JP2024098819A - 発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、および、照明装置 - Google Patents

発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、および、照明装置 Download PDF

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哲生 高橋
Tetsuo Takahashi
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Koji Ishizuya
希之 伊藤
Takayuki Ito
陽次郎 松田
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Abstract

【課題】画質の向上に有利な技術を提供する。【解決手段】基板の主面の上に配された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の間に配された絶縁層と、前記複数の下部電極および前記絶縁層を覆うように配された少なくとも1層の発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含む発光装置であって、前記絶縁層の前記有機層に向かい合う表面には、前記主面に対して傾きを有する傾斜部が配され、前記複数の下部電極または前記複数の下部電極に電気的に接続された導電部と、前記傾斜部と、の間に導電層がさらに配され、前記導電層の電位は、前記複数の下部電極が陽極、前記上部電極が陰極の場合、前記複数の下部電極よりも低く、前記複数の下部電極が陰極、前記上部電極が陽極の場合、前記複数の下部電極よりも高い。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、および、照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの自発光素子を用いた発光装置への関心が高まっている。発光装置においてカラー表示を行うために、白色発光する発光素子とカラーフィルタとを用いる方式(白+CF方式)が知られている。白+CF方式は、複数の発光素子が1つの発光層を共有し、発光素子ごとに発光層を形成する必要がないため高精細化に有利である。一方、発光素子間で発光層を介したクロストークが発生し、画質の低下が起きる可能性がある。特許文献1には、下部電極の周縁部を覆うように配された絶縁部材が、下部電極の上方部において傾斜面を有し、傾斜面上の有機化合物層を薄膜化させることによって、クロストークを抑制することが示されている。
特開2020-194673号公報 特開2021-072282号公報
有機化合物層が薄膜化すると、有機化合物層の薄膜化した部分を介した下部電極と上部電極との間のリーク電流が生じやすくなりうる。表示装置の画質の低下を抑制するためには、クロストークの抑制に加えて、有機化合物層の介した電極間のリーク電流の抑制が必要である。
本発明は、画質の向上に有利な技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る発光装置は、基板の主面の上に配された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の間に配された絶縁層と、前記複数の下部電極および前記絶縁層を覆うように配された少なくとも1層の発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含む発光装置であって、前記絶縁層の前記有機層に向かい合う表面には、前記主面に対して傾きを有する傾斜部が配され、前記複数の下部電極または前記複数の下部電極に電気的に接続された導電部と、前記傾斜部と、の間に導電層がさらに配され、前記導電層の電位は、前記複数の下部電極が陽極、前記上部電極が陰極の場合、前記複数の下部電極よりも低く、前記複数の下部電極が陰極、前記上部電極が陽極の場合、前記複数の下部電極よりも高いことを特徴とする。
本発明によれば、画質の向上に有利な技術を提供することができる。
本実施形態の発光装置の構成例を示す図。 図1の発光装置の構成例を示す平面図。 図1の発光装置の構成例を示す断面図。 比較例の発光装置の構成例を示す断面図。 図1の発光装置を形成する際の蒸着シミュレーションを説明する図。 図1の発光装置を形成する際の蒸着シミュレーション結果を説明する図。 図1の発光装置の画素の構成例を示す断面図。 本実施形態の発光装置を用いた画像形成装置の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた表示装置の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた光電変換装置の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた電子機器の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた表示装置の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた照明装置の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いた移動体の一例を示す図。 本実施形態の発光装置を用いたウェアラブルデバイスの一例を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1~図6を参照して、本開示の実施形態による発光装置について説明する。図1は、本実施形態における発光装置10の構成例を示す平面図である。図2は、図1に示される発光装置10のうち表示領域3000の一部の拡大図である。図3は、図2に示される平面図におけるA-A'間の断面図である。
図1に示されるように、発光装置10は、表示領域3000と表示領域3000の周辺に設けられた外周領域2000とを含む。表示領域3000は、発光素子100(画素または副画素とも呼ばれうる)が配列された領域であり、画像や文字などを表示してもよいし、後述する応用例のように照明などに用いる光源として使用されてもよい。外周領域2000には、表示領域3000で適当な表示を行うための駆動回路などが配されうる。外周領域2000は、図1に示される構成では、表示領域3000を取り囲むように配されているが、これに限られることはない。例えば、外周領域2000は、表示領域3000の1つの辺のみに沿って設けられていてもよいし、表示領域3000の2辺または3辺に沿って設けられていてもよい。
図2、3を参照して、発光装置10について、より詳細に説明する。発光装置10の表示領域3000には、複数の発光素子100が配されている。ここで、複数の発光素子100のうち特定の発光素子を示す場合、発光素子100「a」のように、参照番号の後に添え字する。特に区別しない場合は、「発光素子100」と表記する。他の構成要素についても同様である。
発光装置10は、基板1の主面13の上に配された絶縁層30と、絶縁層30の上に配された複数の下部電極2と、絶縁層30の上に配され、かつ、複数の下部電極2の間に配された絶縁層3と、複数の下部電極2および絶縁層3を覆うように配された少なくとも1層の発光層を含む有機層40と、有機層40を覆うように配された上部電極5と、を含みうる。絶縁層3は、図3に示されるように、下部電極2のそれぞれの外周部を覆っていてもよい。さらに、基板1の主面13と絶縁層30との間には、反射層102が配されていてもよい。
発光素子100は、それぞれ電気的に独立して配される下部電極2によって位置が決定されうる。一方、有機層40および上部電極5は、複数の発光素子100によって共有されうる。表示領域3000の全体にわたって、1つの有機層40および1つの上部電極5が配されていてもよい。つまり、有機層40は、発光装置10の画像などを表示する表示領域3000の全面において、一体的に形成されていてもよい。同様に、上部電極5は、発光装置10の画像などを表示する表示領域3000の全面において、一体的に形成されていてもよい。発光素子100は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの自発光素子でありうる。
基板1には、下部電極2、絶縁層3、30、有機層40、上部電極5などの各構成要素を支持可能な材料が用いられる。基板1として、例えば、ガラス、プラスチック、シリコンなどが適用できる。基板1には、トランジスタなどのスイッチング素子21や、導電体11、層間絶縁層22などが形成されうる。
発光素子100の下部電極2は、有機層40の発光層から発せられる光を透過してもよい。下部電極2には、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)などの透明導電酸化物が用いられうる。また、下部電極2に、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、白金(Pt)などの金属やその合金の薄膜が用いられてもよい。下部電極2の膜厚は、発光素子100a、発光素子100b、発光素子100cのそれぞれで異なっていてもよい。発光素子100a、発光素子100b、発光素子100cのそれぞれで異なる光共振器構造を有してよい。光共振器構造は、それぞれの下部電極2の下(基板1の側)に光反射層(反射層102)を設け、それぞれに異なる長さの光学距離を設けることで構成されていてもよい。
有機層40は、発光素子100の下部電極2の上に配される。本実施形態において、有機層40は、それぞれ発光層を含む複数の機能層41、43と、発光層を含む機能層41と発光層を含む機能層43との間に配される電荷発生層42と、を含む、所謂、タンデム型である。機能層の数は2層に限られることはなく、3層以上のそれぞれ発光層を含む機能層が積層されていてもよい。また、3層以上の機能層が積層されている場合、各機能層間に電荷発生層が配されていてもよい。すなわち、電荷発生層は、発光層と他の発光層との間に配されてよい。発光層を有する機能層41と、他の発光層を有する機能層43と、の間に配されるからである。
機能層41、43は、少なくとも発光層を含む層であり、複数の層から構成されていてもよい。発光層以外の層として、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などが挙げられる。機能層41、43は、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが発光層において再結合することによって、発光層から光を出射する。発光層の構成は単層構造であってもよいし複層構造であってもよい。発光層は、赤色発光材料、緑色発光材料、赤色発光材料を含むことができ、各発光色を混合することによって、白色光を得ることも可能である。また、発光層が、青色発光材料および黄色発光材料など補色の関係の発光材料を含んでいてもよい。例えば、機能層41に配された発光層が赤色発光材料と緑色発光材料とを含み、機能層43に配された発光層が青色発光材料を含んでいてもよい。
電荷発生層42は、電子供与性の材料と電子受容性の材料とを含み電荷を発生する層である。電子供与性の材料と電子受容性の材料とは、それぞれ、電子を与える材料とその電子を受け取る材料である。これによって、電荷発生層42には正および負の電荷が発生するため、電荷発生層42よりも上方および下方に配された機能層41、43に、正または負の電荷を供給することができる。
電子供与性の材料には、例えば、リチウム、セシウムなどのアルカリ金属が用いられてもよい。また、電子供与性の材料には、例えば、フッ化リチウム、リチウム錯体、炭酸セシウム、セシウム錯体などが用いられてもよい。この場合、アルミニウム、マグネシウム、カルシウムのような還元性の材料が共に含まれることによって、電子供与性が発現してもよい。また、電子供与性の材料は、正孔輸送性の材料であってもよい。正孔輸送性の材料として、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、およびポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(シリレン)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子などの有機化合物が用いられうる。また、電子供与性の材料は、電子輸送性の材料に含まれていてもよい。電子輸送性の材料として、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フルオレノン誘導体、アントロン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機金属錯体などの有機化合物が用いられうる。
電子受容性の材料には、例えば、酸化モリブデンのような無機物が用いられてもよいし、[ジピラジノ[2,3-f:2’,3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル]のような有機物が用いられてもよい。電荷発生層42は、電子受容性の材料と電子供与性の材料とが混合された層であってもよい。また、例えば、電荷発生層42は、電子受容性の材料を含む層と電子供与性の材料を含む層とが積層された層であってもよい。つまり、電荷発生層42は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
有機層40は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法などのドライプロセスを用いて形成することができる。また、ドライプロセスに代えて、適当な溶媒に上述のような材料を溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング法、ディッピング法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット(LB)法、インクジェット法など)を用いて有機層40を形成するウェットプロセスを用いることもできる。例えば、真空蒸着法や塗布法などを用いて有機層40を形成すると、有機層40の結晶化などが起こり難く、経時安定性に優れた有機層40を得ることができる。また、例えば、塗布法で有機層40を成膜する場合、適当なバインダ樹脂と組み合わせて有機層40が形成可能である。
バインダ樹脂として、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。しかしながら、バインダ樹脂は、これらに限られるものではない。また、これらのバインダ樹脂は、ホモポリマまたは共重合体として1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を併用してもよい。
有機層40は、下部電極2と上部電極5との間に配置されている。有機層40は、上述のように、基板1の上面に連続的に形成され、複数の発光素子100によって共有されていてもよい。また、有機層40のすべて、または、一部が、発光素子100ごとにパターニングされていてもよい。有機層40は、表示領域3000の周辺に配される外周領域2000の一部まで形成されていてもよい。
上部電極5は、有機層40に配される発光層で発せられる光を透過する。また、上部電極5は、その表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を備える半透過性の材料であってもよい。上部電極5には、例えば、ITOやIZOのような透明導電酸化物や、AlやAg、金(Au)などの単体金属、リチウム(Li)やセシウム(Cs)などのアルカリ金属、マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)やバリウム(Ba)などのアルカリ土類金属、これらの金属材料を含んだ合金材料などが用いられる。半透過材料として、MgやAgを主成分とする合金が用いられてもよい。ここで主成分とは、それぞれの構成要素に含まれる材料のうち最も質量%濃度が高い成分でありうる。また、上部電極5は、適当な透過率を有するならば、上述した材料を用いた層を積層した積層構造であってもよい。上部電極5は、上述のように、基板1の上面に連続的に形成され、複数の発光素子100によって共有されていてもよい。また、上部電極5は、有機層40と同様に、表示領域3000の周辺に配される外周領域2000の一部まで形成されていてもよい。この場合、上部電極5は、外周領域2000において有機層40よりも外側まで配されていてもよい。発光素子100において、下部電極2が陽極、上部電極5が陰極であってもよい。また、下部電極2が陰極、上部電極5が陽極であってもよい。
図3に示されるように、下部電極2の外周部を覆うように、かつ、それぞれの下部電極2の間に、絶縁層3が設けられている。絶縁層3には、下部電極2の一部が露出するように開口部が設けられ、下部電極2と有機層40とが接する発光領域101を画定している。絶縁層3は、発光領域101を正確に所望の形状にするために形成されうる。また、絶縁層3は、複数の下部電極2のそれぞれを電気的に絶縁するように、下部電極2の間にも配されている。絶縁層3は、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiO)など無機材料で形成されうる。絶縁層3の形成には、スパッタリング法や化学気相堆積法(CVD法)など公知の技術が用いられうる。また、絶縁層3は、アクリル樹脂やポリイミド樹脂のような有機材料を用いて形成することも可能である。
発光装置10の表示領域3000には、さらに、上部電極5を覆うように配された保護層6、保護層6を覆うように配された平坦化層7、平坦化層7の上に配されたカラーフィルタ121およびマイクロレンズ122などが配されていてもよい。保護層6は、保護層6よりも基板1の側に配された各構成要素を大気中の水分などから保護する。保護層6は、例えば、SiN、SiON、SiOなどの無機材料で形成されうる。また、保護層6は、各種の樹脂など有機材料を用いて形成されてもよい。また、保護層6は、これらの積層構造であってもよい。平坦化層7は、後述する絶縁層30の厚さの違いなどによって生じる段差を抑制するために配される。平坦化層7は、上述したような無機材料を用いて形成されてもよいし、有機材料を用いて形成されてもよい。カラーフィルタ121は、絶縁層30の厚さに起因する光学干渉に応じた色の光を透過する。例えば、カラーフィルタ121aは、赤色系の光を透過し、カラーフィルタ121bは緑色系の光を透過し、カラーフィルタ121cは、青色系の光を透過しうる。マイクロレンズ122は、有機層40に含まれる発光層で発せられた光の利用効率を向上させる。カラーフィルタ121およびマイクロレンズ122は、公知の成膜手法を用いて形成することができる。また、カラーフィルタ121とマイクロレンズ122との間に、平坦化層などの適当な層が配されていてもよい。
本実施形態において、発光素子100には、反射層102を含む積層部104が配されている。積層部104には、反射層102が配されており、基板1の主面13に対する正射影において、反射層102は、下部電極2の発光領域101に重なるように配される。また、電蝕抑制層103が、反射層102の上に形成される。基板1の主面13に対する正射影において、発光領域101と重なる領域の少なくとも一部において、積層部104の電蝕抑制層103は、反射層102が露出するように開口を有する。この構成によって、有機層40に配された発光層で発せられた光は、下部電極2を透過し、反射層102で効率よく反射される。電蝕抑制層103の開口の大きさは、発光効率向上の観点から、発光領域101と同じ大きさであってもよいし、発光領域101よりも大きくてもよい。図3に示される構成では、基板1の主面13に対する正射影において、発光領域101は、電蝕抑制層103の開口に重なるように配され、電蝕抑制層103の開口の大きさは、発光領域101よりも大きい。
反射層102で反射した光は、上部電極5から光出射側に取り出されるため、本実施形態の発光装置10は、高い発光効率を得ることができる。ここで、光出射側とは、下部電極2に対する上部電極5の側を示す。
反射層102には、例えば、広い波長帯域の光に対して高い反射率を有するAgやAlが用いられてもよい。また、電蝕抑制層103には、例えば、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、Pt、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、タングステン(W)などが用いられてもよい。反射層102および電蝕抑制層103は、合金や化合物であってもよい。例えば、反射層102としてAlを主成分とする材料が用いられ、電蝕抑制層103としてTiまたはTiNを主成分とする材料が用いられてもよい。さらに、反射層102には、Alを主成分とし銅(Cu)が含有されていてもよい。また、電蝕抑制層103には、TiNが主成分として含まれていてもよい。また、積層部104の基板1の側にはTiやTiNなどのバリアメタルが設けられていてもよい。
反射層102および電蝕抑制層103は、スパッタリング法やCVD法、原子層堆積法(ALD法)などの公知の成膜手法を用いて形成することができる。反射層102は、高反射率の材料を基板1の上に成膜した後、公知のエッチングプロセスでパターニングすることによって形成することが可能である。また、電蝕抑制層103も、材料を基板1の上に成膜した後、公知のエッチングプロセスでパターニングすることによって形成することが可能である。また、積層部104に設けた電蝕抑制層103の開口部は、公知のエッチングプロセスで電蝕抑制層103を取り除くことによって形成することが可能である。
本実施形態において、積層部104の反射層102と下部電極2との間に、光学干渉層として機能する絶縁層30が配されている。絶縁層30の厚みを調整することによって、発光素子100の有機層40に含まれる発光層と反射層102との光学距離を最適化することが可能になる。これによって、光学干渉を利用した発光装置10の発光効率の向上が可能となる。絶縁層30は、単層構造であってもよいし、複数の層を含む積層構造であってもよい。
図3に示されるように、複数の下部電極2は、互いに隣り合う下部電極2aと下部電極2bとを含む。また、複数の下部電極2は、互いに隣り合う下部電極2bと下部電極2cとを含む。このとき、絶縁層30のうち下部電極2aに対応して配された反射層102aと下部電極2aとの間に配された部分の厚さと、絶縁層30のうち下部電極2bに対応して配された反射層102bと下部電極2bとの間に配された部分の厚さと、は互いに異なっている。また、絶縁層30のうち反射層102bと下部電極2bとの間に配された部分の厚さと、絶縁層30のうち下部電極2cに対応して配された反射層102cと下部電極2cとの間に配された部分の厚さと、は互いに異なっている。さらに、図3に示されるように、絶縁層30のうち反射層102aと下部電極2aとの間に配された部分の厚さと、絶縁層30のうち反射層102cと下部電極2cとの間に配された部分の厚さと、は互いに異なっていてもよい。
発光素子100a、発光素子100b、発光素子100cの絶縁層30の厚みをそれぞれ異ならせることによって、それぞれの発光素子100a~100cから発せられる光の色を調整することが可能である。絶縁層30は、複数の層の積層構造とすることも可能である。例えば、発光素子100a、発光素子100b、発光素子100cの順に絶縁層30を薄くする場合、発光素子100aに配される反射層102aと下部電極2aとの間に、絶縁層30として絶縁層31、絶縁層32、絶縁層33を設ける。また、発光素子100bに配される反射層102bと下部電極2bとの間に、絶縁層32、絶縁層33を設け、さらに、発光素子100cに配される反射層102cと下部電極2cとの間に、絶縁層33を設ける。これによって、光学調整層として機能する絶縁層30が形成できる。
絶縁層30は、有機層40に配された発光層で発せられる光に対して、透明な材料で構成されうる。例えば、絶縁層30(絶縁層31~33)として、SiO、SiN、SiONなどが用いられうる。この場合、絶縁層は、スパッタリング法、CVD法、ALD法などの公知技術を用いて形成されうる。
また、図2、3に示されるように、積層部104は、導電体11を介して下部電極2に電気的に接続される。積層部104(反射層102および電蝕抑制層103)は、下部電極2に電気的に接続された導電部の少なくとも一部を構成しているといえる。例えば、発光素子100において、基板1に配されたスイッチング素子21から積層部104(反射層102および電蝕抑制層103)および導電体11などを介して下部電極2に電位を供給(例えば、給電)することができる。例えば、下部電極2には、発光素子100の発光強度に応じた信号(電位)が供給される。
絶縁層30を設ける場合には、絶縁層30にビアホールを設け、ビアホール内に導電体11を形成することによって、下部電極2と積層部104とを電気的に接続できる。導電体11には、下部電極2と同じ材料が用いられてもよい。また、導電体11には、WやTi、TiNのような公知の導電材料を用いることが可能である。また、ビアホールを通じて、下部電極2と積層部104とが接していてもよい。積層部104において導電体11と接する部分には、電蝕抑制の観点から電蝕抑制層103が配されうる。
導電体11を配する領域は、例えば、図2、3に示されるように、積層部104のうち電蝕抑制層103がある領域であってもよい。積層部104と下部電極2とが直接、接する場合、電蝕抑制層103と下部電極2とはガルバニック腐食を起こしにくい組み合わせであると、発光装置10の信頼性が向上する。例えば、電蝕抑制層103にTiNを主成分とする材料が用いられ、下部電極2(導電体11)として、ITO、IZOが用いられてもよい。
図3には、光学干渉層として機能する絶縁層30や反射層102を用いた発光素子100示したが、これに限られることはない。絶縁層30が、発光素子100a~100cの間で同じ厚さを備えていてもよい。この場合、反射層102が配されずに、下部電極2が光の反射性を有する材料で形成されていてもよい。
次いで、図3に示される、絶縁層3に設けられた傾斜部34、35、および、導電層12について説明する。傾斜部34、35は、絶縁層3の有機層40に向かい合う表面に配され、基板1の主面13に対して傾きを有している。有機層40は、絶縁層3のうち基板1の主面13と平行な平坦部よりも傾斜部34、35の上に配された部分において、電荷発生層42の膜厚が薄く成膜されやすい。そのため、電荷発生層42を高抵抗化することができる。結果として、発光素子100間のクロストーク電流を抑制することができる。
しかしながら、有機層40のうち絶縁層3の傾斜部34、35の上に配された部分おいて、有機層40の層厚も薄くなってしまう。それによって、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流が増加する可能性がある。そこで、図3に示されるように、複数の下部電極2または複数の下部電極2に電気的に接続された導電部(例えば、積層部104)と、傾斜部34、35と、の間に導電層12がさらに配される。導電層12には、導電性の材料が用いられる。導電層12は、例えば、下部電極2と同様な材料で形成されてよい。例えば、下部電極2を形成する際のパターニングにおいて、導電層12も同時に形成されてもよい。そのため、図3に示されるように、複数の下部電極2の下面の一部と、導電層12の下面のうち少なくとも一部と、が基板1の主面13から同じ高さに配されていてもよい。また、例えば、複数の下部電極2の主成分と、導電層12の主成分と、が同じであってもよい。導電層12と下部電極2とを同じプロセスで同時に形成することによって、発光装置10を製造する工程の簡略化が実現できる。発光装置10は、例えば、特許文献2に示される有機デバイスと同様な工程を用いて製造することが可能である。
導電層12は、図2、3に示されるように、発光素子100のそれぞれの下部電極2(発光領域101)を取り囲むように配されていてもよい。また、下部電極2(発光領域101)を取り囲む導電層12のそれぞれが、図2に示されるように連結し、互いに電気的に接続されていてもよい。また、導電層12が、上部電極5に電気的に接続されていてもよい。そのため、導電層12の電位が、上部電極5の電位と同じであってもよい。一方で、導電層12は、複数の下部電極2および下部電極2に電気的に接続された導電部(例えば、反射層102および電蝕抑制層103を含む積層部104)に電気的に接続されていない。
複数の下部電極2または複数の下部電極2に電気的に接続された導電部と、絶縁層3の表面に設けられた傾斜部34、35と、の間に、例えば、上部電極5と同電位の導電層12が配される。そのため、傾斜部34、35の上に配された有機層40に掛かる、図3に示される方向Bの、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流を促進する電界強度を弱めることができる。それによって、薄膜化した有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流を抑制できる。ここで、方向Bの電界は、下部電極2が陽極であり、上部電極5が陰極である場合のリーク電流を促進する電界の方向を例として図示したものある。下部電極2が陰極であり、上部電極5が陽極である場合は、方向Bの向きは、図3に示される無機とは反対の下向きになる。
ここで、下部電極2または下部電極に電気的に接続された導電部(例えば、反射層102および電蝕抑制層103を含む積層部104)と、絶縁層3に設けられた傾斜部34、35と、の間に導電層12を配置するとは、下部電極2または下部電極2に電気的に接続される導電部と、絶縁層3の傾斜部34、35上の点と、の最短経路C上に、導電層12を配置することでありうる。最短経路C上の、下部電極2または下部電極2に電気的に接続される導電部と、絶縁層3に設けられる傾斜部34、35と、は互いに同じ発光素子100内に配されうる。図3に示される例では、最短経路Cは、発光素子100bに配されている。例えば、基板1の主面13に対する正射影において、発光素子100の領域は、発光素子100に配されるカラーフィルタ121の領域と同一であってもよい。
導電層12が、上部電極5と同電位であることを上述したが、導電層12の電位は、上部電極5と同電位であることに限られることはない。例えば、導電層12は、フローティング状態であってもよい。また、例えば、導電層12は所定の電源に接続され、電源から導電層12に所定の電位が供給されていてもよい。具体的には、以下の電位の関係であれば、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流を抑制する効果が発現される。
導電層12の電位は、下部電極2が陽極、上部電極5が陰極の場合、下部電極2よりも低く設定される。つまり、導電層12の電位をV、下部電極2の電位をVとした場合に、
V < V ・・・ (1)
の関係であってもよい。それによって、上部電極5に対する下部電極2の電位差よりも、上部電極5に対する導電層12の電位差が小さくなる。結果として、有機層40のうち絶縁層3の傾斜部34、35上に配された部分における電界強度が、有機層40を介した下部電極2と上部電極5とのリーク電流を抑制する方向に改善する。
また、導電層12の電位は、下部電極2が陰極、上部電極5が陽極の場合、下部電極2よりも高く設定される。つまり、導電層12の電位をV、下部電極2の電位をVとした場合に、
V > V ・・・ (2)
の関係であってもよい。それによって、上部電極5に対する下部電極2の電位差よりも、上部電極5に対する導電層12の電位差が大きくなる。結果として、有機層40のうち絶縁層3の傾斜部34、35上に配された部分における電界強度が、有機層40を介した下部電極2と上部電極5とのリーク電流を抑制する方向に改善する。
導電層12の電位と上部電極5の電位との差が、導電層12の電位と下部電極2の電位との差よりも小さくてもよい。それによって、上部電極5と導電層12との間に印加される電界強度が小さくなりうる。例えば、導電層12の電位と上部電極5の電位との差が、1V以下であってもよい。さらに、上述のように、導電層12の電位と上部電極5の電位とが同電位であってもよい。
有機層40は、上述のようにそれぞれ発光層を有する複数の機能層41、43を備え、機能層41と機能層43との間(機能層41に配された発光層と機能層43に配された発光層との間)に電荷発生層42を有していてもよい。有機層40に掛かる方向Bの電界は、電荷発生層42における電荷分離を促進し、電荷が発生する。傾斜部34、35の上に形成された層厚の薄い有機層40に多くの電荷がある場合、電荷が薄い有機層40を通じて、電荷再結合せずに対向電極まで流れてしまう。つまり、電荷発生層42を備える有機層40は、下部電極2と上部電極5との間のリーク電流源となってしまう。つまり、上述の傾斜部34、35と導電層12とを備える構成は、複数の機能層41、43と電荷発生層42とを備える有機層40に対して、特に効果が大きくなりうる。
図3に示される構成は、有機層40に対して基板1とは反対側に光を取り出すトップエミッション型の発光装置10を示している。しかしながら、基板1の側に光を取り出すボトムエミッション型の発光装置においても、有機層40に対して基板1の側の電極を下部電極2、基板1とは反対側の電極を上部電極5と考えることができる。つまり、ボトムエミッション型の発光装置においても、傾斜部34、35および導電層12を配することによって、上述と同様の効果を得ることができる。
比較例として、図4に示されるような断面を備える、導電層12を有していない発光装置19を考える。発光装置19において、発光素子100aを発光させるために、下部電極2と上部電極5との間に電位差を与えると、有機層40のうち傾斜部34や傾斜部35の上に配された部分にも方向Bの電界が印加されてしまう。この電界によって、下部電極2と上部電極5との間のリーク電流が増加しやすくなってしまう。上述のように導電層12を配することによって、発光素子100間のクロストークを抑制しつつ、下部電極2と上部電極5との間のリーク電流を抑制することができる。
図3を参照して、本実施形態の発光装置10の構成についてさらに説明する。導電層12は、絶縁層3よりも基板1の側、基板1の主面13と絶縁層3との間に配されている。より具体的には、導電層12は、絶縁層3と絶縁層30との間に配されている。有機層40と導電層12との間に絶縁層3が配されることによって、導電層12と有機層40とが接していない。それによって、有機層40から導電層12へリーク電流が流れることを抑制することができ、発光装置10における発光効率の低下を抑制することができる。
絶縁層3の表面に配される傾斜部34、35は、下部電極2(発光領域101)の周囲に沿って、下部電極2(発光領域101)を取り囲むように配されていてもよい。例えば、図2に示される導電層12の上に、傾斜部34、35が配されていてもよい。それによって、発光素子100間のクロストーク電流を効果的に抑制することが可能になりうる。例えば、図2、3に示されるように、絶縁層3の表面には、複数の下部電極2のそれぞれを取り囲むように溝36が設けられており、傾斜部34、35が、溝36の側壁を構成していてもよい。溝36は、図2、3に示されるように、導電層12の上に配されていてもよい。溝36の一部として、傾斜部34と傾斜部35とのような対向した傾斜がある場合、有機層40を成膜する際の有機化合物粒子が、一方の傾斜部を有する絶縁層3に阻害され、他方の傾斜部へ到達し難くなる。それによって、電荷発生層42が薄膜化されうる。結果として、発光素子100間のクロストーク電流が抑制されうる。
傾斜部34、35を含む溝36が配される場合、図3に示されるように、電荷発生層42の一部が、溝36に没入していてもよい。つまり、電荷発生層42の少なくとも一部が、溝36の開口の上端よりも下方(基板1の側)に配されていてもよい。それによって、電荷発生層42が薄膜化しやすくなる。
溝36の深さは、例えば、下部電極2の厚みよりも深くてもよい。それによって、電荷発生層42が溝36に没入し、電荷発生層42が薄膜化しやすくなる。一方、溝36の深さは、下部電極2の厚みよりも浅くてもよい。それによって、有機層40が薄膜化し過ぎることなく、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流が抑制されうる。発光素子100間のクロストーク電流と、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流と、の特性に応じて、溝36の深さは、適宜、設定されればよい。
本実施形態において、下部電極2は透光性を備え、下部電極の下方に光学調整層として機能する絶縁層30を有し、絶縁層30と基板1の主面13との間に反射層102が配される。それぞれの発光素子100から発せられる色に応じて、光学調整層として機能する絶縁層30の厚みを調整する。それによって、有機層40が複数の発光素子100にまたがる共通の層である場合においても、それぞれの発光素子100の発光効率を高めることができる。発光素子100の発光色に応じて厚みが異なる絶縁層30を用いる場合、絶縁層3の上面に傾斜部34、35以外にも傾斜した部分が配されやすくなる。そのため、傾斜部34、35以外の部分おいても有機層40が薄膜化しやすく、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流が流れやすくなってしまう。したがって、上述の傾斜部34、35および導電層12を配する効果が大きくなる。
下部電極2の端部は、電蝕抑制層103の開口部の端部と、発光領域101の端部の間に配置されていてもよい。それによって、電蝕抑制層103の端部の形状を反映してできる、絶縁層3の傾斜部での電界強度を小さくすることができる。結果として、有機層40を介した下部電極2と上部電極5との間のリーク電流を抑制することができる。
次に、傾斜部34、35の傾斜角についての知見を得るための、蒸着法による成膜シミュレーションについて説明する。図5は、蒸着シミュレーションにおける各部材の配置図である。有機層40の蒸着源201、基板1、基板1に配された発光素子100の位置関係を、それぞれ図5に示されるように設定した。ここで、R=200mm、r=95mm、h=340mmである。
以下の式(3)で表される、蒸着分布を示すNをN=2とした。
Φ=ΦCOSA ・・・ (3)
ここで、Aは、発光素子100における傾斜の角度、Φは、角度Aにおける蒸気流密度、ΦはA=0における蒸気流密度である。また、基板1は、図5に示されるように、基板1の中心を軸として回転することを前提とした。
基板1上の発光素子100の位置に、傾斜角0°~90°の傾斜部34、35がある場合を仮定し、傾斜角0°における有機層の層厚を76nmとした際の、各傾斜角における、傾斜部34、35の上に成膜される有機層40の層厚を計算した。
図6は、蒸着シミュレーションの結果を示す。図6に示される結果から、傾斜角が50°以上の場合、傾斜部34、35の上に形成される有機層40の層厚が薄くなりやすい。一方、傾斜角が50°よりも小さい場合、傾斜部34、35の上に形成される有機層40の層厚は厚くなりやすいことがわかる。したがって、傾斜部34、35の基板1の主面13に平行な仮想面に対する角度が、50°以上であってもよい。また、傾斜角の上限は特になく、例えば、傾斜部34、35が逆テーパー状であってもよい。例えば、傾斜部34、35の基板1の主面13に平行な仮想面に対する角度は、50°以上かつ180°未満であってもよい。それによって、電荷発生層42を薄膜化することが可能であり、発光素子100間のクロストーク電流を抑制することができる。
発光素子100の発光領域101間の距離(発光素子100が配されるピッチ)は、例えば、10μm以内であってもよく、さらに、5μm以内であってもよい。このような高精細な画素配列に際して、発光素子100間のクロストーク電流が大きくなりやすい。そのため、上述した傾斜部34、35および導電層12を配する効果が大きくなりうる。
ここで、本実施形態の発光装置10を画像形成装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置、移動体、および、ウェアラブルデバイスに適用した応用例について図7(a)、7(b)~図15(a)、15(b)を用いて説明する。上述のように、発光装置10の表示領域3000に配された発光素子100には、例えば、有機EL素子などの有機発光素子が配されているとして説明する。また、発光素子100は、以下では画素、副画素とも呼ばれうる。まず、上述の発光装置10のうち表示領域3000に配される各構成の詳細を示した後に、応用例を説明する。
有機発光素子の構成
有機発光素子は、基板の上に、絶縁層、第1電極、有機化合物層、第2電極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ、マイクロレンズなどが設けられていてもよい。カラーフィルタを設ける場合には、保護層とカラーフィルタとの間に平坦化層が設けられていてもよい。平坦化層は、アクリル樹脂などを用いて構成することができる。カラーフィルタとマイクロレンズとの間において、平坦化層を設ける場合も同様である。
基板
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属などが挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線パターンなどが備わり、その上に絶縁層が備わっていてもよい。絶縁層は、第1電極と基板との間に配線パターンが形成可能なように、コンタクトホールが形成可能で、かつ、接続しない配線パターンとの絶縁が確保できれば、材料は問わない。例えば、絶縁層には、ポリイミドなどの樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどが用いられてもよい。
電極
電極として、一対の電極を用いることができる。一対の電極は、陽極と陰極とであってもよい。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料として、仕事関数が大きい材料が選択されてもよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステンなどの金属単体やこれらを含む混合物、あるいは、これらを組み合わせた合金、また、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウムなどの金属酸化物が使用できる。また、陽極の構成材料として、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性ポリマも使用できる。
これらの電極物質は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は1層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
電極を反射電極として用いる場合には、例えば、クロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、またはこれらの合金、これらを積層したものなどを用いることができる。上記の材料にて、電極としての役割を有さない、反射膜として機能することも可能である。また、電極として透明電極を用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料として、仕事関数が小さな材料が選択されてもよい。例えば、リチウムなどのアルカリ金属、カルシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、マンガン、銀、鉛、クロムなどの金属単体やこれらを含む混合物が挙げられる。あるいは、これら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀などが使用できる。酸化錫インジウム(ITO)などの金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用して使用してもよい。また、陰極は、1層構成でもよく、多層構成でもよい。陰極として、銀が用いられてもよく、銀の凝集を低減するため、銀合金としてもよい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、銀:他の金属が、1:1、3:1などであってもよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流または交流スパッタリング法などを用いると、形成される膜のカバレッジがよく、陰極の抵抗が小さくなりうる。
画素分離層
画素分離層は、化学気相堆積(CVD)法を用いて形成された窒化シリコン(SiN)や酸窒化シリコン(SiON)、酸化シリコン(SiO)などの所謂シリコン酸化物で形成されてもよい。有機化合物層の面内方向の抵抗を上げるために、有機化合物層の膜厚、特に正孔輸送層は、画素分離層の側壁において薄く成膜されてもよい。具体的には、画素分離層の側壁のテーパー角や画素分離層の膜厚を大きくし、蒸着時のケラレを増加させることによって、側壁の有機加工物層の膜厚を薄く成膜することができる。
一方で、画素分離層は、その上に形成される保護層に空隙が形成されない程度に、画素分離層の側壁テーパー角や画素分離層の膜厚が調整されうる。保護層に空隙が形成されないことによって、保護層に欠陥が発生することを低減できる。保護層の欠陥の発生が低減されるため、ダークスポットの発生や、第2電極の導通不良の発生などの信頼性低下が低減されうる。
本実施形態によれば、画素分離層の側壁のテーパー角が急峻でなくとも、隣接画素への電荷漏れを効果的に抑制することが可能になる。本検討の結果、テーパー角が60度以上かつ90度以下の範囲であれば十分低減できることが分かった。画素分離層の膜厚は10nm以上から150nm以下であってもよい。また、画素分離層を有さない画素電極のみで構成されていても同様の効果が得られる。ただし、この場合の画素電極の膜厚は、有機層の半分以下するか、画素電極端部を60°未満の順テーパーにすることによって、有機発光素子の短絡が低減できる。
また、第1電極を陰極、第2電極を陽極とした場合についても電子輸送性材料および電荷輸送層、および、電荷輸送層上に発光層を形成することで高色域と低電圧駆動が可能になる。
有機化合物層
有機化合物層は、単層で形成されてもよいし、複数層で形成されてもよい。複数層を有する場合には、その機能によって、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層などと呼ばれてもよい。有機化合物層は、主に有機化合物で構成されるが、無機原子や無機化合物を含んでいてもよい。有機化合物層は、例えば、銅、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、イリジウム、白金、モリブデン、亜鉛などを有してよい。有機化合物層は、第1電極と第2電極との間に配されていてもよく、第1電極および第2電極に接して配されていてもよい。
保護層
陰極の上に、保護層が設けられてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水分などの浸入を低減し、表示不良の発生を低減することができる。また、別の実施形態として、陰極上に窒化シリコンなどのパッシベーション層を設け、有機化合物層に対する水分などの浸入を低減してもよい。例えば、陰極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化シリコンを形成することで、保護層としてもよい。CVD法を用いた保護層の成膜の後に、原子層堆積(ALD)法を用いた保護層が設けられてもよい。ALD法による保護層の材料は限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどであってもよい。ALD法で形成した保護層の上に、さらにCVD法で窒化シリコンを形成してよい。ALD法で形成した保護層は、CVD法で形成した保護層よりも小さい膜厚であってもよい。具体的には、ALD法で形成した保護層の膜厚は、CVD法で形成した保護層の膜厚の50%以下、さらには、10%以下であってもよい。
カラーフィルタ
保護層の上にカラーフィルタが設けられていてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、カラーフィルタが形成された基板と有機発光素子を設けた基板とが貼り合わされてもよい。また、例えば、上述した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されていてもよい。
平坦化層
カラーフィルタと保護層との間に平坦化層が配されていてもよい。平坦化層は、平坦化層よりも下の層の凹凸を低減する目的で設けられる。目的を制限せずに、材質樹脂層と呼ばれる場合もある。平坦化層は有機化合物で構成されてよく、低分子であっても、高分子であってもよい。凹凸の低減を考慮し、平坦化層に、高分子の有機化合物が用いられてもよい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられてもよい。その場合に、それぞれの平坦化層の構成材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂などが、平坦化層の材料として挙げられる。
マイクロレンズ
有機発光装置は、その光出射側にマイクロレンズなどの光学部材を有していてもよい。マイクロレンズは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などで構成されうる。マイクロレンズは、有機発光装置から取り出す光量の増加、取り出す光の方向の制御を目的としてもよい。マイクロレンズは、半球の形状を有してよい。半球の形状を有する場合、当該半球に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半球との接点がマイクロレンズの頂点である。マイクロレンズの頂点は、任意の断面図においても同様に決定することができる。つまり、断面図におけるマイクロレンズの半円に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半円との接点がマイクロレンズの頂点である。
また、マイクロレンズの中点を定義することもできる。マイクロレンズの断面において、円弧の形状が終了する点から別の円弧の形状が終了する点までの線分を仮想し、当該線分の中点がマイクロレンズの中点と呼ぶことができる。頂点、中点を判別する断面は、絶縁層に垂直な断面であってよい。
マイクロレンズは凸部を有する第1面と、第1面と反対の第2面を有する。第2面が第1面よりも機能層(発光層)側に配されうる。このような構成を取るためには、発光装置上にマイクロレンズを形成する必要がある。機能層が有機層の場合には、マイクロレンズの製造工程において高温になるプロセスは避けてもよい。また、第2面が第1面よりも機能層側に配されている構成を取る場合には、有機層を構成する有機化合物のガラス転移温度がすべて100℃以上であってもよく、例えば、130℃以上であることが適している。
対向基板
平坦化層の上に、対向基板が配されていてもよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、前述の基板と同じであってもよい。対向基板は、前述の基板を第1基板とした場合、第2基板であってよい。
有機層
本開示の実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成されてもよい。
本開示の実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマなどのドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法など)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法などによって層を形成すると、結晶化などが起こり難く、経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダ樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダ樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダ樹脂は、ホモポリマまたは共重合体として1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を併用してもよい。
画素回路
発光装置は、発光素子に接続されている画素回路を有してよい。画素回路は、第1発光素子、第2発光素子をそれぞれ独立に発光制御するアクティブマトリックス型であってよい。アクティブマトリックス型の回路は電圧プログラミングであっても、電流プログラミングであってもよい。駆動回路は、画素毎に画素回路を有する。画素回路は、発光素子、発光素子の発光輝度を制御するトランジスタ、発光タイミングを制御するトランジスタ、発光輝度を制御するトランジスタのゲート電圧を保持する容量、発光素子を介さずにGNDに接続するためのトランジスタを有してよい。
発光装置は、表示領域と、表示領域の周囲に配されている周辺領域とを有する。表示領域には画素回路を有し、周辺領域には表示制御回路を有する。画素回路を構成するトランジスタの移動度は、表示制御回路を構成するトランジスタの移動度よりも小さくてよい。
画素回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きは、表示制御回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きよりも小さくてよい。電流電圧特性の傾きは、いわゆるVg-Ig特性により測定できる。
画素回路を構成するトランジスタは、第1発光素子など、発光素子に接続されているトランジスタである。
画素
有機発光装置は、複数の画素を有する。画素は互いに他と異なる色を発光する副画素を有する。副画素は、例えば、それぞれRGBの発光色を有してよい。
画素は、画素開口とも呼ばれる領域が発光する。画素開口は15μm以下であってよく、5μm以上であってよい。より具体的には、11μm、9.5μm、7.4μm、6.4μmなどであってよい。
副画素間の間隔は、10μm以下であってよく、具体的には、8μm、7.4μm、6.4μmであってよい。
画素は、平面図において、公知の配置形態をとりうる。例えば、ストライプ配置、デルタ配置、ペンタイル配置、ベイヤー配置であってよい。副画素の平面図における形状は、公知のいずれの形状をとってもよい。例えば、長方形、ひし形などの四角形、六角形などである。もちろん、正確な図形ではなく、長方形に近い形をしていれば、長方形に含まれる。副画素の形状と、画素配列と、を組み合わせて用いることができる。
本開示の実施形態に係る有機発光素子の用途
本開示の実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置などの用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカードなどからの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながらさらに説明を行う。図7(a)は、上述の表示領域3000の構成要素である画素の一例である。画素は、副画素810(上述の発光素子100に対応する)を有している。副画素はその発光により、810R、810G、810Bに分けられている。発光色は、発光層から発光される波長で区別されても、副画素から出射する光がカラーフィルタなどによって、選択的透過または色変換が行われてもよい。それぞれの副画素は、層間絶縁層801の上に第1電極である反射電極802、反射電極802の端を覆う絶縁層803、第1電極と絶縁層とを覆う有機化合物層804、第2電極である透明電極805、保護層806、カラーフィルタ807を有している。
層間絶縁層801は、その下層または内部にトランジスタ、容量素子を配されていてもよい。トランジスタと第1電極とは不図示のコンタクトホールなどを介して電気的に接続されていてもよい。
絶縁層803は、バンク、画素分離膜とも呼ばれうる。絶縁層803は、第1電極の端を覆っており、第1電極を囲って配されている。第1電極のうち絶縁層803の配されていない部分が、有機化合物層804と接し、発光領域となる。
有機化合物層804は、正孔注入層841、正孔輸送層842、第一発光層843、第二発光層844、電子輸送層845を有する。
第2電極は、透明電極であっても、反射電極であっても、半透過電極であってもよい。
保護層806は、有機化合物層に水分が浸透することを低減する。保護層は、一層のように図示されているが、複数層であってよい。層ごとに無機化合物層、有機化合物層があってよい。
カラーフィルタ807は、その色により807R、807G、807Bに分けられる。カラーフィルタは、不図示の平坦化膜上に形成されてよい。また、カラーフィルタ上に不図示の樹脂保護層が配されていてもよい。また、カラーフィルタは、保護層806上に形成されてよい。また、カラーフィルタは、ガラス基板などの対向基板上に設けられた後に、貼り合わせられてもよい。
図7(b)の表示装置800(上述の発光装置10に対応する)は、有機発光素子826とトランジスタの一例としてTFT818とが記載されている。ガラス、シリコンなどの基板811とその上部に絶縁層812とが設けられている。絶縁層の上には、TFT818などの能動素子が配されており、能動素子のゲート電極813、ゲート絶縁膜814、半導体層815が配置されている。TFT818は、他にも半導体層815とドレイン電極816とソース電極817とで構成されている。TFT818の上部には絶縁膜819が設けられている。絶縁膜に設けられたコンタクトホール820を介して有機発光素子826を構成する陽極821とソース電極817とが接続されている。
有機発光素子826に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図12(b)に示される態様に限られるものではない。つまり、陽極または陰極のうちいずれか一方とTFTソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。TFTは、薄膜トランジスタを指す。
図7(b)の表示装置800では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層822は、複数層であってもよい。陰極823の上には有機発光素子の劣化を低減するための第1保護層824や第2保護層825が設けられている。
図7(b)の表示装置800ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えて他のスイッチング素子として用いてもよい。
また、図7(b)の表示装置800に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物などの非単結晶酸化物半導体が挙げられる。なお、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図7(b)の表示装置800に含まれるトランジスタは、シリコン基板などの基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、シリコン基板などの基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTによって発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。ここで、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、シリコン基板などの基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、シリコン基板上に有機発光素子を設けてもよい。
図8(a)~8(c)は、本実施形態の発光装置10を用いた画像形成装置の一例を表す模式図である。図8(a)に示される画像形成装置926は、感光体927、露光光源928、現像部931、帯電部930、転写器932、搬送部933(図8(a)の構成において、搬送ローラー)、定着器935を含む。
露光光源928から光929が照射され、感光体927の表面に静電潜像が形成される。この露光光源928に、発光装置10が適用できる。現像部931は、現像剤としてトナーなどを含み、露光された感光体927に現像剤を付与する現像器として機能しうる。帯電部930は、感光体927を帯電させる。転写器932は、現像された画像を記録媒体934に転写する。搬送部933は、記録媒体934を搬送する。記録媒体934は、例えば、紙やフィルムなどでありうる。定着器935は、記録媒体に形成された画像を定着させる。
図8(b)および図8(c)には、露光光源928に発光部936が長尺状の基板に長手方向に沿って複数配置されている様子を示す模式図である。この発光部936に、発光装置10が適用されうる。つまり、表示領域3000に配された複数の発光素子100が、基板の長手方向に沿って配される。方向937は、感光体927の軸に平行な方向である。この列方向は、感光体927が回転する際の軸の方向と同じである。この方向937は、感光体927の長軸方向と呼ぶこともできる。
図8(b)は、発光部936を感光体927の長軸方向に沿って配置した形態である。図8(c)は、図8(b)に示される発光部936の配置の変形例であり、第1列と第2列とのそれぞれにおいて発光部936が列方向に交互に配置されている形態である。第1列と第2列とでは、行方向に異なる位置に発光部936が配置されている。第1列には、複数の発光部936が間隔をあけて配され、第2列には、第1列の発光部936同士の間隙に対応する位置に発光部936が配される。また、行方向にも、複数の発光部936が間隔をあけて配されている。図8(c)に示される発光部936の配置は、例えば、格子状に配置されている状態、千鳥格子に配置されている状態、あるいは、市松模様と言い換えることもできる。
図9は、本実施形態の発光装置10を用いた表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008を有していてもよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタなどの能動素子が配される。バッテリー1008は、表示装置1000が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。表示パネル1005に、発光装置10が適用できる。表示パネル1005として機能する発光装置10の表示領域3000に配された発光素子100は、回路基板1007に配されたトランジスタなどの能動素子と接続され動作する。
図9に示される表示装置1000は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光し電気信号に光電変換する撮像素子とを有する光電変換装置(撮像装置とも呼ばれうる。)の表示部に用いられてもよい。光電変換装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してもよい。また、表示部は、光電変換装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。光電変換装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってもよい。
図10は、本実施形態の発光装置10を用いた光電変換装置の一例を表す模式図である。光電変換装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。光電変換装置1100は、撮像装置とも呼ばれうる。表示部であるビューファインダ1101や背面ディスプレイ1102に、本実施形態の発光装置10が適用できる。この場合、発光装置10の表示領域3000は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示などを表示してもよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性などであってよい。
撮像に適するタイミングはわずかな時間である場合が多いため、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、有機EL素子などの有機発光材料を用いた発光素子100が表示領域3000に配される発光装置10が、ビューファインダ1101や背面ディスプレイ1102に用いられてもよい。有機発光材料は応答速度が速いためである。有機発光材料を用いた発光装置10は、表示速度が求められる、これらの装置に、液晶表示装置よりも適している。
光電変換装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、光学部を通過した光を受光する筐体1104内に収容されている光電変換素子(不図示)に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
発光装置10は、電子機器の表示部に適用されてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォンなどの携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイなどが挙げられる。
図11は、本実施形態の発光装置10を用いた電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部1202は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する携帯機器は通信機器ということもできる。表示部1201に、本実施形態の発光装置10が適用できる。
図12(a)、12(b)は、本実施形態の発光装置10を用いた表示装置の一例を表す模式図である。図12(a)は、テレビモニタやPCモニタなどの表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302に、本実施形態の発光装置10が適用できる。表示装置1300は、額縁1301と表示部1302とを支える土台1303を有していてもよい。土台1303は、図12(a)の形態に限られない。例えば、額縁1301の下辺が土台1303を兼ねていてもよい。また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図12(b)は、本実施形態の発光装置10を用いた表示装置の他の一例を表す模式図である。図12(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第1表示部1311、第2表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第1表示部1311と第2表示部1312とに、本実施形態の発光装置10が適用できる。第1表示部1311と第2表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第1表示部1311と第2表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第1表示部1311と第2表示部1312とは、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第1表示部と第2表示部とで1つの画像を表示してもよい。
図13は、本実施形態の発光装置10を用いた照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有していてもよい。光源1402に、本実施形態の発光装置10が適用できる。光学フィルム1404は光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部1405は、ライトアップなど、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。照明装置1400は、光学フィルム1404と光拡散部1405との両方を有していてもよいし、何れか一方のみを有していてもよい。
照明装置1400は例えば室内を照明する装置である。照明装置1400は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置1400は、光源1402として機能する発光装置10の表示領域3000に接続される電源回路を有していてもよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。また、照明装置1400は、カラーフィルタを有してもよい。また、照明装置1400は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコンなどが挙げられる。
図14は、本実施形態の発光装置10を用いた車両用の灯具の一例であるテールランプを有する自動車の模式図である。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作などを行った際に、テールランプ1501を点灯する形態であってもよい。本実施形態の発光装置10は、車両用の灯具としてヘッドランプに用いられてもよい。自動車は移動体の一例であり、移動体は船舶やドローン、航空機、鉄道車両、産業用ロボットなどであってもよい。移動体は、機体とそれに設けられた灯具を有してよい。灯具は機体の現在位置を知らせるものであってもよい。
テールランプ1501に、本実施形態の発光装置10が適用できる。テールランプ1501は、テールランプ1501として機能する発光装置10を保護する保護部材を有してよい。保護部材は、ある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネートなどで構成されてもよい。また、保護部材は、ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体などを混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してもよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓であってもよいし、ヘッドアップディスプレイなど透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイに、本実施形態の発光装置10が用いられてもよい。この場合、発光装置10が有する電極などの構成材料は透明な部材で構成される。
図15(a)、15(b)を参照して、本実施形態の発光装置10のさらなる適用例について説明する。発光装置10は、例えば、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。このような適用例に使用される撮像表示装置は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な発光装置とを有する。
図15(a)は、1つの適用例に係る眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600のレンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられている。また、レンズ1601の裏面側には、本実施形態の発光装置10が設けられている。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と各実施形態に係る発光装置10に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と発光装置10の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602に光を集光するための光学系が形成されている。
図15(b)は、1つの適用例に係る眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、撮像装置1602に相当する撮像装置と、発光装置10が搭載される。レンズ1611には、制御装置1612内の撮像装置と、発光装置10からの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および発光装置10に電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および発光装置10の動作を制御する。制御装置1612は、装着者の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は赤外線を用いてよい。赤外発光部は、表示画像を注視しているユーザの眼球に対して、赤外光を発する。発せられた赤外光の眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から表示画像に対するユーザの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づく視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが算出されることにより、ユーザの視線が検出される。
本開示の実施形態に係る発光装置10は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザの視線情報に基づいて表示画像を制御してよい。
具体的には、発光装置10は、視線情報に基づいて、ユーザが注視する第1視界領域と、第1視界領域以外の第2視界領域とを決定する。第1視界領域、第2視界領域は、発光装置10の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。発光装置10の表示領域において、第1視界領域の表示解像度を第2視界領域の表示解像度よりも高く制御してもよい。つまり、第2視界領域の解像度を第1視界領域よりも低くしてよい。
また、表示領域は、第1表示領域、第1表示領域とは異なる第2表示領域とを有し、視線情報に基づいて、第1表示領域および第2表示領域から優先度が高い領域が決定される。第1表示領域、第2表示領域は、発光装置10の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。優先度の高い領域の解像度を、優先度が高い領域以外の領域の解像度よりも高く制御してよい。つまり優先度が相対的に低い領域の解像度を低くしてよい。
なお、第1視界領域や優先度が高い領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIプログラムは、発光装置10が有しても、撮像装置が有しても、外部装置が有してもよい。外部装置が有する場合は、通信を介して、発光装置10に伝えられる。
視認検知に基づいて表示制御する場合、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
本明細書の開示は、以下の発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、および、照明装置を含む。
(項目1)
基板の主面の上に配された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の間に配された絶縁層と、前記複数の下部電極および前記絶縁層を覆うように配された少なくとも1層の発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含む発光装置であって、
前記絶縁層の前記有機層に向かい合う表面には、前記主面に対して傾きを有する傾斜部が配され、
前記複数の下部電極または前記複数の下部電極に電気的に接続された導電部と、前記傾斜部と、の間に導電層がさらに配され、
前記導電層の電位は、
前記複数の下部電極が陽極、前記上部電極が陰極の場合、前記複数の下部電極よりも低く、
前記複数の下部電極が陰極、前記上部電極が陽極の場合、前記複数の下部電極よりも高いことを特徴とする発光装置。
(項目2)
前記導電層の電位と前記上部電極の電位との差が、前記導電層の電位と前記複数の下部電極の電位との差よりも小さいことを特徴とする項目1に記載の発光装置。
(項目3)
前記導電層の電位と前記上部電極の電位との差が、1V以下であることを特徴とする項目1または2に記載の発光装置。
(項目4)
前記導電層の電位が、前記上部電極の電位と同じことを特徴とする項目1乃至3の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目5)
前記導電層が、前記上部電極に電気的に接続されていることを特徴とする項1乃至4の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目6)
前記導電層が、前記主面と前記絶縁層との間に配されていることを特徴とする項目1乃至5の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目7)
前記導電層が、前記複数の下部電極のそれぞれを取り囲むように配されていることを特徴とする項目1乃至6の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目8)
前記絶縁層の前記表面には、前記複数の下部電極のそれぞれを取り囲むように溝が設けられており、
前記傾斜部が、前記溝の側壁を構成していることを特徴とする項目1乃至7の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目9)
前記有機層は、前記発光層として第1発光層および第2発光層と、前記第1発光層と前記第2発光層との間に配された電荷発生層と、を含むことを特徴とする項目1乃至8の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目10)
前記有機層は、前記発光層として第1発光層および第2発光層と、前記第1発光層と前記第2発光層との間に配された電荷発生層と、を含み、
前記電荷発生層の一部が、前記溝に没入していることを特徴とする項目8に記載の発光装置。
(項目11)
前記傾斜部の前記主面に平行な仮想面に対する角度が、50°以上であることを特徴とする項目1乃至10の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目12)
前記絶縁層を第1絶縁層として、
前記主面と、前記複数の下部電極および前記第1絶縁層と、の間に第2絶縁層がさらに配され、
前記導電層が、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配されていることを特徴とする項目1乃至11の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目13)
前記複数の下部電極は、透光性を備え、
前記主面と前記第2絶縁層との間に、前記複数の下部電極のそれぞれに対応するように複数の反射層が配されていることを特徴とする項目12に記載の発光装置。
(項目14)
前記複数の反射層のそれぞれが、前記複数の下部電極のうち対応する下部電極に電気的に接続され、前記導電部の少なくとも一部を構成していることを特徴とする項目13に記載の発光装置。
(項目15)
前記複数の下部電極は、第1下部電極と第2下部電極とを含み、
前記複数の反射層は、前記第1下部電極に対応して配された第1反射層と前記第2下部電極に対応して配された第2反射層とを含み、
前記第2絶縁層のうち前記第1下部電極と前記第1反射層との間に配された部分と、前記第2絶縁層のうち前記第2下部電極と前記第2反射層との間に配された部分と、で厚さが異なることを特徴とする項目13または14に記載の発光装置。
(項目16)
前記導電層が、前記複数の下部電極および前記導電部に電気的に接続されていないことを特徴とする項目1乃至15の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目17)
前記複数の下部電極の下面の一部と、前記導電層の下面のうち少なくとも一部と、が前記主面から同じ高さに配されていることを特徴とする項目1乃至16の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目18)
前記複数の下部電極の主成分と、前記導電層の主成分と、が同じであることを特徴とする項目1乃至17の何れか1項目に記載の発光装置。
(項目19)
項目1乃至18の何れか1項目に記載の発光装置と、前記発光装置に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
(項目20)
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示し、かつ、項目1乃至18の何れか1項目に記載の発光装置を有することを特徴とする光電変換装置。
(項目21)
表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
前記表示部は、項目1乃至18の何れか1項目に記載の発光装置を有することを特徴とする電子機器。
(項目22)
光源と、光拡散部および光学フィルムの少なくとも一方と、を有する照明装置であって、
前記光源は、項目1乃至18の何れか1項目に記載の発光装置を有することを特徴とする照明装置。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
1:基板、2:下部電極、3:絶縁層、5:上部電極、10:発光装置、12:導電層、13:主面、34,35:傾斜部、40:有機層

Claims (22)

  1. 基板の主面の上に配された複数の下部電極と、前記複数の下部電極の間に配された絶縁層と、前記複数の下部電極および前記絶縁層を覆うように配された少なくとも1層の発光層を含む有機層と、前記有機層を覆うように配された上部電極と、を含む発光装置であって、
    前記絶縁層の前記有機層に向かい合う表面には、前記主面に対して傾きを有する傾斜部が配され、
    前記複数の下部電極または前記複数の下部電極に電気的に接続された導電部と、前記傾斜部と、の間に導電層がさらに配され、
    前記導電層の電位は、
    前記複数の下部電極が陽極、前記上部電極が陰極の場合、前記複数の下部電極よりも低く、
    前記複数の下部電極が陰極、前記上部電極が陽極の場合、前記複数の下部電極よりも高いことを特徴とする発光装置。
  2. 前記導電層の電位と前記上部電極の電位との差が、前記導電層の電位と前記複数の下部電極の電位との差よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記導電層の電位と前記上部電極の電位との差が、1V以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  4. 前記導電層の電位が、前記上部電極の電位と同じことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記導電層が、前記上部電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  6. 前記導電層が、前記主面と前記絶縁層との間に配されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  7. 前記導電層が、前記複数の下部電極のそれぞれを取り囲むように配されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  8. 前記絶縁層の前記表面には、前記複数の下部電極のそれぞれを取り囲むように溝が設けられており、
    前記傾斜部が、前記溝の側壁を構成していることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  9. 前記有機層は、前記発光層として第1発光層および第2発光層と、前記第1発光層と前記第2発光層との間に配された電荷発生層と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  10. 前記有機層は、前記発光層として第1発光層および第2発光層と、前記第1発光層と前記第2発光層との間に配された電荷発生層と、を含み、
    前記電荷発生層の一部が、前記溝に没入していることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
  11. 前記傾斜部の前記主面に平行な仮想面に対する角度が、50°以上であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  12. 前記絶縁層を第1絶縁層として、
    前記主面と、前記複数の下部電極および前記第1絶縁層と、の間に第2絶縁層がさらに配され、
    前記導電層が、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  13. 前記複数の下部電極は、透光性を備え、
    前記主面と前記第2絶縁層との間に、前記複数の下部電極のそれぞれに対応するように複数の反射層が配されていることを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
  14. 前記複数の反射層のそれぞれが、前記複数の下部電極のうち対応する下部電極に電気的に接続され、前記導電部の少なくとも一部を構成していることを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
  15. 前記複数の下部電極は、第1下部電極と第2下部電極とを含み、
    前記複数の反射層は、前記第1下部電極に対応して配された第1反射層と前記第2下部電極に対応して配された第2反射層とを含み、
    前記第2絶縁層のうち前記第1下部電極と前記第1反射層との間に配された部分と、前記第2絶縁層のうち前記第2下部電極と前記第2反射層との間に配された部分と、で厚さが異なることを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
  16. 前記導電層が、前記複数の下部電極および前記導電部に電気的に接続されていないことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  17. 前記複数の下部電極の下面の一部と、前記導電層の下面のうち少なくとも一部と、が前記主面から同じ高さに配されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  18. 前記複数の下部電極の主成分と、前記導電層の主成分と、が同じであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  19. 請求項1乃至18の何れか1項に記載の発光装置と、前記発光装置に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
  20. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示し、かつ、請求項1乃至18の何れか1項に記載の発光装置を有することを特徴とする光電変換装置。
  21. 表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有し、
    前記表示部は、請求項1乃至18の何れか1項に記載の発光装置を有することを特徴とする電子機器。
  22. 光源と、光拡散部および光学フィルムの少なくとも一方と、を有する照明装置であって、
    前記光源は、請求項1乃至18の何れか1項に記載の発光装置を有することを特徴とする照明装置。
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