JP2024503522A - 多成分材料を含むカートリッジを起動させ、かつ/または前記カートリッジの振動により混合するための装置 - Google Patents

多成分材料を含むカートリッジを起動させ、かつ/または前記カートリッジの振動により混合するための装置 Download PDF

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Abstract

長手軸を有し、かつカートリッジ(6)内の少なくとも2つの分離されたチャンバーに格納されている多成分材料、好ましくは二成分材料を含むカートリッジ(6)に適した振動ミキサー(2)を備える装置(1)であって、前記振動ミキサーはカートリッジホルダー(21)とカートリッジホルダー(21)のための駆動手段とを備え、ここではカートリッジホルダー(21)は、カートリッジ(6)の一端のみを受け入れて係止するように構成されており、かつカートリッジホルダー(21)上のカートリッジの長手軸(6)を垂直位置に維持するように構成されている装置(1)。【選択図】図1

Description

本発明は、カートリッジに格納されている同じまたは異なる性質を有する成分を混合するように構成された振動ミキサー(「アマルガメーター」とも呼ぶ)に関する。本発明は、本発明の振動ミキサーと組み合わせて使用するための、カートリッジの起動構成(例えば、その後の工程で一緒に混合するために格納されている成分を含むカートリッジの分離されたチャンバーを接続するのを可能にする構成)を提供するように構成されたカートリッジの起動マシンにも関する。本発明は、本発明の振動ミキサーおよび本発明の起動マシンの両方を備える装置にも言及する。本発明は、単一成分材料または多成分材料を含むカートリッジと共に、振動ミキサーおよび/または起動マシンを備えるシステムおよび好ましくは整形外科分野(例えば骨修復)または歯科分野などの医療分野におけるそれらの使用に関する。
材料を混合および吐出するのに適したカートリッジは、多成分歯科修復材を混合し、かつそれを対象の歯に吐出するために、歯科修復用途には特に大きな関心事である。歯科修復材は古典的に粉末成分および液体成分を含み、これらを混合して歯科用セメントを形成する。特に、特定の量の粉末成分および液体成分が先に秤量されて、この2種類の成分のあらゆる不慮の混合を防止するために分離されたチャンバーに収容されるカートリッジが歯科修復用途のために開発されてきた。そのようなカートリッジでは、所望の時間に分離されたチャンバーから成分を放出し、かつ互いに機械的に混合してカートリッジから吐出される歯科用セメントを形成することができる。
カートリッジ内の成分を混合するのに適した商業的に入手可能な振動ミキサーが、多くの場合に例えばUS4871261(米国特許第4,871,261号公報)に記載されているとおり両側でカートリッジを掴むための2本のアームと共にカートリッジホルダーを備えるように、大部分のカートリッジは長楕円形状を有する。しかしそのような従来の振動ミキサーは、それが振動ミキサーのカートリッジホルダーを2本の手で取り扱うことを示しているとおり人間工学的ではなく、それらの使用は操作者にとって快適ではない。さらに従来の振動ミキサーのカートリッジホルダーは、その形状が長楕円形ではないより洗練されたカートリッジに適していない。また従来の振動ミキサーは、これらの装置の正しい使用が使用ごとに非常に変わりやすくなるようなカートリッジホルダー上でのカートリッジの位置決めが正しいものであることを確認するのを可能にする手段を備えていない。従って混合工程後の得られる材料の特性が変わる場合がある。
従来の振動ミキサーに関する別の欠点は、これらのマシンは非常に大きく場所をとり、かつ実施者の作業空間をかなり減少させるという点である。
より詳細にはカートリッジの振動をより安全なものにし、かつ実施者のために従来の装置よりも多くの作業空間を提供しながらも操作者による操作が容易であるカートリッジに含まれている多成分材料、好ましくは二成分材料を混合するための振動ミキサーを提案することにより本発明が軽減することを目的としているのは、これらの欠点である。
また、材料の成分を含むカートリッジの分離されたチャンバーを接続するための起動マシンであって、高い技術レベルを有するカートリッジに適している起動マシンを提供することも求められている。特に、これらの工程の実施中に安全性を保証しながらも操作者のために装置の数を減らし、かつその後の工程において材料を吐出するのに適した多成分カートリッジの取り扱いを向上させるために、起動部および振動ミキサーの両方を備える装置を提供することが求められている。
この目的のために、本発明の主題は、長手軸を有し、かつカートリッジ内の少なくとも2つの分離されたチャンバーに格納されている多成分材料、好ましくは二成分材料を含むカートリッジに適した振動ミキサーを備える装置であって、振動ミキサーはカートリッジホルダーとカートリッジホルダーのための駆動手段とを備え、カートリッジホルダーはカートリッジの一端のみを受け入れて係止し、かつカートリッジホルダー上のカートリッジの長手軸を垂直位置に維持するように構成されている装置である。
一実施形態によれば、カートリッジホルダーは、アーム上、好ましくはアームの一端に位置しているカートリッジホルダーの駆動手段と協働するように構成された1本のアームと、カートリッジの一端、好ましくはカートリッジの前記端部上に存在する係止手段と協働するように構成されたカートリッジ保持プラットフォームとを備える。一実施形態によれば、カートリッジホルダーのアームは2つの端部を有し、一端にはカートリッジホルダーの駆動手段が位置しており、他端にはカートリッジ保持プラットフォームが位置している。
一実施形態によれば、カートリッジ保持プラットフォームは、カートリッジの端部を係止するための手段を備え、好ましくはカートリッジの端部を係止するための前記手段は少なくとも1つの突起部を含み、より好ましくは2つの突起部を含む。
一実施形態によれば、カートリッジの端部をカートリッジ保持プラットフォーム上に係止するための手段は、カートリッジの基部と協働し、好ましくは2つの対向する突起部を有するカートリッジの基部と協働するように構成されており、より好ましくはカートリッジの2つの対向する突起部は2つの対向する係止翼である。一実施形態によれば、カートリッジ保持プラットフォームは、カートリッジの係止翼と協働するためにそれらの内部体積に少なくとも1つの溝を有する突起部を含む。
一実施形態によれば、本装置は、成分が互いに接触することができるように多成分材料の成分を含む分離されたチャンバーが接続されるカートリッジの起動構成を提供するために、カートリッジの一端に推力Fを印加するように構成された起動マシンをさらに備える。
一実施形態によれば、本装置は振動ミキサーおよび任意に起動マシンを収容するケーシングをさらに備える。
一実施形態によれば、本装置は閉鎖位置に移動可能な蓋をさらに備え、これは好ましくは振動ミキサーおよび任意に起動マシンのための筐体を形成するためにケーシングと協働する。
本発明の別の主題は、上に記載されている装置と材料を吐出するためのカートリッジであるカートリッジとを備えるシステムであって、カートリッジは、
・長手軸を有し、かつ吐出穴が設けられた遠位壁を含むスリーブと、
・材料を受け入れるように構成されたチャンバーを画定しているバレルであって、近位開放端とその遠位端にある破壊可能な遠位壁とを含み、バレルの遠位壁がスリーブの遠位壁からある距離にある第1の位置と、バレルの遠位壁の密閉部分がスリーブの遠位壁の内面と接触する第2の位置と間で長手軸に沿ってスリーブ内を移動するように構成されている、バレルと、
・バレルのチャンバーを密閉するように構成されたピストンであって、ピストンは、移動してバレルのチャンバーと密閉係合するように構成されたプレートを備える、ピストンと、
を備え、
・スリーブは吐出穴の近くに内部穿刺要素を備え、穿刺要素は第1の位置から第2の位置へのバレルの移行時にバレルの遠位壁を破壊するように構成されており、かつ
・スリーブは穿刺要素の周りに環状空洞を含み、環状空洞はバレルの対応する斜めの外面に相補的な斜めの内面によって周方向に境界が定められている、システムに言及する。
一実施形態によれば、本発明は、本発明の装置と材料を吐出するためのカートリッジであるカートリッジとを備えるシステムであって、前記カートリッジはカートリッジ内の少なくとも2つの分離されたチャンバーに格納されている多成分材料を含み、前記カートリッジは、
・長手軸を有し、かつ吐出穴が設けられた遠位壁を含むスリーブと、
・材料を受け入れるように構成されたチャンバーを画定しているバレルであって、近位開放端とその遠位端にある破壊可能な遠位壁とを含み、バレルの遠位壁がスリーブの遠位壁から距離eにある第1の位置とバレルの遠位壁の密閉部分がスリーブの遠位壁の内面と接触する第2の位置との間を長手軸に沿ってスリーブ内を移動するように構成されているバレルと、
・バレルのチャンバーを密閉するように構成されたピストンであって、ピストンは、移動してバレルのチャンバーと密閉係合するように構成されたプレートを備えるピストンと、
を備え、
・スリーブは吐出穴の近くに内部穿刺要素を備え、穿刺要素は第1の位置から第2の位置へのバレルの移行時にバレルの遠位壁を破壊するように構成されており、かつ
・スリーブは穿刺要素の周りに環状空洞を含み、環状空洞はバレルの対応する斜めの外面に相補的な斜めの内面によって周方向に境界が定められている、システムに言及する。
一実施形態によれば、本システムは、上に定義されている振動ミキサーおよびカートリッジからなる。一実施形態によれば、本システムは上に定義されている起動マシンおよびカートリッジからなる。一実施形態によれば、本システムは上に定義されている振動ミキサー、起動マシンおよびカートリッジからなる。
一実施形態によれば、カートリッジのピストンは容器とプランジャーとの組み合わせを含み、容器はチャンバーを画定しており、かつ近位開放端および開放可能な遠位壁を含み、プランジャーは容器のチャンバー内で移動可能であり、かつ開放可能な遠位壁に圧力を印加するように構成された遠位ロッドを含む。
一実施形態によれば、カートリッジの容器は、プランジャーの少なくとも1つの外側放射状特徴部と協働して、カートリッジの格納構成においてプランジャーを容器の開放可能な遠位壁からある距離に維持するように構成された少なくとも1つの内側放射状特徴部を備え、内側放射状特徴部とプランジャーの外側放射状特徴部との協働は、プランジャーの近位端において好ましくは本装置の起動マシンにより印加される推力の影響下で解放可能である。
一実施形態によれば、カートリッジのバレルはその近位端の近くに2つの完全に対向するタブをさらに備え、バレルをスリーブに対して第1の位置に係止するために、各タブは近位端の近くに配置されたスリーブの係止翼によって画定されている対応するハウジングに受け入れられるように構成されている。
本発明の別の目的は、上に記載されている振動ミキサーを備える装置または上に記載されているシステムにおけるカートリッジホルダーであり、カートリッジホルダーはカートリッジの一端のみを受け入れて係止するように構成されており、かつカートリッジホルダー上のカートリッジの長手軸を垂直位置に維持するように構成されている。
本発明の別の目的は上に記載されている振動ミキサーを備える装置のためのカートリッジホルダーであり、ここではカートリッジホルダーはカートリッジの一端のみを受け入れて係止するように構成されており、かつカートリッジホルダー上のカートリッジの長手軸を垂直位置に維持するように構成されている。
一実施形態によれば、カートリッジ保持プラットフォームはカートリッジの基部と協働し、好ましくは2つの対向する突起部を有するカートリッジの基部と協働するように構成されており、より好ましくはカートリッジの2つの対向する突起部はカートリッジのスリーブの2つの係止翼である。
本発明の別の目的は、医療分野、好ましくは歯科分野または整形外科分野、より好ましくは歯科修復における、上に定義されている装置または上に定義されているシステムの使用である。
本発明の別の目的は、医療分野におけるカートリッジ内に格納されている多成分材料を混合するための上に定義されているシステムの使用であり、前記使用は、
・カートリッジの一端のみを上に定義されている装置のカートリッジホルダー上に係止する工程と、
・振動工程を実施し、カートリッジ内に格納されている多成分材料を混合する工程と、
を備える。
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら単に例として与えられている、本発明に係る装置のいくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の第1の実施形態に係る装置の斜視側面図であり、この装置はその上にカートリッジが係止される振動ミキサーおよび起動マシンを備える。 図1のカートリッジホルダーの斜視側面図である。 図2Aのカートリッジホルダーのカートリッジ保持プラットフォームの軸AAに沿った断面図である。 図2Aのカートリッジホルダーのカートリッジ保持プラットフォームの軸AAに沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る装置に使用するのに適し、粉末成分および液体成分を含む二成分系材料を混合および吐出するのに適したカートリッジの分解斜視図である。 カートリッジの初期格納構成における図3のカートリッジの長手方向断面である。 カートリッジの第1の起動構成における図4と同様の長手方向断面である。 カートリッジの第2の起動構成における図4と同様の長手方向断面である。 図1の装置の振動ミキサーの斜視図である。 図7の振動ミキサーの斜視側面図である。 図1の装置の起動マシンの斜視図である。
装置1
図1は、カートリッジ6の起動マシン3およびカートリッジ6のための振動ミキサー2の両方を備える本発明の第1の実施形態に係る装置1の斜視側面図を示す。この第1実施形態によれば、本発明の装置1と協働するカートリッジ6は、図3および図4に示されている粉末成分および液体成分を含む二成分系材料を混合および吐出するのに適したカートリッジである。図1には、起動工程における(例えば起動マシン3内に係止されている)カートリッジ6が示されているが、その後の工程では、カートリッジ6は起動マシンから係止解除され、かつ混合工程を実施するために操作者または自動化システムのいずれかによって振動ミキサー2のカートリッジホルダー21上に係止される。
起動マシン3
図1および図9に示すように、第1の実施形態に係る起動マシン3は、カートリッジ6が起動構成(本明細書の下に記載され、かつ図5および図6に示されている)に到達するように起動プラットフォーム32上に受け入れられて係止されているカートリッジ6の端部に推力Fを印加するための手段322と協働するように構成されたレバー31を備える。本実施形態によれば、推力Fを印加するための手段322は起動プラットフォーム32の下に位置しており、起動プラットフォーム32上に係止されたカートリッジ6の長手軸(X-X’)と位置合わせされている。図1では起動プラットフォーム32の表面は水平に向けられているが、別の実施形態によれば、起動プラットフォーム32の表面は垂直に向けられていてもよい。有利には、起動プラットフォーム32の水平位置は、カートリッジ6を取り扱う実施者のためにより人間工学的である。一実施形態によれば、カートリッジ6上に推力Fを印加するための手段322は起動ピストン3221(図9に示されている)を備える。レバー31を下げた場合、ピストン3221が摺動自在に移動し、かつ起動プラットフォーム32上に係止されたカートリッジ6の基部に推力Fを印加するように、機械力がピストン3221に伝達される。一実施形態によれば、レバー31は起動プラットフォーム32上に係止されたカートリッジ6の基部に推力Fを与えるために、力をピストン3221に伝達するのに適した任意の他の手段で置き換えてもよい。一実施形態によれば、起動ピストン3221はカートリッジ6内を摺動自在に移動するのに適している。図1に示すように、カートリッジ6はその端部の1つのみによって起動プラットフォーム32上に係止される。特にカートリッジ6の基部は、図4に示されているカートリッジ6の2つの対向する係止翼77と協働する2つの突起部321の存在のおかげで、起動プラットフォーム32に堅固に保持される。一実施形態によれば、起動プラットフォーム32上の突起部の数および形状はカートリッジ6を起動プラットフォーム32上に堅固に保持するために、カートリッジ6の端部の形状を考慮し、特にカートリッジ6の基部の形状を考慮して当業者によって十分に適合させることができる。本発明では、起動プラットフォーム32の突起部により、起動マシン3におけるカートリッジ6の良好な位置決めを保証し、かつカートリッジ6の起動工程中に安全性を保証するために、カートリッジ6を起動マシン上に係止すること、および起動が完了した後にカートリッジ6を取り外すことの両方が可能になる。
振動ミキサー2
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る振動ミキサー2は、カートリッジホルダー21とカートリッジホルダーのための駆動手段22とを備える。特に図1および図2に示されているカートリッジホルダー21は、カートリッジ6の一端のみ、好ましくはカートリッジ6の基部を受け入れて係止するのに適したカートリッジ保持プラットフォーム211と、カートリッジホルダープラットフォーム211をカートリッジホルダーのための駆動手段22に接続するように構成されたアーム212とを備える。一実施形態によれば、アーム212の長さは30mm~60mm、好ましくは40mm~55mmの範囲であり、より好ましくは52.5mmである。図1および図2に示すように、カートリッジ保持プラットフォーム21は円形の形状を有し、かつカートリッジ6の基部の寸法に適合されている。但しカートリッジ保持プラットフォーム21は、カートリッジ6の一端を受け入れて係止し、かつ振動ミキサー2によるカートリッジ6の振動工程の実施を可能にするのに適した任意の好適な形状および寸法であればよい。
特にカートリッジ6の基部は、図4に示されているカートリッジ6の2つの対向する係止翼77と協働する2つの突起部2111の存在のおかげでカートリッジ保持プラットフォーム211に堅固に保持される。一実施形態によれば、カートリッジ保持プラットフォーム211上の突起部の数および形状は、カートリッジ6をカートリッジ保持プラットフォーム211上に堅固に保持するために、カートリッジ6の端部の形状を考慮し、特にカートリッジ6の基部の形状を考慮して当業者によって十分に適合させることができる。本発明ではカートリッジ保持プラットフォーム211の突起部により、振動ミキサー2におけるカートリッジ6の良好な位置決めを保証し、かつ振動工程中(起動されたカートリッジ6に含まれている成分の混合が生じる)に安全性を保証するために、カートリッジ6を振動ミキサー2のカートリッジホルダー21上に係止すること、および振動工程が完了した後にカートリッジ6を取り外すことの両方が可能となる。一実施形態によれば、カートリッジホルダー21の突起部2111および起動プラットフォーム32の突起部321は同一であるか、あるいはカートリッジ6の突起部77と協働するように構成されている。
またカートリッジ保持プラットフォーム211は、カートリッジ6を十分に位置決めして受け入れるための二次手段をさらに備えていてもよい。図2Bに示すように、カートリッジ保持プラットフォーム211はその内部体積に、カートリッジ保持プラットフォーム211の1つの直径に対応する平らな軸2112を含む。平らな軸2112の中間は、カートリッジのプランジャー10と協働するように構成された突起部2113を含む。一実施形態によれば、突起部2113は円錐体の形状である。一実施形態によれば、突起部2113の形状および寸法は、カートリッジ6のプランジャー10の内部体積に受け入れられるように構成されている。
またカートリッジ保持プラットフォーム211は、カートリッジ6をカートリッジホルダー21上に十分に係止するための二次手段をさらに備えていてもよい。特にカートリッジ保持プラットフォーム211は、ブロッキングボールまたはブロッキングピンであってもよい図2Cに示されている1つ以上のブロッキング要素2114を備えていてもよい。そのような場合、カートリッジ保持プラットフォーム211は、ブロッキング要素2114のための収容部2115を備える。ブロッキング要素2114は収容部2115内および部分的にその外を移動することができる。ブロッキング要素2114は2つの位置、すなわち(i)伸長位置および(ii)後退位置の間を移動することができる。伸長位置では、ブロッキング要素2114はバネなどの好適な手段により部分的に収容部2115の外に維持される。後退位置では、ブロッキング要素2114は収容部2115内に維持される。カートリッジが存在しない場合、ブロッキング要素2114は伸長位置にある。カートリッジ6を係止すると、カートリッジ6の突起部77はブロッキング要素2114に圧力を加え、これにより突起部77がカートリッジホルダー21の突起部2111に完全に係合されるまで後退位置に入る。その後に突起部77は突起部2111に完全に係合され、ブロッキング要素2114は伸長位置に戻り、それにより突起部77をブロックする。
カートリッジホルダー21のための駆動手段22は、カートリッジホルダー21の機械的振動運動(すなわち振動)を発生するように構成されている。特に図7に示すように、駆動手段22は、軸支持体222に接続されたモーター221がその上に位置しているプレート220を備え、前記軸支持体222は振動軸223を受け入れるように構成されている。図1に示すように、カートリッジホルダー21は環213によって駆動手段22に接続されている。特にカートリッジホルダー21の環213は、軸支持体222の振動軸223の一端を受け入れるように構成されており、前記振動軸223は軸支持体222内に位置しており、環213に接続されていない振動軸223の他端は、プレート220と交差し、かつ滑車システム224内に係合されている。図8に示すように、モーター221および振動軸223はプレート220の下に位置している滑車システム224のおかげで、モーター221が動いている場合にモーター221の滑車が振動軸223の滑車を移動させて振動軸223の振動運動を引き起こすように互いに協働する。このようにしてカートリッジホルダー21は振動する。有利には、振動工程が本発明の振動ミキサーによって実施された場合、カートリッジホルダー21の振動運動は、振動工程中にカートリッジ6を係止解除できないように、カートリッジ保持プラットフォーム211へのカートリッジ6の僅かな締め付けを与える。このようにして振動ミキサーは操作者にとってより安全なものとなる。
振動ミキサー2は、その使用中にそれが位置している作業台上での本装置の騒音および/または並進運動を制限するための手段をさらに備えていてもよい。図7および図8に示すように、プレート220が支持体230から持ち上げられるように、モーター221、軸支持体222、カートリッジホルダー221に連結された振動軸223がその上に位置しているプレート220が支持体230の上に置かれている。図7および図8に示すように、プレート220の4つの角は、振動減衰特性を有する取り付け手段によって支持体230に連結されている。図7および図8に示されている一実施形態によれば、振動減衰特性を有する取り付け手段は、六角穴付きボルト231、ナット232、少なくとも1つサイレントブロック233、235および少なくとも1つのバネ234の結合体を含む。一実施形態によれば、プレート220の各角は2つのサイレントブロック233a、233bおよび/または235a、235bの間に挟まれている。有利には、図7および図8に示されているプレート220および支持体230への取り付け手段の構成は、振動の騒音を大きく減らし、かつ振動ミキサーの使用中に本装置が作業場所の上で移動するのを防ぐ。
一実施形態によれば、カートリッジホルダー21の機械的振動運動は垂直振動運動である。一実施形態によれば、カートリッジホルダー21の機械的振動運動はカートリッジ6の長手軸(X-X’)に沿っている。一実施形態によれば、カートリッジホルダー21の機械的振動運動は8の字の振動である。
一実施形態によれば、振動ミキサーは8000rpm~12000rpmの範囲の混合速度を与える。一実施形態によれば、振動ミキサー2は1秒~60秒、好ましくは5秒~30秒の範囲の混合時間中にカートリッジ6を振動させる。有利には、8000rpm~12000rpmの範囲の混合速度および1秒~60秒の範囲の混合時間での本発明の振動ミキサーの使用により、カートリッジに含まれている成分の均質な混合が得られる。
ケーシング+蓋
本発明の装置1は、ケーシングと協働して振動ミキサー2のカートリッジホルダー21によって保持されるカートリッジ6のための筐体を形成する閉鎖位置に移動可能な蓋を有するケーシング(図示せず)も備えていてもよい。一実施形態によれば移動可能な蓋と協働するケーシングは、本発明の振動ミキサー2および/または本発明の起動マシン3のための筐体を形成する。一実施形態によれば当該蓋は透明であり、実施者が振動工程を見るのを可能にする。一実施形態によればケーシングは、振動工程の実施を駆動するように構成されたスイッチを備える。一実施形態によれば押された場合に当該スイッチは、好ましくは1秒~60秒の範囲、より好ましくは30秒の所定の期間でカートリッジホルダー21の振動工程を実施する。
カートリッジ
本発明では、カートリッジは本発明の起動マシン3および/または振動ミキサー2に適したどんなカートリッジであってもよい。特にカートリッジは本発明の振動ミキサー2により混合することができる任意の好適な材料を含んでいてもよく、好ましくは当該材料は、例えば骨充填材料または歯科材料などの医療用組成物である。一実施形態によれば、カートリッジは歯科用カートリッジなどの医療用カートリッジであってもよい。一実施形態によればWO2021/013752(国際公開第2021/013752号公報)に記載されているカートリッジは、本発明の装置1、特に本発明の振動ミキサー2および/または起動マシン3と共に使用するのに特に適している。一実施形態によれば、カートリッジ6はその内部体積に、好ましくは振動工程中に前記カートリッジ内に格納されている多成分を混合するための自由に移動可能な要素(例えば鋼球または打撃子など)を全く備えていない。一実施形態によれば、カートリッジ6はその内部体積に、好ましくは振動工程中に前記カートリッジ内に格納されている多成分を混合するために、前記カートリッジの構成要素(例えば鋼球など)から独立した自由に移動可能な要素を全く備えていない。
図3は、粉末成分および液体成分を含む二成分歯科修復材の混合および吐出の両方に適し、かつ本発明に係る装置と共に使用するのに適したカートリッジ6の分解図を示す。図3に示すように、カートリッジ6は、それらの長手軸X-X’に沿って位置合わせされている間に一方を他方の中に挿入するように構成されている円形の断面を有する連続する管状部材を備える。本実施形態では、カートリッジ6の管状部材は最外側要素から最内側要素に向かって外部スリーブ7、バレル8、液体容器9およびプランジャー10を含む。
スリーブ7は、近位開放端711およびスリーブの遠位壁72によって画定されている遠位端712を含む本体71を備える。遠位壁72には吐出穴73が設けられており、そこからスリーブの本体71と1つの部品で形成された管状吐出ノズル70が延在している。吐出ノズル70の周壁70aの厚さt70は吐出穴73から吐出ノズルの自由端70bに向かって減少する。ポリマー、好ましくはこの例では透明の非晶質コポリエステルなどの透明ポリマーである吐出ノズル70の構成材料と組み合わせられたこの特定の幾何学的形状のおかげで、吐出ノズル70は変形可能でありながらも曲げられた場合でも一定の内径を保持することができる。このようにして、吐出ノズル70は操作可能でありながらも材料の吐出のために一定の直径を有する。
スリーブ7の遠位壁72は、バレル8の破壊可能な遠位壁89を破壊するためのものである、吐出穴73と位置合わせされた内部穿刺要素79を備える。穿刺要素79は吐出穴73と流体連通した状態にするためにスリーブの遠位壁72から内部に突出している管状要素である。この配置のおかげで、バレル8の遠位壁89が破壊されると、管状穿刺要素79はバレル8に含まれている材料を直接吐出穴73に案内する特別に許可された通路を形成し、これはバレル8とスリーブ7との間の空間における材料の損失を制限する。
穿刺要素79の内径d79は吐出穴73の直径d73よりも僅かに大きい。このようにして穿刺要素79の動作下でバレル8の遠位壁89に形成される開口部は、吐出される材料の適切な流れを保証するのに適したサイズを有する。穿刺要素79の周りではスリーブ7は、その底が遠位壁72の内面によって形成されている環状(すなわちリング形状の)空洞74を含み、その環の中心壁は管状穿刺要素79の周壁によって形成されており、その環の外部壁はバレル8の対応する斜めの外面88に相補的な斜めの内面によって形成されている。相補的な斜めの表面は、バレル8とスリーブ7との間の空間における材料の通過を制限するために、スリーブ7と穿刺要素79および吐出穴73に隣接するバレル8との境界面に効率的な密閉を与えるように設計されている。
図3および図4に示すように、カートリッジ6のバレル8は、近位開放端81および破壊可能な遠位壁89によって画定されている遠位端82を含む。バレル8は、二成分歯科修復材の粉末成分を受け入れるように構成されたチャンバー85の境界を定める。バレル8の構成材料は、感湿粉末成分を保護するのに適したチャンバー85内で一定の湿度レベルを維持するために、100μmのフィルム厚では23℃および85%RHにおいて0.5g/(m/日)未満の水蒸気透過率(WVTR)を有するように選択される。特にこの例では、バレル8は100μmのフィルム厚では23℃および85%RHにおいて0.4g/(m/日)の大きさのWVTRを有する環式オレフィンコポリマー(COC)で作られている。別の実施形態によれば、バレル8の構成材料は、100μmのフィルム厚では23℃および85%RHにおいて0.5g/(m/日)超の水蒸気透過率(WVTR)を有するように選択される。
バレル8の遠位壁89は、スリーブの遠位壁72の内面と協働するように構成された密閉部分によって取り囲まれた中心破壊可能部分を含む。有利には、破壊可能部分の表面積と密閉部分の表面積との比は、密閉部分の軸受面が接触面積を制限するのに十分に薄い環でありながらも、開放後に開放している破壊可能部分のひれ状部分がスリーブの吐出穴73を完全に妨げない状態のままにするような比である。このようにして、その密閉はスリーブの遠位壁72により達成するのがより容易であり、接触圧力を最大化させて材料の吐出中に密閉を保証する。この構成は材料損失を制限しながらも吐出される材料の適切な流れを保証する。
また破壊可能部分および穿刺要素79の直径を調整して穿刺要素79の破壊効率を最大化させる。例えば図示されている例では、穿刺要素79の直径d79は破壊可能部分の直径dの半分の大きさである。破壊可能部分は、遠位壁89の中心部から開始する星状に半径方向に分布されている6本の弱化線を含む。各弱化線は遠位壁89の残りの厚さt89よりも薄い厚さtを有する。この星の中心部により、破壊が星の中心で開始するように応力集中を有することが可能になる。
弱化線のこの配置は、穿刺要素79の作用を受けた場合にバレルの遠位壁89の変形を吐出ノズル70から離れるように向けられる花冠状に案内するように構成されている。実際に遠位壁89の破壊は、バレルの遠位壁89がスリーブの遠位壁72から距離eにある図4、図5、図6に示されている第1の位置と、バレルの遠位壁89の密閉部分がスリーブの遠位壁72の内面と接触しており、かつ相補的な斜めの表面が協働し、このようにスリーブ7とバレル8との間の密閉を与える第2の位置(図示せず)との間での長手軸X-X’に沿ったスリーブ7内でのバレル8の変位により得られる。
バレル8は、その近位端81の近くに2つの完全に対向するタブ88も備える。各タブ88は、バレル8をスリーブ7に対して第1の位置に係止するために近位端711の近くに配置されたスリーブ7の係止翼77によって画定されている対応するハウジング778内に受け入れられるように構成されている。カートリッジ6のこの係止構成は、穿刺要素79によって穿刺される遠位壁89のリスクを全く伴うことなくカートリッジ6を操作することができるように、バレル8の遠位壁89がスリーブの遠位壁72から距離eのままであることを保証し、これにより吐出工程前に混合工程を実施することが可能になる。
またバレル8は、スリーブ7の本体71内部に円周方向に分散されている6つの挟持部材75によって形成された内側放射状凹部756と協働するように構成された外側放射状カラー86を備える。外側放射状カラー86と内側放射状凹部756との協働により、タブ88がハウジング778から外れた場合であってもバレル8をスリーブ7に対して第1の位置に維持することが可能になり、このように係止システム88/778が有効でない場合にもカートリッジ6を格納構成に保証することが可能になる。
特に図6に示すように、スリーブ7の本体71はまた、バレルが第1の位置から第2の位置に移動した場合にバレル8のタブ88の変位を案内するように構成されている2つの完全に対向する長手方向溝78をその近位端711の近くに含む。長手方向溝78は、穿刺要素79に向かうその移動において近位端711の近くでバレル8の案内を保証し、スリーブの本体71内部に円周方向に分散されている6つの案内リブ76によって遠位端712の近くで別の案内が保証される。案内手段76および78は、カートリッジ6の吐出構成に到達させるためのバレル8の変位の安定性を向上させる。
バレル8のチャンバー85は、液体容器9とプランジャー10との組み合わせによって形成されたピストンにより密閉されている。この説明のための例では、容器9は低密度ポリエチレン(LDPE)で作られており、プランジャー10はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)で作られている。容器9は近位開放端91と、開放可能な遠位壁97によって画定されている遠位端92とを含む。容器9は、二成分歯科修復材の液体成分を受け入れるように構成されたチャンバー95の境界を定める。容器9の遠位壁97は、環状接続部分99によって遠位壁の残りに取り付けられた取り外し可能な部分98を含む。環状接続部分99はヒンジを形成するために、60°の大きさの角度αにわたって延在する中実部分と、中実部分の厚さtよりも小さい厚さtを有する弱化部分とを含む。この構成により、中実部分によって形成されたヒンジを介して容器9の遠位壁97に接続されたままにしながら、取り外し可能な部分98が容器9から裏返るように弱化部分のみを破壊することによって容器9の遠位壁97を開放することが可能になる。
容器9は移動してバレル8のチャンバー85に密閉係合するように構成されている。この目的を達成するために容器9には、容器の遠位壁97が開放され、かつ容器9がバレルの遠位壁89に向かって移動する場合に、最初にバレル8と容器9との間の空間に向かう容器9のチャンバー95に含まれている液体成分の通過を防止するように構成された周囲密閉リブ93が外側に設けられている。
実際に、プランジャー10の遠位壁102から遠位に延在するロッド109のおかげで、容器9の遠位壁97の開口部が得られる。より詳細には容器9のチャンバー95は、チャンバー95内で移動可能であり、かつその遠位ロッド109が容器の遠位壁97の取り外し可能な部分98に圧力を印加するように構成されているプランジャー10により密閉されている。遠位壁97の開放前に、粉末成分はバレル8のチャンバー85内に密閉的に受け入れられ、液体成分は容器9のチャンバー95内に密閉的に受け入れられている。次いでプランジャーの遠位ロッド109で取り外し可能な部分98に圧力を印加することにより容器の開放可能な遠位壁97を開放し、かつ手動または振動ミキサーのいずれかによりこの起動構成においてカートリッジ6に振動を印加することにより、2つの成分を所望の時間で容易に互いに混合して吐出される材料を形成することができる。
容器9は、プランジャー10の2つの対応する外側周囲リブ106、106’と協働してカートリッジ6の格納構成においてプランジャー10を容器9の開放可能な遠位壁97から距離eに維持すように構成された2つの内側周囲溝96、96’を含む。内側周囲溝96、46’と外側周囲リブ96、96’との協働は、例えば起動マシンによるプランジャー10の近位端101に印加される推力Fの影響下で解放可能である。容器9とプランジャー10との間で協働する放射状特徴部96、106および96’、106’により、カートリッジ6を2つの成分の偶発的混合のリスクを伴うことなく第1の成分がバレルのチャンバー85に受け入れられ、第2の成分が容器のチャンバー95に受け入れられている粉末成分および液体成分が分離されている格納構成に保証することが可能になる。
バレル8はその近位端81の近くに内側周囲溝84も含み、これは容器9の外側周囲リブ94と協働して、容器9とプランジャー10との組み合わせによって形成されたピストンが材料の吐出のためにバレルの遠位壁89に向かって移動する前に、容器9の遠位壁97をバレル8の遠位壁89からある距離に維持するように構成されている。バレル8と容器9との間で協働する放射状特徴部84、94により、例えば吐出装置によるプランジャー10の近位端101への推力Fの印加により得られる、吐出構成に向かうカートリッジ6の2段階移行を有することが可能となる。
より具体的には、材料の吐出を開始する第1の段階では、バレルの遠位壁89がスリーブの遠位壁72と接触して穿刺要素79によって破壊されるまで、バレル8を第1の位置から第2の位置にスリーブ7に対して変位させる。この第1の段階では、バレル8、容器9およびプランジャー10が互いに一体的に移動するように、バレル8と容器9との間の放射状特徴部84、94を相互に係合させる。吐出ノズルを通して材料を吐出する第2の段階では、容器9とプランジャー10との組み合わせによって形成されたピストンをバレル8に対して変位させ、この第2の段階ではバレル8と容器9との間の放射状特徴部84、94を相互に解放する。
方法
本発明は、カートリッジ、好ましくは上に定義されている(図3、図4、図5および図6に示されている)カートリッジ6と協働する本発明に係る装置1により、カートリッジに格納されている多成分材料、好ましくは二成分材料の成分を混合するための方法にも言及する。一実施形態によれば、本発明のカートリッジ6に格納されている多成分材料の成分を混合するための方法は、カートリッジ6に充填されている対応する混合材料を本体空洞に届けるどんな工程も含んでいない。一実施形態によれば、本発明のカートリッジ6に格納されている多成分材料の成分を混合するための方法はヒトの体を治療するための方法ではない。
二成分材料が最初にバレル8のチャンバー85に受け入れられている粉末成分と最初に容器9のチャンバー95に受け入れられている液体成分とを含む、上に定義されているカートリッジ6に格納されている二成分材料の成分を混合するための方法は、
・好ましくは本発明の起動マシン3によって実施される起動工程、および
・好ましくは本発明の振動ミキサー2によって実施される混合工程
を含むかそれらからなる。
本発明では「起動工程」という表現は、最初に少なくとも2つの別個の区画またはチャンバーに格納されている成分を、好ましくはこれらの成分が均質に混合されることなく接触させるのを可能にする工程を指す。一実施形態によれば、起動工程中に最初に多成分カートリッジ6を好ましくはその端部の1つのみにおいて、より好ましくはその基部(または近位端)のみにより本発明の起動マシン3に係止し、次いでカートリッジ6内部に圧力を印加し、前記カートリッジ内部の少なくとも1つの区画またはチャンバーの一部を破壊し、それにより最初に少なくとも2つの別個の区画またはチャンバーに格納されている成分を接触させるために、起動マシン3のレバー31の作動により推力Fをカートリッジ6のプランジャーに印加する。
本発明では「混合工程」という表現は、最初に少なくとも2つの別個の区画またはチャンバーに格納され、かつカートリッジ6に対して起動工程を実施した後に接触させる成分の混合により得られる均質な材料を提供するのを可能にする工程を指す。一実施形態によれば混合工程は、カートリッジ6に対する振動ミキサー2および/またはカートリッジホルダー21によって生じる機械的振動運動によって実施する。一実施形態によれば混合工程は、前記カートリッジの多成分の混合を生じさせるためにカートリッジ6の内部体積内に自由に移動可能な要素を全く必要としない。
一実施形態によれば、カートリッジ6が垂直に維持され、好ましくはカートリッジ6の基部(または近位端)が起動マシン3および/または振動ミキサー2上に係止され、かつそのノズル(またはその遠位端)がどんな装置によっても維持されないように、起動工程および振動工程を実施する。一実施形態によればカートリッジ6の長手軸が垂直に維持されるように、カートリッジ6を起動マシン3および/または振動ミキサー2上に係止する。一実施形態によれば、起動工程および/または振動工程中に、カートリッジ6を管状部材の中および/または取外し可能なキャップ部材により保持しない。一実施形態によれば、起動工程および/または振動工程中にカートリッジ6を爪の中に締め付けない。
特に、二成分材料が最初にバレル8のチャンバー85に受け入れられる粉末成分と、最初に容器9のチャンバー95に受け入れられる液体成分とを含む、上に定義されているカートリッジ6に格納されている二成分材料の成分を混合するための方法は以下に記載されている工程を含む。
起動マシン3による起動工程
最初にカートリッジ6は、容器9の内側溝96、96’とプランジャー10の外側リブ106、106’との協働によりプランジャー10が容器9の開放可能な遠位壁97から距離eに維持される図4に示されている格納構成にある。この格納構成により、粉末成分はバレル8のチャンバー85に密閉的に受け入れられ、液体成分は容器9のチャンバー95に密閉的に受け入れられる。
この構成から開始して、カートリッジ6の基部を起動マシン3の起動プラットフォーム32上に置く。操作者は回転時に合体するバレル8、容器9およびプランジャー10を含むアセンブリをスリーブ7に対して回転させるように、カートリッジの長手軸(X-X’)の周りでカートリッジ6の4分の1回転を行う。このようにして、バレルのタブ88をスリーブの係止翼77のハウジング778の中に挿入し、こうしてバレル8の遠位壁89がスリーブ7の遠位壁72から距離eに維持される図5に示されている係止構成に到達させる。
次いで、プランジャー10の遠位ロッド109が容器9の遠位壁97の取り外し可能な部分98に圧力を印加するように、起動ピストン3221と協働する起動マシン3のレバー31の作動によってプランジャー10の近位端101に推力Fを印加し、こうして図5に示されている起動構成に到達させる。一実施形態によれば推力Fは、レバーとは異なる当業者によって知られている任意の他の手段により印加することができる。
振動ミキサー2による混合工程
次いで、カートリッジのスリーブ7の係止翼77とカートリッジ保持プラットフォーム211の突起部2111との協働により起動されたカートリッジ6を、振動ミキサー2のカートリッジホルダー21上に係止する。有利には、図5に示されている起動構成では、タブ88と係止翼77との協働のおかげで、バレル8の遠位壁89が穿刺要素79によって穿刺されるというリスクを全く伴うことなくカートリッジ6を振動させることができる。
操作者のために振動工程を安全にするために、振動ミキサー2を囲んでいるケーシング4の蓋5を閉じる。ケーシングの前面に位置しているスイッチを押すことにより振動工程の実施を達成する。有利には本発明では、振動工程は振動工程中にカートリッジの多成分を混合するために、カートリッジまたは前記カートリッジの任意のチャンバー内にどんな要素(例えば鋼球または打撃子など)も必要としない。一実施形態によれば、「振動工程」という表現は「混合工程」を意味する。約30秒の所定の振動時間後に、操作者はカートリッジホルダー21からカートリッジ6を係止解除することができる。この目的のために、バレルのタブ88をスリーブのハウジング778から抜き出すために回転時に合体するバレル8、容器9およびプランジャー10を含むアセンブリを図5の矢印Rの方向にスリーブ7に対して回転させ、このように図6に示されている係止解除構成に到達させる。
この係止解除構成において任意のその後の工程では、混合材料の一部または全てを所望の位置、例えば歯の上に吐出するために、例えば吐出装置により推力Fをプランジャー10の近位端101に印加してもよい。
医療分野、歯科分野における使用
本発明では、カートリッジと協働する振動ミキサーおよび/または起動マシンを、例えば整形外科分野(例えば骨修復)および/または歯科分野などの医療分野で使用してもよい。
一実施形態によれば、カートリッジと協働する振動ミキサーおよび/または起動マシンを、カートリッジ、好ましくは歯科用カートリッジ内に別々に格納されている多成分材料を混合するために使用してもよい。
一実施形態によれば、カートリッジと協働する振動ミキサーおよび/または起動マシンを、特に例えば骨および/または歯科修復などの整形外科および/または歯科分野においてすぐの使える予め混合された組成物を提供するために使用してもよい。
本発明は記載および図示されている例に限定されない。特に、本発明に係る振動ミキサーおよび/または起動マシンと共に使用するためのカートリッジの構成部材のために、上に記載されているもの以外の材料および形状を検討することができる。

Claims (15)

  1. 長手軸(X-X’)を有し、かつカートリッジ(6)内の少なくとも2つの分離されたチャンバーに格納されている多成分材料を含む前記カートリッジ(6)に適した振動ミキサー(2)を備える装置(1)であって、前記振動ミキサーは、カートリッジホルダー(21)と前記カートリッジホルダー(21)のための駆動手段(22)とを備え、前記カートリッジホルダー(21)は前記カートリッジ(6)の一端のみを受け入れて係止し、かつ前記カートリッジホルダー(21)上の前記カートリッジ(6)の長手軸(X-X’)を垂直位置に維持するように構成されている、装置(1)。
  2. 前記カートリッジホルダー(21)は、前記アーム(212)の一端に位置している前記カートリッジホルダーの前記駆動手段(22)と協働するように構成された1本のアーム(212)を備え、カートリッジ保持プラットフォーム(211)は前記カートリッジ(6)の一端、好ましくは前記カートリッジ(6)の前記端部上に存在する係止手段(77)と協働するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記カートリッジ保持プラットフォーム(211)は前記カートリッジ(6)の一端を係止するための手段を備え、好ましくは前記カートリッジ(6)の一端を係止するための前記手段は少なくとも1つの突起部(2111)を含み、より好ましくは2つの突起部(2111)を含む、請求項2に記載の装置。
  4. 前記カートリッジ(6)の一端を前記カートリッジ保持プラットフォーム(211)上に係止するための手段は、前記カートリッジ(6)の前記基部と協働し、好ましくは2つの対向する突起部、より好ましくは2つの対向する係止翼(77)である前記カートリッジ(6)の前記2つの対向する突起部を有する前記カートリッジ(6)の前記基部と協働するように構成されている、請求項3に記載の装置。
  5. 前記装置は前記成分が互いに接触することができるように前記多成分材料の前記成分を含む前記分離されたチャンバーが接続される前記カートリッジの起動構成を提供するために、前記カートリッジ(6)の一端に推力Fを印加するように構成された起動マシン(3)をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記装置(1)は、前記振動ミキサー(2)および任意に前記起動マシン(3)を収容するケーシング(4)をさらに備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
  7. 前記装置(1)は、前記振動ミキサー(2)および任意に前記起動マシン(3)のための筐体を形成するために閉鎖位置に移動可能であり、好ましくは前記ケーシング(4)と協働する蓋(5)をさらに備える、請求項6に記載の装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の装置と、材料を吐出するためのカートリッジであるカートリッジ(6)とを備えるシステムであって、前記カートリッジは前記カートリッジ内の少なくとも2つの分離されたチャンバーに格納されている多成分材料を含み、前記カートリッジは、
    ・長手軸(X-X’)を有し、かつ吐出穴(73)が設けられた遠位壁(72)を含むスリーブ(7)と、
    ・前記材料を受け入れるように構成されたチャンバー(85)を画定しているバレル(8)であって、近位開放端(81)とその遠位端(82)に破壊可能な遠位壁(89)とを含み、前記バレル(8)の前記遠位壁(89)が前記スリーブ(7)の前記遠位壁(72)から距離(e)にある第1の位置と前記バレル(8)の前記遠位壁(89)の密閉部分が前記スリーブ(7)の前記遠位壁(72)の内面と接触する第2の位置との間を前記長手軸(X-X’)に沿って前記スリーブ(7)内を移動するように構成されている、バレル(8)と、
    ・前記バレル(8)の前記チャンバー(85)を密閉するように構成されたピストン(9)であって、前記ピストン(9)は、移動して前記バレル(8)の前記チャンバー(85)と密閉係合するように構成されたプレート(97)を備える、ピストン(9)と、
    を備え、
    ・前記スリーブ(7)は、前記吐出穴(73)の近くに内部穿刺要素(79)を備え、前記穿刺要素(79)は前記第1の位置から前記第2の位置への前記バレル(8)の移行時に前記バレル(8)の前記遠位壁(89)を破壊するように構成されており、かつ
    ・前記スリーブ(7)は前記穿刺要素(79)の周りに環状空洞(74)を含み、前記環状空洞(74)は前記バレル(8)の対応する斜めの外面に相補的な斜めの内面によって周方向に境界が定めされている、システム。
  9. 前記カートリッジ(6)の前記ピストン(9)は、容器(9)とプランジャー(10)との組み合わせを含み、前記容器(9)はチャンバー(95)を画定しており、かつ近位開放端(91)および開放可能な遠位壁(97)を含み、前記プランジャー(10)は前記容器(9)の前記チャンバー(95)内で移動可能であり、かつ前記開放可能な遠位壁(97)に圧力を印加するように構成された遠位ロッド(109)を備える、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記カートリッジ(6)の前記容器(9)は、前記プランジャー(10)の少なくとも1つの外側放射状特徴部(106、106’)と協働して、前記カートリッジ(6)の格納構成において前記プランジャー(10)を前記容器(9)の前記開放可能な遠位壁(97)から距離(e)に維持するように構成された少なくとも1つの内側放射状特徴部(96、96’)を備え、前記内側放射状特徴部(96、96’)と前記プランジャー(10)の前記外側放射状特徴部(106、106’)との前記協働は、好ましくは前記装置(1)の前記起動マシン(3)によって前記プランジャー(10)の前記近位端(101)に印加される推力(F)の影響下で解放可能である、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記カートリッジ(6)の前記バレル(8)は、その近位端(81)の近くに2つの完全に対向するタブ(88)をさらに備え、各タブ(88)は、前記バレル(8)を前記スリーブ(7)に対して前記第1の位置に係止するために、前記近位端(711)の近くに配置された前記スリーブ(7)の係止翼(77)によって画定されている対応するハウジング(778)に受け入れられるように構成されている、請求項8~10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 請求項1~7のいずれか1項に記載の振動ミキサーを備える装置のためのカートリッジホルダー(21)であって、前記カートリッジホルダー(21)は前記カートリッジ(6)の一端のみを受け入れて係止するように構成されており、かつ前記カートリッジホルダー(21)上の前記カートリッジ(6)の長手軸(X-X’)を垂直位置に維持するように構成されているカートリッジホルダー(21)。
  13. 前記カートリッジ保持プラットフォーム(211)は、前記カートリッジ(6)の前記基部と協働し、好ましくは2つの対向する突起部を有する前記カートリッジ(6)の前記基部と協働するように構成されており、より好ましくは前記カートリッジ(6)の前記2つの対向する突起部は前記カートリッジ(6)の前記スリーブ(7)の2つの係止翼(77)である、請求項12に記載のカートリッジホルダー(21)。
  14. 医療分野における前記カートリッジ(6)内に格納されている前記多成分材料を混合するための請求項8~11のいずれか1項に記載のシステムの使用であって、前記使用は、
    ・前記カートリッジの一端のみ(6)を請求項1~7のいずれか1項に記載の装置(1)の前記カートリッジホルダー(21)上に係止する工程と、
    ・振動工程を実施し、前記カートリッジ(6)内に格納されている前記多成分材料を混合する工程と、
    を備える、使用。
  15. 歯科分野または整形外科分野、好ましくは歯科修復における、請求項14に記載の使用。

JP2023544052A 2021-01-21 2022-01-21 多成分材料を含むカートリッジを起動させ、かつ/または前記カートリッジの振動により混合するための装置 Pending JP2024503522A (ja)

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