JP2024095091A - 液化水素設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】クールダウン対象を効率よく冷却する。【解決手段】液化水素設備1は、水素ガスを冷却、液化する液化機3と、液化機3により液化された液化水素を貯蔵する貯蔵タンク4と、液化機3と貯蔵タンク4とを接続する液化水素供給ライン12と、貯蔵タンク4の気相部4aの圧力よりも高い圧力で水素ガスを溜めることが可能なサブタンク5と、液化機3とサブタンク5とを接続する分岐ライン15と、液化水素を流す前に行われる予備冷却の対象であるクールダウン対象(13)とサブタンク5とを接続する冷却ライン16とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、液化水素を扱う液化水素設備に関する。
水素ガスの液化、貯蔵、荷役を行う液化水素設備が知られている。例えば、下記特許文献1には、原料水素供給源から供給された原料水素ガスを液化する液化機(液化水素製造装置)と、液化機で液化された液化水素を貯蔵する貯蔵タンクと、貯蔵タンクから運搬船(液化水素輸送船)に液化水素を荷役する荷役ラインとを備えた液化水素設備が開示されている。
特開2013-242021号公報
上述した液化水素設備において、貯蔵タンクから運搬船に液化水素を荷役する際に、仮に荷役ラインが常温のままだと、液化水素と荷役ラインの温度差が大きすぎて様々な支障が起きる可能性がある。そこで、液化水素を運搬船に荷役する前に、荷役ラインを事前に冷却する予備冷却を行う必要がある。このような予備冷却は、荷役ラインに限らず、荷役時に液化水素が流れる種々の配管や機器(以下、これをクールダウン対象という)に対し行われ得る。
ここで、前記クールダウン対象を冷却する媒体として、貯蔵タンクの気相部に存在するボイルオフガス、つまり貯蔵タンク内の液化水素が蒸発することで生じる低温の水素ガスを用いることが提案される。しかしながら、貯蔵タンク内のボイルオフガスは、クールダウン対象を冷却するのに適した十分な圧力を有していない可能性がある。すなわち、ボイルオフガスの圧力が十分でないために、クールダウン対象の全体にボイルオフガスを行き渡らせることができないか、またはクールダウン対象を十分に冷却するまでに要する時間が長期化する可能性がある。
本開示は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、クールダウン対象を効率よく冷却することが可能な液化水素設備を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本開示の一局面に係る液化水素設備は、水素ガスを冷却、液化する液化機と、前記液化機により液化された液化水素を貯蔵する貯蔵タンクと、前記液化機と前記貯蔵タンクとを接続する液化水素供給ラインと、前記貯蔵タンクの気相部の圧力よりも高い圧力で水素ガスを溜めることが可能なサブタンクと、前記液化機と前記サブタンクとを接続する分岐ラインと、液化水素を流す前に行われる予備冷却の対象であるクールダウン対象と前記サブタンクとを接続する冷却ラインとを備えたものである。
本開示の液化水素設備によれば、クールダウン対象を効率よく冷却することができる。
本開示の第1実施形態に係る液化水素設備の全体構成を示すシステム図である。 前記液化水素設備の運用フェーズが起動フェーズであるときの動作を説明するための図1相当図である。 前記液化水素設備の運用フェーズが貯蔵フェーズであるときの動作を説明するための図1相当図である。 前記液化水素設備の運用フェーズが荷役フェーズであるときの動作を説明するための図1相当図である。 前記液化水素設備の運用フェーズが荷役準備フェーズであるときの動作を説明するための図1相当図である。 本開示の第2実施形態に係る液化水素設備の全体構成を示すシステム図である。
(1)第1実施形態
[液化水素設備の構成]
図1は、本開示の第1実施形態に係る液化水素設備1の全体構成を示すシステム図である。本図に示される液化水素設備1は、水素ガスを液化して貯蔵し、貯蔵した液化水素を運搬船100(キャリア)に荷役するための設備である。具体的に、液化水素設備1は、原料供給源2と、液化機3と、貯蔵タンク4と、サブタンク5と、ポンプ6とを備える。原料供給源2は、液化される前の原料水素ガスを液化機3に供給する供給源である。液化機3は、原料供給源2から供給された原料水素ガスを液化する装置である。貯蔵タンク4は、液化機3で生成された液化水素を貯蔵するタンクである。サブタンク5は、水素ガスを蓄圧状態で溜めるタンクである。ポンプ6は、貯蔵タンク4から運搬船100に液化水素を払い出すポンプである。
上述した各要素は、複数の通路を介して互いに接続されている。すなわち、液化水素設備1は、原料供給源2と液化機3とを接続する原料供給ライン11と、液化機3と貯蔵タンク4とを接続する液化水素供給ライン12と、貯蔵タンク4と運搬船100とを接続する荷役ライン13と、液化水素供給ライン12とサブタンク5とを接続する分岐ライン15と、サブタンク5と荷役ライン13とを接続する冷却ライン16と、冷却ライン16と原料供給ライン11とを接続する還流ライン17とを備える。
原料供給源2は、水素ガスを生成して当該水素ガスを液化水素の原料として液化機3に供給する。原料供給源2から液化機3に対しては、例えば数MPa程度まで高圧化された原料水素ガスが供給される。原料供給源2は、水素ガスを生成できるものであればその種類を問わないが、例えば、メタン等の炭化水素から水蒸気改質により水素ガスを生成する装置を原料供給源2として用いることができる。あるいは、水の電気分解によって水素ガスを生成する装置を原料供給源2として用いてもよい。
原料供給源2から供給された高圧の原料水素ガスは、原料供給ライン11を通じて液化機3に導入される。液化機3は、導入された高圧の原料水素ガスを冷却及び膨張させて液化し、液化水素を生成する。詳しくは、液化機3は、水素ガスを熱交換により冷却する冷却器31と、当該冷却器31による冷却後の水素ガスを膨張させて液化する膨張弁32(ジュールトムソン弁)とを含む。冷却器31は、例えば、コンプレッサや膨張タービン等を用いた冷凍サイクルによって作動媒体(例えば水素)を極低温化する冷凍サイクル部と、当該冷凍サイクル部を冷熱源とした熱交換により原料水素ガスを液化直前の状態まで冷却する熱交換部と、を含んだものとすることができる。膨張弁32は、冷却器31から導出された高圧の原料水素ガスを受け入れてジュールトムソン膨張(等エンタルピー膨張)させる。これにより、原料水素ガスが液化され、極低温の液化水素が生成される。
液化機3で生成された液化水素は、液化水素供給ライン12を通じて貯蔵タンク4に導入される。貯蔵タンク4は、導入された液化水素を保冷しつつ貯蔵する。貯蔵タンク4は、ここでは球面屋根付き平底円筒形タンクである。貯蔵タンク4はまた、液化水素の貯蔵空間を画成する内槽41と、内槽41の外側に配置されかつ当該内槽41との間に断熱層を形成する外槽42とを含む多重殻タンクである。なお、図1には外槽42と内槽41のみを図示したが、外槽42と内槽41との間にさらに中間槽が備えられていてもよい。すなわち、本実施形態における貯蔵タンク4は、外槽42及び内槽41を含む多重殻構造のものであればよく、二重殻タンクでも三重殻タンクでもよい。
貯蔵タンク4の内部には、入熱を受けた液化水素の蒸発により生じるボイルオフガス(BOG)が存在している。言い換えると、貯蔵タンク4の上部には、当該ボイルオフガスで満たされた気相部4aが形成されている。詳細は省略するが、貯蔵タンク4には、気相部4a内のボイルオフガスの圧力であるタンク内圧が予め定められた設計圧力を超えないように当該気相部4aから適宜ボイルオフガスを抜き出すためのBOGラインが接続されている。BOGラインを通じて抜き出されたボイルオフガスは、例えば原料供給ライン11に還流されて液化機3で再液化される。
貯蔵タンク4に貯蔵された液化水素は、運搬船100に液化水素を荷役する後述する荷役フェーズの際に、ポンプ6によって貯蔵タンク4から払い出される。ポンプ6は、貯蔵タンク4から液化水素を吸い込んで下流側に吐出するものであり、例えばインペラ等の回転要素と当該回転要素を回転駆動する電動モータ等の駆動源とを含む。ポンプ6から吐出された液化水素は、荷役ライン13を通じて運搬船100に供給される。
荷役ライン13は、荷積み機101を介して運搬船100に接続される。荷積み機101は、運搬船100が着岸する港湾に設置されており、荷役ライン13から送られてきた液化水素を運搬船100に荷積みする。荷積み機101は、多関節構造のローディングアーム101aを含む。ローディングアーム101aは、荷役ライン13の下流端部と着脱自在に接続される。
サブタンク5は、貯蔵タンク4よりもサイズの小さい耐圧性の小型タンクである。すなわち、サブタンク5は、貯蔵タンク4よりも高い圧力に耐える耐圧性を有し、かつ貯蔵タンク4よりも小さいタンク径を有する。本実施形態において、サブタンク5は、貯蔵タンク4のような多重殻構造ではなく、単殻構造とされている。
サブタンク5は、その内部に気化装置51を備えている。気化装置51は、例えば液化水素を微粒化しつつ噴射することにより、当該液化水素を気化させて水素ガスに変換する。
分岐ライン15は、液化水素供給ライン12から分岐してサブタンク5内の気化装置51へと至るように配設されている。分岐ライン15を通じて気化装置51に導入された液化水素は、当該気化装置51によりサブタンク5内で気化される。当該気化によって生成された水素ガスは、サブタンク5内に蓄圧状態で溜められる。言い換えると、分岐ライン15は、液化機3から導出された液化水素を気化させつつサブタンク5に導入し得るように、液化機3の膨張弁32の出口と気化装置51とを互いに接続している。
液化水素供給ライン12及び分岐ライン15には、液化水素の供給先を貯蔵タンク4とサブタンク5との間で切り替えるためのバルブ21,22が設けられている。すなわち、液化水素供給ライン12上に第1バルブ21が開閉可能に設けられるとともに、分岐ライン15上に第2バルブ22が開閉可能に設けられている。液化水素を貯蔵タンク4に供給するとき、つまり液化機3からの液化水素を貯蔵タンク4で貯蔵するときは、第1バルブ21が開弁されかつ第2バルブ22が閉弁される。一方、液化水素をサブタンク5に供給するとき、つまり液化機3からの液化水素を気化させつつサブタンク5に導入するときは、第1バルブ21が閉弁されかつ第2バルブ22が開弁される。
冷却ライン16は、サブタンク5から延びて荷役ライン13へと至るように配設されている。冷却ライン16上には、第3バルブ23が開閉可能に設けられている。第3バルブ23が開弁されると、サブタンク5内の水素ガスが冷却ライン16を通じて荷役ライン13に供給される。
還流ライン17は、冷却ライン16における第3バルブ23よりも上流側の位置から分岐して原料供給ライン11へと至るように配設されている。還流ライン17上には、第4バルブ24及び圧縮装置26が設けられている。圧縮装置26は、水素ガスを原料供給ライン11に向けて圧送する装置であり、例えば、羽根車等の回転要素と当該回転要素を回転駆動するモータ等の駆動源とを含んだものとすることができる。第4バルブ24は、圧縮装置26とサブタンク5との間に設けられた開閉弁である。第4バルブ24が開弁されかつ圧縮装置26が駆動されると、サブタンク5内の水素ガスが還流ライン17を通じて原料供給ライン11に供給される。
[液化水素設備の動作]
次に、以上のような液化水素設備1の各種運用フェーズにおける動作について説明する。本実施形態では、液化水素設備1の運用フェーズを、起動フェーズ、貯蔵フェーズ、荷役フェーズ、及び荷役準備フェーズの4つに分類する。各フェーズの詳細は以下のとおりである。
(起動フェーズ)
起動フェーズは、液化機3を起動して原料水素ガスの液化処理を開始するフェーズである。図2は、当該起動フェーズにおける動作を説明するための図である。本図に示すように、起動フェーズでは、液化機3が起動されるとともに、第2バルブ22及び第4バルブ24が開弁され、さらに圧縮装置26が駆動される。一方、第1バルブ21及び第3バルブ23は閉弁され、ポンプ6は停止される。なお、図2では、閉弁されているバルブを黒塗りで、開弁されているバルブを白抜きで表記している。また、起動フェーズのときは一般に運搬船100はまだ着岸していないため、図2では運搬船100及び荷積み機101を想像線(二点鎖線)で表記している。このことは、後述する図3及び図5(貯蔵フェーズ及び荷役準備フェーズ)のときも同様である。
ここで、液化機3の起動によって原料水素ガスの液化処理が開始されても、液化機3の起動から所定期間の間は、冷却性能が十分に機能しない。このため、液化機3の起動から所定期間の間は、液化機3の膨張弁32から導出される流体が、液化水素と水素ガスとが混在した気液二相流体になり得る。上述したとおり、起動フェーズでは第2バルブ22が開弁されかつ第1バルブ21が閉弁されるので、液化機3から導出された前記気液二相流体は、分岐ライン15を通じてサブタンク5に導入される。サブタンク5の内部では、気液二相流体中の液体成分が気化装置51によって気化される。これにより、サブタンク5内には水素ガスが充填される。サブタンク5内の水素ガスは、還流ライン17上の圧縮装置26により吸い込まれて下流側に圧送される。すなわち、液化機3から導出された気液二相流体が、サブタンク5で水素ガスに変換された後に、還流ライン17を通じて原料供給ライン11に還流される。原料供給ライン11に供給された還流水素ガスは、原料供給源2からの原料水素ガスに合流し、液化機3で再液化される。
(貯蔵フェーズ)
貯蔵フェーズは、液化機3から供給される液化水素を貯蔵タンク4に貯蔵するフェーズである。図3は、当該貯蔵フェーズにおける動作を説明するための図である。本図に示すように、貯蔵フェーズでは、液化機3が駆動されるとともに、第1バルブ21が開弁される。一方、第2バルブ22、第3バルブ23、及び第4バルブ24は閉弁され、ポンプ6及び圧縮装置26は停止される。
前記のように各部が制御されることで、貯蔵フェーズでは、液化機3で生成された液化水素が液化水素供給ライン12を通じて貯蔵タンク4に供給されて、貯蔵タンク4内に液化水素が貯蔵される。
(荷役フェーズ)
荷役フェーズは、貯蔵タンク4から運搬船100に液化水素を荷役するフェーズである。図4は、当該荷役フェーズにおける動作を説明するための図である。本図に示すように、荷役フェーズでは、液化機3及びポンプ6が駆動されるとともに、第1バルブ21が開弁される。一方、第2バルブ22、第3バルブ23、及び第4バルブ24は閉弁され、圧縮装置26は停止される。
前記のように各部が制御されることで、荷役フェーズでは、ポンプ6により貯蔵タンク4から払い出された液化水素が荷役ライン13を通じて運搬船100に供給されるとともに、液化機3から供給された液化水素が液化水素供給ライン12を通じて貯蔵タンク4に補充される。
(荷役準備フェーズ)
荷役準備フェーズは、荷役フェーズの前処理として荷役ライン13の冷却等を行うフェーズである。図5は、当該荷役準備フェーズにおける動作を説明するための図である。本図に示すように、荷役準備フェーズでは、液化機3が駆動されるとともに、第2バルブ22及び第3バルブ23が開弁される。一方、第1バルブ21及び第4バルブ24は閉弁され、ポンプ6及び圧縮装置26は停止される。
前記のように各部が制御されることで、荷役準備フェーズでは、液化機3からの液化水素がサブタンク5内で気化されて低温の水素ガスに変換されるとともに、サブタンク5内の水素ガスが液化機3に起因する圧力により下流側の冷却ライン16に流れ込む。すなわち、液化機3から導出された液化水素が、サブタンク5内で低温の水素ガスに変換された後に、冷却ライン16を通じて荷役ライン13に導入される。荷役ライン13に導入された低温の水素ガスは、荷役ライン13を構成する各配管等を冷却する。これにより、後に荷役フェーズに移行した際に液化水素が流れることになる荷役ライン13を予備冷却することができ、液化水素と荷役ライン13との温度差を縮小することができる。なお、荷役ライン13は所定の回収ラインとつながっており、当該回収ラインを通じて水素ガスが回収される。
また、荷役準備フェーズのときは、他のフェーズのときに比べて、液化機3における膨張弁32の開度が開き側に調整される。これにより、冷却器31から導出された高圧の水素ガスが膨張弁32で膨張する程度が抑えられ、膨張弁32の出口の圧力が他のフェーズのときに比べて高められる。このような膨張弁32の出口圧力の上昇は、膨張弁32から分岐ライン15を通じてサブタンク5の気化装置51に導入される液化水素の圧力を上昇させ、気化装置51から導出される水素ガスの圧力を上昇させる。このことは、サブタンク5の内部圧力を比較的高く維持することを可能にし、少なくとも貯蔵タンク4の気相部4aの圧力よりも高い圧力の水素ガスをサブタンク5に溜めることを可能にする。言い換えると、荷役準備フェーズでは、貯蔵タンク4の気相部4aの圧力よりも高い圧力の水素ガスをサブタンク5に溜めることができるように、膨張弁32の開度が開き側に調整される。
なお、荷役準備フェーズでは前記のとおり膨張弁32の開度が開き側に調整されるから、膨張弁32から導出される流体には、液化水素だけでなく若干の水素ガスも含まれ得る。すなわち、荷役準備フェーズにおいて、液化機3からサブタンク5に供給される流体(水素)は、液化水素のみから構成されていてもよいし、液化水素と水素ガスとを含む気液二相流体であってもよい。
[作用効果]
以上説明したとおり、本実施形態では、液化機3から貯蔵タンク4に向かう水素ガスが流れる液化水素供給ライン12と、貯蔵タンク4の気相部4aよりも高い圧力で水素ガスを溜めることが可能なサブタンク5とが、分岐ライン15を介して互いに接続されるとともに、貯蔵タンク4から運搬船100に向かって延びる荷役ライン13と前記サブタンク5とが冷却ライン16を介して互いに接続される。このような構成によれば、荷役準備フェーズにおいて荷役ライン13(クールダウン対象)を予備冷却する際に、当該荷役ライン13を効率よく冷却できるという利点がある。
すなわち、本実施形態では、液化機3から導出された液化水素を分岐ライン15を通じてサブタンク5に導入して気化させることにより、サブタンク5内に比較的高圧かつ低温の水素ガスを溜めることができる。そして、この水素ガスを荷役準備フェーズの際に荷役ライン13に供給することにより、荷役ライン13を通じた液化水素の荷役の前に当該荷役ライン13を効率よく予備冷却することができる。
ここで、貯蔵タンク4の上部の気相部4aには、液化水素の蒸発により生じたボイルオフガスが存在しているため、前記のように荷役ライン13を予備冷却する際には、当該気相部4a内のボイルオフガスを冷却用の媒体として用いることも考えられる。しかしながら、高い保冷性が要求されるために多重殻構造とされた貯蔵タンク4は、その耐圧性に限界があり、気相部4aの圧力(タンク内圧)を十分に高くできない可能性がある。気相部4aの圧力が不十分であると、荷役ライン13の全体にボイルオフガスを行き渡らせることができないか、または荷役ライン13を十分に冷却するまでに要する時間が長期化する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、荷役準備フェーズの際に、上述したボイルオフガス(気相部4a内の水素ガス)ではなく、サブタンク5内の水素ガスが荷役ライン13に供給される。この場合において、サブタンク5の耐圧性は貯蔵タンク4のそれよりも高いから、サブタンク5の内圧が気相部4aの圧力よりも高くなるように蓄圧した上で、当該蓄圧後のサブタンク5から荷役ライン13に比較的高圧の水素ガスを供給することができる。すなわち、本実施形態によれば、サブタンク5から荷役ライン13に対して比較的高圧かつ低温の水素ガスを供給できるので、当該荷役ライン13を効率よく冷却することができ、荷役準備フェーズに要する工数を削減することができる。
また、本実施形態では、液化機3の膨張弁32と貯蔵タンク4との間の液化水素供給ライン12から分岐する分岐ライン15を介して、膨張弁32の出口とサブタンク5とが互いに接続されるので、膨張弁32から導出された十分に低温の液化水素を気化させつつサブタンク5に導入することができ、サブタンク5内に溜まる水素ガスの温度を低く抑えることができる。また、膨張弁32の開度を調整すれば膨張弁32による減圧作用が抑えられるので、サブタンク5内の水素ガスの圧力を高めに設定することができる。すなわち、本実施形態では、予備冷却に適した比較的高圧かつ低温の水素ガスをサブタンク5内に溜めることができる。
また、本実施形態では、冷却ライン16から分岐して原料供給ライン11に至る還流ライン17が設けられるので、荷役準備フェーズ以外のときにサブタンク5内の水素ガスを液化機3で再液化して有効利用することができる。例えば、液化機3が起動される起動フェーズのときに、液化機3から導出される気液二相流体を水素ガスに変換した上でサブタンク5内に溜めることができ、当該サブタンク5内の水素ガスを液化機3に戻して再液化することができる。これにより、気液二相流体が貯蔵タンク4に導入されるのを防止しつつ、水素を無駄なく利用することができる。
(2)第2実施形態
図6は、本開示の第2実施形態に係る液化水素設備1Aを示すシステム図である。この第2実施形態では、分岐ライン15の分岐元が上述した第1実施形態とは異なる。すなわち、前記第1実施形態(図1~5)では、液化機3の膨張弁32と貯蔵タンク4との間の液化水素供給ライン12から分岐ライン15が分岐していたのに対し、第2実施形態(図6)では、液化機3における冷却器31と膨張弁32との間から分岐ライン15が分岐している。以下では、この相違点を中心に第2実施形態の特徴について説明する。言い換えると、第2実施形態の液化水素設備1Aは、分岐ライン15に関する点を除いて前記第1実施形態と同様の構造を有している。
図6に示すように、分岐ライン15は、冷却器31と膨張弁32とを接続する中継ライン19から分岐してサブタンク5へと至るように配設されている。中継ライン19は、冷却器31から導出された高圧かつ低温の水素ガスつまり液化直前の水素ガスを膨張弁32に導入するためのラインであり、本開示における「中継部」に相当する。当該中継ライン19を流れる高圧かつ低温の水素ガスは、分岐ライン15を通じてサブタンク5の内部に導入される。これにより、サブタンク5内に比較的高圧の水素ガスが溜められる。なお、中継ライン19から分岐ライン15に流れる液化直前の水素ガスは、その一部が液化していてもよい。言い換えると、中継ライン19からサブタンク5に供給される流体(水素)は、水素ガスのみから構成されていてもよいし、液化水素と水素ガスとを含む気液二相流体であってもよい。
分岐ライン15の途中には、減圧弁40が設けられている。減圧弁40は、上述した中継ライン19から導出された高圧の水素ガスを減圧するバルブである。例えば、減圧弁40は、液化機3の膨張弁32(ジュールトムソン弁)と同様に、水素ガスをジュールトムソン膨張させるバルブとすることができる。この場合、減圧弁40は、水素ガスの少なくとも一部が液化するまで水素ガスを膨張させるものであってもよい。この部分的な液化により生成された液体成分は、サブタンク5内の気化装置51によって気化され、水素ガスに変換された上でサブタンク5内に溜められる。
以上のような第2実施形態によれば、液化機3の膨張弁32によって膨張(液化)される前の十分に高圧の水素ガスを利用して、サブタンク5の内部圧力を十分に高く設定することができる。したがって、荷役準備フェーズの際に十分に高圧の水素ガスを荷役ライン13に供給して当該荷役ライン13を効率よく冷却することができる。
また、第2実施形態では、分岐ライン15の途中に減圧弁40が設けられるので、中継ライン19から導出される高圧の水素ガスを、減圧弁40によって適宜減圧した上でサブタンク5に導入することができる。これにより、サブタンク5の耐圧性(強度)を過剰に高める必要がなくなり、荷役ライン13を合理的かつ効率よく冷却することができる。
(3)変形例
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示はこれに限定されるわけではなく、例えば次のような変形が可能である。
前記各実施形態では、荷役ライン13を通じて運搬船100に液化水素を荷役する前に、荷役準備フェーズとして、サブタンク5内に溜まった水素ガスを用いて荷役ライン13を予備冷却するようにしたが、当該荷役準備フェーズの際に予備冷却を行う対象つまりクールダウン対象は、後の荷役フェーズにおいて液化水素が流れる各種配管や機器であればよく、荷役ライン13に限られない。
前記各実施形態では、液化機3が起動される起動フェーズのときに、液化機3から導出される気液二相流体を水素ガスに変換した上でサブタンク5内に溜めるとともに、サブタンク5から還流ライン17を通じて液化機3の上流側に水素ガスを還流させるようにしたが、液化機3からの流体が気液二相流体になり易いのは、液化機3の停止時でも同様である。このため、前記と同様の水素ガスの還流を、液化機3を停止させる停止フェーズのときに行ってもよい。
前記各実施形態では、液化水素供給ライン12に第1バルブ21を設けかつ分岐ライン15に第2バルブ22を設けたが、液化水素供給ライン12と分岐ライン15との分岐部に三方弁を設け、当該三方弁に第1バルブ21及び第2バルブ22の両機能を集約してもよい。
前記各実施形態では、水素ガスを液化させる液化機3を、水素ガスをジュールトムソン膨張させる膨張弁32を含んだものとしたが、液化機3は、水素ガスを膨張させる膨張手段を含んでいればよく、膨張手段として例えばタービン等を用いてもよい。
前記実施形態では、貯蔵タンク4に貯蔵されている液化水素を運搬船100に荷役する例について説明したが、液化水素の荷役先は、液化水素を運搬する何らかのキャリアであればよく、例えばタンクローリー等の運搬車であってもよい。
(4)まとめ
前記実施形態及びその変形例には、以下の開示が含まれる。
本開示の一局面に係る液化水素設備は、水素ガスを冷却、液化する液化機と、前記液化機により液化された液化水素を貯蔵する貯蔵タンクと、前記液化機と前記貯蔵タンクとを接続する液化水素供給ラインと、前記貯蔵タンクの気相部の圧力よりも高い圧力で水素ガスを溜めることが可能なサブタンクと、前記液化機と前記サブタンクとを接続する分岐ラインと、液化水素を流す前に行われる予備冷却の対象であるクールダウン対象と前記サブタンクとを接続する冷却ラインとを備える。
本開示によれば、液化機から導出された液化水素を分岐ラインを通じてサブタンクに導入して気化させることにより、サブタンク内に比較的高圧かつ低温の水素ガスを溜めることができる。そして、この水素ガスをクールダウン対象に供給することにより、当該クールダウン対象を効率よく予備冷却することができる。
好ましくは、前記液化機は、原料水素ガスを冷却する冷却器と、当該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁とを含む。前記分岐ラインは、前記膨張弁の出口と前記サブタンクとを接続する。
この態様では、膨張弁から導出された十分に低温の液化水素を気化させつつサブタンクに導入することができ、サブタンク内に溜まる水素ガスの温度を低く抑えることができる。また、膨張弁の開度を調整すれば膨張弁による減圧作用が抑えられるので、サブタンク内の水素ガスの圧力を高めに設定することができる。すなわち、本態様では、予備冷却に適した比較的高圧かつ低温の水素ガスをサブタンク内に溜めることができる。
前記液化機が、原料水素ガスを冷却する冷却器と当該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁とを含む場合、前記分岐ラインは、前記冷却器と前記膨張弁との間の中継部と前記サブタンクとを接続するものであってもよい。
この態様では、液化機の膨張弁によって膨張(液化)される前の十分に高圧の水素ガスを利用して、サブタンクの内部圧力を十分に高く設定することができる。したがって、クールダウン対象に十分に高圧の水素ガスを供給して当該クールダウン対象を効率よく冷却することができる。
前記態様において、より好ましくは、前記液化水素設備は、前記分岐ラインの途中に設けられた減圧弁をさらに備える。
この態様では、冷却器と膨張弁との間の中継部から導出される高圧の水素ガスを、減圧弁によって適宜減圧した上でサブタンクに導入することができる。これにより、サブタンクの耐圧性(強度)を過剰に高める必要がなくなり、クールダウン対象を合理的かつ効率よく冷却することができる。
好ましくは、前記液化水素設備は、前記冷却ラインから分岐して前記液化機の上流側につながる還流ラインをさらに備える。
この態様では、予備冷却が行われないフェーズにおいて、サブタンク内の水素ガスを液化機で再液化して有効利用することができる。例えば、液化機を起動又は停止するときに生じる気液二相流体をサブタンクで気化させてから液化機に戻して再液化することができる。これにより、気液二相流体が貯蔵タンクに導入されるのを防止しつつ、水素を無駄なく利用することができる。
1 液化水素設備
3 液化機
4 貯蔵タンク
4a 気相部
5 サブタンク
12 液化水素供給ライン
13 荷役ライン(クールダウン対象)
15 分岐ライン
16 冷却ライン
17 還流ライン
19 中継ライン(中継部)
31 冷却器
32 膨張弁
40 減圧弁

Claims (5)

  1. 水素ガスを冷却、液化する液化機と、
    前記液化機により液化された液化水素を貯蔵する貯蔵タンクと、
    前記液化機と前記貯蔵タンクとを接続する液化水素供給ラインと、
    前記貯蔵タンクの気相部の圧力よりも高い圧力で水素ガスを溜めることが可能なサブタンクと、
    前記液化機と前記サブタンクとを接続する分岐ラインと、
    液化水素を流す前に行われる予備冷却の対象であるクールダウン対象と前記サブタンクとを接続する冷却ラインとを備えた、液化水素設備。
  2. 請求項1に記載の液化水素設備において、
    前記液化機は、原料水素ガスを冷却する冷却器と、当該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁とを含み、
    前記分岐ラインは、前記膨張弁の出口と前記サブタンクとを接続する、液化水素設備。
  3. 請求項1に記載の液化水素設備において、
    前記液化機は、原料水素ガスを冷却する冷却器と、当該冷却器で冷却された水素ガスを膨張させて液化する膨張弁とを含み、
    前記分岐ラインは、前記冷却器と前記膨張弁との間の中継部と前記サブタンクとを接続する、液化水素設備。
  4. 請求項3に記載の液化水素設備において、
    前記分岐ラインの途中に設けられた減圧弁をさらに備えた、液化水素設備。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の液化水素設備において、
    前記冷却ラインから分岐して前記液化機の上流側につながる還流ラインをさらに備えた、液化水素設備。
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