プリン代謝拮抗剤(メルカプトプリン、アザチオプリン、チオグアニン)、ゲムシタビンハイドロクロリン(hydrochlorine)(Gemzar)、ペントスタチン、アロプリノール、2-フルオロ-アラビノシル-アデニン(2F-ara-A)、ヒドロキシウレア、サルファマスタード(ビスクロロエチヒルスルフィド(bischloroetyhylsulfide))、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、チオテパ、AZQ、マイトマイシンC、ジアンヒドロガラクチトール、ジブロモズシトール(dibromoducitol)、スルホン酸アルキル(ブスルファン)、ニトロソウレア(BCNU、CCNU、4-メチルCCNU又はACNU)、プロカルバジン、デカルバジン(decarbazine)、レベッカマイシン、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン(アドリアマイシン;ADR)、ダウノルビシン(Cerubicine)、イダルビシン(Idamycin)及びエピルビシン(Ellence)など、アントラサイクリンアナログ、例えば、ミトキサントロン、アクチニマイシン(actinimycin)D、非挿入性トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、エピポドフィロトキシン(エトポシド又はVP16、テニポシド又はVM-26)、ポドフィロトキシン(podophylotoxin)、ブレオマイシン(Blea)、ペプレオマイシン(pepleomycin)など、白金誘導体を含む核酸との付加物を形成する化合物、例えば、シスプラチン(CDDP)、シスプラチンのトランスアナログ、カルボプラチン、イプロプラチン、テトラプラチン及びオキサリプラチン、並びにカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン(CPT-11)、及びSN-38もある。放射線、例えば、紫外(UV)、赤外(IR)、又はα-、β-、若しくはγ-線もDNA損傷剤である。
用語「悪性腫瘍」及び「癌」は本明細書において互換的に使用され、異常な細胞が制御されずに分裂し、近くの組織を侵す疾患を指す。悪性細胞は、血液及びリンパ系により体の他の部分にも広がることもできる。いくつかの主要なタイプの悪性腫瘍がある。癌腫は、皮膚中、又は内臓を裏打ち若しくは覆う組織中で始まる悪性腫瘍である。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋、血管、又は他の結合若しくは支持組織中で始まる悪性腫瘍である。白血病は、骨髄などの血液形成組織中で始まり、多数の異常な血液細胞を産生して血液に入るようにする悪性腫瘍である。リンパ腫及び多発性骨髄腫は、免疫系の細胞中で始まる悪性腫瘍である。中枢神経系癌は、脳及び脊髄の組織中で始まる悪性腫瘍である。
本明細書で使用される用語「固形腫瘍」は、嚢胞又は液体部分を通常含まない組織の異常な塊から形成される悪性腫瘍/癌を指す。固形腫瘍は、発端の組織/細胞に応じて命名/分類される。例としては、肉腫及び癌腫があるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「白血病」は、骨髄などの血液形成組織中で始まる血液系又は血液細胞悪性腫瘍/癌を指す。例としては、慢性白血病、急性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性リンパ芽球性白血病(例えば、B細胞、T細胞)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)があるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「リンパ腫」は、免疫系の細胞中で始まるリンパ性細胞悪性腫瘍/癌を指す。例としては、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、及び多発性骨髄腫があるが、これらに限定されない。
用語「免疫不全症」は、対象の免疫系を構成する細胞成分の一部又はある部分が欠けているか、機能不全か、又は存在しない状態を指す。「免疫不全症」は、先天性免疫及び/又は後天性免疫が抑制されているか、且つ/又は減少している欠損症を含む。いくつかの実施形態において、免疫不全症を有する対象は免疫力がない対象である。免疫不全症の非限定的な例は、AIDS、低ガンマグロブリン血症、無ガンマグロブリン血症、顆粒球欠損症、慢性肉芽腫性疾患、無脾症、SCID、補体欠損症、及び鎌状細胞貧血である。
投与が企図される「対象」は、ヒト(すなわち、あらゆる年齢群の男性又は女性、例えば、小児対象(例えば、乳児、小児、又は青年)又は成人対象(例えば、若年成人、中年成人、又は高齢成人))又は非ヒト動物を指す。特定の実施形態において、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル又はアカゲザル)、商業的に関連する哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、又はイヌ))、又は鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、又はシチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類)である。特定の実施形態において、非ヒト動物は、魚類、爬虫類、又は両生類である。非ヒト動物は、あらゆる発育段階の雄又は雌であり得る。非ヒト動物は、遺伝子導入動物又は遺伝子操作動物であり得る。用語「患者」は、疾患の治療を必要とするヒト対象を指す。
本明細書で使用される通り、対象(例えば、ヒト)は、そのような対象が、生物学的に、医学的に、又は生活の質の点でそのような治療から利益を得る場合、治療「を必要としている」。
用語「投与する」、「投与すること」、又は「投与」は、化合物若しくはその薬学的に許容できる塩又は上記のものの組成物を、対象に、又は対象上に移植し、吸収し、摂取し、注入し、吸入し、又は他の方法で導入することを指す。
本明細書で使用される「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、医薬品又は医療の、着目する疾患又は病態、例えば癌を有するヒトなどの対象への投与を指し、(i)特に、対象が病態になる素因を有するが、まだそれを有すると診断されていない場合、疾患若しくは病態がそのような対象に起こることを防ぐこと;(ii)疾患若しくは病態を阻害すること、例えば、その発生を停止させること;(iii)疾患若しくは病態を軽減すること、例えば、疾患若しくは病態の退縮を起こすこと;及び/又は(iv)疾患若しくは病態から生じる症状(例えば、疼痛、体重減少、咳、疲労、衰弱など)を軽減することを含む。
本明細書で使用される通り、「第一選択療法」は、疾患又は病態のために与えられる第一療法を指す。
本明細書で使用される通り、「後続療法」は、疾患又は病態のための第一選択療法の後に与えられるあらゆる療法を指す。第一選択療法が治療剤を含む場合、後続療法は、第一選択療法の治療剤とは異なる1種以上の治療剤を含む。いくつかの実施形態において、後続療法は第二選択療法である(すなわち、疾患又は病態のために与えられる第2の療法)。いくつかの実施形態において、後続療法は第三選択療法である(すなわち、疾患又は病態のために与えられる第3の療法)。いくつかの実施形態において、後続療法は最終選択療法(last-line therapy)である。
本明細書で使用される通り、「抵抗性癌」、「癌は抵抗性である」及び「不応性癌」は、治療に反応しない癌を指す。例えば、癌は治療の始めに抵抗性であり得るか、又は癌は治療の間に抵抗性になり得る。治療抵抗性は異なる機構により起こり得て、例としては、個人の遺伝的差異、多剤耐性、細胞死阻害(アポトーシス抑制)、薬物代謝、エピジェネティック及び薬物標的の変化、DNA修復及び遺伝子増幅の増大がある。
本明細書で使用される用語「治療上有効な量」は、ヒトなどの対象に投与される場合に治療を達成するのに充分である、本開示の化合物などの治療剤の量を指す。「有効量」を構成する治療剤の量は、治療剤、治療されている病態及びその重症度、投与の方法、治療の継続期間、又は治療される対象(例えば、対象の年齢、体重、健康)によって変わるだろうが、当業者により、彼自身の知識及び本開示に基づいて規定通りに決定され得る。実施形態において、「有効量」は、1つ以上のしるし、症状、徴候、診断用試験、バイタルサインなどの統計的に有意な変化により測定されて治療をもたらす。他の実施形態において、「有効量」は、1つ以上のしるし、症状、徴候、診断試験、バイタルサインなどの統計的に有意な変化がないことにより測定されて病態を管理又は予防する。
投与のレジメンは、何が治療上有効な量を構成するかに影響を与え得る。本開示の化合物は、癌の発症の前でも、その後でも対象に投与できる。さらに、いくつかの分割された用量並びに交互の用量は、毎日又は連続して投与でき、又は投与量は連続的に注入でき、ボーラス注入でもあり得る。さらに、本開示の化合物の用量は、治療的又は予防的状態の要件に示される通り比例的に増加させることも減少させることもできる。
医薬組成物及び組合せ
本開示の化合物は、典型的には、医薬組成物(例えば、本開示の化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び1種以上の薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物)中で使用される。「薬学的に許容できる担体」は、動物、特に哺乳動物への、生物活性薬剤の送達のために当分野において一般的に認められている媒体を指し、当業者に知られている通り、一般に安全と認められる(GRAS)溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物安定剤、結合剤、緩衝剤(例えば、マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、酢酸、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウムなど)、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、染料など、及びこれらの組合せがある(例えば、Allen,L.V.,Jr.et al.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(2 Volumes),22nd Edition,Pharmaceutical Press(2012)参照)。
一態様において、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)(例えば、治療上有効な量の本開示の化合物)及び薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物が本明細書に提供される。さらなる実施形態において、組成物は、本明細書に記載されるものなど少なくとも2種の薬学的に許容できる担体を含む。本開示の目的には、別途指定されない限り、溶媒和物は、一般的に組成物であると考えられる。好ましくは、薬学的に許容できる担体は滅菌されている。医薬組成物は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内投与)、及び直腸投与などの特定の投与経路のために製剤できる。さらに、本開示の医薬組成物は、固体形態で(非限定的に、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、又は坐剤を含む)、又は液体形態で(非限定的に、液剤、懸濁剤、又は乳剤を含む)調合できる。医薬組成物は、滅菌などの従来の製剤操作に付すことができ、且つ/又は従来の不活性な希釈剤、滑沢剤、又は緩衝剤、並びに補助剤、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、及び緩衝剤などを含み得る。典型的には、医薬組成物は、有効成分を、下記の1種以上と共に含む錠剤又はゼラチンカプセル剤である:
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、及び/又はグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、滑石、ステアリン酸、そのマグネシウム若しくはカルシウム塩、及び/又はポリエチレングリコール;
c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン;
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;並びに
e)吸収剤、着色剤、香料、及び甘味剤。
錠剤は、当技術分野に公知である方法に従って、フィルムコートされていても、腸溶性コートされていてもよい。
経口投与用の好適な組成物は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を、錠剤、ロゼンジ剤、水性又は油性懸濁剤、分散性散剤又は顆粒剤、乳剤、ハード又はソフトカプセル剤、又はシロップ剤、又はエリキシル剤の形態で含む。経口使用向けの組成物は、当技術分野に公知である医薬組成物の製造のための任意の方法に従って調製され、そのような組成物は、薬学的に洗練された(pharmaceutically elegant)味のよい調合物を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤、及び保存剤からなる群から選択される1種以上の作用物質を含み得る。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に好適である非毒性の薬学的に許容できる賦形剤と混合して含み得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクである。錠剤は、被覆されていないか、又は消化管内の崩壊及び吸収を遅延させ、それにより長期間にわたる持続作用を提供するために公知の技法により被覆される。例えば、ステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質(time delay material)を利用できる。経口使用のための製剤は、有効成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリンと混合されているハードゼラチンカプセルとして、又は有効成分が水若しくは油媒体、例えば、落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合されているソフトゼラチンカプセルとして呈され得る。
特定の注射用組成物は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を、等張性水溶液又は懸濁液の形態で含み、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を含む特定の坐剤は、好都合には、脂肪質乳剤又は懸濁液から調製される。前記組成物は、滅菌され得て、且つ/又は保存剤、安定剤、湿潤剤、若しくは乳化剤、溶解促進剤(solution promoters)、浸透圧を制御する塩、及び/若しくは緩衝剤などの補助剤を含み得る。さらに、それらは、他の治療上有用な物質も含み得る。前記組成物は、それぞれ、従来の混合、造粒、又は被覆方法に従って調製され、約0.1~75%の有効成分を含むか、又は約1~50%の有効成分を含む。
経皮塗布のための好適な組成物は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を好適な担体と共に含む。経皮送達に好適な担体としては、宿主の皮膚を通る移動を補助するための吸収性の薬理学的に許容できる溶媒がある。例えば、経皮装置は、裏打ち材、化合物を任意選択で担体と共に収容するリザーバー、任意選択で、化合物を、宿主の皮膚に制御された所定の速度で長期間にわたり送達する速度制御バリア、及び装置を皮膚に固定する手段を含む包帯の形態である。
例えば皮膚及び眼への外用適用のための、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を含む好適な組成物としては、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、又は例えばエアゾールなどによる送達のための噴霧可能製剤がある。そのような外用送達系は、特に、皮膚塗布のために、例えば、皮膚癌の治療のために、例えば、日焼け止めクリーム、ローション、スプレーにおける予防的使用のために適切だろう。そのため、それらは、当技術分野に周知である化粧用を含む外用製剤における使用に特に適している。そのようなものは、可溶化剤、安定剤、張性増強剤(tonicity enhancing agents)、緩衝剤、及び保存剤を含み得る。
本明細書で使用される通り、外用適用は、吸入又は鼻腔内適用にも関連し得る。吸入又は鼻腔内投与に好適な組成物は、簡便には、乾燥粉末吸入器からのドライパウダー(単独、混合物として、例えばラクトースとのドライブレンド、又は例えばリン脂質との混合成分粒子)、又は好適な噴射剤の使用の有無を問わず、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、若しくはネブライザーからのエアゾールスプレー提示(aerosol spray presentation)の形態で送達され得る。
水は特定の化合物の分解を促進し得るので、本開示は、本明細書で提供される(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を含む無水医薬組成物及び剤形をさらに提供する。本開示の無水医薬組成物及び剤形は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を使用して調製できる。無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製及び保存され得る。したがって、無水組成物は、それらが好適な処方キット(formulary kits)に収納され得るように水への曝露を防ぐことが知られている材料を使用して包装される。好適な包装の例としては、密封されたフォイル、プラスチック、単位投与量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックがあるが、これらに限定されない。
本開示は、有効成分としての本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)が分解する速度を減少させる1種以上の作用物質を含む医薬組成物及び剤形をさらに提供する。そのような作用物質は、本明細書で「安定剤」と称され、アスコルビン酸などの酸化防止剤、pH緩衝剤、又は塩緩衝剤などがあるが、これらに限定されない。
本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)は、典型的には医薬剤形に製剤されて、薬物の容易に制御可能な用量を提供し、患者に、洗練された容易に取り扱いできる製品を与える。本開示の化合物の投与計画は、当然ながら、特定の薬剤の薬力学特性並びにその投与の様式及び経路;受容者の人種、年齢、性別、健康、病状、及び体重;症状の性質及び程度;併用療法の種類;治療の頻度;投与経路;患者の腎機能及び肝機能;並びに望まれる効果などの公知の因子により変わるだろう。本明細書に記載される化合物(例えば、式I又はその下位式の化合物)又はその薬学的に許容できる塩は、単一の1日量で投与され得るか、又は総1日用量が、分割された投与量で、例えば、1日2回、3回、又は4回投与され得る。
特定の場合では、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を、1種以上の治療活性のある薬剤と組み合わせて投与することが好都合であり得る。例えば、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を、例えば、抗癌剤(例えば、化学療法剤)、抗アレルギー剤、鎮吐剤、鎮痛剤、免疫調節物質、及び細胞保護剤から独立に選択される1種以上の治療活性のある薬剤と組み合わせて投与して、癌を治療することが好都合であり得る。
用語「併用療法」は、本明細書に記載される疾患、障害、又は病態を治療するための2種以上の治療剤の投与を指す。そのような投与は、一定比の有効成分を有する単一のカプセル中など、治療剤の実質的に同時の方法での共投与を包含する。或いは、そのような投与は、各有効成分の多数又は別な容器(例えば、カプセル、粉末、及び液体)中の共投与を包含する。そのような投与は、およそ同時か異なる時間のいずれかで、連続的な方法での各種類の治療剤の使用も包含する。本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)及び追加の治療剤は、同じ投与経路によっても、異なる投与経路によっても投与できる。粉末及び/又は液体は、投与前に、所望の投与量に再構成又は希釈され得る。典型的には、治療レジメンは、本明細書に記載される疾患、病態、又は障害を治療する際に薬物組合せの有益な効果を提供するだろう。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される併用療法の方法は、本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用される場合、他の経路、又は同じ経路の他の成分、又は重複するセットの標的酵素すら調節することが知られている薬剤を提供する。一態様において、そのような療法には、相乗的又は相加的治療効果を提供する、本明細書に記載される化合物と、化学療法剤、治療用抗体、及び放射線治療との組合せがあるがこれに限定されない。
併用療法に使用するための組成物は、医薬組合せとして共に製剤されるか、又は別々な投与(例えば、キット中で関連づける)用に提供されるだろう。したがって、さらなる実施形態は、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)(例えば、治療上有効な量の本開示の化合物)及び1種以上の他の治療剤(例えば、治療上有効な量の1種以上の他の治療剤)を含む医薬組合せである。医薬組合せは、本明細書に記載される薬学的に許容できる担体の1種以上など、1種以上の薬学的に許容できる担体をさらに含み得る。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための療法の例(例えば、併用療法において、医薬組合せにおいて)としては、第一選択標準治療法(例えば、化学療法)又は最終選択標準治療法(例えば、化学療法)などの標準治療法及び/又はレジメン(例えば、標準治療剤)がある。標準治療法は、臨床医が、特定の種類の患者、病気、及び/又は臨床状況のために使用すべき療法である。多くの場合、National Comprehensive Cancer Network(NCCN)などの組織が、特定の患者、病気、及び/又は臨床状況の治療の最善の方法を説明するガイドライン及び/又は治療アルゴリズムを発表している。nccn.orgを参照されたい。これらのガイドラインは、多くの場合、標準治療療法を確立し、説明し、且つ/又は要約している。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、卵巣癌の標準治療法と組み合わせて投与される。例えば、卵巣癌の標準治療法の非限定的な例としては、白金アナログ(例えば、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン)又は白金アナログを含む組合せ(例えば、ドセタキセル及びカルボプラチン;パクリタキセル及びカルボプラチン;カルボプラチン及びリポソーマルドキソルビシン(dox);パクリタキセル、カルボプラチン及びベバシズマブ(bev);カルボプラチン及びゲムシタビン(gem)/(bev);カルボプラチン、リポソーマルdox及びbev;カルボプラチン、パクリタキセル及びbev;シスプラチン及びゲムシタビン;オキサリプラチン);アルトレタミン;カペシタビン;イホスファミド;イリノテカン;メルファラン;パクリタキセル(例えば、アルブミン結合パクリタキセル);ペメトレキセド;又はビノレルビンがある。卵巣癌の標準治療法の非限定的な例は、抗体療法(例えば、ベバシズマブ)などの標的療法;PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ);チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)(例えば、パゾパニブ);免疫療法;免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1又はPD-L1阻害剤);ペムブロリズマブ;又はホルモン療法(例えば、タモキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、LHRHアゴニスト、例えば、ロイプロリド酢酸塩、酢酸メゲストロールなど)も含む。卵巣癌の標準治療法の非限定的な例は、ホルモン療法(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、ロイプロリド酢酸塩、酢酸メゲストロール、タモキシフェン)をさらに含む。卵巣癌の標準治療法の非限定的な例は、シクロホスファミド;エトポシド;ソラフェニブ;又はビノレルビンをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、膵臓癌の標準治療法と組み合わせて投与される。膵臓癌の標準治療法の非限定的な例としては、フォルフィリノックス(フォリン酸、ボーラスのフロオロウラシル、イリノテカン及びオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン);改変されたフォルフィリノックスレジメン(フォリン酸、連続注入のフロオロウラシル、イリノテカン及びオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン);ゲムシタビン及びアブラキサン;ゲムシチビン(gemcitibine)及びカペシタビン;オラパリブ;エムシタビン(emcitabine)及びエルロチニブ;ゲムシタビン、ドセタキセル及びカペシタビン;ラロトレクチニブ;ペムブロリズマブ;ゲムシタビン;並びにナブパクリタキセル、ゲムシタビン及びシスプラチンの三元の組合せがある。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、去勢抵抗性前立腺(prostrate)癌を含む前立腺癌の標準治療法と組み合わせて投与される。前立腺癌の標準治療法の非限定的な例としては、PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ、タラゾパリブ)、LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン酢酸塩、ヒストレリン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、及びトリプトレリンパモ酸塩);LHRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス);抗アンドロゲン受容体(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミド);コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン);エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール);アンドロゲン合成阻害剤(例えば、ケトコナゾール、アビラテロン酢酸エステル);及びアンドロゲン遮断療法がある。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、多発性骨髄腫の標準治療法と組み合わせて投与される。多発性骨髄腫の標準治療法の非限定的な例としては、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ及びマリゾミブなどのプロテアソーム阻害剤がある。
放射線療法は、いくつかの実施形態における本開示の化合物と組み合わせて投与できる。例示的な放射線療法としては、外照射療法、内部放射線療法、組織内照射、定位手術的照射、全身放射線療法、放射線療法、及び永久的又は一次的組織内小線源療法がある。本明細書で使用される用語「小線源療法」は、腫瘍又は他の増殖性組織疾患部位に、又はその近くで体内に挿入された空間的に閉じ込められた放射性物質により送達される放射線療法を指す。その用語は、非限定的に、放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、及びLuの放射性同位元素)への曝露を含むものとする。本発明の細胞調整剤(cell conditioner)として使用するための好適な放射線源としては、固体と液体の両方がある。非限定的な例として、放射線源は、I125、I131、Yb169、固体源としてのIr192、固体源としてのI125などの放射性核種、又は光子、ベータ粒子、ガンマ線、若しくは他の治療用の線を発する他の放射性核種がある。放射性物質は、放射性核種の任意の溶液、例えば、I125若しくはI131の溶液から製造された流体でもあり得て、又は放射性流体は、Au198、Y90などの固体放射性核種の小粒子を含む好適な流体のスラリーを使用して製造され得る。さらに、放射性核種は、ゲル又は放射性のマイクロスフィアにまとめられ得る。
どのような理論にも限定されないが、本開示の化合物は、異常な細胞を殺傷し、且つ/又はその成長を阻害する目的で、放射線による治療に対してそのような細胞の感受性を高めるようにすることができる。したがって、いくつかの実施形態は、放射線による治療に対する哺乳動物中の異常な細胞の感受性を高める方法であって、哺乳動物に、放射線による治療に対する異常な細胞の感受性を低くするのに有効な量の本明細書に記載される化合物を投与することを含む方法を含む。この方法における本開示の化合物の量は、そのような化合物及び本明細書に記載される塩の有効量を解明する手段に従って決定できる。いくつかの実施形態において、標準治療療法は放射線療法を含む。
DNA損傷剤も、本開示の化合物と組み合わせて使用できる。DNA損傷剤の非限定的な例としては、放射線、トポイソメラーゼ阻害剤、PARP阻害剤、DNA架橋剤及びDNA損傷を誘導するDNA架橋剤などの標準治療剤がある。DNA損傷剤の特定の非限定的な例としては、ゲムシタビン及びテモゾロミドがある。
小胞体(ER)ストレスを誘導する薬剤も、本開示の化合物と組み合わせて使用できる。ERストレスを誘導する薬剤の非限定的な例としては、活性酸素種(ROS)のレベルを増加させる薬剤(例えば、ナパブカシン)、シャペロン阻害剤、HSP90阻害剤、HSP70阻害剤、PDI阻害剤及びプロテアソーム阻害剤がある。ERストレスを誘導する薬剤のさらなる非限定的な例としては、GSK2606414、GSK2656157、STF-083010、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ)、phosphor-eif2αホスファターゼ(例えば、Sal003)、ジインドリルメタン誘導体、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、レビストリドA、アンドログラホリド、トルフェナム酸、カンタリジン、カルノシン酸、カスチシン、クリプトタンシノン、クルクミン、フラボカワインB、フコイダン、2-3,4-ジヒドロキシフェニルエタノール、7-ジメトキシフラボン、SMIP004(N-(4-ブチル-2-メチル-フェニルアセトアミド)、リコカルコンA、ネフェリン、ペオノール、パラダキシン、パルテノリド、ピペリン、ポリフェノンE、ポリフィリンD、レスベラトロール、デヒドロコスツスラクトン、γ-トコトリエノール、Ω-ヒドロキシウンデカ-9-エン酸、アンペロプシン、アルジシアノン、ゲニステイン、グッチフェロンH、ググルステロン、マルカンチンM、サルササポゲニン、サキシフラギフォリン、プロジギオシン、クェルセチン、ホノキオール、ブレフェルジンA、A-トコフェリルスクシナート、ベルカリンA、ビタミンEスクシナート、超微細及びゼルンボンがある。例えば、内容全体が参照により本明細書に組み込まれるWalczak,A.,et al.Oxidative Medicine and Cellular Longevity Volume 2019,Article ID 5729710を参照されたい。
本開示の化合物と組み合わせて(例えば、併用療法において、医薬組合せにおいて)使用するための化学療法剤の非限定的な例としては、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)又はNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射液(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、フルダラビンリン酸エステル(Fludara(登録商標))、5-フロオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ペントスタチン、6-チオグアニン、チオテパ、及び注射用トポテカン塩酸塩(Hycamptin(登録商標))がある。さらなる例はボルテゾミブである。なおさらなる例としては、ゲムシタビン、ナブパクリタキセル、エルロチニブ、フロオロウラシル、及びフォルフィリノックス(フォリン酸、フロオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンで構成された化学療法レジメン)、又は例えば、膵臓癌(例えば、進行膵臓癌、膵管腺癌)を治療するための上記のものの2種以上のあらゆる組合せがある。
本開示の化合物と組み合わせて使用するための特に興味深い抗癌剤としては下記がある:
イリノテカン、トポテカン、及びカンプトテシンなどのI型トポイソメラーゼ阻害剤並びにエトポシド、ドキソルビシン、及びエピルビシンなどの2型トポイソメラーゼ阻害剤を含むトポイソメラーゼ阻害剤。
オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、パミパリブ及びイニパリブなどのポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤。
シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンなどのDNA架橋剤。
ナパブカシンなど、活性酸素種(ROS)のレベルを増加させる薬剤。
オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ、ベリパリブ及びタラゾパリブなどのPARP阻害剤。
デノボプリン合成のプリン代謝拮抗剤及び/又は阻害剤:ペメトレキセド(Alimta(登録商標))、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Carac(登録商標)、及びEfudex(登録商標))、メトトレキサート(Trexall(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、フロクスウリジン(FUDR(登録商標))、デシタビン(Dacogen(登録商標))、アザシチジン(Vidaza(登録商標)及びAzadine(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標)、Litak(登録商標)、及びMovectro(登録商標))、フルダラビン(Fludara(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))、ネララビン(Arranon(登録商標))、クロファラビン(Clolar(登録商標)及びEvoltra(登録商標))、及びシタラビン(Cytosar(登録商標))。抗血管新生剤としては、例えば、MMP-2(マトリックスメタロプロテイナーゼ2)阻害剤、ラパマイシン、テムシロリムス(CCI-779)、エベロリムス(RAD001)、ソラフェニブ、スニチニブ、及びベバシズマブがある。有用なCOX-II阻害剤の例としては、CELEBREX(商標)(アレコキシブ(alecoxib))、バルデコキシブ、及びロフェコキシブがある。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤の例は、国際公開第96/33172号パンフレット(1996年10月24日に公開)、国際公開第96/27583号パンフレット(1996年3月7日に公開)、欧州特許出願第97304971.1号明細書(1997年7月8日に出願)、欧州特許出願第99308617.2号明細書(1999年10月29日に出願)、国際公開第98/07697号パンフレット(1998年2月26日に公開)、国際公開第98/03516号パンフレット(1998年1月29日に公開)、国際公開第98/34918号パンフレット(1998年8月13日に公開)、国際公開第98/34915号パンフレット(1998年8月13日に公開)、国際公開第98/33768号パンフレット(1998年8月6日に公開)、国際公開第98/30566号パンフレット(1998年7月16日に公開)、欧州特許公報606,046号明細書(1994年7月13日に公開)、欧州特許公報931,788号明細書(1999年7月28日に公開)、国際公開第90/05719号パンフレット(1990年5月31日に公開)、国際公開第99/52910号パンフレット(1999年10月21日に公開)、国際公開第99/52889号パンフレット(1999年10月21日に公開)、国際公開第99/29667号パンフレット(1999年6月17日に公開)、PCT国際出願第PCT/IB98/01113号パンフレット(1998年7月21日に出願)、欧州特許出願第99302232.1号明細書(1999年3月25日に出願)、英国特許出願第9912961.1号明細書(1999年6月3日に出願)、米国仮特許出願第60/148,464号明細書(1999年8月12日に出願)、米国特許第5,863,949号明細書(1999年1月26日に発行)、米国特許第5,861,510号明細書(1999年1月19日に発行)、及び欧州特許公報第780,386号明細書(1997年6月25日に公開)に記載されており、その全ては参照により全体として本明細書に組み込まれている。MMP-2及びMMP-9阻害剤の実施形態としては、MMP-1を阻害する活性がほとんど又は全くないものがある。他の実施形態としては、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MAP-1、MMP-3、MMP-4、MMP-5、MMP-6、MMP-7、MMP-8、MMP-10、MMP-11、MMP-12、及びMMP-13)に対してMMP-2及び/又はAMP-9を選択的に阻害するものがある。いくつかの実施形態において有用なMMP阻害剤のいくつかの具体例は、AG-3340、RO 323555、及びRS 13-0830である。
オートファジー阻害剤としては、クロロキン、3-メチルアデニン、ヒドロキシクロロキン(Plaquenil(商標))、バフィロマイシンA1、5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボシド(AICAR)、オカダ酸、2A型又は1型のタンパク質ホスファターゼを阻害するオートファジー抑制性藻類毒素、cAMPのアナログ、並びにアデノシン、LY204002、N6-メルカプトプリンリボシド、及びビンブラスチンなど、cAMPレベルを上昇させる薬物があるが、これらに限定されない。さらに、ATG5(オートファジーに関与している)を含むがこれに限定されないタンパク質の発現を阻害するアンチセンス又はsiRNAも使用され得る。
他の実施形態において、本明細書に記載される化合物との併用療法の方法に有用である薬剤としては、エルロチニブ、アファチニブ、ゲフィチニブ、GDC0941、MLN1117、BYL719(アルペリシブ)、BKM120(ブパルリシブ)、CYT387、GLPG0634、バリシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、パクリチニブ、ルキソリチニブ、TG101348、クリゾチニブ、チバンチニブ、AMG337、カボザンチニブ、フォレチニブ、オナルツズマブ、NVP-AEW541、ダサチニブ、ポナチニブ、サラカチニブ、ボスチニブ、トラメチニブ、セルメチニブ、コビメチニブ、PD0325901、RO5126766、アキシチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、フォスタマチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、イブルチニブ、ニロチニブ、パニツムマブ、パゾパニブ、ペガプタニブ、ラニビズマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、SU6656、トラスツズマブ、トファシチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、イリノテカン、タキソール、ドセタキセル、ラパマイシン又はMLN0128があるが、これらに限定されない。
B細胞リンパ腫2(BCL-2)阻害剤:ベネトクラクス。
B細胞受容体シグナル伝達アンタゴニスト(例えば、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤):イブルチニブ。
ブロモドメイン阻害剤。ブロモドメイン阻害剤は、Brd2、Brd3、Brd4、及び/又はBrdTなどの少なくとも1種のブロモドメインタンパク質、例えばBrd4を阻害する。これらの実施形態のいくつかにおいて、ブロモドメイン阻害剤は、JQ-1(Nature 2010 Dec 23;468(7327):1067-73)、BI2536(ACS Chem.Biol.2014 May 16;9(5):1160-71;Boehringer Ingelheim)、TG101209(ACS Chem.Biol.2014 May 16;9(5):1160-71)、OTX015(Mol.Cancer Ther.November 201312;C244;Oncoethix)、IBET762(J Med Chem.2013 Oct 10;56(19):7498-500;GlaxoSmithKline)、IBET151(Bioorg.Med.Chem.Lett.2012 Apr 15;22(8):2968-72;GlaxoSmithKline)、PFI-1(J.Med.Chem.2012 Nov 26;55(22):9831-7;Cancer Res.2013 Jun 1;73(11):3336-46;Structural Genomics Consortium)、又は(of)CPI-0610(Constellation Pharmaceuticals)である。いくつかの実施形態において、ブロモドメイン阻害剤は、TG101209、BI2536、OTX015、C244、IBET762、IBET151、又はPFI-1である。
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤。HDAC阻害剤は、少なくとも1種のHDACタンパク質を阻害する。HDACタンパク質は、酵母のHDACタンパク質への相同性に基づいて数クラスに分類され得て、クラスIは、HDAC1、HDAC2、HDAC3、及びHDAC8で構成され;クラスIIaは、HDAC4、HDAC5、HDAC7、及びHDAC9で構成され;クラスIIbは、HDAC6及びHDAC10で構成され;クラスIVはHDAC11で構成される。これらの実施形態のいくつかにおいて、HDAC阻害剤は、トリコスタチンA、ボリノスタット(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1998 Mar 17;95(6):3003-7)、ジビノスタット、アベキシノスタット(Mol.Cancer Ther.2006 May;5(5):1309-17)、ベリノスタット(Mol.Cancer Ther.2003 Aug;2(8):721-8)、パノビノスタット(Clin.Cancer Res.2006 Aug 1;12(15):4628-35)、レスミノスタット(Clin.Cancer Res.2013 Oct 1;19(19):5494-504)、キジノスタット(Clin.Cancer Res.2013 Aug 1;19(15):4262-72)、デプシペプチド(Blood.2001 Nov 1;98(9):2865-8)、エンチノスタット(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1999 Apr 13;96(8):4592-7)、モセチノスタット(Bioorg.Med.Chem.Lett.2008 Feb 1;18(3):106771)、又はバルプロ酸(EMBO J.2001 Dec 17;20(24):6969-78)である。例えば、いくつかの実施形態において、HDAC阻害剤は、パノビノスタット、ボリノスタット、MS275、ベリノスタット、又はLBH589である。いくつかの実施形態において、HDAC阻害剤は、パノビノスタット又はSAHAである。
実施形態において、本明細書に記載される化合物は、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR)阻害剤と組み合わせて投与される。EGFR阻害剤の例としては、エルロチニブ、オシメルチニブ、セツキシマブ、ゲフィチニブ、ネシツムマブ、ラパチニブ、ネラチニブ、パニツムマブ、バンデタニブ、及びネシツムマブがある。本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組合せは、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、膵臓癌、乳癌、及び結腸癌など、EGFR調節不全に関連する癌の治療において有用であり得る。EGFRは、例えば、エクソン18、19、20、又は21における活性化突然変異により調節不全であり得る。特定の実施形態において、EGFR阻害剤は、エルロチニブ又はオシメルチニブである。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組合せは、EGFR変異NSCLCを治療するために使用される。特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物とEGFR阻害剤の組合せは、EGFR阻害剤耐性癌を治療するために使用され、本明細書に記載される化合物は、EGFR阻害剤に対する癌の感受性を高めた。
EGFR抗体:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))。
MTAP阻害剤:(3R,4S)-1-((4-アミノ-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-7-イル)メチル)-4-((メチルチオ)メチル)ピロリジン-3-オール(MT-DADMe-イムシリン-A、CAS 653592-04-2)。
メチルチオアデノシン:((2R,3R,4S,5S)-2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)-5-((メチルチオ)メチル)テトラヒドロフラン-3,4-ジオール、CAS 2457-80-9)。
上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤:エルロチニブ塩酸塩(Tarceva(登録商標))及びゲフィトニブ(gefitnib)(Iressa(登録商標))。
EGFR抗体:セツキシマブ(Erbitux(登録商標))。
MET阻害剤:カプマチニブ(INC280、CAS 1029712-80-8)。
血小板由来成長因子(PDGF)受容体阻害剤:イマチニブ(Gleevec(登録商標));リニファニブ(N-[4-(3-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)フェニル]-N’-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)尿素、別名ABT 869、Genentechから利用可能);スニチニブリンゴ酸塩(Sutent(登録商標));キザルチニブ(AC220、CAS 950769-58-1);パゾパニブ(Votrient(登録商標));アキシチニブ(Inlyta(登録商標));ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));vargatef(BIBF1120、CAS 928326-83-4);テラチニブ(BAY57-9352、CAS 332012-40-5);バタラニブ二塩酸塩(PTK787、CAS 212141-51-0);及びモテサニブ二リン酸塩(AMG706、CAS 857876-30-3、N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、PCT公報国際公開第02/066470号パンフレットに記載)。
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤:4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(GDC 0941としても知られ、PCT公報国際公開第09/036082号パンフレット及び国際公開第09/055730号パンフレットに記載);4-(トリフルオロメチル)-5-(2,6-ジモルホリノピリミジン-4-イル)ピリジン-2-アミン(BKM120又はNVP-BKM120としても知られ、PCT公報国際公開第2007/084786号パンフレットに記載);アルペリシブ(BYL719):(5Z)-5-[[4-(4-ピリジニル)-6-キノリニル]メチレン]-2,4-チアゾリジンジオン(GSK1059615、CAS 958852-01-2);5-[8-メチル-9-(1-メチルエチル)-2-(4-モルホリニル)-9H-プリン-6-イル]-2-ピリミジンアミン(VS-5584、CAS 1246560-33-7)、及びエベロリムス(AFINITOR(登録商標))。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤:リボシクリブ(LEE011、CAS 1211441-98-3);アロイシンA;アルボシジブ(フラボピリドール又はHMR-1275、2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(3S,4R)-3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル]-4-クロメノンとしても知られ、米国特許第5,621,002号明細書に記載);クリゾチニブ(PF-02341066、CAS 877399-52-5);2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(2R,3S)-2-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-3-ピロリジニル]-4H-1-ベンゾピラン-4-オン、塩酸塩(P276-00、CAS 920113-03-7);1-メチル-5-[[2-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-4-ピリジニル]オキシ]-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン(RAF265、CAS 927880-90-8);インジスラム(E7070);ロスコビチン(CYC202);6-アセチル-8-シクロペンチル-5-メチル-2-(5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-イルアミノ)-8H-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-オン、塩酸塩(PD0332991);ディナシクリブ(SCH727965);N-[5-[[(5-tert-ブチルオキサゾール-2-イル)メチル]チオ]チアゾール-2-イル]ピペリジン-4-カルボキサミド(BMS 387032、CAS 345627-80-7);4-[[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d]ベンザゼピン-2-イル]アミノ]-安息香酸(MLN8054、CAS 869363-13-3);5-[3-(4,6-ジフルオロ-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)-1H-インダゾール-5-イル]-N-エチル-4-メチル-3-ピリジンメタンアミン(AG-024322、CAS 837364-57-5);4-(2,6-ジクロロベンゾイルアミノ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸N-(ピペリジン-4-イル)アミド(AT7519、CAS 844442-38-2);4-[2-メチル-1-(1-メチルエチル)-1H-イミダゾール-5-イル]-N-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-2-ピリミジンアミン(AZD5438、CAS 602306-29-6);パルボシクリブ(PD-0332991);及び(2R,3R)-3-[[2-[[3-[[S(R)]-S-シクロプロピルスルホンイミドイル]-フェニル]アミノ]-5-(トリフルオロメチル)-4-ピリミジニル]オキシ]-2-ブタノール(BAY 10000394)。
p53-MDM2阻害剤:(S)-1-(4-クロロ-フェニル)-7-イソプロポキシ-6-メトキシ-2-(4-{メチル-[4-(4-メチル-3-オキソ-ピペラジン-1-イル)-trans-シクロヘキシルメチル]-アミノ}-フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-イソキノリン-3-オン、(S)-5-(5-クロロ-1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-ピリジン-3-イル)-6-(4-クロロ-フェニル)-2-(2,4-ジメトキシ-ピリミジン-5-イル)-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-d]イミダゾール-4-オン、[(4S,5R)-2-(4-tert-ブチル-2-エトキシフェニル)-4,5-ビス(4-クロロフェニル)-4,5-ジメチルイミダゾール-1-イル]-[4-(3-メチルスルホニルプロピル)ピペラジン-1-イル]メタノン(RG7112)、4-[[(2R,3S,4R,5S)-3-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-シアノ-5-(2,2-ジメチルプロピル)ピロリジン-2-カルボニル]アミノ]-3-メトキシ安息香酸(RG7388)、SAR299155、2-((3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-((S)-1-(イソプロピルスルホニル)-3-メチルブタン-2-イル)-3-メチル-2-オキソピペリジン-3-イル)酢酸(AMG232)、{(3R,5R,6S)-5-(3-クロロフェニル)-6-(4-クロロフェニル)-1-[(2S,3S)-2-ヒドロキシ-3-ペンタニル]-3-メチル-2-オキソ-3-ピペリジニル}酢酸(AM-8553)、(±)-4-[4,5-ビス(4-クロロフェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボニル]-ピペラジン-2-オン(ヌトリン-3)、2-メチル-7-[フェニル(フェニルアミノ)メチル]-8-キノリノール(NSC 66811)、1-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-4-N-ピリジン-4-イルベンゼン-1,4-ジアミン(JNJ-26854165)、4-[4,5-ビス(3,4-クロロフェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボキシル]-ピペラジン-2-オン(Caylin-1)、4-[4,5-ビス(4-トリフルオロメチル-フェニル)-2-(2-イソプロポキシ-4-メトキシ-フェニル)-4,5-ジヒドロ-イミダゾール-1-カルボキシル]-ピペラジン-2-オン(Caylin-2)、5-[[3-ジメチルアミノ)プロピル]アミノ]-3,10-ジメチルピリミド[4,5-b]キノリン-2,4(3H,10H)-ジオン二塩酸塩(HLI373)、及びtrans-4-ヨード-4’-ボラニル-カルコン(SC204072)。
マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK)阻害剤:XL-518(GDC-0973としても知られ、CAS番号1029872-29-4、ACC Corp.から利用可能);セルメチニブ(5-[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド、AZD6244又はARRY 142886としても知られ、PCT公報国際公開第2003/077914号パンフレットに記載);2-[(2-クロロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(シクロプロピルメトキシ)-3,4-ジフルオロ-ベンズアミド(CI-1040又はPD184352としても知られ、PCT公報国際公開第2000/035436号パンフレットに記載);N-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-ベンズアミド(PD0325901としても知られ、PCT公報国際公開第2002/006213号パンフレットに記載);2,3-ビス[アミノ[(2-アミノフェニル)チオ]メチレン]-ブタンジニトリル(U0126としても知られ、米国特許第2,779,780号明細書に記載);N-[3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-6-メトキシフェニル]-1-[(2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル]-シクロプロパンスルホンアミド(RDEA119又はBAY869766としても知られ、PCT公報国際公開第2007/014011号パンフレットに記載);(3S,4R,5Z,8S,9S,11E)-14-(エチルアミノ)-8,9,16-トリヒドロキシ-3,4-ジメチル-3,4,9;19-テトラヒドロ-1H-2-ベンゾキサシクロテトラデシン-1,7(8H)-ジオン](E6201としても知られ、PCT公報国際公開第2003/076424号パンフレットに記載);2’-アミノ-3’-メトキシフラボン(PD98059としても知られ、Biaffin GmbH & Co.,KG,Germanyから利用可能);(R)-3-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-6-フルオロ-5-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-8-メチルピリド[2,3-d]ピリミジン-4,7(3H,8H)-ジオン(TAK-733、CAS 1035555-63-5);ピマセルチブ(AS-703026、CAS 1204531-26-9);トラメチニブジメチルスルホキシド(GSK-1120212、CAS 1204531-25-80);2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1,5-ジメチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-3-カルボキサミド(AZD 8330);3,4-ジフルオロ-2-[(2-フルオロ-4-ヨードフェニル)アミノ]-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-5-[(3-オキソ-[1,2]オキサジナン-2-イル)メチル]ベンズアミド(CH 4987655又はRo 4987655);及び5-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)アミノ]-4-フルオロ-N-(2-ヒドロキシエトキシ)-1-メチル-1H-ベンゾイミダゾール-6-カルボキサミド(MEK162)。
B-RAF阻害剤:レゴラフェニブ(BAY73-4506、CAS 755037-03-7);ツビザニブ(tuvizanib)(AV951、CAS 475108-18-0);ベムラフェニブ(ZELBORAF(登録商標)、PLX-4032、CAS 918504-65-1);エンコラフェニブ(別名LGX818);1-メチル-5-[[2-[5-(トリフルオロメチル)-1H-イミダゾール-2-イル]-4-ピリジニル]オキシ]-N-[4-(トリフルオロメチル)フェニル-1H-ベンゾイミダゾール-2-アミン(RAF265、CAS 927880-90-8);5-[1-(2-ヒドロキシエチル)-3-(ピリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロインデン-1-オンオキシム(GDC-0879、CAS 905281-76-7);5-[2-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-5-(4-ピリジニル)-1H-イミダゾール-4-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム(GSK2118436又はSB590885);(±)-メチル(5-(2-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-1-ヒドロキシ-3-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-1-イル)-1H-ベンゾイミダゾール-2-イル)カルバメート(別名XL-281及びBMS908662)、ダブラフェニブ(TAFINLAR(登録商標))、及びN-(3-(5-クロロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-3-カルボニル)-2,4-ジフルオロフェニル)プロパン-1-スルホンアミド(別名PLX4720)。
ALK阻害剤:クリゾチニブ(XALKORI(登録商標))。
PIMキナーゼ阻害剤:
又はその薬学的に許容できる塩。
プロテアソーム阻害剤:ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))、N-5-ベンジルオキシカルボニル-Ile-Glu(O-tert-ブチル)-Ala-ロイシナール(PSI)、カーフィルゾミブ及びイキサゾミブ、マリゾミブ(NPI-0052)、デランゾミブ(CEP-18770)、及びO-メチル-N-[(2-メチル-5-チアゾリル)カルボニル]-L-セリル-O-メチル-N-[(1S)-2-[(2R)-2-メチル-2-オキシラニル]-2-オキソ-1-(フェニルメチル)エチル]-L-セリンアミド(オプロゾミブ、ONX-0912、PR-047)(例えば、ボルテゾミブ)。RNAiスクリーンは、TNK1を、骨髄腫におけるプロテアソーム阻害剤感受性の潜在的な調節物質として特定した。Zhu et al.,Blood(2011)117(14):3847-3857。いくつかの実施形態において、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)は、例えば多発性骨髄腫の治療のために、ボルテゾミブなどの本明細書に記載されるプロテアソーム阻害剤と組み合わせて投与される。
本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用できる治療剤のさらなる非限定的な例としては、化学療法剤、細胞毒性剤、並びに非ペプチド小分子、例えば、Gleevec(登録商標)(イマチニブメシル酸塩)、Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ)、Casodex(ビカルタミド)、Iressa(登録商標)(ゲフィチニブ)、及びAdriamycin並びに多くの化学療法剤がある。化学療法剤の非限定的な例としては、アルキル化剤、例えば、チオテパ及びシクロスホスファミド(cyclosphosphamide(CYTOXAN(登録商標));スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えば、ベンゾドパ(benzodopa)、カルボクオン、メツレドパ(meturedopa)、及びウレドパ(uredopa);エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamines)、例えば、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスファオラミド(triethylenethiophosphaoramide)及びトリメチローロメラミン(trimethylolomelamine);ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド(cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビシン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロスウレア(nitrosureas)、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン;抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアミシン、カラビシン(carabicin)、カルミノマイシン、カルジノフィリン、Casodex(登録商標)、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルチェロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗物質、例えばメトトレキサート及び5-フロオロウラシル(5-FU);葉酸アナログ、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリンアナログ、例えば、フルダラビン、6メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン;ピリミジンアナログ、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補給剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジクオン;エルフォミチン(elfomithine);エリプチニウム酢酸塩;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK.RTM.;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えば、パクリタキセル(TAXOL(商標)、Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ドセタキセル(TAXOTERE(商標)、Rhone-Poulenc Rorer,Antony,France)及びカバジタキセル(JEVTANA,Sanofi Genzyme);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン;及び上記のもののいずれかの薬学的に許容できる塩、酸、又は誘導体。
いくつかの実施形態において、化学療法は、有糸分裂阻害剤(例えば、パクリタキセル、ナブパクリタキセル)、アルキル化剤、代謝拮抗物質、挿入性抗生物質(intercalating antibiotics)、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生体応答修飾物質、抗ホルモン剤、血管新生阻害剤、及び抗アンドロゲン剤からなる群から選択される。
本開示の化合物と組み合わせて(例えば、併用療法において、医薬組合せにおいて)使用するための化学療法剤のさらなる非限定的な例としては、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)又はNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cytosar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注射液(DepoCyt(登録商標))、ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ドキソルビシン塩酸塩(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、フルダラビンリン酸エステル(Fludara(登録商標))、5-フロオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、ゲムシタビン(ジフルオロデオキシシチジン)、イリノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR(登録商標))、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(Folex(登録商標))、ペントスタチン、6-チオグアニン、チオテパ、及び注射用トポテカン塩酸塩(Hycamptin(登録商標))がある。
通常処方される抗癌薬のあらなる非限定的な例としては、Herceptin(登録商標)、Avastin(登録商標)、Erbitux(登録商標)、Rituxan(登録商標)、Taxol(登録商標)、Arimidex(登録商標)、Taxotere(登録商標)、ABVD、AVICINE、アバゴボマブ、アクリジンカルボキサミド、アデカツムマブ、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、アルファラディン、アルボシジブ、3-アミノピリジン-2-カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾン、アモナフィド、アントラセンジオン、抗CD22免疫毒素、抗新生物薬、抗腫瘍性ハーブ、アパジコン、アチプリモド、アザチオプリン、ベロテカン、ベンダムスチン、BIBW 2992、ビリコダル、ブロスタリシン、ブリオスタチン、ブチオニンスルホキシミン、CBV(化学療法)、カリクリン、細胞周期非特異的抗新生物剤、ジクロロ酢酸、ディスコデルモライド、エルサミトルシン、エノシタビン、エポチロン、エリブリン、エベロリムス、エキサテカン、エクシスリンド、フェルギノール、フォロデシン、ホスフェストロール、ICE化学療法レジメン、IT-101、イメキソン、イミキモド、インドロカルバゾール、イロフルベン、ラニキダル、ラロタキセル、レナリドミド、ルカントン、ルルトテカン、マホスファミド、ミトゾロミド、ナフォキシジン、ネダプラチン、オラパリブ、オルタタキセル、PAC-1、ポポー、ピキサントロン、プロテアソーム阻害剤、レベッカマイシン、レシキモド、ルビテカン、SN-38、サリノスポラミドA、サパシタビン、スタンフォードV、スワインソニン、タラポルフィン、タリキダル、テガフール-ウラシル、テモダール、テセタキセル、四硝酸トリプラチン、トリス(2-クロロエチル)アミン、トロキサシタビン、ウラムスチン、バディメザン、ビンフルニン、ZD6126、又はゾスキダルがある。
好適な化学療法細胞調整剤としてやはり含まれるのは、例えばタモキシフェン、(Nolvadex(商標))、ラロキシフェン、4(5)-イミダゾールを阻害するアロマターゼ、4ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY 117018、オナプリストン、及びトレミフェン(Fareston)を含む抗エストロゲン剤;並びに、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリンなどの抗アンドロゲン剤など、腫瘍に対するホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンなどの白金アナログ;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;xeloda;イバンドロネート;カンプトテシン-11(CPT-11);トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO)である。
本明細書に記載される化合物と組み合わせて使用できる治療剤の非限定的な例としては、mTOR阻害剤がある。例示的なmTOR阻害剤としては、例えば、テムシロリムス;リダホロリムス(以前はデフェロリムス(deferolimus)として知られていた、(1R,2R,4S)-4-[(2R)-2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,14,20-ペンタオキソ-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プロピル]-2-メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィネート、AP23573及びMK8669としても知られ、PCT公報国際公開第03/064383号パンフレットに記載);エベロリムス(Afinitor(登録商標)又はRAD001);ラパマイシン(AY22989、Sirolimus(登録商標));シマピモド(simapimod)(CAS 164301-51-3);エムシロリムス(emsirolimus)、(5-{2,4-ビス[(3S)-3-メチルモルホリン-4-イル]ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-イル}-2-メトキシフェニル)メタノール(AZD8055);2-アミノ-8-[trans-4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル]-6-(6-メトキシ-3-ピリジニル)-4-メチル-ピリド[2,3-d]ピリミジン-7(8H)-オン(PF04691502、CAS 1013101-36-4);及びN-[1,4-ジオキソ-4-[[4-(4-オキソ-8-フェニル-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリニウム-4-イル]メトキシ]ブチル]-L-アルギニルグリシル-L-α-アスパルチルL-セリン-分子内塩(配列番号:1482)(SF1126、CAS 936487-67-1)、及びXL765がある。
特定の他の実施形態において、癌を治療する方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物及びCDK阻害剤を、それを必要とする対象に投与することを含む方法が提供される。
実施形態において、CDK阻害剤は、CDK2、CDK4、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、及び/又はCDK11阻害剤である。いくつかの実施形態において、CDK阻害剤は、CDK7、CDK9阻害剤、又は両方である。いくつかの実施形態において、CDK阻害剤は、ディナシクリブ(ACS Med.Chem.Lett.2010 May 17;1(5):204-8;Mol.Cancer Ther.2010 Aug;9(8):2344-53;Merck,Sharp and Dohme)、AT7519(J.Med.Chem.2008 Aug 28;51(16):4986-99;Astex Pharmaceutical)、又はパルボシクリブ(J.Med.Chem.2005 Apr 7;48(7):2388-406;Pfizer)である。特定の実施形態において、CDK阻害剤は、アルボシジブなどのCDK9阻害剤である。アルボシジブは、遊離塩基として、薬学的に許容できる塩として、又はプロドラッグとして投与され得る。特定の実施形態において、CDK9阻害剤はアルボシジブである。他の実施形態において、CDK9阻害剤は、アルボシジブの薬学的に許容できる塩である。他の実施形態において、CDK9阻害剤は、アルボシジブのプロドラッグである。アルボシジブのプロドラッグとしては、国際公開第2016/187316号パンフレットに開示されるものがあり、その開示全体は参照により本明細書に全体として組み込まれる。
一実施形態において、本明細書に記載される化合物は、それを必要とする対象に、AZD6738又はVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて投与される。投与は、ATR阻害剤の投与の前に、並行して、又は後であり得る。具体的な一実施形態において、本明細書に記載される化合物は、非小細胞肺癌の治療のために、それを必要とする対象に、AZD6738又はVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて投与される。関連する具体的な実施形態において、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容できる塩は、非小細胞肺癌の治療のために、それを必要とする対象に、AZD6738又はVX-970などのATR阻害剤と組み合わせて投与される。上記実施形態のいくつかにおいて、塩は酒石酸塩である。上記実施形態のいくつかにおいて、ATR阻害剤はAZD6738である。上記実施形態のいくつかにおいて、ATR阻害剤はVX-970である。いくつかの実施形態において、塩は酒石酸塩であり、ATR阻害剤はAZD6738である。いくつかの実施形態において、塩は酒石酸塩であり、ATR阻害剤はVX-970である。上記実施形態のいくつかにおいて、ATR阻害剤はAZD6738とVX-970の組合せである。
特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、卵巣癌を治療するために、それを必要とする対象に、以下の追加の治療剤の1種以上又は追加の治療剤の組合せと組み合わせて投与される:白金アナログ(例えば、シスプラチン、パクリタキセル、カルボプラチン)又は白金アナログを含む組合せ(例えば、ドセタキセル及びカルボプラチン;パクリタキセル及びカルボプラチン;カルボプラチン及びリポソーマルドキソルビシン(dox);パクリタキセル、カルボプラチン及びベバシズマブ(bev);カルボプラチン及びゲムシタビン(gem)/(bev);カルボプラチン、リポソーマルdox及びbev;カルボプラチン、パクリタキセル及びbev;シスプラチン及びゲムシタビン;オキサリプラチン);アルトレタミン;カペシタビン;イホスファミド;イリノテカン;メルファラン;パクリタキセル(例えば、アルブミン結合パクリタキセル);ペメトレキセド;又はビノレルビン。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、卵巣癌を治療するために、それを必要とする対象に、以下の追加の治療剤の1種以上又は追加の治療剤の組合せと組み合わせて投与される:抗体療法(例えば、ベバシズマブ)などの標的療法;PARP阻害剤(例えば、オラパリブ、ルカパリブ、ニラパリブ);チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)(例えば、パゾパニブ);免疫療法;免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1又はPD-L1阻害剤);ペムブロリズマブ;又はホルモン療法(例えば、タモキシフェン、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、LHRHアゴニスト、例えば、ロイプロリド酢酸塩、酢酸メゲストロールなど)。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、卵巣癌を治療するために、それを必要とする対象に、ホルモン療法(例えば、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、ロイプロリド酢酸塩、酢酸メゲストロール、タモキシフェン)と組み合わせて投与される。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、卵巣癌を治療するために、それを必要とする対象に、以下の追加の治療剤の1種以上と組み合わせて投与される:シクロホスファミド;エトポシド;ソラフェニブ;又はビノレルビン。
特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、膵臓癌を治療するために、それを必要とする対象に、以下の追加の治療剤の1種以上又は追加の治療剤の組合せと組み合わせて投与される:フォルフィリノックス;改変されたフォルフィリノックスレジメン;ゲムシタビン及びアブラキサン;ゲムシチビン及びカペシタビン;オラパリブ;エムシタビン及びエルロチニブ;エムシタビン、ドセタキセル及びカペシタビン;ラロトレクチニブ;又はペムブロリズマブ。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、膵臓癌を治療するために、それを必要とする対象に、タンパク質結合パクリタキセル、ゲムシタビン及びシスプラチンと組み合わせて投与される。
特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、前立腺癌を治療するために、それを必要とする対象に、以下の追加の治療剤の1種以上と組み合わせて投与される:LHRHアゴニスト(例えば、ゴセレリン酢酸塩、ヒストレリン酢酸塩、ロイプロリド酢酸塩、及びトリプトレリンパモ酸塩);LHRHアンタゴニスト(例えば、デガレリクス);抗アンドロゲン剤(例えば、ビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、エンザルタミド、アパルタミド、ダロルタミド);コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン);卵胞ホルモン(例えば、ジエチルスチルベストロール);アンドロゲン合成阻害剤(例えば、ケトコナゾール、アビラテロン酢酸エステル);又はアンドロゲン遮断療法。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、前立腺癌(例えば、去勢抵抗性前立腺癌)を治療するために、それを必要とする対象に、PARP阻害剤と組み合わせて投与される。特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、前立腺癌(例えば、去勢抵抗性前立腺癌)を治療するために、それを必要とする対象に、アンドロゲン受容体阻害剤(例えば、エンザルタミド)と組み合わせて投与される。
特定の実施形態において、本開示の化合物は、例えば、多発性骨髄腫を治療するために、それを必要とする対象に、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)と組み合わせて投与される。
患者の一部は、投与の間又は後に、本開示の化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)に対するアレルギー反応を経験し得る。したがって、抗アレルギー剤を、本開示の化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)と組み合わせて投与して、アレルギー反応のリスクを最小限にすることができる。好適な抗アレルギー剤としては、コルチコステロイド(Knutson,S.,et al.,PLoS One,DOI:10.1371/journal.pone.0111840(2014))、例えば、デキサメタゾン(例えば、DECADRON(登録商標))、ベクロメタゾン(例えば、BECLOVENT(登録商標))、ヒドロコルチゾン(コルチゾン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム、商標ALA-CORT(登録商標)で販売されているヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム、ヒドロコルチゾンリン酸エステル、SOLU-CORTEF(登録商標)、HYDROCORT ACETATE(登録商標)及びLANACORT(登録商標))、プレドニゾロン(商標DELTA-CORTEL(登録商標)、ORAPRED(登録商標)、PEDIAPRED(登録商標)、及びPRELONE(登録商標)で販売)、プレドニゾン(商標DELTASONE(登録商標)、LIQUID RED(登録商標)、METICORTEN(登録商標)及びORASONE(登録商標)で販売)、メチルプレドニゾロン(別名6-メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン酢酸エステル、メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム、商標DURALONE(登録商標)、MEDRALONE(登録商標)、MEDROL(登録商標)、M-PREDNISOL(登録商標)、及びSOLU-MEDROL(登録商標)で販売);抗ヒスタミン剤、例えば、ジフェンヒドラミン(例えば、BENADRYL(登録商標))、ヒドロキシジン、及びシプロヘプタジン;並びに気管支拡張剤、例えば、β-アドレナリン受容体アゴニスト、アルブテロール(例えば、PROVENTIL(登録商標))、及びテルブタリン(BRETHINE(登録商標))がある。
患者の一部は、本明細書に記載される化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)の投与の間又は後に、悪心を経験し得る。したがって、鎮吐剤を、本開示の化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)と組み合わせて使用して、悪心(上腹部)及び嘔吐を予防できる。好適な鎮吐剤としては、アプレピタント(EMEND(登録商標))、オンダンセトロン(ZOFRAN(登録商標))、グラニセトロンHCl(KYTRIL(登録商標))、ロラゼパム(ATIVAN(登録商標)、デキサメタゾン(DECADRON(登録商標))、プロクロルペラジン(COMPAZINE(登録商標))、カソピタント(REZONIC(登録商標)及びZUNRISA(登録商標))、及びこれらの組合せがある。
治療期間の間に経験される疼痛を緩和する医薬品が、多くの場合、患者をより快適にするために処方される。TYLENOL(登録商標)などの一般的な処方箋不要の鎮痛剤も、本開示の化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)と組み合わせて使用できる。オピオイド鎮痛剤、例えば、ヒドロコドン/パラセタモール又はヒドロコドン/アセトアミノフェン(例えば、VICODIN(登録商標))、モルヒネ(例えば、ASTRAMORPH(登録商標)又はAVINZA(登録商標))、オキシコドン(例えば、OXYCONTIN(登録商標)又はPERCOCET(登録商標))、オキシモルホン塩酸塩(OPANA(登録商標))、及びフェンタニル(例えば、DURAGESIC(登録商標))は、中程度又は重度疼痛に有用であり得て、本開示の化合物及び/又は他の治療剤(例えば、抗癌剤)と組み合わせて使用できる。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために特に興味深い免疫調節剤(例えば、癌免疫剤)としては、アフツズマブ(ROCHE(登録商標)から利用可能);ペグフィルグラスチム(NEULASTA(登録商標));レナリドミド(CC-5013、REVLIMID(登録商標));サリドマイド(THALOMID(登録商標));アクチミド(CC4047);及びIRX-2(インターロイキン1、インターロイキン2、及びインターフェロンγを含むヒトサイトカインの混合物、CAS 951209-71-5、IRX Therapeuticsから利用可能)がある。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために特に興味深いキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法としては、チサゲンレクルユーセル(Novartis)、アキシカブタゲンシロルユーセル(Kite)、及びトシリズマブ(アトリズマブ;Roche)がある。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために興味深い免疫チェックポイント阻害剤としては、PD-1阻害剤、例えば、ペムブロリズマブ(別名ランブロリズマブ、MK-3475、MK03475、SCH-900475、又はKEYTRUDA(登録商標))及び他の抗PD-1抗体(参照により全体として組み込まれるHamid,O.et al.(2013)New England Journal of Medicine 369(2):134-44、米国特許第8,354,509号明細書、及び国際公開第2009/114335号パンフレットに開示される通り)、ニボルマブ(別名MDX-1106、MDX-1106-04、ONO-4538、BMS-936558、又はOPDIVO(登録商標))及び他の抗PD-1抗体(参照により全体として組み込まれる米国特許第8,008,449号明細書及び国際公開第2006/121168号パンフレットに開示される通り)、セミプリマブ(LIBTAYO(登録商標))、スパルタリズマブ(PDR001)、ピジリズマブ(CureTech)、MEDI0680(Medimmune)、セミプリマブ(REGN2810)、ドスタルリマブ(TSR-042)、PF-06801591(Pfizer)、シンチリマブ、トリパリマブ、チスレリズマブ(BGB-A317)、カムレリズマブ(INCSHR1210、SHR-1210)、AMP-224(Amplimmune)、CBT-501(CBT Pharmaceuticals)、CBT-502(CBT Pharmaceuticals)、JS001(Junshi Biosciences)、IBI308(Innovent Biologics)、INCSHR1210(Incyte)、別名SHR-1210(Hengrui Medicine)、BGBA317(Beigene)、BGB-108(Beigene)、BAT-I306(Bio-Thera Solutions)、GLS-010(Gloria Pharmaceuticals;WuXi Biologics)、AK103、AK104、AK105(Akesio Biopharma;Hangzhou Hansi Biologics;Hanzhong Biologics)、LZM009(Livzon)、HLX-10(Henlius Biotech)、MEDI0680(Medimmune)、PDF001(Novartis)、PF-06801591(Pfizer)、ピジリズマブ(CureTech)別名CT-011及び他の抗PD-1抗体(参照により全体として組み込まれるRosenblatt,J.et al.(2011)J Immunotherapy 34(5):409-18、米国特許第7,695,715号明細書、米国特許第7,332,582号明細書、及び米国特許第8,686,119号明細書に開示される通り)、REGN2810(Regeneron)、TSR-042(Tesaro)別名ANB011、又はCS1003(CStone Pharmaceuticals)。MEDI0680(Medimmune)は、AMP-514としても知られている。MEDI0680及び他の抗PD-1抗体は、参照により全体として組み込まれる米国特許第9,205,148号明細書及び国際公開第2012/145493号パンフレットに開示されている。さらなる公知の抗PD-1抗体分子としては、例えば、参照により全体として組み込まれる国際公開第2015/112800号パンフレット、国際公開第2016/092419号パンフレット、国際公開第2015/085847号パンフレット、国際公開第2014/179664号パンフレット、国際公開第2014/194302号パンフレット、国際公開第2014/209804号パンフレット、国際公開第2015/200119号パンフレット、米国特許第8,735,553号明細書、米国特許第7,488,802号明細書、米国特許第8,927,697号明細書、米国特許第8,993,731号明細書、及び米国特許第9,102,727号明細書に記載されるものがある。一実施形態において、PD-1阻害剤は、参照により全体として組み込まれる2015年7月30日に公開された「Antibody Molecules to PD-1 and Uses Thereof」という名称の米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に記載される抗PD-1抗体分子である。一実施形態において、抗PD-1抗体分子は、米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に開示されるBAP049-Clone-E又はBAP049-Clone-BのCDR、可変領域、重鎖、及び/又は軽鎖を含む。本明細書に記載される抗体分子は、参照により全体として組み込まれる米国特許出願公開第2015/0210769号明細書に記載されるベクター、宿主細胞、及び方法により製造できる。一実施形態において、PD-1阻害剤は、例えば、参照により全体として組み込まれる米国特許第8,907,053号明細書に記載されるPD-1シグナル伝達経路を阻害するペプチドである。一実施形態において、PD-1阻害剤は、イムノアドヘシン(例えば、定常領域(例えば、免疫グロブリン配列のFc領域)に融合したPD-L1又はPD-L2の細胞外又はPD-1結合部分を含むイムノアドヘシン)である。一実施形態において、PD-1阻害剤は、AMP-224(例えば、参照により全体として組み込まれる国際公開第2010/027827号パンフレット及び国際公開第2011/066342号パンフレットに開示されるB7-DCIg(Amplimmune))である。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために興味深い免疫チェックポイント阻害剤としては、PD-L1阻害剤、例えば、アテゾリズマブ(別名MPDL3280A、RG7446、RO5541267、YW243.55.S70、又はTECENTRIQ(登録商標))及び参照により全体として組み込まれる米国特許第8,217,149号明細書に開示される他の抗PD-L1抗体、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標)別名MSB0010718C)、及び参照により全体として組み込まれる国際公開第2013/079174号パンフレットに開示される他の抗PD-L1抗体、デュルバルマブ(IMFINZI(登録商標)又はMEDI4736)、及び参照により全体として組み込まれる米国特許第8,779,108号明細書に開示される他の抗PD-L1抗体)、FAZ053(Novartis)、及びBMS-936559(Bristol-Myers Squibb)もある。特定の実施形態において、PD-L1阻害剤は、KN035(Alphamab;3DMed;Ascletis Pharma)、エンバフォリマブ(TRACON Pharmaceuticals)、BMS 936559(Bristol-Myers Squibb)、CS1001(CStone Pharmaceuticals、Ligand Pharmaceuticals)、CX-072(CytomX Therapeutics)、FAZ053(Novartis)、SHR-1316(Hengrui Medicine)、TQB2450(Chiatai Tianqing)、STI-A1014(Zhaoke Pharm;Lee’s Pharm、Lonza、Sorrento Therapeutics、NantWorks)、LYN00102(Lynkcell)、A167(Harbour BioMed、Kelun Group)、BGB-A333(Beigene)、MSB2311(Mabspace Biosciences)、又はHLX-20(Henlius Biotech)である。一実施形態において、抗PD-L1抗体分子は、BMS-936559(Bristol-Myers Squibb)、別名MDX-1105又は12A4である。BMS-936559及び他の抗PD-L1抗体は、参照により全体として組み込まれている米国特許第7,943,743号明細書及び国際公開第2015/081158号パンフレットに開示されている。特定の実施形態において、PD-L1阻害剤は、コシベリマブ(Fortress Biotech)、LY3300054又はIodapolimab(Eli Lilly)、GS-4224(Gilead Sciences)、STI-A1015(Yuhan、Sorrento Therapeutics)、BCD-135(BIOCAD)、コシベリマブ(Dana-Farber Cancer Institute、TG Therapeutics)、APL-502(Apollomics)、AK106(Akeso Biopharma)、MSB2311(Transcenta Holding)、TG-1501(TG Therapeutics)、FAZ053(Novartis)である。特定の実施形態において、PD-L1阻害剤は、MT-6035(Molecular Templates)、イカリチン及びZKAB001(Lonza、Lee’s Pharmaceutical Holdings、Sorrento Therapeutics、Shenogen Pharma Group)、TRIDENT抗体(MacroGenics、Zai Lab)、YBL-007(Anh-Gook Pharmaceutical、Y-Biologics)、HTI-1316(Hengrui Therapeutics)、PD-L1 Oncology Project(Weizmann Institute of Sciences)、JS003(Shanghai Junshi Biosciences)、ND021(Numab Therapeutics、CStone Pharmaceuticals)、Toca 521(Tocagen)、STT01(STCube)である。特定の実施形態において、PD-L1阻害剤は、DB004(DotBio)、MT-5050(Molecular Templates)、KD036(Kadmon)である。一実施形態において、PD-L1阻害剤は抗PD-L1抗体分子である。一実施形態において、PD-L1阻害剤は、参照により全体として組み込まれる「Antibody Molecules to PD-L1 and Uses Thereof」という名称の2016年4月21日に公開された米国特許出願公開第2016/0108123号明細書に開示された抗PD-L1抗体分子である。一実施形態において、抗PD-L1抗体分子は、米国特許出願公開第2016/0108123号明細書に開示されているBAP058-Clone O又はBAP058-Clone NのCDR、可変領域、重鎖及び/又は軽鎖を含む。
さらなる公知の抗PD-L1抗体としては、例えば、参照により全体として組み込まれる国際公開第2015/181342号パンフレット、国際公開第2014/100079号パンフレット、国際公開第2016/000619号パンフレット、国際公開第2014/022758号パンフレット、国際公開第2014/055897号パンフレット、国際公開第2015/061668号パンフレット、国際公開第2013/079174号パンフレット、国際公開第2012/145493号パンフレット、国際公開第2015/112805号パンフレット、国際公開第2015/109124号パンフレット、国際公開第2015/195163号パンフレット、米国特許第8,168,179号明細書、米国特許第8,552,154号明細書、米国特許第8,460,927号明細書、及び米国特許第9,175,082号明細書に記載されているものがある。
いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、細胞傷害性Tリンパ球関連調節物質である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4を標的とする薬物、例えば、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、トレメリムマブ、ALPN-202(Alpine Immune Sciences)、RP2(Replimune)、BMS-986249(Bristol-Myers Squibb)、BMS-986218(Bristol-Myers Squibb)、ザリフレリマブ(Agenus、Ludwig Institute for Cancer Research、UroGen Pharma、Recepta Biopharma)、BCD-217(BIOCAD)、Onc-392(Pfizer、OncoImmune)、IBI310(Innovent Biologics)、KN046(Alphamab)、MK-1308(Merck & Co)、REGN4659(Regeneron Pharmaceuticals)、XmAb20717(Xencor)、XmAb22841(Xencor)、Anti-CTLA-4 NF(Bristol-Myers Squibb)、MEDI5752(AstraZeneca)、AGEN1181(Agenus)、MGD019(MacroGenics)、ATOR-1015(Alligator Bioscience)、BCD-145(BIOCAD)、PSB205(Sound Biologics)、CS1002(CStone Pharmaceuticals)、ADU-1604(Aduro Biotech)、PF-06753512(Pfizer)、BioInvent-Transgene Research Program(Transgene)、AGEN2041(Agenus、Recepta Biopharam)、ATOR-1144(Alligator Bioscience)、CTLA-4 Research Project(Sorrento Therapeutics)、PD-L1/CTLA-4 Research Project(Sorrento Therapeutics)、HLX13(Shanghai Henlius Biotech)、ISA203(ISA Pharmaceuticals)、PRS-300 Series A(Pieris Pharmaceuticals)、BA3071(BioAtla)、CTLA4 Cancer Research Program(Biosortia Pharmaceuticals)、RP3(Replimune)、CG0161(Cold Genesys)、APL-509(Apollomics、JSR)、AGEN2041(Ludwig Institute for Cancer Research)、APC 101(Advanced Proteome)、CTLA-4阻害剤(Advanced Proteome)、BA3071(BeiGene)、BPI-002(BeyondSpring Pharmaceuticals)、CTLA-4抗体(Tikcro Technologies)、Immuno-Oncology Research Program II(OliPass)、PBP1701(Prestige BioPharma)、DB002(DotBio)、DB003(DotBio)、OR-2299(OncoResponse)、NK044(Alphamab)である。特定の実施形態において、CTLA-4阻害剤はイピリムマブである。他の実施形態において、CTLA4阻害剤はトレメリムマブである。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために興味深い免疫チェックポイント阻害剤としてはLAG-3阻害剤もある。いくつかの実施形態において、LAG-3阻害剤は、LAG525(Novartis)、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)、又はTSR-033(Tesaro)から選択される。一実施形態において、LAG-3阻害剤は抗LAG-3抗体分子である。一実施形態において、LAG-3阻害剤は、参照により全体として組み込まれる2015年9月17日に公開された「Antibody Molecules to LAG-3 and Uses Thereof」という名称の米国特許出願公開第2015/0259420号明細書に開示された抗LAG-3抗体分子である。一実施形態において、抗LAG-3抗体分子は、米国特許出願公開第2015/0259420号明細書に開示されたBAP050-Clone I又はBAP050-Clone JのCDR、可変領域、重鎖、及び/又は軽鎖を含む。一実施形態において、抗LAG-3抗体分子は、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)、別名BMS986016である。BMS-986016及び他の抗LAG-3抗体は、参照により全体として組み込まれる国際公開第2015/116539号パンフレット及び米国特許第9,505,839号明細書に開示されている。一実施形態において、抗LAG-3抗体分子はTSR-033(Tesaro)である。一実施形態において、抗LAG-3抗体分子は、IMP731又はGSK2831781(GSK及びPrima BioMed)である。IMP731及び他の抗LAG-3抗体は、参照により全体として組み込まれる国際公開第2008/132601号パンフレット及び米国特許第9,244,059号明細書に開示されている。一実施形態において、抗LAG-3抗体分子はIMP761(Prima BioMed)である。さらなる公知の抗LAG-3抗体としては、例えば、参照により全体として組み込まれる国際公開第2008/132601号パンフレット、国際公開第2010/019570号パンフレット、国際公開第2014/140180号パンフレット、国際公開第2015/116539号パンフレット、国際公開第2015/200119号パンフレット、国際公開第2016/028672号パンフレット、米国特許第9,244,059号明細書、米国特許第9,505,839号明細書に記載されているものがある。一実施形態において、抗LAG-3阻害剤は、可溶性LAG-3タンパク質、例えば参照により全体として組み込まれる国際公開第2009/044273号パンフレットに開示されている例えばIMP321(Prima BioMed)である。
本開示の化合物と組み合わせた使用のために興味深い免疫チェックポイント阻害剤としてはTim-3阻害剤もある。いくつかの実施形態において、TIM-3阻害剤は、MGB453(Novartis)又はTSR-022(Tesaro)である。一実施形態において、TIM-3阻害剤は抗TIM-3抗体分子である。一実施形態において、TIM-3阻害剤は、参照により全体として組み込まれる2015年8月6日に公開された「Antibody Molecules to TIM-3 and Uses Thereof」という名称の米国特許出願公開第2015/0218274号明細書に開示される抗TIM-3抗体分子である。一実施形態において、抗TIM-3抗体分子は、米国特許出願公開第2015/0218274号明細書に開示されるABTIM3-hum11又はABTIM3-hum03のCDR、可変領域、重鎖、及び/又は軽鎖を含む。一実施形態において、抗TIM-3抗体分子はTSR-022(AnaptysBio/Tesaro)である。一実施形態において、抗TIM-3抗体分子は、APE5137又はAPE5121のCDR配列の1つ以上(又は集合的にCDR配列の全て)、重鎖若しくは軽鎖可変領域配列、又は重鎖若しくは軽鎖配列を含む。APE5137、APE5121、及び他の抗TIM-3抗体は、参照により全体として組み込まれる国際公開第2016/161270号パンフレットに開示されている。一実施形態において、抗TIM-3抗体分子は、抗体クローンF38-2E2である。さらなる公知の抗TIM-3抗体としては、例えば、参照により全体として組み込まれる国際公開第2016/111947号パンフレット、国際公開第2016/071448号パンフレット、国際公開第2016/144803号パンフレット、米国特許第8,552,156号明細書、米国特許第8,841,418号明細書、及び米国特許第9,163,087号明細書に記載されるものがある。
RAD51枯渇は、細胞質中の自己DNAの蓄積及び自然免疫応答経路遺伝子の上方制御をもたらす(PMID:28334891、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)。小細胞肺癌(SCLC)組織において、RAD51染色の増加は、CD8+リンパ球浸潤の減少と相関した(PMID:34620176、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)。これらの報告は、RAD51が免疫シグナリングに関与しており、本開示の化合物が、例えば、SCLCなどの肺癌の治療において、免疫チェックポイント阻害剤の効能を増大させ得ることを示唆する。
いくつかの実施形態において、本開示の化合物は、それを必要とする対象に、免疫チェックポイント阻害剤などの癌免疫剤(immunooncology agent)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)は、例えば、膵臓癌(例えば、膵管腺癌)を治療するために、本明細書に記載される免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)は、例えば、膵臓癌(例えば、進行膵臓癌、膵管腺癌)を治療するために、本明細書に記載される免疫チェックポイント阻害剤及び/又は(例えば、又は)ゲムシタビン、ナブパクリタキセル、エルロチニブ、フロオロウラシル、若しくはフォルフィリノックス(フォリン酸、フロオロウラシル、イリノテカン、及びオキサリプラチンで構成される化学療法レジメン)、若しくは上記のものの2種以上のあらゆる組合せから選択される薬剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、LAG-3阻害剤又はTIM-3阻害剤から選択される。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤又はCTLA-4阻害剤から選択される。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はPD-1阻害剤である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はPD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤はCTLA-4阻害剤である。
正常細胞を治療毒性から保護し、臓器毒性を制限しようとする努力の中で、細胞保護剤(神経保護剤、フリーラジカルスカベンジャー、心臓保護剤、アントラサイクリン漏出中和剤(extravasation neutralizers)、栄養素など)が、本開示の化合物と組み合わせた補助療法として使用され得る。好適な細胞保護剤としては、アミフォスチン(ETHYOL(登録商標))、グルタミン、ジメスナ(TAVOCEPT(登録商標))、メスナ(MESNEX(登録商標))、デクスラゾキサン(ZINECARD(登録商標)又はTOTECT(登録商標))、キサリプロデン(XAPRILA(登録商標))、及びロイコボリン(別名ロイコボリンカルシウム、シトロボルム因子、及びフォリン酸)がある。
コード番号、一般名、又は商品名により特定される活性化合物の構造は、現行版の標準的な一覧表“The Merck Index”から、又はデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)から得ることができる。
本開示の別の態様において、2種以上の別々な医薬組成物であって、その少なくとも一方が本開示の化合物を含む2種以上の医薬組成物を含むキットが提供される。いくつかの実施形態において、キットは、本開示の化合物を含む医薬組成物及び本開示の化合物と組み合わせた使用のために本明細書で特定される追加の治療剤を含む医薬組成物を含む。一実施形態において、キットは、容器、分割されたボトル、又は分割されたフォイルパケットなど、前記組成物を別々に保持するための手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などを包装するために典型的に使用されるブリスターパックである。
本開示のキットは、異なる剤形、例えば、経口及び非経口を投与するために、別々な組成物を異なる投与間隔で投与するために、又は別々な組成物を互いに対して用量調整するために使用され得る。コンプライアンスを支援するために、本開示のキットは、典型的には、例えば、本明細書に記載される疾病、障害又は状態を治療するための、投与の指示書を含む。
本開示の化合物は、公知の治療プロセス、例えば、ホルモン又は特に放射線の投与との組合せで利益を得るためにも使用され得る。本開示の化合物は、特に、放射線増感剤として、特に放射線療法に対して乏しい感受性を示す腫瘍の治療のために使用され得る。
本開示の併用療法において、本開示の化合物及び他の治療剤は、同じ製造業者によっても、異なる製造業者によっても、製造及び/又は製剤され得る。さらに、本開示の化合物及び他の治療剤は、(i)医師への配合剤の発売前に(例えば、本開示の化合物及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与の直前に医師により(又は医師の指導の下に);(iii)患者自身の中で、例えば、本開示の化合物及び他の治療剤の連続的な投与の間に、共に併用療法にされ得る。
適用のための医薬組成物(又は製剤)は、薬物の投与に使用される方法に応じて種々の方法で包装され得る。一般的に、流通用の物品は、内部に適切な形態の医薬製剤が配置された容器を含む。好適な容器は当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、プラスチック袋、金属円筒などの材料を含む。容器は、包装の内容物への無分別なアクセスを防ぐための不正開封防止組合せ品(assemblage)も含み得る。さらに、容器は、容器の内容物を説明するラベルがその表面に配置されている。ラベルは、適切な警告も含み得る。
本開示の医薬組成物又は組合せは、例えば、約50~約70kgの対象のために約1~約1000mgの有効成分を含む、又は約50~約70kgの対象のために約1~約500mg、約1~約250mg、約1~約150mg、約0.5~約100mg、若しくは約1~約50mgの有効成分を含む単位剤形であり得る。化合物、医薬組成物、又は医薬組合せの治療上有効な用量は、対象の人種、対象の体重、年齢、及び個人の状態、並びに治療されている疾患、障害、若しくは病態又はその重症度に依存する。通常の技量の医師、臨床医、又は獣医は、疾患、障害、又は病態の進行を予防又は治療するのに必要な有効成分のそれぞれの治療上有効な量を容易に決定できる。
上記で引用された投与性(dosage properties)は、好都合には哺乳動物、例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、又は単離されたその器官、組織、及び標本を使用して、インビトロ及びインビボ試験において実証可能であり得る。本開示の化合物は、インビトロで、溶液、例えば、水溶液の形態で、及びインビボで経腸的、非経口的、好都合には静脈内、例えば、懸濁剤として、又は水溶液中で適用され得る。インビトロの用量は、約10-3モル~10-9モル濃度の範囲であり得る。インビボの治療上有効な量は、とりわけ投与経路に応じて、約0.1mg/kg~約500mg/kg、又は約1mg/kg~約100mg/kgの範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、医薬組成物中に提供される1種以上の治療剤の濃度は、100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/v未満である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物中に提供される1種以上の治療剤の濃度は、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、19.75%、19.50%、19.25% 19%、18.75%、18.50%、18.25% 18%、17.75%、17.50%、17.25% 17%、16.75%、16.50%、16.25% 16%、15.75%、15.50%、15.25% 15%、14.75%、14.50%、14.25% 14%、13.75%、13.50%、13.25% 13%、12.75%、12.50%、12.25% 12%、11.75%、11.50%、11.25% 11%、10.75%、10.50%、10.25% 10%、9.75%、9.50%、9.25% 9%、8.75%、8.50%、8.25% 8%、7.75%、7.50%、7.25% 7%、6.75%、6.50%、6.25% 6%、5.75%、5.50%、5.25% 5%、4.75%、4.50%、4.25%、4%、3.75%、3.50%、3.25%、3%、2.75%、2.50%、2.25%、2%、1.75%、1.50%、125%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%、0.01%、0.009%、0.008%、0.007%、0.006%、0.005%、0.004%、0.003%、0.002%、0.001%、0.0009%、0.0008%、0.0007%、0.0006%、0.0005%、0.0004%、0.0003%、0.0002%、又は0.0001%w/w、w/v、又はv/v超である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物中に提供される1種以上の治療剤の濃度は、約0.0001%~約50%、約0.001%~約40%、約0.01%~約30%、約0.02%~約29%、約0.03%~約28%、約0.04%~約27%、約0.05%~約26%、約0.06%~約25%、約0.07%~約24%、約0.08%~約23%、約0.09%~約22%、約0.1%~約21%、約0.2%~約20%、約0.3%~約19%、約0.4%~約18%、約0.5%~約17%、約0.6%~約16%、約0.7%~約15%、約0.8%~約14%、約0.9%~約12%、約1%~約10%w/w、w/v、又はv/vの範囲である。
いくつかの実施形態において、医薬組成物中に提供される1種以上の治療剤の濃度は、約0.001%~約10%、約0.01%~約5%、約0.02%~約4.5%、約0.03%~約4%、約0.04%~約3.5%、約0.05%~約3%、約0.06%~約2.5%、約0.07%~約2%、約0.08%~約1.5%、約0.09%~約1%、約0.1%~約0.9%w/w、w/v、又はv/vの範囲である。
使用方法
いまや、本開示の化合物がRAD51のレベルを減少させることが見出された。したがって、細胞(例えば、RAD51を発現している細胞;本明細書に記載される癌のいずれかの癌細胞を含む、RAD51を発現している癌細胞などの癌細胞)中のRAD51のレベルを減少させる方法であって、細胞を、本開示の化合物(例えば、治療上有効な量の式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩などの、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)と接触させることを含む方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は、ヒトなどの対象中にある。いくつかの実施形態において、方法は、細胞(例えば、癌細胞)を1種以上の追加の治療剤と接触させることをさらに含む。
それを必要とする対象(例えば、本明細書に記載される癌のいずれかを含む癌を有する対象)におけるRAD51のレベルを減少させる方法であって、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I又はその下位式の化合物、又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法も本明細書に提供される。理論には拘束されないが、RAD51のレベルを減少させる、可能性がある機構には、細胞中のRAD51の発現を阻害すること、細胞中のある位置から細胞中の別の位置へのRAD51の移動(核と細胞質の間のRAD51の移動を含む)を阻害すること、及び細胞中のRAD51の分解を促進することがある。
細胞(例えば、本明細書に記載される癌のいずれかの癌細胞などの癌細胞)中の小胞体(ER)ストレスを促進する方法であって、細胞を、本開示の化合物(例えば、治療上有効な量の式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩など、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)と接触させることを含む方法も本明細書に提供される。ERストレスは、ROSにより起こされ得る。そのため、いくつかの実施形態において、ERストレスはROSにより起こされる。いくつかの実施形態において、細胞中のERストレスを促進することは、細胞中のERストレスを誘導することである。いくつかの実施形態において、ERストレスを促進することは、例えば、細胞を、細胞中のROSのレベルを増加させる薬剤と接触させることにより、細胞中のROSのレベルを増加させることを含む。いくつかの実施形態において、細胞は、ヒトなどの対象中にある。
細胞(例えば、本明細書に記載される癌のいずれかの癌細胞を含む癌細胞)中の小胞体ストレス応答(UPR)を促進する方法であって、細胞を、本開示の化合物(例えば、治療上有効な量の式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩など、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)と接触させることを含む方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、細胞中のUPRを促進することは、細胞中のUPRを活性化することである。いくつかの実施形態において、UPRはERストレスにより誘導される。いくつかの実施形態において、細胞は、ヒトなどの対象中にある。
細胞(例えば、RAD51、MGMT及び/又はMPGを発現している細胞;本明細書に記載される癌のいずれかの癌細胞を含む、RAD51、MGMT及び/又はMPGを発現している癌細胞などの癌細胞)中のRAD51、MGMT及び/又はMPGから選択されるDNA修復タンパク質の分解を促進する方法であって、細胞を、本開示の化合物(例えば、治療上有効な量の式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩など、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)と接触させることを含む方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、細胞は、ヒトなどの対象中にある。いくつかの実施形態において、DNA修復タンパク質はRAD51である。
本明細書に記載される方法が、癌細胞などの細胞を本開示の化合物と接触させることを含む場合、方法が、インビトロでも、エクスビボでも、又はインビボでも実施できることが理解されるだろう。そのため、いくつかの実施形態は、細胞をインビトロで接触させることを含む。いくつかの実施形態は、細胞をエクスビボで接触させることを含む。いくつかの実施形態は、例えば、細胞がヒトなどの対象中にある場合、細胞をインビボで接触させることを含む。
特定の理論により拘束されることを望まないが、以下のバイオマーカーが、小胞体ストレス応答、ERストレス及び/又はRAD51などのDNA修復タンパク質の分解を調節する(例えば、促進する)ことに関連すると考えられている:phospho-eIF2a、XBP1スプライシング、ATF4発現、並びにATF4、CHOP、XBP1、及びATF6転写因子により推進される遺伝子発現シグネチャー。したがって、本明細書に記載される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、eIF2aのリン酸化、phospho-eIF2aのレベル、XBP1スプライシング、ATF4発現、並びにATF4、CHOP、XBP1、及びATF6転写因子により推進される遺伝子発現シグネチャーの1つ以上を増加させる。
それを必要とする対象における癌を治療する方法であって、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法も本明細書に提供される。
固形腫瘍、白血病、リンパ腫、及び骨髄腫を含む多種多様な癌には、本明細書に開示される方法が適している。いくつかの実施形態において、癌は固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態において、癌は、固形腫瘍(例えば、結腸直腸、乳房、前立腺、肺、膵臓、腎臓、又は卵巣腫瘍)を含む。したがって、いくつかの実施形態において、癌は固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肺系統の癌、脳癌、消化管の癌、皮膚癌、尿生殖器癌、頭頸部癌、肉腫、癌腫、及び神経内分泌癌の1種以上から選択される。種々の実施形態において、固形腫瘍癌は、乳癌、膀胱癌、子宮内膜癌、食道癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、胃癌、腎臓癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、子宮癌、ウイルスにより誘導された癌、メラノーマ、又は肉腫である。いくつかの実施形態において、癌は膀胱癌である。いくつかの実施形態において、癌は肺癌(例えば、非小細胞肺癌)である。他の実施形態において、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態において、癌は、肉腫、膀胱癌、又は腎臓癌である。いくつかの実施形態において、癌は、前立腺癌(例えば、去勢抵抗性前立腺癌、去勢感受性前立腺癌)である。他の実施形態において、癌は、膀胱癌、膵臓癌、結腸直腸癌、膠芽腫、腎臓癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、肉腫、皮膚癌、甲状腺癌、精巣癌、又は外陰癌である。いくつかの実施形態において、癌は、子宮内膜癌、膵臓癌、精巣癌、腎臓癌、メラノーマ、結腸直腸癌、甲状腺癌、膀胱癌、膵臓癌、外陰癌、肉腫、前立腺癌、肺癌、又は肛門癌である。いくつかの実施形態において、癌は肉腫である。いくつかの実施形態において、癌は腎細胞癌である。
いくつかの実施形態において、癌は非固形腫瘍癌である。いくつかの実施形態において、癌は血液系癌である。本明細書に記載される方法に従って治療できる血液系癌としては、白血病(例えば、急性骨髄性白血病又は急性リンパ球性白血病などの急性白血病;慢性骨髄性白血病又は慢性リンパ球性白血病などの慢性白血病)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫)及び多発性骨髄腫がある。いくつかの実施形態において、癌は白血病である。いくつかの実施形態において、癌は急性白血病である。いくつかの実施形態において、癌は、急性骨髄性白血病又は急性リンパ球性白血病である。いくつかの実施形態において、癌は慢性白血病である。いくつかの実施形態において、癌は、慢性骨髄性白血病又は慢性リンパ球性白血病である。いくつかの実施形態において、癌はリンパ腫である。いくつかの実施形態において、血液系癌は、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性リンパ球性白血病、リンパ球性リンパ腫、菌状息肉症、慢性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病(CLL)、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、又は骨髄線維症から選択される。
いくつかの実施形態において、癌は、卵巣癌、多発性骨髄腫、膵臓癌、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、結腸直腸癌又はリンパ腫から選択される。
いくつかの実施形態において、癌は、BRCA(例えば、BRCA1及び/又はBRCA2)バリアント(例えば、変異体)を発現する。いくつかの実施形態において、BRCAバリアントは、PARPに抵抗性があるBRCA(機能喪失)変異体である。
いくつかの実施形態において、癌は転移前癌(pre-metastatic cancer)である。いくつかの実施形態において、癌は転移性癌である。
いくつかの実施形態において、癌は、以前に治療されており、例えば、本開示の化合物は、後続療法(例えば、第二選択療法、第三選択療法、最終選択療法)として、単独又は1種以上の追加の療法と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態において、例えば本開示の化合物が、第一選択療法として、単独又は1種以上の追加の療法と組み合わせて投与される場合、癌は、以前に治療されていない。さらなる実施形態において、方法は、対象に、癌の後続療法(例えば、第二選択療法、第三選択療法、最終選択療法)を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、癌は抵抗性である。
本明細書に記載される方法に従って治療可能な癌の例としては、乳房、前立腺、及び結腸の腺癌;全形態の肺の気管支原性癌;骨髄性;メラノーマ;肝癌;神経芽細胞腫;乳頭腫;アプドーマ;分離腫;鰓腫;悪性カルチノイド症候群;カルチノイド心疾患;及び癌腫(例えば、ウォーカー、基底細胞、基底扁平細胞、ブラウン・ピアース、乳管、エールリッヒ腫瘍、Krebs 2、メルケル細胞、粘液性、肺癌(例えば、扁平上皮癌、非小細胞肺などの大細胞肺癌)、燕麦細胞、乳頭状、スキルス、細気管支、気管支原性、扁平上皮細胞、及び移行上皮)があるが、これらに限定されない。本明細書に記載される方法に従って治療可能な癌の追加の例としては、組織球性障害;白血病;悪性組織球症;ホジキン疾患;過好酸球増多症、免疫増殖性小(immunoproliferative small);非ホジキンリンパ腫;形質細胞腫;細網内皮症;メラノーマ;軟骨芽細胞腫;軟骨腫;軟骨肉腫;隆起性皮膚線維肉腫、線維性癌(骨髄線維症、膵臓癌(例えば、膵管腺癌)、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(例えば、扁平上皮癌などの大細胞肺癌)、乳癌(例えば、炎症性乳癌)、卵巣癌(例えば、高異型度重篤卵巣癌(serious ovarian carcinoma))、子宮内膜癌、子宮癌、子宮肉腫(例えば、子宮平滑筋肉腫)、腎細胞癌、肉腫(例えば、軟部組織肉腫)、悪性線維性組織球腫、線維肉腫(例えば、隆起性皮膚線維肉腫)及び肝細胞癌);線維腫;線維肉腫;巨細胞腫;組織球腫;脂肪腫;脂肪肉腫;中皮腫;粘液腫;粘液肉腫;骨腫;骨肉腫;小児の悪性腫瘍、脊索腫;頭蓋咽頭腫;未分化胚細胞腫;過誤腫;間葉細胞腫;中腎腫;筋肉腫;エナメル上皮腫;セメント質腫;歯牙腫;奇形腫;胸腺腫;絨毛性腫瘍があるが、これらに限定されない。さらに、以下の種類の癌も、治療に適していることが企図される:腺腫;胆管癌;真珠腫性中耳炎;サイクリンドローマ(cyclindroma);嚢胞腺癌;嚢胞腺腫;顆粒膜細胞腫;ギナンドロブラストーマ;肝細胞癌、肝癌;汗腺腫;膵島細胞腫瘍;ライディッヒ細胞腫;乳頭腫;セルトリ細胞腫瘍;莢膜細胞腫;平滑筋腫;平滑筋肉腫;筋芽細胞腫;筋腫;筋肉腫;横紋筋腫;横紋筋肉腫;上衣腫;神経節細胞腫;グリオーマ;髄芽細胞腫;髄膜腫;神経鞘腫;神経芽細胞腫;神経上皮腫;神経線維腫;神経腫;傍神経節腫;非クロム親和性傍神経節腫。本明細書に記載される方法に従って治療可能な癌のさらなる例としては、被角血管腫;好酸球性血管リンパ球増殖症;硬化性血管腫;血管腫症;グロムス血管腫;血管内皮腫;血管腫;血管外皮細胞腫;血管肉腫;リンパ管腫;リンパ管筋腫;リンパ管肉腫;松果体腫;癌肉腫;軟骨肉腫;葉状嚢胞肉腫;線維肉腫;血管肉腫;平滑筋肉腫;白血肉腫;脂肪肉腫;リンパ管肉腫;筋肉腫;粘液肉腫;卵巣癌;横紋筋肉腫;肉腫;新生物;神経線維腫症;及び子宮頚部異形成があるが、これらに限定されない。
本明細書に記載される方法に従って治療可能な癌のさらなる例としては、急性リンパ芽球性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML);副腎皮質癌;小児副腎皮質癌;AIDS関連癌(例えば、カポジ肉腫、AIDS関連リンパ腫、原発CNSリンパ腫);肛門領域の癌;肛門癌;虫垂癌;小児星状細胞腫;非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、小児、中枢神経系(CNS);CNSの新生物(例えば、原発CNSリンパ腫、脊髄軸腫瘍(spinal axis tumors)、髄芽細胞腫、脳幹グリオーマ又は下垂体腺腫)、バレット食道(例えば、前悪性症候群(pre-malignant syndrome)、及び菌状息肉症(mycoses fungoides)、皮膚の基底細胞癌;胆管癌;膀胱癌;小児膀胱癌;骨癌(ユーイング肉腫、骨肉腫、及び悪性線維性組織球腫を含む);脳腫瘍/癌;乳癌;バーキットリンパ腫;カルチノイド腫瘍(胃腸の);小児カルチノイド腫瘍;小児心臓(cardiac)(心臓(heart))腫瘍;小児胎児性腫瘍;小児胚細胞腫瘍;原発CNSリンパ腫;子宮頸癌;小児子宮頸癌;胆管癌;小児脊索腫;慢性リンパ球性白血病(CLL);慢性骨髄性白血病(CML);慢性骨髄増殖性腫瘍;結腸直腸癌;小児結腸直腸癌;小児頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症及びセザリー症候群);非浸潤性乳管癌(DCIS);胎児性腫瘍、中枢神経系、小児;内分泌系の癌(例えば、甲状腺、膵臓、副甲状腺、又は副腎の癌)、子宮内膜癌(子宮癌);小児上衣腫;食道癌;小児食道癌;嗅神経芽腫;ユーイング肉腫;小児頭蓋外胚細胞腫瘍;性腺外胚細胞腫瘍;眼癌;小児眼内メラノーマ;眼内メラノーマ;網膜芽細胞腫;卵管癌;骨原発悪性線維性組織球腫及び骨肉腫;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌;小児胃(gastric)(胃(stomach))癌;消化管カルチノイド腫瘍;消化管間質腫瘍(GIST);小児消化管間質腫瘍;胚細胞腫瘍;小児中枢神経系胚細胞腫瘍(例えば、小児頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、精巣癌);妊娠性絨毛性疾患;婦人科の腫瘍((例えば、子宮肉腫、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、子宮頸部の癌腫、膣の癌腫、又は外陰部の癌腫)、有毛細胞白血病;頭頸部癌;小児心臓腫瘍;肝細胞(肝臓)癌;ランゲルハンス細胞組織球症;ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;皮膚又は眼内メラノーマ;小児眼内メラノーマ;膵島細胞腫瘍、膵神経内分泌腫瘍;カポジ肉腫;腎臓(腎細胞)癌;ランゲルハンス細胞組織球症;喉頭癌;白血病;口唇口腔癌;肝臓癌;肺癌(非小細胞及び小細胞);小児肺癌;リンパ腫;男性の乳癌;骨の悪性線維性組織球腫及び骨肉腫;メラノーマ;小児メラノーマ;眼内メラノーマ(眼);小児眼内メラノーマ;メルケル細胞癌;悪性中皮腫;小児中皮腫;転移性癌;原発不明転移性扁平上皮性頸部癌;NUT遺伝子変化を伴う正中線管癌(midline tract carcinoma);口腔癌;多発性内分泌腫瘍症候群;多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍;菌状息肉症;骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍;骨髄性白血病、慢性(CML);骨髄性白血病、急性(AML);骨髄増殖性腫瘍、慢性;鼻腔癌及び副鼻腔癌;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺癌;口腔癌、口唇口腔癌及び中咽頭癌;骨肉腫及び骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌;小児卵巣癌;膵臓癌;小児膵臓癌;膵神経内分泌腫瘍;乳頭腫症(小児喉頭);傍神経節腫;小児傍神経節腫;副鼻腔癌及び鼻腔癌;副甲状腺癌;陰茎癌;咽頭癌;褐色細胞腫;小児褐色細胞腫;下垂体腫瘍;形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠及び乳癌;中枢神経系(CNS)原発リンパ腫;原発性腹膜癌;前立腺癌;直腸癌;再発性癌;腎細胞(腎臓)癌;網膜芽細胞腫;小児横紋筋肉腫;唾液腺癌;肉腫(例えば、小児横紋筋肉腫、小児血管腫瘍、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、骨肉腫(骨癌)、軟部組織肉腫、子宮肉腫);セザリー症候群;皮膚癌;小児皮膚癌;小細胞肺癌;小腸癌;軟部組織肉腫;皮膚の扁平上皮癌;転移性原発不明扁平上皮性頸部癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌;小児胃(stomach)(胃(gastric))癌;T細胞リンパ腫、皮膚(例えば、菌状息肉症及びセザリー症候群);精巣癌;小児精巣癌;咽頭癌(例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌);胸腺腫及び胸腺癌;甲状腺癌;腎盂と尿管の移行上皮癌;尿管及び腎盂(例えば、腎細胞癌、腎盂の癌腫)、良性前立腺肥大、副甲状腺癌、移行上皮癌;尿道癌;子宮内膜の子宮癌;子宮肉腫;膣癌;小児膣癌;血管の腫瘍;外陰癌;及びウィルムス腫瘍、並びに他の小児腎臓腫瘍があるが、これらに限定されない。
上述の癌の転移も、本明細書に記載される方法に従って治療できる。
RAD51は、自然免疫及び免疫シグナル伝達の抑制にも関与してきた。その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPMID:28334891を参照されたい。そのため、それを必要とする対象における自己免疫疾患を含む免疫不全症を治療する方法であって、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法も本明細書に提供される。免疫不全症の非限定的な例は、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、多腺性自己免疫症候群1型(APS-1)、ベンタ病、カスパーゼ8欠損症(CEDS)、慢性肉芽腫性疾患(CGD)、分類不能型免疫不全症(CVID)、先天性好中球減少症候群、CTLA4欠損症、DOCKS欠損症、GATA2欠損症、免疫不全症を伴うグリコシル化障害、高免疫グロブリンE症候群(HIES)、高免疫グロブリンM(高IgM)症候群、白血球接着不全症(LAD)、LRBA欠損症、PBキナーゼ疾患、PLCG2関連抗体欠乏及び免疫調節不全(PLAID)、重症複合免疫不全症(SCID)、STAT3機能獲得疾患、疣贅、低ガンマグロブリン血症、感染、及び骨髄性細胞貯留症候群(WHIMS)、X連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)、X連鎖リンパ増殖性疾患(XLP)、及びXMEN疾患;紅斑性狼蒼;ウィスコット・アルドリッチ症候群;自己免疫性リンパ増殖症候群;重症筋無力症;関節リウマチ(RA);ループス腎炎;多発性硬化症;全身性エリテマトーデス;円板状ループス;亜急性皮膚エリテマトーデス;凍瘡状エリテマトーデスを含む皮膚エリテマトーデス;慢性関節炎;シェーグレン症候群;炎症性慢性副鼻腔炎;大腸炎;セリアック病;炎症性腸疾患;バレット食道;炎症性胃炎;自己免疫性腎炎;自己免疫性血管炎;自己免疫性肝炎;自己免疫心臓炎(autoimmune carditis);自己免疫性脳炎;自己免疫性糖尿病;自己免疫性糖尿病性腎炎;乾癬;移植片対宿主病(GvHD);及び自己免疫媒介性血液疾患である。
二本鎖切断及び欠陥があるDNA損傷応答は、より広く、神経変性の基礎にあると考えられている。内容全体が参照により本明細書に組み込まれるPMID:25033177を参照されたい。したがって、それを必要とする対象における神経変性疾患を治療する方法であって、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又はその薬学的に許容できる塩)を投与することを含む方法も本明細書に提供される。神経変性疾患の非限定的な例は、多発性硬化症、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ハンチントン病(HD)、脊髄小脳性運動失調症1型(SCA1)、脊髄小脳性運動失調症2型(SCA2)、脊髄小脳性運動失調症3型(SCA3)、脊髄小脳性運動失調症6(SCA6)、脊髄小脳性運動失調症7型(SCA7)、脊髄小脳性運動失調症8型(SCA8)、脊髄小脳性運動失調症12型(SCA12)、脊髄小脳性運動失調症17型(SCA17)、球脊髄性筋肉失調(Muscular Ataxia)/ケネディー病(SBMA)、脆弱X症候群(FRAXA)、脆弱XE精神遅滞(FRAXE)、及び筋強直性ジストロフィー(DM)である。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、増加したレベルのDNA損傷を有すると決定された対象を提供すること;及び対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、対象が、増加したレベルのDNA損傷を有するかどうかを決定すること;及び対象が、増加したレベルのDNA損傷を有すると決定された場合、対象に、治療上有効な量(amound)の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、増加したレベルのDNA修復タンパク質(例えば、RAD51)を有すると決定された対象を提供すること;及び対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、増加したレベルのDNA修復タンパク質は、DNA修復タンパク質が上方制御されていることから生じる。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、対象が、増加したレベルのDNA修復タンパク質(例えば、RAD51)を有するかどうかを決定すること;及び対象が、増加したレベルのDNA修復タンパク質を有すると決定された場合、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、増加したレベルのDNA修復タンパク質は、DNA修復タンパク質が上方制御されていることから生じる。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、増加したレベルのRAD51を有すると決定された対象を提供すること;及び対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、増加したレベルのRAD51は、RAD51が上方制御されていることから生じる。
本明細書に開示される方法のいずれかのいくつかの実施形態において、方法は、対象が、増加したレベルのRAD51を有するかどうかを決定すること;及び、対象が、増加したレベルのRAD51を有すると決定された場合、対象に、治療上有効な量の本開示の化合物(例えば、式I若しくはその下位式の化合物又は上記のものの薬学的に許容できる塩)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、増加したレベルのRAD51は、RAD51が上方制御されていることから生じる。
本明細書に記載される方法に従って対象に投与されるべき治療剤(例えば、本開示の化合物)の治療上有効な量は、通常の技量の臨床医により、本明細書に提供される指針及び当技術分野に公知である他の方法を使用して決定され得る。例えば、好適な用量は、とりわけ投与経路によって、約0.1mg/kg~約500mg/kg、又は約1mg/kg~約100mg/kgの範囲であり得る。
本開示の化合物は、化合物及び治療すべき特定の疾患に応じて、例えば、経口、食事、外用、経皮、直腸、非経口(例えば、動脈内、静脈内、筋肉内、皮下注射、皮内注射)、静脈内注入及び吸入(例えば、気管支内、鼻腔内又は経口吸入、点鼻剤)投与経路を含む種々の投与経路により投与できる。投与は、適応に応じて、局所でも全身性でもあり得る。好ましい投与様式は、選択される特定の化合物により変わり得る。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は経口投与される。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は静脈内投与される。
本開示の化合物は、1種以上の他の療法(例えば、化学療法剤などの化学療法;免疫療法剤、癌免疫剤などの免疫療法;放射線治療法)と組み合わせても投与できる。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、1種以上の追加の治療剤(例えば、治療上有効な量の1種以上の追加の治療剤)を投与することをさらに含む。本明細書に開示される方法において使用するための好適な治療剤としては、併用療法及び医薬組合せと関連して本明細書で議論されたものがある。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、対象に、DNA損傷剤、例えば、放射線、トポイソメラーゼ阻害剤、PARP阻害剤、DNA架橋剤、又はDNA架橋剤など、DNA損傷を誘導する標準治療剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、対象に、DNA損傷剤、例えば、放射線、トポイソメラーゼ阻害剤、PARP阻害剤、DNA架橋剤を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、対象に、ERストレスを促進する(例えば、誘導する)薬剤、例えば、ROSのレベルを増加させる薬剤又はプロテアソーム阻害剤を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、対象に、本明細書に記載される標準治療剤のいずれかなどの標準治療剤を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、例えば、膵臓癌の治療のために、対象に、フォルフィリノックス、改変されたフォルフィリノックスレジメン、ゲムシタビン及びアブラキサン、ゲムシチビン及びカペシタビン、オラパリブ、ゲムシタビン及びエルロチニブ、ゲムシタビン、ドセタキセル及びカペシタビン、ラロトレクチニブ又はペムブロリズマブの1種以上を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、例えば、膵臓癌の治療のために、対象に、ナブパクリタキセル、ゲムシタビン及びシスプラチンを投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、例えば、卵巣癌の治療のために、対象に、白金アナログ、白金アナログを含む組合せ、アルトレタミン、カペシタビン、イホスファミド、イリノテカン、メルファラン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ビノレルビン、標的療法、PARP阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)、免疫療法、免疫チェックポイント阻害剤、ペムブロリズマブ、ホルモン療法、シクロホスファミド、エトポシド、ソラフェニブ又はビノレルビンの1種以上を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、例えば、前立腺癌の治療のために、対象に、LHRHアゴニスト;LHRHアンタゴニスト、抗アンドロゲン剤、コルチコステロイド、卵胞ホルモン、アンドロゲン合成阻害剤又はアンドロゲン遮断療法の1種以上を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、例えば、多発性骨髄腫の治療のために、対象に、プロテアソーム阻害剤を投与することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される方法は、対象に、免疫チェックポイント阻害剤などの癌免疫剤を投与することをさらに含む。
別の療法と組み合わせて投与される場合、本開示の化合物は、他の療法(例えば、追加の治療剤)の前に、後に、又は並行して投与できる。2種以上の治療剤が、同時に(例えば、並行して)共投与される場合、本開示の化合物及び他の治療剤は、別々な製剤中でも同じ製剤中でもあり得る。或いは、本開示の化合物及び他の療法は、熟練した臨床医により決定される適切な時間枠内(例えば、本開示の化合物及び他の療法の薬効の重複を可能にするのに充分な時間)で連続的に(例えば、別な組成物として)投与できる。
遊離形態又は薬学的に許容できる塩形態の本開示の化合物は、少なくとも本明細書に記載される試験手順のいずれか1つを使用することにより実証することができる有用な薬理学的性質を示す。
例示
本開示の化合物は、本明細書に提供される方法、反応スキーム及び例に照らして、有機合成の当業者に公知であるいくつかの方法で調製できる。本開示の化合物は、当業者により認識される通り、合成の有機化学の分野に公知である合成方法と共に以下に記載される方法を使用して、又はそれに対する変形体により、合成できる。好ましい方法としては、以下に記載されるものがあるが、これに限定されない。反応は、利用される試薬及び材料に適切で、影響される(affected)変換に好適な溶媒又は溶媒混合物中で実施される。分子上に存在する官能基が、提案される変換と調和すべきであることが有機合成の当業者により理解されるだろう。これは、時により、所望の本開示の化合物を得るために、合成工程の順序を変える判断又は別のプロセススキームよりも特定のプロセススキームを選択する判断を必要とするだろう。
出発物質は、Sigma Aldrich若しくは他の商業的供給業者などの商業的供給源から一般的に利用可能であるか、又は本開示に記載の通り調製されるか、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1-19,Wiley,New York(1967-1999 ed.)、Larock,R.C.,Comprehensive Organic Transformations,2nd ed.,Wiley-VCH Weinheim,Germany(1999)、又は補遺を含むBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin(Beilstein online databaseによっても利用可能)に一般的に記載される方法により調製される)。
説明のために、以下に描写される反応スキームは、本開示の化合物並びに主要な中間体を合成する潜在的経路を与える。当業者は、本開示の化合物を合成するために他の合成経路が使用され得ることを認識するだろう。具体的な出発物質及び試薬が以下のスキーム及び議論に描写されているが、他の出発物質及び試薬を容易に代用して、種々の誘導体及び/又は反応条件を提供できる。さらに、以下に記載される方法により調製される化合物の多くは、本開示に鑑み、当業者に周知の従来の化学作用を使用してさらに修飾できる。
本開示の化合物の調製において、中間体の遠くの官能基の保護が必要であり得る。そのような保護の必要性は、遠くの官能基の性質及び調製方法の条件により変わるだろう。そのような保護の必要性は、当業者により容易に確認される。保護基及びそれらの使用の一般的な説明には、Greene,T.W.et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,Wiley(2007)を参照されたい。トリチル保護基など、本開示の化合物の製造に組み込まれる保護基は、1種の位置異性体として示され得るが、位置異性体の混合物としても存在し得る。
以下で使用される以下の略語は対応する意味を有する:
本発明による化合物の製造方法が以下に説明される。式(I)により表される本発明の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、公知の化合物から、例えば、以下の製造方法A、B、及びC並びにそれに類似の方法又は当業者に周知である合成方法の適切な組合せにより製造できる。
反応中の化合物は、塩が形成される場合を含む。使用されるそのような塩の例としては、化合物2塩酸塩など、式(Ia)中の塩に類似のものがある。
各工程で得られる化合物は、反応溶液として又は組成物としてその後の反応に直接使用できるが、化合物は、従来の方法に従って反応混合物から単離することもできる。化合物は、再結晶化、蒸留、又はクロマトグラフィーなどの分離手段により容易に精製できる。別途具体的に記載されない限り、以下の反応中の化合物中の各場合の同じ記号は同じに定義される。
製造方法
製造方法A(式(I)及び式(Ia)の化合物の製造方法)
式(I)及び/又は(Ia)の化合物は、例えば、以下に記載される製造方法により製造できる。
式中、各LGは、独立に、脱離基であり、PGは保護基であり、HZは、各出現で独立に、酸を表し、gは、0、1又は2であり、qは、0、1、2又は3である。残りの可変要素(例えば、X、Y、環G、R、R、R、m、n及びp)の値は、第1から第8の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
保護基PGとして、Protecting Groups in Organic Synthesis(Theodora W.Greene,Peter G.M.Wuts著、John Wiley & Sons,Inc.,出版 1999)にアミノ基の保護基として記載される保護基が使用できる。
LG及びLGは、独立に、脱離基である。その例としては、ヨウ素、臭素、塩素、トリフラート、アルコキシ、スルホニルオキシ、イミダゾールなどがある。LG及びLGは、好ましくは塩素である。
これは、a2を化合物a1に、好適な溶媒中、塩基の存在下で付加することにより化合物a3を得る工程である。この工程に使用される塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、水素化ナトリウム、又は水素化カルシウムなどの塩基性塩、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、又はN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、又はN-メチルモルホリンなどの三級アミンなどが使用でき、ピリジンが特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びプロピオニトリルなどの非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、これらの混合物などがある。その好ましい例としては1,4-ジオキサンがある。使用される塩基の量は、化合物a1の1当量に対して、一般的に2~20当量、好ましくは4~8当量である。使用されるa2の量は、化合物a1の1当量に対して、一般的に1~10当量、好ましくは1~3当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に、約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約80℃である。
これは、好適な酸を化合物a3と好適な溶媒中で反応させることにより化合物a4を得る工程である。酸は、例えば、塩化水素酸、硫酸、硝酸、トリフルオロ酢酸塩、又はギ酸であり、塩化水素酸が特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸メチル、及び酢酸エチルなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、エタノール及びメタノールなどのアルコール溶媒、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、シクロペンチルメチルエーテル、1,4-ジオキサン、酢酸エチル、メタノール、及びこれらの混合物がある。使用される酸の量は、化合物a3の1当量に対して、一般的に2~100当量、好ましくは2~20当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
これは、化合物a4を、以下に記載される製造方法により得られる化合物a5と、好適な溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより式(I)の化合物を得る工程である。塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、水素化ナトリウム、又は水素化カルシウムなどの塩基性塩、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、又はN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、又はN-メチルモルホリンなどの三級アミンなどが使用でき、N,N-ジイソプロピルエチルアミンが特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びプロピオニトリルなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、酢酸メチル及び酢酸エチルなどのエステル、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、クロロホルム及びジクロロメタンがある。使用されるa5の量は、化合物a4の1当量に対して、一般的に1~10当量、好ましくは1~3当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に、約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
これは、HZにより表される酸を、式(I)の化合物と、好適な溶媒中で反応させることにより式(Ia)の化合物を得る工程である。酸として、塩化水素酸、硫酸、硝酸、若しくはリン酸などの無機酸、又はシュウ酸、クエン酸、若しくは酢酸などの有機酸が使用できる。塩化水素酸が特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、及びアセトンなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、エタノール及びメタノールなどのアルコール溶媒、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、メタノール、アセトン、水、及びこれらの混合物がある。使用される酸の量は、式(I)の化合物の1当量に対して、一般的に2~100当量、好ましくは20~40当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
製造方法B(式(I’)又は式(I’a)の化合物の製造方法)
式(I’)又は式(I’a)の化合物は、Rが水素原子である式(I)により表される化合物であり、例えば、以下に記載される製造方法により製造できる。
HZは、各出現で、独立に酸を表し、gは、0、1又は2であり、qは、0、1、2又は3である。残りの可変要素(例えば、X、Y、環G、R、R、m、n及びp)の値は、第1から第9の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
これは、化合物a4を、以下に記載される製造方法により得られる化合物b1と、好適な溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより式(I’)の化合物を得る工程である。塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、水素化ナトリウム、又は水素化カルシウムなどの塩基性塩、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、又はN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、又はN-メチルモルホリンなどの三級アミンなどが使用でき、N,N-ジイソプロピルエチルアミンが特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及びプロピオニトリルなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、酢酸メチル及び酢酸エチルなどのエステル、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、クロロホルム及びジクロロメタンがある。使用されるb5の量は、化合物a3の1当量に対して、一般的に1~10当量、好ましくは1~3当量である。反応時間は、一般的に、約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に、約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
これは、HZにより表される酸を、式(I’)の化合物と、好適な溶媒中で反応させることにより式(I’a)の化合物を得る工程である。酸として、塩化水素酸、硫酸、硝酸、若しくはリン酸などの無機酸、又はシュウ酸、クエン酸、若しくは酢酸などの有機酸が使用できる。塩化水素酸が特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、及びアセトンなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、エタノール及びメタノールなどのアルコール溶媒、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、メタノール、アセトン、水、及びこれらの混合物がある。使用される酸の量は、式(I’)の化合物の1当量に対して、一般的に2~100当量、好ましくは20~40当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に、約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
製造方法C(中間体a5の製造方法)
a5により表される化合物は、例えば、以下に記載される製造方法により製造できる。
式中、LGは脱離基である。残りの可変要素(例えば、環G、R、R、n及びp)の値は、第1から第8の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
各LGは、独立に、脱離基である。その例としては、ヨウ素、臭素、塩素、トリフラート、アルコキシ、スルホニルオキシ、イミダゾリルなどがある。各LGは、好ましくは同じである。LGは、好ましくは塩素である。
これは、c2を、化合物c1と、好適な溶媒中、塩基の存在下で反応させることにより化合物a5を得る工程である。c2として、カルボノチオ酸ジヨージド、カルボノチオ酸ジブロミド、又はチオホスゲンを使用でき、チオホスゲンが特に好ましい。塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、水素化ナトリウム、又は水素化カルシウムなどの塩基性塩、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、又はN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、又はN-メチルモルホリンなどの三級アミンなどが使用でき、N,N-ジイソプロピルエチルアミンが特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸メチル、及び酢酸エチルなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、クロロホルム及びジクロロメタンがある。使用される酸の量は、化合物c1の1当量に対して、一般的に1~10当量、好ましくは1~3当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に約-20℃~約180℃、好ましくは約0℃~約50℃である。
製造方法D(中間体b1の製造方法)
b1により表される化合物は、例えば、以下に記載される製造方法により製造できる。
式中、LGは脱離基である。残りの可変要素(例えば、環G、R、n及びp)の値は、第1から第8の実施形態又はそのいずれかの態様に記載された通りである。
各LGは、独立に、脱離基である。その例としては、ヨウ素、臭素、塩素、トリフラート、アルコキシ、スルホニルオキシ、イミダゾリルなどがある。各LGは、好ましくは同じである。LGは、好ましくは塩素である。
これは、c2を、化合物d1と、好適な溶媒中、塩基の存在下で反応させることによりb1を得る工程である。塩基として、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、水素化ナトリウム、又は水素化カルシウムなどの塩基性塩、ピリジン、ルチジン、4-ジメチルアミノピリジン、又はN,N-ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、N-メチルピロリジン、又はN-メチルモルホリンなどの三級アミンを使用でき、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。この工程に使用される溶媒は、以下に例示される溶媒などから選択される。その例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、プロピオニトリル、酢酸メチル、及び酢酸エチルなどの非プロトン性溶媒、シクロペンチルメチルエーテル及び1,4-ジオキサンなどのエーテル溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、及びクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、トルエン及びベンゼンなどの炭化水素、水、これらの混合物などがある。その好ましい例としては、水とジクロロメタンとクロロホルムの混合物がある。使用されるc2の量は、化合物d1の1当量に対して、一般的に1~10当量、好ましくは1~3当量である。反応時間は、一般的に約0.5時間~約48時間、好ましくは約0.5時間~約2時間である。反応温度は、一般的に約-78℃~約180℃、好ましくは約-20℃~約50℃である。
上述の製造方法の各反応における保護基の具体的な使用の明示的な説明がないとしても、対象の化合物は、反応点以外の官能基の1つが、記載される反応条件下で変化するか、又は記載される方法を実施するのに不適である場合、必要に応じて、反応点以外の部分を保護し、反応又は一連の反応の完了後に保護された部分を脱保護することにより得ることができる。
保護基として、参考文献(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,3rd ed.,T.W.Greene,John Wiley & Sons Inc.(1999)など)に記載されるものなどの通常の保護基が使用できる。より具体的には、アミノ基の保護基の例としては、ベンジルオキシルカルボニル(benzyloxylcarbonyl)、tert-ブトキシカルボニル、アセチル、ベンジルなどがある。ヒドロキシル基の保護基の例としては、トリメチルシリル及びtert-ブチルジメチルシリルなどのトリアルキルシリル基、アセチル、ベンジルなどがある。
保護基は、有機合成化学において通常使用される方法(例えば、上述のProtective Groups in Organic Synthesis参照)又はそれに類似の方法により導入することも、除去することもできる。
上述の工程のそれぞれに使用される塩基は、反応又は原料化合物の種類などに応じて、適切に選択されるべきである。その例としては、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウムなどのアルカリ重炭酸塩、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ炭酸塩、水素化ナトリウム及び水素化カリウムなどの金属水素化物、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド及びナトリウムtert-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、ブチルリチウム及びリチウムジイソプロピルアミドなどの有機金属塩基、並びにトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)などの有機塩基がある。
上述の工程のそれぞれに使用される溶媒は、反応又は原料化合物の種類などに応じて、適切に選択されなければならない。その例としては、メタノール、エタノール、及びイソプロパノールなどのアルコール、アセトン及びエチルメチルケトンなどのケトン、塩化メチレン及びクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサンなどのエーテル、トルエン及びベンゼンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチル及び酢酸プロピルなどのエステル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)及びN-メチル-2-ピロリドンなどのアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、並びにアセトニトリルなどのニトリルがある。これらの溶媒は、単独でも、又は2種以上の溶媒の混合物としても使用できる。有機塩基は、反応の種類に応じて、溶媒として使用できる。
式(1)により表される本発明の化合物又はその中間体は、当業者に公知である方法により、分離又は精製できる。その例としては、抽出、分配、沈殿、カラムクロマトグラフィー(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、及び分取液体クロマトグラフィー)、結晶化などがある。使用できる結晶化溶媒の例としては、メタノール、エタノール、及び2-プロパノールなどのアルコール溶媒、ジエチルエーテルなどのエーテル溶媒、酢酸エチルなどのエステル溶媒、ベンゼン及びトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒、アセトンなどのケトン溶媒、ジクロロメタン及びクロロホルムなどのハロゲン溶媒、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、ジメチルホルムアミド及びアセトニトリルなどの非プロトン性溶媒、水、これらの混合物などがある。実験化学講座[Experimental Chemistry](日本化学会編、丸善)第1巻などに記載される方法を他の精製方法として使用できる。
本発明の化合物の分子構造は、核磁気共鳴、赤外分光法、若しくは円二色性分光法又は質量分析法などの分光学的な方法により、各原料化合物から誘導される構造を参照することにより容易に決定できる。
上述の製造方法における中間体又は最終生成物は、その官能基を適切に転化し、特にアミノ基、ヒドロキシル基、カルボニル基、ハロゲン基などに基づいて種々の側鎖(side changes)を延長し、そうする際に、上述の保護及び脱保護を必要に応じて適用することにより、本発明により包含される別の化合物を生み出し得る。官能基の転化及び側鎖の延長は、定型的に使用される通常の方法を使用して実施できる(例えば、Comprehensive Organic Transformations,R.C.Larock,John Wiley & Sons Inc.(1999)参照。
以下で、本発明は、参照化合物、化合物、及びアッセイ実施例と共により具体的に説明されるが、本発明はこれらに限定されない。化合物は、元素分析値、質量スペクトル、高速液体クロマトグラフィー質量分析法システム;LC-MS、IR分光法、NMR分光法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより特定された。以下の参照化合物及び化合物に示される化合物名称は、必ずしもIUPAC命名法とは一致しない。説明を簡略化するために略語が使用されることがあるが、これらの略語は、上記の説明と同じに定義される。
参照化合物及び化合物におけるNMR及びMSデータは以下の略語を使用する。
Me:メチル基
tert:三級
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
THF:テトラヒドロフラン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
CPME:シクロペンチルメチルエーテル
TFA:トリフルオロ酢酸塩
PyBOP:(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
s:シングレット
brs:ブロードなシングレット
d:ダブレット
dd:ダブレットのダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
m:マルチプレット
br:ブロード
J:カップリング定数
Hz:ヘルツ
CDCl:重水素化クロロホルム
DMSO-d:重水素化ジメチルスルホキシド
CDOD:重水素化メタノール
高速液体クロマトグラフィー-質量分析計;LC-MSの測定条件は下記の通りである。観察された質量分析法値[MS(m/z)]は、[M+H]、[M+2H]2+、[M+Na]、又は[M+2Na]2+により示され、保持の時間はRt(分)により示される。
測定条件
検出器:ACQUITY(登録商標)SQ検出器(Waters)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標)システム
カラム:Waters ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18(1.7um、2.1mm×30mm)
溶媒:溶液A:0.06%ギ酸/HO、溶液B:0.06%ギ酸/MeCN
勾配状態:0.0~1.3分 B2%から96%の直線勾配
流量:0.8mL/分
UV:220nm及び254nm
合成実施例
参照化合物1:tert-ブチル4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート
ピリジン(27.0g)を、4-クロロフロ[2,3-d]ピリミジン(26.4g)及びtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(33.4g)の1,4-ジオキサン溶液(171mL)に加え、反応溶液を4時間80℃で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、参照化合物1を得た(20.0g)。
(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=305.3[M+H]/0.977
表1に示される化合物は、参照化合物1と同じ方法により、対応する市販の原料を使用して得た。
参照化合物4:tert-ブチル4-(5-シアノフロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル4-(5-ブロモフロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(467mg)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(282mg)、及びシアン酸亜鉛(cyanated zinc)(286mg)のDMF溶液(5mL)を、マイクロ波照射下で撹拌した(100℃、1時間)。酢酸エチルを反応溶液に加え、溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和塩水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた未精製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、参照化合物4を得た(363mg)。
LC-MS:[M+H]/Rt(分)=330.3[M+H]/0.897
参照化合物5:4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン
4M塩酸塩酢酸エチル(hydrochloride ethyl acetate)(400mL)を、tert-ブチル4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(19.97g)のメタノール溶液(400mL)に、氷により冷却しながら加えた。次いで、反応溶液を室温で一晩撹拌した。生成した固体を濾去し、酢酸エチルで洗浄し、次いで減圧下で乾燥させて、参照化合物5の二塩酸塩を得た(17.7g)。
(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=205.2[M+H]/0.373
表2に示される化合物の塩を、参照化合物5と同じ方法により、対応する原料から得た。
参照化合物9:6-(イソチオシアナトメチル)キノキサリン
チオホスゲン(0.26mL)を、クロロホルム(10mL)及びキノキサリン-6-イルメタンアミン(640mg)の飽和炭酸水素ナトリウム水(10mL)溶液に、氷により冷却しながら加えた。反応混合物を、氷により冷却しながら15分間撹拌した。反応混合物を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をさらに精製せずに次の反応に使用した。LC-MS:[M+H]/Rt(分)=202.1[M+H]/0.803
表3に示される化合物を、参照化合物9と同じ方法により、対応する原料から得た。
化合物1:N-((1H-インドール-6-イル)メチル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
(1H-インドール-6-イル)メタンアミン(3.22g)、DIPEA(7.6g)、及びチオホスゲン(2.53g)のクロロホルム溶液(100mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(3.0g)及びDIPEA(7.6g)のクロロホルム溶液(50mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物1を得た(3.0g)。H-NMR(DMSO-d)δ:10.98(1H,s),8.30(1H,s),8.23(1H,t,J=5.6Hz),7.88(1H,d,J=2.4Hz),7.44(1H,d,J=8.0Hz),7.35(1H,s),7.27(1H,t,J=2.8Hz),7.23(1H,d,J=2.4Hz),6.99(1H,d,J=7.6Hz),6.36(1H,brs),4.89(2H,d,J=5.6Hz),4.05-3.98(8H,m).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=398.0[M+H]/0.810
化合物2:N-(3,4-ジメトキシベンジル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
3,4-ジメトキシベンジルアミン(0.07mL)、DIPEA(0.16mL)及びチオホスゲン(0.04mL)のクロロホルム溶液(3mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(84mg)及びDIPEA(0.16mL)のクロロホルム溶液(3mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物2を得た(73g)。H-NMR(CDCl)δ:8.34(1H,s),7.49(1H,d,J=2.4Hz),6.88-6.76(4H,m),5.69(1H,brs),4.78(2H,d,J=5.6Hz),4.11(8H,s),3.84(6H,s).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=414.4[M+H]/0.753
化合物3:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノキサリン-6-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
キノキサリン-6-イルメタンアミン塩酸塩(106mg)、DIPEA(0.38mL)、及びチオホスゲン(0.04mL)のクロロホルム溶液(10mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(100mg)及びDIPEA(0.38mL)のクロロホルム溶液(10mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物3を得た(64g)。H-NMR(CDCl)δ:8.86(2H,s),8.40(1H,s),8.13(1H,d,J=9.2Hz),8.04(1H,d,J=1.2Hz),7.83(1H,dd,J=1.6,8.4Hz),7.34(2H,d,J=2.4Hz),6.81(2H,d,J=2.4Hz),4.23-4.17(8H,m),6.02(1H,brs),5.24(2H,d,J=5.6Hz),4.23-4.17(8H,m).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=406.3[M+H]/0.675
化合物3を、以下の方法によっても合成した。
化合物3:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノキサリン-6-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
トリエチルアミン(1.52mL)を、6-(イソチオシアナトメチル)キノキサリン(0.65g)及び4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(0.81g)のクロロホルム溶液(10mL)に加え、氷により冷却しながら2時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物3を得た(1.37g)。H-NMR(CDCl)δ:8.86(2H,s),8.40(1H,s),8.13(1H,d,J=9.2Hz),8.04(1H,d,J=1.2Hz),7.83(1H,dd,J=1.6,8.4Hz),7.34(2H,d,J=2.4Hz),6.81(2H,d,J=2.4Hz),4.23-4.17(8H,m),6.02(1H,brs),5.24(2H,d,J=5.6Hz),4.23-4.17(8H,m).LC-MS:[M+H]/Rt(分)=406.3[M+H]/0.675[0058]。
化合物4:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノリン-7-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
トリエチルアミン(1.28mL)を、7-(イソチオシアナトメチル)キノリン(240mg)及び4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(316mg)のクロロホルム溶液(10mL)に加え、氷により冷却しながら1時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物4を得た(306mg)。H-NMR(CDCl)δ:8.81(1H,dd,J=2.0,4.8Hz),8.29(1H,s),8.17(1H,d,J=8.4Hz),8.04(1H,s),7.75(1H,d,J=8.8Hz),7.56(1H,dd,J=1.2,8.4Hz),7.43(1H,d,J=2.0Hz),7.38(1H,dd,J=4.8,8.4Hz),6.71(1H,d,J=2.4Hz),6.53(1H,brs),5.11(2H,d,J=4.8Hz),4.15-4.04(8H,m).(LC-MS:[M+2H]2+/Rt(分))=203.2[M+H]/0.596
化合物4 ジTFA塩:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノリン-7-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド ジTFA塩
(キノリン-7-イル)メタンアミン(0.07mL)、DIPEA(0.16mL)、及びチオホスゲン(0.04mL)のクロロホルム溶液(3mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(84mg)及びDIPEA(0.16mL)のクロロホルム溶液(3mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものを逆相HPLC(移動相:0.035%TFA溶液/アセトニトリル)により精製して、化合物4 ジTFA塩を得た(52g)。H-NMR(DMSO-d)δ:9.04(1H,dd,J=1.2,5.2Hz),7.68(1H,d,J=7.6Hz),8.49(1H,t,J=5.2Hz),8.31(1H,s),8.09(1H,d,J=8.0Hz),7.97(1H,s),7.89(1H,d,J=2.8Hz),7.74-7.70(2H,m),7.25(1H,d,J=2.4Hz),5.06(2H,d,J=5.6Hz),4.09-4.03(8H,m).(LC-MS:[M+2H]2+/Rt(分))=203.2[M+H]/0.596
化合物4を以下の方法によっても合成した。
化合物4:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノリン-7-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(キノリン-7-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド ジTFA塩(40mg)をクロロホルム(40mL)に懸濁させた。飽和炭酸水素ナトリウム水を加えて撹拌した後、有機相と水相を分離した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濾過し、減圧下で濃縮して、化合物4を得た(20mg)。H-NMR(CDCl)δ:8.81(1H,dd,J=2.0,4.8Hz),8.29(1H,s),8.17(1H,d,J=8.4Hz),8.04(1H,s),7.75(1H,d,J=8.8Hz),7.56(1H,dd,J=1.2,8.4Hz),7.43(1H,d,J=2.0Hz),7.38(1H,dd,J=4.8,8.4Hz),6.71(1H,d,J=2.4Hz),6.53(1H,brs),5.11(2H,d,J=4.8Hz),4.15-4.04(8H,m).(LC-MS:[M+2H]2+/Rt(分))=203.2[M+H]/0.596
化合物5:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-((テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
4-アミノメチルテトラヒドロピラン(0.04mL)、トリエチルアミン(0.15mL)、及びチオホスゲン(0.03mL)のDMF溶液(3mL)を、氷により冷却しながら4時間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(100mg)を反応溶液に加え、反応溶液を12時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物5を得た(43mg)。H-NMR(CDCl)δ:8.39(1H,s),7.53(1H,dd,J=2.4,8.8Hz),6.78(1H,d,J=2.8Hz),5.74(1H,brs),4.14(8H,s),3.97(2H,dd,J=3.2,11.2Hz),3.60(2H,t,J=4.4Hz),3.36(2H,dt,J=2.4,12.0Hz),2.06-1.96(1H,m),1.64(2H,dd,J=2.0,13.2Hz),1.39-1.28(2H,m).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=362.2[M+H]/0.670
化合物15:N-((6-クロロピリジン-2-イル)メチル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
(6-クロロピリジン-2-イル)メタンアミン(318mg)、DIPEA(0.65mL)、及びチオホスゲン(0.11mL)のクロロホルム溶液(3mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(409mg)及びDIPEA(0.65mL)のクロロホルム溶液(3mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物15を得た(207mg)。H-NMR(CDCl)δ:8.39(1H,s),7.63(1H,t,J=7.6Hz),7.51(1H,d,J=2.0Hz),7.23(2H,d,J=8.8Hz),7.10(1H,brs),6.78(2H,d,J=2.8Hz),4.19-4.13(8H,m).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=389.2[M+H]/0.823
化合物17:N-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソロ-5-イルメチル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(61mg)、3,4-メチレンジオキシベンジルイソチオシアナート(64mg)、及びDIPEA(170mg)のDMF溶液(1mL)を20時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、化合物17を得た(83mg)。H-NMR(DMSO-d)δ:8.30(1H,d,J=4.4Hz),8.17(1H,s),7.88(1H,d,J=2.8Hz),7.23(1H,d,J=2.8Hz),6.91(1H,d,J=1.2Hz),6.84-6.77(2H,m),5.96(2H,s),4.70(2H,d,J=5.6Hz),4.08-3.98(8H,m).
(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=398.0[M+H]/0.810
化合物36:tert-ブチル5((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)インドリン-1-カルボキシラート
tert-ブチル5-(アミノメチル)インドリン-1-カルボキシラート(90mg)及びチオホスゲン(0.03mL)のクロロホルム溶液(3mL)を、氷により冷却しながら30分間撹拌した。4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(50mg)及びDIPEA(0.19mL)のクロロホルム溶液(3mL)を反応溶液に加え、反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物5を得た(48mg)。(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=495.4[M+H]/1.009
化合物36を以下の方法によっても合成した。
化合物36:tert-ブチル5((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)インドリン-1-カルボキシラート
tert-ブチル5-(イソチオシアナトメチル)インドリン-1-カルボキシラート(3.51g)のクロロホルム溶液(50mL)を、30分かけて、トリエチルアミン(9.62mL)及び4-(ピペラジン-1-イル)フロ[2,3-d]ピリミジン二塩酸塩(3.51g)のクロロホルム溶液(100mL)に滴加して、氷により冷却しながら4時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮した後、反応混合物をクロロホルムに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム水(50mL)で3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。アミノシリカゲルを、生じたもののEtOAc(50mL)に加え、室温で撹拌した。反応(raction)混合物を濾過し、減圧下で濃縮して、化合物36を得た(5.84g)。H-NMR(CDCl)δ:8.40(1H,s),7.56(1H,d,J=2.4Hz),7.14-7.10(2H,m),6.82(1H,d,J=2.4Hz),4.78(2H,d,J=4.4Hz),4.16(8H,brs),3.95(2H,t,J=8.4Hz),(2H,d,J=8.4Hz)
(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=495.3[M+H]/1.021
表4に示される化合物を、化合物1と同じ方法により、対応する原料から得た。シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した化合物を遊離形態として得て、逆相HPLCにより精製した化合物をTFA塩として得た。
化合物75:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
4M水素化ホウ素リチウムTHF溶液(0.03mL)を、メチル4-((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)ベンゾアート(53mg)のTHF溶液(10mL)に、氷により冷却しながら加え、反応溶液を12時間室温で撹拌した。反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液によりクエンチし、次いで酢酸エチルで希釈し、水及び飽和塩水で洗浄した。次いで、反応溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じたものをシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:クロロホルム/メタノール)により精製して、化合物75を得た(48mg)。LC-MS:[M+H]/Rt(分)=384.3[M+H]/0.654。
化合物76:4-((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)ベンゾアート
水酸化リチウム(6mg)を、メチル4-((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)ベンゾアート(20mg)のTHF溶液(5mL)に、氷により冷却しながら加え、反応溶液を12時間室温で撹拌した。反応溶液を濃縮した後、生じたものを逆相HPLC(移動相:0.035%TFA溶液/アセトニトリル)により精製して、化合物76のモノTFA塩を得た(3mg)。(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=396.3[M+H]/0.638
化合物78:tert-ブチルN-(tert-ブトキシカルボニル)-N-(5-(6-((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)-1H-インドール-1-イル)-5-オキソペンチル)グリシナート
水素化ナトリウム(27mg)を、N-((1H-インドール-6-イル)メチル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド(60mg)のTHF溶液(5mL)に、冷却しながら加え、次いで反応溶液を30分間室温で撹拌した。5-((2-(tert-ブトキシ)-2-オキソエチル)(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタノアート(76mg)、トリエチルアミン(0.04mL)、及びPyBOP(159mg)のTHF溶液(5mL)を別に1時間室温で撹拌した。上述の反応溶液を室温で混合した後、反応溶液を12時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルにより希釈し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和塩水で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた未精製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(移動相:ヘキサン/酢酸エチル)により精製して、化合物78を得た(108mg)。LC-MS:[M+H]/Rt(分)=706.7[M+H]/1.177。
化合物44:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-((1-メチルインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
トリアセトキシボロヒドリド(50mg)を、4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(インドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド二塩酸塩(11mg)、ホルマリン(1mL)、及び酢酸(0.6μL)のメタノール溶液(1mL)に加え、次いで反応溶液を12時間室温で撹拌した。反応溶液を酢酸エチルにより希釈し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和塩水で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた未精製の生成物を逆相HPLC(移動相:0.035%TFA溶液/アセトニトリル)により精製して、化合物44 ジTFA塩を得た(3mg)。
(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=409.4[M+H]/0.712
表5に示される化合物の塩を、化合物44 ジTFA塩と同じ方法により、対応する原料から得た。
化合物87:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-((1-メチルインドリン-5-イル)メチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
無水酢酸(8.9μL)を、4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(インドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド二塩酸塩(11mg)及びピリジン(7.6μL)のTHF溶液(2mL)に加え、次いで反応溶液を2時間室温で撹拌した。反応溶液を酢酸エチルにより希釈し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和塩水で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生じた未精製の生成物を逆相HPLC(移動相:0.035%TFA溶液/アセトニトリル)により精製した。次いで、生じた化合物を酢酸エチルに溶解させ、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した。次いで、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物87を得た(4mg)。LC-MS:[M+H]/Rt(分)=437.4[M+H]/0.716。
表6に示される化合物を、化合物87と同じ方法により、対応する原料から得た。
化合物2:N-(3,4-ジメトキシベンジル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド一塩酸塩
濃塩化水素酸(0.09mL)を、N-(3,4-ジメトキシベンジル)-4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド(73mg)のアセトン溶液(5mL)に加え、反応溶液を20時間室温で撹拌した。生じた固体を濾去し、アセトンで洗浄し、減圧下で乾燥させて、化合物2一塩酸塩を得た(52mg)。H-NMR(400MHz,DMSO-d)δ:8.28-8.34(1H,m),8.13-8.22(1H,m),7.86-7.93(1H,m),7.20-7.27(1H,m),6.94-7.02(1H,m),6.80-6.91(2H,m),4.67-4.77(2H,m),3.92-4.08(8H,m),3.71(6H,s).(LC-MS:[M+H]/Rt(分))=414.3[M+H]/0.759
表7に示される化合物の塩を、化合物2一塩酸塩と同じ方法により、対応する原料から得た。
化合物11:4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-N-(インドリン-5-イルメチル)ピペラジン-1-カルボチオアミド
tert-ブチル5((4-(フロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボチオアミド)メチル)インドリン-1-カルボキシラート(化合物36、19mg)を、CPME中4M塩化水素酸(5mL)中で、6時間室温で撹拌した。反応溶液を濃縮した。生じた固体を酢酸エチルに懸濁させ、1時間撹拌し、次いで濾去して、化合物11二塩酸塩を得た(18mg)。H-NMR(400MHz,CDCD-d)δ:8.42(1H,s),7.87(1H,d,J=2.8Hz),7.50(1H,s),7.42(2H,s),7.28(1H,d,J=2.8Hz),4.94(2H,s),4.84(8H,s),4.20(2H,s),3.85(2H,t,J=7.2Hz),3.34(2H,s).(LC-MS:[M+2H]2+/Rt(分))=198.2[M+2H]2+/0.356
表8に示される化合物の塩を、化合物11二塩酸塩と同じ方法により、対応する原料から得た。
アッセイ実施例
材料及び方法
試薬。22Rv1、MDA-MB-231、及びOv56細胞をATCCから購入し、製造業者の説明書に従って培養した。CellTiter-Glo細胞生存率アッセイ(G7570)をPromegaから購入し、製造業者のプロトコルに従って使用した。ヒトRAD51/RECA(Sandwich ELISA)ELISAキット(LS-F6761)をLifespan Bio(LSBio)から購入した。オラパリブ(S1060)及びカンプトテシン(S1288)をSelleck chemicalsから購入した。
抗体。RAD51に対するウサギモノクローナル抗体(ab133534、1:800)及びジェミニンに対するマウスモノクローナル抗体(ab104306、1:250)をAbcamから購入した。ATF4に対するウサギモノクローナル抗体(カタログ番号11815、1:1000)及びPhospho eIF2aに対するウサギモノクローナル抗体(カタログ番号3398)をCell Signaling Technologyから購入した。ヤギ抗ウサギ488(A27035、1:1000)及びヤギ抗マウス647(A28181、1:1000)二次抗体をThermoFisher Scientificから購入した。GAPDH(sc-365062;1:1000-2000)抗体をSanta Cruz Technologiesから購入した。Nuclear stain Hoechst 33342(カタログ番号62249)もThermoFisher Scientificから購入した。
アッセイ実施例1:FaDu細胞中のRAD51レベルの減少のアッセイ
アッセイを実施して、FaDu細胞中のRAD51レベルを減少させる、本明細書に開示される特定の化合物の能力を評価した。結果を、アッセイした各化合物のIC50範囲として報告する。
FaDu細胞は、American Type Culture Collection(ATCC)から得た。細胞を、10%ウシ胎児血清及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むMEM培地中で、37℃で5%COの存在下で培養した。細胞を、ウェルあたり2×10細胞で12ウェルプレートに播種し、評価すべき化合物を、DMSOの最終濃度が0.1%であるように加え、細胞を24時間培養した。培養の完了後に、培養上清を除去し、PBSで洗浄した。細胞をRIPAバッファ(放射線免疫沈降バッファ)により溶解させ、溶解物を回収した。
回収した溶解物のタンパク質濃度を測定し、溶解物を、7μL中のタンパク質質量が一定であるように0.1×サンプルバッファにより希釈した。次いで、3μLの5×Fluorescence Mastar Mixを加え、混合物を、ヒートブロックにより5分間100℃で加熱した。加熱した試料を、Wes(SimpleProtein)のプロトコルに従ってプレートに分注した。ラダー及び試料をカラムAに分注し、ブロッキングバッファをカラムBに分注し、一次抗体(抗RAD51抗体(CST、#8875、1:100)及び抗チューブリン抗体(CST、#3873S、1:1000))をカラムCに分注し、HRP(ホースラディッシュペルオキシダーゼ)標識二次抗体(等量の抗マウス抗体と抗ウサギ抗体の混合物)をカラムDに分注し、HRP基質混合物をカラムEに分注した。キャピラリー電気泳動を、Wesの標準的なプロトコルに従って適用して、定量的なデータを得た。
表9は、アッセイされた各化合物のIC50範囲を示すが、「A」は、0.3μM未満のアッセイにおけるIC50を有する化合物を示し、「B」は、0.3μM~1μMのアッセイにおけるIC50を有する化合物を示し、「C」は、1μMを超えるアッセイにおけるIC50を有する化合物を示す。
アッセイ実施例2:イムノブロット分析
ERストレス誘導性UPRは、eIF2αのリン酸化によりタンパク質合成を減少させ、XBP1及びATF6αによる転写活性化によりERタンパク質フォールディング及び分解能力を増加させることによりタンパク質フォールディング恒常性を回復させるように発達した細胞適応反応である[PMID:22116877]。UPRがタンパク質フォールディング欠陥を解消できない場合、細胞は、ATF4及びCHOP活性化によりアポトーシスを受ける[PMID:23624402]。化合物1を、ERストレスの誘導における効能、eIF2αのリン酸化を起こしATF4転写因子を活性化するその能力に関して、22Rv1細胞中でウェスタンブロット分析を使用して試験した。
22Rv1細胞を、10μM化合物1により処理した。細胞を、氷冷PBSで洗浄することにより図1に示された時間の後で収集し、次いで1%Haltプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤カクテル(ThermoFisher Scientific、78444)を含む氷冷RIPAバッファ(Cell Signaling Technologies、9806S)により氷上で溶解させた。細胞溶解物全体を超音波処理し、16,000xgで、10分間4℃で遠心分離し、上清のタンパク質濃度を、BCA Proteinアッセイキット(ThermoScientific、23225)を使用して測定した。等量のタンパク質溶解物(30μg/レーン及びヒストンH3イムノブロットのみ10μg/レーン)を、NuPAGE Novex 4%-12%Bis-Tris Protein Gel(Thermo Fisher Scientific、NP0335BOX)上で分画し、低蛍光PVDFメンブレン(Millipore、IPFL07810)に移した。その後に、メンブレンを5%BSAにより1時間室温でブロッキングし、次いで適切な抗体により4℃で一晩処理した。IRDye 700にコンジュゲートしたヤギ抗ウサギIgG(926-68171)又はIRDye 800にコンジュゲートしたヤギ抗ウサギIgG(827-08365)及びIRDye 700にコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG(926-68170)又はIRDye 800にコンジュゲートしたヤギ抗マウスIgG(827-08364)二次抗体をLi-Cor Biosciencesから購入し、TBST(TBS-Tween 20;Genesee Scientific、18-235B)中の5%BSA中で、1:20000で使用した。タンパク質発現を、Li-Cor Odyssey CLXイメージングシステムにより可視化した。Li-Cor Image Studioソフトウェアを、ウェスタンブロット分析及び定量化のために使用した。
図1に示されるように、10μM化合物1による細胞の処理は、15分間の処理後、eIF2αのリン酸化を著しく増加させた。さらに、転写因子ATF4の発現も、化合物1による2時間の処理後に著しく増加した。このデータは、化合物1がERストレスを誘導して癌細胞中のUPRをもたらすことを実証している。
アッセイ実施例3:定量的リアルタイム(qRT)-PCRによる遺伝子発現分析
ATF4の活性化における化合物1及び化合物4二塩酸塩の有効性を、TRIB3、GADD34、ERO1α、及びATF3である、ATF4により調節される遺伝子の発現を分析することにより、RT-qPCRを使用して評価した。全RNAを、Quiagene RNAeasyキットを使用して細胞から単離した。cDNAを、SuperScript III First-Strand Synthesis SuperMix Kit(Invitrogen)を、50分間50℃で、それに続いて85℃で5分間使用して、20μL反応体積中で500ngの全RNAから合成した。ATF3、TRIB3、GADD34、ERO1a、及びGAPDH mRNAレベルのqPCR分析を、QuantStudio 3システムを使用して実施した。TaqmanリアルタイムPCRアッセイプローブを、ThermoFisher Scientificから購入した。図2A~Dに示される通り、化合物1又は化合物4二塩酸塩による22Rv1細胞の処理は、6時間の処理後に、選択された遺伝子(TRIB3、GADD34、ERO1α、及びATF3)の発現の著しい増加をもたらした。
アッセイ実施例4:RAD51 ELISAアッセイ
化合物1、化合物5塩酸塩、化合物2塩酸塩、化合物3二塩酸塩、化合物11二塩酸塩、化合物4二塩酸塩、及び化合物15二塩酸塩の効能を試験するために、インビトロでRAD51のレベルを減少させるそれらの能力を、市販のELISAアッセイによりタンパク質レベルで評価した。
22Rv1細胞を、0~25μMの範囲の濃度の示された化合物により、24時間処理した。24時間の処理後、細胞を採取し、Haltプロテアーゼ及びホスファターゼ阻害剤カクテルを含む氷冷PBSに溶解させた。BCAアッセイを使用して、細胞溶解物中のタンパク質を定量化した。ヒトRAD51/RecAサンドイッチ酵素結合免疫吸着法(ELISA)キット(LSBio、Seattle、WA)を製造業者のプロトコルに従って使用して、RAD51レベルを測定した。
図3A~Gに示される通り、試験した全化合物は、ビヒクル対照と比べて、100nM濃度で24時間の処理後、RAD51タンパク質のレベルの35%超の減少を示した。特に、化合物15二塩酸塩、化合物4二塩酸塩、化合物11二塩酸塩、及び化合物3二塩酸塩は、100nM濃度で、RAD51レベルのより高い(50%超)減少を示し、それらは、それぞれ、RAD51レベルの61.84%、61.66%、54.60%、及び53.00%の減少であった。
アッセイ実施例5:RAD51 Fociアッセイ
RAD51がHRRに重大な役割を有することが充分に確立されている(PMID:12778123)。HRRの機能的状態に対する開示された化合物の影響を評価するために、細胞周期のS/G2期にあるRAD51 foci-陽性腫瘍細胞(22Rv1)(ジェミニン-陽性)を、蛍光顕微鏡法を使用して評価した。
22Rv1細胞を、0~1μMの範囲の濃度の示された化合物により、24/48/72時間、0.1μMカンプトテシンと組み合わせて処理した。各インキュベーション後に、4%ペルホルムアルデヒド(performaldehyde)(PFA)を使用して、細胞を室温で20分間固定化し、それに続いてPBS中0.3%Triton X-100により透過処理した。一次抗体の添加前に、細胞をブロッキングバッファ(PBS+3%ヤギ血清)により一晩4℃でブロッキングした。一次抗体をPBSに希釈し(抗RAD51は1:800希釈(dillution)で、及び抗ジェミニンは1:250希釈で)、細胞と共に一晩4℃でインキュベートした。二次抗体をPBSに希釈し(ヤギ抗ウサギ488及びヤギ抗マウス647は1:1000希釈で)、細胞と共に3時間室温でインキュベートした。染色工程の後、核を、Hoechst 405により対比染色した。ハイコンテントスクリーニング顕微鏡、GE IN Cell Analyzer 6500を40X/0.95 NA Nikon対物レンズと共に、12視野/ウェル ビニング1x1で使用して、画像化を実施した。画像を、3チャンネルを使用し共焦点モードで得た(Hoechst:チャンネル1 励起405 発光(445/58)、RAD51:チャンネル2 励起488 発光(524/48)、及びジェミニン:チャンネル3 励起642 発光(682/60))。最大値投影(5 Z-スライス、1.5μmステップサイズ)を、RAD51 Fociの分析に使用した。画像定量化分析を、Thermo Fisher HCS Studio 6.6.1、Cellomics Scanを使用して実施した。Cellomics Spot Detector BioApplicationアルゴリズムを画像定量化に使用し、バイアスのない自動化外れ値棄却(outlier rejection)Phytonスクリプトを適用した。
図4は、対照細胞、カンプトテシン処理細胞、並びに0.1μMカンプトテシンと組み合わせた0.1μM又は1μMの示された化合物(化合物1、化合物2塩酸塩、化合物11二塩酸塩、化合物4二塩酸塩、及び化合物15二塩酸塩)により処理された細胞の例の蛍光顕微鏡写真を示す。図5A~Cに示される通り、試験した全化合物は、1μM濃度で72時間後RAD51-foci形成の著しい減少を示した。化合物4二塩酸塩及び化合物15二塩酸塩は、1μMで試験された全時点でRAD51-foci形成の著しい減少を示した。
アッセイ実施例6:細胞生存率アッセイ
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤(PARPi)は、欠陥があるHRRを有する癌に有効である(PMID:30934991)。BRCA1又はBRCA2(BRCA1/2)遺伝子に有害バリアントを有するものを含むHRRに欠陥がある細胞は、PARPiに対して特に感受性がある(PMID:15829967、15829966、18971340)。乳癌(BC)において、生殖細胞系BRCA1/2(gBRCA)病原性バリアントを保有する転移性患者におけるPARPiオラパリブ(Lynparza(登録商標))の効能結果により、食品医薬品局によるその最近の承認が導かれた(PMID:28578601)。同様に、PARPiの使用は、HRR欠損がUPR調節などにより治療的に誘導されるならば、gBRCAを超えてより広い群の癌患者に拡大され得た。0.125μM、0.25μM、1μM又は5μMの濃度の化合物1、化合物5塩酸塩、化合物2塩酸塩、化合物3二塩酸塩、化合物11二塩酸塩、化合物4二塩酸塩、及び化合物15二塩酸塩を、インビトロで22Rv1細胞に対するオラパリブとの相乗効果を示すそれらの能力に関して評価した。
22Rv1、Ov56、及びMDA-MB-231細胞の細胞生存率を、CellTiterGlo(Promega)アッセイを製造業者のプロトコルに従って使用して評価した。具体的には、300細胞を、384ウェル組織培養処理済みプレート(Greiner)のウェルごとに、20μLの完全培地に播種した。試験される本開示の化合物及びオラパリブを、Labcyte Echoアコースティック分注装置を使用して所望の濃度で加え、細胞を96時間インキュベートした。細胞生存率を、CellTiterGlo(Promega)を使用して、Envision(PerkinElmer)プレートリーダーで評価した。Chou-Talalay法に従って相乗分析を実施した(PMID:20068163)。
図6A~6Gに示される通り、化合物5塩酸塩以外の試験された全化合物は、オラパリブとのいくらかの相乗効果を示した。特に、化合物3二塩酸塩は、全試験濃度でオラパリブとの相乗効果を示した。単剤としての特定の示される化合物の、22Rv1、Ov56、及びMDA-MB-231細胞株に対する効能も評価した。図7A~Cに示される通り、Ov56は、試験された化合物に対して最も感受性があり、それに続いてそれぞれ22Rv1及びMDA-MB-231であった。これらの結果は、22Rv1及びMDA-MB-231細胞と比べて、Ov56細胞が、効率よい細胞周期進行のためにRAD51により推進されるHRRにより依存し得ることを示唆する。
薬物動態/薬力学(PK/PD)試験1
インビボでRAD51レベルを減少させることにおける特定の開示された化合物の効能を評価した。22Rv1細胞の細胞株由来異種移植片(CDX)を無胸腺ヌードマウス中で成長させ、図8に要約された薬物動態(PK)及び薬力学的(phrmacodynamic)(PD)評価に利用した。各マウスからの腫瘍及び血漿を24時間の処置後に収集し、存在する薬物の量(PK)及びRAD51タンパク質レベル(PD)に関して評価した。
22Rv1細胞株異種移植片を、既に記載された通り、無胸腺マウス(Charles River)の脇腹中で確立した(PMID:31799745)。脇腹腫瘍を、およそ200mmの体積まで成長させた。確立された腫瘍を有するマウスを、処置群に無作為割付した。処置群のマウスを、異なる投与量の試験される本開示の化合物又はビヒクルにより、強制経口投与により処置した。24時間の処置の後、マウスを犠死させ、血液及び腫瘍組織をPK及びPD分析のために採取した。PK血液試料を、心臓穿刺によりEDTAチューブに収集した。腫瘍組織をPK及びPD分析のために急速冷凍した。試験された化合物の血液及び腫瘍濃度を、タンパク質沈殿により、それに続いてLC/MS-MS分析により測定した。腫瘍組織に対する試験された化合物のPD効果を、アッセイ実施例4に上述されたRAD51 ELISAアッセイを使用して評価した。
図9A~Eは、化合物1、化合物5塩酸塩、化合物3二塩酸塩、化合物11二塩酸塩、及び化合物4二塩酸塩のPKデータを要約する。化合物2塩酸塩及び化合物15二塩酸塩は、24時間の処置後、血漿にも腫瘍にも検出されなかった。化合物4二塩酸塩は最良のPK性質を示し、24時間の曝露後に腫瘍及び血漿中に薬物の最高濃度が観察された。図10A~Gに示される通り、試験された全化合物は、24時間の処置後に、腫瘍中のRAD51レベルの減少を示した。特に、化合物4二塩酸塩及び化合物5塩酸塩は、RAD51のレベルの用量依存性減少を示した。
イムノブロット分析及びRT-qPCRを使用する遺伝子発現分析は、示された化合物がERストレス及びUPRを誘導したことを示した。インビトロのRAD51 ELISAアッセイ及びRAD51 foci形成アッセイは、試験された全化合物がRAD51のレベルを減少させ、HRRを抑制したことを示した。さらに、細胞生存率アッセイは、試験された化合物がPARPiオラパリブとの相乗効果を生み出し、単剤として細胞株特異的効果も示したことを示した。最後に、PK/PD試験は、試験された全化合物が、24時間の曝露後、様々なクリアランス時間で、インビボでRAD51レベルを効果的に減少させたことを明らかにした。これらの結果を考慮して、化合物3二塩酸塩、化合物11二塩酸塩、及び化合物4二塩酸塩は、インビトロ及びインビボで、RAD51のレベルを減少させることにおいて優れた効能を示した。
本明細書に引用される全ての特許、公開された出願、及び参考文献の教示は、参照により全体として組み込まれる。
例の実施形態が、詳細に示され記載されてきたが、添付される特許請求の範囲により包含される実施形態の範囲から逸脱せずに、形態及び詳細の種々の変更がその中になされ得ることが、当業者により理解されるだろう。

Claims (73)

  1. 以下の構造式を有する化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中
    Xは-O-であり、且つYは-C(H)-であるか、又はYは-O-であり、且つXは-C(H)-であり;
    環Gは、(C~C15)アリール、(C~C15)ヘテロアリール、(C~C15)カルボシクリル、単環式(C~C10)ヘテロシクリル又は二環式縮合(C~C15)ヘテロシクリルであり;
    は、各出現で、独立に、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシであり;
    は、H、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C15)アリール(C~C)アルキル又は(C~C15)ヘテロシクリル(C~C)アルキルであるか、或いは、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した3員~8員環を形成し;
    は、各出現で、独立に、オキソ又はハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C12)アルコキシアルキル、-C(O)(C~C)アルキル、-C(O)-(C~C)アルキレン-N(R、-C(O)(OR)、-C(O)N(R、-S(O)N(R)、又は-N(Rであり;
    は、各出現で、独立に、H又は(C~C)アルキルであり;
    は、各出現で、独立に、H、(C~C)アルキル、(C~C15)アリール、(C~C15)ヘテロアリール、-C(O)(OR)又は-CHC(O)(OR)であり;
    は、各出現で、独立に、H又は(C~C)アルキルであり;
    mは、0、1又は2であり;
    nは、0、1、2又は3であり;且つ
    pは、0、1又は2である)。
  2. Xが-O-であり、且つYが-C(H)-である、請求項1に記載の化合物。
  3. Yが-O-であり、且つXが-C(H)-である、請求項1に記載の化合物。
  4. 環Gが、(C~C10)アリール、(C~C10)ヘテロアリール、(C~C10)カルボシクリル、単環式(C~C)ヘテロシクリル又は二環式縮合(C~C10)ヘテロシクリルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 環Gが、オキサゾリル、フェニル、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、インドリル、インドリニル、イソインドリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 環Gが、(C6~15)アリール又は(C5~15)ヘテロアリールである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  7. 環Gが(C~C15)アリールである、請求項6に記載の化合物。
  8. 環Gがフェニルである、請求項7に記載の化合物。
  9. 環Gが(C~C15)ヘテロアリールである、請求項6に記載の化合物。
  10. 環Gが、ピリジニル、ジヒドロピリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル又はベンゾフラニルである、請求項9に記載の化合物。
  11. 環Gが二環式縮合(C~C15)ヘテロシクリルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  12. 環Gが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾ[d]イミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロイソベンゾフラニル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、クロマニル、又はジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニルである、請求項11に記載の化合物。
  13. 環Gが、(C3~15)カルボシクリル又は単環式(C5~15)ヘテロシクリルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 環Gが、飽和(C5~8)カルボシクリル又は飽和単環式(C5~8)ヘテロシクリルである、請求項13に記載の化合物。
  15. 環Gが、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はモルホリニルである、請求項13又は14に記載の化合物。
  16. が、各出現で、独立に、ハロ、シアノ、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. が、独立に、ハロ又はシアノである、請求項16に記載の化合物。
  18. が、独立に、ブロモ又はシアノである、請求項17に記載の化合物。
  19. がHであるか、又は環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した3員~8員環を形成する、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. がHである、請求項19に記載の化合物。
  21. が、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロ又は縮合した4員~6員環を形成する、請求項19に記載の化合物。
  22. が、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対してスピロである4員~6員環を形成する、請求項21に記載の化合物。
  23. 及び環Gが、それらの介在する原子と共に、7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イルを形成する、請求項22に記載の化合物。
  24. が、環Gの原子及びそれらの介在する原子と共に、環Gに対して縮合した4員~6員環を形成する、請求項21に記載の化合物。
  25. 及び環Gが、それらの介在する原子と共に、5,7-ジヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-6-イル又は5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イルを形成する、請求項24に記載の化合物。
  26. が、各出現で、独立に、ハロ、(C~C)アルキル、シアノ又は(C~C)アルコキシである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
  27. が、各出現で、独立に、-F、-Cl、-Br、又はメトキシである、請求項26に記載の化合物。
  28. が、各出現で、独立に、-C(O)-(C~C)アルキレン-N(R、-C(O)(OR)、-C(O)N(R、-S(O)N(R)又は-N(Rである、請求項1~25のいずれか一項に記載の化合物。
  29. が、各出現で、独立に、(C~C)アルキルである、請求項1~25及び28のいずれか一項に記載の化合物。
  30. が、各出現で、Hである、請求項1~25及び28のいずれか一項に記載の化合物。
  31. が、各出現で、独立に、H、ピリミジニル、tert-ブトキシカルボニル、メチルtert-ブトキシカルボニル又はメチルカルボキシラートである、請求項1~25及び28~30のいずれか一項に記載の化合物。
  32. が、各出現で、独立に、-C(O)(OR)又は-CHC(O)(OR)である、請求項1~25及び28~30のいずれか一項に記載の化合物。
  33. が、各出現で、独立に、(C~C)アルキルである、請求項1~25、28~30及び32のいずれか一項に記載の化合物。
  34. が、各出現で、Hである、請求項1~25、28~30及び32のいずれか一項に記載の化合物。
  35. mが、0又は1である、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物。
  36. mが0である、請求項35に記載の化合物。
  37. mが1である、請求項35に記載の化合物。
  38. nが、0、1又は2である、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物。
  39. nが、0又は1である、請求項38に記載の化合物。
  40. nが0である、請求項39に記載の化合物。
  41. nが1である、請求項39に記載の化合物。
  42. pが0である、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物。
  43. pが1である、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物。
  44. pが2である、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物。
  45. 以下の構造式を有する、請求項1、2、4~15、19~34及び38~44のいずれか一項に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中、
    は、H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシである)。
  46. 以下の構造式を有する、請求項1~3及び16~44のいずれか一項に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中、
    は、-C(H)-又は-N-であり;且つ
    及びZは存在しないか、又はZ及びZは、それらの介在する原子と共に、任意選択で1、2又は3つの独立に選択されたヘテロ原子を含む4~7員環を形成する)。
  47. 以下の構造式を有する、請求項1、2、19~34及び38~45のいずれか一項に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中、
    は、H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシであり;
    は、-C(H)-又は-N-であり;且つ
    及びZは存在しないか、又はZ及びZは、それらの介在する原子と共に、任意選択で1、2又は3つの独立に選択されたヘテロ原子を含む4~7員環を形成する)。
  48. が-C(H)-である、請求項46又は47に記載の化合物。
  49. が-N-である、請求項46又は47に記載の化合物。
  50. 及びZが存在しない、請求項46~49のいずれか一項に記載の化合物。
  51. 及びZが、それらの介在する原子と共に、任意選択で1、2又は3つの独立に選択されたヘテロ原子を含む4~7員環を形成する、請求項46~49のいずれか一項に記載の化合物。
  52. 及びZが、それらの介在する原子と共に、O及びNから独立に選択される1又は2つのヘテロ原子を含む5~6員環を形成する、請求項51に記載の化合物。
  53. 以下の構造式を有する、請求項1~3及び16~44のいずれか一項に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中、
    は、-C(H)-、-N(H)-又は-O-であり;且つ
    は、>C(H)-又は>N-である)。
  54. 以下の構造式を有する、請求項1、2、19~34及び38~45のいずれか一項に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩(式中、
    は、-H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ又は(C~C)ハロアルコキシであり;
    は、-C(H)-、-N(H)-又は-O-であり;且つ
    は、>C(H)-又は>N-である)。
  55. が-C(H)-であり、且つAが>C(H)-である、請求項53又は54に記載の化合物。
  56. が-O-であり、且つAが>C(H)-である、請求項53又は54に記載の化合物。
  57. が、H、ハロ、シアノ、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルである、請求項45、47~52及び54~56のいずれか一項に記載の化合物。
  58. が、(a)H、ハロ若しくはシアノ;(b)H、ブロモ若しくはシアノ;又は(c)Hである、請求項57に記載の化合物。
  59. 以下の構造式の1つを有する、請求項1に記載の化合物:
    又は上記のものの薬学的に許容できる塩。
  60. 以下の構造式の1つを有する、請求項1に記載の化合物:
    又は上記のもののいずれかの薬学的に許容できる塩。
  61. 以下の構造式の1つを有する、請求項1に記載の化合物:
    又は上記のもののいずれかの薬学的に許容できる塩。
  62. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  63. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  64. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  65. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  66. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  67. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  68. 以下の構造式を有する、請求項1に記載の化合物:
    又はその薬学的に許容できる塩。
  69. 請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩及び薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物。
  70. 細胞中のRAD51のレベルを減少させる方法であって、前記細胞を、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項69に記載の医薬組成物と接触させることを含む方法。
  71. 前記細胞を、1種以上の追加の治療剤と接触させることをさらに含む、請求項70に記載の方法。
  72. 癌を有する対象におけるRAD51のレベルを減少させる方法であって、前記対象に、治療上有効な量の請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容できる塩又は請求項69に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  73. 前記対象に、1種以上の追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項72に記載の方法。
JP2023559132A 2021-03-26 2022-03-25 (フロピリミジン-4-イル)ピペラジン化合物及びその使用 Pending JP2024511801A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163166852P 2021-03-26 2021-03-26
US63/166,852 2021-03-26
PCT/US2022/071344 WO2022204720A1 (en) 2021-03-26 2022-03-25 (furopyrimidin-4-yl)piperazine compounds and uses thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024511801A true JP2024511801A (ja) 2024-03-15

Family

ID=83396098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023559132A Pending JP2024511801A (ja) 2021-03-26 2022-03-25 (フロピリミジン-4-イル)ピペラジン化合物及びその使用

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2024511801A (ja)
TW (1) TW202304925A (ja)
WO (1) WO2022204720A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2005102004A (ru) * 2002-06-27 2005-10-20 Шеринг Акциенгезельшафт (De) Замещенные хинолины как антагонисты рецептора ccr5
US20080051414A1 (en) * 2003-10-14 2008-02-28 Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona Protein Kinase Inhibitors
US7820684B2 (en) * 2007-03-01 2010-10-26 Supergen, Inc. Pharmaceutical formulations comprising salts of a protein kinase inhibitor and methods of using same
AR090037A1 (es) * 2011-11-15 2014-10-15 Xention Ltd Derivados de tieno y/o furo-pirimidinas y piridinas inhibidores de los canales de potasio

Also Published As

Publication number Publication date
TW202304925A (zh) 2023-02-01
WO2022204720A1 (en) 2022-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI694076B (zh) 三唑并嘧啶化合物及其用途
EP3472161B1 (en) Triazolopyridine compounds and uses thereof
EP3472166A1 (en) Imidazopyrimidine compounds useful for the treatment of cancer
US11529350B2 (en) Tyrosine kinase non-receptor 1 (TNK1) inhibitors and uses thereof
US11746103B2 (en) ALK-5 inhibitors and uses thereof
WO2022221227A9 (en) Amino-substituted heterocycles for treating cancers with egfr mutations
WO2022204721A1 (en) Alk-5 inhibitors and uses thereof
WO2020198067A1 (en) Pkm2 modulators and methods for their use
JP2024511801A (ja) (フロピリミジン-4-イル)ピペラジン化合物及びその使用
US20240091226A1 (en) Forms and Formulations Of A Tyrosine Kinase Non-Receptor 1 (TNK1) Inhibitor
WO2023010102A1 (en) Imidazo[1,2-b]pyridazinyl compounds and uses thereof
BR112018009880B1 (pt) Compostos e composições farmacêuticas moduladores dos receptores de quimiocina e seus usos