JP2024509518A - 中空コア光ファイバベースの放射源 - Google Patents

中空コア光ファイバベースの放射源 Download PDF

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Abstract

作動媒体を閉じ込めるための中空コアを有するボディを含む中空コア光ファイバを含む放射源であって、中空コア光ファイバが、パルスポンプ放射を受け取るように動作可能であり、それにより、上記受け取ったパルスポンプ放射が、中空コアを通じて中空コア光ファイバの入力端部から出力端部まで伝播する、放射源であり、放射源のソースパラメータが、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するために、パルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように構成され、広帯域光源デバイスが、ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために、光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するように動作可能な少なくとも1つの分散制御機構をさらに含む、放射源。【選択図】 図13A

Description

関連出願の相互参照
[0001] この出願は、参照によって全体として本明細書に援用される、2021年3月16日に出願された欧州特許出願第21162819.3号及び2021年5月6日に出願された欧州特許出願第21172376.2号の優先権を主張するものである。
[0002] 本発明は、中空コア光ファイバベースの広帯域放射源に関し、具体的には、集積回路の製造におけるメトロロジ用途に関連するそのような広帯域放射源に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に施すように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)にあるパターン(「デザインレイアウト」又は「デザイン」と呼ばれることも多い)を、基板(例えば、ウェーハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
[0004] リソグラフィ装置は、基板にパターンを投影するために電磁放射を使用し得る。この放射の波長により、基板上に形成できるフィーチャの最小サイズが決まる。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。波長が4~20nmの範囲、例えば6.7nm又は13.5nmである極端紫外線(EUV)の放射を使用するリソグラフィ装置であれば、例えば、波長が193nmである放射を使用するリソグラフィ装置よりも小さいフィーチャを基板上に形成することが可能である。
[0005] リソグラフィ装置の古典的な解像限界より小さい寸法を有するフィーチャをプロセスするために、低kリソグラフィが用いられ得る。そのようなプロセスでは、解像度の式は、CD=k×λ/NAで表され得、ここで、λは、使用される放射線の波長であり、NAは、リソグラフィ装置の投影光学系の開口数であり、CDは、「クリティカルディメンジョン」であり(一般には印刷される最小フィーチャサイズであるが、この場合にはハーフピッチ)、kは、経験的な解像度ファクタである。一般に、kが小さいほど、特定の電気的な機能性及び性能を達成するために回路設計者が計画した形状及び寸法に似せたパターンを基板上に複写することが困難になる。このような困難を克服するために、高度な微調整ステップがリソグラフィ投影装置及び/又はデザインレイアウトに適用され得る。そのようなステップとして、例えば、NAの最適化、照明方式のカスタマイズ、位相シフトパターニング装置の使用、デザインレイアウトの様々な最適化、例えば、デザインレイアウトにおける光近接効果補正(OPC(「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある))又は他の一般的に「解像度向上技術」(RET)と定義される方法があるが、これらに限定されない。代わりに、低kでのパターン複写を改善するために、リソグラフィ装置の安定性を管理する厳格管理ループが用いられ得る。
[0006] IC製造プロセスの多くの態様において、例えば、露光前の基板の適切な位置決めのためのアライメントツール、並びにフォーカス制御のために基板の表面トポロジーを測定するためのレベリングツール、並びにプロセス制御において露光及び/又はエッチングされた製品の検査/測定を行うためのスキャトロメトリベースツールとして、メトロロジツールが使用される。各事例では、放射源が必要とされる。測定ロバスト性及び精度を含む様々な理由により、そのようなメトロロジ用途に対して、広帯域又は白色光放射源がますます使用されている。広帯域放射発生のための本デバイスを改善することが望ましい。
[0007] 本発明の第1の態様では、作動媒体を閉じ込めるための中空コアを有するボディを含む中空コア光ファイバを含む放射源であって、中空コア光ファイバが、パルスポンプ放射を受け取るように動作可能であり、それにより、受け取ったパルスポンプ放射が、中空コアを通じて中空コア光ファイバの入力端部から出力端部まで伝播する、放射源であり、放射源のソースパラメータが、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するためにパルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように構成され、また、ソースパラメータが、パルスポンプ放射のスペクトルが出力端部を介して光ファイバを出る前にその最大幅に達するようなものでもあり、広帯域光源デバイスが、ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために、光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するように動作可能な少なくとも1つの分散制御機構をさらに含む、放射源が提供される。
[0008] 本発明の第2の態様では、出力放射を発生させるための方法であって、パルスポンプ放射の1つ又は複数のパラメータを選択することであって、中空コア光ファイバが、中空コアを有するボディと、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するためにパルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように中空コア内に含まれる作動媒体とを含み、パルスポンプ放射のスペクトルが、出力端部を介して光ファイバを出る前にその最大幅に達する、選択することと、中空コアによって受け取り、中空コアを通じて入力端部から出力端部まで伝播するためのパルスポンプ放射を発生させることと、ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するために、光ファイバの第1の部分において少なくとも1つの分散制御機構を適用することとを含む、方法が提供される。
[0009] 本発明の他の態様は、第1の態様の広帯域光源デバイスを含むメトロロジデバイスを含む。
[00010] 以下では、添付の概略図面を参照して、本発明の実施形態をあくまで例として説明する。
リソグラフィ装置の概略的概要を示す。 リソグラフィセルの概略的概要を示す。 ホリスティックリソグラフィの概略図を示し、半導体製造を最適化するための重要な3つの技術間の協調を表す。 本発明の実施形態による放射源を含み得る、メトロロジデバイスとして使用されるスキャトロメトリ装置の概略図を示す。 本発明の実施形態による放射源を含み得るレベルセンサ装置の概略図を示す。 本発明の実施形態による放射源を含み得るアライメントセンサ装置の概略図を示す。 実施形態による、放射源の一部を形成し得る中空コア光ファイバの横断面(すなわち、光ファイバの軸に垂直な)における概略断面図である。 実施形態による、広帯域出力放射を提供するための放射源の概略表現を示す。 スーパーコンティニウム発生のための中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)設計の例の横断面を概略的に示す。 スーパーコンティニウム発生のための中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)設計の例の横断面を概略的に示す。 シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する波長λパワースペクトル密度プロット(又は信号sig(dB))を示し、図8に示される放射源の中空コア光ファイバ内における放射のパルスのソリトン自己圧縮ベースのスペクトル発展について説明する。 シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する時間tパワースペクトル密度プロット(又は信号sig(dB))を示し、同じ放射源の中空コア光ファイバ内における(最大圧縮点までの)放射のパルスのソリトン自己圧縮ベースの時間発展について説明する。 放射源の出力スペクトルのシミュレーションを示し、それに基づいて、図10A又は10Bに示されるシミュレーションが生成される。 最大圧縮点におけるパルス入力放射のスペクトルのシミュレーションを示す。 シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する別の波長λパワースペクトル密度(又は信号sig(dB))プロットを示し、図8に示される放射源の中空コア光ファイバ内における入力放射のパルスのソリトン自己圧縮ベースのスペクトル発展について説明する。 図12Aに示されるシミュレーションと同じパラメータでシミュレーションされた最大圧縮点におけるパルス入力放射のスペクトルのパワースペクトル密度プロットを示す。 実施形態による、第1のテーパ状の中空コア光ファイバを概略的に示す。 実施形態による、第2のテーパ状の中空コア光ファイバを概略的に示す。 シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する波長λパワースペクトル密度(又は信号sig(dB))プロットを示し、図13Aに示されるテーパ状の中空コア光ファイバ内における入力放射のパルスのスペクトル発展について説明する。 図14Aに示されるシミュレーションと同じパラメータでシミュレーションされた放射源の出力スペクトルのパワースペクトル密度プロットを示す。 広帯域出力放射を発生させるために使用された光ファイバOFを概略的に示す。 図15Aに示される光ファイバにおいて発生する広帯域出力放射のスペクトル平坦性を改善するために適用された例示的な圧力プロファイルを概略的に示す。 図15Aに示される光ファイバにおいて発生する広帯域出力放射のスペクトル平坦性を改善するために適用された例示的な温度プロファイルを概略的に示す。 広帯域放射源を制御するためのコンピュータシステムのブロック図を示す。
[00011] 本文書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、あらゆるタイプの電磁放射を包含するように使用され、そのような電磁放射には、紫外線(例えば、365、248、193、157又は126nmの波長を有する)及びEUV(例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する極端紫外線)が含まれる。
[00012] 本明細書で使用される「レチクル」、「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分に作成されるべきパターンに対応するパターン化された断面を、入射する放射ビームに提供するために使用可能な一般的なパターニングデバイスを意味するものとして広義に解釈され得る。これに関連して「ライトバルブ」という用語も使用される場合がある。古典的なマスク(透過型又は反射型のマスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)に加えて、他のそのようなパターニングデバイスの例として、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイがある。
[00013] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えば、UV放射、DUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された(イルミネータとも呼ばれる)照明システムILと、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築されて、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたマスク支持部(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築されて、特定のパラメータに従って基板支持部を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板支持部(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば、1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[00014] 稼働中、照明システムILは、放射源SOから(例えば、ビーム送達システムBDを介して)放射ビームを受ける。照明システムILは、放射の誘導、整形及び/又は制御のために様々なタイプの光学コンポーネントを含み得、例えば屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型及び/又は他のタイプの光学コンポーネント又はこれらの任意の組合せを含み得る。イルミネータILは、放射ビームBがパターニングデバイスMAの面において所望の空間強度分布及び角度強度分布をその断面に有するように、放射ビームBを調節するために使用され得る。
[00015] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈されたい。そのようなシステムには、使用されている露光放射の必要に応じて及び/又は他の要因(例えば、液浸液の使用又は真空の使用)の必要に応じて、屈折型、反射型、反射屈折型、アナモルフィック型、磁気型、電磁型及び/又は静電光学型のシステム又はこれらの任意の組合せが含まれ得る。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用されている場合、それらは、すべてより一般的な用語である「投影システム」PSと同義であると見なされ得る。
[00016] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を埋めるように、基板の少なくとも一部分が、屈折率が比較的高い液体(例えば、水)で覆われ得るタイプであり得、これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第6952253号に示されている。
[00017] リソグラフィ装置LAは、基板支持部WTが2つ以上あるタイプ(「デュアルステージ」とも呼ばれる)であってもよい。そのような「複数ステージ」マシンでは、それらの基板支持部WTは並行して使用されてよく、及び/又は、それらの基板支持部WTの一方に載っている基板Wが、その基板Wにパターンを露光することに使用されている間に、他方の基板支持部WTに載っている別の基板Wに対して、その別の基板Wのその後の露光の準備の手順が実施されてよい。
[00018] 基板支持部WTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含んでよい。測定ステージは、センサ及び/又はクリーニング装置を保持するように構成されている。センサは、投影システムPSの特性、又は放射ビームBの特性を測定するように構成されてよい。測定ステージは複数のセンサを保持してよい。クリーニング装置は、リソグラフィ装置の一部、例えば、投影システムPSの一部、又は液浸液を供給するシステムの一部をクリーニングするように構成されてよい。測定ステージは、基板支持部WTが投影システムPSから離れている時に、投影システムPSの下を動いてよい。
[00019] 稼働中は、放射ビームBが、パターニングデバイス(例えば、マスク支持物MT上に保持されたマスクMA)に入射し、パターニングデバイスMA上にあるパターン(設計レイアウト)によってパターニングされる。放射ビームBは、マスクMAを横断した後、投影システムPSを通り抜け、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上にフォーカスさせる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFの支援により、基板支持部WTは正確に動くことが可能であり、例えば、様々なターゲット部分Cが、放射ビームBの経路中のフォーカス及びアライメントされる位置に位置決めされるように正確に動くことが可能である。同様に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めするために、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(これは図1に明示されていない)とが使用されてよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2、及び基板アライメントマークP1、P2を使用してアライメントされてよい。基板アライメントマークP1、P2は、図示されたように専用ターゲット部分を占有するが、ターゲット部分間の空間に配置されてよい。基板アライメントマークP1、P2は、ターゲット部分C間に配置される場合には、スクライブラインアライメントマークと呼ばれる。
[00020] 図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソグラフィセルLC(リソセル又は(リソ)クラスタと呼ばれることもある)の一部をなし得、リソグラフィセルLCは、基板Wに対して露光前プロセス及び露光後プロセスを実施するための装置も含むことが多い。従来、そのような装置として、レジスト層を堆積させるスピンコータSC、露光したレジストを現像するデベロッパDE、冷却プレートCH及びベークプレートBK(これらは、例えば、基板Wの温度を調節するものであり、それは、例えば、レジスト層中の溶剤を調節するために行われる)がある。基板ハンドラ(即ちロボット)ROが基板Wを入出力ポートI/O1、I/O2からピックアップし、それらの基板Wを様々なプロセス装置間で動かし、それらの基板Wをリソグラフィ装置LAのローディングベイLBまで送達する。リソセル内のデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、典型的にはトラック制御ユニットTCUの管理下にあり、トラック制御ユニットTCU自体は、監視制御システムSCSによって制御され得、監視制御システムSCSは、リソグラフィ装置LAも(例えば、リソグラフィ制御ユニットLACUを介して)制御し得る。
[00021] リソグラフィ装置LAによって露光される基板Wが正確且つ確実に露光されるために、基板を検査して、パターン形成された構造の特性、例えば連続する層間のオーバーレイエラー、線の太さ、クリティカルディメンジョン(CD)等を測定することが望ましい。そのため、検査ツール(図示せず)がリソセルLCに含まれ得る。エラーが検出された場合、例えば、連続する基板の露光又は基板Wに対して実施されるべき他のプロセスステップに対する調節が行われ得、これは、特に同じバッチ又はロットの他の基板Wが引き続き露光又はプロセスされる前に検査が行われる場合に行われ得る。
[00022] メトロロジ装置と呼ばれることもある検査装置は、基板Wの特性を測定するために使用され、特に異なる基板Wの特性がどのようにばらつくか、又は同じ基板Wの異なる層に関連付けられた特性が層ごとにどのようにばらつくかを測定するために使用される。検査装置は、代わりに、基板W上の欠陥を識別するように構築され得、例えばリソセルLCの一部分であり得るか、又はリソグラフィ装置LAに組み込まれ得るか、又はスタンドアロン装置であり得る。検査装置は、潜像(露光後のレジスト層内の像)に関する特性、又は半潜像(露光後ベーク工程PEB後のレジスト層内の像)に関する特性、又は現像されたレジスト像(レジストの露光部分又は非露光部分が除去されている)に関する特性、又はさらに(エッチング等のパターン転写工程後の)エッチングされた像に関する特性を測定し得る。
[00023] 典型的には、リソグラフィ装置LAにおけるパターニングプロセスは、基板W上の構造の寸法決定及び配置に高い精度を必要とする、処理の中で最もクリティカルなステップの1つである。この高い精度を確保するために、図3に概略的に示されるように、3つのシステムをいわゆる「ホリスティック」管理環境として組み合わせ得る。これらのシステムの1つは、リソグラフィ装置LAであり、これは、メトロロジツールMT(第2のシステム)及びコンピュータシステムCL(第3のシステム)と(仮想的に)接続される。そのような「ホリスティック」環境の鍵は、これらの3つのシステム間の協調を最適化して、プロセスウィンドウ全体を強化し、厳格管理ループを実現することにより、リソグラフィ装置LAによって実施されるパターニングがプロセスウィンドウ内にとどまるようにすることである。プロセスウィンドウは、プロセスパラメータ(例えば、ドーズ、フォーカス、オーバーレイ)の範囲を規定し、この範囲内で特定の製造プロセスが規定の結果(例えば、機能する半導体デバイス)を産出し、典型的には、この範囲内でリソグラフィプロセス又はパターニングプロセスのプロセスパラメータが変動し得る。
[00024] コンピュータシステムCLは、パターニングされるデザインレイアウト(の一部)を使用することにより、何れの解像度向上技術を使用すべきかを予測することが可能であり、且つ計算機リソグラフィのシミュレーション及び計算を実施して、パターニングプロセスのプロセスウィンドウ全体の最大化を達成するマスクレイアウト及びリソグラフィ装置設定を決定することが可能である(図3において第1のスケールSC1の両方向矢印で示されている)。典型的には、解像度向上技術は、リソグラフィ装置LAのパターニング可能性に適合するように用意される。コンピュータシステムCLは、プロセスウィンドウ内の何れの箇所でリソグラフィ装置LAが現在動作しているかを(例えば、メトロロジツールMTからの入力を使用して)検出することにより、(例えば、準最適な処理のために)欠陥が存在する可能性があるかどうかを予測することがさらに可能である(図3において第2のスケールSC2の「0」を指す矢印で示されている)。
[00025] メトロロジツールMTは、正確なシミュレーション及び予測を可能にする入力をコンピュータシステムCLに与えることが可能であり、(例えば、リソグラフィ装置LAの較正ステータスにおいて)起こり得るドリフトを識別するフィードバックをリソグラフィ装置LAに与えることが可能である(図3において第3のスケールSC3の複数の矢印で示されている)。
[00026] リソグラフィプロセスでは、作成された構造を(例えば、プロセスの管理及び検証のために)頻繁に測定することが望ましい。そのような測定を行うツールは、一般にメトロロジツールMTと呼ばれる。そのような測定を行うメトロロジツールMTとして様々なタイプが知られており、例えば走査電子顕微鏡又は様々な形式のスキャトロメータメトロロジツールMTがある。スキャトロメータは、リソグラフィプロセスのパラメータの測定を可能にする多目的計器であり、測定は、スキャトロメータの対物レンズの瞳若しくは瞳に対する共役面にセンサを有すること(通常、瞳ベースの測定と呼ばれる測定)により、又は像面若しくは像面に対する共役面にセンサを有すること(この場合、通常、像ベース若しくはフィールドベースの測定と呼ばれる測定)により行われる。そのようなスキャトロメータ及び関連する測定技術については、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20100328655号、同第2011102753A1号、同第20120044470A号、同第20110249244号、同第20110026032号又は欧州特許出願公開第1,628,164A号に詳述されている。上述のスキャトロメータは、軟X線及び可視波長~近赤外波長の範囲の光を使用して格子を測定することが可能である。
[00027] 第1の実施形態では、スキャトロメータMTは、角度分解スキャトロメータである。そのようなスキャトロメータでは、格子の特性を再構築又は計算する再構築方法が測定信号に適用され得る。そのような再構築は、例えば、散乱する放射線とターゲット構造の数学モデルとの相互作用をシミュレーションし、シミュレーション結果を測定結果と比較することの結果であり得る。数学モデルのパラメータは、相互作用のシミュレーションにより、実際のターゲットから観察された回折パターンと同様の回折パターンが生成されるまで調節される。
[00028] 第2の実施形態では、スキャトロメータMTは、分光スキャトロメータMTである。そのような分光スキャトロメータMTでは、放射線源から放射された放射線がターゲットに向かい、ターゲットから反射又は散乱した放射線がスペクトロメータ検出器に向かい、スペクトロメータ検出器が、鏡面反射した放射線のスペクトルを測定する(即ち強度を波長の関数として測定する)。このデータから、検出されたスペクトルを引き起こしているターゲットの構造又はプロファイルを再構築することが可能であり、この再構築は、例えば、厳密結合波理論及び非線形回帰により、又はシミュレーションされたスペクトルのライブラリとの比較により可能である。
[00029] 第3の実施形態では、スキャトロメータMTは、エリプソスキャトロメータである。エリプソスキャトロメータは、偏光状態のそれぞれについて、散乱した放射線を測定することによってリソグラフィプロセスのパラメータを決定することを可能にする。そのようなメトロロジ装置は、偏光光(例えば、直線偏光光、円形偏光光又は楕円偏光光)を、例えばメトロロジ装置の照明セクションにおいて適切な偏光フィルタを使用して放射する。メトロロジ装置に好適な源は、偏光放射線も同様に提供可能である。既存のエリプソスキャトロメータの様々な実施形態は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第11/451,599号、同第11/708,678号、同第12/256,780号、同第12/486,449号、同第12/920,968号、同第12/922,587号、同第13/000,229号、同第13/033,135号、同第13/533,110号及び同第13/891,410号に記載されている。
[00030] スキャトロメータMTの一実施形態では、スキャトロメータMTは、反射スペクトル及び/又は検出構成の非対称性を測定することによって、2つのミスアライメントのある格子又は周期構造のオーバーレイを測定するように適応させており、非対称性は、オーバーレイの程度に関連する。2つの(典型的にはオーバーラップしている)格子構造は、2つの異なる層(必ずしも連続層というわけではない)において適用することができ、ウェーハ上の実質的に同じ位置に形成することができる。スキャトロメータは、いかなる非対称性も明確に区別できるように、例えば、共同所有する欧州特許出願公開第1628164A号において説明されるような、対称的な検出構成を有し得る。これにより、格子のミスアライメントを測定するための単刀直入な方法が提供される。ターゲットが周期構造の非対称性を通じて測定される際の、周期構造を含む2つの層の間のオーバーレイエラーを測定するためのさらなる例は、全体として参照により本明細書に援用される、PCT特許出願公開の国際公開第2011/012624号又は米国特許出願第20160161863号から入手することができる。
[00031] 他の対象のパラメータは、フォーカス及びドーズであり得る。フォーカス及びドーズは、全体として参照により本明細書に援用される、米国特許出願第2011-0249244号において説明されるような、スキャトロメトリによって(又は代わりに走査電子顕微鏡によって)、同時に決定することができる。フォーカスエネルギーマトリックス(FEM、フォーカス露光マトリックスとも呼ばれる)の各ポイントに対するクリティカルディメンジョン及び側壁角度測定値の独特の組合せを有する単一の構造を使用することができる。クリティカルディメンジョン及び側壁角度のこれらの独特の組合せが利用可能である場合は、フォーカス及びドーズ値は、これらの測定値から独特に決定することができる。
[00032] メトロロジターゲットは、複合格子の集合体であり得、大部分がレジストにおけるリソグラフィプロセスによって形成されるが、例えば、エッチングプロセスの後にも形成される。典型的には、格子の構造のピッチ及び線幅は、メトロロジターゲットから得られる回折次数を捕捉できるように、測定光学系(具体的には、光学系のNA)に強く依存する。以前に示した通り、回折信号は、2つの層の間のシフト(「オーバーレイ」とも呼ばれる)を決定するために使用することも、リソグラフィプロセスによって生成されるようなオリジナルの格子の少なくとも一部を再構築するために使用することもできる。この再構築は、リソグラフィプロセスの質のガイダンスを提供するために使用することができ、リソグラフィプロセスの少なくとも一部を制御するために使用することができる。ターゲットは、ターゲットにおけるデザインレイアウトの機能部分の寸法を模倣するように構成された、より小さなサブセグメンテーションを有し得る。このサブセグメンテーションにより、ターゲットは、全プロセスパラメータ測定値がデザインレイアウトの機能部分に酷似するように、デザインレイアウトの機能部分に一層類似するように挙動する。ターゲットは、アンダーフィルモード又はオーバーフィルモードで測定することができる。アンダーフィルモードでは、測定ビームは、ターゲット全体より小さいスポットを発生させる。オーバーフィルモードでは、測定ビームは、ターゲット全体より大きいスポットを発生させる。そのようなオーバーフィルモードでは、異なるターゲットを同時に測定することも可能であり得、したがって、それと同時に異なる処理パラメータを決定することも可能であり得る。
[00033] 特定のターゲットを使用したリソグラフィパラメータの全体的な測定の質は、少なくとも部分的には、このリソグラフィパラメータの測定に使用される測定レシピによって決まる。「基板測定レシピ」という用語は、測定自体の1つ若しくは複数のパラメータ、測定された1つ若しくは複数のパターンの1つ若しくは複数のパラメータ又はその両方を含み得る。例えば、基板測定レシピで使用される測定が回折ベースの光学的測定である場合は、この測定のパラメータの1つ又は複数は、放射線の波長、放射線の偏光、基板に対する放射線の入射角、基板上のパターンに対する放射線の方位などを含み得る。測定レシピを選択する際の基準の1つは、例えば、プロセス変動に対する測定パラメータのうちの1つの感受性であり得る。さらなる例は、参照によって全体として本明細書に援用される、米国特許出願第2016-0161863号及び公開済みの米国特許出願第2016/0370717A1号に記載されている。
[00034] スキャトロメータなどのメトロロジ装置が図4に示される。それは、放射を基板6上に投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を含む。反射又は散乱放射がスペクトロメータ検出器4に送られ、スペクトロメータ検出器4は、鏡面反射放射のスペクトル10を測定する(すなわち、波長の関数としての強度の測定)。このデータから、検出スペクトルを生じさせる構造又はプロファイルが、処理ユニット(PU)によって、例えば厳密結合波分析及び非線形回帰によって、又は図3の下部に示されるようなシミュレーションスペクトルのライブラリとの比較によって再構築され得る。一般に、再構築のために、構造の一般形態は分かっており、幾つかのパラメータは、構造が作られたプロセスの知識から想定され、それによって、スキャトロメトリデータから決定されるべき、構造の数個のパラメータのみが残される。そのようなスキャトロメータは、法線入射スキャトロメータ又は斜め入射スキャトロメータとして構成されてもよい。
[00035] メトロロジターゲットの測定を介するリソグラフィパラメータの全体的な測定品質は、少なくとも部分的には、このリソグラフィパラメータの測定に使用される測定レシピによって決まる。「基板測定レシピ」という用語は、測定自体の1つ以上のパラメータ、測定された1つ以上のパターンの1つ以上のパラメータ又はその両方を包含し得る。例えば、基板測定レシピで行われる測定が回折ベースの光学的測定であれば、この測定のパラメータの1つ以上は、放射線の波長、放射線の偏光、基板に対する放射線の入射角、基板上のパターンに対する放射線の方位等を含み得る。測定レシピを選択する際の基準の1つは、例えば、何れかの測定パラメータの、プロセス変動に対する感受性であり得る。さらなる例は、参照によって全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願第2016-0161863号及び公開済みの米国特許出願第2016/0370717A1号に記載されている。
[00036] IC製造に使用される別のタイプのメトロロジツールは、トポグラフィ測定システム、レベルセンサ、又は高さセンサである。そのようなツールは、基板(又はウェーハ)の上面のトポグラフィを測定するためにリソグラフィ装置に組み込まれてもよい。基板のトポグラフィのマップ(高さマップとも呼ばれる)は、基板上の位置の関数として基板の高さを示すこれらの測定から生成され得る。この高さマップは、基板上の適切なフォーカス位置にパターニングデバイスの空間像を提供するために、基板上のパターンの転写中に基板の位置を補正するために後に使用され得る。この文脈における「高さ」とは、基板に対して広く面外の寸法を指す(Z軸とも呼ばれる)ことが理解されるだろう。一般的に、レベル又は高さセンサは、(それ自体の光学系に対して)定位置で測定を行い、基板と、レベル又は高さセンサの光学系の相対移動は、基板にわたる場所における高さ測定をもたらす。
[00037] 当該技術分野で公知のレベル又は高さセンサLSの一例は、図5に概略的に示され、図5は、動作原理のみを示す。この例では、レベルセンサは、光学系を含み、光学系は、投影ユニットLSP及び検出ユニットLSDを含む。投影ユニットLSPは、投影ユニットLSPの投影格子PGRによって付与される放射ビームLSBを提供する放射源LSOを含む。放射源LSOは、例えば、偏光又は非偏光、パルス又は連続の(偏光又は非偏光レーザビームなど)スーパーコンティニウム光源などの狭帯域又は広帯域光源でもよい。放射源LSOは、異なる色、又は波長範囲を有する複数の放射源(複数のLEDなど)を含み得る。レベルセンサLSの放射源LSOは、可視放射に限定されず、追加的又は代替的に、UV及び/又はIR放射、並びに基板の表面からの反射に適した任意の波長範囲を包含し得る。
[00038] 投影格子PGRは、周期的に変化する強度を持つ放射ビームBE1をもたらす周期構造を含む周期格子である。周期的に変化する強度を持つ放射ビームBE1は、0度~90度、一般的には70度~80度の入射基板表面に垂直な軸(Z軸)に対する入射角ANGを有する基板W上の測定場所MLOに向けて誘導される。測定場所MLOでは、パターン形成された放射ビームBE1は、基板Wによって反射され(矢印BE2によって示される)、検出ユニットLSDに向けて誘導される。
[00039] 測定場所MLOにおいて高さレベルを決定するために、レベルセンサは、検出格子DGR、検出器DET、及び検出器DETの出力信号を処理するための処理ユニット(図示せず)を含む検出システムをさらに含む。検出格子DGRは、投影格子PGRと同じであってもよい。検出器DETは、受け取った光を示す、例えば受け取った光の強度を示す(光検出器など)、又は受け取った強度の空間分布を表す(カメラなど)検出器出力信号を生成する。検出器DETは、1つ又は複数の検出器のタイプの任意の組合せを含んでもよい。
[00040] 三角測量技術により、測定場所MLOにおける高さレベルを決定することができる。検出された高さレベルは、一般的に、検出器DETによって測定されるような信号強度に関連し、信号強度は、数ある中でも、投影格子PGRの設計及び(斜め)入射角ANGに依存する周期性を有する。
[00041] 投影ユニットLSP及び/又は検出ユニットLSDは、投影格子PGRと検出格子DGRとの間のパターン形成された放射ビームの経路に沿って、レンズ及び/又はミラーなどのさらなる光学素子を含み得る(図示せず)。
[00042] ある実施形態では、検出格子DGRは、省かれてもよく、検出器DETは、検出格子DGRがある位置に配置されてもよい。そのような構成は、投影格子PGRの像のより直接的な検出を提供する。
[00043] 基板Wの表面を効果的にカバーするために、レベルセンサLSは、基板Wの表面上に測定ビームBE1のアレイを投影し、それによって、より大きな測定範囲をカバーする、測定エリアMLO又はスポットのアレイを生成するように構成されてもよい。
[00044] 一般タイプの様々な高さセンサが、例えば米国特許第7265364号及び米国特許第7646471号に開示され、これらは共に援用される。可視又は赤外線放射の代わりにUV放射を使用する高さセンサが、援用される米国特許出願公開第2010233600A1号に開示される。援用される国際公開第2016102127A1号では、検出格子を必要とすることなく、格子像の位置の検出及び認識を行うために多素子検出器を使用する小型高さセンサが記載される。
[00045] IC製造で使用される別のタイプのメトロロジツールは、アライメントセンサである。したがって、リソグラフィ装置の性能の重要な側面は、(同じ装置又は異なるリソグラフィ装置によって)前の層に築かれたフィーチャに関連して正しく及び正確に施されたパターンを配置する能力である。このために、基板は、マーク又はターゲットの1つ又は複数のセットを備える。各マークは、後に位置センサ(一般的に光位置センサ)を使用して、それ自体の位置が測定され得る構造である。位置センサは、「アライメントセンサ」と呼ばれることがあり、マークは、「アライメントマーク」と呼ばれることがある。
[00046] リソグラフィ装置は、1つ以上の(例えば複数の)アライメントセンサを含んでもよく、アライメントセンサによって、基板上に設けられたアライメントマークの位置を正確に測定することができる。アライメント(又は位置)センサは、回折及び干渉などの光学現象を使用して、基板上に形成されたアライメントマークから位置情報を取得し得る。現在のリソグラフィ装置で使用されるアライメントセンサの一例は、米国特許第6961116号に記載されるような自己参照干渉計に基づくものである。例えば米国特許出願公開第2015261097A1号に開示されるように、位置センサの様々な改善及び修正が開発されている。これらの公報のすべての内容が本明細書に援用される。
[00047] 図6は、例えば、援用される米国特許第6961116号に記載されるような公知のアライメントセンサASの一実施形態の概略ブロック図である。放射源RSOは、1つ又は複数の波長の放射ビームRBを提供し、放射ビームRBは、方向転換光学部品によって、照明スポットSPとして、マーク(基板W上に位置するマークAMなど)上へと方向転換される。この例では、方向転換光学部品は、スポットミラーSM及び対物レンズOLを含む。照明スポットSP(照明スポットSPによって、マークAMが照明される)は、マーク自体の幅よりも直径が僅かに小さくてもよい。
[00048] アライメントマークAMによって回折された放射は、(この例では、対物レンズOLによって)情報伝達ビームIBへとコリメートされる。「回折される」という用語は、マークからの0次回折(これは、反射と呼ばれることがある)を含むことが意図される。例えば上述の米国特許第6961116号に開示されるタイプの自己参照干渉計SRIは、ビームIBをそれ自体と干渉させ、その後に、ビームは、光検出器PDによって受け取られる。放射源RSOによって2つ以上の波長が作られる場合には別個のビームを提供するために、さらなる光学部品(図示せず)が含まれてもよい。光検出器は、単一素子でもよく、又はそれは、必要に応じて幾つかのピクセルを含んでもよい。光検出器は、センサアレイを含んでもよい。
[00049] 方向転換光学部品(この例では、方向転換光学部品は、スポットミラーSMを含む)は、情報伝達ビームIBがマークAMからの高次回折放射のみを含むように(これは、測定にとって必須ではないが、信号対雑音比を向上させる)、マークから反射された0次放射をブロックするようにも機能し得る。
[00050] 強度信号SIは、処理ユニットPUに供給される。ブロックSRIの光学的処理及びユニットPUの計算処理の組合せによって、基準フレームに対する基板上のX及びY位置の値が出力される。
[00051] 図示されるタイプの単一測定は、マークの位置をマークの1ピッチに対応した特定の範囲内にのみ固定する。これと併せて、より粗い測定技術を使用して、正弦波のどの周期がマーク位置を含むものであるかを識別する。精度の向上のため、及び/又はマークを作る材料、並びに上及び/又は下にマークが設けられる材料を問わないマークのロバストな検出のために、より粗いレベル及び/又はより細かいレベルで同じプロセスが、異なる波長で繰り返され得る。波長は、同時に処理されるように、光学的に多重化及び逆多重化されてもよく、及び/又は波長は、時分割若しくは周波数分割によって多重化されてもよい。
[00052] この例では、アライメントセンサ及びスポットSPは、静止したままであり、移動するのは基板Wである。したがって、アライメントセンサは、基板Wの移動方向とは反対方向にマークAMを効果的にスキャンしながら、基準フレームにしっかりと正確に取り付けることができる。基板Wは、この移動において、基板サポート上へのそれの取り付け、及び基板サポートの移動を制御する基板位置決めシステムによって制御される。基板サポート位置センサ(例えば干渉計)は、基板サポート(図示せず)の位置を測定する。ある実施形態では、1つ又は複数の(アライメント)マークが基板サポート上に設けられる。基板サポート上に設けられたマークの位置の測定は、位置センサによって決定されるような基板サポートの位置が(例えば、アライメントシステムが接続されるフレームに対して)較正されることを可能にする。基板上に設けられたアライメントマークの位置の測定は、基板サポートに対する基板の位置が決定されることを可能にする。
[00053] 上述のスキャトロメータ、トポグラフィ測定システム又は位置測定システムなどのメトロロジツールMTは、測定を実行するために、放射源を発生源とする放射を使用し得る。メトロロジツールによって使用される放射の特性は、実行され得る測定の種類と質に影響を及ぼし得る。幾つかの用途の場合、基板を測定するために複数の放射周波数を使用することが有利であり得、例えば、広帯域放射を使用することができる。複数の異なる周波数は、他の周波数との干渉が全くないか又は最小限に抑えた状態で、メトロロジターゲットからの伝播、照射及び散乱が可能であり得る。したがって、例えば、より多くのメトロロジデータを同時に得るために異なる周波数を使用することができる。また、異なる放射周波数は、メトロロジターゲットの異なる特性を問い合わせたり、発見したりすることも可能であり得る。広帯域放射は、例えば、レベルセンサ、アライメントマーク測定システム、スキャトロメトリツール又は検査ツールなど、メトロロジシステムMTにおいて役立ち得る。広帯域放射源は、スーパーコンティニウム光源であり得る。
[00054] 高質の広帯域放射(例えば、スーパーコンティニウム放射)は、発生が困難であり得る。広帯域放射を発生させるための方法の1つは、例えば、非線形及び高次効果を利用して、高出力狭帯域若しくは単一周波数入力放射又はポンプ放射を広げることであり得る。入力放射(レーザを使用して生成され得る)は、ポンプ放射と呼ぶことができる。代わりに、入力放射は、シード放射と呼ぶことができる。広がり効果のための高出力放射を得るため、放射は、強い局所的な高強度放射が達成されるように、小さなエリア内に閉じ込めることができる。それらのエリアでは、放射は、非線形媒体を形成する広がり構造及び/又は材料と相互作用し、広帯域出力放射が生み出され得る。高強度放射エリアでは、適切な非線形媒体を提供することによって放射広がりを可能にするため及び/又は改善するために、異なる材料及び/又は構造を使用することができる。
[00055] 幾つかの実装形態では、広帯域出力放射は、フォトニック結晶ファイバ(PCF)において生み出される。幾つかの実施形態では、そのようなフォトニック結晶ファイバは、ファイバを通じてファイバコア内を移動する放射を閉じ込める支援を行うために、そのファイバコアの円周方向に沿ってマイクロ構造を有する。ファイバコアは、非線形特性を有し、且つ、高強度ポンプ放射がファイバコアを通じて伝送される際に広帯域放射の発生が可能な、固体材料で作られ得る。固体コアフォトニック結晶ファイバにおいて広帯域放射を発生させることは可能であるが、固体材料の使用には、不利点が幾つか存在し得る。例えば、固体コアにおいてUV放射を発生させた場合は、放射の大部分が固体材料に吸収されるため、この放射は、ファイバの出力スペクトルには見られない可能性がある。
[00056] 幾つかの実装形態では、図8を参照して以下でさらに論じられるように、入力放射を広げるための方法及び装置は、入力放射を閉じ込め、且つ、入力放射を広げて出力広帯域放射にするためのファイバを使用することができる。ファイバは、中空コアファイバであり得、ファイバ内における放射の効果的なガイド及び閉じ込めを達成するための内部構造を含み得る。ファイバは、中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)であり得、それは特に、主にファイバの中空コアの内部への強力な放射閉じ込めに適しており、高い放射強度を達成することができる。ファイバの中空コアは、入力放射を広げるための広がり媒体の働きをするガスで満たすことができる。そのようなファイバ及びガス配置は、スーパーコンティニウム放射源を生み出すために使用することができる。ファイバに入力される放射は、電磁放射であり得、例えば、赤外線、可視光線、UV及び極端UVスペクトルのうちの1つ又は複数の放射であり得る。出力放射は、本明細書では白色光と呼ぶことができる広帯域放射から成り得るか又は同広帯域放射を含み得る。
[00057] 幾つかの実施形態は、光ファイバを含むそのような広帯域放射源の新しい設計に関連する。光ファイバは、中空コアフォトニック結晶ファイバ(HC-PCF)である。具体的には、光ファイバは、放射の閉じ込めのための反共振構造を含む種類の中空コアフォトニック結晶ファイバであり得る。反共振構造を含むそのようなファイバは、当技術分野では、反共振ファイバ、管状ファイバ、単一リングファイバ、負曲率ファイバ又は抑制結合ファイバとして知られている。当技術分野では、そのようなファイバの様々な異なる設計が知られている。代わりに、光ファイバは、フォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBF、例えば、カゴメファイバ)であり得る。
[00058] それぞれが異なる物理的ガイダンス機構に基づくHC-PCFの幾つかの種類がエンジニアリングされ得る。2つのそのようなHC-PCFは、中空コアフォトニックバンドギャップファイバ(HC-PBF(hollow-core photonic bandgap fiber))及び中空コア反共振反射ファイバ(HC-ARF(hollow-core anti-resonant reflecting fiber))を含む。HC-PCFの設計及び製造に関する詳細は、参照によって本明細書に援用される、米国特許第2004/015085A1号(HC-PBFの場合)及び国際PCT特許出願の国際公開第2017/032454A1号(中空コア反共振反射ファイバの場合)から入手することができる。図9(a)は、カゴメ格子構造を含むカゴメファイバを示す。
[00059] ここでは、図7を参照して、放射源において使用するための光ファイバの例について説明する。図7は、光ファイバOFの横断面における概略断面図である。図7のファイバの実用例と同様のさらなる実施形態は、国際公開第2017/032454A1号で開示されている。
[00060] 光ファイバOFは、細長いボディを含み、ファイバOFのある寸法は、他の2つの寸法と比べて長い。この長い方の寸法は、軸方向と呼ぶことができ、光ファイバOFの軸を定義し得る。他の2つの寸法は、横断面と呼ぶことができる平面を定義する。図7は、この横断面(すなわち、軸に垂直な)における光ファイバOFの断面を示し、この横断面は、x-y平面とラベル付けされる。光ファイバOFの横断面は、ファイバ軸に沿って実質的に一定であり得る。
[00061] 光ファイバOFは、ある程度の柔軟性を有し、したがって、軸の方向は、一般に、光ファイバOFの長さに沿って均一にはならないことが理解されよう。光軸、横断面及び同様のものなどの用語は、局所的な光軸、局所的な横断面などを意味することが理解されよう。さらに、コンポーネントが円筒状又は管状であるものとして説明されている場合は、これらの用語は、光ファイバOFを曲げると歪んでしまうような形状を包含することが理解されよう。
[00062] 光ファイバOFは、いかなる長さも有し得、光ファイバOFの長さは、用途に依存し得ることが理解されよう。光ファイバOFは、1cm~10mの長さを有し得、例えば、光ファイバOFは、10cm~100cmの長さを有し得る。
[00063] 光ファイバOFは、中空コアHCと、中空コアHCを取り囲むクラッド部分と、クラッド部分を取り囲んで支持する支持部分SPとを含む。光ファイバOFは、中空コアHCを有するボディ(クラッド部分及び支持部分SPを含む)を含むと考えることができる。クラッド部分は、中空コアHCを通じて放射を導くための多数の反共振要素を含む。具体的には、多数の反共振要素は、光ファイバOFを通じて伝播する放射を主に中空コアHC内に閉じ込め、光ファイバOFに沿って放射を導くように配置される。光ファイバOFの中空コアHCは、実質的には、光ファイバOFの中心領域に配置することができ、その結果、光ファイバOFの軸は、光ファイバOFの中空コアHCの軸も定義し得る。
[00064] クラッド部分は、光ファイバOFを通じて伝播する放射を導くための多数の反共振要素を含む。具体的には、この実施形態では、クラッド部分は、6つのキャピラリ管CAPの単一リングを含む。キャピラリ管CAPの各々は、反共振要素の働きをする。
[00065] また、キャピラリCAPは、チューブと呼ぶこともできる。キャピラリCAPは、断面が円形であっても、別の形状を有してもよい。各キャピラリCAPは、一般的に円筒形の壁部分WPを含み、壁部分WPは、光ファイバOFの中空コアHCを少なくとも部分的に定義し、中空コアHCとキャピラリキャビティCCを分離する。壁部分WPは、中空コアHCを通じて伝播する(斜入射角で壁部分WPに入射し得る)放射に対する反射防止ファブリペロー共振器の働きをし得ることが理解されよう。壁部分WPの厚さは、キャピラリキャビティCCへの透過が一般に抑制される一方で、反射して中空コアHCに戻るようにすることが一般に強化されることを保証するのに適したものであり得る。幾つかの実施形態では、キャピラリ壁部分WPは、0.01~10.0μmの厚さを有し得る。
[00066] 本明細書で使用される場合、クラッド部分という用語は、光ファイバOFを通じて伝播される放射を導くための光ファイバOFの部分(すなわち、放射を中空コアHC内に閉じ込めるキャピラリCAP)を意味することが意図されることが理解されよう。放射は、横モード(ファイバ軸に沿って伝播する)形式で閉じ込めることができる。
[00067] 支持部分は、一般に、管状であり、クラッド部分の6つのキャピラリCAPを支持する。6つのキャピラリCAPは、内側支持部分SPの場合は、内面の円周方向に沿って均等に分布する。6つのキャピラリCAPは、一般的な六角形の形態に配置されているものとして説明され得る。
[00068] キャピラリCAPは、キャピラリの各々が他の何れのキャピラリCAPとも接触しないように配置される。キャピラリCAPの各々は、内側支持部分SPと接触し、リング構造において、隣接するキャピラリCAPから離隔される。そのような配置は、光ファイバOFの伝送帯域幅を増加し得るため(例えば、キャピラリが互いに接触している配置と比べて)、有益であり得る。代わりに、幾つかの実施形態では、キャピラリCAPの各々は、リング構造において、隣接するキャピラリCAPと接触し得る。
[00069] クラッド部分の6つのキャピラリCAPは、中空コアHCの円周方向に沿ってリング構造で配置される。キャピラリCAPのリング構造の内面は、光ファイバOFの中空コアHCを少なくとも部分的に定義する。中空コアHCの直径d(対向するキャピラリ間の最小寸法として定義され得、矢印dによって示される)は、10~1000μmであり得る。中空コアHCの直径dは、中空コアHC光ファイバOFのモードフィールド直径、衝突損失、分散、モード複数性及び非線形性特性に影響を及ぼし得る。
[00070] この実施形態では、クラッド部分は、キャピラリCAP(反共振要素の働きをする)の単一リング配置を含む。したがって、中空コアHCの中心から光ファイバOFの外側に向かういかなる半径方向の線も、1つのキャピラリCAPのみ通過する。
[00071] 他の実施形態には、反共振要素の異なる配置を提供できることが理解されよう。これらは、反共振要素の複数のリングを有する配置や、入れ子反共振要素を有する配置を含み得る。図9(a)は、半径方向に沿って積み重なったキャピラリCAPの3つのリングを有するHC-PCFの実施形態を示す。この実施形態では、各キャピラリCAPは、同じリングと異なるリングの両方において、他のキャピラリと接触している。さらに、図7に示される実施形態は、6つのキャピラリを含む1つのリングを含むが、他の実施形態では、クラッド部分には、いかなる数の反共振要素(例えば、4、5、6、7、8、9、10、11又は12個のキャピラリ)も含む1つ又は複数のリングを提供することができる。
[00072] 図9(b)は、キャピラリ管の単一リングを有する上記で論じられるHC-PCFの修正された実施形態を示す。図9(b)の例では、キャピラリ管21の2つの同軸リングが存在する。キャピラリ管21の内側及び外側リングを保持するため、HC-PCFには、支持管STを含めることができる。支持管は、石英製であり得る。
[00073] 図7及び図9(a)、(b)の例のキャピラリ管は、円形の断面形状を有し得る。キャピラリ管に対しては、楕円形又は多角形の断面のような他の形状も可能である。さらに、図7及び図9(a)、(b)の例のキャピラリ管の固体材料は、PMAのようなプラスチック材料、石英のようなガラス又は軟質ガラスを含み得る。
[00074] 図8は、広帯域出力放射を提供するための放射源RDSを示す。放射源RDSは、パルスポンプ放射源PRS、又は、所望の長さ及びエネルギーレベルの短パルスの発生が可能な他の任意の種類の放射源と、中空コアHCを有する光ファイバOF(例えば、図7に示される種類のもの)と、中空コアHC内に配置される作動媒体WM(例えば、ガス)とを含む。図8では、放射源RDSは、図7に示される光ファイバOFを含むが、代替の実施形態では、他の種類の中空コアHC光ファイバOFを使用することができる。
[00075] パルスポンプ放射源PRSは、入力放射IRDを提供するように構成される。光ファイバOFの中空コアHCは、パルスポンプ放射源PRSから入力放射IRDを受け取り、入力放射IRDを広げて出力放射ORDを提供するように配置される。作動媒体WMは、広帯域出力放射ORDを提供するために、受け取った入力放射IRDの周波数範囲を広げられるようにする。
[00076] 放射源RDSは、リザーバRSVをさらに含む。光ファイバOFは、リザーバRSV内に配置される。また、リザーバRSVは、ハウジング、コンテナ又はガスセルと呼ぶこともできる。リザーバRSVは、作動媒体WMを含むように構成される。リザーバRSVは、リザーバRSV内の作動媒体WM(ガスであり得る)の組成の制御、加減及び/又はモニタリングを行うための、当技術分野で知られている1つ又は複数のフィーチャを含み得る。リザーバRSVは、第1の透明ウィンドウTW1を含み得る。使用中、光ファイバOFは、第1の透明ウィンドウTW1が光ファイバOFの入力端部IEのすぐ近くに位置するように、リザーバRSV内に配置される。第1の透明ウィンドウTW1は、リザーバRSVの壁の一部を形成し得る。第1の透明ウィンドウTW1は、受け取った入力放射周波数に対して少なくとも透過的であり得、その結果、受け取った入力放射IRD(又は少なくともその大部分)を、リザーバRSV内に位置する光ファイバOFにカップリングすることができる。入力放射IRDを光ファイバOFにカップリングするための光学系(図示せず)を提供できることが理解されよう。
[00077] リザーバRSVは、リザーバRSVの壁の一部を形成する第2の透明ウィンドウTW2を含む。使用中、光ファイバOFがリザーバRSV内に配置される際、第2の透明ウィンドウTW2は、光ファイバOFの出力端部OEのすぐ近くに位置する。第2の透明ウィンドウTW2は、装置120の広帯域出力放射ORDの周波数に対して少なくとも透過的であり得る。
[00078] 代わりに、別の実施形態では、光ファイバOFの両端部は、異なるリザーバ内に置くことができる。光ファイバOFは、入力放射IRDを受け取るように構成された第1の端部セクションと、広帯域出力放射ORDを出力するための第2の端部セクションとを含み得る。第1の端部セクションは、作動媒体WMを含む第1のリザーバ内に置くことができる。第2の端部セクションは、第2のリザーバ内に置くことができ、第2のリザーバもまた、作動媒体WMを含み得る。リザーバの機能は、上記の図8に関して説明されるようなものであり得る。第1のリザーバは、入力放射IRDに対して透過的であるように構成された第1の透明ウィンドウを含み得る。第2のリザーバは、広帯域出力広帯域放射ORDに対して透過的であるように構成された第2の透明ウィンドウを含み得る。また、第1及び第2のリザーバは、リザーバの内側に部分的に及び外側に部分的に光ファイバOFを置けるようにするための密封可能な開口部も含み得、その結果、リザーバ内にガスを密封することができる。光ファイバOFは、リザーバ内に含まれない中間セクションをさらに含み得る。2つの別個のガスリザーバを使用したそのような配置は、光ファイバOFが比較的長い(例えば、長さが1mを超える際の)実施形態に対して特に便利であり得る。2つの別個のガスリザーバを使用するような配置の場合、2つのリザーバ(2つのリザーバ内のガスの組成の制御、加減及び/又はモニタリングを行うための、当技術分野で知られている1つ又は複数のフィーチャを含み得る)は、光ファイバOFの中空コアHC内に作動媒体WMを提供するための装置を提供すると考えられることが理解されよう。
[00079] この文脈では、ウィンドウは、ウィンドウへの周波数の入射放射の少なくとも50%、75%、85%、90%、95%又は99%がウィンドウを通じて透過する場合は、その周波数に対して透過的であり得る。
[00080] 第1の透明ウィンドウTW1と第2の透明ウィンドウTW2は、両方とも、リザーバRSVの壁内に気密シールを形成することができ、その結果、作動媒体WM(ガスであり得る)をリザーバRSV内に含めることができる。ガスWMは、リザーバRSVの周囲圧力とは異なる圧力でリザーバRSV内に含めることができることが理解されよう。
[00081] 作動媒体WMは、アルゴン、クリプトン及びキセノンなどの希ガス、水素、重水素及び窒素などのラマン活性ガス、又は、アルゴン/水素混合物、キセノン/重水素混合物、クリプトン/窒素混合物若しくは窒素/水素混合物などのガス混合物を含み得る。充填ガスの種類に応じて、非線形光学的プロセスは、変調不安定性(MI)、ソリトン自己圧縮、ソリトン分裂、カー効果、ラマン効果及び分散波発生(DWG)を含み得、それらの詳細は、国際公開第2018/127266A1号及び米国特許第9160137B1号(両方とも、参照によって本明細書に援用される)において説明されている。充填ガスの分散は、リザーバRSR内の作動媒体WMの圧力(すなわち、ガスセル圧力)を変化させることによって調整できるため、生じた広帯域パルスダイナミクス及び関連のスペクトル広がり特性は、周波数変換を最適化するように調節することができる。
[00082] 一実装形態では、作動媒体WMは、少なくとも広帯域出力放射ORDを発生させるための入力放射IRDを受け取っている間は、中空コアHC内に配置することができる。光ファイバOFが広帯域出力放射を発生させるための入力放射IRDを受け取っていない間は、ガスWMは、中空コアHC内に全く又は部分的に存在しなくともよいことが理解されよう。
[00083] 周波数広がりを達成するため、高強度放射が望ましい。中空コアHC光ファイバOFを有する利点は、それにより、光ファイバOFを通じて伝播する放射の強力な空間的閉じ込めを通じて高強度放射を達成することができ、局所的な高強度放射を達成できることである。光ファイバOF内の放射強度は、例えば、受け取った高強度の入力放射及び/又は光ファイバOF内の放射の強力な空間的閉じ込めが原因で、高い可能性がある。中空コア光ファイバの利点は、ソリッドコアファイバ及び具体的には中空コア光ファイバが紫外線範囲と赤外線範囲の両方の放射を導くことができるような、より広い波長範囲を有する放射を導くことができることである。
[00084] 中空コアHC光ファイバOFを使用する利点は、光ファイバOF内で導かれる放射の大部分が中空コアHCに閉じ込められることであり得る。したがって、光ファイバOF内の放射の相互作用の大部分は、光ファイバOFの中空コア内に提供される作動媒体WMとの間で起こる。その結果、作動媒体WMによる放射の広がり効果を高めることができる。
[00085] 受け取る入力放射IRDは、電磁放射であり得る。入力放射IRDは、パルス放射として受け取ることができる。例えば、入力放射IRDは、例えばレーザによって発生する、超高速パルスを含み得る。
[00086] 入力放射IRDは、コヒーレント放射であり得る。入力放射IRDは、コリメートされた放射であり得、その利点は、入力放射IRDを光ファイバOFにカップリングする上での効率性を促進及び改善することであり得る。入力放射IRDは、単一の周波数又は狭範囲の周波数を含み得る。入力放射IRDは、レーザによって発生させることができる。同様に、出力放射ORDは、コリメートすることができる及び/又はコヒーレントであり得る。
[00087] 出力放射ORDの広帯域範囲は、連続範囲であり得、放射周波数の連続範囲を含む。出力放射ORDは、スーパーコンティニウム放射を含み得る。連続放射は、多くの用途(例えば、メトロロジ用途)における使用に有益であり得る。例えば、周波数の連続範囲は、大多数の特性の問合せのために使用することができる。周波数の連続範囲は、例えば、測定された特性の周波数依存性を決定するため及び/又は排除するために使用することができる。スーパーコンティニウム出力放射ORDは、例えば、100nm~4000nmの波長範囲にわたる電磁放射を含み得る。広帯域出力放射ORDの周波数範囲は、例えば、400nm~900nm、500nm~900nm又は200nm~2000nmであり得る。スーパーコンティニウム出力放射ORDは、白色光を含み得る。
[00088] パルスポンプ放射源PRSによって提供される入力放射IRDは、パルス状であり得る。入力放射IRDは、200nm~2μmの1つ又は複数の周波数の電磁放射を含み得る。入力放射IRDは、例えば、1.03μmの波長を有する電磁放射を含み得る。パルス放射IRDの繰り返し率は、1kHz~100MHzほどの大きさであり得る。パルスエネルギーは、0.1μJ~100μJ(例えば、1~10μJ)ほどの大きさを有し得る。入力放射IRDのパルス持続時間は、10fs~10ps(例えば、300fs)であり得る。入力放射IRDの平均パワーは、100mW~数百Wであり得る。入力放射IRDの平均パワーは、例えば、20~50Wであり得る。
[00089] パルスポンプ放射源PRSは、レーザであり得る。光ファイバOFに沿って伝送されるそのようなレーザパルスの時空伝送特性(例えば、そのスペクトル振幅及び位相)は、(ポンプ)レーザパラメータ、作動コンポーネントWM変動及び光ファイバOFパラメータの調節を通じて変化させること及び調整することができる。時空伝送特性は、出力パワー、出力モードプロファイル、出力時間プロファイル、出力時間プロファイルの幅(又は出力パルス幅)、出力スペクトルプロファイル及び出力スペクトルプロファイルの帯域幅(又は出力スペクトル帯域幅)の1つ又は複数を含み得る。パルスポンプ放射源PRSパラメータは、ポンプ波長、ポンプパルスエネルギー、ポンプパルス幅、ポンプパルス繰り返し率の1つ又は複数を含み得る。光ファイバOFパラメータは、光ファイバの長さ、中空コアHCのサイズ及び形状、キャピラリのサイズ及び形状、中空コアHCを取り囲むキャピラリの壁の厚さの1つ又は複数を含み得る。作動コンポーネントWM(例えば、充填ガス)パラメータは、ガスの種類、ガスの圧力及びガスの温度の1つ又は複数を含み得る。
[00090] 放射源RDSによって提供される広帯域出力放射ORDは、少なくとも1Wの平均出力パワーを有し得る。平均出力パワーは、少なくとも5Wであり得る。平均出力パワーは、少なくとも10Wであり得る。広帯域出力放射ORDは、パルス広帯域出力放射ORDであり得る。広帯域出力放射ORDは、出力放射の波長帯域全体において、少なくとも0.01mW/nmのパワースペクトル密度を有し得る。広帯域出力放射の波長帯域全体におけるパワースペクトル密度は、少なくとも3mW/nmであり得る。
[00091] 上記で説明されるように、広帯域出力放射ORD(例えば、スーパーコンティニウム又は白色光)の発生に関与する多くの非線形光学的プロセスが存在する。どの非線形光学的プロセスが他のものより顕著なスペクトル広がり効果を有するかは、動作パラメータがどのように設定されるかに依存する。例えば、ポンプパルスがファイバを通じて正常分散領域(正の群速度分散(GVD))で伝播するようにポンプ波長及び/又は光ファイバOFを選択することにより、自己位相変調が、優勢な非線形光学的プロセスとなり、ポンプパルスのスペクトル拡大に対する責任を有する。しかし、大抵の事例では、パルスポンプ放射源PRSによって提供される入力放射IRDのスペクトル広がりは、ソリトンダイナミクスによって引き起こされ、ポンプパルスが光ファイバOFの異常分散領域(負のGVD)で伝播することを必要とする。この理由は、異常分散領域では、カー非線形性及び分散の効果が互いに反対に作用するためである。異常色分散で光学ファイバOF(例えば、HC-PCF)に入射されるポンプパルスのパルスパラメータがソリトンのものと正確に整合しない際は、ポンプパルスは、特定のソリトン次数及び分散波を有するソリトンパルスに発展する。
[00092] ソリトン自己圧縮及び変調不安定性は、ソリトンによる広帯域放射発生におけるスペクトル広がりのための2つの主要な機構であることが知られている。2つの機構の区別は、ソリトン自己圧縮プロセスは、低いソリトン次数と関連付けられるのに対して、変調不安定性プロセスは、高いソリトン次数と関連付けられることである。パルス入力放射IRDのソリトン次数Nは、スペクトル広がりにおいて変調不安定性が優勢である状況と、スペクトル広がりにおいてソリトン自己圧縮が優勢である状況とを区別するために使用することができる便利なパラメータである。パルス入力放射IRDのソリトン次数Nは、
Figure 2024509518000002
によって得られ、式中、γは、非線形位相(又は非線形パラメータ)であり、Pは、パルス入力放射IRDのポンプピークパワーであり、τは、パルス入力放射IRDのポンプパルス持続時間であり、βは、作動媒体WMの群速度分散である。
[00093] スペクトル広がりは、典型的には、N≫20の際は、変調不安定性が優勢であるのに対して、スペクトル広がりは、典型的には、N≪20の際は、ソリトン自己圧縮が優勢である。
[00094] 幾つかの公知の広帯域放射源は、パルスポンプ放射のスペクトル広がりを生み出す配置を使用するが、パルスポンプ放射、光ファイバ及び作動媒体のパラメータは、変調不安定性によってスペクトル広がりを生み出すことを可能にするように構成される。スペクトル広がりを生み出すために変調不安定性を使用する理由は幾つか存在する。第1に、変調不安定性は、十分な数のパルスが平均化されるという条件で、比較的平坦な強度・波長分布を有する広帯域放射を生成することが知られている。そのような広帯域放射源は、白色光放射源(比較的平坦なスペクトル強度分布に起因する)と呼ぶことができる。第2に、変調不安定性は、ポンプ放射源として比較的経済的なレーザ源を使用して達成することができる。
[00095] 他方では、ソリトン自己圧縮のレジームでは、入力ポンプパルスは、時間領域における圧縮を経るが、それは、スペクトルの幅の増大を伴う。ソリトン自己圧縮に続いて、圧縮パルスは、パルスが多数のソリトンに分裂するソリトン分裂を経る。このソリトン分裂は、放射パルスの時間的広がり及びスペクトルのシフトをもたらす。
[00096] 方程式(1)から分かるように、入力パルスポンプ放射122のソリトン次数は、パルス入力放射IRDのパルス持続時間τに比例する。したがって、一般に、ソリトン自己圧縮が優勢である先行技術の配置では、典型的には、入力パルス入力放射IRDのパルス持続時間τは、30fs以下程度まで低減する。そのような配置を実現するため、典型的には、圧縮された高出力のフェムト秒ファイバレーザ(例えば、ファイバベースのチャープパルス増幅システム(FCPA))又はTi:サファイア増幅器がパルスポンプ放射源PRSとして使用される。そのようなレーザシステムは、比較的バルクであり(フェムト秒ファイバレーザの頭部は、例えば、60×40×20cmの寸法を有する)、大抵の事例では、外部コントローラ及び水冷器を必要とする。さらに、そのようなレーザシステムは、比較的コストがかかる。
[00097] 本発明人等は、代わりに、パルス入力放射IRDのパルスエネルギーE(E=Pτ)を低減することによって、パルス入力放射IRDのソリトン次数を低減できることを認識した。例えば、他のすべてのパラメータが一定のままであれば、パルス入力放射IRDのパルスエネルギーEをα分の1に低減することにより、α倍に増加したパルス持続時間を使用して、同じソリトン次数を達成することができる。この手法により、ソリトン自己圧縮ベースのスペクトル広がりに対する短パルス持続時間(例えば、30fs以下)の要件が緩和される。その結果、ソリトン自己圧縮に対して、かなり長いパルス持続時間(例えば、100fs以上)延いてはより経済的なレーザ源を使用することができる。
[00098] ソリトン自己圧縮レジーム(比較的低いソリトン数)では、入力放射IRDのパルスは、大幅な時間的圧縮を経るが、それは、スペクトル広がりを伴う。最終的には、時間的圧縮は、最大レベル(パルス放射の最小時間範囲に相当する)に達し、それに続いて、放射の時間的広がり(ソリトン分裂)が生じる。ソリトン(高次の)は、中空コア光ファイバに沿って伝播するにつれて、時間的圧縮期間と時間的広がり期間との間で振動する。時間的広がりに続いて、他の効果は、放射のスペクトルのシフトにつながり得る。例えば、自己急峻化(ソリトン自己圧縮に伴うか又はソリトン自己圧縮を支援し得る)は、分散波放出をシードし得る光衝撃につながり得る。システムのパラメータを調整することにより、特定の望ましい波長を発生させることができる。例えば、特定の分子との相互作用に適したものになるように波長を選択し、その分子を研究する研究実験において使用することができる。したがって、ソリトン自己圧縮は、第1の波長を有する入力ポンプレーザビームから第2のシフトされた波長を有する出力放射ビームを発生させるための公知のレジームである。
[00099] 図10Aは、シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する波長λパワースペクトル密度プロット(又は信号sig(dB))を示し、図8に示される放射源RDSの中空コアHC光ファイバOF内における放射のパルスのソリトン自己圧縮ベースのスペクトル発展について説明する。中空コアHC光ファイバOF(例えば、図7に示される単一リングHC-ARF)は、150cmの長さ及び32.5μmのコア径を有する。中空コアHCは、10バールの圧力のクリプトンガスの作動媒体WMで満たすことができる。この例では、パルス入力放射IRDは、ポンプパルス持続時間τが150fsであり、パルスエネルギーEが0.4μJエネルギーであり、波長λが1030nmである。このパルスエネルギーEは、変調不安定性による広帯域光源において現在使用されているものより約1桁低い。この構成により、異常分散レジーム(1030nmのポンプ波長でβ=-6.3fs/cm)におけるポンピングが可能になる。N=17のソリトン次数により、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して広帯域出力放射ORDを形成するためのパルス入力放射IRDのソリトン自己圧縮が可能になる。
[000100] 図10Aを参照すると、中空コアHC光ファイバOFの第1の部分(例えば、ファイバOFの入力端部IEと入力端部IEから約100cmの位置との間)において、入力放射IRDは、入力放射IRDのスペクトルを連続的に広げる自己位相変調140を経る。これに続いて、図10Bに示されるように、ソリトン自己圧縮142が生じ、入力放射IRDの時間範囲が、中空コアHC光ファイバOFの入力端部IEから約110cmの距離のところで最小になる。ソリトン自己圧縮は、放射のスペクトルの大幅な広がり144を伴う。すなわち、入力放射IRDの時間範囲が最小である一方で、入力放射IRDのスペクトルの幅は最大である。
[000101] 一般に、ソリトン自己圧縮後には、パルス入力放射IRDのスペクトルの幅の減少及び/又はスペクトルのギャップの発生が起こり得る(例えば、ソリトンの発展に伴って及び分散波の放出に伴って)。図10Aを見ると、ソリトン自己圧縮及び関連スペクトル広がり144に続いて、放射のスペクトルが幾つかの変化を経ることが分かる。例えば、分散波152が放出され、スペクトル圧縮期間とスペクトル広がり期間との間で放射が振動する。
[000102] 図11Aは、図10Aによって示されるシミュレーションによって生成されるような、放射源RDSの出力スペクトル150のシミュレーションを示す。また、パルス入力放射IRDのスペクトル148も示されている。出力スペクトル150から、スペクトルが滑らかではなく、多くのピークとトラフがあることが明確に分かる。
[000103] 本発明人等は、ソリトン自己圧縮の間、時間的広がりの前(及びいかなる分散波も形成される前)には、移行期間(一時的な)が存在し、その期間中に中空コアファイバを通じて伝播する放射は、広帯域放射(すなわち、スペクトル密度スペクトルのギャップがほとんどない、広くて比較的平坦なスペクトルを有するもの)であることを認識した。さらに、本発明人等は、この広帯域放射は一時的なものであるが、出力端部112が、ソリトン自己圧縮が起こる位置ではあるが、後続の時間的広がり及びスペクトルのシフトの前の位置と実質的に一致するように、光ファイバ100の長さを選択することにより、この広帯域放射を光ファイバ100から出力して、特に安定した広帯域放射源134を提供できることを認識した。
[000104] 図11Bは、最大圧縮点(入力放射IRDのスペクトルの幅が最大であるか又は時間範囲入力放射IRDが最小である位置)におけるスペクトル146のシミュレーションを示す。図11Aに示されるスペクトル150と比較すると、スペクトル146は、より滑らか且つより平坦なスペクトルプロファイルを有する。この比較により、光ファイバ100の長さが、放射のスペクトルの幅が最大である位置と出力端部112が実質的に一致するようなものであれば、より安定した(例えば、パルス間変動に対して)且つ平坦な広帯域放射源を提供できることがさらに裏付けられる。
[000105] 雑音シード変調不安定性システムとは対照的に、そのようなソリトン自己圧縮によって発生する広帯域放射は、ショット間変動が実質的になくなる。その結果、有利には、単一のパルスを使用して、安定した出力スペクトルを生成することができる。対照的に、変調不安定性システムの出力ビームにおいてある程度の安定性を生み出すには、数個のパルスが必要となる。
[000106] 広帯域出力放射ORDを必要とする多くの用途(例えば、前述のメトロロジ用途)では、広帯域出力放射ORD(具体的には、500nm~900nmの波長領域)の出力スペクトルのさらなる平坦化に対する関心が高まっている。前述のソリトン自己圧縮方法(すなわち、光ファイバの出力端部を最大圧縮点と一致させるもの)は、より滑らか且つより平坦な広帯域出力スペクトルの保証に役立つが、広帯域スペクトル(例えば、スペクトル146)の平坦性は、依然としてさらに改善することができる。したがって、この開示では、ソリトン自己圧縮レジームで発生する広帯域出力放射ORDのスペクトル平坦性をさらに改善するための方法及び装置が提案される。
[000107] 図12Aは、シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する別の波長λパワースペクトル密度(又は信号sig(dB))プロットを示し、図8に示される放射源RDSの中空コアHC光ファイバOF内における入力放射IRDのパルスのソリトン自己圧縮ベースのスペクトル発展について説明する。中空コアHC光ファイバOFは、例えば、図7に示されるような単一リングHC-ARFであり得る。光ファイバOFは、120cmの長さ(ファイバの入力端部IEと出力端部OEとの間)及び32.5μmのコア径を有する。キャピラリ壁部分WPは、0.16μmの厚さを有する。光ファイバOFの中空コアHCは、14バールの圧力及び298Kの動作温度のクリプトンガスの作動媒体WMで満たすことができる。パルス入力放射IRDは、ポンプパルス持続時間τが153fsであり、パルスエネルギーEが0.275μJエネルギーであり、波長λが1030nmである。パルス入力放射IRDの繰り返し周波数は、10.2MHzである。パルス入力放射IRDは、入力端部IEを介して中空コアHCにカップリングされ、出力放射ORDは、出力端部OEを介して光ファイバOFを出る。この単に例示的な動作パラメータのセットは、ソリトン自己圧縮レジームにおいてスペクトル広がりを可能にするために選択されている。
[000108] 図に示されるように、実線の0 GVDは、群速度分散がゼロである波長を示す。入力放射IRDの波長(例えば、1030nm)は0 GVD波長(例えば、約820nm)より長いため、入力放射は、ファイバT-OFのガス充填中空コアHCにおいて異常分散の対象になる。点線MCPによって示されるような最大圧縮点は、光ファイバOFの入力端部IEから約108cmの位置と一致する。最大圧縮点では、入力放射IRDのスペクトルの幅は、最大であり、より短い方のスペクトルで発生する波長は、分散波に相当する。分散波は、分散波とスペクトル広がりを大きくした入力放射との間で位相整合条件が満たされる時は常に発生する。点線PMは、分散波に対する位相整合波長を示し、入力放射が光ファイバOFを横断している間は変わらない。最大圧縮点から光ファイバOFの出力端部OEへの入力放射IRDの継続的な伝播は、分散波のエネルギーの連続増大、延いては、より鋭く尖ったスペクトルプロファイル(図10Aに示されるシミュレーションと一致するような)をもたらす。
[000109] 図12Bは、図12Aに示されるシミュレーションと同じパラメータでシミュレーションされた最大圧縮点におけるパルス入力放射IRDのスペクトルのパワースペクトル密度PSDプロットを示す。x軸は、上記で論じられる自己圧縮レジームにおいてスペクトル広がりを大きくした入力放射IRDの波長λである。y軸は、スペクトル広がりを大きくした放射の1ナノメートルあたりのパワーの量を表す。図に示されるように、スペクトルは、発生した分散波の波長領域において比較的高いピークPKを有し、ピークPKの直後に比較的低いバレーVRを有する。この特定の事例では、ピークPKは、520nm辺りを中心とし、バレーVRは、570nm辺りでディップしている。ピークPKのパワースペクトル密度(例えば、約0.82mW/nm)は、バレーVRのトラフのパワースペクトル密度(例えば、約0.08mW/nm)より10倍以上高い。また、分散波ピークPKがポンプパルスのエネルギー雑音に非常に敏感である(ポンプパルスエネルギーの小さな変動が分散波の波長における大きな出力強度差に直接つながる)ことも分かる。結果的に、ポンプレーザのパルスエネルギー雑音は、ピークPKの高さの大きなパルス間変動をもたらし得る。例えば、図12Aに示されるシミュレーションにおいて使用されたものと同じ動作パラメータに基づいて、本発明人等は、パルスエネルギーにおける3.7%の変動が分散波ピークPKの強度において330%を超える変動まで大幅に「増大」され得ることを見出した。
[000110] 本発明人等は、ガス充填光ファイバOFの少なくとも1つの部分において少なくとも1つの分散制御機構を適用するように放射源RDSを構成できることを認識した。好ましくは、少なくとも1つの分散制御機構は、光ファイバOFの第1の部分に適用され、光ファイバの第1の部分の第1の端部は、入力放射IRDのスペクトルが最大幅に達する光ファイバの長さに沿った位置に又はその近くに位置し、光ファイバの第1の部分の第2の端部は、光ファイバの出力端部に又はその近くに位置する。光ファイバOFは、主要部分をさらに含み得、主要部分は、比較的一定のコア径を含み得、光ファイバの入力端部と一致する第1の端部と、入力放射IRDのスペクトルが最大幅に達する光ファイバの長さに沿った位置に位置する第2の端部とを含み得る。そのような少なくとも1つの分散制御機構は、ファイバ内部の純分散を変更することができ、したがって、分散波の位相整合条件の調節を可能にする。例えば、少なくとも1つの分散制御機構の適用により、分散波の位相整合波長の連続赤方偏移、延いては、分散波とスペクトル広がりを大きくした入力放射のスペクトルのバレー領域VRとの間の重複が生じ得る。第1の部分の長さに沿って位相整合波長を慎重に調節することにより、バレー領域VRの入力放射IRDのスペクトルのパワースペクトル密度PSDプロファイルにある程度は相補的な、分散波の所望のパワースペクトル密度PSDプロファイルが取得可能であり得る。そのような方法では、バレー領域VRは、位相整合条件が満たされる限り、ポンプ放射によって連続的にパワー供給される重複分散波からのエネルギーで満たされ得る。結果的に、バレーVRのトラフのパワースペクトル密度PSD及び広帯域出力放射ORDの出力スペクトルの平坦性を両方とも改善することができる。
[000111] 幾つかの実施形態では、分散制御機構は、最大圧縮点の直後に始まる中空コアHC光ファイバOFのテーパ状の部分として具体化され得る。ガス充填中空コアHCにおける入力放射IRDの初期分散特性に応じて、光ファイバOFのテーパ状の部分は、光ファイバOFの構造寸法(例えば、コア径)が光ファイバOFの軸方向若しくは長さに沿って連続的に増加する少なくとも1つのアップテーパセクション、光ファイバOFの構造寸法(例えば、コア径)が光ファイバOFの軸方向若しくは長さに沿って連続的に減少する少なくとも1つのダウンテーパセクション又はそれらの組合せを含み得る。
[000112] ファイバテーパリングは、異なる光学特性が得られるように、光ファイバOFの局所的な特性を修正する(例えば、コア径を増減する)ための有用な技法として知られている。ファイバテーパリングは、光ファイバOFの製造後の後処理ステップにおいて適用することができる。典型的には、テーパ状のファイバは、ファイバを加熱しながら(例えば、ファイバの長さに沿って熱源又はオキシブタン火炎をスキャンしながら)、ファイバコアの内側から又はファイバコアの外側から圧力を印加することによって製作される。テーパリングプロセスの間に加熱エリアに印加される圧力の精密制御により、任意のテーパ状のプロファイル及びウエスト長の生成が可能になる。参照によって本明細書に援用されるR. Pennetta et al., “Fabrication and non-destructive characterization of tapered single-ring hollow-core photonic crystal fiber,” APL Photonics 4, 056105 (2019)という公開文献は、標準火炎ブラシ技法を使用して、表面張力のバランスを取るためにキャピラリの外部の領域を選択的にガス抜きすることによって、単一リングHC-PCFをテーパリングできることを開示している。以下の実施形態では、中空コアHC光ファイバOFは、テーパ状のファイバを通じて基本モードの伝播が実質的に維持されるように断熱方式でテーパリングすることができる。
[000113] 図13Aは、実施形態による、第1のテーパ状の中空コア光ファイバT-OFを概略的に示す。テーパ状の中空コア光ファイバT-OFは、L1の長さを有する非テーパ状のファイバ部分NP(上記で説明される主要部分に相当する)と、L2の長さを有するテーパ状のファイバ部分TP(上記で説明される第1の部分に相当する)とを含み得る。2つのファイバ部分NP、TPは、最大圧縮点MCP(入力放射IRDのスペクトルの幅が最大であるか又は時間範囲入力放射IRDが最小である位置)で接触し得る。この実施形態では、テーパ状の部分TPは、単一のアップテーパセクションを含み得、アップテーパセクションは、最大圧縮点MCPの直後に始まり、テーパ状の中空コア光ファイバT-OFの出力端部OEのところで終わる。非テーパ状の部分NPでは、構造寸法(例えば、コア径、キャピラリ径及びキャピラリ壁の厚さ)は、実質的に変わらないままであり得る。対照的に、テーパ状の部分TPでは、テーパ状の中空コア光ファイバT-OFの構造寸法は、ファイバの軸方向又は長さに沿って連続的に増加し得る。例えば、テーパ状の部分TPでは、ファイバコア径は、第1のコア径ID1から第2のコア径ID2に連続的に増加し得る。そのようなテーパ状の部分TPは、「アップテーパ」と呼ぶこともできる。テーパ状のファイバ部分TPにおけるコア径の連続増加は、入力放射のスペクトル発展に対する少なくとも2つの効果、すなわち、1)テーパ状のファイバ部分TPにおける非線形性の連続減少、及び、2)0 GVD波長の連続赤方偏移(すなわち、長い波長への0 GVD波長の連続シフト)を有し得る。
[000114] 図13Bは、実施形態による、第2のテーパ状の中空コア光ファイバT-OF’を概略的に示す。テーパ状の中空コア光ファイバT-OF’は、L1’の長さを有する非テーパ状のファイバ部分NP’と、L2’の長さを有するテーパ状のファイバ部分TP’とを含み得る。2つのファイバ部分NP’、TP’もまた、最大圧縮点MCP’で接触し得る。この実施形態では、テーパ状の部分TP’は、単一のダウンテーパセクションを含み得、ダウンテーパセクションは、最大圧縮点MCP’の直後に始まり、中空コア光ファイバT-OF’の出力端部OE’のところで終わる。非テーパ状の部分NP’では、構造寸法(例えば、コア径、キャピラリ径及びキャピラリ壁の厚さ)は、実質的に変わらないままであり得る。対照的に、テーパ状の部分TP’では、テーパ状の中空コア光ファイバT-OF’の構造寸法は、ファイバの軸方向又は長さに沿って連続的に減少し得る。例えば、テーパ状の部分TPでは、ファイバコア径は、第1のコア径ID1’から第2のコア径ID2’に連続的に減少し得る。そのようなテーパ状の部分TPは、「ダウンテーパ」と呼ぶこともできる。テーパ状のファイバ部分TP’におけるファイバコア径の連続減少は、入力放射のスペクトル発展に対する少なくとも2つの効果、すなわち、1)テーパ状のファイバ部分TPにおける非線形性の連続増加、及び、2)0 GVD波長の連続青方偏移(すなわち、短い波長への0 GVD波長の連続シフト)を有し得る。
[000115] 2つのファイバ部分が接触する最大圧縮点MCP、MCP’では、非テーパ状の部分NP、NP’とテーパ状の部分TP、TP’の構造寸法(例えば、コア径)は、実質的に同じであることに留意されたい。構造寸法(例えば、コア径)の増減率は、テーパリングプロセス(例えば、テーパリングの間にファイバが引っ張られる率)に依存し得る。上述のファイバパラメータは、特にテーパ状の単一リングHC-ARFに適切であり得る例示的なパラメータであることに留意されたい。他の異なる種類の光ファイバは、異なる又は追加のファイバパラメータを含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、光ファイバは、カゴメファイバなどの異なる種類のHC-ARFを含み得、そのクラッド構造は、一組の同心六角形環を含む。そのような事例では、上記で説明されるキャピラリ径は、六角形環の2つの対向する辺の間の距離と置き換えることができる。
[000116] 幾つかの実施形態では、非テーパ状の中空コアHC光ファイバOFは、前述のHC-PCFのうちの1つ(例えば、図7に示される単一リングHC-ARF)を含み得る。広帯域出力放射ORDの発生のために使用される際は、テーパ状の中空コア光ファイバT-OF、T-OF’は、図8に示される広帯域放射源RDSに含めることができる。幾つかの実施形態では、テーパ状の中空コア光ファイバT-OF、T-OF’は、希ガス又は希ガス多含有混合物で満たされ得る。上記で説明されるように、広帯域放射源は、ソリトン自己圧縮プロセスが、ガスが充填されたテーパ状の光ファイバT-OF、T-OF’の入力放射IRDのスペクトル広がりに対して優勢な非線形プロセスであるように構成することができる。
[000117] 図14Aは、シミュレーションのためのファイバ長に沿った位置Pに対する波長λパワースペクトル密度(又は信号sig(dB))プロットを示し、図13Aに示されるテーパ状の中空コア光ファイバT-OF内における入力放射IRDのパルスのスペクトル発展について説明する。実施形態では、テーパ状の中空コア光ファイバT-OFは、図8に示される放射源RDS内に含めることができる。非テーパ状の部分NP及びテーパ状の部分TPから成るテーパ状の光ファイバT-OFは、この例では、120cmの全長(ファイバの入力端部IEと出力端部OEとの間)を有する。非テーパ状の部分NPの長さ(入力端部IEと最大圧縮点MCPとの間)は、108cmであり得、テーパ状の部分TPの長さ(最大圧縮点MCPの直後の位置とファイバの出力端部OEとの間)は、12cmである。非テーパ状の部分NPのコア径ID1は、32.5μmである。非テーパ状の部分NPのキャピラリ壁部分WPは、0.16μmの厚さを有する。テーパ状の部分TPのファイバコア径は、32.5μmの第1のコア径ID1から65μmの第2のコア径ID2まで連続的に増加する。テーパ状の光ファイバT-OFの中空コアHCは、14バールの圧力及び298Kの動作温度のクリプトンガスの作動媒体WMで満たすことができる。パルス入力放射IRDは、ポンプパルス持続時間τが153fsであり、パルスエネルギーEが0.275μJエネルギーであり、波長λが1030nmである。パルス入力放射IRDの繰り返し周波数は、10.2MHzである。当然ながら、これらのすべての値は、単に例示的なものである。パルス入力放射IRDは、入力端部IEを介して中空コアHCにカップリングされ、出力放射ORDは、出力端部OEを介してテーパ状の光ファイバT-OFを出る。
[000118] 図12Aに示されるシミュレーションと比較するため、図14Aに示されるシミュレーションは、ソリトン自己圧縮レジームにおけるスペクトル広がりを可能にする、同じ動作パラメータのセットを使用する。テーパ状の中空コア光ファイバT-OFの非テーパ状の部分NPは、図12Aに示されるシミュレーションにおいて使用される中空コアHC光ファイバOFと同じであるため、図14Aでシミュレーションされる最大圧縮点MCPは、同じ位置(すなわち、ファイバの入力端部から約108cmの位置)のままである。2つのシミュレーションの主な違いは、最大圧縮点MCP後のファイバ部分にあり、図12Aに示されるシミュレーションでは、最大圧縮点MCP後のファイバ部分は、変わらないままであるのに対して、図14Aに示されるシミュレーションでは、最大圧縮点MCP後のファイバ部分は、テーパ状の部分(例えば、単一のアップテーパセクション)を含む。テーパ状の部分TPにおけるファイバテーパリングの適用の結果、0 GVD波長は、最大圧縮点MCPまでの距離の増加に伴って、連続赤方偏移を受ける。同様に、分散波のPM波長もまた、最大圧縮点MCPまでの距離の増加に伴って、連続赤方偏移を受ける。
[000119] 図14Aに戻ると、ファイバコア径の連続増加は、最大圧縮点MCPと一致するファイバ位置における約820nmからファイバの出力端部における約1140nmへの0 GVD波長のシフトをもたらす。0 GVD波長の連続赤方偏移及び分散波(例えば、図12Bに示される、520nm辺りを中心とする分散波)の位相整合条件は、ファイバの長さに沿った最大圧縮点を超える分散波の大幅な増大を防ぐ。上記で説明されるように、分散波に対する位相整合条件の連続赤方偏移は、入力放射IRDのスペクトルのバレー領域VRの方へ分散波の波長をシフトし、分散波とバレー領域VRとの間の重複を促進する。ファイバテーパリング(例えば、ファイバコア径の増加率)を最適化することにより、バレー領域VRの入力放射IRDのスペクトルのパワースペクトル密度プロファイルにある程度は相補的な、分散波の所望のパワースペクトル密度プロファイルの生成が可能になる。したがって、分散波のピーク(例えば、図12Bの520nm辺りのピークPK)とバレーの最小値(例えば、図12Bの570nm辺りのバレーVR)との間のパワースペクトル密度の差を大幅に低減することができ、500nm~900nmの波長領域におけるはるかに平坦なスペクトルプロファイルを得ることができる。
[000120] 図14Bは、図14Aに示されるシミュレーションと同じパラメータでシミュレーションされた放射源の出力スペクトルのパワースペクトル密度プロットを示す。プロットから分かるように、分散波ピークPK’のパワースペクトル密度は、約1.0mW/nmであり、バレーVR’のトラフのパワースペクトル密度は、約0.42mW/nmである。同じパラメータではあるが、最大圧縮点(例えば、図12Bに示されるような)でシミュレーションされたスペクトルと比較すると、バレーVR’のトラフは、0.42mW/nmのはるかに高いパワースペクトル密度を有し(図12Bに示されるスペクトルの0.08mW/nmとは対照的に)、さらに、出力スペクトルは、ピーク/バレー割合が2.38である、はるかに平坦なスペクトルプロファイルを有する(図12Bに示されるスペクトルの10を超えるものとは対照的に)。何れの事例においても、最大圧縮点後のテーパ状のファイバ部分の適用により、少なくとも4倍の改善が得られる。分散波ピークPK’を選択的に減衰させることにより、500nm~900nmの完全な波長範囲にわたって、適度に良いパワースペクトル密度(例えば、約0.4mW/nm)を有する適度に平坦なスペクトルを得ることができる。さらに、最大圧縮点後のテーパ状のファイバ部分の適用により、パルスエネルギー変動に対する分散波のピークPK’の感度も大幅に低減される。
[000121] 広帯域出力放射のスペクトル平坦性を改善するために適用される分散制御機構は、前述の実施形態において説明されるようなテーパ状のファイバ部分に限定されるものではない。代替の実施形態では、分散制御機構は、光ファイバOFの一部分のファイバコア内において圧力勾配PGDを適用するように動作可能な圧力勾配配置を含み得る。好ましくは、圧力勾配PGDは、最大圧縮点の直後に始まるファイバ部分に適用される。
[000122] 図15A及び15Bは、広帯域出力放射ORDを発生させるために使用された光ファイバOF、及び、光ファイバOFにおいて発生する広帯域出力放射のスペクトル平坦性を改善するために適用された例示的な圧力プロファイルPPRをそれぞれ示す。図から分かるように、圧力プロファイルPPRは、2つの部分、すなわち、光ファイバOFの第1の部分FPにおいて適用される一定の圧力CPRを表す第1の部分と、光ファイバOFの第2の部分SPにおいて適用される圧力勾配GPRを表す第2の部分とを含み得る。L1”の長さを有する第1の部分FPは、光ファイバOFの入力端部IE”から始まり、最大圧縮点MCP”と一致する位置で終わる。L2”の長さを有する第2の部分SPは、最大圧縮点MCP”の直後の位置から始まり、光ファイバOFの出力端部OE”のところで終わる。図15Aに示される光ファイバOFは、前述のHC-PCFのうちの1つ(例えば、図7に示される単一リングHC-ARF)を含み得る。
[000123] 図13A及び13Bに示される実施形態と比較すると、光ファイバOFは、テーパ状の部分を含まず、したがって、そのコア径ID”は、ファイバの完全な長さを通じて比較的一定のままである。広帯域出力放射ORDの発生のために使用される際は、光ファイバOFは、図8に示されるものとは異なるように構成された広帯域放射源RDSに含めることができる。圧力プロファイルPPRは、光ファイバOFの中空コアHCに接続された複数の圧力源によって生成することができる。幾つかの構成では、圧力プロファイルPPRは、3つの圧力源(図示せず)、すなわち、ファイバの入力端部IE”において中空コアHCに接続された第1の圧力源、最大圧縮点MCP”において中空コアHCに接続された第2の圧力源及びファイバの出力端部OE”において中空コアHCに接続された第3の圧力源によって生成することができる。さらに、中空コアHC内の局所的な圧力をモニタするために、ファイバ長に沿って異なる位置に複数の圧力センサ(図示せず)を置くことができる。第1の圧力源は、第1の部分FP内で実質的に一定の圧力CPRを維持するように動作可能であり得、第2及び第3の圧力源は、ファイバの第2の部分SP内の圧力がファイバ長の増加と共に連続的に増加するか(例えば、図15Bに示される圧力勾配GPR)又は減少するように構成することができる。また、図13Aに示される実施形態と同様に、正の圧力勾配(ファイバコア内の圧力がファイバ長の増加と共に増加する)の適用により、0 GVD波長の連続赤方偏移が生じ得る。しかし、コア径の増加の結果として非線形性が減少するというよりむしろ、圧力の増加により、ガス充填ファイバの非線形性は増加する。したがって、広帯域出力放射ORDの出力スペクトルを平坦化するため、ソリトン自己圧縮レジームの動作を維持しながら、圧力プロファイルPPRの慎重な最適化が実行され得る。
[000124] 異なる構成では、光ファイバOFの入力端部IE”は、第1の圧力チャンバに収納することができ、光ファイバOFの出力端部OE”は、第2の圧力チャンバに収納することができる。2つのチャンバの各々の圧力は、ファイバの全長を通じて圧力勾配の増減が得られるように、異なる(所望の)レベルに設定することができる。他の構成では、より複雑な複数の部分を有する圧力プロファイルPPRが作成されるように、3つを超える圧力源を光ファイバOFの中空コアHCに接続することができる。この出願の文脈では、圧力勾配GPRは、ソリトン自己圧縮レジームにおいて広帯域出力放射ORDが発生するように選択される。最適化された圧力プロファイルを適用することにより、テーパ状の光ファイバT-OF、T-OF’によって達成されるものと同様の効果に達することができる。
[000125] 代替の実施形態では、分散制御機構は、光ファイバOFの一部分のファイバコア内において温度勾配を適用するように動作可能な温度勾配配置を含み得る。好ましくは、温度勾配は、最大圧縮点の直後に始まるファイバ部分に適用される。作動媒体は、光ファイバの一部分において、そのような温度勾配を受け得る。図15Cは、図15Aに示される光ファイバOFにおいて発生する広帯域出力放射のスペクトル平坦性を改善するために適用された例示的な温度プロファイルTPRを概略的に示す。図15Bに示される圧力プロファイルPPRと同様に、温度プロファイルTPRもまた、2つの部分、すなわち、光ファイバOFの第1の部分FPにおいて適用される一定の温度を表す第1の部分と、光ファイバOFの第2の部分SPにおいて適用される温度勾配を表す第2の部分とを含み得る。温度プロファイルTPRは、光ファイバOFに沿った作動媒体の温度を表し得、例えば、1つ又は複数の温度制御要素(例えば、熱電冷却器(TEC)要素)を光ファイバOFの外面の1つ又は複数の場所に取り付けることによって生成することができる。温度勾配GTEは、正の温度勾配(ファイバの温度がファイバ長の増加と共に増加する)又は負の温度勾配(ファイバの温度がファイバ長の増加と共に減少する)を含み得る。0 GVD波長の連続赤方偏移を引き起こすため、負の温度勾配が光ファイバOFの第2の部分SPに適用され得る。同様に、広帯域出力放射ORDの出力スペクトルを平坦化するため、ソリトン自己圧縮レジームの動作を維持しながら、温度プロファイルTPRの慎重な最適化を行う必要があり得る。
[000126] ファイバテーパリングの1つ又は複数の実施形態(すなわち、図13A又は図13Bにそれぞれ示されるような、光ファイバの特定の部分のテーパリング)は、ファイバコアにおける圧力及び/又は温度プロファイルを作成する実施形態(例えば、図15B及び15Cに示されるような、ファイバの第2の部分SPにわたるファイバコアにおける圧力及び/又は温度勾配の適用)とは無関係に又は同実施形態と組み合わせて使用できることが理解されよう。
[000127] 図16は、本明細書で開示される方法及びフローの実施を支援し得るコンピュータシステム1600を示すブロック図である。コンピュータシステム1600は、情報を伝達するためのバス1602又は他の通信機構と、情報を処理するためにバス1602と結合されたプロセッサ1604(又は複数のプロセッサ1604、1605)とを含む。また、コンピュータシステム1600は、プロセッサ1604による実行のための情報及び命令を格納するためにバス1602に結合されたメインメモリ1606(ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置など)も含む。また、メインメモリ1606は、プロセッサ1604による実行のための命令を実行する間、一時的な変数又は他の中間情報を格納するために使用することもできる。コンピュータシステム1600は、プロセッサ1604用の静的情報及び命令を格納するためにバス1602に結合された読み取り専用メモリ(ROM)1608又は他の静的記憶装置をさらに含む。記憶装置1610(磁気ディスク又は光ディスク)が提供され、情報及び命令を格納するためにバス1602に結合される。
[000128] コンピュータシステム1600は、バス1602を介して、コンピュータユーザに情報を表示するためのディスプレイ1612(ブラウン管(CRT)又はフラットパネル若しくはタッチパネルディスプレイなど)に結合することができる。入力デバイス1614(英数字及び他のキーを含む)は、プロセッサ1604に情報及びコマンド選択を伝達するためにバス1602に結合される。別の種類のユーザ入力デバイスは、プロセッサ1604に方向情報及びコマンド選択を伝達するため並びにディスプレイ1612上のカーソルの動きを制御するためのカーソルコントロール1616(マウス、トラックボール又はカーソル方向キーなど)である。この入力デバイスは、典型的には、2本の軸、すなわち、第1の軸(例えば、x)及び第2の軸(例えば、y)における2自由度を有し、それにより、デバイスは、平面における位置を指定することができる。また、入力デバイスとして、タッチパネル(スクリーン)ディスプレイを使用することもできる。
[000129] 本明細書に記載の方法の1つ又は複数は、メインメモリ1606に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスをプロセッサ1604が実行することに応答して、コンピュータシステム1600によって実行することができる。そのような命令は、別のコンピュータ可読媒体(記憶装置1610など)からメインメモリ1606に読み込むことができる。メインメモリ1606に含まれる命令のシーケンスの実行により、プロセッサ1604は、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。また、メインメモリ1606に含まれる命令のシーケンスを実行するために、マルチプロセッシング配置の1つ又は複数のプロセッサを使用することもできる。代替の実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と組み合わせて、配線回路を使用することができる。したがって、本明細書の説明は、ハードウェア回路とソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
[000130] 「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書で使用される場合、実行のための命令をプロセッサ1604に提供することに関与するいかなる媒体も指す。そのような媒体は、これらに限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含む、多くの形態を取り得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置1610などの光学又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ1606などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス1602を含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。また、伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信の間に発生するものなど、音響又は光波の形態も取り得る。コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、以下に記載の搬送波、又は、コンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体を含む。
[000131] 様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のための1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスをプロセッサ1604に搬送することに関わり得る。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスク上にあり得る。リモートコンピュータは、その動的メモリに命令をロードし、モデムを使用して電話回線上で命令を送信することができる。コンピュータシステム1600にローカル接続されたモデムは、電話回線上でデータを受信し、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バスに結合された赤外線検出器は、赤外線信号で搬送されているデータを受信し、データをバス1602に載せることができる。バス1602は、メインメモリ1606にデータを搬送し、プロセッサ1604は、メインメモリ1606から命令を回収して実行する。メインメモリ1606によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ1604による実行の前又は後に、記憶装置1610に格納することができる。
[000132] また、コンピュータシステム1600は、好ましくは、バス1602に結合された通信インタフェース1618も含む。通信インタフェース1618は、ローカルネットワーク1622に接続されたネットワークリンク1620に結合される双方向データ通信を提供する。例えば、通信インタフェース1618は、対応する種類の電話回線へのデータ通信接続を提供するための総合サービスデジタル網(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インタフェース1618は、互換性を有するLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。また、ワイヤレスリンクも実装することができる。任意のそのような実装においては、通信インタフェース1618は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁又は光信号の送受信を行う。
[000133] ネットワークリンク1620は、典型的には、1つ又は複数のネットワークを通じて、他のデータデバイスとのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1620は、ローカルネットワーク1622を通じて、ホストコンピュータ1624との接続又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)1626によって操作されるデータ機器との接続を提供することができる。これを受けて、ISP 1626は、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在では、一般的に「インターネット」1628と呼ばれる)を通じて、データ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク1622とインターネット1628は両方とも、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁又は光信号を使用する。様々なネットワークを通じる信号並びにネットワークリンク1620上の及び通信インタフェース1618を通じる信号(コンピュータシステム1600に/からデジタルデータを搬送するもの)は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態である。
[000134] コンピュータシステム1600は、ネットワーク、ネットワークリンク1620及び通信インタフェース1618を通じて、メッセージの送信及びプログラムコードを含むデータの受信を行うことができる。インターネットの例では、サーバ1630は、インターネット1628、ISP 1626、ローカルネットワーク1622及び通信インタフェース1618を通じて、アプリケーションプログラム用の要求コードを送信し得る。ダウンロードされるそのようなアプリケーションの1つは、例えば、本明細書に記載の技法の1つ又は複数に備えることができる。受信コードは、受信した際にプロセッサ1604が実行すること及び/又は後の実行のために記憶装置1610若しくは他の不揮発性記憶装置に格納することができる。このように、コンピュータシステム1600は、搬送波の形態でアプリケーションコードを得ることができる。
[000135] さらなる実施形態が、以下の番号が付された条項のリストに開示される。
1a. 作動媒体を閉じ込めるための中空コアを有するボディを含む中空コア光ファイバを含む放射源であって、
中空コア光ファイバが、パルスポンプ放射を受け取るように動作可能であり、それにより、受け取ったパルスポンプ放射が、中空コアを通じて中空コア光ファイバの入力端部から出力端部まで伝播する、放射源であり、
放射源のソースパラメータが、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するためにパルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように構成され、
広帯域光源デバイスが、ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために、光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するように動作可能な少なくとも1つの分散制御機構をさらに含む、放射源。
1b. ソースパラメータが、パルスポンプ放射のスペクトルが出力端部を介して光ファイバを出る前にその最大幅に達するようなものでもある、条項1aで定義されるような放射源。
2. 少なくとも1つの分散制御機構が、光ファイバの第1の部分と重複する光ファイバのテーパ状の部分を含む、条項1a又は1bで定義されるような放射源。
3. テーパ状の部分が、中空コアの直径がテーパ状の部分に沿って連続的に増加するように構成される、条項2で定義されるような放射源。
4. テーパ状の部分が、中空コアの直径がテーパ状の部分に沿って連続的に減少するように構成される、条項3で定義されるような放射源。
5. 少なくとも1つの分散制御機構が、光ファイバの第1の部分内において圧力勾配を作動媒体に適用するように動作可能な圧力勾配配置をさらに含む、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
6. 圧力勾配配置が、中空コアの入力端部に接続された第1の圧力源と、ポンプ放射のスペクトルが最大幅に達する光ファイバの長さに沿った位置に又はその近くに位置するところで中空コアに接続された第2の圧力源と、中空コアの出力端部に接続された第3の圧力源とを含む、条項5で定義されるような放射源。
7. 圧力勾配配置が、中空コアの入力端部を収納するための第1の圧力チャンバと、中空コアの出力端部を収納するための第2の圧力チャンバとを含む、条項5で定義されるような放射源。
8. 圧力勾配配置が、作動媒体の圧力が光ファイバの第1の部分に沿って連続的に増加するように圧力勾配を適用するように動作可能である、条項5、6又は7で定義されるような放射源。
9. 圧力勾配配置が、作動媒体の圧力が光ファイバの第1の部分に沿って連続的に減少するように圧力勾配を適用するように動作可能である、条項5、6又は7で定義されるような放射源。
10. 少なくとも1つの分散制御機構が、光ファイバの第1の部分内において温度勾配を作動媒体に適用するように動作可能な温度勾配配置をさらに含む、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
11. 温度勾配配置が、光ファイバの外面の1つ又は複数の場所に取り付けられた1つ又は複数の温度制御要素を含む、条項10で定義されるような放射源。
12. 温度勾配配置が、作動媒体の温度が光ファイバの第1の部分に沿って連続的に増加するように温度勾配を適用するように動作可能である、条項10又は11で定義されるような放射源。
13. 温度勾配配置が、作動媒体の温度が光ファイバの第1の部分に沿って連続的に減少するように温度勾配を適用するように動作可能である、条項10又は11で定義されるような放射源。
14. 光ファイバの第1の部分が、光ファイバの完全な長さである、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
15. 光ファイバの第1の部分の第1の端部が、ポンプ放射のスペクトルが最大幅に達する光ファイバの長さに沿った位置に又はその近くに位置し、光ファイバの第1の部分の第2の端部が、光ファイバの出力端部に又はその近くに位置する、条項1a~13の何れか一項で定義されるような放射源。
16. 光ファイバが、主要部分をさらに含み、主要部分が、光ファイバの入力端部と一致する第1の端部と、ポンプ放射のスペクトルが最大幅に達する光ファイバの長さに沿った位置に位置する第2の端部とを含む、条項15で定義されるような放射源。
17. 主要部分が、実質的に一定のコア径を含む、条項16で定義されるような放射源。
18. 光ファイバの主要部分の中空コア内の作動媒体が、実質的に一定の圧力を受けるように動作可能である、条項16で定義されるような放射源。
19. 中空コア内に配置される作動媒体と、パルスポンプ放射を生成するように配置されたパルスポンプ放射源と
を含む、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源であって、
ソースパラメータが、パルスポンプ放射、光ファイバ及び作動媒体のパラメータを含む、放射源。
20. 入力パルスポンプ放射のパルス持続時間が50fsより長いように動作可能である、条項19で定義されるような放射源。
21. 入力パルスポンプ放射のパルスエネルギーが1μJ未満であるように動作可能である、条項19又は20で定義されるような放射源。
22. 入力パルスポンプ放射のソリトン次数が20未満であるように動作可能である、条項19~21の何れか一項で定義されるような放射源。
23. 作動媒体が、異常分散を生み出すように構成される、条項19~22の何れか一項で定義されるような放射源。
24. 作動媒体が、希ガス及び分子ガスの少なくとも1つを含む、条項19~23の何れか一項で定義されるような放射源。
25. 分散波が、450nm~550nmの波長を含むように動作可能である、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
26. 分散特性が、光ファイバの0群速度分散の波長を含むように動作可能である、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
27. 中空コア光ファイバが、中空コアを取り囲むクラッド部分を含み、クラッド部分が、中空コアを通じて放射を導くための多数の反共振要素を含み、任意選択的に、クラッド部分の多数の反共振要素が、中空コアの円周方向に沿ってリング構造で配置される、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
28. 多数の反共振要素が、反共振要素の各々が他の何れの反共振要素とも接触しないように配置される、条項27で定義されるような放射源。
29. 光ファイバの第1の部分において適用される少なくとも1つの分散制御機構が、出力放射のスペクトルの最小パワースペクトル密度に対する最大パワースペクトル密度の割合が5以下であるように配置される、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
30. 光ファイバの第1の部分において適用される少なくとも1つの分散制御機構が、出力放射のスペクトルの最小パワースペクトル密度に対する最大パワースペクトル密度の割合が4以下であるように配置される、条項1~29の何れか一項で定義されるような放射源。
31. 光ファイバの第1の部分において適用される少なくとも1つの分散制御機構が、出力放射のスペクトルの最小パワースペクトル密度に対する最大パワースペクトル密度の割合が3以下であるように配置される、条項1~29の何れか一項で定義されるような放射源。
32. 出力放射が、少なくとも500nm~900nmの波長を含む、先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源。
33. 先行する条項の何れか一項で定義されるような放射源を含むメトロロジデバイス。
34. スキャトロメータメトロロジ装置、レベルセンサ又はアライメントセンサを含む、条項33で定義されるようなメトロロジデバイス。
35. 出力放射を発生させるための方法であって、
パルスポンプ放射の1つ又は複数のパラメータを選択することであって、中空コア光ファイバが、中空コアを有するボディと、パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するためにパルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように中空コア内に含まれる作動媒体とを含む、選択することと、
中空コアによって受け取り、中空コアを通じて入力端部から出力端部まで伝播するためのパルスポンプ放射を発生させることと、ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するために、光ファイバの第1の部分において少なくとも1つの分散制御機構を適用することとを含む、方法。
36. パルスポンプ放射のスペクトルが、出力端部を介して光ファイバを出る前にその最大幅に達する、条項35で定義されるような方法。
37. 少なくとも1つの分散制御機構が、
光ファイバの第1の部分に沿った光ファイバの連続的に増減するコア径、
光ファイバの第1の部分に沿って作動媒体が受ける連続的に増減する圧力、及び、光ファイバの第1の部分に沿って作動媒体が受ける連続的に増減する温度
の1つ又は複数を含む、条項35又は36で定義されるような方法。
38. 光ファイバの第1の部分が、光ファイバの完全な長さである、条項35~37の何れか一項で定義されるような方法。
39. 光ファイバの第1の部分が、ポンプ放射のスペクトルが最大幅に達する位置から又はその近くから始まり、光ファイバの出力端部のところで終わる、条項35~37の何れか一項で定義されるような方法。
[000136] 本明細書では、リソグラフィ装置をICの製造で使用することが具体的に参照されているが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることが理解されるべきである。可能な他の用途として、一体型光学系、磁区メモリのガイダンスパターン及び検出パターン、平面パネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造がある。
[000137] 本明細書では、本発明の実施形態をリソグラフィ装置に関連して具体的に参照している場合があるが、本発明の実施形態は、他の装置で使用され得る。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置或いはウェーハ(若しくは他の基板)又はマスク(若しくは他のパターニングデバイス)等の物体を測定又はプロセスする任意の装置の一部をなし得る。これらの装置は、まとめてリソグラフィツールと呼ばれ得る。そのようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を用い得る。
[000138] 本発明の実施形態を光リソグラフィに関連して使用することをここまで具体的に参照してきたが、本発明は、文脈が許す限り、光リソグラフィに限定されず、他の用途で使用され得、例えばインプリントリソグラフィで使用され得ることが理解される。
[000139] ここまで本発明の特定の実施形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明は、説明された以外の方法で実施され得る。上述の説明は、限定的ではなく、例示的であるものとする。したがって、当業者であれば明らかなように、以下に示される特許請求項の範囲から逸脱しない限り、記載された本発明に対する修正形態がなされ得る。

Claims (15)

  1. 作動媒体を閉じ込めるための中空コアを有するボディを含む中空コア光ファイバを含む放射源であって、
    前記中空コア光ファイバが、パルスポンプ放射を受け取るように動作可能であり、それにより、前記受け取ったパルスポンプ放射が、前記中空コアを通じて前記中空コア光ファイバの入力端部から出力端部まで伝播する、放射源であり、
    前記放射源のソースパラメータが、前記パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するために前記パルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように構成され、
    広帯域光源デバイスが、前記ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために、前記光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するように動作可能な少なくとも1つの分散制御機構をさらに含む、放射源。
  2. 前記ソースパラメータが、前記パルスポンプ放射の前記スペクトルが前記出力端部を介して前記光ファイバを出る前にその最大幅に達するようなものでもある、請求項1に記載の放射源。
  3. 前記少なくとも1つの分散制御機構が、前記光ファイバの前記第1の部分と重複する前記光ファイバのテーパ状の部分を含む、請求項1又は2に記載の放射源。
  4. 前記テーパ状の部分が、前記中空コアの直径が前記テーパ状の部分に沿って連続的に増加するように構成され、任意選択的に、前記テーパ状の部分が、前記中空コアの直径が前記テーパ状の部分に沿って連続的に減少するように構成される、請求項3に記載の放射源。
  5. 前記少なくとも1つの分散制御機構が、前記光ファイバの前記第1の部分内において圧力勾配を前記作動媒体に適用するように動作可能な圧力勾配配置をさらに含む、請求項1~4の何れか一項に記載の放射源。
  6. 前記少なくとも1つの分散制御機構が、前記光ファイバの前記第1の部分内において温度勾配を前記作動媒体に適用するように動作可能な温度勾配配置をさらに含む、請求項1~5の何れか一項に記載の放射源。
  7. 前記光ファイバの前記第1の部分が、前記光ファイバの完全な長さである、請求項1~6の何れか一項に記載の放射源。
  8. 前記光ファイバの前記第1の部分の第1の端部が、前記ポンプ放射の前記スペクトルが前記最大幅に達する前記光ファイバの前記長さに沿った位置に又はその近くに位置し、前記光ファイバの前記第1の部分の第2の端部が、前記光ファイバの前記出力端部に又はその近くに位置し、任意選択的に、前記光ファイバが、主要部分をさらに含み、前記主要部分が、前記光ファイバの前記入力端部と一致する第1の端部と、前記ポンプ放射の前記スペクトルが前記最大幅に達する前記光ファイバの前記長さに沿った位置に位置する第2の端部とを含む、請求項2~7の何れか一項に記載の放射源。
  9. 前記中空コア内に配置される前記作動媒体と、
    前記パルスポンプ放射を生成するように配置されたパルスポンプ放射源と
    を含む、請求項1~8の何れか一項に記載の放射源であって、
    前記ソースパラメータが、前記パルスポンプ放射、前記光ファイバ及び前記作動媒体のパラメータを含む、放射源。
  10. 前記入力パルスポンプ放射のソリトン次数が20未満であるように動作可能である、請求項9に記載の放射源。
  11. 前記分散波が、450nm~550nmの波長を含むように動作可能である、請求項1~10の何れか一項に記載の放射源。
  12. 前記分散特性が、前記光ファイバの0群速度分散の波長を含むように動作可能である、請求項1~11の何れか一項に記載の放射源。
  13. 前記光ファイバの前記第1の部分において適用される前記少なくとも1つの分散制御機構が、前記出力放射のスペクトルの最小パワースペクトル密度に対する最大パワースペクトル密度の割合が5以下であるように配置される、請求項1~12の何れか一項に記載の放射源。
  14. 請求項1~13の何れか一項に記載の放射源を含むメトロロジデバイス。
  15. 出力放射を発生させるための方法であって、
    パルスポンプ放射の1つ又は複数のパラメータを選択することであって、中空コア光ファイバが、中空コアを有するボディと、前記パルスポンプ放射のスペクトルを変更して出力放射を形成するために前記パルスポンプ放射がソリトン自己圧縮プロセスを経るように前記中空コア内に含まれる作動媒体とを含む、選択することと、
    前記中空コアによって受け取り、前記中空コアを通じて入力端部から出力端部まで伝播するための前記パルスポンプ放射を発生させることと、
    前記ソリトン自己圧縮プロセスにおいて発生した分散波をスペクトルシフトするために前記光ファイバの第1の部分において分散特性を変更するために、前記光ファイバの前記第1の部分において少なくとも1つの分散制御機構を適用することと
    を含む、方法。
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