JP2024092342A - 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム - Google Patents

管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2024092342A
JP2024092342A JP2022208204A JP2022208204A JP2024092342A JP 2024092342 A JP2024092342 A JP 2024092342A JP 2022208204 A JP2022208204 A JP 2022208204A JP 2022208204 A JP2022208204 A JP 2022208204A JP 2024092342 A JP2024092342 A JP 2024092342A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agricultural machine
data
automatic operation
plan
performance data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022208204A
Other languages
English (en)
Inventor
裕亮 村田
Hirosuke Murata
栄里 小林
Eri Kobayashi
優之 松崎
Yushi Matsuzaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2022208204A priority Critical patent/JP2024092342A/ja
Priority to PCT/JP2023/041696 priority patent/WO2024142668A1/ja
Publication of JP2024092342A publication Critical patent/JP2024092342A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01BSOIL WORKING IN AGRICULTURE OR FORESTRY; PARTS, DETAILS, OR ACCESSORIES OF AGRICULTURAL MACHINES OR IMPLEMENTS, IN GENERAL
    • A01B69/00Steering of agricultural machines or implements; Guiding agricultural machines or implements on a desired track
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D1/00Control of position, course, altitude or attitude of land, water, air or space vehicles, e.g. using automatic pilots
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D1/00Control of position, course, altitude or attitude of land, water, air or space vehicles, e.g. using automatic pilots
    • G05D1/40Control within particular dimensions
    • G05D1/43Control of position or course in two dimensions
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06QINFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES; SYSTEMS OR METHODS SPECIALLY ADAPTED FOR ADMINISTRATIVE, COMMERCIAL, FINANCIAL, MANAGERIAL OR SUPERVISORY PURPOSES, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G06Q50/00Information and communication technology [ICT] specially adapted for implementation of business processes of specific business sectors, e.g. utilities or tourism
    • G06Q50/02Agriculture; Fishing; Forestry; Mining

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Business, Economics & Management (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • Radar, Positioning & Navigation (AREA)
  • Remote Sensing (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Animal Husbandry (AREA)
  • Marine Sciences & Fisheries (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Economics (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Human Resources & Organizations (AREA)
  • Marketing (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Strategic Management (AREA)
  • Tourism & Hospitality (AREA)
  • General Business, Economics & Management (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Guiding Agricultural Machines (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

Figure 2024092342000001
【課題】 運転モードの変更が可能な農業機械の実績データを効率的に収集する。
【解決手段】 本開示の一態様に係る装置は、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置であって、前記農業機械のための自動運転計画を作成する処理装置と、前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信し、前記農業機械が収集する自機の実績データを受信する通信装置と、受信した前記実績データを記憶する記憶装置と、を備え、前記実績データは、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む。
【選択図】 図5

Description

本開示は、農業機械の管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システムに関する。
特許文献1には、作業車の自車位置を検出する検出モジュールと、作業予定領域の外周を周回して作業走行する際に検出モジュールにて取得した自車位置データから、作業予定領域内の未作業領域の外形マップを算定する外形マップ算定部と、を備える作業車支援システムが記載されている。
特許文献2には、作業車両を自動走行により圃場間移動させるにあたり、合理的な構成で十分な安全性を確保することができる自動走行システムが記載されている。
特開2017-055673号公報 特開2021-073602号公報
農業機械の自動化を促進するにあたり、自動運転の場合の実績データと、非自動運転の場合の実績データとを、統合して管理することが望まれる。しかし、特許文献1及び2では、自動運転中の実績データと非自動運転中の実績データの効率的な収集方法については想定されていない。
本開示は、運転モードの変更が可能な農業機械の実績データを効率的に収集できる技術を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る装置は、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置であって、前記農業機械のための自動運転計画を作成する処理装置と、前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信し、前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信する通信装置と、受信した前記実績データを記憶する記憶装置と、を備え、前記実績データは、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む。
本開示の一態様に係る方法は、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置が行う、農業機械の管理方法であって、前記農業機械のための自動運転計画を作成するステップと、前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信するステップと、前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信するステップと、受信した前記実績データを記憶するステップと、を含み、前記実績データは、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む。
本開示の一態様に係るコンピュータプログラムは、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、前記農業機械のための自動運転計画を作成するステップと、前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信するステップと、前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信するステップと、受信した前記実績データを記憶するステップと、を含み、前記実績データは、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む。
本開示の一態様に係るシステムは、運転モードに自動運転と手動運転が含まれる農業機械と、前記農業機械と通信する管理装置と、を備える農業機械の管理システムであって、前記管理装置は、前記農業機械のための自動運転計画を前記農業機械に送信し、前記農業機械は、前記自動運転計画に従った自動運転中に手動運転への介入があった場合に、当該手動運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した手動運転中の前記実績データを自身の記憶装置に記憶させる。
本開示の実施態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、若しくはコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、或いはこれらの任意の組み合わせにより実現され得る。コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は、揮発性の記憶媒体及び不揮発性の記憶媒体のいずれを含んでもよい。装置は、個別の複数の装置で構成してもよい。個別の複数の装置で構成する場合、それらを1つの筐体に配置する構成、及び離れた2つ以上の筐体に分かれて配置する構成のいずれであってもよい。
本開示によれば、運転モードの変更が可能な農業機械の実績データを効率的に収集することができる。
図1は、作業支援システムの全体構成の一例を示す概略図である。 図2は、作業車両とインプルメントの構造例を示す側面図である。 図3は、作業車両の車内通信システムの構成例を示すブロック図である。 図4は、操作端末及び操作スイッチ群の一例を示す斜視図である。 図5は、管理装置、管理端末、及び遠隔端末の内部構成の一例を示すブロック図である。 図6は、自動運転計画の作成に必要な情報の設定画面と情報処理の一例を示す説明図である。 図7は、作業コストテーブルの一例を示す図である。 図8は、農機現況テーブルの一例を示す図である。 図9は、残タスクテーブルの一例を示す図である。 図10は、1つの農機に関する自動運転計画の一例を示す図である。 図11は、運転モードの切り替え処理の一例を示す状態遷移図である。 図12は、計画変更の通信シーケンスの一例を示すシーケンス図である。 図13は、計画変更に伴う圃場作業の変更例を示す説明図である。 図14は、管理装置が実行するデータ格納及び更新の一例を示すフローチャートである。 図15は、遠隔運転の介入後の作業変更の一例を示す説明図である。 図16は、農機現況テーブルの更新例を示す説明図である。 図17は、残タスクテーブルの更新例を示す説明図である。 図18は、再計算によって作成される自動運転計画の一例を示す説明図である。 図19は、移動軌跡データの一例を示す図である。 図20は、作業実績データの一例を示す図である。
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1) 本実施形態に係る装置は、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置であって、前記農業機械のための自動運転計画を作成する処理装置と、前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信し、前記農業機械が収集する自機の実績データを受信する通信装置と、受信した前記実績データを記憶する記憶装置と、を備え、前記実績データは、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む。
本実施形態の管理装置によれば、管理装置の記憶装置が記憶する実績データに、自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に農業機械が収集したデータが含まれるので、1台の農業機械から、自動運転中の実績データと非自動運転中の実績データの双方を収集できる。従って、運転モードの変更が可能な農業機械の実績データを効率的に収集することができる。
(2) 本実施形態の管理装置において、前記実績データは、更に、前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した変更要求により実行される変更後の自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含んでいてもよい。
このようにすれば、1台の農業機械から、変更後の自動運転中の実績データを更に収集できるので、農業機械の実績データをより効率的に収集することができる。
(3) 本実施形態の管理装置において、前記非自動運転は、人間が前記農業機械を直接的に操縦する手動運転、及び、操作端末を用いて前記農業機械を遠隔で操縦する遠隔運転のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
この場合、1台の農業機械から、自動運転中の実績データの他に、手動運転中の実績データ及び遠隔運転中の実績データのうちの少なくとも1つを収集できるようになる。
(4) 本実施形態の管理装置において、前記記憶装置は、前記自動運転計画に従う自動運転の期間、前記手動運転の期間、前記遠隔運転の期間、及び前記変更後の自動運転の期間のうちのいずれの期間に収集されたかを識別可能となるように前記実績データが蓄積されるデータベースを有していてもよい。
このようにすれば、収集された実績データを運転モードごとに識別できるので、例えば、どの運転モードでの作業が最適であったかなどの分析又は研究を行い易くなる。
(5) 本実施形態の管理装置において、前記手動運転の前記介入は、人間の直接操作の検出を条件としてもよい。
その理由は、手動運転では人間が適切に作業車両を操縦すると考えられるので、直接操作の検出のみを契機としていきなり手動運転に切り替えても特に支障がないからである。
(6) 本実施形態の管理装置において、前記手動運転の前記介入の解除は、前記直接操作の所定時間にわたる非検出、自動運転が可能な状態、及び前記農業機械の稼働の停止を条件としてもよい。
この場合、手動運転の介入の解除条件に農業機械の稼働の停止が含まれるので、走行中に手動運転を解除して自動運転に切り替える場合に比べて、手動運転から自動運転へのスムーズな切り替えが実現される。
(7) 本実施形態の管理装置において、前記遠隔運転の介入は、遠隔開始要求の受信、通信状態の安定、及び前記農業機械の稼働の停止を条件としてもよい。
その理由は、遠隔運転は手動運転と異なり、操作端末の操作時点から農業機械による実際の動作開始までに遅延が生じる可能性があるので、通信状態の安定と農業機械の稼働の停止を介入の条件に入れるべきだからである。
(8) 本実施形態の管理装置において、前記遠隔運転の前記介入の解除は、遠隔終了要求の受信、自動運転が可能な状態、及び前記農業機械の稼働の停止を条件としてもよい。
この場合、遠隔運転の介入の解除条件に農業機械の稼働の停止が含まれるので、走行中に遠隔運転を解除して自動運転に切り替える場合に比べて、遠隔運転から自動運転へのスムーズな切り替えが実現される。
(9) 本実施形態の管理装置において、前記記憶装置は、前記自動運転計画の作成に必要な計画用データを更に記憶し、前記処理装置は、前記介入又は前記変更要求があった後に前記計画用データの更新を実行した場合に、更新後の前記計画用データを今後に作成する前記自動運転計画の作成に使用してもよい。
このようにすれば、更新後の正しい計画用データを用いて自動運転計画が作成されるので、誤った自動運転計画の作成を未然に防止することができる。
(10) 本実施形態の管理装置において、前記計画用データは、前記運転モードが変化してもデータ内容が変化しない静的データと、前記運転モードが変化するとデータ内容が変化し得る動的データと、を含み、前記処理装置は、前記動的データを前記介入又は前記変更要求があった場合の更新対象としてもよい。
その理由は、運転モードが変化してもデータ内容が変化しない静的データについては、更新対象とする必要がないからである。
(11) 本実施形態の管理装置において、前記静的データは、農場の設備データ、前記農場の利用計画、及び前記農場の農機情報のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
その理由は、これらのデータは、管理装置のユーザが定める設定情報であるため、動作モードの変化に影響されないからである。
(12) 本実施形態の管理装置において、前記動的データは、前記農業機械の現況を表すデータ、及び前記自動運転計画を構成するタスクの進行状況を表すデータのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
その理由は、農業機械の現況やタスクの進行状況は移動経路及び作業の順序が変わると変化するので、運転モードが変化するとデータ内容が変化し得るデータであると言えるからである。
(13) 本実施形態に係る方法は、上述の(1)から(12)の管理装置において実行される管理方法である。従って、本実施形態の管理方法は、上述の(1)から(12)の管理装置と同様の作用効果を奏する。
(14) 本実施形態に係るコンピュータプログラムは、上述の(1)から(12)の管理装置としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラムである。従って、本実施形態のコンピュータプログラムは、上述の(1)から(12)の管理装置と同様の作用効果を奏する。
(15) 本実施形態の管理システムは、運転モードに自動運転と手動運転が含まれる農業機械と、前記農業機械と通信する管理装置と、を備える農業機械の管理システムであって、前記管理装置は、前記農業機械のための自動運転計画を前記農業機械に送信し、 前記農業機械は、前記自動運転計画に従った自動運転中に手動運転への介入があった場合に、当該手動運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した手動運転中の前記実績データを自身の記憶装置に記憶させる。
本実施形態の管理システムによれば、運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械が、自動運転計画に従った自動運転中に手動運転への介入があった場合に、当該手動運転中に収集した自機の実績データを管理装置に送信し、管理装置が、受信した手動運転中の実績データを自身の記憶装置に記憶させるので、1台の農業機械から、自動運転中の実績データと手動運転中の実績データの双方を収集できる。従って、運転モードの変更が可能な農業機械の実績データを効率的に収集することができる。
(16) 本実施形態の管理システムにおいて、前記運転モードは、更に、遠隔運転を含み、前記管理システムは、更に、前記農業機械と通信して当該農業機械に遠隔運転を実行させる遠隔端末を含み、前記農業機械は、前記自動運転計画に従った自動運転中に遠隔運転の介入があった場合に、当該遠隔運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した遠隔運転中の前記実績データを自身の前記記憶装置に記憶させてもよい。
このようにすれば、1台の農業機械から、遠隔運転中の実績データを更に収集できるので、農業機械の実績データをより効率的に収集することができる。
(17) 本実施形態の管理システムにおいて、前記遠隔端末は、自動運転の変更要求を前記農業機械に送信可能であり、前記農業機械は、前記自動運転計画に従った自動運転中に受信した前記変更要求により実行した変更後の自動運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、前記管理装置は、受信した変更後の自動運転中の前記実績データを自身の前記記憶装置に記憶させてもよい。
このようにすれば、1台の農業機械から、変更後の自動運転中の実績データを更に収集できるので、農業機械の実績データをより効率的に収集することができる。
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
〔用語の定義〕
本実施形態の詳細を説明するに当たり、まず本明細書で用いる用語を定義する。
「農作業」:農業機械が圃場内の地面に対して行う作業のことである。「対地作業」又は単に「作業」ともいう。農作業には、例えば、耕耘、播種、防除、施肥、作物の植え付け、及び収穫などが含まれる。
「農業機械」:農業用途で使用される機械のことであり、「農機」と略記されることがある。農業機械には、例えば、トラクタ、収穫機、田植機、乗用管理機、野菜移植機、草刈機、播種機、施肥機、及び農業用移動ロボットなどが含まれる。
トラクタでは、作業車両が単独で農業機械として機能する場合だけでなく、作業車両に装着される作業器具(インプルメント)と作業車両の全体が一つの農業機械として機能する場合がある。
「作業車両」:圃場に対して農作業を行うことができる車両のことである。
「作業器具」:作業車両に着脱自在に装着される器具であって、作業車両に牽引されつつ農作業を行う器具のことである。「インプルメント」ともいう。
「作業走行」:農業機械が作業を実行しつつ走行することである。作業走行は、運転モードの相違に関係なく実行され得る。
「圃場間移動」:農業機械が作業を実行せずに、圃場間の一般道又は農道などに沿って移動することである。圃場間移動は、運転モードの相違に関係なく実行され得る。圃場間移動には、出発地、経由地又は到着地として、納屋又は倉庫が含まれ得る。
「運転モード」:ユーザの嗜好などに合わせて農業機械の運転方法が切り替え可能である場合において、農業機械に選択され得る個々の運転方法を運転モードという。
農業機械が実行し得る運転モードは、農業機械の機種又は型式などによって様々であるが、後述の手動運転、遠隔運転、及び自動運転が含まれ得る。
「手動運転」:人間が農業機械を直接的に操縦する運転である。作業車両に搭乗した人間がインプルメントを操縦することも、手動運転に含まれる。
「手動走行」と「手動操舵」:農業機械が手動運転により走行することを手動走行といい、農業機械が手動運転により操舵されることを手動操舵という。手動走行と手動操舵は、手動運転の概念に含まれる。
「自動運転」:農業機械の制御装置が農業機械を操縦する運転である。自動運転では、制御装置は、走行の開始及び停止、自動操舵、及び速度調整などの制御を行う。作業車両では、インプルメントの昇降及び作業の開始及び停止も制御され得る。
「自動走行」と「自動操舵」:農業機械が自動運転により走行することを自動走行といい、農業機械が自動運転により操舵されることを自動操舵という。自動走行と自動操舵は、自動運転の概念に含まれる。
「遠隔運転」:農業機械から離れた場所に居る人間が、操作端末(リモートコントローラ)を用いて農業機械を遠隔で操縦する運転のことである。離れた場所に居る人間が作業車両に装着されたインプルメントを遠隔で操作することも、遠隔運転に含まれる。
「遠隔走行」と「遠隔操舵」:農業機械が遠隔運転により走行することを遠隔走行といい、農業機械が遠隔運転により操舵されることを遠隔操舵という。遠隔走行と遠隔操舵は、遠隔運転の概念に含まれる。
「非自動運転」:自動運転ではない運転モードのことである。本実施形態では、手動運転と遠隔運転が非自動運転に該当する。
「目標経路」:自動運転により農業機械が進むべき経路である。目標経路の生成主体は、農業機械の制御装置及び農業機械と通信する外部装置のいずれでもよい。外部装置が生成した目標経路は、当該外部装置により農業機械宛てに送信される。
農業機械の制御装置は、目標経路に沿って農業機械が移動するように農業機械の駆動装置を制御する。これにより、制御装置は、圃場、納屋、又はインプルメントの保管場所などの目的地に向かって農業機械を移動させる。
「実績データ」:農業機械の運転に関する実績を表すデータである。実績データは、農業機械の制御装置により収集され、管理装置に上奏される。すなわち、農業機械の制御装置は、自機の実績データをリアルタイム又は所定時間ごとに管理装置宛てに送信する。
管理装置は、管理対象の農業機械から受信した実績データを、農業機械の識別情報ごとに蓄積する。実績データの内容は、作業内容により異なるが、例えば、「移動軌跡データ」、「作業実績データ」、「制御実績データ」、及び「自動運転データ」に大別される。
「移動軌跡データ」:農業機械の存在場所(現在位置)の時系列データである。
「作業実績データ」:農業機械が実行した農作業に関する情報(例えば、肥料散布量、PTO回転数など)の時系列データである。
「制御実績データ」:農業機械が有する各種のセンサデータ及び/又はアクチュエータに対する制御情報の時系列データである。
「自動運転データ」:自動運転中の農業機械の制御装置が出力する自動運転に関する制御情報の時系列データである。
「自動運転計画」:自動運転により農業機械に実行させる未来の作業内容が規定された情報である。自動運転計画は、例えば、農業機械が自動運転により実行する作業の単位であるタスクの内容、タスクの実行時間(年月日と時間帯)、及びタスクの識別情報(以下、「タスクID」ともいう。)などから構成され得る。
タスクは、圃場での作業内容だけでなく、農業機械が圃場間移動を行う場合の移動経路(「圃場間経路」ともいう。)も含まれ得る。
「計画用データ」:自動運転計画の作成又は更新などに利用されるデータである。計画用データは、例えば「静的データ」と「動的データ」に大別される。
「静的データ」:農業機械の運転モードが変化してもデータ内容が変化しない計画用データである。静的データには、例えば、農場の管理担当者などにより設定される「設備データ」、「利用計画」、「農機情報」、及び「作業コストデータ」などが含まれる。
「設備データ」:農場に含まれる圃場、納屋、及び倉庫などの不動産設備の位置情報を表す情報である。圃場の位置情報は、圃場の中心点又は隅点などの地点だけでなく、圃場の境界を特定可能な所定粒度の座標群で構成され得る。
「利用計画」:所定期間(例えば1年間)における農場の利用計画を表す情報である。利用計画は、例えば、各圃場の利用期間と、利用期間において栽培する作物の種別などから構成され得る。
「農機情報」:農場で使用できる1又は複数の農機(動産)の種類を表す情報である。農業機械の種類は、例えば、製品番号又は農機の型式などで定義される。作業車両の場合には、作業車両に装着可能でかつ実際に利用可能なインプルメントの種類も含まれる。
「作業コストデータ」:農場で行い得る各作業のコスト(例えば、所要時間)を定めたデータである。作業コストデータは、各作業の識別情報(以下、「作業ID」ともいう。)ごとの作業内容と所要時間などから構成され得る。所要時間は、人的に定義されてもよいし、設備データ及び農機情報などから管理装置が算出してもよい。
「動的データ」:農業機械の運転モードが変化するとデータ内容が変化し得る計画用データである。動的データには、「農機現況データ」、及び「残タスクデータ」などが含まれる。
「農機現況データ」:農機情報に含まれる各農機の現況を表すデータである。農機の現況としては、例えば、農業機械の現在位置、現在の運転モード、現在装着中のインプルメントの種別(トラクタの場合)などが想定され得る。
「残タスクデータ」:自動運転計画を構成するタスクの進行状況を表すデータである。残タスクデータは、例えば、タスクID、タスクIDに対応する作業ID、タスクの完了又は未完了を識別するためのステータス、及びタスクを実行すべき期間などから構成され得る。
[システムの全体構成]
図1は、農業機械の管理システムの全体構成の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の管理システム900は、作業車両100、第1端末装置400、第2端末装置500、及び管理装置600を備える。
図1では、1台の作業車両100が記載されているが、管理システム900は、1又は複数の他の作業車両100、或いは他の種類の農業機械を含んでいてもよい。
作業車両100の運転モードには、少なくとも手動運転、遠隔運転、及び自動運転の3種類が含まれる。自動運転の場合、作業車両100は、制御装置(例えば、図3の電子制御ユニット180)によって自律的に走行する。
作業車両100の制御装置は、作業車両100の内部に設けられ、作業車両100の速度及び操舵を制御可能である。
従って、自動運転モードの作業車両100は、無人で走行して圃場内と圃場外(道路を含む。)の双方における作業と通行が可能である。
遠隔運転の場合、作業車両100は、第2端末装置500のユーザ510による遠隔操作に応じて作業走行又は圃場間移動を行う。遠隔端末500に接続される操作装置540のインタフェースは、ユーザ510による遠隔操作が運転席での手動運転とほぼ同じになるように構成される。
管理装置600は、例えば、管理システム900を運営する事業者(例えば、農業機械メーカー又は情報関連企業など)が管理するサーバコンピュータである。以下、管理装置600を「管理サーバ600」という。
管理サーバ600は、農業機械に関連するデータを一元的に管理し、当該データを活用した農作業の支援を行う。管理サーバ600は、第1端末装置400から受信した情報を用いて、作業車両100などの農業機械に実行させる自動運転計画を作成可能である。
第1端末装置400は、作業車両100を遠隔で管理するユーザ(以下、「管理ユーザ」という。)410が使用するコンピュータである。以下、第1端末装置400を「管理端末400」という。
管理ユーザ410は、例えば、農場の管理担当者である。管理端末400は、例えば、デスクトップPCなどの据え置き型のコンピュータである。管理端末400は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、又はラップトップコンピュータなどのモバイル端末であってもよい。
管理端末400は、自動運転計画の作成に必要な情報の設定画面をディスプレイに表示できる。管理ユーザ410が設定画面に必要な情報を入力して送信の操作を行うと、管理端末400は、入力された情報を管理サーバ600に送信する。
管理端末400は、作業車両100の監視にも使用され得る。例えば、管理端末400は、作業車両100のカメラが撮影した映像をディスプレイに表示する。管理ユーザ410は、表示された映像により作業車両100の周囲の状況を確認できる。
第2端末装置500は、作業車両100を遠隔で操作するユーザ(以下、「操作ユーザ」という。)510が使用するコンピュータである。以下、第2端末装置500を「遠隔端末500」という。
遠隔端末500は、例えば、デスクトップPCなどの据え置き型のコンピュータである。遠隔端末500は、作業車両100の搭乗者とほぼ同等の操作を操作ユーザ510に実現する操作装置540を備える。操作装置540は、作業車両100の操作端末200及び操作スイッチ群210(図4参照)などを含んでいてもよい。
図1では、管理端末400と遠隔端末500が別の場所に設置されているが、これらは同じ建物の室内に存在してもよい。この場合、管理ユーザ410と操作ユーザ510は同一人物であってもよい。
図1では、管理端末400と遠隔端末500が別個のコンピュータであるが、管理端末400と遠隔端末500は、それらの機能を総合的に実行できる1台のコンピュータであってもよい。
〔作業車両の構造例〕
図2は、作業車両100とインプルメント300の構造例を示す側面図である。
図2に示すように、作業車両100は、車両本体101、原動機(エンジン)102、及び変速装置(トランスミッション) 103を備える。
車両本体101は、タイヤ(車輪)104とキャビン105とを備える。タイヤ104は、左右一対の前輪104Fと、左右一対の後輪104Rとを含む。前輪104F及び後輪104Rの一方又は両方はクローラであってもよい。
キャビン105の内部には、操舵装置106、運転席107、操作端末200(図4参照)、及び操作用のスイッチ群210(図4参照)が搭載される。
作業車両100は、複数のカメラ120を備える。カメラ120は、例えば作業車両100の前後左右の各所に設けられる。カメラ120は、作業車両100の周囲の環境を撮影して画像データを生成する。
カメラ120が生成した画像データは、管理端末400及び遠隔端末500にそれぞれ送信される。
画像データは、例えば無人運転などの際に、ユーザ410,510が作業車両100を監視又は操作するために用いられる。画像データは、道路上の白線、標識、表示、又は周辺の障害物などを画像認識するための元データとしても使用される。
作業車両100は、例えばキャビン105の上部に、GNSS受信機を含む測位装置110を備える。GNSS受信機は、GNSSの衛星信号を受信するアンテナと、受信信号に基づいて作業車両100の位置を計算するプロセッサとを備える。
GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS (Quasi-Zenith Satellite System:例えば「みちびき」)、GLONASS(ロシア)、Galileo(欧州)、及びBeiDou(中国)等の衛星測位システムの総称である。
測位装置110は、慣性計測装置(IMU)を備える。IMUは、作業車両100の傾き及び微小な動きを計測する。IMUの計測データを用いて衛星信号に基づく位置データを補完すれば、測位精度を向上できる。
作業車両100は、LiDARセンサ140を備える。LiDARセンサ140は、例えば車両本体101の前面下部に設置される。LiDARセンサ140は、他の位置に設けられていてもよい。
LiDARセンサ140は、作業車両100の走行中に、周囲の環境に存在する物体における各計測点の距離及び方向、又は各計測点の2次元もしくは3次元の座標値を示すセンサデータを繰り返し出力する。
LiDARセンサ140から出力されたセンサデータは、作業車両100の制御装置によって処理される。
作業車両100の制御装置は、例えばSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのアルゴリズムを利用して、センサデータに基づく環境地図の生成などを実行可能である。LiDARセンサ140のセンサデータは、障害物の検出にも使用される。
測位装置110は、カメラ120又はLiDARセンサ140が取得したデータを測位に利用してもよい。
作業車両100の周囲にランドマークとなる地物が存在する場合、カメラ120又はLiDARセンサ140が取得したデータと、記憶装置に記録された環境地図とに基づいて、作業車両100の位置を高い精度で推定できる。
作業車両100は、複数の障害物センサ130を備える。障害物センサ130は、自動走行において周囲の障害物を検出するためのセンサであり、図2の例では、キャビン105の前方及び後方に障害物センサ130が設置されている。
障害物センサ130は、他の部位にも配置してもよい。例えば、車両本体101の側部、前部、及び後部の任意の位置に、1つ又は複数の障害物センサ130を設けてもよい。
原動機102は、例えばディーゼルエンジンである。原動機102としては、ディーゼルエンジンに代えて又は当該エンジンに加えて電動モータを採用することもできる。
変速装置103は、変速段の切り替えにより作業車両100の推進力と移動速度を変化させる変速機である。変速装置103は、作業車両100の前進と後進とを切り換えることもできる。
操舵装置106は、ステアリングホイール、ステアリングシャフト、及び、搭乗者による操舵を補助するパワーステアリング装置を含む。
前輪104Fが操舵輪である場合、ステアリングホイールの回転に応じて前輪104Fの切れ角(「操舵角」とも称する。)が変化し、作業車両100の走行方向が変化する。パワーステアリング装置は、アシスト力を生成する油圧装置又は電動モータを含み、自動操舵の場合には、油圧装置又は電動モータにより操舵角が自動的に調整される。
車両本体101の後部には、連結装置108が設けられる。連結装置108は、3点支持装置(「3点リンク」又は「3点ヒッチ」ともいう。)、PTO(Power Take-Off)軸、ユニバーサルジョイント、及び通信ケーブルを含む。
連結装置108には、インプルメント300を着脱可能である。連結装置108は、例えば油圧装置により3点リンクを昇降させ、インプルメント300の位置又は姿勢を変化させる。ユニバーサルジョイントによりインプルメント300に動力を伝達してもよい。
作業車両100は、インプルメント300を牽引しながら、インプルメント300に所定の作業を実行させる。連結装置108は、車両本体101の前方に配置してもよい。この場合、作業車両100の前方にインプルメントが接続される。
図2では、インプルメント300としてロータリ耕耘機が例示されている。インプルメント300は、耕耘機に限らず、ジープ(播種機)、スプレッダ(施肥機)、移植機、モーア(草刈機)、レーキ、ベーラ(集草機)、ハーベスク(収穫機)、スプレイヤ、又はハローなどであってもよい。
〔作業車両の車内通信システム〕
図3は、作業車両100の車内通信システムの構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、作業車両100は、連結装置108に含まれる通信ケーブル(破線矢印)を介して、インプルメント300と通信する。作業車両100は、ネットワーク800を介して、管理端末400、遠隔端末500、及び管理サーバ600とも通信することができる。
作業車両100は、測位装置110、カメラ120、障害物センサ130、LiDARセンサ140、自車両の動作状態を検出するセンサ群150、制御システム160、及び通信装置190を備える。これらの構成要素は、バスにより通信可能に接続される。
作業車両100は、更に、操作端末200、操作スイッチ群210、ブザー220、状態検出装置230、及び駆動装置240を備える。これらの構成要素も、バスにより通信可能に接続される。
測位装置110は、GNSS受信機111と、RTK受信機112と、慣性計測装置(IMU)115と、処理回路116とを含む。センサ群150は、ホイールセンサ152と、切れ角センサ154と、車軸センサ156とを含む。
制御システム160は、記憶装置170と、制御装置180とを含む。制御装置180は、複数の電子制御ユニット(ECU)181~186を含む。インプルメント300は、駆動装置340と、制御装置380と、通信装置390とを備える。
測位装置110のGNSS受信機111は、複数のGNSS衛星から送信される衛星信号を受信し、衛星信号に基づいてGNSSデータを生成する。
GNSSデータは、例えばNMEA0183などの所定フォーマットで生成され、衛星の識別番号、仰角、方位角、及び受信強度などを示す値を含む。測位装置110は、例えばRTK(Real-Time Kinematic)-GNSSにより測位を行う。
RTK-GNSSでは、GNSS衛星からの衛星信号に加えて、基準局(図示せず)が送信する補正信号が利用される。基準局は、作業車両100が走行する圃場の付近(例えば、作業車両100から1km以内の位置)に設置される。
基準局は、複数のGNSS衛星の衛星信号に基づいて、例えばRTCMフォーマットの補正信号を生成して測位装置110に送信する。
RTK受信機112は、アンテナ及びモデムを含み、基準局から補正信号を受信する。処理回路116は、補正信号を用いてGNSS受信機111による測位結果を補正する。RTK-GNSSを採用すれば、誤差が数cm以内の精度の測位が可能となる。
測位結果の位置情報は、緯度、経度及び高度の数値データを含み、RTK-GNSSによる測位によって生成される。測位装置110は、例えば1秒間に1回から10回程度の頻度で、作業車両100の位置を計算する。
測位方法は、RTK-GNSSの他、比較的高精度な位置情報が得られる測位方法(干渉測位法や相対測位法など)を用いてもよい。
例えば、測位装置110は、VRS (Virtual Reference Station)又はDGPS(Deferential Global Positioning System)を利用した測位を行ってもよい。基準局の補正信号なしで必要な位置精度が確保できる場合、補正信号を用いずに位置情報を生成してもよい。この場合、測位装置110にRTK受信機112を設けなくてもよい。
IMU115は、3軸加速度センサ及び3軸ジャイロスコープを含む。IMU115は、3軸地磁気センサなどの方位センサを含んでもよい。IMU115は、作業車両100の加速度、速度、変位、及び姿勢などの諸元を示す信号を出力する。
処理回路116は、衛星信号及び補正信号だけでなく、IMU115の出力信号を用いることにより、作業車両100の位置及び向きをより高精度で推定可能である。このように、IMU115の出力信号は、作業車両100の位置の補正又は補完に使用される。
このため、図3の例では、処理回路116は、GNSS受信機111、RTK受信機112、及びIMU115の出力信号に基づいて作業車両100の位置を計算できる。
処理回路116は、更に、カメラ120又はLiDARセンサ140が取得したデータに基づいて、作業車両100の位置を推定又は補正してもよい。カメラ120又はLiDARセンサ140が取得したデータを利用することにより、測位の精度をさらに高めることができる。
カメラ120は、作業車両100の周囲の環境を撮影する撮像装置である。カメラ120は、CCD (Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などのイメージセンサと、1つ以上のレンズを含む光学系と、信号処理回路とを備える。
カメラ120は、作業車両100の走行中に、作業車両100の周囲の環境を撮影し、画像(例えば動画)データを生成する。
カメラ120は、例えば3fp s(frames per second)以上のフレームレートで動画を撮影する。カメラ120が生成した画像データは、管理端末400又は遠隔端末510に送信される。
このため、管理ユーザ410又は操作ユーザ510は、作業車両100の周囲の環境を確認することができる。カメラ120が生成した画像データは、測位又は障害物の検出に利用されてもよい。
図2に例示する作業車両100は、複数のカメラ120を作業車両100の異なる位置に備えるが、単数のカメラのみを備えていてもよい。
可視光画像を生成する可視カメラと、赤外線画像を生成する赤外カメラとが別々に設けられていてもよい。可視カメラと赤外カメラの両方が監視用の画像を生成するカメラとして設けられていてもよい。赤外カメラは、夜間において障害物の検出にも用いられ得る。
障害物センサ130は、作業車両100の周囲に存在する物体を検出する。障害物センサ130は、例えばレーザスキャナ又は超音波ソナーを備える。障害物センサ130は、自身から比較的近い物体の存在を表す信号を出力する。
複数の障害物センサ130は、作業車両100の異なる位置に設けてもよい。例えば、複数のレーザスキャナと複数の超音波ソナーを異なる位置に配置してもよい。このようにすれば、作業車両100の周囲の死角を減らすことができる。
ホイールセンサ152は、作業車両100のステアリングホイールの回転角を計測し、切れ角センサ154は、操舵輪(前輪104F)の切れ角を計測する。
ホイールセンサ152及び切れ角センサ154の計測値は、制御装置180の操舵制御に利用される。
車軸センサ156は、軸端部にタイヤ104が接続される車軸の回転速度、すなわち単位時間当たりの回転数を計測する。
車軸センサ156は、例えば磁気抵抗素子(MR)、ホール素子、又は電磁ピックアップを利用したセンサを採用し得る。車軸センサ156は、例えば、1分あたりの回転数(単位:rpm)を示す数値を出力する。車軸センサ156は、作業車両100の速度を計測するために使用される。
駆動装置240は、原動機102、変速装置103、操舵装置106、及び連結装置108などの、作業車両100の走行及びインプルメント300の駆動に必要な各種の装置を含む。原動機102は、例えばディーゼル機関などの内燃機関を備える。
駆動装置240は、内燃機関に代えて、あるいは内燃機関とともに、トラクション用の電動モータを備えていてもよい。
ブザー220は、異常を報知するための警告音を発する音声出力装置である。音声出力装置は、スピーカであってもよい。
ブザー220は、例えば、自動運転時に、障害物が検出された場合に警告音を発する。ブザー220は、制御装置180によって制御される。
状態検出装置230は、インプルメント300の装着状態、インプルメント300の劣化、作業車両100の部品の劣化、又は資材の不足を検出するための1つ以上のセンサを備える装置である。
1つ以上のセンサは、例えば、インプルメント300、作業車両100の部品、又は農作業で消費される資材を撮像できるように配置されたイメージセンサ、及び資材の残量を計測するセンサの少なくとも一方を含み得る。
記憶装置170は、フラッシュメモリ又は磁気ディスクなどの1つ以上の記憶媒体を含む。記憶装置170は、測位装置110、カメラ120、障害物センサ130、センサ群150、状態検出装置230、及び制御装置180が生成する各種のデータを記憶する。
記憶装置170が記憶するデータには、作業車両100が走行する環境内の地図データである環境地図、及び自動運転における目標経路のデータが含まれる。
環境地図は、作業車両100が農作業を行う複数の圃場及びその周辺の道路の情報を含む。環境地図及び目標経路は、制御装置180が自身で生成してもよいし、管理サーバ600のプロセッサ660が生成してもよい。
記憶装置170は、通信装置190が管理サーバ600などから受信した自動運転計画(以下、単に「計画」と略記することがある。)も記憶する。
自動運転計画は、複数の作業日にわたり作業車両100が実行する複数の農作業を示す情報を含んでいてもよい。記憶装置170は、制御装置180の各ECUに各種の動作を実行させるコンピュータプログラムも記憶する。
かかるコンピュータプログラムは、記憶媒体(例えば半導体メモリ又は光ディスク等)又は電気通信回線(例えばインターネット)を介して作業車両100に提供され得る。
制御装置180は、例えば次の複数のECUを含むECU群で構成される。
1)速度制御用のECU181
2)ステアリング制御用のECU182
3)インプルメント制御用ECU183
4)自動運転制御用のECU184
5)経路作成用のECU185
6)状態推定用のECU186
ECU181は、駆動装置240に含まれる原動機102、変速装置103、及びブレーキを制御する。これにより、作業車両100の速度が調整される。
ECU181は、速度変更の指令値に基づいて原動機102、変速装置103、又はブレーキを制御し、作業車両100の速度を変化させる。
ECU182は、ホイールセンサ152の計測値に基づいて、操舵装置106に含まれる油圧装置又は電動モータを制御する。これにより、操舵輪の操舵角が調整される。
ECU182は、操舵角変更の指令値に基づいて操舵装置106を制御し、操舵角を変化させる。
ECU183は、インプルメント300に所望の動作を実行させるため、連結装置108に含まれる3点リンク及びPTO軸などの動作を制御する。
ECU183は、インプルメント300の動作を制御する信号を生成し、その信号を通信装置190からインプルメント300に送信する。
ECU184は、測位装置110、ステアリングホイールセンサ152、切れ角センサ154、及び車軸センサ156などの出力信号に基づいて、自動運転を実現するための演算及び制御を行う。
自動運転中において、ECU184は、ECU181に速度変更の指令値を送信し、ECU182に操舵角の変更指令値を送信する。ECU184は、駆動装置240を制御して、目標経路に沿って作業車両100を走行させる。
ECU185は、自動運転計画に作業車両100の目標経路が含まれる場合は、その情報を記憶装置170に記録する。
ECU185は、自動運転計画に出発地と目的地が含まれる場合、或いは、自動運転計画に作業車両100の目標経路が含まれない場合は、記憶装置170に格納された道路情報を含む環境地図に基づいて、例えば最短時間で目的地に到達する経路を目標経路として算出し、その情報を記憶装置170に記録する。
ECU186は、状態検出装置230の出力信号に基づいて、作業車両100又はインプルメント300の状態を推定し、準備作業が必要であるか否かを決定する。
ECU186は、準備作業が不要と決定すると、自動運転及び遠隔運転が可能な状態であると判断する。すなわち、ECU186は、自動運転計画の受信、及び遠隔運転のリクエストの受信を許容する。
上記の各ECU181~186の協働により、制御装置180は、自動運転、目標経路の作成、及び他の装置との通信を実行可能となる。
自動運転時において、制御装置180は、測位装置110によって計測又は推定された作業車両100の位置と、記憶装置170に記憶された目標経路に基づいて、駆動装置240を制御する。これにより、制御装置180は、作業車両100を目標経路に沿って走行させることができる。
制御装置180に含まれる複数のECU181~186は、CAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに従って通信する。CANに代えて、車載イーサネット(登録商標)などの、より高速の通信方式が用いられてもよい。
図3では、複数のECU181~186が個別のブロックで示されているが、これらのそれぞれの機能を1つのECUに纏めてもよい。また、複数のECU181~186の少なくとも一部の機能を統合した車載コンピュータが設けられていてもよい。
通信装置190は、例えばISOBUS規格に準拠した信号の送受信を、インプルメント300の通信装置390との間で実行する通信インタフェースを含む。
これにより、インプルメント300に所望の動作を実行させたり、インプルメント300から情報を取得したりすることができる。
通信装置190は、ネットワーク800を介した信号の送受信を、管理端末400、遠隔端末500、及び管理サーバ600のそれぞれの通信装置との間で実行する通信インタフェースも含む。
ネットワーク800には、例えば、3G、LTE又は5Gなどのセルラー移動体通信網、及びインターネットが含まれる。
操作端末200は、作業車両100の走行及びインプルメント300に関する操作を実行するための端末である。バーチャルターミナル(VT)ともいう。
操作端末200は、例えば、タッチスクリーンなどの表示装置、及び/又は1つ以上の操作ボタンを備える、タブレット型の端末装置である。表示装置は、例えば液晶又は有機発光ダイオード(OLED)などのディスプレイである。
搭乗者は、操作端末200により、自動運転モードのオン/オフの切り替え、環境地図の記録又は編集、目標経路の設定、及びインプルメント300のオン/オフの切り替えなどの種々の操作を実行することができる。
これらの操作の少なくとも一部は、操作スイッチ群210に対する操作でも行える。操作端末200は、作業車両100から着脱自在に構成することもできる。この場合、取り外された操作端末200は、近距離の通信方式により通信装置190と通信する。
このため、作業車両100から取り外した操作端末200を使用すれば、作業車両100から離れた場所に居る操作ユーザ510が、作業車両100を遠隔操作できる。
従って、作業車両100を遠隔で操作するユーザには、遠隔端末500を利用する操作ユーザ510だけでなく、作業車両100から取り外した操作端末200により作業車両100を遠隔で操作するユーザも該当し得る。
インプルメント300の駆動装置340は、インプルメント300が所定の作業を実行するために必要な動作を行う。駆動装置340は、例えば油圧装置、電気モータ、又はポンプなどの、インプルメント300の用途に応じた装置を含む。
制御装置380は、駆動装置340の動作を制御する。制御装置380は、通信装置390を介して作業車両100から送信された信号に応答して、駆動装置340に各種の動作を実行させる。
〔バーチャルターミナルの構造例〕
図4は、キャビン105の内部に設置される、操作端末200及び操作スイッチ群210の一例を示す斜視図である。キャビン105の内部には、ユーザが操作可能な複数のスイッチを含むスイッチ群210が配置される。
操作スイッチ群210は、主変速又は副変速の変速段の選択スイッチ、自動運転モードと手動運転モードなどのモード切り替えスイッチ、前進と後進を切り替える前後スイッチ、及びインプルメント300を上昇又は下降させる昇降スイッチなどを含む。
〔管理装置、管理端末、及び遠隔端末の内部構成〕
図5は、管理サーバ600、管理端末400、及び遠隔端末500の内部構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、管理サーバ600は、記憶装置650、プロセッサ(処理装置)660、ROM(Read Only Memory)670、RAM(Random Access Memory)680、及び通信装置690を備える。これらの構成要素はバスを介して通信可能に接続される。
記憶装置650は、主としてデータベースのストレージとして機能する、例えば磁気記憶装置又は半導体記憶装置である。磁気記憶装置の一例はハ-ドディスクドライブ(HDD)であり、半導体記憶装置の一例はソリッドステートドライブ(SSD)である。
記憶装置650は、管理サーバ600の筐体と分離した別個の装置であってよい。例えば、記憶装置650は、管理サーバ600にネットワーク800を介して接続される記憶装置、例えばグラウトストレージであってもよい。
プロセッサ660は、例えば、中央演算処理装置(CPU)を有する集積回路である。具体的には、プロセッサ660は、CPUの他に、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、ACIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、或いはそれらの中から選択される2以上の集積回路の組み合わせを含む。プロセッサ660は、ROM670に格納されたコンピュータプログラムを実行し、所定の処理を実現する。
ROM670は、例えば、書き込み可能なメモリ(例えばPROM)、書き換え可能なメモリ(例えばフラッシュメモリ)、又は読み出し専用のメモリである。
ROM670は、プロセッサ660の動作を制御するプログラムを記憶する。ROM670は、単一の記憶媒体に限らず複数の記憶媒体の集合体であってもよい。複数の記憶媒体の集合体の一部は、取り外し可能なメモリであってもよい。
RAM680は、ROM670に格納されたコンピュータプログラムを起動時にいったん展開する作業領域を提供する。RAM680は、単一の記憶媒体に限らず複数の記憶媒体の集合体であってもよい。
通信装置690は、ネットワーク800を介して作業車両100、管理端末400、及び遠隔端末500と通信するための通信モジュールである。
通信装置690は、例えば、IEEE1394(登録商標)又はイーサネット(登録商標)などの通信規格に準拠した有線通信が可能である。
通信装置690は、Bluetooth (登録商標)規格もしくはWi-Fi規格に準拠した無線通信、又は、3G、4Gもしくは5Gなどのセルラー移動体通信を行ってもよい。
図5に示すように、記憶装置660には、実績データベースDB1と計画データベースDB2が含まれる。
実績データベースDB1は、作業車両100などの農業機械から受信した実績データの格納領域である。実績データは、例えば、農業機械の識別情報ごとに区分されて実績データベースDB1に格納される。計画データベースDB2は、自動運転計画の作成に必要となる計画用データの格納領域である。計画用データは、例えば、静的データと動的データとに区分されて計画データベースDB2に格納される。
図5に示すように、管理端末400は、入力装置420、表示装置430、記憶装置450、プロセッサ(処理装置)460、ROM470、RAM480、及び通信装置490を備える。これらの構成要素はバスを介して通信可能に接続される。
入力装置420は、管理ユーザ410の入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネルなどである。表示装置430は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
管理端末400のプロセッサ460、ROM470、RAM480、記憶装置450、及び通信装置490の内容は、管理サーバ600の場合とほぼ同様であるから、詳細な説明を省略する。
図5に示すように、遠隔端末500は、入力装置520、表示装置530、記憶装置550、プロセッサ(処理装置)560、ROM570、RAM580、及び通信装置590を備える。これらの構成要素はバスを介して相互に通信可能に接続される。
入力装置520は、操作ユーザ510の入力操作を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、又はタッチパネルなどである。表示装置530は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
遠隔端末500のプロセッサ560、ROM570、RAM580、記憶装置550、及び通信装置590の内容は、管理サーバ600の場合とほぼ同様であるから、詳細な説明を省略する。
遠隔端末500には、作業車両100の遠隔操作に使用する操作装置540が接続される。操作装置540は、作業車両100に対する実際の運転操作のエミュレータであり、手動運転と同等又は類似する操作デバイス(ステアリングなど)を有する。
また、操作装置540は、操作端末200及び操作スイッチ群210と同等の操作が可能なインタフェースも備える。従って、遠隔端末500を使用する操作ユーザ510は、遠隔操作による手動運転と自動運転の変更指示などを行うことができる。
〔自動運転計画の作成手順〕
図6は、自動運転計画Pの作成に必要な情報の設定画面40と情報処理の一例を示す説明図である。
図6の設定画面40は、管理ユーザ410による設定情報の入力を受け付けるために、管理端末400の表示装置430に表示される。具体的には、管理サーバ600のプロセッサ660は、ログイン済みの管理端末400からの作成要求に応じて、図6の設定画面40の表示を管理端末400に指示する。
図6に示すように、設定画面40には、例えば、日付表示部41、農場地図42、利用計画43、農機情報44、及び登録ボタン45などの項目が含まれる。
日付表示部41は、設定画面40を開いた当日の日付が表示される項目である。農場地図42は、管理ユーザ410が管理する農場に含まれる不動産(例えば、圃場、納屋、及び農機倉庫など)のデジタル地図が表示される項目である。
管理サーバ600の記憶装置650は、管理ユーザ410が管理する農場の設備データが記録された設備テーブルT1を記憶する。設備テーブルT1は、図6とは別の設定画面により予め管理サーバ600の記憶装置650に登録される。
この場合、管理サーバ600のプロセッサ660は、設備テーブルT1に含まれる各設備の位置情報を管理端末400に送信する。管理端末400のプロセッサ460は、受信した位置情報に対応するデジタル地図を地図配信サーバなどから取得し、取得したデジタル地図を農場地図42の枠内に表示させる。
設備テーブルT1は、例えば、所定の場所IDごとに「ラベル」と「ラベル位置」が定義されるマトリックス形式のデータである。「ラベル」は、農場に含まれる不動産の種別を表し、「ラベル位置」は不動産の位置情報(GNSS座標)を表す。
納屋及び農業倉庫のラベル位置には、GNSS座標値(緯度値及び経度値など)が記される。圃場のラベル位置には、圃場の外延を表す境界線を特定可能な一連の座標群が記される、一連の座標群は、例えば、圃場の外延に沿って所定間隔おきに並ぶ点群のGNSS座標値(緯度値及び経度値など)により構成される。
利用計画43は、管理ユーザ410が想定する農場の利用計画を定義するための項目である。利用計画43には、例えば、農場に含まれる圃場A~Dの利用期間と、利用期間以内に各圃場A~Dで栽培する作物の種別などが含まれる。
図6の例では、圃場Aで栽培する作物として「トマト」が設定され、圃場B,C,Dで栽培する作物として「コシヒカリ」が設定されている。
農機情報44は、農場で使用できる農機の種別(トラクタ100及び田植機など)と、トラクタ100に装着可能なインプルメント300を設定する項目である。登録ボタン45は、入力された設定情報の送信を指令するボタンである。
利用計画43と農機情報44に入力された設定情報は、管理サーバ600に送信される。管理サーバ600のプロセッサ660は、受信した設定情報に基づいて、管理ユーザ410が策定した利用計画43に即して、農機情報44で定義された各農機についての自動運転計画Pを作成する。
管理サーバ600のプロセッサ660は、作成した各農機の自動運転計画Pをいったん記憶装置650の計画データベースDB2に格納する。
管理サーバ600のプロセッサ660は、所定の農機IDの農業機械からの送信要求に応じて、記憶装置650から送信元の農械IDに関連する自動運転計画Pを計画データベースDB2から抽出し、抽出した自動運転計画Pを当該農機IDに宛てて送信する。
図6に示すように、管理サーバ600のプロセッサ660が行う自動運転計画Pの作成処理には、次の第1処理から第4処理が含まれる。
第1処理:作業コストテーブルT2の作成
第2処理:農機現況テーブルT3の作成
第3処理:残タスクテーブルT4の作成
第4処理:自動運転計画Pの算出
以下、第1処理から第4処理の内容を説明する。
(第1処理)
第1処理は、管理ユーザ410が設定した利用計画43、農機情報44、及び設備データ(設備テーブルT1)に基づいて、農場で行い得る各作業のコストに関する作業コストデータを纏めた「作業コストテーブルT2」を作成する処理である。
図7は、作業コストテーブルT2の一例を示す図である。図7に示すように、作業コストテーブルT2は、例えば、作業IDごとに「ラベル」、「作業」、「所要時間」、「農機制約」、及び「天候制約」が定義されるマトリックス形式のデータよりなる。
作業コストテーブルT2において、「ラベル」には、設備テーブルT1のラベルに含まれる不動産の種別が記される。「作業」には、利用計画43で設定された作物の栽培に必要となる、ラベルごとの作業の種別(例えば耕耘及び畝立てなど)が記される。
「所要時間」には、各作業に必要な作業時間が記される。圃場の作業時間は、設備テーブルT1から特定される圃場の面積などに基づいて算出される。「農機制約」には、作業に必要なインプルメントや農機の種別が記される。「天候制約」には、圃場での作業を実行可能な天候の種別が記される。
図7に示すように、圃場の作業IDには圃場マップMi(iは作業ID)が対応づけられる。圃場マップMiは、圃場で実施する作業の種別ごとに、作業車両100が自動運転により作業走行する場合の標準的な目標経路が定義される。
例えば、図7の例では、各圃場マップiの目標経路は次のようになる。
圃場マップM001:圃場Aを耕耘する場合の作業走行の目標経路
圃場マップM002:圃場Aを畝立てする場合の作業走行の目標経路
圃場マップM003:圃場Bを耕耘する場合の作業走行の目標経路
(第2処理)
第2処理は、管理ユーザ410が設定した農機情報44に基づいて、農機情報44に含まれる農業機械の現況に関する農機現況データを纏めた「農機現況テーブルT3」を作成する処理である。
図8は、農機現況テーブルT3の一例を示す図である。図8に示すように、農機現況テーブルT3は、例えば、農機IDごとに「種類」、「装着可能インプル」、「現在装着中のインプル」、「現在位置(GNSS位置)」、及び「現在ステータス」が定義されるマトリックス形式のデータよりなる。
農機現況テーブルT3において、「種類」には、農機情報44で設定された農機の種類が記される。「装着可能インプル」には、インプルメント300が必要な農機(トラクタ100)に装着できるインプルメント300の識別情報が記される。
「装着インプル」には、トラクタ100に現在装着中のインプルメント300の識別情報が記される。「現在位置」には、農機の現時点の位置情報が記される。「現在ステータス」には、農機の現時点の運転モード(自動運転又は遠隔運転など)が記される。装着中のインプルメント300の識別情報、農機の位置情報、及び運転モードは、管理サーバ600が、農機に問い合わせることにより取得される。
(第3処理)
第3処理は、管理ユーザ410が設定した利用計画43と作業コストデータ(作業コストテーブルT3)に基づいて、自動運転計画Pを構成するタスクの進行状況に関する残タスクデータを纏めた「残タスクテーブルT4」を作成する処理である。
図9は、残タスクテーブルT4の一例を示す図である。図9に示すように、残タスクテーブルT4は、例えば、タスクIDごとに「対応作業ID」、「ステータス」、及び「実施すべき期間」が定義されるマトリックス形式のデータよりなる。
残タスクテーブルT4において、「対応作業ID」には、タスクIDと対応づけられた作業コストテーブルT3の作業IDが記される。
「ステータス」には、タスクの完了又は未完了を識別可能な情報(例えば「済」、「選択可」又は「選択不可」)が記される。ここでは、「済」はタスクの完了を意味する。「選択可」は、タスクが未完了であるため選択可能であることを意味する。
「選択不可」は、タスクが未完了であるが、天候などの所定の制約条件のため自動運転計画に含めるタスクとしては選択できないことを意味する。
管理サーバ600のプロセッサ660は、残タスクテーブルT3におけるタスクIDのステータスを監視しており、ステータスが選択可である複数のタスクIDのうちのいずれかのタスクが完了すると、タスクが完了したタスクIDのステータスを済に変更する。
「実施すべき期間」には、タスクの開始日と終了日が記される。管理サーバ600のプロセッサ660は、利用計画43において定義される利用期間の範囲内において、タスクを実施すべき期間を決定する。例えば、管理サーバ600の記憶装置650は、作業に好適な実施時期(例えば畝立ての時期)を作物の種別ごとに記憶している。
この場合、管理サーバ600のプロセッサ660は、記憶装置650から読み出した好適な実施時期を、残タスクテーブルT4の実施すべき期間に記す期間として採用する。
(第4処理)
第4処理は、設備データ(設備テーブルT1)、農機現況データ(農機現況テーブルT3)、及び残タスクデータ(残タスクテーブルT4)に基づいて、各農機IDの自動運転計画Pを算出する処理である。
図10は、1つの農機に関する自動運転計画Pの一例を示す図である。図10に示すように、農機(ここでは農機IDが「001」であるとする。)の自動運転計画Pは、例えば、「年月日」、「時間」、「作業内容」、及び「対応タスクID」が定義されるマトリックス形式のデータよりなる。
自動運転計画Pにおいて、「年月日」には、農機001が自動運転を行う年月日が記される。「時間」には、農機001が自動運転を行う時間帯が記される。
「作業内容」には、農機001が行う自動運転の内容が記される。「対応タスクID」には、作業内容と対応づけられた残タスクテーブルT4のタスクIDが記される。
第4処理において、管理サーバ600のプロセッサ660は、残タスクテーブルT4のタスクを実施すべき期間内に完了させるための自動運転計画Pを算出する。
具体的には、プロセッサ660は、残タスクテーブルT4の実施すべき期間内であるとう制約条件の下で、所定の説明変数のすべての組み合わせの中から、所定のコストが最小となる組み合わせを、農機001の自動運転計画Pとする。
また、プロセッサ660は、作業に実施時期(季節など)や天候などの制約がある場合には、当該制約についても制約条件として採用する。
上記の説明変数としては、例えば、圃場間移動に要する移動時間と、作業コストテーブルT2で定義される所要時間(例えば、圃場作業の所要時間)を採用し得る。
この場合、プロセッサ660は、農機001の移動時間と所要時間との合計値が最小となる経路及び作業IDの組み合わせを、農機001の自動運転計画Pとする。
上記の説明変数として、農機の移動距離を採用することもできる。この場合、プロセッサ660は、農機の現在位置から目標地点までに通行し得るすべての経路の中から、移動距離の合計値が最小となる経路及び作業IDの組み合わせ、自動運転計画Pとする。
農機がトラクタ100である場合は、上記の説明変数として、インプル交換回数を採用してもよい。この場合、プロセッサ660は、インプルメント300の交換回数が最小となる経路及び作業IDの組み合わせを、農機001の自動運転計画Pとする。
〔作業車両による運転モードの切り替え処理〕
図11は、作業車両100の制御装置(電子制御ユニット)180が実行する、運転モード切り替え処理の一例を示す状態遷移図である。図11に示すように、運転モードの制御ステータスには、次の状態S1~S4が含まれる。なお、下記の「計画P1」は、管理サーバ600が作成した自動運転計画であり、下記の「計画P2」は、遠隔端末500が作成した自動運転計画である。
状態S1:自動運転1(計画P1に基づく自動運転)
状態S2:遠隔運転
状態S3:手動運転
状態S4:自動運転2(計画P2に基づく自動運転)
状態S1から状態S2への切り替えは、条件C1の成立を契機とする。条件C1は、自動運転計画Pに従う自動運転に対する「介入」の一種である。
条件C1には、少なくとも、遠隔開始要求の受信、通信状態の安定、及び作業車両100の稼働の停止が含まれる。
遠隔開始要求は、遠隔端末500が作業車両100宛てに送信する、作業車両100に遠隔運転の開始を要求する通信メッセージである。
通信状態の安定は、例えば、通信装置190が計測するRSSI(Received Signal Strength Indicator)、SNR(Signal Noise Rate)又はビット誤り率などの多寡により判定される。
作業車両100の稼働の停止は、IG電源がオンの状態において、作業車両100が走行しておらず、かつ、インプルメント300が駆動されていないことを意味する。
作業車両100の稼働の停止は、例えば、現在速度がゼロである時間長の多寡及びブレーキ操作の有無などから判定される。
状態S2から状態S1への切り替えは、条件C2の成立を契機とする。条件C2は、自動運転計画Pに従う自動運転に対する「介入の解除」の一種である。
条件C2には、少なくとも、遠隔終了要求の受信、自動運転が可能な状態、及び作業車両100の稼働の停止が含まれる。
遠隔終了要求は、遠隔端末500が作業車両100宛てに送信する、作業車両100に遠隔運転の終了を要求する通信メッセージである。
自動運転が可能な状態は、例えば、状態推定用のECU186が準備作業不要と判断したことにより判定できる。稼働の停止の判定方法は、上記と同様である。
状態S1から状態S3への切り替えは、条件C3の成立を契機とする。条件C3は、自動運転計画Pに従う自動運転に対する「介入」の一種である。
条件C3には、少なくとも、搭乗中の人間による直接操作の検出が含まれる。
直接操作には、例えば、ブレーキペダル操作、アクセルペダル操作、及びステアリング操作など、作業車両100の運転を試みる搭乗者が意図的かつ物理的に実行する少なくとも1つの操作が含まれる。
状態S3から状態S1への切り替えは、条件C4の成立を契機とする。条件C4は、自動運転計画Pに従う自動運転に対する「介入の解除」の一種である。
条件C4には、少なくとも、直接操作の所定時間(例えば20秒)にわたる非検出、自動運転が可能な状態であること、及び走行が停止したことが含まれる。自動運転が可能か否かの判定方法、及び走行の判定方法は、上記と同様である。
状態S1から状態S4への切り替えは、条件C5の成立を契機とする。条件C5は、例えば「変更応答」の送信である。変更応答は、計画P1から計画P2への変更要求の送信元である遠隔端末500に対する応答メッセージである。
状態S4から状態S1への切り替えは、条件C6の成立を契機とする。条件C6は、例えば「完了通知」の送信である。完了通知は、計画P2の変更要求の送信元である遠隔端末500に対する、計画P2に従う自動運転の完了を通知するメッセージである。
図11において、データD1は、自動運転1(管理サーバ600の計画P1に従った自動運転)の期間中に制御装置180が収集した実績データである。データD2は、手動運転の期間中に制御装置180が収集した実績データである。
データD3は、遠隔運転の期間中に制御装置180が収集した実績データである。データD4は、自動運転2(遠隔装置500の計画P2に従った自動運転)の期間中に制御装置180が収集した実績データである。
実績データD1~D4は、管理装置600に宛てて送信される。実績データD1~D4の送信周期は、所定時間(例えば数秒から数分)ごとであってもよいし、運転モードの切り替わり後に前回モード分の実績データを一度に送信することにしてもよい。
管理装置600のプロセッサ660は、受信した実績データD1~D4を記憶装置650の実績データベースDB1に格納する。また、プロセッサ660は、実績データD2~D4を計画用データの更新などに利用することもできる(図14参照)。
〔計画変更の通信シーケンス〕
図12は、管理端末400、管理サーバ600、及び作業車両100の三者間で実行される、計画変更の通信シーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図12において、「P1」は、管理サーバ600が作成した自動運転計画であり、「P2」は、遠隔端末500が作成した自動運転計画である。また、以下において、遠隔端末500、管理サーバ600、作業車両100を実行主体として説明するが、実際の実行主体は、それらのプロセッサ460、プロセッサ660、及び制御装置180である。
図12に示すように、ここでは、作業車両100が計画P1に従った自動運転を実行中(ステップS10)である場合に、遠隔端末500が、計画P2を含む変更要求のメッセージを作業車両100に送信したとする(ステップS11)。
この場合、作業車両100は、遠隔端末500に変更応答のメッセージを送信するとともに(ステップS12)、計画P2を含む変更通知のメッセージを管理サーバ600に送信する(ステップS13)。
次に、作業車両100は、参照する自動運転計画を計画P1から計画P2に変更し(ステップS14)、計画P2に従って自動運転を行う(ステップS16)。
変更通知のメッセージを受信した管理サーバ600は、自動運転計画を自身が作成した計画P1から通知された計画P2に変更し(ステップS17)、計画P2の完了を待機する(ステップS17)。
次に、作業車両100は、計画P2による自動運転が終了すると、完了通知のメッセージを遠隔端末500と管理サーバ600に送信する(ステップS18)。
その後、作業車両100は、実績データD4を作成し(ステップS19)、作成した実績データD4を管理サーバ600に送信する(ステップS20)。
実績データD4は、遠隔端末500が作成した計画P2に応じた自動運転の期間中に、作業車両100の制御装置180が収集した実績データである。
管理サーバ600は、受信した実績データD4を記憶装置650の実績データベースDB1に格納するともに、必要に応じて自動運転計画Pの再計算を実行する(ステップS21:図14参照)。
〔計画変更に伴う作業変更例〕
図13は、計画変更に伴う圃場作業の変更例を示す説明図である。
図13の例では、管理サーバ600の計画P1には、圃場の畝U1~U6を順番に畝立てするタスクが含まれ、遠隔端末500の計画P2には、2番目の畝U2をスキップして畝U1から畝U3に移動するタスクが含まれるとする。
この場合、作業車両100の制御装置180は、計画P2のタスクに応じて圃場を作業走行するための目標経路を作成し、作成した目標経路を移動するように作業車両100を制御する。また、制御装置180は、作業走行中に実績データD4を収集する。
従って、制御装置180が収集する実績データD4は、畝U2をスキップした経路での作業走行中に収集した移動軌跡データなどを含むデータとなる。
〔管理装置によるデータ格納及び更新〕
図14は、管理サーバ600によるデータ格納及び更新の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、管理サーバ600のプロセッサ660は、作業車両100から実績データD2~D4を受信したか否かを監視しており(ステップS31)、受信した場合は、受信した実績データD2~D4を記憶装置650の実績データベースDB1に格納する(ステップS32)。
前述の通り、実績データD2は、遠隔運転の期間中の実績データである。実績データD3は、手動運転の期間中の実績データである。また、実績データD4は、遠隔端末500が作成した自動運転計画P2に従う自動運転の期間中の実績データである。
なお、プロセッサ660は、自身が作成した自動運転計画P1に従う自動運転の期間中の実績データD1についても、記憶装置650の実績データベースDB1に格納する。
次に、プロセッサ660は、計画データベースDB2で管理されるデータのうち、更新が必要なデータの有無を判定する(ステップST33)。
具体的には、プロセッサ660は、計画データベースDB2で管理される静的データ及び動的データのうち、動的データの更新が必要か否かを判定する。その理由は、静的データは、運転モードが変わってもデータ内容が変化しないデータだからである。
ステップS33の判定結果が肯定的である場合は、プロセッサ660は、計画用データの更新を実行する(ステップS34)。具体的には、プロセッサ660は、更新が必要と判定した動的データの更新を行う。
ステップS33の判定結果が否定的である場合は、プロセッサ660は、ステップS34をスキップして処理を進める。
次に、プロセッサ660は、自動運転計画Pの再計算の要否を判定する(ステップST35)。この判定は、例えば、動的データを更新したか否かによって行われる。或いは、作業車両100からの自動運転計画の送信要求を加重条件としてもよい。
ステップS35の判定結果が肯定的である場合は、プロセッサ660は、自動運転計画Pを再計算する(ステップS35)。具体的には、プロセッサ660は、計画Pの再計算に更新後の動的データを用いる。ステップS35の判定結果が否定的である場合は、プロセッサ660は、ステップS36をスキップして処理を終了する。
〔介入後の作業変更の具体例〕
図15は、遠隔運転の介入後の作業変更の一例を示す説明図である。
ここでは、図10の自動運転計画Pを取得した農機IDが「100」である作業車両100(以下、「農機100」という。)が、最初のタスク(7時から8時に納屋Aから圃場Aへ移動)の自動運転(イベントE0)の実行中に、以下のイベントE1~E7が発生する場合を想定する。
イベントE1: 7:30に遠隔開始要求を受信(介入)
イベントE2: 7:30から9:00まで遠隔運転により圃場Cへ移動
イベントE3: 9:00から14:00まで遠隔運転により圃場Cで作業を実施
イベントE4:14:00に遠隔終了要求を受信(介入の解除)
イベントE5:14:00から14:10まで自動運転により圃場Cから圃場Bへ移動
イベントE6:14:10から18:10まで自動運転により圃場Bで作業を実施
イベントE7:18:10から19:30まで自動運転により圃場Bから納屋Aへ移動
またここでは、遠隔終了要求(イベントE4)は、直接又は農機100を介して管理装置600に通知され、イベントE4の直後に、管理装置600が再計算した自動運転計画Pを農機100が取得したものとする。
図15に示すように、E1発生後の農機100は、E1の発生地点から遠隔運転により圃場Cに移動し(E2)、操作ユーザ510の遠隔運転により圃場Cに対して所定の作業を行う(E3)。
E4発生後の農機100は、新たに管理装置600から取得した自動運転計画Pに則った自動運転により、圃場Cから圃場Bに移動し(E5)、当該自動運転により圃場Bに対して所定の作業を行う(E6)。
その後、農機100は、新たに管理装置600から取得した自動運転計画Pに則った自動運転により、圃場Bから納屋Aに移動する(E7)。
〔計画用データの更新例〕
図16は、図15のイベントE4が原因で実施される、農機現況テーブルT3の更新例を示す説明図である。
前述の通り、図15のイベントE4は遠隔運転による圃場Cでの作業であるから、農機100の現在位置は圃場C内であり、農機100の運転モードは遠隔運転である。
従って、農機現況テーブルT3の現在位置は、納屋Aから圃場Aまでの経路途中の座標値から、圃場C内の座標値に更新され、農機現況テーブルT3の現在ステータスは、自動運転中から例えば自動運転準備中に更新される。
農機100が収集する実績データD2には、移動実績データだけでなく、計測実測データや制御実績データも含まれる。従って、管理装置600のプロセッサ660は、例えばPTO使用有無、倍速使用有無、GNSS位置の履歴などから、遠隔作業による圃場Cでの作業内容を推定してもよい。
また、遠隔作業による作業内容を、操作ユーザ510による遠隔端末500への操作入力より管理装置600に通知すれば、管理装置600のプロセッサ660が圃場Cでの作業内容を直接的に特定できるようになる。
このように、遠隔作業による圃場Cの作業内容をプロセッサ660が特定できる場合には、農機現況テーブルT3の現在装着中のインプルを、特定した作業内容に対応するインプルに変更すればよい。
図17は、図15のイベントE4が原因で実施される、残タスクテーブルT4の更新例を示す説明図である。
ここでは、例えば管理装置600のプロセッサ660が特定した、イベントE4の圃場Cでの作業内容の対応作業IDが「作業007」であるとする。
この場合、プロセッサ660は、対応作業IDが作業007でかつステータスが「選択可」であるタスクID(図例ではタスク005)が存在する場合は、当該タスクIDのステータスを「済」に更新する。また、後続のタスクIDのステータスも、選択不可から選択可に更新される。
これにより、実際に完了したタスクが残タスクとなって、再計算される自動運転計画Pのタスクに誤って含められるのを未然に防止することができる。
また、管理装置600は、作業IDに対応する圃場マップMi(図7参照)の作業走行の経路を実績データとして管理してもよい。
この場合、管理装置600のプロセッサ660は、イベントE4の遠隔運転中に得られた農機100の作業走行の経路を、作業007の圃場マップM007の実績データとして保存してもよい。
〔自動運転計画の再計算例〕
図18は、再計算によって作成される自動運転計画Pの一例を示す説明図である。
図18において、「Pa」は、イベントE4の前の元の計画であり、「Pb」は、イベントE4の後の再計算により作成される計画である。
前述の通り、計画Pの算出には、設備テーブルT1、農機現況テーブルT3、及び残タスクテーブルT4が用いられる(図6の第4処理)。従って、農機現況テーブルT3及び残タスクテーブルT4の少なくとも1つが更新されると計画Pの内容も変化し得る。
図15の例では、圃場Cから圃場Bまでの移動距離は、圃場Cから圃場Aまでの移動距離よりも圧倒的に短い。このため、イベントE4(介入の解除)の発生時に元の計画Paに従って遠い方の圃場Aに向かうよりは、近い方の圃場Bに向かう方が所要時間又は移動距離などのコスト面で有利となる。
従って、図18に示すように、イベントE4の発生時点においてプロセッサ660が再計算(第4処理)を行えば、イベントE5,E6,E7を含む効率的な計画Pbが作成され得る。
〔実績データのフォーマット例〕
図19は、管理サーバ600の実績データベースDB1に蓄積される、移動軌跡データD11の一例を示す図である。
図19に示すように、移動軌跡データD11は、トラクタ100の位置情報の時系列データであり、時刻ごとの「農機位置」(緯度と経度)と「運転モード」とが含まれる。農機位置は、作業車両100の場合はインプルメント300の位置であってもよい。
移動軌跡データD11の運転モードには、所定のサンプリング周期で進行する各時刻における、作業車両100の運転モードの種別を表す識別情報が記される。
図19の例では、時刻t1から開始された運転モードが「自動運転(管理サーバ)」であり、時刻t11から開始された運転モードが「遠隔運転」であり、時刻t101から開始された運転モードが「自動運転(管理サーバ)」であることを意味する。
本実施形態では、管理サーバ600が作業車両100に自動運転計画P1を提供するだけでなく、遠隔端末500が自身で作成した自動運転計画P2を作業車両100に提供して計画を途中で変更することができる(図12参照)。
従って、移動軌跡データD11の運転モードにおける「自動運転」は、計画P1と計画P2のうちのいずれに準拠した自動運転であるかを識別できるように定義される。図19の例では、時刻t1から開始する自動運転、及び時刻t101から開始する自動運転のいずれもが、管理サーバ600の計画P1に従った自動運転である。
図20は、管理装置600の実績データベースDB1に蓄積される、作業実績データD12の一例を示す図である。
図20に示すように、移動軌跡データD11は、作業車両100の作業実績の時系列データであり、時刻ごとの「作業実績」と「運転モード」とが含まれる。作業実績には、一例として「車速」、「PTO回転数」及び「肥料散布量」が含まれる。
作業実績データD12の運転モードにも、所定のサンプリング周期で進行する各時刻における、作業車両100の運転モードの種別を表す識別情報が記される。
作業実績データD12の「自動運転」についても、計画P1と計画P2のうちのいずれに準拠した自動運転であるかを識別できるように定義される。図20の例では、時刻98:10:10から開始する自動運転が管理サーバ600の計画P1に従った自動運転であり、時刻98:40:13から開始する自動運転が遠隔端末500の計画P2に従った自動運転である。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
40 設定画面
41 日付表示部
42 農場地図
43 利用計画
44 農機情報
45 登録ボタン
100 作業車両(トラクタ)
101 車両本体
102 原動機(エンジン)
103 変速装置(トランスミッション)
104 タイヤ(車輪)
105 キャビン
106 操舵装置
107 運転席
110 測位装置
111 GNSS受信機
112 RTK受信機
115 IMU
116 処理回路
120 カメラ
130 障害物センサ
140 LiDARセンサ
150 センサ類
152 ステアリングホイールセンサ
154 切れ角センサ
156 車軸センサ
160 制御システム
170 記憶装置
180 電子制御ユニット
181 ECU(速度制御)
182 ECU(ステアリング制御)
183 ECU(インプルメント制御)
184 ECU(自動運転制御)
185 ECU(経路作成)
186 ECU(状態推定)
190 通信装置
200 操作端末
210 スイッチ群
220 ブザー
230 状態検出装置
240 駆動装置
300 インプルメント
340 駆動装置
380 制御装置
390 通信装置
400 第1端末装置(管理端末)
410 管理ユーザ
420 入力装置
430 表示装置
450 記憶装置
460 プロセッサ
470 ROM
480 RAM
490 通信装置
500 第2端末装置(遠隔端末)
510 操作ユーザ
520 入力装置
530 表示装置
540 操作装置
550 記憶装置
560 プロセッサ
570 ROM
580 RAM
590 通信装置
600 管理装置
650 記憶装置
660 プロセッサ
670 ROM
680 RAM
690 通信装置
800 ネットワーク
900 管理システム
T1 設備テーブル(設備データ)
T2 作業コストテーブル(作業コストデータ)
T3 農機現況テーブル(農機現況データ)
T4 残タスクテーブル(残タスクデータ)
P 自動運転計画
P1 自動運転計画
P2 自動運転計画

Claims (17)

  1. 運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置であって、
    前記農業機械のための自動運転計画を作成する処理装置と、
    前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信し、前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信する通信装置と、
    受信した前記実績データを記憶する記憶装置と、を備え、
    前記実績データは、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む、管理装置。
  2. 前記実績データは、更に、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した変更要求により実行される変更後の自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む、請求項1に記載の管理装置。
  3. 前記非自動運転は、
    人間が前記農業機械を直接的に操縦する手動運転、及び、操作端末を用いて前記農業機械を遠隔で操縦する遠隔運転のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の管理装置。
  4. 前記記憶装置は、
    前記自動運転計画に従う自動運転の期間、前記手動運転の期間、前記遠隔運転の期間、及び前記変更後の自動運転の期間のうちのいずれの期間に収集されたかを識別可能となるように前記実績データが蓄積されるデータベースを有する、請求項3に記載の管理装置。
  5. 前記手動運転の前記介入は、
    人間の直接操作の検出を条件とする、請求項3に記載の管理装置。
  6. 前記手動運転の前記介入の解除は、
    前記直接操作の所定時間にわたる非検出、自動運転が可能な状態、及び前記農業機械の稼働の停止を条件とする、請求項5に記載の管理装置。
  7. 前記遠隔運転の介入は、
    遠隔開始要求の受信、通信状態の安定、及び前記農業機械の稼働の停止を条件とする、請求項3に記載の管理装置。
  8. 前記遠隔運転の前記介入の解除は、
    遠隔終了要求の受信、自動運転が可能な状態、及び前記農業機械の稼働の停止を条件とする、請求項7に記載の管理装置。
  9. 前記記憶装置は、
    前記自動運転計画の作成に必要な計画用データを更に記憶し、
    前記処理装置は、
    前記介入又は前記変更要求があった後に前記計画用データの更新を実行した場合に、更新後の前記計画用データを今後に作成する前記自動運転計画の作成に使用する、請求項1又は請求項2の管理装置。
  10. 前記計画用データは、
    前記運転モードが変化してもデータ内容が変化しない静的データと、
    前記運転モードが変化するとデータ内容が変化し得る動的データと、を含み、
    前記処理装置は、前記動的データを前記介入又は前記変更要求があった場合の更新対象とする、請求項9に記載の管理装置。
  11. 前記静的データは、
    農場の設備データ、前記農場の利用計画、及び前記農場の農機情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の管理装置。
  12. 前記動的データは、
    前記農業機械の現況を表すデータ、及び前記自動運転計画を構成するタスクの進行状況を表すデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の管理装置。
  13. 運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置が行う、農業機械の管理方法であって、
    前記農業機械のための自動運転計画を作成するステップと、
    前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信するステップと、
    前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信するステップと、
    受信した前記実績データを記憶するステップと、を含み、
    前記実績データは、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む、管理方法。
  14. 運転モードに自動運転と非自動運転が含まれる農業機械と通信する管理装置として、コンピュータを動作させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記農業機械のための自動運転計画を作成するステップと、
    前記自動運転計画を前記農業機械宛てに送信するステップと、
    前記農業機械が収集する当該農業機械の実績データを受信するステップと、
    受信した前記実績データを記憶するステップと、を含み、
    前記実績データは、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に発生した介入により実行される非自動運転中に前記農業機械が収集したデータを含む、コンピュータプログラム。
  15. 運転モードに自動運転と手動運転が含まれる農業機械と、
    前記農業機械と通信する管理装置と、を備える農業機械の管理システムであって、
    前記管理装置は、
    前記農業機械のための自動運転計画を前記農業機械に送信し、
    前記農業機械は、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に手動運転への介入があった場合に、当該手動運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、
    受信した手動運転中の前記実績データを自身の記憶装置に記憶させる、管理システム。
  16. 前記運転モードは、更に、
    遠隔運転を含み、
    前記管理システムは、更に、
    前記農業機械と通信して当該農業機械に遠隔運転を実行させる遠隔端末を含み、
    前記農業機械は、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に遠隔運転の介入があった場合に、当該遠隔運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、
    受信した遠隔運転中の前記実績データを自身の前記記憶装置に記憶させる、請求項15に記載の管理システム。
  17. 前記遠隔端末は、
    自動運転の変更要求を前記農業機械に送信可能であり、
    前記農業機械は、
    前記自動運転計画に従った自動運転中に受信した前記変更要求により実行した変更後の自動運転中に収集した自機の実績データを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、
    受信した変更後の自動運転中の前記実績データを自身の前記記憶装置に記憶させる、請求項15又は請求項16に記載の管理システム。
JP2022208204A 2022-12-26 2022-12-26 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム Pending JP2024092342A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022208204A JP2024092342A (ja) 2022-12-26 2022-12-26 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム
PCT/JP2023/041696 WO2024142668A1 (ja) 2022-12-26 2023-11-21 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022208204A JP2024092342A (ja) 2022-12-26 2022-12-26 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024092342A true JP2024092342A (ja) 2024-07-08

Family

ID=91717070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022208204A Pending JP2024092342A (ja) 2022-12-26 2022-12-26 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024092342A (ja)
WO (1) WO2024142668A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6143716B2 (ja) * 2014-06-26 2017-06-07 株式会社クボタ 作業車
JP6968216B2 (ja) * 2016-05-09 2021-11-17 株式会社クボタ 資源補給システム、及び、作業車
JP7086616B2 (ja) * 2018-01-22 2022-06-20 株式会社クボタ 農業支援装置及び農業支援システム
CN114115214B (zh) * 2021-05-14 2024-04-05 丰疆智能科技股份有限公司 一种基于视觉的农机驾驶方法、系统、设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024142668A1 (ja) 2024-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240341216A1 (en) Travel control system for agricultural machine capable of performing remotely-manipulated traveling
US20240188475A1 (en) Agricultural assistance system and agricultural assistance method
US20240172577A1 (en) Control system for agricultural machine and agriculture management system
WO2023119871A1 (ja) 自動走行を行う農業機械のための経路計画システムおよび経路計画方法
WO2024142668A1 (ja) 管理装置、管理方法、コンピュータプログラム、及び管理システム
WO2023218688A1 (ja) 地図作成システムおよび経路計画システム
WO2023095856A1 (ja) 自動運転を行う農業機械のための経路計画システム
WO2023007835A1 (ja) 管理システム、および農業機械の圃場へのアクセスを管理するための方法
WO2023276340A1 (ja) 農業機械のための管理システム
WO2023106158A1 (ja) 自動運転を行う農業機械のための経路計画システム
WO2023238827A1 (ja) 農業管理システム
WO2024004881A1 (ja) 制御システム、制御方法および運搬車
EP4443259A1 (en) Travel control system for agricultural machinery capable of remote control travel
WO2023243369A1 (ja) 映像表示システムおよび作業車両
US20240317238A1 (en) Agricultural road identification system, control system, and agricultural machine
WO2023127557A1 (ja) 農業機械、農業機械に用いるセンシングシステムおよびセンシング方法
WO2023238724A1 (ja) 農業機械の自動走行のための経路生成システムおよび経路生成方法
WO2024004463A1 (ja) 走行制御システム、走行制御方法およびコンピュータプログラム
WO2023248909A1 (ja) 走行制御システム、農業機械および走行制御方法
JP7560412B2 (ja) 農業支援システム、農業機械の呼び出し経路を作成する装置および方法
WO2023127556A1 (ja) 農業機械、農業機械に用いるセンシングシステムおよびセンシング方法
WO2023127353A1 (ja) 農業機械、センシングシステム、センシング方法、遠隔操縦システム、および制御方法
WO2023119996A1 (ja) 障害物検出システム、農業機械および障害物検出方法
WO2023119986A1 (ja) 農業機械、および、農業機械に用いるジェスチャ認識システム
WO2024004486A1 (ja) 作業車両、制御方法および制御システム