JP2024510436A - 大うつ病性障害の処置のための19-ノルc3,3-2置換c21-n-ピラゾリルステロイド - Google Patents

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ジェイムズ ドハーティ,
ジェフリー マーティン ジョナス,
スティーブン ジェイ ケインズ,
ハンダン グンドゥーズ-ブルース,
ジョイ リサ ダンバー,
バンバン セノアジ アディウィジャヤ,
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セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
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Abstract

本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、(i)治療有効量の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること、および(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて、治療有効量の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施することによる、方法に関する。0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施することができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年3月17日出願の米国特許仮出願第63/162,501号、および2021年11月30日出願の米国特許仮出願第63/284,592号の利益を主張する。前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される。
発明の分野
本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、(i)治療有効量の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること、および(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて、治療有効量の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施することを含み、ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法に関する。
背景
脳内の最大40%のニューロンが、γ-アミノ酪酸であるGABAを神経伝達物質として利用するので、GABAは、脳全体の興奮性に対して著しい影響を及ぼす。GABAは、GRC(GABA受容体複合体)上の認識部位と相互作用することにより、塩素イオンがGRCの電気化学勾配の下方に向かって細胞内に流れるのを促進する。このアニオンのレベルの細胞内上昇は、膜内外電位の過分極を引き起こし、興奮性入力に対するニューロンの感受性を低下させる(すなわち、ニューロンの興奮性が低下する)。換言すれば、ニューロン内の塩素イオン濃度が高いほど、脳の興奮性(覚醒レベル)は低下する。GRCは、不安、発作活動および鎮静の媒介に関与することが充分証明されている。従って、GABA、およびGABAのように作用する薬物(例えば、治療的に有用なバルビツレートおよびベンゾジアゼピン(BZ)、例えば、Valium(登録商標))は、GRC上の特異的な制御部位と相互作用することによってその治療的に有用な効果をもたらす。
蓄積された証拠から、GRCは、神経刺激性ステロイドのための別個の部位を含むと示唆されている(Lan,N.C.ら、Neuwchem.Res.16:347-356(1991)。神経刺激性ステロイドは、内因的に生じ得る。最も強力な内因性神経刺激性ステロイドは、3α-ヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オンおよび3α-21-ジヒドロキシ-5-還元型プレグナン-20-オン(それぞれ、ホルモン性ステロイドであるプロゲステロンおよびデオキシコルチコステロンの代謝産物)である。これらのステロイド代謝産物が脳の興奮性を変化させる能力は、1986年に認識された(Majewska,M.D.ら,Science 232:1004-1007(1986);Harrison,N.L.ら,J Pharmacol.Exp.Ther.241:346-353(1987))。
Lan,N.C.ら、Neuwchem.Res.16:347-356(1991) Majewska,M.D.ら,Science 232:1004-1007(1986) Harrison,N.L.ら,J Pharmacol.Exp.Ther.241:346-353(1987)
発明の概要
一態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000001
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
一態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000002
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
これらの態様の一部の実施形態では、0または1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態では、1回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける。一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示する。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態では、初期処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態では、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約40mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
一部の実施形態では、被験体が処置ナイーブである。
一部の実施形態では、被験体は、初期処置コースの開始前に、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000003
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体が処置ナイーブである、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000004
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体が処置ナイーブである、方法を含む。
これらの態様の一部の実施形態では、0または1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態では、1回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける。一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示す。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態では、初期処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態では、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約40mgの用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000005
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000006
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000007
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000008
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000009
の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約30mg~約50mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000010
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000011
の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体は、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000012
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体は、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000013
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000014
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000015
の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000016
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000017
の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
別の態様では、本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での化合物(1):
Figure 2024510436000018
の薬学的に許容され得る塩の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
これらの態様の一部の実施形態では、0または1回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示す。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態では、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する、または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。一部の実施形態では、化合物(1)を、約40mgの用量で投与し、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物に等価な用量で投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する。
一部の実施形態において、被験体は処置ナイーブである。
図1は、実施例1の臨床試験の概略である。
図2は、実施例1の臨床試験のための適格基準の叙述である。
図3は、投与コホートのフローチャートである。
図4Aは、被験体(30mgコホート)のフローの概略である。
図4Bは、被験体(50mgコホート)のフローの概略である。
図5は、30mgおよび50mgコホートについての経時的なベースラインからのHAM-D総スコアのLS平均の変化を示す。
図6Aは、30mgおよび50mgコホートについての特定の時点でのHAMD-17奏効の棒グラフである。
図6Bは、30mgおよび50mgコホートについての特定の時点でのHAMD-17寛解の棒グラフである。
図7は、経時的なHAM-D総スコアの変化の棒グラフである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図8は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用(あり/なし)別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D総スコアにおける期間特異的ベースラインからの変化の箱ひげ図である-低用量コホート(サイクル1については安全性解析対象集団、C2~5については最大の解析対象集団)。
図9は、各々の処置サイクルにおける15日目のベースラインHAM-D総スコアからの変化の箱ひげ図を示す(処置サイクル1については安全性解析対象集団、C2~C5についてはFAS)。
図10は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用(あり/なし)別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D総スコアにおける期間特異的ベースラインからの変化の箱ひげ図である-低用量コホート(処置サイクル1については安全性解析対象集団、C2~C5についてはFAS)。
図11は、経時的なHAM-D奏効のバーチャートである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図12は、ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、試験期間1における経時的なHAM-D奏効のバーチャートを示す(安全性解析対象集団)。
図13は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D奏効のバーチャートである-低用量コホート(安全性解析対象集団)。
図14は、経時的なHAM-D寛解のバーチャートである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図15は、ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、試験期間1における経時的なHAM-D寛解のバーチャートを示す(安全性解析対象集団)。
図16は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D寛解のバーチャートを示す-低用量コホート。
図17は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体についてのベースラインからのLS平均(±SE)の変化の折れ線グラフを示す-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図18は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体についての試験期間1における経時的なHAM-D奏効のバーチャートである(安全性解析対象集団)。
図19は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体についての経時的なHAM-D寛解のバーチャートである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図20は、ベースラインHAM-Dが26以上であった被験体についてのベースラインからのLS平均(±SE)の変化の折れ線グラフを示す-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図21は、ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体についての試験期間1における経時的なHAM-D奏効のバーチャートである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図22は、ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体についての経時的なHAM-D寛解のバーチャートである-試験期間1(安全性解析対象集団)。
図23は、処置サイクル別の各々の再処置までの時間の箱ひげ図を提供する。
図24は、前のサイクルにおける奏効例のパーセントを付記したHAM-D奏効/非奏効例のバーチャートである-低用量コホート(FAS)。
図25は、前のサイクルにおける非奏効例のパーセントを付記したHAM-D奏効/非奏効例のバーチャートである-低用量コホート(FAS)。
詳細な説明
I.定義
本明細書中で使用される場合、「化合物(1)」は、以下の式(または構造)を有する化合物を指す:
Figure 2024510436000019
化合物(1)は、ズラノロン、3α-ヒドロキシ-3β-メチル-21-(4-シアノピラゾール-1-イル)-5β-19-ノルプレグナン-20-オン、およびそのIUPAC名:1-(2-((3R,5R,8R,9R,10S,13S,14S,17S)-3-ヒドロキシ-3,13-ジメチルヘキサデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-17-イル)-2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(CAS登録番号1632051-40-1)としても公知である。化合物(1)の化学合成方法は、米国特許第9,512,165号およびPCT出願公開番号WO2014/169833号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に記載されていた。化合物(1)のいくつかの結晶形態および前記形態の調製方法は、米国特許第11,236,121号;米国特許出願公開第2019/0177359号;およびPCT出願公開番号WO2018/039378号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に記載されていた。化合物(1)の医薬組成物および前記組成物の調製方法は、PCT出願公開番号WO2022/020363号および米国特許出願第17/579,541号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として各々援用される)に記載されていた。
化合物(1)は、GABAシナプスレセプターおよびGABAシナプス外レセプターを標的化する、GABAレセプターのポジティブアロステリックモジュレーターであると示されている神経刺激性ステロイドである。GABAレセプターのポジティブアロステリックモジュレーターとして、化合物(1)は、CNS関連障害(例えば、うつ病、産後うつ病、および大うつ病性障害)を処置するための、および神経学的状態(例えば、本態性振戦、てんかん、およびパーキンソン病)を処置するための治療薬として役立つ。
本明細書中で使用されるとき、「結晶」は、十分に定義された三次元構造秩序を有する所与の化学的実体 の固相を指す。原子、イオン、および/または分子は、反復三次元格子内に規則正しく周期的な様式で配置されている。種々の実施形態では、結晶材料は、1またはそれを超える個別の(discreet)結晶形態を含み得る。
本明細書中で使用されるとき、用語「結晶形態」、「結晶固体形態」、「結晶性形態」、「固体形態」、および関連する用語は、所与の物質(例えば、化合物(1))を含む結晶修飾(単一成分の結晶性形態および多成分の結晶性形態が挙げられ、多形、溶媒和物、水和物、および塩が挙げられるが、これらに限定されない)を指す。
用語「実質的に結晶」は、少なくとも1つの特定の重量パーセントの結晶であり得る形態を指す。特定の重量百分率は、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または70%と100%との間の任意の百分率を含み得る。一部の実施形態において、結晶化度の特定の重量パーセントは少なくとも90%である。一部の実施形態において、結晶化度の特定の重量パーセントは少なくとも95%である。一部の実施形態において、化合物(1)は、本明細書(例えば、結晶形態AおよびC)および/またはPCT出願公開番号WO2018/039378号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に記載の任意の結晶形態の実質的に結晶試料であり得る。
用語「実質的に純粋な」は、少なくとも特定の重量パーセントの夾雑物および/または他の固体形態を含まないものであり得る特異的結晶形態(例えば、化合物(1)の結晶形態)の組成物に関する。特定の重量百分率は、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または70%と100%との間の任意の百分率を含み得る。一部の実施形態において、化合物(1)は、本明細書中に記載の任意の結晶形態の実質的に純粋な試料であり得る(例えば、結晶形態AおよびC)。一部の実施形態において、化合物(1)は、実質的に純粋な形態Aであり得る。一部の実施形態において、化合物(1)は、実質的に純粋な形態Cであり得る。
本明細書中で使用される場合、「XRPD」は、粉末X線回折を指す。XRPDパターンは、x軸上に2Q(回折角)をプロットし、y軸上に強度をプロットしたx-yグラフである。これらには、結晶材料を特徴づけるために使用され得る回折ピークが存在する。回折ピークの強度が試料の配向に対して特に影響を受けやすいので、回折ピークを、通常、y軸上の回折ピークの強度ではなくx軸上の位置で表わされ参照される(Pharmaceutical Analysis,Lee&Web,pp.255-257(2003)を参照のこと)。したがって、当業者は、強度を、典型的には、結晶材料を特徴づけるために使用しない。任意のデータ測定値と同様に、XRPDデータは変動性が存在し得る。回折ピーク強度の変動性に加えて、x軸上の回折ピークの位置も変動性が存在し得る。しかしながら、この変動性は、典型的には、特徴づけのために回折ピークの位置を報告する場合に説明することができる。x軸に沿った回折ピークの位置のそのような変動性は、いくつかの原因に由来し得る。1つのそのような原因は、試料調製であり得る。異なる条件下で調製された同一の結晶材料の試料からは、わずかに異なるディフラクトグラムが得られる場合がある。粒径、含水量、溶媒含有量、温度、および配向などの因子は全て、試料のX線回折に影響を及ぼし得る。変動性の別の原因は、装置のパラメーターに由来する。X線粉末回折計が異なれば、操作に異なるパラメーターが使用され、その結果同一の結晶材料とわずかに異なる回折パターンを生じ得る。同様に、ソフトウェアパッケージが異なればXRPDデータの処理が異なり、このことも変動性を生じ得る。これらおよび他の変動性の原因は、当業者に公知である。そのような変動性の原因のために、各々のX線回折ピークの値に、用語「約」を先行させるか、実験上の変動性を定義する適切な範囲(例えば、±0.1°、±0.2°、±0.3°、±0.4°、±0.5°など)を先行させることができる。
用語「特徴的なピーク」は、所与の化学的実体 の結晶形態(例えば、化合物(1)の結晶形態)のXRPDパターン中のピークについて言及する場合、一連の特異的な回折ピークを指し、これらのピークの値は、全体としてその特異的な結晶形態に固有の2θ値の範囲(例えば、0°~40°)にわたる。
「薬学的に受容可能な」とは、連邦もしくは州政府の規制当局、または米国以外の国の対応する当局によって承認されているかまたは承認可能であること、あるいは米国薬局方または動物(より具体的には、ヒト)で使用するための他の一般に認められている薬局方に記載されていることを意味する。
「薬学的に受容可能な塩」とは、薬学的に受容可能であり、そして親化合物の所望の薬理活性を有する、本発明の化合物の塩のことを指す。特に、このような塩は非毒性であり、無機酸付加塩または有機酸付加塩および無機塩基付加塩または有機塩基付加塩であり得る。具体的には、このような塩としては、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などと形成される;もしくは有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]-オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などと形成される酸付加塩;あるいは(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで置き換えられるか;または有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミンなどと配位する場合に形成される塩が挙げられる。塩としてはさらに、ほんの一例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;および化合物が塩基性官能基を含む場合には、非毒性有機酸または無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。用語「薬学的に受容可能なカチオン」とは、酸性官能基の受容可能なカチオン性対イオンのことを指す。このようなカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。例えば、Bergeら、J.Pharm.Sci.(1977)66(1):1-79を参照のこと。
特定の官能基および化学的用語の定義を下記で詳細に説明する。化学元素は、元素周期表(CASバージョン,Handbook of Chemistry and Physics,第75版,内表紙)に従って特定され、特定の官能基は、一般に、その中に記載されているとおりに定義される。さらに、有機化学の通則、ならびに特定の官能性部分および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999;SmithおよびMarch,March’s Advanced Organic Chemistry,第5版,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;およびCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,第3版,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
用語「約」を定量値の前に使用する場合、本教示は、別段の具体的指示がない限り、具体的な定量値自体も含む。本明細書中で使用されるとき、別段の指示または暗示がない限り、用語「約」は、公称値からの±10%変動を指す。
用語「疾患」、「障害」、および「状態」は、本明細書中で交換可能に使用される。
本明細書中で使用される場合、用語「等価な用量」は、生物学的に等価な用量を意味する。例えば、50mgの用量の化合物(1)に対する化合物(1)の薬学的に許容され得る塩の等価な用量は、50mgの用量の化合物(1)の遊離塩基に生物学的に等価な用量を提供するために必要な薬学的に許容され得る塩の量(重量で)である。
本明細書中で使用される場合、化合物(またはその薬学的に許容され得る塩)の「有効量」とは、所望の生物学的応答を誘発するのに十分な量、例えば、うつ病(例えば、大うつ病性障害(MDD))を処置するのに十分な量を指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物(またはその薬学的に許容され得る塩)の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、処置される疾患、投与様式、ならびに被験体の年齢、体重、健康状態、および状態などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療処置および予防処置を包含する。
本明細書中で使用されるとき、「エピソード投薬レジメン」は、ある化合物またはある化合物を含む組成物が、ある障害またはその症状の診断、例えば、うつ病の診断または症状、または大うつ病性障害のエピソードに応じて有限の期間にわたって被験体に投与される、投薬レジメンである。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、上記化合物は、個別投与単位として製剤化され、各単位が、化合物1および1つまたはそれを超える好適な薬学的賦形剤を含む。一部の実施形態において、エピソード投薬レジメンは、複数の週、例えば、約8週間の持続時間を有する。本明細書中で定義される慢性投与とは対照的に、化合物のエピソード投薬は、障害、例えばうつ病、またはその症状の診断または再発に応じて、有限の期間、例えば、約2週間~約8週間にわたって行われる。一部の実施形態において、エピソード投薬は、複数の週、例えば、約2週間~約6週間にわたって、1日あたり1回行われる。1つの実施形態において、エピソード投薬は、2週間の持続時間を有する。一部の実施形態において、1つより多いエピソード投与レジメンであるが3つ以下のエピソード投与レジメンを被験体に施す(例えば、2またはそれを超えるエピソードレジメンを12ヶ月間にわたって施す)。
本明細書中で使用される場合、用語「モジュレーション」は、GABAレセプター機能の阻害または強化を指す。「モジュレーター」(例えば、GABAレセプター機能をモジュレートする化合物またはその薬学的に許容され得る塩)は、例えば、GABAレセプターのアゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニスト、または部分的アンタゴニストであり得る。
本明細書中で使用されるとき、初期および/またはその後の処置コースを「実施すること」は、処置コースを行う行為である。一部の実施形態において、初期および/またはその後の処置コースを実施することは、被験体への化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の投与を開始することを指す。一部の実施形態において、初期および/またはその後の処置コースを実施することは、被験体への特定の期間(例えば、約2週間または約14日間)の処置コース(例えば、化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の投与)を完了することを指す。
本明細書中で使用されるとき、「安全性解析対象集団」は、実施例1の臨床試験において化合物(1)を投与された全ての被験体を指す。本明細書中で使用されるとき、「最大の解析対象集団」は、処置サイクル1(例えば、初期処置コース)の15日目にHAM-Dで奏効を示し、試験中止日(存在する場合)が処置サイクル1(例えば、初期処置コース)の終了後である安全性解析対象集団中の全ての被験体を指す。奏効例は、処置サイクルにおける15日目のHAM-D総スコアがベースラインから少なくとも50%低下した被験体である。処置サイクルにおける15日目のHAM-D総スコアが欠けている場合、被験体は非奏効例と見なされる。
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物(またはその薬学的に許容され得る塩)の「治療有効量」とは、疾患、障害または状態の処置において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または状態に関連する1つまたはそれより多くの症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物(またはその薬学的に許容され得る塩)の治療有効量とは、その疾患、障害または状態の処置において治療上の利点を提供する、単独でかまたは他の治療と組み合わせての、治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または状態の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効力を増強する量を包含し得る。
代替の実施形態では、本発明は、被験体が特定の疾患、障害、または状態に罹患し始める前の予防薬としての本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは薬学的に許容され得る組成物の投与を意図する。本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは状態、またはその疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくはそれより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または状態の予防において予防上の利点を提供する、単独でかまたは他の剤と組み合わせての、治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含し得る。
本明細書中で使用される場合、「固形剤形」は、固体形態、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤・散剤(powder)、サシェ剤、再構成可能な粉剤・散剤、ドライパウダー吸入剤、およびチュアブル剤における薬学的用量を意味する。
「被験体」または「患者」は、ヒト(例えば、任意の年齢群、例えば、未成年被験体(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験体(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人)の男性または女性)である。
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」および「処置(treatment)」は、被験体が特定の疾患、障害、または状態を罹患している間に行われ、その疾患、障害、または状態(またはその任意の症状)の重症度を低下させるか、あるいは疾患、障害、または状態の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療処置」)を想定し、そしてまた、被験体が特定の疾患、障害、または状態を罹患し始める前に行われる予防的行為を想定する。
本明細書中で使用されるとき、「処置コース」は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置するための特定の期間の化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の投与を指す。例えば、処置コースは、化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩を、約2週間または約14日間投与することができる。「処置コース」は、化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩の最初の用量が投与される日に開始し、最後の用量を投与する日まで続く。12ヶ月以内に初めて処置コースを受けている被験体は、「初期処置コース」を受けている。
化合物(1)またはその薬学的に許容され得る塩が投与されていないときに各々の処置コースの間に時間間隔があることを前提に(例えば、初期処置コースの終了から少なくとも4週間、少なくとも6週間、または少なくとも8週間)、「処置コース」を繰り返すことができる。「その後の処置コース」は、初期処置コースを受けた後の被験体に実施される処置コース(例えば、処置コースの反復)を指す。一部の実施形態において、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月にわたって実施する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した方法は、初期処置コースの開始から12ヶ月にわたって被験体に1つ、2つ、または3つの処置コースを実施し得る。特定の実施形態では、処置コース(例えば、その後の処置コース)を、うつ病症状の再発に応じて繰り返し得る。うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示し得る。例えば、被験体におけるうつ病症状の再発を、10またはそれを超えるPHQ-9スコアおよび/または20またはそれを超えるHAM-Dスコアによって示し得る。一部の実施形態において、うつ病症状は、初期処置コースの終了から12ヶ月にわたって14日毎に評価され得る。
本明細書中で使用されるとき、「処置ナイーブ」は、現在のうつ病エピソード内でさらなる抗うつ病薬を用いて以前に処置されていなかった被験体を指す。また、「処置ナイーブ」は、初期処置コース前の少なくとも60日以内にいかなる抗うつ病薬も服用していなかった被験体を指す。一部の実施形態において、被験体は、「ナイーブ患者」である。用語「ナイーブ患者」は、以下の2つの特定のカテゴリーを指す:i)鬱病処置のためのあるタイプまたはカテゴリーの医薬に以前に治療的に曝露されていない患者(「一次ナイーブ」)、およびii)鬱病処置のための医薬に以前に曝露されているが、開業医の判断に基づいた適切な長さの休薬期間が設けられた患者(「二次ナイーブ」)。
本明細書中で使用される場合、用語「単位剤形」は、化合物(1)が患者に投与される形態のことを指すように定義される。一部の実施形態において、単位剤形は、例えば、丸剤、カプセル剤、または錠剤であり得る。一部の実施形態において、単位剤形は、カプセル剤である。一部の実施形態において、本開示で有用な単位剤形中の化合物(1)の典型的な量は、約10mg~約100mg、約20mg~約55mg、または約30mg~約50mgである(例えば、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、または約55mg)。
一部の実施形態において、化合物(1)の投与によって認知機能が改善される。一部の実施形態において、認知機能は、一連の精神的な作業および機能を指し、記憶(例えば、意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、プライミング記憶、または作業記憶);見当識;言語;問題解決;視覚、構成、および統合;計画;組織化技術;選択的注意;抑制制御;および情報を精神的に操作する能力が挙げられるが、これらに限定されない。1つの実施形態において、認知機能は、記憶(例えば、意味記憶、エピソード記憶、手続き記憶、プライミング記憶、または作業記憶);見当識;言語;問題解決;視覚、構成、および統合;計画;組織化技術;選択的注意;抑制制御;および情報を精神的に操作する能力からなる群から選択されるうちの1つまたは複数である。認知機能の尺度としては、例えば、(a)一般知能、(b)非言語知能、(c)学力、(d)注意/実行機能、(e)記憶および学習、(f)視覚運動機能および運動機能、ならびに(g)言語を測定するように設計された評価ツールが挙げられる。
例えば、経時的または処置による認知機能の任意の変化を、2またはそれを超える時点でこれらの十分に確立された試験のうちの1つまたは複数を使用し、結果を比較することによってモニターすることができる。句「認知機能を改善する」は、本明細書中で言及される場合、被験体が象徴的な操作を実施する(例えば、認識する、思い出す、心像を作り出す、思考を明晰にする、気づく、推論する、思考する、または判断する)能力の正の変化を意味する。正の変化を、2またはそれを超える出来事(例えば、ベースライン認知機能を測定するための第1の出来事およびある期間(その間に処置されているかもしれない)の後に認知機能を測定するための第2の出来事)に対して前述の任意の試験を使用して測定することができる。
II.処置方法
本開示は、大うつ病性障害(MDD)を処置する方法に関する。本明細書中に記載の方法によって処置される大うつ病性障害の診断および重症度を、精神障害の診断と統計マニュアル、第5版(DSM-5)によって定義されるように特徴づけることができる。
うつ病性障害
うつ病性障害としては、重篤気分調節症、大うつ病性障害(大うつ病エピソードが挙げられる)、持続性うつ病性障害(気分変調症)、月経前不快気分障害、物質/医薬誘発うつ病性障害、別の病状に起因するうつ病性障害、他の特定のうつ病性障害、および不特定のうつ病性障害が挙げられる。これらの全障害の共通の特徴は、個人が機能する能力に相当な影響を及ぼす身体および認識の変化を伴う悲しみ、虚しさ、またはイライラした気分の存在である。これらの間で異なるのは、期間、タイミング、または推定される病因の問題である。
大うつ病性障害は、この障害群中の古典的な状態を示す。これは、少なくとも2週間(しかしながら、ほとんどのエピソードはそれよりも遥かに長期間継続する)の個別のエピソード(感情、認知、および自律神経の機能の明確な変化を含む)およびエピソード間の寛解を特徴とする。大うつ病性障害の個別のエピソードを、「大うつ病エピソード」または「うつ病エピソード」と称し得る。
大うつ病性障害(MDD)
大うつ病性障害は、当該分野で一般的に知られている。
一部の実施形態において、MDDは、鬱病または臨床的鬱病としても公知であり、悲しみおよび興味の喪失が持続する気分障害である。MDDは、被験体がどのように感じ、思い、行動し得るかに影響を及ぼし、種々の情動的および身体的な問題を引き起こし得る。
一部の実施形態において、MDDは、DSM-5に従って定義および診断され、例えば、MDDは、下記の基準Aにしたがって診断される。
基準A.以下の症状のうちの5つ(またはそれを超える)が、2週間の間に同時に現れ、以前とは機能が変化している;症状のうちの少なくとも1つが、(1)抑うつ気分または(2)興味もしくは楽しみの喪失のいずれかである。
1.主観的報告(例えば、悲しみ、虚しさ、絶望感)または他者によりなされる観察(例えば、涙を流しているように見える)のいずれかによって示される、ほぼ1日中、ほぼ毎日の抑うつ気分。(注記:小児および思春期においては、イライラした気分であり得る。
2.主観的説明または観察のいずれかによって示される)ほぼ1日中、ほぼ毎日の全てまたはほとんど全ての活動における興味または楽しさの顕著な減退。
3.ダイエットをしていない場合の有意な体重の減少もしくは体重増加(例えば、1ヶ月における体重の5%を超える変化)、またはほぼ毎日の食欲の低下もしくは増加(注記:小児においては、期待される体重増加が見られないことを考慮する)。
4.ほぼ毎日の不眠症または過眠症。
5.ほぼ毎日の精神運動性の激越または遅延(他者による観察可能であって、落ち着きの無さや鈍化という単なる主観的な感情ではない)。
6.ほぼ毎日の疲労または気力の喪失。
7.ほぼ毎日の無価値感または過剰なもしくは不適切な罪悪感(妄想的であり得る)(単なる自責または病気に対する罪悪感ではない)。
8.ほぼ毎日の思考もしくは集中する能力の減退または優柔不断(主観的説明または他者による観察のいずれか)。
9.死について繰り返し考えること(単なる死への恐怖ではない)、具体的な計画性のない再発性の自殺念慮、または自殺未遂もしくは具体的な自殺の計画。
下記の基準B~Eは、MDDのさらなる説明であり、MDDの説明または診断のために考慮され得るが、必要ではない。
基準B.症状が、臨床的に有意な苦痛、または社会、職場、もしくは他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
基準C.エピソードが、物質の生理学的効果または別の病状に寄与していない。
基準A~Cが、大うつ病エピソードを示し得る。
基準D.大うつ病エピソードの発生が、統合失調感情障害、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または他の特定のおよび不特定の統合失調症スペクトラム、および他の精神病性障害では十分に説明されない。
基準E.躁病エピソードまたは軽躁エピソードがこれまでになかった。
一部の実施形態において、大うつ病エピソード(MDE)は、上記のMDDの症状を特徴とする期間である。
一部の実施形態において、MDDは、被験体における1またはそれを超える大うつ病エピソード(MDE)を特徴とする臨床経過である。
一部の実施形態において、MDDは、上記の基準A~Cにしたがって診断される。一部の実施形態において、MDDは、上記の診断A~Eにしたがって診断される。
診断上の特徴
大うつ病性障害の基準となる症状は、存在すると見なされるには、体重変化および自殺念慮を除き、ほぼ毎日呈されなければならない。抑うつ気分は、ほぼ毎日呈することに加えて、ほぼ1日中呈されなければならない。不眠症または疲労は頻繁に示される愁訴であり、それに伴ううつ症状を探索できない場合、過小診断となるであろう。悲しみは、最初は否定され得るが、面接から引き出されるか、顔の表情および態度から推測される場合がある。身体的愁訴に注目した個体の場合、臨床医は、その愁訴由来の苦痛が特定のうつ症状に関連するかどうかを決定すべきである。疲労および睡眠障害は、症例の中で高い割合で存在する;精神運動障害は遥かに稀であるが、妄想またはほぼ妄想の罪悪感の存在がそうであるように、全体的な重症度がより高いことを示している。
大うつ病エピソードの本質的特徴は、ほぼ全ての活動で抑うつ気分または興味もしくは楽しみの喪失のいずれかが少なくとも2週間存在することである(上記基準A)。小児および思春期においては、気分は悲しみよりもイライラ感であり得る。また、個体は、食欲もしくは体重、睡眠、および精神運動活動の変化;気力の低下;無価値感または罪悪感;思考、集中、または決断の困難;または死について繰り返し考えることもしくは自殺念慮もしくは自殺の計画もしくは自殺未遂を含むリストから得られる少なくとも4つのさらなる症状を経験しなければならない。大うつ病エピソードと見なすためには、症状は、新規に呈されるか、その人の以前のエピソード状態と比較して明らかに悪化していなければならない。症状は、ほぼ1日中、ほぼ毎日、2週間連続して継続しなければならない。エピソードは、臨床的に有意な苦痛、または社会、職場、もしくは他の重要な領域における機能の障害を伴わなければならない。エピソードが軽度のいくつかの個体については、機能が正常に見える場合があるが、非常に大きな努力を必要とする。
睡眠障害は、睡眠困難または睡眠過剰のいずれかの形態を取り得る(基準A4)。不眠症を呈する場合、典型的には、中期不眠症(すなわち、夜中に覚醒した後、眠りに戻るのが困難である)または末期不眠症(すなわち、あまりにも早く目覚めて眠りに戻ることができない)の形態を取る。初期不眠症(すなわち、入眠困難)も生じ得る。過眠(過眠症)を呈する個体は、夜の睡眠エピソードが長く続くか、日中の睡眠の増加を経験し得る。時折、個体が処置を求める理由は、睡眠障害のためである。
したがって、本発明の一態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000020
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を提供する。
本発明の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000021
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を提供する。
一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。
一部の実施形態において、0または1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、その後の処置コースを実施しない(例えば、0回)。一部の実施形態において、1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、2回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態において、方法は、12ヶ月にわたって合計で1回、2回、または3回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で2回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で3回の処置コースを行う。
一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける。一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約6週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約8週間の間隔をあける。
2回のその後の処置コースが実施される実施形態において、各々のその後の処置コースの間の時間間隔は、前述の初期処置コースとその後の処置コースとの間の前述の時間間隔と同一である(例えば、第1のその後の処置コースの終了と第2のその後の処置コースの開始との間に少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける)。一部の実施形態において、第1のその後の処置コースの終了と第2のその後の処置コースの開始との間に約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示する。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、20またはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約2週間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約14日間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、2週間または14日間である。
一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約14日間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、2週間または14日間である。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約10mg~約100mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約15mg~約75mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約10mg~約100mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約15mg~約75mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約60mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約50mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、約14日間、1日に1回投与する。
他の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約10mg~約100mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約15mg~約75mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約10mg~約100mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約15mg~約75mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、慢性的に投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、1またはそれを超えるカプセル剤で投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、2つのカプセル剤にわたって投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、3つのカプセル剤にわたって投与される。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、脂肪を含む食物とともに投与される。脂肪を含む食物の例としては、堅果、ピーナッツバター、アボカド、卵、およびチーズが挙げられる。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、脂肪を含む食物とともに夜間に(例えば、脂肪を含む夕食後1時間以内または脂肪を含む軽食と共に)投与する。
一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を夜間に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の1時間以内に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の15分以内に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を夜間に1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の1時間以内に1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の15分以内に1日1回投与される。
一部の実施形態において、化合物(1)は結晶形態である。一部の実施形態において、化合物(1)の結晶形態は、PCT出願公開番号WO2018/039378号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に開示の任意の結晶形態である。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態において、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
一部の実施形態において、化合物(1)の結晶形態は、2またはそれを超える結晶形態の混合物を含む。
一部の実施形態において、被験体は処置ナイーブである。一部の実施形態において、被験体は、初期処置コースの開始前の少なくとも30日以内にいかなる抗うつ病薬処置も受けていない。一部の実施形態において、被験体は、初期処置コースの開始前の少なくとも60日以内にいかなる抗うつ病薬処置も受けていない。
一部の実施形態では、被験体は、初期処置コースの開始前に、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000022
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体が処置ナイーブである、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)治療有効量の化合物(1):
Figure 2024510436000023
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体が処置ナイーブである、方法を含む。
一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。
一部の実施形態において、0または1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、その後の処置コースを実施しない(例えば、0回)。一部の実施形態において、1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、2回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態において、方法は、12ヶ月にわたって合計で1回、2回、または3回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で2回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で3回の処置コースを行う。
一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける。一部の実施形態では、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約4週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約6週間の間隔をあける。一部の実施形態において、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、約8週間の間隔をあける。
2回のその後の処置コースが実施される実施形態において、各々のその後の処置コースの間の時間間隔は、前述の初期処置コースとその後の処置コースとの間の前述の時間間隔と同一である(例えば、第1のその後の処置コースの終了と第2のその後の処置コースの開始との間に少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける)。一部の実施形態において、第1のその後の処置コースの終了と第2のその後の処置コースの開始との間に約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示する。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、20またはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約2週間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、約14日間である。一部の実施形態において、初期処置コースの期間は、2週間または14日間である。
一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間または約14日間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約2週間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、約14日間である。一部の実施形態において、各々のその後の処置コースの期間は、2週間または14日間である。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約10mg~約100mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約15mg~約75mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約10mg~約100mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約15mg~約75mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約60mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約50mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で、約14日間、1日に1回投与する。
他の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約10mg~約100mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約15mg~約75mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約10mg~約100mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約15mg~約75mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で1日に1回投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間または約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約14日間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、2週間未満、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約2週間、1日に1回投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で、約14日間、1日に1回投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、慢性的に投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、1またはそれを超えるカプセル剤で投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、2つのカプセル剤にわたって投与される。一部の実施形態において、治療有効量は、3つのカプセル剤にわたって投与される。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、脂肪を含む食物とともに投与される。脂肪を含む食物の例としては、堅果、ピーナッツバター、アボカド、卵、およびチーズが挙げられる。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、脂肪を含む食物とともに夜間に(例えば、脂肪を含む夕食後1時間以内または脂肪を含む軽食と共に)投与する。
一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を夜間に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の1時間以内に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の15分以内に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を夜間に1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の1時間以内に1日1回投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の15分以内に1日1回投与される。
一部の実施形態において、化合物(1)は結晶形態である。一部の実施形態において、化合物(1)の結晶形態は、PCT出願公開番号WO2018/039378号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に開示の任意の結晶形態である。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態において、化合物(1)は、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。一部の実施形態では、化合物(1)は、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある。
一部の実施形態において、化合物(1)の結晶形態は、2またはそれを超える結晶形態の混合物を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000024
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000025
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000026
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000027
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000028
の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約30mg~約50mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000029
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000030
の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体は、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000031
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
被験体は、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000032
の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000033
の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000034
の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
Figure 2024510436000035
の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの化合物(1):
Figure 2024510436000036
の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
本開示の別の態様は、大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
(i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での化合物(1):
Figure 2024510436000037
の薬学的に許容され得る塩の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを被験体に実施すること;および
(ii)0、1、または2回のその後の処置コースを被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースは、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量で、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約14日間、1日に1回被験体に投与することを含み、但し、初期処置コースの終了とその後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
を含み、
ここで、0、1、または2回のその後の処置コースを、初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法を含む。
一部の実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。一部の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。
一部の実施形態において、0または1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、その後の処置コースを実施しない(例えば、0回)。一部の実施形態において、1回のその後の処置コースを実施する。一部の実施形態において、2回のその後の処置コースを実施する。
一部の実施形態において、方法は、12ヶ月にわたって合計で1回、2回、または3回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で2回の処置コースを行う。一部の実施形態において、方法は、初期(第1の)処置コースの開始から12ヶ月にわたって合計で3回の処置コースを行う。
一部の実施形態では、うつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって示する。一部の実施形態では、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、20またはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。一部の実施形態において、被験体におけるうつ病症状の再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す。
一部の実施形態において、化合物(1)を、約10mg~約100mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約15mg~約75mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約30mg~約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約45mg~約55mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約50mgの用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)を、約40mgの用量で投与する。
他の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約10mg~約100mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約15mg~約75mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約30mg~約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約45mg~約55mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、または約60mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約50mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。一部の実施形態において、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約40mgの遊離塩基化合物の等価な用量で投与する。
一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する。一部の実施形態では、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、経口投与する。
一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、食物とともに投与される。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩は、脂肪を含む食物とともに投与される。脂肪を含む食物の例としては、堅果、ピーナッツバター、アボカド、卵、およびチーズが挙げられる。一部の実施形態において、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、脂肪を含む食物とともに夜間に(例えば、脂肪を含む夕食後1時間以内または脂肪を含む軽食と共に)投与する。
一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を夜間に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の1時間以内に投与される。一部の実施形態において、被験体は、化合物(1)または化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、患者が就寝する前の15分以内に投与される。
一部の実施形態において、被験体は処置ナイーブである。一部の実施形態において、被験体は、初期処置コースの開始前の少なくとも30日以内にいかなる抗うつ病薬処置も受けていない。一部の実施形態において、被験体は、初期処置コースの開始前の少なくとも60日以内にいかなる抗うつ病薬処置も受けていない。
III.医薬組成物
本開示の別の局面は、本明細書中に記載される方法で用いるための化合物(1)(「有効成分」とも称される)、および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。別の局面では、本開示は、本明細書中に記載される方法で用いるための有効成分の薬学的に許容され得る塩、および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、有効量の有効成分または有効成分の薬学的に許容され得る塩を含む。ある特定の実施形態において、医薬組成物は、治療有効量の有効成分または有効成分の薬学的に許容され得る塩を含む。一部の実施形態において、化合物(1)の医薬組成物は、PCT出願公開番号WO2022/020363号(前述の出願の内容全体が、その全体において本明細書中で参考として援用される)に開示の任意の医薬組成物である。
本明細書中に提供される薬学的組成物は、種々の経路(経口(経腸)投与、非経口(注射による)投与、直腸投与、経皮投与、皮内投与、鞘内投与、皮下(SC)投与、静脈内(IV)投与、筋肉内(IM)投与、および鼻内投与が挙げられるが、これらに限定されない)によって投与され得る。一部の実施形態において、医薬組成物を経口投与する。
本発明の薬学的組成物はさらに、種々の投薬方法を使用して送達され得る。例えば、特定の実施形態において、この薬学的組成物は、ボーラスとして、例えば、血液中でその化合物の濃度を有効レベルまで上昇させる目的で、与えられ得る。ボーラス用量の配置は、身体全体で望まれる活性成分の全身レベルに依存し、例えば、筋肉内または皮下のボーラス用量は、活性成分のゆっくりとした放出を可能にし、一方で、静脈に直接送達されるボーラス(例えば、IV滴注による)は、より速い送達を可能にし、これは、血液中の活性成分の濃度を有効レベルまで迅速に上昇させる。他の実施形態において、この薬学的組成物は、連続注入として、例えば、IV滴注によって投与されて、被験体の身体内での、活性成分の定常状態濃度の維持を提供し得る。さらに、なおさらに他の実施形態において、この薬学的組成物は、最初にボーラス用量として投与され得、その後、連続注入が行われ得る。
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態をとり得る。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投薬を促進する単位剤形で提供される。用語「単位剤形」とは、ヒト被験体および他の哺乳動物に対する単位投与量として好適な物理的に不連続の単位のことを指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とともに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位剤形としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量%)であり、残りは、様々なビヒクルまたは賦形剤および所望の投薬形態を形成するのに役立つ加工助剤である。
経口投与可能、注射可能または局所的に投与可能な組成物について上に記載された成分は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th edition,1985のPart 8,Mack Publishing Company,Easton,Pennsylvania(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
本発明の組成物は、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
本明細書中に提供した医薬組成物の説明は、主に、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に関するが、そのような組成物は、一般に、あらゆる種類の動物への投与に好適であることが当業者に理解されるであろう。前記組成物を種々の動物への投与に好適にするためのヒトへの投与に好適な医薬組成物の改変は充分に理解されており、通常の技術を有する獣医薬理学者は、通常の実験を用いてそのような改変をデザインおよび/または実施することができる。医薬組成物の製剤化および/または製造における全般的な検討事項を、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams&Wilkins,2005に見出すことができる。
別の局面において、本開示は、大うつ病性障害を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法であって、被験体において大うつ病性障害を処置するためのエピソード投与レジメンを使用して、45mg~55mgの化合物(1)を含む1日量を前記被験体に投与することを含む、方法を含む。
この局面の1つの実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約8週間である。別の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約6週間である。別の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約4週間である。さらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2週間または14日間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、2週間である。
1つの実施形態において、被験体は、エピソード投与レジメンに応答し、ここで、前記応答は、HAM-Dスコアのベースラインからの約50%またはそれを超える低下によって示される。1つの実施形態において、被験体を、うつ病症状の再発または再出現について評価する。
一部の実施形態において、方法は、複数のエピソード投与レジメンを含む。1つの実施形態において、エピソード投与レジメンは、少なくとも8週間の間隔をあける。別の実施形態において、1日量は、45mg~55mgの化合物(1)を含む。別の実施形態において、1日量は、48mg~52mgの化合物(1)を含む。さらなる実施形態において、1日量は、50mgの化合物(1)を含む。
1つの実施形態において、1日量を、夕方に被験体に投与する。別の実施形態において、1日量を、食物摂取に併せてまたは食物摂取の直後に被験体に投与する。
別の局面において、本開示は、大うつ病性障害を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法であって、
(i)45mg~55mgの化合物(1)を含む1日量を、約2週間、毎日1回前記被験体に投与するステップ;および
(ii)うつ病症状の再発に応じて、45mg~55mgの化合物(1)を含む1日量を、約2週間、毎日1回前記被験体に再投与するステップを含み、但し、前記被験体への化合物(1)の投与と前記被験体への化合物(1)の再投与との間に少なくとも8週間の間隔をあける、方法を含む。
この局面の1つの実施形態において、化合物(1)を2週間被験体に再投与する。別の実施形態において、被験体への化合物(1)の投与と被験体への化合物(1)の再投与との間の間隔は、8週間である。さらなる実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。別のさらなる実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。1つの実施形態において、被験体は、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している。別の実施形態において、被験体は、約18歳と約75歳との間である。別の実施形態において、被験体は、約18歳と約65歳との間である。1つの実施形態において、1日量は、48mg~52mgの化合物(1)を含む。さらなる実施形態において、1日量は、50mgの化合物(1)を含む。別の実施形態において、1日量を、夕方に被験体に投与する。別の実施形態において、1日量を、食物摂取に併せてまたは食物摂取の直後に被験体に投与する。1つの実施形態において、化合物(1)を含む1日量は、カプセル剤の形態である。1つの実施形態において、方法は、第2の治療剤を被験体に投与することをさらに含む。
別の局面において、本開示は、キットを使用して、大うつ病性障害を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法であって、キットが、
複数の個別投与単位であって、各々が45mg~55mgの化合物(1)を含む、複数の個別投与単位、および
エピソード投与レジメンを使用して投与単位を被験体に投与するための方法を記載している、指示セット(instruction set)
を含む、方法を含む。
別の局面において、本開示は、キットを使用して、大うつ病性障害を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法であって、キットが、
複数の個別投与単位であって、各々が30mg~50mgの化合物(1)を含む、複数の個別投与単位、および
エピソード投与レジメンを使用して投与単位を被験体に投与するための方法を記載している、指示セット
を含む、方法を含む。
これらの局面の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約8週間である。1つの実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約6週間である。別の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約4週間である。さらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2週間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、2週間である。1つの実施形態において、被験体は、大うつ病性障害と診断されている。さらなる実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。別のさらなる実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。1つの実施形態において、各投与単位は、45mg~55mgの化合物(1)を含む。1つの実施形態において、各投与単位は、48mg~52mgの化合物(1)を含む。さらなる実施形態において、各投与単位は、50mgの化合物(1)を含む。さらなる実施形態において、各投与単位は、40mgの化合物(1)を含む。1つの実施形態において、指示セットに記載の方法は、夕方に投与単位を投与するための指示を含む。別の実施形態において、指示セットに記載の方法は、食物摂取に併せてまたは食物摂取の直後に投与単位を投与するための指示を含む。
別の局面において、本開示は、各々が45mg~55mgの化合物(1)を含む複数の投与量、および大うつ病性障害を処置するためのエピソード投与レジメンを使用して投与量を投与する方法を記載した指示セットを含むキットを含む。この局面の1つの実施形態において、投与量は、化合物(1)の個別投与単位である。さらなる実施形態において、個別投与単位は、48mg~52mgの化合物(1)を含む。なおさらなる実施形態において、個別投与単位は、50mgの化合物(1)を含む。1つの実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約8週間である。別の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約6週間である。さらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約4週間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2週間または14日間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、2週間である。1つの実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。別の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。1つの実施形態において、指示セットは、好適な材料上に印刷されている。別の実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤または錠剤である。さらなる実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤である。一部の実施形態において、個別投与単位は、1号、2号、3号、または4号のカプセルである。1つの実施形態において、カプセルは1号である。
別の局面において、本開示は、各々が30mg~50mgの化合物(1)を含む複数の投与量、および大うつ病性障害を処置するためのエピソード投与レジメンを使用して投与量を投与する方法を記載した指示セットを含むキットを含む。この局面の1つの実施形態において、投与量は、化合物(1)の個別投与単位である。さらなる実施形態において、個別投与単位は、45mg~55mgの化合物(1)を含む。さらなる実施形態において、個別投与単位は、48mg~52mgの化合物(1)を含む。なおさらなる実施形態において、個別投与単位は、50mgの化合物(1)を含む。なおさらなる実施形態において、個別投与単位は、40mgの化合物(1)を含む。1つの実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約8週間である。別の実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約6週間である。さらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2~約4週間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、約2週間または14日間である。なおさらなる実施形態において、エピソード投与レジメンの期間は、2週間である。1つの実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。別の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。1つの実施形態において、指示セットは、好適な材料上に印刷されている。別の実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤または錠剤である。さらなる実施形態において、個別投与単位は、カプセル剤である。一部の実施形態において、個別投与単位は、1号、2号、3号、または4号のカプセルである。1つの実施形態において、カプセルは1号である。
一部の実施形態において、方法は、被験体の認知機能を改善する。一部の実施形態において、方法は、エピソード投与レジメンの完了後に被験体の認知機能を改善する。一部の実施形態において、方法は、被験体に認知障害を引き起こさせない。
別の局面において、本発明は、大うつ病性障害を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害を処置する方法であって、
(i)前記被験体に最初の投与サイクルを実施するステップであって、前記最初の投与サイクルが、約30mgまたは約50mgの化合物(1):
Figure 2024510436000038
を含む1日量を、2週間、毎日1回前記被験体に投与することを含む投与期間、その後の、前記被験体が化合物(1)を投与されない少なくとも8週間の期間を含む非投与期間から本質的になる、最初の投与サイクルを実施するステップ;および
(ii)前記被験体に0、1、2、3、または4回のその後の投与サイクルを実施するステップであって、各々のその後の投与サイクルが、約30mgまたは約50mgの化合物(1)を含む1日量を、2週間、毎日1回前記被験体に投与することを含む投与期間、その後の、前記被験体が化合物(1)を投与されない少なくとも8週間の期間を含む非投与期間から本質的になる、その後の投与サイクルを実施するステップ
を含む、方法を含む。
この局面の1つの実施形態において、最初の投与サイクルおよび全てのその後の投与サイクルの合計の時間は、多くて1年である。別の実施形態において、1年以内に4回以下のその後の投与サイクルを実施する。一部の実施形態において、被験体への化合物(1)の投与と被験体への化合物(1)の再投与との間に8週間の間隔をあける。最初の投与サイクルを受けた被験体への1回またはそれを超えるその後の投与サイクルの施行を、交換可能に化合物(1)の再投与と称し、交換可能に再処置とも称する。1つの実施形態において、各々のその後の投与サイクルを、前の投与サイクルの非投与期間後に、うつ病症状の再発に応じて実施する。別の実施形態において、その後の投与サイクルを必要とするうつ病症状の再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した被験体の評価によって決定する。別の実施形態において、その後の投与サイクルを必要とするうつ病症状の再発を、20以上のHAM-Dスコアによって決定する。さらなる実施形態において、その後の投与サイクルを必要とするうつ病症状の再発を、10以上のPHQ-9スコアによってさらに決定する。なおさらなる実施形態において、その後の投与サイクルを必要とするうつ病症状の再発を、28以上のMADRSスコアによってさらに決定する。1つの実施形態において、非投与期間は少なくとも10週間であり、3回以下のその後の投与サイクルを被験体に実施する。別の実施形態において、非投与期間は少なくとも12週間であり、2回以下のその後の投与サイクルを被験体に実施する。別の実施形態において、非投与期間は少なくとも16週間であり、1回以下のその後の投与サイクルを被験体に実施する。別の実施形態において、非投与期間は少なくとも24週間であり、その後の投与サイクルを被験体に実施しない。一部の実施形態において、うつ病症状は再発しない。一部の実施形態において、最初の投与サイクルは、30mgの化合物(1)の1日量を含む。さらなる実施形態において、ありとあらゆるその後の投与サイクルは、30mgの化合物(1)の1日量を含む。別の実施形態において、1回またはそれを超えるその後の投与サイクルは、50mgの化合物(1)の1日量を含み、その後の投与サイクルの残りは、30mgの化合物(1)の1日量を含む。別の実施形態において、ありとあらゆるその後の投与サイクルは、50mgの化合物(1)の1日量を含む。一部の実施形態において、最初の投与サイクルは、50mgの化合物(1)の1日量を含む。さらなる実施形態において、ありとあらゆるその後の投与サイクルは、50mgの化合物(1)の1日量を含む。別の実施形態において、1回またはそれを超えるその後の投与サイクルは、30mgの化合物(1)の1日量を含み、その後の投与サイクルの残りは、50mgの化合物(1)の1日量を含む。別の実施形態において、ありとあらゆるその後の投与サイクルは、30mgの化合物(1)の1日量を含む。1つの実施形態において、被験体は、鬱病を処置するための任意の形態の医薬に対して処置ナイーブである。さらなる実施形態において、被験体は一次ナイーブである。さらなる実施形態において、被験体は二次ナイーブである。1つの実施形態において、被験体は、抗うつ病薬の薬物治療を現在受けているか、最近受けていた。さらなる実施形態において、被験体は、安定用量の抗うつ病薬の薬物治療を、最初の投与期間の開始前に少なくとも60日間受けた。1つの実施形態において、大うつ病性障害は、中等度の大うつ病性障害である。別の実施形態において、大うつ病性障害は、重度の大うつ病性障害である。1つの実施形態において、被験体は、約1年間にわたって大うつ病エピソードを経験している。1つの実施形態において、被験体は、約18歳と約75歳との間である。さらなる実施形態において、被験体は、約18歳と約65歳との間である。1つの実施形態において、1日量の化合物(1)を、夕方に被験体に投与する。別の実施形態において、1日量を、食物摂取に併せてまたは食物摂取の直後に被験体に投与する。1つの実施形態において、化合物(1)を含む1日量は、カプセル剤の形態である。別の実施形態において、方法は、第2の治療剤を被験体に投与することをさらに含む。
実施例
実施例1.大うつ病性障害を有する成人被験体における化合物(1)による再処置についての安全性、耐容性、および必要性に関するオープンラベルの1年間の第3相試験。
Figure 2024510436000039
主目的:大うつ病障害(MDD)を有し、1年間にわたって大うつ病エピソード(MDE)を現在経験している成人において、化合物1による初期処置および再処置の安全性および耐容性を決定すること。
副次目的:MDDを有し、1年間にわたってMDEを現在経験している成人において初期処置後に化合物1による再処置の必要性を評価すること、ならびにMDDを有し、1年間にわたってMDEを現在経験している成人において化合物1による初期処置の応答および最初の2週間の処置期間の後の再処置の応答を評価すること。
主要エンドポイント:1年間を通した有害事象/有害事象/重篤な有害事象の発生数および重症度、ベースラインからの臨床検査尺度、バイタルサインおよび心電図(ECG)の変化;ならびに希死念慮および自殺行動(コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)を用いて)によって評価される、化合物(1)による初期処置および化合物(1)による再処置の安全性および耐容性。有害事象/重篤な有害事象の発生数および重症度;臨床検査尺度、バイタルサインおよび心電図(ECG)のベースラインからの変化;ならびに自殺念慮および自殺行動(コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)を用いて)によって評価される、化合物(1)による初期処置および化合物(1)による再処置の安全性および耐容性。
副次エンドポイント:最初の再処置までの時間(カプラン・マイヤー曲線)によって評価される化合物1による再処置の必要性、再処置に対する要件を達成した被験体の数、各被験体に対する再処置のサイクル数、14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時におけるベースラインからの17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)総スコアの変化によって評価される初期処置および/または再処置の応答、14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、ベースラインからのHAM-Dスコアの≧50%低下として定義される、HAM-D奏効、14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、≦7のHAM-D総スコアとして定義されるHAM-D緩解、14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、「かなり改善された」または「非常にかなり改善された」として定義される、臨床全般印象-改善(CGI-I)奏効、14日間の処置(初期処置および/または再処置)期間の各々の終了時における、ベースラインからの臨床全般印象-重症度(CGI-S)スコアの変化。
試験集団:被験体は、18~75歳であり、スクリーニングおよび1日目(投与前)にMADRS総スコア28以上およびHAM-D総スコア20以上の大うつ病性障害(MDD)の診断を受けている。
処置群:登録時期によって30mgおよび50mgの用量群に分けた。試験は、以下の2つのコホートから構成される:開始用量として化合物(1)30mgを使用するコホート(30mgコホート;n=725)、開始用量として化合物(1)50mgを使用する初期コホート(50mgコホート;n=199)。化合物(1)30mgを投与している患者は、用量を20mgに減少させることができ、化合物(1)50mgを投与している患者は、用量を40mgに用量を減少させることができた(耐容性に基づく)。全コホートにおいて、患者が化合物(1)を食物とともに経口治療として14日間、夜間に1回自己投与する。
試験デザイン
試験は、スクリーニング期間が28日間まで、処置期間が14日間、追跡調査が1年間までである。図1は、試験の概略である。
スクリーニング期間は、スクリーニング来院時のインフォームドコンセントフォーム(ICF)への署名から開始する;ICFへの署名は、任意のスクリーニング活動を始める前に行われなければならない。MDDの診断は、有資格の医療専門家が行う精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5)のための構造化臨床面接法の臨床試験バージョン(SCID-5-CT)に従って行われなければならない。被験体は、スクリーニング来院時に予備的なスクリーニング手順(MADRS、HAM-D、およびCGI-Sの完了を含む)を受け、適格性が決定される。
被験体が1日目より前の少なくとも60日間安定用量を投与されており、追跡調査期間(42日目)を通して安定用量を継続することに同意する場合、抗うつ病薬を許可した。スクリーニングと42日目の評価の完了との間は、有効性または安全性のエンドポイントに潜在的に影響を及ぼし得る新規の抗うつ病薬または任意の他の医薬の開始を許可しなかった。
適格被験体は、化合物(1)を自宅で夕方に食事とともに服用した。15日目にHAM-D総スコアが少なくとも50%低下した被験体(すなわち、処置サイクル1における奏効例)の試験継続を許可し;他の試験体は、14日間の追跡調査(28日目)後に終了した。
観察期間を継続していた被験体を、2週間ごとにPHQ-9評価によって遠隔でモニターした。任意の評価でPHQ-9スコアが10以上の場合、スコアが10未満に低下するまでPHQ-9評価を毎週に切り替えるか、その後のサイクルにおいて被験体に化合物(1)を投与するかのいずれか早い方を行った。被験体は、10以上のPHQ-9スコアの1週間以内にHAM-D評価のために施設に戻ることになっていた;HAM-D総スコアが20以上であり、化合物(1)の最後投与から少なくとも56日間が経過している場合、化合物(1)の別の投与サイクルを開始することになっていた。これらの基準をいずれも満たさない場合、被験体はその時点において化合物(1)で処置することができなかった。PHQ-9が10以上を示すという来院のきっかけがない場合、被験体は8週間ごとにクリニック来院することになっていた。被験体は、1年以内に多くて5サイクルの処置を受けることができた。図2は、試験の適格基準の記述である。
図3は、投与コホートのフローチャートである。
50mgの導入時点で、過去のサイクルにおいて30mgで処置した被験体を、次の処置サイクルで50mgに切り替えた。
被験体に対する安全性および/または耐容性が保証される場合、任意の処置サイクルにおいて30mgから20mgへ、または50mgから40mgへの用量の低減が許容された。さらに、任意のサイクルにおいて被験体に対する用量を50mgから40mgへ低減する場合、次の処置サイクルで治験責任医師が被験体に対して50mgまたは40mgで開始することを選択した。30mgから20mgへ用量が低減された被験体は、次の処置サイクルにおいて依然として30mgで開始した。
抗うつ病薬の使用を、プロトコル中に定めた特定のルールにしたがって処置サイクルの間に修正することができる。
主な選択基準:4週間以上の症状を呈し、スクリーニングおよび1日目(投与前)にHAM-D17総スコア20以上およびMADRS総スコア28以上のMDDの診断を受けた18~75歳の女性および男性の患者。抗うつ病薬を服用している患者は、第1の処置サイクルを通して継続を意図する意向があった場合、1日目より前の60日間以上の間、同一投与量でこれらの医薬を服用していたに違いない。
主な除外基準:活動性サイコーシス、MDDの現在のエピソードに関連する自殺未遂もしくは自殺の危険性、双極性障害、統合失調症、および/もしくは統合失調感情障害の病歴、または現在のMDE内で十分な用量の2つの異なるクラスの抗うつ病薬(抗精神病薬を除く)による処置を少なくとも4週間の処置にわたって受けたにもかかわらず、持続性のうつ病症状として定義される処置抵抗性うつ病。
サンプルサイズの決定:サンプルサイズは、正式なサンプルサイズ計算に基づかなかった。少なくとも450人の被験体が24週間の試験を完了し、少なくとも150人の被験体が56週間の試験を完了するように、被験体900人のサンプルサイズを選択した。
被験体が投与された異なる用量に関するコホートを、以下のように定義した:
50mgコホート:このコホートは、50mgで処置を開始し、50mgのみでの再処置を受けた被験体を含む。
30mgコホート:このコホートは、再処置で投与された用量と無関係に、30mgで処置を開始した被験体を含む。
低用量コホート:このコホートは、30mgで処置を開始し、30mgのみでの再処置を受けた被験体を含む。
用量切り替えコホート:このコホートは、30mgで初期処置を受け、50mgでその後少なくとも1回の再処置を受けた被験体を含む。
試験期間X:サイクルXにおいて化合物(1)の最初の投与の日に開始し、次のサイクルの最初の投与の1日前まで継続する。一部の実施形態において、Xは、1~5の任意の数である。
処置期間X:サイクルXにおいて化合物(1)の最初の投与の日に開始し、サイクルXの最後の投与の1日後まで継続する。一部の実施形態において、Xは、1~5の任意の数である。
処置サイクルX:サイクルXにおいて化合物(1)の最初の投与の日に開始し、サイクルXの最後の投与の14日後まで継続する。処置サイクルは、C1~C5と示され得る。
観察期間X:処置サイクルXを終了した翌日に開始し、次の処置サイクルの開始の1日前まで継続する。一部の実施形態において、Xは、1~5の任意の数である。
前記のことを使用して、試験期間1について、30mgコホートは、低用量コホートと用量切り替えコホートを組み合わせた群と本質的に同一であった。725人の被験体は、30mgコホートで投与し(低用量コホートにおけるn=645および用量切り替えコホートにおけるn=80)、199人の被験体は50mgコホートで投与した。30mgコホートは、1年間の追跡調査を完了していた。
解析対象集団:安全性解析対象集団を、治験薬を投与された全ての被験体と定義した。期間特異的安全性解析対象集団は、対応する処置サイクルにおいて治験薬を投与された安全性解析対象集団中の被験体を含む。最大の解析対象集団(FAS)を、処置サイクル1の15日目にHAM-D奏効を呈した安全性解析対象集団中の全ての被験体と定義し、研究日からの中止は、存在する場合、処置サイクル1の終了後であった。(処置サイクルXの奏効例は、処置サイクルXにおける15日目のHAM-D総スコアがベースラインから少なくとも50%の低下を示す安全性解析対象集団の被験体であった。処置サイクルXにおける15日目のHAM-D総スコアを欠く場合、被験体は、非奏効例と見なされた)。
用量切り替えコホートを、処置サイクル1の1日目に30mgを投与され、その後の再処置サイクルの1日目に50mgを投与された安全性解析対象集団中の全ての被験体と定義した。
統計分析
可能である限り、化合物(1)全体コホートとしてまとめた全コホートに加えて、データを、全コホートについて個別に示した。用量切り替えコホートについて、データを、試験期間によって、特定の期間における用量分配あたりに投与された処置サイクルXの1日目の用量によって、ならびに化合物(1)全体(投与された用量と無関係)について示した。全ての表示は、処置の計画については考慮せず、受けた処置に基づいて示した。
被験体の性質(各サイクルで投与された被験体の数および正確にX数の処置サイクルで投与された被験体の数が挙げられる)を提供している。処置サイクル1で投与された被験体(安全性解析対象集団)に関して、処置サイクル1についてのHAM-D総スコア、HAM-D奏効および寛解の記述統計学を提供している。各々の処置サイクルにおける投与された被験体についてのHAM-D総スコアの残りの解析にはFASを使用する。各々の試験期間についてのHAM-D総スコアのベースラインからのLS平均の変化の折れ線グラフを、各々の試験期間および各々の用量コホートについての混合効果・反復測定モデル(MMRM)に個別に基づいて提供する;モデルは、期間特異的ベースラインスコア、ベースラインでの抗うつ病薬の使用(ありまたはなし)、評価時点のそれぞれを説明変数として含む。各々のサイクルにおける最初の用量による用量切り替えコホートについてのHAM-Dの概要を提供している。さらに、現在および過去の処置サイクルについてのサイクルXで投与された被験体についてのHAM-D総スコアの概要を提供する。現在のサイクルにおいて非奏効例である被験体についての過去のサイクルについての15日目の奏効を提供する。試験期間によるHAM-D奏効および寛解についてのバーチャートを提供している。
安全性の解析のために、適宜用量切り替えコホートに加えて期間特異的安全性解析対象集団を使用している。処置期間を、試験期間における最初の投与日から最後の投与日+1日までと定義する。処置サイクルを、試験期間中の最初の投与日から最後の投与日の14日後までと定義する。以下についての有害事象を用量コホートごとに分析している:
1.試験治療下で発現した有害事象の概略(TEAEを呈した被験体の数および百分率、処置サイクル期間、処置期間、処置後期間についてのTEAE、最大重症度までのTEAE、治験薬の中止または用量の低減に至るTEAE、重篤なTEAE-全体および試験期間ごと、が挙げられる)。
2.SOCおよびPT別の処置サイクル期間AE-試験期間別、ならびに用量切り替えコホートを用いた試験期間の最初の投与別。
3.SOC/PT別の処置サイクル期間AEおよび最大重症度-試験期間別、ならびに用量切り替えコホートを用いた試験期間の最初の投与別。
4.SOC/PT別の治験薬離脱に至るTEAE。
5.SOC/PT別の治験薬の用量の低減に至るTEAE。
6.SOC/PT別の処置サイクル期間の重篤なTEAE-試験期間別、および用量切り替えコホートを用いた試験期間の最初の投与別。
実施例2.実施例1からの結果-最も重要な結果。
この実施例2で使用したデータは、30mgの用量を用いて試験を開始した最後の被験体の試験完了日であるカットオフ日を用いたデータであった。50mgコホートの全被験体は、このカットオフ日現在の28日間の処置サイクル1を完了していたが、任意の再処置のために適格であるのに十分長く試験に参加していなかった者もいた。このデータカットオフ日現在、処置サイクル3(最初のサイクルを含む)において50mgコホート中の1人の被験体のみが投与された。
図4Aおよび4B中のダイヤグラムは、被験体のフローの概略を提供する。
結果
主要評価項目-安全性
用量コホートにわたって、試験治療下で発現した有害事象(TEAE)を報告した被験体の比率は類似していた:50mgコホート:62.8%(125/199);30mgコホート:68.0%(493/725);低用量コホート:67.6%(436/645);用量切り替えコホート:71.3%(57/80)
任意の用量コホートにおいて5%を超える被験体で生じたTEAEを、以下の表に提供する。
Figure 2024510436000040
これまで化合物(1)50mgを投与されている被験体の全体的な安全性の所見は、30mgで認められた安全性の知見と同程度であり、化合物(1)の公知の安全性プロフィールからも逸脱していない。
TEAEの大部分は全ての用量コホートにおいて軽度から中等度であり、全ての用量コホートにわたって同様の発生率を示した。
Figure 2024510436000041
治験薬中止に至るTEAEを報告した被験体のパーセントは、50mgコホートで6.5%(13/199)、低用量コホートで2.8%(18/645)、用量切り替えコホートで1.3%(1/80)であった。
試験からの離脱に至るTEAEを報告した被験体のパーセントは、50mgコホートで7.0%(14/199)、低用量コホートで4.8%(31/645)、用量切り替えコホートで1.3%(1/80)であった。
用量の低減に至るTEAEを報告した被験体のパーセントは、50mgコホートでは17.1%(34/199)、サイクル1では2人を除いた全員、サイクル2では2/26であった。低用量コホートでは、それぞれ、全体では5.0%(32/645):サイクル1では3.4%(22/645)、サイクル2では4.4%(9/206)、サイクル3では2.3%(2/86)、サイクル4では0(0/43)、サイクル5では10%(2/20)であった。用量切り替えコホートでは、全体では15.0%(12/80):30mgを投与したサイクル1およびサイクル2の各々では2.5%(3/80);サイクル3では4.2%(3/71)、サイクル4では3.8%(2/53)、50mgに切り替えたサイクル5では17.4%(4/23)であった。傾眠、眩暈、鎮静、および頭痛が、用量の低減に至る最もよく見られるAEである。
副次評価項目-有効性
Figure 2024510436000042
登録(20以上のHAM-D、28以上のMADRS)および投与した全被験体
15日目の30mgコホートについて、ベースラインからの平均の変化は、-15.2±7.1(n=687)であった;505人(73.5%)の患者が奏効を達成し、276人(40.2%)が寛解(HAM-Dが7以下)を達成した。50mgコホートにおける初期処置コースの15日目に、ベースラインからの平均HAM-Dの変化は-16±6.0であった;149/185人(80.5%)が奏効を達成し、80/185人(43.2%)が寛解を達成した。経時的なHAM-D総スコアの変化-試験期間1(安全性解析対象集団)を、図5に示す。初期のHAM-D奏効および寛解を、図6Aおよび6Bにそれぞれ示す。
表4は、安全性解析対象集団における再処置の概要を示す。
Figure 2024510436000043
[1]再処置に適格とは、被験体が処置サイクル1を完了し、最後の投与日後、56日以内に試験を中断しなかったことを意味する。
[2]再処置の資格があるとは、被験体が再処置に適格であり、再処置前のHAM-D総スコアが20以上であったことを意味する。
[3]百分率は、分母として再処置に適格な被験体の数を使用する。
Figure 2024510436000044
表5に示すように、大部分の患者(68.5%)は、30mgコホートにおいて12ヶ月の追跡調査期間にわたって1回または2回のみの化合物(1)での処置を受けた。
被験体あたりの1年間の追跡調査にわたる再処置の平均(範囲)数は、低用量コホートについては0.8(0~4)、用量切り替えコホートについては2.8(1~4)であった。概して、30mgコホートでは、再処置の平均数は1.2(0~4)であった。既存の抗うつ病薬治療がある場合およびない場合における再処置率は類似していた。この報告時点に、50mgコホートの被験体で6ヶ月を超える試験を受けていた者はなく、大部分(n=114)の追跡期間が3ヶ月未満であり、1回を超える再処置を受けた被験体はたった1人であった。
Figure 2024510436000045
前の処置サイクルにおけるベースラインでの抗うつ病薬の使用別の再処置の間のタイムラグ(日数)を、表7に示す。抗うつ病薬を使用で、再処置の間の時間の長さは大きく相違しなかった。
Figure 2024510436000046
低用量コホートにおける処置サイクル別の奏効率は、以下の通りであった:処置サイクル2:59.3%(118/199)の総奏効率。処置サイクル3:57.8%(48/83)の総奏効率、そのうちの75%(36/48)の被験体が処置サイクル2における奏効例であり、残りが処置サイクル3における奏効例であった。25%(12/483)は、再処置が奏効した処置サイクル2における非奏効例であった。処置サイクル4:51.2%(22/43)の総奏効率、そのうちの81.8%(18/22)の被験体が処置サイクル3における奏効例であり、63.6%(14/22)の被験体が処置サイクル2における奏効例であり、残りが処置サイクル4における奏効例であった。18.2%(4/22)の被験体が、処置サイクル3における非奏効例であり、36.4%(8/22)が処置サイクル4において再処置が奏効した処置サイクル2における非奏効例であった。処置サイクル5:50.0%(10/20)の総奏効率、そのうちの処置サイクル4における90%(9/10)、処置サイクル3における80%(8/10)、および処置サイクル2における70%(7/10)の被験体が奏効例であり、残りが処置サイクル5における奏効例であった。1%(1/10)、20.0%(2/10)、および30%(3/10)の被験体が、処置サイクル5における再処置が奏効した処置サイクル4、処置サイクル3、および処置サイクル2のそれぞれにおける非奏効例であった。
図7は、処置サイクル別の15日目のHAM-D奏効/非奏効の棒グラフを提供する(低用量コホートのみ(FAS))。内側のバーは、前のサイクルにおける奏効例のパーセントを示す。
図8は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用(あり/なし)別の、各々の処置サイクルにおける15日目の期間特異的ベースラインからのHAM-D総スコアの変化の箱ひげ図を提供する-低用量コホート(処置サイクル1については安全性解析対象集団、処置サイクル2~5についてはFAS)。
実施例3.実施例1からの結果-最大の解析対象集団。
被験体の性質
この実施例3で使用したデータは、30mgの用量を用いて試験を開始した最後の被験体の試験完了日であるカットオフ日を用いた実施例1の試験からのデータであった。この実施例は、実施例2からの追加の結果を示す。
合計924人の被験体を、処置サイクル1(C1)において化合物(1)で処置し、ここで、725人の被験体を30mgコホートにおいて処置し(低用量コホートにおける645人の被験体および用量切り替えコホートにおける80人の被験体)、199人の被験体を50mgコホートにおいて処置した。
30mgで最初に処置した725人の被験体のうち、202(31.3%)人の被験体が、試験から早期に離脱したか、処置サイクル1中に試験から離脱した。202人の被験体のうち、146人(72.3%)が、15日目のHAM-Dの50%低減を満たさなかったので、試験を中止した。523(72.1%)人の被験体が処置サイクル1を完了した。
表8に示すように、30mgで最初に処置した725人の被験体のうち、413(57%)人の被験体が、30mgコホートにおいて1年間の完了前に試験から早期に離脱した。これらの413人の被験体のうち、173(41.9%)人が、処置サイクル1の奏効例の基準を満たさなかったので離脱した。これらの173人の被験体のうちの146人が、プロトコルに従わなかったので、処置サイクル1内で試験を中止し、27人のさらなる被験体が処置サイクル1において非奏効例であるために処置サイクル1の完了後に試験を中止した(よって合計で173人となる)。
30mgで最初に処置した725人の被験体のうち、725人の被験体のうちの489(67.4%)人の被験体(低用量コホートにおける409人の被験体および用量切り替えコホートにおける80人の被験体)は処置サイクル1における奏効例であり、それ故、処置サイクル1を完了した奏効例はFASとされた。
用量切り替えコホートにおける80人の被験体のうち、処置サイクル2における10人、処置サイクル3における21人、処置サイクル4における38人、および処置サイクル5における11人の被験体が50mgに切り替えた。処置サイクル3において50mgに切り替えた被験体のうちの2人が、用量を40mgに低減させた処置サイクル4を開始した。このコホートにおける4人の被験体が、50mgに切り替えたときにサイクル中に試験から離脱した-1人は処置サイクル2中に試験処置を中止し、医師の決断によって離脱した;1人は処置サイクル5中に処置を中止し、有害事象のために離脱した;1人は処置サイクル4中に同意を撤回し、1人は処置サイクル5を完了したが、スケジュールの都合で試験終了時の来院を完了することができなかったので離脱した。
50mgコホートで投与された199人の被験体のうち、64(32.2%)人の被験体が、データカットオフ日までに試験から離脱していた。試験から離脱した64人の被験体のうち、35人(54.7%)が15日目にHAM-Dの50%低減を満たさなかったので離脱し、14人(21.9%)が有害事象のために離脱した。50mgで最初に処置した199人の被験体のうち、146人(73.4%)がFASにカウントされた(処置サイクル1における奏効例で、処置サイクル1で試験を中止しなかった)。
Figure 2024510436000047
人口統計およびベースラインの特徴
試験に登録している被験体の人口統計およびベースラインの特徴は、30mgコホートと50mgコホートとの間で十分にバランスがとれていた。全体的に見て、約68%が女性であり、81%が白人であり、平均年齢が45歳(SD:14.13歳)であった。約42%の被験体が、ベースラインで抗うつ病薬を使用していた。82%の被験体のベースラインHAMDは22以上であった。
Figure 2024510436000048
Figure 2024510436000049
有効性の結果
1.HAM-D総スコア
Figure 2024510436000050
[1]ベースラインの行は、HAM-D総スコアの平均±SDを示す
図5は、試験期間1についてのHAM-D総スコアのベースラインからのLS平均(±SE)の変化の折れ線グラフを提供する。
図9は、各々の処置サイクルにおける15日目のベースラインHAM-D総スコアからの変化の箱ひげ図を提供する(処置サイクル1については安全性解析対象集団、C2~C5についてはFAS)。
図10は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用(あり/なし)別の、各々の処置サイクルについての15日目の期間特異的ベースラインからのHAM-D総スコアの変化の箱ひげ図を提供する-低用量コホート(処置サイクル1については安全性解析対象集団、C2~5についてはFAS)。
2 HAM-D奏効
Figure 2024510436000051
図11は、経時的なHAM-D奏効のバーチャートを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。図12は、ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、試験期間1における経時的なHAM-D奏効のバーチャートを提供する(安全性解析対象集団)。図13は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D奏効のバーチャートを提供する-低用量コホート(安全性解析対象集団)。
3 HAM-D寛解
Figure 2024510436000052
図14は、経時的なHAM-D寛解のバーチャートを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。図15は、ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、試験期間1における経時的なHAM-D寛解のバーチャートを提供する(安全性解析対象集団)。図16は、期間特異的ベースラインでの抗うつ病薬の使用別の、各々の処置サイクルにおける15日目のHAM-D寛解のバーチャートを提供する-低用量コホート。
4 ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体(総スコア、奏効、および寛解)
表14、15、および16は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体の種々の時点でのHAM-D総スコア、奏効、および寛解をそれぞれ示す。図17は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体についてのベースラインからのLS平均(±SE)の変化の折れ線グラフを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。図18および図19は、ベースラインHAM-Dスコアが24以上であった被験体についての、HAM-D奏効および寛解のそれぞれのバーチャートを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。
Figure 2024510436000053
[1]ベースラインの行は、HAM-D総スコアの平均±SDを示す
Figure 2024510436000054
Figure 2024510436000055
5 ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体(総スコア、奏効、および寛解)
表17、18、および19は、ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体の種々の時点でのHAM-D総スコア、奏効、および寛解をそれぞれ示す。図20は、ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体についてのベースラインからのLS平均(±SE)の変化の折れ線グラフを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。図21および図22は、ベースラインHAM-Dスコアが26以上であった被験体についての、HAM-D奏効および寛解のそれぞれのバーチャートを提供する-試験期間1(安全性解析対象集団)。
Figure 2024510436000056
[1]ベースラインの行は、HAM-D総スコアの平均±SDを示す
Figure 2024510436000057
Figure 2024510436000058
6 再処置
被験体あたりの再処置の平均(範囲)数は、低用量コホートについては0.8(0~4)、用量切り替えコホートについては2.8(1~4)である。概して、30mgコホートでは、再処置の平均数は1.2(0~4)であった。この報告時点に、50mgコホートの被験体で6ヶ月を超える試験を受けていた者はなく、大部分(n=114)が3ヶ月未満であり、1回を超える再処置を受けた被験体はたった1人であった。
Figure 2024510436000059
[1]再処置に適格とは、被験体が処置サイクル1を完了し、最後の投与日後、56日以内に試験を中断しなかったことを意味する。
[2]再処置の資格があるとは、被験体が再処置に適格であり、再処置前のHAM-D総スコアが20以上であったことを意味する。
[3]百分率は、分母として再処置に適格な被験体の数を使用する。
Figure 2024510436000060
[1]C1で投与された被験体数に基づいた百分率
[2]FAS中の被験体数に基づいた百分率
Figure 2024510436000061
Figure 2024510436000062
[1]N=サイクルXでの投与に適格なFAS被験体数;n=サイクルXでの投与に適格であり、かつ投与されたFAS被験体数。
Figure 2024510436000063
図23は、処置サイクル別の各々の再処置までの時間の箱ひげ図を提供する。
7 奏効例対非奏効例における有効性
Figure 2024510436000064
+百分率の分母は、現在のサイクルでの投与被験体の数である。
百分率の分母は、現在のサイクルでの奏効例または非奏効例の数である。
図24は、前の処置サイクルにおける奏効例のパーセントを付記したHAM-D奏効/非奏効例のバーチャートを提供する-低用量(FAS)(内側のバーは、前のサイクルにおける奏効例のパーセントを示す)。
図25は、前の処置サイクルにおける非奏効例のパーセントを付記したHAM-D奏効/非奏効例のバーチャートを提供する-低用量(FAS)(内側のバーは、前のサイクルにおける非奏効例のパーセントを示す)。
8 現在および過去のサイクルにおけるHAM-D総スコア
低用量コホート
Figure 2024510436000065
n=計算の基本となる被験体数。
用量切り替えコホート
Figure 2024510436000066
n=計算の基本となる被験体数。
用量切り替えコホートは、30mgの用量で試験を開始したが、その後の処置サイクルにおいて50mgに切り替えた被験体を含む。
安全性の結果(有害事象)
以下の3つのコホートにわたって類似の比率の被験体が試験治療下で発現した有害事象(TEAE)を報告した:50mgコホートにおける60.5%(46/76)および低用量コホートにおける66.6%(451/677)および用量切り替えコホート被験体における77.1%(37/48)。
Figure 2024510436000067
処置期間TEAEは、化合物(1)の最初の投与と最後の投与の間+1日に発現するTEAEである。処置サイクル期間TEAEは、化合物(1)の最初の投与と最後の投与の14日後の間に発現するTEAEである。
任意の用量コホートにおいて5%を超える被験体で起こったTEAEを表29に提供する。
Figure 2024510436000068
TEAEの大部分は全ての用量コホートにおいて軽度から中等度であり、全ての用量コホートにわたって同様の発生率を示した。
Figure 2024510436000069
化合物(1)50mgを投与されている被験体における全体的な安全性の所見は、30mgで認められた安全性の知見と同程度であり、化合物(1)の公知の安全性プロフィールから逸脱していない。既存の抗うつ病薬治療がある場合およびない場合と無関係に、類似の有害事象が報告された。カットオフ日現在で意識消失の事象は、報告されなかった。
処置サイクル1中に、2.5%(5/199)の被験体が、50mgコホートにおいてSAEを報告し、低用量コホートにおいては0.9%(6/645)が報告した。50mgコホートでは、5つのSAEのうちの3つは、治験薬に関連する可能性が高いと見なされた;被験体を薬物から離脱させ、以下の各症例において試験を中断した:錯乱状態を呈する被験体1人、無力症を呈する被験体1人、およびせん妄を呈する被験体1人。50mgコホートでは、治験薬に関連しないと見なされる5つのSAEのうちの2つは、自殺未遂および意図的自傷であった;これらの両方は7日以内に解決した。
低用量コホート(30mgのみ)では、SAEは治験薬に関連する可能性が高いともおそらく関連するとも見なされなかった。6つのSAEのうちの5つは強度において重度と見なされたにもかかわらず、1つ(頭蓋内動脈瘤)のみが試験を中止する結果となった。
Figure 2024510436000070
試験からの離脱に至るTEAEを報告した被験体のパーセントは、50mgコホートで7.0%(14/199)、低用量コホートで4.8%(31/645)、用量切り替えコホートで1.3%(1/80)であった。
用量の低減に至るTEAEを報告した被験体のパーセントは、50mgコホートでは17.1%(34/199)、サイクル1では2人を除いた全員、サイクル2では2/26であった。低用量コホートでは、それぞれ、全体では5.0%(32/645):サイクル1では3.4%(22/645)、サイクル2では4.4%(9/206)、サイクル3では2.3%(2/86)、サイクル4では0(0/43)、およびサイクル5では10%(2/20)であった。用量切り替えコホートでは、全体では15.0%(12/80):30mgを投与したサイクル1およびサイクル2の各々では2.5%(3/80);サイクル3では4.2%(3/71)、サイクル4では3.8%(2/53)、50mgに切り替えたサイクル5では17.4%(4/23)であった。傾眠、眩暈、鎮静、および頭痛が、用量の低減に至る最もよく見られるAEである。
Figure 2024510436000071
処置期間を、最初の投与から最後の投与まで+1日と定義する。処置サイクルを、最初の投与から最後の投与後の14日間の追跡調査の終了までと定義する。
結論
第1コースの化合物(1)30mgは、一般に耐容性が高く、安全性アウトカムが以前の試験と一致していた。30mgコホートでは、68.5%の被験体は、1回を超える再処置を受けなかった。(30mgのみで処置された)低用量コホートでは、被験体は、平均で0.8回の再処置(すなわち、合計1.8回の処置)を受けた。30mgコホートでは、被験体は、平均で1.2回(すなわち、合計2.2回の処置)を受けた。初期処置コースに対して奏効を示した30mgコホートにおけるおよそ70%の患者が、多くてさらに1回の処置コースを使用した。
初期奏効率は、30mgおよび50mgコホートにおいてそれぞれ73.5%対80.5%であった。
化合物(1)30mgおよび化合物(1)50mgの安全性および耐容性プロファイルは、以前の治験で認められたものと一致する。これまでにいずれの群においても、意識消失の事象は報告されなかった。30mgコホートおよび50mgコホートにおけるほとんどのTEAEは、軽度または中等度であった。
実施例4.50mgコホートの1年間の追跡調査
序論
実施例4は、実施例1に記載の試験(大うつ病性障害を有する成人被験体における化合物(1)による再処置についての安全性、耐容性、および必要性に関するオープンラベルの1年間の第3相試験)由来のさらなるデータを提供する。実施例2~3は、30mgコホート(n=725)が1年間の追跡調査を完了したときに終了する時点までのデータを示す。50mgコホートについてのいくつかの初期のデータ(30mgコホートが1年間の追跡調査を完了した時点で利用可能である)を、実施例2~3に提供する。実施例4は、50mgコホート(n=199)が1年間の追跡調査を完了したときに終了するその後の時点までのデータを示す。実施例4は、50mgコホートについて現時点で収集し、解析したさらなるデータを提供しているが、実施例2~3における30mgコホートについて記載のデータ、結果、または結論を変更しない。
実施例4で使用したデータは、50mgコホート(n=199)において試験を開始した最後の被験体の試験完了日であるカットオフ日を用いたデータである。実施例2~3では、50mgコホートにおける全ての被験体が処置サイクル1を完了したが、任意の再処置に適格であるのに十分長く試験に参加していなかった者もいた。実施例2~3のデータカットオフ日現在で、50mgコホートにおいて処置サイクル3で投与された被験体はたった1人であった。実施例4のデータカットオフ日現在で、50mgコホートにおける全被験体が1年間の追跡調査を完了した。
結果
試験登録時点での50mgコホートについての平均ベースラインHAMDスコア(±SD)は、25.1±3.29(n=199)であった。ベースラインでは、81人(40.7%)の患者は、既存の抗うつ病薬治療(ADT)を継続して受けており、一方で、118人(59.3%)はADTを受けていなかった。
化合物(1)50mgは、一般に耐容性が高く、1またはそれを超える処置サイクルを受けた、1年間まで追跡調査を受けた50mgコホート被験体について、実施例4のカットオフ日現在で利用可能なデータにおいて新規の安全性の知見も傾向も同定されなかった。経時的な耐容性を通知するために、処置サイクル中および処置サイクルの中間および複数の処置サイクルにわたって安全性を評価した。199人の50mgコホート被験体のうちの137人(68.8%)は、少なくとも1つの有害事象を報告し、これは30mgコホート(68.0%)に類似していた。大部分の50mgコホート被験体は、最大重症度が軽度から中等度までの試験治療下で発現した有害事象(TEAE)を報告した。最もよく見られる(少なくとも5%が報告した)試験治療下で発現した有害事象(TEAE)は、傾眠(32;16.1%)、眩暈(30;15.1%)、頭痛(25;12.7%)、鎮静(20;10.1%)、不眠症(14;7.0%)、嘔気(13;6.5%)、および振戦(11;5.5%)であった。
50mgコホート被験体によって報告されたTEAEのタイプは、30mgコホート被験体によって報告されたものと類似していた。傾眠、眩暈、鎮静、および振戦などの薬物有害反応の頻度は、50mgコホートで高かった;しかしながら、TEAEの重症度およびアウトカムは、30mgコホートおよび化合物(1)の安全性プロファイル全体と一致していた。治験薬の中止および試験からの離脱に至るTEAEを報告している50mgコホート被験体のパーセントは、それぞれ、6.5%(13/199)および8.0%(16/199)であった。
コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)によって測定した場合、いかなる試験期間や用量コホートにおいても、ベースラインと比較して自殺念慮または自殺行為が増加したという徴候は認められなかった。50mgコホート由来の有害事象プロファイル全体は、一般に、以前に報告されたデータと一致し、報告されたTEAEのタイプは、化合物(1)臨床プログラムを通して報告されたものに類似している。
15日目(処置サイクル1)に、50mgコホートについてのベースラインからのHAM-D平均の変化は、-16.0±6.04(n=185)であった。約149人の被験体(74.9%)が奏効(ベースラインからのHAM-Dの少なくとも50%の低下)を達成し、80人の被験体(40.2%)が寛解(7またはそれ未満のHAM-D)を達成した。149人の奏効例のうち、3人の被験体が28日目以前に試験から離脱し、28日目以降の試験に146人の被験体が残った(すなわち、50mg化合物(1)で最初に処置された199人の被験体のうち、146人、すなわち約73.4%がFASに含まれた)。28日目以降の試験における146人の被験体のうち、79.5%が多くて1回のさらなる化合物(1)処置サイクルを受けた。54.8%(n=80)が、合計で1回の処置コースを受けた;24.7%(n=36)が合計で2回の処置コースを受けた;10.3%(n=15)が合計で3回の処置コースを受けた;6.8%(n=10)が合計で4回の処置コースを受けた;3.4%(n=5)が合計で5回の処置コースを受けた。50mgコホートにおける約79.5%のFAS被験体は、1回を超える再処置を受けなかった。
0回または多くて1回のさらなる化合物(1)処置サイクルを受けた50mgコホートにおける被験体の比率は、ベースラインでの抗うつ病薬治療の使用と無関係に類似していた。
実施例5.実施例1の試験における患者の亜集団
実施例5.1-MDDおよび代謝性共存症
実施例5.1は、実施例1に記載の試験の代謝性共存症を有するMDD患者についてのデータを提供する。
序論
代謝性共存症を有するMDD患者は、抗うつ病薬に関連するさらなる有害事象(例えば、体重増加、代謝異常)に直面し、奏効が不十分であることが多い。この実施例は、MDDおよび代謝性共存症を有する患者における実施例1の臨床試験の事後解析由来の結果を示す。
方法
実施例1の臨床試験では、18~75歳で、HAMD-17スコア20以上およびMADRS総スコア28以上のMDD患者を以下の2つのコホートのうちの1つに登録した:30mgコホートおよび50mgコホート。15日目のHAMD-17奏効例(ベースラインから50%以上低下)が試験を継続し、再処置適格性について評価された。
代謝性共存症を有する患者を、患者の病歴において以下のコード名によって同定した:肥満、高脂血症、高コレステロール血症、2型糖尿病、1型糖尿病、耐糖能障害、高トリグリセリド血症、脂質異常症、代謝症候群、および/または糖尿病性脂質異常症。
結果
実施例1の試験には、924人の患者が登録した(30mgコホート n=725;50mgコホート n=199)。これらのうちで、253/924人(27.4%)の患者が代謝性共存症を有していた(30mgコホート 197/725;27.2%;50mgコホート 56/199;28.1%)。ベースライン人口統計対全集団:平均(SD)年齢52.2(12.4)歳対45.0(14.1)歳;ヒスパニック30.4%対23.8%;抗うつ病薬の使用 54.2%対41.8%;平均(SD)kg/mBMI 33.4(6.7)対30.0(6.54)。
第1の処置サイクルの15日目でのHAMD-17における平均(SD)CFB(代謝性共存症亜集団対集団全体)は、-14.8(7.10)対-15.4(6.9)であった;HAMD-17奏効率は67.3%対75.0%であった;HAMD-17寛解率は37.1%対40.8%であった。
第1の処置サイクルに奏効を示し、かつ完了した代謝性共存症亜集団における161/253人の患者について、90人(55.9%)は、試験期間中にさらなる処置コースを必要としなかった(対43.7%全体);総処置コースの平均(範囲)数は、1.9(1~5)対1.8(1~5)全体であった。
研究期間にわたって1以上のTEAEを有する代謝性共存症亜集団中の患者の数は、167/253(66.0%)であった;大部分は軽度/中等度であった(148/167;88.6%)。この亜集団対全体においてよく見られる(5%以上)TEAEとしては、頭痛(14.2%対13.9%)、傾眠(13.8%対12.8%)、眩暈(9.1%対9.1%)、下痢(6.7%対6.3%)、上気道感染(5.9%対6.3%)、口内乾燥(5.5%対5.5%)、および鎮静(5.1%対8.7%)が挙げられた。TEAEにより、8/253人(3.2%)の患者が治験薬の中止に至った;19/253人(7.5%)の患者が用量の低減に至った;11/253人(4.3%)の患者が試験からの離脱に至った。
結論
化合物(1)は、MDDおよび代謝性共存症を有する患者において一般に耐容性が高く、試験集団全体中の患者と類似の安全性アウトカムおよび有効性アウトカムを示した。これらの結果は、化合物(1)がMDD患者(代謝性共存症を有する患者が含まれる)を必要に応じて処置する潜在力があるので、化合物(1)のさらなる開発を支持している。
実施例5.2-MDDを有する閉経後女性
実施例5.2は、実施例1に記載の試験のMDDを罹患している閉経後女性に分類された患者についてのデータを提供する。
序論
早期閉経中のホルモンの変化は、抗うつ病薬(ADT)の代謝に影響を及ぼし得ることが多い。閉経後/高齢女性は、ADTに十分に応答しない場合がある。この実施例は、MDDを有する閉経後女性における実施例1に記載の試験の事後解析を示す。
方法
実施例1に記載の試験には、18~75歳で、HAMD-17が20以上およびMADRS総スコアが28以上のMDD患者を以下の2つのコホートのうちの1つに登録した:30-mgコホートおよび50-mgコホート。15日目のHAMD-17奏効例(ベースラインから50%以上低下)が試験を継続し、反復処置適格性について評価された。45歳以上の閉経後女性を、ベースラインでの濾胞刺激ホルモン40超(中央検査室のデータ)および病歴コード名に「閉経期」が含まれる場合に基づいて同定した。
結果
実施例1に記載の試験には、924人の患者が登録した(30mgコホート n=725;50mgコホート n=199);152/924人(16.5%)の閉経後女性が、第1の14日間の処置コースにおいて、化合物(1)30mg(110/725;15.2%)または化合物(1)50mg(42/199;21.1%)のいずれかを投与された。年齢および性別以外で、この亜集団における患者のベースライン人口統計は、それぞれ試験集団全体のそれと一般に一致していた:平均(SD)年齢、58.7(6.72)歳対45.0(14.1)歳;平均(SD)HAMD-17、25.7(3.92)対25.3(3.9);抗うつ病薬の使用、52.6%対41.7%。
閉経後患者における15日目(第1の処置期間の最終日)でのHAMD-17の平均(SD)CFBは、-16.0(7.00)対-15.4(6.9)(試験集団全体における)であった。15日目のHAMD-17奏効率は、75.7%対75.0%(試験集団全体における)であった。15日目のHAMD-17寛解率は、39.6%対40.8%(試験集団全体における)であった。
処置サイクル1に奏効を示し、かつ完了した106/152人の閉経後患者について、45人(42.5%)は、試験期間中にさらなるコースを必要としなかった;総処置コースの平均(範囲)数は、2.2(1~5)であった。
試験期間にわたって少なくとも1つのTEAEを有する閉経後患者の数は、102/152(67.1%)であった。大部分は、軽度または中等度のTEAEを経験した(90/102;88.2%)。閉経後患者においてよく見られる(5%以上)TEAE(対集団全体)は、頭痛(13.2%対13.9%)、傾眠(12.5%対12.8%)、眩暈(11.8%対9.1%)、下痢(7.9%対6.3%)、上気道感染(7.9%対6.3%)、口内乾燥(7.2%対5.5%)、鎮静(6.6%対8.7%)、および不眠症(6.6%対5.4%)を含んでいた。TEAEにより、8/152人(5.3%)の患者が治験薬の中止に至った;16/152人(10.5%)の患者が用量の低減に至った;9/152人(5.9%)の患者が試験からの離脱に至った。
結論
化合物(1)は、閉経後女性において一般に耐容性が高く、試験集団全体のそれと類似の安全性および有効性の結果を示した。これらの結果は、化合物(1)がMDD患者(処置が困難な閉経後女性が含まれる)を必要に応じて処置する潜在力があるので、化合物(1)のさらなる開発を支持している。
等価物および範囲
請求項において、冠詞(例えば、「a」、「an」および「the」)は、反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、1つまたはそれより多いことを意味し得る。反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、ある群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、1つの、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連していることを満たすと考えられる。本発明は、その群の厳密に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。本発明は、1つより多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連している実施形態を含む。
さらに、本発明は、列挙される請求項の1つ以上からの1つ以上の制限、エレメント、節および記述用語が別の請求項に導入されているすべてのバリエーション、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属している任意の請求項は、同じ基本請求項に従属している他の任意の請求項に見られる1つ以上の制限を含むように改変され得る。エレメントが、例えば、マーカッシュ群の形式でリストとして提示される場合、そのエレメントの各部分群もまた開示され、任意のエレメントが、その群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の局面が、特定のエレメントおよび/または特徴を含むと言及される場合、本発明または本発明の局面のある特定の実施形態は、そのようなエレメントおよび/もしくは特徴からなるかまたはそれらから本質的になると理解されるべきである。単純にする目的で、それらの実施形態は、この通りの言葉で本明細書中に明確に示されていない。用語「含む(comprising)」および「含む(containing)」は、オープンであるように意図されており、さらなるエレメントまたは工程を含むことを許容することも注意されたい。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに、別段示されないかまたは別段文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表現された値は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、本発明の種々の実施形態において述べられた範囲内の任意の特定の値または部分範囲をその範囲の下限の単位の10分の1まで想定し得る。
本願は、様々な発行済特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物(これらのすべてが、参照により本明細書中に援用される)について言及する。援用される任意の参考文献と本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が支配するものとする。さらに、従来技術の範囲内に含まれる本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つ以上から明白に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に公知であると見なされるので、それらは、その除外が本明細書中に明示的に示されなかったとしても、除外され得る。本発明の任意の特定の実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かを問わず、任意の請求項から、任意の理由で除外され得る。
他の実施形態
当業者は、単なる慣用的な実験法を使用して、本明細書中に記載される特定の実施形態に対する多くの等価物を認識し得るかまたは確かめることができるだろう。本明細書中に記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されると意図されておらず、それは、添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変更および改変が行われ得ることを認識するだろう。

Claims (78)

  1. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)治療有効量の化合物(1):
    Figure 2024510436000072
    の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  2. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)治療有効量の化合物(1):
    Figure 2024510436000073
    の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを、前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  3. 0または1回のその後の処置コースを実施する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 1回のその後の処置コースを実施する、請求項1または請求項2に記載の方法。
  5. 前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  7. うつ病症状の前記再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した前記被験体の評価によって示す、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記被験体におけるうつ病症状の前記再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記初期処置コースの期間が、約2週間または約14日間である、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 各々のその後の処置コースの期間が、約2週間または約14日間である、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、前記初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する、請求項1に記載の方法。
  14. 化合物(1)を、約50mgの用量で投与する、請求項1に記載の方法。
  15. 化合物(1)を、約40mgの用量で投与する、請求項1に記載の方法。
  16. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項2に記載の方法。
  17. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項2に記載の方法。
  18. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約40mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項2に記載の方法。
  19. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口投与する、請求項19に記載の方法。
  21. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 化合物(1)が、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項1に記載の方法。
  24. 化合物(1)が、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項1に記載の方法。
  25. 化合物(1)が、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項1に記載の方法。
  26. 化合物(1)が、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項1に記載の方法。
  27. 前記被験体が処置ナイーブである、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記被験体が、前記初期処置コースの開始前に、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  29. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)治療有効量の化合物(1):
    Figure 2024510436000074
    の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)を投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
    前記被験体が処置ナイーブである、方法。
  30. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)治療有効量の化合物(1):
    Figure 2024510436000075
    の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて治療有効量の化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを、前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
    前記被験体が処置ナイーブである、方法。
  31. 0または1回のその後の処置コースを実施する、請求項29または請求項30に記載の方法。
  32. 1回のその後の処置コースを実施する、請求項29または請求項30に記載の方法。
  33. 前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約4週間、少なくとも約6週間、または少なくとも約8週間の間隔をあける、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、約4週間、約6週間、または約8週間の間隔をあける、請求項29~32のいずれか1項に記載の方法。
  35. うつ病症状の前記再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した前記被験体の評価によって示す、請求項29~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記被験体におけるうつ病症状の前記再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す、請求項29~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記初期処置コースの期間が、約2週間または約14日間である、請求項29~36のいずれか1項に記載の方法。
  38. 各々のその後の処置コースの期間が、約2週間または約14日間である、請求項29~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、前記初期処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する、請求項29~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、各々のその後の処置コースにおいて、約14日間、1日に1回投与する、請求項29~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. 化合物(1)を、約20mg~約55mgの用量で投与する、請求項29に記載の方法。
  42. 化合物(1)を、約50mgの用量で投与する、請求項29に記載の方法。
  43. 化合物(1)を、約40mgの用量で投与する、請求項29に記載の方法。
  44. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約20mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項30に記載の方法。
  45. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項30に記載の方法。
  46. 化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約40mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項30に記載の方法。
  47. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する、請求項29~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口投与する、請求項47に記載の方法。
  49. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する、請求項29~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する、請求項29~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 化合物(1)が、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが11.6~12.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.2~13.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.2~14.6度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが22.4~22.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項29に記載の方法。
  52. 化合物(1)が、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが14.7~15.1度の間(両端の数値を含む)、2θが15.8~16.2度の間(両端の数値を含む)、2θが18.1~18.5度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、2θが20.9~21.3度の間(両端の数値を含む)、2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)、および2θが23.3~23.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項29に記載の方法。
  53. 化合物(1)が、2θが9.7~10.1度の間(両端の数値を含む)、2θが14.6~15.0度の間(両端の数値を含む)、2θが16.8~17.2度の間(両端の数値を含む)、2θが20.5~20.9度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.3~21.7度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項29に記載の方法。
  54. 化合物(1)が、2θが9.3~9.7度の間(両端の数値を含む)、2θが10.6~11.0度の間(両端の数値を含む)、2θが13.0~13.4度の間(両端の数値を含む)、2θが18.7~19.1度の間(両端の数値を含む)、および2θが21.4~21.8度の間(両端の数値を含む)のピークを含むXRPDパターンを有する結晶形態にある、請求項29に記載の方法。
  55. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000076
    の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を前記被験体に投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  56. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000077
    の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約30mg~約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  57. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000078
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  58. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000079
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約30mg~約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  59. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000080
    の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて、約30mg~約50mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回前記被験体に投与することを含み、但し、前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを、前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  60. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000081
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約30mg~約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含み、但し、前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  61. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000082
    の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて約30mg~約50mgの化合物(1)を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
    前記被験体が、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法。
  62. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約30mg~約50mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000083
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約30mg~約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施し、
    前記被験体が、さらなる抗うつ病薬を少なくとも60日間安定的に服用している、方法。
  63. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000084
    の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を前記被験体に投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  64. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000085
    の薬学的に許容され得る塩の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約45mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  65. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000086
    の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて約45mg~約55mgの化合物(1)を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  66. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの遊離塩基化合物に等価な用量での、化合物(1):
    Figure 2024510436000087
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間、1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、約45mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、うつ病症状の再発に応じて化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を前記被験体に約14日間、1日に1回投与することを含む、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  67. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの化合物(1):
    Figure 2024510436000088
    の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの化合物(1)を、約14日間、1日に1回前記被験体に投与することを含み、但し、前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを、前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  68. 大うつ病性障害(MDD)を処置することを必要とする被験体において大うつ病性障害(MDD)を処置する方法であって、
    (i)約45mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量での化合物(1):
    Figure 2024510436000089
    の薬学的に許容され得る塩の約14日間にわたる1日に1回の投与を含む初期処置コースを前記被験体に実施すること;および
    (ii)0、1、または2回のその後の処置コースを前記被験体に実施することであって、各々のその後の処置コースが、うつ病症状の再発に応じて、約45mg~約55mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で、化合物(1)の薬学的に許容され得る塩を、約14日間、1日に1回前記被験体に投与することを含み、但し、前記初期処置コースの終了と前記その後の処置コースの開始との間に、少なくとも約6週間の間隔をあける、実施すること
    を含み、
    ここで、前記0、1、または2回のその後の処置コースを、前記初期処置コースの開始から12ヶ月間にわたって実施する、方法。
  69. 0または1回のその後の処置コースを実施する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  70. うつ病症状の前記再発を、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、モントゴメリー-アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、患者健康状態質問票(PHQ-9)、またはこれらの組み合わせを使用した前記被験体の評価によって示す、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  71. 前記被験体におけるうつ病症状の前記再発を、10もしくはそれを超えるPHQ-9スコアまたは20もしくはそれを超えるHAM-Dスコアによって示す、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  72. 化合物(1)を、約50mgの用量で投与する、または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約50mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  73. 化合物(1)を、約40mgの用量で投与し、化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、約40mgの前記遊離塩基化合物に等価な用量で投与する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  74. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口、非経口、皮内、髄腔内、筋肉内、皮下、膣、頬側として、舌下、直腸、局所、吸入として、鼻腔内、または経皮に投与する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  75. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、経口投与する、請求項74に記載の方法。
  76. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を食物とともに投与する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  77. 化合物(1)または化合物(1)の前記薬学的に許容され得る塩を、夜間に1日1回投与する、請求項55~68のいずれか1項に記載の方法。
  78. 前記被験体が処置ナイーブである、請求項55~60および63~68のいずれか1項に記載の方法。
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