JP2024506870A - 双極dcを使用した直交性抽出に先立つイオンの質量および運動エネルギー別の順序付け - Google Patents

双極dcを使用した直交性抽出に先立つイオンの質量および運動エネルギー別の順序付け Download PDF

Info

Publication number
JP2024506870A
JP2024506870A JP2023547413A JP2023547413A JP2024506870A JP 2024506870 A JP2024506870 A JP 2024506870A JP 2023547413 A JP2023547413 A JP 2023547413A JP 2023547413 A JP2023547413 A JP 2023547413A JP 2024506870 A JP2024506870 A JP 2024506870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ions
mass
ion trap
ion
mass spectrometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023547413A
Other languages
English (en)
Inventor
エリック トーマス ジーコンスキー,
Original Assignee
ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド filed Critical ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド
Publication of JP2024506870A publication Critical patent/JP2024506870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/426Methods for controlling ions
    • H01J49/427Ejection and selection methods
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/422Two-dimensional RF ion traps
    • H01J49/423Two-dimensional RF ion traps with radial ejection
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/42Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
    • H01J49/4205Device types
    • H01J49/4245Electrostatic ion traps

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

一側面において、質量分析計が、開示され、質量分析計は、電極間の空間の中に縦軸に沿ってイオンを受け取るための入口を提供するように多重極構成において配置された複数の電極を有するイオントラップを有し、前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、イオンがイオントラップから半径方向に抽出され得る通路を備えている。電極は、前記イオンの半径方向制限を提供するために、電極への1つ以上のRF電圧の印加のために構成され、DC電圧源が、通路を通したイオントラップからのイオンの少なくとも一部の半径方向抽出を引き起こすために少なくとも1つの電極と対向電極とを横断して双極DC電圧パルスを印加するように構成されている。

Description

(関連出願)
本願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2021年2月8日に出願され、「Mass and Kinetic Energy Ordering of Ions Prior to Orthogonal Extraction Using Dipolar DC」と題された米国仮出願第63/147,045号の優先権を主張する。
本教示は、様々な質量分析計において利用され得るイオントラップ、およびそのようなイオントラップが組み込まれ得る質量分析計に関する。
質量分析法(MS)は、定性的用途および定量的用途の両方を伴う検査化学物質の構造を決定するための分析技法である。MSは、未知の化合物を識別すること、分子中の原子の組成を決定すること、その断片化を観察することによって化合物の構造を決定すること、混合されたサンプル中の特定の化学化合物の量を定量化することを行うために有用であり得る。質量分析計は、化学物質をイオンとして検出し、それによって、検体の荷電イオンへの変換が、サンプル処理中に生じなければならない。
いくつかの質量分析計では、静電線形イオントラップ(ELIT)が、上流イオン源によって発生させられたイオンを検出するために採用される。典型的に、RFイオンガイドが、イオンをELITの中に誘導する(例えば、集束させる)ために、イオン源とELITとの間に位置付けられる。しかしながら、RFイオンガイドから静電イオントラップ(分析器)の中へのイオンの注入は、概して、注入ステップ中の飛行時間効果に起因して、限定されたm/z範囲を有するイオンの捕捉につながる。
故に、改良されたイオントラップ、特に、ELITの中へのイオンの注入のために使用され得る改良されたイオントラップの必要性が、存在する。
一側面において、複数の電極を有するイオントラップを備えている質量分析計が、開示され、複数の電極は、電極間の空間の中に縦軸に沿ってイオンを受け取るための入口を提供するように、多重極構成において配置され、複数の電極のうちの少なくとも1つは、イオンがイオントラップから半径方向に抽出され得る通路を備えている。電極は、イオンの半径方向制限を提供するために、電極への1つ以上のRF電圧の印加のために構成され、DC電圧源が、該通路を通した該イオントラップからの該イオンの少なくとも一部の半径方向抽出を引き起こすために、該少なくとも1つの電極と対向電極とを横断して双極DC電圧パルスを印加するように構成されている。
いくつかの実施形態において、ELITが、該イオントラップから抽出されたイオンの少なくとも一部を受け取り、検出するためにイオントラップの下流に位置付けられる。いくつかの実施形態において、ELITは、それらの各々がそれらの間の空間内で受け取られたイオンを軸方向に閉じ込めるためにELITの一端に配置された少なくとも2つのイオンミラーを含むことができる。各イオンミラーはその上に投射したイオンを対向イオンミラーに向かって偏向させることができる。
ELITは、イオンを検出するために2つのイオンミラー間に配置された電荷検出器をさらに含むことができる。いくつかのそのような実施形態において、電荷検出器は、イオンミラー間の空間の少なくとも一部を包囲する実質的に円筒形の電極を含むことができ、それによって、円筒形電極を通したイオンの通過が、電極上に電荷を誘発する。いくつかの実施形態において、電極に結合された検出回路網が、電極上に誘発される電荷を受け取り、誘発された電荷に基づいて、1つ以上のイオン検出信号を発生させることができる。検出回路網と電気通信する分析モジュール(本明細書では、分析器とも称される)が、次に、イオン検出信号を受信し、それらの信号に基づいてイオンの質量スペクトルを発生させるように動作することができる。いくつかの実施形態において、分析モジュールは、ELITによって受け取られたイオンの質量スペクトルを発生させるように、検出信号にフーリエ変換を適用するように構成されている。
双極電圧パルスは、トラップ内のイオンの質量別に順序付けされた半径方向オフセットを促進することができる。例えば、イオン通路が提供される電極へのDC抽出電圧の印加は、イオントラップからの質量別に順序付けされたイオンの抽出を引き起こすことができる。イオンの半径方向質量別の順序付けは、イオンがイオントラップから抽出される通路の入口からより遠くに位置付けられるイオンが、通路入口により近接して位置付けられるそれらのイオンより加速されるであろうから、イオントラップから抽出されたイオンの運動エネルギーの差異をもたらす。
いくつかの実施形態において、イオンの運動エネルギーのそのような差異は、後に抽出されたイオンがより早期に抽出されたものに追いつくことを可能にする。例えば、いくつかの実施形態において、イオンの運動エネルギーのそのような広がりが、より高いm/zイオンより後に抽出された低m/zイオンが、より高いm/zイオンに追いつくことをもたらすことができる。いくつかの他の実施形態において、イオンの運動エネルギーの発散は、高m/zイオンがより低いm/zイオンに追いつくことをもたらすことができる。
いくつかの実施形態において、印加される双極電圧パルスの極性は、イオンが高質量から低質量への順序においてイオントラップから抽出されるように、構成/選択される。代替として、いくつかの実施形態において、双極電圧パルスの極性は、イオンが低質量から高質量への順序においてイオントラップから抽出されるように構成/選択されることができる。
いくつかの実施形態において、イオントラップの多重極構成は、四重極構成の形態にあることができる。他の実施形態において、イオントラップは、他の多重極構成、例えば、六重極または八重極構成において配置された複数のロッドを含むことができる。
いくつかの実施形態において、イオントラップの電極に印加される1つ以上のRF電圧は、約0.1MHz~約5MHzの範囲内の周波数と、約100ボルト~約1,000ボルトの範囲内の振幅(例えば、ゼロからピークまでの振幅)とを有することができる。さらに、いくつかの実施形態において、双極電圧パルスは、約25ボルト~約500ボルトの範囲内の振幅を有することができる。
関連する側面において、イオントラップが、開示され、イオントラップは、イオンが電極間の空間に入り得る入口を提供するように、多重極構成において構成された複数の電極であって、電極のうちの1つは、イオンが該イオントラップから半径方向に抽出され得る通路を備えている、複数の電極と、該イオンの半径方向オフセットを引き起こすために、通路を有する該電極と対向電極とを横断して双極DC電圧パルスを印加するためのDC電圧源とを備えている。
関連する側面において、質量分析法を実施する方法が、開示され、方法は、多重極構成において配置された複数の電極を備えているイオントラップの中に複数のイオンを導入することであって、それらの電極のうちの1つは、イオントラップからのイオンの半径方向抽出のための通路を含む、ことと、1つ以上のRF電圧を該電極のうちの1つ以上に印加し、イオントラップ内にイオンを半径方向に制限するための電磁場を発生させることと、イオンの少なくとも一部の半径方向オフセットを提供するように、通路を有する該電極と対向電極とを横断してDC双極電圧パルスを印加することとを含む。抽出DC電圧が、次いで、印加され、イオントラップからイオンのうちの少なくともいくつかを抽出することができる。多くの実施形態において、DC双極電圧の印加によって引き起こされるイオンの半径方向オフセットは、より高い質量イオンが誘引性極性を有する電極により近接するように、イオンの質量別に順序付けされた半径方向分布をもたらす(例えば、イオンを伴う負の極性は、正電荷を有する)。
いくつかの実施形態において、DC双極電圧パルスの極性は、イオンが高質量から低質量の順序において半径方向に(例えば、イオントラップの中心に対して半径方向にオフセットされた状態に)配置されるように選択される。いくつかの他の実施形態において、DC双極電圧パルスの極性は、イオンが低質量から高質量の順序においてイオントラップ内に半径方向に配置されるように選択される。
双極DC電圧パルスの印加に続いて、抽出電圧(例えば、DC抽出電圧)の印加が、イオントラップからのイオンの抽出を引き起こすことができる。いくつかの実施形態において、イオントラップの下流に位置付けられる質量分析器(例えば、ELIT)が、抽出されたイオンを受け取り、その質量分析を提供することができる。いくつかの関連する側面において、ELITの中に導入されたイオンは、その内部で軸方向に閉じ込められ得る。加えて、いくつかの側面において、ELIT内に組み込まれた電荷検出器は、該軸方向に閉じ込められたイオンを検出することができる。多くのそのような実施形態において、双極DC電圧、抽出電圧、およびイオントラップと下流の質量分析器との間の分離は、抽出されたイオンが下流の質量分析器に実質的に同時に到達するように選択される。例として、質量分析器における抽出されたイオンのそのような実質的に同時の到達は、少なくとも2,000のm/z範囲、例えば、約400~約6,000のm/z範囲に及ぶイオンを含む質量分析器をもたらすことができる。これは、次に、イオンのはるかにより効率的な質量分析を可能にすることができる。
関連する側面において、イオントラップが、開示され、イオントラップは、イオンが該電極間の空間に入り得る入口を提供するように、多重極構成、例えば、四重極構成において構成される複数の電極であって、該電極のうちの1つは、イオンが該イオントラップから半径方向に抽出され得る通路を備えている、複数の電極と、該イオンの半径方向オフセットを引き起こすために通路を有する該電極と対向電極とに双極DC電圧パルスを印加するためのDC電圧源とを含む。
本教示の種々の側面のさらなる理解が、下記に手短に説明される関連付けられた図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することによって、取得されることができる。
図1は、本教示のある実施形態によるイオントラップの概略端面図である。 図2は、図1に図示されるイオントラップの概略側面図である。 図3は、図1および2に描写されるイオントラップの電極のうちの1つに向かう、イオンの移動を図式的に描写し、イオントラップにおいて、その電極と対向電極とを横断した双極DC電圧パルスの印加に応答して、外部環境へのイオンの透過のためのチャネルが提供される。 図4は、本教示のある実施形態によるイオントラップの下流に位置付けられ得る静電線形イオントラップ(ELIT)を図式的に描写する。 図5Aは、イオントラップの2つの電極を横断して印加された双極電圧パルスの極性が低m/z比を伴うイオンがより高いm/z比を伴うイオンに先立ってイオントラップから出て行くようなものである本開示によるイオントラップのある実施形態を図式的に描写する。 図5Bは、図5Aに示されるイオントラップからのイオンの半径方向抽出を図式的に描写する。 図6Aは、非常に高い抽出電圧において、低m/zイオンの後にトラップから出て行く高m/zイオンが、所与の進行距離の後、より低いm/zイオンに追いつくであろうことを図式的に示す。 図6Bは、非常に低い抽出電圧において、イオントラップから抽出されたイオンが、拡張し続けることを図式的に示す。 図6Cは、より高いm/zイオンの後にイオントラップから抽出されたより低いm/zイオンが、ある距離を進行した後、より高いm/zを有するイオンに追いつくであろうことを図式的に描写する。 図7は、図5A-5Bに描写される、イオントラップから抽出されたイオンの下流のELITの中への注入が、より低いm/zイオンに対する高m/zイオンのELITのイオンミラーの中へのより深い浸透をもたらすことを図式的に図示する。 図8は、本教示のある実施形態による質量分析計を図式的に描写する。
本教示は、概して、質量分析計において採用され得るイオントラップを対象とする。いくつかの実施形態において、そのようなイオントラップは、質量別に順序付けされた方式におけるトラップ内のイオンの半径方向抽出を可能にし、それによって、抽出されたイオンは、下流の質量分析器(例えば、静電線形イオントラップ)に実質的に同時に到達し得る。種々の用語が、本明細書では、当技術分野におけるそれらの通常の意味に従って使用される。本明細書で使用されるような用語「about(約)」は、ある数値を中心とした最大10%の変動を示す。本明細書で使用されるような、用語「substantially(実質的に)」は、完全な状態および/または条件からの最大10%の最大偏差を示す。
図1および2は、本教示のある実施形態によるイオントラップ100を図式的に描写し、イオントラップ100は、複数の電極102a、102b、102c、および102d(本明細書において、集合的に、電極102と称され、本実施形態では複数のロッドの形態にある)を含む。電極102は、近位端(PE)から遠位端(DE)まで延び、上流のイオン源(この図に図示せず)によって発生させられたイオンがイオントラップに入る(すなわち、イオンは、電極間の空間に入り得る)入口104と、イオンがイオントラップから出て行き得る出口107とを提供するように、互いに対して四重極構成において配置される。本実施形態において、電極102は、四重極構成において配置されるが、他の実施形態において、電極102は、他の多重極構成、例えば、六重極または八重極構成において配置されることができる。
本実施形態において、2つのRF(無線周波数)源108/109が、電極対(102a、102b)を横断して印加されるRF信号が、電極対(102c、102d)を横断して印加されるRF信号に対して逆位相を有するように、電極の各対にRF信号を印加する。いくつかの実施形態において、印加されるRF信号の周波数は、例えば、約0.1MHz~約5MHzの範囲内、例えば、約1MHz~約4MHzの範囲内であることができ、RF信号に印加される振幅は、例えば、約100ボルト~約1,000ボルトの範囲内であることができるが、他の周波数および電圧も、採用されることができる。
電極へのRF信号の印加は、電極間の空間103内での電磁場の発生をもたらし、電磁場は、その空間内でのイオンの半径方向制限を提供する。
特に、図1を参照すると、本実施形態において、電極102dは、下記により詳細に議論されるように、電極間の空間を外部環境に接続し、イオンがイオントラップから半径方向に抽出され得るチャネル112を含む。いくつかの実施形態において、チャネル112は、イオンがチャネルに入り得る入口112aと、イオンがチャネルから出て行き得る出口112bとの間で延びている実質的に円筒形の外形を有することができる。例として、いくつかの実施形態において、チャネル112は、約0.5~約2mmの範囲内の直径と、約0.1~1cmの範囲内の長さとを有することができるが、他の直径および長さも、採用されることができる。
DC電圧源114が、電極102cおよび102dを横断して双極DC電圧パルスを印加し、イオンを心外に移動させ、チャネル112を通したそれらの半径方向抽出を可能にすることができる。図3に描写される実施形態において、印加される双極電圧の極性は、電極102dが、電極102cに対してより誘引性の電位に維持されるようなものである。より高い質量を伴うイオンの半径方向制限は、より低い質量イオンの半径方向制限に対してあまり制限的ではないので、より高いm/z比を有するイオンは、誘引電位に向かって心外により遠くに移動する(本実施形態において、イオンは、正であると仮定され、故に、それらは、より負の電極102dに誘引される)。
DC電圧源114は、電極102dに抽出「プル」パルス、または、代替として、または加えて、電極102cに抽出「プッシュ」パルスを印加し、イオンをチャネル112に向かって加速し、チャネル112を通した外部環境へのイオンの少なくとも一部の透過を引き起こすことができる。言い換えると、DC電圧源114は、誘引性の抽出DC電圧を電極102dのみに印加し、イオンを電極102d内に形成されたチャネル112に向かって誘引する(すなわち、引っ張る)ことができるか、または、DC電圧源は、反発性の抽出DC電圧を電極102cのみに印加し、イオンを電極102dに向かってはじく(すなわち、イオンを電極102dに向かって押し進める)ことができるか、または、両方を行うことができる。
本実施形態において、より高いm/zイオンが、より低いm/zイオンよりチャネル112の入口112aに近接しているであろうから、チャネル112を通して透過されるイオンは、より高いm/zイオンがより低いm/zイオンの前にイオントラップから出て行く、おおよその質量別の順序付けを示す。しかしながら、より低いm/zイオンは、より長い経路にわたって抽出電極によって確立される電場を経験するので、より低いm/zイオンは、より高いm/zイオンより多くの運動エネルギーまで加速されるであろう。
したがって、より高いm/zイオンが、より低いm/zイオンに先立ってイオントラップから出て行くが、十分な時間(距離)を前提として、より低いm/zイオンは、より高いm/zイオンに追いつくことができる。
下記により詳細に議論されるように、静電線形イオントラップ(ELIT)がイオントラップの下流に位置付けられたいくつかの実施形態において、イオントラップとELITとの間の距離、双極DC電圧パルス、およびDC抽出電圧は、抽出されたイオンがELITに(好ましくは、EITの中心に)実質的に同時に到達することを確実にするように選択される。
より具体的に、図4を参照すると、いくつかの実施形態において、ELIT200が、上で議論されるように、イオントラップから射出されたイオンを受け取るために、イオントラップ100の下流に位置付けられる。図示されるELIT200は、イオンがELIT200に入り得る入口200aと、イオンがELIT200から出て行き得る出口200bとを含む。ELIT200は、イオンミラーの近位組202と、イオンミラーの遠位組204とをさらに含み、それらの間に、外部パルス電圧から検出器を遮蔽する筐体206内に封入されたイオン検出器210が位置付けられている。この図に示されていないが、ELIT200の他の構成要素も、筐体内に位置付けられる。いくつかの実施形態において、筐体は、大気圧より低い圧力、例えば、約1E-9~約1E-11トルの範囲内の圧力に維持されることができる。
本実施形態において、イオンミラーの近位組202は、5つの電極202a、202b、202c、202d、および202eを含み、それらの各々は、イオンが通過し得る開口部を含む。同様に、イオンミラーの遠位組204は、5つの電極204a、204b、204c、204d、および204eを含み、それらの各々は、イオンが通過し得る開口部を含む。
少なくとも1つのDC電圧源208が、イオンミラーのこれらの2つの組間で、ELITによって受け取られたイオンを軸方向に閉じ込めるために、イオンミラーの近位組および遠位組202/204の電極にDC電圧を印加する。一般に、DC電圧の大きさおよび極性は、例えば、イオンの最終運動エネルギー(KE)および荷電極性に依存する。例として、いくつかの実施形態において、イオンミラーに印加されるDC電圧は、-6kV~約+6kVの範囲に及ぶことができる。
双極電圧パルスの極性が低m/zイオンに高m/zイオンより多くの運動エネルギーを持たせる、本実施形態において、低m/zイオンは、反対のイオンミラーに戻るように偏向される前、高m/zイオンより、各イオンミラーの中により深く浸透する。イオンミラー内の転換点のこのm/z依存性は、有利に、転換点の近傍の電荷密度を減らすことができる。他の利点の中でも、転換点の近傍の電荷密度の低減は、結果として生じる質量スペクトルにおいて、ピーク分割、ピーク合体等のアーチファクトが出現する可能性を減らすことができる。
静電トラップのタイプ、双極DC電圧パルスの大きさ、抽出場の大きさ、および着目m/z範囲に応じて、広義の運動エネルギー範囲のイオンミラーが、要求されることができる。典型的m/z範囲は、200~2,000であることができる。典型的に、リフレクトロンの運動エネルギー範囲、すなわち、ほぼ等時性の運動が達成され得る運動エネルギー範囲は、1~数10のeVの範囲内にすぎない。対照的に、広義の運動エネルギーミラーは、数100から数1,000のeVエネルギー差を用いてイオンを効果的に集束させることができるが、それらは、完璧な等時性運動を提供しないこともある。
本実施形態において、イオン検出器210は、イオンがイオンミラーの2つの組202/204間に伝搬する通路の一部を包囲する、円筒形電極210’を含む。円筒形電極210’を通したイオンの通過は、円筒形電極における電荷を誘発することができる。検出回路211が、誘発された電荷を検出し、1つ以上の検出信号を発生させることができる。検出回路211と連通する分析器212が、検出信号を受信し、それらの検出信号に基づいて、ELIT内で閉じ込められたイオンの質量スペクトルを発生させるように動作することができる。
より具体的に、円筒形電極を通したイオンの通過時間が、それらの質量に関連付けられる(例えば、イオン質量/電荷比の平方根に反比例する)ことができる。イオンの通過時間の変動が、検出されたイオン信号の時間変動において明示されるであろう。多くの実施形態において、時変信号が、規定された期間にわたって記録され、分析器212が、記録された時変信号のフーリエ変換を取得する。結果として生じるスペクトル内で検出された周波数は、イオンのm/z比の平方根に反比例する。
図5A-5Bは、電極102c/102dを横断して印加される双極電圧パルスの極性が、上記の実施形態においてそれらの電極を横断して印加される双極電圧パルスの極性と反対であるある実施形態を示す。より具体的に、本実施形態において、印加される双極電圧パルスの極性は、電極102cが電極102dに対して負の電位に維持されるようなものである。したがって、本実施形態において、双極電圧パルスによって発生させられる電場は、より高いm/zイオン(より低いm/zイオンより大きい半径方向拡張を有する)がより低いm/zイオンより電極102cに近接して移動させられることを引き起こす(再び、イオンが、正電荷を有することが仮定される)。故に、本実施形態において、より低いm/zイオンは、より高いm/zイオンに先立って、イオントラップ100から出て行く。但し、より高いm/zイオンは、より長い期間にわたって抽出場を経験するので、より高いm/zイオンは、より低いm/zイオンより多くの運動エネルギーまで加速されるであろう。
図6Aを参照すると、無限に近い抽出場の限界において、より高いm/zイオンとより低いm/zイオンとの間の運動エネルギー差は、より高いm/zイオンにより低いm/zイオンより高い速度を与え、したがって、双極DC電圧パルスおよび抽出場の大きさに比例する時間/距離で射出されたイオンパケットに収束させるために十分であろう。
対照的に、図6Bに図式的に示されるように、ゼロに近い抽出場の限界において、高m/zイオンと低m/zイオンとの間の運動エネルギー差は、高m/zイオンに低m/zイオンより高い最終速度を与えるために小さすぎ、故に、射出されるイオン間の空間分離は、拡張し続け、下流の分析器内に限定されたm/z範囲をもたらすであろう。
これらの2つの限界を考慮すると、m/z焦点距離(すなわち、異なる時間にトラップから出て行くイオンが互いに追いつく距離)が、双極DC電圧パルスおよび/または抽出場の大きさを変更することによって調整されることができる。そのような調整は、イオントラップ100と下流のELITとの間の理論上の距離が、多くの場合、効率的なイオン移送のために必要であり得る追加のイオン光学要素/電圧に起因して、実現される焦点距離と非常に異なり得ることを考慮することができる。
図6Cは、次に、電極102dに印加される電圧が、電極102cに印加される電圧より負であり、それによって、抽出時、イオンが高m/zから低m/zに順序付けられる双極DC電位を示す。
より具体的に、図7を参照すると、前述の実施形態と同様に、ELIT200は、上流のイオントラップ100から射出されたイオンを受け取ることができる。それらのより高い運動エネルギーに起因して、本実施形態において、高m/zイオン(長い破線で描写される)は、ELIT200のイオンミラーを通して、より低いm/zイオン(短い破線で描写される)より深部に浸透する。すなわち、イオンミラー202/204の各々の中の高m/zイオンのための転換点が、低m/zイオンのためのそれぞれの転換点より遠くに位置する。
イオンの検出およびそれらの質量スペクトルの発生は、前述の実施形態に関連して上で議論されるものに類似する様式において、達成されることができる。
再び、イオンのm/z比の関数としての転換点の場所の変動は、有利に、転換点の近傍の電荷密度および関連付けられた空間電荷効果を減らすことができる。
転換点のそのような有利な空間的広がりは、典型的に、オービトラップ等の静電トラップが採用される従来のシステムにおいて実現されない。何故なら、そのような従来のシステムにおいて、半径方向に注入される運動エネルギーは、イオンの軸方向エネルギーから分断されるからである。多くの実施形態において、本教示は、例えば、上で議論されるような双極DC電圧パルスの印加を介して引き起こされるイオンの質量別に順序付けされた半径方向分離の結果として、イオントラップからのイオンの半径方向抽出に先立つ多重極(例えば、四重極)イオントラップ自体内の空間電荷密度(故に、空間-電荷効果)を減らす追加された利点を提供することができる。
さらに、通常、四重極イオントラップ内で双極DC電圧を使用することは、全てのイオン集団(すなわち、異なるm/z比を有するイオン)のRF加熱につながり得、イオン断片化を誘発し得るが、そのような断片化を通して、概して、低圧力における数十~数百ミリ秒にわたるイオントラップ内のイオンの滞留を要求する(他のパラメータの中でも、要求される時間は、選択された低質量カットオフに依存し、要求される時間は、設定された低質量カットオフに依存する)。対照的に、本教示の種々の実施形態において、イオンは、数十マイクロ秒後にイオントラップから射出され、したがって、断片化のリスクを減らすことができる。特に、本教示の実施形態において、イオンが双極電圧パルスの印加を介して軸外に移動させられ、安定化されると、イオンは、射出されることができる。イオン断片化の必要性が、存在しないので、そのような実施形態において、イオンは、はるかにより短い期間にわたって抽出されることができる。
上記の実施形態において、イオントラップからのイオンの射出が、プッシュ-プル抽出を介して達成されるが、他の実施形態において、プルまたはプッシュ抽出が、単独でも、採用されることができる。いくつかの実施形態において、プル抽出のみまたはプッシュ抽出のみが、例えば、抽出電圧(例えば、プル抽出の場合、誘引性抽出電圧、プッシュ抽出の場合、反発性抽出電圧)を対向電極に印加している間、そのうちの一方にイオンの抽出のためのチャネルが提供される2つの対向電極のうちの電極の一方をロッドオフセット電位に維持することによって、達成されることができる。いくつかの実施形態において、(ある場合、100の位のナノ秒にわたって持続し得る)イオントラップからのイオンの射出の直前、ロッドに印加されるRF信号が、迅速に消勢されることができる。
本教示によるイオントラップが、様々な質量分析計内に組み込まれることができる。例として、図8は、複数のイオンを発生させるためのイオン源802を含む、そのような質量分析計800を図式的に描写する。様々なイオン源が、本教示の実践において採用されることができる。好適なイオン源のいくつかの例は、限定ではないが、とりわけ、エレクトロスプレーイオン化デバイス、噴霧器補助エレクトロスプレーデバイス、化学イオン化デバイス、噴霧器補助アトマイゼーションデバイス、化学イオン化デバイス、マトリクス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI)イオン源、フォトイオン化デバイス、レーザイオン化デバイス、サーモスプレーイオン化デバイス、誘導結合プラズマ(ICP)イオン源、ソニックスプレーイオン化デバイス、グロー放電イオン源、および電子衝撃イオン源を含むことができる。
発生させられたイオンは、カーテンプレート804のオリフィス804aとオリフィスプレート806のオリフィス806aとを通過し、オリフィスプレート806は、カーテンプレートの下流に位置付けられ、カーテンプレートから分離され、それによって、ガスカーテンチャンバが、オリフィスとカーテンプレートとの間に形成される。カーテンガス供給部(図示せず)が、カーテンプレート804とオリフィスプレート806との間に(例えば、Nの)カーテンガス流動を提供し、大型中性粒子を脱集塊化し、排出することによって、質量分析計の下流区分を清浄に保つことに役立つことができる。カーテンチャンバは、高い圧力(例えば、大気圧を上回る圧力)に維持されることができる一方、質量分析計の下流区分は、1つ以上の真空ポンプ(図示せず)を通した排出を介して、1つ以上の選択された圧力に維持されることができる。
本実施形態において、イオンは、次いで、質量分析計の下流構成要素への透過のためのイオンビームを形成するために四重極構成において配置された4つのロッド808(そのうちの2つが、この図において可視である)を備えているイオンガイドQ0によって受け取られるように、スキマ807のオリフィス807aを通過する。
イオンビームは、Q0イオン光学系から出て行き、イオンレンズIQ0および短く太いレンズST1を介して後続のイオン質量分析器Q1の中に集束され、Q1は、四重極構成において配置された4つのロッド810(そのうちの2つが、この図において可視である)を含み、4つのロッド810に対して、RF電圧とDC分解電圧とが、イオンを半径方向に集束させ、イオンがQ1質量分析器を通過するときに標的m/z比を有するイオン(本明細書では、前駆イオンと称される)を選択するために印加され得る。他の実施形態において、六重極または八重極構成等の他の多重極構成も、利用されることができる。いくつかの実施形態において、Q1質量分析器の圧力は、例えば、約3ミリトル~約10ミリトルの範囲内に維持されることができる。
より具体的に、本実施形態において、四重極ロッド組Q1は、着目m/z値または着目範内のm/z値を有するイオンを選択するための従来の透過RF/DC四重極質量フィルタとして動作させられることができる。例として、四重極ロッド組Q1は、質量分解モードにおける動作のために好適なRF/DC電圧を提供されることができる。例えば、印加されたRFおよびDC電圧のパラメータは、これらのイオンが、殆ど摂動されていない状態でQ1を横断し得るように、Q1が選定されたm/z比の透過窓を確立するように、選択されることができる。しかしながら、窓の外に該当するm/z比を有するイオンは、四重極内に安定した軌道を達成せず、四重極ロッド組Q1を横断することを防止されることができる。この動作モードが、Q1のための動作の1つの可能な動作モードにすぎないことを理解されたい。
Q1質量分析器を通過するイオンが、短く太いレンズST2およびイオンレンズIQ1を介して衝突セルQ2の中に集束される。衝突セルQ2は、四重極構成において配置され、RF電圧がイオンの半径方向制限を提供するために印加され得る4つのロッド812(そのうちの2つが、この図において可視である)を含む。ロッド812は、衝突セル内の圧力が、例えば、エンクロージャの中へのガス(例えば、窒素)の導入を介して、他の段階に対して増やされ、背景ガスとの衝突を介してイオンの少なくともいくつかの衝突断片化を促進し、それによって、複数の生成イオンを発生させ得るように、エンクロージャ813内に配置される。
発生させられた生成イオンは、本教示に従って、イオンレンズIQ2および短く太いレンズST3を介して、イオントラップ815の中に誘導され、それは、上で議論される様式において実装されることができる。ELIT816が、生成イオンの質量スペクトルを発生させるために、上で議論される様式において、イオントラップ815から射出されたイオンを受け取り、分析器(この図に図示せず)によって分析され得るイオン検出信号を発生させるためにイオントラップ815の下流に配置される。
当業者は、種々の変更が、本教示の範囲から逸脱することなく、上記の実施形態に対して行われ得ることを理解するであろう。

Claims (24)

  1. 質量分析計であって、前記質量分析計は、イオントラップを備え、
    前記イオントラップは、
    複数の電極であって、前記複数の電極は、多重極構成において配置され、前記電極間の空間の中に縦軸に沿ってイオンを受け取るための入口を提供し、前記複数の電極のうちの少なくとも1つは、イオンが前記イオントラップから半径方向に抽出されることができる通路を備え、
    前記電極は、前記イオンの半径方向制限を提供するために、前記電極への1つ以上のRF電圧の印加のために構成されている、複数の電極と、
    少なくとも1つのDC電圧源と
    を備え、
    前記少なくとも1つのDC電圧源は、前記少なくとも1つの電極と対向電極とを横断して双極DC電圧パルスを印加し、前記複数の電極のうちの前記少なくとも1つに対して前記イオンのうちの少なくとも一部の半径方向オフセットを引き起こすために構成されている、質量分析計。
  2. 前記少なくとも1つのDC電圧源は、DC抽出電圧を半径方向にオフセットされたイオンに印加し、前記通路を通した前記イオントラップから外への前記イオンの少なくとも一部の透過を引き起こすように構成されている、請求項1に記載の質量分析計。
  3. 前記イオントラップから抽出された前記イオンの少なくとも一部を受け取るために前記イオントラップの下流に位置付けられた静電線形イオントラップ(ELIT)をさらに備えている、請求項1-2のいずれか1項に記載の質量分析計。
  4. 前記ELITは、少なくとも2つのイオンミラーを備え、前記少なくとも2つのイオンミラーの各々は、それらの間の空間内で前記受け取られたイオンを軸方向に閉じ込めるために前記ELITの一端に配置されている、請求項3に記載の質量分析計。
  5. 前記ELITは、前記イオンを検出するために前記2つのイオンミラーの間に配置された電荷検出器をさらに備えている、請求項4に記載の質量分析計。
  6. 前記電荷検出器は、前記イオンミラー間の前記空間の少なくとも一部を包囲する実質的に円筒形の電極を備え、それによって、前記円筒形電極を通した前記イオンの通過は、前記円筒形電極における電荷を誘発し、それによって、1つ以上のイオン検出信号を発生させる、請求項5に記載の質量分析計。
  7. 前記誘発された電荷に基づいて1つ以上の検出信号を発生させるために前記電荷検出器と通信する検出回路をさらに備えている、請求項6に記載の質量分析計。
  8. 前記1つ以上のイオン検出信号を受信し、前記イオン検出信号に基づいて前記ELITによって受け取られた前記イオンの質量スペクトルを発生させるように動作するために前記検出回路と電気通信する分析モジュールをさらに備えている、請求項7に記載の質量分析計。
  9. 前記分析モジュールは、前記1つ以上のイオン検出信号にフーリエ変換を適用し、前記ELITによって受け取られた前記イオンの前記質量スペクトルを発生させるように構成されている、請求項8に記載の質量分析計。
  10. 前記双極電圧パルスは、前記イオントラップ内の前記イオンの実質的に質量別に順序付けされた半径方向分離を引き起こす、請求項1-2のいずれか1項に記載の質量分析計。
  11. 前記抽出電圧は、前記抽出されたイオンが下流の静電線形イオントラップ(ELIT)に実質的に同時に到達するように、前記イオントラップから抽出された前記イオンの運動エネルギーの差異を引き起こす、請求項10に記載の質量分析計。
  12. 前記双極電圧パルスの極性は、前記イオンが高質量から低質量の順序において前記イオントラップから抽出されるように選択される、請求項11に記載の質量分析計。
  13. 前記双極電圧パルスは、前記イオンが前記下流のELITに実質的に同時に到達するように、より高い質量イオンと比較してより多くの運動エネルギーをより低い質量イオンに与える、請求項12に記載の質量分析計。
  14. 前記双極電圧パルスの極性は、前記イオンが低質量から高質量の順序において前記イオントラップから抽出されるように選択される、請求項11に記載の質量分析計。
  15. 前記双極電圧パルスは、前記イオンが前記下流のELITに実質的に同時に到達するように、より低い質量イオンと比較してより多くの運動エネルギーをより高い質量イオンに与える、請求項14に記載の質量分析計。
  16. 前記多重極構成は、四重極構成を備えている、請求項1-15のいずれか1項に記載の質量分析計。
  17. 前記1つ以上のRF電圧は、0.1MHz~約5MHzの範囲内の周波数を有する、請求項1-16のいずれか1項に記載の質量分析計。
  18. 前記1つ以上のRF電圧は、約100ボルト~約1,000ボルトの範囲内の振幅を有する、請求項1-17のいずれか1項に記載の質量分析計。
  19. 前記双極電圧パルスは、約25ボルト~約500ボルトの範囲内の振幅を有する、請求項1-18のいずれか1項に記載の質量分析計。
  20. 質量分析法を実施する方法であって、前記方法は、
    多重極構成において配置された複数の電極を備えているイオントラップの中に複数のイオンを導入することであって、前記電極のうちの1つは、前記イオントラップからの前記イオンの半径方向抽出のための通路を備えている、ことと、
    1つ以上のRF電圧を前記電極のうちの1つ以上に印加し、前記イオントラップ内に前記イオンを半径方向に制限するための電磁場を発生させることと、
    前記通路を有する前記電極と対向電極とを横断してDC双極電圧パルスを印加し、前記通路を有する前記電極に対して前記イオンの半径方向オフセットを引き起こすことと、
    その後、抽出電圧を前記イオンに印加し、前記イオントラップからの前記イオンの少なくとも一部の抽出を引き起こすことと
    を含む、方法。
  21. 前記DC双極電圧パルスの極性は、前記イオンが高質量から低質量の順序において前記通路を有する前記電極に対してオフセットされるように選択され、随意に、
    前記DC双極電圧パルスの極性は、前記イオンが低質量から高質量の順序において前記通路を有する前記電極に対してオフセットされるように選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 前記抽出されたイオンの少なくとも一部を下流の静電線形イオントラップ(ELIT)に向かわせることをさらに含む、請求項20-21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記ELITの中に導入される前記イオンを軸方向に閉じ込めることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記軸方向に閉じ込められたイオンを検出するために、前記ELIT内に組み込まれた電荷検出器を利用することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
JP2023547413A 2021-02-08 2022-02-04 双極dcを使用した直交性抽出に先立つイオンの質量および運動エネルギー別の順序付け Pending JP2024506870A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202163147045P 2021-02-08 2021-02-08
US63/147,045 2021-02-08
PCT/IB2022/051008 WO2022168005A1 (en) 2021-02-08 2022-02-04 Mass and kinetic energy ordering of ions prior to orthogonal extraction using dipolar dc

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024506870A true JP2024506870A (ja) 2024-02-15

Family

ID=80447658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023547413A Pending JP2024506870A (ja) 2021-02-08 2022-02-04 双極dcを使用した直交性抽出に先立つイオンの質量および運動エネルギー別の順序付け

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20240105439A1 (ja)
EP (1) EP4288995A1 (ja)
JP (1) JP2024506870A (ja)
CN (1) CN116868307A (ja)
WO (1) WO2022168005A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018087634A1 (en) * 2016-11-11 2018-05-17 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Spatial, mass and energy focused ion injection method and device
WO2020121168A1 (en) * 2018-12-13 2020-06-18 Dh Technologies Development Pte. Ltd. Ion injection into an electrostatic linear ion trap using zeno pulsing

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022168005A1 (en) 2022-08-11
US20240105439A1 (en) 2024-03-28
CN116868307A (zh) 2023-10-10
EP4288995A1 (en) 2023-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7456388B2 (en) Ion guide for mass spectrometer
CA2636821C (en) Concentrating mass spectrometer ion guide, spectrometer and method
CN110291613B (zh) 傅里叶变换质谱仪
JP2002517070A (ja) 多極イオン案内を有する質量分析法
CN110870042B (zh) 多极离子导向器
US9287103B2 (en) Ion guide for mass spectrometry
EP3249680B1 (en) Systems and methods for reducing the kinetic energy spread of ions radially ejected from a linear ion trap
GB2414855A (en) Ion fragmentation by electron capture
US11929246B2 (en) Phase locked Fourier transform linear ion trap mass spectrometry
CN114981920A (zh) 高压质量分析器
JP2024506870A (ja) 双極dcを使用した直交性抽出に先立つイオンの質量および運動エネルギー別の順序付け
GB2301704A (en) Introducing ions into a high-vacuum chamber, e.g. of a mass spectrometer
US10957526B2 (en) Spatial, mass and energy focused ion injection method and device
US11515138B2 (en) Ion trapping scheme with improved mass range
US20240162029A1 (en) Bifurcated Mass Spectrometer
EP4193383A1 (en) Signal-to-noise improvement in fourier transform quadrupole mass spectrometer
JP2004362903A (ja) 質量分析装置