JP2024505706A - 無人型のハイブリッドインフレータブル航空機 - Google Patents

無人型のハイブリッドインフレータブル航空機 Download PDF

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Abstract

空気静力学的な力と空力的な力とを組み合わせて最適化して利用するように構成されたハイブリッド式の無人型の航空機(1)が提供される。航空機(1)は、外殻(11)と、該外殻(11)内の耐荷重構造体(20)とを有するインフレータブル本体(10)を備える。前記インフレータブル本体(10)は、閉鎖翼型の動作形態をとるように構成されている。

Description

本発明は、無人型航空機の技術分野に関する。
無人型の航空機が知られている。例えば、必ずしも限定されないが、近年、対流圏と成層圏の両方における無人航空機、特に、HAPS(高高度擬似衛星)とも呼ばれる成層圏プラットフォームに対する関心が高まっている。この関心は、土地セキュリティの監視、精密農業、電気通信、環境監視など、無人航空機の使用から得られる利点から恩恵を受け得る用途の分析によって動機付けられる。
対流圏および成層圏の両方におけるインフレータブル航空機型プラットフォームは、複合材料プラットフォームまたは金属プラットフォームに比べて4つの主要な利点、すなわち、構造重量の低減、構造の性質による空力弾性の問題の軽減、空気よりも軽い気体の利用可能性、及び、収縮状態における輸送時体積の低減を提供する。
衛星とは異なり、HAPSプラットフォームは、持続的に(すなわち、実質的に再訪時間なく)、且つ、近接して(すなわち、衛星よりもかなり低い高さから)、局所的に地表を観察する可能性を提供する。これにより、性能およびコスト効率が低いペイロードを設置しても、衛星リモートセンシングによって提供される画像解像度よりもはるかに高い画像解像度が提供される。
HAPSは、典型的には、地表から約18~20kmの高度(低成層圏)で動作可能なプラットフォームであり、通常、太陽光発電エネルギーの利用により、数ヶ月間連続的に動作することができる。HAPSの飛行高度(18~20km)は、民間航空交通が関与する高度の範囲をはるかに上回っているため、非常に興味深い。そのため、航空路に対するHAPSプラットフォームの影響は、ミッション高度への上昇段階と着陸基地への降下段階とにのみ限定される。さらに、気象条件の観点から、現在の風の条件を統計的に分析すると、まさにこの高度範囲で風の強さが最小であることが示される。成層圏では、(対流圏とは異なり)高度が上昇するにつれて高くなる温度プロファイルを有する。これにより、大気の当該部分が安定し、上昇気流や乱流の形成が防止される。
近年、HAPSプラットフォームに関していくつかの提案がなされている。これらの提案は、3つの主要なプラットフォームタイプに分類され得る。第1のタイプは、時間的な観点から見ても、成層圏の気球によって代表される。第2のタイプは、固定翼型プラットフォームで代表され、最後に、第3のタイプは、飛行船型プラットフォームで代表される。
成層圏の気球型および飛行船型プラットフォームは、(空気よりも軽い)重量のバランスを取るために専ら空気静力学的な力(浮力などの静的な力)を利用することに基づいているが、固定翼型プラットフォームは、専ら(空気よりも強い)空力的な力(揚力などの動的な力)を利用して重量のバランスを取る。気球型プラットフォームは、総重量に対するペイロード重量の比率が高くなる。一方、そのような気球型プラットフォームは通常、推進力や他の方向制御システムを持たないため、所定の軌道を設定することができず、さまざまな高度での風の条件によって軌道が決定される。
一方、固定翼型プラットフォームは、空力効率を高めるために非常に大きな翼が延びる構成に基づいており、非常に軽い構造を特徴とする。後者の理由により、固定翼型プラットフォームの総重量は制限されるため、利用可能なペイロード重量は、低重量(5~25kg)に低減されてしまう。さらに、これらのプラットフォームの構造は非常に軽いため、上昇段階および下降段階の途中に、低高度における空力弾性の問題が生じ得る。
一方、飛行船型プラットフォームは、(200kg以上の)非常に大きなペイロード用に設計されており、固定翼型プラットフォームと比較すると、非常に大きな大きさと(3000~5000kg以上の)非常に大きな最大離陸重量(MTOW)とを有する。このような最大離陸重量(MTOW)は、主にバロネット(空気房)の存在によるものである。バロネットは、外殻とほぼ同じ大きさの内殻(第2の殻)を構成し、高度の変化に伴う気体の膨張(高い高度での体積は海面での体積の最大20倍になり得る。)を補うために必要である。成層圏の飛行船は大型であるため、特に悪天候下では地上での運用が困難であり、飛行船の展開と避難のためには専用のインフラが必要になるため、戦術的な使用は基本的に不可能である。したがって、上述の従来技術の成層圏プラットフォームの分析から、2つの主要な側面が注目され得る。第1の側面は、上記のようなプラットフォームの運用に関するものであり、その運用は気象条件によって大きく偏るため、世界における限られた数の基地からしか配備できないと考えられる。第2の側面は、ペイロードに利用可能な重量に関するものであり、その重量は、固定翼型プラットフォームでは25kg以下に制限される一方、飛行船型プラットフォームは、200kgを超えるペイロードにのみ便利である。
本発明の目的は、上述の従来技術のプラットフォームに代わるタイプの航空機を利用可能にすることである。この代替タイプの航空機は、必ずしも大きな翼幅を必要とすることなく、ねじれ荷重を効率的に吸収し、空力抵抗を低減し得る航空構造(空力構造)の形態によって特徴づけられる。
本発明の一態様によれば、(前述の目的の代替、又は、前述の目的に加えられる)さらなる目的は、従来技術を参照して上述のプラットフォームと比較して、航空機の大きさ、容積、コスト、及び/又は運用上の欠点を低減し得る航空機を利用可能にすることである。
本発明の一態様によれば、(前述の目的の代替、又は、前述の目的に加えられる)さらなる目的は、従来技術のプラットフォームに関する上述の欠点を解決または少なくとも部分的に克服し得る航空機を利用可能にすることである。
本発明の一態様によれば、(前述の目的の代替、又は、前述の目的に加えられる)さらなる目的は、従来技術と比較して、同じペイロードに対する航空機の重量、寸法、およびコストを低減し得るとともに、これにより戦術タイプの運用にも利用され得る航空機を利用可能にすることである。
本発明の一態様によれば、(前述の目的の代替、又は、前述の目的に加えられる)さらなる目的は、上述の従来技術のシステムと比べてシステムの信頼性を向上させ得る航空機を提供することである。
本発明の一態様によれば、(前述の目的の代替、又は、前述の目的に加えられる)さらなる目的は、多くの用途の要求に応じて5~100kgの範囲のペイロードを搭載し得る航空機を提供することである。
以上の目的および他の目的は、添付の請求項1において最も一般的な形態で定義され、従属請求項においていくつかの特定の実施形態として定義されるような無人型のハイブリッド式インフレータブル航空機によって達成される。
本発明は、その実施形態に関する以下の詳細な説明からよりよく理解されよう。当該説明は、次の添付図面を参照して例示的になされるものであり、いかなる態様にも限定されるものではない。
好ましい実施形態に係るハイブリッド式インフレータブル航空機を前方から見た概略斜視図であり、ペイロードを含まない状態で航空機が示されている。 図1の航空機の内部の耐荷重構造体を前方から見た概略斜視図を示す。 図1の航空機を前方から見た正面図であり、ペイロードも示されている。 図1の航空機を後方から見た背面図であり、ペイロードを含まない状態で航空機が示されている。 図1の航空機を側方から見た側面図であり、ペイロードを含まない状態で航空機が示されている。 図1の航空機を上方から見た平面図であり、ペイロードを含まない状態で航空機が示されている。 図1の航空機を下方から見た底面図であり、ペイロードを含まない状態で航空機が示されている。 図1の航空機の一部を示す斜視図であり、航空機の外殻の一部が破断されて示されている。 初期の離陸形態における図1の航空機を前方から見た概略正面図である。 中間形態における図1の航空機を前方から見た概略正面図である。 動作ミッション形態における図1の航空機を前方から見た概略正面図である。
添付図面における同様または同等の要素には、同じ参照符号が付されている。
また、以下の説明において、本発明に係る航空機の部品を説明するために使用される「下」、「上」、「水平」、「鉛直」という用語は、割り当てられたミッション高度における航空機の通常の動作状態での方向を指すことが意図されている。さらに、以下の説明において、本発明に係る航空機の部品を説明するために使用される「前」および「後」という用語は、割り当てられたミッション高度での航空機の通常の動作状態における航空機の進行方向X1(図6参照)に沿った方向を指すことが意図されている。またさらに、本発明に係る航空機プラットフォームの一部を説明するために使用される「径方向外側」および「径方向内側」という用語は、後述する開口部12の軸を中心とした径方向を指すことが意図されている(例えば図3参照)。ここで、当該軸は、開口部12の中心を通って開口部12に対して直交して配置されている。
まず、図1~図7を参照すると、好ましい実施形態に係る無人型のハイブリッド式航空機が、全体として参照符号1で示されている。一実施形態によれば、特に、航空機1は成層圏プラットフォームであり、より好ましくはHAPS(高高度擬似衛星)成層圏プラットフォームである。さらに、注目すべき点として、この説明の目的上、航空機を定義するために使用される「ハイブリッド」という用語は、航空機は、空気静力学的な力(浮力などの静的な力)と空力的な力(揚力などの動的な力)とを最適化された組み合わせでバランスよく利用するように構成されていることを示す。ここで、「最適化」という用語は、空気静力学的な力(静的な力)のみで到達されるペイロードと最低高度とを固定しつつ、プラットフォーム(航空機)の総重量と設置面積を最小限に抑えるための浮力比(すなわち、全体の力に対する空気静力学的な力の割合)を選択することを意味する。特に、本開示に係るハイブリッド式航空機は、空気静力学的(静的)な浮力と空力的(動的)な揚力との両方を合わせて利用するように構成されている。換言すれば、航空機1は、航空機1を制御するためだけでなく、様々な飛行段階において航空機自体の重量のバランスをとるために空力的(動的)な力を利用するように都合よく構成されている。一実施形態によれば、航空機1は戦術型航空機である。つまり、航空機1は、標準的なコンテナ内で容易に輸送可能であり、運用シナリオに直接展開可能である。このことは、航空機1の大きさとMTOW(最大離陸重量)が小さいことにより可能になっている。図5および図6~図7を参照すると、一実施形態によれば、特に、航空機1は、8m~25mの範囲にある最大長さL1(翼幅L1)と、30kg~400kgの範囲にあるMTOW(最大離陸重量)と、5kg~100kgの範囲にあるペイロード60とを有する。概して、航空機1は、陸上監視のために使用されるように構成されている。特に、航空機1は、非限定的ではあるが、国境監視、環境監視、精密農業、通信、国土安全保障、緊急支援などの複数の異なる用途に使用され得る。
一実施形態によれば、以下の本説明でより詳細に理解されるように、航空機1は、異なる内圧を有する複数のインフレータブル構造要素(気体注入式の膨張可能な要素)の組み合わせを有する。これらのインフレータブル構造要素は、好ましくは、例えば、ナセル、エンジンマウント、可動操縦翼面などの、(例えば、複合材料、アルミニウムなどで作られる)硬い構造体に結合されている。一実施形態によれば、本開示において以下に説明される航空機1のすべてのインフレータブル構造要素は、ガス保持層、構造層、および保護層からなる積層材料を備える。
図1~図7を参照すると、航空機1は、インフレータブル本体(気体注入式本体)10を備える。インフレータブル本体10は、外殻11(外皮11)と、外殻11の内側の耐荷重構造体20とを有する。好都合には、インフレータブル本体10は、閉鎖翼型の動作形態(動作ミッション形態)(図1、図3~図6、図7、及び図9C参照)をとるように構成されている。特に、閉鎖翼型の動作形態では、インフレータブル本体10は、貫通した開口部12の周囲に延びる環状構造を有する。一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態は、航空機1が気体(好ましくはヘリウム)で膨張された設計形態(動作ミッション形態)に相当する。一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態では、その特有の航空構造構成のおかげで、航空機1は、航空機1の総重量の約60%~80%に相当する動的な揚力と、航空機1の総重量の約40%~20%に相当する空気静力学的(静的)な浮力との両方を非常に効率的に発生させ得る。ここで、航空機1は、空気よりも軽い気体で満たされており、当該気体は、上述のようにヘリウムであることが好ましい。
一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態において、インフレータブル本体10は、前縁102Aおよび後縁101Aを有するアーチ状の翼10Aを画定するように構成されたアーチ状第1部分10Aを備える。好ましくは、アーチ状の翼10Aは、半楕円形または実質的に半楕円形の翼である。さらに、閉鎖翼型の動作形態において、インフレータブル本体10は、前縁102Bおよび後縁101Bを有する直線状の翼10Bを画定するように構成された直線状第2部分10Bを備える。特に、アーチ状の翼10Aは上部翼であり、直線状の翼10Bは下部翼である。閉鎖翼型の動作形態において、インフレータブル本体10は、直線状の翼10Bの両端に配置された接続部10C,10D(接続用第3部分10C及び接続用第4部分10D)をさらに備える。接続部10C,10Dは、アーチ状の翼10Aと直線状の翼10Bとを互いに接続するように構成されている。換言すれば、接続部10C,10Dは、それぞれの翼10A,10Bの両端部、すなわち先端部に相当する。実際、接続部10C,10Dのおかげで、直線状の翼10Bが構造的にも空気力学的にもアーチ状の翼10Aを閉じている。
図5及び図7を参照すると、一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態における航空機1を下から見た底面図において、前縁102A,102Bは相互に位置合わせされており、後縁101A,101Bは相互にオフセット(位置ずれ)されている。ただし、代替の実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態における航空機1を下から見た底面図において、前縁102A,102Bは、航空機1の安定性及び制御性特性を改善するために相互にオフセットされてもよい。実際、アーチ状の翼10Aと直線状の翼10Bの圧力中心をずらすことにより、例えば、重心に対する長手方向モーメントを打ち消すことができる。
一実施形態によれば、アーチ状の翼10Aと直線状の翼10Bとのそれぞれに、操縦翼面80A,80Bが関連付けられて設けられている。操縦翼面80A,80Bは、航空機1の制御機能およびトリム機能を実行する。一実施形態によれば、操縦翼面80A,80Bは、複合材料からなる硬い構造体(剛性構造体)であってもよい。
一実施形態によれば、航空機1は、アーチ状の翼10Aおよび/または直線状の翼10Bと関連付けられ得るソーラーパネル70を備える。ソーラーパネル70は、好ましくは可撓性ソーラーパネル70である。一実施形態によれば、航空機1は、ペイロード60(好ましくは、バッテリ及びアビオニクスシステム)用の一対のハウジング(すなわち、ナセル)を備える。当該ハウジングは、接続用第3部分10Cと接続用第4部分10Dとに位置する。
一実施形態によれば、航空機1は、少なくとも1つの推進システム51,52を備える。推進システム51,52は、好ましくは、一対の前部プロペラ51を含む。当該一対の前部プロペラ51は、相互に離間して配置され、アーチ状の翼10Aに関連付けて設けられている。さらに、推進システム51,52は、別の一対の前部プロペラ52を含む。当該一対の前部プロペラ52は、相互に離間して配置され、直線状の翼10Bに関連付けて設けられている。ただし、一実施形態によれば、5つ以上のプロペラ51,52が設けられてもよい。一実施形態によれば、一対の前部プロペラ51は、アーチ状の翼10Aの延在方向に沿って相互に位置合わせされており、別の一対の前部プロペラ52は、直線状の翼10Bの延在方向に沿って位置合わせされている。例えば図6~図7に示されるように、一実施形態によれば、一対の前部プロペラ51は、互いに対して比較的近接して配置されているが、これに比べて、別の一対の前部プロペラ52は、互いに対して比較的遠く離れて配置されている。一実施形態によれば、プロペラ51,52は、螺旋プロペラを含む。より詳細には、一実施形態によれば、プロペラ51,52は、駆動式の螺旋プロペラを備える。好ましくは、プロペラ51,52は、電気モータを備える。特に、一実施形態によれば、推進システム51,52は完全に電気式であり、発電は、前述のソーラーパネル70に基づいてなされる。より具体的に、一実施形態によれば、航空機1は、エネルギーを完全に自給自足し、数週間飛行し続けることができるように構成されている。好ましくは、夜間の飛行を確保するために必要なエネルギー貯蔵は、例えば、リチウムポリマーバッテリ、リチウムイオンバッテリ、リチウム硫黄バッテリなどの高エネルギー密度バッテリに基づいてなされる。
航空機1の特定の閉鎖翼型の動作形態は、構造上および空気力学的に重要な利点を有する。構造的に、アーチ状の翼10Aは、(内部の気体による空気静力学的な推力によって部分的に支持された)アーチ状の翼10A上に分散されたごく少量の荷重を有する。例えば、一実施形態によれば、アーチ状の翼10Aに分散される荷重は、翼10A自体の重量によるものであり、好ましくは、ソーラーパネル70、プロペラ51、及び/又は、(図8を参照して後に詳述される)制御要素40の存在によるものである。ただし、荷重の大部分は、翼10Aの端部(先端)、すなわち、ペイロード60(好ましくは、バッテリ及びアビオニクスシステム)が配置される接続部10C,10Dに集中する。一実施形態によれば、アーチ状の構造と、接続部10C,10Dにおける特定の荷重形態とにより、翼10Aは、主に、引張荷重に耐えなければならない。引張荷重は、翼10A自体の材料(好ましくは、主に布地)に最適に適合される。一実施形態によれば、構造的に、直線状の翼10Bは、次の分散荷重のみ、すなわち、翼10B自体の重量、並びに、好ましくはプロペラ52及び/又は(後述の)制御要素40の重量のみを有することになる。直線状の翼10Bは、翼10Bの端部(先端)すなわち接続部10C,10Dに集中する荷重の一部のみに寄与することになる。一実施形態によれば、直線状の翼10Bは主に曲げ荷重を支持する必要がある。この曲げ荷重は、空気静力学的(静的)な浮力と、アーチ状の翼10Aによって、その両端部すなわち接続部10C,10Dによって生じる空力的(動的)な荷重との両方によって軽減される。構造的な観点からも、閉鎖翼型の動作形態は、自由端を備えた古典的な固定翼に典型的な、ねじれ荷重を吸収する必要性を効率的に解決する。さらに、そのような荷重は、耐荷重構造体20と外殻(外皮)11とによって最適に吸収される。
空気力学的観点から、閉鎖翼型の動作形態は、必ずしも広い翼幅を考慮することなく、誘導抗力を低減するための最適な解決策を示す。空力的(動的)な荷重は、直線状の翼10Bよりもアーチ状の翼10Aにおいてより大きい。さらに、アーチ状の翼10Aは、そのアーチ状の構成により、揚力に加えて、横方向の空力的(動的)な力を発生させ、この力は、直線状の翼10Bを牽引し、直線状の翼10Bの曲げ荷重を支持するのに役立つ。
図2を参照すると、一実施形態によれば、耐荷重構造体20は、アーチ状の翼10A、直線状の翼10B、並びに、前述の接続部10C,10D(接続用第3部分10C及び接続用第4部分10D)を通って延びる環状構造である。一実施形態によれば、耐荷重構造体20は、少なくとも1つの環状の主桁201を備える。有利には、一実施形態によれば、少なくとも1つの主桁201は、インフレータブル構造を有する(気体注入式の)桁である。本実施例において、耐荷重構造体20は、単一の主桁201を備える。一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態では、少なくとも1つの主桁201は、アーチ状主桁部201Aと直線状主桁部201Bとを備える。アーチ状主桁部201Aは、アーチ状の翼10Aに関連付けられ、一方、直線状主桁部201Bは、直線状の翼10Bに関連付けられる。特に、アーチ状主桁部201Aは、好ましくは円形の断面を有する管状部分であり、アーチ状主桁部201Aの中心から接続用第3部分10Cと接続用第4部分10Dとに向かって先細になっている。さらに、直線状主桁部201Bは、好ましくは円形の断面を有する管状部である。直線状主桁部201Bは、直線状主桁部201Bの中心から接続用第3部分10Cと接続用第4部分10Dとに向かって先細になっている。好ましくは、直線状主桁部201Bの断面は、特に、直線状の翼10Bの輪郭の厚さの割合が変化するにつれて変化する。
再び図2を参照すると、一実施形態によれば、耐荷重構造体20は、前記主桁201の断面よりも小さい大きさの断面を有する少なくとも1つの環状の副桁202~204を備える。一実施形態によれば、少なくとも1つの副桁202~204は、インフレータブル構造を有する(気体注入式の)桁であることが有利である。一実施形態によれば、少なくとも1つの副桁202~204は、後縁桁202、前縁桁204、及び中間桁203を備える。特に、後縁桁202は、アーチ状の翼10Aおよび直線状の翼10Bの後縁101A,101Bに配置されている。前縁桁204は、アーチ状の翼10Aおよび直線状の翼10Bの前縁102A,102Bに配置されている。中間桁203は、少なくとも1つの主桁201と後縁桁202との間に設けられている。一実施形態によれば、中間桁203は、翼10A,10Bの最大厚さ率の位置に配置されてもよい。後縁桁202から主桁201までの距離は、後縁桁202と前縁桁204との間の距離の約65%~85%に等しい。有利なことに、一実施形態によれば、すべての副桁202~204は、インフレータブル構造を有する(気体注入式の)桁である。一実施形態によれば、少なくとも1つの主桁201と少なくとも1つの副桁202~204は相互に流体接続されており、好ましくは同じ圧力まで膨張されている。
再び図2を参照すると、一実施形態によれば、インフレータブル本体10は、外殻(外皮)11によって画定され、アーチ状の翼10A内および直線状の翼10B内に延びる少なくとも1つの環状チャンバ31,31A,31B,32を備える。一実施形態によれば、インフレータブル本体10は、特に、複数の環状チャンバ31,31A,31B,32を備える。一実施形態によれば、複数の環状チャンバ31,31A,31B,32は、相互に流体連通するチャンバを備える。例えば、一実施形態によれば、外殻(外皮)11は、前縁桁204および後縁桁202にのみ固定、好ましくは接着され、これにより、気体が環状チャンバ31,31A,31B,32間を通過可能となっている。代替実施形態によれば、例えば、チャンバを備えたエルロン(補助翼)がある場合、外殻11は、中間桁203に固定、好ましくは接着されてもよい。一実施形態によれば、閉鎖翼型の動作形態では、少なくとも1つの環状チャンバ31,31A,31B,32は、少なくとも1つの主桁201及び少なくとも1つの副桁202~204が膨張される圧力に比べて、低い圧力まで膨張される。好都合な実施形態によれば、少なくとも1つの環状チャンバ31,31A,31B,32は、一対の環状チャンバ31,32を備える。特に、一対のチャンバ31,32は、第1の環状チャンバ31を含む。第1の環状チャンバ31は、外殻11によって画定され、翼10A,10Bの後縁101A,101Bと主桁201との間に画定される。さらに、一対の環状チャンバ31,32は、第2の環状チャンバ32を含む。第2の環状チャンバ32は、外殻11によって画定され、主桁201と翼10A,10Bの前縁102A,102Bとの間に画定される。さらなる実施形態によれば、環状チャンバ31の代わりに2つの環状チャンバ31A,31Bが設けられてもよい。換言すれば、このような場合、インフレータブル本体10は、3つの環状チャンバ31A,31B,32を備える。この場合、環状チャンバ31Aは、外殻11によって画定され、翼10A,10Bの後縁101A,101Bと中間桁203との間に画定され、環状チャンバ31Bは、外殻11によって画定され、中間桁203と主桁201との間に画定される。一実施形態によれば、環状チャンバ31,31A,31B,32は、少なくとも1つの主桁201及び少なくとも1つの副桁202~204が膨張される圧力に比べて、低い圧力までそれぞれ膨張される。
図2を参照すると、一実施形態によれば、アーチ状の翼10Aおよび直線状の翼10Bは、それぞれ、布地からなる平面形状の複数のリブ206を備える。複数のリブ206には、少なくとも1つの主桁201が交差されている。特に、一実施形態によれば、リブ206には、少なくとも1つの主桁201と少なくとも1つの副桁202~204との両方が交差されている。一実施形態によれば、リブ206は、少なくとも1つの環状チャンバ31,31A,31B,32をガスが通過可能なように構成されている。特に、複数の環状チャンバ31,31A,31B,32(例えば、2つの環状チャンバ31,32、又は、3つの環状チャンバ31A,31B,32)が設けられる場合、リブ206は、そのような環状チャンバ31,31A,31B,32のそれぞれをガスが通過可能なように構成される。
一実施形態によれば、外殻11は、半径方向の外側環状部11Aと半径方向の内側環状部11Bとを備える。一実施形態によれば、リブ206は、外側環状部11Aと内側環状部11Bとを結合している。これにより、閉鎖翼型の動作形態において、アーチ状の翼10A及び直線状の翼10Bの所定の空気力学的な輪郭が形成され得る。一実施形態によれば、翼10A,10Bのそのような空気力学的な輪郭は、特にレンズ状の形状を有する。一実施形態によれば、外側環状部11Aと内側環状部11Bは、少なくとも1つの主桁201に接続され、より好ましくは、少なくとも1つの副桁202~204にも接続される。
図8を参照すると、一実施形態によれば、航空機1は、前記少なくとも1つの環状チャンバ31,31A,31B,32に関連付けられた制御要素40を備える。制御要素40は、少なくとも一方の翼10A,10Bの曲率を変更可能に構成されている。一実施形態によれば、制御要素40は、特にチャンバ31又はチャンバ31Aに関連付けられる。好ましくは、制御要素40は、両方の翼10A,10Bの曲率を、好ましくはそれぞれに対応する制御面(操縦翼面80A,80B)の曲率を変更することによって、変更するように構成されている。一実施形態によれば、制御要素40は、ソフトロボットタイプ(ソフトロボティクス)のアクチュエータを備える。
図3を参照すると、一実施形態によれば、インフレータブル本体10は、相互に隣接する複数のセグメント(区画)90を備える。隣接するセグメント90間にはリブ206が配置されている。各セグメント90は、隣接する一対のリブ206間に画定されている。より具体的には、例えば図3に見られるように、一実施形態によれば、アーチ状の翼10A、直線状の翼10B、及び、接続部10C,10Dが、相互に隣接する複数のセグメント90を備える。一実施形態によれば、各セグメント90は、外殻11の一部と、少なくとも1つの主桁201の一部と、少なくとも1つの副桁202~204の一部と、本明細書においてより詳細に後述される支柱(ストラット)205とを備える。図3の例では、この例に何ら制限されるものでないが、インフレータブル本体10は36個のセグメント90を備える。一般に、航空機1の設計段階中に、アーチ状の翼10A及び直線状の翼10Bにおけるセグメント90の分布を変えることによって、重量のバランスをとるために必要な総推力に対して、空力的(動的)な推力と空気静力学的(静的)な推力との両方に各翼10A,10Bがどの程度貢献するかの割合を調節することが可能になる。ペイロード60、飛行高度、及び、割り当てられた巡航速度に応じて、様々な最適な解決策が達成され得る。
図2を参照すると、一実施形態によれば、アーチ状の翼10A及び直線状の翼10Bは、それぞれ、複数の支柱(ストラット)205を備える。複数の支柱205は、アーチ状の翼10A及び直線状の翼10Bの後縁101A,101Bと前縁102A,102Bとに対する横断方向に沿って配置されている。各支柱205は、それぞれの翼10A,10Bの後縁101A,101Bと前縁102A,102Bとに接続されている。さらに、各支柱205は、少なくとも1つの主桁201と少なくとも1つの副桁202~204とに接続されている。有利なことに、支柱205は、少なくとも1つの主桁201と少なくとも1つの副桁202~204との間に間隔を形成している。これにより、圧縮状態になることによって外殻11の変形を低減し、且つ、外殻11から少なくとも1つの主桁201と少なくとも1つの副桁202~204とへの荷重伝達を可能にする構造が提供されている。有利には、一実施形態によれば、前記複数の支柱205は、インフレータブル構造を有するインフレータブル支柱である。一実施形態によれば、少なくとも1つの主桁201と、少なくとも1つの副桁202~204と、支柱205とがすべてインフレータブル要素である場合、これらの要素は、相互に流体連通しており、閉鎖翼型の動作形態において同一の圧力に膨張されることが好ましい。
一実施形態によれば、航空機1は、高度の変化に伴うガスの膨張を補償するためのバロネットを有していない。本実施形態の解決策は、飛行船タイプの構成に基づく既知の技術と比較して、航空機1の重量および大きさを大幅に低減することを有利に可能にする。
一実施形態によれば、航空機1は、固定翼の成層圏プラットフォームとは異なり、5~100kgのペイロードを搭載することを可能にする。実際、従来の技術では、広い翼幅に関連する克服できない構造上および空力弾性上の問題が固定翼の成層圏プラットフォームには必然的に存在するあるため、このようなペイロード重量クラスは固定翼の形態では許容されない。
さらなる実施形態によれば、航空機1は、対流圏で使用され、適切な大きさのケーブルによって地面に接続されるように構成されている。換言すれば、一実施形態によれば、航空機1は、いわゆるテザープラットフォーム(テザー衛星システム)として使用されるように構成されている。
この点に関して、現在利用可能なテザー式(係留式)エアロスタットプラットフォームは、風が存在する場合における鉛直方向および平面内の両方の変位を低減するように全体の重量のバランスをとるのに必要な力よりも大きな空気静力学的な力(静的な力)を生成可能である。このような必要以上の空気静力学的な力(静的な力)を生成するために、現在利用可能なテザー式エアロスタットプラットフォームの体積は、全体の重量のバランスをとるのに必要な体積よりも大きくなる。
本実施形態の航空機1のテザー(係留)構成によれば、空力的な力(動的な力)を生成することによって風に対抗し得る。したがって、必要以上の空気静力学的な力(静的な力)が必要ないため、同じペイロードと同じ風の条件を仮定すると、航空機1の大きさ、ひいては全体の重量が低減される。
以上では航空機1の構造が説明されたが、次に、航空機1が成層圏プラットフォームである場合を考慮して、上記のような航空機の動作モードが、非限定的な例として簡単に説明される。
航空機1の幾何学的形状は、初期の最小体積離陸形態(図9A)からハイブリッドな空気力学的形状の設計形態(動作ミッション形態)(例えば、図9C又は図3)まで所定の態様で変化するように構成されている。特に、離陸時、航空機1は楕円体の形状を有し(図9A)、航空機1の重量は、空気静力学的な推力(静的な推力)のみによってバランスが保たれる。このようにして、離陸は、空力的な推力(動的な推力)を必要とすることなく鉛直方向に行われる。この垂直離陸モードにより、特に準備されていない表面からの出発が可能になる。このことは、戦術的用途にとって大きな利点になる。したがって、選択により制御されないか、又は、せいぜい部分的に制御される離陸段階では、インフレータブル本体10の少なくとも1つのチャンバ31,31A,31B,32内の利用可能な容積を完全に占めるまでガスが膨張するような初期段階が見られる。航空機1が上昇するにつれて、航空機1の形状は、楕円体形状から設計形状(設計形態)、すなわち閉鎖翼型の動作形態(図9C又は図3)へ連続的に変形する。図9Bには、離陸形態(図9A)と設計形態(図9C)との中間における航空機1の形態(中間形態)が示されている。航空機1は、航空機1が空力的な推力(動的な推力)を生成し得る所定の高度(大きさに応じて5000~10000m)で閉鎖翼型の動作形態(図9C)をとる。空気力学的形状、つまり、閉鎖翼型の動作形態(例えば、図3又は図9C)が取得されると、上昇段階の第二部が開始される。この時点で、空気静力学的な推力(静的な推力)と、航空機1が所定の速度で前進することによって生成される空気力学的な推力(動的な推力)との両方が利用される。この段階では、ガスの膨張は構造的に抑制されず、過剰なガスが放出され、空気静力学的には支えられなくなる重量部分のバランスが動的な揚力によって保たれる。
必要な飛行高度(例えば、16000~21000メートル)に到達すると、航空機1はそのミッションを開始する。風の強さに応じて2つの飛行モードが可能である。第1のモードは、対象ゾーンに対して静止したモードであり、風速が7~25m/sの範囲にある場合に可能である。第1のモードにおいて、プラットフォームは相対風を利用して揚力を生成する。風の強さが弱い場合、航空機1は、例えば円形状または直線状の軌道に沿って移動する必要があり、これにより、空気静力学的な推力(静的な推力)を補うために必要な揚力を発生させ得る。当然のことながら、空力的な推力(動的な推力)は、長時間にわたって空中に留まることが意図されているヘリウム充填システムでは避けられないようなガス漏れに関連する空気静力学的な推力(静的な推力)の損失も補償し得る。降下段階では、制御された継続的な方法で外殻11に空気を導入することによって、高度に起因する内圧の損失が補償される。これにより、着陸面まで降下する際にプラットフォームを支持および制御するのに役立つ必要な形状が維持される。さらに、この段階において、前記システムの制御は、バッテリに蓄えられたエネルギーを利用する電気モータ(推進システム51,52)によって支援され得る。
航空機1は、その閉鎖翼型の動作形態のおかげで、広い翼幅を必要としない。さらに、上述したように、一実施形態によれば、航空機1は、複合構造に関連する空力弾性の問題の影響を受けにくいことが知られているインフレータブル要素を、主要な要素として有する。従来の飛行船タイプの構成とは異なり、本発明の構成対象にはバロネットがないため、プラットフォームの体積と大きさの両方が大幅に低減される。
したがって、以上の説明に基づいて、本実施形態に係る航空機が如何にして上記の目的を達成し得るかが理解され得る。
本発明の原理を損なわない限り、実施形態および製造の詳細は、非限定的な例として開示された上記の説明に対して、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱しない範囲で幅広く変更され得る。

Claims (15)

  1. 空気静力学的な力と空力的な力とを組み合わせて最適化して利用するように構成されたハイブリッド式の無人型の航空機(1)であって、
    外殻(11)と、該外殻(11)内の耐荷重構造体(20)とを有するインフレータブル本体(10)を備え、
    前記インフレータブル本体(10)は、閉鎖翼型の動作形態をとるように構成されている、
    航空機。
  2. 前記航空機(1)は、成層圏プラットフォームである、
    請求項1に記載の航空機。
  3. 前記閉鎖翼型の動作形態において、前記インフレータブル本体(10)は、前縁(102A)および後縁(101A)を有するアーチ状の翼(10A)を画定するように構成されたアーチ状第1部分(10A)と、前縁(102B)および後縁(101B)を有する直線状の翼(10B)を画定するように構成された直線状第2部分(10B)と、前記直線状の翼(10B)の両端に配置されて前記アーチ状の翼(10A)と前記直線状の翼(10B)とを互いに繋ぐように構成された接続用第3部分(10C)及び接続用第4部分(10D)と、を備え、
    前記耐荷重構造体(20)は、前記アーチ状の翼(10A)と、前記直線状の翼(10B)と、前記接続用第3部分(10C)と、前記接続用第4部分(10D)とを通って延びる環状構造である、
    請求項1または請求項2に記載の航空機。
  4. 前記耐荷重構造体(20)は、少なくとも1つの環状の主桁(201)を備える、
    請求項3に記載の航空機。
  5. 前記主桁(201)は、インフレータブル構造を有する、
    請求項4に記載の航空機。
  6. 前記閉鎖翼型の動作形態において、前記主桁(201)は、アーチ状主桁部(201A)と直線状主桁部(201B)とを備え、
    前記アーチ状主桁部(201A)は、該アーチ状主桁部(201A)の中央から前記接続用第3部分(10C)と前記接続用第4部分(10D)とに向かって先細になる管状部分であり、
    前記直線状主桁部(201B)は、該直線状主桁部(201B)の中央から前記接続用第3部分(10C)と前記接続用第4部分(10D)とに向かって先細になる管状部分である、
    請求項4または請求項5に記載の航空機。
  7. 前記耐荷重構造体(20)は、前記主桁(201)の断面よりも小さい断面を有する少なくとも1つの環状の副桁(202~204)を備える、
    請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の航空機。
  8. 前記副桁(202~204)は、インフレータブル構造を有する、
    請求項7に記載の航空機。
  9. 前記副桁(202~204)は、
    前記アーチ状の翼(10A)の前記前縁(102A)と前記直線状の翼(10B)の前記前縁(102B)とに配置された前縁桁(204)と、
    前記アーチ状の翼(10A)の前記後縁(101A)と前記直線状の翼(10B)の前記後縁(101B)とに配置された後縁桁(202)と、
    前記主桁(201)と前記後縁桁(202)との間に位置する中間桁(203)と、を含む、
    請求項7または請求項8に記載の航空機。
  10. 前記アーチ状の翼(10A)は、前記アーチ状の翼(10A)の前記前縁(102A)及び前記後縁(101A)に対する横断方向に沿って配置されて前記アーチ状の翼(10A)の前記前縁(102A)及び前記後縁(101A)と前記主桁(201)と前記副桁(202~204)とに接続された複数の支柱(205)を備え、
    前記直線状の翼(10B)は、前記直線状の翼(10B)の前記前縁(102B)及び前記後縁(101B)に対する横断方向に沿って配置されて前記直線状の翼(10B)の前記前縁(102B)及び前記後縁(101B)と前記主桁(201)と前記副桁(202~204)とに接続された複数の支柱(205)を備える、
    請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の航空機。
  11. 前記インフレータブル本体(10)は、前記外殻(11)によって画定されて前記アーチ状の翼(10A)内と前記直線状の翼(10B)内とに延びる少なくとも1つの環状チャンバ(31,31A,31B,32)を備え、
    前記航空機(1)は、前記環状チャンバ(31,31A,31B,32)に関連付けられて前記アーチ状の翼(10A)と前記直線状の翼(10B)とのうち少なくとも一方の曲率を変更可能に構成された制御要素(40)を備える、
    請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の航空機。
  12. 前記閉鎖翼型の動作形態における前記航空機(1)の底面視において、前記アーチ状の翼(10A)の前記前縁(102A)と、前記直線状の翼(10B)の前記前縁(102B)とは、互いにオフセットされている、
    請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の航空機。
  13. 前記アーチ状の翼(10A)に関連付けられて相互に離間した一対の前部プロペラ(51)と、前記直線状の翼(10B)に関連付けられて相互に離間した一対の前部プロペラ(52)とを含む推進システム(51,52)を備える、
    請求項3から請求項12のいずれか1項に記載の航空機。
  14. 前記接続用第3部分(10C)と前記接続用第4部分(10D)とに位置する一対のペイロードベイ(60)を備える、
    請求項3から請求項13のいずれか1項に記載の航空機。
  15. 前記航空機(1)の幾何学的形状は、初期の最小体積離陸形態からハイブリッドで空気力学的な動作形態まで所定の態様で変化するように構成されている、
    請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の航空機。
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