JP2024510453A - 新規バイオマーカー - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の癌形を評価するための代替的な改善された生物学的マーカー、特に癌と診断された対象の生存期間の予後予測のための方法を提供すること。【解決手段】本発明は、癌と診断された対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、前記癌に罹患した組織において、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、D1とD2との間の関係を決定すること、決定された関係を、前記対象の免疫療法への応答を予測するか又は生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することとを含むインビトロ方法に関する。【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、疾患進行を予後予測することを目的とする、特に癌患者の免疫療法への応答を予測し、及び生存期間を評価することを目的とする、細胞集団の検出及び解析の分野に関する。
背景
癌は、世界的に主要な死因であり、2017年には約960万人が癌で死亡したと推定される。他の死因の処置の進歩に起因して平均余命が増加するにつれて、癌症例数は、緩徐に増えている。そのため、癌を評価し、患者の個別の疾患の状態及び将来的な生存の見込みを患者及びケア提供者の両方に知らせるための新規方法が継続的に必要とされている。
悪性腫瘍のTNM分類システム(Brierly et al., 2017)は、癌ステージを記述し、カテゴリー化するために、国際対癌連合(UICC)と提携して発表された国際合意規格を提供する。
通常のように切除された腫瘍中の腫瘍中心領域及び浸潤性辺縁部でのCD3及びCD8T細胞の存在量を評価する、Immunoscore(登録商標)(本開示では「IS」と略記されることがある)という名称で商業的に利用可能な免疫スコアリングシステムが提案されている(Galon et al., 2006)。それは、結腸癌ステージI~IIIにおいて、T及びNステージを含めて、他の臨床パラメーターに加えて独立した予後因子として最近検証された(Pages et al., 2018)。結腸直腸癌でImmunoscore(登録商標)の妥当性が証明されたにもかかわらず、他の腫瘍型でその予後有意性の強力な証拠が欠如している。
CD163腫瘍浸潤性マクロファージ及びCD8細胞は、骨肉腫のきわめて重要な予後バイオマーカーであることが提案されている(Gomez-Brouchet et al., 2017)。CD68及びCD163染色の存在は、高度に共相関することが見出されたことから、マクロファージの共通サブ群が存在し得ることが提案された。これらの結果は、高レベルのCD163及びCD68がより良好な全生存及び無転移進行生存に関連することを実証するものと解釈された。これらの著者らは、患者サンプル全体にわたってCD8染色レベルが低く、1%のメジアン染色であることも見出した。CD8細胞は、患者サンプルの過半数で検出されたが、その存在は、診断時のより低い転移率に有意に関連した。CD8、CD163及びCD68細胞の定量測定値間の関係を調べたところ、何らの関係もなかった。
国際公開第2016/134416号は、処置レジームに応答する瀰漫性大B細胞リンパ腫を有する対象の予後を提供するための方法を開示している。この方法は、対象におけるCD137、CD4、CD8、CD56、TNFα(アルファ)及びLMO2のいずれか1つ以上のレベルと、対象におけるPD-1、PD-L1、CD163、CD68、PD-L2、LAG3、TIM3及びSCYA3(CCL3)のいずれか1つ以上のレベルとの比に基づいて、対象の免疫スコアを決定することと、免疫スコアを参照スコアと比較することとを含み、参照スコアと比較される免疫スコアは、処置レジームに応答する対象の予後を示す。国際公開第2016/134416号に開示される特異的免疫スコアは、すべて被除数中に複数のマーカーレベルを含む比を定義し、すべての具体的に示される免疫スコアは、PD-1又はPD-L1を組み込んでいる。
発明の概要
本発明の目的は、複数の癌形を評価するための代替的な改善された生物学的マーカー、特に癌と診断された対象の生存期間の予後予測のための方法を提供することである。
そのため、第1の態様では、本発明は、癌と診断された対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、
- 前記癌に罹患した組織において、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を、前記対象の免疫療法への応答を予測するか又は生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと
を含むインビトロ方法に関する。
一実施形態では、本方法は、
- 前記対象から癌性組織のサンプルを得ることと、
- 前記組織サンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を、前記対象の生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと、
- 比較に基づいて、対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測を決定することと
を含む。
一実施形態では、対象の免疫療法への応答の予測のための所定の参照は、
- 前記癌と診断され、及び免疫療法への既知の応答を有する対象のコホート中の各対象からの癌性組織のサンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を対象の既知の生存期間と比較して、この関係と生存期間との間の関連性を得ることと、
- 癌と診断された対象の免疫療法への応答を予測するように参照値を決定することと
によって決定されたものである。
一実施形態では、対象の生存期間の予後予測のための所定の参照値は、
- 前記癌と診断され、及び既知の生存期間を有する対象のコホート中の各対象からの癌性組織のサンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を対象の既知の生存期間と比較して、この関係と生存期間との間の関連性を得ることと、
- 癌と診断された対象の生存期間を示すように参照値を決定することと
によって決定されたものである。
一態様では、癌罹患組織のサンプルで相対細胞密度を測定する方法は、組織サンプルにおける、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、組織サンプルにおける、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定するステップと、D1とD2との間の関係を計算するステップとを含む。
いくつかの実施形態では、第2の細胞カテゴリーは、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる。
いくつかの実施形態では、第2の細胞カテゴリーは、C1qA、C1qB及びC1qC並びに任意選択的にCD68の少なくとも1つについて陽性の細胞からなる。
いくつかの実施形態では、D1とD2との間の関係の決定は、比D1/(D1+D2)若しくはD1/D2又はその逆を計算することを含む。
いくつかの実施形態では、癌は、結腸直腸癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫及び胃食道腺癌から選択される。
いくつかの実施形態では、計算比は、対象の生存期間の予後予測を決定する際に少なくとも1つの臨床リスク因子と組み合わされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの臨床リスク因子は、対象の性別、マイクロサテライト不安定性ステータス、腫瘍側性、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、細胞密度の測定は、遺伝子発現の解析によって実施される。
いくつかの実施形態では、細胞密度の測定は、解析される組織領域における、CD8について陽性の細胞と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞とを計数することと、任意選択的に、解析される組織領域のサイズに対して正規化することとによって実施される。
いくつかの実施形態では、解析される組織領域は、腫瘍中心及び浸潤性辺縁部の両方を含む。
いくつかの実施形態では、細胞の計数は、検出されるCD8、CD68、CD163、C1q、C1qA、C1qB又はC1qCに特異的な検出可能抗体での組織の染色によって促進される。
一態様では、本発明は、癌と診断された対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、
a)前記癌に罹患した組織において、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定することと、
b)C1とC2との間の関係を決定することと、
c)決定された関係を、前記対象の免疫療法への応答を予測するか又は生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと
を含むインビトロ方法に関する。
いくつかの実施形態では、本方法は、
- 前記対象から癌性組織のサンプルを得ることと、
- 請求項16に記載の方法のステップa)~c)を実施することと、
- 比較に基づいて、対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測を決定することと
を含む。
方法が対象の免疫療法への応答の予測のためのものであるいくつかの実施形態では、所定の参照値は、
- 前記癌に罹患した組織において、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定することと、
- C1とC2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を対象の既知の生存期間と比較して、この関係と生存期間との間の関連性を得ることと、
- 癌と診断された対象の免疫療法への応答を予測するように参照値を決定することと
によって決定されたものである
一態様では、本方法は、癌罹患組織のサンプルで相対分子濃度を測定する方法であって、組織サンプルにおける、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、組織サンプルにおける、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定するステップと、C1とC2との間の関係を計算するステップとを含む方法に関する。
いくつかの実施形態では、第2の群の分子は、CD68及びCD163又はそれらをコードするRNA分子からなる。
いくつかの実施形態では、第2の群の分子は、C1qA、C1qB及びC1qC並びに任意選択的にCD68又はそれらをコードするRNA分子の少なくとも1つからなる。
いくつかの実施形態では、C1とC2との間の関係の決定は、比C1/(C1+C2)若しくはC1/C2又はその逆を計算することを含む。
いくつかの実施形態では、癌は、結腸直腸癌、乳癌、膵十二指腸癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫及び胃食道腺癌から選択される。
いくつかの実施形態では、決定された関係は、対象の生存期間の予後予測を決定する際に少なくとも1つの臨床リスク因子と組み合わされる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの臨床リスク因子は、対象の性別、マイクロサテライト不安定性ステータス、腫瘍側性、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、濃度の測定は、バルクRNAシーケンシングによって実施される。
図面の簡単な説明
ステージI~IIIの療法ナイーブ結腸癌患者における免疫細胞サブクラス(細胞密度を3レベルカテゴリー化値に変換して評価した)とOSとの単変量関連性のフォレストプロット。黒四角は、ハザード比(HR)を示し、ウィスカーは、95%信頼区間(CI)を表す。コックス回帰を統計解析に使用した。アステリスクは、統計的に有意な関連性(p<0.05)を示す。 療法ナイーブ結腸癌ステージI~III患者(n=286)におけるカプラン・マイヤー生存曲線。SIA低を参照群として使用した、三分SIAにより層別化された患者群に対する全生存(A)及び無再発生存(B)。 図2-1の続き。ISにより層別化された患者群に対する全生存(C)及び無再発生存(D)。 1000回ブートストラップ再サンプリングによる積分時間依存AUC解析(iAUC)を用いた、OS(A)及びRFS(B)に対するSIA、IS及び臨床パラメーターの予測確度。 三分SIAにより層別化された結腸癌ステージII(A)及び転移結腸直腸癌(B)の患者のOSに関するカプラン・マイヤー曲線及びアットリスク数の表。 膀胱尿路上皮癌(BUC)、胃食道腺癌(GA)、肺癌(LC)、黒色腫、子宮体子宮内膜癌(UCEC)及び卵巣癌(OC)の6つの腫瘍型でSIAにより層別化された全生存。BUC、GA及びLCコホートの患者は、SIAレベルに従って三分位で層別化された。黒色腫患者は、メジアンにより分割された2群で層別化された。SIAは、膀胱癌、胃食道接合部癌、肺癌及び黒色腫の予後を示す。 図5-1の続き。SIAにより層別化され、ログランクにより解析された全生存は、UCEC(p値=0.996)及びOC(p値=0.383)で統計的に有意な関連性が実証されなかった。 7つの腫瘍型でCD8AとC1q補体サブユニット:C1QA、C1QB及びC1QCの各々とのバルクRNA発現レベル間の二分比により層別化された全生存(3つの上側パネル)並びにCD8A及びCD3Eの二分平均バルクRNA発現レベルにより層別化された全生存(IS様メトリック)。遺伝子発現及び生存データは、KMプロッターデータベースから取得した。 応答により群化された患者からの26の免疫チェックポイントインヒビター処置黒色腫における、CD8A発現とC1QA~C発現との計数間の比を計算することによりバルクRNAデータから生成されたSIA値。
定義
「免疫活性化シグネチャー」又は「SIA」という用語は、癌性組織の組織セクションにおいて、一方のCD8+細胞の全集団と、他方のCD68及びCD163の両方を発現するマクロファージサブセットとの細胞密度間関係に基づいて計算されたスコアを含むバイオマーカーを表すために本開示で用いられる。
「OS」は、全生存の略語である。
「RFS」は、無再発生存の略語である。
結腸癌という用語は、結腸の癌を表すために用いられる(TNM分類では解剖学的部位C18として分類される)のに対して、直腸癌は、直腸の癌を表すために用いられる(TNM分類では解剖学的部位C20として分類される)。結腸直腸癌(又はCRC)という用語は、結腸又は直腸の癌を表すために用いられる。
「胃食道腺癌」という用語は、食道又は胃領域の腺癌を表す。
C1q又は補体コンポーネント1qは、それぞれ6つのペプチド鎖を含む3つのサブユニットの合計18のペプチド鎖により形成された約400kDaのタンパク質複合体である。これらの18のペプチド鎖のうち、6つは、A鎖(C1qA)であり、6つは、B鎖(C1qB)であり、及び6つは、C鎖(C1qC)である。「C1q」という用語は、本開示に関連して、文脈により与えられるように、C1qA、C1qB及びC1qCのいずれか1つ、並びに全タンパク質複合体及びそのサブユニット、並びにそれらをコードするDNA/RNAを意味する。「C1qA」、「C1qB」及び「C1qC」という用語は、本開示に関連して、文脈により与えられるように、個別のペプチド鎖及びそれをコードするDNA/RNAを意味する。
発明の詳細な説明
本発明は、腫瘍マイクロ環境での2つの具体的に定義された細胞カテゴリーの測定及びそれらの相対密度の計算が癌患者の免疫療法への応答及び生存の予測に利用され得るという驚くべき知見に基づく。細胞カテゴリー間のこの比は、免疫チェックポイントインヒビター療法への応答者を識別し得るとともに、結腸癌で先行技術のスコアリング方法よりも良好に生存を予測し、確立された臨床パラメーターと比較したときに生存予測への相対的な寄与が最も高かった。この比は、高い変異負荷の他の癌、例えば肺癌、膀胱癌、食道癌及び黒色腫の予後も示した。
本発明に係る予測及び予後バイオマーカーは、CD8細胞浸潤の予後への影響を確認するとともに、単一マーカーアプローチを用いて検出不能なマクロファージの予後サブセットを提供する。いくつかの先行技術の方法と異なり、本発明は、腫瘍中心領域及び浸潤性辺縁部の独立した評価を必要としない。以下に示されるように、本発明に係るバイオマーカー及び既知のバイオマーカーImmunoscore(登録商標)は、多変量解析で独立変数として使用され得る。これらの2つのメトリックは、冗長ではなく、おそらく腫瘍免疫の異なる側面を捉える。
マルチマーカー免疫組織化学及びマルチスペクトルイメージングのような現代のインサイチュー解析技術は、マーカーの多重標識化により、別個の表現型及び機能群への免疫細胞サブ分類を可能にする。本発明者らは、適応性及び先天性免疫細胞の可視化のために、それぞれ5つの免疫マーカーに対する抗体からなる2つのかかるパネルを開発した。本開示の実験の部に記載のデジタル化組織セクションの細胞セグメンテーション後、これらのマーカーの共発現パターンにより免疫細胞サブ分類を可能にした(表1)。
メジャー免疫細胞系列は、単一マーカー発現(CD4、CD8、CD45RO、CD68及びCD163)により定義された。さらに、細胞は、マーカー共発現に従ってサブクラスに分割された。こうして、本発明者らは、メモリーCD4(CD4+CD45RO+)及びCD8(CD8+CD45RO+)リンパ球、古典的T制御性(CD4+FoxP3+)及びCD8+Treg(CD8+FoxP3+)細胞を同定した。ナチュラルキラー(NK)細胞のマーカーは、それほど特異的ではないため、NKとして細胞を分類するために2つのマーカー(CD56及びNKp46)の共発現を必要とした。同様に、NK T(NKT)細胞は、NKマーカー及びCD3の両方を発現するものとして定義された。最後に、単球/マクロファージ系列は、M1様マクロファージ(CD68+CD163-)、M2様マクロファージ(CD68+CD163+)及びCD68-CD163+細胞にサブ分割された。
TNMステージI~III療法ナイーブ結腸癌(n=286)で異なる免疫細胞の密度の予後への影響を評価した。2つの免疫細胞クラスのみ、すなわちCD8陽性Tリンパ球(正の関連性、p=0.042)及びM2様マクロファージ(負の関連性、p=0.004)は、細胞密度と全生存(OS)との間の関連性を実証した(図1)。興味深いことに、OSとの正の関連性は、CD8細胞の全集団で実証されたにすぎず、サブ分類CD8サブセットのいずれでも実証されなかった。さらに、M2マクロファージ分化のマーカーとみなされる汎マクロファージマーカーCD68単独及びCD163単独は、いずれも生存に関連しなかったのに対して、CD68及びCD163の両方を発現するより厳密に定義されたM2様マクロファージサブセットは、関連した。このM2様細胞サブセットは、腫瘍CD68マクロファージの5%及びCD163細胞の23%を構成するにすぎなかった。
この驚くべき知見に基づいて、これらの2つの免疫細胞型に基づく免疫活性化シグネチャー(SIA)を作成した。これは、本発明の部分の基礎をなす。理論により拘束されるものではないが、CD8細胞及びM2様マクロファージの相対浸潤レベルは、免疫マイクロ環境の抗腫瘍及び腫瘍促進特性間の相互作用を捉えるという仮説が立てられる。
さらに、C1qコンポーネントの発現は、悪性組織及び正常組織でM2様マクロファージを定義すると判断された。CD8対C1q遺伝子発現比が高いことは、膀胱、食道及び直腸癌並びに肺腺癌で全生存の予後を示すが、卵巣及び子宮内膜癌並びに肺扁平上皮細胞癌ではそうではないことも判明したことから、以上に定義される免疫組織化学ベースSIAスコアからの結果が主に確認される。
免疫活性化シグネチャーは、免疫チェックポイントインヒビター療法への応答者を識別し得ることも判明した。
そのため、第1の態様では、本発明は、癌と診断された対象の生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、
- 前記癌に罹患した組織において、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を、前記対象の生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと
を含むインビトロ方法に関する。
一実施形態では、本方法は、
- 前記対象から癌性組織のサンプルを得ることと、
- 前記組織サンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を、前記対象の生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと、
- 比較に基づいて、対象の生存期間の予後予測を決定することと
を含む。
一態様では、本発明は、癌罹患組織のサンプルで相対細胞密度を測定する方法であって、組織サンプルにおける、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、組織サンプルにおける、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定するステップと、D1とD2との間の関係を計算するステップとを含む方法に関する。
一態様では、本発明は、第2の細胞カテゴリーが、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞として定義されるのではなく、むしろCD206、CD200R、CD36、CD204、マクロファージ活性化タンパク質(MAF)及びCD86からなる群から選択される少なくとも2つの細胞マーカーについて陽性の細胞として定義され、及び第2の密度D2がこの細胞カテゴリーの密度である、本明細書に一般的に記載される方法に関する。一実施形態では、第2の細胞カテゴリーは、少なくともCD206及びCD200R、CD206及びCD36、CD206及びCD204、CD206及びMAF、CD206及びCD86、CD200R及びCD36、CD200R及びCD204、CD200R及びMAF、CD200R及びCD86、CD36及びCD204、CD36及びMAF、CD36及びCD86、CD204及びMAF、CD204及びCD86及び/又はMAF及びCD86について陽性の細胞として定義される。
癌に罹患した組織、すなわち癌性組織のサンプルは、当技術分野で公知のように、外科的切除、生検及び類似の方法によって得ることができる。
一実施形態では、所定の参照値は、
- 前記癌と診断され、及び既知の生存期間を有する対象のコホート中の各対象からの癌性組織のサンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
- D1とD2との間の関係を決定することと、
- 決定された関係を対象の既知の生存期間と比較して、この関係と生存期間との間の関連性を得ることと、
- 癌と診断された対象の生存期間を示すように参照値を決定することと
によって決定されたものである。
D1とD2との間の関係は、いくつかの方法において、例えば細胞密度間の単純比(すなわちD1/D2又はD2/D1)又は細胞密度の一方と、両方の細胞カテゴリーの細胞密度の和との間の関係(例えば、D1/(D1+D2)若しくはD2/(D1+D2)又はその逆)として計算され得る。
参照値は、D1とD2との間の関係と、対象の予測免疫療法応答とを相関させるように各種の方法で決定され得る。参照値は、実際の免疫療法応答が参照コホートの各患者で既知であれば、関連する癌形と診断された患者の参照コホートからのサンプルでD1とD2との間の関係を決定することにより決定され得る。かかるサンプルは、サンプルが、関連する参照コホートの確立に有用であるとして評価されたものであれば、組織サンプルの既存のコレクション(例えば、「バイオバンク」)又は具体的に選択された診断及び/又はカテゴリー化患者から採取されたサンプルの新しいコレクションから得ることができる。
参照値は、D1とD2との間の関係と、対象の予想生存期間とを相関させるようにも各種の方法で決定され得る。参照値は、実際の生存期間が参照コホートの各患者で既知であれば、関連する癌形と診断された患者の参照コホートからのサンプルでD1とD2との間の関係を決定することにより決定され得る。かかるサンプルは、サンプルが、関連する参照コホートの確立に有用であるとして評価されたものであれば、組織サンプルの既存のコレクション(例えば、「バイオバンク」)又は具体的に選択された診断及び/又はカテゴリー化患者から採取されたサンプルの新しいコレクションから得ることができる。
一実施形態では、参照値は、参照コホートの各サンプルでD1とD2との間の関係を得ることと、各カテゴリーで本質的に等しいサンプル数を用いて、得られた関係を、設定された数のレベル/カテゴリーを有するカテゴリー化変数、例えば「高」及び「低」(2レベル)又は「高」、「中」及び「低」(3レベル)に変換することとにより決定される。
参照値は、参照コホートにサンプルを提供する各対象の予想生存期間のレベル(例えば、2カテゴリーの場合には「>X週間」及び「≦X週間」)を割り当てることと、得られたD1とD2との各関係を関連する生存期間カテゴリーに割り当てることと、カテゴリー間の統計的に関連するカットオフ値を計算することとによって得ることもできる。
結腸癌で全生存(OS)及び無再発生存(RFS)に関する本発明に係るバイオマーカーの予後予測値を検証するために、結腸癌参照コホートの各サンプルでD1/(D1+D2)として免疫活性化シグネチャー(「SIA」)を計算した。
次いで、33.3及び66.6パーセンタイルをカットオフとする不偏アプローチを用いて、SIAを3レベルカテゴリー化変数、すなわち高、中及び低に変換した。比較のために、本発明者らは、腫瘍中心及び浸潤性辺縁部でCD3及びCD8細胞の密度を定量するImmunoscore(登録商標)様メトリック(IS)を生成し、同様に3グレードスコアに変換した(Pages et al., 2018)。IS低、中及び高の群は、記載のように定義され、IS低は、参照群として使用された。IS及びSIAは、両方とも結腸癌ステージI~IIIでOS及びRFSとの強い関連性が実証された(図2)。
興味深いことに、pTステージ、pNステージ、患者年齢、性別及びMSIステータスに関して調整された多変数コックスモデルでは、SIA及びISは、両方ともOS及びRFSの有意な独立した予測因子であった(表2)。
さらに、SIAとIS及び周知の臨床リスク因子との予測能力の比較を行った。積分時間依存AUC解析(iAUC)から、OSに関してTステージ(メジアンiAUC 0.58)及びRFSに関してNステージ(メジアンiAUC 0.58)が最も強力な臨床予測因子として同定された(図3)。
しかしながら、臨床リスク因子及びISは、両方ともSIAよりも劣っていた(OS及びRFSに関するメジアンiAUC 0.59)。組合せ臨床パラメーターモデルにSIAを追加したところ、予測能力は、さらに改善された(OS及びRFSに関するメジアンiAUC 0.66及び0.67)。最後に、臨床パラメーター、IS及びSIAを1つのモデルに統合したところ、iAUCは、OS及びRFSに関してそれぞれ0.68及び0.69であった。OSの予測へのSIAの相対的な寄与は、T及びNステージよりも高かった(表3)。
ISをモデルに含めたとき、SIA及びISの相対的な寄与は、50%を超え、明らかに既知の臨床因子を凌駕した(表4)。
ステージII結腸癌患者(n=117)で解析を繰り返したところ、類似の結果が観測され、高及び低リスク疾患がSIAにより層別化された(図4A)。加えて、転移疾患を有するCRC患者(n=66)を評価し、SIAに従って3つの等サイズ三分位に層別化した。この場合にも、SIA高の群でより長いOSが見られた(図4B)。
そのため、SIAは、最も強力な既知の臨床予測因子(T及びNステージ)よりも優れた独立した予後予測性能を有することが実証され、ステージI~IIIの結腸癌患者において多変数予測モデルに実質的な価値を追加し、ステージII結腸癌及び転移結腸直腸癌患者において予後予測能力が実証された。
他の腫瘍型でもSIAを予後因子として使用することができるかをさらに調べた。SIAは、腫瘍マイクロ環境で抗腫瘍及び腫瘍促進細胞型間のバランスを反映するように見えるため、その有用性は、顕著な免疫原性を有する腫瘍型でおそらく最も高くなるであろう。したがって、本発明者らは、TCIAプロジェクト(Charoentong et al., 2017)から得られたデータを解析し、変異及び新生抗原の数に従って異なる腫瘍型をランク付けした。次いで、本発明者らは、高変異及び新生抗原数により特徴付けられた腫瘍の4つの独立したコホート、すなわち黒色腫(n=94)(Stromberg et al., 2009)、肺癌(n=251)(Micke et al., 2016)、膀胱尿路上皮癌(n=224)(Hemdan et al., 2014)及び胃食道腺癌(n=121)(Jeremiasen et al., 2020)を解析した。本発明者らは、より低い変異及び新生抗原密度を有する腫瘍の2つのコホート、子宮内膜癌(n=295)(Huvila et al., 2018)及び卵巣癌(n=141)(Nodin et al., 2010)も含めた。
SIAに従って患者を三分位で層別化したが、ただし、黒色腫は、例外であり、患者の41%が最大可能SIA値を有していたため、代わりにメジアンをカットオフとして使用した。コックス回帰モデルで評価したとき、高いSIAは、高い変異及び新生抗原数を有する4つの腫瘍型でより長い生存に有意に関連したが(p値範囲0.001~0.037)、子宮内膜及び卵巣癌では関連性が見られなかった(それぞれp値0.996及び0.399)(図5及び表5~8)。
表3~6には、エンドポイントとして全生存を用いて単変量コックス比例ハザードモデルで推定された相対ハザードが示されている。
子宮内膜及び卵巣癌では、関連性が見られなかった(それぞれp値0.996及び0.399)。
さらに、4つのコホートのiAUC解析によれば、SIAは、OSの予測に関してISを凌駕し、膀胱癌での0.55から黒色腫での0.61までのメジアンiAUC範囲を実証した(表9)。興味深いことに、結腸癌でのSIAの時間依存識別性は、ISの最近発表された検証性能よりも高かった(iAUC 0.57(Pages et al., 2018))。
そのため、SIAは、複数の癌腫瘍型の予後因子である。
したがって、本発明の一実施形態では、癌は、変異及び/又は新生抗原のメジアン数が100超の癌である。変異及び新生抗原のメジアン数は、The Cancer Immunome Atlas(TCIA)プロジェクト(tcia.at/home)(Charoentong et al., 2017)から得ることができる。
9つの結腸直腸腫瘍からの単一細胞RNAシーケンシングデータ(Lee et al., 2020)を解析した。17%のM1様マクロファージ、79%のM2様マクロファージ及び4%のCD68-CD163+細胞を含む、CD68及びCD163遺伝子発現により定義された3つのサブクラスの6520マクロファージを同定した。これらのマクロファージでの差次的発現遺伝子の解析から、一緒になってC1qをコードするC1補体複合体のサブコンポーネントC1QA、C1QB及びC1QCをM2様サブ群の細胞が過剰発現することを実証した。これは、2つの追加のデータセットでも観測され、C1QA~Cは、肺癌(n=13286細胞)(Lambrechts et al., 2018)及びブドウ膜黒色腫(n=25413細胞)(Durante et al., 2020)でM2様マクロファージ中のトップアップレギュレート遺伝子に含まれていた。CRC及び肺癌では、アポリポタンパク質EをコードするAPOEの高発現もM2様マクロファージに制限されて観測された。しかしながら、これは、ブドウ膜黒色腫の症例では見られず、APOEは、M1様マクロファージでも高発現された。癌組織からの3つの単一細胞コレクションの完全データセットの解析により(CRCが54259細胞、肺癌が97550細胞及びブドウ膜黒色腫が32439細胞)、C1QA、C1QB及びC1QCは、マクロファージでほぼ限定的に発現されるが、APOEは、従来の知見と一致して、他の細胞型でも発現されることが観測された。
マクロファージの転写プロファイルが腫瘍、隣接組織及び非疾患器官で異なるかをさらに調べた。最初に、CRC及び肺癌で腫瘍及び腫瘍周囲組織からのマクロファージを比較したところ、両方の位置からのマクロファージでC1QA~C及びAPOEの同一レベルの発現が見出された。次に、C1QA~C及びAPOE産生細胞が正常器官にも存在するかを決定するために、同一の個体の15の異なる非悪性器官からのscRNAseqデータを調べた(He et al., 2020)。細胞のごく一部分は、C1QA~Cを発現したが(リンパ節での0.12%から肝臓での17~19%までの範囲内において、すべての器官全体にわたり平均4%)、より多くの部分は、APOEを発現した(血液での0%から皮膚での64%まで、平均17%)。C1QA~C発現性細胞の大多数は、リンパ節での陽性細胞の45~56%から肝臓での91~93%までの範囲内でマクロファージであった(CD68及び/又はCD163陽性により定義された)。
マクロファージサブクラスを解析したとき、C1QA~C発現は、M2様マクロファージでは特徴的であったが、M1様細胞では非常に少なかった一方、マクロファージでのAPOE発現は、より少なく、及び分化との関連性が欠如していた。まとめると、C1qコンポーネントの発現は、悪性組織及び正常組織でM2様マクロファージを定義する。
癌でのC1QA~C発現は、主にM2様マクロファージで検出されたため、バルクRNAレベルで解析される補体C1qコンポーネントの合成は、本発明の一実施形態では、本発明に係る第2の細胞カテゴリーを定義するために使用される。KMプロッターデータベース(Nagy et al., 2021)からバルクRNA発現データを抽出し、CD8AとC1QA、C1QB又はC1QCのいずれかとの発現レベル間の比を二分し、膀胱、食道、直腸、子宮内膜及び卵巣癌、肺腺癌及び肺扁平上皮細胞癌で生存解析を実施した。高い比は、肺扁平上皮細胞癌及び卵巣癌を除き、すべての解析された腫瘍型で改善された生存に関連したことから(図6)、免疫組織化学ベースSIAスコアからの結果が主に確認される(図5を参照されたい)。重要なこととして、バルクRNAデータセットから生成されたImmunoscore様メトリックは、子宮内膜癌を除き、劣った性能を有していた(図6)。そのため、バルク腫瘍遺伝子発現データでのCD8AとC1QA、C1QB又はC1QCのいずれかとの間の比は、少なくとも5つの腫瘍型の予後を示す。
最後に、SIAが免疫チェックポイントインヒビター療法への応答者を識別し得るかを調べた。抗PD-1療法(Hugo et al., 2016)で処置された患者の黒色腫からのバルクRNAを解析した。次いで、CD8AとC1QA、C1QB又はC1QCのいずれかとの間の遺伝子発現比を計算した。興味深いことに、応答者(n=4)は、部分応答者(n=10)及び非応答者(n=12)と比較してより高いSIA値を有していた(図7A)。
より正確なシグネチャー推定を可能にするために、抗PD1及び/又は抗CTLA4で処置された黒色腫患者(n=48)(Sade Feldman et al., 2018)からの単一細胞シーケンシングデータも解析し、CD8+細胞を定義するCD8Aの単一細胞遺伝子発現レベルと、M2様マクロファージを定義するCD68とCD163、C1QA、C1QB又はC1QCのいずれかとの発現の組合せとを用いて、SIAを計算した。CD8A及びCD68+CD163(p=0.001)、CD68+C1QA(p=0.026)、CD68+C1QB(p=0.017)又はCD68+C1QC(p=0.012)にそれぞれ由来するSIAを用いて、高いSIAスコアと、免疫チェックポイントインヒビター療法への応答との明確な関連性を観測した(図7B)。
処置応答の予測のためのSIAの確度を検証するために、ROC解析を実施したところ、0.70(CD8A及びCD68+C1QAに由来するSIAで)から0.79(CD8A及びCD68+CD163に由来するSIAで)までの範囲内の曲線下面積(AUC)が生成された。腎細胞癌(Bi et al., 2021)からの単一細胞RNAシーケンシングデータを解析した。そのうちの4名の患者が免疫チェックポイント療法を受けて客観的反応記録を有していた。部分応答を有する2名の患者は、腫瘍進行を有する1名の患者と比較して、M2様マクロファージによる補体共発現を考慮した細胞数に由来するより高いSIAを有していた(図7C)。まとめると、これらの観測は、黒色腫及び他の腫瘍型で免疫チェックポイントインヒビター処置への応答をSIAにより予測し得ることを支持する。
一実施形態では、癌は、結腸癌、結腸直腸癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫及び胃食道腺癌から選択される。
一実施形態では、決定された関係は、対象の生存期間の予後予測を決定する際に少なくとも1つの臨床リスク因子と組み合わされる。
一実施形態では、少なくとも1つの臨床リスク因子は、対象の性別、マイクロサテライト不安定性ステータス、腫瘍側性、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化からなる群から選択される。
以上の態様に係る本発明の実施形態では、細胞密度の測定は、解析される組織領域における、CD8について陽性の細胞と、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞とを計数することと、任意選択的に、解析される組織領域のサイズに対して正規化することとによって実施される。
以上の態様に係る本発明の実施形態では、解析される組織領域は、腫瘍中心及び浸潤性辺縁部の両方を含む。
以上の態様に係る本発明の実施形態では、細胞の計数は、適用可能な細胞マーカー(例えば、CD8、CD68及びCD163)に特異的な検出可能抗体での組織の免疫蛍光染色によって促進される。細胞の計数は、適用可能な細胞マーカーへの特異的親和性結合の能力がある検出可能化合物(「親和性結合剤」として広く知られる)を対象組織の組織セクションの細胞に結合させることと、結合された検出可能化合物の量を検出することと、検出された量を組織セクションのサイズに相関させるか、又は各細胞マーカーの検出された量を細胞マーカーのすべて又はそのサブセットの合計量に相関させることとによって一般に行われ得る。親和性結合剤としては、モノクローナル及びポリクローナルの両方の抗体並びに抗体結合性部位を保存するように(通常、ジスルフィド結合により)一緒に保持された免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の両方の少なくとも可変領域を含む抗体フラグメントが挙げられる。抗体フラグメントのタイプとしては、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、rIgG、一本鎖可変フラグメント(scFv)、scFVダイマー(ダイアボディー)、scFV融合タンパク質(例えば、scFV-Fc)、アフィボディーなどが挙げられる。分子インプリントポリマーなどの他のタイプの親和性結合剤も利用し得る。検出可能化合物は、当技術分野で公知でもあり、例えば蛍光性部分、金属(例えば、金ナノ粒子)及びストレプトアビジン又はビオチンなどのさらなる検出可能化合物に結合させるために使用され得る部分を含む。
一態様では、本発明は、CD8について陽性の細胞並びにCD68及びCD163の両方について陽性の細胞又は本明細書に開示される対象細胞カテゴリーを定義する他の適用可能なマーカーについて陽性の細胞の計数を促進するように適合化された試薬セットを含むキットオブパーツに関する。かかる試薬は、表12に列挙された試薬及び対象細胞マーカーを発現する細胞の検出で均等な機能性を有する試薬から選択され得る。
下記の実施例は、本発明をさらに例示し、その理解を容易にするために含まれる。それらは、添付の特許請求の範囲にある本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に引用される参照文献は、すべてその全体が参照により明示的に組み込まれる。
実施例
材料及び方法
試験コホート及び組織マイクロアレイ
結腸直腸癌(CRC)コホートは、Uppsala County, Swedenに住んでいる、将来を見越して集められたCRC患者からなり、そのほとんどは、Uppsala-Umea Comprehensive Cancer Consortium(U-CAN、u-can.uu.se)に含まれていた。合計で937名の患者は、Uppsala地区で2010~2014年にCRCと診断された。そのうちの746名(80%)は、TMAに含まれていた。本試験では、原発腫瘍からのTMA材料を有する患者のみを選択した。染色手順及び品質管理後、497名の患者は、両方の免疫パネルからのデータを有し、そのうちの286名の患者は、TNM I~IIIステージ療法ナイーブ結腸癌を有していた。含まれる患者の臨床病理学的特性及びそれらの腫瘍は、表10に提示される。
患者は、すべて2008年以降のスウェーデンのナショナルガイドラインに従ってステージ層別化標準ケアを受けた。ガイドラインに準拠して、結腸腫瘍は、再発リスク因子が存在した場合、一次手術及びアジュバント化学療法が推奨された。結腸腫瘍が根治不能/ボーダーライン切除可能であるとみなされた場合、手術前に腫瘍を収縮させるためにネオアジュバント化学療法が施行された。直腸癌は、局所性又は全身性再発リスクに従って層別化された手術前又はネオアジュバント放射線療法/化学放射線療法が施行された。原発腫瘍及び遠隔転移のホルマリン固定パラフィン包埋組織ブロックを用いてTMAを構築した。各症例は、腫瘍の中心部及び浸潤性辺縁部に由来するコアを用いてTMA上に表現された。試験は、Uppsala, Swedenの地域倫理委員会からの倫理的許可の範囲内で実施された。
黒色腫コホートは、1980~2004年にSwedenのUppsala地区で原発皮膚悪性黒色腫と診断された94名の患者からのTMAコアを包含していた(Stromberg et al., 2009)。試験は、Uppsala University, Uppsala, Swedenの研究倫理委員会により承認された。
肺癌コホートは、2006~2010年にUppsala University Hospital, Swedenで外科処置を受けた非小細胞肺癌と診断された251名の患者からのTMAコアを包含していた(Micke et al., 2016)。試験は、Uppsalaの地域倫理委員会からの許可の下で実施された。
胃食道癌コホートは、2006~2010年にUniversity Hospitals of Lund and Malmoeで手術を受けた化学放射線療法ナイーブ胃食道腺癌を有する121名の患者からのTMAコアを含んでいた(Jeremiasen et al., 2020)。試験は、Lundの地域倫理委員会からの許可の下で実施された。
尿路上皮癌コホートは、1984~2005年にUppsala University Hospitalで手術を受けた224名の患者からの原発尿路上皮腫瘍から採取されたTMAコアを包含していた(Hemdan et al., 2014)。試験は、Uppsalaの地域倫理委員会からの許可の下で実施された。
子宮体子宮内膜癌コホートは、2004~2007年にTurku University Hospital, Finlandで外科処置された患者からの295の子宮癌からのTMAコアからなっていた(Huvila et al., 2018)。試験は、Helsinkiの倫理審査委員会からの許可の下で実施された。
卵巣癌コホートは、Malmoe Diet and Cancer Study及びMalmoe Preventive Projectの2つのプールされた見込み集団ベースコホートに由来する浸潤性卵巣癌症例からのTMAコアとして提示された(Nodin et al., 2010)。試験は、Lundの地域倫理委員会からの許可の下で実施された。
黒色腫、肺癌、胃食道癌、尿路上皮癌、UCEC及び卵巣癌コホートに含まれる患者の臨床病理学的特性及びそれらの腫瘍は、表11に示される。
マルチプレックス免疫蛍光染色
マルチプレックス免疫蛍光染色では、厚さ4μmのTMAセクションを脱パラフィン化し、再水和し、蒸留HOで濯いだ。2つの抗体パネル:CD4、CD8、CD20、FoxP3、CD45RO及び汎サイトケラチン(CK)を有するリンパ球パネル並びにCD56、NKp46、CD3、CD68、CD163及び汎CKを包含するNK/マクロファージパネルに対して、2つの染色プロトコルを確立した。染色手順は、以前に記載されたように実施された(Mezheyeuski et al., 2018)。詳細な染色条件及び試薬参照は、表12に提供される。
CD68+、CD163+集団の代替として、細胞集団をM2様マクロファージ集団としてカテゴリー化するために、細胞マーカーCD206、CD200R、CD36、CD204、マクロファージ活性化タンパク質(MAF)及びCD86の関連性を、これらの細胞マーカーに特異的な対応する方法及び試薬を用いて調べる。
イメージング、画像解析及び閾値化
2ピクセル/μmの分解能のマルチスペクトルモードでVectra Polarisシステム(Akoya)を用いて、染色TMAをイメージングした。画像の各々は、アーチファクト、染色欠陥及び壊死性領域への免疫細胞の蓄積並びに腺内構造物を排除するために、病理学者により手作業でレビューされ、キュレートされた。inFormソフトウェアに実装されたベンダー提供機械学習アルゴリズムをトレーニングし、組織を3つのカテゴリー:腫瘍区画、間質性区画又はブランク領域に分割した。トレーニングは、病理学者により手作業でアノテートされたサンプルセットを提供することにより、各コホートに対して別々に実施された。細胞セグメンテーションは、記載のようにDAPI核染色を用いて実施された(Mezheyeuski et al., 2018)。核ボーダーから3μm(6ピクセル)の核周囲領域は、細胞質領域とみなされた。inFormソフトウェアの細胞フェノタイピング機能を用いて、マーカーの各々の発現について陽性の代表的細胞サブセット及びすべてのマーカーが陰性の細胞サブセットを手作業で定義した。選択細胞でのマーカー発現の強度を用いて、マーカー陽性に対する閾値を設定した。
マーカーに対する強度閾値は、GeneVia Technologies(Tampere, Finland)によりRプログラミング環境[R Core Team, 2013]で決定された。マーカー特異的閾値は、そのマーカーに対する陽性及び陰性細胞強度の分布により定義された。マーカー特異的確率密度分布は、R package statsの密度関数を用いて、自動バンド幅検出によるガウシアンカーネル推定で強度値を平滑化することにより推定された。各マーカーに対する強度閾値は、(1)陽性及び陰性細胞の強度がオーバーラップしなかった場合、陰性細胞の最高強度及び陽性細胞の最低強度の平均値として、又は(2)オーバーラップが存在した場合、確率密度分布に基づいて全分類誤差を最小化する強度値として確立された。偽陽性率、真陽性率、偽陰性率、真陰性率及び全分類誤差は、確立された各閾値に対して、すなわち各マーカーに対して計算され、個別に制御された。閾値は、各腫瘍型に対して別々に及び独立して確立され、完全コホートの生の出力データに適用された。こうして、いずれの細胞もパネル中の各マーカーについて陽性又は陰性であるものとして特徴付けられた。このデータを用いて細胞を分類し、その免疫サブタイプを定義した(表1)。最後に、細胞数は、解析される組織領域のサイズに対して正規化され、さらなる解析のために細胞密度(単位/mm)として使用された。
免疫活性化シグネチャー及びImmunoscore(登録商標)
免疫活性化シグネチャー(SIA)は、CD8+細胞密度と、CD8+及びM2様細胞の密度の和との比又はSIA=(CD8密度)/(CD8密度+M2様密度)として計算された。Immunoscore(登録商標)(IS)は、記載のように生成された(Pages et al., 2018)。CRC TMAコホートの各腫瘍は、腫瘍の中心部及び浸潤性辺縁部に由来するTMAコアにより表現された。CD3及びCD8陽性細胞は、領域の各々で定義され、こうして症例1つについて4つの値を得た(すなわち腫瘍中心のCD3密度、腫瘍中心のCD8密度、浸潤性辺縁部のCD3密度、浸潤性辺縁部のCD8密度)。ISは、4つの平均を計算することにより、記載のように生成された。他のコホートでは、TMAコアは、中心部と浸潤性辺縁部との分離なしでバルク腫瘍領域から得られた。そのため、これらの腫瘍では、症例1つについて2つの値が得られ(CD3及びCD8陽性細胞密度)、ISは、2つの平均を計算することにより生成された。さらに、平均パーセンタイルを用いて、ISは、3つの群:低(平均パーセンタイル0~25%)、中(25~70%)及び高(70~100%)にカテゴリー化された。
変異及び新生抗原
19の固形癌全体にわたる変異及び新生抗原の数のメジアン値は、The Cancer Immunome Atlas(TCIA)プロジェクト(tcia.at/home)から得られた。
統計
統計解析は、R(バージョン3.5.1)及びSPSS V20(SPSS Inc., Chicago, IL)を用いて実施された。根治術CRCステージI~III患者では、無再発生存(RFS)は、手術から最初の確定疾患進行(局所再発若しくは遠隔転移又はいずれかの理由に起因する死を含めていずれか最初に発生したもの)までの期間として計算された。全生存(OS)は、手術からいずれかの理由に起因する死までの期間であった。単変量及び多変数モデルの両方で相対ハザードを推定するために、コックス比例ハザードモデルを使用した。モデルの予測確度は、1000回ブートストラップ再サンプリングにより、及び各ブートストラップサンプリングに対して時間依存受診者動作特性曲線下面積(iAUC)を計算することにより評価された。生存リスクの推定のためのパラメーターの相対的重要性は、カイ二乗比率(χ)を用いて計算された。
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Claims (26)

  1. 癌と診断された対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、
    - 前記癌に罹患した組織において、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
    - D1とD2との間の関係を決定することと、
    - 前記決定された関係を、前記対象の免疫療法への応答を予測するか又は生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと
    を含むインビトロ方法。
  2. - 前記対象から癌性組織のサンプルを得ることと、
    - 前記組織サンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
    - D1とD2との間の関係を決定することと、
    - 前記決定された関係を、前記対象の生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと、
    - 前記比較に基づいて、前記対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測を決定することと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象の免疫療法への応答の前記予測のためのものであり、前記所定の参照値は、
    - 前記癌と診断され、及び免疫療法への既知の応答を有する対象のコホート中の各対象からの癌性組織のサンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
    - D1とD2との間の関係を決定することと、
    - 前記決定された関係を前記対象の既知の生存期間と比較して、前記関係と前記生存期間との間の関連性を得ることと、
    - 前記癌と診断された対象の免疫療法への応答を予測するように前記参照値を決定することと
    によって決定されたものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記対象の生存期間の前記予後予測のためのものであり、前記所定の参照値は、
    - 前記癌と診断され、及び既知の生存期間を有する対象のコホート中の各対象からの癌性組織のサンプルにおいて、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定することと、
    - D1とD2との間の関係を決定することと、
    - 前記決定された関係を前記対象の前記既知の生存期間と比較して、前記関係と前記生存期間との間の関連性を得ることと、
    - 前記癌と診断された対象の生存期間を示すように前記参照値を決定することと
    によって決定されたものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 癌罹患組織のサンプルで相対細胞密度を測定する方法であって、前記組織サンプルにおける、CD8について陽性の細胞からなる第1の細胞カテゴリーの第1の密度D1と、前記組織サンプルにおける、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞からなる第2の細胞カテゴリーの第2の密度D2とを測定するステップと、D1とD2との間の関係を計算するステップとを含む方法。
  6. 前記第2の細胞カテゴリーは、CD68及びCD163の両方について陽性の細胞からなる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記第2の細胞カテゴリーは、C1qA、C1qB及びC1qC並びに任意選択的にCD68の少なくとも1つについて陽性の細胞からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  8. D1とD2との間の前記関係の前記決定は、比D1/(D1+D2)若しくはD1/D2又はその逆を計算することを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記癌は、結腸直腸癌、乳癌、膵十二指腸癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫及び胃食道腺癌から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記決定された関係は、前記対象の生存期間の予後予測を決定する際に少なくとも1つの臨床リスク因子と組み合わされる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの臨床リスク因子は、対象の性別、マイクロサテライト不安定性ステータス、腫瘍側性、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記細胞密度の測定は、遺伝子発現の解析によって実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記細胞密度の測定は、解析される組織領域における、CD8について陽性の細胞と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せの少なくとも1つについて陽性の細胞とを計数することと、任意選択的に、前記解析される組織領域のサイズに対して正規化することとによって実施される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記解析される組織領域は、腫瘍中心及び浸潤性辺縁部の両方を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記細胞の計数は、検出される前記CD8、CD68、CD163、C1q、C1qA、C1qB又はC1qCに特異的な検出可能抗体での前記組織の染色によって促進される、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 癌と診断された対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測のためのインビトロ方法であって、
    a)前記癌に罹患した組織において、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定することと、
    b)C1とC2との間の関係を決定することと、
    c)前記決定された関係を、前記対象の免疫療法への応答を予測するか又は生存期間を示す少なくとも1つの所定の参照値と比較することと
    を含むインビトロ方法。
  17. - 前記対象から癌性組織のサンプルを得ることと、
    - 請求項16に記載の方法のステップa)~c)を実施することと、
    - 前記比較に基づいて、前記対象の免疫療法への応答の予測又は生存期間の予後予測を決定することと
    を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記対象の免疫療法への応答の前記予測のためのものであり、前記所定の参照値は、
    - 前記癌に罹患した組織において、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定することと、
    - C1とC2との間の関係を決定することと、
    - 前記決定された関係を前記対象の既知の生存期間と比較して、前記関係と前記生存期間との間の関連性を得ることと、
    - 前記癌と診断された対象の免疫療法への応答を予測するように前記参照値を決定することと
    によって決定されたものである、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 癌罹患組織のサンプルで相対分子濃度を測定する方法であって、前記組織サンプルにおける、CD8及びそれをコードするRNA分子からなる群から選択される第1の群の分子の第1の濃度C1と、前記組織サンプルにおける、C1q、CD68とCD163との組合せ及びCD68とC1qとの組合せ並びにそれらをコードするRNA分子からなる群から選択される第2の群の分子の第2の濃度C2とを測定するステップと、C1とC2との間の関係を計算するステップとを含む方法。
  20. 前記第2の群の分子は、CD68及びCD163又はそれらをコードするRNA分子からなる、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記第2の群の分子は、C1qA、C1qB及びC1qC並びに任意選択的にCD68又はそれらをコードするRNA分子の少なくとも1つからなる、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. C1とC2との間の前記関係の前記決定は、比C1/(C1+C2)若しくはC1/C2又はその逆を計算することを含む、請求項16~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記癌は、結腸直腸癌、乳癌、膵十二指腸癌、膀胱癌、肺癌、黒色腫及び胃食道腺癌から選択される、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記決定された関係は、前記対象の生存期間の予後予測を決定する際に少なくとも1つの臨床リスク因子と組み合わされる、請求項16~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1つの臨床リスク因子は、対象の性別、マイクロサテライト不安定性ステータス、腫瘍側性、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 前記濃度の測定は、バルクRNAシーケンシングによって実施される、請求項16~25のいずれか一項に記載の方法。
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